JP6548042B2 - 成膜判定装置、成膜判定方法、および成膜判定システム - Google Patents
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Description
すなわち、本発明の一態様に係る成膜判定装置は、ラディカル物質によって色調が変化する指標体が内面に形成された容器の内面に対して、成膜装置によって成膜を施した後の指標体の色調を取得する色調取得部と、色調取得部が取得した指標体の色調に基づいて、容器の成膜の良否を判定する判定部と、備えることを特徴とする。
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
成膜判定システム10は、指標体貼り付け装置11と、移載装置12と、成膜装置13と、色調取得装置14と、成膜判定装置15を備える。
具体的には、成膜装置13は、以下の手順で成膜処理を実行する。まず、成膜装置13は、容器Bの内部を真空引きする。次に成膜装置13は、真空引きされた容器Bの内部にガスを注入する。次に、成膜装置13は、容器Bの内部に挿入された電極に高周波電力を供給することで、容器Bの内面に放電プラズマを発生させる。これにより、容器Bの内面に被膜が形成される。そして、成膜装置13は、ガスを排気したのち、容器Bの開口部から取り外される。成膜装置13による成膜処理が完了すると移載装置12は、容器Bを外部に受け渡す。
次に色調取得装置14は、容器Bに貼り付けられた指標体21の色調を取得する(ステップS4)。色調取得装置14は、取得した色調を示す色調データを成膜判定装置15に入力する。成膜判定装置15は、入力された色調データに基づいて成膜の良否を判定し、その結果を表示する(ステップS5)。
色調入力部51は、色調取得装置14で取得した色調の入力を受け付ける。
参照色調記憶部52は、成膜処理がなされる前の指標体21の色調を示す参照色調情報を記憶する。参照色調情報は、あらかじめ入力された色調情報であってもよく、指標体21の貼り付け前後に撮影された画像から抽出された色調情報を使用してもよい。
色差算出部53は、参照色調記憶部52が記憶する参照色調情報と色調入力部51に入力された色調の差を算出する。
成膜判定部54は、色差算出部53で算出した結果をもとに成膜の良否を判定する。成膜判定部54は、色差算出部53が算出した色調の差が閾値以上である場合に成膜が良好であると判定し、閾値未満であった場合には、成膜が不良であると判定する。
出力部55は、成膜判定部54の判定結果を出力する。例えば、出力部55は、成膜判定部54の判定結果をディスプレイに表示させる。
色調取得装置14は、指標体21の色調を取得すると、当該色調を示す色調情報を成膜判定装置15に入力する。成膜判定装置15の色調入力部51は、色調取得装置14から色調情報の入力を受け付ける(ステップS51)。次に、色差算出部53は、参照色調記憶部52から比較対象となる参照色調情報を取得する(ステップS52)。次に、色差算出部53は、色調入力部51で入力された色調と読み出した参照色調情報との差を色差として算出する(ステップS3)。
本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態に係る成膜判定システム10は、成膜装置13が製品の製造ラインを止めているときに、成膜の判定を行うものである。これに対し、第2の実施形態に係る成膜判定システム10は、製品の製造ラインの稼働中に、成膜の判定を行うことを可能とするものである。なお、上記第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態では、第1の実施形態の成膜判定システム10の構成に加え、指標体21が貼り付けられたサンプルボトルB2を製品ライン19とは異なるライン(リジェクトライン18)に排出する容器排出装置17をさらに備える。容器排出装置17は、成膜装置13の後段に設けられる。容器排出装置17は、たとえば負圧源と、負圧源に接続された吸盤と、負圧源と吸盤との間に設けられた電磁弁とを備える。容器排出装置17は、排出対象となる容器Bに吸盤を当て、電磁弁を開くことで、容器Bを移載装置12から受け取ることができる。容器排出装置17は、受け取った容器Bをリジェクトライン18に流す。
第2の実施形態に係る色調取得装置14は、リジェクトライン18に設けられ、リジェクトライン18に排出されたサンプルボトルB2に貼り付けられた指標体21の色調を取得する。リジェクトライン18に排出されなかった容器Bは移載装置12から充填装置など次のプロセスに係る装置に受け渡される。
第2の実施形態では、第1の実施形態に係る成膜判定装置15に代えて制御装置16を備える。
制御装置16は、製品として出荷される製品ボトルB1とサンプルボトルB2に対し同一のライン上で成膜を行い、サンプルボトルB2のみを製品ライン19とは異なるリジェクトライン18に排出する動作の制御を行う。制御装置16は、サンプルボトル判定部61、排出指示部62、色調入力部51、参照色調記憶部52、色差算出部53、成膜判定部54、停止指示部63を備える。
サンプルボトル判定部61は、移載装置12が把持する各容器Bについて、サンプルボトルB2であるか否かを判定する。サンプルボトルB2とは、図7(A)に示すように指標体21が付された容器Bである。例えば、サンプルボトル判定部61は、移載装置12が把持する各容器Bを撮影する図示しないカメラが撮影した画像を解析し、指標体21が付された容器Bを検知することで、サンプルボトルB2か否かを判定してもよい。つまり、サンプルボトルB2を認識するためのマーキングの一例として指標体21が挙げられる。このとき、移載装置12は把持した容器Bがカメラの視野内を通過するときに当該容器Bを回転させることで、確実にカメラが指標体21を撮影できるようにすることができる。また、例えば、サンプルボトル判定部61は、あらかじめサンプルボトルB2に係るサンプルIDの入力を受け、各容器Bに付されたIDとサンプルIDが一致するか否かを判定することで、サンプルボトルB2を判定してもよい。つまり、サンプルボトルB2を認識するためのマーキングの一例としてIDが挙げられる。また、図7(B)に示すようにサンプルボトルB2には物理的に目視可能なマーキング22を付しておき、作業者が目視によりサンプルボトルB2を検出できるようにしてもよい。この場合、作業者は、マーキング22が付された容器Bを認識すると、制御装置16に当該容器BがサンプルボトルB2であることを示す情報を入力する。なお、サンプルボトル判定部61がカメラ等の解析により指標体21を検知する場合にも、マーキング22を付しておくことで、サンプルボトル判定部61が指標体21の検知に失敗したとしても、作業者がサンプルボトルB2を発見することができる。つまり、サンプルボトルB2にマーキング22を付しておくことで、サンプルボトルB2が製品ライン19へ移送されることをより確実に防ぐことができる。
色調入力部51、参照色調記憶部52、色差算出部53、成膜判定部54は、第1の実施形態と同様の機能を有する。
指標体貼り付け装置11は、容器Bの内面に指標体21を貼りつける(ステップS101)。指標体貼り付け装置11は、容器Bを移載装置12に受け渡す。移載装置12は、指標体貼り付け装置11から容器Bを受け取ると、当該容器Bを成膜装置13が設けられた場所へ運ぶ(ステップS102)。容器Bが成膜装置13の設置個所に到達すると、成膜装置13が容器Bの開口部に挿入され、容器Bの成膜処理を実行する(ステップS103)。制御装置16は、成膜された容器BがサンプルボトルB2であるか否かを判定する(ステップS104)成膜された容器BがサンプルボトルB2でない場合(ステップS104:NO)、移載装置12は容器Bを次プロセスに係る装置に受け渡す(ステップS105)。他方、成膜された容器BがサンプルボトルB2である場合(ステップS104:YES)、成膜装置13は、当該容器Bを排出させる排出指示を容器排出装置17に出力する。これにより、容器排出装置17は容器Bをリジェクトライン18へ排出する(ステップS106)。
一方、制御装置16は、成膜が良好であると判定した場合(ステップS108:NO)、停止指示を出力せずに処理を終了する。
サンプルボトル判定部61は、対象の容器Bについて、サンプルボトルB2であるか否かを判定する(ステップS151)。対象の容器BがサンプルボトルB2でない場合、制御装置16は当該容器Bに係る処理を終了する。
他方、対象の容器BがサンプルボトルB2である場合、容器排出装置17に対象の容器Bを排出させる排出指示を出力する(ステップS152)。これにより対象の容器Bはリジェクトライン18に排出される。色調取得装置14は、リジェクトライン18に排出された指標体21の色調を取得すると、当該色調を示す色調情報を成膜判定装置15に入力する。成膜判定装置15の色調入力部51は、色調取得装置14からの色調情報の入力を受け付ける(ステップS153)。次に色差算出部53は、参照色調記憶部52から比較対象となった参照色調情報を取得する(ステップS154)。次に、色差算出部53は、色調入力部51に入力された色調情報の値と読み出した参照色調情報の値との差を、色差として算出する(ステップS155)。
他方、色差が閾値未満である場合(ステップS156:NO)、成膜判定部54は、成膜が不良であると判定し、停止指示部63は、移載装置12および成膜装置13に停止指示を出力する(ステップS157)。これにより製品の製造ラインの稼働中に、製品の製造を止めることなく成膜の良否と判定することができる。このため、任意のタイミングで成膜判定を行いロットごとなどで製品ボトルの評価を行い、成膜判定部54において成膜判定で不良と判定された場合には、容器Bの製造を停止することができる。
本発明の第3の実施形態について図9を用いて説明する。第1の実施形態に係る成膜判定システム10は、指標体21の色調が変化した場合に、成膜が良好であると判定するものである。一方で、生成される被膜がとても薄いものである場合、指標体21の色調の変化量が微小となる。そこで、第3の実施形態に係る成膜判定システム10は、成膜後に成膜に用いるガスと異なるガスのプラズマを容器B内に発生させ、指標体21の色調に変化が大きい場合に成膜が不良であると判定する。すなわち、第3の実施形態に係る成膜判定システム10は、図示しないプラズマ発生装置を備える。プラズマ発生装置は、ボトルの成膜後に成膜装置13と異なる種類のガス(例えば希ガス)に係るプラズマをボトル内に発生させる。このとき、指標体21の色調は、成膜装置13が用いるガスに反応したときと、プラズマ発生装置が発生させるプラズマに反応したときで異なる。なお、上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
色調取得装置14は、プラズマ発生装置によるプラズマの発生後に、指標体21の色調を取得し、当該色調を示す色調情報を成膜判定装置15に入力する。成膜判定装置15の色調入力部51は、色調取得装置14からの色調情報の入力を受け付ける(ステップS251)。次に、色差算出部53は、参照色調記憶部52から比較対象となる参照色調情報を取得する(ステップS252)。第3の実施形態に係る参照色調記憶部52が記憶する参照色調情報は、指標体21が成膜装置13の用いるガスに反応したときの色調である。このとき取得する色調は、あらかじめ参照色調として記憶させておいた色調データでもよく、成膜後の指標体の色調を取得したものでもよい。色差算出部53は、色調入力部51に入力された色調情報の値と読み出した参照色調情報の値との差を色差として算出する(ステップS253)。
コンピュータ90は、CPU91、主記憶装置92、補助記憶装置93、インタフェース94を備える。
上述の成膜判定装置15および制御装置16は、それぞれコンピュータ90を備える。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置93に記憶されている。CPU91は、プログラムを補助記憶装置93から読み出して主記憶装置92に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU91は、プログラムに従って、上述した記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置92に確保する。
11 指標体貼り付け装置
12 移載装置
13 成膜装置
14 色調取得装置
15 成膜判定装置
21 指標体
51 色調入力部
52 参照色調記憶部
53 色差算出部
54 成膜判定部
55 出力部
Claims (11)
- ラディカル物質によって色調が変化する指標体が内面に形成された容器の内面に対して、成膜装置によって成膜を施し、さらに前記成膜装置で使用した物質とは異なる物質に曝した前記指標体の色調を取得する色調入力部と、
該色調入力部が取得した前記指標体の色調に基づいて、前記容器の成膜の良否を判定する判定部と、
を備える成膜判定装置。 - ラディカル物質によって色調が変化する指標体が内面に形成された容器の内面に対して、成膜装置によって成膜を施した後の前記指標体の色調を取得する色調入力部と、
前記容器の成膜時の物理量と該色調入力部が取得した前記指標体の色調とに基づいて、前記容器の成膜の良否を判定する判定部と、
を備える成膜判定装置。 - 前記判定部は、あらかじめ前記判定部に入力された成膜前の指標体の色調と、前記色調入力部が取得した色調との差が所定の閾値以上である場合に前記容器の成膜が良好であると判定する請求項2に記載の成膜判定装置。
- 前記判定部は、あらかじめ前記判定部に入力された成膜後の指標体の色調と、前記色調入力部が取得した色調との差が所定の閾値未満である場合に前記容器の成膜が良好であると判定する請求項1または請求項2に記載の成膜判定装置。
- 前記判定部は、前記色調入力部が取得した色調と、前記ラディカル物質と異なる物質に曝したときの指標体の色調との差が所定の閾値以上である場合に前記容器の成膜が良好であると判定する請求項4に記載の成膜判定装置。
- 容器の内面にラディカル物質によって色調が変化する指標体を取り付ける工程と、
前記容器の内面に成膜する工程と、
成膜を施し、さらに前記成膜装置で使用した物質とは異なる物質に曝した後の前記指標体の色調を取得する工程と、
取得した前記指標体の色調に基づいて、前記容器の成膜の良否を判定する工程と、
を有する成膜判定方法。 - 容器の内面にラディカル物質によって色調が変化する指標体を取り付ける工程と、
前記容器の内面に成膜する工程と、
成膜を施した後の前記指標体の色調を取得する工程と、
前記容器の成膜時の物理量と取得した前記指標体の色調とに基づいて、前記容器の成膜の良否を判定する工程と、
を有する成膜判定方法。 - ラディカル物質によって色調が変化する指標体を容器に取り付ける装置と、
前記容器の内面に成膜を施す成膜装置と、
前記成膜装置によって成膜を施された前記指標体の色調から成膜の良否を判定する判定部と、
前記指標体を接着した前記容器を製品ラインとは異なるラインに分岐させる分岐部と
を備える成膜判定システム。 - ラディカル物質によって色調が変化する指標体を容器に取り付ける装置と、
前記容器の内面に成膜を施す成膜装置と、
前記成膜装置によって成膜を施された後に、前記容器を前記成膜装置と異なる種類の物質に曝された前記指標体の色調から成膜の良否を判定する判定部と、を備える成膜判定システム。 - ラディカル物質によって色調が変化する指標体を容器に取り付ける装置と、
前記容器の内面に成膜を施す成膜装置と、
前記容器の成膜時の物理量と前記成膜装置によって成膜を施された前記指標体の色調とから成膜の良否を判定する判定部と、を備える成膜判定システム。 - 前記指標体を接着した前記容器をサンプルボトルとし、該サンプルボトルに物理的または電子的に施した認識可能なマーキングを読み取る、読み取り部
を備え、
前記分岐部は、前記読み取り部によって認識された前記サンプルボトルを前記製品ラインとは異なるラインに分岐させる
請求項8に記載の成膜判定システム。
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JP2016243672A JP6548042B2 (ja) | 2016-12-15 | 2016-12-15 | 成膜判定装置、成膜判定方法、および成膜判定システム |
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