JP6560386B1 - 撹拌装置及び上水における水処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】液体を流入させながら撹拌を行う場合に、低動力で適切に、混合、及び均一分散を行うことができる。【解決手段】撹拌装置14は、水槽30と、水槽30内に設けられ、撹拌空間A1と撹拌空間A1よりも鉛直方向下側に設けられる流入空間A2とに区分けする隔壁部32と、水槽30に接続され、流入空間A2に液体を流入させる流入管34と、隔壁部32に設けられ、流入空間A2と撹拌空間A1とを連通する開口部62と、隔壁部32の鉛直方向上側の表面32aであって開口部62よりも放射方向外側に設けられ、複数の板状部材が放射方向に延在している静翼部66と、撹拌空間A1内であって開口部62よりも鉛直方向の上方に、鉛直方向から見て開口部62に重畳して設けられ、撹拌空間A1内の液体を撹拌する撹拌部72と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、撹拌装置及び上水における水処理システムに関する。
上水、すなわち上水道用の水は、例えば河川の水(原水)に凝集剤を添加してフロックを発生させ、そのフロックを除去することにより浄化して、各家庭などに供給される。凝集剤の添加の際は、凝集剤が原水に混合、分散するように、原水を撹拌する。その際、均一混合、分散作用を、効率的に低動力で実現する撹拌装置が求められている。
従来の撹拌装置では、この均一混合・分散作用を与える撹拌翼にタービン翼やパドル翼が用いられてきた。これらタービン翼やパドル翼は、基本的に水流に対する抵抗が大きく、混合・均一化を達成させるための消費動力が高いといった効率面での課題を抱えていた。
効率面での課題を解決し、均一混合・分散作用を効率的に低動力で実現する撹拌装置として、例えば特許文献1には、スラリーが混在する液体が貯留されている撹拌槽の底部にバッフルを配置し、撹拌槽の上部に設けられた撹拌装置で撹拌することにより、低動力でスラリーと液体とを撹拌する技術が記載されている。
特開平7−60093号公報
しかし、上水を撹拌する場合などにおいては、撹拌槽に原水を連続で流入させながら撹拌を行う必要がある。このような場合、特許文献1の構成では、撹拌による水流が、流入する原水の流れによって乱れるおそれがあり、そのまま適応することは困難である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、液体を流入させながら撹拌を行う場合に、低動力で適切に撹拌することができる撹拌装置及び上水における水処理システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の撹拌装置は、水槽と、前記水槽内に設けられ、撹拌空間と、前記撹拌空間よりも鉛直方向下側に設けられる流入空間とに区分けする隔壁部と、前記水槽に接続され、前記流入空間に液体を流入させる流入管と、前記隔壁部に設けられ、前記流入空間と前記撹拌空間とを連通する開口部と、前記隔壁部の鉛直方向上側の表面であって前記開口部よりも放射方向外側に設けられ、複数の板状部材が放射方向に延在している静翼部と、前記撹拌空間内であって前記開口部よりも鉛直方向の上方に、鉛直方向から見て前記開口部に重畳して設けられ、前記撹拌空間内の液体を撹拌する撹拌部と、を有する。
前記開口部の外周に全周にわたって設けられ、前記開口部の外周から鉛直方向上方に延在する筒部を有することが好ましい。
前記隔壁部は、鉛直方向上側の表面から鉛直方向下側の表面までを貫通する穴部が設けられており、前記隔壁部の鉛直方向上側の表面に配置される板部を更に有し、前記開口部は、前記板部の鉛直方向上側の表面から鉛直方向下側の表面までを貫通して前記穴部と連通することで、前記流入空間と前記撹拌空間とを連通し、前記筒部は、前記板部の鉛直方向上側の表面における前記開口部の外周から、鉛直方向上方に延在し、前記静翼部は、前記板部の鉛直方向上側の表面の前記筒部よりも放射方向外側に設けられることが好ましい。
前記撹拌部よりも鉛直方向上方に設けられ、鉛直方向から見て前記撹拌部の少なくとも一部の領域に重畳する邪魔板部を有することが好ましい。
前記撹拌部は、前記開口部を介して前記流入空間から流入してきた前記液体の水流を受けつつ、前記撹拌空間内の液体を撹拌することで、前記静翼部から前記撹拌部に向けて螺旋状に上昇する上昇水流と、前記撹拌部の周囲から前記静翼部の周囲に向けて螺旋状に下降して前記静翼部まで流れる下降水流とを発生させることが好ましい。
前記撹拌部よりも鉛直方向の上方に設けられ、前記撹拌空間内の液体を外部に流出させる流出口を更に有することが好ましい。
前記液体に凝集剤を添加する凝集剤添加部を有することが好ましい。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の撹拌装置は、水槽と、前記水槽内に設けられ、撹拌空間と、前記撹拌空間よりも鉛直方向下側に設けられる流入空間とに区分けする隔壁部と、前記水槽に接続され、前記流入空間に液体を流入させる流入管と、前記隔壁部の鉛直方向上側の表面に設けられ、複数の板状部材が放射方向に延在している静翼部と、前記隔壁部の鉛直方向上側の表面から鉛直方向下側の表面までを貫通して、前記流入空間と前記撹拌空間とを連通する複数の開口部と、前記撹拌空間内であって前記開口部よりも鉛直方向の上側に設けられ、前記撹拌空間内の液体を撹拌する撹拌部と、を有する。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の水処理システムは、前記撹拌装置を有する、上水における水処理システムである。
本発明によれば、液体を流入させながら撹拌を行う場合に、低動力で適切に撹拌することができる。
図1は、第1実施形態に係る水処理システムの模式的なブロック図である。 図2は、第1実施形態に係る撹拌装置の模式図である。 図3は、第1実施形態に係る撹拌装置の模式図である。 図4は、第1実施形態に係る撹拌装置の動作を説明する模式図である。 図5は、第2実施形態に係る撹拌装置の模式図である。 図6は、第2実施形態に係る撹拌装置の模式図である。 図7は、第3実施形態に係る撹拌装置の模式図である。 図8は、第4実施形態に係る撹拌装置の模式図である。 図9は、第5実施形態に係る撹拌装置の模式図である。 図10は、第5実施形態に係る撹拌装置の模式図である。
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
(第1実施形態)
(水処理システムの構成)
最初に、第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る水処理システムの模式的なブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る水処理システム100は、着水井12と、撹拌装置14と、フロック成長槽16と、沈殿槽18と、ろ過槽20とを有する。水処理システム100は、着水井12に取り込んだ原水W1に水処理を行い、上水W5として外部に供給するシステムである。すなわち、水処理システム100は、浄水施設であり、上水(上水道用の水)W5を各家庭などに供給するための施設である。
着水井12は、原水W1を取り込む施設である。着水井12は、例えば河川などからの原水W1が流入され、後段の各設備で水処理を行うために原水W1の流量調整を行う水槽である。
撹拌装置14は、着水井12から原水W1が流入する水槽である。撹拌装置14は、水槽の内部に原水W1が流入され、この原水W1に凝集剤Pを添加しつつ、原水W1を撹拌する撹拌用の水槽設備である。撹拌装置14の詳細な構成については後述する。撹拌装置14は、凝集剤Pが添加されて撹拌された原水W1を、添加水W2として、後段のフロック成長槽16に供給する。
フロック成長槽16は、複数の水槽16Aを有し、各水槽16A内に撹拌機16Bが備えられている。フロック成長槽16は、水槽16A内に添加水W2を貯留し、貯留した添加水W2を撹拌機16Bで撹拌する。撹拌機16Bの撹拌速度(回転速度)は、後述する撹拌装置14が有する撹拌ユニット38の撹拌速度(回転速度)より低い。フロック成長槽16は、撹拌機16Bで添加水W2を撹拌することにより、添加水W2内にフロックを生成させ、そのフロックを成長させる。なお、フロック成長槽16は、複数の水槽16Aを有していなくてもよく、1つの水槽16Aのみ有していてもよい。
沈殿槽18は、フロック成長槽16でフロックが成長された添加水W2である、フロック含有水W3が流入する。沈殿槽18は、このフロック含有水W3を貯留することで、成長したフロックを沈殿させる。これにより、沈殿槽18は、フロック含有水W3を、フロックと上澄み水W4とに分離する。すなわち、上澄み水W4は、フロック含有水W3からフロックを分離した水である。
ろ過槽20は、沈殿槽18から上澄み水W4が流入する。ろ過槽20は、例えば砂ろ過を行うろ過部22を備えている。ろ過槽20は、上澄み水W4を、ろ過部22によりろ過して、上澄み水W4から微小な固形成分を分離する。ろ過槽20は、固形成分を分離した上澄み水W4を、上水W5として、外部に放出する。以下、原水W1、添加水W2、フロック含有水W3、上澄み水W4、上水W5を互いに区別しない場合は、水Wと記載する。水処理システム100は、以上のような構成を有している。
(撹拌装置の構成)
以下、撹拌装置14について詳細に説明する。図2及び図3は、第1実施形態に係る撹拌装置の模式図である。図2は、撹拌装置14の断面図であり、図3は、撹拌装置14の上面図である。図2に示すように、撹拌装置14は、水槽30と、隔壁部32と、流入管34と、連通ユニット36と、撹拌ユニット38と、凝集剤添加部40と、制御部42とを有する。撹拌装置14は、水槽30内に原水W1を取り込み、原水W1に凝集剤Pを添加しつつ原水Wを撹拌し、凝集剤Pが添加されて撹拌された原水W1を、添加水W2として外部(ここではフロック成長槽16)に放出する。
図2及び図3に示すように、水槽30は、内部に原水W1が流入する水槽である。水槽30は、直方体状の水槽であるが、例えば円柱状の水槽であってもよく、その形状は任意である。水槽30は、底面部30Aと側壁部30Bとを有する。底面部30Aは、水槽30の底面である。側壁部30Bは、底面部30Aの外周に沿って設けられており、底面部30Aの外周から鉛直方向上方に延在する。以下、Z方向を鉛直方向とし、Z方向に沿った水槽30の中心軸を、中心軸AXとする。また、中心軸AXを中心とした放射方向であって、中心軸AXから離れる方向、すなわち放射方向外側の方向を、R1方向とする。そして、中心軸AXを中心とした放射方向であって、中心軸AXに近づく方向、すなわち放射方向内側の方向を、R2方向とする。また、Z方向に沿った方向であって鉛直方向上方に向かう方向(地表から離れる方向)を、Z1方向とし、Z方向に沿った方向であって鉛直方向下方に向かう方向(地表に向かう方向)を、Z2方向とする。
水槽30は、幅、すなわち互いに対向する側壁部30B間の距離が3mであり、Z方向に沿った長さ、すなわち側壁部30Bの高さが4mである。ただし、水槽30の各方向の長さは、一例であり、任意である。
水槽30は、流入口50と流出口52とを有する。流入口50は、流入管34を介して原水W1が流入してくる開口である。流入口50は、水槽30の側壁部30BのZ2方向側の箇所に設けられた開口である。ただし、流入口50は、後述する隔壁部32よりもZ2方向側に開口していれば、その開口位置は任意である。流出口52は、添加水W2を外部(ここではフロック成長槽16)に放出する出口である。流出口52は、水槽30の側壁部30BのZ1方向側の端部に設けられた溝である。流出口52は、後述する撹拌ユニット38の撹拌部72よりもZ1方向側に設けられていることが好ましい。ただし、流出口52は、後述する隔壁部32よりもZ1方向側に設けられていれば、その形状及び位置は任意である。
図2及び図3に示すように、隔壁部32は、水槽30内に設けられる壁状(板状)の部材である。隔壁部32は、水槽30の底面部30AよりもZ1方向側に設けられ、底面部30Aに対して、Z方向に沿った方向から見て、重畳している。また、隔壁部32は、流出口52よりもZ2方向側に設けられ、流入口50よりもZ1方向側に設けられている。隔壁部32は、水槽30の内部を、撹拌空間A1と流入空間A2とに区分している。撹拌空間A1は、水槽30の内部の流出口52が設けられている側の空間であり、隔壁部32のZ1方向側の空間である。また、流入空間A2は、撹拌空間A1よりもZ2方向側の空間であって流入口50が設けられている側の空間であり、隔壁部32のZ2方向側の空間である。本実施形態においては、隔壁部32から側壁部30BのZ1方向側の端部までの距離は、隔壁部32から水槽30の底面部30Aまでの距離より長い。従って、撹拌空間A1は、流入空間A2より容積が大きい。
また、隔壁部32には、穴部56が開口している。穴部56は、隔壁部32の撹拌空間A1側(Z1方向側)の表面32aから、隔壁部32の流入空間A2側(Z2方向側)の表面32bまで貫通している。穴部56の中心軸は、中心軸AXとなる。従って、隔壁部32は、Z方向から見た水槽30の底面部30Aの全域のうち、穴部56が開口されている領域に重畳せず、穴部56よりもR1方向側(放射方向外側)の領域に重畳する。なお、本実施形態において、穴部56は円形の穴であるが、形状はこれに限られず任意である。また、穴部56の中心軸は、中心軸AXからずれた位置にあってもよい。また、穴部56の開口面積も、任意である。
図2に示すように、流入管34は、水槽30に接続される管であり、より詳しくは流入口50に接続されている。流入管34は、外部(ここでは着水井12)からの原水W1を、流入口50を介して水槽30の内部に流入させる。流入口50は、隔壁部32よりもZ2方向側、すなわち流入空間A2側に開口している。従って、流入管34は、流入空間A2に原水W1を流入させる。また、流入管34は、流量調整部34Aに接続されている。流量調整部34Aは、流入管34から流入空間A2内に流入する原水W1の流量を調整する。流量調整部34Aは、例えば開閉弁であり、制御部42によって開閉制御されることにより、原水W1の流量を調整する。
図2に示すように、連通ユニット36は、板部60と筒部64と静翼部66と固定部68とを有している。板部60は、板状の部材である。板部60は、一方の表面60aがZ1方向側の面となり、他方の表面60bがZ2方向側の面となるように、隔壁部32の表面32a上に設置される。すなわち、板部60は、表面60bが隔壁部32の表面32aに接触するように配置される。なお、板部60は、R1方向に沿った長さが、穴部56のR1方向に沿った長さより長くなっているため、穴部56よりもR1方向側まで占めている。なお、図3に示すように、板部60は、円形状であるが、形状はそれに限られず、例えば矩形状であってもよい。
また、図2に示すように、板部60には、開口部62が開口している。開口部62は、板部60の一方の表面60aから他方の表面60bまで貫通している。開口部62は、板部60の中心に重畳するように開口している。すなわち、板部60は、放射方向内側の領域が開口部62によって開口している。なお、開口部62は、円形状の穴であるが、形状はそれに限られず、例えば矩形状の穴であってもよい。
図2に示すように、板部60は、開口部62の中心が中心軸AXとなるように、隔壁部32に取付けられている。開口部62は、Z方向から見て隔壁部32の穴部56と重畳して、穴部56と連通する。すなわち、開口部62は、板部60を介して隔壁部32に設けられ、穴部56と連通することで、撹拌空間A1と流入空間A2とを連通している。このように、撹拌空間A1は、開口部62よりR1方向側の領域において、流入空間A2と隔離されている一方、開口部62が開口する領域において、流入空間A2に連通している。
また、開口部62の径、すなわちR1方向に沿った長さを、径D1とする。また、穴部56の径、すなわちR1方向に沿った長さを、径D0とする。この場合、径D1は、径D0より小さくなっている。なお、開口部62は、穴部56と連通するように設けられていればよく、開口部62の中心が中心軸AXからずれていてもよい。また、開口部62は、後述する筒部64及び静翼部66よりもR2方向側(放射方向内側)に設けられていれば、1つでなく複数設けられていてもよい。
図2に示すように、筒部64は、板部60の表面60aに設けられる筒状の部材である。筒部64は、一方の端部64aが、表面60aに接地しており、開口部62の外周に沿って設けられる。そして、筒部64は、一方の端部64aから他方の端部64bまで、表面60aから離れる方向、すなわちZ1方向側に延在している。筒部64は、一方の端部64aが開口部62と連通している。従って、筒部64は、内部の空間64cが、一方の端部64a(開口部62)から他方の端部64bまで、連通している。言い換えれば、筒部64は、開口部62の外周を囲いつつ、開口部62を、撹拌空間A1と流入空間A2とに連通するように、開放している。なお、筒部64は、円筒状の筒であるが、両端部が開口する筒状であれば、形状はそれに限られない。また、筒部64は、R1方向に沿った長さ、すなわち内径が、一方の端部64aから他方の端部64bまで一定であることが好ましい。ただし、筒部64は、内径が、他方の端部64bに向かうに従って小さくなってもよいし、他方の端部64bに向かうに従って大きくなってもよい。
図2及び図3に示すように、静翼部66は、板部60の表面60aに設けられる。静翼部66は、筒部64のR1方向側に設けられている。より詳しくは、図3に示すように、静翼部66は、複数の板状部材である板部66a、66b、66c、66dが、筒部64の外周に沿って並んで設けられている。板部66a、66b、66c、66dは、筒部64の外周のそれぞれの位置から、R1方向に向けて延在している。板部66a、66b、66c、66dは、一方の端部が筒部64の外周に接続されているが、筒部64から離間していてもよい。
板部66a、66b、66c、66dの配置をさらに詳しく説明する。図3に示すように、Z方向に直交する所定の方向をX1方向とし、X1方向と反対方向をX2方向とする。また、Z方向及びX1方向に直交する方向をY1方向とし、Y1方向と反対方向をY2方向とする。すなわち、R1方向及びR2方向は、Z方向に対する放射方向である一方、X1方向、X2方向、Y1方向、及びY2方向は、三次元座標における各方向である。この場合、板部66aは、中心軸AXよりもX1方向側であってY1方向側に位置しており、Y1方向に沿って延在している。板部66bは、中心軸AXよりもX1方向側であってY2方向側に位置しており、X1方向に沿って延在している。板部66cは、中心軸AXよりもX2方向側であってY2方向側に位置しており、Y2方向に沿って延在している。板部66dは、中心軸AXよりもX2方向側であってY1方向側に位置しており、X方向に沿って延在している。このように、板部66a、66b、66c、66dは、中心軸AXの放射方向(R1方向)に向かって延在しているが、放射方向に沿った位置から若干ずれた位置に配置されている。
板部66a、66b、66c、66dは、板部60の表面60aにこのような状態で固定されていて回転せず、静翼部66を構成している。静翼部66は、このように4つの板部66a、66b、66c、66dで構成されているが、板部の数はそれに限られない。
図2及び図3に示すように、固定部68は、板部60の表面60aに取付けられ、板部60を隔壁部32に対して固定する固定具である。固定部68は、例えば、板部60及び隔壁部32に設けられた穴に挿入されることで、板部60を隔壁部32に対して固定する。さらに言えば、固定部68は、ボルトであってよく、板部60及び隔壁部32に設けられたねじ穴に螺合されることで、板部60を隔壁部32に対して固定してもよい。なお、固定部68は、開口部62、より詳しくは静翼部66よりもR1方向側に設けられる。本実施形態では、固定部68は、4つ設けられるが、その数は任意である。
また、板部60には、排出穴部58が開口している。排出穴部58は、筒部64よりもR1方向側であって、穴部56の領域内に開口しており、板部60の表面60aから表面60bまで貫通している。また、排出穴部58の径は、穴部56の径より小さい。排出穴部58は、メンテナンス時に、撹拌空間A1、さらに詳しくは、後述の筒部64と隔壁部32と側壁部30Bとに囲まれる空間に溜まった水を、流入空間A2に排出する機能を有する。また、排出穴部58は、撹拌装置14の作動時に栓によって塞がれ、メンテナンス時に栓が抜かれて開口されてもよい。ただし、排出穴部58は、板部60でなく、隔壁部32に設けられて、表面32aから表面32bまで貫通していてもよい。また、排出穴部58は、必ずしも設けられなくてよい。
連通ユニット36は、以上のように構成される。
図2に示すように、撹拌ユニット38は、回転軸部70と撹拌部72とを有する。回転軸部70は、軸状の部材であり、制御部42により回転される。撹拌部72は、回転軸部70の先端に取付けられる複数の板状部材から構成される翼状部材である。撹拌部72は、回転軸部70の回転により、回転軸部70と一体で回転する。撹拌ユニット38は、回転軸部70の回転によって撹拌部72を回転させることで、原水W1を撹拌する。ただし、撹拌ユニット38は、原水W1を撹拌することが可能であれば、形状は任意である。すなわち、撹拌部72は、回転することで原水W1に水流を発生させる構造であれば、形状は任意である。
撹拌ユニット38は、回転軸部70の中心軸が中心軸AXと一致され、撹拌部72が水槽30の撹拌空間A1内に配置されるように、水槽30に配置される。撹拌ユニット38の撹拌部72は、連通ユニット36、すなわち開口部62よりもZ1方向側であって、流出口52よりもZ2方向側に位置している。撹拌部72は、Z方向に沿った方向から見て、開口部62に重畳した位置に設けられる。撹拌ユニット38は、Z方向から見て撹拌部72が開口部62に重畳していれば、回転軸部70の中心軸が、中心軸AXと一致していなくてもよい。
ここで、撹拌部72の外径、すなわちR1方向に沿った長さを、径D2とする。そして、静翼部66の外径、すなわちR1方向に沿った長さを、径D3とする。この場合、開口部62の径D1は、撹拌部72の径D2より小さいことが好ましい。径D1は、径D2に対し、2/3程度の長さであるが、長さの比率はそれに限られない。また、静翼部66の径D3は、撹拌部72の径D2より長いが、径D2以下の長さであってもよい。
図2に示すように、凝集剤添加部40は、水槽30の撹拌空間A1内に凝集剤Pを添加する装置である。凝集剤添加部40は、制御部42の制御により撹拌空間A1内に凝集剤Pを添加することで、撹拌空間A1内の原水W1に凝集剤Pを添加する。凝集剤Pは、原水W1中に含まれる微細な固形粒子を凝集させる薬品であり、例えばPAC(Polyaluminiumchloride ポリ塩化アルミニウム)であるが、これに限られない。また、凝集剤添加部40は、撹拌空間A1内の原水W1に凝集剤Pを添加するが、これに限られず流入空間A2の原水W1に凝集剤Pを添加してもよいし、流入管34内の原水W1に凝集剤Pを添加してもよい。
(撹拌装置の動作)
次に、撹拌装置14の動作、すなわち原水W1に凝集剤Pを添加して撹拌する動作について説明する。図4は、第1実施形態に係る撹拌装置の動作を説明する模式図である。図4に示すように、撹拌装置14は、制御部42が流量調整部34Aを制御することにより、流入管34を介して水槽30の流入空間A2に原水W1を流入させる。制御部42は、連続して流入空間A2に原水W1を流入させ続ける(連続運転)が、例えば原水W1の流入と流入停止とを切り替えてもよい(間欠運転)。制御部42は、原水W1の水槽30内での滞留時間、すなわち原水W1が水槽30に留まる時間が、所定時間となるように、原水W1の流入量を調整する。この滞留時間の所定時間は、1分以上5分以下であることが好ましい。なお、原水W1は、流入管34から水槽30内に流入し、流出口52から外部に流出するため、水槽30と原水W1の流入量とに基づき、滞留時間を設定可能である。
なお、本実施形態において、撹拌装置14による撹拌などの動作は、水槽30内に十分の原水W1が溜まってから開始される。この撹拌動作を行っている最中も、原水W1の流入は連続して行われているため、原水W1の流入と流出とは、続いている。すなわち、撹拌装置14は、原水W1を流入空間A2内に流入させつつ添加水W2を撹拌空間A1から流出させている状態で、撹拌ユニット38で撹拌しつつ、凝集剤添加部40で凝集剤Pを添加している。
流入空間A2に流入した原水W1は、図4の流入水流F1に示すように、穴部56及び開口部62を通って、撹拌空間A1に流入する。流入水流F1は、開口部62から撹拌部72まで、Z1方向に向かう水流である。ここで、開口部62は、板部60の表面60aから表面60bまで貫通した穴であるため、Z方向に向けて延在する穴であるといえる。従って、流入空間A2内に流入した原水W1は、開口部62内に流れ込む際に、Z1方向側に向かうように流れる。そのため、開口部62を通って撹拌空間A1に流入する原水W1は、流入水流F1に示すように、Z1方向に向かって流れる。さらに、開口部62の周囲には筒部64が設けられているため、原水W1は、開口部62から筒部64の内部の空間64cを通って、撹拌空間A1に流入する。そのため、原水W1は、内部の空間64c内において、Z1方向に向けて流れるように、より効果的に整流される。
また、開口部62のZ1方向側には、撹拌部72が設けられている。従って、開口部62及び内部空間64cを通って撹拌空間A1に流入した原水W1は、流入水流F1に示すように、Z1方向に流れて撹拌部72に向かう。
また、制御部42は、原水W1を流入させつつ、撹拌ユニット38を作動させ、撹拌部72を回転させる。静翼部66が配置されている状態で撹拌部72を回転させることにより、撹拌空間A1内には、上昇水流F2と下降水流F3とが発生する。上昇水流F2は、撹拌空間A1内において、流入水流F1よりR1方向側(放射方向外側)であって、下降水流F3よりもR2方向側(放射方向内側)に発生する原水W1の水流である。上昇水流F2は、静翼部66から撹拌部72に向かって螺旋状にZ1方向に向かう水流である。
下降水流F3は、撹拌空間A1内の上昇水流F2よりもR1方向側(放射方向外側)に発生する原水W1の水流である。下降水流F3は、撹拌部72の周囲、すなわち撹拌部72のR1方向側から、静翼部66の周囲、すなわち静翼部66のR1方向側までを、螺旋状にZ2方向に向かう水流である。より詳しくは、下降水流F3は、撹拌部72からR1方向側、すなわち水槽30の側壁部30Bに向かい、そこからZ2方向に向かって、側壁部30Bに沿って螺旋状に流れる。そして、下降水流F3は、隔壁部32付近でR2方向側に向かい、静翼部66まで到達する。
流入水流F1により流入空間A2から流入して撹拌部72に到達した原水W1は、下降水流F3によって静翼部66の周囲まで下降することで、循環する。同様に、上昇水流F2により撹拌部72に到達した原水W1は、下降水流F3によって静翼部66の周囲まで下降することで、循環する。また、制御部42は、凝集剤添加部40に凝集剤Pを添加させている。従って、凝集剤Pは、下降水流F3に巻き込まれることで、原水W1内に分散する。撹拌装置14は、このように上昇水流F2と下降水流F3とを発生させることにより、水槽30全体に水流を発生させ、撹拌部72の撹拌速度やトルクなどを小さくしても、適切に撹拌を行うことができる。すなわち、この撹拌装置14は、低動力で適切に撹拌を行うことができる。
また、上述のように、流入空間A2から流入する原水W1は、流入水流F1により撹拌部72に向かうため、下降水流F3に巻き込まれて、撹拌空間A1内で適切に撹拌される。従って、この撹拌装置14によると、流入空間A2から流入する原水W1が撹拌されることなく流出口52に向かって流出される、いわゆるショートパスを抑制することができる。滞留時間が1から1.5分などの、原水W1の流れが速い場合、流入空間A2から流入する原水W1の流れ方向が整流されていないと、ショートパスのおそれが高くなる。それに対し、撹拌装置14は、このように原水W1が撹拌部72に向かうよう整流しているため、このように滞留時間が短く流れが速い場合でも、ショートパスを適切に抑制することができる。また、流入水流F1は、放射方向外側の下降水流F3と異なる経路となるため、下降水流F3と衝突して下降水流F3の流れの阻害を抑制することができる。
このようにショートパスを抑制することで、まだ凝集剤Pが分散していない原水W1は、流入水流F1に沿って流れ、下降水流F3と合流する。従って、撹拌装置14によると、原水W1に凝集剤Pを適切に分散させることが可能となる。すなわち、流入空間A2に流入してきた原水W1は、凝集剤Pが分散する前に流出口52から流出することが、抑制される。
なお、以上の説明では、撹拌装置14は、流入してきた原水W1に凝集剤Pを添加して撹拌を行うものであった。ただし、撹拌装置14は、原水W1に限られず、任意の液体に凝集剤Pを添加して撹拌を行う装置であってもよく、任意の液体に凝集剤Pを添加することなく撹拌を行う装置であってもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る撹拌装置14は、水槽30と、隔壁部32と、流入管34と、開口部62と、静翼部66と、撹拌部72とを有する。隔壁部32は、水槽30内に設けられ、水槽30内を、撹拌空間A1と流入空間A2とに区分けする。流入空間A2は、撹拌空間A1よりもZ2方向(鉛直方向下側)に設けられる。また、流入管34は、水槽30に接続され、流入空間A2に原水W1を流入させる。開口部62は、隔壁部32に設けられ、流入空間A2と撹拌空間A1とを連通する。静翼部66は、隔壁部32の鉛直方向上側の表面32aであって、開口部62よりもZ1方向側(放射方向外側)に設けられる。静翼部66は、板部66a、66b、66c、66d、すなわち複数の板状部材が、放射方向に延在している。また、撹拌部72は、撹拌空間A1内であって開口部62よりもZ1方向側(鉛直方向上側)に設けられ、かつ、Z方向(鉛直方向)から見て開口部62に重畳して設けられる。撹拌部72は、撹拌空間A1内の原水W1を撹拌する。
この撹拌装置14は、撹拌空間A1と流入空間A2とを区分けする。そして、撹拌装置14は、撹拌空間A1内に静翼部66と撹拌部72とを設けることにより、上昇水流F2と下降水流F3とを発生させることができる。さらに、この撹拌装置14は、流入空間A2に原水W1が流入する構成としている。流入空間A2は、開口部62を介して撹拌空間A1に連通している。この開口部62は、Z方向から見て撹拌部72に重畳しているため、開口部62を通って撹拌空間A1内に流入する原水W1は、撹拌部72に向かって流れる。従って、撹拌空間A1内に流入した原水W1は、直接流出口52から流出することなく、下降水流F3に巻き込まれ、適切に撹拌される。そのため、この撹拌装置14は、上昇水流F2と下降水流F3とで低動力で適切に撹拌しつつ、ショートパスを抑制することができる。
また、原水W1を浄化して上水W5とする場合、凝集剤Pを添加する水槽30に対し、原水W1を底部から流入させ、原水W1を流入させ続けている状態で、凝集剤Pを添加しつつ撹拌を行うという構造とする場合がある。このように上水W5に用いる場合に、この撹拌装置14を用いると、撹拌空間A1内に静翼部66と撹拌部72とを設けて低動力で適切に撹拌することが可能となるため、上水W5の浄化を特に適切に行うことができる。また、低動力とすることで、電力削減や、撹拌部72のサイズを低下させることも可能となる。
また、撹拌装置14は、筒部64を有する。筒部64は、開口部62の外周に全周にわたって設けられ、開口部62の外周から鉛直方向上方(Z1方向)に延在する。筒部64は、鉛直方向上方に延在するため、撹拌空間A1内に流入する原水W1を内部に流すことで、原水W1を、より適切に撹拌部72に向かうように整流することができる。なお、撹拌装置14は、開口部62が設けられていれば、必ずしも筒部64を有していなくてもよい。
また、隔壁部32は、表面32aから表面32bまでを貫通する穴部56が設けられている。そして、撹拌装置14は、板部60を有する。板部60は、隔壁部32の表面32aに配置される。また、開口部62は、板部60の鉛直方向上側の表面60aから鉛直方向下側の表面60bまでを貫通して、穴部56に連通する。これにより、開口部62は、流入空間A2と撹拌空間A1とを連通する。筒部64は、板部60の表面60aにおける開口部62の外周から、鉛直方向上方に延在する。また、静翼部66は、板部60の表面60aの、筒部64よりもR1方向側に設けられる。この撹拌装置14は、板部60と筒部64と静翼部66とが連通ユニット36として一体で設けられて、隔壁部32に取付けられる。そして、その板部60に開口部62が開口している。従って、水槽30と隔壁部32とを有する設備に板部60を取り付けるだけで、撹拌装置14の構造とすることが可能となる。従って、板部60の構造によると、既存の設備に対して容易に撹拌装置14の構造を実現することができる。
また、撹拌部72は、開口部62を介して流入空間A2から流入してきた原水W1の流入水流F1を受けつつ、撹拌空間A1内の原水W1を撹拌することで、上昇水流F2と下降水流F3とを発生させる。上昇水流F2は、静翼部66から撹拌部72に向けて螺旋状に上昇する。下降水流F3は、撹拌部72の周囲から静翼部66の周囲に向けて螺旋状に下降して静翼部66まで流れる。撹拌部72は、開口部62からの原水W1の流入水流F1を受けるため、その原水W1を、下降水流F3に適切に巻き込ませることができる。従って、この撹拌装置14によると、ショートパスを適切に抑制することができる。
また、この撹拌装置14は、流出口52を有する。流出口52は、撹拌部72よりも鉛直方向の上方(Z1方向側)に設けられ、撹拌空間A1内の添加水W2を外部に流出させる。この流出口52は、撹拌部72よりもZ1方向側に設けられているため、流入空間A2から流入してきた原水W1が、撹拌部72と静翼部66との間で発生する水流に巻き込まれる前に流出口52から流出することを抑制する。従って、この撹拌装置14によると、ショートパスを適切に抑制することができる。
また、撹拌装置14は、原水W1に凝集剤Pを添加する凝集剤添加部40を有する。この撹拌装置14は、凝集剤添加部40により凝集剤Pを加えつつ原水W1を撹拌することで、原水W1中に凝集剤Pを適切に分散させることが可能となる。
また、本実施形態に係る水処理システム100は、撹拌装置14を有する、上水における水処理システムである。この水処理システム100は、撹拌装置14を有するため、上水の水処理を行う際に、低動力で適切に撹拌することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る撹拌装置14Aは、撹拌ユニット38Aが邪魔板部74を有する点で、第1実施形態と異なる。第2実施形態において第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
図5及び図6は、第2実施形態に係る撹拌装置の模式図である。図5及び図6に示すように、撹拌装置14Aは、撹拌ユニット38Aを有する。撹拌ユニット38Aには、邪魔板部74が設けられている。邪魔板部74は、回転軸部70の、撹拌部72が取付けられた箇所よりもZ1方向側に取付けられている。また、邪魔板部74は、撹拌部72よりもZ1方向側であって、水槽30の撹拌空間A1の内部に位置している。また、邪魔板部74は、流出口52よりもZ2方向側に位置している。
邪魔板部74は、回転軸部70からR1方向に向かって延在する板状部材である。邪魔板部74は、Z方向から見て撹拌部72の少なくとも一部の領域に重畳しており、Z方向から見て撹拌部72の全域に重畳することが好ましい。ここで、図6に示すように、Z方向から見た撹拌部72が位置する領域を、領域Lとする。領域Lは、撹拌部72が回転した場合の撹拌部72の先端の軌跡の内側の領域であるといえる。この場合、邪魔板部74は、領域Lの全域を覆うことが好ましい。また、ここで、邪魔板部74の外径、すなわちR1方向に沿った長さを、径D4とする。この場合、邪魔板部74の径D4は、撹拌部72の径D3よりも長いことが好ましい。また、邪魔板部74は、Z方向に沿った長さ(厚み)が、撹拌部72のZ方向に沿った長さ(厚み)より、短いことが好ましい。
また、邪魔板部74は、回転軸部70に取付けられているため、回転軸部70の回転により、回転軸部70及び撹拌部72と一体で回転する。ただし、邪魔板部74は、回転軸部70に取付けられていなくてもよく、回転軸部70及び撹拌部72と一体で回転しなくてもよい。
このように、邪魔板部74は、撹拌部72よりも鉛直方向上方に設けられ、鉛直方向から見て撹拌部72の少なくとも一部の領域に重畳する。ここで、流入水流F1により撹拌部72に向かってきた原水W1の一部は、撹拌部72の板状部材(翼)の間を通りぬけて、撹拌部72よりもZ1方向側に流れ込む可能性がある。この邪魔板部74は、撹拌部72よりもZ1側で撹拌部72に重畳するため、原水W1がさらにZ1方向側に流れこむことを抑制して、原水W1を下降水流F3に適切に合流させることができる。従って、撹拌装置14Aは、この邪魔板部74を設けることで、撹拌部72による撹拌を適切に行わせることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る撹拌装置14Bは、筒部64Bの形状が、第1実施形態と異なる。第3実施形態において第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
図7は、第3実施形態に係る撹拌装置の模式図である。図7に示すように、撹拌装置14Bは、連通ユニット36Bを有し、連通ユニット36Bは、筒部64Bを有する。筒部64Bは、一方の端部64a(開口部62)の内周側のエッジ部64dが、上に凸の曲面形状、すなわちR面取りされている。従って、筒部64Bは、エッジ部64d付近において、Z2方向に向かうに従って内径が大きくなっている。エッジ部64dは、R面取りにすることで、損失水頭を減少させて水深への影響を小さくすることができる。ただし、必ずしもR面取りしなくてもよい。
また、筒部64Bは、内部の空間64cに、整流部65が設けられている。整流部65は、筒部64Bの内壁面に、Z1方向に向かって螺旋状に設けられた板状部材である。整流部65は、内部の空間64c内をZ1方向に向けて流れる原水W1に対し、螺旋状の流れを与える。これにより、整流部65は、内部の空間64cから撹拌空間A1に流入する原水W1の流入水流F1Bを、撹拌部72に向かって螺旋状にZ1方向に向かう水流とする。整流部65は、流入水流F1Bの螺旋の方向を、上昇水流F2の螺旋の方向と同じとすることが好ましい。なお、整流部65は、筒部64Bの空間64c内を流れる原水W1に対し、螺旋状の流れを与える構造であれば、その形状は任意である。
このように、第3実施形態に係る撹拌装置14Bは、開口部62の周囲のエッジ部64dを、Z2方向に向かうに従って内径が大きくなっている形状とする。従って、この撹拌装置14Bによると、流入空間A2から筒部64Bの内部の空間64cに流入する際の圧損を抑制して、撹拌をより好適に行わせることができる。
また、撹拌装置14Bは、筒部64Bの内部の空間64cに、整流部65を設ける。整流部65は、筒部64Bの空間64c内を流れる原水W1に対し、螺旋状の流れを与える。従って、この撹拌装置14Bによると、撹拌空間A1に流入する原水W1の流入水流F1Bを螺旋状の流れにすることで、撹拌を促進して、結果として撹拌部72の動力を低減することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態に係る撹拌装置14Cは、開口部62Cが隔壁部32Cに開口している点で、第1実施形態と異なる。第4実施形態において第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
図8は、第4実施形態に係る撹拌装置の模式図である。第1実施形態から第3実施形態においては、開口部62は、板部60に開口しており、板部60を介して隔壁部32に設けられていた。ただし、第4実施形態に示すように、開口部62Cを隔壁部32Cに直接開口させてもよい。すなわち、図8に示すように、第4実施形態に係る隔壁部32Cには、開口部62Cが開口している。開口部62Cは、隔壁部32CのZ1方向側の表面32CaからZ2方向側の表面32Cbまでを貫通する。従って、開口部62Cは、流入空間A2と撹拌空間A1とを連通する。また、隔壁部32Cの表面32Caであって、開口部62Cの外周には、筒部64Cが設けられている。すなわち、第4実施形態の筒部64Cも、隔壁部32Cの表面32Caに設けられている。同様に、第4実施形態に係る静翼部66Cも、隔壁部32Cの表面32Caであって、筒部64CのR1方向側に設けられている。
このように、第4実施形態においては、開口部62C、筒部64C、静翼部66Cが、隔壁部32Cに直接設けられている。このような構造であっても、撹拌装置14Cは、第1実施形態と同様に、流入水流F1、上昇水流F2、及び下降水流F3を発生させることができるため、撹拌を適切に行うことができる。なお、第4実施形態においても、筒部64Cは必ずしも設けられていなくてもよい。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態に係る撹拌装置14Dは、隔壁部32Dに複数の開口部62Dが開口している点で、第1実施形態とは異なる。第5実施形態において第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
図9及び図10は、第5実施形態に係る撹拌装置の模式図である。第1実施形態から第4実施形態においては、開口部62は、静翼部66よりR2方向側(放射方向内側)に設けられていた。ただし、第5実施形態に示すように、複数の開口部62Dを、静翼部66よりR1方向側に設けてもよい。すなわち、図9に示すように、第5実施形態に係る隔壁部32Dには、複数の開口部62Dが開口している。開口部62Dは、隔壁部32DのZ1方向側の表面32DaからZ2方向側の表面32Dbまでを貫通する。また、隔壁部32Dの表面32Daには、静翼部66Dが設けられている。
ここで、図10に示すように、Z方向から見た隔壁部32Dの全域を、領域B1と領域B2とに区分する。領域B1は、領域B2のR2方向側(放射方向内側)の領域であり、Z方向から見て撹拌部72と重畳する領域が含まれる領域である。図10の例では、領域B1には、中心軸AX及び静翼部66Dが含まれる。また、領域B2は、領域B1のR2方向側(放射方向内側)の領域である。この場合、開口部62Dは、領域B1内に設けられ、領域B2内に設けられないことが好ましい。
ここで、中心軸AXから領域B1のR1方向側の端部までの長さを、長さD5とする。また、領域B1のR1方向側の端部から領域B2のR1方向側の端部までの長さを、長さD6とする。この場合、長さD5は、長さD6より長いことが好ましい。長さD5は、長さD6に対し、1倍以上2倍以下の長さであることが好ましい。
また、開口部62Dは、第1実施形態の開口部62より径が小さい。開口部62Dは、例えば水槽30の径の0.1%以上5%以下であることが好ましい。
このように、第5実施形態に係る撹拌装置14Dは、水槽30と、隔壁部32Dと、流入管34と、静翼部66Dと、複数の開口部62Dと、撹拌部72とを有する。隔壁部32Dは、水槽30内に設けられ、水槽30内を、撹拌空間A1と流入空間A2とに区分けする。流入空間A2は、撹拌空間A1よりもZ2方向に設けられる。また、流入管34は、水槽30に接続され、流入空間A2に原水W1を流入させる。静翼部66Dは、隔壁部32の鉛直方向上側の表面32aに設けられ、複数の板状部材が、放射方向に延在している。開口部62Dは、隔壁部32Dの表面32Daから表面32Dbまでを貫通して、流入空間A2と撹拌空間A1とを連通する。撹拌部72は、撹拌空間A1内であって開口部62DよりもZ1方向側に設けられ、撹拌空間A1内の原水W1を撹拌する。
撹拌装置14Dの複数の開口部62Dは、Z方向に向けて延在する穴である。従って、図9の流入水流F1Dに示すように、開口部62Dを通って撹拌空間A1に流入する原水W1は、Z1方向に向かって流れる。そして、撹拌部72は、開口部62DよりもZ1方向に位置しているため、開口部62Dを通って撹拌空間A1に流入する原水W1は、撹拌部72に向かって流れる。従って、第5実施形態に係る撹拌装置14Dも、第1実施形態と同様に、低動力で適切に撹拌を行うことができ、かつ、ショートパスを抑制することができる。
また、開口部62Dは、R2方向側の領域B1に設けられているため、開口部62Dを通る流入水流F1Dを、下降水流F3よりもR2方向側に適切に保つことができる。従って、この撹拌装置14Dは、ショートパスをより好適に抑制することができる。なお、第1実施形態と同様、各開口部62Dの外周に筒部64を設けてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態等の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態等の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
14 撹拌装置
30 水槽
32 隔壁部
32a、32b 表面
34 流入管
36 連通ユニット
38 撹拌ユニット
40 凝集剤添加部
42 制御部
60 板部
62 開口部
64 筒部
66 静翼部
W1 原水

Claims (6)

  1. 水槽と、
    前記水槽内に設けられ、撹拌空間と、前記撹拌空間よりも鉛直方向下側に設けられる流入空間とに区分けする隔壁部と、
    前記隔壁部の鉛直方向上側の表面から鉛直方向下側の表面までを貫通する穴部と、
    前記水槽に接続され、前記流入空間に液体を流入させる流入管と、
    前記隔壁部の鉛直方向上側の表面に配置される板部と、
    前記部に設けられ、前記板部の鉛直方向上側の表面から鉛直方向下側の表面までを貫通して前記穴部と連通することで、前記流入空間と前記撹拌空間とを連通する開口部と、
    前記開口部の外周に全周にわたって設けられ、前記開口部の外周から鉛直方向上方に延在する筒部と、
    前記部の鉛直方向上側の表面であって前記部よりも放射方向外側に設けられ、複数の板状部材が放射方向に延在している静翼部と、
    前記撹拌空間内であって前記開口部よりも鉛直方向の上方に、鉛直方向から見て前記開口部に重畳して設けられ、前記撹拌空間内の液体を撹拌する撹拌部と、
    を有する、
    撹拌装置。
  2. 前記撹拌部よりも鉛直方向上方に設けられ、鉛直方向から見て前記撹拌部の少なくとも一部の領域に重畳する邪魔板部を有する、請求項に記載の撹拌装置。
  3. 前記撹拌部は、前記開口部を介して前記流入空間から流入してきた前記液体の水流を受けつつ、前記撹拌空間内の液体を撹拌することで、前記静翼部から前記撹拌部に向けて螺旋状に上昇する上昇水流と、前記撹拌部の周囲から前記静翼部の周囲に向けて螺旋状に下降して前記静翼部まで流れる下降水流とを発生させる、請求項1又は請求項2に記載の撹拌装置。
  4. 前記撹拌部よりも鉛直方向の上方に設けられ、前記撹拌空間内の液体を外部に流出させる流出口を更に有する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の撹拌装置。
  5. 前記液体に凝集剤を添加する凝集剤添加部を有する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の撹拌装置。
  6. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の撹拌装置を有する、上水における水処理システム。
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