ここで、特許文献1に記載されているようなプリンタでは、長期間記録が行われないことがある。また、特許文献1に記載されているようなプリンタを構成するヘッドユニットは、プリンタ本体に組み付けられる前の状態で、内部にインクや専用の保存液などが充填された状態で輸送、保存等されることもある。特許文献1に記載のヘッドユニットは、これらのときに、供給室と圧力室との連通が遮断された状態となる。そのため、記録ヘッド内の液体に気泡が混入しているような場合に、環境変化などによって記録ヘッド内の液体の圧力が変動すると、ノズルから液体や気泡が出入りし、その結果、記録ヘッドのノズル内に気泡や異物が入り込んでノズルのメニスカスが破壊されてしまう虞がある。
本発明の目的は、液体流路の途中部分に切換弁が設けられたヘッドユニットにおいて、液体流路内の液体の圧力が変動したときに、ノズルのメニスカスが破壊されてしまうのを防止することが可能な液体吐出装置を提供することである。
第1の発明に係る液体吐出装置は、ノズルを含む液体流路と、前記液体流路の途中部分に設けられ、所定条件を満たすときに、前記液体流路の前記途中部分を挟んだ2つの領域を連通させる連通状態となり、前記所定条件を満たさないときに、前記2つの領域の連通を遮断する遮断状態となる切換弁と、を備えたヘッドユニットと、前記切換弁を、記所定条件を満たすか否かに関わらず、前記連通状態にする連通手段と、を備え、前記所定条件は、少なくとも、前記ヘッドユニットが前記ノズルから液体を吐出する駆動状態となっているときに満たし得る条件であって、前記連通手段は、前記ヘッドユニットが前記駆動状態でなく、前記所定条件を満たしていないときに、前記切換弁を前記連通状態にすることを特徴とする。
本発明によると、ヘッドユニットが駆動状態でないときに、切換弁を、所定条件を満たすか否かに関わらず連通状態にすることにより、上記2つの領域のうちノズル側の領域(以下、ノズル側領域とする)内の液体の圧力が変動したときに、液体や液体中の気泡などが、上記2つの領域間で出入りする。これにより、ノズル側領域内の液体の圧力が変動したときに、液体や気泡などがノズルから出入りするのを防止することができる。その結果、ノズル内に気泡や異物が入り込んで、ノズル内の液体のメニスカスが破壊されてしまうのを防止することができる。
第2の発明に係る液体吐出装置は、第1の発明に係る液体吐出装置において、前記所定条件が、前記液体流路内の液体の状態に関する条件であって、前記ヘッドユニットは、前記液体流路の外部から操作可能な***作部を備え、前記切換弁は、前記***作部が操作されたときに、前記所定条件を満たすか否かに関わらず、前記連通状態となるように構成され、前記連通手段は、前記液体流路の外部に配置された、前記***作部を操作するための操作部を備えていることを特徴とする。
本発明によると、ヘッドユニットに液体流路の外部から操作可能な***作部が設けられ、弁機構が、***作部が操作されたときに、所定条件を満たすか否かに関わらず、遮断状態となるように構成されているため、操作部により液体流路の外部から***作部を操作することによって、切換弁を連通状態にすることができる。
第3の発明に係る液体吐出装置は、第2の発明に係る液体吐出装置において、前記液体流路の壁の一部が、弾性変形可能な膜によって形成され、前記切換弁が、前記液体流路内に前記膜と対向して配置され、前記膜との対向面が、前記膜を介して前記液体流路の外部から押圧可能となっていることで前記***作部となった弁部材を備え、前記弁部材は、前記2つの領域の連通を遮断する遮断位置と、前記遮断位置よりも前記膜から離れた、前記2つの領域を連通させる連通位置との間で移動可能となっているとともに、前記所定条件を満たしておらず、且つ、前記膜との対向面が押圧されてない状態で前記遮断位置に位置付けられており、前記連通手段が、前記液体流路の外部に配置され、前記膜を介して前記弁部材の前記膜との対向面を押圧することで、前記弁部材を前記連通位置に移動させる、前記操作部としての押圧部を備えていることを特徴とする。
本発明によると、液体流路の外部に配置された押圧部により、液体流路の壁を形成する膜を介して、液体流路内に配置された弁部材の膜との対向面を押圧して連通位置に移動させることで、切換弁を連通状態にすることができる。
第4の発明に係る液体吐出装置は、第1〜第3のいずれかの発明に係る液体吐出装置において、前記ヘッドユニットが搭載され、所定の走査方向に往復移動するキャリッジをさらに備え、前記キャリッジは、前記走査方向に移動することで、前記ヘッドユニットを、前記ノズルから液体を吐出するときの吐出位置と、前記吐出位置から離れた所定の待機位置との間で移動させ、前記連通手段は、前記ヘッドユニットが前記待機位置に位置している状態で、前記切換弁を前記連通状態にすることを特徴とする。
本発明によると、ヘッドユニットが待機位置に位置している状態で、ノズル側領域内の液体の圧力が変動したときに、液体や気泡などがノズルから出入りするのを防止することができる。その結果、ノズル内に気泡や異物が入り込んで、ノズル内の液体のメニスカスが破壊されてしまうのを防止することができる。
第5の発明に係る液体吐出装置は、第4の発明に係る液体吐出装置において、前記液体流路の壁の一部が、弾性変形可能な膜によって形成され、前記切換弁が、前記液体流路内に前記膜と対向して配置され、前記膜との対向面が、前記膜を介して前記液体流路の外部から押圧可能となっていることで前記***作部となった弁部材を備え、前記弁部材は、前記2つの領域の連通を遮断する遮断位置と、前記遮断位置よりも前記膜から離れた、前記2つの領域を連通させる連通位置との間で移動可能となっているとともに、前記所定条件を満たしておらず、且つ、前記膜との対向面が押圧されてない状態で前記遮断位置に位置付けられており、前記連通手段が、前記液体流路の外部に配置され、前記膜を介して前記弁部材の前記膜との対向面を押圧することで、前記弁部材を前記連通位置に移動させる、前記操作部としての押圧部と、前記キャリッジに搭載されており、外部から前記走査方向の力を受けたときに、当該力を前記弁部材の移動方向の力として前記押圧部に伝達する伝達部と、装置の筐体に設けられ、前記ヘッドユニットが前記待機位置に位置している状態で前記伝達部に接触して、前記伝達部に前記走査方向の力を加える接触部と、をさらに備え、前記押圧部は、前記伝達部によって伝達された力により、前記弁部材の前記膜との対向面を押圧することを特徴とする。
本発明によると、キャリッジによりヘッドユニットを待機位置に移動させたときに、装置の筐体に設けられた接触部からキャリッジに設けられた伝達部に加えられた走査方向の力が、伝達部から押圧部に、押圧部の移動方向の力として伝達され、押圧部が伝達部から伝達された力によって弁部材を押圧するため、押圧部に弁部材を押圧する力を供給するために別途駆動源などを設ける必要がない。
第6の発明に係る液体吐出装置は、第4又は第5の発明に係る液体吐出装置において、前記待機位置に位置している前記ヘッドユニットから液体を排出させることによって、前記ヘッドユニットのメンテナンスを行うメンテナンス手段をさらに備えていることを特徴とする。
メンテナンスユニットによるメンテナンスが行われると、ノズル側領域内の液体がノズルから排出され、その分、上記2つの領域のうち、ノズル側領域と反対側の領域(以下、供給側領域とする)からノズル側領域に液体が流れ込む。本発明では、ヘッドユニットが待機位置まで移動してきたときに切換弁が連通状態になり、この状態でメンテナンスユニットによるメンテナンスが行われるため、供給側領域からノズル側領域への液体の流れ込みが、切換弁によって阻害されにくい。したがって、ノズルから効率よく液体を排出させることができる。
第7の発明に係るヘッドケースは、ノズルを含む液体流路と、前記液体流路の途中部分に設けられ、所定条件を満たすときに、前記液体流路の前記途中部分を挟んだ2つの領域を連通させる連通状態となり、前記所定条件を満たさないときに、前記2つの領域の連通を遮断する遮断状態となる切換弁と、を備えたヘッドユニットが収容されるヘッドケースであって、収容された前記ヘッドユニットの前記切換弁を、前記所定条件を満たすか否かに関わらず、前記連通状態にする連通手段を備えていることを特徴とする。
本発明によると、液体吐出ヘッドの輸送中などにおいて、切換弁を、所定条件を満たすか否かに関わらず連通状態にすることにより、ノズル側領域内の液体の圧力が変動したときに、液体や液体中の気泡などが、上記2つの領域間で出入りする。これにより、ノズル側領域内の液体の圧力が変動したときに、液体や気泡などがノズルから出入りするのを防止することができる。その結果、ノズル内に気泡や異物が入り込んで、ノズル内の液体のメニスカスが破壊されてしまうのを防止することができる。
第8の発明に係るヘッドケースは、第7の発明に係るヘッドケースにおいて、前記ヘッドユニットを収容するための収容部を備え、前記収容部に、前記ヘッドユニットを導入するための開口が設けられた、ケース本体と、前記ケース本体に着脱可能となっており、前記ケース本体に取り付けられた状態で前記開口を覆う蓋と、を備え、前記連通手段は、前記蓋に設けられ、前記蓋が前記ケース本体に取り付けられた状態で、前記収容部に収容された前記ヘッドユニットの前記切換弁を前記連通状態にすることを特徴とする。
本発明によると、ケース本体の収容部にヘッドユニットを収容し、蓋をケース本体に取り付けて収容部の開口を塞ぐことにより、切換弁を連通状態にすることができる。
第9の発明に係るヘッドユニットは、ノズルを含む液体流路と、前記液体流路の途中部分に設けられ、前記液体流路内の液体の状態に関する所定条件を満たすときに、前記途中部分を挟んだ2つの領域を連通させる連通状態となり、前記所定条件を満たさないときに、前記2つの領域の連通を遮断する遮断状態となる切換弁と、前記液体流路の外部から操作可能な***作部と、を備え、前記切換弁は、前記***作部が操作されている状態で、前記所定条件を満たすか否かに関わらず、前記連通状態となるように構成されていることを特徴とする。
本発明によると、液体流路の外部から***作部を操作して、切換弁を、所定条件を満たすか否かに関わらず連通状態にすることにより、ヘッドユニットが組み込まれた液体吐出装置においてヘッドユニットを駆動しないときや、ヘッドユニットの輸送中などにおいて、ノズル側領域内の液体の圧力が変動したときに、液体や液体中の気泡などが、上記2つの領域間で出入りする。これにより、ノズル側領域内の液体の圧力が変動したときに、液体や気泡などがノズルから出入りするのを防止することができる。その結果、ノズル内に気泡や異物が入り込んで、ノズル内の液体のメニスカスが破壊されてしまうのを防止することができる。
第10の発明に係るヘッドユニットは、第9の発明に係るヘッドユニットにおいて、前記液体流路の壁の一部が、弾性変形可能な膜によって形成されており、前記切換弁が、前記液体流路内に前記膜と対向して配置され、前記膜との対向面が、前記液体流路の外部から前記膜を介して押圧可能となっていることで前記***作部となった弁部材を備え、前記弁部材が、前記2つの領域の連通を遮断する遮断位置と、前記遮断位置よりも前記膜から離れた、前記2つの領域を連通させる連通位置との間で移動可能となっているとともに、前記所定条件を満たしておらず、且つ、前記膜との対向面が押圧されてない状態で前記遮断位置に位置付けられていることを特徴とする。
本発明によると、液体流路の外部から、液体流路の壁を形成する膜を介して、液体流路内に配置された弁部材を押圧して連通位置に移動させることで、切換弁を連通状態にすることができる。
本発明によれば、液体流路のノズル側領域内の液体の圧力が変動したときに、液体や気泡などがノズルから出入りするのを防止することができる。その結果、ノズル内に気泡や異物が入り込んで、ノズル内の液体のメニスカスが破壊されてしまうのを防止することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明の好適な第1実施形態について説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係るプリンタ1(液体吐出装置)は、キャリッジ2、ヘッドユニット3、用紙搬送ローラ4、メンテナンスユニット5などを備えている。キャリッジ2は、2本のガイドレール6に沿って走査方向に往復移動する。ヘッドユニット3は、キャリッジ2に搭載されている。ヘッドユニット3は、後述するようにインクジェットヘッド21を備え、インクジェットヘッド21の下面であるノズル面21aに形成された複数のノズル31からインクを吐出する。用紙搬送ローラ4は、記録用紙Sを走査方向と直交する紙送り方向に搬送する。そして、プリンタ1では、用紙搬送ローラ4により記録用紙Sを紙送り方向に搬送しつつ、ノズル面21aが記録用紙Sと対向する範囲(吐出位置)でキャリッジ2とともに走査方向に往復移動するインクジェットヘッド21からインクを吐出することによって、記録用紙Sに記録を行う。
メンテナンスユニット5は、吸引キャップ11、吸引ポンプ12、廃液タンク13等を備えている。吸引キャップ11は、キャリッジ2により、ヘッドユニット3を走査方向の右側にほぼ最大限移動させたときにノズル面21aと対向するように配置されている。そして、キャリッジ2により、ヘッドユニット3を、ノズル面21aが吸引キャップ11と対向する位置(待機位置)に移動させたときに、吸引キャップ11が、インクジェットヘッド21の複数のノズル31を覆う。吸引ポンプ12は、チューブポンプなどであって、チューブ14aを介して吸引キャップ11と接続されている。廃液タンク13は、チューブ14bを介して吸引ポンプ12と接続されている。
そして、プリンタ1では、複数のノズル31が吸引キャップ11で覆われた状態で、吸引ポンプ12を駆動することにより、複数のノズル31からヘッドユニット3内のインク、気泡、異物等を排出させる、いわゆるパージ(メンテナンス)を行うことができる。また、パージによって排出されたインク、気泡、異物等は、廃液タンク13に貯留される。
次に、ヘッドユニット3の構成について説明する。図2、図3に示すように、ヘッドユニット3は、インクジェットヘッド21とサブタンク22とを備えている。なお、図2では、サブタンク22を断面で図示し、図3では、サブタンク22、制御基板49及び弁開放装置50を断面で図示している。インクジェットヘッド21は、複数のノズル31、インク供給口32などのインク流路を備え、インク供給口32から供給されたインクを、複数のノズル31から吐出する。インクジェットヘッド21の構成自体は従来と同様であるので、ここでは、これ以上の詳細な説明を省略する。
サブタンク22は、インクジェットヘッド21の上面に配置されている。サブタンク22は、合成樹脂材料などからなる流路部材36の上面に、フィルム37(弾性変形可能な膜)が溶着されることによって形成されている。流路部材36には、インク流路を形成する、上面が開口した溝などが形成されている。フィルム37は、流路部材36に形成された上記溝の開口を塞ぐように流路部材36の上面に溶着されている。このように、サブタンク22は、流路部材36に薄いフィルム37が溶着された構造となっているため、流路部材36とフィルム37との間に隙間が生じにくく、サブタンク22内に形成されたインク流路からインクが漏れにくい。
サブタンク22の内部には、ヘッド側流路41と、供給側流路42(供給側領域)とが形成されている。なお、第1実施形態では、インクジェットヘッド21内のインク流路、ヘッド側流路41及び供給側流路42を合わせたものが、本発明に係る液体流路に相当する。ヘッド側流路41は、インク供給口32の真上に配置されており、インク供給口32と連通している。これにより、ヘッド側流路41内のインクが、インク供給口32からインクジェットヘッド21に供給される。
供給側流路42は、上側の壁がフィルム37によって形成された流路であり、インク貯留室43、インク流入流路44、インク流出流路45を有している。インク貯留室43は、ヘッド側流路41よりも紙送り方向上流側に配置されている。インク貯留室43には、図示しないインクカートリッジから供給されたインクが一時的に貯留される。インク流入流路44は、インク貯留室43の紙送り方向上流側に配置されており、インク貯留室43と、図示しないインクカートリッジに接続された図示しないチューブとを接続している。インク流出流路45は、インク貯留室43の紙送り方向下流側の配置されており、インク貯留室43とヘッド側流路41とを接続する。インク流出流路45は、ヘッド側流路41のほぼ真上に位置している。また、ヘッド側流路41とインク流出流路45との間には、インク流出流路45の紙送り方向上流側の端部及び走査方向の両端部にまたがって延びた壁46が配置されており、ヘッド側流路41とインク流出流路45とは、壁46が配置されていない領域において互いに連通している。また、上述のフィルム37は、ヘッド側流路41とインク流出流路45との連通部分と対向する部分37aにおいて、他の部分よりも厚みが大きくなっている。
また、ヘッド側流路33とインク流出流路45との間(液体流路の途中部分)には、板バネ47(弁部材)が設けられている。板バネ47は、ほぼ水平に延びており、紙送り方向下流側の端部が、流路部材36に固定されている。そして、プリンタ1における画像の記録時(ヘッドユニット3が駆動状態となっているとき)に、供給側流路42内のインクの圧力から、ヘッド側流路41内のインクの圧力を差し引いた圧力差ΔPが、所定圧力差ΔPaよりも小さいとき(所定条件を満たさないとき)には、図2(a)、図3(a)に示すように、板バネ47は、自身の復元力によって、壁46の下面に接触している(遮断位置に位置づけられている)。この状態(遮断状態)では、ヘッド側流路33とインク流出流路45との連通(途中部分を挟んだ2つの領域の連通)が、板バネ47によって遮断されている。
一方、プリンタ1における画像の記録時に、ノズル31からインクが吐出されると、インクジェットヘッド21内のインク流路やこれに連通するヘッド側流路41内のインクの圧力が低下する。そして、ヘッド側流路41内のインクの圧力の低下により、上記圧力差ΔPが、所定圧力差ΔPa以上になると(所定条件を満たすときに)、図2(b)、図3(b)に示すように、板バネ47が自身の復元力に逆らって下側に変形して壁46から離れる。すなわち、遮断位置よりもフィルム37から離れた連通位置に移動する。これにより、ヘッド側流路41とインク流出流路45とが連通し(連通状態となり)、インク貯留室43に貯留されていたインクが、インク流出流路45を介してヘッド側流路41及びインクジェットヘッド21内のインク流路(ノズル側領域)に供給される。
そして、供給側流路42からインクが供給されると、ヘッド側流路41内のインクの圧力が上昇し、上記圧力差ΔPが所定圧力差ΔPaよりも小さくなったときに、板バネ47が、自身の復元力によって図2(a)、図3(a)に示す状態に戻り、再び、板バネ47により、ヘッド側流路41とインク流出流路45との連通が遮断される。なお、第1実施形態では、板バネ47と、板バネ47が接触する壁46とを合わせたものが、本発明に係る切換弁に相当する。
このとき、供給側流路42内のインクの圧力の変動が小さいほうが動作は安定する。したがって、図示しないインクカートリッジから供給側流路42に至るインク流路のいずれかの部分に、インクの圧力変動を抑制するためのダンパが設けられていてもよい。
また、サブタンク22の上方には、制御基板49及び弁開放装置50が配置されている。制御基板49は、図示しない配線部材によりインクジェットヘッド21と接続されており、インクジェットヘッド21の動作を制御する。弁開放装置50は、昇降部材51(伝達部)、圧縮バネ52、及び、押圧部材53を備えている。昇降部材51は、略直方体形状の部材であり、制御基板49の上方に配置されている。昇降部材51の下面には、その縁の全周にわたって延びたストッパー56が設けられている。ストッパー56は、昇降部材51の下面から下方に延びている。また、これに対応して、サブタンク22の上面には、サブタンク22の上面から上方に延びており、ストッパー56の外周を取り囲むガイド部材57が配置されている。そして、昇降部材51は、ストッパー56の側面がガイド部材57の側面と摺動することによって昇降可能となっている。このとき、昇降部材51は、ストッパー56の下端部がサブタンク22の上面に接触する位置までしか降下させることができないようになっている。
また、昇降部材51の走査方向右側の端部には、傾斜面51aが設けられている。傾斜面51aは、上方の部分ほど走査方向左側に位置するように傾斜している。また、傾斜面51aは、昇降部材51を昇降させたときに、常に、少なくともその一部分がガイド部材57よりも上方に位置している。また、昇降部材51に傾斜面51aが設けられているのに対応して、2本のガイドレール6の走査方向右側の端部を支持する支持部材7(装置の筐体)には、支持部材7から走査方向左側に延びて傾斜面51aと対向する突起8(接触部)が設けられている。突起8は、キャリッジ2を、ヘッドユニット3が記録用紙Sと対向する範囲で移動させている状態では、傾斜面51aから離隔している。図3では、便宜上、図1よりもヘッドユニット3と突起8とを走査方向に近づけて描いている。また、第1実施形態では、弁開放装置50と突起8とを合わせたものが、本発明に係る連通手段に相当する。
圧縮バネ52は、制御基板49に形成された貫通孔49aを通して、制御基板49の上下にわたって上下方向に延びており、その下端部がサブタンク22に取り付けられ、その上端部が昇降部材51に取り付けられている。これにより、昇降部材51は、圧縮バネ52によって上方に付勢されている。押圧部材53は、昇降部材51の下面の板バネ47と対向する部分に設けられ、昇降部材51の下面から、制御基板49に形成された貫通孔49bを通して、制御基板49よりも下方まで延びている。
また、サブタンク22の上面と制御基板49の下面との間、及び、制御基板49の上面と昇降部材51の下面との間には、それぞれ、制御基板49の外縁の全周わたって延びたインクフォーム58が設けられている。インクフォーム58は、スポンジなど、インクを吸収可能であり且つ弾性変形可能な材料からなり、インクジェットプリンタ1による記録時に発生したインクミスト等を吸収する。これにより、インクミスト等が基板に形成された配線に付着して配線同士がショートしてしまうことなどを防止することができる。
次に、弁開放装置50の動作について説明する。インクジェットプリンタ1において記録を行っており、キャリッジ2により、ヘッドユニット3を、ノズル面21aが記録用紙Sと対向する範囲で移動させているときには、上述したように、突起8が傾斜面51aから離隔している。この状態では、図3に示すように、昇降部材51が、圧縮バネ52によって上方に付勢されており、押圧部材53の下端部は、フィルム37よりも上方に位置している。したがって、この状態では、上述したように、圧力差ΔPが所定圧力差ΔPa以上であるか否かに応じて、板バネ47の位置が上記遮断位置と上記連通位置との間で切り換わる。すなわち、切換弁の状態が遮断状態と連通状態とが切り換わる。
これに対して、インクジェットプリンタ1において記録を行わない(駆動状態でない)ときには、キャリッジ2を、ノズル面21aが吸引キャップ11と対向する位置まで移動させる。すると、図4(b)に示すように、突起8が傾斜面51aに接触し、突起8から昇降部材51に走査方向左側の力が加えられる。これにより、図4(a)、(b)に示すように、傾斜面51aが突起8と摺動することで、昇降部材51及びその下面に設けられた押圧部材53が、圧縮バネ52の付勢力に逆らって下方に移動する。そして、押圧部材53の下端部がフィルム37に接触してフィルム37を下方に変形させる。押圧部材53は、さらに、フィルム37を介して板バネ47の上面47a(***作部)を下方に押圧し、遮断位置にあった板バネ47を連通位置に移動させる。すなわち、第1実施形態では、昇降部材51が、突起8から受けた走査方向の力を、下向きの力として押圧部材53に伝達し、押圧部材53は昇降部材51から伝達された力で、板バネ47の上面47aを押圧している。そして、これにより、上記圧力差ΔPが所定圧力差ΔPa以上であるか否かに関わらず、ヘッド側流路41と供給側流路42とが連通した状態となる。
ここで、ヘッドユニット3内のインクには、気泡や異物などが混入していることがある。このような場合に、仮に、第1実施形態とは異なり、弁開放装置50や突起8が設けられていないとすると、ヘッドユニット3が待機位置に位置している状態で、環境変化などによってヘッド側流路41内のインクの圧力が上昇したときに、板バネ47が遮断位置から連通位置に移動することがない。そのため、ヘッド側流路41及びインクジェットヘッド21内のインクがノズル31から排出される。このとき、インク中の気泡や異物がノズル31に流れ込むと、ノズル31のメニスカスが破壊されてしまう虞がある。一方、ヘッド側流路41内のインクの圧力が低下すると、圧力低下が、圧力差ΔPが所定圧力差ΔPaよりも小さくなるような範囲で生じている場合には、ヘッドユニット3の外部の空気などがノズル31内に入り込み、ノズル31のメニスカスが破壊されてしまう虞がある。
これに対して、第1実施形態では、上述したように、弁開放装置50や突起8が設けられ、ヘッドユニット3が待機位置に位置している状態で、板バネ47が連通位置に位置している。したがって、ヘッド側流路41内のインクの圧力が上昇したときには、ヘッド側流路41及びインクジェットヘッド21内のインクが、供給側流路42に流れ出す。これにより、インク中の気泡や異物がノズル31に流れ込むのを防止することができる。また、ヘッド側流路41内のインクの圧力が低下したときには、供給側流路42からヘッド側流路41及びインクジェットヘッド21内にインクが流れ込む。これにより、ヘッドユニット3の外部の空気などがノズル31に入り込むのを防止することができる。そして、以上のことから、ノズル31のメニスカスを破壊してしまうのを防止することができる。
また、ヘッドユニット3においては、メンテナンスユニット5によりパージが行われると、インクジェットヘッド21やヘッド側流路41内のインクがノズル31から排出され、その分、供給側流路42からノズル側流路41にインクが流れ込むことになる。しかしながら、仮に、第1実施形態とは異なり、弁開放装置50や突起8が設けられておらず、板バネ47が遮断位置にあるとすると、このとき、供給側流路42内のインクは、遮断位置にある板バネ47を壁46から離すように変形させつつ、ヘッド側流路41に流れ込むこととなる。すなわち、供給側流路42からヘッド側流路41へのインクの流れが板バネ47によって阻害される。
これに対して、第1実施形態では、上述したように、パージが行われるときに、板バネ47が連通位置に位置しており、ヘッド側流路41と供給側流路42とが連通している。したがって、パージの際に、供給側流路42内のインクは、板バネ47を変形させることなくヘッド側流路41に流れ込むことができる。すなわち、供給側流路42からヘッド側流路41へのインクの流れが、板バネ47によって阻害されにくい。これにより、ヘッドユニット3内のインクを効率よく排出することができる。
また、第1実施形態では、供給側流路42の上側の壁がフィルム37によって形成されているとともに、上記連通位置と遮断位置との間で移動可能な板バネ47がフィルム37と対向して配置されているため、ヘッドユニット3内に形成されたインク流路の外部に配置された押圧部材53によりフィルム37を介して板バネ47の上面47aを押圧することで、遮断位置にある板バネ47を連通位置に移動させることができる。
また、このとき、押圧部材53に押圧されたフィルム37は、ヘッド側流路41とインク流出流路45との連通部分と対向する部分37aが弾性変形するが、フィルム37の部分37aが他の部分よりも厚みが大きくなっているため、フィルム37が破れにくい。
さらに、このとき、キャリッジ2を、ヘッドユニット3が待機位置にくるまで移動させると、突起8が昇降部材51の傾斜面51aを押圧し、突起8の押圧力によって昇降部材51及び押圧部材53が降下することで、押圧部材53がフィルム37を介して板バネ47を押圧する。すなわち、押圧部材53は、キャリッジ2をヘッドユニット3が待機位置にくるまで移動させたときに、突起8から昇降部材51に加えられ、昇降部材51から押圧部材53に伝達された力で、板バネ47を押圧する。したがって、押圧部材53に板バネ47を押圧する押圧力を発生させるために専用の駆動源などを設ける必要がない。
[第2実施形態]
次に、本発明の好適な第2実施形態について説明する。
第2実施形態に係るヘッドケース100は、インクジェットプリンタ1(図1参照)に組み付けられる前のヘッドユニット3を輸送、保存などするときに、ヘッドユニット3を収容するためのものであり、ケース本体101と、蓋102とを備えている。なお、第2実施形態では、ヘッドユニット3のインク流路内に、インク、あるいは、インクから色材を抜いた保存液が充填されている。ただし、以下では、ヘッドユニット3のインク流路内に保存液が充填されているとして説明する。
ケース本体101は、略直方体形状を有しており、ヘッドユニット3を収容するための収容部103が内部に形成されている。また、収容部103の上面には開口103aが設けられており、ヘッドユニット3を開口103aから収容部103に導入することができるようになっている。また、収容部103には、スポンジなど保存液を吸収可能な吸収フォーム104が設けられている。ヘッドユニット3は、収容部103に収容されると、インク流入流路44のインク貯留室43と反対側の端である図示しないチューブとの接続部分が、吸収フォーム104によって塞がれる。また、収容部103に収容されるヘッドユニット3は、予め、ノズル面21aにゴム材料等からなる封止部材105が配置されることによって、複数のノズル31が封止される。
蓋102は、ケース本体101の上部に着脱可能となっており、ケース本体101の上部に蓋102が取り付けられると、収容部103の開口103aが蓋102によって塞がれる。蓋102の下面には、収容部103に収容されたヘッドユニット3の板バネ47と対向する部分に、蓋102の下面から下方に延びた押圧部材106(操作部)が設けられている。押圧部材106は、ケース本体101に蓋102が取り付けられた状態で、第1実施形態の押圧部材53と同様、フィルム37に接触してフィルム37の部分37aを下方に変形させるとともに、フィルム37を介して板バネ47の上面47a(***作部)を押圧することにより、板バネ47を連通位置に移動させる。
これにより、ヘッドケース100に収容されたヘッドユニット3において、環境変化などにより、ヘッド側流路41やインクジェットヘッド21内の保存液の圧力が上昇したときには、ヘッド側流路41やインクジェットヘッド21から供給側流路42に保存液が流れ出る。これにより、インク中あるいは保存液中の気泡や異物がノズル31に流れ込んでしまうのを防止することができる。また、このとき、インク流入流路44のインク貯留室43と反対側の端から保存液が流れ出すが、流れ出した保存液は、吸収フォーム104によって吸収される。一方、ヘッド側流路41やインクジェットヘッド21内の保存液の圧力が低下したときには、供給側流路42からヘッド側流路41に保存液が流れ込む。これにより、ヘッドユニット3の外部の空気などがノズル31に入り込んでしまうのを防止することができる。そして、以上のことから、ノズル31のメニスカスが破壊されてしまうのを防止することができる。
また、第2実施形態でも、フィルム37は、部分37aにおいて他の部分よりも厚みが大きくなっているため、第1実施形態と同様、押圧部材106でフィルム37の部分37aを変形させたときに、フィルム37が破れにくい。
次に、第1、第2実施形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、第1、第2実施形態と同様の構成を有するものについては、適宜その説明を省略する。
第1、第2実施形態では、フィルム37が、部分37aにおいて他の部分よりも厚みが大きくなっていることにより、押圧部材53、106に押圧されて変形するフィルム37が破れにくくなっていたが、これには限られない。例えば、一変形例では、図6に示すように、フィルム37のヘッド側流路41とインク流出流路45との連通部分と対向する部分37aが部分的に弛んでいる。この場合には、押圧部材53、106がフィルム37を押圧して変形させたときの、フィルム37の変形した部分37aにかかる負担が小さいので、フィルム37が破れにくい。
さらには、第1、第2実施形態や上記変形例のように、フィルム37の部分37aに、フィルム37を破れにくくするための構成を設けることにも限られない。フィルム37が、押圧部材53、106の押圧により変形したときに破れない程度の十分な強度を有するものである場合には、フィルム37は、厚みが一定で、部分的に弛んだ部分のないものであってもよい。
また、第1実施形態では、キャリッジ2によりヘッドユニット3を待機位置に移動させたときに、突起8から昇降部材51の傾斜面51aに加えられ、昇降部材51により押圧部材53に伝達された力によって、押圧部材53がフィルム37を介して板バネ47を押圧するようになっていたが、これには限られない。例えば、昇降部材51が専用の駆動源によって昇降されるものであり、キャリッジ2によりヘッドユニット3を待機位置に移動させたときに、押圧部材53が、当該駆動源から昇降部材51に加えられる力で板バネ47を押圧するようにしてもよい。
また、第1、第2実施形態では、圧力差ΔPが所定圧力差ΔPaよりも小さいときに、自身の復元力によって壁46に接触しており、圧力差ΔPが所定圧力差ΔPa以上のときや、押圧部材53、106に押圧されたときに、自身の復元力に逆らって弾性変形して壁46から離れる板バネ47が弁部材となっていたが、これには限られない。例えば、板バネ47の代わりに、圧縮バネなどによって壁46に向かって上方に付勢された板状の弁部材が設けられていてもよい。この場合でも、第1、第2実施形態の場合と同様にして、ヘッド側流路41とインク流出流路45との連通及びその遮断を切り換えることができる。なお、この場合には、弁部材と弁部材を付勢するバネ等と壁46とを合わせたものが、本発明に係る切換弁に相当する。
また、以上の例では、サブタンク22内のインク流路の壁の一部がフィルム37によって形成されているとともに、板バネ47などの弁部材がフィルム37と対向する位置に配置されており、押圧部材53、106によりフィルム37を介して弁部材の上面を押圧することで、弁部材を連通位置に移動させることができるようになっていたが、これには限られない。
例えば、サブタンク22に、インク流路の外部に露出したレバーやボタンなどの***作部と、***作部が操作されたときに上記圧力差ΔPに関わらず弁部材を連通位置に移動させる機構とが設けられ、キャリッジ2に、ヘッドユニット3を駆動しないときに、上記***作部を操作する操作部が設けられていてもよい。なお、この場合には、弁部材と壁46と、***作部が操作されたときに弁部材を連通位置に移動させる機構とを合わせたものが、本発明に係る切換弁に相当する。また、この場合には、サブタンク22にフィルムによって形成された部分がなく、サブタンク22全体が合成樹脂材料などによって形成されていてもよい。
また、ヘッド側流路41とインク流出流路45との連通及びその遮断を切り換える切換弁、及び、弁部材を圧力差ΔPが所定圧力差ΔPa以上であるか否かに関わらず、ヘッド側流路41とインク流出流路45とを連通させる連通手段を、公知の電磁弁などによっても形成可能である。例えば、ヘッド側流路41とインク流出流路45との間に、電流が流れていない状態でヘッド側流路41とインク流出流路45とを連通させる連通状態となり、電流を流したときにヘッド側流路41とインク流出流路45との連通を遮断する遮断状態となる電磁弁を設けてもよい。この場合には、記録時において、圧力差ΔPが所定圧力差ΔPaよりも小さいときに、電磁弁に電流を流して手遮断状態とし、圧力差ΔPが所定圧力差ΔPa以上のときに、電磁弁に電流を流すのを停止して連通状態にする。一方、待機時等には、電磁弁に電流を流すのを停止することで、圧力差ΔPが所定圧力差ΔPa以上であるか否かに関わらず、連通状態にすることができる。この場合には、第1実施形態のインクジェットプリンタ1に電源が投入されていない状態や、ヘッドユニット3がインクジェットプリンタに組み込まれていない状態でも、電磁弁を連通状態にすることができる。
また、第2実施形態では、蓋102に押部材部106のような、収容部103に収容されたヘッドユニット3の切換弁を連通状態にするための構成(連通手段)が設けられていたが、これには限られない。例えば、ケース本体101に、収容部103に収容されたヘッドユニット3の切換弁を連通状態にするための構成が設けられていてもよい。
また、第1実施形態では、ノズル面21aが吸引キャップ11と対向するときのヘッドユニット3の位置が待機位置となっていたが、これには限られない。例えば、吸引キャップ11とは別に、記録を行わないとき等にノズル31を覆うことでノズル31の乾燥を防止するキャップが設けられ、ノズル面21aがこのキャップと対向するときのヘッドユニット3の位置が待機位置となっていてもよい。そして、この場合には、例えば、キャリッジ2により、ヘッドユニット3をこの待機位置まで移動させたときに、傾斜面51aを走査方向に押圧する突起等を設ければよい。
なお、この場合には、キャリッジ2により、ヘッドユニット3をノズル面21aが吸引キャップ11と対向する位置まで移動させたときに、ヘッド側流路41とインク流出流路45とを連通させなくてもよい。この場合には、パージを行ったときに、上述したように、供給側流路42内のインクが、遮断位置にある板バネ47を壁46から離れるように変形させつつ、ヘッド側流路41に流れ込むことになる。
また、以上の例では、切換弁が、圧力差ΔPが所定圧力差ΔPa以上のときに、ヘッド側流路41とインク流出流路45とが連通する連通状態となり、圧力差ΔPが所定圧力差ΔPaよりも小さいときに、ヘッド側流路41とインク流出流路45との連通が遮断された遮断状態とが切り換わるものであったが、これには限られない。切換弁は、例えば、供給側流路42内のインクの圧力に関係なく、ヘッド側流路41内のインクの圧力が所定圧力以上のときに遮断状態となり、所定圧力よりも低いときに連通状態となるなど、インク流路内の液体の圧力に関する他の条件を満たすときに連通状態となり、当該条件を満たさないときに遮断状態となるものであってもよい。さらには、切換弁は、インク流路内のインクの温度に関する条件など、インク流路内のインクの圧力以外の状態に関する所定条件を満たすときに連通状態となり、当該所定条件を満たさないときに遮断状態となるものであってもよい。
また、第1実施形態では、本発明を、キャリッジ2とともに走査方向に移動しつつ、ノズル31からインクを吐出する、いわゆるシリアルヘッドを備えたプリンタ、このようなプリンタを形成するシリアルヘッド、及び、シリアルヘッドを収容するためのヘッドケースに本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。例えば、記録用紙Sの幅方向のほぼ全長にわたって延びた、いわゆるラインヘッドを備えたプリンタ、このようなプリンタを形成するラインヘッド、及び、ラインヘッドを収容するためのヘッドケースに本発明を適用することも可能である。
さらには、インク以外の液体を吐出するヘッドユニットを備えた、インクジェットプリンタ以外の液体吐出装置、液体吐出装置を形成するヘッドユニット、及び、ヘッドユニットを収容するためのヘッドケースに本発明を適用することも可能である。