JP6547484B2 - 不飽和結合を有するエチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、不飽和結合を有するエチレン系重合体の製造方法に関するものである。
二酸化炭素の増加など地球環境問題がクローズアップされる中で、水力、風力、地熱などの有効利用とともに太陽光発電が再び注目されるようになった。太陽光発電は、水力、風力などと比べて規模は小さいものの、電力が必要な場所に分散して配置できることから、発電効率等の性能向上と価格の低下を目指した研究開発が推進されている。また、国や自治体で住宅用太陽光発電システム導入促進事業として設置費用を補助する施策が採られることで、徐々にその普及が進みつつある。しかしながら、更なる普及には一層の低コスト化が必要であり、そのため従来型のシリコンやガリウム−砒素などに代わる新たな素材を用いた太陽電池素子の開発だけでなく、太陽電池モジュールの製造コストをより一層低減する努力も地道に続けられている。
太陽光発電は、一般にシリコン、ガリウム−砒素、銅−インジウム−セレンなどの太陽電池素子を上部透明保護材と下部基板保護材とで保護し、太陽電池素子と保護材とを樹脂製の封止材で固定し、パッケージ化した太陽電池モジュールを用いるものである。
太陽電池モジュールを構成する封止材の条件としては、太陽電池の発電効率を低下しないように、太陽光の入射量を確保するため、透明性が良好なことが求められている。また、太陽電池モジュールは通常、屋外に設置されるから長期間太陽光に晒され温度上昇する。それにより樹脂製の封止材が流動し、モジュールが変形したりするトラブルを避けるために、耐熱性を有するものでなければならない。
従来から、封止材に用いる樹脂材料として、酢酸ビニル含量の高いエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)が用いられてきたが、透明性、耐湿性等に優れるエチレン・α−オレフィン共重合体を用いることが提案されている。例えば、特許文献1では、結晶化度が40%以下の非晶性又は低結晶性のα−オレフィン共重合体を用いた封止材が開示され、該α−オレフィン共重合体としてエチレンを主成分とする共重合体に架橋剤を配合することが記載されている。
近年、太陽電池モジュールの需要の増加に伴い、太陽電池モジュールの生産効率の向上が要求され、封止材の架橋工程も短時間化する傾向がある。一般的に、エチレン・α−オレフィン共重合体は、EVAと比較し、有機過酸化物での架橋が容易ではなく、短時間の加熱で高いゲル分率を得にくく、EVAと同程度の架橋効率を得るのが難しい。これはEVAではコモノマーである酢酸ビニル部分が容易にラジカル架橋点となりうるのに対し、一般的なエチレン・α−オレフィン共重合体で用いられるα−オレフィンコモノマー自体はラジカル架橋点にならないためである。
そこで、エチレンα−オレフィン共重合体の架橋効率を向上させるため、分岐数や共重合体中の不飽和結合(ビニル、ビニリデン、シス−ビニレン、トランス−ビニレン、三置換オレフィン)の数が多い多いエチレン・α−オレフィン共重合体を用いることが提案されている(特許文献2、3)。しかしながら、エチレン・α−オレフィン共重合体を用いた封止材には、さらなる架橋効率の改善が求められている。
オレフィン重合用触媒は、一般的に水素により製造するポリマーの分子量を調整する。非特許文献1にはメタロセン触媒を用いたオレフィン重合において水素が副生することが示されている。副生した水素濃度を減らす工夫として、特定のチタノセンを用いることが提案されている(特許文献4,5)が、架橋効率を向上させる程度に、ポリマー中の不飽和結合量を増やすためには、更なる改善が求められている。
特開2006−210906号公報 特開2012−009688号公報 特開2012−009691号公報 特表2014−505771号公報 特開2015−003952号公報 Organometallics、1998年、17巻,p.4997−5002。
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、不飽和結合を多く有するエチレン系重合体の製造方法に関するものであり、架橋特性に優れたポリマーを提供することにある。
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、触媒成分としてメタロセン触媒を用いた重合を、ポリマーが溶けた状態で行い、循環系を含む重合系内に特定のチタノセンを添加することで、不飽和結合を多く有するエチレン系重合体を製造可能なことを見出し、本発明を完成させるに至った。
一般式(1)で表されるチタン化合物は、重合系内の水素濃度を低下させる効果を有することが既に知られていた。一方で、チタン化合物はオレフィン重合体の水添反応にも効果を有することが知られている。したがって、エチレン系重合体中の不飽和結合を増加させる目的には不適と予想されていた。
しかしながら、特定の重合条件下、本発明のオレフィン重合用触媒と成分(C)を組み合わせることで、従来の技術常識からの予想に反して不飽和結合を増加させることが可能であることを見出した。
即ち、本発明の第1の発明によれば、下記の成分(A)、(B)を含むオレフィン重合用触媒によるエチレンの重合において、生成するポリマーが溶けた状態で重合を行い、成分(C)を添加することを特徴とする、不飽和結合を有するエチレン系重合体の製造方法が提供される。
成分(A) Ti,Zr,またはHfを中心金属に有するメタロセン化合物
成分(B) 成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物又はイオン交換性層状珪酸塩
成分(C) 一般式(1)で表される化合物
Figure 0006547484
[一般式(1)中、R〜R10は同一又は異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、−NR30 基、−SR30基、−OSiR30 基又は−PR30 基であり(R30は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基であり)、R〜R10が隣接する置換基同士でそれらを連結する原子と一緒になって1つ以上の芳香族環又は脂肪族環を形成してもよく;
とXは同一又は異なって、それぞれ水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数8〜40のアルケニルアリール基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜10のアミノ基、OH基、ハロゲン原子又は配位可能な中性配位子であり、XとXが、それらを連結する原子と一緒になって1つの環を形成していてもよい。]
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、エチレン系共重合体が、エチレンとα−オレフィンの共重合体であることを特徴とする不飽和結合を有するエチレン系重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、少なくとも1つのα−オレフィンが、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンまたは1−デセンから選ばれることを特徴とする不飽和結合を有するエチレン系重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、炭化水素溶媒中、90℃以上の重合温度で重合することを特徴とする不飽和結合を有するエチレン系重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、生成するポリマーの融点以上の重合温度で重合することを特徴とする不飽和結合を有するエチレン系重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、成分(A)のメタロセン錯体が、一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする不飽和結合を有するエチレン系重合体の製造方法が提供される。
Figure 0006547484
[一般式(2)中、MはTi、Zr、又はHfであり;
11〜R16及びR17〜R22は同一又は異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、−NR30 基、−SR30基、−OSiR30 基又は−PR30 基であり(R30は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基であり)、R11〜R16及びR17〜R22が隣接する置換基同士でそれらを連結する原子と一緒になって1つ以上の芳香族環又は脂肪族環を形成してもよく、;
YはSi又はCであり;
23とR24は同一又は異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のフルオロアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜10のフルオロアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数8〜40のアルケニルアリール基であり、かつ、R23とR24が同時に水素原子ではなく、R23とR24がそれらを連結する原子と一緒になって1つ以上の環を形成してもよく;
とXは同一又は異なって、それぞれ水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数8〜40のアルケニルアリール基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜10のアミノ基、OH基、ハロゲン原子又は配位可能な中性配位子であり、XとXが、それらを連結する原子と一緒になって1つの環を形成していてもよい。]
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、一般式(2)のR11,R17の少なくとも1つが水素であることを特徴とする不飽和結合を有するエチレン系重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明において、一般式(2)のR13,R19が、下記一般式(3)で表される置換基であることを特徴とする不飽和結合を有するエチレン系重合体の製造方法が提供される。
Figure 0006547484
[一般式(3)中、R25〜R29は同一又は異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、−NR30 基、−SR30基、−OSiR30 基又は−PR30 基であり、R30は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基であり、隣接する置換基同士でそれらを連結する原子と一緒になって1つ以上の芳香族環又は脂肪族環を形成してもよい。]
本発明は、不飽和結合を有するエチレン系重合体の製造方法に関するものである。不飽和結合を増加させることにより、ポリマーの架橋速度が向上し、太陽電池封止材などに適した材料になることが期待できる。
本発明の不飽和結合を有するエチレン系重合体の製造方法は、メタロセン触媒によるエチレン重合において、生成するポリマーが溶けた状態で重合を行い、特定のTi化合物を添加することを特徴とする。
以下、本発明において用いられる各成分、重合条件等について、項目毎に詳細に説明する。
1.オレフィン重合用触媒
本発明に用いられるオレフィン重合用触媒は、下記の成分(A)、(B)を含むものである。また、必要に応じて成分(D)を用いても良い。
成分(A) Ti,Zr,またはHfを中心金属に有するメタロセン化合物
成分(B) 成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物又はイオン交換性層状珪酸塩
成分(D) 有機アルミニウム化合物
(1)成分(A)
本発明において用いられる成分(A)は、Ti,Zr,またはHfを中心金属に有するメタロセン化合物である。
具体的には、下記一般式(I)〜(VI)で表される化合物が使用される。
(C5−a31 )(C5−b32 )MXY ・・・(I)
Q(C4−c31 )(C4−d32 )MXY ・・・(II)
Q’(C4−e33 )ZMXY ・・・(III)
(C5−f33 )ZMXY ・・・(IV)
(C5−f33 )MXYW ・・・(V)
Q”(C5−g34 )(C5−h35 )MXY ・・・(VI)
ここで、Qは二つの共役五員環配位子を架橋する結合性基を、Q’は共役五員環配位子とZ基を架橋する結合性基を、Q”はR34とR35を架橋する結合性基を、Mは周期律表第3〜12族遷移金属を、X、Y及びWはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基、炭素数1〜20のリン含有炭化水素基又は炭素数1〜20の珪素含有炭化水素基を、Zは酸素、イオウを含む配位子、炭素数1〜40の珪素含有炭化水素基、炭素数1〜40の窒素含有炭化水素基又は炭素数1〜40のリン含有炭化水素基を示す。MはTi、Zr、Hf等の第4族遷移金属である。
31〜R35はそれぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、酸素含有炭化水素基、珪素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基又はホウ素含有炭化水素基を示す。これらの中で、R31〜R35の少なくとも1つが複素環式芳香族基であることが好ましい。複素環式芳香族基の中でも、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基が好ましく、さらには、フリル基、ベンゾフリル基が好ましい。これらの複素環式芳香族基は、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、酸素含有炭化水素基、珪素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基又はホウ素含有炭化水素基を有していても良いが、その場合、炭素数1〜20の炭化水素基、珪素含有炭化水素基が好ましい。また、隣接する2個のR31、2個のR32、2個のR33、2個のR34、又は2個のR35が、それぞれ結合して炭素数4〜10個の環を形成していてもよい。a、b、c、d、e、f、g及びhは、それぞれ0≦a≦5、0≦b≦5、0≦c≦4、0≦d≦4、0≦e≦4、0≦f≦5、0≦g≦5、0≦h≦5、を満足する整数である。
2個の共役五員環配位子の間を架橋する結合性基Q、共役五員環配位子とZ基とを架橋する結合性基Q’、及び、R34とR35を架橋するQ”は、具体的には下記のようなものが挙げられる。メチレン基、エチレン基のようなアルキレン基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、フェニルメチリデン基、ジフェニルメチリデン基のようなアルキリデン基、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジプロピルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルエチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基、メチル−t−ブチルシリレン基、ジシリレン基、テトラメチルジシリレン基のような珪素含有架橋基、ゲルマニウム含有架橋基、アルキルホスフィン、アミン等である。これらのうち、アルキレン基、アルキリデン基、珪素含有架橋基、及びゲルマニウム含有架橋基が特に好ましく用いられる。
上述の一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)で表される具体的なZr錯体を下記に例示するが、ZrをHf又はTiに置き換えた化合物も同様に使用可能である。また、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)で示される成分(A)は、同一の一般式で示される化合物、又は異なる一般式で示される化合物の二種以上の混合物として用いることができる。
一般式(I)の化合物
ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビスフルオレニルジルコニウムジクロリド、ビス(4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−フリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−フリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−フリル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド。
一般式(II)の化合物
ジメチルシリレンビス(1,1’−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1’−(2−メチルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1’−(2−メチル−4−フェニル−インデニル)]ジルコニウムジクロリド、エチレンビス[1,1’−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1’−(2−メチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1’−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1’−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、エチレンビス[1,1’−(2−メチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド。
ジメチルシリレンビス[1,1’−(2−フリルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1’−{2−(2−フリル)−4,5−ジメチル−シクロペンタジエニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1’−{2−(2−(5−トリメチルシリル)フリル)−4,5−ジメチル−シクロペンタジエニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1’−{2−(2−フリル)インデニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1’−{2−(2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1’−{2−(2−(5−メチル)フリル)−4−フェニル−インデニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1’−{2−(2−(5−メチル)フリル)−4−(4−イソプロピル)フェニル−インデニル}]ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)[9−(2,7−t−ブチル)フルオレニル]ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)[9−(2,7−t−ブチル)フルオレニル]ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)[9−(2,7−t−ブチル)フルオレニル]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)[9−(2,7−t−ブチル)フルオレニル]ジルコニウムジクロリド。
一般式(III)の化合物
(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライド、(メチルアミド)−(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル−ジルコニウムジクロライド、(エチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)−メチレンジルコニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル−(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(フエニルホスフィド)ジメチル(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル。
一般式(IV)の化合物
(シクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2,6−ジ−i−プロピルフェノキシ)ジルコニウムジクロリド。
一般式(V)の化合物
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリイソプロポキシド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリイソプロポキシド。
一般式(VI)の化合物
エチレンビス(7,7’−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[7,7’−(1−メチル−3−フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[7,7’−{1−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[7,7’−(1−エチル−3−フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[7,7’−{1−イソプロピル−3−(4−クロロフェニル)インデニル}]ジルコニウムジクロリド。
なお、これら具体例の化合物のシリレン基をゲルミレン基に置き換えた化合物も好適な化合物として例示される。
メタロセン化合物の特殊な例として、特開平7−188335号公報やJournal of American Chemical Society,1996年、118巻,p.2291.に開示されている5員環あるいは6員環に炭素以外の元素を一つ以上含む配位子を有する遷移金属化合物も使用可能である。
また、複素環式炭化水素基を置換基として有するメタロセン化合物の例としては、特許第3674509号公報に開示されている。
本発明において、メタロセン化合物の中でも、一般式(II)の化合物、一般式(III)の化合物、及び一般式(VI)の化合物を用いると更に好ましく、中でも、一般式(II)の化合物が好ましい。
さらに、これらの成分(A)は、二種以上の混合物として用いることができる。また、先述したメタロセン化合物と組合せて複数種を併用することもできる。
一般式(II)の化合物の中で、一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006547484
一般式(2)中、MはTi、Zr、又はHfであり;
11〜R16及びR17〜R22は同一又は異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、−NR30 基、−SR30基、−OSiR30 基又は−PR30 基であり(R30は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基であり)、R11〜R16及びR17〜R22が隣接する置換基同士でそれらを連結する原子と一緒になって1つ以上の芳香族環又は脂肪族環を形成してもよく、;
YはSi又はCであり;
23とR24は同一又は異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のフルオロアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜10のフルオロアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数8〜40のアルケニルアリール基であり、かつ、R23とR24が同時に水素原子ではなく、R23とR24がそれらを連結する原子と一緒になって1つ以上の環を形成してもよく;
とXは同一又は異なって、それぞれ水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数8〜40のアルケニルアリール基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜10のアミノ基、OH基、ハロゲン原子又は配位可能な中性配位子であり、XとXが、それらを連結する原子と一緒になって1つの環を形成していてもよい。
さらには、一般式(2)のR13,R19が、下記一般式(3)で表される置換基であることが好ましい。
Figure 0006547484
一般式(3)中、R25〜R29は同一又は異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、−NR30 基、−SR30基、−OSiR30 基又は−PR30 基であり、R30は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基であり、隣接する置換基同士でそれらを連結する原子と一緒になって1つ以上の芳香族環又は脂肪族環を形成してもよい。
一般式(2)中、Mは、Ti、Zr、又は、Hfであり、好ましくはZr、Hfであり、特に好ましくはHfである。
一般式(2)中、X、Xとして、具体的には、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、フェニル基、ベンジル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基又はトリメチルシリル基などを挙げることができる。
これらの中でも好ましくは、塩素原子、メチル基、i−ブチル基、フェニル基、ベンジル基、トリメチルシリル基であり、より好ましくは、塩素原子、メチル基、i−ブチル基、ベンジル基、トリメチルシリル基である。
また、XとXが、配位可能な中性配位子であり、それらを連結する原子と一緒になって1つの環を形成した原子団として具体的には、1,3−ブタジエン、1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン、2,4−ヘキサジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ジトリル−1,3−ブタジエン、1,4−ビス(トリメチルシリル)−1,3−ブタジエンなどを挙げることができる。
一般式(2)中、R11〜R16およびR17〜R22は好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜10のアリール基、である。
一般式(2)中、Yは、生成するエチレン・αオレフィン共重合体の不飽和結合数の観点から、炭素原子であることが好ましい。
一般式(2)中、好ましい−R30基としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基である。
一般式(2)中、好ましい−NR30 基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基などを挙げることができる。
一般式(2)中、−SR30基として具体的には、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、イソプロピルスルファニル基、フェニルスルファニル基などを挙げることができる。
一般式(2)中、−OSiR30 基として具体的には、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシキ基、トリイソプロピルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基、tert−ブチル(ジメチル)シロキシ基などを挙げることができる。
一般式(2)中、−PR30 基として具体的にはジメチルホスフィノ基、ジエチルホスフィノ基、ジイソプロピルホスフィノ基、ジブチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基などを挙げることができる。
一般式(2)中、R23、R24は、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のフルオロアルキル基、炭素数7〜10のアリール基、フルオロアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数8〜40のアルケニルアリール基であり、さらに好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜10のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基である。加えて、好ましくはR23とR24が含む炭素数の和が3以上である。
また、R23とR24は連結する原子(Y)と一緒になって1つ以上の環を形成するのが好ましく、さらに好ましくは4又は5員環を形成するのが好ましい。
以下、一般式(2)に含有されうる各官能基の具体例を示す。
炭素数1〜10のアルキル基の具体例としてはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシルなどを挙げることができる。
炭素数1〜10のハロゲン含有アルキル基は、炭素数1〜10のアルキル基の骨格上の水素原子にハロゲンが置換されたものである。炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基の具体例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ヨードメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,1,1−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、ペンタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、5−クロロペンチル、5,5,5−トリクロロペンチル、5−フルオロペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、6−クロロヘキシル、6,6,6−トリクロロヘキシル、6−フルオロヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシルを挙げることができる。
炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アセナフチル、フェナントリル、アントリルなどを挙げることができる。
炭素数1〜10のフルオロアルキル基とは、炭素数1〜10のアルキル基の骨格上の水素原子にフッ素原子が置換されたものである。
具体例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,1,1−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ペンタフルオロプロピル、5−フルオロペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、6−フルオロヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシルを挙げることができる。
炭素数1〜10のアルコキシ基の具体例としてはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ,i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ,n−ヘキソキシ,シクロプロポキシ、シクロペントキシ、シクロヘキソキシ,n−オクトキシ,n−デトキシなどを挙げることができる。
炭素数6〜10のフルオロアリール基は、炭素数6〜10のアリール基の骨格上の水素原子にフッ素原子が置換されたものである。具体例としては、ペンタフルオロフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、ジ(トリフルオロメチル)フェニル、ペンタフルオロエチルフェニル、ノナフルオロ−t−ブチルフェニル、1−パーフルオロナフチル、2−パーフルオロナフチルなどを挙げることができる。
炭素数6〜10のアリールオキシ基には、炭素数1〜4の炭化水素基が置換されていてもよく、具体例としては、フェノキシ、トリメチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、エチルフェノキシ、t−ブチルフェノキシ、1−ナフトキシ,2−ナフトキシなどを挙げることができる。
炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、3−ブテニル、5−ヘキセニル、7−オクテニルなどを挙げることができる。
炭素数7〜40のアリールアルキル基には、具体的には、ベンジル、フェニルエチル、(メチルフェニル)メチル、(tert−ブチルフェニル)メチルなどを挙げることができる。
炭素数7〜40のアルキルアリール基には、具体的には、トリル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、トリメチルフェニル、t−ブチルフェニルなどを挙げることができる。
炭素数8〜40のアルケニルアリール基には、具体的には、ビニルフェニル、(2−プロペニル)フェニル基などを挙げることができる。
炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基には、具体的には、トリメチルシリルメチル基、トリエチルシリルメチル基、トリフェニルシリルメチル基を挙げることができる。
炭素数1〜10のアミノ基には、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基を挙げることができる。
炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基として、具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチル(ジメチル)シリル基、トリフェニルシリル基などを挙げることができる。
(メタロセン化合物の具体例)
一般式(2)で示される本発明のメタロセン化合物の具体例を以下に示す。これらは代表的な例示である。
イソプロピリデン架橋メタロセン化合物:
イソプロピリデンビス(4−フェニル−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(3−メチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(3−イソプロピルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(3−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(4−メチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(4−イソプロピルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(4−メトキシフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(4−イソプロポキシフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(4−トリメチルシリルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(4−フルオロフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(4−クロロフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(4−ブロモフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(2−メチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(2−エチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(3,5−ジメチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(3,5−ジイソプロピルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(3,5−ジトリメチルシリルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、
イソプロピリデンビス(4−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(2,3−ジメチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(2,5−ジメチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(2,6−ジメチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(2,3,4,5,6−ペンタメチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(4−tert−ブチル−2−メチル−フェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−ビフェニリル1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(2,6−ジメチルビフェニリル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(2’,6’−ジメチルビフェニリル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(1−ナフチル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−(2−ナフチル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、イソプロピリデンビス(4−フェナントリル−1−インデニル)ジメチルハフニウム
ジメチルシリレン架橋メタロセン化合物:
ジメチルシリレンビス(4−フェニル−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(3−メチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(3−イソプロピルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(3−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(4−メチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(4−イソプロピルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(4−メトキシフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(4−イソプロポキシフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(4−トリメチルシリルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(4−フルオロフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(4−クロロフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(4−ブロモフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(2−メチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(2−エチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(3,5−ジメチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(3,5−ジイソプロピルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(3,5−ジトリメチルシリルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(2,3−ジメチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(2,5−ジメチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(2,6−ジメチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(2,3,4,5,6−ペンタメチルフェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(4−tert−ブチル−2−メチル−フェニル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−ビフェニリル−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(2,6−ジメチルビフェニリル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(2’,6’−ジメチルビフェニリル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(1−ナフチル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−(2−ナフチル)−1−インデニル)ジメチルハフニウム、ジメチルシリレンビス(4−フェナントリル−1−インデニル)ジメチルハフニウム、
また、例示したメタロセン化合物中、Mが、ハフニウムの代わりに、チタン、ジルコニウムに代わった化合物や、X及びXが、メチル基の代わりに、片方、もしくは両方が塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フェニル基、ベンジル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、トリメチルシリルメチル基などに代わった化合物も、例示することができる。
(2)成分(B)
成分(B)としては、成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物又はイオン交換性層状珪酸塩である。成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物としては有機アルミニウムオキシ化合物、ホウ素化合物、亜鉛化合物などを挙げることができ、好ましくは有機アルミニウムオキシ化合物又はホウ素化合物であり、更に好ましくはホウ素化合物である。これら成分(B)は、単独で用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
(i)有機アルミニウムオキシ化合物
成分(B)の一つである有機アルミニウムオキシ化合物は、分子中に、Al−O−Al結合を有し、その結合数は通常1〜100、好ましくは1〜50個の範囲にある。このような有機アルミニウムオキシ化合物は、通常、有機アルミニウム化合物と水または芳香族カルボン酸を反応させて得られる。
有機アルミニウムと水との反応は、通常、不活性炭化水素(溶媒)中で行われる。不活性炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素及び芳香族炭化水素が使用できるが、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素を使用することが好ましい。
有機アルミニウムオキシ化合物の調製に用いる有機アルミニウム化合物は、下記一般式(ア)で表される化合物がいずれも使用可能であるが、好ましくはトリアルキルアルミニウムが使用される。
AlX 3−t ・・・(ア)
(式中、Rは、炭素数1〜18、好ましくは1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等の炭化水素基を示し、Xは、水素原子またはハロゲン原子を示し、tは、1≦t≦3の整数を示す。)
トリアルキルアルミニウムのアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のいずれでも差し支えないが、好ましくはメチル基、イソブチル基であり、更に好ましくはメチル基である。
上記有機アルミニウム化合物は、2種以上混合して使用することもできる。
水と有機アルミニウム化合物との反応比(水/Alモル比)は0.25/1〜1.2/1、特に0.5/1〜1/1であることが好ましく、反応温度は、通常−70〜100℃、好ましくは−20〜20℃の範囲にある。反応時間は、通常5分〜24時間、好ましくは10分〜5時間の範囲で選ばれる。反応に要する水として、単なる水のみならず、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物等に含まれる結晶水や反応系中に水が生成しうる成分も利用することもできる。
なお、上記した有機アルミニウムオキシ化合物のうち、アルキルアルミニウムと水とを反応させて得られるものは、通常、アルミノキサンと呼ばれ、特にメチルアルミノキサン(実質的にメチルアルミノキサン(MAO)からなるものを含む)は、有機アルミニウムオキシ化合物として、好適である。
もちろん、有機アルミニウムオキシ化合物として、上記した各有機アルミニウムオキシ化合物の2種以上を組み合わせて使用することもでき、また、前記有機アルミニウムオキシ化合物を前述の不活性炭化水素溶媒に溶解又は分散させた溶液としたものを用いてもよい。
有機アルミニウムオキシ化合物においては、次の一般式(イ)で表されるものを例示することもできる。
Figure 0006547484
一般式(イ)で表される化合物は、一種類のトリアルキルアルミニウムまたは二種類以上のトリアルキルアルミニウムと、一般式:RB(OH)で表されるアルキルボロン酸との10:1〜1:1(モル比)の反応により得ることができる。一般式中、Rは、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の炭化水素基を示す。
(ii)ホウ素化合物
成分(B)の一つであるホウ素化合物としてボラン化合物やボレート化合物などのホウ素化合物を挙げることができる。
ボラン化合物として具体的に例示すると、トリフェニルボラン、トリ(o−トリル)ボラン、トリ(p−トリル)ボラン、トリ(m−トリル)ボラン、トリ(o−フルオロフェニル)ボラン、トリス(p−フルオロフェニル)ボラン、トリス(m−フルオロフェニル)ボラン、トリス(2,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(パーフルオロナフチル)ボラン、トリス(パーフルオロビフェニリル)ボラン、トリス(パーフルオロアントリル)ボラン、トリス(パーフルオロビナフチル)ボラン等が挙げられる。
これらの中でも、トリス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(パーフルオロナフチル)ボラン、トリス(パーフルオロビフェニリル)ボラン、トリス(パーフルオロアントリル)ボラン、トリス(パーフルオロビナフチル)ボランがより好ましく、更に好ましくはトリス(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(パーフルオロナフチル)ボラン、トリス(パーフルオロビフェニリル)ボランが好ましい。
また、ボレート化合物を具体的に表すと、第1の例は、次の一般式(ウ)で示される化物である。
[L−H][BR ・・・(ウ)
式(ウ)中、Lは、中性ルイス塩基であり、Hは、水素原子であり、[L−H]は、アンモニウム、アニリニウム、ホスフォニウム等のブレンステッド酸である。アンモニウムとしては、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、トリ(n−ブチル)アンモニウムなどのトリアルキル置換アンモニウム、ジ(n−プロピル)アンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウムなどのジアルキルアンモニウムを例示できる。
また、アニリニウムとしては、N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムなどのN,N−ジアルキルアニリニウムが例示できる。
更に、ホスフォニウムとしては、トリフェニルホスフォニウム、トリブチルホスホニウム、トリ(メチルフェニル)ホスフォニウム、トリ(ジメチルフェニル)ホスフォニウム等のトリアリールホスフォニウム、トリアルキルホスフォニウムが挙げられる。
また、式(ウ)中、R及びRは、6〜20、好ましくは6〜16の炭素原子を含む、同じか又は異なる芳香族又は置換芳香族炭化水素基で、架橋基によって互いに連結されていてもよく、置換芳香族炭化水素基の置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等に代表されるアルキル基やフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲンが好ましい。
更に、X及びXは、ハイドライド基、ハロゲン原子、1〜20の炭素原子を含む炭化水素基、1個以上の水素原子がハロゲン原子によって置換された1〜20の炭素原子を含む置換炭化水素基である。
上記一般式(ウ)で表される化合物の具体例としては、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、ジ(1−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレートなどを例示することができる。
これらの中でも、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレートが好ましい。
これらの中でも最も好ましいのは、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレートである。
また、ボレート化合物の第2の例は、次の一般式(エ)で表される。
[L[BR ・・・(エ)
式(エ)中、Lは、カルボカチオン、メチルカチオン、エチルカチオン、プロピルカチオン、イソプロピルカチオン、ブチルカチオン、イソブチルカチオン、tert−ブチルカチオン、ペンチルカチオン、トロピニウムカチオン、ベンジルカチオン、トリチルカチオン、ナトリウムカチオン、プロトン等が挙げられる。また、R、R、X及びXは、前記一般式(ウ)における定義と同じである。
上記化合物の具体例としては、トリチルテトラフェニルボレート、トリチルテトラ(o−トリル)ボレート、トリチルテトラ(p−トリル)ボレート、トリチルテトラ(m−トリル)ボレート、トリチルテトラ(o−フルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(p−フルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(m−フルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリチルテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリチルテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トロピニウムテトラフェニルボレート、トロピニウムテトラ(o−トリル)ボレート、トロピニウムテトラ(p−トリル)ボレート、トロピニウムテトラ(m−トリル)ボレート、トロピニウムテトラ(o−フルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(p−フルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(m−フルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、ソジウムテトラフェニルボレート、ソジウムテトラ(o−トリル)ボレート、ソジウムテトラ(p−トリル)ボレート、ソジウムテトラ(m−トリル)ボレート、ソジウムテトラ(o−フルオロフェニル)ボレート、ソジウムテトラ(p−フルオロフェニル)ボレート、ソジウムテトラ(m−フルオロフェニル)ボレート、ソジウムテトラ(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、ソジウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ソジウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ソジウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ソジウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、ハイドロゲンテトラフェニルボレート・2ジエチルエーテル、ハイドロゲンテトラ(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート・2ジエチルエーテル、ハイドロゲンテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート・2ジエチルエーテル、ハイドロゲンテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート・2ジエチルエーテル、ハイドロゲンテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート・2ジエチルエーテル、ハイドロゲンテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート・2ジエチルエーテルを例示することができる。
これらの中でも、トリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリチルテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリチルテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トロピニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、ソジウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ソジウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ソジウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ソジウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、ハイドロゲンテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート・2ジエチルエーテル、ハイドロゲンテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート・2ジエチルエーテル、ハイドロゲンテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート・2ジエチルエーテル、ハイドロゲンテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート・2ジエチルエーテルが好ましい。
更に好ましくは、これらの中でもトリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ソジウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ソジウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ハイドロゲンテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート・2ジエチルエーテル、ハイドロゲンテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート・2ジエチルエーテル、ハイドロゲンテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート・2ジエチルエーテル、が挙げられる。
また、成分(B)として、前記の有機アルミニウムオキシ化合物と、上記ボラン化合物やボレート化合物との混合物を用いることもできる。さらに、上記ボラン化合物やボレート化合物は、2種以上混合して使用することもできる。
(iii)イオン交換性層状珪酸塩
成分(B)であるイオン交換性層状珪酸塩(以下、単に「珪酸塩」と略記する場合がある。)は、イオン結合などによって構成される面が互いに結合力で平行に積み重なった結晶構造を有し、且つ、含有されるイオンが交換可能である珪酸塩化合物をいう。珪酸塩は、各種公知のものが知られており、具体的には、白水晴雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている。
本発明において、成分(B)として好ましく用いられるものは、スメクタイト族に属するもので、具体的にはモンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイトなどを挙げることができる。中でも、ゴム成分の活性、分子量の点でモンモリロナイトが好ましい。
大部分の珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出されるため、イオン交換性層状珪酸塩以外の夾雑物(石英やクリストバライトなど)が含まれることが多く、本発明で用いられるスメクタイト族の珪酸塩に交雑物が含まれていてもよい。
イオン交換性層状珪酸塩の造粒:
珪酸塩は、乾燥状態で用いてもよく、液体にスラリー化した状態で用いてもよい。また、イオン交換性層状珪酸塩の形状については、特に制限はなく、天然に産出する形状、人工的に合成した時点の形状でもよいし、また、粉砕、造粒、分級などの操作によって形状を加工したイオン交換性層状珪酸塩を用いてもよい。このうち造粒された珪酸塩を用いると、良好なポリマー粒子性状を与えるため、特に好ましい。
造粒、粉砕、分級などのイオン交換性層状珪酸塩の形状加工は、酸処理の前に行ってもよいし、酸処理を行った後に形状を加工してもよい。
酸処理:
本発明で用いられる珪酸塩は、酸処理をして用いるが、その他の化学処理を組み合わせて、処理を行っても良い。その他の化学処理としては、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。
珪酸塩の酸処理により、固体の酸強度を変えることができる。また、酸処理は、イオン交換や表面の不純物を取り除く効果の他、結晶構造のAl、Fe、Mg、Liなどの陽イオンの一部を溶出させる効果もある。
酸処理で用いられる酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、安息香酸、ステアリン酸、プロピオン酸、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸などが挙げられる。これらは、2種以上を同時に使用してもよい。中でも無機酸が好ましく、硫酸、塩酸、硝酸が好ましく、さらに好ましくは硫酸である。
また、酸処理と塩類処理を組み合わせる方法が特に好ましく、塩類処理を行った後に酸処理を行う方法、酸処理を行った後に塩類処理を行う方法、塩類処理と酸処理を同時に行う方法、塩類処理を行った後に塩類処理と酸処理を同時に行う方法などがある。
珪酸塩の酸処理後の組成:
本発明に係る成分(B)である酸処理された珪酸塩は、Al/Siの原子比として、0.01〜0.29のものであり、好ましくは0.03〜0.25、さらに好ましくは0.05〜0.23の範囲のものが、重合触媒の活性、オレフィン重合体の分子量の点で好ましい。
Al/Si原子比は、粘土部分の酸処理強度の指標となり、Al/Si原子比を制御する方法としては、酸処理を行う酸種、酸濃度、酸処理時間、温度を調整することにより制御することができる。
珪酸塩中のアルミニウム及びケイ素は、JIS法による化学分析による方法で検量線を作成し、蛍光X線で定量するという方法で測定される。
(3)成分(D)
エチレン重合において、必要に応じて、以下に示す成分(D)を用いることが出来る。
成分(D)は、有機アルミニウム化合物である。
有機アルミニウム化合物の一例は、次の一般式(オ)で表される。
AlR3−a ・・・(オ)
一般式中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基、Xは、水素原子、ハロゲン、アルコキシ基又はシロキシ基を示し、aは0より大きく3以下の数を示す。
一般式(オ)で表される有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノメトキシドなどのハロゲン又はアルコキシ含有アルキルアルミニウムが挙げられる。これらの中では、トリアルキルアルミニウムが好ましいく、最も好ましいのはトリヘキシルアルミニウムまたはトリオクチルアルミニウムである。また、上記の有機アルミニウム化合物を2種以上併用してもよい。
(4)触媒の調製法
本発明に係るオレフィン重合用触媒の調製法においては、成分(A)、成分(B)および成分(D)の接触方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
成分(B)が有機アルミニウムオキシ化合物の場合、成分(A)と成分(B)のモル比は1:0.1〜1:100,000であることが好ましい。
また、成分(B)がホウ素化合物である場合、成分(A)と成分(B)とのモル比は好ましくは1:0.1〜1:100の範囲で用いられる。
成分(D)を用いる場合、成分(A)と成分(D)のモル比は好ましくは1:0.1〜1:10,000の範囲である。
成分(B)が珪酸塩の場合、好ましい成分(A)及び成分(B)の使用量は、成分(B)1gに対し、成分(A)のメタロセン化合物0.001〜10mmol、さらに好ましくは0.001〜1mmolの範囲である。成分(C)の使用量としては、Al/メタロセン化合物のモル比が0.1以上100,000以下であり、好ましくは1以上10,000以下である。これらの使用比率は、通常の割合例を示すものであって、触媒が本発明の目的に沿うものとなっておれば、上に述べた使用比率の範囲によって、本発明が限定されることにはならない。
2.成分(C)
成分(C)は、一般式(1)で表される化合物である。
Figure 0006547484
[一般式(1)中、R〜R10は同一又は異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、−NR30 基、−SR30基、−OSiR30 基又は−PR30 基であり(R30は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基であり)、R〜R10が隣接する置換基同士でそれらを連結する原子と一緒になって1つ以上の芳香族環又は脂肪族環を形成してもよく;
とXは同一又は異なって、それぞれ水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数8〜40のアルケニルアリール基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜10のアミノ基、OH基、ハロゲン原子又は配位可能な中性配位子であり、XとXが、それらを連結する原子と一緒になって1つの環を形成していてもよい。]
成分(C)の具体例としては、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジヒドリド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジメトキシド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジフェノキシド、ジメチルビス(シクロペンタジエニル)チタン、ジフェニルビス(シクロペンタジエニル)チタン、ジベンジルビス(シクロペンタジエニル)チタン、ジメチルビス(メチルシクロペンタジエニル)チタン、ジメチルビス(エチルシクロペンタジエニル)チタン、ジメチルビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)チタン、ジメチルビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタン、などが挙げられる。また、特開平8−41081号公報、特開9−27867号公報などに記載されたチタン化合物も制限無く使用することが出来る。
(1)成分(C)の使用量
成分(C)の使用量は、目標とするエチレン系重合体の分子量および分子量分布ならびに重合に伴い発生する水素量に応じて任意に決定できる。通常、成分(C)は成分(A)に対して、モル比[成分(C)/成分(A)]で、0.001〜1000、好ましくは0.01〜100、さらに好ましくは、0.05〜50の範囲で用いられる。
成分(C)の使用量が少なすぎる場合は、不飽和結合を生成する効果が十分では無く、目的とする構造のポリマーが得られない。一方、使用量が多い場合は、ポリマーへの水添反応等により不飽和結合の量が増えない場合があり、オレフィン重合用触媒の重合活性を低下させる場合もある。
(2)成分(C)の添加
成分(C)は、循環系を含む重合系の任意の位置から添加することが出来る。循環系を含む重合系とは、重合反応器へ原料を導入するライン、重合反応器および重合反応器から出た原料が再び重合反応器へ戻るラインを指す。バッチ式重合の場合は、重合反応器へ原料を導入するラインおよび重合反応器から導入することが出来る。
成分(C)は、固体のまま添加しても良いし、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の脂肪族炭化水素溶媒や芳香族炭化水素溶媒に溶解して添加しても良い。また、あらかじめ、成分(A)、成分(B)と混合して添加しても良い。
3.エチレンの重合条件
本発明は、生成するポリマーが溶けた状態で重合を行うことを特徴とする。生成するポリマーが溶けた状態とは、生成したポリマーが重合溶媒に溶解した状態であるか、生成するポリマーの融点以上の温度をかけ融解した状態を指す。このとき、重合系内では正常な重合で生成したポリマーは形状を保った固体としては存在しない。
以下、各重合条件について説明する。
(1)モノマー構成
本発明におけるエチレンの重合は、エチレン単独重合でも良いし、エチレン・α−オレフィン共重合でも良いが、エチレン・α−オレフィン共重合が好ましい。
コモノマーとして用いられるα−オレフィンは、炭素数3〜20、好ましくは3〜12のα−オレフィンである。具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン等を挙げることができる。これらの中で、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンがさらに好ましい。
かかるエチレン・α−オレフィン共重合体の具体例としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテン三元共重合体、エチレン・プロピレン・1−ヘキセン三元共重合体、エチレン・プロピレン・1−オクテン三元共重合体等が挙げられる。
α−オレフィン以外のコモノマーとして、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、及び5−エチリデン−2−ノルボルネンのようなジエンを少量使用することもできる。
(2)重合方法
本発明において、重合方法は、高圧イオン重合法、溶液重合法を用いることができる。
高圧イオン重合法とは、高圧法のプロセスにチーグラー触媒やメタロセン触媒などのイオン重合触媒を適用し、エチレン系重合体を得る重合方法を言う。チーグラー触媒やメタロセン触媒を適用した場合、高圧下ではあるが生成ポリマーは直鎖状となる特徴がある。
溶液重合法とは、炭化水素溶媒中にポリマーが溶解した状態で行う重合方法を言う。
溶液重合の重合温度は通常50〜200℃、好ましくは50〜170℃、より好ましくは90〜170℃であり、重合圧力は通常0.1〜20MPa、好ましくは0.1〜10MPa、より好ましくは1〜5MPaである。
高圧イオン重合法の重合温度は通常120〜330℃、好ましくは125〜300℃であり、より好ましくは160〜280℃、さらに好ましくは、180〜280℃であり、重合圧力は通常20〜200MPa、好ましくは40〜150MPaであり、より好ましくは50〜125MPaである。
これらの中でも、本発明に係る不飽和結合を調整したエチレン・オレフィン共重合体を得るためには高温で重合を行うことが望ましいため、高圧イオン重合法を利用するのが好ましい(「ポリエチレン技術読本」第4章、松浦一雄・三上尚孝 編著、2001年)。
下記図は、ポリマー中の不飽和結合生成の反応機構を示した図である。
図の上側では、重合反応中のポリマー鎖(P)に、1−ヘキセン、1−オクテンといったα−オレフィンが挿入し、引き続き錯体金属(M)のβ位の水素を引抜くことで中間体1が生じることを示している。この中間体1においては、(a)又は(b)の水素からの脱離反応が考えられるが、立体的、電子的要因により(a)の水素が優先的に脱離して、中間体2が生じる。さらに中間体2から次のモノマーの挿入位置によって、3置換オレフィン又はビニリデンが生じるが、ビニリデンが生じるルートは立体的に錯体金属(M)と2級炭素との間に次のモノマーが挿入するのが困難である。従って、中間体2からは錯体金属(M)と1級炭素との挿入を経た3置換オレフィン体が優先的に生成する。
一方、図の下側では、重合反応中のポリマー鎖(P)に、プロピレンが挿入し、引き続き錯体金属(M)のβ位の水素を引抜かれると中間体3が生じることを示している。この中間体31においても、(a)又は(b)の水素からの脱離反応が考えられるが、立体的、電子的要因に理由により(b)の水素が優先的に脱離して、中間体4が生じる。さらに中間体4から次のモノマーがいずれに挿入してもビニリデンが生じる。
下記図に示されるように、ポリマー中の不飽和結合を増加させるためには、β位の水素引き抜き反応を頻発させることが有効と考えられる。β位の水素引き抜き反応を頻発させるという観点で、重合温度は高い方が好ましく、高圧イオン重合法を用いることがさらに好ましく。
ただし、本発明において、ビニリデン等の不飽和結合の発生のメカニズムは、下記メカニズムに限定されるものではない。
Figure 0006547484
(3)その他の条件
また、重合系中に、被毒物除去を目的とした成分、いわゆるスカベンジャーを加えても、何ら支障なく実施することができる。
なお、かかるスカベンジャーとしては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物、前記有機アルミニウムオキシ化合物、前記有機アルミニウム化合物をアルコール類またはフェノール類で変性した変性有機アルミニウム化合物、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛などの有機亜鉛化合物、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウムなどの有機マグネシウム化合物、エチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリドなどのグリニャール化合物などが使用される。これらのなかでは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムが好ましく、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムが特に好ましい。
生成重合体の分子量は、重合温度、オレフィンモノマーの濃度、触媒のモル比等の重合条件を変えることにより調節可能である。また、重合反応系に水素や上記スカベンジャー類などを連鎖移動剤として添加することでも効果的に分子量調節を行うことができる。
水素濃度、モノマー量、重合圧力、重合温度等の重合条件が互いに異なる2段階以上の多段階重合方式にも、支障なく適用することができる。
重合方式は、連続重合、回分式重合、または予備重合を行う方法も適用される。また、重合形式の組み合わせは、特に制限はない。溶液重合2段といった様式も可能であり、さらには、それ以上の重合段数で製造することも可能である。
以下、本発明を実施例によって、具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例、比較例で用いた評価方法及び使用樹脂は、以下の通りである。
1.樹脂物性の評価方法
(1)メルトフローレート(MFR):
エチレン・α−オレフィン共重合体のMFRは、JIS−K6922−2:1997附属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して測定した。
(2)密度:
エチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、JIS−K6922−2:1997附属書(23℃、低密度ポリエチレンの場合)に準拠して測定した。
(3)不飽和結合数、コモノマー数:
末端ビニル、ビニリデン、ビニレン(シス−ビニレン及びトランス−ビニレンを含む)、三置換オレフィンの数は、H−NMR及び13C−NMRにより、次の条件で測定し、コモノマー量は、Macromolecules、1995年,28巻,p1739−1749.及び、Macromolecules、2005年,38巻,p6988−6996.に従って、主鎖1000個の炭素あたりの個数で求めた。
装置 :ブルカー・バイオスピン(株) AVANCEIII cryo−400MHz
溶媒 :o−ジクロロベンゼン/重化ブロモベンゼン = 8/2混合溶液
<試料量>
460mg/2.3ml
13C−NMR>
Hデカップル、NOEあり
・積算回数:256scan
・フリップ角:90°
・パルス間隔20秒
・AQ(取り込み時間)=5.45s、D1(待ち時間)=14.55s
H−NMR>
・積算回数:1400scan
・フリップ角:1.03°
・AQ(取り込み時間)=1.8s、D1(待ち時間)=0.01s
2.オレフィン重合用触媒の調製
(1)成分(A):メタロセン化合物の合成
・メタロセン化合物:イソプロピリデンビス(4−フェニル−1−インデニル)ジメチルハフニウムの合成
Figure 0006547484
(i)4−フェニル−インデンの合成
特開2008−101034号公報記載の方法に従って合成した。
(ii)2,2−ビス(4−フェニル−インデン−1−イル)プロパンの合成
100mLのガラス製反応容器に、4−フェニル−インデン1.00g(5.21mmol)、1,2−ジメトキシエタン(DME)10mL,水酸化カリウム0.583g(10.4mmol)を加え、90℃で1時間加熱還流した。反応液を0℃に冷却し、アセトン0.151g(2.60mmol)を加えた後、90℃で6時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、蒸留水20mLを加えた後、分液ロートに移して酢酸エチルで3回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧で留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒、ジクロロメタン:石油エーテル=1:20)で精製することで、2,2−ビス(4−フェニル−インデン−1−イル)プロパンを薄黄色固体として0.45g得た(収率41%)。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ7.52(dd,4H),7.44(t,4H),7.41−7.34(m,4H),7.16(t,2H),7.11(dd,2H),6.59(t,2H),3.48(d,2H),1.81(s,6H).
(iii)イソプロピリデンビス(4−フェニル−1−インデニル)ハフニウムジクロリドの合成
回転子を入れ、三方コックと温度計を取り付けた200ml三口フラスコに2,2−ビス(4−フェニル−インデン−1−イル)プロパン1.50g(3.5mmol)を入れ、トルエン70mlとジエチルエーテル15mlを加えて溶解させた。ドライアイス−イソプロピルアルコール浴中で−70℃に冷却し、n−ブチルリチウム/ヘキサン(1.59M溶液)4.7ml(7.5mmol)を加えて40分間攪拌した。冷却浴を外して20℃まで昇温させ、1時間保持した後に溶媒を留去した。ここにトルエン70ml、ジエチルエーテル3mlを加えて溶解させ−70℃に冷却した。四塩化ハフニウム1.25g(3.9mmol)を加え、すぐに冷却浴を外して徐々に室温まで昇温した。得られた錯体の立体組成は1H NMRよりラセミ:メソ=33:67であった。溶媒を留去し、DME60mlを加えて60℃で3時間加熱攪拌した。この操作により錯体の立体組成はラセミ:メソ=93:7となった。上澄みをデカントで除いた後の沈殿物をジクロロメタンに溶解させ、ろ過で不溶物を除去した。ろ液を濃縮して得られた固体を少量のトルエンで洗浄後に減圧乾燥し、黄色粉末状固体のイソプロピリデンビス(4−フェニル−1−インデニル)ハフニウムジクロリドをラセミ体純度100%、収量1.25g、収率53%で得た。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ7.78(d,J=8.8Hz,2H),7.57(dd,J=8.3Hz,4H),7.42(t,J=7.1Hz,4H),7.34(t,J=7.3Hz,2H),7.26(d,J=6.3Hz,2H),7.13−7.09(m,2H),6.72(dd,J=3.6Hz,2H),6.18(d,J=3.6Hz,2H),2.41(s,6H).
(iv)イソプロピリデンビス(4−フェニル−1−インデニル)ジメチルハフニウムの合成
回転子を入れた100ml枝付フラスコに、イソプロピリデンビス(4−フェニル−1−インデニル)ハフニウムジクロリド0.51g(0.76mmol)、トルエン40mlを入れて溶解させた。氷浴で0℃に冷却し、メチルマグネシウムブロミド/ジエチルエーテル(3.0M溶液)1.8ml(5.4mmol)を加えた後、40℃で11時間加熱攪拌した。室温でトリメチルシリルクロリド0.47ml(3.7mmol)を加えて30分間攪拌後、ジオキサン10mlを加えて30分間攪拌した。不溶物をろ過で除き、ろ液を濃縮して黄色の固体を得た。これを少量のヘキサンで洗浄後、デカントで上澄みを除いて減圧乾燥し淡黄色粉末状固体のイソプロピリデンビス(4−フェニル−1−インデニル)ジメチルハフニウムをラセミ体純度100%、収量0.32g、収率66%で得た。
H−NMR(400MHz,C):δ7.69(dd,J=8.4Hz,4H),7.35(d,J=9.0Hz,2H),7.22(t,J=7.6Hz,4H),7.15−7.09(m,4H),6.84−6.80(m,4H),5.57(d,J=3.5Hz,2H),1.77(s,6H),−0.99(s,6H).
・メタロセン化合物:ジメチルシリレンビス(4−フェニル−1−インデニル)ジメチルハフニウムの合成
Figure 0006547484
(i)ジメチルビス(4−フェニルインデン−1−イル)シランの合成
文献(Oraganometallics,1994年,13巻,p.954−963)記載の方法に従って合成した。
(ii)ラセミ−ジメチルシリレンビス(4−フェニル−1−インデニル)ハフニウムジクロリドの合成
200mlのガラス製反応容器に、ジメチルビス(4−フェニルインデン−1−イル)シラン4.90g(11.1mmol)、ジエチルエーテル110mlを加え、ドライアイス−ヘプタン浴で−70℃まで冷却した。ここに1.62mol/Lのn−ブチルリチウム−n−ヘキサン溶液14.0ml(22.7mmol)を滴下し、室温で3.5時間撹拌した。反応液の溶媒を減圧で留去し、トルエン100mlを加え、ドライアイス−ヘプタン浴で−70℃まで冷却した。そこに、四塩化ハフニウム3.56g(11.1mmol)を加えた。その後、徐々に室温に戻しながら17時間撹拌した。このときのラセミ体とメソ体の生成比率は55:45であった。
ジクロロメタンを200mL加え、セライトろ過した後、トルエン中で再結晶を行うことで、ジメチルシリレンビス(4−フェニル−1−インデニル)ハフニウムジクロリドのラセミ体を橙色固体として2.23g得た(収率29%)。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ7.63(d,4H),7.53(d,2H),7.42(t,4H),7.38−7.31(m,4H),7.16(dd,2H),7.01(d,2H),6.10(d,2H),1.18(s,6H).
(iii)ラセミ−ジメチルシリレンビス(4−フェニル−1−インデニル)ジメチルハフニウムの合成
100mlのガラス製反応容器に、ジメチルシリレンビス(4−フェニル−1−インデニル)ハフニウムジクロリド1.20g(1.56mmol)、トルエン50mLを加えた、ここに3.0mol/Lの臭化メチルマグネシウム−ジエチルエーテル溶液3.6mL(10.8mmol)を室温で滴下した後、80℃で1時間撹拌した。反応液を氷浴で0℃に冷却した後、クロロトリメチルシラン0.98mL(7.76mmol)を加え、室温で30分攪拌し、続けて1,4−ジオキサン2.0mL(23.4mmol)を加え、室温でさらに30分攪拌した。懸濁液をセライトろ過した後、溶媒を減圧で留去した。得られた黄色固体をヘキサン10mLで懸濁し、ガラスフリットでろ過し、固体をさらに5mLのヘキサンで3回洗浄することで、ジメチルシリレンビス(4−フェニル−1−インデニル)ジメチルハフニウムのラセミ体を黄色固体として837mg得た(収率85%)。
H−NMR(400MHz,C):δ7.70(dd,4H),7.27−7.18(m,8H),7.15−7.07(m,4H),6.90(dd,2H),5.63(d,2H),0.60(s,6H),−1.07(s,6H).
(2)エチレン・α−オレフィン共重合体の製造
(2−1).高圧イオン重合法によるエチレン/プロピレン共重合
表1に示した実施例、比較例の重合反応を、十分に乾燥し、窒素で置換した5.0Lのステンレス製反応器(攪拌装置付)中で行った。原料の供給は表1に示したエチレン、プロピレンの比を保ちながら原料ガスの合計が40kg/時になるよう連続的に行い、圧力の調整は排出側の圧力調整弁で約80MPaに保った。重合温度は、反応器の内温が217℃になるように触媒の供給速度を制御した。また、スカベンジャーとして30mg/Lに調製したトリ(n−オクチル)アルミニウム(成分(D))/ヘプタン溶液を連続的に供給した。反応器の温度はポリマーの融点以上であるため、重合反応は溶けた状態で進行した。
メタロセン化合物(イソプロピリデンビス(4−フェニル−1−インデニル)ジメチルハフニウム、成分(A))と助触媒の[MeN(H)C][B(C](成分(B))は別々にトルエン溶液を調製し(それぞれ20〜50mg/L、37〜120mg/L)、メタロセン化合物と助触媒のモル比が1:1.5になるように配管中で混合しながら重合系に連続供給した。
ジメチルビス(シクロペンタジエニル)チタン(成分(C))は、あらかじめトルエン溶液(1〜5mg/L)を調製し、メタロセン化合物(成分(A))とのモル比が表1になるように流量を調整して連続供給した。
表1に、各実施例1〜4及び比較例1における、成分(C)/成分(A)の供給比率、供給した各モノマーのモル比、重合温度といった重合条件、及び得られたポリマーのMFR,密度、NMR測定から求めた各種オレフィン含量を記載した。
Figure 0006547484
(2−2).溶液重合法によるエチレン/1−ヘキセン共重合
表2に示した実施例、比較例の重合反応を、以下の手順で行った。
十分に乾燥し、窒素で置換した2.4Lのステンレス製反応器(撹拌装置付)にトルエンを1000ml、1−ヘキセン10mlを添加し、さらにトリ(n−オクチル)アルミニウム(成分(D))/ヘプタン溶液(0.1mmol/ml)を3ml添加し、100℃に昇温した。エチレンで0.5MPa昇圧。ラセミ−ジメチルシリレンビス(4−フェニル−1−インデニル)ジメチルハフニウム(成分(A))のトルエン溶液(0.1μmol/ml)、[MeN(H)C][B(C](成分(B))のトルエン溶液(0.1μmol/ml)、ジメチルビス(t-ブチルシクロペンタジエニル)チタン(成分(C))のトルエン溶液(0.1μmol/ml)を、表2に記載した量であらかじめ混合し、混合してから5分後に、反応器に窒素で圧入することで重合を開始した。重合中、エチレンは分圧が0.5MPaを維持するように供給した。重合開始から5分後、エタノールを圧入して重合反応を停止し、反応器内温を60℃まで下げてから反応器を開放した。このとき、生成したポリマーは溶媒のトルエンに溶けた状態であり、アセトン1Lを添加し、ポリマーを析出させてから回収した。得られたポリマーの分析値を表2に記載した。
反応器の開放温度(60℃)でポリマーは溶媒に溶解しており、重合温度(100℃)ではポリマーは溶解した状態であった。
Figure 0006547484
[実施例と比較例の対比結果の考察]
表1から明らかなように、同じ重合温度の重合結果である実施例1〜4と比較例1、および実施例5〜6と比較例2〜3を比べると、成分(C)を重合系に供給することで、ポリマー中の不飽和結合の量が増加することが分かる。
本発明のエチレン系重合体の製造方法により、ポリマー中の不飽和結合の量が増加した共重合体を効率よく製造でき、産業上、非常に有用である。

Claims (6)

  1. 下記の成分(A)、(B)を含むオレフィン重合用触媒によるエチレンの重合において、生成するポリマーが溶けた状態かつ生成するポリマーの融点以上の重合温度で重合を行い、成分(C)を添加することを特徴とする不飽和結合を有するエチレン系重合体の製造方法。
    成分(A) 一般式(2)で表される化合物
    成分(B) 有機アルミニウムオキシ化合物又はホウ素化合物
    成分(C) 一般式(1)で表される化合物
    Figure 0006547484
    [一般式(1)中、R〜R10は同一又は異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、−NR30 基、−SR30基、−OSiR30 基又は−PR30 基であり(R30は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基であり)、R〜R10が隣接する置換基同士でそれらを連結する原子と一緒になって1つ以上の芳香族環又は脂肪族環を形成してもよく;
    とXは同一又は異なって、それぞれ水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数8〜40のアルケニルアリール基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜10のアミノ基、OH基、ハロゲン原子又は配位可能な中性配位子であり、XとXが、それらを連結する原子と一緒になって1つの環を形成していてもよい。]
    Figure 0006547484
    [一般式(2)中、MはTi、Zr、又はHfであり;
    11 〜R 16 及びR 17 〜R 22 は同一又は異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、−NR 30 基、−SR 30 基、−OSiR 30 基又は−PR 30 基であり(R 30 は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基であり)、R 11 〜R 16 及びR 17 〜R 22 が隣接する置換基同士でそれらを連結する原子と一緒になって1つ以上の芳香族環又は脂肪族環を形成してもよく、;
    YはSi又はCであり;
    23 とR 24 は同一又は異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のフルオロアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜10のフルオロアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数8〜40のアルケニルアリール基であり、かつ、R 23 とR 24 が同時に水素原子ではなく、R 23 とR 24 がそれらを連結する原子と一緒になって1つ以上の環を形成してもよく;
    とX は同一又は異なって、それぞれ水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数8〜40のアルケニルアリール基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜10のアミノ基、OH基、ハロゲン原子又は配位可能な中性配位子であり、X とX が、それらを連結する原子と一緒になって1つの環を形成していてもよい。]
  2. 前記エチレン系重合体が、エチレンとα−オレフィンの共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の不飽和結合を有するエチレン系重合体の製造方法。
  3. 少なくとも1つのα−オレフィンが、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンまたは1−デセンから選ばれることを特徴とする、請求項に記載の不飽和結合を有するエチレン系重合体の製造方法。
  4. 炭化水素溶媒中、90℃以上の重合温度で重合することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の不飽和結合を有するエチレン系重合体の製造方法。
  5. 一般式(2)のR11,R17の少なくとも1つが水素であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の不飽和結合を有するエチレン系重合体の製造方法。
  6. 一般式(2)のR13,R19が、下記一般式(3)で表される置換基であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の不飽和結合を有するエチレン系重合体の製造方法。
    Figure 0006547484
    [一般式(3)中、R25〜R29は同一又は異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、−NR30 基、−SR30基、−OSiR30 基又は−PR30 基であり、R30は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基であり、隣接する置換基同士でそれらを連結する原子と一緒になって1つ以上の芳香族環又は脂肪族環を形成してもよい。]
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