JP6552813B2 - 移動体に搭乗している生体の評価システム及び評価方法 - Google Patents

移動体に搭乗している生体の評価システム及び評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、移動体に搭乗している生体の評価システム及び評価方法に関し、特に、自動車等の車両、列車、航空機、飛行船、船舶等の移動体に搭乗している運転者や同乗者の生体の反応や挙動を評価するための評価システム及び評価方法に関する。
近年、自動車等の分野においては、自動運転システムやAHS(Advanced cruise-assist Highway Systems)のような高速道路を中心とした安全運転の走行支援システム等の開発が進んでいる。
このようなシステムの開発では、運転者の運転特性のモデル化が重要となる。なぜなら自動運転操作が実際の運転手における一般的な運転操作と著しく異なると、運転手は異常反応を示しストレスが蓄積され、システムとして有効に機能しなくなるだけでなく危険事象を引き起こす可能性がある。
そのため、運転者への受容性の高いシステムを構築するためには、運転技能の判定、運転特徴の分析等のような運転者や同乗者の生体の反応や挙動を正確に評価する必要がある。
運転者の挙動等を評価する場合、運転者の運転操作データに着目して、運転者の運転特性を分析する方法が一般的である。例えば、Zhangらは、ダブルレーンチェンジの走行実験データにおいて、熟練者と未熟練者の運転周波数特徴差を活用して、操舵データの離散フーリエ変化における係数を用いて候補特徴量を作り、ニューラルネットワークやサポートベクターマシンなどの機械学習手法によって運転者スキルの判別モデルを学習する方法を提案した。このような研究は運転操作データだけを対象として運転者の運転特性を解析し、多くの有意な結果を得ている。
しかしながら、上記の方法では、操作データだけに着目して解析を行っているため、解析結果に対して生理学的な立場からの解釈には至っていない。運転行動は運転者の「認知」と「判断」及び「操作」により成り立ち、「認知」と「判断」は全て運転者の脳で行われる活動である。つまり、運転操作が行われる前に脳の活動が発生していると考えられる。
例えば、前方にカーブがある場合、運転者はカーブの存在を認知し、先のカーブに対して運転行動に関する計画を立て、実際に操舵する前に操舵開始の指令を行うといった複雑な過程を行う。この過程を解明するためには、脳活動の計測が不可欠である。
従来、車両内にいる運転者や同乗者の脳活動や筋活動等の生体機能を計測する場合、既存の車両にfNIRS(functional near-infrared spectroscopy:機能的近赤外線スペクトロスコピィ)装置、脳波計装置、筋電図計測装置等を搭載して、計測実験を行っていた(以下、従来例1という)。
また、特許文献1には、車両の運転者の脳活動(脳磁図、脳波等)を測定する測定手段と、運転者の身体状態を判定するための参考データを記憶する記憶手段と、検知手段により計測された計測データと記憶手段により記憶された参考データとから運転者の身体状態を判定する演算手段とを有し、演算手段により判定された運転者の身体状態に応じて、身体状態を賦活する賦活装置を有する車両内生体状態監視及び制御システムが提案されている(以下、従来例2という)。
特開2008−6007号公報
従来例1及び従来例2では、時系列で計測されたデータに基づいて運転者や同乗者の生体の挙動等を評価していたので、例えば運転手毎に車両速度が異なるような場合、生体の挙動等を正確に評価することは困難であるという課題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、位置情報、運転情報及び脳活動情報のデータ間の同期を、位置を基準として行うことにより、生体の反応や挙動を正確に評価することが可能な移動体に搭乗している生体の評価システム及び評価方法を提供することを目的とする。
本発明は、移動体に搭乗している生体の評価システムであって、
前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記移動体の運転情報を取得する運転情報取得手段と、
前記移動体に搭乗している前記生体の脳活動情報を計測する脳活動情報計測手段と、
前記移動体の移動に応じてトリガ情報を取得するトリガ情報取得手段と、
前記トリガ情報取得手段によって取得されたトリガ情報を基準にして、前記位置情報、前記運転情報及び前記脳活動情報を同期させ、前記生体の反応や挙動を評価するために前記移動体の位置に対する前記運転情報及び/又は前記脳活動情報の変化を表示部に表示させるデータ処理手段と、
を有することを特徴とするものである。
前記位置情報取得手段によって取得される前記移動体の位置情報は、GPS情報であってもよい。
運転情報取得手段によって取得される前記移動体の運転情報は、前記移動体に搭載された車載LANから得られる情報であってもよい。
脳活動情報計測手段によって計測される前記脳活動情報は、近赤外分光法により得られる情報であってもよい。
前記トリガ情報取得手段によって取得されるトリガ情報は、前記移動体に取り付けられたレーザ変位計によって得られる情報であってもよい。
前記移動体に搭乗している前記生体の生体情報を計測する生体情報計測手段をさらに有し、
前記データ処理手段は、前記トリガ情報を基準にして、前記生体情報を同期させ、前記生体の反応や挙動を評価するために前記移動体の位置に対する前記生体情報の変化を表示部に表示させてもよい。
本発明の移動体に搭乗している生体の評価方法は、
前記移動体の位置情報を取得し、前記移動体の運転情報を取得し、前記移動体に搭乗している前記生体の脳活動情報を計測し、前記移動体の移動に応じてトリガ情報を取得する工程と、
取得された前記トリガ情報を基準にして、前記位置情報、前記運転情報及び前記脳活動情報を同期させ、前記生体の反応や挙動を評価するために前記移動体の位置に対する前記運転情報及び/又は前記脳活動情報の変化を表示部に表示させる工程と、
を有することを特徴とするものである。
本発明に係る生体の評価システム及び評価方法によれば、位置情報、運転情報及び脳活動情報のデータ間の同期を「時間」ではなく、「位置(距離)」を基準として行うことにより、これまで不可能であったデータの解析が可能となり、生体の反応や挙動を正確に評価することが可能となる。その結果、移動体の自動運転システムや走行支援システム等のシステム開発に役立つ。
(a)は本発明の実施形態例に係る生体の評価システムを備えた移動体を概略的に示す説明図、(b)は本発明の実施形態例に係る生体の評価システムの構成を示すブロック図である、 本発明の実施形態例に係る生体の評価方法を説明するためのフローチャートである。 同期前の脳活動情報のデータを示すグラフであり、横軸が時間(s)、縦軸がチャンネル1の脳部位における酸化型ヘモグロビン濃度を示し、(a)はA氏の酸化型ヘモグロビン濃度の変化、(b)はB氏の酸化型ヘモグロビン濃度の変化を示す。 同期前の運転情報である操舵のデータを示すグラフであり、横軸が時間(s)、縦軸がハンドルの操舵角度を示し、(a)はA氏の操舵角度の変化、(b)はB氏の操舵角度の変化を示す。 同期前の運転情報である速度のデータを示すグラフであり、横軸が時間(s)、縦軸が速度を示し、(a)はA氏の速度の変化、(b)はB氏の速度の変化を示す。 GPS情報による走行軌跡を示すグラフであり、横軸がX軸[m]、縦軸がY軸[m]であり、(a)はA氏の走行軌跡の変化、(b)はB氏の走行軌跡の変化を示す。 同期後のレーザ変位計の値を示すグラフであり、(a)はA氏のCANアナライザとfNIRSのレーザ変位計の値(同期後)を示し、(b)はB氏のCANアナライザとfNIRSのレーザ変位計の値(同期後)を示している。 同期後の脳活動情報のデータを示すグラフであり、横軸が距離(m)、縦軸がチャンネル1の脳部位における酸化型ヘモグロビン濃度を示し、(a)はA氏の酸化型ヘモグロビン濃度の変化、(b)はB氏の酸化型ヘモグロビン濃度の変化を示す。 同期後の運転情報である操舵のデータを示すグラフであり、横軸が距離(m)、縦軸がハンドルの操舵角度を示し、(a)はA氏の操舵角度の変化、(b)はB氏の操舵角度の変化を示す。 同期後の運転情報である速度のデータを示すグラフであり、横軸が距離(m)、縦軸が速度を示し、(a)はA氏の速度の変化、(b)はB氏の速度の変化を示す。 本発明者らが車両を用いて実験を行ったテストコースを示す概略図である。 横軸が距離(m)、縦軸が操舵角度(°)であり、D1氏とD2氏の操舵角度の変化を示すグラフである。 横軸が距離(m)、縦軸が車両速度(km/h)であり、D1氏とD2氏の車両速度の変化を示すグラフである。 横軸が距離(m)、縦軸が道路縦断勾配(m)であり、道路縦断勾配の変化を示すグラフである。 横軸が距離(m)、縦軸が頭頂葉BA(Brodmann’s Area)7(37チャンネル)の脳の部位における△COE(酸素交換量)であり、D1氏とD2氏の△COEの変化を示すグラフである。 横軸が距離(m)、縦軸が脳全体における△COEの変化を色分け表示したグラフであり、(a)はD1氏の△COEの変化、(b)はD2氏の△COEの変化を示す。 図12のグラフ、図15のグラフ及び図14のグラフを並べたものである。 図12のグラフと図16のグラフを並べたものである。 図13のグラフと図16のグラフを並べたものである。
以下、本発明の実施の形態について説明する、図1(a)は本発明の実施形態例に係る生体の評価システムを備えた移動体を概略的に示す説明図、(b)は本発明の実施形態例に係る生体の評価システムの構成を示すブロック図である、
図1(a)及び(b)に示すように、本発明の実施形態例に係る生体の評価システムSは、自動車等の車両、列車、航空機、飛行船、船舶等の移動体Mに搭乗している運転者や同乗者の生体Hの反応や挙動を評価するためのものであり、移動体Mの位置情報を取得する位置情報取得部1と、移動体Mの運転情報を取得する運転情報取得部2と、移動体Mに搭乗している生体Hの脳活動情報を計測する脳活動情報計測部3と、移動体Mの移動に応じてトリガ情報を取得するトリガ情報取得部4と、各種データの表やグラフ等を表示するモニタ、ディスプレイ等の表示部5と、トリガ情報取得部4によって取得されたトリガ情報を基準にして、位置情報、運転情報及び脳活動情報を同期させ、生体Hの反応や挙動を評価するために移動体Mの位置に対する運転情報及び/又は脳活動情報の変化を表示部に表示させるデータ処理部6とを有する。
なお、生体の評価システムSは又、移動体Mに搭乗している生体Hの生体情報(呼吸、筋電位、心拍等)を計測する生体情報計測部7を有してもよい。データ処理部6は、トリガ情報を基準にして、生体情報を同期させ、生体の反応や挙動を評価するために移動体Mの位置に対する生体情報の変化を表示部5に表示させる。
位置情報取得部1によって取得される移動体Mの位置情報は、例えば移動体Mに搭載されたGPS(Global Positioning System)受信機から得られるGPS情報(XYZの三次元の位置情報や速度情報等)である。
GPS情報は、主に平面情報(XY情報)と高度情報(Z情報)に関する情報がある。平面情報(XY情報)については、この情報をもとに走行位置を算出し、横軸距離・縦軸脳活動のグラフが全て対応している。具体的には道路線形の平面情報(XY情報)と走行時の平面情報(XY情報)とを比較して、走行位置合わせを行っている。
また、平面情報(XY情報)だけでなく高度情報(Z情報)を合わせて脳活動を比較したい場合には、横軸距離・縦軸脳活動のグラフと横軸距離・縦軸道路高度のグラフから解析することが可能となる。
運転情報取得部2によって取得される移動体Mの運転情報は、例えば移動体Mに搭載されたCAN(Controller Area Network)等の車載LANから得られる情報(ハンドルの操舵角度、アクセルストローク量、ブレーキストローク量等)である。
脳活動情報計測部3は、生体Hの頭部に装着され、生体Hの脳の所定部位(例えば脳の前頭葉)に光を照射する発光部(発光素子)と、生体内から出射する光を受光し検知する受光部(受光素子)とを備えた検知部3aと、検知部3aによって検知された光情報に基いて、酸化型ヘモグロビン濃度の変化量及び還元型ヘモグロビン濃度の変化量、それらの和である総ヘモグロビン濃度の変化量、酸化型ヘモグロビン濃度の変化量と還元型ヘモグロビン濃度の変化量の差である酸素交換変化量等の脳活動情報を算出する算出部3bとを有する。
トリガ情報取得部4によって取得されるトリガ情報は、例えば移動体Mに取り付けられたレーザ変位計によって得られる(測定距離)情報である。
トリガ情報は、計測されたデータの位置に対する基準となる情報である。そのため設定した「基準」を検出できる方法であれば、全てトリガ情報となりえる。例えば、路面上にトリガとなる突起物などを設置した場合は上下加速度を計測できるGセンサがトリガ取得手段となり、着色を行うなどしたターゲットを道路測方に配置して画像センサでそれを検出することもトリガ情報取得手段となる。
本発明者らが行った車両を用いた実験では、明確な突起物を設置すると、段差の乗り越え時の衝撃による影響が大きいことと、この影響を吸収するだけの走行距離を設けることも難しいため、微小な段差を設定し、この段差をトリガとして検出可能なレーザ変位計を利用した。このレーザ変位計も計測可能距離が数十cmであるため、道路面直下を検出したが、計測可能距離が数mであれば、測方に立体物を設置し、段差ではなくこの立体物をトリガとして検出してもよい。
データ処理部6は、例えばCANアナライザ等の測定器が用いられ、トリガ情報を基準にして同期をとり、生体の反応や挙動を評価するために移動体の位置に対する運転情報及び/又は脳活動情報の変化を示すグラフや表を表示部5に表示させる。
ただ、例えば、GPSの計測間隔(サンプリング時間)が100msecで、あるセンサのサンプリング時間が1secの時では、まず、レーザ変位計の計測値からトリガ位置に対するGPSとセンサAの同期を行い、次に、トリガ以降の同期については、GPSとセンサの各サンプリング時間を利用して同期を行う。100msecと1secではサンプル時間の不整合によりデータ欠落が生じるので、その部分についてはフィルタリング処理を行う。
図2は、本発明の実施形態例に係る生体Hの評価方法を説明するためのフローチャートである。
まず、移動体Mの位置情報・移動体Mの運転情報を取得し、移動体Mに搭乗している生体Hの脳活動情報を計測し、移動体Mの移動に応じてトリガ情報を取得する(ステップS1)。
次いで、位置情報、運転情報及び脳活動情報の各データのサンプリングタイムが異なるので、同じになるようにリサンプリンク処理を行う(ステップS2)。
次いで、トリガ情報を基準にして同期をとる(ステップS3)。
その後、生体Hの反応や挙動を評価するために移動体Mの位置に対する運転情報及び/又は脳活動情報の変化を示すグラフや表を表示部5に表示させる(ステップS4)。
本発明の実施形態例に係る生体Hの評価システムS及び評価方法によれば、位置情報、運転情報及び脳活動情報のデータ間の同期を「時間」ではなく、「位置(距離)」を基準として行うことにより、これまで不可能であったデータの解析が可能となり、生体Hの反応や挙動を正確に評価することが可能となる。その結果、移動体Mの自動運転システムや走行支援システム等のシステム開発に役立つ。
本発明者らは、本評価システムSを車両(自動車)に適用した実験を行い、A氏とB氏の異なる者についてデータを取得・計測し、グラフ化してデータ解析を行った。
図3は同期前の脳活動情報のデータを示すグラフであり、横軸が時間(s)、縦軸がチャンネル1の脳部位における酸化型ヘモグロビン濃度を示し、(a)はA氏の酸化型ヘモグロビン濃度の変化、(b)はB氏の酸化型ヘモグロビン濃度の変化を示す。
図4は同期前の運転情報である操舵のデータを示すグラフであり、横軸が時間(s)、縦軸がハンドルの操舵角度を示し、(a)はA氏の操舵角度の変化、(b)はB氏の操舵角度の変化を示す。
図5は同期前の運転情報である速度のデータを示すグラフであり、横軸が時間(s)、縦軸が速度を示し、(a)はA氏の速度の変化、(b)はB氏の速度の変化を示す。
図6はGPS情報による走行軌跡を示すグラフであり、横軸がX軸[m]、縦軸がY軸[m]であり、(a)はA氏の走行軌跡の変化、(b)はB氏の走行軌跡の変化を示す。
図3〜図6からわかるように、同期前の場合、A氏とB氏との運転速度が異なるため(図5参照)、単に時系列データを比較しただけでは、生体の挙動等を正確に評価することは困難である。
図7は同期後のレーザ変位計の値を示すグラフであり、(a)はA氏のCANアナライザとfNIRSのレーザ変位計の値(同期後)を示し、(b)はB氏のCANアナライザとfNIRSのレーザ変位計の値(同期後)を示している。
図7(a)及び(b)のグラフからCANアナライザとfNIRSのレーザ変位計の波形が正確に重なっていることが分かる。なお、CANアナライザはレーザ変位計の値を常に±5Vの電圧に変換して保存しているが、fNIRSでは±3Vや4V、3V、20Vのように計測によって最大と最小の値が異なるが、波形には影響がなく、データの同期上も問題はない。
図8は同期後の脳活動情報のデータを示すグラフであり、横軸が距離(m)、縦軸がチャンネル1の脳部位における酸化型ヘモグロビンを示し、(a)はA氏の酸化型ヘモグロビンの変化、(b)はB氏の酸化型ヘモグロビンの変化を示す。
図8に示すように、距離に対して脳の活性の増大と減少が変わることがわかり、A氏とB氏とで脳活動の変化(増減)について比較や解析が可能である。具体的には運転操作や場所(道路線形)に合わせて増減を見て、どのような時に対象とする脳部位が活性化しているかの解析が可能となる。
図9は同期後の運転情報である操舵のデータを示すグラフであり、横軸が距離(m)、縦軸がハンドルの操舵角度を示し、(a)はA氏の操舵角度の変化、(b)はB氏の操舵角度の変化を示す。
図9から、全体としてハンドルの操舵をどのように行っているかを把握できる。また、操舵の滑らかさについても確認できる。A氏とB氏の操舵を比較すると、全体の傾向は同じではあるが、B氏の方が滑らかに操舵を行っていることがわかる。
図10は同期後の運転情報である速度のデータを示すグラフであり、横軸が距離(m)、縦軸が速度(km/h)を示し、(a)はA氏の速度の変化、(b)はB氏の速度の変化を示す。
図10から、場所ごとの速度変化を把握することができる。まず、2000mくらいまではA氏もB氏も度が下がっているが、B氏の方が一定の減速度で滑らかに減速している一方で、A氏はB氏に比べて途中で加速していることがわかる。このような速度の違いがわかれば、脳活動と比較して解析を行うことができる。
図11は本発明者らが車両を用いて実験を行ったテストコースを示す概略図である。図11に示すようにテストコースの対象となる区間のうち0〜400mは直線区間、400m〜1400mはカーブ区間になっている。実験では、二人のドライバー(D1氏とD2氏)についてそれぞれ、操舵角度、車両速度、道路縦断勾配、脳活動について同期をとり、グラフ化した。
図12は横軸が距離(m)、縦軸が操舵角度(°)であり、D1氏とD2氏の操舵角度の変化を示すグラフである。
図13は横軸が距離(m)、縦軸が車両速度(km/h)であり、D1氏とD2氏の車両速度の変化を示すグラフである。
図14は横軸が距離(m)、縦軸が道路縦断勾配(m)であり、道路縦断勾配の変化を示すグラフである。
図15は横軸が距離(m)、縦軸が頭頂葉BA7(37チャンネル)の脳の部位における△COEであり、D1氏とD2氏の△COEの変化を示すグラフである。ここで、△COEとは脳の酸素交換量の変化量、すなわちCerebral(脳の)Oxygen Exchangeの略であり、ΔCOE=Δ[Hb]−Δ[HbO2]で算出される。Δ[Hb]は脱酸化型ヘモグロビンの濃度変化量、Δ[HbO2]は酸化型ヘモグロビンの濃度変化量である。
図16は横軸が距離(m)、縦軸が脳全体における△COEの変化を色分け表示したグラフであり、(a)はD1氏の△COEの変化、(b)はD2氏の△COEの変化を示す。
脳の部位について、BA18は視覚野、BA40・BA7・BA3は頭頂葉、BA4・BA6は運動関連領野、BA8・BA9は前頭前野を示す。
図16から、直線区間では全体的に脳が活性化していないが、カーブ区間になると脳が活性化することがわかる。特に、D2氏はカーブ区間になると左右の脳の運動野が活性化されることがわかる(図16(b)参照)。
上記の複数のグラフについて横軸を一致させた状態で並べ、各データを比較することにより、生体Hの反応や挙動をより正確に評価することが可能となる。例えば、
図17は、図12のグラフ、図15のグラフ及び図14のグラフを並べたものである。これによって、操舵角度、脳活動及び道路縦断勾配のデータを比較できる。
図18は、図12のグラフと図16のグラフを並べたものである。これによって、操舵角度と脳全体における△COEの変化のデータを比較できる。
図19は、図13のグラフと図16のグラフを並べたものである。これによって、車両速度と脳全体における△COEの変化のデータを比較できる。
本発明は、上記実施の形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内において、種々の変更が可能である。
例えば、実際の移動体Mに近い動きを体感できるドライビングシュミレータについても本発明を適用することは可能である。
本発明の評価システム及び評価方法は、自動車等の車両、列車、航空機、飛行船、船舶等の移動体に搭乗している運転者や同乗者の生体の反応や挙動を評価するために用いられる。
S:生体の評価システム
M:移動体
H:生体
1:位置情報取得部
2:運転情報取得部
3:脳活動情報計測部
4:トリガ情報取得部
5:表示部
6:データ処理部
7:生体情報計測部

Claims (6)

  1. 移動体に搭乗している生体の評価システムであって、
    前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
    前記移動体の運転情報を取得する運転情報取得手段と、
    前記移動体に搭乗している前記生体の脳活動情報を計測する脳活動情報計測手段と、
    前記移動体の移動に応じてトリガ情報を取得するトリガ情報取得手段と、
    前記トリガ情報取得手段によって取得されたトリガ情報を基準にして、前記位置情報、前記運転情報及び前記脳活動情報を同期させ、前記生体の反応や挙動を評価するために前記移動体の位置に対する前記運転情報及び/又は前記脳活動情報の変化を表示部に表示させるデータ処理手段とを有し、
    前記トリガ情報取得手段によって取得されるトリガ情報は、前記移動体に取り付けられたレーザ変位計によって得られる情報である、
    ことを特徴とする移動体に搭乗している生体の評価システム。
  2. 前記位置情報取得手段によって取得される前記移動体の位置情報は、GPS情報であることを特徴とする請求項1に記載の移動体に搭乗している生体の評価システム。
  3. 運転情報取得手段によって取得される前記移動体の運転情報は、前記移動体に搭載された車載LANから得られる情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の移動体に搭乗している生体の評価システム。
  4. 脳活動情報計測手段によって計測される前記脳活動情報は、近赤外分光法により得られる情報であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つの項に記載の移動体に搭乗している生体の評価システム。
  5. 前記移動体に搭乗している前記生体の生体情報を計測する生体情報計測手段をさらに有し、
    前記データ処理手段は、前記トリガ情報を基準にして、前記生体情報を同期させ、前記生体の反応や挙動を評価するために前記移動体の位置に対する前記生体情報の変化を表示部に表示させる、
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1つの項に記載の移動体に搭乗している生体の評価システム。
  6. 移動体に搭乗している生体の評価方法であって、
    前記移動体の位置情報を取得し、前記移動体の運転情報を取得し、前記移動体に搭乗している前記生体の脳活動情報を計測し、前記移動体の移動に応じてトリガ情報を取得する工程と、
    取得された前記トリガ情報を基準にして、前記位置情報、前記運転情報及び前記脳活動情報を同期させ、前記生体の反応や挙動を評価するために前記移動体の位置に対する前記運転情報及び/又は前記脳活動情報の変化を表示部に表示させる工程とを有し、
    前記トリガ情報は、前記移動体に取り付けられたレーザ変位計によって得られる情報である、
    ことを特徴とする移動体に搭乗している生体の評価方法。
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