JP6541937B2 - 酸性フラワーペースト類。 - Google Patents
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Description
この物性の改善を目的に油脂を加配することも行われるが、十分なスプレッド性や伸展性を得るためには多量の油脂の添加を必要とし、結果として上記のような乳化安定性の問題が生じてしまう。
このように酸性フラワーペーストにおいては、十分なスプレッド性や伸展性と、十分な乳化安定性を両立させ、さらに良好な包材剥離性を得ることは困難であった。
フラワーペースト類とは、澱粉類が糊化した糊化澱粉によるボディーを有するものであり、例えば、フラワーペースト、カスタード等が挙げられる。
フラワーペースト類は、一般的には上記糊化澱粉として、小麦粉やコーンスターチ等の非ワキシースターチ由来の非化工の澱粉を糊化した糊化澱粉を使用している。これらの非化工の澱粉は、加熱糊化した際に澱粉粒子の膨潤により澱粉粒形は消失し、一様な澱粉ゲルを形成し、この澱粉ゲルがフラワーペースト類のボディーを形成するためである。
本発明に使用する糊化膨潤抑制澱粉とは、澱粉を加熱糊化した際に澱粉粒子の膨潤が抑制されて澱粉粒形を残存させるように何らかの方法で加工した化工澱粉を、さらに糊化して得られるものである。
すなわち、この糊化膨潤抑制澱粉は、糊化澱粉であるにもかかわらず澱粉粒形を存置している点に特徴がある。そのため、この糊化膨潤抑制澱粉を使用することで、本発明の、乳化安定性が良好で、包材剥離性や伸展性も良好である酸性フラワーペースト類が得られるのである。
上記糊化膨潤抑制澱粉としては、具体的には、糊化架橋澱粉、糊化老化澱粉、糊化湿熱処理澱粉、糊化乳化剤処理澱粉等が挙げられるが、本発明では、好ましくは糊化架橋澱粉、特に好ましくは糊化リン酸架橋澱粉を使用する。
ここで、ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉と非ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉との質量比(前者:後者)は、好ましくは20:80〜60:40、より好ましくは25:75〜50:50である。ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉の割合が両者の合計の20質量%未満であると、経日的に老化が進みやすく、伸展性が悪くなるおそれがあり、60質量%超であると、包材剥離性が悪くなるおそれがある。
本発明の酸性フラワーペースト類における、非化工の糊化澱粉の含有量は、好ましくは澱粉類中の50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、最も好ましくは含有しないことが好ましい。
ここで、pHが5.5超であると保存性が十分に保てなくなるおそれがあり、pHが1未満であると酸味が強すぎることに加え、十分な乳化安定性が得られないおそれがある。
酸性の果汁としては、ストロベリー、カシス、ブルーベリー、ゆず、アセロラ、あんず、梅、みかん、オレンジ、キウイフルーツ、グァバ、グレープフルーツ、さくらんぼ、シークワーサー、すいか、洋梨、なつみかん、パインアップル、ハスカップ、パッションフルーツ、パパイア、びわ、ぶどう、マンゴー、日向夏、へべす、キンカン、カボス、甘夏、はっさく、メロン、マンゴスチン、黄桃、白桃、ライチ、ラズベリー、りんご、レモンなどの果汁、その水分含量を減じたピューレ、ペースト、ジャムなどの加工品が挙げられる。
また、酸味料としては、具体的には、アジピン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、乳酸、炭素、酢酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、フィチン酸及びこれらの塩のうちの、1種または2種以上を用いることができる。
なお、果汁、酸味料以外の酸性食品素材として、チーズ、発酵乳、発酵果汁、ワインなどの発酵食品や、コーヒーなどが挙げられる。
なお、本発明の酸性フラワーペースト類に、油脂を含有する副原料を使用した場合は、上記油脂の含有量には、それらの副原料に含まれる油脂分も含めるものとする。
上記糖類としては、上記澱粉類のような高分子の糖類以外の単糖類、二糖類、オリゴ糖等の低分子の糖類であれば特に限定されず、例えば、上白糖、グラニュー糖、粉糖、液糖、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖等が挙げられる。これらの糖類は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
一方、天然油脂中にはトランス酸が殆ど存在せず、反芻動物由来の油脂に10質量%未満含まれているにすぎない。近年、化学的な処理、特に水素添加に付されていない油脂組成物、即ち実質的にトランス酸を含まない油脂組成物であって、適切なコンシステンシーを有するものも要求されている。
ここでいう「実質的にトランス酸を含まない」とは、油脂の全構成脂肪酸中、トランス酸の含有量が好ましくは10質量%未満、さらに好ましくは5質量%以下、最も好ましくは1質量%以下であることを意味する。
上記その他の増粘安定剤としては、ジェランガム、グアーガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、グルコマンナン、ゼラチン等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記その他の増粘安定剤の含有量は、本発明の酸性フラワーペースト類中、好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以下である。
上記の合成乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等が挙げられる。
本発明の酸性フラワーペースト類は、澱粉類4〜12質量%、油脂4〜40質量%、寒天を0.01〜1質量%、及び酸性素材を含有するフラワーペースト原料を、均質化処理した後、加熱し、冷却することによって得ることができる。
具体的には、先ず、澱粉類4〜12質量%(該澱粉類は上記ワキシースターチ由来の膨潤抑制澱粉及び非ワキシースターチ由来の膨潤抑制澱粉を含む)、油脂4〜40質量%、及び水、牛乳、卵等の水性原料、並びに酸性の果汁、酸味料等の酸性素材、必要に応じ糖類、ローカストビーンガム及びキサンタンガム、その他の原料を含有する酸性フラワーペースト原料を、加熱溶解、乳化混合して予備乳化組成物を作成する。その際、水相と油相との比率(前者:後者、質量基準)は、90:10〜65:35とすることが好ましい。なお、増粘安定剤を添加する場合は、作業性の点から、油相に添加するのが好ましい。
本発明の複合生地は、本発明の酸性フラワーペースト類をベーカリー生地にフィリング、トッピング、練り込み、折り込み、包餡等の方法で複合させたものである。
本発明のベーカリー食品は、上記複合生地を、必要に応じ圧延、成形、ホイロ、ラックタイムをとった後、加熱して得られたものである。
上記複合生地を焼成する場合の焼成条件は、通常のベーカリー食品と同様、好ましくは160〜250℃、特に170〜220℃で行なうのが好ましい。160℃未満であると、火通りが悪くなりやすく、また良好な食感が得られにくい。また、250℃を超えると、酸性フラワーペースト類の水分が飛びすぎて色艶が悪化しやすい上、焦げを生じて食味が悪くなりやすい。
上記複合生地のフライ操作は、通常のドーナツ等と同様、好ましくは160〜250℃、特に170〜220℃で行なうのが好ましい。160℃未満であると吸油が多く、良好な食感が得られにくい。250℃を超えると、焦げを生じて食味が悪くなりやすい。
ヨウ素価65のパームスーパーオレインのランダムエステル交換油脂19.94質量%及びハイエルシンナタネ極度硬化油(ヨウ素価1未満)0.06質量%に、寒天(質量平均分子量300,000、1.5質量%における日寒水式のゲル強度が700g/cm2)0.3質量%、キサンタンガム0.2質量%及びローカストビーンガム0.2質量%を添加し油相とした。水56.3質量%、ワキシーコーン由来のリン酸架橋澱粉2.1質量%、コーン由来のリン酸架橋澱粉4.9質量%、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖(糖分75質量%)10質量%、食塩2質量%、タンパク質濃縮ホエイパウダー3質量%、乾燥卵白0.2質量%、乳酸0.3質量%及びトマト香料0.5質量%を混合し水相とした。この油相と水相とを加熱溶解、混合、乳化、均質化し、加熱殺菌し、厚さ0.2mmポリエチレン製の包材にピロー充填後、22℃まで冷却し、長さ400mm、幅200mm、厚さ8mmのシート状であり、合成乳化剤無添加であるトマト風味の酸性フラワーペーストを得た。
この酸性フラワーペーストのpHは4.5、澱粉含有量は7質量%、油脂含有量は20質量%、寒天の含有量は0.3質量%、糖類含有量は固形分として7.5質量%、ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉と非ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉の質量比が30:70、澱粉中の糊化膨潤抑制澱粉の含有量は100質量%、トランス酸含有量は1質量%以下であった。
得られた酸性フラワーペーストは、後述の包材剥離性試験、乳化安定性試験、及び、後述のベーカリー試験に供した。
実施例1における寒天0.3質量%を0.8質量%とし、水56.3質量%を55.8質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるシート状のトマト風味の酸性フラワーペーストを得た。
この酸性フラワーペーストのpHは4.5、澱粉含有量は7質量%、油脂含有量は20質量%、寒天の含有量は0.8質量%、糖類含有量は固形分として7.5質量%、ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉と非ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉の質量比が30:70、澱粉中の糊化膨潤抑制澱粉の含有量は100質量%、トランス酸含有量は1質量%以下であった。
得られた酸性フラワーペーストは、後述の包材剥離性試験、乳化安定性試験、及び、後述のベーカリー試験に供した。
実施例1における寒天0.3質量%を0.15質量%とし、水56.3質量%を56.45質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるシート状のトマト風味の酸性フラワーペーストを得た。
この酸性フラワーペーストのpHは4.5、澱粉含有量は7質量%、油脂含有量は20質量%、寒天の含有量は0.15質量%、糖類含有量は固形分として7.5質量%、ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉と非ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉の質量比が30:70、澱粉中の糊化膨潤抑制澱粉の含有量は100質量%、トランス酸含有量は1質量%以下であった。
得られた酸性フラワーペーストは、後述の包材剥離性試験、乳化安定性試験、及び、後述のベーカリー試験に供した。
実施例1において、加熱殺菌後に乳酸を使用してpH3.5となるように調整した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるシート状のトマト風味の酸性フラワーペーストを得た。
この酸性フラワーペーストのpHは3.5、澱粉含有量は7質量%、油脂含有量は20質量%、寒天の含有量は0.3質量%、糖類含有量は固形分として7.5質量%、ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉と非ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉の質量比が30:70、澱粉中の糊化膨潤抑制澱粉の含有量は100質量%、トランス酸含有量は1質量%以下であった。
得られた酸性フラワーペーストは、後述の包材剥離性試験、乳化安定性試験、及び、後述のベーカリー試験に供した。
実施例1における寒天0.3質量%を2質量%とし、水56.3質量%を54.6質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるシート状のトマト風味の酸性フラワーペーストを得た。
この酸性フラワーペーストのpHは4.5、澱粉含有量は7質量%、油脂含有量は20質量%、寒天の含有量は2質量%、糖類含有量は固形分として7.5質量%、ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉と非ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉の質量比が30:70、澱粉中の糊化膨潤抑制澱粉の含有量は100質量%、トランス酸含有量は1質量%以下であった。
得られた酸性フラワーペーストは、後述の包材剥離性試験、乳化安定性試験、及び、後述のベーカリー試験に供した。
実施例1における寒天0.3質量%を無添加とし、水56.3質量%を56.6質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるシート状のトマト風味の酸性フラワーペーストを得た。
この酸性フラワーペーストのpHは4.5、澱粉含有量は7質量%、油脂含有量は20質量%、寒天の含有量は0質量%、糖類含有量は固形分として7.5質量%、ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉と非ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉の質量比が30:70、澱粉中の糊化膨潤抑制澱粉の含有量は100質量%、トランス酸含有量は1質量%以下であった。
得られた酸性フラワーペーストは、後述の包材剥離性試験、乳化安定性試験、及び、後述のベーカリー試験に供した。
実施例1における寒天0.3質量%に代えてゼラチン1質量%を使用し、水56.3質量%を55.6質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるシート状のトマト風味の酸性フラワーペーストを得た。
この酸性フラワーペーストのpHは4.5、澱粉含有量は7質量%、油脂含有量は20質量%、寒天の含有量は0質量%、糖類含有量は固形分として7.5質量%、ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉と非ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉の質量比が30:70、澱粉中の糊化膨潤抑制澱粉の含有量は100質量%、トランス酸含有量は1質量%以下であった。
得られた酸性フラワーペーストは、後述の包材剥離性試験、乳化安定性試験、及び、後述のベーカリー試験に供した。
実施例1における寒天0.3質量%に代えてジェランガム0.1質量%を使用し、水56.3質量%を56.5質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるシート状のトマト風味の酸性フラワーペーストを得た。
この酸性フラワーペーストのpHは4.5、澱粉含有量は7質量%、油脂含有量は20質量%、寒天の含有量は0質量%、糖類含有量は固形分として7.5質量%、ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉と非ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉の質量比が30:70、澱粉中の糊化膨潤抑制澱粉の含有量は100質量%、トランス酸含有量は1質量%以下であった。
得られた酸性フラワーペーストは、後述の包材剥離性試験、乳化安定性試験、及び、後述のベーカリー試験に供した。
実施例1における寒天0.3質量%をHMペクチン0.3質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるシート状のトマト風味の酸性フラワーペーストを得た。
この酸性フラワーペーストのpHは4.5、澱粉含有量は7質量%、油脂含有量は20質量%、寒天の含有量は0質量%、糖類含有量は固形分として7.5質量%、ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉と非ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉の質量比が30:70、澱粉中の糊化膨潤抑制澱粉の含有量は100質量%、トランス酸含有量は1質量%以下であった。
得られた酸性フラワーペーストは、後述の包材剥離性試験、乳化安定性試験、及び、後述のベーカリー試験に供した。
実施例1における寒天を無添加とし、キサンタンガム0.2質量%を0.4質量%に変更し、水56.3質量%を56.4質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるシート状のトマト風味の酸性フラワーペーストを得た。
この酸性フラワーペーストのpHは4.5、澱粉含有量は7質量%、油脂含有量は20質量%、寒天の含有量は0質量%、糖類含有量は固形分として7.5質量%、ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉と非ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉の質量比が30:70、澱粉中の糊化膨潤抑制澱粉の含有量は100質量%、トランス酸含有量は1質量%以下であった。
得られた酸性フラワーペーストは、後述の包材剥離性試験、乳化安定性試験、及び、後述のベーカリー試験に供した。
実施例1における寒天を無添加とし、ローカストビーンガム0.2質量%を0.4質量%に変更し、水56.3質量%を56.4質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるシート状のトマト風味の酸性フラワーペーストを得た。
この酸性フラワーペーストのpHは4.5、澱粉含有量は7質量%、油脂含有量は20質量%、寒天の含有量は0質量%、糖類含有量は固形分として7.5質量%、ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉と非ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉の質量比が30:70、澱粉中の糊化膨潤抑制澱粉の含有量は100質量%、トランス酸含有量は1質量%以下であった。
得られた酸性フラワーペーストは、後述の包材剥離性試験、乳化安定性試験、及び、後述のベーカリー試験に供した。
実施例1における寒天を無添加とし、タンパク質濃縮ホエイパウダー3質量%を6質量%に変更し、水56.3質量%を53.6質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、合成乳化剤無添加であるシート状のトマト風味の酸性フラワーペーストを得た。
この酸性フラワーペーストのpHは4.5、澱粉含有量は7質量%、油脂含有量は20質量%、寒天の含有量は0質量%、糖類含有量は固形分として7.5質量%、ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉と非ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉の質量比が30:70、澱粉中の糊化膨潤抑制澱粉の含有量は100質量%、トランス酸含有量は1質量%以下であった。
得られた酸性フラワーペーストは、後述の包材剥離性試験、乳化安定性試験、及び、後述のベーカリー試験に供した。
上記実施例1〜7及び比較例1〜8で得られた酸性フラワーペーストを、5℃で24時間冷蔵保存した後、包材剥離性を以下の評価基準に従って、評価を行ない、その結果を表1に記した。
・包材剥離性評価基準
◎:包材への付着が全く見られなかった。
○:包材への付着が全く見られなかったが、やや艶がなかった。
△:わずかに包材への付着が見られた。
×:はっきりした包材への付着が見られた。
上記実施例1〜7及び比較例1〜8で得られた酸性フラワーペーストを、−20℃で3週間冷凍保存した後、10℃の恒温器で一晩解凍し、乳化状態を以下の評価基準に従って、評価を行ない、その結果を表2に記した。
・乳化安定性評価基準
◎:水分分離、油分分離とも全く見られなかった。
○:水分分離、油分分離とも見られなかったがやや艶がなかった。
△:若干の水分分離が見られた。
×:若干の油分分離が見られた。
××:はっきりした水分分離が見られた。
×××:はっきりした油分分離が見られた。
実施例1〜7及び比較例1〜8で得られたシート状の酸性フラワーペーストを使用し、下記配合・製法により、フラワーペースト折り込みデニッシュをそれぞれ製造した。
得られた酸性フラワーペースト折り込みデニッシュについて、以下の評価基準に従って、ロールイン時の作業性、及び、酸性フラワーペースト部分の口溶けの評価をそれぞれ行なった。それらの結果を表3に記した。
強力粉50質量部、薄力粉50質量部、脱脂粉乳3質量部、食塩1.5質量部、全卵(正味)8質量部、イースト3質量部、イーストフード0.1質量部、練込用マーガリン10質量部、冷水48質量部、チップ状マーガリン70質量部。
強力粉、薄力粉、脱脂粉乳、イーストフード、練込用マーガリンをミキサーボールに入れ、たて型ミキサーを用い、低速で各材料が均一になるまで3分混合した後、冷凍しておいたチップ状マーガリンを入れ、さらに低速で1分混合した。さらに、撹拌しながらイーストと食塩を溶いた冷水、全卵を加え、低速で2分混合し、捏ね上げ温度を20℃とした。次いで、20分フロアタイムを取った後、−20℃の冷凍庫にて60分生地を冷却し、リバースシーターにて3つ折りを3回行ない、27層のデニッシュ生地を得た。
上記デニッシュ生地を厚さ6mmに圧延し、デニッシュ生地100質量部に対し、シート状の酸性フラワーペースト50質量部を積置後、包み込み、リバースシーターで3つ折り2回のロールイン操作を行ない、243層(酸性フラワーペースト層は9層)の積層生地である複合生地を得た。この複合生地を2℃で4時間冷却した後、厚さ10mmまで圧延し、幅30mm、長さ150mmにカットして中央に1本切り込みを入れ、端部を3回くぐらせた蒟蒻成型とし、これを天板に並べ、温度34℃、相対湿度80%のホイロで50分醗酵させた後、上火200℃、下火180℃に設定した固定窯で14分焼成した。
◎ :適度な硬さであり、伸展性も良好であり、切れも見られない。
○+:やや硬いが、伸展性は良好である。
○−:やや軟らかいが、伸展性は良好である。
△+:硬すぎて伸展性が悪く、やや切れが見られる。
△−:べたつきがあり、やや生地の滑りが見られる。
×+:硬すぎて伸展性が極めて悪く、切れが多い。
×−:べたつきが激しく、生地からのはみ出し、生地の滑りが見られる。
・口溶け評価基準
◎:極めて良好な口溶けである。
○:良好な口溶けである。
△:ややワキシーであるか、又は、ややべとつきがあり、やや不良である。
×:ワキシーな食感であるか、又は、べとつきが激しく、不良である。
Claims (9)
- 糊化膨潤抑制澱粉4〜12質量%、油脂4〜40質量%、及び寒天を0.15〜0.8質量%含有することを特徴とするシート状ロールイン用酸性フラワーペースト類。
- pHが1〜5.5であることを特徴とする請求項1記載の酸性フラワーペースト類。
- 前記糊化膨潤抑制澱粉が、ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉及び非ワキシースターチ由来の糊化膨潤抑制澱粉を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の酸性フラワーペースト類。
- 糖類の含有量が固形分として10質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸性フラワーペースト類。
- トランス酸を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の酸性フラワーペースト類。
- キサンタンガム及びローカストビーンガムを更に含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の酸性フラワーペースト類。
- 合成乳化剤を含有しないことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の酸性フラワーペースト類。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の酸性フラワーペースト類及びベーカリー生地を複合させた複合生地。
- 請求項8記載の複合生地を加熱してなるベーカリー食品。
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