JP6558306B2 - 長尺材形状推定方法およびカテナリ制御システム - Google Patents

長尺材形状推定方法およびカテナリ制御システム Download PDF

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Description

本発明は、霧状水滴やヒュームの充満する連続ラインにおいて、走行する長尺材を撓ませた際の形状を推定する長尺材形状推定方法、および、長尺材の安定した走行に好適なカテナリ制御システムに関する。
鋼板プラントには、長尺材(例えば帯状の板金(特に鋼板)、条鋼)を連続的に一方向へ送り出し、この長尺材にメッキや焼鈍しなどの処理を連続的に施すラインがある。その中の一つに、熱間圧延で製造されたコイルに付着している酸化被膜などを酸で除去する酸洗設備がある。その設備は走行する鋼板を鉛直下向きに撓ませて、酸洗槽内を連続的に通過させるラインであり、酸洗槽の底に撓んだ鋼板を接触させずに酸液に浸している。
その際に過酸洗または酸洗不良を起こさないために、適度な撓み量に調整する制御システムが組み込まれている。その制御システムには、所望の鋼板の最下点の高さ(カテナリ量)を用いて関係式から目標速度や目標張力を概算し、目標値になるようにモータの速度や鋼板にかかる張力を調整する手法や、電磁気センサなどを設置してカテナリ量を計測し、モータへフィードバックしてモータの速度や鋼板にかかる張力を調整する手法が適用されている。(例えば、特許文献1,2参照)
特開2009−166100号公報 特開2012−26767号公報
従来のカテナリ量の算出方法は、長尺材形状を懸垂線(カテナリ曲線)とみなした近似式を用いて算出している。しかしながら、撓んだ鋼板が直線に戻ろうとする復元力が考慮されておらず、高精度な算出方法とは言えない。
また、カテナリセンサによるカテナリ量の計測値や、画像処理を利用したカテナリ制御もすでに実装されているが、酸による腐食等でセンサの故障が起きたり、悪環境の中でセンサと計測対象が遠いために感度が落ちたりする問題が起きている。また、センサや設置する設備に高額なコストがかかる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、特別なセンサを用いずに、長尺材形状を高精度に推定できる長尺材形状推定方法、および、目標カテナリ量を満たす長尺材の撓み部の目標長さを高精度に算出し、目標長さを維持しつつ長尺材を安定走行させるカテナリ制御システムを提供することを目的とする。
本発明の実施の形態は、上記の目的を達成するため、カテナリ制御システムであって、
酸液を溜めた酸洗槽と、
前記酸洗槽の入側に設けられた入側ブライドルロールと、
前記酸洗槽の出側に設けられた出側ブライドルロールと、を備え、
長尺材が、前記入側ブライドルロールと前記出側ブライドルロールとの間で前記酸液に浸かるように規定深さの撓みを持った状態で、前記長尺材が、前記入側ブライドルロールにより前記酸洗槽へ送り出され、前記出側ブライドルロールにより前記酸洗槽から槽外へ送り出される酸洗設備のカテナリ制御システムであって、
前記長尺材の弾性力による位置エネルギーと重力による位置エネルギーの両方を含む方程式を用いて、前記規定深さの撓みを満たす、前記入側ブライドルロールと前記出側ブライドルロールとの間の前記長尺材の目標長さを算出する目標長さ計算部と、
前記入側ブライドルロールが前記長尺材上に定めた基準位置以降に送り出した材の長さと、前記出側ブライドルロールが前記基準位置以降に送り出した材の長さとの差が、前記目標長さと一致するように、前記入側ブライドルロールおよび前記出側ブライドルロールの少なくとも一方の速度を制御する速度フィードバック制御部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の他の実施の形態は、上記の目的を達成するため、長尺材形状推定方法であって、
酸液を溜めた酸洗槽と、前記酸洗槽の入側に設けられた入側ブライドルロールと、
前記酸洗槽の出側に設けられた出側ブライドルロールと、を備える酸洗設備において、前記入側ブライドルロールと前記出側ブライドルロールとの間で前記酸液に浸かるように撓みを持たせた状態の長尺材の形状を推定する長尺材形状推定方法であって、
前記入側ブライドルロールと前記出側ブライドルロールとの間における前記長尺材の形状を、剛体リンクをばね関節で接続した折れ線で近似し、
後述する式(1)、式(2)、式(11)を用いて、前記長尺材の形状を示すθとベクトルpを算出すること、を特徴とする。
本発明によれば、長尺材の弾性力による位置エネルギーと重力による位置エネルギーの両方を含む方程式を用いることで、カテナリセンサ等の特別なセンサを用いずに、長尺材形状を高精度に推定できる。また、本発明によれば、上述の方程式を用いて、目標カテナリ量(規定深さ)を満たす長尺材の撓み部の目標長さを高精度に算出し、目標長さをフィードバック制御の目標値として用いて、目標長さを維持しつつ長尺材を安定走行させることができる。酸洗槽内の特別なセンサを必要としないため、設備コストや故障発生を抑制でき、歩留まり向上を図れる。
本発明の実施の形態1に係るカテナリ制御システムを適用した酸洗設備の構成図である。 入側ブライドルロール4と出側ブライドルロール5との間に形成される撓んだ長尺材18の形状について比較するための図である。 カテナリ部の長尺材18の形状を多数のリンクで近似した多リンク近似図である。 図3の点A付近の拡大図である。 本発明の実施の形態1に係るカテナリ制御システム12が有する機能の一部を示す機能ブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る長尺材形状算出部21が実行する制御ルーチンのフローチャートである。 カテナリ制御システム12が有する処理回路のハードウェア構成例を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施の形態1.
[実施の形態1のシステム構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係るカテナリ制御システムを適用した酸洗設備の構成図である。図1に示す酸洗設備1は、霧状水滴やヒュームの充満するような連続ラインに設けられる。
酸洗設備1は、酸液2を溜めた酸洗槽3、酸洗槽3の入側に設けられた入側ブライドルロール4、酸洗槽3の出側に設けられた出側ブライドルロール5、入側モータ軸6を介して入側ブライドルロール4に接続し入側ブライドルロール4を駆動する入側駆動モータ7、出側モータ軸8を介して出側ブライドルロール5に接続し出側ブライドルロール5を駆動する出側駆動モータ9、入側駆動モータ7の回転速度を検出する入側速度検出器10、出側駆動モータ9の回転速度を検出する出側速度検出器11を備える。長尺材18は、例えば帯状の板金(特に鋼板)、条鋼等である。
酸洗設備1では、長尺材18が、入側ブライドルロール4と出側ブライドルロール5との間で酸液2に浸かるように規定深さの撓みを持った状態で、長尺材18が、入側ブライドルロール4により酸洗槽3へ送り出され、出側ブライドルロール5により酸洗槽3から槽外へ送り出される。
酸洗設備1は、さらにカテナリ制御システム12を備える。カテナリ制御システム12は、入側速度積分器13、出側速度積分器14、速度補正演算器15、入側速度制御器16、出側速度制御器17、目標長さ計算部20を備える。
入側速度積分器13は、入側速度検出器10が検出した回転速度を積分する。この積分値および入側ブライドルロール4のロール径に基づいて、入側ブライドルロール4が送り出した材の長さを算出できる。同様に出側速度積分器14は、出側速度検出器11が検出した回転速度を積分する。この積分値および出側ブライドルロール5のロール径に基づいて、出側ブライドルロール5が送り出した材の長さを算出できる。
速度補正演算器15への入力は、目標長さLと実績長さLcとの差である。目標長さLは、入側ブライドルロール4と出側ブライドルロール5との間の長尺材18の長さの目標値であり、目標長さ計算部20により算出される。実績長さLcは、入側ブライドルロール4と出側ブライドルロール5との間の長尺材18の初期長さuに、入側ブライドルロール4がある時刻tから送り出した材の長さと、出側ブライドルロールが同時刻tから送り出した材の長さとの差を加えた値である。
なお、入側ブライドルロール4が長尺材18上に定めたある基準位置s(例えば材の先端)を送り出した時刻t、および、出側ブライドルロール5が基準位置sを送り出した時刻t(t<t)が得られる場合には、実績長さLcは、入側ブライドルロール4が基準位置s以降(時刻t以降)に送り出した材の長さと、出側ブライドルロール5が基準位置s以降(時刻t以降)に送り出した材の長さとの差で表される。この場合初期長さuは0である。
速度補正演算器15は、目標長さLと実績長さLcとの差を入力とし、フィードバックされる実績長さLcを目標長さLに一致させる速度補正値を算出し出力する。
入側速度制御器16は、ASR(Automatic Speed Regulator)やインバータ回路等を含む。入側速度制御器16は、入側駆動モータ7の回転速度を、速度基準値Vに速度補正値を加えた指令回転速度に一致させるように、入側駆動モータ7に電力を供給する。
出側速度制御器17は、ASRやインバータ回路等を含む。出側速度制御器17は、出側駆動モータ9の回転速度を速度基準値Vに一致させるように、出側駆動モータ9に電力を供給する。
上述のような構成において、酸洗設備1は、酸洗槽3の上部で長尺材18を撓ませてカテナリを形成させ、酸洗槽3の底部に接触させることなく酸液2に浸しながら通過させる。初期状態では、入側・出側ともに速度基準値Vでモータを駆動させ、出側のモータ速度を速度基準値Vに固定する。速度検出器10、11の検出値をそれぞれ積分し、ロール径を加味して入側・出側で通過した長尺材18の長さをそれぞれ算出する。これらの長さの差をとってブライドルロール間の長尺材18の長さ(実績長さLc)を算出する。そして、目標長さ計算部20におけるシミュレーションで予め求めた目標長さLと、実績長さLcとの差を速度補正演算器15へ入力し、速度補正演算器15の出力と速度基準値Vとの和を入側速度制御器16へ入力し、一定の長さLを維持するように速度フィードバック制御を実施する。
図2は、入側ブライドルロール4と出側ブライドルロール5との間(以下、カテナリ部とも記す。)に形成される撓んだ長尺材18の形状について比較するための図である。図2において、点Oは入側ブライドルロール4、点Aは出側ブライドルロール5の位置を示す。図2の上図は、カテナリ部の長尺材18の形状を、材の両端を持って垂らしたときにできる懸垂線(カテナリ曲線)であると仮定した図である。しかしながら、実際の長尺材18の形状は、図2の下図に示すように、点Oと点Aの付近が湾曲した滑らかな曲線(可微分曲線)である。そのため、長尺材18の形状を推定する場合に、図2の上図のように仮定するのは、撓んだ長尺材18が直線に戻ろうとする復元力が考慮されていないため、計算精度が十分とは言えない。そのため、酸洗設備1のブライドルロールの速度制御に用いる目標長さLの計算制度も十分と言えない。
そこで、本発明の実施の形態1では、長尺材18の弾性力による位置エネルギーを考慮して長尺材18の形状を推定する。すなわち、弾性力による位置エネルギーと重力による位置エネルギーの両方を含む方程式を用いて、目標カテナリ量(規定深さ)の撓みを満たす目標長さLを算出することとした。ここで、規定深さは、点A(または点O)と曲線最下部との高低差を示すカテナリ量である。また、規定深さは、長尺材18が、酸液2内を連続的に通過し、かつ、酸洗槽3の底に撓んだ材が接触しない深さである。
次に、図3〜図6を参照して目標長さ計算部20が上述した目標長さLを算出する計算処理を説明する。図3は、カテナリ部の長尺材18の形状を多数のリンクで近似した多リンク近似図である。
図3のように、長尺材18が入側ブライドルロール4から酸洗槽3へ送り出される点を原点としてxy直交座標をとり、x軸は水平方向、y軸は鉛直方向とする。ここで、原点を点Oとする。出側ブライドルロール5から送り出される点をx軸上に設け、その点を点Aとする。長尺材18の幅と厚みは一様であるとし、長尺材18の形状は一次元弾性体で表現できるとする。
長尺材18の形状を示す連続曲線をn本のばね関節を有する折れ線で近似する。このとき、折れ線を形成する剛体リンクの本数は十分多く、剛体リンク一本あたりの質量は十分軽いとする。また、原点から順に折れ線の節点に0からnまで番号を付ける。リンク番号はそのリンクに接続されている節点番号の大きい方と一致させる。nは剛体リンクの本数、iは0以上の整数、Pはi番目の関節の位置でその位置ベクトルをベクトルp(式中では太字で示す)、点Oの位置ベクトルをベクトルp=ベクトルO(式中では太字で示す)とすると、ベクトルpは以下のように表される。
Figure 0006558306
Figure 0006558306
ここで、θは、Pi−1における関節角、φはi番目のリンクがx軸となす角(絶対角)、lはリンク長を示している。また、板の先端(ここでは、長尺材18が出側ブライドルロール5に噛み込まれる位置の意味)は点Aに固定されているため、先端位置と点Aの位置は一致し、先端の向きは出側ブライドルロール5が板を送り出す向きと一致する。
OA間の距離、すなわちカテナリ部スパンをd、ベクトルe(式中では太字で示す)を下添え字軸方向の単位ベクトル、φendを出側ブライドルロール5が板を送り出す方向の絶対角とおくと、板の先端の位置はベクトルp、絶対角はφn+1のため、以下の関係式が得られる。なお、本明細書に用いるベクトルはすべて3次元の縦ベクトルである。図4は、図3の点A付近の拡大図である。
Figure 0006558306
式(3)の左辺に式(1)を代入すると、式(4)が得られる。
Figure 0006558306
Figure 0006558306
式(5)の左辺に式(2)を代入すると、式(6)が得られる。
Figure 0006558306
また、kを板の弾性によるトルクを関節角で割ったばね定数、mをリンクの質量、g(式中では太字で示す)を重力加速度ベクトルでg=[0,−g,0]、gを重力加速度の大きさとすると、OA間の板の位置エネルギーの総和Uは、弾性力による位置エネルギーと重力による位置エネルギーの両方を含む式(7)のように表わされる。なお、リンクの長さは十分に短いため、i番目のリンクの質量はi番目の関節に集中していると考える。
Figure 0006558306
撓んだ長尺材18は位置エネルギーの総和Uが最小となるような形状をとることが知られている。そのため、式(4)の左辺をベクトルf1(式中では太字で示す)、式(6)の左辺をf2とおくと、ベクトルf1、f2とUから式(8)が得られる。
Figure 0006558306
ここで、ベクトルλ(式中では太字で示す)、τはそれぞれ力・トルクの次元を持つラグランジュの未定乗数を表している。ベクトルλは点Aに係る拘束力、τは点Aにおける板の姿勢を固定する拘束トルクを示している。式(4)、式(6)、式(7)を式(8)に代入して変形すると式(9)が得られる。
Figure 0006558306
式(9)は、ベクトルpにおけるトルクの釣り合いを示した方程式である。左辺は、各関節における弾性によるトルクを表している。右辺は、(a)自重によるトルク、(b)点Aにかかる拘束力によるトルク、(c)点Aにおける板の姿勢を固定する拘束トルク、の総和を表している。z軸はベクトルの外積の方向である。
さらに、式(9)のベクトルpにおける方程式とpi+1における方程式の両辺の差を取って変形させると漸化式(11)が得られる。
Figure 0006558306
Figure 0006558306
図5は、本発明の実施の形態1に係るカテナリ制御システム12が有する機能の一部を示す機能ブロック図である。図5には、カテナリ制御システム12が有する目標長さ計算部20と、速度フィードバック制御部30が示されている。
目標長さ計算部20は、長尺材形状算出部21、カテナリ量算出部22、カテナリ量比較部23を備える。速度フィードバック制御部30は、上述した速度補正演算器15、入側速度制御器16を備える。
目標長さ計算部20は、上述した式(1)、(2)、漸化式(11)、および、後述する条件式(12)、(13)を用いて、カテナリ部の長尺材18の形状を算出し、目標カテナリ(規定深さ)を満たす目標長さLを決定する。
まず、長尺材形状算出部21の処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。図6は、上述の動作を実現するために、長尺材形状算出部21が実行する制御ルーチンのフローチャートである。
図6に示すルーチンでは、まずステップS100において、長尺材形状算出部21は、シミュレーションの前準備として、パラメータ設定値n,L,d,k,m,ベクトルg,φ,φendに値を代入すると共に、ベクトルλとθを仮決めする。なお、リンク長l=L/nである。
次に、ステップS110において、長尺材形状算出部21は、φとθの値を用いて、式(1)と式(2)からベクトルpを計算する。
次に、ステップS120において、長尺材形状算出部21は、φとθとベクトルλの値を用いて、2≦i<n+1の範囲で式(1)と式(2)と式(11)からθとベクトルpを計算する。
次に、ステップS130において、式(1)と式(2)と式(11)から計算されたベクトルpが式(12)を満たしているか否かを判定する。
Figure 0006558306
式(12)の左辺は、仮決めしたパラメータから算出された板の先端の位置と、点Aとの距離を示しており、εはシミュレーションにおける先端位置の許容誤差である。式(12)を満たさない場合は、ベクトルλを更新して(ステップS140)、式(12)を満たすまでステップS120の計算を繰り返す。
ステップS130において式(12)を満たし、相応しい板形状を得られたら、次に、ステップS150において、式(13)を満たしているか否かを判定する。
Figure 0006558306
式(13)は、得られた形状の点Aにおける先端姿勢の絶対角と出側ブライドルロール5が板を送り出す向きの絶対角の差を示している。δは、シミュレーションにおける先端姿勢の絶対角の許容誤差である。式(13)も満たしている時のθが長尺材形状を表している。式(13)を満たしていない場合は、θを更新して(ステップS160)、ステップS110から計算し直し、式(12)と式(13)を満たすまで、ベクトルpとθを繰り返し計算する(ステップS120)。もし、これらの収束計算が発散したり、得られた材形状が相応しくなかったりしたなら、シミュレーションを中断し仮決めしたパラメータを設定し直して再度実施する。
図5に戻り説明を続ける。長尺材形状算出部21におけるパラメータ設定において、カテナリ部スパンdは一定に保たれる。そのため、ブライドルロール間の長尺材18の仮の目標長さLが設定されると、長尺材形状算出部21により、材の長さと両端の姿勢(φ,φend)に応じた長尺材形状(ベクトルpおよびθ)が得られる。カテナリ量算出部22は、長尺材形状の最下点(Pの最下点)の座標から推定カテナリ量(図3のD)を算出する。
カテナリ量比較部23は、カテナリ量算出部22により算出された推定カテナリ量と、目標として予め設定された目標カテナリ量(規定深さ)とを比較する。推定カテナリ量と目標カテナリ量との差が所定の誤差範囲内である場合に目標カテナリ量を満たす。
目標カテナリ量を満たさない場合、カテナリ量比較部23は、長尺材形状算出部21に再計算指示を出力する。長尺材形状算出部21は、パラメータ設定値を変更して再度、長尺材形状を計算する。パラメータ設定値の変更について、例えば、推定カテナリ量が目標カテナリ量よりも小さい場合は仮の目標長さLを大きくする。逆に、推定カテナリ量が目標カテナリ量よりも大きい場合は仮の目標長さLを小さくする。
一方、目標カテナリ量を満たす場合、図6でパラメータ設定した仮の目標長さLを、制御に用いる目標長さLとする。目標長さLは、速度フィードバック制御部30へ出力される。
速度フィードバック制御部30は、入側ブライドルロール4が長尺材18上に定めた基準位置s(例えば材の先端)以降に送り出した材の長さと、出側ブライドルロール5が基準位置s以降に送り出した材の長さとの差(実績長さLc)が、目標長さLと一致するように、入側ブライドルロール4および出側ブライドルロール5の少なくとも一方の速度を制御する。
上述したように、速度フィードバック制御部30の速度補正演算器15は、目標長さLと実績長さLcとの差を入力とし、フィードバックされる実績長さLcを目標長さLに一致させる速度補正値を算出し出力する。入側速度制御器16は、入側駆動モータ7の回転速度を、速度基準値Vに速度補正値を加えた指令回転速度に一致させるように、入側駆動モータ7に電力を供給する。
<効果>
以上説明したように、本発明の実施の形態1に係るカテナリ制御システム12によれば、長尺材18の弾性力による位置エネルギーと重力による位置エネルギーの両方を含む上述の方程式を用いることで、カテナリセンサ等の特別なセンサを用いずに、長尺材形状を高精度に推定できる。また、カテナリ制御システム12によれば、上述の方程式を用いて、目標カテナリ量(規定深さ)を満たす長尺材18の撓み部の目標長さLを高精度に算出し、目標長さLをフィードバック制御の目標値として用いて、フィードバックされる実績長さLcを目標長さLに一致させる速度フィードバック制御を実施し、長尺材18を安定走行させることができる。酸洗槽3内の特別なセンサを必要としないため、設備コストや故障発生を抑制でき、歩留まり向上を図れる。
<変形例>
ところで、上述した実施の形態1のシステムにおいては、入側ブライドルロール4(入側駆動モータ7)の速度を補正することとしているが、これに限定されるものでない。例えば、速度補正演算器15の出力する速度補正値を用いて、出側ブライドルロール5(出側駆動モータ9)の速度を補正してもよい。また、入側ブライドルロール4(入側駆動モータ7)および出側ブライドルロール5(出側駆動モータ9)の両方の速度を補正してもよい。
<ハードウェア構成例>
図7は、カテナリ制御システム12が有する処理回路のハードウェア構成例を示すブロック図である。図5に示すカテナリ制御システム12内の各部は、当該システムが有する機能の一部を示し、各機能は処理回路により実現される。例えば、処理回路は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、入出力インターフェース104、システムバス105、入力装置106、表示装置107、ストレージ108および通信装置109を備えたコンピュータである。
CPU101は、ROM102やRAM103に格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する処理装置である。ROM102は、コンピュータに各機能を実現させるための基本プログラムや環境ファイルなどを記憶する読み取り専用の記憶装置である。RAM103は、CPU101が実行するプログラムおよび各プログラムの実行に必要なデータを記憶する主記憶装置であり、高速な読み出しと書き込みが可能である。入出力インターフェース104は、各種のハードウェアとシステムバス105との接続を仲介する装置である。システムバス105は、CPU101、ROM102、RAM103および入出力インターフェース104で共有される情報伝達路である。
また、入出力インターフェース104には、入力装置106、表示装置107、ストレージ108および通信装置109などのハードウェアが接続されている。入力装置106は、ユーザからの入力を処理する装置である。表示装置107は、カテナリ制御システム12の状態や演算結果を表示する装置である。ストレージ108は、プログラムやデータを蓄積する大容量の補助記憶装置であり、例えばハードディスク装置や不揮発性の半導体メモリなどである。通信装置109は、有線又は無線で外部のアクチュエータやセンサとデータ通信可能な装置である。
1 酸洗設備
2 酸液
3 酸洗槽
4 入側ブライドルロール
5 出側ブライドルロール
6 入側モータ軸
7 入側駆動モータ
8 出側モータ軸
9 出側駆動モータ
10 入側速度検出器
11 出側速度検出器
12 カテナリ制御システム
13 入側速度積分器
14 出側速度積分器
15 速度補正演算器
16 入側速度制御器
17 出側速度制御器
18 長尺材
20 目標長さ計算部
21 長尺材形状算出部
22 カテナリ量算出部
23 カテナリ量比較部
30 速度フィードバック制御部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 入出力インターフェース
105 システムバス
106 入力装置
107 表示装置
108 ストレージ
109 通信装置

Claims (1)

  1. 酸液を溜めた酸洗槽と、
    前記酸洗槽の入側に設けられた入側ブライドルロールと、
    前記酸洗槽の出側に設けられた出側ブライドルロールと、を備え、
    長尺材が、前記入側ブライドルロールと前記出側ブライドルロールとの間で前記酸液に浸かるように規定深さの撓みを持った状態で、前記長尺材が、前記入側ブライドルロールにより前記酸洗槽へ送り出され、前記出側ブライドルロールにより前記酸洗槽から槽外へ送り出される酸洗設備のカテナリ制御システムであって、
    記規定深さの撓みを満たす、前記入側ブライドルロールと前記出側ブライドルロールとの間の前記長尺材の目標長さを算出する目標長さ計算部と、
    前記入側ブライドルロールが前記長尺材上に定めた基準位置以降に送り出した材の長さと、前記出側ブライドルロールが前記基準位置以降に送り出した材の長さとの差が、前記目標長さと一致するように、前記入側ブライドルロールおよび前記出側ブライドルロールの少なくとも一方の速度を制御する速度フィードバック制御部と、を備え、
    前記目標長さ計算部は、
    前記入側ブライドルロールと前記出側ブライドルロールとの間における前記長尺材の形状を、剛体リンクをばね関節で接続した折れ線で近似し、
    パラメータ設定値として下記のn、d、k、m、ベクトルg、φ 、φ end および仮の目標長さLを設定し、下記の式(1)、(2)、(11)を用いて、条件式(12)、(13)を満たす前記長尺材の形状を示すθ とベクトルp を算出し、前記長尺材の形状の最下点から推定カテナリ量を算出し、
    前記推定カテナリ量と前記規定深さとの差が誤差範囲外である場合に、前記パラメータ設定値を変更して再び前記長尺材の形状および前記推定カテナリ量を算出し、
    前記推定カテナリ量と前記規定深さとの差が前記誤差範囲以内である場合に、前記パラメータ設定値の前記仮の目標長さLを前記目標長さとすること、
    を特徴とするカテナリ制御システム。
    Figure 0006558306
    Figure 0006558306
    Figure 0006558306
    Figure 0006558306
    Figure 0006558306
    ここで、
    ベクトルpは、i番目の関節の位置ベクトル、
    ベクトルeは、ベクトルの外積の方向の単位ベクトル、
    θは、i−1番目のばね関節の位置における関節角、
    φは、i番目の剛体リンクが水平方向となす絶対角、
    kは、板の弾性によるトルクを関節角で割ったばね定数、
    lは、剛体リンクの長さ(l=L/n)
    mは、剛体リンクの質量、
    nは、剛体リンクの本数
    ベクトルgは、重力加速度ベクトル、
    ベクトルλは、前記出側ブライドルロールの位置に係る拘束力、
    ベクトルp は、n番目の関節の位置ベクトル、
    dは、カテナリ部スパン、
    ベクトルe は、水平方向の単位ベクトル、
    εは、許容誤差、
    φ end は、前記出側ブライドルロールが板を送り出す方向の絶対角、
    δは、許容誤差、である。
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