JP6557905B1 - ピンニング工法用の接着剤注入器およびこれを用いたピンニング工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】壁体に生ずる「浮き部」の性状に合わせて、接着剤を効率良く注入することができるピンニング工法用の接着剤注入器を提供する【解決手段】注入ノズル12は、下穴の奥部に臨む第1ノズル部24と、下穴の開口部近傍に臨む第2ノズル部25と、第1接着剤流路61および第2接着剤流路62を形成したノズルボディ22と、を備え、注入器本体11は、ポンプ部16と、第1接着剤流路61に連なる第1送込み流路96と、第2接着剤流路62に連なる第2送込み流路97と、第1送込み流路96および第2送込み流路97を開放する全開放位置と、第1送込み流路96を開放し第2送込み流路97を閉塞する第1開放位置と、第1送込み流路96を閉塞し第2送込み流路97を開放する第2開放位置と、の間で流路を切り替える流路切替え機構部80と、を備えたものである。【選択図】 図4

Description

本発明は、いわゆる「浮き」が生じた外壁や内壁等の壁体の補修に使用されるピンニング工法用の接着剤注入器およびこれを用いたピンニング工法に関する。
従来、この種の接着剤注入器として、壁体に形成した挿填穴に接着剤を注入するための第1注入流路および第2注入流路の2つの注入流路を有する注入ノズルと、注入ノズルが装着される注入器本体と、から成る接着剤注入器が知られている(特許文献1参照)。
注入器本体は、接着剤が貯留される筒状のケーシングと、ケーシングの蓋体を兼ねるポンプ本体と、ポンプ本体を作動させるレバーと、を備えている。ポンプ本体の先端には、注入ノズルが着脱自在に装着され、レバーにより、手動でポンプ本体を作動させる(ポンピング)と、ケーシング内の接着剤が注入ノズルに送り込まれる。
注入ノズルは、内部に注入器本体に連なる接着剤流路を有するノズルボディと、ノズルボディの先端から突出するように且つ進退自在に設けられ、接着剤流路に連通するノズル内筒と、を備えている。また、ノズルボディは、間隙を存してノズル内筒を保持するノズル外筒と、ノズル外筒を囲繞する共に挿填穴の開口部を封止する封止部材と、を有している。そして、ノズル内筒の内部には第1注入流路が構成され、ノズル内筒の先端には第1注入流路に連なる吐出口が形成されている。また、ノズル内筒とノズル外筒との間隙には第2注入流路が構成され、ノズル外筒の先端には第2注入流路に連なる漏出口が形成されている。
封止部材により挿填穴の開口部を封止しつつ挿填穴に接着剤を注入してゆくと、接着剤は、第1注入流路を通ってノズル内筒の吐出口から吐出され、挿填穴の最深部から徐々に満たされてゆく。また、接着剤は、第2注入流路を通ってノズル外筒の漏出口から吐出され、挿填穴の手前から満たされてゆく。これにより、接着剤は、挿填穴に充填されると共に、挿填穴に連なる複数の「浮き部」にも充填される。
特許第3759157号公報
ところで、ピンニングの対象となる壁体において、例えば外壁では、コンクリート躯体と下地モルタルとの界面、下地モルタルと張付けモルタルとの界面、張付けモルタルとタイルとの界面に、それぞれ「浮き部」が生ずる可能性がある。このため、現場によって「浮き部」の発生個所や発生数が区々となり、これら界面の一箇所のみ「浮き部」が生じている場合のみならず、複数個所に「浮き部」が生じている場合も珍しくはない。
一方、従来のピンニング工法用の注入ノズルでは、接着剤が、第1注入流路に連なるノズル内筒の吐出口から吐出されると共に、第2注入流路に連なるノズル外筒の漏出口から吐出される。このため、従来の注入ノズルでは、張付けモルタルとタイルとの界面を含む複数個所に「浮き部」が生じている壁体に対し、接着剤を効率良く注入することができる。
しかし、張付けモルタルとタイルとの界面に生じた「浮き部」の容積が大きい場合(例えば、大型タイルや規格石の「ダンゴ張り」)や、張付けモルタルとタイルとの界面に「浮き部」が生じていない場合には、接着剤を効率良く注入することができない問題がある。
かかる場合に、例えば接着剤を、第1注入流路および第2注入流路から注入する注入形態の他、第1注入流路のみから注入する注入形態および第2注入流路のみから注入する注入形態を可能とすれば、上記の問題は解消されると思われる。
しかし、このようにすると、注入ノズルに注入流路を切り替える切替え機構を組み込む必要があり、注入ノズルが大型化し且つ重くなる。すると、作業に際し、挿填穴に挿入されるノズル内筒や封止部材が見え難くなると共に、注入器本体の手持ち位置と接着剤注入器の重心とが離れ、重量バランスが崩れる(「マスの集中」が崩れる)こととなる。このため、接着剤注入器の取回し性や操作性が悪化する等の新たな問題が生ずることが想定される。
本発明は、壁体に生ずる「浮き部」の数や発生個所等の性状に合わせて、接着剤を効率良く注入することができると共に、取回し性や操作性を損なうことのないピンニング工法用の接着剤注入器およびこれを用いたピンニング工法を提供することを課題としている。
本発明のピンニング工法用の接着剤注入器は、壁体を所定の深さまで穿孔した下穴に、その開口部を封止しながら接着剤を注入する注入ノズルと、注入ノズルが着脱自在に装着される注入器本体と、から成るピンニング工法用の接着剤注入器であって、注入ノズルは、下穴の奥部に臨む第1ノズル口を有すると共に、下穴の開口部近傍に臨む第2ノズル口を有するノズル部と、ノズル部を保持すると共に、第1ノズル口に連通する第1接着剤流路および第2ノズル口に連通する第2接着剤流路を形成したノズルボディと、を備え、注入器本体は、接着剤を貯留する接着剤貯留部と、吸込口を介して接着剤貯留部から吸い込んだ接着剤を吐出口から吐出するポンプ部と、上流側を吐出口に連通し下流側を第1接着剤流路に連通する第1送込み流路と、上流側を吐出口に連通し下流側を第2接着剤流路に連通する第2送込み流路と、第1送込み流路を開放し且つ第2送込み流路を開放する全開放位置と、第1送込み流路を開放し且つ第2送込み流路を閉塞する第1開放位置と、第1送込み流路を閉塞し且つ第2送込み流路を開放する第2開放位置と、の相互間で接着剤の流路を切り替える流路切替え機構部と、を備えたことを特徴とする。
この場合、ノズル部は、第1ノズル口を有する第1ノズル部と、第2ノズル口を有する第2ノズル部と、から成ることが好ましい。
これらの構成によれば、流路切替え機構部を全開放位置に切り替えておいて、注入器本体から接着剤を送り込むと、注入ノズルにおいて接着剤は、第1接着剤流路を介して第1ノズル口から吐出されると共に、第2接着剤流路を介して第2ノズル口から吐出される。これにより、下穴の奥部および下穴の開口部近傍から接着剤を注入することができる。また、流路切替え機構部を第1開放位置に切り替えておいて、注入器本体から接着剤を送り込むと、注入ノズルにおいて接着剤は、第1接着剤流路を介して第1ノズル口のみから吐出される。これにより、下穴の奥部からのみ接着剤を注入することができる。また、流路切替え機構部を第2開放位置に切り替えておいて、注入器本体から接着剤を送り込むと、注入ノズルにおいて接着剤は、第2接着剤流路を介して第2ノズル口のみから吐出される。これにより、下穴の開口部近傍からのみ接着剤を注入することができる。
したがって、壁体において、下穴の開口部近傍を含む複数個所に「浮き部」が発生している場合には、流路切替え機構部を全開放位置に切り替え、下穴の開口部近傍に「浮き部」が発生していない場合には、流路切替え機構部を第1開放位置に切り替えて、接着剤の注入を行うことができる。さらに、下穴の開口部近傍に生じた「浮き部」の容積が大きい場合には、流路切替え機構部を、注入途中から第2開放位置に切り替えて、接着剤の注入を行うことができる。このように、壁体に生ずる「浮き部」の数や発生個所等の性状に合わせて、接着剤を効率良く注入することができる。
一方、流路切替え機構部を、注入ノズルではなく注入器本体に組み込むようにしているため、注入ノズルの大型化が抑制される。これにより、作業時において、下穴に挿入されるノズル部が見え難くなることがなく、且つ接着剤注入器の重心が手持ちする注入器本体側に位置することとなり、全体の重量バランスが崩れる(「マスの集中」が崩れる)ことがない。したがって、取回し性や操作性を損なうことがない。
また、第1送込み流路および第2送込み流路は、ポンプ部のポンプケーシングに相互に平行になるように形成され、流路切替え機構部は、ポンプケーシングにおいて、第1送込み流路および第2送込み流路に介設されていることが好ましい。
この構成によれば、第1送込み流路および第2送込み流路が形成されたポンプケーシングに、流路切替え機構部を作り込むことで、流路切替え機構部を簡単に構成することができる。また、流路切替え機構部を、相互に平行に配設された第1送込み流路および第2送込み流路に介設することで、流路切替え機構部をバルブ形式とすることができ、この点でも、流路切替え機構部を適切且つ簡単に構成することができる。
この場合、ノズルボディは、基端部に、第1接着剤流路に連なる第1接合部および第2接着剤流路に連なる第2接合部を有し、ポンプケーシングは、先端部に、第1送込み流路に連なる第1接合受部および第2送込み流路に連なる第2接合受部を有し、注入器本体に対し注入ノズルは、第1接合部を第1接合受部に接合し且つ第2接合部を第2接合受部に接合した状態で、着脱自在に装着されていることが好ましい。
この構成によれば、注入ノズルを注入器本体に装着するときに、第1接合部を第1接合受部に接合し且つ第2接合部を第2接合受部に接合することにより、注入ノズルの第1接着剤流路および第2接着剤流路と、注入器本体の第1送込み流路および第2送込み流路と、を適切に連通することができる。なお、第1接合部と第1接合受部とは、一方が凸状で他方が凹状であることが好ましい。同様に、第2接合部と第2接合受部とは、一方が凸状で他方が凹状であることが好ましい。また、第1接合受部および第2接合受部には、逆止弁を組み込んでおくことが好ましい。
これらの場合、流路切替え機構部は、第1送込み流路および第2送込み流路に直交し、内部周面壁に第1送込み流路および第2送込み流路が開口する円柱空間状の弁座部と、弁座部に嵌合し、軸線廻りに回転操作される円柱状の弁体部と、を有し、弁体部は、第1送込み流路に対応する第1貫通孔と、第2送込み流路に対応する第2貫通孔と、を有し、弁体部は、全開放位置、第1開放位置および第2開放位置に対応して、3つの回転角度位置に回転操作可能に構成され、第1貫通孔と第2貫通孔とは、3つの回転角度位置において、それぞれ全開放位置、第1開放位置および第2開放位置となるように、軸線廻りの貫通角度が異なることが好ましい。
この構成によれば、弁体部を3つの回転角度位置に適宜回転操作するだけで、第1貫通孔および第2貫通孔を介して、接着剤の流路を全開放位置、第1開放位置および第2開放位置の相互間で簡単に切り替えることができる。また、流路切替え機構部を、部品点数の少ない簡単な構造とすることができ、注入作業後の分解、洗浄、組立を容易に行うことができる。
同様に、流路切替え機構部は、第1送込み流路および第2送込み流路に直交し、内部周面壁に第1送込み流路および第2送込み流路が開口する円柱空間状の弁座部と、弁座部に嵌合すると共に、軸線廻りに回転操作される円柱状の弁体部と、を有し、弁体部は、第1送込み流路に対応する第1切欠き溝と、第2送込み流路に対応する第2切欠き溝と、を有し、弁体部は、全開放位置、第1開放位置および第2開放位置に対応して、3つの回転角度位置に回転操作可能に構成され、第1切欠き溝と第2切欠き溝とは、3つの回転角度位置において、それぞれ全開放位置、第1開放位置および第2開放位置となるように、軸線廻りの切欠き角度が異なることが好ましい。
この構成によれば、弁体部を3つの回転角度位置に適宜回転操作するだけで、第1切欠き溝および第2切欠き溝を介して、接着剤の流路を全開放位置、第1開放位置および第2開放位置の相互間で簡単に切り替えることができる。また、流路切替え機構部を、部品点数の少ない簡単な構造とすることができ、注入作業後の分解、洗浄、組立を容易に行うことができる。
同様に、流路切替え機構部は、第1送込み流路および第2送込み流路に直交し、内部周面壁に第1送込み流路および第2送込み流路が開口する円柱空間状の弁座部と、弁座部に嵌合すると共に、軸線廻りに回転操作される円柱状の弁体部と、を有し、弁体部は、第1送込み流路および第2送込み流路に対応する単一且つ断面長円状を為す長円状貫通孔を有し、弁体部は、全開放位置、第1開放位置および第2開放位置に対応して、3つの回転角度位置に回転操作可能に構成され、長円状貫通孔は、3つの回転角度位置において、それぞれ全開放位置、第1開放位置および第2開放位置となるように、軸方向に対し斜めに延在していることが好ましい。
この構成によれば、弁体部を3つの回転角度位置に適宜回転操作するだけで、長円状貫通孔を介して、接着剤の流路を全開放位置、第1開放位置および第2開放位置の相互間で簡単に切り替えることができる。また、流路切替え機構部を、部品点数の少ない簡単な構造とすることができ、注入作業後の分解、洗浄、組立を容易に行うことができる。
また、弁座部は、雌ネジ状を為し、弁体部は、弁座部に螺合する雄ネジ状を為していることが好ましい。
この構成によれば、弁座部および弁体部をネジ機構とすることで、接着剤の圧力による弁体部の浮き或いは抜けを防止することができ、その分、構造を単純化することができる。なお、この場合のネジは、ネジ山のピッチが小さいものを用いることが好ましい。
また、流路切替え機構部は、第1送込み流路および第2送込み流路に直交し、内部周面壁に第1送込み流路および第2送込み流路が開口するシリンダー状の弁座部と、弁座部に嵌合すると共に、軸方向にスライド操作されるプランジャー状の弁体部と、を有し、弁体部は、第1送込み流路および第2送込み流路に選択的に臨む第1環状溝および第2環状溝を有し、弁体部は、全開放位置、第1開放位置および第2開放位置に対応して、3つの進退位置にスライド操作可能に構成され、第1環状溝と第2環状溝とは、3つの進退位置において、それぞれ全開放位置、第1開放位置および第2開放位置となるように、第1送込み流路と第2送込み流路との離間寸法と同寸法、軸方向に離間して配設されていることが好ましい。
この構成によれば、弁体部を3つの進退位置に適宜スライド操作するだけで、第1環状溝および第2環状溝を介して、接着剤の流路を全開放位置、第1開放位置および第2開放位置の相互間で簡単に切り替えることができる。また、第1環状溝および第2環状溝では、流路の断面積を第1送込み流路および第2送込み流路の断面積と同等とすることができ、流路摩擦損失による圧力損失を低く抑えることができる。しかも、流路切替え機構部を、部品点数の少ない簡単な構造とすることができ、注入作業後の分解、洗浄、組立を容易に行うことができる。
同様に、流路切替え機構部は、第1送込み流路および第2送込み流路に直交し、内部端面壁に第1送込み流路および第2送込み流路が開口する円柱空間状の弁座部と、弁座部に嵌合すると共に、軸線廻りに回動操作される円柱状の弁体部と、を有し、弁体部は、同軸上において、第1送込み流路および第2送込み流路に対応する単一且つ断面円弧状を為す円弧状貫通孔を有し、弁体部は、全開放位置、第1開放位置および第2開放位置に対応して、3つの回動角度位置に回動操作可能に構成され、円弧状貫通孔は、3つの回転角度位置において、それぞれ全開放位置、第1開放位置および第2開放位置となるように、第1送込み流路と第2送込み流路との中間点を中心とする略半円の円弧状に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、弁体部を3つの回動角度位置に適宜回転操作するだけで、円弧状貫通孔を介して、接着剤の流路を全開放位置、第1開放位置および第2開放位置の相互間で簡単に切り替えることができる。
本発明のピンニング工法は、上記したピンニング工法用の接着剤注入器を用い、壁体を補修するピンニング工法であって、壁体を所定の深さまで穿孔して下穴を形成する穿孔工程と、接着剤注入器により、下穴の開口部を封止しつつ下穴に接着剤を注入する注入工程と、接着剤が注入された下穴に、アンカーピンを挿入・装着する装着工程と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、壁体の要補修箇所に下穴を穿孔した後、接着剤注入器により下穴に接着剤を注入する。その際、壁体におけるの「浮き部」の数や発生個所等の性状に合わせて、第1ノズル口および第2ノズル口から接着剤を注入する場合と、第1ノズル口からのみ接着剤を注入する場合と、第2ノズル口からのみ接着剤を注入する場合と、の3通りの注入形態のうちから適切な注入形態を執ることができる。したがって、接着剤の下穴への充填および「浮部」への充填を、壁体の性状に合わせて適切且つ効率良く行うことができる。
第1実施形態に係る接着剤注入器と外壁との関係を表した断面模式図である。 第1実施形態に係る接着剤注入器の側面図である。 接着剤注入器における注入ノズルの裁断側面図である。 接着剤注入器における注入器本体の裁断側面図である。 注入器本体おける流路切替え機構部の動作説明図であって、第1開放位置に切り替えた図(a)、全開放位置に切り替えた図(b)、第2開放位置に切り替えた図(c)である。 第1実施形態の第1変形例における流路切替え機構部の動作説明図であって、第1開放位置に切り替えた図(a)、全開放位置に切り替えた図(b)、第2開放位置に切り替えた図(c)である。 第1実施形態の第2変形例における流路切替え機構部の動作説明図であって、第1開放位置に切り替えた図(a)、全開放位置に切り替えた図(b)、第2開放位置に切り替えた図(c)である。 第1実施形態の第3変形例における流路切替え機構部の動作説明図であって、第1開放位置に切り替えた図(a)、全開放位置に切り替えた図(b)、第2開放位置に切り替えた図(c)である。 流路切替え機構部を全開放位置として行われるピンニング工法の作業手順(a)、作業手順(b)、作業手順(c)、作業手順(d)を表した説明図である。 上記作業手順(b)において、注入形態が異なる場合の説明図であって、流路切替え機構部を第1開放位置とした注入形態の図(a)、および流路切替え機構部を第2開放位置とした注入形態の図(b)である。 第2実施形態の接着剤注入器における注入器本体の部分裁断側面図である。 第3実施形態に係る注入ノズルの裁断側面図である。 第3実施形態における流路切替え機構部の動作説明図であって、第1開放位置に切り替えた図(a)、全開放位置に切り替えた図(b)、第2開放位置に切り替えた図(c)である。 第4実施形態の接着剤注入器における注入器本体の部分裁断側面図であって、流路切替え機構部が全開放位置にある図(a)、第1開放位置にある図(b)、第2開放位置にある図(c)である。 第5実施形態の接着剤注入器における注入器本体の部分裁断側面図である。 第5実施形態における流路切替え機構部の動作説明図であって、全開放位置に切り替えた図(a)、第1開放位置に切り替えた図(b)、第2開放位置に切り替えた図(c)である。 第6実施形態の接着剤注入器における注入ノズルの裁断側面図である。 第6実施形態の接着剤注入器における注入ノズルの複合ノズル部廻りの側面図(a)、およびその背面図(b)である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るピンニング工法用の接着剤注入器およびこれを用いたピンニング工法について説明する。ピンニング工法は、「浮き」が生じた建物の外壁や内壁等の壁体の要補修箇所に下穴を穿孔し、この下穴にピンニング工法用の接着剤注入器(以下、単に「接着剤注入器」と言う)を用いて接着剤を注入し、その後、下穴にアンカーピンを装填して、これを補修する(剥落防止)ものである。以下、建物の外壁を例に、これを補修する場合について説明する。
[第1実施形態]
図1は、外壁と接着剤注入器との関係を表した断面模式図である。同図に示すように、外壁1は、コンクリート躯体2と、コンクリート躯体2の表面に塗り付けた下地モルタル3と、下地モルタル3の表面に塗り付けた張付けモルタル4と、張付けモルタル4の表面に張り付けたタイル等の仕上げ材5とで構成されている。なお、仕上げ材5には、大型タイルや規格石(石材)も含まれる。
本実施形態の外壁1では、コンクリート躯体2と下地モルタル3との界面に第1浮き部6aが、下地モルタル3と張付けモルタル4との界面に第2浮き部6bが、さらに張付けモルタル4と仕上げ材5との界面に第3浮き部6cが生じているものとする。外壁1には、これを補修すべく、仕上げ材5、張付けモルタル4および下地モルタル3を貫通し、且つコンクリート躯体2を所定の深さまで穿孔した下穴8が形成されている。そして、外壁1の補修に際し、この下穴8に接着剤注入器10により接着剤Rが注入される。
[接着剤注入器]
ここで、図1および図2を参照して、接着剤注入器10について簡単に説明する。両図に示すように、接着剤注入器10は、接着剤Rを供給するポンプ形式の注入器本体11と、注入器本体11の先端部に着脱自在に装着された注入ノズル12と、で構成されている。注入器本体11は、ポンピング操作により、貯留している接着剤Rを注入ノズル12に送り込み、注入ノズル12は、送り込まれた接着剤Rを外壁1に形成された下穴8に直接注入する。
[注入器本体の概要]
注入器本体11は、有底円筒状の接着剤貯留部15と、接着剤貯留部15が着脱自在に取り付けられたポンプ部16と、ポンプ部16に保持された略「L」字状の操作レバー17とを備えている。ポンプ部16の基端側には、内部に接着剤Rが貯留された接着剤貯留部15が取り付けられ、先端側には注入ノズル12が装着されている。接着剤貯留部15を手持ちすると共に、手動で操作レバー17を操作する(ポンピング)ことにより、ポンプ部16を介して注入ノズル12から接着剤Rが一定量ずつ吐出される。
接着剤Rには、いわゆる2液タイプのエポキシ樹脂接着剤を用いることが好ましい。もっとも、接着剤Rは、粘性を有する無機接着剤であってもよい。なお、注入器本体11は、上記のような、手動でポンプ駆動を行うタイプの他、モーターやエアーアクチュエータ等により自動でポンプ駆動を行うタイプであってもよい。
[注入ノズルの概要]
注入ノズル12は、注入器本体11に装着される装着カバー部21と、装着カバー部21の内部に収容したノズルボディ22と、ノズルボディ22の先端部に取り付けられた開口封止部23と、ノズルボディ22に支持され、開口封止部23を軸方向に貫通して先方に延びる第1ノズル部24と、第1ノズル部24と開口封止部23との間隙に構成された第2ノズル部25と、を備えている。
以下、図3を参照して、注入ノズル12の構造について詳細に説明すると共に、図4を参照して、注入器本体11の構造について詳細に説明する。
[第1ノズル部]
図3に示すように、第1ノズル部24は、下穴8に挿入され下穴8の奥部に接着剤Rを注入する部位であり、ステンレスやスチール等の細径の金属パイプにより、注射針様に形成されている。また、第1ノズル部24は、ノズルボディ22の軸心に対し偏心した位置に配設されている。第1ノズル部24の基端部には、ロート状に拡開した規制部31が形成され、先端部には斜めにカットした第1ノズル口32が形成されている。
また、第1ノズル部24の内部には、後述するノズルボディ22の第1接着剤流路61に連通する第1注入流路33が構成されている。そして、第1ノズル部24は、軸方向において、後述するノズルボディ22のノズル保持部64に進退自在(スライド自在)に保持され、開口封止部23を遊嵌状態で貫通し、開口封止部23から大きく突出している。
[開口封止部]
開口封止部23は、接着剤Rの注入に際し下穴8の開口部8aを封止する部位であり、フッ素ゴム等の耐薬品性の弾性材料で形成されている。開口封止部23は、開口部8aを直接封止するテーパー形状のテーパー部41と、テーパー部41の基端側に連なるストレート部42と、外周段部43を存してストレート部42の基端側に連なるボディ接合部44と、で一体に形成されている。そして、テーパー部41およびストレート部42は、ボディ接合部44の軸心に対し、偏心した位置に配設されている。
ボディ接合部44には、基端側の内部にノズルボディ22の先端部が接合される接合凹部46が形成されている。また、テーパー部41、ストレート部42およびボディ接合部44には、その軸心部に第1ノズル部24が遊嵌される遊嵌孔47が貫通形成されている。そして、この遊嵌孔47の基端が接合凹部46に連通している。いうまでもないが、遊嵌孔47とこれに挿通(貫通)する第1ノズル部24とは、間隙を存して同軸上に配設されている。
[第2ノズル部]
第2ノズル部25は、下穴8の開口部8a近傍に接着剤Rを注入する部位であり、開口封止部23に形成された上記の遊嵌孔47と第1ノズル部24との間隙に構成された第2注入流路55と、第2注入流路55に連通し、開口封止部23の先端と第1ノズル部24との間に構成された環状の第2ノズル口56と、有している。そして、第2注入流路55は、後述するノズルボディ22の第2接着剤流路62に連通している。上述のように、第1ノズル部24は、ノズルボディ22のノズル保持部64にがたつきなく保持されており、第1ノズル部24と開口封止部23との間に構成された第2注入流路55の流路断面は、適切に維持されている。
[ノズルボディ]
ノズルボディ22は、ステンレスやスチール等で略円柱状に形成されている。ノズルボディ22の内部には、下流側を第1ノズル部24の第1注入流路33に連通する第1接着剤流路61と、下流側を第2ノズル部25の第2注入流路55に連通する第2接着剤流路62と、が形成されている。また、ノズルボディ22の内部には、第1接着剤流路61の下流端から延びる嵌合孔で構成された上記のノズル保持部64が形成されている。
第1接着剤流路61は、直線状に延在しており、第1接着剤流路61と第1注入流路33(第1ノズル部24)とは同軸上に配設されている。ノズル保持部64に対し第1接着剤流路61は太径に形成され、第1接着剤流路61とノズル保持部64との間の段部65に、第1ノズル部24の規制部31が突き当たることにより、第1ノズル部24の前進端位置が規制される。なお、第1ノズル部24の後退端位置は、後述する注入器本体11の第1接合継手88により規制される。
第2接着剤流路62は、第1接着剤流路61と平行に延在する第2直線流路部62aと、第2直線流路部62aの下流側に連なる円形のオフセット流路部62bと、を有している。オフセット流路部62bは、接着剤溜りを構成しており、このオフセット流路部62bに第2ノズル部25の第2注入流路55が連通している。そして、第1接着剤流路61と第2直線流路部62aとは、同径に形成され、且つノズルボディ22の軸心に対し180°点対称位置に配設されている。
ノズルボディ22の先端部には、開口封止部23のボディ接合部44に接合される環状接合部67が形成されており、環状接合部67の先端面には、円形の窪み部68が形成されている。この窪み部68は、ボディ接合部44の接合凹部46の端壁に対峙して密閉空間を構成し、この密閉空間により上記のオフセット流路部62bが構成されている。詳細は後述するが、装着カバー部21を注入器本体11に螺合(装着)すると、開口封止部23がノズルボディ22側に強く引き付けられる。これにより、ノズルボディ22の環状接合部67に開口封止部23の接合凹部46が強く密接し、オフセット流路部62bが封止される。
ノズルボディ22の基端部には、第1接着剤流路61の上流端に連なる第1凹部71(第1接合部)が形成されると共に、第2接着剤流路62(第2直線流路部62a)の上流端に連通する第2凹部72(第2接合部)が形成されている。第1凹部71は、第1接着剤流路61と同軸上において、第1接着剤流路61よりも太径に形成され、この部分に第1Oリング73が装着されている。同様に、第2凹部72は、第2接着剤流路62と同軸上において、第2接着剤流路62よりも太径に形成され、この部分に第2Oリング74が装着されている。
そして、第1凹部71(第1Oリング73)と第2凹部72(第2Oリング74)とは、軸方向(前後方向)において同位置に配設されている。詳細は後述するが、第1凹部71(第1接合部)には、第1Oリング73を介在させた状態で注入器本体11の第1接合継手88(第1接合受部)が接合され、第2凹部72(第2接合部)には、第2Oリング74を介在させた状態で注入器本体11の第2接合継手89(第2接合受部)が接合される。
[装着カバー部]
装着カバー部21は、注入ノズル12を注入器本体11に装着する部位であり、ステンレスやスチール等で円筒状に形成されている。装着カバー部21は、内部にノズルボディ22および開口封止部23のボディ接合部44を収容するカバー部76と、カバー部76の先端部に設けた掛止め部77と、カバー部76の基端部に設けた後方雌ネジ部78と、で一体に形成されている。掛止め部77は、開口封止部23のボディ接合部44を外側から掛け止めし、この状態で、後方雌ネジ部78は、注入器本体11の先端部に螺合される。
装着カバー部21を注入器本体11に螺合(装着)すると、開口封止部23およびノズルボディ22が注入器本体11に引き付けられる。これにより、開口封止部23とノズルボディ22とが密接して、両者の間が封止されると共に、第1Oリング73および第2Oリング74を介して、ノズルボディ22と注入器本体11とが密接する。また同時に、第1Oリング73を介して、第1接着剤流路61と後述する第1接合継手88(の第1継手内流路102)とが連通し、第2Oリング74を介して、第2接着剤流路62と後述する第2接合継手89(の第2継手内流路103)とが連通する。
ポンピングにより、分流した状態で注入器本体11から送り込まれた接着剤Rは、第1接着剤流路61および第2接着剤流路62に送り込まれる。第1接着剤流路61に送り込まれた接着剤Rは、第1注入流路33を通って第1ノズル口32から吐出される。同様に、第2接着剤流路62に送り込まれた接着剤Rは、第2注入流路55を通って第2ノズル口56から吐出される。
[注入器本体]
次に、図4を参照して、注入器本体11について詳細に説明する。上述のように、注入器本体11は、接着剤貯留部15と、ポンプ部16と、操作レバー17とを備えている。ポンプ部16の基端側には、内部に接着剤Rが貯留された接着剤貯留部15が取り付けられ、先端側には注入ノズル12が装着される。接着剤貯留部15を手持ちすると共に、手動で操作レバー17を操作する(ポンピング)ことにより、ポンプ部16を介して注入ノズル12から接着剤Rが一定量ずつ吐出される。
ポンプ部16には、接着剤Rを注入ノズル12の第1接着剤流路61および第2接着剤流路62に選択的に送り込む流路切替え機構部80が組み込まれている。詳細は、後述するが、流路切替え機構部80は、注入器本体11側において、接着剤Rを、第1接着剤流路61を介して第1ノズル部24からのみ吐出する場合と、第1接着剤流路61および第2接着剤流路62を介して第1ノズル部24および第2ノズル部25から吐出する場合と、第2接着剤流路62を介して第2ノズル部25からのみ吐出する場合と、の間で流路を切替え得るようになっている。
[接着剤貯留部]
接着剤貯留部15は、接着剤Rを貯留する部位であり、詳細は図示しないが、有底筒状に形成されている。接着剤貯留部15の先端部は、太径Oリング81を介在した状態で、ポンプ部16に着脱自在に装着(ネジ接合)されている。接着剤貯留部15の内部には、例えば椀型パッキンやこれを付勢するコイルバネが組み込まれており、貯留した接着材Rに所定の圧力を付与するようになっている。
[ポンプ部]
ポンプ部16は、接着剤貯留部15が螺合するキャップ部84と、キャップ部84から突出しシリンダー85を形成したケーシング本体86と、ケーシング本体86に連なり操作レバー17を支持するブロック部87と、を有するポンプケーシング83を備えている。キャップ部84、ケーシング本体86およびブロック部87は一体に形成され、ダイキャスト製のポンプケーシング83を構成している。そして、ブロック部87の先端部には、注入ノズル12の第1凹部71に接合される第1接合継手88と、第2凹部72に接合される第2接合継手89とが取り付けられている。
キャップ部84は、接着剤貯留部15よりも太径に形成された円形のキャップ本体91と、キャップ本体91から延びる環状の雌ネジ部92と、で一体に形成されている。雌ネジ部92には、太径Oリング81を介在した状態で接着剤貯留部15が螺合している。また、キャップ本体91には、シリンダー85に連通する吸込口93が形成されている。そして、接着剤貯留部15の接着剤Rは、この吸込口93からシリンダー85に送り込まれる。
ケーシング本体86は、キャップ部84の直径方向に延在すると共に、先方に突出しており、内部にシリンダー85が形成されている。シリンダー85には、このシリンダー85と共に往復ポンプを構成するピストン95が摺動自在に収容されている。そして、ピストン95の基端部(露出部分)は、操作レバー17に回動自在に連結されている。
ブロック部87の上部には、操作レバー17が回動自在に支持されている。また、ブロック部87の内部には、上記の第1接着剤流路61に連通する第1送込み流路96、および第2接着剤流路62に連通する第2送込み流路97が形成されている。第1送込み流路96の上流端は、第1吐出口98を介してシリンダー85に連通している。同様に、第2送込み流路97の上流端は、第2吐出口99を介してシリンダー85に連通している。
第1送込み流路96と第2送込み流路97とは、同長・同径に形成されると共に、相互に平行に配設されている。そして、ブロック部87には、第1送込み流路96および第2送込み流路97に臨んで、流路切替え機構部80が組み込まれている。なお、流路切替え機構部80については、後に詳述する。
ブロック部87の先端部には、注入ノズル12の後方雌ネジ部78が螺合する前方雄ネジ部101が形成されている。後方雌ネジ部78を前方雄ネジ部101に螺合することにより、注入ノズル12が注入器本体11に着脱自在に装着される。また、ブロック部87の先端部には、第1送込み流路96に臨むようにして第1接合継手88がネジ止め(テーパーネジ)されると共に、第2送込み流路97に臨むようにして第2接合継手89がネジ止め(テーパーネジ)されている。そして、第1接合継手88の内部には、第1接着剤流路61と第1送込み流路96とを連通する第1継手内流路102が形成されている。同様に、第2接合継手89の内部には、第2接着剤流路62と第2送込み流路97とを連通する第2継手内流路103が形成されている。
第1接合継手88と流路切替え機構部80との間に位置して第1送込み流路96には、第1狭小部105が形成されている。第1狭小部105には、第1接合継手88側から接触する第1球体106が配設されると共に、第1球体106を押圧する第1コイルバネ107が配設されている。第1コイルバネ107は、ブロック部87に螺合した第1接合継手88に押圧され、第1球体106を第1狭小部105に密接するように付勢している。これにより、第1狭小部105を弁座とし、第1球体106を弁体とする第1逆止弁108が構成されている。そして、この第1逆止弁108により、第1送込み流路96内の接着剤Rの逆流が防止される。
同様に、第2接合継手89と流路切替え機構部80との間に位置して第2送込み流路97には、第2狭小部111が形成されている。第2狭小部111には、第2接合継手89側から接触する第2球体112が配設されると共に、第2球体112を押圧する第2コイルバネ113が配設されている。第2コイルバネ113は、ブロック部87に螺合した第2接合継手89に押圧され、第2球体112を第2狭小部111に密接するように付勢している。これにより、第2狭小部111を弁座とし、第2球体112を弁体とする第2逆止弁114が構成されている。そして、この第2逆止弁114により、第2送込み流路97内の接着剤Rの逆流が防止される。
[操作レバー]
操作レバー17は、ポンピングを行うためのレバー本体116と、レバー本体116とブロック部87とを連結する連結リンク117とを有している。連結リンク117は、一方の端部がブロック部87に回動自在に支持され、他方の端部がレバー本体116の先端部に回動自在に連結されている。レバー本体116は、接着剤貯留部15に沿うように長く延在し、連結リンク117側近傍でピストン95に回動自在に連結されている。
レバー本体116を回動操作(ポンピング)すると、シリンダー85に対しピストン95が往復動する。ピストン95が復動すると、吸込口93を介して接着剤貯留部15の接着剤Rがシリンダー85に流入し、続いてピストン95が往動すると、シリンダー85内の接着剤Rが第1吐出口98を介して第1送込み流路96に流出すると共に、第2吐出口99を介して第2送込み流路97に流出する。
[流路切替え機構部]
ここで、図4および図5を参照して、流路切替え機構部80について詳細に説明する。
流路切替え機構部80は、相互に平行に配設した第1送込み流路96および第2送込み流路97に臨み、第1送込み流路96と第2送込み流路97とを選択的に流路切替え可能に構成されている。具体的には、流路切替え機構部80は、第1送込み流路96を開放し且つ第2送込み流路97を開放する全開放位置と、第1送込み流路96を開放し且つ第2送込み流路97を閉塞する第1開放位置と、第1送込み流路96を閉塞し且つ第2送込み流路97を開放する第2開放位置と、の間で接着剤Rの流路を切り替え得るようになっている。
流路切替え機構部80を全開放位置に切り替えると、接着剤Rは、第1接着剤流路61および第1注入流路33を介して第1ノズル口32から吐出されると共に、第2接着剤流路62および第2注入流路55を介して第2ノズル口56から吐出される。同様に、流路切替え機構部80を、第1開放位置に切り替えると、接着剤Rは第1ノズル口32からのみ吐出され、さらに第2開放位置に切り替えると、接着剤Rは第2ノズル口56からのみ吐出される。詳細は後述するが、外壁1における「浮き」の発生個所や数等に応じて、接着剤Rの注入形態を適宜変更できるようになっている。
流路切替え機構部80は、第1送込み流路96および第2送込み流路97に直交し、内部周面壁に第1送込み流路96および第2送込み流路97が上下に開口した雌ネジ状の弁座部121と、弁座部121に螺合し、軸線廻りに回転操作される雄ネジ状の弁体部122と、を有している。弁体部122は、弁座部121に螺合する弁体部本体124と、弁体部本体124を回転操作するための操作摘み部125と、操作摘み部125を弁体部本体124に固定するユリヤネジ等の小ネジ126と、を有している。
弁体部本体124には、第1送込み流路96に対応する第1貫通孔127と、第2送込み流路97に対応する第2貫通孔128と、が第1送込み流路96および第2送込み流路97の離間寸法分の距離を隔てて上下に、且つ軸線廻りに相互に直交するように貫通形成されている。第1貫通孔127は、第1送込み流路96より細径に形成され、その開口縁部には2つの第1切欠き部127aが形成されている。同様に、第2貫通孔128は、第2送込み流路97より細径に形成され、その開口縁部には2つの第2切欠き部128aが形成されている(いずれも図5参照)。また、弁体部本体124の下部は、ブロック部87から露出しており、この部分に操作摘み部125が廻止め状態で係合し、且つ操作摘み部125は、小ネジ126により弁体部本体124に固定されている。
ブロック部87から露出するように設けられた操作摘み部125は、弁体部本体124の位置からブロック部87の軸方向先方に延在しており、この状態(角度0°)が、上記の第1開放位置に対応している。そして、この第1開放位置から軸線廻りに角度45°回転させた位置が全開放位置に対応し、さらにこの全開放位置から軸線廻りに角度45°回転させた位置(第1開放位置から角度90°回転させた位置)が第2開放位置に対応している(図5参照)。なお、詳細は後述するが、現場における使用頻度は、経験的に第1開放位置、全開放位置、第2開放位置の順となる。
ブロック部87と操作摘み部125との間には、弁体部本体124に巻回するようにして弁部Oリング129が介設されている。弁部Oリング129は、操作摘み部125に押圧されて変形することにより、弁座部121と弁体部122との間隙を封止している。弁座部121と弁体部122とで構成される実施形態のネジ機構は、ピッチの短い1条ネジで構成されており、操作摘み部125を全開放位置、第1開放位置および第2開放位置の相互間における回転角度操作に際し、弁部Oリング129は変形状態を維持する。これにより、ポンピング時において、弁座部121と弁体部122との間隙からの接着剤Rの漏れが防止される。
図5は、流路切替え機構部80の切替え操作を表している。同図に示すように、弁体部122に形成された第1貫通孔127と第2貫通孔128とは、軸線廻りにおいて相互に直交しており、また第1送込み流路96および第2送込み流路97は、ブロック部87の軸方向に延在している。3つの回転角度操作位置は、使用頻度の多い順に第1開放位置(図5(a))、全開放位置(図5(b))、第2開放位置(図5(c))となっており、第1開放位置における操作摘み部125は、ブロック部87の軸方向に向いている(これが「デフォルト」角度0°)。
第1開放位置において弁体部122は、第1貫通孔127が角度0°の方向を向き、第2貫通孔128が角度90°の方向を向いている(図5(a)参照)。この状態では、第1切欠き部127aを含む第1貫通孔127が第1送込み流路96に臨み、第1送込み流路96は開放状態(連通状態)となる。一方、第2切欠き部128aを含む第2貫通孔128は第2送込み流路97から外れ、第2送込み流路97は閉塞状態(非連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第1送込み流路96を介して第1ノズル部24(第1ノズル口32)からのみ吐出される。
第1開放位置から操作摘み部125を角度45°左廻り(上面視)に回転させた全開放位置では、弁体部122は、第1貫通孔127が角度45°の方向を向き、第2貫通孔128が角度逆45°の方向を向いている(図5(b)参照)。この状態では、第1切欠き部127aを含む第1貫通孔127が第1送込み流路96に臨むと共に、第2切欠き部128aを含む第2貫通孔128は第2送込み流路97に臨む。これにより、第1送込み流路96は開放状態(連通状態)となり、第2送込み流路97も開放状態(連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第1送込み流路96を介して第1ノズル部24(第1ノズル口32)から、および第2送込み流路97を介して第2ノズル部25(第2ノズル口56)からそれぞれ吐出される。
全開放位置から操作摘み部125を更に角度45°(第1開放位置から角度90°)左廻り(上面視)に回転させた第2開放位置では、弁体部122は、第1貫通孔127が角度90°の方向を向き、第2貫通孔128が角度0°の方向を向いている(図5(c)参照)。この状態では、第1送込み流路96は閉塞状態(非連通状態)となり、第2送込み流路97は開放状態(連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第2送込み流路97を介して第2ノズル部25(第2ノズル口56)からのみ吐出される。なお、操作摘み部95は、上面視右廻りに回転操作されるものであってもよい。
[変形例]
ここで、図6を参照して、第1実施形態の第1変形例に係る流路切替え機構部80について説明する。この変形例では、弁体部122において、第1貫通孔127が第1送込み流路96と同径に形成されると共に、第2貫通孔128が第2送込み流路97と同径に形成されている。また、上記と同様に、第1貫通孔127と第2貫通孔128とは、軸線廻りにおいて相互に直交している。
第1開放位置において弁体部122は、第1貫通孔127が角度0°の方向を向き、第2貫通孔128が角度90°の方向を向いている(図6(a)参照)。この状態では、第1貫通孔127が第1送込み流路96に臨み、第1送込み流路96は開放状態(連通状態)となる。一方、第2貫通孔128は第2送込み流路97から外れ、第2送込み流路97は閉塞状態(非連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第1ノズル部24からのみ吐出される。
第1開放位置から操作摘み部125を角度45°左廻り(上面視)に回転させた全開放位置では、弁体部122は、第1貫通孔127が角度45°の方向を向き、第2貫通孔128が角度逆45°の方向を向いている(図6(b)参照)。この状態では、第1貫通孔127が第1送込み流路96に斜めに臨むと共に、第2貫通孔128は第2送込み流路97に斜めに臨む。これにより、第1送込み流路96は開放状態(連通状態)となり、第2送込み流路97も開放状態(連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第1ノズル部24および第2ノズル部25からそれぞれ吐出される。
全開放位置から操作摘み部125を更に角度45°(第1開放位置から角度90°)左廻り(上面視)に回転させた第2開放位置では、弁体部122は、第1貫通孔127が角度90°の方向を向き、第2貫通孔128が角度0°の方向を向いている(図6(c)参照)。この状態では、第1送込み流路96は閉塞状態(非連通状態)となり、第2送込み流路97は開放状態(連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第2ノズル部25からのみ吐出される。
次に、図7および図8を参照して、第1実施形態の第2変形例および第3変形例に係る流路切替え機構部80について説明する。両変形例では、弁体部122に、第1貫通孔127に代えて第1切欠き溝131が形成されると共に、第2貫通孔128に代えて第2切欠き溝132が形成されている。第2変形例の操作摘み部125は、上面視左廻りに回転操作され、第3変形例の操作摘み部125は、上面視右廻りに回転操作される。第2変形例と第3変形例とは、操作摘み部125の回転操作方向が異なるため、第1切欠き溝131および第2切欠き溝132の軸線廻りの配置が異なるものの、基本構造は同一となる。そこで以下、第2変形例について説明し、第3変形例の説明は省略する。
弁体部122の弁体部本体124には、第1送込み流路96に対応して、軸線廻りに角度270°に亘って切り欠いた第1切欠き溝131と、残余の角度90°に亘る第1非切欠き部133が形成されている。同様に、弁体部本体124には、第2送込み流路97に対応して、軸線廻りに角度270°に亘って切り欠いた第2切欠き溝132と、残余の角度90°に亘る第2非切欠き部134が形成されている。第1切欠き溝131(および第1非切欠き部133)と、第2切欠き溝132(および第2非切欠き部134)とは、操作摘み部125の回転操作方向に角度90°位置ズレして配設されている。
第1開放位置における弁体部122は、第1切欠き溝131が第1送込み流路96に臨む一方、第2非切欠き部134が第2送込み流路97に臨んでいる(図7(a)参照)。この状態では、第1送込み流路96は開放状態(連通状態)となり、第2送込み流路97は閉塞状態(非連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第1ノズル部24からのみ吐出される。
全開放位置における弁体部122は、第1切欠き溝131が第1送込み流路96に臨むと共に、第2切欠き溝132が第2送込み流路97に臨んでいる(図7(b)参照)。この状態では、第1送込み流路96は開放状態(連通状態)となり、第2送込み流路97も開放状態(連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第1ノズル部24および第2ノズル部25からそれぞれ吐出される。
第2開放位置における弁体部122は、第1非切欠き部133が第1送込み流路96に臨む一方、第2切欠き溝132が第2送込み流路97に臨んでいる(図7(c)参照)。この状態では、第1送込み流路96は閉塞状態(非連通状態)となり、第2送込み流路97は開放状態(連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第2ノズル部25からのみ吐出される。
[注入形態]
流路切替え機構部80の切替え操作は、例えば図1において、第1浮き部6a、第2浮き部6bおよび第3浮き部6cのうち、第1浮き部6aおよび第2浮き部6bの2箇所に「浮き」が生じている場合には、操作摘み部125を第1開放位置に切り替えて、接着剤Rを第1ノズル部24からのみ吐出させる。また、第1浮き部6a、第2浮き部6bおよび第3浮き部6cの3箇所に「浮き」が生じている場合や、第1浮き部6aおよび第3浮き部6cの2箇所に「浮き」が生じている場合には、操作摘み部125を全開放位置に切り替えて、接着剤Rを第1ノズル部24および第2ノズル部25から吐出させる。
また、この場合において、第3浮き部6cの容積が極端に大きい場合、全開放位置における接着剤Rの注入をある程度行った後、接着剤注入器10の注入姿勢を維持したまま、操作摘み部125を第2開放位置に切り替えて、接着剤Rの注入を続行する。すなわち、注入の最終段階で、接着剤Rを第2ノズル部25からのみ吐出させ、第3浮き部6cに接着剤Rを行き渡らせるようにする。
[ピンニング工法]
次に、図9および図10を参照して、上記の接着剤注入器10を用いたピンニング工法について説明する。このピンニング工法では、前工程として、ハンマー等により外壁1を打鍵して第1浮き部6a、第2浮き部6bおよび第3浮き部6cを探査し、下穴8の穿孔位置(タイルの中心部表面にマーキング)および穿孔深さが決定されているものとする。なお、後述する注入工程において、図9では、上記の全開放位置に切替えた注入形態について、図10(a)では、第1開放位置に切替えた注入形態について、図10(b)では、第2開放位置に切替えた注入形態について、それぞれ説明する。
ピンニング工法は、外壁1を所定の深さまで穿孔して下穴8を形成する穿孔工程(図9(a)参照)と、接着剤注入器10により、下孔8の開口部8aを封止しつつ下孔8に接着剤Rを注入する注入工程(図9(b)および(c)参照)と、接着剤Rが注入された下孔8に、アンカーピン140を挿入・装着する装着工程(図9(d)参照)と、を備えている。
穿孔工程では、ダイヤモンドビットを装着した電動ドリル等の穿孔工具142を使用し、上記のマーキングに倣って外壁1に下穴8を穿孔する。具体的には、仕上げ材5(タイル)、張付けモルタル4および下地モルタル3を貫通してコンクリート躯体2を所定の深さまで穿孔し、下穴8を形成する(図9(a)参照)。その際、穿孔は外壁1に対し直角に行い、コンクリート躯体2への穿孔深さは30mm以上とする。また、下穴8は、アンカーピン140が遊挿できるように、アンカーピン140よりも一回り大きい径(1〜2mm太径)とする。なお、後述するアンカーピン140を用いる場合には、この時点で、球形の研削ビットを用い、下穴8の開口部8aを面取りしておく。
下穴8を形成した後には、下穴8に残った切削粉等をブロアー等の噴気で清掃し除去する。もっとも、穿孔に際し冷却水を用い、切削粉を冷却水と共に排水除去できる場合には、清掃は省略される。なお、この時点で内視鏡等を用い、下穴8を介して第1浮き部6a、第2浮き部6bおよび第3浮き部6cを確認することが好ましい。ここでは、第1浮き部6a、第2浮き部6bおよび第3浮き部6cが確認できたものとし、流路切替え機構部80を全開放位置に切替えて接着剤Rの注入を行う。
注入工程では、先ずノズルボディ22から第1ノズル部24を最大限引き出しておいて、第1ノズル部24を下穴8に挿入してゆく。この挿入の過程において、第1ノズル部24の先端が下穴8の穴底に到達すると、第1ノズル部24は相対的に後退してゆく。続いて、開口封止部23が下穴8の開口部8aに達し、そのテーパー部41により開口部8aが封止される。この状態では、第1ノズル部24の第1ノズル口32が下穴8の奥部に位置し、第2ノズル部25の第2ノズル口56が下穴8の開口部8a近傍に位置することとなる(図9(b)参照)。
ここで、注入器本体11の操作レバー17を操作(ポンピング)し、接着剤Rを注入ノズル12に送り込んで、下穴8への接着剤Rの注入を開始する(図9(b)参照)。接着剤Rの注入を開始すると、接着剤Rは、第1ノズル部24の第1ノズル口32から吐出され、下穴8の奥部から満たされ、第1浮き部6aに円状に広がるようにして充填され、さらに第2浮き部6bに円状に広がるようにして充填されてゆく。同様に、接着剤Rは、第2ノズル部25の第2ノズル口56から吐出され、第3浮き部6cに円状に広がるようにして充填されてゆく(図9(c)参照)。
このようにして、接着剤Rが、下穴8、第1浮き部6a、第2浮き部6bおよび第3浮き部6cに行き渡ると、ポンピング操作が重くなり、接着剤Rが適切に注入されたことが体感される。ここで、開口封止部23を下穴8から引き離すと共に、第1ノズル部24を下穴8からゆっくり引き抜く。なお、本実施形態では、下穴8の奥部から接着剤Rの注入を行うため、奥部にエアー溜りが生ずることが無く、第1ノズル部24の引き抜きの際に、接着剤Rが下穴8の開口部8aから漏れ出ることもない。
装着工程では、接着剤Rが注入された下穴8にアンカーピン140を挿入・装着する。この場合のアンカーピン140は、ピン軸部140aを全ネジとし、ピン頭部140bを皿状としたものが好ましい。また、ピン頭部140bは、仕上げ材5と同色に着色されたものが好ましい。下穴8に挿入したアンカーピン140は、そのピン頭部140bが開口部8aの面取り部分に没入し、その天面が仕上げ材5の表面と面一となったところで、装着を完了する(図9(d)参照)。なお、この面一は、好ましくは挿入の最終段階で、ピン頭部140bにヘラ等を突き当て押し込むことで達成される。そして、アンカーピン140の装着が完了したら、接着剤Rが硬化するまで養生を行う。
図10(a)は、流路切替え機構部80を第1開放位置に切替えて行う注入形態である。第1浮き部6aおよび第2浮き部6bの2箇所に「浮き」が生じている場合を想定している。接着剤Rの注入を開始すると、接着剤Rは、第1ノズル部24の第1ノズル口32から吐出され、下穴8の奥部から満たされ、続いて第1浮き部6aに円状に広がるようにして充填され、さらに第2浮き部6bに円状に広がるようにして充填されてゆく。接着剤Rが、下穴8、第1浮き部6aおよび第2浮き部6bに行き渡ると、ポンピング操作が重くなり、接着剤Rが適切に注入されたことが体感される。
図10(b)は、流路切替え機構部80を第2開放位置に切替えて行う注入形態である。第1浮き部6a、第2浮き部6bおよび第3浮き部6cの3箇所に「浮き」が生じている場合や、第1浮き部6aおよび第3浮き部6cの2箇所に「浮き」が生じている場合であって(図示のものは、3箇所に「浮き」)、特に第3浮き部6cの容積が極端に大きい場合を想定している(例えば、大型タイルや規格石の「ダンゴ張り」等)。
この場合には、上記した全開放位置における接着剤Rの注入をある程度行った後、接着剤注入器10の注入姿勢を維持したまま、操作摘み部125を第2開放位置に切り替えて、接着剤Rの注入を続行する。すなわち、接着剤Rが、下穴8、第1浮き部6aおよび第2浮き部6bに行き渡った段階で、操作摘み部125を全開放位置から第2開放位置に切り替える。ここで接着剤Rの注入を続行すると、接着剤Rは、第2ノズル部25からのみ吐出し、第3浮き部6cに円状に広がるようにして充填される。
以上のように、第1実施形態によれば、操作摘み部125を回転角度操作することにより、接着剤Rを、第1ノズル口32および第2ノズル口56から吐出させる場合、第1ノズル口32のみから吐出される場合、および第2ノズル口56のみから吐出させる場合の、3つの注入形態を執ることができる。したがって、外壁1に生ずる「浮き」の数や発生個所等の性状に合わせて、接着剤Rを効率良く注入することができる。また、流路切替え機構部80を、部品点数の少ない簡単な構造とすることができ、注入作業後の分解、洗浄、組立を容易に行うことができる。
また、流路切替え機構部80を、注入ノズル12ではなく注入器本体11に組み込むようにしているため、全体の重量バランスを注入器本体11側に集中(「マスの集中」)させることができる。また、注入ノズル12の大型化が抑制されるため、作業時に第1ノズル部24や開口封止部23が見え難くなることがない。したがって、接着剤注入器10における取回し性や操作性を損なうことがない。
[第2実施形態]
次に、図11を参照して、第2実施形態に係る接着剤注入器10の注入器本体11Aについて説明する。なお、第2実施形態では、主に第1実施形態と異なる部分について説明する。第2実施形態の注入器本体11Aは、流路切替え機構部80Aの弁座部121Aと弁体部122Aとがネジ機構を構成しておらず、単に弁座部121Aに弁体部122Aが回転可能に嵌合している。
図11に示すように、流路切替え機構部80Aは、第1送込み流路96および第2送込み流路97に直交し、内部周面壁に第1送込み流路96および第2送込み流路97が上下に開口した円柱空間状の弁座部121Aと、弁座部121Aに嵌合すると共に回転操作される円柱状の弁体部122Aと、を有している。この場合も、弁体部122Aは、弁座部121Aに嵌合する弁体部本体124と、弁体部本体124を回転操作するための操作摘み部125と、操作摘み部125を弁体部本体124に固定する小ネジ126と、を有している。もっとも、この場合の弁体部本体124には、上部に鍔部144が一体に形成されると共に、第1貫通孔127と第2貫通孔128との間に環状溝部145が形成されている。
一方、ブロック部87の外周面には、弁体部本体124を囲繞するように突条ネジ部146が形成され、この突状ネジ部146には、キャップ状ネジ147が螺合している。具体的には、突状ネジ部146と鍔部144との間に、弁部主Oリング148が介在され、この状態で、鍔部144を押さえるようにキャップ状ネジ147が突状ネジ部146に螺合している。これにより、回転操作される弁体部122Aと弁座部121Aとの間が封止されている。また、上記の環状溝部145には、弁部副Oリング149が装着され、第1送込み流路96と第2送込み流路97との間が封止されている。
そして、弁体部本体124には、第1実施形態と同様に、第1送込み流路96に対応する第1貫通孔127と、第2送込み流路97に対応する第2貫通孔128と、が貫通形成されている。この場合も、操作摘み部125が角度0°に位置する状態が第1開放位置に対応している。また、この第1開放位置から軸線廻りに角度45°回転させた位置が全開放位置に対応し、さらにこの全開放位置から軸線廻りに角度45°回転させた位置(第1開放位置から角度90°回転させた位置)が第2開放位置に対応している。したがって、流路切替え機構部80Aの切替え操作は、第1実施形態と同様となる(図5参照)。
このように、第2実施形態においても、操作摘み部125を回転角度操作することにより、接着剤Rを、第1ノズル口32および第2ノズル口56から吐出させる場合、第1ノズル口32のみから吐出される場合、および第2ノズル口56のみから吐出させる場合の、3つの注入形態を執ることができる。したがって、外壁1に生ずる「浮き」の数や発生個所等の性状に合わせて、接着剤Rを効率良く注入することができる。なお、第2実施形態でも、第1実施形態の変形例を適用することが可能である。
[第3実施形態]
次に、図12および図13を参照して、第3実施形態に係る接着剤注入器10の注入器本体11Bについて説明する。なお、第3実施形態では、主に第1実施形態と異なる部分について説明する。第3実施形態の注入器本体11Bでは、キャップ部84およびケーシング本体86に対しブロック部87が別体で形成されており、ブロック部87は、本体Oリング151を介在させた状態で、ケーシング本体86にネジ止め等により取り付けられている。
そして、流路切替え機構部80Bと第1吐出口98および第2吐出口99との間において、第1送込み流路96および第2送込み流路97は、単一の共有流路152を構成している。すなわち、共有流路152は、第1吐出口98および第2吐出口99を介してシリンダー85に連通している。したがって、流路切替え機構部80Bは、第1送込み流路96および第2送込み流路97と、共有流路152との境界部分に配設されている。また、弁体部122Bにおいて、上記の第1貫通孔127および第2貫通孔128に代えて、単一の長円状貫通孔154が形成されている。
図12および図13に示すように、流路切替え機構部80Bは、第1送込み流路96および第2送込み流路97に直交し、内部周面壁に第1送込み流路96および第2送込み流路97が上下に開口した雌ネジ状の弁座部121Bと、弁座部121Bに螺合すると共に回転操作される雄ネジ状の弁体部122Bと、を有している。また、弁体部122Bには、第1送込み流路96および第2送込み流路97に対応する単一、且つ断面長円状の長円状貫通孔154が形成されている。
図13に示すように、長円状貫通孔154は、断面方向において第1送込み流路96から第2送込み流路97に亘る長さを有し、軸方向に対し斜めに傾いている。また、この場合の共有流路152は、弁体部122Bが第1開放位置、全開放位置および第2開放位置のいずれの位置にあっても、長円状貫通孔154と連通するようになっている。そして、この場合も、操作摘み部125が角度0°に位置する状態が第1開放位置、第1開放位置から軸線廻りに角度45°回転させた位置が全開放位置、全開放位置から軸線廻りに角度45°回転させた位置(第1開放位置から角度90°回転させた位置)が第2開放位置となっている。
第1開放位置における弁体部122Bは、長円状貫通孔154の一方の端部(下端部)が第1送込み流路96に臨む一方、他方の端部(上端部)が第2送込み流路97から外れている(図13(a)参照)。この状態では、第1送込み流路96は開放状態(連通状態)となり、第2送込み流路97は閉塞状態(非連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第1ノズル部24からのみ吐出される。
全開放位置における弁体部122Bは、長円状貫通孔154の一方の端部(下端部)が第1送込み流路96に臨むと共に、他方の端部(上端部)が第2送込み流路97に臨んでいる(図13(b)参照)。この状態では、第1送込み流路96は開放状態(連通状態)となり、第2送込み流路97も開放状態(連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第1ノズル部24および第2ノズル部25からそれぞれ吐出される。
第2開放位置における弁体部122Bは、長円状貫通孔154の一方の端部(下端部)が第1送込み流路96から外れる一方、他方の端部(上端部)が第2送込み流路97に臨んでいる(図13(c)参照)。この状態では、第1送込み流路96は閉塞状態(非連通状態)となり、第2送込み流路97は開放状態(連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第2ノズル部25からのみ吐出される。
このように、第3実施形態においても、操作摘み部125を回転角度操作することにより、接着剤Rを、第1ノズル口32および第2ノズル口56から吐出させる場合、第1ノズル口32のみから吐出される場合、および第2ノズル口56のみから吐出させる場合の、3つの注入形態を執ることができる。したがって、外壁1に生ずる「浮き」の数や発生個所等の性状に合わせて、接着剤Rを効率良く注入することができる。また、流路切替え機構部80Bを、部品点数の少ない簡単な構造とすることができ、注入作業後の分解、洗浄、組立を容易に行うことができる。なお、第3実施形態の弁座部121Bおよび弁体部122Bは、第2実施形態のものと同様の形態であってもよい(円柱空間状および円柱状)。
[第4実施形態]
次に、図14を参照して、第4実施形態に係る接着剤注入器10の注入器本体11Cについて説明する。なお、第4実施形態では、主に第1実施形態と異なる部分について説明する。第4実施形態の注入器本体11Cでは、流路切替え機構部80Cが、シリンダー状の弁座部121Cと、プランジャー状の弁体部122Cとを有し、弁座部121Cに対し弁体部122Cをスライド(進退)させることにより、切替え操作される。
図14に示すように、流路切替え機構部80Cは、第1送込み流路96および第2送込み流路97に直交し、内部周面壁に第1送込み流路96および第2送込み流路97が上下に開口したシリンダー状の弁座部121Cと、弁座部121Cに嵌合すると共に軸方向(上下方向)にスライド操作されるプランジャー状の弁体部122Cと、を有している。
弁座部121Cは、第1送込み流路96および第2送込み流路97を含んでブロック部87を上下に貫通している。ブロック部87の上面および下面には、弁体部122Cに巻回するようにして一対の封止Oリング161が設けられ、また封止Oリング161を押さえるように一対の押え板162が設けられている。そして、この一対の封止Oリング161により、スライドする弁体部122Cと弁座部121Cとの間が封止されている。
弁体部122Cは、第1送込み流路96に対応する第1環状溝164と、第2送込み流路97に対応する第2環状溝165とを有している。第1環状溝164は、断面半円状の溝であり、第1送込み流路96と同径に形成されている。同様に、第2環状溝165は、断面半円状の溝であり、第2送込み流路97と同径に形成されている。
図14(a)は、弁体部122Cが全開放位置にある状態であり、弁体部122Cの上端部および下端部が、それぞれブロック部87(押え板162)から突出している。また、図14(b)は、弁体部122Cが第1開放位置にある状態であり、弁体部122Cの上端部が押え板162と略面一となると共に、下端部がブロック部87(押え板162)から下方に大きく突出している。さらに、図14(c)は、弁体部122Cが第2開放位置にある状態であり、弁体部122Cの上端部がブロック部87(押え板162)から上方に大きく突出すると共に、下端部が押え板162と略面一となっている。
図14(b)の第1開放位置における弁体部122Cは、第2環状溝165が第1送込み流路96に臨む一方、第1環状溝164が第1送込み流路96および第2送込み流路97から下方に外れている。この状態では、第1送込み流路96は開放状態(連通状態)となり、第2送込み流路97は閉塞状態(非連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第1ノズル部24からのみ吐出される。
図14(a)の全開放位置における弁体部122Cは、第1環状溝164が第1送込み流路96に臨むと共に、第2環状溝165が第2送込み流路97に臨んでいる。この状態では、第1送込み流路96は開放状態(連通状態)となり、第2送込み流路97も開放状態(連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第1ノズル部24および第2ノズル部25からそれぞれ吐出される。
図14(c)の第2開放位置における弁体部122Cは、第2環状溝165が第1送込み流路96および第2送込み流路97から上方に外れる一方、第1環状溝164が第2送込み流路97に臨んでいる。この状態では、第1送込み流路96は閉塞状態(非連通状態)となり、第2送込み流路97は開放状態(連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第2ノズル部25からのみ吐出される。
このように、第4実施形態においても、弁体部122Cを上下方向にスライド操作することにより、接着剤Rを、第1ノズル口32および第2ノズル口56から吐出させる場合、第1ノズル口32のみから吐出される場合、および第2ノズル口56のみから吐出させる場合の、3つの注入形態を執ることができる。したがって、外壁1に生ずる「浮き」の数や発生個所等の性状に合わせて、接着剤Rを効率良く注入することができる。また、第1環状溝164および第2環状溝165では、流路の断面積を第1送込み流路96および第2送込み流路97の断面積と同等とすることができ、流路摩擦損失による圧力損失を低く抑えることができる。しかも、流路切替え機構部80Cを、部品点数の少ない簡単な構造とすることができ、注入作業後の分解、洗浄、組立を容易に行うことができる。
なお、図示では省略したが、ブロック部87にクリック機構を組み込んで、弁体部122Cを第1開放位置、全開放位置および第2開放位置において、クリック的に位置規制することが好ましい。クリック機構は、例えば弁体部122Cに形成した冠球状の3つの溝と、ブロック部87に組み込まれ、3つの溝に選択的に係合する球体および球体を付勢するバネと、で構成することが好ましい。
[第5実施形態]
次に、図15および図16を参照して、第5実施形態に係る接着剤注入器10の注入器本体11Dについて説明する。なお、第5実施形態では、主に第1実施形態と異なる部分について説明する。第5実施形態の注入器本体11Dでは、第3実施形態と同様に、キャップ部84およびケーシング本体86に対しブロック部87が別体で形成されている。したがって、この場合も、流路切替え機構部80Dが、第1送込み流路96および第2送込み流路97と、共有流路152との境界部分に配設されている。また、弁体部122Dが、ブロック部87の軸線廻りに回動操作されるようになっている。
図15および図16に示すように、流路切替え機構部80Dは、第1送込み流路96および第2送込み流路97に直交し、内部端面壁に第1送込み流路96および第2送込み流路97が上下に開口した円柱空間状の弁座部121Dと、弁座部121Dに嵌合すると共にブロック部87の軸線廻りに回動操作される弁体部122Dと、を有している。弁体部122Dは、ブロック部87と同軸上に配設された円柱状の弁本体171と、弁本体171を回動操作するための摘み部172とを有している。そして、弁本体171には、同軸上おいて、第1送込み流路96および第2送込み流路97に対応する単一且つ断面円弧状を為す円弧状貫通孔174が形成されている。
図16に示すように、円弧状貫通孔174は、断面方向において、第1送込み流路96から第2送込み流路97に亘る長さを有している。すなわち、円弧状貫通孔174は、ブロック部87の軸線廻りにおいて、断面略半円状に形成されている。また、共有流路152は、弁体部122Dが第1開放位置、全開放位置および第2開放位置のいずれの位置にあっても、円弧状貫通孔174と連通するようになっている。ブロック部87の内部に配設された弁本体171に対し、摘み部172はブロック部87の外側から螺合しており、ブロック部87には、摘み部172の回動操作を許容するためのスリット175が形成されている。
一方、図15に示すように、弁体部122D(弁本体171)には、その上流側に接して、太径の後方Oリング176が設けられ、共有流路152は、後方Oリング176により封止されている。また、弁体部122D(弁本体171)には、その下流側に接して、第1送込み流路96を封止する細径の第1前方Oリング177と、第2送込み流路97を封止する細径の第2前方Oリング178とが設けられている。このように、第1前方Oリング177、第2前方Oリング178および後方Oリング176により、摘み部172による弁本体171の回動操作の際の、接着剤Rの漏れが防止される。
この場合は、摘み部172がセンターに位置する状態が全開放位置であり(図16(a)参照)、この状態から、摘み部172を右に角度45°回動させた状態が第1開放位置となる(図16(b)参照)。一方、摘み部172を全開放位置から左に角度45°回動させた位置が第2開放位置となる(図16(c)参照)。
図16(b))の第1開放位置では、弁体部122D(弁本体171)の円弧状貫通孔174が、第1送込み流路96に臨む一方、第2送込み流路97から外れている。この状態では、第1送込み流路96は開放状態(連通状態)となり、第2送込み流路97は閉塞状態(非連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第1ノズル部24からのみ吐出される。
図16(a)の全開放位置では、弁体部122D(弁本体171)の円弧状貫通孔174が、両端部において第1送込み流路96に臨むと共に第2送込み流路97に臨んでいる。この状態では、第1送込み流路96は開放状態(連通状態)となり、第2送込み流路97も開放状態(連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第1ノズル部24および第2ノズル部25からそれぞれ吐出される。
図16(c)の第2開放位置では、弁体部122D(弁本体171)の円弧状貫通孔174が、第1送込み流路96から外れる一方、第2送込み流路97に臨んでいる。この状態では、第1送込み流路96は閉塞状態(非連通状態)となり、第2送込み流路97は開放状態(連通状態)となる。したがって、接着剤Rは、第2ノズル部25からのみ吐出される。
このように、第5実施形態においても、弁体部122Dを回動操作することにより、接着剤Rを、第1ノズル口32および第2ノズル口56から吐出させる場合、第1ノズル口32のみから吐出される場合、および第2ノズル口56のみから吐出させる場合の、3つの注入形態を執ることができる。したがって、外壁1に生ずる「浮き」の数や発生個所等の性状に合わせて、接着剤Rを効率良く注入することができる。
[第6実施形態]
次に、図17および図18を参照して、第6実施形態に係る接着剤注入器10の注入ノズル12Aについて説明する。なお、第6実施形態では、主に第1実施形態と異なる部分について説明する。
図17および図18に示すように、第6実施形態の注入ノズル12Aは、注入器本体11に装着される装着カバー部21Aと、装着カバー部21Aの内部に収容したノズルボディ22Aと、下穴8の開口部8aを封止する開口封止部23Aと、上記の第1ノズル部24および第2ノズル部25の機能を有する複合ノズル部27(ノズル部)と、を備えている。
[複合ノズル部]
複合ノズル部27は、硬質の樹脂等で形成され、先方に長く延びるノズル本体181と、ノズル本体181の基端に連なるフランジ部182と、フランジ部182の基端に連なる接合部183と、で一体に形成されている。また、複合ノズル部27の内部には、後述するノズルボディ22Aの第1接着剤流路61に連通する第1注入流路185が形成されると共に、第2接着剤流路62に連通する第2注入流路186が形成されている。
ノズル本体181の先端部には、第1注入流路185に連通する第1ノズル口187が形成されている。第1ノズル口187は、下穴8の奥部に接着剤Rを注入する部位であり、斜めにカットした形状に形成されている。また、ノズル本体181の基端側には、第2注入流路186に連通する第2ズル口188が形成されている。第2ズル口188は、下穴8の開口部8a近傍に接着剤Rを注入する部位であり、ノズル本体181の一部を切り欠くようにして形成されている。そして、第1注入流路185と第2注入流路186とは、同径であって、相互に平行に且つ近接して配設されている。
接合部183には、ノズルボディ22A側から窪入形成された一対の円形溝部191が形成されており、一方の円形溝部191により、第1注入流路185と第1接着剤流路61とを連通する第1円形流路192が構成され、他方の円形溝部191により、第2注入流路186と第2接着剤流路62とを連通する第2円形流路193が構成されている(図18参照)。そして、接合部183とノズルボディ22Aとの間には、第1接着剤流路61および第2接着剤流路62に連なる2つの円形開口を形成した封止パッキン195が介設されている。
硬質の樹脂等で形成されたノズル本体181は、先細りの外観形状に形成されている。この場合、ノズル本体181は、想定される最も深い下穴8に合わせた長さを有し、通常は現場毎の下穴8の深さに合わせて先端側を適宜、カットして用いるようにしている。このため、ノズル本体181の外周面には、軸方向のカット位置を指標する複数のカットライン201が形成されている(図18(a)参照)。
各カットライン201には、下穴8の深さに対応する数値202が明示されており、例えばこの数値202は、10mm単位或いは5mm単位とすることが好ましい。この場合に数値202は、下穴8の開口部8aから穴底部までの距離であり、接着剤Rの注入に際し、開口部8aを封止する開口封止部23A(後述するテーパー部41)の所定の位置からの寸法を表示したものである。作業者は、穿孔した下穴8の深さに合わせて、ノズル本体181を斜めにカットする。
[開口封止部]
開口封止部23Aは、接着剤Rの注入に際し下穴8の開口部8aを封止する部位であり、フッ素ゴム等の耐薬品性の弾性材料で形成されている。開口封止部23Aは、開口部8aを直接封止するテーパー形状のテーパー部41と、テーパー部41の基端側に連なるストレート部42と、で一体に形成されている。そして、開口封止部23Aは、複合ノズル部27の基端部に嵌め入れるようにして装着されている。
[ノズルボディ]
図17に示すように、ノズルボディ22Aは、ステンレスやスチール等で略円柱状に形成されている。ノズルボディ22Aの内部には、下流側を第1注入流路185(および第1円形流路192)に連通する第1接着剤流路61と、下流側を第2注入流路186(および第2円形流路193)に連通する第2接着剤流路62と、が形成されている。そして、第1接着剤流路61と第2接着剤流路62とは、同径に形成され、且つノズルボディ22Aの軸心に対し180°点対称位置に配設されている。
ノズルボディ22Aの先端側には、複合ノズル部27の接合部183が接合される太径凹部205が形成され、この太径凹部205に、上記の封止パッキン195を介在した状態で、ノズルボディ22Aに複合ノズル部27が接合されている。詳細は後述するが、装着カバー部21Aを注入器本体11に螺合(装着)すると、複合ノズル部27のフランジ部182および接合部183がノズルボディ22A側に強く引き付けられる。これにより、複合ノズル部27の接合部183が封止パッキン195の一方の面に密接し、ノズルボディ22Aの太径凹部205が封止パッキン195の他方の面に密接する。
ノズルボディ22Aの基端部には、第1接着剤流路61の上流端に連なる第1凹部71(第1接合部)が形成されると共に、第2接着剤流路62の上流端に連通する第2凹部72(第2接合部)が形成されている。第1凹部71は、第1接着剤流路61と同軸上において、第1接着剤流路61よりも太径に形成され、この部分に第1Oリング73が装着されている。同様に、第2凹部72は、第2接着剤流路62と同軸上において、第2接着剤流路62よりも太径に形成され、この部分に第2Oリング74が装着されている。
また、第1凹部71(第1Oリング73)と第2凹部72(第2Oリング74)は、軸方向(前後方向)において同位置に配設されている。そして、第1凹部71(第1接合部)には、第1Oリング73を介在させた状態で、注入器本体11の第1接合継手88(第1接合受部)が接合され、第2凹部72(第2接合部)には、第2Oリング74を介在させた状態で、注入器本体11の第2接合継手89(第2接合受部)が接合される。
[装着カバー部]
装着カバー部21Aは、注入ノズル12Aを注入器本体11に装着する部位であり、ステンレスやスチール等で円筒状に形成されている。装着カバー部21Aは、内部にノズルボディ22Aおよび複合ノズル部27のフランジ部182を収容するカバー部76と、カバー部76の先端部に設けた掛止め部77と、カバー部76の基端部に設けた後方雌ネジ部78と、で一体に形成されている。掛止め部77は、フランジ部182を外側から掛け止めし、この状態で、後方雌ネジ部78は、注入器本体11の先端部に螺合される。
装着カバー部21Aを注入器本体11に螺合(装着)すると、フランジ部182(および接合部183)とノズルボディ22Aとが注入器本体11に引き付けられる。これにより、封止パッキン195を介して、複合ノズル部27とノズルボディ22Aとが密接し、第1接着剤流路61と第1円形流路192との間、および第2接着剤流路62と第2円形流路193との間が、それぞれ封止される。また、第1Oリング73および第2Oリング74を介して、ノズルボディ22Aと注入器本体11とが密接する。また同時に、第1Oリング73を介して、第1接着剤流路61と第1接合継手88(の第1継手内流路102)とが連通し、第2Oリング74を介して、第2接着剤流路62と第2接合継手89(の第2継手内流路103)とが連通する。
ポンピングにより、分流した状態で注入器本体11から送り込まれた接着剤Rは、第1接着剤流路61および第2接着剤流路62に送り込まれる。第1接着剤流路61に送り込まれた接着剤Rは、第1円形流路192および第1注入流路185を通って第1ノズル口187から吐出される。同様に、第2接着剤流路62に送り込まれた接着剤Rは、第2円形流路193および第2注入流路186を通って第2ノズル口188から吐出される。
このように、第6実施形態においても、接着剤Rを、第1ノズル口187および第2ノズル口188から吐出させる場合、第1ノズル口187のみから吐出される場合、および第2ノズル口188のみから吐出させる場合の、3つの注入形態を執ることができ、外壁1に生ずる「浮き」の数や発生個所等の性状に合わせて、接着剤Rを効率良く注入することができる。
また、複合ノズル部27は、樹脂等により低コストで形成することができると共に、下穴8に合わせて適宜、カットすることで、下穴8に接着剤Rを適切に注入することができる。なお、第1注入流路185および第2注入流路186は、ストレート形状としたが、先細りのテーパー形状であってもよい。また、第2注入流路186は、第1注入流路185に比して細径であってもよい。
以上、これらの実施形態における接着剤注入器11は、作業後の洗浄(溶剤により接着剤Rを洗い落とす)を考慮して、開口封止部23以外の主な構成部品をステンレス等の金属材料で形成することとしている。しかし、この主な構成部品は、溶剤に対し耐薬品性を有する材料であれば、プラスチックやセラミック等で形成することも可能である。
また、流路切替え機構部80は、上記の実施形態の他、一般的なバルブ(ボールバルブ、ゲートバルブ、バタフライバルブ等)を2連として構成したものであってもよい。かかる場合には、2つ(2連)のバルブにおいて、弁体の開閉角度が異なるものとなる。
1…外壁、8…下穴、8a…開口部、10…接着剤注入器、11,11A,11B,11C,11D…注入器本体、12,12A…注入ノズル、15…接着剤貯留部、16…ポンプ部、17…操作レバー、21,21A…装着カバー部、22,22A…ノズルボディ、23,23A…開口封止部、24…第1ノズル部、25…第2ノズル部、27…複合ノズル部、32…第1ノズル口、33…第1注入流路、55…第2注入流路、56…第2ノズル口、61…第1接着剤流路、62…第2接着剤流路、71…第1凹部、72…第2凹部、73…第1Oリング、74…第2Oリング、80,80A,80B,80C,80D…流路切替え機構部、83…ポンプケーシング、87…ブロック部、88…第1接合継手、89…第2接合継手、96…第1送込み流路、97…第2送込み流路、98…第1吐出口、99…第2吐出口、121,121A,121B,121C,121D…弁座部、122,122A,122B,122C,122D…弁体部、124…弁体部本体、125…操作摘み部、127…第1貫通孔、128…第2貫通孔、131…第1切欠き溝、132…第2切欠き溝、140…アンカーピン、152…共有流路、154…長円状貫通孔、164…第1環状溝、165…第2環状溝、174…円弧状貫通孔、185…第1注入流路、186…第2注入流路、187…第1ノズル口、188…第2ノズル口、R…接着剤

Claims (11)

  1. 壁体を所定の深さまで穿孔した下穴に、その開口部を封止しながら接着剤を注入する注入ノズルと、前記注入ノズルが着脱自在に装着される注入器本体と、から成るピンニング工法用の接着剤注入器であって、
    前記注入ノズルは、
    前記下穴の奥部に臨む第1ノズル口を有すると共に、前記下穴の前記開口部近傍に臨む第2ノズル口を有するノズル部と、
    前記ノズル部を保持すると共に、前記第1ノズル口に連通する第1接着剤流路および前記第2ノズル口に連通する第2接着剤流路を形成したノズルボディと、を備え、
    前記注入器本体は、
    接着剤を貯留する接着剤貯留部と、
    吸込口を介して前記接着剤貯留部から吸い込んだ接着剤を吐出口から吐出するポンプ部と、
    上流側を前記吐出口に連通し下流側を前記第1接着剤流路に連通する第1送込み流路と、
    上流側を前記吐出口に連通し下流側を前記第2接着剤流路に連通する第2送込み流路と、
    前記第1送込み流路を開放し且つ前記第2送込み流路を開放する全開放位置と、前記第1送込み流路を開放し且つ前記第2送込み流路を閉塞する第1開放位置と、前記第1送込み流路を閉塞し且つ前記第2送込み流路を開放する第2開放位置と、の相互間で接着剤の流路を切り替える流路切替え機構部と、を備えたことを特徴とするピンニング工法用の接着剤注入器。
  2. 前記ノズル部は、前記第1ノズル口を有する第1ノズル部と、前記第2ノズル口を有する第2ノズル部と、から成ることを特徴とする請求項1に記載のピンニング工法用の接着剤注入器。
  3. 前記第1送込み流路および前記第2送込み流路は、前記ポンプ部のポンプケーシングに相互に平行になるように形成され、
    前記流路切替え機構部は、前記ポンプケーシングにおいて、前記第1送込み流路および前記第2送込み流路に介設されていることを特徴とする請求項1または2に記載のピンニング工法用の接着剤注入器。
  4. 前記ノズルボディは、基端部に、前記第1接着剤流路に連なる第1接合部および前記第2接着剤流路に連なる第2接合部を有し、
    前記ポンプケーシングは、先端部に、前記第1送込み流路に連なる第1接合受部および前記第2送込み流路に連なる第2接合受部を有し、
    前記注入器本体に対し前記注入ノズルは、前記第1接合部を前記第1接合受部に接合し且つ前記第2接合部を前記第2接合受部に接合した状態で、着脱自在に装着されていることを特徴とする請求項3に記載のピンニング工法用の接着剤注入器。
  5. 前記流路切替え機構部は、
    前記第1送込み流路および前記第2送込み流路に直交し、内部周面壁に前記第1送込み流路および前記第2送込み流路が開口する円柱空間状の弁座部と、前記弁座部に嵌合し、軸線廻りに回転操作される円柱状の弁体部と、を有し、
    前記弁体部は、
    前記第1送込み流路に対応する第1貫通孔と、前記第2送込み流路に対応する第2貫通孔と、を有し、
    前記弁体部は、前記全開放位置、前記第1開放位置および前記第2開放位置に対応して、3つの回転角度位置に回転操作可能に構成され、
    前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とは、前記3つの回転角度位置において、それぞれ前記全開放位置、前記第1開放位置および前記第2開放位置となるように、軸線廻りの貫通角度が異なることを特徴とする請求項3または4に記載のピンニング工法用の接着剤注入器。
  6. 前記流路切替え機構部は、
    前記第1送込み流路および前記第2送込み流路に直交し、内部周面壁に前記第1送込み流路および前記第2送込み流路が開口する円柱空間状の弁座部と、前記弁座部に嵌合すると共に、軸線廻りに回転操作される円柱状の弁体部と、を有し、
    前記弁体部は、
    前記第1送込み流路に対応する第1切欠き溝と、前記第2送込み流路に対応する第2切欠き溝と、を有し、
    前記弁体部は、前記全開放位置、前記第1開放位置および前記第2開放位置に対応して、3つの回転角度位置に回転操作可能に構成され、
    前記第1切欠き溝と前記第2切欠き溝とは、前記3つの回転角度位置において、それぞれ前記全開放位置、前記第1開放位置および前記第2開放位置となるように、軸線廻りの切欠き角度が異なることを特徴とする請求項3または4に記載のピンニング工法用の接着剤注入器。
  7. 前記流路切替え機構部は、
    前記第1送込み流路および前記第2送込み流路に直交し、内部周面壁に前記第1送込み流路および前記第2送込み流路が開口する円柱空間状の弁座部と、前記弁座部に嵌合すると共に、軸線廻りに回転操作される円柱状の弁体部と、を有し、
    前記弁体部は、前記第1送込み流路および前記第2送込み流路に対応する単一且つ断面長円状を為す長円状貫通孔を有し、
    前記弁体部は、前記全開放位置、前記第1開放位置および前記第2開放位置に対応して、3つの回転角度位置に回転操作可能に構成され、
    前記長円状貫通孔は、前記3つの回転角度位置において、それぞれ前記全開放位置、前記第1開放位置および前記第2開放位置となるように、軸方向に対し斜めに延在していることを特徴とする請求項3または4に記載のピンニング工法用の接着剤注入器。
  8. 前記弁座部は、雌ネジ状を為し、
    前記弁体部は、前記弁座部に螺合する雄ネジ状を為していることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載のピンニング工法用の接着剤注入器。
  9. 前記流路切替え機構部は、
    前記第1送込み流路および前記第2送込み流路に直交し、内部周面壁に前記第1送込み流路および前記 第2送込み流路が開口するシリンダー状の弁座部と、前記弁座部に嵌合すると共に、軸方向にスライド操作されるプランジャー状の弁体部と、を有し、
    前記弁体部は、
    前記第1送込み流路および前記第2送込み流路に選択的に臨む第1環状溝および第2環状溝を有し、
    前記弁体部は、前記全開放位置、前記第1開放位置および前記第2開放位置に対応して、3つの進退位置にスライド操作可能に構成され、
    前記第1環状溝と前記第2環状溝とは、前記3つの進退位置において、それぞれ前記全開放位置、前記第1開放位置および前記第2開放位置となるように、前記第1送込み流路と前記第2送込み流路との離間寸法と同寸法、軸方向に離間して配設されていることを特徴とする請求項3または4に記載のピンニング工法用の接着剤注入器。
  10. 前記流路切替え機構部は、
    前記第1送込み流路および前記第2送込み流路に直交し、内部端面壁に前記第1送込み流路および前記第2送込み流路が開口する円柱空間状の弁座部と、前記弁座部に嵌合すると共に、軸線廻りに回動操作される円柱状の弁体部と、を有し、
    前記弁体部は、同軸上において、前記第1送込み流路および前記第2送込み流路に対応する単一且つ断面円弧状を為す円弧状貫通孔を有し、
    前記弁体部は、前記全開放位置、前記第1開放位置および前記第2開放位置に対応して、3つの回動角度位置に回動操作可能に構成され、
    前記円弧状貫通孔は、前記3つの回転角度位置において、それぞれ前記全開放位置、前記第1開放位置および前記第2開放位置となるように、前記第1送込み流路と前記第2送込み流路との中間点を中心とする略半円の円弧状に形成されていることを特徴とする請求項3または4に記載のピンニング工法用の接着剤注入器。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載のピンニング工法用の接着剤注入器を用い、前記壁体を補修するピンニング工法であって、
    前記壁体を所定の深さまで穿孔して前記下穴を形成する穿孔工程と、
    前記接着剤注入器により、前記下穴の開口部を封止しつつ前記下穴に接着剤を注入する注入工程と、
    接着剤が注入された前記下穴に、アンカーピンを挿入・装着する装着工程と、を備えたことを特徴とするピンニング工法。
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