JP6549088B2 - 建材パネル、その製造方法および応用 - Google Patents

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Description

本発明は、建材パネルおよびその製造方法、並びに扉パネル構造に関する。
従来、良好な全光線透過率およびヘイズを有し、且つ実用性およびプライバシー保護性を兼備する建材パネルを製造し、それを例えば扉や窓に用いる際は、ガラス材を窓の材料として使用することがよくある。しかし、ガラス材は製造コストが高く、質量も重いため、関連業界では、低製造コストで軽量の扉や窓材料の開発が期待されている。
今まで開発されてきた建材パネルは、良好な全光線透過率を有するが、ヘイズが明らかに不足しているため、使用上ではプライバシー保護の問題や、建材パネルに良好なヘイズを有するが、全光線透過率が明らかに不足するという問題がある。これでは、個人のプライバシーを守る効果を有するものの、実用的価値は欠けている。すなわち、光線が透過できず、室内が暗くなる現象が発生し、実際の使用においては利便性が足りない。例を挙げて説明すると、既知のバックライトモジュール用拡散板、例えば台湾特許第I340854号に開示の技術を建材パネルに適用しても、良い全光線透過率およびヘイズを兼備することができず、或いは優れた全光線透過率若しくはヘイズの効果に達成するものの、実用性が欠けるという問題が存在する。また、例えば表面に雨水等がかかると、即座に光透過現象が発生し、プライバシー保護のトラブルになりかねない。したがって、良い全光線透過率およびヘイズを兼備し、実用性とプライバシー保護とのバランスが取れた建材パネルは、本分野において急務として解決すべき課題である。
本発明は、全光線透過率およびヘイズを兼備すると共に実用性とプライバシー保護とのバランスが取れた建材パネル、その製造方法および応用を提供することを目的とする。
上記の目的を実現するために、本発明の一形態によれば、光透過性基板と、光透過性基板の少なくとも1つの表面上に位置する光拡散層とを含む建材パネルであって、光拡散層は、光学材と、平均粒子径が6〜100μmである複数の第1光拡散粒子とを含み、光拡散層上における10点平均粗さ(Rz)が11〜28μmである、建材パネルを提供する。
また、本発明の一形態によれば、前記光透過性基板の全光線透過率は85%〜99%である。
また、本発明の一形態によれば、100重量部の光学材に対して、前記第1光拡散粒子は10〜30重量部である。
また、本発明の一形態によれば、前記光拡散層は、平均粒子径が0.5〜5マイクロメートル(μm)である複数の第2光拡散粒子をさらに含む。
また、本発明の一形態によれば、100重量部の光学材に対して、前記第2光拡散粒子は0重量部を超え、5重量部以下である。
また、本発明の一形態によれば、前記第2光拡散粒子は、無機微粒子または有機微粒子を含む。
また、本発明の一形態によれば、前記第2光拡散粒子は、架橋性重合体を含む。
また、本発明の一形態によれば、前記第1光拡散粒子および前記第2光拡散粒子は、材質の種類が異なる。
また、本発明の一形態によれば、前記第2光拡散粒子は、架橋シロキサン基を有するシリコーン樹脂である。
また、本発明の一形態によれば、前記第1光拡散粒子は、無機微粒子または有機微粒子を含む。
また、本発明の一形態によれば、前記第1光拡散粒子は、架橋性重合体を含む。
また、本発明の一形態によれば、前記架橋性重合体は、ポリシロキサン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−スチレン共重合体、およびポリスチレンのうち、少なくとも一種を含む。
また、本発明の一形態によれば、前記第1光拡散粒子は、ポリスチレンと、ポリメチルメタクリレートと、メチルメタクリレート−スチレン共重合体とからなる群から選ばれる架橋性重合体を含む。
また、本発明の一形態によれば、前記光透過性基板および前記光学材は、それぞれ独立に、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(MS)と、ポリメチルメタクリレート(PMMA)と、ポリスチレン(PS)と、アクリロニトリル−スチレン(AS)、環状オレフィン重合体(cyclo−olefin copolymer)と、ポリオレフィン共重合体と、ポリエステルと、ポリエチレンと、ポリプロピレンと、ポリ塩化ビニルと、イオノマー(ionomer)と、ポリカーボネート(PC)とからなる群から選ばれる。
また、本発明の一形態によれば、前記光透過性基板は、ポリカーボネートと、ポリスチレンと、ポリメチルメタクリレートと、メチルメタクリレート−スチレン共重合体とからなる群から選ばれる。
また、本発明の一形態によれば、前記光透過性基板の厚さに対する前記光拡散層の厚さの比率は、0.02〜0.9である。
また、本発明の一形態によれば、前記光拡散層の厚さは50〜5000μmである。
また、本発明の一形態によれば、前記光拡散層と前記光透過性基板との接合面(interface)は、平面または曲面(curved surfacec)である。
また、本発明の一形態によれば、前記光透過性基板は、該光透過性基板と前記光拡散層との接合面に対向する面であって表面粗さが0.002〜0.5μmである面を有する。
また、本発明の一形態によれば、前記光拡散層は、前記光透過性基板の2つの対向する表面上に位置する。
また、本発明の一形態によれば、該建材パネルの光透過率は、50〜95%である。
また、本発明の一形態によれば、該建材パネルのヘイズは、70〜99%である。
また、本発明の一形態によれば、該建材パネルの光透過率は、50〜90%である。
また、本発明の一形態によれば、該建材パネルのヘイズは、75〜99%である。
また、本発明の一形態によれば、該建材パネルの厚さは、1〜20ミリメートル(mm)である。
また、本発明の一形態によれば、前記光拡散層の平均表面粗さは1.5〜5.5μmである。
本発明の一実施例によれば、光透過性基板と、前記光透過性基板の少なくとも1つの表面上に位置する光拡散層とを含む建材パネルであって、前記光拡散層は、光学材と、平均粒子径が6〜100μmである複数の第1光拡散粒子とを含み、前記光拡散層の平均表面粗さが1.5〜5.5μmである、建材パネルを提供する。
本発明の一実施例によれば、上記の建材パネルを含む浴室用扉パネルを提供する。
本発明の一実施例によれば、筐体と、上記の建材パネルを含み前記筐体に設けられた板材とを含む扉パネル構造を提供する。
本発明の一実施例によれば、上記の扉パネル構造を含むキッチン用扉パネルを提供する。
本発明の一実施例によれば、上記の扉パネル構造を含む寝室用扉パネルを提供する。
本発明の一実施例によれば、上記の扉パネル構造を含む会議室用扉パネルを提供する。
本発明の一実施例によれば、上記の扉パネル構造を含むオフィス用仕切を提供する。
本発明の一態様によれば、第1熱可塑性透明樹脂を提供するステップと、第2熱可塑性透明樹脂と、平均粒子径が6〜100μmである複数の第1光拡散粒子とを含む光拡散層材を提供するステップと、共押出法を用いて前記第1熱可塑性透明樹脂および前記光拡散層材を共押出することにより、建材パネルにおける光透過性基板および光拡散層をそれぞれ形成するステップとを含み、前記光拡散層上における10点平均粗さが11〜28μmである、建材パネルの製造方法を提供する。
また、本発明の一形態によれば、前記光拡散層材は、前記光透過性基板の2つの対向する表面上にそれぞれ位置する、前記建材パネルの2つの光拡散層を構成する。
また、本発明の一形態によれば、2つの前記光拡散層材を提供し前記共押出法において該2つの前記光拡散層材および前記第1熱可塑性透明樹脂を共押出することにより、建材パネルの、光透過性基板と該光透過性基板の2つの対向する表面上に位置する光拡散層とをそれぞれ形成するステップを、さらに含む。
また、本発明の一形態によれば、前記第1熱可塑性透明樹脂および前記第2熱可塑性透明樹脂は同一材料である。
また、本発明の一形態によれば、前記第1熱可塑性透明樹脂および前記第2熱可塑性透明樹脂は、異なる材料である。
本発明の一態様によれば、建材パネルは、良い全光線透過率およびヘイズを兼備すると共に、実用性とプライバシー保護とのバランスが取れている。
本発明の一実施形態に係る建材パネルを示す模式図である。 本発明の別の実施形態に係る建材パネルを示す模式図である。 本発明の更に別の実施形態に係る建材パネルを示す模式図である。 本発明の更に別の実施形態に係る建材パネルを示す模式図である。 本発明の更に別の実施形態に係る建材パネルを示す模式図である。 本発明の更に別の実施形態に係る建材パネルを示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る扉パネル構造を示す模式図である。
以下は、図面および具体的な実施形態を挙げつつ、本発明を詳しく説明する。但し、本発明は下記の内容に限定されるものではない。
本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、以下の実施形態として挙げられる内容は単に例示に過ぎず、本発明の保護しようとする範囲はこれらの態様に限定されない。また、本明細書の内容は、実現可能なあらゆる実施形態の開示を意図するものではない。本発明の精神および範囲を逸脱しない範囲で、実際の必要に応じて各構成を変更、改修することができる。そのため、本明細書に記載されていない他の実施形態も適用可能である。したがって、明細書に記載の内容は、単に実施形態を述べるためのものであり、本発明の保護範囲を限定するものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る建材パネルを示す模式図である。図1に示すように、建材パネル10は、光透過性基板100および光拡散層110を含む。光拡散層110は、光透過性基板100上に形成され、例えば、光透過性基板100の少なくとも1つの表面上に位置する。光拡散層110には、光学材および複数の第1光拡散粒子が含まれている。第1光拡散粒子の平均粒子径は、6〜100マイクロメートル(μm)である。また、光拡散層110上における10点平均粗さ(Rz)は、11〜28μmである。一実施形態において、光拡散層110の二乗平均平方根粗さ(Rq)は2〜6μmである。また、一実施形態において、光拡散層110における峰から谷までの最大粗さ(Ry)は16〜25μmである。また、一実施形態において、光拡散層110の拡散層側平均表面粗さ(Ra)は1.5〜5.5μmである。
一実施形態において、光透過性基板100の厚さは3mmよりも大きい。光透過性基板100は、厚さが3〜4ミリメートル(mm)であるとき、全光線透過率が、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上、さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは92%以上である。例えば、光透過性基板100の全光線透過率は85%〜99%、または90%〜99%である。また、光透過性基板100内に光拡散粒子が含まれないことが好ましい。光透過性基板100と光拡散層110との組み合わせにより、本発明の一実施形態に係る建材パネル10は、より優れた光学的特性を有すると共に、外観上においてもより高級なガラス質感を持つ。
一実施形態において、光透過性基板100および光拡散層110の光学材は、光透過性を有する有機樹脂基板である。一実施形態として、光透過性基板100および光拡散層110の光学材は、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(MS)と、ポリメチルメタクリレート(PMMA)と、ポリスチレン(PS)と、アクリロニトリル−スチレン(AS)と、環状ポリオレフィン(cyclo−olefin copolymer)と、ポリオレフィン共重合体(例えば、ポリ(4−メチル−1−ペンテン))と、ポリエチレンテレフタレート(polyethyleneterephthalate)と、ポリオレフィン共重合体と、ポリエステルと、ポリエチレンと、ポリプロピレンと、ポリ塩化ビニルと、イオノマー(ionomer)と、ポリカーボネート(PC)とからなる群から、それぞれ独立に選ばれてもよい。中でも、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−スチレン共重合体が好ましく、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−スチレン共重合体がより好ましい。一実施形態において、メチルメタクリレート−スチレン共重合体は、メチルメタクリレート単量体をスチレン単量体と共重合反応させて得られる、メチルメタクリレート単量体単位とスチレン単量体単位とを含む共重合体である。中でも、メチルメタクリレート−スチレン共重合体中において、メチルメタクリレート単量体単位(MMA)とスチレン単量体単位(SM)との質量比(MMA/SM)が30/70〜40/60であることが好ましい。
一実施形態において、光拡散層110にはさらに複数の第2光拡散粒子が含まれてもよく、該第2光拡散粒子の平均粒子径は、0.5〜5マイクロメートル(μm)であってもよい。
一実施形態において、光拡散粒子(第1光拡散粒子および/または第2光拡散粒子)は、光学的性質と実用性とのバランスを調整し業界要求を満たすために用いられる。例えば、所望の光学的性質を満たし、且つ実用上の遮蔽性と水掛下光透過防止性等とを兼備するように、表面粗さおよび全光線透過率の両方の調節に用いることができる。本発明における第1光拡散粒子および第2光拡散粒子は、例えば、ガラス微粒子、硫酸バリウム(BaSO)、炭酸カルシウム(CaCO)および酸化アルミニウム(Al)等を代表とする無機微粒子、並びに、ポリスチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、シリコーン樹脂等の有機微粒子によって作製される。中でも、有機微粒子が好ましい。また、有機微粒子としては、架橋された有機微粒子が好ましい。有機微粒子は、その製造過程において少なくとも部分的に架橋されれば、光透過性樹脂の加工過程に変形が発生しないため、微粒子の状態に維持することができる。つまり、微粒子は、光透過性樹脂の成形温度にまで加熱しても該光透過性樹脂内へ溶融しないことが好ましく、架橋された(メタ)アクリル樹脂、シリコーン樹脂である有機微粒子がより好ましい。その特に好適な具体例として、例えば、部分的に架橋されたメチルメタクリレートを基材とした重合体微粒子(ポリブチルアクリレートからなる内核/ポリメチルメタクリレートからなる外殻を有する重合体)、ポリエチレンゴムを含む内核および外殻を有する内核−外殻型重合体(Rohm and Hass社製の商品名Paraloid EXL−5136)、架橋シロキサン基を有するシリコーン樹脂(東芝Silicone(株)社製の商品名Tospearl 120)等がある。
また、一実施形態において、第1光拡散粒子および第2光拡散粒子は、例えば架橋性重合体などを含む有機材料であってもよい。架橋性重合体は、例えばポリシロキサン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−スチレン共重合体、およびポリスチレンのうち、少なくとも一種を含んでもよい。
なお、第1光拡散粒子および第2光拡散粒子の材質の種類は、互い異なることが好ましい。例えば、第1光拡散粒子はポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、またはメチルメタクリレート−スチレン共重合体から選ばれ、第2光拡散粒子は架橋シロキサン基を有するシリコーン樹脂から選ばれることが好ましい。
また、一実施形態において、第1光拡散粒子の平均粒子径は、6〜100マイクロメートル(μm)であり、好ましくは10〜80μm、特に好適には20〜75μm、さらに好ましくは25〜75μm、さらに好ましくは30〜70μmである。第2光拡散粒子の平均粒子径は、0.5〜5μmであり、好ましくは0.5〜4.5μm、特に好適には0.5〜4μm、最も好ましくは1〜3.5μmである。これらの透明微粒子(すなわち第1光拡散粒子および第2光拡散粒子)の平均粒子径は、粒子数カウント法で測定した重量平均粒子径である。測定装置としては、日科機バイオス株式会社製の粒子数−粒度分布アナライザMODEL Zmを用いた。第1光拡散粒子の重量平均粒子径が6μm未満の場合には、充分な光拡散性が得られないほか、発光面の発光不良が生じるおそれがある。また、100μmを超える場合には、充分な光拡散性が得られないほか、過度な表面粗さによって美感および光学的性質を損なうおそれがある。また、第2光拡散粒子の重量平均粒子径が0.5μm未満の場合には、充分な光拡散性が得られないほか、発光面の発光不良が生じるおそれがあり、5μmを超える場合には、充分な光拡散性が得られないほか、透明度が不十分になるおそれがある。
第1光拡散粒子の使用量は、100重量部の光学材に対して10〜30重量部であることが好ましく、特に好適には15〜25重量部、最も好ましくは18〜23重量部である。第2光拡散粒子の使用量は、100重量部の光学材に対して0〜5重量部であることが好ましく、特に好適には1〜4重量部、最も好ましくは2〜3重量部である。第1光拡散粒子の使用量が10重量部未満の場合、光拡散性が不十分になり、すなわち、光が直に透過して裏側の物体が見えるおそれがあり、室内のプライバシーを守れない問題が生じる。一方、第1光拡散粒子の使用量が30重量部超える場合、光透過率の低下により全光線透過率が低くなりすぎて、建材パネルの裏側の物体を直接に識別できないおそれがあり、使用上に不便が生じる。また、第2光拡散粒子の使用量が5重量部を超える場合、光透過率の低下により全光線透過率が低くなりすぎて、建材パネルの裏側の物体を直接に識別できないおそれがあり、使用上に不便が生じる。端的に言うと、第1光拡散粒子は表面粗さの調整に用いられ、第2光拡散粒子は建材パネルのヘイズの調整に用いられる。但し、実際には、この両方の光拡散粒子は互に相関している。例を挙げて説明すると、両方の光拡散粒子を共に添加する場合は、両者間の添加比を最適な範囲内に調整することにより、建材パネルの全光線透過率およびヘイズという光学的特性を実現する。また、当該最適な範囲内とすることにより、遮蔽性および水掛下光透過防止性などの実用的価値を兼備することができる。
本発明の実施形態によれば、建材パネルは、良好な全光線透過率およびヘイズを有すると共に遮蔽性および水掛下光透過防止性などを兼備し、かつ、高い構造強度を有する。
一実施形態において、光学材と光透過性基板100とは、実質的に同じ屈折率を有してもよい。
また、本発明の実施形態によれば、光透過性基板100は、いかなる光拡散粒子も含まなくてもよいため、ガラス材質に近い透明感を呈する。一方、所望の遮光效果および水掛下光透過防止性などの特性は、光拡散層110のヘイズによって実現可能である。
一実施形態において、図1に示すように、光透過性基板100の厚さT2に対する光拡散層110の厚さT1の比率(T1/T2)は、例えば0.02〜0.9である。好ましくは、光透過性基板100の厚さT2に対する光拡散層110の厚さT1の比率は、例えば0.05〜0.7、より好ましくは例えば0.07〜0.5、最も好ましくは例えば0.08〜0.3である。一実施形態において、光拡散層110の厚さT1は、例えば50〜5000μmである。光拡散層110の厚さT1は、好ましくは例えば100〜3000μm、より好ましくは例えば100〜1000μm、最も好ましくは例えば100〜500μmである。
光拡散層110は、図1に示すように、粗い表面110aを有する。一実施形態において、光拡散層110の粗い表面110aの二乗平均平方根粗さ(Rq)は、好ましくは例えば2〜5.5μm、最も好ましくは例えば2.5〜5.3μmである。一実施形態において、光拡散層110の粗い表面110a上における10点平均粗さ(Rz)は、好ましくは例えば11〜28μm、最も好ましくは例えば12〜27μmである。一実施形態において、光拡散層110の粗い表面110aにおける峰から谷までの最大粗さ(Ry)は、好ましくは例えば17〜24.5μm、最も好ましくは例えば20〜24μmである。一実施形態において、光拡散層110の粗い表面110aの拡散層側平均表面粗さ(Ra)は、例えば1.5〜5.5μm、好ましくは例えば1.6〜5μmである。一実施形態において、光拡散層110の表面硬さを向上させるように、光拡散層110の粗い表面110a上に硬化層を塗布してもよい。硬化層の厚さは、例えば10μm〜30μm、好ましくは10μm〜20μmである。
一実施形態において、光拡散層110と光透過性基板100との接合面(interface)100aは、例えば図1および図2、3に示すような平面または曲面(curved surface)であってもよい。なお、本実施形態では、光拡散層110と光透過性基板100との接合面100aは平面である。
図1に示すように、光透過性基板100は、光拡散層110と光透過性基板100との接合面(interface)100aに対向する面100bを有する。一実施形態において、該面100bの平均表面粗さ(Ra値)は、例えば0.002〜0.5μm、より好ましくは例えば0.01〜0.3μm、最も好ましくは例えば0.02〜0.2μmである。一実施形態において、光透過性基板100の表面硬さを向上させるように、光透過性基板100の面100b上に硬化層を塗布してもよい。一実施形態において、硬化層の厚さは、例えば10μm〜30μm、好ましくは10μm〜20μmである。
一実施形態において、前記硬化層は、例えば、二酸化ケイ素とポリ(メタ)アクリレート系化合物とを含有するポリメタクリレート系組成物であってもよい。一実施形態において、ポリ(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、ポリイソオクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート−スチレン共重合体、イソオクチルアクリレート−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、イソオクチルアクリレート−酢酸ビニル共重合体、ポリエチルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリシクロへキシルアクリレート、ポリイソオクチルメタクリレート、ポリドデシルメタクリレート、ポリオクタデシルメタクリレート、ポリベンジルメタクリレート、ポリエトキシアクリル酸メチル、ポリヒドロキシプロピレンメタクリレート、ポリジメチルアミンエチルメタクリレートなどである。
本発明の実施形態によれば、建材パネルの光透過率は50%〜98%である。好ましくは、建材パネルの光透過率は例えば60%〜97%である。より好ましくは、建材パネルの光透過率は例えば70〜88%である。さらに好ましくは、建材パネルの光透過率は例えば70〜85%であり、最も好ましくは例えば75〜85%である。また、建材パネルのヘイズは、70%〜99%であり、好ましくは例えば75%〜99%、より好ましくは例えば70〜90%、さらに好ましくは例えば80〜90%、最も好ましくは例えば80〜85%である。
建材パネルの光学的特性は、使用場所によっては異なる。例えば、浴室用扉パネルおよびキッチン用扉パネルの場合、透光性および空間的開放感を得るには高い光透過率が要求されるため、その光透過率は70%〜98%である。好ましくは、建材パネルの光透過率は例えば75%〜90%である。また、建材パネルのヘイズは、75%〜98%、好ましくは例えば77%〜96%である。一方、プライベート空間、例えば寝室用扉パネル、会議室の仕切用扉パネルなどの場合、プライバシー保護が重要視されるため、その光透過率は50%〜90%である。好ましくは、建材パネルの光透過率は例えば60%〜86%である。また、建材パネルのヘイズは85%〜99%、好ましくは例えば90%〜97%である。
一実施形態において、浴室用およびキッチン用の扉パネルは、光透過性基板と単層光拡散層構造とを有する建材パネルが含まれる。また、別の実施形態において、寝室および会議室の仕切用扉パネルやオフィス用仕切(partition)としては、光透過性基板と上下二層光拡散層構造とを有する建材パネルが含まれる。
本発明の実施形態によれば、建材パネルの厚さは1〜20ミリメートル(mm)であり、好ましくは建材パネルの厚さは2〜15mm、より好ましくは建材パネルの厚さは3〜10mm、最も好ましくは建材パネルの厚さは3〜5mmである。
また、本発明の実施形態によれば、建材パネル10〜30は、例えば共押出法によって作製される。建材パネルの製造方法は、例えば、前記光透過性基板100を形成するための第1熱可塑性透明樹脂を提供するステップと、前記光拡散層110を形成するための光拡散層材を提供するステップと、共押出法を用いて前記第1熱可塑性透明樹脂および光拡散層材を共押出することにより、建材パネル10〜30における光透過性基板100および光拡散層110をそれぞれ形成するステップと、を含んでもよい。
例を挙げて説明すると、第1押出装置(図示せず)を用い、第1熱可塑性透明樹脂(光透過性基板100の材料)を加熱、加圧して押出する。また、これと共に、別途で第2押出装置(図示せず)を用い、第1光拡散粒子(平均粒子径が例えば6〜100μm)および第2光拡散粒子(平均粒子径が例えば0.5〜5μm)が混合された第2熱可塑性透明樹脂(光拡散層110の材料)を、第1押出装置と同様の押出温度下で押出する。続いて、前記第1押出装置による第1押出物と、前記第2押出装置による第2押出物とを、多岐管(multi−manifold)ダイ(図示せず)を通過させるように共押出することで、光拡散層110と光透過性基板100とを含む建材パネル10を形成する。一実施形態では、第1熱可塑性透明樹脂と第2熱可塑性透明樹脂とは、同一材料であってもよく、異なる材料であってもよい。
また、別の実施形態では、前記第1押出装置による押出物と、前記第2押出装置による押出物とを、送りブロック(feedblock)型ダイ(図示せず)を用いて共押出する。
また、別の実施形態では、前記第1押出装置および第2押出装置の押出温度を異ならせる一方で、当該第1押出物および当該第2押出物が第1押出装置および第2押出装置から排出される際の排出温度を同様にしてもよい。当該第1押出物および当該第2押出物の排出温度は220℃〜290℃、好ましくは240℃〜270℃である。
図2は、本発明の別の実施形態に係る建材パネルを示す模式図である。図3は、本発明の更に別の実施形態に係る建材パネルを示す模式図である。なお、この2つの実施形態では、上述した実施形態と同様または類似の部材に同様または類似の部材番号を付する。また、同様または類似の部材についての説明は上記の通りであり、再度の説明はここで省略する。この2つの実施形態は、接合面100aが曲面として設計されることが、図1に示す実施形態との主な相違点である。
図2に示すように、建材パネル20における光拡散層110と光透過性基板100との接合面100aは、光透過性基板100側へ凹んだ曲面である。また、図3に示すように、建材パネル30における光拡散層110と光透過性基板100との接合面100aは、光拡散層110側へ突出した曲面である。
図2〜図3に示す建材パネル20、30では、光透過性基板100は、光拡散層110と光透過性基板100との接合面(interface)100aに対向する面100bを有する。一実施形態において、該面100bの平均表面粗さ(Ra値)は、例えば0.002〜0.5μm、より好ましくは例えば0.01〜0.3μm、最も好ましくは例えば0.02〜0.2μmである。
図4は、本発明の別の実施形態に係る建材パネルを示す模式図である。本実施形態では、上述した実施形態と同様または類似の部材に同様または類似の部材番号を付する。また、同様または類似の部材についての説明は上記の通りであり、再度の説明はここで省略する。
図4に示す実施形態では、建材パネル40の光拡散層110は、光透過性基板100の2つの対向する表面(接合面100aおよび面100b)上に形成される。なお、本実施形態では、光透過性基板100と光拡散層110との間には、2つの接合面(接合面100aおよび面100b)が備えられている。
本実施形態によれば、建材パネル40は例えば共押出法によって作製される。建材パネル40の製造方法は、上述した建材パネル10〜30の製造方法とはほぼ同様であるが、前記第2押出装置による第2押出物の共押出前に先に分流ステップを行うか、第三押出装置(図示せず)を用いることにより、第2押出物からなる2つの光拡散層を光透過性基板の2つの対向する表面上にそれぞれ形成する、という点のみで異なる。
図5は、本発明の更に別の実施形態に係る建材パネルを示す模式図である。図6は、本発明の更に別の実施形態に係る建材パネルを示す模式図である。なお、この2つの実施形態では、上述した実施形態と同様または類似の部材に同様または類似の部材番号を付する。また、同様または類似の部材についての説明は上記の通りであり、再度の説明はここで省略する。この2つの実施形態は、接合面100aが曲面として設計されることが、図4に示す実施形態との主な相違点である。
図5に示すように、建材パネル50における2つの光拡散層110と光透過性基板100との2つの接合面(接合面100aおよび面100b)は、何れも光透過性基板100側へ凹んだ曲面である。また、図6に示すように、建材パネル60における2つの光拡散層110と光透過性基板100との2つの接合面(接合面100aおよび面100b)は、何れも光拡散層110側へ突出した曲面である。また、別の実施形態において、2つの光拡散層110と光透過性基板100との2つの接合面(接合面100aおよび面100b)のうち、一方は光透過性基板100側へ凹んだ曲面であり、他方は光拡散層110側へ突出した曲面であってもよい(図示せず)。
図7は、本発明の一実施形態に係る扉パネル構造を示す模式図である。図7に示すように、扉パネル構造70は筐体710および板材720を含み、板材720は筐体710に取り囲まれている。なお、板材720は、上述した建材パネル10〜60の何れかの建材パネルを含む。
本発明の一実施形態によれば、上述した各実施形態に係る建材パネル10〜60を用いて作製した扉パネル構造は、良好な全光線透過率およびヘイズを有すると共に高い構造強度を具備するため、高い安全性に達成している。
光拡散層110には、必要に応じて紫外線吸収剤を使用してもよい。該紫外線吸収剤としては、例えば、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンのようなベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−置換基)−5−ヘキシルヒドロキシフェノールのようなトリアジン系紫外線吸収剤、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−置換基)−4−メチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−置換基)−4−t−オクチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−置換基)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−置換基)−4,6−ビス−t−ペンチルフェノール、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−置換基)−4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−置換基)−2,4−t−ブチルフェノール、および2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−置換基)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]などのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤がある。中でも、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジイソプロピルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−置換基)フェノール]、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾールが好ましい。2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−置換基)フェノール]がより好ましい。該紫外線吸収剤は、単独に用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、光拡散層110には、必要に応じて蛍光剤を使用してもよい。該蛍光剤は、合成樹脂等の色調を白色または水色に変えるものとして、例えばトルイレン系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系、フタルイミド系、ロゼイン系、クマリン系、オキサゾール系化合物等である。
また、光拡散層110には、必要に応じて酸化防止剤を使用してもよい。該酸化防止剤の種類としては、例えばフェノール系酸化防止剤、スルフィド系酸化防止剤、リン系酸化防止剤がある。代表的なフェノール系酸化防止剤は、オクタデシル(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、テトラ[メチレン−3−(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−6−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−チオジエチレン−ビス[3−(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2'−オキサルアミド−ビス[エチル−3−(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などがある。代表的なスルフィド系酸化防止剤は、ジステアロイルチオジプロピオネート、ジパルミトイルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラ(β−ドデシル−チオプロピオネート)、ビスオクタデシルスルフィドなどがある。リン系酸化防止剤としては、亜リン酸エステル系酸化防止剤、またはリン酸エステル系酸化防止剤があり、その代表的ものは、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ドデシルホスファイト、シクロネオペンタン−テトラヒドロナフタレンビス(オクタデシルホスファイト)、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジトリデシルホスファイト)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラ(2,4−ジt−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニルホスフェート、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドなどがある。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されない。
評価項目および方法は下記の通りである。
(a)全光線透過率
日本電色工業株式会社製のHaze meter NDH2000を用い、JIS K−7361に準じて測定を行った。なお、本実施形態では、4mmの板材を用いて測定した。
(b)ヘイズ(Haze)
日本電色工業株式会社製のHaze meter NDH2000を用い、JIS K−7361に準じて測定を行った。なお、本実施形態では、4mmの板材を用いて測定した。
(c)プライバシー遮蔽性の観察
300照度(Lux)の空間内で、人の目から手前30cmの場所に建材パネルを立てる。また、物体としてそれぞれの幅が5mm、互いの間隔が5mmである一組の平行線を、建材パネルの垂直視方向における該建材パネルの裏側に、該物体と建材パネルとの距離が1cmになるように設置する。そして、設置後に、人の目から離れる方向に物体を建材パネルから遠ざけ、該2本の線の間隔が視認できなくなる距離を測定した。当該距離が30cm以内の場合は○、30cm〜60cmの場合は△、60cm以上の場合は×とした。
(d)水掛下光透過防止性の観察
建材パネルの光透過性が、建材パネルの表面に付着された水の影響を受けるかを観察した。人の目から手前30cmの場所に建材パネルを立てた後、物体としてそれぞれの幅が5mm、互いの間隔が5mmである一組の平行線を、建材パネルの垂直視方向における該建材パネルの裏側に、該物体と建材パネルとの距離が5cmになるように設置した。続いて、十分に浸潤した布巾で建材パネルの光拡散層の外表面(例えば図1に示す110)を拭いた後、拭かれた表面側から、2本の線がくっきり見えるかを肉眼で判別した。判別できない場合は○、2本の線が見える場合は×とした。
(e)表面粗さ(Ra/Ry/Rq/Rz)の測定
台湾三豊計器社製の携帯型表面粗さメーターSJ−210を用いて測定した。建材パネルの表面上を、SJ−210のプローブを移動させることにより、その表面粗さ(Ra/Ry/Rq/Rzなどの数値)を測定した。なお、プローブの移動範囲は4ミリメートル(mm)であった。
<実施例1>
メチルメタクリレート−スチレン共重合体として台湾奇美実業社製PM−500G 100重量部と、第1光拡散粒子(ポリメチルメタクリレート微粒子;平均粒子径45μm)15重量部とを混合し、光拡散層とした。一方、メチルメタクリレート−スチレン共重合体として台湾奇美実業社製PM−500G 100重量部を用意し、光透過性基板の成形用材料(該材料を厚さ3mmの板状にした場合、全光線透過率は92%)とした。シリンダ温度240〜270℃、ダイ温度250℃に保たれた二層共押出成形機を用い、光拡散層の厚さが200μmとなるように、全体厚さ4mmの単層光拡散層型の建材パネルを作製した。該建材パネルは、光拡散層を含んだ場合の平均表面粗さが3.8μm、光拡散層を含まない場合の平均表面粗さが0.02μm、10点平均粗さ(Rz)が17.2μm、峰から谷までの最大粗さ(Ry)が23.4μmであった。上記のように測定された建材パネルの全光線透過率、ヘイズ、および視認観察などの項目は下記表2に示す。
<実施例2>
第1拡散粒子に加え、第2光拡散粒子(シリコーン樹脂系透明微粒子;平均粒子径2.0μm)3.5重量部を光拡散層に追加し、光拡散層の厚さを160μmとしたこと以外は、実施例1と同様である。該建材パネルは、光拡散層を含んだ場合の平均表面粗さが3.1μm、光拡散層を含まない場合の平均表面粗さが0.03μm、10点平均粗さ(Rz)が14.4μm、峰から谷までの最大粗さ(Ry)が21.0μmであった。
<実施例3>
実施例3は、実施例2とは同様の作製方法であるが、実施例2との相違特徴は表1の通りである。該建材パネルが光拡散層を含んだ場合の各表面粗さの値、全光線透過率、ヘイズ、および視認観察などの項目は表2に示す。
<実施例4>
第1光拡散粒子の使用量をそれぞれ20重量部とした。第2光拡散粒子の使用量をそれぞれ0.6重量部とした。両側における光拡散層の形成厚さをそれぞれ400μmとした。そして、三層共押出成形機を用いて全体厚さ4mmの二層光拡散層型の建材パネルを作製した。これら以外は、実施例2と同様である。該建材パネルが光拡散層を含んだ場合の各表面粗さの値、全光線透過率、ヘイズ、および視認観察などの項目は表2に示す。
<実施例5〜9>
実施例5〜9は、実施例4とは同様の作製方法であるが、実施例4との相違特徴は表1の通りである。該建材パネルが光拡散層を含んだ場合の各表面粗さの値、全光線透過率、ヘイズ、および視認観察などの項目は表2に示す。
<比較例1>
メチルメタクリレート−スチレン共重合体として台湾奇美実業社製PM−500G 100重量部と、第1光拡散粒子(ポリメチルメタクリレート微粒子;平均粒子径45μm)15重量部と、第2光拡散粒子(シリコーン樹脂系透明微粒子;平均粒子径2.0μm)1重量部とを混合した。混合後、シリンダ温度240〜270℃、ダイ温度250℃に保たれた共押出成形機を用いてモールド成型することにより、全体厚さ4mmの建材パネルを作製した。上記のように測定された建材パネルの全光線透過率、ヘイズ、および視認観察などの項目は下記表2に示す。
<比較例2>
第2光拡散粒子を使用せず、第1光拡散粒子のみを使用したこと以外は、比較例1と同様である。該建材パネルが光拡散層を含んだ場合の各表面粗さの値、全光線透過率、ヘイズ、および視認観察などの項目は表2に示す。
<比較例3>
第1光拡散粒子も第2光拡散粒子も使用しないこと以外は、比較例1と同様である。該建材パネルが光拡散層を含んだ場合の各表面粗さの値、全光線透過率、ヘイズ、および視認観察などの項目は表2に示す。なお、表2において、Ttは全光線透過率を表し、Hzはヘイズを表す。
Figure 0006549088
Figure 0006549088
実施例7では、光拡散層と光透過性基板との接合面は、図5に示すような曲面構造である。建材パネルの左右両端および中央における粗さ、光拡散層の厚さ、および他の実験データについての測定値は、下表の通りである。
Figure 0006549088
上記の実施例および比較例から分かるように、比較例1〜2は、第1および第2光拡散粒子を含む点で実施例とは同様であるが、透明基板を含んでいないため、全光線透過率が悪く、光透過率が水の影響を受けやすく、実用的価値が低い。また、比較例3は、透明基板を用いたが、光拡散層を含んでいないため、遮蔽効果が不十分で、建材パネルとして使用することができない。実施例8〜9は、30%を超えた含量の第1光拡散粒子、または5%を超えた含量の第2光拡散粒子を使用したため、遮蔽效果が劣るが、全体的性質においては比較例1〜3よりも勝る。
上記の実施例および比較例から分かるように、建材パネルに含まれる光透過性基板と、光拡散粒子を適宜調整した光拡散層とにより、好適な光透過率およびヘイズなどの光学的特性を有すると共に、遮蔽性や水掛下光透過防止性などの実用的価値を兼備することができる。
勿論、本発明には他の種々の実施例も含まれる。当業者は、本発明の精神および本質を逸脱しない範囲で、本発明に基づいて種々の変更および変形を行うことができる。但し、当該変更および変形も本発明の特許請求の範囲に含まれる。
10〜60 建材パネル
70 扉パネル構造
100 光透過性基板
100a 接合面
100b 面
110 光拡散層
110a 粗い表面
710 筐体
720 板材
T1、T2 厚さ

Claims (4)

  1. 光透過性基板と、
    前記光透過性基板の少なくとも1つの表面上に位置する光拡散層と
    を含む建材パネルであって、
    前記光拡散層は、光学材と、平均粒子径が6〜100μmである複数の第1光拡散粒子
    、平均粒子径が0.5〜5μmである複数の第2光拡散粒子とを含み、
    前記光拡散層上における10点平均粗さが11〜28μmであり、
    前記光拡散層の厚さは、100〜3000μmであり、
    前記光透過性基板の全光線透過率が85%〜99%であり、
    前記光透過性基板の厚さに対する前記光拡散層の厚さの比率が0.05〜0.7であり、
    100重量部の前記光学材に対して、前記第1光拡散粒子は10〜30重量部であり、100重量部の前記光学材に対して、前記第2光拡散粒子は0重量部を超え、5重量部以下であり、
    前記建材パネルの光透過率が77〜95%であることを特徴とする建材パネル。
  2. 前記光拡散層と前記光透過性基板との接合面は、平面または曲面であることを特徴とする請求項に記載の建材パネル。
  3. 請求項1または2に記載の建材パネルを含むことを特徴とする浴室用扉パネル。
  4. 筐体と、
    請求項1または2に記載の建材パネルを含み、前記筐体に設けられた板材と、を含むことを特徴とする扉パネル構造であり、
    前記扉パネル構造を含む扉パネルが、キッチン用扉パネル、寝室用扉パネル、会議室用扉パネル、オフィス用仕切からなる群から選択されることを特徴とする扉パネル。
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