JP6557929B1 - ピンニング工法用の注入ノズル、ピンニング工法用の接着剤注入器およびこれを用いたピンニング工法 - Google Patents

ピンニング工法用の注入ノズル、ピンニング工法用の接着剤注入器およびこれを用いたピンニング工法 Download PDF

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Abstract

【課題】接着剤の注入作業を適切且つ円滑に行い得ると共に、洗浄作業を容易に且つ短時間で行うことができるピンニング工法用の注入ノズル等を提供する。
【解決手段】下穴8に挿入される単一の複合ノズル部21と、開口部8aを封止する開口封止部22と、内部に第1・第2接着剤流路61,62を有すると共に先端部に複合ノズル部21が取り付けられたノズルボディ23と、を備え、複合ノズル部21は、下穴8の奥部に臨む第1ノズル口37と、下穴8の開口部8a近傍に臨む第2ノズル口38と、第1接着剤流路61に連通すると共に第1ノズル口37に連通する第1注入流路35と、第2接着剤流路62に連通すると共に第2ノズル口38に連通する第2注入流路36と、を有している。
【選択図】 図3

Description

本発明は、いわゆる「浮き」が生じた外壁や内壁等の壁体の補修に使用されるピンニング工法用の注入ノズル、ピンニング工法用の接着剤注入器およびこれを用いたピンニング工法に関する。
従来、この種の注入ノズルとして、壁体に形成した挿填穴に接着剤を注入するための第1注入流路および第2注入流路の2つの注入流路を有するものが知られている(特許文献1参照)。
この注入ノズルは、注入器本体に装着され、内部に注入器本体に連なる接着剤流路を有するノズルボディと、ノズルボディの先端から突出するように且つ進退自在に設けられ、接着剤流路に連通するノズル内筒と、を備えている。また、ノズルボディは、間隙を存してノズル内筒を保持するノズル外筒と、ノズル外筒を囲繞する共に挿填穴の開口部を封止する封止部材と、を有している。そして、ノズル内筒の内部に第1注入流路が構成され、ノズル内筒の先端には第1注入流路に連なる吐出口が形成されている。また、ノズル内筒とノズル外筒との間隙に第2注入流路が構成され、ノズル外筒の先端には第2注入流路に連なる漏出口が形成されている。
封止部材により挿填穴の開口部を封止しつつ挿填穴に接着剤を注入してゆくと、接着剤は、第1注入流路を通ってノズル内筒の吐出口から吐出され、挿填穴の最深部から徐々に満たされてゆく。また、接着剤は、第2注入流路を通ってノズル外筒の漏出口から吐出され、挿填穴の手前から満たされてゆく、これにより、接着剤は、挿填穴に充填されると共に、挿填穴に連なる複数の「浮き部」にも充填される。
特許第3759157号公報
このような、従来のピンニング工法用の注入ノズルでは、ノズル内筒とノズル外筒との間隙に第2注入流路が構成されているため、第1注入流路が構成されたノズル内筒は、基部側においてノズル外筒に遊嵌された構造となっている。これにより、ノズル内筒は、非注入状態(自由状態)において、軸線に対し斜め先下がりの状態となる。このため、ノズル内筒を挿填穴に挿入してゆくときに、その先端が挿填穴の穴壁につかえる等の不具合があった。
また、従来の注入ノズルでは、吐出口および漏出口の2つのノズル口により、接着剤を挿填穴の最深部および手前から注入可能であるが、ノズル内筒、ノズル外筒および封止部材廻りの部品点数が増し、構造が複雑になっている。このため、注入ノズルの洗浄に際し、作業が煩雑で時間を要する問題があった。
接着剤(エポキシ樹脂)には硬化時間があり、注入作業後或いは注入作業中に注入ノズルを溶剤で洗浄する必要がある(2液混合から2時間が目安)。この一連の洗浄作業は、分解、洗浄、組立の工程を経るため、部品点数が多く且つ構造が複雑になると、その分、作業が煩雑で時間を要することとなり、ピンニング工法の工期に大きな影響を与える。
本発明は、接着剤の注入作業を適切且つ円滑に行い得ると共に、洗浄作業を容易に且つ短時間で行うことができるピンニング工法用の注入ノズル、ピンニング工法用の接着剤注入器およびこれを用いたピンニング工法を提供することを課題としている。
本発明のピンニング工法用の注入ノズルは、注入器本体に装着して用いられ、壁体を所定の深さまで穿孔した下穴に、その開口部を封止しながら接着剤を注入するピンニング工法用の注入ノズルであって、下穴に挿入され、硬質の樹脂で一体に形成された複合ノズル部と、複合ノズル部の基部に装着され、開口部を封止する開口封止部と、注入器本体に装着され、内部に注入器本体に連なる接着剤流路を有すると共に先端部に複合ノズル部が取り付けられたノズルボディと、を備え、複合ノズル部は、下穴の奥部に臨む第1ノズル口と、下穴の開口部近傍に臨む第2ノズル口と、上流側を接着剤流路に連通すると共に下流側を第1ノズル口に連通する第1注入流路と、上流側を接着剤流路に連通すると共に下流側を第2ノズル口に連通する第2注入流路と、を有していることを特徴とする。
この構成によれば、下穴に複合ノズル部を挿入すると共に、下穴の開口部を開口封止部により封止し、この状態で、注入器本体から接着剤を送り込むと、接着剤は、接着剤流路および第1注入流路を通って第1ノズル口から吐出されると共に、接着剤流路および第2注入流路を通って第2ノズル口から吐出される。これにより、下穴に対し、その奥部に臨む第1ノズル口と開口部近傍に臨む第2ノズル口と、の2箇所から接着剤を注入することができ、特に開口部近傍に「浮き部」が生じている壁体に対し接着剤を適切に注入することができる。
また、下穴に挿入される複合ノズル部がノズルボディ取り付けられているため、複合ノズル部ががたつくことがなく、その先端が下穴の穴壁につかえる等の不具合を抑制することができる。また、第1注入流路(第1ノズル口)および第2注入流路(第2ノズル口)を有する複合ノズル部が、単一のもので形成されているため、複合ノズル部廻りの構造を単純化することができる。したがって、接着剤の注入作業を適切且つ円滑に行い得ると共に、洗浄作業を容易に且つ短時間で行うことができる。
また、複合ノズル部を比較的簡単且つ低コストで形成することができ、複合ノズル部を使い捨ての部品とすることも可能となる。
この場合、第1注入流路と第2注入流路とは、相互に平行に且つ近接して配設されていることが好ましい。
この構成によれば、複合ノズル部を比較的簡単且つ低コストで形成することができる。また、第1ノズル口が下に且つ第2ノズル口が上に来るようにして注入を行えば、開口部近傍の「浮き部」が広く接着剤が液だれし易い状態であっても、接着剤を「浮き部」に適切に充填することができる。
また、複合ノズル部は、外周面に軸方向のカット位置を指標する複数のカットラインを有していることが好ましい。
この構成によれば、下穴の深さに応じて、複合ノズル部の先端側をカットすることができる。なお、第1ノズル口は軸線に対し斜めに開口していることがこのましいが、複数のカットラインも、第1ノズル口に倣って斜めに形成されていることが好ましい。
この場合、各カットラインには、下穴の深さに対応する数値が明示されていることが好ましい。
下穴の深さは、壁体の構造により決定される。具体的には、仕上げ材と下地材との積層寸法に、躯体への穿孔分の30mm(以上)を加えた寸法が、下穴の深さ寸法となる。
この構成によれば、下穴の深さが決定した段階で、カットラインの数値を目安に複合ノズル部の先端側をカットすれば、現場において、下穴の深さに合った複合ノズル部を簡単に形成することができる。
一方、接着剤流路は、第1注入流路に連通する第1接着剤流路と、第2注入流路に連通する第2接着剤流路と、から成り、ノズルボディには、第1接着剤流路を開放し且つ第2接着剤流路を開放する全開放位置と、第1接着剤流路を開放し且つ第2接着剤流路を閉塞する第1開放位置と、第1接着剤流路を閉塞し且つ第2接着剤流路を開放する第2開放位置と、の相互間で接着剤の流路を切り替える流路切替え機構部が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、流路切替え機構部を全開放位置に切り替えておいて、注入器本体から接着剤を送り込むと、接着剤は、第1接着剤流路を介して第1ノズル口から吐出されると共に、第2接着剤流路を介して第2ノズル口から吐出される。これにより、下穴の奥部および下穴の開口部近傍から接着剤を注入することができる。また、流路切替え機構部を第1開放位置に切り替えておいて、注入器本体から接着剤を送り込むと、接着剤は、第1接着剤流路を介して第1ノズル口のみから吐出される。これにより、下穴の奥部からのみ接着剤を注入することができる。また、流路切替え機構部を第2開放位置に切り替えておいて、注入器本体から接着剤を送り込むと、接着剤は、第2接着剤流路を介して第2ノズル口のみから吐出される。これにより、下穴の開口部近傍からのみ接着剤を注入することができる。したがって、壁体に生ずる「浮き部」の数や発生個所等の性状に合わせて、接着剤を効率良く注入することができる。
本発明のピンニング工法用の接着剤注入器は、接着剤流路が、第1注入流路に連通する第1接着剤流路と、第2注入流路に連通する第2接着剤流路と、から成る上記のピンニング工法用の注入ノズルと、注入ノズルが着脱自在に装着される注入器本体と、から成るピンニング工法用の接着剤注入器であって、注入器本体は、接着剤を貯留する接着剤貯留部と、吸込口を介して接着剤貯留部から吸い込んだ接着剤を吐出口から吐出するポンプ部と、上流側を吐出口に連通し下流側を第1接着剤流路に連通する第1送込み流路と、上流側を吐出口に連通し下流側を第2接着剤流路に連通する第2送込み流路と、第1送込み流路を開放し且つ第2送込み流路を開放する全開放位置と、第1送込み流路を開放し且つ第2送込み流路を閉塞する第1開放位置と、第1送込み流路を閉塞し且つ第2送込み流路を開放する第2開放位置と、の相互間で接着剤の流路を切り替える流路切替え機構部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、流路切替え機構部を全開放位置に切り替えておいて、注入器本体から接着剤を送り込むと、注入ノズルにおいて接着剤は、第1接着剤流路を介して第1ノズル口から吐出されると共に、第2接着剤流路を介して第2ノズル口から吐出される。これにより、下穴の奥部および下穴の開口部近傍から接着剤を注入することができる。また、流路切替え機構部を第1開放位置に切り替えておいて、注入器本体から接着剤を送り込むと、注入ノズルにおいて接着剤は、第1接着剤流路を介して第1ノズル口のみから吐出される。これにより、下穴の奥部からのみ接着剤を注入することができる。また、流路切替え機構部を第2開放位置に切り替えておいて、注入器本体から接着剤を送り込むと、注入ノズルにおいて接着剤は、第2接着剤流路を介して第2ノズル口のみから吐出される。これにより、下穴の開口部近傍からのみ接着剤を注入することができる。したがって、壁体に生ずる「浮き部」の数や発生個所等の性状に合わせて、接着剤を効率良く注入することができる。
本発明のピンニング工法は、上記したピンニング工法用の注入ノズルと、注入ノズルが着脱自在に装着された注入器本体と、から成る接着剤注入器を用い、壁体を補修するピンニング工法であって、壁体を所定の深さまで穿孔して下穴を形成する穿孔工程と、接着剤注入器により、下穴の開口部を封止しつつ下穴に接着剤を注入する注入工程と、接着剤が注入された下穴に、アンカーピンを挿入・装着する装着工程と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、壁体の要補修箇所に下穴を穿孔した後、接着剤注入器により下穴に接着剤を注入する。この場合、複合ノズルの第1ノズル口および第2ノズル口からそれぞれ吐出された接着剤は、下穴の奥側および手前側からそれぞれ注入される。このため、接着剤の下穴への充填および複数の「浮部」への充填を、確実且つ効率良く行うことができる。したがって、ピンニング作業を短時間で効率良く行うことができる。
本発明の他のピンニング工法は、上記したピンニング工法用の接着剤注入器を用い、壁体を補修するピンニング工法であって、壁体を所定の深さまで穿孔して下穴を形成する穿孔工程と、接着剤注入器により、下穴の開口部を封止しつつ下穴に接着剤を注入する注入工程と、接着剤が注入された下穴に、アンカーピンを挿入・装着する装着工程と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、壁体の要補修箇所に下穴を穿孔した後、接着剤注入器により下穴に接着剤を注入する。この場合、複合ノズルの第1ノズル口および第2ノズル口からそれぞれ吐出された接着剤は、下穴の奥側および手前側からそれぞれ注入される。このため、接着剤の下穴への充填および複数の「浮部」への充填を、確実且つ効率良く行うことができる。したがって、ピンニング作業を短時間で効率良く行うことができる。しかも、壁体に生ずる「浮き部」の数や発生個所等の性状に合わせて、接着剤を効率良く注入することができる。
第1実施形態に係る接着剤注入器と外壁との関係を表した断面模式図である。 第1実施形態に係る接着剤注入器の側面図である。 第1実施形態に係る接着剤注入器における注入ノズルの裁断側面図である。 第1実施形態に係る接着剤注入器における注入ノズルの複合ノズル部廻りの側面図(a)、およびその背面図(b)である。 第1実施形態に係る接着剤注入器における注入器本体の裁断側面図である。 注入器本体における流路切替え機構部の動作説明図であって、第1開放位置に切り替えた図(a)、全開放位置に切り替えた図(b)、第2開放位置に切り替えた図(c)である。 第1実施形態の第1変形例に係る注入器本体の裁断側面図である。 第1実施形態の第2変形例に係る注入器本体の裁断側面図である。 流路切替え機構部を全開放位置として行われるピンニング工法の作業手順(a)、作業手順(b)、作業手順(c)、作業手順(d)を表した説明図である。 上記の作業手順(b)において、注入形態が異なる場合の説明図であって、流路切替え機構部を第1開放位置とした注入形態の図(a)、流路切替え機構部を第2開放位置とした注入形態の図(b)である。 第2実施形態に係る接着剤注入器における注入ノズルの裁断側面図である。 第3実施形態に係る接着剤注入器における注入ノズルの裁断側面図である。 注入器本体における流路切替え機構部の動作説明図であって、第1開放位置に切り替えた図(a)、全開放位置に切り替えた図(b)、第2開放位置に切り替えた図(c)である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るピンニング工法用の注入ノズル(以下、単に「注入ノズル」と言う)、ピンニング工法用の接着剤注入器(以下、単に「接着剤注入器」と言う)およびこれを用いたピンニング工法について説明する。ピンニング工法における注入ノズルは、これが装着される注入器本体と共に、下穴に接着剤を注入する接着剤注入器を構成する。ピンニング工法は、「浮き」が生じた建物の外壁や内壁等の壁体の要補修箇所に下穴を穿孔し、この下穴に接着剤注入器を用いて接着剤を注入し、その後、下穴にアンカーピンを装填して、これを補修する(剥落防止)ものである。以下、建物の外壁を例に、これを補修する場合について説明する。
[第1実施形態]
図1は、外壁と接着剤注入器との関係を表した断面模式図である。同図に示すように、外壁1は、コンクリート躯体2と、コンクリート躯体2の表面に塗り付けた下地モルタル3と、下地モルタル3の表面に塗り付けた張付けモルタル4と、張付けモルタル4の表面に張り付けたタイル等の仕上げ材5とで構成されている。なお、仕上げ材5には、大型タイルや規格石(石材)も含まれる。
本実施形態の外壁1では、コンクリート躯体2と下地モルタル3との界面に第1浮き部6aが、下地モルタル3と張付けモルタル4との界面に第2浮き部6bが、さらに張付けモルタル4と仕上げ材5との界面に第3浮き部6cが生じているものとする。外壁1には、これを補修すべく、仕上げ材5、張付けモルタル4および下地モルタル3を貫通し、且つコンクリート躯体2を所定の深さまで穿孔した下穴8が形成されている。そして、外壁1の補修に際し、この下穴8に接着剤注入器10により接着剤Rが注入される。
[接着剤注入器]
ここで、図1および図2を参照して、接着剤注入器10について簡単に説明する。両図に示すように、接着剤注入器10は、接着剤Rを供給するポンプ形式の注入器本体11と、注入器本体11の先端部に着脱自在に装着された注入ノズル12と、で構成されている。注入器本体11は、ポンピング操作により、貯留している接着剤Rを注入ノズル12に送り込み、注入ノズル12は、送り込まれた接着剤Rを外壁1に形成された下穴8に直接注入する。
[注入器本体の概要]
注入器本体11は、有底円筒状の接着剤貯留部15と、接着剤貯留部15が着脱自在に取り付けられたポンプ部16と、ポンプ部16に保持された略「L」字状の操作レバー17とを備えている。ポンプ部16の基端側には、内部に接着剤Rが貯留された接着剤貯留部15が取り付けられ、先端側には注入ノズル12が装着されている。接着剤貯留部15を手持ちすると共に、手動で操作レバー17を操作する(ポンピング)ことにより、ポンプ部16を介して注入ノズル12から接着剤Rが一定量ずつ吐出される。
接着剤Rには、いわゆる2液タイプのエポキシ樹脂接着剤を用いることが好ましい。もっとも、接着剤Rは、粘性を有する無機接着剤であってもよい。なお、注入器本体11は、上記のような、手動でポンプ駆動を行うタイプの他、モーターやエアーアクチュエータ等により自動でポンプ駆動を行うタイプであってもよい。
[注入ノズルの概要]
注入ノズル12は、下穴8に挿入される単一の複合ノズル部21と、複合ノズル部21に装着され下穴8の開口部8aを封止する開口封止部22と、複合ノズル部21を保持するノズルボディ23と、を備えている。また、ノズルボディ23は、先端部に複合ノズル部21が接合されたボディ本体24と、ボディ本体24を収容すると共に注入ノズル12を注入器本体11に装着するための装着カバー部25と、を有している。
以下、図3および図4を参照して、注入ノズル12の構造について詳細に説明すると共に、図5を参照して、注入器本体11の構造について詳細に説明する。
[複合ノズル部]
図3および図4に示すように、複合ノズル部21は、接着剤R(の溶剤)に対し耐薬品性を有する硬質の樹脂等で形成され、先方に長く延びるノズル本体31と、ノズル本体31の基端に連なるフランジ部32と、フランジ部32の基端に連なる接合部33と、で一体に形成されている。また、複合ノズル部21の内部には、後述するボディ本体24の第1接着剤流路61に連通する第1注入流路35が形成されると共に、第2接着剤流路62に連通する第2注入流路36が形成されている。
ノズル本体31の先端部には、第1注入流路35に連通する第1ノズル口37が形成されている。第1ノズル口37は、下穴8の奥部に接着剤Rを注入する部位であり、斜めにカットした形状に形成されている。また、ノズル本体31の基端側には、第2注入流路36に連通する第2ズル口38が形成されている。第2ズル口38は、下穴8の開口部8a近傍に接着剤Rを注入する部位であり、ノズル本体31の一部を切り欠くようにして形成されている。そして、第1注入流路35と第2注入流路36とは、同径であって、相互に平行に且つ近接して配設されている。
なお、注入ノズル12を、第1注入流路35(第1ノズル口37)が下、第2注入流路36(第2ズル口38)が上となる姿勢で、注入作業を行うことが好ましい。また、第1注入流路35および第2注入流路36は、ストレート形状としたが、先細りのテーパー形状であってもよい。また、第2注入流路36は、第1注入流路35に比して細径であってもよい。
接合部33には、ノズルボディ23側から窪入形成された一対の円形溝部41が形成されており、一方の円形溝部41により、第1注入流路35と第1接着剤流路61とを連通する第1円形流路42が構成され、他方の円形溝部41により、第2注入流路36と第2接着剤流路62とを連通する第2円形流路43が構成されている(図4参照)。そして、接合部33とボディ本体24との間には、第1接着剤流路61および第2接着剤流路62に連なる2つの円形開口45aを形成した封止パッキン45が介設されている。
硬質の樹脂等で形成されたノズル本体31は、先細りの外観形状に形成されている。この場合、ノズル本体31は、想定される最も深い下穴8に合わせた長さを有し、通常は現場毎の下穴8の深さに合わせて先端側を適宜、カットして用いるようにしている。このため、ノズル本体31の外周面には、軸方向のカット位置を指標する複数のカットライン47が形成されている(図4(a)参照)。
各カットライン47は、斜めに形成された第1ノズル口37に倣って、ノズル本体31の外周面に斜めに線引きされている。したがって、このカットライン47に倣ってノズル本体31を切断することで、新たな斜めの第1ノズル口37が形成される。なお、斜めの第1ノズル口37では、これを下穴8の穴底部に突き当てた状態であっても、接着剤Rを穴底部から円滑に注入することができる。
各カットライン47には、下穴8の深さに対応する数値48が明示されており、例えばこの数値48は、10mm単位或いは5mm単位とすることが好ましい。この場合に数値48は、下穴8の開口部8aから穴底部までの距離であり、接着剤Rの注入に際し、開口部8aを封止する開口封止部22(後述するテーパー部51)の所定の位置からの寸法を表示したものである。作業者は、穿孔した下穴8の深さに合わせて、切断工具によりノズル本体31を斜めにカットする。
なお、ノズル本体31は、下穴8の深さに合わせてカットされるため、「使い捨て」とすることが好ましい。また、ノズル本体31を「使い捨て」とすることで、洗浄の手間を省くことができる。
[開口封止部]
開口封止部22は、接着剤Rの注入に際し下穴8の開口部8aを封止する部位であり、フッ素ゴム等の耐薬品性の弾性材料で形成されている。開口封止部22は、開口部8aを直接封止するテーパー形状のテーパー部51と、テーパー部51の基端側に連なるストレート部52と、で一体に形成されている。そして、開口封止部22は、複合ノズル部21の基端部に嵌め入れるようにして装着されている。
[ノズルボディ]
図3に示すように、ノズルボディ23のボディ本体24は、ステンレスやスチール等で略円柱状に形成されている。ボディ本体24の内部には、下流側を第1注入流路35(および第1円形流路42)に連通する第1接着剤流路61と、下流側を第2注入流路36(および第2円形流路43)に連通する第2接着剤流路62と、が形成されている。そして、第1接着剤流路61と第2接着剤流路62とは、同径に形成され、且つボディ本体24の軸心に対し180°点対称位置に配設されている。
ボディ本体24の先端側には、複合ノズル部21の接合部33が接合される太径凹部64が形成され、この太径凹部64に、上記の封止パッキン45を介在した状態で、ボディ本体24に複合ノズル部21が接合されている。詳細は後述するが、装着カバー部25を注入器本体11に螺合(装着)すると、複合ノズル部21のフランジ部32および接合部33がボディ本体24側に強く引き付けられる。これにより、複合ノズル部21の接合部33が封止パッキン45の一方の面に密接し、ボディ本体24の太径凹部64が封止パッキン45の他方の面に密接する。
ボディ本体24の基端部には、第1接着剤流路61の上流端に連なる第1凹部71が形成されると共に、第2接着剤流路62の上流端に連通する第2凹部72が形成されている。第1凹部71は、第1接着剤流路61と同軸上において、第1接着剤流路61よりも太径に形成され、この部分に第1Oリング73が装着されている。同様に、第2凹部72は、第2接着剤流路62と同軸上において、第2接着剤流路62よりも太径に形成され、この部分に第2Oリング74が装着されている。
また、第1凹部71(第1Oリング73)と第2凹部72(第2Oリング74)は、軸方向(前後方向)において同位置に配設されている。そして、第1凹部71には、第1Oリング73を介在させた状態で、後述する注入器本体11の第1接合継手88が接合され、第2凹部72には、第2Oリング74を介在させた状態で、後述する注入器本体11の第2接合継手89が接合される。
装着カバー部25は、注入ノズル12を注入器本体11に装着する部位であり、ステンレスやスチール等で円筒状に形成されている。装着カバー部25は、内部にボディ本体24および複合ノズル部21のフランジ部32を収容するカバー部76と、カバー部76の先端部に設けた掛止め部77と、カバー部76の基端部に設けた後方雌ネジ部78と、で一体に形成されている。掛止め部77は、フランジ部32を外側から掛け止めし、この状態で、後方雌ネジ部78は、注入器本体11の先端部に螺合される(図5参照)。
装着カバー部25を注入器本体11に螺合(装着)すると、フランジ部32(および接合部33)とボディ本体24とが注入器本体11に引き付けられる。これにより、封止パッキン45を介して、複合ノズル部21とボディ本体24とが密接し、第1接着剤流路61と第1円形流路42との間、および第2接着剤流路62と第2円形流路43との間が、それぞれ封止される。また、第1Oリング73および第2Oリング74を介して、ボディ本体24と注入器本体11とが密接する。また同時に、第1Oリング73を介して、第1接着剤流路61と第1接合継手88(の第1継手内流路102)とが連通し、第2Oリング74を介して、第2接着剤流路62と第2接合継手89(の第2継手内流路103)とが連通する。
ポンピングにより、分流した状態で注入器本体11から送り込まれた接着剤Rは、第1接着剤流路61および第2接着剤流路62に送り込まれる。第1接着剤流路61に送り込まれた接着剤Rは、第1円形流路42および第1注入流路35を通って第1ノズル口37から吐出される。同様に、第2接着剤流路62に送り込まれた接着剤Rは、第2円形流路43および第2注入流路36を通って第2ノズル口38から吐出される。
[注入器本体]
次に、図5を参照して、注入器本体11について詳細に説明する。上述のように、注入器本体11は、接着剤貯留部15と、ポンプ部16と、操作レバー17とを備えている。ポンプ部16の基端側には、内部に接着剤Rが貯留された接着剤貯留部15が取り付けられ、先端側には注入ノズル12が装着される。接着剤貯留部15を手持ちすると共に、手動で操作レバー17を操作する(ポンピング)ことにより、ポンプ部16を介して注入ノズル12から接着剤Rが一定量ずつ吐出される。
ポンプ部16には、接着剤Rを注入ノズル12の第1接着剤流路61および第2接着剤流路62に選択的に送り込む流路切替え機構部80が組み込まれている。詳細は、後述するが、流路切替え機構部80は、注入器本体11側において、接着剤Rを、第1接着剤流路61を介して第1ノズル口37からのみ吐出する場合と、第1接着剤流路61および第2接着剤流路62を介して第1ノズル口部37および第2ノズル口38から吐出する場合と、第2接着剤流路62を介して第2ノズル口38からのみ吐出する場合と、の間で流路を切替え得るようになっている。
[接着剤貯留部]
接着剤貯留部15は、接着剤Rを貯留する部位であり、詳細は図示しないが、有底筒状に形成されている。接着剤貯留部15の先端部は、貯留部Oリング81を介在した状態で、ポンプ部16に着脱自在に装着(ネジ接合)されている。接着剤貯留部15の内部には、例えば椀型パッキンやこれを付勢するコイルバネが組み込まれており、貯留した接着材Rに所定の圧力を付与するようになっている。
[ポンプ部]
ポンプ部16は、接着剤貯留部15が螺合するキャップ部84と、キャップ部84から突出しシリンダー85を形成したケーシング本体86と、ケーシング本体86に連なり操作レバー17を支持するブロック部87と、を有するポンプケーシング83を備えている。キャップ部84、ケーシング本体86およびブロック部87は一体に形成され、ダイキャスト製のポンプケーシング83を構成している。そして、ブロック部87の先端部には、注入ノズル12の第1凹部71に接合される第1接合継手88と、第2凹部72に接合される第2接合継手89とが取り付けられている。
キャップ部84は、接着剤貯留部15よりも太径に形成された円形のキャップ本体91と、キャップ本体91から延びる環状の雌ネジ部92と、で一体に形成されている。雌ネジ部92には、貯留部Oリング81を介在した状態で接着剤貯留部15が螺合している。また、キャップ本体91には、シリンダー85に連通する吸込口93が形成されている。そして、接着剤貯留部15の接着剤Rは、この吸込口93からシリンダー85に送り込まれる。
ケーシング本体86は、キャップ部84の直径方向に延在すると共に、先方に突出しており、内部にシリンダー85が形成されている。シリンダー85には、このシリンダー85と共に往復ポンプを構成するピストン95が摺動自在に収容されている。そして、ピストン95の基端部(露出部分)は、操作レバー17に回動自在に連結されている。
ブロック部87の上部には、操作レバー17が回動自在に支持されている。また、ブロック部87の内部には、上記の第1接着剤流路61に連通する第1送込み流路96、および第2接着剤流路62に連通する第2送込み流路97が形成されている。第1送込み流路96の上流端は、第1吐出口98を介してシリンダー85に連通している。同様に、第2送込み流路97の上流端は、第2吐出口99を介してシリンダー85に連通している。
第1送込み流路96と第2送込み流路97とは、同長・同径に形成されると共に、相互に平行に配設されている。そして、ブロック部87には、第1送込み流路96および第2送込み流路97に臨んで、流路切替え機構部80が組み込まれている。なお、流路切替え機構部80については、後に詳述する。
ブロック部87の先端部には、注入ノズル12の後方雌ネジ部78が螺合する前方雄ネジ部101が形成されている。後方雌ネジ部78を前方雄ネジ部101に螺合することにより、注入ノズル12が注入器本体11に着脱自在に装着される。また、ブロック部87の先端部には、第1送込み流路96に臨むようにして第1接合継手88がネジ止め(テーパーネジ)されると共に、第2送込み流路97に臨むようにして第2接合継手89がネジ止め(テーパーネジ)されている。そして、第1接合継手88の内部には、第1接着剤流路61と第1送込み流路96とを連通する第1継手内流路102が形成されている。同様に、第2接合継手89の内部には、第2接着剤流路62と第2送込み流路97とを連通する第2継手内流路103が形成されている。
第1接合継手88と流路切替え機構部80との間に位置して第1送込み流路96には、第1狭小部105が形成されている。第1狭小部105には、第1接合継手88側から接触する第1球体106が配設されると共に、第1球体106を押圧する第1コイルバネ107が配設されている。第1コイルバネ107は、ブロック部87に螺合した第1接合継手88に押圧され、第1球体106を第1狭小部105に密接するように付勢している。これにより、第1狭小部105を弁座とし、第1球体106を弁体とする第1逆止弁108が構成されている。そして、この第1逆止弁108により、第1送込み流路96内の接着剤Rの逆流が防止される。
同様に、第2接合継手89と流路切替え機構部80との間に位置して第2送込み流路97には、第2狭小部111が形成されている。第2狭小部111には、第2接合継手89側から接触する第2球体112が配設されると共に、第2球体112を押圧する第2コイルバネ113が配設されている。第2コイルバネ113は、ブロック部87に螺合した第2接合継手89に押圧され、第2球体112を第2狭小部111に密接するように付勢している。これにより、第2狭小部111を弁座とし、第2球体112を弁体とする第2逆止弁114が構成されている。そして、この第2逆止弁114により、第2送込み流路97内の接着剤Rの逆流が防止される。
[操作レバー]
操作レバー17は、ポンピングを行うためのレバー本体116と、レバー本体116とブロック部87とを連結する連結リンク117とを有している。連結リンク117は、一方の端部がブロック部87に回動自在に支持され、他方の端部がレバー本体116の先端部に回動自在に連結されている。レバー本体116は、接着剤貯留部15に沿うように長く延在し、連結リンク117側近傍でピストン95に回動自在に連結されている。
レバー本体116を回動操作(ポンピング)すると、シリンダー85に対しピストン95が往復動する。ピストン95が復動すると、吸込口93を介して接着剤貯留部15の接着剤Rがシリンダー85に流入し、続いてピストン95が往動すると、シリンダー85内の接着剤Rが第1吐出口98を介して第1送込み流路96に流出すると共に、第2吐出口99を介して第2送込み流路97に流出する。
[流路切替え機構部]
ここで、図5および図6を参照して、流路切替え機構部80について詳細に説明する。
流路切替え機構部80は、相互に平行に配設した第1送込み流路96および第2送込み流路97に臨み、第1送込み流路96と第2送込み流路97とを選択的に流路切替え可能に構成されている。具体的には、流路切替え機構部80は、第1送込み流路96を開放し且つ第2送込み流路97を開放する全開放位置と、第1送込み流路96を開放し且つ第2送込み流路97を閉塞する第1開放位置と、第1送込み流路96を閉塞し且つ第2送込み流路97を開放する第2開放位置と、の間で接着剤Rの流路を切り替え得るようになっている。
流路切替え機構部80を全開放位置に切り替えると、接着剤Rは、第1接着剤流路61および第1注入流路35を介して第1ノズル口37から吐出されると共に、第2接着剤流路62および第2注入流路36を介して第2ノズル口38から吐出される。同様に、流路切替え機構部80を、第1開放位置に切り替えると、接着剤Rは第1ノズル口37からのみ吐出され、さらに第2開放位置に切り替えると、接着剤Rは第2ノズル口38からのみ吐出される。詳細は後述するが、外壁1における「浮き」の発生個所や数等に応じて、接着剤Rの注入形態を適宜変更できるようになっている。
流路切替え機構部80は、第1送込み流路96および第2送込み流路97に直交し、内部周面壁に第1送込み流路96および第2送込み流路97が上下に開口した雌ネジ状の弁座部121と、弁座部121に螺合し、軸線廻りに回転操作される雄ネジ状の弁体部122と、を有している。弁体部122は、弁座部121に螺合する弁体部本体124と、弁体部本体124を回転操作するための操作摘み部125と、操作摘み部125を弁体部本体124に固定するユリヤネジ等の小ネジ126と、を有している。
弁体部本体124には、第1送込み流路96に対応する第1貫通孔127と、第2送込み流路97に対応する第2貫通孔128と、が第1送込み流路96および第2送込み流路97の離間寸法分の距離を隔てて上下に、且つ軸線廻りに相互に直交するように貫通形成されている。第1貫通孔127は、第1送込み流路96より細径に形成され、その開口縁部には2つの第1切欠き部127aが形成されている。同様に、第2貫通孔128は、第2送込み流路97より細径に形成され、その開口縁部には2つの第2切欠き部128aが形成されている(いずれも図6参照)。また、弁体部本体124の下部は、ブロック部87から露出しており、この部分に操作摘み部125が廻止め状態で係合し、且つ操作摘み部125は、小ネジ126により弁体部本体124に固定されている。
ブロック部87から露出するように設けられた操作摘み部125は、弁体部本体124の位置からブロック部87の軸方向先方に延在しており、この状態(角度0°)が、上記の第1開放位置に対応している。そして、この第1開放位置から軸線廻りに角度45°回転させた位置が全開放位置に対応し、さらにこの全開放位置から軸線廻りに角度45°回転させた位置(第1開放位置から角度90°回転させた位置)が第2開放位置に対応している(図6参照)。なお、詳細は後述するが、現場における使用頻度は、経験的に第1開放位置、全開放位置、第2開放位置の順となる。
ブロック部87と操作摘み部125との間には、弁体部本体124に巻回するようにして弁部Oリング129が介設されている。弁部Oリング129は、操作摘み部125に押圧されて変形することにより、弁座部121と弁体部122との間隙を封止している。弁座部121と弁体部122とで構成される実施形態のネジ機構は、ピッチの短い1条ネジで構成されており、操作摘み部125を全開放位置、第1開放位置および第2開放位置の相互間における回転角度操作に際し、弁部Oリング129は変形状態を維持する。これにより、ポンピング時において、弁座部121と弁体部122との間隙からの接着剤Rの漏れが防止される。
図6は、流路切替え機構部80の切替え操作を表している。同図に示すように、弁体部122に形成された第1貫通孔127と第2貫通孔128とは、軸線廻りにおいて相互に直交しており、また第1送込み流路96および第2送込み流路97は、ブロック部87の軸方向に延在している。3つの回転角度操作位置は、使用頻度の多い順に第1開放位置(図6(a))、全開放位置(図6(b))、第2開放位置(図6(c))となっており、第1開放位置における操作摘み部125は、ブロック部87の軸方向に向いている(これが「デフォルト」角度0°)。
第1開放位置において弁体部122は、第1貫通孔127が角度0°の方向を向き、第2貫通孔128が角度90°の方向を向いている(図6(a)参照)。この状態では、第1切欠き部127aを含む第1貫通孔127が第1送込み流路96に臨み、第1送込み流路96は開放状態(連通状態)となる。一方、第2切欠き部128aを含む第2貫通孔128は第2送込み流路97から外れ、第2送込み流路97は閉塞状態(非連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第1送込み流路96を介して複合ノズル部21の第1ノズル口37からのみ吐出される。
第1開放位置から操作摘み部125を角度45°左廻り(上面視)に回転させた全開放位置では、弁体部122は、第1貫通孔127が角度45°の方向を向き、第2貫通孔128が角度逆45°の方向を向いている(図6(b)参照)。この状態では、第1切欠き部127aを含む第1貫通孔127が第1送込み流路96に臨むと共に、第2切欠き部128aを含む第2貫通孔128は第2送込み流路97に臨む。これにより、第1送込み流路96は開放状態(連通状態)となり、第2送込み流路97も開放状態(連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第1送込み流路96を介して第1ノズル口37から、および第2送込み流路97を介して第2ノズル口38からそれぞれ吐出される。
全開放位置から操作摘み部125を更に角度45°(第1開放位置から角度90°)左廻り(上面視)に回転させた第2開放位置では、弁体部122は、第1貫通孔127が角度90°の方向を向き、第2貫通孔128が角度0°の方向を向いている(図6(c)参照)。この状態では、第1送込み流路96は閉塞状態(非連通状態)となり、第2送込み流路97は開放状態(連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第2送込み流路97を介して第2ノズル口38からのみ吐出される。なお、操作摘み部125は、上面視右廻りに回転操作されるものであってもよい。
[第1変形例]
次に、図7を参照して、第1実施形態の第1変形例に係る流路切替え機構部80Aについて説明する。この流路切替え機構部80Aでは、弁座部121Aと弁体部122Aとがネジ機構を構成しておらず、単に弁座部121Aに弁体部122Aが回転可能に嵌合している。
図7に示すように、流路切替え機構部80Aは、第1送込み流路96および第2送込み流路97に直交し、内部周面壁に第1送込み流路96および第2送込み流路97が上下に開口した円柱空間状の弁座部121Aと、弁座部121Aに嵌合すると共に回転操作される円柱状の弁体部122Aと、を有している。この場合も、弁体部122Aは、弁座部121Aに嵌合する弁体部本体124と、弁体部本体124を回転操作するための操作摘み部125と、操作摘み部125を弁体部本体124に固定する小ネジ126と、を有している。もっとも、この場合の弁体部本体124には、上部に鍔部131が一体に形成されると共に、第1貫通孔127と第2貫通孔128との間に環状溝部132が形成されている。
一方、ブロック部87の外周面には、弁体部本体124を囲繞するように突条ネジ部133が形成され、この突状ネジ部133には、キャップ状ネジ134が螺合している。具体的には、突状ネジ部133と鍔部131との間に、弁部主Oリング135が介在され、この状態で、鍔部131を押さえるようにキャップ状ネジ134が突状ネジ部133に螺合している。これにより、回転操作される弁体部122Aと弁座部121Aとの間が封止されている。また、上記の環状溝部132には、弁部副Oリング136が装着され、第1送込み流路96と第2送込み流路97との間が封止されている。
そして、弁体部本体124には、第1実施形態と同様に、第1送込み流路96に対応する第1貫通孔127と、第2送込み流路97に対応する第2貫通孔128と、が貫通形成されている。この場合も、操作摘み部125が角度0°に位置する状態が第1開放位置に対応している。また、この第1開放位置から軸線廻りに角度45°回転させた位置が全開放位置に対応し、さらにこの全開放位置から軸線廻りに角度45°回転させた位置(第1開放位置から角度90°回転させた位置)が第2開放位置に対応している。したがって、流路切替え機構部80Aの切替え操作は、第1実施形態と同様となる(図6参照)。
[第2変形例]
次に、図8を参照して、第1実施形態の第2変形例に係る流路切替え機構部80Bについて説明する。この流路切替え機構部80Bは、シリンダー状の弁座部121Bと、プランジャー状の弁体部122Bとを有し、弁座部121Bに対し弁体部122Bをスライド(進退)させることにより、切替え操作される。
図8に示すように、流路切替え機構部80Bは、第1送込み流路96および第2送込み流路97に直交し、内部周面壁に第1送込み流路96および第2送込み流路97が上下に開口したシリンダー状の弁座部121Bと、弁座部121Bに嵌合すると共に軸方向(上下方向)にスライド操作されるプランジャー状の弁体部122Bと、を有している。
弁座部121Bは、第1送込み流路96および第2送込み流路97を含んでブロック部87を上下に貫通している。ブロック部87の上面および下面には、弁体部122Bに巻回するようにして一対の封止Oリング141が設けられ、また封止Oリング141を押さえるように一対の押え板142が設けられている。そして、この一対の封止Oリング141により、スライドする弁体部122Bと弁座部121Bとの間が封止されている。
弁体部122Bは、第1送込み流路96に対応する第1環状溝144と、第2送込み流路97に対応する第2環状溝145とを有している。第1環状溝144は、断面半円状の溝であり、第1送込み流路96と同径に形成されている。同様に、第2環状溝145は、断面半円状の溝であり、第2送込み流路97と同径に形成されている。
図8(a)は、弁体部122Bが全開放位置にある状態であり、弁体部122Bの上端部および下端部が、それぞれブロック部87(押え板142)から突出している。また、図8(b)は、弁体部122Bが第1開放位置にある状態であり、弁体部122Bの上端部が押え板142と略面一となると共に、下端部がブロック部87(押え板142)から下方に大きく突出している。さらに、図8(c)は、弁体部122Bが第2開放位置にある状態であり、弁体部122Bの上端部がブロック部87(押え板142)から上方に大きく突出すると共に、下端部が押え板142と略面一となっている。
図8(b)の第1開放位置における弁体部122Bは、第2環状溝145が第1送込み流路96に臨む一方、第1環状溝144が第1送込み流路96および第2送込み流路97から下方に外れている。この状態では、第1送込み流路96は開放状態(連通状態)となり、第2送込み流路97は閉塞状態(非連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第1ノズル口37からのみ吐出される。
図8(a)の全開放位置における弁体部122Bは、第1環状溝144が第1送込み流路96に臨むと共に、第2環状溝145が第2送込み流路97に臨んでいる。この状態では、第1送込み流路96は開放状態(連通状態)となり、第2送込み流路97も開放状態(連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第1ノズル口37および第2ノズル口38からそれぞれ吐出される。
図8(c)の第2開放位置における弁体部122Bは、第2環状溝145が第1送込み流路96および第2送込み流路97から上方に外れる一方、第1環状溝144が第2送込み流路97に臨んでいる。この状態では、第1送込み流路96は閉塞状態(非連通状態)となり、第2送込み流路97は開放状態(連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第2ノズル口38からのみ吐出される。
なお、図示では省略したが、ブロック部87にクリック機構を組み込んで、弁体部122Bを第1開放位置、全開放位置および第2開放位置において、クリック的に位置規制することが好ましい。クリック機構は、例えば弁体部122Bに形成した冠球状の3つの溝と、ブロック部87に組み込まれ、3つの溝に選択的に係合する球体および球体を付勢するバネと、で構成することが好ましい。
[注入形態]
流路切替え機構部80の切替え操作は、例えば図1において、第1浮き部6a、第2浮き部6bおよび第3浮き部6cのうち、第1浮き部6aおよび第2浮き部6bの2箇所に「浮き」が生じている場合には、操作摘み部125を第1開放位置に切り替えて、接着剤Rを第1ノズル口37からのみ吐出させる。また、第1浮き部6a、第2浮き部6bおよび第3浮き部6cの3箇所に「浮き」が生じている場合や、第1浮き部6aおよび第3浮き部6cの2箇所に「浮き」が生じている場合には、操作摘み部125を全開放位置に切り替えて、接着剤Rを第1ノズル口37および第2ノズル口38から吐出させる。
また、この場合において、第3浮き部6cの容積が極端に大きい場合、全開放位置における接着剤Rの注入をある程度行った後、接着剤注入器10の注入姿勢を維持したまま、操作摘み部125を第2開放位置に切り替えて、接着剤Rの注入を続行する。すなわち、注入の最終段階で、接着剤Rを第2ノズル口38からのみ吐出させ、第3浮き部6cに接着剤Rを行き渡らせるようにする。
[ピンニング工法]
次に、図9および図10を参照して、上記の接着剤注入器10を用いたピンニング工法について説明する。このピンニング工法では、前工程として、ハンマー等により外壁1を打鍵して第1浮き部6a、第2浮き部6bおよび第3浮き部6cを探査し、下穴8の穿孔位置(タイルの中心部表面にマーキング)および穿孔深さが決定されているものとする。なお、後述する注入工程において、図9では、上記の全開放位置に切替えた注入形態について、図10(a)では、第1開放位置に切替えた注入形態について、図10(b)では、第2開放位置に切替えた注入形態について、それぞれ説明する。
ピンニング工法は、外壁1を所定の深さまで穿孔して下穴8を形成する穿孔工程(図9(a)参照)と、接着剤注入器10により、下孔8の開口部8aを封止しつつ下孔8に接着剤Rを注入する注入工程(図9(b)および(c)参照)と、接着剤Rが注入された下孔8に、アンカーピン150を挿入・装着する装着工程(図9(d)参照)と、を備えている。
穿孔工程では、ダイヤモンドビットを装着した電動ドリル等の穿孔工具142を使用し、上記のマーキングに倣って外壁1に下穴8を穿孔する。具体的には、仕上げ材5(タイル)、張付けモルタル4および下地モルタル3を貫通してコンクリート躯体2を所定の深さまで穿孔し、下穴8を形成する(図9(a)参照)。その際、穿孔は外壁1に対し直角に行い、コンクリート躯体2への穿孔深さは30mm以上とする。また、下穴8は、アンカーピン150が遊挿できるように、アンカーピン150よりも一回り大きい径(1〜2mm太径)とする。なお、後述するアンカーピン150を用いる場合には、この時点で、球形の研削ビットを用い、下穴8の開口部8aを面取りしておく。
下穴8を形成した後には、下穴8に残った切削粉等をブロアー等の噴気で清掃し除去する。もっとも、穿孔に際し冷却水を用い、切削粉を冷却水と共に排水除去できる場合には、清掃は省略される。なお、この時点で内視鏡等を用い、下穴8を介して第1浮き部6a、第2浮き部6bおよび第3浮き部6cを確認することが好ましい。ここでは、第1浮き部6a、第2浮き部6bおよび第3浮き部6cが確認できたものとし、流路切替え機構部80を全開放位置に切替えて接着剤Rの注入を行う。
注入工程では、先ず複合ノズル部21を下穴8に挿入してゆく。この挿入の過程において、ノズル本体31の先端が下穴8の穴底に到達すると共に、開口封止部22が下穴8の開口部8aに達し、そのテーパー部51により開口部8aが封止される。この状態では、第1ノズル口37が下穴8の奥部に位置し、第2ノズル口38が下穴8の開口部8a近傍に位置することとなる(図9(b)参照)。
ここで、注入器本体11の操作レバー17を操作(ポンピング)し、接着剤Rを注入ノズル12に送り込んで、下穴8への接着剤Rの注入を開始する(図9(b)参照)。接着剤Rの注入を開始すると、接着剤Rは、第1ノズル口37から吐出され、下穴8の奥部から満たされ、第1浮き部6aに円状に広がるようにして充填され、さらに第2浮き部6bに円状に広がるようにして充填されてゆく。同様に、接着剤Rは、第2ノズル口38から吐出され、第3浮き部6cに円状に広がるようにして充填されてゆく(図9(c)参照)。
このようにして、接着剤Rが、下穴8、第1浮き部6a、第2浮き部6bおよび第3浮き部6cに行き渡ると、ポンピング操作が重くなり、接着剤Rが適切に注入されたことが体感される。ここで、開口封止部22を下穴8から引き離すと共に、複合ノズル部21を下穴8からゆっくり引き抜く。なお、本実施形態では、下穴8の奥部から接着剤Rの注入を行うため、奥部にエアー溜りが生ずることが無く、複合ノズル部21の引き抜きの際に、接着剤Rが下穴8の開口部8aから漏れ出ることもない。
装着工程では、接着剤Rが注入された下穴8にアンカーピン150を挿入・装着する。この場合のアンカーピン150は、ピン軸部150aを全ネジとし、ピン頭部150bを皿状としたものが好ましい。また、ピン頭部150bは、仕上げ材5と同色に着色されたものが好ましい。下穴8に挿入したアンカーピン150は、そのピン頭部150bが開口部8aの面取り部分に没入し、その天面が仕上げ材5の表面と面一となったところで、装着を完了する(図9(d)参照)。なお、この面一は、好ましくは挿入の最終段階で、ピン頭部150bにヘラ等を突き当て押し込むことで達成される。そして、アンカーピン150の装着が完了したら、接着剤Rが硬化するまで養生を行う。
図10(a)は、流路切替え機構部80を第1開放位置に切替えて行う注入形態である。第1浮き部6aおよび第2浮き部6bの2箇所に「浮き」が生じている場合を想定している。接着剤Rの注入を開始すると、接着剤Rは、第1ノズル口37から吐出され、下穴8の奥部から満たされ、続いて第1浮き部6aに円状に広がるようにして充填され、さらに第2浮き部6bに円状に広がるようにして充填されてゆく。接着剤Rが、下穴8、第1浮き部6aおよび第2浮き部6bに行き渡ると、ポンピング操作が重くなり、接着剤Rが適切に注入されたことが体感される。
図10(b)は、流路切替え機構部80を第2開放位置に切替えて行う注入形態である。第1浮き部6a、第2浮き部6bおよび第3浮き部6cの3箇所に「浮き」が生じている場合や、第1浮き部6aおよび第3浮き部6cの2箇所に「浮き」が生じている場合であって(図示のものは、3箇所に「浮き」)、特に第3浮き部6cの容積が極端に大きい場合を想定している(例えば、大型タイルや規格石の「ダンゴ張り」等)。
この場合には、上記した全開放位置における接着剤Rの注入をある程度行った後、接着剤注入器10の注入姿勢を維持したまま、操作摘み部125を第2開放位置に切り替えて、接着剤Rの注入を続行する。すなわち、接着剤Rが、下穴8、第1浮き部6aおよび第2浮き部6bに行き渡った段階で、操作摘み部125を全開放位置から第2開放位置に切り替える。ここで接着剤Rの注入を続行すると、接着剤Rは、第2ノズル口38からのみ吐出し、第3浮き部6cに円状に広がるようにして充填される。
以上のように、第1実施形態によれば、注入ノズル12の複合ノズル部21が、装着カバー部25によりボディ本体24に強固に取り付けられているため、複合ノズル部21ががたつくことがなく、作業に際し、下穴8をねらい易く且つ下穴8の穴壁につかえる等の不具合を抑制することができる。また、第1注入流路35(第1ノズル口37)および第2注入流路36(第2ノズル口38)を有する複合ノズル部21が、単一のもので形成されているため、複合ノズル部21廻りの構造を単純化することができる。さらに、複合ノズル部21の先端部をカットすることで、複合ノズル部21を下穴8の深さに合わせることができる。したがって、接着剤Rの注入作業を適切且つ円滑に行い得ると共に、洗浄作業を容易に且つ短時間で行うことができる。
一方、注入器本体11に流路切替え機構部80,80A,80Bを組み込むようにしているため、接着剤Rを、第1ノズル口37および第2ノズル口38から吐出させる場合、第1ノズル口37のみから吐出される場合、および第2ノズル口38のみから吐出させる場合の、3つの注入形態を執ることができる。したがって、外壁1に生ずる「浮き」の数や発生個所等の性状に合わせて、接着剤Rを効率良く注入することができる。
しかも、流路切替え機構部80,80A,80Bを、注入ノズル12ではなく注入器本体11に組み込むことで、全体の重量バランスが注入器本体11側に集中(「マスの集中」)させることができる。また、注入ノズル12の大型化が抑制され、注入器本体11の手持ち位置と注入ノズル12の先端とが極端に離れることがない。したがって、取回し性や操作性を損なうことがない。
[第2実施形態]
次に、図11を参照して、第2実施形態に係る接着剤注入器10の注入ノズル12Aについて説明する。なお、第2実施形態では、主に第1実施形態と異なる部分について説明する。第2実施形態の接着剤注入器10では、注入器本体11が、シリンダーに連なる単一の送込み流路を有する一般的なものとなっている。したがって、ここでは注入器本体11の説明は省略する。一方、注入ノズル12Aは、第1ノズル口37および第2ノズル口38から接着剤Rを吐出可能に構成されているものの、上記のような流路切替え機構部80がなく、単純な構造を有している。
図11に示すように、注入ノズル12Aは、第1実施形態と同様に、複合ノズル部21と開口封止部22とノズルボディ22Aとを備えている。この場合、複合ノズル部21と開口封止部22とは、第1実施形態のものと略同一の形態を有している。一方、ノズルボディ23Aは、注入器本体11への装着部位を兼ねるボディ本体24Aと、ボディ本体24Aに複合ノズル部21を取り付けるための保持筒部26と、を有している。そして、保持筒部26は、ボディ本体24Aの先端部に螺合している。
[ノズルボディ]
ノズルボディ23Aのボディ本体24Aは、ステンレスやスチール等で形成されている。ボディ本体24Aの内部には、その軸心部に、複合ノズル部21の第1注入流路35および第2注入流路36に連通する単一の接着剤流路161が形成されている。そして接着剤流路161は、ボディ本体24Aを軸方向に貫くように形成されている。
ボディ本体24Aの先端部には、保持筒部26に螺合する太径雄ネジ部162が形成される一方、基端部には、注入ノズル12Aを注入器本体11に装着するための装着雄ネジ部163が形成されている。装着雄ネジ部163を注入器本体11に螺合すると、注入ノズル12Aを注入器本体11に装着され、同時に、接着剤流路161が注入器本体11(の送込み流路)に連通する。
一方、複合ノズル部21の接合部33には、上記の一対の円形溝部41に代えて単一の大円形溝部165が形成されている。また、この大円形溝部165に対峙して、太径雄ネジ部162の先端面には、接合部33が嵌合するように接合される嵌合溝部166が形成されている。大円形溝部165と嵌合溝部166とは、接合Oリング167を介在した状態で接合されている。そして、大円形溝部165と嵌合溝部166との間隙には、第1注入流路35および第2注入流路36に連通する共有注入流路168が構成されている。すなわち、第1注入流路35および第2注入流路36は、共有注入流路168を介して、ボディ本体24Aの接着剤流路161と連通している。
保持筒部26は、第1実施形態の装着カバー部25を短く形成したものであり、複合ノズル部21のフランジ部32を掛け止めする掛止め部77と、ボディ本体24Aの太径雄ネジ部162に螺合する後方雌ネジ部78と、で一体に形成されている。保持筒部26の後方雌ネジ部78を、ボディ本体24Aの太径雄ネジ部162に螺合すると、複合ノズル部21がボディ本体24Aに強く引き付けられる。これにより、接合Oリング167を介して、複合ノズル部21の接合部33(大円形溝部165)とボディ本体24Aの太径雄ネジ部162(嵌合溝部166)とが強く密接し、共有注入流路168と接着剤流路161とが連通すると共にその相互の境界部分が封止される。
ポンピングにより注入器本体11から注入ノズル12Aに送り込まれた接着剤Rは、接着剤流路161を通って共有注入流路168に導かれる。共有注入流路168に導かれた接着剤Rは、さらに第1注入流路35を通って第1ノズル口37から吐出され、且つ第2注入流路36を通って第2ノズル口38から吐出される。すなわち、第2実施形態の注入ノズル12Aでは、第1実施形態の全開放位置における注入形態と同様な注入形態となる。
このように、第2実施形態によれば、複合ノズル部21が、保持筒部26によりボディ本体24Aに強固に取り付けられているため、作業に際し、下穴8をねらい易く且つ下穴8の穴壁につかえる等の不具合を抑制することができる。また、複合ノズル部21が、単一のもので形成されているため、複合ノズル部21廻りの構造を単純化することができる。さらに、複合ノズル部21の先端部をカットすることで、複合ノズル部21を下穴の深さに合わせることができる。したがって、接着剤Rの注入作業を適切且つ円滑に行い得ると共に、洗浄作業を容易に且つ短時間で行うことができる。
しかも、複合ノズル部21を有するこの注入ノズル12Aでは、接着剤Rを、第1ノズル口37および第2ノズル口38の2箇所から吐出させることができ、接着剤Rを下穴8に効率良く注入することができる。
次に、図12および図13を参照して、第3実施形態に係る接着剤注入器10の注入ノズル12Bについて説明する。なお、第3実施形態では、主に第1実施形態と異なる部分について説明する。第3実施形態の接着剤注入器10では、後述する流路切替え機構部180が、注入器本体11ではなく、注入ノズル12Bに組み込まれている。したがって、この場合も、注入器本体11は、シリンダーに連なる単一の送込み流路を有する一般的なものとなっている(説明は省略する)。
図12に示すように、注入ノズル12Bは、第1実施形態と同様に、複合ノズル部21と開口封止部22とノズルボディ23Bとを備えている。この場合、複合ノズル部21と開口封止部22とは、第1実施形態のものと同一の形態を有している。一方、ノズルボディ23Bは、先端部に複合ノズル部21が接合されたボディ本体24Bと、ボディ本体24Bに複合ノズル部21を取り付けるための保持筒部26と、注入器本体11への装着部位となる本体装着部28と、を有している。この場合、保持筒部26は、第2実施形態と同様にボディ本体24Bの先端部に螺合し、本体装着部28は、ボディ本体24Bの基端部に螺合している。
[ノズルボディ]
ノズルボディ22のボディ本体24Bは、ステンレスやスチール等で略円柱状に形成されている。ボディ本体24Bの内部には、下流側を複合ノズル部21の第1注入流路35(および第1円形流路42)に連通する第1接着剤流路201と、下流側を複合ノズル部21の第2注入流路36(および第2円形流路43)に連通する第2接着剤流路202と、上流側を注入器本体11に連通し下流側を第1接着剤流路201および第2接着剤流路202に連通する共有接着剤流路203と、が形成されている。
そして、第1接着剤流路201と第2接着剤流路202とは、相互に平行に且つ同径に形成されている。また、第1接着剤流路201と第2接着剤流路202とは、ボディ本体24Bの軸心に対し180°点対称位置に配設されている。さらに、ボディ本体24Bには、第1接着剤流路201と第2接着剤流路202とを選択的に流路切替えするバルブ形式の流路切替え機構部180が組み込まれている。なお、流路切替え機構部180については、後に詳述する。
ボディ本体24Bの基端部には、後方雄ネジ部205が形成されており、後方雄ネジ部205の基端面には、円形の浅溝部206が形成されている。この浅溝部206は、ボディ本体24Bに取り付けた上記の本体装着部28の内壁と対峙して密閉空間を構成し、この密閉空間により上記の共有接着剤流路203が構成されている。本体装着部28を後方雄ネジ部205に螺合すると、本体装着部28とボディ本体24Bとの間に介設され太径Oリング207により、共有接着剤流路203が封止される。
本体装着部28は、注入ノズル12Bを注入器本体11に装着する部位であり、ステンレスやスチール等で形成されている。本体装着部28は、ボディ本体24Bの後方雄ネジ部205に螺合する有底円筒状の装着部本体211と、装着部本体211の外端面に突設した装着ネジ部212と、で一体に形成されている。また、装着部本体211および装着ネジ部212の軸心部には、連通流路213が形成されている。
太径Oリング207を介在させた状態で、ボディ本体24Bに本体装着部28を螺合すると、連通流路213の下流端が共有接着剤流路203に連通する。また、この状態で、装着ネジ部212を介して注入ノズル12Bを注入器本体11に螺合すると、注入ノズル12Bが注入器本体11に装着されると共に、連通流路213の上流端が注入器本体11(の送込み流路)に連通する。
ポンピングにより注入器本体11から送り込まれた接着剤Rは、共有接着剤流路203に流れ込み、更に共有接着剤流路203から分流して、第1接着剤流路201および第2接着剤流路202に導かれる。第1接着剤流路201に導かれた接着剤Rは、第1注入流路35を通って第1ノズル口37から吐出される。同様に、第2接着剤流路202に導かれた接着剤Rは、第2注入流路36を通って第2ノズル口38から吐出される。
[流路切替え機構部]
ここで、図12および図13を参照して、流路切替え機構部180について詳細に説明する。第1実施形態の流路切替え機構部80が注入器本体11に作り込まれているのに対し、第3実施形態の流路切替え機構部180は、注入ノズ12Bに作り込まれている。但し、両者の基本構造は、略同一である。
すなわち、流路切替え機構部180は、第1接着剤流路201を開放し且つ第2接着剤流路202を開放する全開放位置と、第1接着剤流路201を開放し且つ第2接着剤流路202を閉塞する第1開放位置と、第1接着剤流路201を閉塞し且つ第2接着剤流路202を開放する第2開放位置と、の間で接着剤Rの流路を切り替え得るようになっている。
具体的には、流路切替え機構部180は、第1接着剤流路201および第2接着剤流路202に直交し、内部周面壁に第1接着剤流路201および第2接着剤流路202が上下に開口した雌ネジ状の弁座部221と、弁座部221に螺合し、軸線廻りに回転操作される雄ネジ状の弁体部222と、を有している。弁体部222は、弁座部221に螺合する弁体部本体224と、弁体部本体224を回転操作するための操作摘み部225と、操作摘み部225を弁体部本体224に固定する小ネジ226と、を有している。
弁体部本体224には、第1接着剤流路201に対応する第1貫通孔227と、第2接着剤流路202に対応する第2貫通孔228と、が第1接着剤流路201および第2接着剤流路202の離間寸法分の距離を隔てて上下に、且つ軸線廻りに相互に直交するように貫通形成されている。第1貫通孔227は、第1接着剤流路201より細径に形成され、その開口縁部には2つの第1切欠き部227aが形成されている。同様に、第2貫通孔228は、第2接着剤流路202より細径に形成され、その開口縁部には2つの第2切欠き部228aが形成されている(いずれも図13参照)。また、また、ボディ本体24Bと操作摘み部225との間には、弁体部本体224に巻回するようにして弁部Oリング229が介設されている。
図13は、流路切替え機構部180の切替え操作を表している。同図に示すように、弁体部222に形成された第1貫通孔227と第2貫通孔228とは、軸線廻りにおいて相互に直交しており、また第1接着剤流路201および第2接着剤流路202は、ボディ本体24Bの軸方向に延在している。3つの回転角度操作位置は、使用頻度の多い順に第1開放位置(図13(a))、全開放位置(図13(b))、第2開放位置(図13(c))となっており、第1開放位置における操作摘み部225は、ボディ本体24Bの軸方向に向いている(これが「デフォルト」角度0°)。
第1開放位置において弁体部222は、第1貫通孔227が角度0°の方向を向き、第2貫通孔228が角度90°の方向を向いている(図13(a)参照)。この状態では、第1切欠き部227aを含む第1貫通孔227が第1接着剤流路201に臨み、第1接着剤流路201は開放状態(連通状態)となる。一方、第2切欠き部228aを含む第2貫通孔228は第2接着剤流路202から外れ、第2接着剤流路202は閉塞状態(非連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第1接着剤流路201を介して第1ノズル口37からのみ吐出される。
第1開放位置から操作摘み部225を角度45°左廻りに回転させた全開放位置では、弁体部222は、第1貫通孔227が角度45°の方向を向き、第2貫通孔228が角度逆45°の方向を向いている(図13(b)参照)。この状態では、第1切欠き部227aを含む第1貫通孔227が第1接着剤流路201に臨むと共に、第2切欠き部228aを含む第2貫通孔228は第2接着剤流路202に臨む。これにより、第1接着剤流路201は開放状態(連通状態)となり、第2接着剤流路202も開放状態(連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第1接着剤流路201を介して第1ノズル口37から、および第2接着剤流路202を介して第2ノズル口38からそれぞれ吐出される。
全開放位置から操作摘み部225を更に角度45°(第1開放位置から角度90°)左廻りに回転させた第2開放位置では、弁体部222は、第1貫通孔227が角度90°の方向を向き、第2貫通孔228が角度0°の方向を向いている(図13(c)参照)。この状態では、第1接着剤流路201は閉塞状態(非連通状態)となり、第2接着剤流路202は開放状態(連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第2接着剤流路202を介して第2ノズル口38からのみ吐出される。
このように、第3実施形態においても、複合ノズル部21が、保持筒部26によりボディ本体24Bに強固に取り付けられているため、作業に際し、下穴8をねらい易く且つ下穴8の穴壁につかえる等の不具合を抑制することができる。また、複合ノズル部21が、単一のもので形成されているため、複合ノズル部21廻りの構造を単純化することができる。さらに、複合ノズル部21の先端部をカットすることで、複合ノズル部21を下穴の深さに合わせることができる。したがって、接着剤Rの注入作業を適切且つ円滑に行い得ると共に、洗浄作業を容易に且つ短時間で行うことができる。
一方、注入ノズル12Bに流路切替え機構部180を組み込むようにしているため、接着剤Rを、第1ノズル口37および第2ノズル口38から吐出させる場合、第1ノズル口37のみから吐出される場合、および第2ノズル口38のみから吐出させる場合の、3つの注入形態を執ることができる。したがって、外壁1に生ずる「浮き」の数や発生個所等の性状に合わせて、接着剤Rを効率良く注入することができる。
なお、第3実施形態の注入ノズル12Bにおいても、上記の流路切替え機構部180に代えて、第1実施形態における第1変形例に係る流路切替え機構部80A、および第2変形例に係る流路切替え機構部80Bを適用することが可能である。
以上、これらの実施形態における接着剤注入器11は、作業後の洗浄(溶剤により接着剤Rを洗い落とす)を考慮して、複合ノズル部21および開口封止部22以外の主な構成部品をステンレス等の金属材料で形成することとしている。しかし、この主な構成部品は、溶剤に対し耐薬品性を有する材料であれば、プラスチックやセラミック等で形成することも可能である。
また、流路切替え機構部80,180は、上記の実施形態の他、一般的なバルブ(ボールバルブ、ゲートバルブ、バタフライバルブ等)を2連として構成したものであってもよい。かかる場合には、2つ(2連)のバルブにおいて、弁体の開閉角度が異なるものとなる。
1…外壁、8…下穴、8a…開口部、10…接着剤注入器、11…注入器本体、12,12A,12B…注入ノズル、15…接着剤貯留部、16…ポンプ部、17…操作レバー、21…複合ノズル部、22…開口封止部、23,23A,23B…ノズルボディ、24,24A,24B…ボディ本体、25…装着カバー部、26…保持筒部、28…本体装着部、35…第1注入流路、36…第2注入流路、37…第1ノズル口、38…第2ノズル口、47…カットライン、48…数値、61…第1接着剤流路、62…第2接着剤流路、80,80A,80B…流路切替え機構部、83…ポンプケーシング、87…ブロック部、96…第1送込み流路、97…第2送込み流路、121,121A,121B…弁座部、122,122A,122B…弁体部、124…弁体部本体、125…操作摘み部、127…第1貫通孔、128…第2貫通孔、144…第1環状溝、145…第2環状溝、150…アンカーピン、161…接着剤流路、168…共有注入流路、180…流路切替え機構部、201…第1接着剤流路、202…第2接着剤流路、221…弁座部、222…弁体部、227…第1貫通孔、228…第2貫通孔、R…接着剤

Claims (8)

  1. 注入器本体に装着して用いられ、
    壁体を所定の深さまで穿孔した下穴に、その開口部を封止しながら接着剤を注入するピンニング工法用の注入ノズルであって、
    前記下穴に挿入され、硬質の樹脂で一体に形成された複合ノズル部と、
    前記複合ノズル部の基部に装着され、前記開口部を封止する開口封止部と、
    前記注入器本体に装着され、内部に前記注入器本体に連なる接着剤流路を有すると共に先端部に前記複合ノズル部が取り付けられたノズルボディと、を備え、
    前記複合ノズル部は、
    前記下穴の奥部に臨む第1ノズル口と、
    前記下穴の前記開口部近傍に臨む第2ノズル口と、
    上流側を前記接着剤流路に連通すると共に下流側を前記第1ノズル口に連通する第1注入流路と、
    上流側を前記接着剤流路に連通すると共に下流側を前記第2ノズル口に連通する第2注入流路と、を有していることを特徴とするピンニング工法用の注入ノズル。
  2. 前記第1注入流路と前記第2注入流路とは、相互に平行に且つ近接して配設されていることを特徴とする請求項1に記載のピンニング工法用の注入ノズル。
  3. 前記複合ノズル部は、外周面に軸方向のカット位置を指標する複数のカットラインを有していることを特徴とする請求項1または2に記載のピンニング工法用の注入ノズル。
  4. 前記各カットラインには、前記下穴の深さに対応する数値が明示されていることを特徴とする請求項3に記載のピンニング工法用の注入ノズル。
  5. 前記接着剤流路は、
    前記第1注入流路に連通する第1接着剤流路と、
    前記第2注入流路に連通する第2接着剤流路と、から成り、
    前記ノズルボディには、前記第1接着剤流路を開放し且つ前記第2接着剤流路を開放する全開放位置と、前記第1接着剤流路を開放し且つ前記第2接着剤流路を閉塞する第1開放位置と、前記第1接着剤流路を閉塞し且つ前記第2接着剤流路を開放する第2開放位置と、の相互間で接着剤の流路を切り替える流路切替え機構部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のピンニング工法用の注入ノズル。
  6. 前記接着剤流路が、前記第1注入流路に連通する第1接着剤流路と、前記第2注入流路に連通する第2接着剤流路と、から成る請求項1ないし4のいずれかに記載のピンニング工法用の注入ノズルと、前記注入ノズルが着脱自在に装着される注入器本体と、から成るピンニング工法用の接着剤注入器であって、
    前記注入器本体は、
    接着剤を貯留する接着剤貯留部と、
    吸込口を介して前記接着剤貯留部から吸い込んだ接着剤を吐出口から吐出するポンプ部と、
    上流側を前記吐出口に連通し下流側を前記第1接着剤流路に連通する第1送込み流路と、
    上流側を前記吐出口に連通し下流側を前記第2接着剤流路に連通する第2送込み流路と、
    前記第1送込み流路を開放し且つ前記第2送込み流路を開放する全開放位置と、前記第1送込み流路を開放し且つ前記第2送込み流路を閉塞する第1開放位置と、前記第1送込み流路を閉塞し且つ前記第2送込み流路を開放する第2開放位置と、の相互間で接着剤の流路を切り替える流路切替え機構部と、を備えたことを特徴とするピンニング工法用の接着剤注入器。
  7. 請求項1ないし5のいずれかに記載のピンニング工法用の注入ノズルと、前記注入ノズルが着脱自在に装着された前記注入器本体と、から成る接着剤注入器を用い、前記壁体を補修するピンニング工法であって、
    前記壁体を所定の深さまで穿孔して前記下穴を形成する穿孔工程と、
    前記接着剤注入器により、前記下穴の開口部を封止しつつ前記下穴に接着剤を注入する注入工程と、
    接着剤が注入された前記下穴に、アンカーピンを挿入・装着する装着工程と、を備えたことを特徴とするピンニング工法。
  8. 請求項6に記載のピンニング工法用の接着剤注入器を用い、前記壁体を補修するピンニング工法であって、
    前記壁体を所定の深さまで穿孔して前記下穴を形成する穿孔工程と、
    前記接着剤注入器により、前記下穴の開口部を封止しつつ前記下穴に接着剤を注入する注入工程と、
    接着剤が注入された前記下穴に、アンカーピンを挿入・装着する装着工程と、を備えたことを特徴とするピンニング工法。
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