JP6549424B2 - 延伸フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、長尺のポリビニルアルコール系樹脂フィルムから延伸フィルムを製造する方法に関する。
偏光板は、液晶表示装置等の画像表示装置における偏光素子などとして広く用いられている。偏光板としては、偏光フィルムの片面又は両面に接着剤等を用いて透明樹脂フィルム(保護フィルム等)を貼合した構成のものが一般的である。
偏光フィルムは主に、ポリビニルアルコール系樹脂からなる原反フィルムに対して、ヨウ素等の二色性色素を含有する染色浴に浸漬させる処理、次いでホウ酸等の架橋剤を含有する架橋浴に浸漬させる処理などを施すとともに、いずれかの段階でフィルムを一軸延伸することによって製造されている。一軸延伸には、上記浸漬処理の前に空中で延伸を行う乾式延伸と、上記染色浴及び架橋浴等の液中で延伸を行う湿式延伸とがある。
乾式延伸に供されるポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、延伸適性を高めるために、フィルムの水分率を調整しておくことがある。例えば特開2002−333521号公報(特許文献1)には、乾式延伸に供されるポリビニルアルコール系樹脂フィルムの含水率を乾燥によって10%以下にすることが記載されている(段落[0016])。
フィルムの水分率調整に関し、例えば特開2004−160846号公報(特許文献2)には、ポリビニルアルコール系フィルムを流延製膜により製造し、次いで、調湿機内にてフィルムの両面から水蒸気を吹き付ける調湿(加湿)処理を行うことが記載されている(段落[0057])。
特開2002−333521号公報 特開2004−160846号公報
本発明の目的は、新たな方法で水分率が調整されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを用いて延伸フィルムを製造する方法を提供することにある。
本発明は、以下に示す延伸フィルムの製造方法を提供する。
[1] 長尺のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを連続的に加湿装置に導入して、加湿フィルムを得る工程と、
前記加湿装置から導出された前記加湿フィルムを乾式延伸して、延伸フィルムを得る工程と、
を含み、
前記加湿フィルムを得る工程は、前記加湿装置内での前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの搬送経路長を変化させることによって前記加湿フィルムの水分率を調整する工程を含む、延伸フィルムの製造方法。
[2] 前記加湿装置は、内部の相対湿度を調整可能なチャンバと、前記チャンバ内に配置され、前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの搬送経路を規定する複数のガイドロールと、を備えており、
前記複数のガイドロールの少なくとも1つは、位置移動が可能な可動ガイドロールであり、
前記水分率を調整する工程は、前記可動ガイドロールの位置を調整することを含む、[1]に記載の製造方法。
[3] 前記加湿フィルムを得る工程は、
前記加湿装置から導出された前記加湿フィルムの水分率を検出する工程と、
前記検出する工程で得られる検出結果に基づいて、前記可動ガイドロールの位置を制御する工程と、
をさらに含む、[2]に記載の製造方法。
[4] 前記水分率を検出する工程において前記水分率は、前記加湿装置から導出された前記加湿フィルムを搬送しながらインラインで検出する、[3]に記載の製造方法。
[5] 前記可動ガイドロールは、水平方向から傾いた方向へ平行移動可能である、[2]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6] 前記チャンバは、前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムが導入される側の第1室と、前記加湿フィルムを導出する側の第2室と、を含み、
前記第2室内の相対湿度は、前記第1室内の相対湿度よりも高い、[2]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7] 前記第1室及び前記第2室のそれぞれが前記可動ガイドロールを備える、[6]に記載の製造方法。
本発明によれば、新たな方法で水分率が調整されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを用いて延伸フィルムを製造する方法を提供することができる。
本発明に係る延伸フィルムの製造方法の一例を示すフローチャートである。 加湿フィルムを得る工程S10で好適に用いられる加湿装置及びこれを含む加湿システムの一例を示す概略断面図である。 可動ガイドロールの位置移動方向の一例を示す概略断面図である。 加湿フィルムを得る工程S10で好適に用いられる加湿装置及びこれを含む加湿システムの他の一例を示す概略断面図である。
<延伸フィルムの製造方法>
図1を参照して、本発明に係る延伸フィルムの製造方法は、
長尺のポリビニルアルコール系樹脂フィルム(以下、PVAフィルムともいう。)を連続的に加湿装置に導入して、加湿フィルムを得る工程S10と、
加湿装置から導出された前記加湿フィルムを乾式延伸して、延伸フィルムを得る工程S20と、
を含む。
(1)加湿フィルムを得る工程S10
加湿フィルムを得る工程S10は、長尺のPVAフィルムを連続的に加湿装置に導入することによって加湿フィルムを得る工程であり、図1を参照して、当該加湿装置内でのPVAフィルムの搬送経路長を変化させることによって加湿フィルムの水分率を調整する工程S101を含む。
(1−1)ポリビニルアルコール系樹脂フィルム
PVAフィルムを構成するポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体が例示される。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルよりなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。その他の「(メタ)」を付した用語においても同様である。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、80.0〜100.0モル%の範囲であることができるが、好ましくは90.0〜100.0モル%の範囲であり、より好ましくは98.0〜100.0モル%の範囲である。ケン化度が80.0モル%未満であると、得られる延伸フィルムを偏光フィルムの原料として使用する場合、当該偏光フィルムを含む偏光板の耐水性及び耐湿熱性が低下し得る。
ケン化度とは、ポリビニルアルコール系樹脂の原料であるポリ酢酸ビニル系樹脂に含まれる酢酸基(アセトキシ基:−OCOCH3)がケン化工程により水酸基に変化した割合をユニット比(モル%)で表したものであり、下記式:
ケン化度(モル%)=100×(水酸基の数)/(水酸基の数+酢酸基の数)
で定義される。ケン化度は、JIS K 6726(1994)に準拠して求めることができる。ケン化度が高いほど、水酸基の割合が高いことを示しており、従って結晶化を阻害する酢酸基の割合が低いことを示している。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、好ましくは100〜10000であり、より好ましくは1500〜8000であり、さらに好ましくは2000〜5000である。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度もJIS K 6726(1994)に準拠して求めることができる。平均重合度が100未満では、得られる延伸フィルムを偏光フィルムの原料として使用する場合、好ましい偏光性能を有する偏光フィルムを得ることが困難であり、10000超では溶媒への溶解性が悪化し、PVAフィルムの形成が困難となり得る。
PVAフィルムは、上述したポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものである。製膜方法は、特に限定されるものではなく、溶融押出法、溶剤キャスト法のような公知の方法を採用することができる。PVAフィルムの厚みは、例えば10〜150μm程度であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは65μm以下、さらに好ましくは50μm以下、特に好ましくは35μm以下(例えば30μm以下、さらには20μm以下)である。
PVAフィルムは、可塑剤等の添加剤を含有することができる。可塑剤の好ましい例は多価アルコールであり、その具体例は、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセリン、トリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ポリエチレングリコール等を含む。PVAフィルムは、1種又は2種以上の可塑剤を含有することができる。可塑剤の含有量は、PVAフィルムを構成するポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、通常5〜20重量部であり、好ましくは7〜15重量部である。
(1−2)加湿装置
図2に、加湿フィルムを得る工程S10で好適に用いられる加湿装置及びこれを含む加湿システムの一例を概略断面図で示している。図2に示される加湿装置3は、長尺のPVAフィルム1を連続的に加湿する(水分率を上昇させる)ための装置であり、内部の相対湿度を調整可能なチャンバ4を含む。チャンバ4は、加湿される対象である長尺のPVAフィルム1をチャンバ4内に導入するための導入口5と、加湿されたフィルム(加湿フィルム)2をチャンバ4から導出するための導出口6とを有する。
チャンバ4内には複数のガイドロール7,8が配置されている。これらのガイドロール7,8は、チャンバ4内のPVAフィルム1を案内するロールであり、チャンバ4内でのPVAフィルム1の搬送経路を規定する。加湿環境下にあるチャンバ4内に導入口5から連続的に導入されたPVAフィルム1は、当該搬送経路に沿って(各ガイドロール7,8の外周に巻き掛けられた状態で)連続的に搬送される。この搬送過程でPVAフィルム1は、ある滞留時間、加湿環境下にあるチャンバ4内に置かれることによって加湿される。加湿されたフィルム2は、連続的に導出口6から導出され、次の延伸フィルムを得る工程S20に供される。あるいは、導出口6から導出された加湿フィルム2を一旦ロール状に巻き取り、後にこのフィルムロールから加湿フィルム2を巻き出して延伸フィルムを得る工程S20に供してもよい。好ましくは、加湿フィルム2は、一旦巻き取られることなく、引き続き延伸フィルムを得る工程S20に供される。
加湿装置3において、チャンバ4内に設置されるガイドロール群は、位置移動が可能である可動ガイドロール8(図2の例において2個)と、位置移動が可能でない非可動ガイドロール7(図2の例において3個)で構成されている。「位置移動が可能である可動ガイドロール」とは、ガイドロールの回転軸のチャンバ4内における配置位置を移動させることができるガイドロールをいう。非可動ガイドロール7及び可動ガイドロール8は、それぞれ独立して、駆動ロールであってもよいし、フリーロールであってもよい。駆動ロールとは、それに接触するフィルムに対してフィルム搬送のための駆動力を与えることができるロールをいい、モータ等のロール駆動源が直接又は間接的に接続されたロールや、サクションロール(吸引ロール)等が挙げられる。フリーロールとは、単に走行するフィルムを支持する役割を担い、フィルム搬送のための駆動力を与えることができないロールをいう。
可動ガイドロール8を有する加湿装置3によれば、可動ガイドロール8の位置調整によって加湿装置3(チャンバ4)内でのPVAフィルム1の搬送経路長を自在に変化させることができる。PVAフィルム1の搬送経路長の変化は、加湿装置3(チャンバ4)内での滞留時間の変化を意味している。従って、可動ガイドロール8の位置調整によって、得られる加湿フィルム2の加湿状態(水分率)を制御することができる。すなわち、加湿装置3を用いる場合において、加湿フィルム2の水分率を調整する工程S101は、加湿装置3が有する少なくとも1つの可動ガイドロール8の位置を調整することを含む。
従来のフィルム加湿装置においては一般的に、上記特許文献2のように、加湿装置内の加湿環境を制御することによって、得られる加湿フィルムの加湿状態(水分率)の調整していた。しかし、加湿装置内の加湿環境の制御によって加湿フィルムの加湿状態を精密に調整することは容易ではないし、加湿装置内の加湿環境を所望の環境へ調整するにはある程度の時間を要するため、所望の加湿状態(水分率)を有する加湿フィルムを得るまでに多くのフィルムロスが生じるという問題もあった。本発明で好適に用いられる加湿装置3によれば、チャンバ4内におけるPVAフィルム1の搬送経路長、従って滞留時間を短時間で変化させることができるため、仮に加湿フィルム2の加湿状態(水分率)が所望の状態になっていない場合や、所望の加湿状態(水分率)を変化させる場合などにおいても、短時間で所望の加湿状態(水分率)を有する加湿フィルム2を提供することができる。また、可動ガイドロール8の位置移動によって搬送経路長を変化させる加湿装置3によれば、搬送経路長、従って滞留時間を緻密に制御することができるため、加湿フィルム2の加湿状態(水分率)を精密に調整することができる。水分率の精密な調整は、延伸フィルムを得る工程S20におけるPVAフィルム1の延伸適性(とりわけ乾式延伸への適性)を向上させ得る。
加湿装置3が備える非可動ガイドロール7及び可動ガイドロール8の数は図2の例に限定されず、可動ガイドロール8を少なくとも1つ備えていればよい。加湿装置3が備えるガイドロールのすべてが可動ガイドロール8であってもよい。搬送経路長の変化(最大搬送経路長と最小搬送経路長との差)をより大きくできる点、及び搬送経路長をより緻密に制御できる点から、加湿装置3は可動ガイドロール8を2以上有していることが好ましい。
可動ガイドロール8の位置移動は、例えばボールネジ、油圧シリンダー、空気圧シリンダー、水圧シリンダー、電動シリンダー、リニアアクチュエーター等のような機構を用いて行うことができる。
可動ガイドロール8の位置移動は、例えば図2に示されるように、PVAフィルム1の搬送経路長を変化させることができるような位置移動であり、これは通常、可動ガイドロール8の平行移動を含む。平行移動とは、位置移動前後の可動ガイドロール8の回転軸が平行であることをいう。可動ガイドロール8の位置移動の方向は特に制限されず、例えば水平方向を基準とするとき、図3に示されるように水平方向と平行であってもよいし、図2に示されるように水平方向から傾いた方向であってもよい。加湿装置3が可動ガイドロール8を2以上有する場合において、これらの可動ガイドロール8は、同じ方向に移動可能であってもよいし、異なる方向に移動可能であってもよい。また、これらの可動ガイドロール8の可動距離も同じであってもよいし、異なっていてもよい。
可動ガイドロール8の位置移動方向が水平方向から傾いた方向であることは、加湿装置3の占有面積(設置床面積)を低減させるうえで有利である。水平方向から傾いた方向の好適な一例は、鉛直方向である。すなわちこの場合、可動ガイドロール8は、上下方向(縦方向)に昇降可能なロールである。例えば、加湿されるPVAフィルム1のチャンバ4内への導入においてPVAフィルム1の搬送方向は水平方向であることができ、加湿フィルム2のチャンバ4からの導出において加湿フィルム2の搬送方向も水平方向であることができるが(ただし、これに限定されるものではない。)、この場合、鉛直方向はPVAフィルム1又は加湿フィルム2の搬送方向に対して垂直な方向である。
チャンバ4は、内部の水分調整によって内部の相対湿度を調整可能なものである。長尺のPVAフィルム1を連続的にチャンバ4に通すことによりPVAフィルム1の加湿(水分率の上昇)を連続的に行うことができる。チャンバ4内の相対湿度は、所望する加湿フィルム2の加湿状態(水分率)に応じて設定することができる。チャンバ4内の相対湿度は、例えば20%以上であり、好ましくは30%以上であり、さらには40%以上であってもよい。
上記相対湿度は、通常99%以下であり、好ましくは95%以下である。相対湿度があまりに高いと、PVAフィルム1の温度によってはPVAフィルム1の表面に結露を生じる場合がある。PVAフィルム1の表面に結露が発生すると、水の蒸発潜熱により、その結露部分においてPVAフィルム1の温度が所望値まで上がらず、その結果、その結露部分において所望の加湿状態(水分率)とならないことがある。また、PVAフィルム1の表面に結露が生じると、後で結露跡が生じて加湿フィルム2、ひいては延伸フィルムや偏光フィルムの外観品質に悪影響を及ぼすことがある。結露跡とは、結露が生じ、それが乾燥した後に残る乾燥跡をいう。
チャンバ4は、好ましくは、内部の相対湿度とともに内部温度を調整可能なものである。PVAフィルム1の温度を適度に高めることにより、PVAフィルム1の加湿を効率的に行うことができる。内部温度は、熱風の供給等により高めることができる。PVAフィルム1の温度調整のために、熱風の代わりに、又はこれと組み合わせて、赤外線ヒーター、ハロゲンヒーター、パネルヒーター等を用いたり、ガイドロール7,8の少なくとも1つとして熱ロールを用いたりすることもできる。ここでいう熱ロールとは、熱源(例えば、温水等の熱媒や赤外線ヒーター)を内部に備え、表面温度を高めることができるロールをいう。
PVAフィルム1を加湿処理する際のチャンバ4の内部温度、及びPVAフィルム1の温度は、通常35℃以上であり、好ましくは40℃以上であり、より好ましくは45℃以上である。内部温度及びPVAフィルム1の温度が35℃以上であることにより、加湿処理の効率を高めることができる。一方、内部温度及びPVAフィルム1の温度があまりに高いとPVAフィルム1の熱劣化を招き得ることから、チャンバ4の内部温度及びPVAフィルム1の温度は、150℃以下であることが好ましく、130℃以下であることがより好ましく、100℃以下であることがさらに好ましく、90℃以下であることが特に好ましい。
チャンバ4内でのPVAフィルム1の滞留時間は、所望する加湿フィルム2の加湿状態(水分率)に応じて、可動ガイドロール8の位置調整によって制御することができる。PVAフィルム1の滞留時間は、例えば5〜500秒程度である。
図4は、加湿フィルムを得る工程S10で好適に用いられる加湿装置及びこれを含む加湿システムの他の一例を示す概略断面図である。図4に示される加湿装置3は、複数の室からなるチャンバを含むこと以外は図2に示される加湿装置3と同様の構成を有する。具体的には、図4に示される加湿装置3においてチャンバは、PVAフィルム1の導入口5を含む第1室4aと、加湿フィルム2の導出口6を含む第2室4bとで構成されている。第1室4aと第2室4bとは、それぞれ独立して室内の相対湿度を調整可能なものであり、好ましくは室内の相対湿度とともに内部温度を調整可能なものである。
各室内でのPVAフィルム1の搬送経路長を自在に変化させることができるよう、第1室4aと第2室4bとはそれぞれ、上述の可動ガイドロール8を少なくとも1つ備えることが好ましい。第1室4aが備えるガイドロールのすべてが可動ガイドロール8であってもよく、第2室4bが備えるガイドロールのすべてが可動ガイドロール8であってもよい。搬送経路長の変化をより大きくできる点、及び搬送経路長をより緻密に制御できる点から、第1室4aと第2室4bとはそれぞれ、可動ガイドロール8を2以上有していることが好ましい。第1室4a及び第2室4bに含まれる複数の可動ガイドロール8は、同じ方向に移動可能であってもよいし、異なる方向に移動可能であってもよい。また、これらの可動ガイドロール8の可動距離も同じであってもよいし、異なっていてもよい。
導出口6側の第2室4b内の相対湿度は、導入口5側の第1室4a内の相対湿度より大きいことが好ましい。相対湿度のより低い第1室4aを通過させた後に相対湿度のより高い第2室4bを通過させることにより、PVAフィルム1の加湿をより効率的に行うことができる。
加湿装置3は、図4に示される第1室4aと第2室4bとの間に第3室を設けるなど、3以上の室(チャンバ)で構成されていてもよい。3以上の室は、好ましくはそれぞれ独立して室内の相対湿度を調整可能なものであり、より好ましくは室内の相対湿度とともに内部温度を調整可能なものである。また、各室内でのPVAフィルム1の搬送経路長を自在に変化させることができるよう、各室はそれぞれ、上述の可動ガイドロール8を少なくとも1つ備えることが好ましい。搬送経路長の変化をより大きくできる点、及び搬送経路長をより緻密に制御できる点から、各室はそれぞれ、可動ガイドロール8を2以上有していることが好ましい。3以上の室に含まれる複数の可動ガイドロール8は、同じ方向に移動可能であってもよいし、異なる方向に移動可能であってもよい。また、これらの可動ガイドロール8の可動距離も同じであってもよいし、異なっていてもよい。
加湿装置3を用いる場合において、加湿フィルムを得る工程S10は、図1を参照して、好ましくは、加湿装置3から導出された加湿フィルム2の水分率を検出する工程S102と、検出する工程S102で得られる検出結果に基づいて、可動ガイドロール8の位置を制御する工程S103とをさらに含む。工程S102及び工程S103は、上述の加湿装置3を含む加湿システムを用いて行うことができる。
図2及び図4に示されるように、加湿システムは、上述の加湿装置3を備える加湿部と、加湿装置3から導出される加湿フィルム2の水分率を検出する検出部10と、検出部10と加湿装置3が備える可動ガイドロール8とに接続され、検出部10による検出結果に基づいて可動ガイドロール8の位置を制御する制御部20とを含む。工程S102は検出部10によって行うことができ、工程S103は制御部20によって行うことができる。
S101〜S103の一連の工程を含む加湿フィルム2の作製方法は、所望の水分率を有する加湿フィルム2を連続的に、かつ安定的に製造するうえで有利である。すなわち、この方法によれば、検出する工程S102で得られる検出結果に基づいて、加湿フィルム2の水分率が所望値(又は所望範囲内)となるように可動ガイドロール8の位置、従ってPVAフィルム1の搬送経路長をフィードバック制御することができる。
S101〜S103の一連の工程を含む加湿フィルムを得る工程S10の具体的フローは例えば次のとおりである。まず、加湿装置3内でのPVAフィルム1の搬送経路長を調整することによって、水分率が調整された加湿フィルム2を製造する(工程S101)。次いで、導出口6から導出された加湿フィルム2の水分率を検出部10によって検出し(工程S102)、水分率検出値が所望値又は所望範囲内であるか否かを判定する。この判定は、検出部10が行うようにしてもよいし、制御部20が行うようにしてもよい。水分率検出値が所望値又は所望範囲内である場合、工程S103において制御部20は、可動ガイドロール8の位置を変化させずに維持する。一方、水分率検出値が所望値又は所望範囲内でない場合、工程S103において制御部20は、可動ガイドロール8の位置を調整してチャンバ4内でのPVAフィルム1の搬送経路長を変化させる。具体的には制御部20は、水分率検出値が所望値又は所望範囲よりも大きい場合にはPVAフィルム1の搬送経路長が短くなるように、水分率検出値が所望値又は所望範囲よりも小さい場合にはPVAフィルム1の搬送経路長が長くなるように可動ガイドロール8の位置を調整する。そして、好ましくはPVAフィルム1の搬送経路長を変化させた後に、再度、検出部10によって加湿フィルム2の水分率を検出し、水分率検出値が所望値又は所望範囲内であるか否かを確認する。以上の制御を水分率検出値が所望値又は所望範囲内となるまで繰り返す。
好ましくは、検出部10は、加湿フィルム2の水分率を連続的に、あるいは、ある時間間隔毎に継続的に検出し、これに応じて制御部20は、可動ガイドロール8の位置に係るフィードバック制御を連続的に、あるいは、ある時間間隔毎に継続的に行う。
可動ガイドロール8の位置を調整してチャンバ4内でのPVAフィルム1の搬送経路長を変化させるにあたっては、PVAフィルム1の搬送経路長の変化量と加湿フィルム2の水分率の変化量との相関関係を予め調べておき、これに基づいて搬送経路長の変化量を決定してもよい。加湿装置3が複数の可動ガイドロール8を備える場合、位置移動させる可動ガイドロール8やその数、個々の可動ガイドロール8の移動距離などは、PVAフィルム1の搬送経路長の変化量が所定値となるよう適宜選択される。
検出部10は、加湿装置3から導出された加湿フィルム2を搬送しながらインラインで水分率を検出できるものであることが好ましく、このようなものとして赤外線吸収式の水分率計を好適に用いることができる。上述の水分率検出値として、赤外線吸収式の水分率計による水分率を採用してもよいし、あるいは、赤外線吸収式の水分率計による水分率と乾燥重量法に従う水分率との相関を示す検量線を予め作成しておき、この検量線によって換算される乾燥重量法に従う水分率を水分率検出値として採用してもよい。
乾燥重量法に従う水分率は、105℃で2時間乾燥させたときのフィルムの重量をW1、乾燥前のフィルムの重量をW0とするとき、次式:
乾燥重量法による水分率(重量%)={(W0−W1)÷W0}×100
に従って求められる。
制御部20は、検出部10からの信号を受信することができ、これに基づいて可動ガイドロール8の位置を制御するコンピュータなどであることができる。
図示されていないが、フィルム加湿システムは、加湿装置3の上流側に配置されるPVAフィルム1を加熱するための加熱装置を含むことができる。PVAフィルム1を加熱装置に通した後に加湿装置3に導入することにより、加湿装置3に導入したときに生じ得るPVAフィルム1表面の結露をより効果的に抑制又は防止することができる。上記加熱装置は、内部温度を調整可能な加熱チャンバ(熱風の供給により内部温度を高めることができる熱風オーブン等)、1又は2以上の熱ロール、ヒーター(赤外線ヒーター、ハロゲンヒーター、パネルヒーター等)などであることができる。
加熱装置によるフィルム1の加熱温度は、例えば50〜150℃であり、好ましくは60〜130℃であり、より好ましくは70〜120℃である。加湿装置3に導入したときのPVAフィルム1表面の結露を効果的に抑制又は防止するために、加熱装置によるPVAフィルム1の加熱温度は、PVAフィルム1を加湿処理する際のチャンバ4の内部温度、及びチャンバ4内でのPVAフィルム1の温度より、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上高い。
加熱装置によるPVAフィルム1の加熱処理は通常、チャンバ4内の相対湿度よりも低い相対湿度環境下で実施される。
加湿フィルムを得る工程S10で用いられる加湿装置は、当該加湿装置内でのPVAフィルムの搬送経路長を変化させることができるものである限り制限されず、上記可動ガイドロール8を有する加湿装置3のほか、例えば、内部の相対湿度を調整可能なチャンバ内に移動させたり当該チャンバ外へ移動させたりすることが可能な、PVAフィルムの搬送経路を規定する1又は2以上のガイドロールを備えており、このガイドロールの出し入れによってチャンバ内でのPVAフィルムの搬送経路長を自在に変化させることができるものであってもよい。ただし、設備の簡便さの観点から、上記可動ガイドロール8を有する加湿装置3を用いることが好ましい。
得られる加湿フィルム2の水分率は、加湿フィルム2の厚みにもよるが、好ましくは4〜15重量%であり、より好ましくは5〜13重量%であり、7重量%以上、さらには8重量%以上であってもよい。
(2)延伸フィルムを得る工程S20
延伸フィルムを得る工程S20は、加湿フィルム2を乾式延伸することにより延伸フィルムを得る工程である。乾式延伸とは空中で行う延伸をいい、通常は縦一軸延伸である。乾式延伸としては、表面が加熱された熱ロールと、この熱ロールとは周速の異なるガイドロール(又は熱ロールであってもよい。)との間にフィルムを通し、熱ロールを利用した加熱下に縦延伸を行う熱ロール延伸;距離を置いて設置された2つのニップロール間にある加熱手段(オーブン等)を通過させながら、これら2つのニップロール間の周速差によって縦延伸を行うロール間延伸;テンター延伸;圧縮延伸等を挙げることができる。延伸温度(熱ロールの表面温度や、オーブン内温度等)は、例えば80〜150℃であり、好ましくは100〜135℃である。
加湿フィルム2の延伸倍率は、延伸フィルムを偏光フィルムの原料として使用する場合における偏光フィルムの光学特性(特に偏光特性)の観点から、好ましくは3.5倍以上であり、より好ましくは4倍以上である。延伸倍率は、通常8倍程度以下である。
長尺フィルムとして連続的に得られる延伸フィルムは、一旦巻き取ってフィルムロールとされてもよいし、巻き取ることなく引き続き、例えば偏光フィルム化工程などの次の工程に供給してもよい。
<偏光フィルム及び偏光板の製造>
本発明に係る製造方法によって得られる延伸フィルムは、偏光フィルムの原料として好適に用いることができる。偏光フィルムは、延伸フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程;二色性色素が吸着されたフィルムを架橋処理する工程;及び、架橋処理後に水洗する工程、を経て製造することができる。二色性色素としては、ヨウ素又は二色性有機染料を用いることができる。
延伸フィルムを二色性色素で染色する方法としては、例えば、延伸フィルムを二色性色素が含有された水溶液(染色溶液)に浸漬する方法が採用される。延伸フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理(膨潤処理)を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は、通常、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、延伸フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この染色水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100重量部あたり通常0.01〜1重量部である。また、ヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部あたり通常0.5〜20重量部である。染色水溶液の温度は、通常20〜40℃程度である。
一方、二色性色素として二色性有機染料を用いる場合は、通常、水溶性の二色性有機染料を含む染色水溶液に、延伸フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。染色水溶液における二色性有機染料の含有量は、水100重量部あたり通常1×10-4〜10重量部であり、好ましくは1×10-3〜1重量部である。この染色水溶液は、硫酸ナトリウム等の無機塩を染色助剤として含有していてもよい。染色水溶液の温度は、通常20〜80℃程度である。
二色性色素による染色後の架橋処理は、染色されたフィルムを架橋剤含有水溶液に浸漬することにより行うことができる。架橋剤の好適な例はホウ酸であるが、ホウ砂のようなホウ素化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド等の他の架橋剤を用いることもできる。架橋剤は1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤含有水溶液における架橋剤の量は、水100重量部あたり通常2〜15重量部であり、好ましくは5〜12重量部である。二色性色素としてヨウ素を用いる場合、この架橋剤含有水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。架橋剤含有水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、水100重量部あたり通常0.1〜15重量部であり、好ましくは5〜12重量部である。架橋剤含有水溶液の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50〜85℃である。
架橋処理後のフィルムは通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、架橋処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することにより行うことができる。水洗処理における水の温度は通常、1〜40℃程度である。
膨潤処理、染色処理、架橋処理及び洗浄処理のいずれか1以上の処理において、必要に応じてフィルムに湿式延伸を施してもよい。
水洗後に乾燥処理を施して、偏光フィルムが得られる。乾燥処理は、熱風乾燥機による乾燥、熱ロールに接触させることによる乾燥、遠赤外線ヒーターによる乾燥などであることができる。乾燥処理の温度は、通常30〜100℃程度であり、50〜90℃が好ましい。偏光フィルムの厚みは、通常2〜40μm程度である。偏光板の薄膜化の観点から、偏光フィルムの厚みは、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは15μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下である。
偏光フィルムの片面又は両面に接着剤層を介して熱可塑性樹脂フィルムを貼合することにより偏光板を得ることができる。熱可塑性樹脂フィルムは、透光性を有する熱可塑性樹脂、好ましくは光学的に透明な熱可塑性樹脂で構成されるフィルムである。熱可塑性樹脂フィルムを構成する熱可塑性樹脂は、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロースのようなセルロース系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;メタクリル酸メチル系樹脂のような(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系樹脂;アクリロニトリル・スチレン系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリアセタール系樹脂;変性ポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリスルホン系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリアミドイミド系樹脂;ポリイミド系樹脂等であることができる。
鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂のような鎖状オレフィンの単独重合体のほか、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。より具体的な例は、ポリプロピレン系樹脂(プロピレンの単独重合体であるポリプロピレン樹脂や、プロピレンを主体とする共重合体)、ポリエチレン系樹脂(エチレンの単独重合体であるポリエチレン樹脂や、エチレンを主体とする共重合体)を含む。
環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称である。環状ポリオレフィン系樹脂の具体例を挙げれば、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレンのような鎖状オレフィンとの共重合体(代表的にはランダム共重合体)、及びこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、並びにそれらの水素化物等である。中でも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等のノルボルネン系モノマーを用いたノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。
セルロース系樹脂とは、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)等の原料セルロースから得られるセルロースの水酸基における水素原子の一部または全部がアセチル基、プロピオニル基及び/又はブチリル基で置換された、セルロース有機酸エステル又はセルロース混合有機酸エステルをいう。例えば、セルロースの酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、及びそれらの混合エステル等からなるものが挙げられる。中でも、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートが好ましい。
ポリエステル系樹脂は、エステル結合を有する、上記セルロース系樹脂以外の樹脂であり、多価カルボン酸又はその誘導体と多価アルコールとの重縮合体からなるものが一般的である。多価カルボン酸又はその誘導体としては2価のジカルボン酸又はその誘導体を用いることができ、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ナフタレンジカルボン酸ジメチル等が挙げられる。多価アルコールとしては2価のジオールを用いることができ、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。好適なポリエステル系樹脂の例は、ポリエチレンテレフタレートを含む。
ポリカーボネート系樹脂は、カルボナート基を介してモノマー単位が結合された重合体からなるエンジニアリングプラスチックであり、高い耐衝撃性、耐熱性、難燃性、透明性を有する樹脂である。ポリカーボネート系樹脂は、光弾性係数を下げるためにポリマー骨格を修飾したような変性ポリカーボネートと呼ばれる樹脂や、波長依存性を改良した共重合ポリカーボネート等であってもよい。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系モノマー由来の構成単位を含む重合体である。該重合体は、典型的にはメタクリル酸エステルを含む重合体である。好ましくはメタクリル酸エステルに由来する構造単位の割合が、全構造単位に対して、50重量%以上含む重合体である。(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル酸エステルの単独重合体であってもよいし、他の重合性モノマー由来の構成単位を含む共重合体であってもよい。この場合、他の重合性モノマー由来の構成単位の割合は、好ましくは全構造単位に対して、50重量%以下である。
(メタ)アクリル系樹脂を構成し得るメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸アルキルエステルが好ましい。メタクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなアルキル基の炭素数が1〜8であるメタクリル酸アルキルエステルが挙げられる。メタクリル酸アルキルエステルに含まれるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜4である。(メタ)アクリル系樹脂において、メタクリル酸エステルは、1種のみを単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル系樹脂を構成し得る上記他の重合性モノマーとしては、アクリル酸エステル、及びその他の分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物を挙げることができる。他の重合性モノマーは、1種のみを単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。アクリル酸エステルとしては、アクリル酸アルキルエステルが好ましい。アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなアルキル基の炭素数が1〜8であるアクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。アクリル酸アルキルエステルに含まれるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜4である。(メタ)アクリル系樹脂において、アクリル酸エステルは、1種のみを単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
その他の分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物としては、エチレン、プロピレン、スチレン等のビニル系化合物や、アクリロニトリルのようなビニルシアン化合物が挙げられる。その他の分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂フィルムは、偏光フィルムを保護するための保護フィルムであることができる。また、熱可塑性樹脂フィルムは、位相差フィルム、輝度向上フィルムのような光学機能を併せ持つ保護フィルムであることもできる。例えば、上記材料からなる熱可塑性樹脂フィルムを延伸(一軸延伸又は二軸延伸等)したり、該フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差フィルムとすることができる。熱可塑性樹脂フィルムは、その表面に積層される、ハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層、防汚層のような表面処理層(コーティング層)を有していてもよい。
熱可塑性樹脂フィルムの厚みは通常1〜100μmであるが、強度や取扱性、偏光板の薄膜化等の観点から5〜60μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましい。
偏光フィルムと熱可塑性樹脂フィルムとの貼合に用いる接着剤としては、水系接着剤、活性エネルギー線硬化性接着剤又は熱硬化性接着剤を用いることができ、好ましくは水系接着剤、活性エネルギー線硬化性接着剤である。
水系接着剤は、接着剤成分を水に溶解したもの又は水に分散させたものである。好ましく用いられる水系接着剤は、例えば、主成分としてポリビニルアルコール系樹脂又はウレタン樹脂を用いた接着剤組成物である。
接着剤の主成分としてポリビニルアルコール系樹脂を用いる場合、当該ポリビニルアルコール系樹脂は、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコールのようなポリビニルアルコール樹脂であることができるほか、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、メチロール基変性ポリビニルアルコール、アミノ基変性ポリビニルアルコールのような変性されたポリビニルアルコール系樹脂であってもよい。ポリビニルアルコール系樹脂は、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体であってもよい。
ポリビニルアルコール系樹脂を接着剤成分とする水系接着剤は通常、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液である。接着剤中のポリビニルアルコール系樹脂の濃度は、水100重量部に対して、通常1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。
ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液からなる接着剤は、接着性を向上させるために、多価アルデヒド、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物、グリオキザール、グリオキザール誘導体、水溶性エポキシ樹脂のような硬化性成分や架橋剤を含有することが好ましい。水溶性エポキシ樹脂としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアルキレンポリアミンと、アジピン酸等のジカルボン酸との反応で得られるポリアミドアミンに、エピクロロヒドリンを反応させて得られるポリアミドポリアミンエポキシ樹脂を好適に用いることができる。かかるポリアミドポリアミンエポキシ樹脂の市販品としては、「スミレーズレジン650」(田岡化学工業(株)製)、「スミレーズレジン675」(田岡化学工業(株)製)、「WS−525」(日本PMC(株)製)等が挙げられる。これら硬化性成分や架橋剤の添加量(硬化性成分及び架橋剤としてともに添加する場合にはその合計量)は、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは1〜50重量部である。上記硬化性成分や架橋剤の添加量がポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して1重量部未満である場合には、接着性向上の効果が小さくなる傾向にあり、また、当該添加量がポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して100重量部を超える場合には、接着剤層が脆くなる傾向にある。
また、接着剤の主成分としてウレタン樹脂を用いる場合の好適な例として、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物との混合物を挙げることができる。ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とは、ポリエステル骨格を有するウレタン樹脂であって、その中に少量のイオン性成分(親水成分)が導入されたものである。かかるアイオノマー型ウレタン樹脂は、乳化剤を使用せずに直接、水中で乳化してエマルジョンとなるため、水系の接着剤として好適である。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線の照射によって硬化する接着剤である。活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合、偏光板が有する接着剤層は、当該接着剤の硬化物層である。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、カチオン重合によって硬化するエポキシ系化合物を硬化性成分として含有する接着剤であることができ、好ましくは、かかるエポキシ系化合物を硬化性成分として含有する紫外線硬化性接着剤である。ここでいうエポキシ系化合物とは、分子内に平均1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有する化合物を意味する。エポキシ系化合物は、1種のみを使用してもよいし2種以上を併用してもよい。
好適に使用できるエポキシ系化合物の具体例は、芳香族ポリオールの芳香環に水素化反応を行って得られる脂環式ポリオールに、エピクロロヒドリンを反応させることにより得られる水素化エポキシ系化合物(脂環式環を有するポリオールのグリシジルエーテル);脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルのような脂肪族エポキシ系化合物;脂環式環に結合したエポキシ基を分子内に1個以上有するエポキシ系化合物である脂環式エポキシ系化合物を含む。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、硬化性成分として、上記エポキシ系化合物の代わりに、又はこれとともにラジカル重合性である(メタ)アクリル系化合物を含有することができる。(メタ)アクリル系化合物としては、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマー;官能基含有化合物を2種以上反応させて得られ、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー等の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物を挙げることができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、カチオン重合によって硬化するエポキシ系化合物を硬化性成分として含む場合、光カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩;芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩;鉄−アレン錯体等を挙げることができる。また、活性エネルギー線硬化性接着剤が(メタ)アクリル系化合物のようなラジカル重合性硬化性成分を含有する場合は、光ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、ベンゾインエーテル系開始剤、チオキサントン系開始剤、キサントン、フルオレノン、カンファーキノン、ベンズアルデヒド、アントラキノン等を挙げることができる。
偏光フィルムに熱可塑性樹脂フィルムを貼合するに先立って、偏光フィルム及び/又は熱可塑性樹脂フィルムの貼合面に、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理のような表面活性化処理を行ってもよい。この表面活性化処理により、偏光フィルムと熱可塑性樹脂フィルムとの接着性を高めることができる。
1 ポリビニルアルコール系樹脂フィルム(PVAフィルム)、2 加湿されたフィルム(加湿フィルム)、3 加湿装置、4 チャンバ、4a チャンバの第1室、4b チャンバの第2室、5 導入口、6 導出口、7 非可動ガイドロール、8 可動ガイドロール、10 検出部、20 制御部。

Claims (6)

  1. 長尺のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを連続的に加湿装置に導入して、加湿フィルムを得る工程と、
    前記加湿装置から導出された前記加湿フィルムを乾式延伸して、延伸フィルムを得る工程と、
    を含み、
    前記加湿フィルムを得る工程は、前記加湿装置内での前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの搬送経路長を変化させることによって前記加湿フィルムの水分率を調整する工程を含み、
    前記加湿装置は、内部の相対湿度を調整可能なチャンバと、前記チャンバ内に配置され、前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの搬送経路を規定する複数のガイドロールと、を備えており、
    前記複数のガイドロールの少なくとも1つは、位置移動が可能な可動ガイドロールであり、
    前記水分率を調整する工程は、前記可動ガイドロールの位置を調整することを含む、延伸フィルムの製造方法。
  2. 前記加湿フィルムを得る工程は、
    前記加湿装置から導出された前記加湿フィルムの水分率を検出する工程と、
    前記検出する工程で得られる検出結果に基づいて、前記可動ガイドロールの位置を制御する工程と、
    をさらに含む、請求項に記載の製造方法。
  3. 前記水分率を検出する工程において前記水分率は、前記加湿装置から導出された前記加湿フィルムを搬送しながらインラインで検出する、請求項に記載の製造方法。
  4. 前記可動ガイドロールは、水平方向から傾いた方向へ平行移動可能である、請求項のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記チャンバは、前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムが導入される側の第1室と、前記加湿フィルムを導出する側の第2室と、を含み、
    前記第2室内の相対湿度は、前記第1室内の相対湿度よりも高い、請求項のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記第1室及び前記第2室のそれぞれが前記可動ガイドロールを備える、請求項に記載の製造方法。
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