JP6557403B2 - リソグラフィ装置及び方法 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2015年7月16日に出願された欧州出願第15177053.4号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に援用される。
本発明は、リソグラフィ装置及びデバイス製造方法に関する。
リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層に対応する回路パターンを生成することができる。このパターンを、放射感応性材料(レジスト)の層を有する基板(例えばシリコンウェハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に結像することができる。一般的に、1枚の基板は、順次露光される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。
基板のターゲット部分上の各ポイントによって受光される放射ドーズ量を高精度に制御できるリソグラフィ装置を提供することが望ましい。基板のターゲットエリアの一部によって受光される放射ドーズ量は、その部分により受光される単位面積当たりのエネルギー量として定義することができる。放射ドーズ量を高精度に制御すると、基板上に形成されるフィーチャの限界寸法の変動を制御することが可能となる。
本発明の目的は、本明細書で又は他で特定される従来技術の問題の1つ以上に少なくとも部分的に対処するリソグラフィ装置及びデバイス製造方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、放射ビームの空間強度分布に関する情報を決定する方法が提供される。この方法は、較正センサを提供することと、照明システムを用いてパルス放射ビームを提供することと、パルス放射ビームを基準フレームの面の領域に投影することと、スキャン機構を用いて、較正センサがスキャン軌跡に沿って面内で放射ビームを通過するように、基準フレームに対して較正センサを移動することと、基準フレームに対する照明システムの速度を示す量を決定することと、(a)較正センサの出力、(b)較正センサのスキャン軌跡、及び(c)基準フレームに対する照明システムの速度を示す量に基づいて、面内の放射ビームの空間強度分布に関する情報を決定することと、を備える。
較正センサがスキャン軌跡に沿って面内で放射ビームを通過するとき、較正センサは複数の放射ビームのパルスにより照射される。較正センサは、各パルスから、そのパルスを受光したときに較正センサが存在するスリット中の位置におけるスリットプロファイルの強度により重み付けされたそのパルスのパワーにより与えられる放射ドーズ量を受光する。その際に、較正センサは、スリットプロファイルを複数回(各放射パルスに対して一回)効果的にサンプリングする。一定のスキャン速度及び一定のパルス周波数での較正センサの直線運度においては、スリットプロファイルが実質的に均等にサンプリングされる、すなわち、隣接するサンプル間の(スキャン方向の)距離が実質的に一定になると期待される。しかしながら、照明システムの任意の動きにより、サンプルの各ペアの間の間隔が代わり、これがエラーをもたらす可能性がある。有利には、本第1の態様は、基準フレームに対する照明システムの速度を示す量を組み合わせることにより、確実にこのようなエラーを取り除く又は少なくとも実質的に低減する。
基準フレームに対する照明システムの速度を示す量は、スキャン方向での放射システムの加速度であってよく、本方法は、加速度を分解能時間で積分して、前記分解能時間中のスキャン方向での照明システム平均速度を計算するステップを備えてよい。
本方法は、照明システムにより提供される各放射パルスのパワーを決定することをさらに備えてよく、面内の放射ビームの空間強度分布に関する情報はまた、照明システムにより提供される放射パルスのパワーに基づいて決定されてもよい。
面内の放射ビームの空間強度分布に関する情報は、(i)複数の決定された強度、及び(ii)複数の強度のそれぞれに対応する放射ビーム中の位置を示す量を含んでもよい。
複数の強度は、較正センサのセンサ素子が受光する個別の放射ドーズ量に比例してもよい。
複数の強度のそれぞれは、パルス放射ビームのパルスから較正センサのセンサ素子が受光する個別の放射ドーズ量と、その放射パルスのパワーとの比に比例してもよい。個別のドーズ量(較正センサにより決定される)と、パルス放射ビームのパワー(別の放射センサにより決定される)との比を取得することにより、スリットプロファイルの強度を決定できるように、放射源の出力への依存を効果的に分解して切り離すことができる。そのため、較正センサが受光する放射パルスにわたる放射源の出力パワーの変動が効果的に取り除かれる。
複数の強度のそれぞれに対応する放射ビーム中の位置を示す量は、較正センサのスキャン軌跡、及び基準フレームに対する照明システムの速度を示す量に基づいて決定されてもよい。
複数の強度のそれぞれに対応する放射ビーム中の位置を示す量は、その対応する強度と隣接する強度のスキャン方向における間隔を含んでもよい。
スキャン方向における間隔は、較正センサのスキャン速度と基準フレームに対するスキャン方向の放射ビームの瞬間速度のベクトル和の大きさと、放射源のパルス周波数との比により与えられてもよい。
複数の強度のそれぞれに対応する放射ビーム中の位置を示す量は、各強度と隣接する強度との間のスキャン方向における間隔の、放射ビームの片側から対応する強度までの和を含んでもよい。
面内の放射ビームの空間強度分布に関する情報は、スキャン方向にわたる放射の強度分布の積分の推定値に比例してもよい。
スキャン方向にわたる放射ビームの強度分布の積分の推定値は、複数の強度の加重和を計算することにより決定されてもよい。
複数の強度のそれぞれに対する重みは、較正センサのスキャン速度と、基準フレームに対する面内でのスキャン方向の放射ビームの瞬間速度とのベクトル和の大きさに比例してもよい。このような重みは、2つの連続する放射パルスによる照射の間に較正センサが(放射ビームに対して)移動したスキャン方向の距離に比例する。したがって、このような実施形態は、矩形法の積分に基づくスキャン方向にわたるスリットの積分の数値予測を提供する。
複数の強度のそれぞれに対する重みは、放射源のパルス周波数に反比例してもよい。
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様の方法を備えるリソグラフィ装置を較正する方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、リソグラフィ方法が提供される。この方法は、基板を提供することと、放射システムを用いて放射ビームを提供することと、パターニングデバイスを用いて放射ビームの断面にパターンを付与することと、パターン形成放射ビームを基板のターゲット部分上に投影することと、スキャン機構を用いて、パターン形成放射ビームが基板の表面上を移動するように、フレームに対して基板を移動することと、を備え、放射ビームのパワーは、本発明の第1の態様の方法を用いて決定された、基板の面内の放射ビームの空間強度分布に関する情報に基づいて制御される。
本リソグラフィ方法は、放射ビームのパワーを決定することをさらに備えてもよく、放射ビームのパワーもまた、放射ビームの決定されたパワーに基づいて制御されてもよい。
放射ビームのパワーは、確実にターゲット部分の1つ以上の部分が所望の放射ドーズ量を受光するように制御されてもよい。
本発明の第4の態様によれば、リソグラフィ装置が提供される。この装置は、パルス放射ビームを調整するよう構成される照明システムと、基準フレームと、基準フレームに移動可能に搭載される基板テーブルであって、基板のターゲット部分が放射ビームを受光するよう配置されるように基板を保持する基板テーブルと、放射ビームを基板上に投影するよう構成される投影システムと、フレームに対して基板テーブルを移動するよう動作可能なスキャン機構と、フレームに対する照明システムの速度を示す量を決定するよう動作可能な機構と、構成方法の間に基板テーブル上に位置決めできる較正センサと、コントローラと、を備え、較正方法の間に、スキャン機構は、較正センサがスキャン軌跡に沿って面内で放射ビームを通過するように、基準フレームに対して基板テーブルを移動し、コントローラは、(a)較正センサの出力、(b)較正センサのスキャン軌跡、及び(c)基準フレームに対する照明システムの速度を示す量に基づいて、面内の放射ビームの空間強度分布に関する情報を決定するよう動作可能である。
コントローラは、本発明の第1の態様の方法を実施するよう動作可能であってもよい。
基準フレームに対する照明システムの速度を示す量を決定するよう動作可能な機構は、照明システムに搭載される1つ以上の加速度計を備えてもよい。
基準フレームに対する照明システムの速度を示す量を決定するよう動作可能な機構は、照射システムから出射する放射帯の移動を測定するように動作可能な、基準フレームに搭載される1つ以上のカメラを備えてもよい。
較正センサは、センサ素子を備えてもよい。いくつかの実施形態では、較正センサは、複数のセンサ素子を備えてもよい。
較正センサは、不透明基板を備えてもよく、センサ素子は、前記不透明基板にアパーチャを備えてもよい。較正センサが複数のセンサ素子を備える実施形態においては、各センサ素子が不透明基板にアパーチャを備えてもよい。
センサ素子はさらに、アパーチャの後ろに配置される放射センサを備えてもよい。較正センサが複数のセンサ素子を備える実施形態においては、各センサ素子がそのアパーチャの後ろに配置される放射センサを備えてもよい。
不透明基板のアパーチャは、100μmのオーダーの直径を有してもよい。
リソグラフィ装置は、パターニングデバイスを支持する支持構造をさらに備えてもよく、照明システムは、放射ビームが基板のターゲット部分により受光される前にパターニングデバイスが放射ビームの断面にパターンを付与するように、パターニングデバイス上に放射ビームを投影するよう配置されてもよい。
支持構造は、移動可能にフレームに搭載されてもよく、スキャン機構はさらに、フレームに対して支持構造を移動するよう動作可能であってもよい。
本発明の第5の態様によれば、本発明の第1の態様の方法を実施するよう動作可能なコンピュータプログラムが提供される。
当業者に容易に明らかとなるように、上述の及び後述の本発明の様々な態様及び特徴は、本発明の他の様々な態様及び特徴と組み合わせることができる。
対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
本発明の一実施形態に係るリソグラフィ装置を示す図である。 図1のリソグラフィ装置の一部を形成する強度調整器(第1の配置で図示)を模式的に示す図である。 図1のリソグラフィ装置の一部を形成する強度調整器(第2の配置で図示)を模式的に示す図である。 動的露光プロセスの間の、図1のリソグラフィ装置により基板のターゲット部分上に投影される放射帯の位置と、2つのマスキングブレードの位置を示す図である。 スキャン方向の関数としての放射ビーム帯の例示的なスリットプロファイルを示す図である。 図4に示すスキャン方向の関数としての放射ビーム帯の例示的なスリットプロファイルと、複数のドットを示す図であり、ドットのそれぞれは、リソグラフィ装置のイルミネータが基準フレームに対して静止しているときに放射パルスが較正センサを照射する場合の(放射帯に対する)較正センサのスキャン方向の位置を表す。 図4に示すスキャン方向の関数としての放射ビーム帯の例示的なスリットプロファイルと、複数のドットを示す図であり、ドットのそれぞれは、リソグラフィ装置のイルミネータが基準フレームに対して振動しているときに放射パルスが較正センサを照射する場合の(放射帯に対する)較正センサのスキャン方向の位置を表す。
本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nmもしくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外線光(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
本明細書で使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成する等のため、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得るデバイスを指すものとして広義に解釈されるものとする。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しない場合があることに留意するべきである。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路等のターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
パターニングデバイスは透過型又は反射型でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例は、小型ミラーのマトリクス構成を使用し、ミラーの各々は、入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾けることができる。このようにして、反射ビームがパターニングされる。
支持構造がパターニングデバイスを支持する。支持構造は、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、さらに、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているかといった他の条件に応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。支持は、機械式クランピング、真空式、又は、例えば真空条件下での静電式クランピングのような他のクランピング技法を使用することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルとすることができ、必要に応じて固定式又は可動式とすればよく、パターニングデバイスを例えば投影システムに対して確実に所望の位置とすることができる。本明細書における「レチクル」又は「マスク」という用語の使用は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
本明細書において使用する「投影システム」という用語は、適宜、例えば露光放射の使用、あるいは浸漬液の使用又は真空の使用などの他の要因に対する、屈折光学システム、反射光学システム、及び反射屈折システムを含む、様々なタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
また、照明システムは、放射ビームを誘導し、整形し、又は制御するための、屈折光学部品、反射光学部品、及び反射屈折光学部品を含む様々なタイプの光学部品を包含することができ、そのような部品は以下で、まとめて又は単独で「レンズ」とも称される。
リソグラフィ装置は、単一の基板テーブル及び単一の支持構造を有することができる。あるいは、リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上の支持構造)を有するタイプでもよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ以上のテーブルで予備工程を実行しながら1つ以上の他のテーブルを露光に使用することも可能である。
リソグラフィ装置は、投影システムの最終要素と基板との間の空間を充填するように、基板を例えば水のような比較的高い屈折率を有する液体に浸すタイプでもよい。液浸技法は、投影システムの開口数を大きくするため当技術分野では周知である。
図1は、本発明の特定の実施形態に従ったリソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、
−放射ビームPB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するための照明システム(イルミネータ)ILと、
−フレームMFと、
−ベースフレームBFと、
−パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するための支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
−基板(例えばレジストコートウェハ)Wを保持するための基板テーブル(例えばウェハテーブル)WTと、
−パターニングデバイスMAによって放射ビームPBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)に結像するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズ)PLと、
を備える。
ベースフレームBFは、地上に支持することができる。フレームMFは、フレームMFをベースフレームBF上に支持する音響減衰マウントDMを用いることにより、ベースフレームBFの振動のような外部の影響から実質的に分離された防振フレームである。これらの音響減衰マウントDMは、ベースフレームBFによって及び/又は分離フレームMF自体によって生じる振動を分離するように能動的に制御することができる。
投影システムPLは分離フレームMFに接続されている。支持構造MTは、第1の位置決めデバイスPMを介してフレームMFに移動可能に搭載されている。第1の位置決めデバイスPMを用いて、パターニングデバイスMAを移動させ、これをフレームMFに対して(さらには、フレームMFに接続された投影システムPLに対して)高精度に位置決めすることができる。基板テーブルWTは、第2の位置決めデバイスPWを介してフレームMFに移動可能に搭載されている。第2の位置決めデバイスPWを用いて、基板Wを移動させ、これをフレームMFに対して(さらには、フレームMFに接続された投影システムPLに対して)高精度に位置決めすることができる。第2の位置決めデバイスPWをスキャン機構とも称する場合がある。あるいは、第1及び第2の位置決めデバイスPM、PWをまとめてスキャン機構と称することがある。支持構造MT及び基板テーブルWTをまとめてオブジェクトテーブルと称することがある。
本明細書に示すように、装置は透過型(例えば透過型マスクを用いる)である。あるいは、装置は反射型(例えば上記したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを用いる)としてもよい。
イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受光する。例えば放射源SOがエキシマレーザである場合、放射源SOとリソグラフィ装置とは別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源SOはリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームBは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダを含むビームデリバリシステムBDを利用することで、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプである場合、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。イルミネータILを放射システムと呼ぶことができる。あるいは、放射源SO及びイルミネータILを、必要に応じてビームデリバリシステムBDと共に、まとめて放射システムと呼ぶことができる。
イルミネータILは、ビームの角度強度分布を調整するための調整手段AMを含むことができる。通常、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ−outer及びσ−innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは一般的に、インテグレータIN及びコンデンサCOのような他の様々な部品も備えている。
調節された放射ビームPBの形状及び(空間)強度分布は、イルミネータILの光学部品によって規定される。スキャンモードでは、調節された放射ビームPBは、パターニングデバイスMA上に概して長方形の放射帯を形成するようにされる。放射帯は、露光スリット(又はスリット)とも称される。スリットは、長い寸法(長さと称する場合がある)及び短い寸法(幅と称する場合がある)を有することができる。スリットの幅は、スキャン方向(図1のY方向)に対応してよく、スリットの長さは、非スキャン方向(図1のX方向)に対応してよい。スキャンモードでは、スリットの長さは、単一の動的露光で露光することのできるターゲット部分Cの非スキャン方向の範囲を制限する。それに対して、単一の動的露光で露光することのできるターゲット部分Cのスキャン方向の範囲は、スキャン動作の長さにより決定される。
「スリット」、「露光スリット」又は「放射帯」という用語は、リソグラフィ装置の光軸に垂直な平面内でイルミネータILにより作られる放射帯のことを指すために交互に用いられる。この平面は、パターニングデバイスMA又は基板Wに、又はパターニングデバイスMA又は基板Wの近くにあってよい。この平面は、フレームMFに対して静止していてよい。「スリットプロファイル」、「放射ビームのプロファイル」、「強度プロファイル」及び「プロファイル」という用語は、特にスキャン方向のスリットの(空間)強度分布の形状のことを指すために交互に用いられる。リソグラフィ装置の光軸に垂直な平面内において、露光領域は、放射を受けることのできる平面の領域を指してよい。
イルミネータILは、2つのマスキングブレード(図1でBとして模式的に示す)を備えている。2つのマスキングブレードの各々は、スリットの長さに対して概ね平行であり、2つのマスキングブレードはスリットの反対側に配置されている。各マスキングブレードは、放射ビームPBの経路内に配置されない後退位置と放射ビームPBを部分的に遮る挿入位置との間で、個別に移動可能である。マスキングブレードは、イルミネータILのフィールド面内に配置される。従って、マスキングブレードを放射ビームの経路内に移動させることにより、放射ビームPBのプロファイルを鋭く切断し、これによってスキャン方向で放射ビームPBのフィールドの範囲を限定する。マスキングブレードは、露光領域のどの部分が放射を受けるか制御するために用いることができる。
パターニングデバイスMAも、リソグラフィ装置のフィールド面内に配置される。一実施形態では、マスキングブレードは、マスキングブレードとパターニングデバイスMAの両方が実質的に同じ面に位置するように、パターニングデバイスMAに隣接して配置されてよい。あるいは、マスキングブレードは、それらがそれぞれリソグラフィ装置の異なるフィールド面内に位置するようにパターニングデバイスMAから分離されてよく、マスキングブレードとパターニングデバイスMAとの間に適切な焦点調節光学部品(図示せず)が設けられてよい。
イルミネータILは、強度調整器IA(図1に模式的に図示)を備える。図2A及び図2Bに示すように、強度調整器IAは、2つの異なる構成で図示された、複数の可動フィンガーFを備える。フィンガーFは、ペアで配置されており、各ペアはスリットの各側に一つずつフィンガーを備える(すなわち各ペアのフィンガーFがy方向に分離されている)。フィンガーFのペアは、スリットの長さに沿って配置されている(すなわち、x方向に延在している)。図2Aにおいて1つのフィンガーFに関して矢印Aで示されるように、各可動フィンガーFはスキャン方向(図2A及び図2Bにおいてy方向)に独立して移動可能である。すなわち、フィンガーFは、スリットの長さに対して垂直な方向に移動可能である。使用時において、各可動フィンガーFは、スキャン方向に独立して移動可能である。例えば、各可動フィンガーFは、少なくとも放射ビームの経路内に配置されない後退位置と放射ビームを部分的に遮る挿入位置との間で、移動可能であってよい。図2Aでは、スリットの各側の全てのフィンガーが同じy方向位置に配置されている。図2Bに示すように、概して、スリットの所与の側のフィンガーを各ペアで異なるy方向位置に配置することができる。フィンガーFを移動することにより、スリットの形状及び/又は強度分布を調整することができる。
フィンガーFは、リソグラフィ装置のフィールド面内になくてもよく、フィールドは、フィンガーが放射ビームPBを鋭く切り取らないようにフィンガーの周縁部にあってもよい。フィンガーのペアを用いて、スリットの長さに沿って放射ビームPBの異なる減衰レベルを与えることができる。
放射ビームPBの強度関数は、スキャン方向に相当するスリットの幅方向で変動し得る。スリットの幅方向の強度関数の形状を、放射ビームPBのプロファイル(又はスリットプロファイル)と呼ぶことができる。放射ビームPBのプロファイルは、スリットの長さに沿ってほぼ同一であり得る。これに加えて又はこの代わりに、スリットの幅方向の放射ビームPBの強度プロファイルの積分は、スリットの長さに沿ってほぼ一定であり得る。これを達成するには、図2Bに模式的に示すように、フィンガーのペアをそれぞれ異なる量ずつ放射ビームPBの経路内に挿入して、スリットの長さに沿って異なる量ずつ放射ビームを減衰させればよい。フィンガーのペアが異なる量ずつ放射ビームPBの経路内に挿入されるこのような実施形態では、放射ビームPBのプロファイルはスリットの長さに沿ってわずかに変動する。
イルミネータILは、断面において所望の均一性及び強度分布を有する調節された放射ビームPBを与える。フィンガーF及びマスキングブレードBは、イルミネータILのスリットアパーチャSAを規定すると見なしてよい。調節された放射ビームPBは、スリットアパーチャSAを通ってイルミネータILから出射する。
イルミネータILから出射した放射ビームPBは、支持構造MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射する。パターニングデバイスMAを横断したビームPBは投影システムPLを通過し、投影システムPLはこのビームを基板Wのターゲット部分C上に集束させる。第2の位置決めデバイスPW及び位置センサIF(例えば干渉計デバイス)を利用して、例えばビームPBの経路に異なるターゲット部分Cを位置決めするように、基板テーブルWTをフレームMFに対して高精度に移動させることができる。同様に、第1の位置決めデバイスPM及び別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、例えばマスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中に、フレームMFに対してパターニングデバイスMAを高精度に位置決めできる。一般に、オブジェクトテーブルMT及びWTの移動は、位置決めデバイスPM及びPWの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)を利用して実現できる。パターニングデバイスMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。
投影システムPSは、放射ビームPBに縮小率を与えて、パターニングデバイスMA上の対応するフィーチャよりも小さいフィーチャを有する像を形成できる。例えば、縮小率4を与えることができる。
スキャンモードでは、第1の位置決めデバイスPMは、スキャン方向に沿ってイルミネータILにより調節された放射ビームPBに対して支持構造MTを移動することができる。一実施形態では、支持構造MTは、スキャン速度vMTでスキャン方向に直線的に移動する。上述したように、スリットは、その幅がスキャン方向(これは図1のY方向と一致する)に延びるように配向されている。どのような場合でも、スリットにより照明されるパターニングデバイスMA上の各ポイントは、投影システムPLにより基板Wの面内の単一の共役点上に結像される。支持構造MTがスキャン方向に動くとき、パターニングデバイスMA上のパターンは、支持構造MTと同じ速度でスリットの幅を横切って移動する。特に、パターニングデバイスMA上の各ポイントは、速度vMTでスキャン方向にスリットの幅を横切って移動する。支持構造MTの移動の結果、パターニングデバイスMA上の各ポイントに対応する基板Wの面内の共役点は、基板テーブルWTの面内でスリットに対して移動する。
基板W上にパターニングデバイスMAの像を形成するために、基板テーブルWTは、パターニングデバイスMAの各ポイントの基板Wの面内における共役点が基板Wに対して静止しているように移動する。投影システムPLに対する基板テーブルWTの速度(大きさと方法の両方)は、(スキャン方向の)投影システムPLの縮小及び像反転特性によって決定される。特に、投影システムPLの特性が基板Wの面内に形成されるパターニングデバイスMAの像がスキャン方向で反転するようなものの場合、基板テーブルWTは、支持構造MTと反対方向に移動しなければならない。すなわち、基板テーブルWTの移動は、支持構造MTの移動に逆平行(anti-parallel)でなければならない。さらに、投影システムPLが放射ビームPBに縮小率αを与える場合、所与の時間内に各共役点が進む距離は、パターニングデバイス上の対応するポイントが進む距離をαで除算したものとなる。従って、基板テーブルWTの速度の大きさ|vMT|は、|vMT|/αでなければならない。
イルミネータILは、パターニングデバイスMAの露光領域を放射ビームPBで照明し、投影システムPLは、放射を基板Wの面内の露光領域に焦点合わせする。イルミネータILのマスキングブレードを用いて、放射ビームPBの幅を制御することができ、これにより、パターニングデバイスMA及び基板Wそれぞれの面内における露光領域の範囲が制限される。すなわち、イルミネータのマスキングブレードは、リソグラフィ装置において視野絞りとしての機能を果たす。ここで、マスキングブレードの使用方法の例を図3を参照して説明する。
図3は、基板Wのターゲット部分104の露光の間の異なるステージにおける2つのマスキングブレードB1,B2の位置を示す。ターゲット部分104は、例えば、図1に示すターゲット部分Cのうちいずれかであってよい。
図3Aに示すように、ターゲット部分104の単一の動的露光の開始時に、基板Wの面内の露光領域102(すなわち、投影システムPLによりスリットが投影される基板の部分)は、ターゲット部分104に隣接している。非スキャン方向(x方向)の露光領域102の範囲は、ターゲット部分104のそれと実質的に同じであり、露光領域102は非スキャン方向(x方向)のターゲット部分104と位置合わせされている。スキャン方向(y方向)の露光領域102の範囲は、ターゲット部分104のそれと異なる可能性がある。スキャン方向(y方向)では、露光領域102は、露光領域102がターゲット部分104とオーバーラップせず、間隔も空けない(すなわち、露光領域102の前縁106がターゲット部分104の縁と実質的に一致する)ようにターゲット部分104と隣接している。
図3では、基板Wの面上への2つのマスキングブレードB1,B2の投影が破線で図示されている。ターゲット部分104の動的露光の開始時(ターゲット部分104が図3Aに図示されるように配置されている)に、スリットの第1のマスキングブレードB1が放射ビームの経路内に配置され、これはシャッターとして機能して、それにより基板Wのどの部分も放射を受けない。これにより確実に、隣接するターゲット部分は放射に露光されない。
露光されている基板Wのターゲット部分104の前縁106が露光領域102に入ると、第1のマスキングブレードB1は、ターゲット部分104のみが放射を受けるように移動する(すなわち、ターゲット部分104の外側の基板のどの部分も露光されない)。換言すれば、マスキングブレードB1は、図3に示すように、露光領域102とターゲット部分104との間のオーバーラップだけが放射を受けるように配置される。
図3Cに示すように、ターゲット部分104の露光の途中で、マスキングブレードB1,B2は、露光領域102の全体が放射を受けるように放射ビームの経路から外に後退する。基板Wのターゲット部分104が露光領域から外に移動すると(すなわちターゲット部分104の縁が露光領域102の前縁106を通過すると)、第2のマスキングブレードB2は、露光領域102に配置されたターゲット部分104の部分のみが放射を受けるように移動する。これは、図3Dに示されている。
イルミネータのマスキングブレードが放射ビームPBの経路に配置されないとき、
パターニングデバイスMAの露光領域及び基板Wの面内の露光領域は、放射のスリットにより規定され得る。
スキャンモードを用いることにより、リソグラフィ装置は、放射に対して実質的に固定されたエリアで基板Wのターゲット部分Cを露光することができる。例えば、ターゲット部分Cは、1つ又はいくつかのダイの一部を含んでよい。単一のウェハは、複数のステップで放射を受けることができ、各ステップは、ターゲット部分Cの露光に続く基板Wの移動を含む。ターゲット部分Cの露光後、リソグラフィ装置は、別のターゲット部分Cが放射を受けるように投影システムPLに対して基板Wを移動することができる。例えば、基板W上の2つの異なるターゲット部分Cの露光の間に、基板テーブルWTは、露光領域をスキャン可能な状態となるように次のターゲット部分に位置するよう基板Wを移動させることができる。これは、例えば、次のターゲット部分が露光領域102に隣接して配置されるよう基板Wを移動することにより達成することができる。
あるいは、図示する装置は別のモードで使用することができる。この場合、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームPBに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させるたびに、又はスキャン中の連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、上記したようなタイプのプログラマブルミラーアレイ等のプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
限界寸法の均一性(CDU)を確保するために、基板Wの各部分に送出される放射のドーズ量を規格内に制御することができる。従って、一般的に、基板W上の各ポイントにより受光される放射のドーズ量に対する高精度の制御を行うことが望ましい。例えば、基板W上に形成されるフィーチャの限界寸法の変動が所望の閾値未満であるよう十分に高精度にドーズ量を制御することが望ましい場合がある。ドーズ量は、基板Wにより受光される単位面積当たりのエネルギー量として定義される。
スキャン露光中、リソグラフィ装置は、基板W上に放射帯として放射を投影する。基板W上のポイント(位置r)に送出される放射ドーズ量E(r)は、そのポイントについての放射照度I(r,t)の時間積分によって与えられる。
ここで、tは放射帯の前縁が位置rを通過する時点であり、tは放射帯の後縁が位置rを通過する時点である。放射照度は、基板Wが受光する単位面積当たりのパワーである。基板W上の伸長領域に送出される放射ドーズ量Eは、伸長領域にわたるドーズ量Eの面積分により与えられる。
(1)式から分かるように、基板W上の所与のポイントにより受光されるドーズ量は、放射帯がそのポイントを通過するために要する時間(t−t)によって決まる。放射帯が基板Wを略一定速度vで移動する場合、放射帯が所与のポイントを通過するために要する時間は、速度vに対するスキャン方向の放射帯の大きさの比によって与えられる。
時間とともに変化しうる放射照度は、基板Wが受光する単位面積当たりパワーであり、
によって与えられる。
ここで、PSO(t)は、放射源SOからの放射ビームのパワー密度であり、s(r,t)は、イルミネータILにより出力される放射帯の空間強度プロファイル(すなわちスリットプロファイル)を記述する無次元分布であり、m(r)は、パターニングデバイスMAにより放射ビームに付与されるパターンを表す無次元分布である。以下の検討では、簡略化のため、パターニングデバイスMAにより放射ビームに付与されるパターンから生じるエネルギードーズ量に対する寄与は無視される。従って、以下においてmの値はm=1に設定される。
放射帯の強度プロファイルs(r,t)は、リソグラフィ装置の光学部品によって決まる。特に、強度プロファイルs(r,t)は、スリットアパーチャSA(複数の個別に移動可能なフィンガーF及びマスキングブレードBにより規定される)を含むイルミネータILの光学部品によって決まる。一般的に、基板W上のポイントrは、2つの座標x,yにより規定できる。例えば、座標yはスキャン方向でのrの位置を規定し、座標xはスキャン方向に対して実質的に垂直な方向でのrの位置を記述することができる。
無次元分布s(r,t)の値は、スキャン方向(y)におけるrの位置によって決まり、スキャン方向に対して垂直な方向(x)のrの位置とは無関係であり得る。そのような実施形態において、放射のプロファイルは、スキャン方向での放射プロファイルの全体的な形状を記述し、y=vtで求められる1次元関数f(y)によって記述することができる。あるいは、無次元分布s(r,t)の値は、スキャン方向と非スキャン方向の両方におけるrの位置によって決まってよい。そのような実施形態において、非スキャン方向のそれぞれ異なる位置では、放射のプロファイルは、スキャン方向での放射プロファイルの全体的な形状を記述し、y=vtで求められる異なる1次元関数f(y)によって記述することができる。
スキャン方向での放射帯のプロファイルは、例えば「シルクハット(top hat)」形状、台形のような形状、又は上部を切ったガウス分布(又は「ガウス分布のような」形状等、任意の好都合な形状を有し得る。スキャン方向での放射帯の強度プロファイルは、基板W上の各ポイントに到達する放射パルスの大部分がそのポイントにより受光されるドーズ量にほぼ同量に寄与するように、略平坦な中心部を備えてもよい。さらに、スキャン方向での放射帯の強度プロファイルは、中心平坦部のどちらの側においても徐々にゼロに下がる。これにより、基板W上の各ポイントに送出される放射のドーズ量は、所与のポイントがプロファイルの前縁を通過するときの放射パルス列の位相、すなわち、プロファイルの前縁を通過する所与のポイントとそれを照射する第1のパルスとの間で経過する時間量に対して感受性が低くなる。図4は、スキャン方向yの関数としてスリットプロファイル200の一例を示す。スリットプロファイル200は、2つの側部212a,212bの間に中心部210を備える。中心部210では、強度は一定である。中心部210の両側の2つの側部212a,212bでは、強度はゼロに直線的に下がっている。従って、スリットプロファイル200の形状は、等脚台形である。他の形状が代替的に使用されてよいことは明らかであろう。例えば、プロファイルは、台形よりも丸まっていてもよい。
式(1)から、マスクMAが存在しない場合(すなわちm=1)、基板上のポイント(位置y)により受光されるドーズ量E(y)は、放射帯のプロファイル及び放射源のパワー密度のたたみ込みによって与えられることがわかる。
放射源SOは、パルス周波数fpでパルスを出力する放射ビームを生成することができる。例えば放射源SOは、パルス周波数fpを有するパルス状放射ビームを生成するレーザ(例えばエキシマレーザ)を含み得る。そのような構成では、基板W上の所与のポイントにより受光される放射ドーズ量は、各パルスが送出する放射ドーズ量の(その所与のポイントを照射する全てのパルスの)和である。所与のポイントのドーズ量に寄与するパルス数を決定するのは、そのポイントが放射帯をスイープして通過するために要する時間、パルス周波数fp、及び、所与のポイントがプロファイルの前縁を通過する際の放射パルス列の位相、すなわち、プロファイルの前縁を通過する所与のポイントとそれを照射する第1のパルスとの間で経過する時間量である。
パルス状放射源SOを利用する実施形態では、放射ビームのパワー密度は、放射源のパルス列によって決まる。例えば、放射ビームのパワー密度は、
によって与えられる。
ここで、P(t)は放射源のパワー密度の振幅であり、p(t)は無次元パルス波形である。P(t)は同等の連続放射源のパワー密度と見なすことができ、パルス波形はこれがパルス周波数fpでどのようにサンプリングされるかを記述する。パルス状放射は任意のパルス列を有し得る。パルスの形状、持続時間、及び周波数は、所望の通りに又は必要に応じて選択すればよい。パルス周波数は例えば、約0.17msのパルス時間期間と同等である約6KHzとすればよい(しかしながら、他のパルス周波数も使用可能である)。
パルスの持続時間は、パルス列の時間期間よりも著しく短い場合がある。そのような実施形態では、p(t)は、δ(t−t)の形のディラックのデルタ関数の和で近似できる。ここで、tはi次パルスが基板Wを照射する時間である。この近似を用いると、式(1)及び(3)から、基板W上のポイント(位置r)に送出される放射ドーズ量E(r)は、
により与えられる。
ここで、和は位置rに到達する全てのパルス、すなわち放射帯の前縁が位置rを通過する時点tと放射帯の後縁が位置rを通過する時点tの間で発生する全てのパルス、にわたるものであり、Pはi次パルスのパワー密度である。パルスの持続時間に対するパルス列の時間期間の比は、例えば1000のオーダーであり得る(又は他の何らかの値であり得る)。パルスの持続時間は、例えば約150nsとすればよい(しかしながら、他のパルス持続時間も使用可能である)。
式(4)から、基板上の各ポイントに送出されるドーズ量は、(a)放射源SOのパワー及び(b)イルミネータILにより生成されるスリットプロファイルの形状によって決まることが分かる。従って、基板W上に送出される放射ドーズ量は、放射源SOのパワー及びイルミネータILにより生成されるスリットプロファイルの形状の一方又は両方を制御することにより、制御することができる。いくつかの実施形態では、基板W上の各ポイントに送出される放射ドーズ量を制御するために、さらに以下で説明されるように、コントローラCN及び放射センサRSを備えるフィードバックループを用いて放射源SOの出力パワーが制御される。放射源SOの出力パワーは、スリットプロファイルが固定されたままの間に、このフィードバックループを用いてリアルタイムで制御することができる。そのような構成を用いて、基板W上の各ポイントに送出される実際の放射ドーズ量を決定するために(又は所望のドーズ量が確実に基板W上の各ポイントに送出するために)、コントローラCNは、スリットプロファイルに関するいくつかの情報を要求することができる。従って、基板Wがリソグラフィ装置で放射を受ける前に、スリットプロファイルに関する情報を測定するために構成方法が実行される。放射センサRS及び/又はコントローラCNは、所望の放射ドーズ量が確実に基板Wの各部分に送出されるように、この情報を用いることができる。このような構成方法及びそれに関連する装置の実施形態が以下でより十分に説明される。
これより、コントローラCNと、放射センサRSと、放射源SOとを備え、基板W上の各ポイントに送出される放射ドーズ量を制御するためのフィードバックループについて説明する。
放射の各パルスのパワーPは、放射センサRSにより測定することができる。放射センサRSは、放射センサRSに入射する放射のエネルギーを測定するのに適した任意のセンサであってよい。例えば放射センサRSはフォトダイオードであってよい。放射センサRSは、放射源SOにより生成される放射ビームの少なくとも一部が放射センサRSに入射するように位置決めされる。放射源SOにより生成される放射ビームの一部だけが放射センサRSに入射する実施形態では、放射センサRSにより受光されるドーズ量と基板Wにより受光されるドーズ量の間の関係は、後者が前者の測定から決定できるように既知でなければならない。
図1に放射センサRSの例示的な位置決めが示されている。イルミネータIL内に、部分透過ミラー110が位置決めされている。部分透過ミラー110は、放射ビームの第1の部分111を放射センサRSに反射する。放射ビームの残り112は部分透過ミラー110によって透過され、パターニングデバイスMAへ伝わる。部分透過ミラー110によって反射される放射ビームの部分(第1の部分111)は、例えば放射ビームの約数パーセント、又はそれ以下であり得る。この部分が既知である場合、部分透過ミラー110によって透過される放射ビーム112のエネルギーは、放射センサRSによる測定値を用いて計算することができる。この部分が既知でない場合、基板を第2の放射センサ(図示せず)と取り替え、双方の放射センサにより測定されるエネルギーを比較することで、第2の放射センサを用いた放射センサRSの較正を行えばよい。
他の実施形態では、部分透過ミラー110及び放射センサRSは、放射ビームの経路に沿った他の位置に配置してもよいことを理解されたい。例えば、部分透過ミラー110及び放射センサRSは、イルミネータILの前段(例えばビームデリバリシステム内)に位置決めしてもよい。
コントローラCNは、放射源SO(例えばレーザ)に制御信号を出力するよう構成される。この制御信号は、放射源SOの1つ以上の変数を制御するために用いることができる。
これより、レーザにより出力されるパルス状レーザビームの各パルスのエネルギー又はパワーを調整することができる機構について説明する。放射源SOにはエネルギーが供給される。例えば放射源がレーザである実施形態では、外部ソースによってレーザの利得媒質にエネルギーを供給することができる。このプロセスはポンピングとして知られ、外部ソースは、電力供給(電気ポンピング)、電磁放射(光ポンピング)、ガス流(ガスダイナミックポンピング)、又は他の何らかの適切なエネルギー源を含み得る。外部パワーソースを調整可能なものとすることで、利得媒質に供給される励起パワー量を変動させることができる。外部パワーソースは、利得媒質に供給されるパワーを変動させるように変化させ得る1つ以上の入力変数を備えてもよい。例えばエキシマレーザ等のガスレーザの場合、外部パワーソースは、高電圧が印加される1対の放電導体を含み得る。そのような実施形態では、導体に印加する電圧を変化させることによって、利得媒質に供給されるパワーを変動させ得る。水銀ランプ等のガス放電ランプの場合、外部パワーソースは、電圧が印加されて電気アークを確立及び維持する1対の主電極を含み得る。そのような実施形態では、主電極に印加する電圧を変化させることによって、利得媒質に供給されるパワーを変動させ得る。
一般的に、レーザビームのパワーは、外部パワーソースによって供給される励起パワーに依存する。外部電力供給の1つ以上の変数(例えば1対の放電導体に印加される高電圧)とビームのパワーとの関係が既知である場合、それに従って変数の値を選択することによって所望のパワーを達成できる。この関係は、較正方法の間に決定され得る1つ以上の自由パラメータを用いた多項式としてパラメータ化することができる。さらに、この関係は時間と共に変動することがあり、従って定期的に較正を実行することが必要であり得る。
例えばエキシマレーザの場合、レーザのパワーは、2つの導体に印加される高電圧Vに依存する。一般的に、この関係は非線形である。しかしながら、実際に用いられる電圧Vの範囲では、レーザのパワーPは電圧Vの多項式展開によって充分に近似され得る。電圧Vの充分に小さい範囲では、パワーPと電圧との関係は以下の線形関係によって近似することができる。
ここで、レーザの利得G及びオフセットOは、較正方法の間に決定できるパラメータである。より大きい電圧範囲では、電圧VとパワーPとの関係をパラメータ化するため、より調整可能なパラメータを用いた高次多項式が必要となり得る。
実際、(例えば放射センサにより測定されるような)放射源SOの出力パワーPは、ノイズ要素を含む。従って較正方法では、長期間のデータを用いて、外部電力供給の1つ以上の変数とパワーとの関係において用いられるパラメータを評価すればよい。パラメータの値は、リソグラフィ装置が動作する時間の経過と共にドリフトすることがあり、このためパラメータは較正方法を用いて定期的に決定することができる。
放射源SO、放射センサRS及びコントローラCNにより形成される上述のフィードバックループは、基板Wに送出されるドーズ量の制御を提供する。上述したように、基板上の各ポイントに送出されるドーズ量は、(a)放射源SOにより生成される放射パルスのパワー及び(b)イルミネータILにより生成されるスリットプロファイルの形状の両方によって決まる。所望のドーズ量が基板Wに送出されるよう放射源SOのパワーを制御するために、スリットプロファイルに関するいくつかの情報が用いられ得る。例えば、スキャン方向のスリットプロファイルの積分又は、同等に、スキャン方向のスリットプロファイルの平均値を用いることが望ましい。基板Wの露光の間に、フィードバックループを用いて、確実にドーズ量が実質的に一致値のままとなるように放射源SOを調整することができる。確実に実質的に一定のレベルが所望の値、又は所望の値の範囲内となるように、スリットプロファイルに関する情報(例えば、スキャン方向のスリットプロファイルの積分又は、同等に、スキャン方向のスリットプロファイルの平均値)を用いることができる。
リソグラフィ装置において基板Wが放射に露光される前に、これから説明するように、スリットプロファイルに関連する情報を測定するために較正方法が実行される。較正方法は、各基板Wの露光直前に一度実行されてよい。あるいは、較正方法は、N枚のウェハごとに一度実行されてもよい。すなわち、較正が行われ、その後に、複数の基板が露光された後に、較正が繰り返されてよい。
分離フレームMFは、較正方法のための基準フレームであると考えられる。
較正方法の間に、較正センサCSが基板テーブルWT上に配置される。較正センサCSは、較正センサCSに入射する放射のエネルギーを測定するのに適した任意のセンサであってよい。例えば、較正センサCSは、フォトダイオードであってよい。図1では、基板Wが基板テーブルWT上に示されており、較正センサCSが基板テーブルWTに隣接した格納位置に模式的に図示されている。格納位置(基板Wの露光の間に較正センサCSが配置される)と基板上の動作位置との間で較正センサCSを移動するための機構が設けられることを理解されたい。
較正方法において、支持構造MT上にはパターニングデバイスMAは配置されない。それ故、イルミネータILから出射する放射ビームPBは、不変の投影システムPLを通過する。投影システムPLは、基板テーブルWT又はその近傍において、ビームを基板面内の露光領域に焦点合わせする。基板面は、フレームMFに対して静止していてよい。
スキャン軌跡に沿って基板面内で放射ビームを通って較正センサCSを移動するために、第2の位置決めデバイスPW及び位置センサIFを用いて、フレームMFに対して高精度で基板テーブルWTを移動する。第2の位置決めデバイスPWは、従って、フレームMFに対して較正センサCSを移動することのできるスキャン機構であると考えられる。スキャン軌跡は、リソグラフィ装置のスキャン方向Yと揃えられた直線状の軌跡であってよい。較正センサCSは、実質的に一定のスキャン速度でスキャン軌跡に沿って移動することができる。較正方法の間に、較正センサCSは、フレームMFに対して任意のスキャン速度vWTで移動することができる。このスキャン速度vWTは、例えば、基板Wの露光に用いられるスキャン速度と異なってよい。例えば、基板Wの露光のために用いられるスキャン速度よりも低いスキャン速度が較正方法のために用いられてよい。一実施形態では、スキャン速度は、較正センサCSがほぼ240程度の放射パルスを受けるようにされてよい。
較正センサCSは、少なくとも1つのセンサ素子を備える。一実施形態では、較正センサは、単一のセンサ素子を備える。単一のセンサ素子は、非スキャン方向(すなわち図1のX方向)の任意の好都合な位置に配置されてよい。例えば、単一のセンサ素子は、スリットの長さに沿った中間点又はその近傍に対する非スキャン位置に配置されてよい。あるいは、別の実施形態では、較正センサは、センサ素子のアレイを備えてもよい。例えば、較正センサは、センサ素子のそれぞれが非スキャン方向の異なる位置に配置されるように非スキャン方向に沿って延びるセンサ素子の一次元アレイであってよい。
較正センサCSは、不透明基板を備え、単一のセンサ素子は、前記不透明基板にアパーチャを備える。単一のセンサ素子はさらに、アパーチャの後ろに配置されたセンサを備える。不透明基板のアパーチャは、100μmのオーダーの直径を有する。
センサ素子が露光領域を通過すると、センサ素子は放射に露光される。いったんセンサ素子が全露光領域を移動すると、センサ素子は式(4)で与えられる放射ドーズ量を受光したことになる。すなわち、センサ素子は、複数の個別の放射ドーズ量を受光し、個別の放射ドーズ量のそれぞれは、センサ素子を照射する異なる1つの放射パルスに対応している。各センサ素子は、センサ素子が露光領域を横切る期間に、投影システムPLの焦点面内に位置する基板テーブルWT上の領域が各放射パルスから受光する個別の放射ドーズ量を測定することができる。IDは、投影システムPLの焦点面内に位置する基板テーブルWT上の領域がi次放射パルスから受光する個別の放射ドーズ量である。各センサ素子は、各放射パルスから受光した個別の放射線量IDを示す信号をコントローラCNに出力することができる。
本発明の実施形態は、以下に述べるように、フレームMFに対するイルミネータILの速度vILを示す量を決定することのできる機構を備える。
本発明の実施形態は、(a)較正センサCSの出力、(b)センサのスキャン軌跡(例えばスキャン速度vWT)、及び(c)フレームMFに対する照明システムの速度vILを示す量に基づいて、基板面内の放射ビームの空間強度分布(すなわちスリットプロファイル)に関する情報を決定することを含む。各放射パルスが較正センサCSを照射するとき、較正センサCSが受光する個別の放射ドーズ量IDは、パルスが較正センサCSを照射するときの放射帯に対する較正センサの位置に依存する。従って、較正センサCSは、スキャン方向の異なる位置においてスリットプロファイルのサンプル(又は少なくともそれに関連する情報)と見なすことができる。フレームMFに対する照明システムの移動は、較正センサCSによるスリットプロファイルのサンプリングに影響を及ぼし得る。特に、サンプリングされるスリットプロファイル内の点の(スキャン方向の)位置に影響を及ぼし得る。基板面内の放射ビームの空間強度分布に関する情報の決定においてフレームMFに対する照明システムの速度vILを示す量を用いることにより、このようなフレームMFに対する照明システムILの移動を考慮に入れることができる。図1に示す例示的な実施形態では、較正方法は、コントローラCNによって実行される。すなわち、基板面内の放射ビームの空間強度分布(すなわちスリットプロファイル)に関する情報を決定することのできるコントローラCNである。
i次放射パルスに対応する個別のドーズ量IDは、そのパルスのパワーPと、そのパルスがセンサ素子に照射されたときにセンサ素子が位置するスキャン方向のポイントyにおけるスリットプロファイルの強度f(y)の積である。本方法はさらに、照明システムILにより生成されて較正センサCSにより受光された各放射パルスのパワーを決定することを含むことができる。面内における放射ビームの空間強度分布に関連する情報もまた、照明システムにより提供される放射パルスのパワーに基づいて決定することができる。
いくつかの実施形態では、基板面内の放射ビームの空間強度分布(すなわちスリットプロファイル)に関連する情報は、(i)スリット内の複数の強度、及び(ii)複数の強度のそれぞれに対応するスリットにおける位置を示す量を含むことができる。実用的には、そのような実施形態は、複数回スリットプロファイルをサンプリングすることと、同時にどのようにスリットプロファイルがサンプリングされたかを決定することを含む。以下で十分に説明されるように、そのような情報から、スキャン方向にわたるスリットプロファイルの積分又は、同等に、スキャン方向にわたるスリットプロファイルの平均速度を決定することができる。
較正センサCSの出力に基づいて複数の強度を決定することができる。例えば、複数の強度のそれぞれは、各センサ素子で受光される個別の放射ドーズ量IDの一つに比例してよい。複数の強度は、放射センサRSの出力に基づいて決定されてもよい。例えば、i次強度は、i次放射パルスのパワーP(放射線差により決定される)に対する、i次放射パルスに対応する個別の放射ドーズ量ID(較正センサCSにより決定される)の比に比例してよい。
複数の強度のそれぞれに対応するスリット中の位置を示す量は、センサのスキャン軌跡(例えばスキャン速度vWT)、及びフレームMFに対する照明システムの速度vILを示す量に基づいて決定することができる。
一次近似では、放射帯に対して較正センサCSが移動する速度vは、スキャン速度vWTにより与えられる。スキャン方向におけるフレームMFに対するイルミネータILの移動は、フレームMFの基板面内の放射帯の移動をもたらす。従って、そのようなイルミネータの移動は、較正センサが放射帯に対して移動する速度vに影響を及ぼす。結果として、基板テーブルWT上の較正センサによるスリットプロファイル(放射帯)のサンプルは、スキャン方向で等間隔ではない。イルミネータILの振動は、較正センサCSによるスリットプロファイルのサンプリングの規則性を変化させる。これは、図5Aおよび図5Bに示されている。
図5Aおよび図5Bは両方とも、スキャン方向の関数として例示的なスリットプロファイル200を示す。スリットプロファイル200は、図4を参照して詳述した。スリットプロファイル200には、複数のドット302が重ねられており、ドットのそれぞれは、放射パルスの一つが較正センサCSに照射されたときの(スリットに対する)較正センサCSのスキャン方向の位置yを表す。図5Aは、較正センサCSがフレームMFに対してスキャン方向にスキャン速度vWTで移動し、イルミネータはフレームMFに対して静止しており(すなわちvIL=0)、放射源SOのパルス周波数は一定であるシナリオを説明するものである。このような条件下で、ドット302のy方向の間隔は一定である。連続するドット302の各ペアの間隔Δyは、パルス周波数fに対するスキャン速度vWTの比、すなわちΔy=vWT/fにより与えられる。
図5Bは、較正センサCSがフレームMFに対してスキャン方向にスキャン速度vWTで移動し、放射源SOのパルス周波数は一定であるが、フレームMFに対するイルミネータILの位置が振動するシナリオを説明するものである。このような条件下で、ドット302のy方向の間隔は一定ではないが、イルミネータILの振動により緩和されている。連続するドット302の各ペアの間隔Δyは、放射帯に対する較正センサCSの速度vとパルス周波数fとの比、すなわちΔy=v/f=|vWT+vIL|/fにより与えられる。
(i)スリット内の複数の強度、及び(ii)複数の強度のそれぞれに対応するスリットにおける位置を示す量の両方を決定することにより、本発明の実施形態は両方とも、スリットプロファイルをサンプリングし、同時にスリットプロファイルがどのようにしてサンプリングされるかを決定する。このようにして、スキャン方向でのスリットの等距離でないサンプリングにもかかわらず、スリットプロファイルに関連する情報を決定することができる。
どのようにしてスリットプロファイルがスキャン方向yでサンプリングされるかは、放射源SOのパルス周波数fに加えて、センサのスキャン軌跡(例えばスキャン速度vWT)及びフレームMFに対する照明システムの速度vILを示す量に基づく。2つの連続する放射パルスによる照射の間に較正センサCSが移動するスキャン方向の距離は、スキャン方向の放射帯に対する較正センサCSの速度vの大きさと放射源SOのパルス周波数fとの比により与えられる。
較正方法の間に、放射帯に対して較正センサが移動する速度vは、スキャン速度vWTと、分離フレームMFに対する基板テーブルWTの面内でのスキャン方向の放射ビームPBの瞬間速度v’ILとの(ベクトル)和により与えられる。分離フレームMFに対する基板テーブルWTの面内でのスキャン方向の放射ビームPBの瞬間速度v’ILは、イルミネータの速度vIL及び縮小率及び投影システムPLの像反転特性によって決まる。基板Wの面内に形成されるパターニングデバイスの像がスキャン方向で反転される特性の投影システムPLの場合、速度v’ILは、速度vILと符号が逆である(すなわち、基板テーブルWTの面内において、放射帯がイルミネータILに対して反対方向に移動する)。さらに、投影システムPLが放射ビームPBに縮小率αを与える場合、速度v’ILは、の大きさは、速度vILをαで除算した大きさとなる。従って、像を反転し且つ縮小率αを与える投影システムにおいては、速度v’ILは、−vIL/αで与えられる。
いくつかの実施形態では、基板面内の放射ビームの空間強度分布(すなわちスリットプロファイル)に関する情報は、スキャン方向にわたるスリットプロファイルの積分又は、同等に、スキャン方向にわたるスリットプロファイルの平均速度であってよい。そのような積分又は平均は、例えば複数の強度の加重和を計算することにより決定されてよい。重みは、較正センサCSのスキャン速度と、分離フレームMFに対する基板テーブルWTの面内でのスキャン方向の放射ビームPBの瞬間速度v’ILとの(ベクトル)和に比例してよい。さらに、重みは、放射源のパルス周波数fに反比例してもよい。そのような重みは、2つの連続する放射パルスによる照射の間に較正センサCSが移動したスキャン方向の距離に比例する。従って、このような実施形態は、矩形法の積分に基づくスキャン方向にわたるスリットの積分の数値予測を提供する。
上述したように、いくつかの実施形態では、i次強度は、i次放射パルスに対応する個別の放射ドーズ量IDとi次放射パルスのパワーPとの比に比例してよい。i次放射パルスのパワーPは、イルミネータILに配置された放射センサRSにより測定される。i次放射パルスに対応する個別のドーズ量ID(較正センサCSにより決定される)と、i次放射パルスのパワーP(放射センサRSにより決定される)との比を取得することにより、スリットプロファイルの強度f(y)を決定できるように、放射源SOの出力への依存を効果的に分解して切り離すことができる。特に、パルスがセンサ素子を照射するときにセンサ素子が位置するスキャン方向のポイントで、スリットプロファイルの強度f(y)を決定することができる。このようにして、較正方法の間に、スリットプロファイルの強度f(y)をスリットにわたって複数回サンプリングすることができる。較正センサCSが受光する放射パルスにわたる放射源SOの出力パワーの変動は、効果的に取り除かれる。
本発明の一つの特定の実施形態では、較正方法は、以下の式で与えられるスリット集積エネルギー(factorized slit integrated energy)Uの決定を含む。
で与えられる分解された 本文において、「分解された(factorized)」とは、パルスパワーの変動が取り除かれた、又は、(上述したように)各パルスPのパワーにより分割することにより「分解されて(factorized)」切り離されることを指す。分解されたスリット集積エネルギーUは、スキャン方向にわたるスリットプロファイルの積分の推定値である。スリット集積エネルギーUは、放射センサRS及び(基板テーブルWT上の)較正センサCSからの測定結果から決定されるので、それは、イルミネータIL内の放射センサRSと基板テーブルWTとの間の光学系を表す。さらに、スリット集積エネルギーUは、イルミネータIL及びフレームMFの相対運動を考慮に入れる。
分解されたスリット集積エネルギーUがイルミネータILの運動を考慮しない場合、一般的にスキャン方向のスリットプロファイルの積分の評価の精度が低くなる。このようなシナリオは、式(6)においてv’IL=0と設定することに起因する。この場合、分解されたスリット集積エネルギーUは、一般的に、較正センサがスリットの前縁を通過して露光領域に入るときのイルミネータILの振動の位相によって決まる。いくつかの位相に関して、分解されたスリット集積エネルギーUは、式(6)においてv’IL=0と設定することにより、影響を受けなくすることができる。しかしながら、他の位相に関しては、分解されたスリット集積エネルギーUとスキャン方向のスリットプロファイルの実際の積分との間の差が大きくなる可能性がある。したがって、これは、基板に付与されるパターニングデバイスの像に影響を及ぼす。
上述したように、式(6)を用いて分解されたスリット集積エネルギーUを決定することは、較正方法の単なる一実施形態である。一般的に、較正方法は、スキャン方向の複数の異なるポイントでスリット強度をサンプリングし、スキャン方向の複数の異なるポイントのそれぞれの位置を決定する。式(6)は、スリットプロファイルの積分をこの情報から推定することのできる一つの方法である。しかしながら、この情報からスリットプロファイルの積分を推定するために別の方法を用いることができることは当業者に明らかである。例えば、連続するサンプルの各ペアの間の距離Δy(Δy=|vWt+vIL|/f)をスリットの片側から所与のサンプルまで合計することにより、サンプルの絶対位置を決定してもよい。あるいは、スリットプロファイルのパラメータ化(理論上であってもよいし測定されてもよい)をサンプリングされたポイントに適合させ、スリットプロファイルのパラメータ化からスリットプロファイルの積分を決定してもよい。
上述した較正方法は、フレームMFに対するイルミネータILの移動を考慮している。このようなイルミネータILの移動は、例えば、スキャンモードでのリソグラフィ装置の運転中に生じる可能性がある。これは、スキャンモードでは、支持構造MT及び基板テーブルWTは迅速な加速及び減速を行うことができ、結果として、これらが分離フレームMFを介して支持されているベースフレームBFに対して大きな力を加え得るからである。これらの誘発された力は、逆移動平衡質量(counter-moving balance masses)によって部分的に補償されるが、この補償は完璧でないので、ある程度の残留力がベースフレームBFに加えられる。ベースフレームBFにかかる残留力は、ベースフレームBFの振動を誘発する。イルミネータILはベースフレームBFに直接には搭載されない可能性があるとはいえ、接続はされており、ベースフレームBFとイルミネータILとの間には何らかの物理的結合がある。従ってベースフレームBFの振動は、ある程度、イルミネータIL(及びベースフレームBF上に直接又は間接的に結合された他の部品)に伝達される。この結果イルミネータILは、概ね全ての方向に、特にスキャン方向に振動する。そのようなスキャン方向のイルミネータILの振動により、パターニングデバイスMA及び基板Wの面に、振動する放射帯が生じる。
典型的な運動は、(ベースフレームBFを支持する)支持フロアの剛性テンソル (stiffness tensor)と、支持構造MT及び基板テーブルWT(又はデュアルステージのリソグラフィ装置においては両方の基板テーブルWT)により実行される運動によって決まる。特に、イルミネータILの振動の振幅は、支持構造MT及び基板テーブルWTにより実行される運動、並びにイルミネータILとベースフレームBFとの間の結合によって決まる。
これより、フレームMFに対するイルミネータILの速度を示す量を決定するように動作可能な機構の例示的な実施形態を説明する。図1に示す実施形態では、イルミネータILに加速度計ACが搭載されている。加速度計ACは、フィンガーF及びマスキングブレードBにより形成されるイルミネータILのスリットアパーチャSAの近くに搭載すればよい。加速度計ACは、スキャン方向でのフレームMFに対するイルミネータILの加速度を測定するように動作可能である。測定された加速度を、分解能時間(resolution time)で積分して、前記分解能時間中のスキャン方向での(スリットアパーチャSAの近くの)イルミネータILの瞬間平均速度を計算する。
図1において、加速度計ACは、地球の基準フレームに対してイルミネータILの加速度を測定するように動作可能である。いくつかの実施形態では、フレームMFに第2の加速度(図示せず)を搭載し、これが地球の基準フレームに対してフレームMFの加速度を測定するように動作してもよい。イルミネータILに搭載された加速度計AC及び分離フレームMFに搭載された加速度計を組み合わせて用いて、(スキャン方向の)フレームMFに対するイルミネータILの加速度を決定することができる。しかしながら上述のように、精密リソグラフィを実行するため、フレームMFは、音響減衰マウントDMによって周囲から極めて充分に機械的に分離されている可能性があり、従って地球の基準のフレームに対して静止していると仮定できる。従って、フレームMFに対するイルミネータILの加速度を決定するため、単一の加速度計ACを用いればよい。
一実施形態において、加速度計ACは、各々がイルミネータILのスリットアパーチャSAの近くに搭載されている3つの別々の加速度計を含む。これにより、スキャン方向(図1の紙面内に向かう方向)におけるイルミネータILの加速度(及び速度)を、スキャン方向におけるイルミネータILの線形運動に相当する成分と、Z軸(図1を参照のこと)を中心としたイルミネータILの回転に相当する成分と、X軸(図1を参照のこと)を中心としたイルミネータILの回転に相当する成分と、の3つに分解することができる。X軸及びZ軸を中心としたイルミネータILの回転に相当する成分は、基板Wをスイープする放射帯の速度に寄与せず(しかし、露光領域のサイズには影響を与える)、従って捨てられてよい。従って、スキャン方向におけるイルミネータILの線形運動に相当する成分のみを用いて、どのように放射ビームPBのパワーを変調するべきかが決定され得る。
加速度計ACは、フレームMFに対するスキャン方向のイルミネータILの加速度を決定するように、さらにそれを示す信号をコントローラCN(図1に示す)に出力するよう動作可能である。コントローラCNはマイクロプロセッサを含み得る。コントローラCNは、測定された加速度を分解能時間で積分して、前記分解能時間中のスキャン方向でのイルミネータの平均速度vILを計算するように構成することができる。
あるいは、加速度計ACが、測定された加速度を分解能時間で積分して、前記分解能時間中のスキャン方向でのイルミネータの平均速度vILを計算するように構成されてもよい。加速度計ACはさらに、前記分解能時間中のスキャン方向でのイルミネータの平均速度vILを示す信号をコントローラCNに出力するように動作可能であってもよい。
放射ビームPBの瞬間速度v'IL(又は同様の意味でスリットアパーチャSAの近くのイルミネータILの速度vIL)が決定されるレートは、フレームMFに対するイルミネータILの振動の典型的な周波数よりも高くなければならない。イルミネータILとフレームMFとの間の結合の性質のため、イルミネータILに誘発される振動の周波数は比較的低いことがある。例えば、80Hz未満の周波数のみ、いくつかの実施形態では30Hz未満の周波数のみが励起され得る。加速度計ACのサンプルレートは、例えば100〜200Hzのオーダーとすることができる。放射源SOがパルス状放射ビームを生成する実施形態では、イルミネータの瞬間速度vILが決定されるレートは、数キロヘルツのオーダーであり得る放射源SOの繰り返し率ほど高い必要はない。加速度計ACによるイルミネータの速度vILの決定と決定との間に生成された放射パルスについては、内挿又は外挿を用いてイルミネータの速度vILを推定すればよい。
上記開示では、基板W上の各ポイントに送出される放射ドーズ量を制御するために
コントローラCN、放射センサRS及び放射源SOを備えるフィードバックループを用いている。いくつかの実施形態では、このフィードバックループの一部として、コントローラCNは、基板Wの露光の間にリアルタイムでフレームMFに対する照明システムILの移動を考慮するよう動作可能であってもよい。これを実現するために、コントローラCNは、上述したように、フレームMFに対する照明システムの速度vILを示す量を用いることができる。
上述の実施形態は、イルミネータILに搭載された加速度計ACを用いてスキャン方向でのスリットSLの瞬間速度を決定するが、フレームに対するイルミネータの速度を示す量を決定するように動作可能な他の機構も用い得る。例えば、1つのそのような機構は、フレームMFに対する放射帯の移動を直接測定するように動作可能な、フレームMFに搭載されたカメラを含み得る。
放射ビームのパワーは、放射ビームがエネルギーを供給する割合(rate)である。パワーは、単位時間当たりのエネルギー単位を有する(例えばW)。表面に入射する放射ビームの放射照度は、その表面に入射する放射ビームの単位面積当たりのパワーである。放射照度は、単位面積当たりの単位時間当たりのエネルギー単位を有する(例えばWm−2)。上記の開示において、「パワー」及び「放射照度」という用語は交換可能に用いることができ、その意味は使用の文脈から明らかとなる。
上記の開示では、基板Wにより受光される単位面積当たりのエネルギー量を、「放射のドーズ量」、「エネルギーのドーズ量」、「エネルギードーズ量」、又は「ドーズ量」として交換可能に称することがある。
放射源SOはレーザを含むものとして説明したが、放射源SOは任意の形態の放射源SOとすればよい。例えば放射源SOは、EUV放射源(例えば放電生成プラズマ源、レーザ生成プラズマ源、もしくは自由電子レーザ)、又はランプ型光源(例えば水銀放電ランプ)とすればよい。
本発明の一実施形態について、透過型光学部品を使用するDUVリソグラフィ装置の文脈で上述したが、本発明は、反射型光学部品を用いたEUVリソグラフィ装置に適用することも可能である。
以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。上記の説明は本発明を限定することを意図していない。

Claims (15)

  1. 放射ビームの空間強度分布に関する情報を決定する方法であって、
    較正センサを提供することと、
    照明システムを用いてパルス放射ビームを提供することと、
    パルス放射ビームを基準フレームの面の領域に投影することと、
    スキャン機構を用いて、前記較正センサがスキャン軌跡に沿って前記面内で放射ビームを通過するように、前記基準フレームに対して前記較正センサを移動することと、
    前記基準フレームに対する前記照明システムの速度を示す量を決定することと、
    (a)前記較正センサの出力、(b)前記較正センサのスキャン軌跡、及び(c)前記基準フレームに対する前記照明システムの速度を示す量に基づいて、前記面内の放射ビームの空間強度分布に関する情報を決定することと、
    を備えることを特徴とする方法。
  2. 前記基準フレームに対する前記照明システムの速度を示す量は、スキャン方向での前記照明システムの加速度であり、当該方法は、加速度を分解能時間で積分して、前記分解能時間中のスキャン方向での前記照明システムの平均速度を計算するステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記照明システムにより提供される各放射パルスのパワーを決定することをさらに備え、
    前記面内の放射ビームの空間強度分布に関する情報はまた、前記照明システムにより提供される放射パルスのパワーに基づいて決定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記面内の放射ビームの空間強度分布に関する情報は、(i)複数の決定された強度、及び(ii)複数の強度のそれぞれに対応する放射ビーム中の位置を示す量を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 複数の強度のそれぞれは、前記較正センサのセンサ素子が受光する個別の放射ドーズ量に比例することを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 複数の強度のそれぞれは、パルス放射ビームのパルスから前記較正センサのセンサ素子が受光する個別の放射ドーズ量と、その放射パルスのパワーとの比に比例することを特徴とする請求項4又は5に記載の方法。
  7. 複数の強度のそれぞれに対応する放射ビーム中の位置を示す量は、前記較正センサのスキャン軌跡、及び前記基準フレームに対する前記照明システムの速度を示す量に基づいて決定されることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の方法。
  8. 複数の強度のそれぞれに対応する放射ビーム中の位置を示す量は、その対応する強度と隣接する強度のスキャン方向における間隔を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. スキャン方向における間隔は、前記較正センサのスキャン速度と前記基準フレームに対するスキャン方向の放射ビームの瞬間速度のベクトル和の大きさと、放射源のパルス周波数との比により与えられることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 複数の強度のそれぞれに対応する放射ビーム中の位置を示す量は、各強度と隣接する強度との間のスキャン方向における間隔の、放射ビームの片側から対応する強度までの和を含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の方法を備えることを特徴とするリソグラフィ装置を較正する方法。
  12. 基板を提供することと、
    放射システムを用いて放射ビームを提供することと、
    パターニングデバイスを用いて放射ビームの断面にパターンを付与することと、
    パターン形成放射ビームを前記基板のターゲット部分上に投影することと、
    スキャン機構を用いて、パターン形成放射ビームが前記基板の表面上を移動するように、フレームに対して前記基板を移動することと、
    を備え、
    放射ビームのパワーは、請求項1から10のいずれかに記載の方法を用いて決定された、前記基板の面内の放射ビームの空間強度分布に関する情報に基づいて制御されることを特徴とするリソグラフィ方法。
  13. パルス放射ビームを調整するよう構成される照明システムと、
    基準フレームと、
    前記基準フレームに移動可能に搭載される基板テーブルであって、基板のターゲット部分が放射ビームを受光するよう配置されるように基板を保持する基板テーブルと、
    放射ビームを前記基板上に投影するよう構成される投影システムと、
    前記フレームに対して前記基板テーブルを移動するよう動作可能なスキャン機構と、
    前記フレームに対する前記照明システムの速度を示す量を決定するよう動作可能な機構と、
    構成方法の間に前記基板テーブル上に位置決めできる較正センサと、
    コントローラと、
    を備え、
    較正方法の間に、前記スキャン機構は、前記較正センサがスキャン軌跡に沿って面内で放射ビームを通過するように、前記基準フレームに対して前記基板テーブルを移動し、
    前記コントローラは、(a)前記較正センサの出力、(b)前記較正センサのスキャン軌跡、及び(c)前記基準フレームに対する前記照明システムの速度を示す量に基づいて、前記面内の放射ビームの空間強度分布に関する情報を決定するよう動作可能である、
    ことを特徴とするリソグラフィ装置。
  14. 前記コントローラは、請求項1から10のいずれかに記載の方法を実施するよう動作可能であることを特徴とする請求項13に記載のリソグラフィ装置。
  15. 請求項1から10のいずれかに記載の方法を実施するよう動作可能なコンピュータプログラム。
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