JP6543531B2 - 窒素含有炭素材料及びその製造方法、含窒素炭素材料用前駆体組成物、並びに燃料電池用電極 - Google Patents

窒素含有炭素材料及びその製造方法、含窒素炭素材料用前駆体組成物、並びに燃料電池用電極 Download PDF

Info

Publication number
JP6543531B2
JP6543531B2 JP2015164753A JP2015164753A JP6543531B2 JP 6543531 B2 JP6543531 B2 JP 6543531B2 JP 2015164753 A JP2015164753 A JP 2015164753A JP 2015164753 A JP2015164753 A JP 2015164753A JP 6543531 B2 JP6543531 B2 JP 6543531B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nitrogen
carbon material
containing carbon
transition metal
diaminomaleonitrile
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015164753A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017043500A (ja
Inventor
綾一 小島
綾一 小島
健生 市原
健生 市原
裕太 難波江
裕太 難波江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Tokyo Institute of Technology NUC
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Tokyo Institute of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp, Tokyo Institute of Technology NUC filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2015164753A priority Critical patent/JP6543531B2/ja
Publication of JP2017043500A publication Critical patent/JP2017043500A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6543531B2 publication Critical patent/JP6543531B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Description

本発明は、窒素含有炭素材料及びその製造方法、含窒素炭素材料用前駆体組成物、並びに燃料電池用電極に関する。
固体高分子形燃料電池は、発電効率が高い、出力密度が高い、急速な起動停止が可能である、小型軽量化が可能である、といった利点を持ち、携帯用電源、移動用電源、小型定置用発電機等への適用が期待されている。
固体高分子形燃料電池では、その正極で起こる酸素還元反応を促進するために、一般に白金又は白金合金が触媒として用いられるが、白金の資源量が極めて少なく、また高価であるために実用化への大きな障壁となっている。そこで、白金等の貴金属を必要としない燃料電池用電極触媒として、遷移金属と窒素を含有することによって酸素還元活性を発現した炭素材料(以下、「炭素触媒」ともいう。)が注目を集めている。
例えば、青酸重合物であるアズルミン酸に着目し、これを炭化することで、多量の窒素を含有した窒素含有炭素材料が得られることが知られている(特許文献1参照)。また、これに遷移金属、又はその塩を添加して得た前駆体を炭化することで、電極触媒として有用な炭素材料を合成できることが知られている(特許文献2、3、及び4参照)。
国際公開第2007/043311号パンフレット 国際公開第2008/123380号パンフレット 特開2011−256093号公報 特開2013−043821号公報
遷移金属と窒素を含有する炭素触媒の酸素還元活性点は、その詳細は明らかではないがグラフェン骨格の末端部や欠陥部に窒素がドープされた構造、又はその窒素と錯形成した遷移金属であると考えられる。基本的に、アズルミン酸に添加された遷移金属は炭化触媒として機能するが、反応活性点として寄与している可能性もある。よって、前駆体中においても、窒素含有炭素材料中においても、遷移金属が高分散していることが重要である。
しかしながら、アズルミン酸と遷移金属塩の双方を良く溶解する溶媒がなく、前駆体中で高度に混合させることが困難であるという問題がある。結果的に、アズルミン酸と遷移金属の混合物である前駆体を炭化して得た炭素材料は、固体高分子形燃料電池の電極触媒として酸素還元活性は十分ではなく、より優れた酸素還元活性を有する電極触媒の開発が求められている。
また、アズルミン酸の代わりに、青酸四量体であり、溶媒への溶解性を有する、ジアミノマレオニトリルを用いることも考えられる。しかしながら、高温で炭化処理することで得られるジアミノマレオニトリル由来の窒素含有炭素材料は、添加した遷移金属が凝集しやすい問題がある。そのとき、凝集した遷移金属の効果で、得られる窒素含有炭素材料の窒素量が減少し、結果的に、高い酸素還元活性が得られないという問題が発生する場合がある。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高い酸素還元活性を有する窒素含有炭素材料及びその製造方法、前記窒素含有炭素材料を与える含窒素炭素材料用前駆体組成物、並びに前記窒素含有炭素材料を用いた燃料電池用電極を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことに、ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物、もしくはキノン化合物、もしくはジケトン化合物と、を混合して得られる前駆体を用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明をするに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物、キノン化合物、及びジケトン化合物からなる群から選ばれる1つ以上の化合物と、を混合して含窒素炭素材料用前駆体組成物を得る第1の工程と、
得られた前記含窒素炭素材料用前駆体組成物を熱処理して、窒素含有炭素材料を得る第2の工程と、を有し、
前記第1の工程において、前記ジアミノマレオニトリルの質量に対する、前記遷移金属塩中の遷移金属元素の質量の比率が、0.0001〜0.5である、
窒素含有炭素材料の製造方法。
〔2〕
ジアミノマレオニトリルと、含窒素芳香環化合物、キノン化合物、及びジケトン化合物からなる群から選ばれる1つ以上と、を反応させて化合物を得る工程と、得られた前記化合物と、遷移金属塩と、を混合して含窒素炭素材料用前駆体組成物を得る第1の工程と、
得られた前記含窒素炭素材料用前駆体組成物を熱処理して、窒素含有炭素材料を得る第2の工程と、を有し、
前記第1の工程において、前記ジアミノマレオニトリルの質量に対する、前記遷移金属塩中の遷移金属元素の質量の比率が、0.0001〜0.5である、
窒素含有炭素材料の製造方法。
〔3〕
ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物、キノン化合物、及びジケトン化合物からなる群から選ばれる1つ以上の化合物と、を含む含窒素炭素材料用前駆体組成物を炭化してなり、
前記ジアミノマレオニトリルの質量に対する、前記遷移金属塩中の遷移金属元素の質量の比率が、0.0001〜0.5である、窒素含有炭素材料。
〔4〕
ジアミノマレオニトリルとキノン化合物を反応させて得られるジイミノスクシノニトリル、及び/又はジアミノマレオニトリルとジケトン化合物からなる群から選ばれる1つ以上の化合物を反応させて得られるジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリルと、遷移金属塩と、を含む含窒素炭素材料用前駆体組成物を炭化してなり、
前記ジアミノマレオニトリルの質量に対する、前記遷移金属塩中の遷移金属元素の質量の比率が、0.0001〜0.5である、窒素含有炭素材料。
〔5〕
〔3〕又は〔4〕に記載の窒素含有炭素材料を含む、燃料電池用電極。
〔6〕
ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物、キノン化合物、及びジケトン化合物からなる群から選ばれる1つ以上の化合物と、を含み、
前記ジアミノマレオニトリルの質量に対する、前記遷移金属塩中の遷移金属元素の質量の比率が、0.0001〜0.5である、
含窒素炭素材料用前駆体組成物。
〔7〕
ジアミノマレオニトリルとキノン化合物を反応させて得られるジイミノスクシノニトリル、及び/又はジアミノマレオニトリルとジケトン化合物を反応させて得られるジピラジノ[2,3−f:2',3'−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリルと、
遷移金属塩と、を含み、
前記ジアミノマレオニトリルの質量に対する、前記遷移金属塩中の遷移金属元素の質量の比率が、0.0001〜0.5である、
含窒素炭素材料用前駆体組成物。
本発明によれば、高い酸素還元開始電位を示し、高い酸素還元活性を有する窒素含有炭素材料及びその製造方法、前記窒素含有炭素材料を与える含窒素炭素材料用前駆体組成物、並びに前記窒素含有炭素材料を用いた燃料電池用電極を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されるものではない。すなわち、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔窒素含有炭素材料の製造方法〕
本実施形態における第1態様の窒素含有炭素材料の製造方法は、ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物、キノン化合物、及びジケトン化合物からなる群から選ばれる1つ以上の化合物と、を混合して含窒素炭素材料用前駆体組成物を得る第1の工程と、得られた前記含窒素炭素材料用前駆体組成物を熱処理して、窒素含有炭素材料を得る第2の工程と、を有する。
また、本実施形態における第2態様の窒素含有炭素材料の製造方法は、ジアミノマレオニトリルと、含窒素芳香環化合物、キノン化合物、及びジケトン化合物からなる群から選ばれる1つ以上の化合物と、を反応させて得られる構造を有する化合物と、遷移金属塩と、を混合して前駆体を得る第1の工程と、得られた前記前駆体を熱処理して、窒素含有炭素材料を得る第2の工程と、を有するものであってもよい。以下、これらの方法について併せて述べる。
〔第1の工程〕
第1の工程は、第1態様においては、ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物、キノン化合物、及びジケトン化合物からなる群から選ばれる1つ以上の化合物と、を混合して含窒素炭素材料用前駆体組成物(以下、単に「前駆体」ともいう)を得る工程であり、第2態様においては、ジアミノマレオニトリルと、含窒素芳香環化合物、キノン化合物、及びジケトン化合物からなる群から選ばれる1つ以上の化合物と、を反応させて得られる構造を有する化合物と、遷移金属塩と、を混合して前駆体を得る工程である。
(含窒素炭素材料用前駆体組成物)
第1態様の含窒素炭素材料用前駆体組成物には、ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物、キノン化合物、及びジケトン化合物からなる群から選ばれる1つ以上の化合物と、が含まれる。また、第2態様の含窒素炭素材料用前駆体組成物には、ジアミノマレオニトリルと、含窒素芳香環化合物、キノン化合物、及びジケトン化合物からなる群から選ばれる1つ以上の化合物を反応させて得られる構造を有する化合物と、遷移金属塩と、が含まれる。このような含窒素炭素材料用前駆体組成物を熱処理することにより、高い酸素還元開始電位を示し、高い酸素還元活性を有する窒素含有炭素材料を得ることができる。なお、含窒素芳香環化合物と、遷移金属塩とは錯体を形成していてもよい。以下、含窒素炭素材料用前駆体組成物に含まれる成分について説明する。
(ジアミノマレオニトリル)
ジアミノマレオニトリルは、青酸の四量体であり、化学式でHN−C(CN)=C(CN)−NHと表される化合物である。
ジアミノマレオニトリルは、市販品を用いてもよいし、公知の方法(例えば、特開昭49−126619号公報、特開昭60−651158号公報等参照)に基づき製造してもよい。また、ジアミノマレオニトリルは、再結晶等の方法により精製して純度を高めてもよいし、無精製のものを用いてもよい。
(遷移金属塩)
遷移金属塩としては、特に限定されないが、例えば、遷移金属のシアノ錯体、ヒドロキシ錯体、クロロ錯体、アセチルアセトナ−ト錯体、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩、亜硝酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、又は種々の有機金属化合物等が挙げられる。このなかでも、好ましくは、シアノ錯体、クロロ錯体、アセチルアセトナ−ト錯体、硝酸塩、塩化物、臭化物であり、より好ましくは、硝酸塩、塩化物、臭化物である。このなかでも、水や低級アルコール等の極性溶媒に溶解するものがさらに好ましい。
また、遷移金属としては、特に限定されないが、例えば、Fe,Co,Ni,Cu,Mn,又はCrが好ましく、Fe,Co,又はCuがより好ましく、Fe又はCoがさらに好ましく、特に好ましいのはFeである。このような遷移金属を用いることにより、窒素含有炭素材料の酸素還元活性がより向上する傾向にある。遷移金属は、1種類の単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。遷移金属を2種以上併用する場合は、1種はFeであることが好ましく、FeとCo,Ni,Cu,Mn,またはCrから選ばれる1種以上を含むことがより好ましい。また、鉄塩と他の遷移金属塩とを併用する場合の鉄塩の含有量は合計量の50重量%以上であることが好ましく、75重量%以上であることがより好ましい。
具体的な鉄塩としては、特に限定されないが、例えば、塩化鉄(II)、塩化鉄(II)四水和物、塩化鉄(III)、塩化鉄(III)六水和物、臭化鉄(II)、臭化鉄(II)六水和物、臭化鉄(III)、臭化鉄(III)六水和物、ヘキサシアノ鉄(II)酸アンモニウム三水和物、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム三水和物、ヘキサシアノ鉄(III)酸アンモニウム、ヘキサシアノ鉄(III)カリウム、ヘキサシアノ鉄(II)酸ナトリウム十水和物、ヘキサシアノ鉄(III)酸ナトリウム一水和物、硝酸鉄(II)六水和物、硝酸鉄(III)九水和物、チオシアン酸鉄(III)、炭酸鉄(II)、炭酸鉄(II)一水和物、ヘキサクロロ鉄(III)酸メチルアンモニウム、テトラクロロ鉄(II)酸テトラメチルアンモニウム、ペンタシアノニトロシル鉄(III)酸カリウム二水和物、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム鉄(III)水和物、ペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウム二水和物、アンミンペンタシアノ鉄(II)酸ナトリウム三水和物、アクアペンタシアノ鉄(II)酸ナトリウム七水和物、チオシアン酸鉄(II)三水和物、酢酸鉄、シュウ酸鉄(III)五水和物、シュウ酸鉄(II)二水和物、クエン酸鉄(III)三水和物、ヨウ化鉄(II)、ヨウ化鉄(II)四水和物、硫酸鉄(III)、硫酸鉄(III)九水和物、テトラクロロ鉄(II)酸アンモニウム、過塩素酸鉄(II)六水和物、過塩素酸鉄(III)六水和物、アクアペンタフルオロ鉄(III)酸カリウム、硫酸カリウム鉄(III)十二水和物、ビス(スルファト)鉄(II)二アンモニウム六水和物、トリス(硫酸)鉄(III)酸ナトリウム三水和物、リン酸鉄(III)二水和物、リン酸鉄(II)八水和物、硫酸鉄(II)七水和物等が挙げられる。好ましくは、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)、硝酸鉄(III)九水和物が挙げられる。
具体的なコバルト塩としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサシアノコバルト(III)酸カリウム、硝酸コバルト(II)六水和物、フッ化コバルト(II)、臭化コバルト(II)、臭化コバルト(II)六水和物、炭酸コバルト(II)、チオシアン酸コバルト(II)三水和物、酢酸コバルト(II)四水和物、酢酸コバルト(III)、塩化コバルト(II)、塩化コバルト(II)六水和物、テトラクロロコバルト(II)酸セシウム、ヘキサフルオロコバルト(III)酸カリウム、ヨウ化コバルト(II)、ヨウ化コバルト(II)六水和物、ヘキサニトロコバルト(III)酸カリウム、リン酸コバルト(II)、リン酸コバルト(II)八水和物、硫酸コバルト(II)、硫酸コバルト(II)七水和物等が挙げられる。好ましくは、塩化コバルト(II)、臭化コバルト(II)、硝酸コバルト(II)六水和物が挙げられる。
具体的なニッケル塩としては、特に限定されないが、例えば、塩化ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)六水和物、臭化ニッケル(II)、硝酸ニッケル(II)六水和物等が挙げられる。
具体的な銅塩としては、特に限定されないが、例えば、塩化銅(II)、塩化銅(II)二水和物、臭化銅(II)、硝酸銅(II)二水和物等が挙げられる。
具体的なマンガン塩としては、特に限定されないが、例えば、塩化マンガン(II)、臭化マンガン(II)、硝酸マンガン(II)四水和物等が挙げられる。
具体的なクロム塩としては、特に限定されないが、例えば、塩化クロム(III)、臭化クロム(III)、硝酸クロム(III)九水和物等が挙げられる。
ジアミノマレオニトリルの質量に対する、遷移金属塩中の遷移金属元素の質量の比率は、0.0001〜0.5が好ましく、0.0005〜0.1がより好ましく、0.001〜0.05がさらに好ましい。この比率が0.0001以上であることにより、前駆体に熱処理を施した際の収率がより優れる傾向にある。また、この比率が0.05以下であることにより、窒素含有炭素材料としたときの酸素還元活性がより優れる傾向にある。
(含窒素芳香環化合物)
含窒素芳香環化合物としては、特に限定されないが、例えば、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、1,2−ナフチリジン(シンノリン)、1,3−ナフチリジン(キナゾリン)、1,4−ナフチリジン(キノキサリン)、1,5−ナフチリジン、1,6−ナフチリジン、1,7−ナフチリジン、1,8−ナフチリジン、2,3−ナフチリジン(フタラジン)、2,6−ナフチリジン、2,7−ナフチリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、イミダゾール、2,2’−ビピリジン、2,2’−ビイミダゾール、2,2’:6’,2”−テルピリジン、4’−クロロ−2,2’:6’,2”−テルピリジン、4’−(4−クロロフェニル)−2,2’:6’,2”−テルピリジン、4’−(4−メチルフェニル)−2,2’:6’,2”−テルピリジン、4,4’,4”−トリ−tert−ブチル2,2’:6’,2”−テルピリジン、2,6−ビス(2−ベンゾイミダゾリル)ピリジン、2−(2−ピリジル)ベンゾイミダゾール、2−(2’−ピリジル)イミダゾール、2−(3−ピリジル)−1H−ベンゾイミダゾール、2−(クロロメチル)ベンゾイミダゾール、2−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール、2−クロロベンゾイミダゾール、2,3−ビス−(ブロモメチル)キノキサリン、1,10−フェナントロリン、1,10−フェナントロリン−5,6−ジオン、1,10−フェナントロリン−5−アミン、4,7−ジヒドロキシ−1,10−フェナントロリン、5,6−ジメチル−1,10−フェナントロリン、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン、5−クロロ−1,10−フェナントロリン、5−メチル−1,10−フェナントロリン、5−ニトロ−1,10−フェナントロリン、4,7−ジメトキシ−1,10−フェナントロリンが挙げられる。中でも、得られる窒素含有炭素材料の酸素還元活性の観点で、1,10−フェナントロリン、2,2’−ビピリジン、が好ましい。含窒素芳香環化合物は、1種類の単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
遷移金属塩に対する、含窒素芳香環化合物のモル比率は、0.1〜10が好ましく、0.5〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。この比率がこの範囲にあることにより、窒素含有炭素材料としたときの酸素還元活性がより優れる傾向にある。
ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物と、を混合したとき、錯体形成して単一の化合物を形成する場合もあるし、単に混合物である場合もある。その状態は限定されない。
本実施形態の製造方法により得られる窒素含有炭素材料が、高い酸素還元活性を示す理由は定かではないが、ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物が溶媒への溶解性が高く、この溶解性の高さが前駆体中での錯体形成に有利であり、ひいては、遷移金属がより均等に分散した窒素含有炭素材料が得られるためと考えられる。
第2態様では、ジアミノマレオニトリルと含窒素芳香環化合物とを反応させて得られる構造を有する化合物を用いることができる。
(キノン化合物)
キノン化合物としては、特に限定されないが、例えば、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、テトラシアノ−1,4−ベンゾキノン、テトラフルオロ−1,4−ベンゾキノン、テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン、テトラブロモ−1,4−ベンゾキノン、テトラメチル−1,4−ベンゾキノン、テトラヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン、2−ブロモ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2−ブロモ−1,4−ベンゾキノン、2−tert−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジクロロ−3,6−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン、2−クロロ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジブロモ−3,6−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジクロロ−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジクロロ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジブロモ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジ−tert−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、2−(10−ヒドロキシデシル)−5,6−ジメトキシ−3−メチル−1,4−ベンゾキノン、メチルベンゾキノン、メトキシベンゾキノン、キンヒドロン、5−イソプロピル−2−メチル−1,4−ベンゾキノン、ベンゾキノン、などを例示することが出来る。中でも、得られる窒素含有炭素材料の酸素還元活性の観点で、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンが好ましい。キノン化合物は、1種類の単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ジアミノマレオニトリルに対する、キノン化合物のモル比率は、0.1〜10が好ましく、0.5〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。この比率がこの範囲にあることにより、窒素含有炭素材料としたときの酸素還元活性がより優れる傾向にある。
ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、キノン化合物と、を混合したとき、単一の化合物を形成する場合もあるし、単に混合物である場合もある。その状態は限定されない。
本実施形態の製造方法により得られる窒素含有炭素材料が、高い酸素還元活性を示す理由は定かではないが、キノン化合物の脱プロトン作用により、ジアミノマレオニトリルからジイミノスクシノニトリルが生成し、遷移金属塩との錯体形成、すなわち遷移金属原子と窒素の配位結合が、より強固となることが考えられ、ひいては、遷移金属がより均等に分散した窒素含有炭素材料が得られるためと考えられる。
第2態様では、ジアミノマレオニトリルとキノン化合物を反応させて得られる構造を有する化合物を用いることができる。このような化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジイミノスクシノニトリルが挙げられる(例えば、「有機合成化学第31巻第8号(1973)、p656−660」等参照)。ジイミノスクシノニトリルは、化学式でHN=C(CN)C(CN)=NHと表される化合物である。
(ジケトン化合物)
ジケトン化合物は、カルボニル基を2つ以上含む化合物である以外は特に限定されないが、例えば、ヘキサオキソシクロヘキサン8水和物、アセチルアセトン、ジアセチル、2,5−ヘキサンジオン、ジメドン、1,4−ジブロモ−2,3−ブタンジオン、5,6−ジクロロ−2,3−ピラジンジカルボニトリル、などを例示することが出来る。中でも、得られる窒素含有炭素材料の酸素還元活性の観点で、ヘキサオキソシクロヘキサン8水和物が好ましい。ジケトン化合物は、1種類の単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ジアミノマレオニトリルに対する、ジケトン化合物のモル比率は、0.1〜10が好ましく、0.2〜3がより好ましく、0.3〜1がさらに好ましい。この比率がこの範囲にあることにより、窒素含有炭素材料としたときの酸素還元活性がより優れる傾向にある。
ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、ジケトン化合物と、を混合したとき、単一の化合物を形成する場合もあるし、単に混合物である場合もある。その状態は限定されない。
本実施形態の製造方法により得られる窒素含有炭素材料が、高い酸素還元活性を示す理由は定かではないが、ジアミノマレオニトリルとジケトン化合物から得られる反応物が、窒素含有炭素材料を形成しやすい物質であること考えられ、これにより熱処理工程での遷移金属成分の凝集を抑制できて、ひいては、遷移金属がより均等に分散した窒素含有炭素材料が得られるためと考えられる。
第2態様では、ジアミノマレオニトリルとジケトン化合物を反応させて得られる構造を有する化合物を用いることができる。例えば、ジアミノマレオニトリルのアミノ基とジケトン化合物のカルボニル基が脱水縮合する反応により、イミノ基を有する化合物が生成する。特にジアミノマレオニトリルとヘキサオキソシクロヘキサン8水和物からは、ジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリルという、含窒素芳香環化合物を得ることが知られている(例えば、Journal of Organic Chemistry,51(1986)p.5241−5243等参照)。
(含窒素芳香環化合物、もしくはキノン化合物、もしくはジケトン化合物)
含窒素芳香環化合物、もしくはキノン化合物、もしくはジケトン化合物は、それぞれ1種類の単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(易炭素化高分子材料)
ジアミノマレオニトリルを含む前駆体を得る第1の工程では、さらに易炭素化高分子材料を添加してもよい。易炭素化高分子材料を添加しておくことにより、より高い収率で窒素含有炭素材料を得る傾向にある。
易炭素化高分子材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリアニリン、ポリビニルピリジン、ポリイミド、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、芳香族ポリアミド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。このなかでも、熱処理工程における炭化のしやすさの観点から、芳香族基又は複素環基を有する樹脂が好ましく、フェノール樹脂がより好ましい。
易炭素化高分子材料の質量に対するジアミノマレオニトリルの質量の比率は、好ましくは0.01〜0.99であり、より好ましくは0.10〜0.90であり、さらに好ましくは0.15〜0.75である。この比率が0.01以上であることにより、窒素含有炭素材料としたときの酸素還元活性がより優れる傾向にある。また、この比率が0.99以下であることにより、前駆体に熱処理を施した際の収率がより優れる傾向にある。
(混合)
ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物、もしくはキノン化合物、もしくはジケトン化合物と、もしくはさらに易炭素化高分子材料と、を混合する方法としては、特に限定されないが、例えば、溶媒中、ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物、もしくはキノン化合物、もしくはジケトン化合物と、もしくはさらに易炭素化高分子材料と、を溶解させ、溶媒を蒸発乾固する方法が好ましい。また、混合方法としては、特に限定されないが、例えば、一つの溶媒に全ての原料を溶解させても、それぞれ異なる溶媒に各原料を溶解させた後に各溶媒を混合してもよい。
溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)、ケトン類(アセトン、ジエチルケトン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、塩素系炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、四塩化炭素等)、グリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ラクタム類(N−メチル−2−ピロリドン等)、ジメチルスルホキシド、脂肪族炭化水素類(n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等)等が挙げられる。このなかでも、好ましいのは極性溶媒であり、より好ましくはメタノール及びエタノール等の低級アルコール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等である。溶媒は、1種類の溶液単独で用いてもよいし、2種以上の溶液を併用してもよい。特に、ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物、もしくはキノン化合物、もしくはジケトン化合物、もしくはさらに易炭素化高分子材料と、の溶解度の高さ、もしくは後述の蒸発乾固のしやすさの観点から、メタノールやアセトニトリルが好ましい。
ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物、もしくはキノン化合物、もしくはジケトン化合物と、もしくはさらに易炭素化高分子材料と、を混合させる際の温度は、好ましくは0〜200℃であり、より好ましくは10〜100℃であり、さらに好ましくは20〜50℃である。温度が0℃以上であることにより、ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物、もしくはキノン化合物、もしくはジケトン化合物、もしくはさらに易炭素化高分子材料と、の溶解度がより向上する傾向にある。また、温度が200℃以下であることにより、ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物、もしくはキノン化合物、もしくはジケトン化合物、もしくはさらに易炭素化高分子材料と、の安定性がより向上する傾向にある。
ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物、もしくはキノン化合物、もしくはジケトン化合物と、もしくはさらに易炭素化高分子材料と、を混合させる際の圧力は、好ましくは0.05〜2.0MPaであり、より好ましくは0.08〜1.5MPaであり、さらに好ましくは0.1〜1.0MPaである。圧力が0.05MPa以上であることにより、窒素含有炭素材料としたときの酸素還元活性がより向上する傾向にある。また、圧力が2.0MPa以下であることにより、暴走反応をより抑制でき、前駆体調製の際の安全性がより向上する傾向にある。
ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物、もしくはキノン化合物、もしくはジケトン化合物と、もしくはさらに易炭素化高分子材料と、を混合させる際の時間は、好ましくは1分〜240時間であり、好ましくは10分〜120時間であり、さらに好ましくは30分〜60時間である。時間が1分以上であることにより、窒素含有炭素材料としたときの酸素還元活性がより向上する傾向にある。また、時間が240時間以下であることにより、窒素含有炭素材料としたときの酸素還元活性がより向上する傾向にある。
ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物、もしくはキノン化合物、もしくはジケトン化合物と、もしくはさらに易炭素化高分子材料と、を混合させる際は、バッチ式反応器を用いてもよいし、流通式反応器を用いてもよい。流通式反応器は完全混合槽でもよいし、管状反応器でもよいし、完全混合槽と管状反応器を組み合わせたものでもよい。
反応器内の雰囲気は、空気でもよいが、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスであってもよい。
蒸発乾固の方法としては、特に限定されないが、例えば、ロータリーエバポレーター等を用いて減圧下で溶媒を除去してもよいし、スプレードライヤー等を用いて溶媒を揮発させてもよい。このなかでも、均一な複合状態を維持する観点及び造粒の観点から、スプレードライヤーを用いる方法が好ましい。
〔第2の工程〕
第2の工程は、第1の工程で得られた前駆体を熱処理して、窒素含有炭素材料を得る工程である。
第2の工程は、一段階の熱処理であってもよいが、二段階以上の熱処理であってもよい。このなかでも、第2の工程において、不活性ガス雰囲気下における熱処理と、アンモニア含有ガス雰囲気下における熱処理の双方をこの順に行なうことが好ましい。不活性ガス雰囲気下における熱処理は主に炭素化を目的とするものであり、アンモニア含有ガス雰囲気下における熱処理は主に賦活化を目的とするものであり、このような第2の工程を行うことで、酸素還元活性により優れる窒素含有炭素材料が得られる傾向にある。
上記不活性ガスとしては、特に限定されないが、例えば、窒素、希ガス、真空等を用いることができる。不活性ガス雰囲気下における熱処理温度は、好ましくは600〜1100℃であり、より好ましくは600〜1000℃であり、さらに好ましくは600〜950℃である。熱処理温度が600℃以上であることにより、前駆体の炭素化が十分に進行する傾向にある。また、熱処理温度が1100℃以下であることにより、十分な収率が得られる傾向にある。
不活性ガス雰囲気下における熱処理時間は、好ましくは5分〜50時間であり、より好ましくは10分〜20時間であり、さらに好ましくは20分〜10時間である。熱処理時間が5分以上であることにより、前駆体の炭素化が十分に進行する傾向にある。また、熱処理時間が50時間以下であることにより、十分な収率が得られる傾向にある。
用いる遷移金属塩の種類やその量により、適正な熱処理温度及び/又は熱処理時間は異なる。
アンモニア含有ガスとしては、特に限定されないが、例えば、アンモニアのみ、又はアンモニアを窒素や希ガスで希釈したガスを用いることが好ましい。アンモニア含有ガス雰囲気下における熱処理温度は、好ましくは600〜1200℃であり、より好ましくは700〜1100℃であり、さらに好ましくは800〜1000℃である。熱処理温度が600℃以上であることにより、前駆体の賦活化が十分に進行し、酸素還元活性により優れる窒素含有炭素材料が得られる傾向にある。また、熱処理温度が1200℃以下であることにより、十分な収率が得られる傾向にある。
アンモニア含有ガス雰囲気下における熱処理時間は、好ましくは5分〜5時間であり、より好ましくは10分〜3時間であり、さらに好ましくは15分〜2時間である。熱処理時間が5分以上であることにより、前駆体の賦活化が十分に進行し、酸素還元活性により優れる窒素含有炭素材料が得られる傾向にある。また、熱処理時間が5時間以下であることにより、十分な収率が得られる傾向にある。
不活性ガス雰囲気下での熱処理及び/又はアンモニア含有ガス雰囲気下での熱処理の前後には、塩酸や硫酸等を用いて遷移金属の一部を除去してもよい。特に、熱処理によって遷移金属粒子が生成する場合には、後の熱処理工程(アンモニア含有ガス雰囲気下での熱処理)における結晶化度増大の抑制の観点から、遷移金属粒子を除去することが好ましい。遷移金属粒子のできやすさは遷移金属の種類、濃度、分散性、又は熱処理温度等によって変化する。また、遷移金属粒子の除去率を高めるために、不活性ガス雰囲気下での熱処理及び/又はアンモニア含有ガス雰囲気下での熱処理の工程を複数に分割し、遷移金属の除去を繰り返し行うことが好ましい。
より具体的には、不活性ガス雰囲気下において前駆体を熱処理する第2−1aの工程と、第2−1aの工程の後、さらに、不活性ガス雰囲気下において前駆体を熱処理する第2−2aの工程と、第2−2aの工程の後、アンモニア含有ガス雰囲気下において前駆体を熱処理する第2−3aの工程と、を有することが好ましい。なお、この際の熱処理温度及び熱処理時間は上記と同様とすることができる。また、上記第2−1aの工程〜2−3aの工程に加えて、これら各工程の後に、熱処理後の前駆体を酸処理することにより前駆体表面の金属を少なくとも一部除去する第2−1bの工程〜2−3bの工程を有していてもよい。なお、上記第2−1bの工程〜2−3bの工程のすべてを行う必要はなく、そのうち1つまたは2つの工程のみを行ってもよい。また、上記第2−1aの工程〜2−3aの工程に加えて、これら各工程の後に、熱処理後の前駆体を粉砕処理することにより前駆体の平均粒子径を小さくする第2−1cの工程〜2−3cの工程を有していてもよい。なお、上記第2−1cの工程〜2−3cの工程のすべてを行う必要はなく、そのうち1つまたは2つの工程のみを行ってもよい。また、上記第2−1bの工程〜2−3bと上記第2−1cの工程〜2−3cの工程の順序はどちらが先でもよいが、上記第2−1cの工程〜2−3cの工程を先に行った方が酸処理の効果が高くなるのでより好ましい。
〔窒素含有炭素材料〕
本実施形態の窒素含有炭素材料は、ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物、キノン化合物、及びジケトン化合物からなる群から選ばれる1つ以上の化合物と、を含む含窒素炭素材料用前駆体組成物を炭化(熱処理)してなるものであるか、ジアミノマレオニトリルと、含窒素芳香環化合物、キノン化合物、及びジケトン化合物からなる群から選ばれる1つ以上の化合物を反応させて得られる構造を有する化合物と、遷移金属塩と、を含む含窒素炭素材料用前駆体組成物を炭化(熱処理)してなるものである。上記製造方法で製造される。本実施形態に係る窒素含有炭素材料は、燃料電池用電極等に好適に用いることができ、本実施形態に係る窒素含有炭素材料を含む燃料電池用電極は、高い酸素還元性を有する。酸素還元触媒から酸素還元電極、燃料電池等を得る方法は、特に限定されず、一般的な固体高分子形燃料電池の作製法を用いることができる。
なお、窒素含有炭素材料のN/C(炭素原子のモル数に対する窒素原子のモル数の比)は、好ましくは0.01〜0.20であり、より好ましくは0.03〜0.12であり、さらに好ましくは0.05〜0.10である。窒素含有炭素材料のN/Cが上記範囲内であることにより、酸素還元活性がより向上する傾向にある。
[燃料電池用電極]
本実施形態の燃料電池用電極は、上記窒素含有炭素材料を含む。より具体的には、燃料電池用電極は、少なくとも集電板と、上記窒素含有炭素材料を含む電極組成物と、からなる層を含み、必要に応じて、電解質膜、ガス拡散電極層、セパレータを積層してもよい。
ここで、集電板は、多孔質炭素板やアルミニウム・ニッケル等の金属板や金網が使用できる。また、電極組成物は、窒素含有炭素材料100質量部に対してアイオノマー10〜300質量部を含むことが好ましく、50〜150質量部を含むことがさらに好ましい。アイオノマーとしては、例えばナフィオンが使用できる。電極組成物からなる層の厚みは100〜500μmが好ましい。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。したがって、当業者は以下に示す実施例に様々な変更を加えて本発明を実施することができる。
まず、本実施例で行った測定方法について説明する。
<電気化学測定>
電極作製法及び回転電極法によるリニアスイープボルタンメトリーの測定方法(日厚計測製の回転リングディスク電極装置「RRDE−1」を使用。)を以下に示す。まず、バイアル瓶に、窒素含有炭素材料5mgを秤取し、そこに、ガラスビーズを約50mg、5質量%ナフィオン(商品名)分散液(シグマアルドリッチジャパン製)を50μL、並びにイオン交換水及びエタノールをそれぞれ150μLずつ添加し、それらの混合物に20分間超音波を照射してスラリーを作製した。このスラリーを4μL秤取し、回転電極のガラス状炭素上(0.2828cm)に塗布し、室温25℃で乾燥した。乾燥後の回転電極を作用極とし、可逆水素電極(RHE)を参照極として、炭素電極を対極とした。0.5M硫酸を電解液とし、その電解液に酸素を30分間バブリングした後、掃引速度5mV/s、回転速度1500rpmで1.1Vから0Vまで掃引して電気化学測定を行った。また、酸素還元開始電位Eは−10μA/cmの電流を与える電位と定義した。Eが高い値を示すほど、酸素還元活性が高いことを意味する。
<CHN分析>
本実施形態に係る窒素含有炭素材料のN/Cは、以下の方法で炭素、水素、窒素のモル比率を測定して算出した。ジェイサイエンスラボ社製、MICRO CORDER JM10を用い、2500μgの試料を試料台に充填してCHN分析を行った。試料炉は950℃、燃焼炉(酸化銅触媒)は850℃、還元炉(銀粒+酸化銅のゾーン、還元銅のゾーン、酸化銅のゾーンからなる)は550℃に設定した。酸素は15mL/min、Heは150mL/minに設定した。検出器は熱伝導度検出器(TCD)を用いた。アンチピリン(Antipyrine)を用いてマニュアルに記載の方法でキャリブレーションを行った。
[実施例1]
<前駆体の調製>
0.5Lのナス型フラスコにジアミノマレオニトリル(東京化成社製)4.0g、1,10−フェナントロリン(シグマ・アルドリッチ製)0.039g、及びメタノール200gを加え、室温で5時間撹拌した。さらに、塩化鉄(II)0.027g(和光純薬工業製)を加えて、12時間攪拌した。その後、50℃の水浴中にて、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去し、真空乾燥機にて80℃で2時間乾燥させて前駆体を得た。
<窒素含有炭素材料の合成>
調製した前駆体のうち2.0gを石英ボートに載置し、それを内径36mmの石英管状炉に収容し、炉内を大気圧、1NL/minの窒素流通下で60分間かけて室温から600℃まで昇温し、600℃のまま1時間保持した。室温まで冷却後、これを遊星ボールミル(フリッチュ製、商品名「Pulverisette−7」)にて粉砕及び分級することにより、平均粒子径を約2μmに調整した。更に、この粉砕処理後の焼成体を全量石英ボートに載置し、それを内径36mmの石英管状炉に収容し、炉内を大気圧、1NL/minの窒素流通下で20分間かけて室温から800℃まで昇温し、800℃のまま1時間保持した。更に、この焼成体を全量石英ボートに載置し、内径36mmの石英管状炉に収容し、炉内を大気圧、1NL/minのアンモニアガス流通下で20分間かけて室温から900℃まで昇温し、900℃のまま1時間保持した後、室温まで冷却した。最終的に窒素含有炭素材料を0.05g得た。
<電気化学測定>
得られた窒素含有炭素材料について上記電気化学測定を行った。酸素還元開始電位Eは0.93V、電位が0.5Vのときの電流は−4.01mA/cm、電位が0.6Vのときの電流は−3.69mA/cmであった。
[実施例2]
<前駆体の調製>
1,10−フェナントロリン0.039gを2,2−ビピリジン(シグマ・アルドリッチ製)0.034gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で前駆体を調製した。
<窒素含有炭素材料の合成>
調製した前駆体のうち2.0gを用いて、実施例1と同様の方法で窒素含有炭素材料の合成を実施した。最終的に窒素含有炭素材料を0.05g得た。
<電気化学測定>
得られた窒素含有炭素材料について上記電気化学測定を行った。酸素還元開始電位Eは0.93V、電位が0.5Vのときの電流は−4.28mA/cm、電位が0.6Vのときの電流は−3.86mA/cmであった。
[実施例3]
<前駆体の調製>
1,10−フェナントロリン(シグマ・アルドリッチ製)0.039gを、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(東京化成工業製)8.369gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で前駆体を調製した。
<窒素含有炭素材料の合成>
調製した前駆体のうち2.0gを用いて、実施例1と同様の方法で窒素含有炭素材料の合成を実施した。最終的に窒素含有炭素材料を0.24g得た。
<電気化学測定>
得られた窒素含有炭素材料について上記電気化学測定を行った。酸素還元開始電位Eは0.92V、電位が0.5Vのときの電流は−4.05mA/cm、電位が0.6Vのときの電流は−3.68mA/cmであった。
[実施例4]
<前駆体の調製>
1,10−フェナントロリン(シグマ・アルドリッチ製)0.039gを、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(東京化成工業製)8.369gに変更し、さらにフェノール樹脂(群栄化学製、PSK−2320)8.0gを添加した以外は、実施例1と同様の方法で前駆体を調製した。
<窒素含有炭素材料の合成>
調製した前駆体のうち2.0gを用いて、実施例1と同様の方法で窒素含有炭素材料の合成を実施した。最終的に窒素含有炭素材料を0.27g得た。
<電気化学測定>
得られた窒素含有炭素材料について上記電気化学測定を行った。酸素還元開始電位Eは0.93V、電位が0.5Vのときの電流は−4.14mA/cm、電位が0.6Vのときの電流は−3.78mA/cmであった。
[実施例5]
<粗ジイミノスクシノニトリルの合成>
0.5Lのナス型フラスコにジアミノマレオニトリル6.5g、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン13.6g及びアセトニトリル150mlを加え、室温で30分撹拌した。反応により生成したヒドロキノン類が析出したことを確認し、ADVANTEC社製、型式:No.5C(保留粒子径1μm(カタログ記載値))の濾紙を用いて吸引濾過した。得られた濾液を0.5Lのナス型フラスコに入れて、50℃の水浴を用いて、エバポレーターでアセトニトリルを約75ml留去した。ここでさらに固形物が析出してきたので、再度ADVANTEC社製、型式:No.5Cの濾紙を用いて吸引濾過した。得られた濾液を再度0.5Lのナス型フラスコに入れて、50℃の水浴を用いて、エバポレーターでアセトニトリルを留去した。最終的に茶褐色の結晶、すなわち粗ジイミノスクシノニトリルを4.1g回収した。
<前駆体の調製>
ジアミノマレオニトリル(東京化成社製)4.0gを粗ジイミノスクシノニトリル4.0gに変更し、1,10−フェナントロリン(シグマ・アルドリッチ製)0.039gを添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法で前駆体を調製した。
<窒素含有炭素材料の合成>
調製した前駆体のうち2.0gを用いて、実施例1と同様の方法で窒素含有炭素材料の合成を実施した。最終的に窒素含有炭素材料を0.04g得た。
<電気化学測定>
得られた窒素含有炭素材料について上記電気化学測定を行った。酸素還元開始電位Eは0.94V、電位が0.5Vのときの電流は−4.27mA/cm、電位が0.6Vのときの電流は−3.92mA/cmであった。
[実施例6]
<前駆体の調製>
1,10−フェナントロリン(シグマ・アルドリッチ製)0.039gを、ヘキサオキソシクロヘキサン8水和物(東京化成工業製)3.846gに変更し、室温での攪拌時間を72時間に変更した以外は、実施例1と同様の方法で前駆体を調製した。
<窒素含有炭素材料の合成>
調製した前駆体のうち2.0gを用いて、実施例1と同様の方法で窒素含有炭素材料の合成を実施した。最終的に窒素含有炭素材料を0.16g得た。
<電気化学測定>
得られた窒素含有炭素材料について上記電気化学測定を行った。酸素還元開始電位Eは0.93V、電位が0.5Vのときの電流は−4.38mA/cm、電位が0.6Vのときの電流は−4.01mA/cmであった。
[実施例7]
<前駆体の調製>
ジアミノマレオニトリル(東京化成工業製)4.0gを、ジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(ハローケム製)4.0gに変更し、1,10−フェナントロリン(シグマ・アルドリッチ製)0.039gを添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法で前駆体を調製した。なお、ジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリルは、ジアミノマレオニトリルと、ヘキサオキソシクロヘキサン8水和物とを、溶媒中で70−90℃にて2−3日還流、の条件下反応させて得られるものである。
<窒素含有炭素材料の合成>
調製した前駆体のうち2.0gを用いて、実施例1と同様の方法で窒素含有炭素材料の合成を実施した。最終的に窒素含有炭素材料を0.13g得た。
<電気化学測定>
得られた窒素含有炭素材料について上記電気化学測定を行った。酸素還元開始電位Eは0.92V、電位が0.5Vのときの電流は−3.98mA/cm、電位が0.6Vのときの電流は−3.52mA/cmであった。
[比較例1]
<アズルミン酸の合成>
青酸80g、酢酸8.6g及び純水130gの混合溶液中に、25%アンモニア水12g(和光純薬工業製)を添加した。その後、徐々に加温し、最終的に80℃で7時間撹拌を行った。混合溶液中に生じた黒色の固形分をメンブレンフィルターで濾過し、真空乾燥を行い、アズルミン酸を40g得た。なお、詳細は特許文献3及び4に記載されている。
<前駆体の調製>
ジアミノマレオニトリル4.0gをアズルミン酸4.0gに変更し、1,10−フェナントロリン0.039gを添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法で前駆体を調製した。
<窒素含有炭素材料の合成>
調製した前駆体のうち2.0gを用いて、実施例1と同様の方法で窒素含有炭素材料の合成を実施した。最終的に窒素含有炭素材料を0.07g得た。
<電気化学測定>
得られた窒素含有炭素材料について上記電気化学測定を行った。酸素還元開始電位Eは0.83V、電位が0.5Vのときの電流は−1.94mA/cm、電位が0.6Vのときの電流は−1.04mA/cmであった。
実施例1〜7、ならびに比較例1における含窒素炭素材料の前駆体と、電気化学評価結果と、CHN分析結果を、表1に示す。
Figure 0006543531
DAMN:ジアミノマレオニトリル、DISN:ジイミノスクシノニトリル、HAT(CN)6:ジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル、FeCl2:塩化鉄(II)無水物、PHEN:1,10−フェナントロリン、BPY:2,2’−ビピリジン、DDQ:2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、HOCH:ヘキサオキソシクロヘキサン8水和物、PhRs:フェノール樹脂
窒素含有炭素材料は、その前駆体の組成によってその性能が大きく変動するものであり、例えば、Fe含有量が少ない態様ではDAMNのみからなる前駆体でも高い電流が得られる傾向にあるが、Fe含有量が多い態様では電流が低下する傾向にある。これに対して、本願実施例ではPhen等をさらに用いる前駆体とすることでFe含有量が多い態様においても高い電流値が得られる。
本発明の製造方法により得られる窒素含有炭素材料は、燃料電池等の電極材料用途として産業上の利用可能性を有する。

Claims (7)

  1. ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物、キノン化合物、及びジケトン化合物からなる群から選ばれる1つ以上の化合物と、を混合して含窒素炭素材料用前駆体組成物を得る第1の工程と、
    得られた前記含窒素炭素材料用前駆体組成物を熱処理して、窒素含有炭素材料を得る第2の工程と、を有し、
    前記第1の工程において、前記ジアミノマレオニトリルの質量に対する、前記遷移金属塩中の遷移金属元素の質量の比率が、0.0001〜0.5である、
    窒素含有炭素材料の製造方法。
  2. ジアミノマレオニトリルと、含窒素芳香環化合物、キノン化合物、及びジケトン化合物からなる群から選ばれる1つ以上、を反応させて合物を得る工程と、得られた前記化合物と、遷移金属塩と、を混合して含窒素炭素材料用前駆体組成物を得る第1の工程と、
    得られた前記含窒素炭素材料用前駆体組成物を熱処理して、窒素含有炭素材料を得る第2の工程と、を有し、
    前記第1の工程において、前記ジアミノマレオニトリルの質量に対する、前記遷移金属塩中の遷移金属元素の質量の比率が、0.0001〜0.5である、
    窒素含有炭素材料の製造方法。
  3. ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物、キノン化合物、及びジケトン化合物からなる群から選ばれる1つ以上の化合物と、を含む含窒素炭素材料用前駆体組成物を炭化してなり、
    前記ジアミノマレオニトリルの質量に対する、前記遷移金属塩中の遷移金属元素の質量の比率が、0.0001〜0.5である、窒素含有炭素材料。
  4. ジアミノマレオニトリルとキノン化合物を反応させて得られるジイミノスクシノニトリル、及び/又はジアミノマレオニトリルとジケトン化合物からなる群から選ばれる1つ以上の化合物を反応させて得られるジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリルと、遷移金属塩と、を含む含窒素炭素材料用前駆体組成物を炭化してなり、
    前記ジアミノマレオニトリルの質量に対する、前記遷移金属塩中の遷移金属元素の質量の比率が、0.0001〜0.5である、窒素含有炭素材料。
  5. 請求項3又は4に記載の窒素含有炭素材料を含む、燃料電池用電極。
  6. ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、含窒素芳香環化合物、キノン化合物、及びジケトン化合物からなる群から選ばれる1つ以上の化合物と、を含み、
    前記ジアミノマレオニトリルの質量に対する、前記遷移金属塩中の遷移金属元素の質量の比率が、0.0001〜0.5である
    含窒素炭素材料用前駆体組成物。
  7. ジアミノマレオニトリルとキノン化合物を反応させて得られるジイミノスクシノニトリル、及び/又はジアミノマレオニトリルとジケトン化合物を反応させて得られるジピラジノ[2,3−f:2',3'−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリルと、
    遷移金属塩と、を含み、
    前記ジアミノマレオニトリルの質量に対する、前記遷移金属塩中の遷移金属元素の質量の比率が、0.0001〜0.5である
    含窒素炭素材料用前駆体組成物。
JP2015164753A 2015-08-24 2015-08-24 窒素含有炭素材料及びその製造方法、含窒素炭素材料用前駆体組成物、並びに燃料電池用電極 Active JP6543531B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015164753A JP6543531B2 (ja) 2015-08-24 2015-08-24 窒素含有炭素材料及びその製造方法、含窒素炭素材料用前駆体組成物、並びに燃料電池用電極

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015164753A JP6543531B2 (ja) 2015-08-24 2015-08-24 窒素含有炭素材料及びその製造方法、含窒素炭素材料用前駆体組成物、並びに燃料電池用電極

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017043500A JP2017043500A (ja) 2017-03-02
JP6543531B2 true JP6543531B2 (ja) 2019-07-10

Family

ID=58211271

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015164753A Active JP6543531B2 (ja) 2015-08-24 2015-08-24 窒素含有炭素材料及びその製造方法、含窒素炭素材料用前駆体組成物、並びに燃料電池用電極

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6543531B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110963477B (zh) * 2019-11-18 2023-04-07 吉林大学 氮掺杂多孔炭材料的制备方法和氮掺杂多孔炭材料

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101657921B (zh) * 2007-04-12 2013-06-12 3M创新有限公司 高性能、高耐用非贵重金属燃料电池催化剂
JP5481646B2 (ja) * 2008-06-04 2014-04-23 清蔵 宮田 炭素触媒、燃料電池、蓄電装置
JP6063774B2 (ja) * 2013-02-28 2017-01-18 旭化成株式会社 燃料電池の電極材料用途の遷移金属含有含窒素高分子材料、及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017043500A (ja) 2017-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Qian et al. Active site structures in nitrogen-doped carbon-supported cobalt catalysts for the oxygen reduction reaction
Segura et al. Covalent organic frameworks based on Schiff-base chemistry: synthesis, properties and potential applications
US9379388B2 (en) Catalyst for oxygen reduction reaction in fuel cells
JP5608595B2 (ja) 含窒素カーボンアロイ、その製造方法及びそれを用いた炭素触媒
Kim et al. Iron-and nitrogen-functionalized graphene nanosheet and nanoshell composites as a highly active electrocatalyst for oxygen reduction reaction
US9406943B2 (en) Electrocatalysts using porous polymers and method of preparation
US20100048380A1 (en) Novel catalyst for oxygen reduction reaction in fuel cells
JP6320333B2 (ja) 複合体、複合体の製造方法及び燃料電池触媒
WO2017073467A1 (ja) マグネシウム空気電池用電極およびマグネシウム空気電池、並びに、芳香族化合物および金属錯体
JP2016102037A (ja) 含窒素カーボンアロイの製造方法、含窒素カーボンアロイ及び燃料電池触媒
Kar et al. Investigation on the reduction of the oxides of Pd and graphite in alkaline medium and the simultaneous evolution of oxygen reduction reaction and peroxide generation features
Samui et al. Fabrication of nanoscale covalent porous organic polymer: An efficacious catalyst for Knoevenagel condensation
CN108054397A (zh) 一种基于热解碳载离子自组装金属大环化合物电催化剂的制备及其应用
Xin et al. Highly reactive N, N′-carbonyldiimidazole-tailored bifunctional electrocatalyst for oxygen reduction and oxygen evolution
JP2014200718A (ja) 酸素還元触媒、酸素還元電極、及び燃料電池
JP6684049B2 (ja) 窒素含有炭素材料及びその製造方法、並びに燃料電池用電極
JP2006035186A (ja) 電極触媒体及びその製造方法
US20150376218A1 (en) Method for manufacturing nitrogen-containing carbon alloy, nitrogen-containing carbon alloy, and fuel cell catalyst
Khan et al. Single step pyrolytic conversion of zeolitic imidazolate to CoO encapsulated N-doped carbon nanotubes as an efficient oxygen reduction electrocatalyst
Dabiri et al. Structuring Ru nanoparticles on magnetic nitrogen doped carbon induces excellent photocatalytic activity for oxidation of alcohols under visible light
JP6543531B2 (ja) 窒素含有炭素材料及びその製造方法、含窒素炭素材料用前駆体組成物、並びに燃料電池用電極
Sannegowda Phthalocyanine based metal-organic frame work with carbon nanoparticles as hybrid catalyst for oxygen reduction reaction
JP2015158973A (ja) 窒素含有炭素材料及びその製造方法、並びに燃料電池用電極
Hung et al. Advances in Carbon‐Incorporated Non‐Noble Transition Metal Catalysts for Oxygen Reduction Reaction in Polymer Electrolyte Fuel Cells
JP2019052116A (ja) 含窒素多環式化合物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180521

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190411

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190604

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190617

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6543531

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250