JP6554942B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents

スイッチング電源装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6554942B2
JP6554942B2 JP2015131521A JP2015131521A JP6554942B2 JP 6554942 B2 JP6554942 B2 JP 6554942B2 JP 2015131521 A JP2015131521 A JP 2015131521A JP 2015131521 A JP2015131521 A JP 2015131521A JP 6554942 B2 JP6554942 B2 JP 6554942B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
switching element
output
voltage
circuit
capacitor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015131521A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016067194A (ja
Inventor
明輝 千葉
明輝 千葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanken Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanken Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanken Electric Co Ltd filed Critical Sanken Electric Co Ltd
Publication of JP2016067194A publication Critical patent/JP2016067194A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6554942B2 publication Critical patent/JP6554942B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)

Description

本発明は、昇圧コンバータと絶縁ハーフブリッジコンバータとを備えたスイッチング電源装置に関するものである。
DC−DCコンバータとして、スイッチング素子をオン、オフすることにより直流入力を昇圧する昇圧コンバータと、2つのスイッチング素子をそれぞれ交互にオン、オフすることにより昇圧コンバータで昇圧された直流を交流に変換するハーフブリッジコンバータと、ハーフブリッジコンバータの出力を整流及び平滑して直流出力する変換部とを備えた構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このDC−DCコンバータは、2つのコンバータを使用するので制御回路が複雑になる。また、ハーフブリッジコンバータで出力電圧を制御するので、トランスの利用率が悪くなり、変換効率が低下するという欠点を有する。
そこで、DC−DCコンバータを昇圧コンバータと絶縁ハーフブリッジコンバータとで構成し、絶縁ハーフブリッジコンバータを固定オンデューティ比、かつ、固定スイッチング周波数で駆動し、昇圧コンバータで絶縁ハーフブリッジコンバータに印加される電圧を制御することで、出力電圧を調整する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−287195号公報 特開2013−258860号公報
しかしながら、特許文献2に記載の従来技術では、昇圧コンバータの平滑コンデンサに溜めた電荷(エネルギー)を絶縁ハーフブリッジコンバータによって2次側に出力している。従って、昇圧コンバータの平滑コンデンサの電圧は、負荷に応じて変動する。特に、絶縁ハーフブリッジコンバータにおいて、トランスの利用率を最良とするため、デューティーを50%で動作させる場合には、平滑コンデンサの電圧を高く設定することになり、平滑コンデンサを大型化すると共に、スイッチング素子を高耐圧化する必要があった。
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、昇圧コンバータの後段に設けた絶縁ハーフブリッジコンバータを50%デューティーで動作させても、昇圧コンバータの平滑コンデンサを小型化することができると共に、スイッチング素子の低耐圧化を実現することができるスイッチング電源装置を提供することにある。
本発明に係るスイッチング電源装置は、上記の目的を達成するため、次のように構成される。
本発明のスイッチング電源装置は、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子とを直列に接続して構成された第1アームと、一方端が直流入力端子に接続され、他方端が前記第1アームの中点に接続されたリアクトルと、前記第1アームに並列に接続された平滑コンデンサと、前記第1アームに並列に接続され、第3スイッチング素子と第4スイッチング素子とを直列に接続して構成された第2アームと、前記第1アームの中点と前記第2アームの中点との間に接続され、共振コンデンサと共振リアクトルとトランスの1次巻線とを直列に接続して構成された直列回路と、前記トランスの2次巻線に接続され、前記2次巻線に発生する電圧を整流平滑して直流出力を取り出す整流平滑回路と、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子とを交互にオンオフ制御する第1制御回路と、前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子とを交互にオンオフを制御する第2制御回路と、前記直流出力と所定の基準電圧を比較して得られる誤差信号を発生する誤差増幅器と、第2電圧から当該第2電圧よりも大きい第3電圧まで変動する第1のこぎり波を生成する第1三角波発生器と、前記第2電圧よりも小さい第1電圧から前記第2電圧まで変動する、前記第1のこぎり波の数倍の周波数を有し、立下りが同期した第2のこぎり波を生成する第2三角波発生器とを具備し、定常負荷時に、前記第1制御回路は、前記誤差信号と前記第1のこぎり波とを比較することで、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子とを可変デューティーで交互にオンオフさせると共に、前記第2制御回路は、前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子とを50%デューティーで交互にオンオフさせ、軽負荷時に、前記第1制御回路は、前記第1スイッチング素子をゼロデューティーに制御すると共に、前記第2制御回路は、前記誤差信号と前記第2のこぎり波とを比較することで、前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子とを可変デューティーで交互にオンオフさせることを特徴とする。
さらに、本発明に係るスイッチング電源装置において、定常負荷時に、前記第1スイッチング素子のターンオンと前記第3スイッチング素子のターンオンとを同期させると共に、前記第2スイッチング素子のターンオフと前記第4スイッチング素子のターンオフとを同期させる同期回路を備えていても良い。
さらに、本発明に係るスイッチング電源装置において、過負荷時に、前記直流出力から出力される電流に応じて前記誤差信号を低下させる信号低下回路を備えていても良い。
さらに、本発明に係るスイッチング電源装置において、起動時に、ソフトスタート信号に応じて前記誤差信号を調整する調整回路を備えていても良い。
本発明によれば、共振リアクトルの励磁エネルギーが大きく平滑コンデンサの電圧を上昇させるようなエネルギーであっても、平滑コンデンサに電荷(エネルギー)が溜まるだけでなく同時にトランスを介して出力されるため、平滑コンデンサの電圧が抑えられ、昇圧コンバータの後段に設けた絶縁ハーフブリッジコンバータを50%デューティーで動作させても、スイッチング素子を高耐圧化する必要がなく、且つ平滑コンデンサを小型化することができるという効果を奏する。
本発明に係るスイッチング電源装置の第1の実施の形態の構成を示す回路図である。 図1に示す制御回路の詳細な構成を示す回路図である。 図2に示す各部の信号波形及び動作波形を示す波形図である。 図1に示す各部の信号波形及び動作波形を示す波形図である。 本発明に係るスイッチング電源装置の第2の実施の形態における制御回路の詳細な構成を示す回路図である。 図5に示す各部の信号波形及び動作波形を示す波形図である。 本発明に係るスイッチング電源装置の第2の実施の形態における軽負荷時の等価回路を示す図である。 図5に示す制御回路を用いた場合の図1に示す各部の信号波形及び動作波形を示す波形図である。 図5に示す制御回路を用いた場合の図1に示す各部の信号波形及び動作波形を示す波形図である。 図5に示す制御回路を用いた場合の図1に示す各部の信号波形及び動作波形を示す波形図である。 図1に示す第1スイッチ素子のデューティーDと入出力ゲインVo/Vin特性を示すグラフである。 図1に示す第4スイッチ素子のデューティーD’と入出力ゲインVo/Vin特性を示すグラフである。 本発明に係るスイッチング電源装置の第3の実施の形態における制御回路の詳細な構成を示す回路図である。
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、各図において、同一の構成には、同一の符号を付して一部説明を省略している。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態のスイッチング電源装置1は、図1を参照すると、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2とを直列に接続した第1アームを備えた昇圧コンバータと、スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4とを直列に接続した第2アームを備えた絶縁ハーフブリッジコンバータと、昇圧コンバータ及び絶縁ハーフブリッジコンバータを制御する制御回路10とを有している。
昇圧コンバータは、同期整流型の昇圧回路であり、リアクトルLr1と、主制御スイッチとして機能するスイッチング素子Q1と、副制御スイッチ(同期整流スイッチ)として機能するスイッチング素子Q2と、コンデンサC1と、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2とを交互にオンオフ制御する第1制御回路11とで構成されている。
直流電源Vinの両端には、リアクトルLr1と、スイッチング素子Q1とを直列に接続して構成された直列回路が接続されている。そして、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2とを直列に接続した第1アームの両端には、コンデンサC1が接続されている。
絶縁ハーフブリッジコンバータは、主制御スイッチとして機能するスイッチング素子Q3と、副制御スイッチとして機能するスイッチング素子Q4と、コンデンサC2、C3と、トランスTと、ダイオードD1、D2と、リアクトルLr2、Lr3と、スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4とを交互にオンオフ制御する第2制御回路12とで構成されている。
スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2とを直列に接続した第1アームの両端には、スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4とを直列に接続した第2アームが、コンデンサC1と並列に接続されている。なお、スイッチング素子Q2側にはスイッチング素子Q3が、スイッチング素子Q1側にはスイッチング素子Q4がそれぞれ接続されている。
スイッチング素子Q1〜Q4は、MOSFETからなる。スイッチング素子Q1〜Q4のドレイン―ソース間にはダイオードDa〜DdとコンデンサCa〜Cdとの並列回路が接続されている。なお、ダイオードDa〜Ddは還流ダイオードであってスイッチング素子Q1〜Q4の寄生ダイオードでも良い。また、コンデンサCa〜Cdは共振用コンデンサであってスイッチング素子Q1〜Q4の寄生コンデンサでも良い。
スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との接続点(第1アームの中点)と、スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4との接続点(第2アームの中点)との間には、コンデンサC2とリアクトルLr2とトランスTの一次巻線P1とを直列に接続して構成された直列回路が接続されている。なお、リアクトルLr2は、トランスTの一次巻線P1と二次巻線S1、S2との間のリーケージインダクタンス(漏れインダクタンス)でも良い。この構成により、主制御スイッチとして機能するスイッチング素子Q1、Q3がオフ期間でも、スイッチング素子スイッチQ2、Q4やダイオードDa、Dcを介して常に回生電流を流す経路を確保できるため、スイッチング素子Q1〜Q4がゼロ電圧スイッチング(ZVS)動作を行うことができる。
トランスTの二次巻線S1と二次巻線S2とは直列に接続され、二次巻線S1の一端はダイオードD1のアノードに接続され、二次巻線S2の一端はダイオードD2のアノードに接続されている。ダイオードD1、D2のカソードはリアクトルLr3の一端に接続され、リアクトルLr3の他端はコンデンサC3の一端に接続され、コンデンサC3の他端は、二次巻線S1と二次巻線S2との接続点に接続されている。そして、コンデンサC3の両端から出力電圧Voが出力される。ダイオードD1、D2、リアクトルLr3と、コンデンサC3とで整流平滑回路を構成している。
制御回路10は、第1制御回路11と、第2制御回路12と、同期回路13とで構成されている。図2を参照すると、第1制御回路11は、誤差増幅器AMP1と、三角波発生器14と、コンパレータCMP1と、バッファ回路BUF1と、インバータINV1と、デッドタイム生成回路15aとで構成されている。また、第2制御回路12は、バッファ回路BUF2と、インバータINV2と、デッドタイム生成回路15bとで構成されている。
同期回路13は、第1制御回路11の動作タイミングと第2制御回路12の動作タイミングとの同期を行なう回路であり、図3(a)に示す矩形波信号Tsqを第1制御回路11及び第2制御回路12に出力する。
第1制御回路11において、誤差増幅器AMP1は、コンデンサC3からの出力電圧+Voと基準電圧Vref1との誤差電圧を増幅して、この誤差増幅信号EASをコンパレータCMP1の非反転入力端子(+)に出力する。
三角波発生器14は、同期回路13からの矩形波信号Tsqに基づいて図3(b)に示すのこぎり波信号Triaを発生させ、のこぎり波信号TriaをコンパレータCMP1の反転入力端子(−)に出力する。のこぎり波信号Triaは、矩形波信号Tsqと同期した同一周期Tの信号である。
コンパレータCMP1の入力CMP1inは、図3(c)に示すように、誤差増幅器AMP1から誤差増幅信号EASが入力されると共に、三角波発生器14からのこぎり波信号Triaが入力される。コンパレータCMP1は、誤差増幅信号EASがのこぎり波信号Tria以上であるとき、コンパレータCMP1からバッファ回路BUF1及びインバータINV1にHレベルが出力され、誤差増幅信号EASがのこぎり波信号Tria未満であるとき、コンパレータCMP1からバッファ回路BUF1及びインバータINV1にLレベルが出力される。
バッファ回路BUF1は、コンパレータCMP1の出力をデッドタイム生成回路15aに出力する。インバータINV1は、コンパレータCMP1の出力を反転して、デッドタイム生成回路15aに出力する。デッドタイム生成回路15aは、バッファ回路BUF1及びインバータINV1からの信号の立ち上がりを所定時間(td)それぞれ遅延させる回路である。デッドタイム生成回路15aは、バッファ回路BUF1からの信号の立ち上がりを所定時間(td)遅延させ、図3(d)に示す、スイッチング素子Q1のゲートに印加するゲート信号Q1gを出力する。また、デッドタイム生成回路15aは、インバータINV1からの信号の立ち上がりを所定時間(td)遅延させ、図3(e)に示す、スイッチング素子Q2のゲートに印加するゲート信号Q2gを出力する。この構成により、出力電圧+Voに応じてスイッチング素子Q1のオン期間が制御され、昇圧コンバータにおいて、二次側に伝達するエネルギーが制御される。
第2制御回路12において、バッファ回路BUF2は、同期回路13からの矩形波信号Tsqをデッドタイム生成回路15bに出力する。インバータINV1は、同期回路13からの矩形波信号Tsqを反転して、デッドタイム生成回路15bに出力する。デッドタイム生成回路15bは、バッファ回路BUF2及びインバータINV2からの信号の立ち上がりをデッドタイム生成回路15aと同様に所定時間(td)それぞれ遅延させる回路である。デッドタイム生成回路15bは、バッファ回路BUF2からの信号の立ち上がりを所定時間(td)遅延させ、図3(f)に示す、スイッチング素子Q3のゲートに印加するゲート信号Q3gを出力する。また、デッドタイム生成回路15bは、インバータINV2からの信号の立ち上がりを所定時間(td)遅延させ、図3(g)に示す、スイッチング素子Q4のゲートに印加するゲート信号Q4gを出力する。この構成により、スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4とは、矩形波信号Tsqによってオンオフされるため、スイッチング素子Q3のオン期間とスイッチング素子Q4のオン期間とが等しくなり、絶縁ハーフブリッジコンバータは、50%デューティーで駆動される。
この構成により、矩形波信号Tsqの立ち上がりで、ゲート信号Q2gが立ち下がると共に、のこぎり波信号Triaが急降下して誤差増幅信号EAS以下となって、ゲート信号Q4gが立ち下がる。これにより、スイッチング素子Q2のゲート信号Q2gの立ち下がりエッジ(ターンオフ)と、スイッチング素子Q4のゲート信号Q4gの立ち下がりエッジ(ターンオフ)とが同期する。また、矩形波信号Tsqの立ち上がりから所定時間(td)後に、ゲート信号Q1gが立ち上がると共に、のこぎり波信号Triaが急降下して誤差増幅信号EAS以下となって所定時間(td)後に、ゲート信号Q3gが立ち下がる。これにより、スイッチング素子Q1のゲート信号Q1gの立ち上がりエッジ(ターンオン)と、スイッチング素子Q3のゲート信号Q3gの立ち上がりエッジ(ターンオン)とが同期する。
次に、第1の実施の形態のスイッチング電源装置1の動作について図4を参照して詳細に説明する
図4は、図1に示す各部の信号波形及び動作波形を示したもので、(a)はスイッチング素子Q1を流れる電流Id1、(b)はスイッチング素子Q1のドレインソース間電圧Vds1、(c)はスイッチング素子Q2を流れる電流Id2、(d)はスイッチング素子Q2のドレインソース間電圧Vds2、(e)はスイッチング素子Q3を流れる電流Id3、(f)はスイッチング素子Q3のドレインソース間電圧Vds3、(g)はスイッチング素子Q4を流れる電流Id4、(h)はスイッチング素子Q4のドレインソース間電圧Vds4、(i)はダイオードD1、D2を流れるそれぞれの電流Ia1、Ia2をそれぞれ示している。なお、図4では、ダイオードDa〜Ddをスイッチング素子Q1〜Q4の寄生ダイオードとし、ダイオードDa〜Ddに流れる電流もスイッチング素子Q1〜Q4を流れる電流Id1〜Id4として示されている。
図4に示す期間t1は、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q3とがオン期間で、スイッチング素子Q2とスイッチング素子Q4とがオフ期間である。
期間t1では、スイッチング素子Q1のオン期間により、直流電源VinからリアクトルLr1を介して、スイッチング素子Q1に電流が流れ、リアクトルLr1が励磁される。スイッチング素子Q3のオン期間により、コンデンサC1から、コンデンサC1→スイッチング素子Q3→トランスTの一次巻線P1→リアクトルLr2→コンデンサC2→スイッチング素子Q1→コンデンサC1の経路で電流1d3が流れ、リアクトルLr2がこの向きに励磁される。従って、スイッチング素子Q1を流れる電流Id1は、リアクトルLr1の励磁電流と、スイッチング素子Q3の電流Id3との合計電流となる。
次に、スイッチング素子Q3がオン期間中に、スイッチング素子Q1がターンオフされ、スイッチング素子Q2がターンオンされるまでのデッドタイム(td)では、リアクトルLr1とリアクトルLr2の放電エネルギーが、スイッチング素子Q2のコンデンサCbの電荷を引き抜き始める。これにより、直流電源Vin→リアクトルLr1→スイッチング素子Q2のコンデンサCb→コンデンサC1→直流電源Vinの経路で電流が流れる。また、リアクトルLr2→コンデンサC2→スイッチング素子Q2のコンデンサCb→スイッチング素子Q3→トランスTの一次巻き線P1→リアクトルLr2の経路でも電流1d3が流れる。そして、スイッチング素子Q2のコンデンサCbの電荷が引き抜かれ、これが負電位になり、スイッチング素子Q2のダイオードDbの順方向電圧に達すると、直流電源Vin→リアクトルLr1→スイッチング素子Q2のダイオードDb→コンデンサC1→直流電源Vinの経路で電流が流れる。また、リアクトルLr2→コンデンサC2→スイッチング素子Q2のダイオードDb→スイッチング素子Q3→トランスTの一次巻き線P1→リアクトルLr2の経路でも電流1d3が流れる。
これにより、スイッチング素子Q2のターンオン時には、スイッチング素子Q2のドレインソース間電圧Vds2が立ち下がり、スイッチング素子Q2のゼロ電圧スイッチング(ZVS)を実現することができる。
図4に示す期間t2は、スイッチング素子Q2とスイッチング素子Q3とがオン期間で、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q4とがオフ期間である。
期間t2では、期間t1でリアクトルLr1に蓄積されたエネルギーが、リアクトルLr1→スイッチング素子Q2→コンデンサC1→直流電源Vin→リアクトルLr1の経路で放出され、コンデンサC1を充電する。同時に、コンデンサC1と並列になるスイッチング素子Q3→トランスTの一次巻線P1→リアクトルLr2→コンデンサC2→スイッチング素子Q2の経路にも電流が流れ、2次側にエネルギーを伝達する。
次に、スイッチング素子Q2がオン期間中に、スイッチング素子Q3がターンオフされ、スイッチング素子Q4がターンオンされるまでのデッドタイム(td)では、リアクトルLr2の放電エネルギーによって、リアクトルLr2→コンデンサC2→スイッチング素子Q2→コンデンサC1→スイッチング素子Q4のコンデンサCd→トランスTの一次巻線P1→リアクトルLr2の経路で電流が流れ、スイッチング素子Q4のコンデンサCdの電荷を引き抜き始める。そして、スイッチング素子Q4のコンデンサCdの電荷が引き抜かれ、これが負電位になり、スイッチング素子Q4のダイオードDdの順方向電圧に達すると、リアクトルLr2→コンデンサC2→スイッチング素子Q2→コンデンサC1→スイッチング素子Q4のダイオードDb→トランスTの一次巻き線P1→リアクトルLr2の経路で電流1d4が流れる。なお、リアクトルLr1に蓄積されたエネルギーによるコンデンサC1の充電は継続されている。
これにより、スイッチング素子Q4のターンオン時には、スイッチング素子Q4のドレインソース間電圧Vds4が立ち下がり、スイッチング素子Q4のゼロ電圧スイッチング(ZVS)を実現することができる。
図4に示す期間t3、期間t4は、スイッチング素子Q2とスイッチング素子Q4とがオン期間で、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q3とがオフ期間である。
期間t3では、スイッチング素子Q3がオフ期間、スイッチング素子Q4がオン期間になるので、トランスTの一次巻線P1に流れる電流が、トランスTの一次巻線P1→リアクトルLr2→コンデンサC2→スイッチング素子Q2→コンデンサC1→スイッチング素子Q4→トランスTの一次巻線P1の経路に変わる。この電流は、トランスTの一次巻線P1、リアクトルLr2、コンデンサC2の共振動作により減少し、やがて反転して期間t4になる。
期間t4では、トランスTの一次巻線P1→スイッチング素子Q4→コンデンサC1→スイッチング素子Q2→コンデンサC2→リアクトルLr2→トランスTの一次巻線P1の経路で電流が流れ、トランスTの二次側にエネルギーが伝達される。このときコンデンサC1は放電モードになるので、コンデンサC1が高い電圧になることはない。
次に、スイッチング素子Q2とスイッチング素子Q4がターンオフされ、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q3とがターンオンされるまでのデッドタイム(td)では、リアクトルLr2の放電エネルギーによって、リアクトルLr2→トランスTの一次巻線P1→スイッチング素子Q3のコンデンサCc→コンデンサC1→スイッチング素子Q1のコンデンサCa→コンデンサC2→リアクトルLr2の経路で電流が流れ、スイッチング素子Q1のコンデンサCaの電荷とスイッチング素子Q3のコンデンサCcの電荷とを引き抜き始める。そして、スイッチング素子Q1のコンデンサCaの電荷とスイッチング素子Q3のコンデンサCcの電荷とが引き抜かれ、これが負電位になり、スイッチング素子Q1のダイオードDa及びスイッチング素子Q3のダイオードDcの順方向電圧に達すると、リアクトルLr2→トランスTの一次巻線P1→スイッチング素子Q3のダイオードDc→コンデンサC1→スイッチング素子Q1のダイオードDa→コンデンサC2→リアクトルLr2の経路で電流が流れる。
これにより、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q3のターンオン時には、スイッチング素子Q1のドレインソース間電圧Vds1とスイッチング素子Q3のドレインソース間電圧Vds3とが立ち下がり、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q3のゼロ電圧スイッチング(ZVS)を実現することができる。
スイッチング素子Q1がオン期間である期間t1と、スイッチング素子Q2がオン期間である期間t2+期間t3+期間t4とは、昇圧コンバータのオンデューティとオフデューティとになり、可変デューティーで駆動される。すなわち、出力電圧+Voに基づいてオンデューティである期間t1を制御することで二次側に伝達するエネルギーが制御され、出力電圧+Voが制御される。また、スイッチング素子Q3がオン期間である期間t1+期間t2と、スイッチング素子Q4がオン期間である期間t3+期間t4とは、絶縁ハーフブリッジコンバータのオンデューティとオフデューティとになり、50%デューティー、すなわち同じ時間で駆動される。このため、トランスTの利用率が高く高効率な変換が可能となる。また、50%デューティーなので、コンデンサC2が直流充電されることがなく、電圧を有効にトランスTの一次巻線P1に供給することができる。
また、重負荷ほどコンデンサC2のチャージ量が増え、リアクトルLr2の電圧降下も増える分、コンデンサC1の電圧は高くなる傾向であるが、重負荷−軽負荷のようなダイナミックの場合、スイッチング素子Q1はデューティーが絞られ、同期スイッチであるスイッチング素子Q2のデューティーは拡がって入力側にコンデンサC1の電荷が回生される。すなわち、コンデンサC1の電圧を入力とする降圧チョッパになって、直ちにスイッチング素子C1の電荷を下げて出力電圧が維持される。
さらに、小パワー出力では、リアクトルLr1の励磁エネルギーも小さく、コンデンサC1の電圧は上昇しない。そして、大パワー出力でも、リアクトルLr1の励磁エネルギーが大きくコンデンサC1の電圧を上昇させるようなエネルギーであっても、コンデンサC1に電荷(エネルギー)が溜まるだけでなく同時にトランスTを介して出力されるため、コンデンサC1の電圧が抑えられる。従って、コンデンサC1は入力の高低、負荷の軽重によってもほぼ一定の変動の小さい電圧になる。そしてコンデンサC1の電圧変動が小さいので2次側スイッチであるダイオードD1、D2も常にほぼ一定の電圧が掛るため低耐圧の導通損失の少ないスイッチを選択することができる。
なお、第1の実施の形態では、第1制御回路11において、出力電圧+Voに応じてスイッチング素子Q1のオン期間が制御するように構成しているが、スイッチング素子Q1に流れる電流Id1を検出する電流検出抵抗を設け、電流Id1に応じてスイッチング素子Q1のオン期間が制御するようにしても良い。
以上説明したように、第1の実施の形態は、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2とを直列に接続して構成された第1アームと、一方端が直流入力端子(直流電源Vin)に接続され、他方端が第1アームの中点に接続されたリアクトルLr1と、第1アームに並列に接続されたコンデンサC1と、第1アームに並列に接続され、スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4とを直列に接続して構成された第2アームと、第1アームの中点と第2アームの中点との間に接続され、コンデンサC2とリアクトルLr2とトランスTの1次巻線P1とを直列に接続して構成された直列回路と、トランスTの2次巻線S1、S2に接続され、2次巻線線S1、S2に発生する電圧を整流平滑して直流出力を取り出す整流平滑回路(ダイオードD1、D2、リアクトルLr3、コンデンサC3)と、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2とを可変デューティーで交互にオンオフさせ、直流出力を制御する第1制御回路11と、第3スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4とを50%デューティーで交互にオンオフさせる第2制御回路12と、スイッチング素子Q1のターンオンとスイッチング素子Q3のターンオンとを同期させると共に、スイッチング素子Q2のターンオフとスイッチング素子Q4のターンオフとを同期させる同期回路13とを備えている。
この構成により、大パワー出力で、リアクトルLr1の励磁エネルギーが大きくコンデンサC1の電圧を上昇させるようなエネルギーであっても、コンデンサC1に電荷(エネルギー)が溜まるだけでなく同時にトランスTを介して出力されるため、コンデンサC1の電圧が抑えられる。すなわち、コンデンサC1は平滑コンデンサとしての機能以外にクランプコンデンサとしての機能も併せ持つことになる。従って、コンデンサC1は入力の高低、負荷の軽重によってもほぼ一定の変動の小さい電圧になり、コンデンサC1を小型化することができ、数十nF〜数uFのものを用いることができると共に、スイッチング素子Q1〜Q4の低耐圧化を実現することができる。このため、変動の大きい直流電源を入力とする電源、大容量の電源に最適である。
さらに、第1の実施の形態において、共振リアクトルLr2はトランスTの漏れインダクタンスで構成されている。
さらに、第1の実施の形態において、第1制御回路11は、リアクトルLr2の放電エネルギーによってスイッチング素子Q1もしくはスイッチング素子Q2の端子間電圧を立ち下げるデッドタイムを設けてスイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2とを交互にオンオフさせ、第2制御回路12は、リアクトルLr2の放電エネルギーによってスイッチング素子Q3もしくはスイッチング素子Q4の端子間電圧を立ち下げるデッドタイムを設けてスイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4とを交互にオンオフさせる。
この構成により、スイッチング素子Q1〜Q4をゼロ電圧スイッチング(ZVS)動作させることができる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態のスイッチング電源装置は、図1に示す昇圧コンバータ(スイッチング素子Q1、Q2)と絶縁ハーフブリッジコンバータ(スイッチング素子Q3、Q4)とを図5に示す制御回路10aによって制御する。
制御回路10aは、図5を参照すると、第1制御回路11aと、第2制御回路12aと、同期回路13aと、誤差増幅器AMP1とで構成されている。第1制御回路11aは、コンパレータCMP1と、インバータINV1と、アンド回路AND1、AND2と、デッドタイム生成回路15aとで構成されている。第2制御回路12aは、コンパレータCMP1と、インバータINV2と、アンド回路AND3と、デッドタイム生成回路15bとで構成されている。同期回路13aは、発振器16aと、同期発振器16bと、D型のフリップフロップFF1、T型のフリップフロップFF2と、アンド回路AND4と、ナンド回路NAND1と、第1三角波発生器14aと、第2三角波発生器14bとで構成されている。なお、図5に示す制御回路10aの構成は、説明を簡単にするための回路構成であって、類似機能を以って実現しようとする場合も含まれる。
図6(a)は発振器16aの出力波形である。発振器16aは周波数fのパルスを出力する。発振器16aからのパルス出力は、フリップフロップFF1のCK端子と、フリップフロップFF1のT端子と、第2三角波発生器14bとに入力される。
図6(b)はフリップフロップFF1の出力Qの波形FF1outである。フリップフロップFF1の反転出力Qは、自身のD端子に入力され、フリップフロップFF1は発振器16aの立ち上りエッジにより1/2周波数の矩形波を生成する。フリップフロップFF1の出力Qは、アンド回路AND4と、ナンド回路NAND1との一方の入力端子にそれぞれ入力される。
図6(c)はフリップフロップFF2の出力Qの波形FF2outである。フリップフロップFF2は発振器16aの立下りエッジにより1/2周波数の矩形波を生成する。フリップフロップFF2の出力Qは、アンド回路AND4と、ナンド回路NAND1との他方の入力端子にそれぞれ入力されると共に、第2制御回路12aにおけるアンド回路AND3の一方の入力端子に入力される。
図6(d)はアンド回路AND4の出力AND4outである。発振器16aの出力はある程度のパルス幅を持っているため、フリップフロップFF1の出力Qの立ち上りエッジとフリップフロップFF2の出力Qの立下りエッジとの期間、またはFF1の出力Qの立下りエッジとFF2の出力Qの立ち上りエッジとの期間は、発振器16aのパルス幅と同じ幅を持っている。これによりアンド回路AND4の出力AND4outは発振器16aに同期しながらもf/2周波数の発振器となる。アンド回路AND4の出力AND4outは、同期発振器16bに入力される。
図6(e)はナンド回路NAND1の出力NAND1outである。ナンド回路NAND1の出力NAND1outは、アンド回路AND4の出力AND4outの反転した信号となる。ナンド回路NAND1の出力NAND1outは、第1制御回路11aにおけるアンド回路AND1とアンド回路AND2との一方の入力端子にそれぞれ入力される。
図6(f)はコンパレータCMP1の入力CMP1inであり、第1三角波発生器14aから出力される第1のこぎり波Tria1と、誤差増幅器AMP1からの誤差増幅信号EASとが入力される。第1のこぎり波Tria1は、アンド回路AND4の出力AND4outをトリガとして同期発振器16bと第1三角波発生器14aによって、電圧VbからVc(Vb<Vc)を振幅とする三角波(のこぎり波)として生成される。第1のこぎり波Tria1は、第1制御回路11aにおけるコンパレータCMP1の反転入力端子(−)に入力される。
図6(g)はコンパレータCMP1の入力CMP2inであり、第2三角波発生器14bから出力される第2のこぎり波Tria2と、誤差増幅器AMP1からの誤差増幅信号EASとが入力される。第2のこぎり波Tria2は、発振器16aの出力により電圧VaからVb(Va<Vb)を振幅とする三角波(のこぎり波)として生成される。第2のこぎり波Tria2は、第2制御回路12aにおけるコンパレータCMP2の反転入力端子(−)に入力される。なお、第1のこぎり波Tria1と、第2のこぎり波Tria2とは同期しており、第1のこぎり波Tria1の周期は、第2のこぎり波Tria2の2倍に設定される。
図6(h)はコンパレータCMP1の出力CMP1outである。誤差増幅器AMP1は、コンデンサC3からの出力電圧+Voと基準電圧Vref1との誤差電圧を増幅して、この誤差増幅信号EASを第1制御回路11aにおけるコンパレータCMP1の非反転入力端子(+)と、第2制御回路12aにおけるコンパレータCMP2の非反転入力端子(+)とに出力する。コンパレータCMP1は、第1のこぎり波Tria1と誤差増幅信号EASとを比較し、誤差増幅信号EASが第1のこぎり波Tria1よりも大きい時、出力CMP1outはHi電圧を出力する。コンパレータCMP1の出力CMP1outは、アンド回路AND1の他方の入力端子に入力されると共に、インバータINV1を介してアンド回路AND2の他方の入力端子に入力される。
図6(i)はコンパレータCMP2の出力CMP2outである。コンパレータCMP2は、第2のこぎり波Tria2と誤差増幅信号EASとを比較し、誤差増幅信号EASが第2のこぎり波Tria2よりも大きい時、出力CMP2outはHi電圧を出力する。コンパレータCMP2の出力CMP2outは、アンド回路AND3の他方の入力端子に入力されると共に、インバータINV1を介してデットタイム生成回路15bに入力される。
図6(j)はスイッチ素子Q1の制御信号Q1gである。制御信号Q1gは、ナンド回路NAND1の出力NAND1outとコンパレータCMP1の出力CMP1outとの論理積をデッドタイム生成器15aによって所定時間(td)遅延させて得られる。
図6(k)はスイッチ素子Q2の制御信号Q2gである。制御信号Q2gは、ナンド回路NAND1の出力NAND1outとインバータINV1の出力INV1outとの論理積をデッドタイム生成器15aによって所定時間(td)遅延させて得られる。
図6(l)はスイッチ素子Q3の制御信号Q3gである。制御信号Q3gは、コンパレータCMP2の出力CMP2outを反転させたインバータINV2の出力をデッドタイム生成器15bによって所定時間(td)遅延させて得られる。
図6(m)はスイッチ素子Q4の制御信号Q4gである。制御信号Q4gは、フリップフロップFF2の出力Q(波形FF2out)とコンパレータCMP2の出力CMP1outとの論理積をデッドタイム生成器15bによって所定時間(td)遅延させて得られる。これによって制御信号Q1gの立ち上りと制御信号Q3gの立ち上りとが同期すると共に、制御信号Q2gの立ち下りと制御信号Q4gの立ち下りとが同期する。
誤差増幅器AMP1から誤差増幅信号EASは、出力電圧+Voが大きくなるほど大きくなり、定常負荷時において、電圧VbからVcの間に位置するように設定されている。すなわち重負荷時において、誤差増幅信号EASは第1のこぎり波Tria1との比較で制御され、スイッチ素子Q1、Q2は、誤差増幅信号EASに応じてオン時間が調整され、スイッチ素子Q3、Q4はデューティー50%で動作する。
また、軽負荷時において、誤差増幅器AMP1から誤差増幅信号EASは小さくなり、誤差増幅信号EASが電圧VaからVbの間に存在することになる。これにより、制御信号Q1gはパルス幅を絞り切ってしまいオフするが、誤差増幅信号EASは第2のこぎり波Tria2との比較で制御され、スイッチ素子Q3、Q4は誤差増幅信号EASに応じてオン期間が調整され、絶縁ハーフブリッジコンバータは50%デューティー動作から可変デューティー制御に切り替わる。
入力電圧上昇時、出力垂下時あるいは起動時などには、出力を抑制する必要がある。この場合に、スイッチ素子Q1、Q2のオン時間を誤差増幅信号EASに応じて調整し、スイッチ素子Q3、Q4をデューティー50%で動作するのでは十分に出力を抑制することができない。すなわち、スイッチ素子Q1、Q2は昇圧チョッパとして動作するので、入力電圧以下には低下しない。このため十分に出力を抑制することができない。
第2の実施の形態では、出力を抑制する必要がある場合に、誤差増幅信号EASがVb以下に減少するように設定されている。すると、上述のように、スイッチ素子Q1はオフし、スイッチ素子Q3、Q4のオン時間が誤差増幅信号EASに応じて調整されるので、誤差増幅信号EASに応じて絶縁ハーフブリッジコンバータの出力を抑制することができる。このときスイッチ素子Q1はオフ、スイッチ素子Q2はほぼON状態であることから、第2の実施の形態のスイッチング電源装置は、図7に示す等価回路、すなわち、リアクトルLr1とコンデンサC1を入力の高周波フィルタとする絶縁ハーフブリッジコンバータになる。これによって、絶縁ハーフブリッジコンバータの可変デューティー制御時においても、スイッチ素子Q1、Q2のスイッチングによる昇圧動作時同様に入力電流は直流電流になる。なお、図7では、説明を簡易にするためにコンデンサCa〜Cdを図示していない。
このようにして第2の実施の形態では、差増幅信号EASが二つののこぎり波(第1のこぎり波Tria1、第2のこぎり波Tria2)を自在に行き来することにより、あらゆる入出力条件においても適切な動作を行うことが可能となる。
図8乃至図10は、第2の実施の形態の制御回路10aを用いた場合の図1に示す各部の信号波形及び動作波形を示したもので、(a)は制御信号Q1g、(b)は制御信号Q2g、(c)は制御信号Q3g、(d)は制御信号Q4g、(e)はスイッチング素子Q1を流れる電流Id1、(f)はスイッチング素子Q1のドレインソース間電圧Vds1、(g)はスイッチング素子Q2を流れる電流Id2、(h)はスイッチング素子Q2のドレインソース間電圧Vds2、(i)はスイッチング素子Q3を流れる電流Id3、(j)はスイッチング素子Q3のドレインソース間電圧Vds3、(k)はスイッチング素子Q4を流れる電流Id4、(l)はスイッチング素子Q4のドレインソース間電圧Vds4、(m)はダイオードD1を流れるそれぞれの電流Ia1、(n)はダイオードD2を流れるそれぞれの電流Ia2をそれぞれ示している。なお、図8乃至図10では、ダイオードDa〜Ddをスイッチング素子Q1〜Q4の寄生ダイオードとし、ダイオードDa〜Ddに流れる電流もスイッチング素子Q1〜Q4を流れる電流Id1〜Id4として示されている。
図8及び図9は、絶縁ハーフブリッジコンバータが50%デューティーで動作して、スイッチ素子Q1、Q2が可変デューティー制御をしている状態の各部の信号波形及び動作波形であり、図8は0%<スイッチ素子Q1のデューティー≦50%時を、図9は50%≦スイッチ素子Q1のデューティーをそれぞれ示している。また、図10は、スイッチ素子Q1のデューティー=0で、且つ絶縁ハーフブリッジコンバータが可変デューティー制御されている状態の各部の信号波形及び動作波形が示されている。以下、図8乃至図10の入出力特性をそれぞれ説明するのにあたり、図8及び図9におけるスイッチ素子Q1、Q2のデューティーサイクルをそれぞれD、1−Dとし、図10におけるスイッチ素子Q3、Q4のデューティーサイクルをそれぞれD’,1−D’とする。また、コンデンサC1、C2の電圧をそれぞれVc1、Vc2とし、トランスT1の1次巻線P1と2次側巻線S1、S2の巻数比をN:1:1、トランスT1の1次側の励磁インダクタンス成分をLp、入力電圧をVin、出力端子+Vo、−Voでの出力電圧をVoとする。ただし以降の解析において、制御信号Q1g、Q2gのデッドタイムtdと、制御信号Q3g、Q4gのデッドタイムtdと、スイッチ素子Q1〜Q4及びダイオードD1、D2の導通時の電圧降下とは非常に小さいものとして無視する。また、トランスT1の1次巻線P1に流れる電流は巻始めを示すドット表示に対して、ドット表示のない方からドット表示のある方へ流れる向きを、便宜上、正とする。
まず、図8の入出力特性について説明する。
絶縁ハーフブリッジコンバータは50%デューティー、昇圧コンバータは可変デューティー制御となっており、スイッチ素子Q1のデューティーは50%以下(D≦0.5)である。まず昇圧コンバータでは次式が成立つ。
Figure 0006554942
昇圧コンバータが安定して動作している場合、1周期間においてトランスT1のコアが励磁される量はリセットされる量と等しいから、インダクタンス成分Lpに流れる励磁電流の合計は1周期間でゼロになる。すなわち、励磁電流の総和は次式で与えられる。
Figure 0006554942
[数1]、[数2]から次式が導かれる。
Figure 0006554942
トランスT1の1次巻線P1に掛る電圧は1/N倍されて2次側巻線S1、S2に出力される。ここで出力端子+Vo,−Voでの出力電圧VoはトランスT1の2次巻線S1、S2の電圧を1周期TにわたってリアクトルLr3、コンデンサC3で構成される出力フィルタで平均化されたものであるから、次式が成り立つ。
Figure 0006554942
[数1]、[数3]、[数4]からD≦0.5での入出力特性を示す次式が導かれる。
Figure 0006554942
トランスT1の2次巻線S1、S2の電圧を個々に求める。t1、t2期間では2時巻線S2から出力され、t3期間では二次巻線S1から出力される。各期間での2次巻線電圧は、[数1]、[数2]、巻数比Nから次式が導かれる。
Figure 0006554942
ここでt3期間は上述したようにS1から出力されており、S1電圧が[数5]に等しいことを示している。トランス出力と出力端子+Vo、−Vo間電圧Voが等しいことから、t3期間中は定電流出力であると言える。T3期間は50%デューティーであり、すなわち半周期は定電流出力であり、出力電流リプルは低減される。これは図8(m)に示すダイオードD1の電流Ia1が台形状の波形になっており、上辺の傾きが無いことで示されている。
次に、図9の入出力特性について説明する。
絶縁ハーフブリッジコンバータは50%デューティー、昇圧コンバータ部は可変デューティー制御となっており、スイッチ素子Q1デューティーは50%以上(D≧0.5)である。昇圧コンバータは[数1]と同じである。このとき、トランスT1の励磁電流の1周期間での総和は次式で与えられる。
Figure 0006554942
[数1]、[数7]から次式が導かれる。
Figure 0006554942
出力端子+Vo,−Voでの出力電圧Voは、次式が成り立つ。
Figure 0006554942
[数1]、[数8]、[数9]からD≧0.5での入出力特性を示す次式が導かれる。
Figure 0006554942
トランスT1の2次巻線S1、S2の電圧を個々に求める。t1期間では2次巻線S2から出力され、t2、t3期間では2次巻線S1から出力される。各期間での2次巻線電圧は、[数1]、[数8]、巻数比Nから次式が導かれる。
Figure 0006554942
ここでt1期間は上述したように2次巻線S2から出力されており、2次巻線S2の電圧が[数10]に等しいことを示している。トランスTの出力と出力端子+Vo、−Vo間電圧Voとが等しいことから、t1期間中は定電流出力であると言える。t1期間は50%デューティーであり、すなわち半周期は定電流出力であり、出力電流リプルは低減される。これは図9(n)に示すようにダイオードD2を流れる電流Ia2が台形状の波形になっており、上辺の傾きが無いことで示されている。
以上のように、スイッチ素子Q1のデューティーサイクルDが<D≦0.5においては、後半50%デューティーであるt3期間が定電流出力となり、スイッチ素子Q1のデューティーサイクルDが0.5≦Dにおいては、同様に前半50%デューティー期間であるt1期間が定電流動作となる。このように必ず半周期は定電流出力となり、出力電流リプルを低減することができるという効果を得る。さらにはD=0.5、すなわちすべてのスイッチがデューティー50%動作すれば、t2期間はなくなりt1、t3期間しか存在せず、D=0.5として[数5]、[数6]、[数10]、[数11]は全て等しく次式になる。すなわち、1周期全区間においてトランスT1の2次巻線S1、S2の電圧と出力端子+Vo.−Vo間の出力電圧Voとが等しくなる定電流出力となり、リプル電流はゼロになる。
Figure 0006554942
すなわちD=0.5近傍においては、リプル電流は完全にキャンセル、あるいは非常に小さいものとなる。ここで、デューティーDと入出力ゲインVo/Vin特性は、簡単のため巻数比N=1とすると、[数5]、[数10]から図11に示すグラフになる。図11に示すデューティーDと入出力ゲインVo/Vin特性によると、D=0のとき入出力ゲインVo/Vin=0.5になっており、スイッチ素子Q1のデューティーをゼロに絞り切っても出力をゼロにできず、抑えきれないことを証明している。このときの入出力の関係は[数5]にD=0を代入することで次式を得る。
Figure 0006554942
第2の実施の形態の制御回路10aでは、スイッチ素子Q1のデューティー=0で、且つ絶縁ハーフブリッジコンバータが可変デューティー制御することで、出力を抑制することができる。すなわち、すなわち図10に示すように、絶縁ハーフブリッジコンバータのスイッチ素子Q4を可変デューティー制御し、スイッチ素子Q3をその反転同期スイッチングさせる。
図10の入出力特性について説明する。
トランスT1に流れる電流の向きは、コンバータが安定して動作している場合、1周期間においてトランスT1のコアが励磁される量はリセットされる量と等しいから、インダクタンス成分Lpに流れる励磁電流の合計は1周期間でゼロになる。そこで、励磁電流の総和は次式で与えられる。
Figure 0006554942
[数14]から次式が導かれる。
Figure 0006554942
出力端子+Vo、−Voでの出力電圧Voは、次式が成り立つ。
Figure 0006554942
[数15]、[数16]から絶縁ハーフブリッジコンバータの入出力特性を示す次式が導かれる。
Figure 0006554942
[数17]にD’=0.5を代入したものは次式となり、[数5]にD=0を代入した[数13]と同じ式になる。
Figure 0006554942
絶縁ハーフブリッジコンバータを50%デューティー、昇圧コンバータを可変デューティー制御したものと、絶縁ハーフブリッジコンバータを可変デューティー制御したものは、[数18]の入出力関係にある時に、動作が切り替わることが証明される。デューティーD’と入出力ゲインVo/Vin特性は、簡単のため巻数比N=1とすると、[数17]から図12に示すグラフとになる。図12に示すに示すデューティーD’と入出力ゲインVo/Vin特性によると、スイッチ素子Q3のデューティーをゼロに絞ると出力をゼロになり、これによって入力電流上昇時、あるいは出力垂下時などで出力を抑えることができるようになる。注意しなければいけないのは、[数17]はデューティーD’の2次方程式となっており、デューティーD’は二つの解を得ることができるが、絶縁ハーフブリッジとしてデューティーD’は最大0.5であるから、次の解を得ることができる。
Figure 0006554942
以上説明したように、第2の実施の形態は、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2とを直列に接続して構成された第1アームと、一方端が直流入力端子(直流電源Vin)に接続され、他方端が第1アームの中点に接続されたリアクトルLr1と、第1アームに並列に接続されたコンデンサC1と、第1アームに並列に接続され、スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4とを直列に接続して構成された第2アームと、第1アームの中点と第2アームの中点との間に接続され、コンデンサC2とリアクトルLr2とトランスTの1次巻線P1とを直列に接続して構成された直列回路と、トランスTの2次巻線S1、S2に接続され、2次巻線線S1、S2に発生する電圧を整流平滑して直流出力を取り出す整流平滑回路(ダイオードD1、D2、リアクトルLr3、コンデンサC3)と、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2とを交互にオンオフ制御する第1制御回路11aと、前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子とを交互にオンオフを制御する第2制御回路12aとを具備し、定常負荷時に、第1制御回路11aは、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2とを可変デューティーで交互にオンオフさせると共に、第2制御回路12aは、第3スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4とを50%デューティーで交互にオンオフさせ、軽負荷時に、第1制御回路11aは、第1スイッチング素子Q1をゼロデューティーに制御すると共に、第2制御回路12aは、第3スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4とを可変デューティーで交互にオンオフさせる。
この構成により、スイッチ素子Q1はオフし、スイッチ素子Q3、Q4のオン時間が誤差増幅信号EASに応じて調整されるので、誤差増幅信号EASに応じて絶縁ハーフブリッジコンバータの出力を抑制することができる。また、絶縁ハーフブリッジコンバータの可変デューティー制御時においても、スイッチ素子Q1、Q2のスイッチングによる昇圧動作時同様に入力電流は直流電流になる。
さらに、第2の実施の形態において、スイッチング素子Q1のターンオンとスイッチング素子Q3のターンオンとを同期させると共に、スイッチング素子Q2のターンオフとスイッチング素子Q4のターンオフとを同期させる同期回路13aを備えている。
この構成により、大パワー出力で、リアクトルLr1の励磁エネルギーが大きくコンデンサC1の電圧を上昇させるようなエネルギーであっても、コンデンサC1に電荷(エネルギー)が溜まるだけでなく同時にトランスTを介して出力されるため、コンデンサC1の電圧が抑えられる。
さらに、第2の実施の形態において、直流出力と所定の基準電圧Vref1を比較して得られる誤差増幅信号EASを発生する誤差増幅器AMP1と、VbからVc(Vb<Vc)まで変動する第1のこぎり波Tria1を生成する第1三角波発生器14aと、VaからVb(Va<Vb)まで変動する、第1のこぎり波Tria1の2倍の周波数を有し、立下りが同期した第2のこぎり波Tria2を生成する第2三角波発生器14bとを備え、定常負荷時に、第1制御回路11aは、誤差増幅信号EASと第1のこぎり波Tria1とを比較することで、第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2とを可変デューティーで交互にオンオフさせ、軽負荷時に、第2制御回路12aは、誤差増幅信号EASと第2のこぎり波Tria2とを比較することで、第3スイッチング素子Q3と第4スイッチング素子Q4とを可変デューティーで交互にオンオフさせる。
この構成により、差増幅信号EASが二つののこぎり波(第1のこぎり波Tria1、第2のこぎり波Tria2)を自在に行き来することにより、あらゆる入出力条件においても適切な動作を行うことが可能となる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態のスイッチング電源装置は、図1に示す昇圧コンバータ(スイッチング素子Q1、Q2)と絶縁ハーフブリッジコンバータ(スイッチング素子Q3、Q4)とを図13に示す制御回路10bによって制御する。制御回路10bは、図13を参照すると、第1制御回路11bと、第2制御回路12bと、同期回路13aと、誤差増幅器AMP1と、誤差増幅器AMP2とで構成されている。
第1制御回路11bには、第2の実施の形態の第1制御回路11aに加えて、コンパレータCMP3と、アンド回路AND5とが設けられている。コンパレータCMP3の反転入力端子(−)には第1三角波発生器14aから出力される第1のこぎり波Tria1が入力される。また、Vc(第1のこぎり波Tria1の最大電圧)よりも大きい基準電圧Vref2と接地端子との間には、抵抗R4とコンデンサC4とが直列に接続されており、抵抗R4とコンデンサC4との接続点の電圧がソフトスタート信号SSとしてコンパレータCMP3の非反転入力端子(−)に入力される。コンパレータCMP1の出力CMP1outと、コンパレータCMP3の出力CMP3outとがアンド回路AND5のそれぞれの入力端子に入力され、アンド回路AND5の出力がアンド回路AND1の他方の入力端子に入力されると共に、インバータINV1を介してアンド回路AND2の他方の入力端子に入力される。
また、第2制御回路12bには、第2の実施の形態の第2制御回路12aに加えて、コンパレータCMP4と、アンド回路AND6とが設けられている。コンパレータCMP4の反転入力端子(−)には第2三角波発生器14bから出力される第2のこぎり波Tria2が入力される。また、Vc(第1のこぎり波Tria1の最大電圧)よりも大きい基準電圧Vref2と雪駄端子との間には、抵抗R4とコンデンサC4とが直列に接続されており、抵抗R4とコンデンサC4との接続点の電圧がソフトスタート信号SSとしてコンパレータCMP4の非反転入力端子(−)に入力される。コンパレータCMP2の出力CMP2outと、コンパレータCMP4の出力CMP4outとがアンド回路AND6のそれぞれの入力端子に入力され、アンド回路AND6の出力がアンド回路AND3の他方の入力端子に入力されると共に、インバータINV1を介してデットタイム生成回路15bに入力される。
この構成により、起動時には、基準電圧Vref2によってコンデンサC4が開始され、コンパレータCMP3では、0Vから徐々に上昇するソフトスタート信号SSと第1のこぎり波Tria1とが、コンパレータCMP4では、0Vから徐々に上昇するソフトスタート信号SSと第2のこぎり波Tria2とがそれぞれ比較される。従って、ソフトスタート信号SS<Vbの場合、スイッチ素子Q1のデューティー=0で、且つ絶縁ハーフブリッジコンバータがソフトスタート信号SSもしくは誤差増幅信号EASの小さい方の値に応じて可変デューティー制御される。Vb≦ソフトスタート信号SS≦Vcで、誤差増幅信号EAS<Vbの場合、スイッチ素子Q1のデューティー=0で、且つ絶縁ハーフブリッジコンバータが誤差増幅信号EASに応じて可変デューティー制御される。Vb≦ソフトスタート信号SS≦Vcで、Vb≦誤差増幅信号EAS≦Vcの場合、絶縁ハーフブリッジコンバータが50%デューティーで動作して、スイッチ素子Q1、Q2がソフトスタート信号SSもしくは誤差増幅信号EASの小さい方の値に応じて可変デューティー制御される。
このように、第1制御回路11bのコンパレータCMP3及びアンド回路AND5と、第2制御回路12bのコンパレータCMP4及びアンド回路AND6とは、起動時に、ソフトスタート信号SSに応じて前記誤差信号を調整する調整回路として機能する。
誤差増幅器AMP2は、過負荷検出用に設けられている。誤差増幅器AMP2は、出力電流(スイッチ素子Q1〜Q4のドレイン電流でも良く、スイッチ素子Q4のドレイン電流が好適)に比例した電圧と基準電圧Vre3との誤差電圧を増幅して、この誤差増幅信号EASを第1制御回路11aにおけるコンパレータCMP1の非反転入力端子(+)と、第2制御回路12aにおけるコンパレータCMP2の非反転入力端子(+)とに出力する。なお、誤差増幅器AMP1と誤差増幅器AMP2との出力端子は、それぞれ逆流防止ダイオードと抵抗R5とを介して基準電圧Vreに接続されている。これにより、負荷時には、2次巻線線S1、S2に発生する電圧を整流平滑して直流出力から出力される電流に応じて誤差増幅信号EASを低下させ、出力を抑制することができる。すなわち、誤差増幅器AMP2は、過負荷時に、直流出力から出力される電流に応じて誤差増幅信号EASを低下させる信号低下回路として機能する。
以上説明したように、第3の実施の形態は、過負荷時に、直流出力から出力される電流に応じて誤差増幅信号EASを低下させる信号低下回路(誤差増幅器AMP2)を備えている。
この構成により、過負荷時に、誤差増幅信号EASに応じて絶縁ハーフブリッジコンバータの出力を抑制することができる。
さらに、第3の実施の形態において、起動時に、ソフトスタート信号SSに応じて誤差増幅信号EASを調整する調整回路(第1制御回路11bのコンパレータCMP3及びアンド回路AND5と、第2制御回路12bのコンパレータCMP4及びアンド回路AND6)を備えている。
この構成により、起動時に、誤差増幅信号EASに応じて絶縁ハーフブリッジコンバータの出力を抑制することができる。
以上の実施の形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成の組成(材質)等については例示にすぎない。従って本発明は、説明された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
AND1〜AND6 アンド回路
AMP1、AMP2 誤差増幅器
BUF1、BUF2 バッファ回路
C1〜C4 コンデンサ
Ca〜Cd コンデンサ
CMP1〜CMP4 コンパレータ
D1〜D4 ダイオード
Da〜Dd ダイオード
FF1、FF2 フリップフロップ
INV1、INV2 インバータ
NAND1 ナンド回路
Lr1、Lr2、Lr3 リアクトル
P1 一次巻線
Q1〜Q4 スイッチング素子
R1〜R5 抵抗
S1、S2 二次巻線
T トランス
Vin 直流電源
1 スイッチング電源装置
10、10a 制御回路
11、11a、11b 第1制御回路
12、12a、12b 第2制御回路
13、13a 同期回路
14 三角波発生器
14a 第1三角波発生器
14b 第2三角波発生器
15a、15b デッドタイム生成回路
16a 発振器
16b 同期発振器

Claims (4)

  1. 第1スイッチング素子と第2スイッチング素子とを直列に接続して構成された第1アームと、
    一方端が直流入力端子に接続され、他方端が前記第1アームの中点に接続されたリアクトルと、
    前記第1アームに並列に接続された平滑コンデンサと、
    前記第1アームに並列に接続され、第3スイッチング素子と第4スイッチング素子とを直列に接続して構成された第2アームと、
    前記第1アームの中点と前記第2アームの中点との間に接続され、共振コンデンサと共振リアクトルとトランスの1次巻線とを直列に接続して構成された直列回路と、
    前記トランスの2次巻線に接続され、前記2次巻線に発生する電圧を整流平滑して直流出力を取り出す整流平滑回路と、
    前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子とを交互にオンオフ制御する第1制御回路と、
    前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子とを交互にオンオフを制御する第2制御回路と、
    前記直流出力と所定の基準電圧を比較して得られる誤差信号を発生する誤差増幅器と、
    第2電圧から当該第2電圧よりも大きい第3電圧まで変動する第1のこぎり波を生成する第1三角波発生器と、
    前記第2電圧よりも小さい第1電圧から前記第2電圧まで変動する、前記第1のこぎり波の数倍の周波数を有し、立下りが同期した第2のこぎり波を生成する第2三角波発生器とを具備し、
    定常負荷時に、前記第1制御回路は、前記誤差信号と前記第1のこぎり波とを比較することで、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子とを可変デューティーで交互にオンオフさせると共に、前記第2制御回路は、前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子とを50%デューティーで交互にオンオフさせ、
    軽負荷時に、前記第1制御回路は、前記第1スイッチング素子をゼロデューティーに制御すると共に、前記第2制御回路は、前記誤差信号と前記第2のこぎり波とを比較することで、前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子とを可変デューティーで交互にオンオフさせることを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 定常負荷時に、前記第1スイッチング素子のターンオンと前記第3スイッチング素子のターンオンとを同期させると共に、前記第2スイッチング素子のターンオフと前記第4スイッチング素子のターンオフとを同期させる同期回路とを具備することを特徴とする請求項記載のスイッチング電源装置。
  3. 過負荷時に、前記直流出力から出力される電流に応じて前記誤差信号を低下させる信号低下回路を具備することを特徴とする請求項1又は2記載のスイッチング電源装置。
  4. 起動時に、ソフトスタート信号に応じて前記誤差信号を調整する調整回路を具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスイッチング電源装置。
JP2015131521A 2014-09-24 2015-06-30 スイッチング電源装置 Expired - Fee Related JP6554942B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014193589 2014-09-24
JP2014193589 2014-09-24

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016067194A JP2016067194A (ja) 2016-04-28
JP6554942B2 true JP6554942B2 (ja) 2019-08-07

Family

ID=55805991

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015131521A Expired - Fee Related JP6554942B2 (ja) 2014-09-24 2015-06-30 スイッチング電源装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6554942B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11095201B2 (en) 2018-01-23 2021-08-17 Shindengen Electric Manufacturing Co., Ltd. Drive device and method for controlling drive device
JP6879436B2 (ja) * 2018-10-04 2021-06-02 三菱電機株式会社 電源装置および磁気共鳴イメージング装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3370522B2 (ja) * 1996-08-21 2003-01-27 オリジン電気株式会社 昇圧型ブリッジインバータ回路及びその制御方法
JP2007221892A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Honda Motor Co Ltd 電力変換装置
JP4239111B2 (ja) * 2007-06-14 2009-03-18 サンケン電気株式会社 Ac−dcコンバータ
JP5914989B2 (ja) * 2011-05-30 2016-05-11 サンケン電気株式会社 スイッチング電源装置
JP5594322B2 (ja) * 2012-06-14 2014-09-24 株式会社村田製作所 スイッチング電源装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016067194A (ja) 2016-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6528561B2 (ja) 高効率力率改善回路およびスイッチング電源装置
JP5722959B2 (ja) スイッチング電力変換器用のハイブリッド適応力率補正方式
US9318960B2 (en) High efficiency and low loss AC-DC power supply circuit and control method
JP5914989B2 (ja) スイッチング電源装置
WO2014034530A1 (ja) スイッチング電源装置
JP5170241B2 (ja) 絶縁型スイッチング電源装置
JP6070189B2 (ja) スイッチング電源装置
JP2006067730A (ja) 力率改善回路
KR101739552B1 (ko) 홀드-업 타임 확장 회로 및 이를 포함하는 컨버터
CN103326580B (zh) 直流-直流转换器、电力变换器及其控制方法
JP2009148111A (ja) Dc−dcコンバータ
JP2011019371A (ja) Dc−dcコンバータ
JP6012822B1 (ja) 電力変換装置
TWI505611B (zh) 控制變壓器之控制器、電源轉換器及其負載驅動電路
JP2004201373A (ja) スイッチング電源回路
JP2013236428A (ja) 直流変換装置
JP2005287249A (ja) スイッチング電源装置
JP6554942B2 (ja) スイッチング電源装置
JP6452231B2 (ja) スイッチング電源装置
KR100966965B1 (ko) 다중출력 직류/직류 컨버터
JP6379877B2 (ja) 高効率力率改善回路およびスイッチング電源装置
JP5012905B2 (ja) 絶縁型dc−dcコンバータ
JP4148769B2 (ja) 制御回路
JP2001309646A (ja) スイッチング電源装置
JP4649729B2 (ja) 電源装置及び放電灯点灯装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190121

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190417

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20190510

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190611

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190624

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6554942

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees