JP6562623B2 - 固体酸化物型燃料電池用混合空気極材料、及び、固体酸化物型燃料電池 - Google Patents

固体酸化物型燃料電池用混合空気極材料、及び、固体酸化物型燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、固体酸化物型燃料電池用混合空気極材料に係り、更に詳細には、低温で焼結可能な混合空気極材料に関する。
燃料電池として、固体電解質(固体酸化物)を用いた固体酸化物型燃料電池(以下、SOFCということがある)が知られている。
この固体酸化物型燃料電池は、例えば、空気極、固体電解質、及び燃料極を備えた燃料電池セルを、多数積層してスタックを形成し、燃料極に燃料ガスを供給すると共に、空気極に空気を供給し、水素等の燃料と空気中の酸素とを固体電解質を介して化学反応させることによって電力を発生させるものである。
上記空気極に用いられる電極としては、一般に、ペロブスカイト型酸化物を含む電極ペーストを焼結して多数の気孔を形成した多孔質体が用いられる。電極を多孔質とすることで、3相界面の面積を増大させ、燃料電池の出力を向上させることができる。
特許文献1の特開2013−143242号公報には、ペロブスカイト型酸化物とセリウム酸化物との両方を含み、作動温度を低くできるコンポジット状態の固体酸化物型燃料電池のカソード形成用材料が開示されている。そして、前記カソード形成用材料によれば、ペロブスカイト型酸化物とセリウム酸化物との両方にセリウム(Ce)元素が含まれていることで、両酸化物粒子間の接触抵抗(粒子間の界面での電圧降下)が低減され、カソードの電子伝導性を向上できる旨が記載されている。
しかしながら、一般にセリウム酸化物の焼結温度はペロブスカイト型酸化物と同程度かそれ以上であるため、特許文献1に記載のものにあっては、ペロブスカイト型酸化物のみのカソード形成用材料の焼結温度よりも焼結温度が上昇し、電極材料の比表面積を増大できず電池出力の向上が十分でない。
すなわち、空気極(カソード)は接触抵抗低減のため、空気極材料粒子同士が電気的に充分接合されていることが要求され、燃料電池の高性能化には、一般的に1000℃を超える高温での焼結が必要とされる。
しかし、高温で焼結すると、物質移動が促進し、粒同士の接触面積が拡大するため、空気極の比表面積が小さくなる。
したがって、高温で焼結すると比表面積の減少により電気化学反応場が減少し、電池出力が低下するため、接触抵抗の低減と比表面積の増大とを両立させて燃料電池の高性能化を図ることは困難である。また、高温での焼結は生産性を低下させるため製造コストを低減させることは困難である。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、低温での焼結が可能で、電解質と空気極との接触抵抗の低減と、比表面積の増大とを両立させると共に、焼結温度の低温化により製造コストを低減できる混合空気極材料を提供することにある。
また、本発明は、空気極と固体電解質との剥離が長期に亘って防止され、接触抵抗が低減された固体酸化物型燃料電池を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、空気極を形成する空気極材料に、該空気極材料の平均一次粒径よりも小さくかつ上記空気極材料の結晶子径よりも小さい粒径の電解質材料を含有させることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記電解質材料粒子は粒径が小さく熱容量が小さいため、焼結性が向上し、空気極材料における物質の移動が始まる前から物質の移動が始まり、空気極材料粒子同士を結合させるため、空気極材料粒子の比表面積を減少させずに低温での焼結が可能になる。
したがって、本発明の固体酸化物型燃料電池用混合空気極材料は、空気極材料と電解質材料とを含有するものであり、該電解質材料の平均一次粒径が上記空気極材料の平均一次粒径よりも小さくかつ上記空気極材料の結晶子径よりも小さいことを特徴とする。
また、本発明の固体酸化物型燃料電池は、空気極と電解質との積層構造を有する固体酸化物型燃料電池であり、空気極が固体電解質の電解質材料と同じ電解質材料を含有することを特徴とする。
本発明によれば、空気極材料の平均一次粒径よりも小さい電解質材料を含有することとしたため、空気極材料の移動が始まる前に電解質材料粒子の凸部が軟化し物質の移動が生じて焼結され、接触抵抗の低減と比表面積の増大とを両立できると共に、製造コストを低減できる固体酸化物型燃料電池用混合空気極材料を提供することができる。
また、本発明によれば、空気極を形成する混合空気極材料に、固体電解質に用いられる電解質材料と同じ電解質材料を含むこととしたため、空気極と固体電解質との熱膨張率差が小さくなり、空気極と固体電解質との剥離が長期に亘って防止された高出力の燃料電池が提供される。
本発明で用いた電解質材料(SDC)のTEM写真である。 比較例の電解質材料のTEM写真である。 電解質材料のXRD測定チャートである。 本発明で用いた空気極材料(LSCF)のTEM写真である。 本発明で用いた空気極材料(LSCF)のXRD測定チャートである。 固体酸化物型燃料電池の一例を模式的に示す断面構成図である。
本発明の固体酸化物型燃料電池用混合空気極材料について詳細に説明する。
本発明の固体酸化物型燃料電池用混合空気極材料は、空気極材料と電解質材料とが混合されたものであり、前記電解質材料の平均一次粒径が前記空気極材料の平均一次粒径よりも小さいものである。
<電解質材料>
電解質材料は、空気極材料の融点と同程度の融点(1500℃以上)を有するものであり、焼結助剤としては機能し難いものである。
本発明においては、空気極材料粒子の平均一次粒径よりも、電解質材料粒子の平均一次粒径が小さく、1粒子あたりの熱容量が小さく焼結性が高いものを用いる。したがって、空気極材料粒子において物質の移動が始まる温度以下で、電解質材料粒子において物質の移動が始まるため、電解質材料が焼結助剤として機能し、低温での焼結が可能になる。
すなわち、本発明においては、一次粒径が小さい電解質材料を用いることによって電解質材料の焼結性を向上させ、焼結助剤として機能させることで、焼結温度の大幅な低下が可能となる。
ここで、一次粒子とは複数の結晶子が結合し、粒成長したものであり、粒径は結晶子の粒径とほぼ同等なものから少し大きいものが存在する。本発明の電解質材料は、典型的には、後述する水熱成長法で作製されるものであり、結晶子径と一次粒径とがほぼ同じである。したがって、本発明の電解質材料の結晶子径は、空気極材料の結晶子径よりも小さくなることが好ましい。
なお、結晶子とは、結晶とみなせる最小の単位である。また、一次粒子と二次粒子とは電子顕微鏡で粒と粒との境目(粒界)を観察することで区別できる。
本発明の電解質材料粒子の一次粒子径は、空気極材料粒子の一次粒径よりも小さければ特に制限はないが、平均一次粒径が15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。平均一次粒径が15nm以下であることで、焼結助剤として特に有効に働く。
上記電解質材料粒子の一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)写真により測定できる。
また、空気極の比表面積増大のためには、物質の移動が起こり始める温度の差が大きいことが好ましく、用いる電解質材料や空気極材料にもよるが、電解質材料粒子の平均一次粒子径は、空気極材料粒子の平均一次粒径の2/3以下であることが好ましい。
さらに、電解質材料の平均二次粒子径は、空気極材料の平均二次粒子径よりも小さいことが好ましい。電解質材料の平均二次粒子径が小さいことで、空気極材料の二次粒子間にも焼結性に優れる電解質材料が入り込み、さらに焼結性を向上できる。
本発明の固体酸化物型燃料電池用混合空気極材料中の電解質材料の含有量は、運転温度や使用条件にもよるが、5質量%以上80質量%以下であることが好ましく、10質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。5質量%未満では焼結助剤としての効果が充分でない場合があり、80質量%を超えると空気極の性能が低下することがある。
上記電解質材料は、固体電解質型燃料電池の動作時に燃料極に導入される燃料ガス又は空気極に導入される酸化ガスの一方の、少なくとも一部をイオンとして移動させることができるイオン伝導性を有する。伝導するイオンとしては、例えば、酸化物イオンや水素イオン等が挙げられる。
具体的には、希土類元素ドープ酸化セリウムや、希土類元素ドープ酸化ジルコニウムが挙げられる。上記電解質材料は、蛍石型の結晶構造を有する固体酸化物であり、酸化物イオン電導性を有するため、混合による空気極性能の低下が防止される。
上記希土類元素ドープ酸化セリウムとしては、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、又はイッテルビウム(Yb)でドープされた酸化セリウムが挙げられ、また、希土類元素ドープ酸化ジルコニウムとしては、イットリウム(Y)、又はスカンジウム(Sc)ドープされたジルコニウム酸化物が挙げられる。これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
上記電解質材料は水熱成長法で作製することができる。水熱成長法とは、高温高圧下、水の存在下で結晶を成長させる方法であり、高圧下では常圧では水が気体となる温度でも水が液体のままで存在し、常温常圧では水に溶けない物質も容易に溶解し、均一かつ小粒径の電解質材料の微粒子を作製することができる。
電解質材料粒子の粒径は、電解質材料にもよるが、温度、圧力及び処理時間を調節することで調節することができ、水熱成長法によれば、一次粒径が5nm程度までの小粒径の電解質材料微粒子を得ることが可能である。
上記電解質材料は、他の焼結助剤に比し空気極材料に混合することで空気極性能を低下させることない。さらに、混合空気極材料中の電解質材料を、燃料電池の固体電解質と同じ材料にすることで、燃料電池としたときの空気極と固体電解質との熱膨張率差を小さくすることができ、空気極と固体電解質とを積層したときの剥離が防止される。したがって、燃料電池の耐久性及び電池出力を向上させることができる。
<空気極材料>
上記空気極材料としては、従来から固体酸化物型燃料電池の空気極に用いられているペロブスカイト型酸化物材料を使用できる。
具体的には、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)、コバルト(Co)、鉄(Fe)を含む(La,Sr)(Co,Fe)O系複合酸化物(LSCF)、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)、コバルト(Co)を含む(La,Sr)CoO系複合酸化物(LSC)、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)、マンガン(Mn)を含む(La,Sr)MnO系複合酸化物(LSM)、ランタン(La)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)を含む(La,Ni)CoO系複合酸化物(LNC)、ランタン(La)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)を含む(La,Ni)FeO系複合酸化物(LNF)、ストロンチウム(Sr)、サマリウム(Sm)、コバルト(Co)を含む(Sr,Sm)CoO系複合酸化物(SSC)を挙げることができる。これらは、一種又は2種以上を混合して用いてもよい。
中でも、LSCFやLSC等のランタンストロンチウムコバルタイト系酸化物は、酸化物イオン導電性が高い一方で、熱膨張率が高い傾向にある。したがって、燃料電池の運転時のヒートサイクルによる固体電解質との剥離やクラック等の不具合が生じ易いものであるが、本発明の混合空気極材料とすることで、前記不具合の発生を防止できる。
上記空気極材料の平均一次粒径は、10nm以上20nm以下であることが好ましい。10nm未満にするのは困難であり、20nmを超えると比表面積が低下し電池出力が低下することがある。
上記空気極材料は、空気極材料を構成する各構成元素の硝酸塩や水酸化物等を所定のモル比になるよう秤量し、クエン酸法、共沈法等により原料粉末を得て、乾燥・焼成することで作製できる。
<燃料電池>
本発明の固体酸化物型燃料電池を説明する。図6は、固体酸化物型燃料電池の一例を模式的に示した断面構成図である。
支持体となる薄板状あるいはシート状の燃料極1と、該燃料極1の表面に形成された固体電解質膜2と、該固体電解質膜2の表面に形成された薄板状あるいはシート状の空気極3とが積層された構造を有する。
そして、燃料極1に燃料ガス(典型的には水素(H)であるが炭化水素(メタン(CH))等でもよい。)を供給し、空気極3に酸素(O)を含む気体(空気)を流し、燃料電池に電流を印加すると、空気極3において、空気中の酸素が、酸化物イオンとなる。 該酸化物イオンは、空気極3から固体電解質2を介して燃料極1に供給される。そして、該燃料極1において、燃料ガスと反応して水(HO)を生成し、電子を放出し、発電が行われる。
本発明の固体酸化物型燃料電池は、適用する燃料電池の構成や製造プロセスにもよるが、燃料極、固体電解質膜等の積層体を予め作製し、その積層体の上に、印刷法や蒸着等によって、上記混合空気極材料を含む層を形成し焼結させることで空気極が形成され、燃料電池が作製される。
固体電解質層上に形成された混合空気極材料の焼結温度は、800℃以上1000℃未満であることが好ましい。本発明の混合空気極材料は低温での焼結が可能であり、焼結温度が1000℃以上であると空気極の比表面積が低下して電池出力が低下することがある。
上記空気極の膜厚はセルの構造等に応じて適宜決定すればよく特に限定されないが、例えば20〜50μmであることが好ましい。
上記固体電解質層としては、上記混合空気極材料に用いる電解質材料を用いることができ、例えば、希土類元素ドープセリア系固体酸化物電解質や、希土類元素ドープジルコニウム系固体酸化物電解質が挙げられる。
固体電解層の膜厚は、固体電解質層の緻密性が維持される程度に厚くする一方、燃料電池として好ましい酸素イオン又は水素イオンの伝導度を供し得る程度に薄くなるよう、両者をバランスさせて設定され、0.1μm〜50μmが好ましく、1μm〜20μmがより好ましい。
上記燃料極としては、多孔質構造を有し、供給される燃料ガスと接触できるように構成されていればよく、従来から固体酸化物型燃料電池に用いられている材料を使用することができる。
例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)その他の白金族元素、コバルト(Co)、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)等からなる金属および/または金属元素のうちの1種類以上から構成される金属酸化物が挙げられる。これらは、一種又は二種以上を混合して用いてもよい。
燃料極の膜厚は、耐久性、熱膨張率等から、20μm〜1mmが好ましく、20μm〜250μmであることがより好ましい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<電解質材料1の作製>
硝酸セリウム(Ce(NO)と硝酸サマリウム(Sm(NO)とを、モル比でCe:Smが8:2になるように秤量して純水に溶かし、この溶液0.5Mにオレイン酸ナトリウムを0.5M加え、さらにアンモニア水5mLを加えてpHを10〜11に調整し、電解質原料の溶液を得た。
電解質原料の溶液をオートクレーブに入れ、200℃、16〜17気圧で6時間水熱処理した後、蒸留水で洗浄し、80℃で4時間乾燥させた。得られた微粉末を500℃で4時間焼成して[電解質材料1(SDC)]を得た。
上記[電解質材料1]の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図1に示す。TEM写真から求めた平均一次粒径はおよそ8nmであった。
また、X線回析(XRD)の結果から、[電解質材料1]の平均結晶子径は8nmであった。
結晶子径は次式(1)によって計算した。
D=Kλ/βcosθ ・・・(1)
但し、Dは結晶子径、βは半値幅、Kはシェラー定数(SDCは0.9)、λは測定波長、θは回折角である。
<電解質材料2>
比較例として、市販の電解質材料(SDC、AGCセイミケミカル株式会社、LOTNO.06031001)を使用した。
上記[電解質材料2]の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図2に示す。一次粒径は最小のものでも30nm程度であり、130nm程度の粗大粒子も存在していた。
また、X線回析(XRD)の結果から、[電解質材料2]の平均結晶子径は26nmであった。[電解質材料1]と[電解質材料2]の電解質材料のXRD結果を図3に示す。
<空気極材料の作製>
硝酸ランタン(La(NO)、硝酸ストロンチウム(Sr(NO)、硝酸鉄(Fe(NO)、及び、硝酸コバルト(Co(NO)を、La:Sr:Fe:Coがモル比で6:4:2:2になるように秤量して純水に溶解し、モル比でLSCF原料:クエン酸が1:1になるようにクエン酸を加え60℃で湯煎し、さらにLSCF原料:オレイン酸ナトリウムがモル比で1:1になるようにオレイン酸ナトリウムを加え、60℃で湯煎した。
さらに、アンモニア水を加えpHを7〜8に調節した後、60〜80℃で2時間乾燥させて原料粉末を得た。
上記原料粉末を徐々に温度を上げて焼成し[空気極材料(LSCF)]を得た。
焼成条件は、130℃で1時間加熱した後、200℃で1時間加熱し、その後さらに500℃で2時間加熱して行った。
上記[空気極材料]の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図4に示す。TEM写真から求めた平均一次粒径は16nmであった。
また、X線回析(XRD)の結果を図5に示す。
X線回析(XRD)の結果から、[空気極材料]の平均結晶子径は15nmであった。
なお、LSCFのシェラー定数は1.33、βは積分幅とした。
<焼結性評価>
以下の条件でペレット状に成形し、焼結後のペレットの重量を電子天秤で測定し、ノギスで寸法を測定して、ペレットの密度を測定した。
測定密度と理論密度との比(測定密度/理論密度)から焼結性(相対密度)を評価した。
なお、電解質材料1、電解質材料2、空気極材料各々の理論密度は各々のXRDの結果から、リートベルト解析することで求めた。また、比較例1、実施例1〜3の理論密度は、前記電解質材料1、電解質材料2、空気極材料各々の理論密度及び混合比から求めた。
[ペレット作製条件]
粉末重量:0.22g
油圧プレス機面圧:200MPa
ペレット寸法:直径10mm 厚さ1mm
[焼結条件]
毎分4℃で昇温させ、900℃で4時間焼結させた。
[空気極材料]の焼結性を上記の方法で評価した。[空気極材料]の焼結性(相対密度)は65%であった。
[比較例1]
上記[電解質材料2]の含有量が20質量%になるように[空気極材料]と混合し、[混合空気極材料1]を得た。
[混合空気極材料1]の焼結性を上記方法で評価した。[混合空気極材料1]の焼結性(相対密度)は60%であり、[空気極材料]単体よりも焼結性が低下した。
[実施例1]
上記[電解質材料1]の含有量が5質量%になるように[空気極材料]と混合し、[混合空気極材料2]を得た。
[混合空気極材料2]の焼結性を上記方法で評価した。[混合空気極材料2]の焼結性(相対密度)は67%であり、[空気極材料]単体よりも焼結性が向上した。
[実施例2]
上記[電解質材料1]の含有量が10質量%になるように空気極材料と混合し、[混合空気極材料3]を得た。
[混合空気極材料3]の焼結性を上記方法で評価した。[混合空気極材料3]の焼結性(相対密度)は70%であり、[空気極材料]単体よりも焼結性が向上した。
[実施例3]
上記[電解質材料1]の含有量が20質量%になるように空気極材料と混合し、[混合空気極材料4]を得た。
[混合空気極材料4]の焼結性を上記方法で評価した。[混合空気極材料4]の焼結性(相対密度)は74%であり、[空気極材料]単体よりも焼結性が向上した。
評価結果を表1に示す。
Figure 0006562623
上記評価結果より、本発明の固体酸化物型燃料電池用混合空気極材料は、焼結温度が同じであっても相対密度が高く焼結性が高いことから、同じ密度の空気極を得るには空気極材料単体よりも低い温度で焼結でき、製造コストを低減できることがわかる。
また、低い温度で焼結した空気極は比表面積が大きく、燃料電池の電池出力を向上できる。
1 燃料極
2 固体電解質膜
3 空気極
特開2013−143242号公報

Claims (8)

  1. 空気極材料と電解質材料とが混合された固体酸化物型燃料電池用混合空気極材料であって、
    該電解質材料の平均一次粒径が上記空気極材料の平均一次粒径よりも小さく、かつ上記空気極材料の結晶子径よりも小さいことを特徴とする固体酸化物型燃料電池用混合空気極材料。
  2. 空気極材料と電解質材料とが混合された固体酸化物型燃料電池用混合空気極材料であって、
    該電解質材料の平均一次粒径が15nm以下であり、かつ上記空気極材料の平均一次粒径よりも小さいことを特徴とする固体酸化物型燃料電池用混合空気極材料。
  3. 上記電解質材料を5質量%以上含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物型燃料電池用混合空気極材料。
  4. 上記電解質材料が、蛍石型の結晶構造を有する固体酸化物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の固体酸化物型燃料電池用混合空気極材料。
  5. 上記電解質材料が、希土類元素ドープ酸化セリウム又は希土類元素ドープ酸化ジルコニウムを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の固体酸化物型燃料電池用混合空気極材料。
  6. 上記空気極材料が、ペロブスカイト型酸化物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の固体酸化物型燃料電池用混合空気極材料。
  7. 上記空気極材料が、(La,Sr)(Co,Fe)O系複合酸化物(LSCF)を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の固体酸化物型燃料電池用混合空気極材料。
  8. 空気極と固体電解質とが積層された積層体を有する固体酸化物型燃料電池であって、上記空気極が請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の混合空気極材料を含み、上記電解質が上記混合空気極材料に含有される電解質材料を含有するものであることを特徴とする固体酸化物型燃料電池。
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