JP6555610B2 - アンテナ装置及びそれを備えたドップラセンサ - Google Patents

アンテナ装置及びそれを備えたドップラセンサ Download PDF

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Description

本発明は、アンテナ装置及びそれを備えたドップラセンサに関し、より詳細には、指向性を調整することが可能なアンテナ装置及びそれを備えたドップラセンサに関する。
従来、この種のアンテナ装置としては、接地板と、平板状の放射素子と、平板状の導波素子と、を備え、放射素子の表面と導波素子の表面とを平行に維持しつつ、放射素子の中心と導波素子の中心とを結んだ直線と、接地板への垂線との交角を、調整可能な交角調整手段を有する平板パッチアンテナが知られている(特許文献1)。
また、ドップラセンサとしては、発振器と、送信アンテナと、受信アンテナと、ミキサと、信号処理回路と、を備えた構成が知られている(特許文献2)。
特公平7−93532号公報 特開2010−223623号公報
アンテナ装置の分野では、指向性の調整の自由度が高いアンテナ装置の開発が望まれている。
本発明の目的は、指向性の調整の自由度を高めることが可能なアンテナ装置及びそれを備えたドップラセンサを提供することにある。
本発明のアンテナ装置は、アンテナユニットと、前記アンテナユニットから放射させる電磁波の指向性を調整する指向性調整部と、を備える。前記アンテナユニットは、給電アンテナ素子と、無給電アンテナ素子と、を備える。前記給電アンテナ素子は、第1誘電体基板と、前記第1誘電体基板の表面に形成された第1導体層と、前記第1誘電体基板の裏面に形成されたグラウンド層と、給電点と、を備え、電気信号を電磁波として空間に放射するように構成されている。前記無給電アンテナ素子は、第2誘電体基板と、前記第2誘電体基板の表面に形成された第2導体層と、を備え、前記第2導体層が、前記給電アンテナ素子から放射される電磁波の波長で共振するように構成されている。前記指向性調整部は、前記給電アンテナ素子と前記無給電アンテナ素子との間を所定距離に保ち、かつ、前記給電アンテナ素子の厚さ方向に沿った第1中心線と前記無給電アンテナ素子の厚さ方向に沿った第2中心線との交点の位置を保ちながら、前記第1中心線と前記第2中心線とのなす角度を変化できるように構成されている。
本発明のドップラセンサは、電磁波を送信する送信アンテナと、前記送信アンテナから送信され物体で反射された電磁波を捕そくする受信アンテナと、前記送信アンテナから送信した電磁波の周波数と前記受信アンテナで受信した電磁波の周波数との差分に相当する周波数の出力信号を出力するミキサと、前記ミキサの出力信号に基づいて物体を検出する信号処理装置と、を備え、前記送信アンテナは、上述のアンテナ装置により構成されている。
本発明のアンテナ装置においては、指向性の調整の自由度を高めることが可能となる。
本発明のドップラセンサにおいては、送信アンテナの指向性の調整の自由度を高めることが可能となる。
図1Aは、実施形態のアンテナ装置の正面側から見た要部概略斜視図である。図1Bは、実施形態のアンテナ装置の背面側から見た要部概略斜視図である。 図2は、実施形態のアンテナ装置の要部概略側面図である。 図3は、実施形態のアンテナ装置における可動体及び給電アンテナ素子の概略側面図である。 図4Aは、実施形態のアンテナ装置における可動体及び無給電アンテナ素子の背面側から見た概略斜視図である。図4Bは、図4Aの要部拡大図である。 図5Aは、実施形態における給電アンテナ素子の概略正面図である。図5Bは、実施形態における給電アンテナ素子の概略側面図である。 図6Aは、実施形態における無給電アンテナ素子の概略正面図である。図6Bは、実施形態における無給電アンテナ素子の概略側面図である。 図7Aは、給電アンテナ素子の概略断面図である。図7Bは、給電アンテナ素子の概略正面図である。図7Cは、給電アンテナ素子の指向特性図である。 図8Aは、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子との相対的な位置関係の第1例を示す概略断面図である。図8Bは、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子との相対的な位置関係の第1例を示す概略正面図である。図8Cは、第1例でのアンテナユニットの指向特性図である。 図9Aは、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子との相対的な位置関係の第2例を示す概略断面図である。図9Bは、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子との相対的な位置関係の第2例を示す概略正面図である。図9Cは、第2例でのアンテナユニットの指向特性図である。 図10Aは、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子との相対的な位置関係の第3例を示す概略断面図である。図10Bは、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子との相対的な位置関係の第3例を示す概略正面図である。図10Cは、第3例でのアンテナユニットの指向特性図である。 図11Aは、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子との相対的な位置関係の第4例を示す概略断面図である。図11Bは、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子との相対的な位置関係の第4例を示す概略正面図である。図11Cは、第4例でのアンテナユニットの指向特性図である。 図12Aは、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子との相対的な位置関係の第5例を示す概略断面図である。図12Bは、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子との相対的な位置関係の第5例を示す概略正面図である。図12Cは、第5例でのアンテナユニットの指向特性図である。 図13Aは、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子との相対的な位置関係の第6例を示す概略断面図である。図13Bは、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子との相対的な位置関係の第6例を示す概略正面図である。図13Cは、第6例でのアンテナユニットの指向特性図である。 図14Aは、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子との相対的な位置関係の第7例を示す概略断面図である。図14Bは、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子との相対的な位置関係の第7例を示す概略正面図である。図14Cは、第7例でのアンテナユニットの指向特性図である。 図15Aは、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子との相対的な位置関係の第8例を示す概略断面図である。図15Bは、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子との相対的な位置関係の第8例を示す概略正面図である。図15Cは、第8例でのアンテナユニットの指向特性図である。 図16Aは、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子との相対的な位置関係の第9例を示す概略断面図である。図16Bは、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子との相対的な位置関係の第9例を示す概略正面図である。図16Cは、第9例でのアンテナユニットの指向特性図である。 図17Aは、実施形態における第2導体層の第1変形例の概略正面図である。図17Bは、実施形態における第2導体層の第2変形例の概略正面図である。図17Cは、実施形態における第2導体層の第3変形例の概略正面図である。図17Dは、実施形態における第2導体層の第4変形例の概略正面図である。図17Eは、実施形態における第2導体層の第5変形例の概略正面図である。図17Fは、実施形態における第2導体層の第6変形例の概略正面図である。 図18Aは、第2導体層の長手方向と第2導体層へ入射する電磁波の偏波方向とが同じである場合の動作説明図である。図18Bは、第2導体層の短手方向と第2導体層へ入射する電磁波の偏波方向とが同じである場合の動作説明図である。図18Cは、第2導体層に入射する電磁波の偏波方向に応じて第2導体層に流れる電流の向きの説明図である。図18Dは、第2導体層へ入射する電磁波の偏波方向に応じて第2導体層に流れる電流の向きの説明図である。 図19は、実施形態におけるドップラセンサの回路ブロック図である。
下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
以下では、本実施形態のアンテナ装置1について図1〜18に基づいて説明する。
アンテナ装置1は、アンテナユニット2と、アンテナユニット2から放射させる電磁波の指向性を調整する指向性調整部5と、を備える。アンテナユニット2は、給電アンテナ素子3と、無給電アンテナ素子4と、を備える。給電アンテナ素子3は、図5A及5Bに示すように、第1誘電体基板31と、第1誘電体基板31の表面311に形成された第1導体層32と、第1誘電体基板31の裏面312に形成されたグラウンド層33と、給電点34と、を備える。給電アンテナ素子3は、電気信号を電磁波として空間に放射するように構成されている。無給電アンテナ素子4は、図6A及び6Bに示すように、第2誘電体基板41と、第2誘電体基板41の表面411に形成された第2導体層42と、を備える。第2導体層42は、給電アンテナ素子3から放射される電磁波の波長で共振するように構成されている。指向性調整部5は、給電アンテナ素子3の厚さ方向に沿った第1中心線30(図8A参照)と無給電アンテナ素子4の厚さ方向に第2中心線40(図8A参照)とのなす角度θ(図8A参照)を変化できるように構成されている。指向性調整部5は、給電アンテナ素子3と無給電アンテナ素子4との間を所定距離L1(図3参照)に保ち、かつ、第1中心線30と第2中心線40との交点の位置を保ちながら、第1中心線30と第2中心線40とのなす角度θを変化できるように構成されている。以上の構成のアンテナ装置1では、指向性の調整の自由度を高めることが可能となる。「アンテナユニット2から放射される電磁波の指向性」とは、アンテナユニット2から放射される電磁波の放射方向と放射強度との関係を意味する。なお、図7A、7B、8A、8B、9A、9B、10A、10B、11A、11B、12A、12B、13A、13B、14A、14B、15A、15B、16A及び16Bそれぞれの右下には、直交座標系を示してある。直交座標系は、第1導体層32の表面の中心点を原点として、第1導体層32の表面において互いに直交するx軸とy軸とを規定し、第1導体層32の表面に直交するz軸を規定してある。図7C、8C、9C、10C、11C、12C、13C、14C及び15Cでは、直交座標系におけるx軸とz軸とを含むxz平面でのアンテナユニット2の指向特性を極座標表示してある。図16Cは、第1導体層32の1つの対角線(正面視において給電アンテナ素子3と無給電アンテナ素子4との並ぶ方向に沿った対角線)とz軸とを含む平面でのアンテナユニット2の指向特性を極座標表示してある。
アンテナ装置1の各構成要素については、以下に、より詳細に説明する。
アンテナユニット2から放射させる電磁波は、給電アンテナ素子3から放射された電磁波と、無給電アンテナ素子4から再放射された電磁波と、の合成波である。よって、アンテナ装置1では、指向性調整部5によって、給電アンテナ素子3と無給電アンテナ素子4との相対的な位置関係を変えることにより、アンテナユニット2から放射される電磁波に関して、放射強度が最大となる放射方向を調整することが可能となる。
給電アンテナ素子3から放射させる電磁波は、例えば、周波数が24GHzの電波である。
図5A及び5Bに示す給電アンテナ素子3における第1誘電体基板31の平面形状は、正方形状である。第1誘電体基板31は、誘電体により形成された基板である。第1誘電体基板31は、例えば、ガラスエポキシ樹脂基板である。ガラスエポキシ樹脂基板は、例えば、UL746E規格によるFR−4.0のグレードを満たすのが好ましい。第1誘電体基板31は、一例として、平面サイズが4mm×4mm、厚さが1mm、比誘電率が4.2である。
第1導体層32の平面形状は、正方形状である。第1導体層32は、銅により形成された金属はくである。要するに、第1導体層32は、導体により形成されている。第1導体層32は、一例として、平面サイズを2.7mm×2.7mmとしてある。
グラウンド層33の平面形状は、正方形状である。グラウンド層33は、銅により形成された金属はくである。要するに、グラウンド層33は、導体により形成されている。
給電アンテナ素子3は、一例として、FR−4.0のグレードを満たすガラス布・エポキシ樹脂銅張積層板から形成されている。
給電アンテナ素子3の第1中心線30は、第1誘電体基板31の表面311の中心点、裏面312の中心点及び第1導体層32の表面の中心点を通る。
給電アンテナ素子3は、給電アンテナ素子3への給電用の高周波同軸ケーブル7の先端に設けられたコネクタ8の内導体を第1導体層32に電気的に接続でき、かつ、コネクタ8の外導体81をグラウンド層33に電気的に接続できるように構成されている。給電アンテナ素子3は、第1誘電体基板31の中央部に、コネクタ8の内導体を入れることができる孔333が形成されている。孔333は、第1誘電体基板31の厚さ方向に貫通している。高周波同軸ケーブル7は、絶縁被覆を剥いで露出させた芯線がコネクタ8の内導体に電気的に接続され、同軸外導体がコネクタ8の外導体81に電気的に接続されている。
給電点34は、例えば、第1導体層32のうち、第1誘電体基板31の孔333により露出した部位である。より詳細には、給電点34は、給電アンテナ素子3において第1導体層32へコネクタ8の内導体が接続される点である。
コネクタ8は、高周波同軸コネクタであるのが好ましい。高周波同軸コネクタとしては、例えば、SMA型コネクタを採用することができる。SMA型コネクタは、例えば、JIS C5411やMIL−PRF−39012等の規格を満たすか準拠しているのが好ましい。コネクタ8は、SMA型コネクタに限らず、アンテナユニット2から放射させる電磁波の周波数に応じて適宜の高周波同軸コネクタを用いればよい。
図6A及び6Bに示す無給電アンテナ素子4における第2誘電体基板41の平面形状は、正方形状である。第2誘電体基板41は、誘電体により形成された基板である。第2誘電体基板41は、例えば、ガラスエポキシ樹脂基板である。ガラスエポキシ樹脂基板は、例えば、FR−4.0のグレードを満たすのが好ましい。第2誘電体基板41は、一例として、平面サイズが4mm×4mm、厚さが1mm、比誘電率が4.2である。
第2導体層42の平面形状は、正方形状である。無給電アンテナ素子4の第2中心線は、第2誘電体基板41の表面411の中心点、裏面412の中心点及び第2導体層42の表面の中心点を通る。第2導体層42は、一例として、平面サイズを2.7mm×2.7mmとしてある。
無給電アンテナ素子4は、一例として、FR−4.0のグレードを満たすガラス布・エポキシ樹脂銅張積層板から形成されている。
無給電アンテナ素子4は、給電アンテナ素子3の前方に配置される。無給電アンテナ素子4における第2導体層42の平面サイズは、給電アンテナ素子3から放射される電磁波の波長で共振するように設定されている。より詳細には、平面形状が正方形状の第2導体層42の1辺の長さが、給電アンテナ素子3から放射される電磁波の波長で共振する長さに設定されている。
無給電アンテナ素子4では、第2導体層42が、給電アンテナ素子3から放射される電磁波の波長で共振するように構成されている。したがって、無給電アンテナ素子4は、給電アンテナ素子3から放射された電磁波により第2導体層42に電流が流れ、第2導体層42から電磁波が放射される。
図7Cは、図7A及び7Bに示す給電アンテナ素子3単体の場合の指向特性(放射パターン)を、FDTD法(Finite-Difference Time-Domain method)を利用してシミュレーションした結果である。「FDTD法」は、時間領域差分法又は有限差分時間領域法と呼ばれている。また、図8C、9C、10C、11C、12C、13C、14C、15C及び16Cは、アンテナユニット2の指向特性を、FDTD法を利用してシミュレーションした結果である。以下の説明では、給電アンテナ素子3から放射される電磁波の真空における波長をλとする。
第1例(図8A及び8B)は、給電アンテナ素子3の第1中心線30と無給電アンテナ素子4の第2中心線40とのなす角度θが15°、所定距離L1が3mm(0.24λ)であり、図8Cに示すような指向特性が得られた。
第2例(図9A及び9B)は、角度θが30°、所定距離L1が3mm(0.24λ)であり、図9Cに示すような指向特性が得られた。
第3例(図10A及び10B)は、角度θが45°、所定距離L1が3mm(0.24λ)であり、図10Cに示すような指向特性が得られた。
第4例(図11A及び11B)は、角度θが45°、所定距離L1が2mm(0.16λ)であり、図11Cに示すような指向特性が得られた。
第5例(図12A及び12B)は、角度θが45°、所定距離L1が4mm(0.32λ)であり、図12Cに示すような指向特性が得られた。
第6例(図13A及び13B)は、角度θが45°、所定距離L1が5mm(0.40λ)であり、図13Cに示すような指向特性が得られた。
第7例(図14A及び14B)は、角度θが45°、所定距離L1が6mm(0.48λ)であり、図14Cに示すような指向特性が得られた。
第8例(図15A及び15B)は、角度θが45°、所定距離L1が7mm(0.56λ)であり、図15Cに示すような指向特性が得られた。
第9例(図16A及び16B)は、角度θが45°、所定距離L1が3mm(0.24λ)であり、図16Cに示すような指向特性が得られた。
図7C、8C、9C、10C、11C、12C、13C、14C及び16Cの結果から、アンテナユニット2では、給電アンテナ素子3と無給電アンテナ素子4との相対的な位置関係を変えることにより、指向特性を調整できると推考される。
図8C、9C、10C及び16Cの結果から、所定距離L1を一定として角度θを変えることにより、指向特性を調整できることが分かる。より詳細には、アンテナユニット2では、給電アンテナ素子3から無給電アンテナ素子4の方向への放射強度を高めることが可能となる。要するに、アンテナユニット2は、給電アンテナ素子3を基準位置として無給電アンテナ素子4の方向にメインローブ(main lobe)を形成することが可能となる。また、アンテナユニット2では、角度θを小さくするほど、指向性を強くすることが可能となる。したがって、アンテナ装置1では、給電アンテナ素子3を基準位置としてアンテナユニット2の放射強度を高めたい方向に無給電アンテナ素子4を移動させることで、所望の指向特性を得ることが可能となる。
また、図8C〜16Cの結果から、所定距離L1は、給電アンテナ素子3から放射される電磁波の真空における波長の0.15倍以上0.4倍以下であるのが好ましい。これにより、アンテナ装置1では、給電アンテナ素子3から無給電アンテナ素子4の方向への放射強度を高めることが可能となる。
無給電アンテナ素子4における第2導体層42は、n回回転対称性(n≧3)を有する平面形状に形成されているのが好ましい。これにより、アンテナ装置1では、給電アンテナ素子3から放射された電磁波の偏波方向によらず、指向特性を調整することが可能となる。「n回回転対称性」とは、図形を回転軸のまわりで360度のn分の1だけ回転させたときにはじめの図形と一致する性質を意味する。
第2導体層42の平面形状が図18Aに示すような長方形の場合、第2導体層42は、2回回転対称性を有する。図18Aでは、長方形の長辺の長さが、給電アンテナ素子3から放射される電磁波の波長で共振する長さに設定されている。したがって、図18Aに白抜き矢印で示す偏波方向(第2導体層42の長手方向と同じ方向)の電磁波が第2導体層42に入射したとき、第2導体層42には、一点鎖線の矢印で示す向きに電流が流れる。これにより、アンテナ装置1では、指向特性を調整することができる。これに対し、図18Bに白抜き矢印で示す偏波方向(第2導体層42の短手方向と同じ方向)の電磁波が第2導体層42に入射したときには、第2導体層42には、電流がほとんど流れない。このため、アンテナ装置1では、放射強度を高めたい方向を制御できない。
また、第2導体層42の平面形状が図18Cに示すような正三角形枠の場合、第2導体層42は、3回回転対称性を有する。図18Cでは、正三角形枠の1辺の長さが、給電アンテナ素子3から放射される電磁波の波長で共振する長さに設定されている。したがって、図18Cに白抜き矢印で示すように正三角形枠の1辺に平行な偏波方向の電磁波が第2導体層42に入射したとき、第2導体層42には、一点鎖線の矢印で示すように3辺それぞれに沿った向きに電流が流れる。これにより、アンテナ装置1では、指向特性を調整することができる。また、図18Dに示す白抜き矢印で示す偏波方向(正面視で3辺のうち底辺となる1つの辺に直交する方向)の電磁波が第2導体層42に入射したとき、第2導体層42には、一点鎖線の矢印で示すように2つの辺(斜辺)それぞれに沿った向きに電流が流れる。これにより、アンテナ装置1では、指向特性を調整することができる。
第2導体層42は、n回回転対称性(n≧3)を有する平面形状に形成されていればよく、正方形に限らない。第2導体層42は、例えば、図17A、17B、17C、17D、17E及び17Fのいずれかの平面形状に形成されていてもよい。
図17Aに示した第2導体層42は、平面形状が正三角形であり、3回回転対称性を有する。図17Bに示した第2導体層42は、平面形状が円形である。図17Cに示した第2導体層42は、平面形状が+字状であり、4回回転対称性を有する。図17Dに示した第2導体層42は、平面形状が正三角形枠状であり、3回回転対称性を有する。図17Eに示した第2導体層42は、平面形状が正五角形であり、5回回転対称性を有する。図17Fに示した第2導体層42は、平面形状が正六角形であり、6回回転対称性を有する。
指向性調整部5は、一例として、図1A及び1Bに示すように、半球殻状のドーム51と、ドーム51の内側の球面512に沿って回転できるように構成された可動体52と、を備える。ドーム51及び可動体52は、誘電体により形成されている。アンテナユニット2は、ドーム51における球面511との距離が一定(所定距離L1)であるドーム51の中心に給電アンテナ素子3が配置され、可動体52に無給電アンテナ素子4が配置されている。これにより、アンテナ装置1では、給電アンテナ素子3の位置を変更することなく無給電アンテナ素子4を動かすことでアンテナユニット2の指向性を調整することが可能となるので、アンテナユニット2の指向性を容易に調整することが可能となる。
可動体52は、球帽状の第1可動部521と、球帽状の第2可動部522と、を軸部523(図4A及び4B参照)により連結してある。第1可動部521の内側の球面は、ドーム51の外側の球面511と半径が同じであるのが好ましい。第2可動部522の外側の球面は、ドーム51の内側の球面512と半径が同じであるのが好ましい。
ドーム51には、可動体52の軸部523を移動できるように構成された複数のスリット513が円周方向において等間隔で形成されている。これにより、指向性調整部5は、可動体52をドーム51に沿って回転させることにより、給電アンテナ素子3と無給電アンテナ素子4との距離を所定距離L1に保ちつつ、無給電アンテナ素子4を動かすことが可能となる。なお、アンテナ装置1では、スリット513の幅を適宜設計しておくことにより可動体52を動かした後にその位置で可動体52を保持することができる。アンテナ装置1は、ドーム51に沿って回転させた後のドーム51と可動体52との相対的な位置ずれを防止するために、可動体52を位置決めする部材を別途に備えていてもよい。
アンテナ装置1は、アンテナユニット2と、指向性調整部5と、を収納したケースを備えるのが好ましい。ケースは、ベースと、カバーと、で構成される。ベースとカバーとは、例えば、複数の螺子等により結合すればよい。
ベースは、アンテナユニット2及び指向性調整部5を保持できるように構成されるのが好ましい。ベースは、例えば、円板状のベース本体を備え、ベース本体の第1面に給電アンテナ素子3を保持する第1保持部と、ドーム51を保持する第2保持部と、を備えるのが好ましい。第2保持部は、例えば、同心円状に配置された2つの円環状リブにより構成することができる。ベースは、ドーム51の複数のスリット513それぞれを所定幅に保つ複数の突起が、2つの円環状リブの間において形成されているのが好ましい。ベースは、ベース本体の第2面を建物の屋内の壁面側として壁面等に設置できるように構成されているのが好ましい。
ベースは、導電性材料により形成されているのが好ましい。導電性材料としては、金属が好ましい。金属としては、例えば、アルミニウム、亜鉛合金等が好ましい。導電性材料がアルミニウムの場合、ベースは、例えば、アルミダイキャスト法により形成することができる。
カバーは、アンテナユニット2及び指向性調整部5を保護するレドーム(radome)である。カバーは、アンテナユニット2から放射させる電磁波を透過する材料により形成されている。より詳細には、カバーは、24GHzの電磁波を透過する材料により形成されている。カバーは、24GHzの電磁波に対する透過率が60%以上であることが好ましく、70%以上であるのがより好ましく、80%以上であるのが更に好ましい。
カバーの材料としては、例えば、ポリカーボネート、フッ素系樹脂、ポリフェニレンオキサイド等を採用することができる。カバーは、例えば、ポリカーボネートに白色顔料を添加した材料の成形品により構成されているのが好ましい。白色顔料としては、無機顔料が好ましい。白色顔料としては、例えば、二酸化チタン、亜鉛華(酸化亜鉛)等を採用することができる。
図19は、アンテナ装置1を備えたドップラセンサ9の回路ブロック図である。
ドップラセンサ9は、電磁波を送信する送信アンテナ91と、送信アンテナ91から送信され物体で反射された電磁波を捕そくする受信アンテナ92と、発振器93と、を備える。ドップラセンサ9は、送信アンテナ91から送信した電磁波の周波数と受信アンテナ92で受信した電磁波の周波数との差分に相当する周波数の出力信号を出力するミキサ94と、ミキサ94の出力信号に基づいて物体を検出する信号処理装置95と、を備える。送信アンテナ91は、アンテナ装置1により構成されている。これにより、ドップラセンサ9では、送信アンテナ91の指向性の調整の自由度を高めることが可能となる。物体は、例えば、人である。
ドップラセンサ9では、送信アンテナ91から発振器93から出力される送信信号(電気信号)を電磁波として送信させる(空間へ放射させる)。ミキサ94は、発振器93から出力される送信信号の周波数と受信アンテナ92で受信して電気信号に変換された受信信号の周波数との差分の周波数を持つ出力信号を出力する。
信号処理装置95は、例えば、コンピュータ(例えば、マイクロコンピュータ)に所定のプログラムを実行させることにより実現することができる。所定のプログラムは、例えば、コンピュータのメモリに記憶されていればよい。信号処理装置95は、ミキサ94から出力される出力信号を増幅する増幅回路と、増幅回路によって増幅された出力信号をディジタルの出力信号に変換して出力するA/D変換器と、を備えるのが好ましい。
実施形態に記載した材料、数値等は、好ましい例を示しているだけであり、それに限定する主旨ではない。更に、本願発明は、その技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、構成に適宜変更を加えることが可能である。
例えば、第1誘電体基板31及び第2誘電体基板41は、ガラスエポキシ樹脂基板に限らず、例えば、フッ素樹脂系基板(例えば、ポリ四フッ化エチレン樹脂基板等)、セラミック基板により形成されていてもよい。また、第1導体層32、グラウンド層33及び第2導体層42は、例えば、銅ペースト、銀ペースト等を利用して形成されていてもよい。
また、アンテナ装置1では、第2可動部522が第2誘電体基板41を兼ねてもよい。
また、給電アンテナ素子3は、第1導体層32に連続した給電用のマイクロストリップ線路を設けて、マイクロストリップ線路に対してコネクタ8の内導体を半田等により接続してもよい。
また、アンテナ装置1は、ケースを備えていない場合、ドーム51を、例えば、建築物の壁又は天井、アンテナ装置1を設置する機器内の取付部、アンテナ装置1を設置する水栓カラン内の壁等に固定するようにしてもよい。
また、ドップラセンサは、2周波(多周波)方式のドップラセンサや、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式のドップラセンサ等でもよい。
また、給電アンテナ素子3から放射させる電磁波の周波数は、24GHzに限らず、例えば、2.4GHzでもよい。この場合、給電アンテナ素子3は、電磁波の周波数が2.4GHzの場合、周波数が24GHzの場合に比べて、第1導体層32の平面サイズを10倍(つまり、27mm×27mm)に設定するのが好ましい。
1 アンテナ装置
2 アンテナユニット
3 給電アンテナ素子
30 第1中心線
31 第1誘電体基板
32 第1導体層
33 グラウンド層
4 無給電アンテナ素子
40 第2中心線
41 第2誘電体基板
42 第2導体層
5 指向性調整部
51 ドーム
52 可動体
512 球面
L1 所定距離
θ 角度
9 ドップラセンサ
91 送信アンテナ
92 受信アンテナ
93 発振器
94 ミキサ
95 信号処理装置

Claims (5)

  1. アンテナユニットと、前記アンテナユニットから放射させる電磁波の指向性を調整する指向性調整部と、を備え、
    前記アンテナユニットは、給電アンテナ素子と、無給電アンテナ素子と、を備え、
    前記給電アンテナ素子は、第1誘電体基板と、前記第1誘電体基板の表面に形成された第1導体層と、前記第1誘電体基板の裏面に形成されたグラウンド層と、給電点と、を備え、電気信号を電磁波として空間に放射するように構成され、
    前記無給電アンテナ素子は、第2誘電体基板と、前記第2誘電体基板の表面に形成された第2導体層と、を備え、前記第2導体層が、前記給電アンテナ素子から放射される電磁波の波長で共振するように構成され、
    前記指向性調整部は、前記給電アンテナ素子と前記無給電アンテナ素子との間を所定距離に保ち、かつ、前記給電アンテナ素子の厚さ方向に沿った第1中心線と前記無給電アンテナ素子の厚さ方向に沿った第2中心線との交点の位置を保ちながら、前記第1中心線と前記第2中心線とのなす角度を変化できるように構成されている、
    ことを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記所定距離は、前記電磁波の真空における波長の0.15倍以上0.4倍以下である、
    ことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 前記無給電アンテナ素子における前記第2導体層は、n回回転対称性(n≧3)を有する平面形状に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のアンテナ装置。
  4. 前記指向性調整部は、半球殻状のドームと、前記ドームの内側の球面に沿って回転できるように構成された可動体と、を備え、
    前記ドーム及び前記可動体は、誘電体により形成され、
    前記アンテナユニットは、前記ドームにおける前記球面との距離が一定である前記ドームの中心に前記給電アンテナ素子が配置され、前記可動体に前記無給電アンテナ素子が配置されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  5. 電磁波を送信する送信アンテナと、前記送信アンテナから送信され物体で反射された電磁波を捕そくする受信アンテナと、発振器と、前記送信アンテナから送信した電磁波の周波数と前記受信アンテナで受信した電磁波の周波数との差分に相当する周波数の出力信号を出力するミキサと、前記ミキサの出力信号に基づいて物体を検出する信号処理装置と、を備え、
    前記送信アンテナは、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアンテナ装置により構成されている、
    ことを特徴とするドップラセンサ。
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