JP6561781B2 - サンルーフ装置 - Google Patents

Description

本発明は、サンルーフ装置に関するものである。

従来、サンルーフ装置としては、例えば特許文献１に記載されたものが知られている。このサンルーフ装置は、車両のルーフに形成された開口の周縁部に載置される枠状のベースパネル（ハウジング）と、該ベースパネルの下方でこれに取着される一対のガイドレール等を有するサンルーフユニットと、ベースパネルの上方に配置され開口を閉塞可能な複数のパネルとを備えて構成される。

通常、このようなサンルーフ装置では、開口の周縁部及びベースパネルの複数の締結部の全てを包囲するように開口の周縁部の全周に亘って途切れることなくベースパネルとの間に環状のシール部材が介装されており、該シール部材によって外部の水（シール部材の外周側に浸入した水）が内部に浸入することが抑えられている。

特開２００５−１６２０９９号公報（第２図）

ところで、ベースパネルを省略して、開口の周縁部にサンルーフユニットを直に載置することも検討されている。具体的には、サンルーフユニットを一対のガイドレール及びそれら両ガイドレールの先端同士を車両の幅方向に接続するハウジングにて枠状に成形することで、開口の周縁部に直に載置するものである。

この場合、前記に準じて開口の周縁部の全周に亘ってサンルーフユニットとの間に環状のシール部材を介装するのみでは、ガイドレール及びハウジングの結合部に生じる隙間を通じて外部の水が内部に浸入する可能性がある。

本発明の目的は、外部の水が内部に浸入することを抑制できるサンルーフ装置を提供することにある。

上記課題を解決するサンルーフ装置は、車両のルーフに形成された開口の車両の幅方向両縁部に載置された一対のガイドレール、並びに前記開口の車両の前後方向両縁部に載置され前記両ガイドレールの前端同士及び後端同士を車両の幅方向に接続する一対のハウジングからなる枠部を有し、前記開口を閉塞可能なパネルを支持するサンルーフユニットと、前記開口の周縁部の全周に亘って前記枠部との間に介装された環状の第１シール部材と、前記ガイドレール及び前記ハウジングが結合される部位の互いの対向面間に介装され、且つ、前記第１シール部材に突き合わされた第２シール部材とを備える。

この構成によれば、前記第１シール部材により、前記開口の周縁部及び前記枠部（両ガイドレール、両ハウジング）の間の隙間を通じて外部の水が内部に浸入することを抑制できる。また、前記ガイドレール及び前記ハウジングが結合される部位の互いの対向面間に介装された前記第２シール部材が前記第１シール部材に突き合わされていることで、当該対向面間の隙間を通じて外部の水が内部に浸入することを抑制できる。以上により、前記第１シール部材及び前記第２シール部材の協働で、前記開口の周縁部の全周に亘って途切れることなく外部の水が内部に浸入することを抑制できる。

上記サンルーフ装置について、前記第２シール部材は、前記ガイドレール及びフロントハウジングが結合される部位の互いの対向面間に介装されることが好ましい。
上記サンルーフ装置について、前記第２シール部材は、前記ガイドレール及びリヤハウジングが結合される部位の互いの対向面間に介装されることが好ましい。

本発明は、外部の水が内部に浸入することを抑制できる効果がある。

サンルーフ装置の一実施形態が適用されるルーフの斜視図であって、（ａ）、（ｂ）は閉状態及び開状態に相当する斜視図。 同実施形態のサンルーフ装置についてその構造を示す分解斜視図。 同実施形態のサンルーフ装置についてその構造を示す平面図。 （ａ）〜（ｃ）は、図３の４Ａ−４Ａ線、４Ｂ−４Ｂ及び４Ｃ−４Ｃ線に沿った断面図。 図３の５−５線に沿った断面図。

以下、サンルーフ装置の一実施形態について説明する。なお、以下では、車両の前後方向を「前後方向」といい、車両の高さ方向上方及び下方をそれぞれ「上方」及び「下方」という。また、車室内方に向かう車両の幅方向内側を「車内側」といい、車室外方に向かう車両の幅方向外側を「車外側」という。

図１（ａ）、（ｂ）に示すように、自動車などの車両のルーフ１０には、略四角形の開口１１が形成されるとともに、例えばガラス製又は樹脂製の板材からなる略四角形のフロントパネル１２、センターパネル１３及びリヤパネル１４が設置されている。フロントパネル１２及びリヤパネル１４は、開口１１の前部及び後部をそれぞれ常時閉塞するように取り付けられている。一方、センターパネル１３は、開口１１の前後方向中央部を開閉可能に取り付けられている。

図２に示すように、ルーフ１０には、開口１１の略四角環状の周縁部１１ａに合わせて略四角枠状に成形された枠部２１を有するサンルーフユニット２０が搭載されている。すなわち、枠部２１は、開口１１の車両の幅方向両縁部１１ｂに載置された一対のガイドレール２２、並びに開口１１の前後方向両縁部１１ｃに載置され両ガイドレール２２の前端同士及び後端同士を車両の幅方向にそれぞれ接続する一対のハウジングとしてのフロントハウジング２３及びリヤハウジング２４からなる。

各ガイドレール２２は、例えばアルミニウム合金の押出材からなり、基本的に長手方向に一定断面を有して前後方向に延在する。すなわち、ガイドレール２２は、略長尺状の意匠部２２ａを有するとともに、該意匠部２２ａの車内側端下端から車内側に延出する略溝状のガイド部２２ｂを有する。意匠部２２ａは、その前後方向の寸法がガイド部２２ｂの前後方向の寸法よりも大きく設定されており、該ガイド部２２ｂよりも前方及び後方にそれぞれ突出する前方突出部２２ｃ及び後方突出部２２ｄを有する。

なお、サンルーフユニット２０は、両ガイドレール２２のガイド部２２ｂに沿って前後方向に移動可能に支持された一対の摺動部材（図示略）を有する。両摺動部材には、それらの間に橋渡しされる状態でセンターパネル１３が連係及び支持されている。センターパネル１３は、両摺動部材の前後方向の移動に伴って開閉作動する。また、サンルーフユニット２０は、枠部２１の前部及び後部においてフロントパネル１２及びリヤパネル１４をそれぞれ支持する。

図３に併せ示すように、フロントハウジング２３は、例えば樹脂材からなり、車両の幅方向両端の各々には、ガイドレール２２の前端（前方突出部２２ｃ及びガイド部２２ｂの前端）を下方から受ける台座部２３ａが形成されている。つまり、ガイドレール２２の前端は、フロントハウジング２３の台座部２３ａに載置されている。リヤハウジング２４も同様であり、ガイドレール２２の後端は、台座部２３ａに準じたリヤハウジング２４の台座部（図示略）に載置されている。

ここで、枠部２１は、その延在方向に間隔をあけて配設された複数の締結具により周縁部１１ａの全周に亘ってこれに締結されている。具体的には、図４（ａ）に示すように、各ガイドレール２２は、意匠部２２ａの下部にボルト２５の頭部が嵌着されるとともに、周縁部１１ａを貫通するボルト２５の軸部にナット２６が螺合することでこれに締結されている。また、図４（ｂ）に示すように、フロントハウジング２３は、その前縁部にボルト２５の頭部が嵌着されるとともに、周縁部１１ａを貫通するボルト２５の軸部にナット２６が螺合することでこれに締結されている。リヤハウジング２４についても同様である（図示略）。

図２及び図４（ａ）、（ｂ）に示すように、周縁部１１ａには、複数の締結具（ボルト２５等）よりも外周側でその全周に亘って枠部２１との間に環状の第１シール部材３１が介装されている。従って、第１シール部材３１により、周縁部１１ａ及び枠部２１（両ガイドレール２２、フロントハウジング２３、リヤハウジング２４）の間の隙間を通じて外部の水（第１シール部材３１の外周側に浸入した水）が内部（第１シール部材３１の内周側、即ち室内）に浸入することを抑制できる。

また、図２及び図４（ｃ）に示すように、台座部２３ａの上面２３ｂ及びこれに対向するガイドレール２２の前端（前方突出部２２ｃ及びガイド部２２ｂの前端）の下面２２ｅの間（ガイドレール及びハウジングが結合される部位の互いの対向面間）には、第２シール部材３２が介装されている。図３に併せ示すように、この第２シール部材３２は、基本的に第１シール部材３１よりも開口１１の中心側に配置されており、第１シール部材３１に近付く先端において該第１シール部材３１に突き合わされている。つまり、第２シール部材３２は、台座部２３ａの上面２３ｂ及びガイドレール２２の前端の下面２２ｅが車両の高さ方向に重なる範囲において、第１シール部材３１に突き合わされる位置から開口１１の中心に最も近付く位置の全長に亘って延在している。従って、台座部２３ａの上面２３ｂ及びガイドレール２２の前端の下面２２ｅの間の隙間を通じて外部の水（第１シール部材３１の外周側に浸入した水）が内部（第１シール部材３１の内周側、即ち室内）に浸入することを抑制できる。

なお、リヤハウジング２４の台座部の上面及びこれに対向するガイドレール２２の後端（後方突出部２２ｄ及びガイド部２２ｂの後端）の下面の間にも、同様の第２シール部材（図示略）が介装されている。

図４（ａ）に示すように、意匠部２２ａの車内側端には、その前後方向の略全長に亘って、例えばＥＰＤＭゴム等の合成ゴムや熱可塑性エラストマー等からなる中空断面のウエザストリップ３５が嵌着されている。このウエザストリップ３５は、フロントパネル１２、センターパネル１３及びリヤパネル１４の車両の幅方向各側縁に液密的に接触しており、基本的にそれらとの境界部からの浸水を抑制する。一方、フロントハウジング２３には、ウエザストリップ３５の位置で下方に凹むドレン２３ｃが形成されるとともに、該ドレン２３ｃの下端で略筒状の排水口２３ｄが形成されている。この排水口２３ｄは、ドレンパイプ２７に嵌挿されており、該ドレンパイプ２７を通じて車外に連通している。従って、例えば圧力（水圧）等に起因するウエザストリップ３５の変形などによってその下方に浸入した水は、ドレン２３ｃ、排水口２３ｄ及びドレンパイプ２７を介して速やかに車外に排出される。

なお、図５に示すように、ガイドレール２２のガイド部２２ｂは、ウエザストリップ３５の下方に位置しており、車両の前方でドレン２３ｃに連通する。従って、例えば圧力（水圧）等に起因するウエザストリップ３５の変形などによってその下方に浸入した水は、ガイド部２２ｂからドレン２３ｃに導かれて同様に車外に排出される。

以上詳述したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
（１）本実施形態では、第１シール部材３１により、開口１１の周縁部１１ａ及び枠部２１（両ガイドレール２２、フロントハウジング２３、リヤハウジング２４）の間の隙間を通じて外部の水が内部に浸入することを抑制できる。また、ガイドレール２２及びフロントハウジング２３が結合される部位の互いの対向面間に介装された第２シール部材３２が第１シール部材３１に突き合わされていることで、当該対向面間の隙間を通じて外部の水が内部に浸入することを抑制できる。ガイドレール２２及びリヤハウジング２４が結合される部位の互いの対向面間についても同様である。以上により、第１シール部材３１及び第２シール部材３２の協働で、開口１１の周縁部１１ａの全周に亘って途切れることなく外部の水が内部に浸入することを抑制できる。

（２）本実施形態では、ウエザストリップ３５の変形などによってガイドレール２２よりも車内側からその下方に浸入した水を、水溜まりを生じることなくドレン２３ｃ、排水口２３ｄ及びドレンパイプ２７を介して速やかに車外に排出することができる。

（３）本実施形態では、従来例のようなベースパネル（ハウジング）を省略したことで、質量を低減することができるとともに、製造工数及びコストを削減することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。

・前記実施形態において、リヤハウジング２４は、リヤパネル１４の周縁部に沿って延在する略四角環状であってもよい。
・前記実施形態において、センターパネル１３及びリヤパネル１４の前後方向の境界部で両ガイドレール２２同士を車両の幅方向に接続するフレームを設けてもよい。ただし、ガイドレール２２及び当該フレームが結合される部位は、第１シール部材３１よりも内周側に配置することが好ましい。

・前記実施形態において、センターパネル１３の開閉作動において、チルトダウン状態のままスライド作動する、いわゆるインナースライディング式を採用してもよい。
・前記実施形態において、開口１１を閉塞可能なパネルの個数は任意である。また、当該パネルの可動及び固定も任意である。

１０…ルーフ、１１…開口、１１ａ…周縁部、１１ｂ，１１ｃ…縁部、１２…フロントパネル（パネル）、１３…センターパネル（パネル）、１４…リヤパネル（パネル）、２０…サンルーフユニット、２１…枠部、２２…ガイドレール、２２ｅ…下面（対向面）、２３…フロントハウジング（ハウジング）、２３ｂ…上面（対向面）、２４…リヤハウジング（ハウジング）、３１…第１シール部材、３２…第２シール部材。

Claims (3)

1. 車両のルーフに形成された開口の車両の幅方向両縁部に載置された一対のガイドレール、並びに前記開口の車両の前後方向両縁部に載置され前記両ガイドレールの前端同士及び後端同士を車両の幅方向に接続する一対のハウジングからなる枠部を有し、前記開口を閉塞可能なパネルを支持するサンルーフユニットと、
   前記開口の周縁部の全周に亘って前記枠部との間に介装された環状の第１シール部材と、
   前記ガイドレール及び前記ハウジングが結合される部位の互いの対向面間に介装され、且つ、前記第１シール部材に突き合わされた第２シール部材とを備えた、サンルーフ装置。
2. 前記第２シール部材は、前記ガイドレール及びフロントハウジングが結合される部位の互いの対向面間に介装された、請求項１記載のサンルーフ装置。
3. 前記第２シール部材は、前記ガイドレール及びリヤハウジングが結合される部位の互いの対向面間に介装された、請求項１記載のサンルーフ装置。