JP6541657B2 - アルキルインジウム化合物の製造方法及びその使用 - Google Patents

アルキルインジウム化合物の製造方法及びその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP6541657B2
JP6541657B2 JP2016535443A JP2016535443A JP6541657B2 JP 6541657 B2 JP6541657 B2 JP 6541657B2 JP 2016535443 A JP2016535443 A JP 2016535443A JP 2016535443 A JP2016535443 A JP 2016535443A JP 6541657 B2 JP6541657 B2 JP 6541657B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
indium
donor
reaction
chloride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016535443A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016532699A (ja
Inventor
ヨルク・ズンダーマイヤー
アニカ・フレイ
ヴォルフ・ショルン
ダーヴィト・グロッセ−ハーゲンブロック
ラルフ・カルヒ
アンドレアス・リーヴァスナス
アイリーン・ヴェルナー
アンゲリノ・ドッピウ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Umicore AG and Co KG
Original Assignee
Umicore AG and Co KG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from DE102014109228.7A external-priority patent/DE102014109228A1/de
Application filed by Umicore AG and Co KG filed Critical Umicore AG and Co KG
Publication of JP2016532699A publication Critical patent/JP2016532699A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6541657B2 publication Critical patent/JP6541657B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F5/00Compounds containing elements of Groups 3 or 13 of the Periodic Table
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L31/00Semiconductor devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L31/18Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment of these devices or of parts thereof
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/005Processes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、一般式RInClで特徴づけられるジアルキルインジウムクロリド(以下化合物(A)とも呼ぶ)を、高収率並びに高い選択性及び純度で調製するプロセスを提供する。
本発明により調製されるジアルキルインジウムクロリドは、高純度で高収率でもあることから、必要に応じたインジウム含有前駆体、特に一般式RIn(以下化合物(B)とも呼ぶ)又はRInR’(以下化合物(C)と呼ぶ)のものの調製に特に好適である。化合物(A)から高収率及び高純度で得られるインジウム含有前駆体は、その高い純度から、有機金属気相成長法(MOCVD)又は有機金属気相エピタキシー法(MOVPE)に特に適している。
用語「プロセス」は、本発明で使用するとき、常に、化合物(A)を調製するプロセス、及び、これに続くインジウム含有前駆体、好ましくは(B)又は(C)を調製する任意選択的なプロセスを意味する。
先行技術は、MOCVDプロセスのための有機金属前駆体として、すなわちその出発物質(以下、「前駆体出発物質」と簡略化して呼ぶ)として一般的に使用される化合物を調製するための種々のプロセスを記載している。
本発明の文脈において「前駆体出発物質」は、更なる反応工程により実際の有機金属前駆体に変換し得る物質であり、これをその後MOCVD又はMOVPEプロセスに直接使用できる(略して「前駆体」又は「インジウム含有前駆体」と呼ぶ)。本明細書で、かかる前駆体出発物質又は前駆体を、それ自体を高い選択性及び収率で得ることができる前駆体出発物質によって提供することは有益である。加えて、簡単な方法で高純度で調製することができ、単離可能で、必要に応じてMOCVD又はMOVPEプロセスのための高純度前駆体を非常に短時間で調製することを可能にする十分な貯蔵安定性の前駆体出発物質を提供することは、非常に有益となり得る。MOCVD又はMOVPEプロセスは、太陽電池又はLED等のオプトエレクトロニクス分野向けのフィルムの製造に特に使用され、一般的に、使用される特定の前駆体が超高純度であること、及び酸素含有不純物が存在しないか又は極めて小さい割合でしか存在しないことを必要とする。
例えば、インジウム含有、ガリウム含有、あるいはアルミニウム含有前駆体又は対応する前駆体出発物質を調製するための種々の既知のプロセスが存在する。しかし、それぞれのプロセス条件は必ずしも移転可能とは限らず、又は条件を変更せずに移転することが不可能である。元素アルミニウム、ガリウム及びインジウムは既に異なる化学的挙動を示し、そのため通常は、それぞれの前駆体の製造において、個々に合わせたプロセス方式(process regime)が必要であることを考慮に入れる必要がある。
インジウム含有前駆体又は前駆体出発物質の調製に関する先行技術で既知のプロセスは、通常の使用に必要な純度及び量での製造に関して、大きな困難に遭遇することが多い。例えば、MOCVD又はMOVPEによってインジウム含有前駆体から製造された半導体層の電気特性は、前駆体又は前駆体出発物質中の不純物によって大きく損なわれる可能性がある。更に、多数の調製プロセスは多大な時間を要する。加えて、しばしば低い収率しか達成されず、反応工程は、しばしば、低い選択性を特徴とする。インジウム含有前駆体又は前駆体出発物質を調製するための既知の調製プロセスでは有機溶媒を使用することからも、プロセスは通常、コストがかかり、環境にあまり優しくなく、通常は中間体及び最終生成物が溶媒残渣を伴い、これはひいては、その使用を大きく制限するか、又はコストがかかる不便な精製を必要とする。
独国特許第3742525 A1号は、トリメチルインイジウムのような金属アルキルの調製プロセスに関し、前駆体出発物質としてのテトラメチルインジウム酸リチウムから有機溶媒中での三塩化インジウムとの反応によって進行する調製を記載している。トリメチルインイジウムを含む混合物が得られ、後者は更に後で単離及び精製する必要がある。精製後でも、収率は理論値のわずか82%と報告されている。この調製法はまた、24時間を超える比較的長いプロセス時間も特徴とする。
欧州特許第0 372 138 A1号は、有機金属化合物の調製プロセスを記載しており、このプロセスによって、例えば、テトラメチルインジウム酸リチウムであってもよい不揮発性前駆体出発物質を経てトリアルキルインジウム化合物も得ることができる。三塩化インジウムからのテトラメチルインジウム酸リチウムの調製は、ジエチルエーテル中でメチルリチウムを添加して起こり、これはプロセス全体を非常に高コストにする。テトラメチルインジウム酸リチウムは三塩化インジウムと反応してトリメチルインイジウムをもたらし、これは後でなお精製する必要がある。実際の収率については数字が示されていない。更に、記載されているプロセスは、非常に高コストで不便であり、その1つの理由は、多数の単離及び精製工程である。
Gynaneらは、インジウムと臭化アルキル及びヨウ化アルキルとの反応によってセスキハライドが得られることを記載している(Gynane,M.J.S.,Waterworth,L.G.and Worrall,I.J.,J.Organometal.Chem.,40,1972)。また、更なる文献のなかで、一臭化インジウム又は一ヨウ化インジウムとヨウ化アルキル又は臭化アルキルとの反応により、アルキルインジウム二ハロゲン化物が得られるが、非常に長い反応時間が必要であるとも述べている(Gynane,M.J.S,Waterworth,L.G.and Worrall,I.J.,J.Organometal.Chem.,43,1972)。
米国特許第5,663,390号は、反応促進剤としてのHの存在下での、塩化アルキルと元素金属との反応によるアルキル金属塩化物の調製に関する。ただし、後者は不利であり、より具体的には、記載されたプロセスは非常に複雑で、変換は不完全でしかない。同時に、米国特許第5,663,390号の目的は、反応時間に応じた、ジメチルインジウムクロリド又はメチルインジウムジクロリドの調製である。純ジメチルインジウムクロリド又は純メチルインジウムジクロリドのいずれかが、反応生成物及び潜在的前駆体出発物質として得られる。この反応全体は非常に不便で高コストであり、そのため、工業規模に適さない。
独国特許第3742525号 欧州特許第0372138号 米国特許第5663390号
本発明が解決しようとする課題は、インジウム含有前駆体に適した前駆体出発物質を、必要に応じて、安価に調製することを可能にするプロセスを、単純で短時間のプロセス方式と共に提供することである。プロセスはまた、このような化合物の高収率及び高純度での調製も可能にする。前駆体出発物質は、更に、簡単な方法で単離可能であり、十分な貯蔵安定性を有することが望ましい。
加えて、出発物質から得られるインジウム含有前駆体は、酸素不純物を実質的に含まず、出発物質から進行して、高収率並びに高い選択性及び純度で得ることができる。結果として、得られるインジウム含有前駆体は、MOCVDプロセスに特に好適であり、このプロセスは半導体層製造のそれぞれの場合に高純度の有機金属化合物を必要とする。
本プロセスは、更に、低レベルの環境汚染及び低い資源集約度で実施できる。
本発明が解決しようとする課題は、請求項の主題及び以下の発明を実施するための形態の主題によって解決される。
1.一般式:
InCl
の化合物(A)を調製するプロセスであって、
a1)インジウム供与体をアルキル供与体と反応させて、化合物(A)を生成する工程であって、アルキル供与体がアルキルアルミニウムセスキクロリド(RAlCl)であり、インジウム供与体が三塩化インジウム(InCl)である、工程と、
a2)任意選択的に、化合物(A)を反応混合物から単離する工程と、の反応工程を含み、
2.式中、Rは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である、プロセス。アルキル基は分枝状でも非分枝状でもよく、好ましくは非分枝状である。Rがメチル又はエチルである、上記項目の1つに記載のプロセス。
3.Rがメチルである、上記項目の1つに記載のプロセス。
4.反応工程a1)で補助塩基も添加され、この補助塩基が周期表の第1、2又は13(IA、IIA又はIIIA)族の金属のハロゲン化物を少なくとも1つ含む、上記項目のいずれか一項に記載のプロセス。
5.補助塩基が塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アルミニウム又はこれらの混合物を含む、項目4に記載のプロセス。
6.補助塩基が塩化ナトリウムと塩化カリウムとの混合物であり、塩化ナトリウム対塩化カリウムのモル比が6:3〜8:3である、項目4に記載のプロセス。
7.補助塩基が、塩化アルミニウムと、塩化ナトリウムと、塩化カリウムとの混合物であり、塩化アルミニウム対塩化ナトリウム対塩化カリウムのモル比が45〜55:30〜40:10〜20である、項目4又は5に記載のプロセス。
8.反応工程a1)において、インジウム供与体1当量あたり0.8〜2.5当量の補助塩基が使用される、項目4〜7のいずれか一項に記載のプロセス。
9.反応工程a1)において、インジウム供与体1当量あたり0.6〜2当量のアルキル供与体が使用される、上記項目の少なくとも一項に記載のプロセス。
10.反応工程a1)において、インジウム供与体が最初に反応容器に仕込まれ、続いてアルキル供与体が添加される、上記項目の少なくとも一項に記載のプロセス。
11.反応工程a1)において、インジウム供与体と補助塩基とを含む混合物が最初に仕込まれ、続いてアルキル供与体がこの混合物に添加され、上記補助塩基が周期表の第1、2又は13(IA、IIA又はIIIA)族の金属のハロゲン化物を少なくとも1つ含む、項目10に記載のプロセス。
12.プロセスが、化合物(A)の単離を工程a2)として含み、単離が、反応容器内に存在する反応混合物からの揮発性構成成分の分離と、反応混合物からの化合物(A)の昇華とを含む、上記項目のいずれか一項に記載のプロセス。
13.反応工程a1)が有機溶媒なしで実施される、上記項目のいずれか一項に記載のプロセス。
14.化合物(A)の収率が少なくとも79%である、項目1〜13のいずれか一項に記載のプロセス。
15.化合物(A)の純度が少なくとも95%である、項目1〜14のいずれか一項に記載のプロセス。
16.式RInのトリアルキルインジウムを調製するプロセスであって、
−式RInClのジアルキルインジウムクロリド、化合物(A)を調製する工程、すなわち、
b1)化合物(A)をアルキルリチウムと反応させて、テトラアルキルインジウム酸リチウム(LiInR)を生成し、LiInRを反応混合物から単離する工程と、
b2)LiInRをインジウムクロリド成分と反応させて、次の一般式:
In
の化合物(B)を得る工程であって、式中、Rは項目1、2又は3の定義の通りである、工程と、の反応工程を含む、プロセス。
17.インジウムクロリド成分が、一般式:
InCl
を有し、式中、aは0、1、2及び3から選択される数であり、bは1及び2から選択される数であり、cは1、2及び3から選択される数であり、ここでa+b+c=4又は4の倍数であり、Rは項目1、2又は3の定義の通りである、項目16に記載のプロセス。
18.インジウムクロリド成分が、RInCl、RInCl、RInCl及びInClから選択される、項目16及び17のいずれかに記載のプロセス。
19.化合物(B)の収率が90%を超える、項目16〜18のいずれか一項に記載のプロセス。
20.化合物(B)の純度が少なくとも99%である、項目16〜19のいずれか一項に記載のプロセス。
21.次の追加の反応工程:
c)化合物(A)をアルキル化剤と反応させて、次の一般式:
InR’
を有する化合物(C)を生成する工程であって、式中、R’は、分枝状、非分枝状、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換アリールからなる群から選択される求核性基であり、式中、Rは上記の定義の通りである、工程を含む、項目1〜15のいずれか一項に記載のプロセス。
22.アルキル化剤がR’MgX、R’Li及びR’Alから選択される、項目21に記載のプロセス。
23.Rはメチルであり、R’はMeN−(CH−基である、項目21及び22のいずれかに記載のプロセス。
24.項目16に記載の化合物(B)を調製するための、項目1に記載の化合物(A)の使用。
25.項目21に記載の化合物(C)を調製するための、項目1に記載の化合物(A)の使用。
26.項目16〜20のいずれか一項に記載のプロセスによって調製された化合物(B)の、有機金属気相成長法(MOCVD)又は有機金属気相エピタキシー法(MOVPE)のための前駆体としての使用。
27.項目21〜23のいずれか一項に記載のプロセスによって調製された化合物(C)の、有機金属気相成長法(MOCVD)又は有機金属気相エピタキシー法(MOVPE)のための前駆体としての使用。
28.項目1〜15のいずれか一項に記載のプロセスによって調製される化合物(A)。
29.項目16〜20のいずれか一項に記載のプロセスによって調製される化合物(B)。
30.項目21〜23のいずれか一項に記載のプロセスによって調製される化合物(C)。
31.次の追加の反応工程:
b1)化合物(A)をアルキルリチウムと反応させて、テトラアルキルインジウム酸リチウム(LiInR)を生成し、LiInRを反応混合物から単離する工程と、
b2)LiInRをインジウムクロリド成分と反応させて、次の一般式:
In
の化合物(B)を得る工程であって、式中、Rは項目1、2又は3の定義の通りである、工程と、を含む、上記項目1〜15のいずれか一項に記載のプロセス。
上記の課題は、次の一般式:
InCl
(式中、Rは、低級アルキル基、すなわち1〜4個の炭素原子を有する基である)を有するジアルキルインジウムクロリド(式(A)の化合物)を調製するための新規プロセスによって特に解決される。アルキル基は分枝状でも非分枝状でもよく、好ましくは非分枝状である。したがって、好適なアルキル基は、イソプロピル、シクロプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルであるが、特にプロピル、n−ブチル及びエチル又はメチルである。
使用する出発物質及び更なる試薬により、このプロセスは安価であり、生じる環境汚染が低レベルであり、短時間のプロセス方式及び高収率で、高純度のRInClの調製を可能にする。より具体的には、本発明により、一般的に必要とされる有機溶媒の使用を実質的に不要とすることが可能であり、これは、コスト効率が良く環境に配慮したプロセス方式に寄与する。更に、化合物(A)は、簡単な方法で単離できることも有利である。この前駆体出発物質は更に、通常は非自然発火性かつ不揮発性でもあり、十分な貯蔵安定性を有する。
本発明のプロセスは、ジメチルインジウムクロリド(MeInCl)及びジエチルインジウムクロリド(EtInCl)の調製に特に適しており、MeInClの調製に非常に適している。それ故、Rは好ましくはエチル及びメチルから選択され、最も好ましくは、Rはメチルである。
最初に、本発明は、RInCl、すなわち化合物(A)を調製するための新規プロセスを提供する。本発明のプロセスの後に、更なる反応工程が続いてもよく、その結果、MOCVD又はMOVPEプロセスのためのインジウム含有前駆体もまた、本発明によって、安価に、短時間のプロセス方式で、高い収率及び純度で得ることができる。したがって、本発明のプロセスは、化合物(A)の調製を含む。実施形態において、本発明のプロセスの後に、インジウム含有前駆体を調製するための追加の反応工程が続いてもよい。
本発明のインジウム含有前駆体は、好ましくは一般式RIn(化合物(B))及びRInR’(化合物(C))の化合物から選択される。
本発明によると、次の一般式:
In、
のインジウム含有前駆体は、Rが1〜4個の炭素原子を有する低級アルキル基のものである。アルキル基は分枝状でも非分枝状でもよく、好ましくは非分枝状である。Rは、特にエチル及びメチルから選択され、具体的には、Rはメチルである。本発明によると、次の一般式:
InR’、
のインジウム含有前駆体は、Rが1〜4個の炭素原子を有する低級アルキル基であり、このアルキル基は分枝状でも非分枝状でもよく、R’はR以外の求核性基である。R’は、好ましくは分枝状又は非分枝状の置換又は非置換アルキル、分枝状又は非分枝状の置換又は非置換アリールから選択される。R’は、特に、分枝状若しくは非分枝状アルキル若しくはアルコキシ基によって、又はアミン基によって置換されたフェニル又はアルキルであってもよい。
より具体的には、R’は、メチル、エチル、n−ブチル、プロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロブチル、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ、プロポキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、イソブトキシ、イソプロポキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシ等の分枝状又は非分枝状アルキル又はアルコキシ基で置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル又はアリール基を含み;
あるいは、R’は、メチル、エチル、n−ブチル、プロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロブチル等の分枝状又は非分枝状アルキル基でそれ自身が置換されたアミン基で置換された(特に、一置換、又は二置換)1〜6個の炭素原子を有するアルキル又はアリール基を含む。R’は、例えば、フェニル、トリル、メシチル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、EtN−(CH、MeN−(CH、MeN−CH、EtN−(CH、EtN−CH、イソプロピル、シクロプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロプロピルであってもよいが、特にはプロピル、n−ブチル及びエチル又はメチルであってもよい。R及びR’の定義が同じ基を包含する場合、R及びR’は化合物(C)において互いに異なっていなければならない。したがって、Rがメチルの場合、R’はメチルとは異なっていなければならない。
発明の一実施形態において、Rはメチル又はエチルであり、R’はMeN−(CH基である。本発明の更なる実施形態において、Rはメチルであり、R’はエチルである。本発明の更なる実施形態において、Rはエチルであり、R’はメチルである。したがって、生じる化合物は、MeInEt、EtInMe及びMeIn−(CH−N−Me又は(CHIn−(CH−N−(CHである。
実施形態において、このように本発明のプロセスに更なる反応工程が続き、その結果インジウム含有前駆体、好ましくはRIn(すなわち、化合物(B))又はRInR’(すなわち、化合物(C))を、安価にかつ必要に応じて、短時間のプロセス方式で得ることができる。
化合物(A)から優先的に得られるインジウム含有前駆体(B)及び(C)は、その特に高い純度から、半導体産業及び関連エレクトロニクス産業において、MOCVD又はMOVPEプロセスに使用されるインジウム含有フィルム、例えば、InP、InAlP及びAlInGaPフィルムの製造に特に適している。
1.化合物(A)を調製するためのプロセス
InCl、すなわち化合物(A)を調製するための本発明のプロセスは、次の反応工程を含む:
a1)インジウム供与体をアルキル供与体と反応させて、化合物(A)を生成する工程であって、インジウム供与体が三塩化インジウム(InCl)であり、アルキル供与体がアルキルアルミニウムセスキクロリド(RAlCl)である工程、及び
a2)任意選択的に、化合物(A)を単離する工程。
反応工程a1):
本発明によると、インジウム供与体は、インジウムを含む化合物である。本発明によると、インジウム供与体はInClである。
本発明によると、アルキル供与体は、アルキル基を含む化合物であり、アルキル供与体は、本発明によると、アルキル基だけでなく少なくとも1個の塩素原子も含む塩化アルキルである。本発明によると、アルキル供与体はアルキルアルミニウムセスキクロリド(RAlCl)である。RAlClはまた、RAlClとRAlClの混合物として調製することもでき、これも本発明に包含される。最も好ましくは、アルキル供与体は、メチルアルミニウムセスキクロリド(MeAlCl)及びエチルアルミニウムセスキクロリド(EtAlCl)から選択され、アルキル供与体は更に、好ましくはメチルアルミニウムセスキクロリド(MeAlCl)である。
好ましくは、この反応には、インジウム供与体1当量あたり0.4〜5当量のアルキル供与体が使用される。更に好ましくは、インジウム供与体1当量あたり、0.5〜4.5当量、特に好ましくは0.6〜4当量のアルキル供与体が使用される。インジウム供与体に対して少なすぎる割合のアルキル供与体が使用された場合、変換が不十分になり、化合物(A)の収率が低下するリスクがある。インジウム供与体に対して過度に大量のアルキル供与体が使用された場合、プロセスが高額になり過ぎて、全体的にあまりにも不経済となり、工業規模で採算が合うように実施することができなくなり、これは本発明で望ましくない。
インジウム供与体1当量あたり0.6〜2当量のアルキル供与体、更に一層好ましくはインジウム供与体1当量あたり0.8〜1.3当量のアルキル供与体、最も好ましくはインジウム供与体1当量あたり0.9〜1.1当量のアルキル供与体を使用することは特に有利であることが見出された。この方法で、驚くべきことに、化合物(A)の特に有利な収率を達成することが可能であった。
反応は、補助塩基の存在下で起こり得る。本発明によると、補助塩基は少なくとも1つの金属ハロゲン化物を含む。本発明で好ましい金属ハロゲン化物は、一般式:
MX
を有し、式中、nは1、2又は3の値を想定してもよく、Xは塩素、臭素、フッ素及びヨウ素から選択され、MはIA族金属、IIA族金属及びIIIA族金属から選択される。好ましいIA族金属は、カリウム、ナトリウム、リチウム、ルビジウム及びセシウムである。好ましいIIA族金属は、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムである。好ましいIIIA族金属は、アルミニウムである。好ましくは、MはIA族及び/又はIIIA族金属である。より好ましくは、Mはナトリウム、カリウム及び/又はアルミニウムである。Xは、好ましくはフッ素及び塩素から選択される。更に好ましくは、Xは塩素である。
補助塩基の使用は有利である。したがって、共晶塩溶融物がプロセスで生成する可能性があり、これは、化合物(A)が高選択性で得られ、アルキルインジウムジクロリド(RInCl)のような副生成物が微量でしか生成しないことに寄与し得る。
好ましい実施形態において、補助塩基は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アルミニウム又はこれらの混合物を含む。より具体的には、補助塩基は、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び塩化アルミニウムの混合物であってもよい。
特に好ましい実施形態において、補助塩基は、塩化カリウム、塩化ナトリウム又はこれらの混合物から選択される。上記の金属ハロゲン化物は、安価に入手でき、したがって特にコスト効率の良いプロセス方式を可能にする。より具体的には、補助塩基は、塩化カリウムと塩化ナトリウムとの混合物を含む。驚くべきことに、このような混合物は、化合物(A)の特に高い収率を可能にすることが見出された。塩化ナトリウムのみ又は塩化カリウムのみを補助塩基として使用した場合、すなわち、混合物ではない場合、化合物(A)の収率が低下する恐れがある。
好ましくは、補助塩基中の塩化ナトリウム対塩化カリウムのモル比は、6:4〜8:2、更に好ましくは6:3〜8:3、より好ましくは6.5:3〜7.5:3である。驚くべきことに、かかるモル比を順守することは、ナトリウム含有量が高いにもかかわらず、化合物(A)の特に高収率につながる。特に好ましい実施形態において、補助塩基中の塩化ナトリウム対塩化カリウムのモル比は7:3である。
補助塩基が塩化アルミニウム、塩化ナトリウム及び塩化カリウムの混合物である実施形態において、塩化アルミニウム対塩化ナトリウム対塩化カリウムのモル比は、好ましくは45〜55:30〜40:10〜20、より好ましくは50:35:15である。
使用される補助塩基の当量の、使用されるインジウム供与体の当量数に対する比は、好ましくは0.7:1〜2.8:1、更に好ましくは0.8:1〜2.5:1である。過度に高い割合の補助塩基は、副反応により収率を低下させる可能性がある。特に好ましい実施形態において、使用される補助塩基の当量の、使用されるインジウム供与体の当量数に対する比は1.8:1〜2.2:1、より好ましくは2:1である。これは、驚くべきことに、特に高い収率での化合物(A)の調製を可能にする。
インジウム供与体及びアルキル供与体の反応物質を、逐次的に反応容器に添加することが好ましい。より好ましくは、インジウム供与体と任意選択的な補助塩基とを含む混合物を最初に仕込み、その後この混合物にアルキル供与体を添加する。これは、驚くべきことに、高収率を生じ、更に、装置の複雑さを低減する。したがって、インジウム供与体と、所望により補助塩基を、単に反応容器内に秤り入れてよい。その後、アルキル供与体を、制御された方法で添加してよい。
アルキル供与体を、滴下漏斗又は適切な工業的実施形態により、有利には最初に仕込んだインジウム供与体及び任意選択の補助塩基を撹拌しながら、インジウム供与体と任意選択の補助塩基との混合物に、添加することができる。これは、十分な混合と定量的変換を確実とする。別の実施形態において、アルキル供与体及び任意選択の補助塩基は、最初に反応容器に仕込まれ、その後インジウム供与体が添加される。
任意選択的に、アルキル供与体とインジウム供与体との反応中に追加のアルキル供与体を添加してもよい。これは、化合物(A)の収率に関して有利となる場合がある。しかし、本発明のプロセス方式において、通常は、追加のアルキル供与体の添加なしで、十分な収率が達成される。したがって、好ましくは、本発明に従い、反応工程a1)において、反応中に追加のアルキル供与体の添加はない。
アルキル供与体の添加中の温度は、好ましくは100℃未満である。より好ましくは、望ましくない副反応を避けるため、アルキル供与体の添加中に80℃の温度を超えない。アルキル供与体の添加時の外部からの冷却は可能である。アルキル供与体の添加中に、温度は、好ましくは50℃を超えて、更に好ましくは35℃を超えて上昇しない。これは、副生成物の生成を避けるために、並びに安全上の理由及び経済面から、有利である。
アルキル供与体の添加後、反応混合物を任意選択的に加熱してもよい。このとき、副反応の危険を低減するため、350℃、特に280℃の温度を超えない。ただし、有利には、全ての反応物質の添加後及び反応中の温度は、室温〜120℃、すなわち、例えば80℃未満又は50℃未満又は40℃未満の範囲であり、更なる実施形態においては、35℃未満、又は室温、すなわち25+/−5℃である。
アルキル供与体は、好ましくは標準圧力、すなわち、0.101325MPa+/−5%、最大で0.02MPaのわずかに高圧で添加される。この後に真空工程が続いてもよく、例えば、好ましくは1hPa未満、より好ましくは0.1hPa未満、より好ましくは5×10−2hPa未満の残留気圧で真空を適用することが好ましい。
反応工程a1)は、好ましくは保護ガス下、より好ましくはアルゴン下で起こる。
驚くべきことに、本発明のプロセスにより、有機溶媒不在下でも化合物(A)の高収率を達成することができる。したがって、好ましくは、インジウム供与体とアルキル供与体との反応による化合物(A)の生成において、有機溶媒は使用されない。本発明において、有機溶媒は、炭素質の液体物質を意味することが理解される。本発明において、有機溶媒の不在は、反応媒体として追加的に使用される有機溶媒がないことを意味すると理解される。これは、溶媒の部分的分解の結果生じる化合物(A)の有機汚染の可能性が避けられるという利点を有する。更に、これにより、プロセスを環境により配慮した形で実施できる。更に、有機溶媒不在の工程a1)において、驚くべきことに、特に高い反応選択性が記録された。
工程a1)における反応時間は、好ましくは30分〜30時間である。30分〜28時間、特に2.5時間〜25時間の反応時間が、化合物(A)の収率に関して特に有利であることが見出された。良好な結果は、約90℃〜約120℃の範囲の反応温度で達成されているが、35℃未満、又は室温、すなわち25+/−5℃でも達成される。工程a1)の反応時間は、3〜8時間、好ましくは4〜7時間で既に十分な場合がある。
本発明のプロセスの特に好ましい実施形態において、概略的に、以下の反応が反応工程a1)で進行する:
Figure 0006541657
反応工程a2):
化合物(A)の単離は、本発明で任意選択であり、好ましくは、反応容器内に存在する反応混合物からの揮発性構成成分の分離、並びに/又は反応混合物からの化合物(A)の昇華及び反応容器からの化合物(A)の機械的除去から選択されるプロセス工程を含む。より好ましくは、化合物(A)の単離は、反応容器内に存在する反応混合物からの揮発性構成成分の分離と、反応混合物からの化合物(A)の昇華と、を含む。
本発明によると、用語「単離」又は「単離する」は、反応容器から反応生成物を除去することによって、反応容器内に存在する反応混合物から特定の所望の反応生成物を分離すること、又は反応生成物が反応容器内に残るように、反応混合物から反応生成物以外の化合物を別に除去することを包含する。
化合物(A)の昇華は、好ましくは、反応混合物を250℃以下、更に好ましくは220℃以下、より好ましくは200℃以下の温度に加熱することによって実施される。化合物(A)の昇華のために反応混合物を加熱する温度は、好ましくは少なくとも90℃、より好ましくは少なくとも95℃、更に好ましくは少なくとも100℃である。化合物(A)の十分な昇華のため、好ましくは、温度は少なくとも20分間、更に好ましくは少なくとも40分間、より好ましくは少なくとも60分間維持される。化合物(A)の昇華の間に、真空を、特に0.1hPa未満又は5×10−2hPa未満の残留気圧で適用してもよい。あるいは、化合物(A)の昇華は、標準気圧で、150℃〜200℃の範囲の温度で可能である。
最初に0.1hPa未満、好ましくは5×10−2hPa未満の残留気圧で真空を適用することによって揮発性副生成物を除去し、その後で初めて化合物(A)を昇華することは、化合物(A)の純度に特に有利であることが見出された。任意選択的に、化合物(A)の単離の後に、化合物(A)を精製するための更なる工程が続いてもよく、化学物質を精製するための好適なプロセスは、当業者に既知である。しかしながら、好ましくは本発明によると、特定のプロセス方式及び反応物質により、更なる精製工程なしで、化合物(A)の十分に高い純度が達成される。したがって、好ましくは本発明により、化合物(A)の単離とは別に、化合物(A)を精製するための更なる工程は必要ない。
別の実施形態において、化合物(A)は反応混合物から単離されない。かかる実施形態において、化合物(A)と任意選択的に使用した補助塩基又は補助塩基使用時に生じる塩溶融物とを含む反応混合物は、インジウム含有前駆体、特に化合物(B)又は(C)の調製に直接使用される。これらの実施形態において、好ましくは化合物(B)又は(C)の調製のための追加の反応工程は、反応混合物からの化合物(A)の単離なしで、すなわち、反応工程a2)なしで、反応工程a1)の後に直接実施される。これにより、インジウム含有前駆体の調製における、一層短時間のプロセス方式が可能になる。
本発明のプロセスは、好ましくは少なくとも70%、更に好ましくは少なくとも75%、なお更に好ましくは少なくとも79%、とりわけ好ましくは少なくとも85%、より一層好ましくは90%超、更により好ましくは95%超の収率での化合物(A)の調製を可能にする。本発明に関して示される収率の数値は、常に、理論的収率を基準とする。
本発明により調製された化合物(A)の純度は、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%、更により好ましくは99%超である。したがって、好ましくは5%以下、より好ましくは2%以下、更に好ましくは1%未満の不純物、すなわち、不要物質が、調製された化合物(A)に存在する。
本発明のプロセスによって得られる好ましい化合物(A)は、ジメチルインジウムクロリド(MeInCl)及びジエチルインジウムクロリド(EtInCl)から選択される。最も好ましくは、本発明のプロセスは、MeInClの調製に好適である。
2.インジウム含有前駆体を得るための化合物(A)の更なる処理
上記のプロセスによって得られる化合物(A)を、任意選択的に、更に処理して、好ましくは本発明による化合物(B)及び(C)から選択されるインジウム含有前駆体を得ることができる。したがって、本発明はまた、MOCVD又はMOVPEプロセスのための、好ましくは化合物(B)及び(C)から選択されるインジウム含有前駆体を調製するための、本発明のプロセスによって調製される化合物(A)の使用も包含する。
本発明により調製される化合物(A)は、次の一般式:
In、
のインジウム含有前駆体、すなわち、化合物(B)の調製に特に好適であり、式中、Rは1〜4個の炭素原子を有する低級アルキル基である。アルキル基は分枝状でも非分枝状でもよく、好ましくは非分枝状である。Rは、好ましくはエチル及びメチルから選択され、特に、Rはメチルである。
あるいは、本発明により調製される化合物(A)は、次の一般式:
InR’、
のインジウム含有前駆体、すなわち、化合物(C)を調製するために使用でき、式中、Rは1〜4個の炭素原子を有する低級アルキル基であり、このアルキル基は分枝状でも非分枝状でもよく、R’はR以外の求核性基である。
R’は、好ましくは、分枝状又は非分枝状の置換又は非置換アルキル、分枝状又は非分枝状の置換又は非置換アリールから選択される。R’は、特に、分枝状若しくは非分枝状アルキル若しくはアルコキシ基によって、又はアミン基によって置換されたフェニル又はアルキルであってもよい。
より具体的には、R’は、メチル、エチル、n−ブチル、プロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロブチル、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ、プロポキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、イソブトキシ、イソプロポキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシ等の分枝状又は非分枝状アルキル又はアルコキシ基で置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル又はアリール基を含み;
あるいは、R’は、メチル、エチル、n−ブチル、プロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロブチル等の分枝状又は非分枝状アルキル基で置換されたアミン基で置換された(特に、一置換、又は二置換)1〜6個の炭素原子を有するアルキル又はアリール基を含む。R’は、例えば、フェニル、トリル、メシチル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、EtN−(CH、MeN−(CH、MeN−CH、EtN−(CH、EtN−CH、イソプロピル、シクロプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロプロピルであってもよいが、特にはプロピル、n−ブチル及びエチル又はメチルであってもよい。R及びR’の定義が同じ基を包含する場合、R及びR’は化合物(C)において互いに異なっていなければならない。したがって、Rがメチルの場合、R’はメチルとは異なっていなければならない。
本発明の一実施形態において、Rはメチル又はエチルであり、R’はMeN−(CH基である。本発明の更なる実施形態において、Rはメチルであり、R’はエチルである。本発明の更なる実施形態において、Rはエチルであり、R’はメチルである。したがって、生じる化合物は、MeInEt、EtInMe及びMeIn−(CH−N−Me又は(CHIn−(CH−N−(CHである。
2.1.化合物(B)を得るための化合物(A)の更なる処理
好ましい実施形態において、化合物(A)の調製の後に、化合物(B)が得られる次の更なる反応工程を追加的に実施する:
b1)化合物(A)をアルキルリチウムと反応させて、テトラアルキルインジウム酸リチウムを生成し、LiInRを反応混合物から単離する工程と、
b2)LiInRをインジウムクロリド成分と反応させて、化合物(B)を得る工程。
反応工程b2)は、反応工程b1)からすぐに続けて実施してもよい。あるいは、反応工程b2)はまた、反応工程b1)から時間をずらして実施されてもよい。
反応工程b1):
反応工程b1)は、化合物(A)とアルキルリチウムの反応によるテトラアルキルインジウム酸リチウムの生成を含み、このテトラアルキルインジウム酸リチウムは次の一般式:
LiInR
を満足し、式中、Rは上記の定義の通りである。Rは、好ましくはメチル又はエチル、更により好ましくはメチルである。
用語「アルキルリチウム」は、少なくとも1つのアルキル基とリチウムとを含む化合物を包含する。本発明によると、アルキルリチウムは、好ましくは次の一般式:
RLi
を有し、式中、Rは上記の定義の通りである。最も好ましくは、アルキルリチウムはエチルリチウム(EtLi)及びメチルリチウム(MeLi)から選択され、アルキルリチウムは、更に好ましくはMeLiである。この方法で、式R’Li(式中、R’はRと異なり、上記の定義の通りである)のアルキルリチウムが使用されるとき、式(C)、RInR’の化合物を得ることもできる。あるいは、RLi及びR’Liは同じ物質分類である。
本発明によると、反応工程b1)で使用されるアルキル化剤はアルキルリチウムである。当業者は、アルキル化反応に使用できる更なるアルキル化剤を認識している。更なる有機金属アルキル化剤が既知であり、これは、1、2、12及び13族の金属、すなわち、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の有機化合物を包含する。特に優れた安定性のものは、リチウム、マグネシウム及びナトリウム、並びに亜鉛及びアルミニウム等の元素である。当業者に既知のアルキル化剤としては、特にジメチル亜鉛又はトリメチルアルミニウムが挙げられる。
工程b1)に好適な有機溶媒は、特にジアルキルエーテルである。ジエチルエーテル、長鎖エーテル及びこれらの混合物から選択される溶媒を反応工程b1)で使用することが特に好ましく、長鎖エーテルは2個を超える炭素原子を有するアルキル基を含むものである。更に好ましくは、溶媒はジエチルエーテル又はジ−n−ブチルエーテル、更に好ましくはジエチルエーテルである。
好ましくは、反応工程b1)において、化合物(A)1当量あたり1〜5.6当量のアルキルリチウム、より好ましくは化合物(A)1当量あたり1.2〜5.4当量のアルキルリチウムが使用される。あまり多くのアルキルリチウムを使用しないことが特に有利であることが見出された。したがって、このプロセス全体は、更にコスト効率の良い方法で実施することができ、LiInRの高い純度及び収率を達成することが可能であった。より具体的には、プロセスをコスト効率の良い方法で実施でき、LiInR中のアルキルリチウムによる汚染を低減又は防止するためには、RInCl、すなわち、化合物(A)の1当量あたり6当量以下のアルキルリチウムを使用する必要がある。しかし、化合物(A)に対してアルキルリチウムを少なすぎないように使用する必要もあり、そうしなければ、変換が不十分になり、LiInRの収率が低下することがある。RInClの1当量あたり1.3〜3当量、より好ましくは1.5〜2.5当量、より一層好ましくは1.8〜2.2当量、最も好ましくは約2当量のアルキルリチウムを使用することが特に有利であることが見出された。
好ましい実施形態において、好ましくは−10〜10℃の温度、より好ましくは−5〜5℃、更に好ましくは−2〜2℃の温度、より一層好ましくは0+/−1℃の温度で、アルキルリチウムが最初に有機溶媒に仕込まれ、続いて化合物(A)が添加される。この反応は、好ましくは−30℃〜有機溶媒の沸点、更に好ましくは−5℃〜35℃で起こる。
別の実施形態において、化合物(A)は最初に有機溶媒に仕込まれ、その後アルキルリチウムが添加される。これは、好ましくはアルキルリチウムを有機溶媒との混合物として、より好ましくは−5〜5℃、更に好ましくは−2〜2℃の温度で滴下により添加する工程を伴う。
全ての反応物質が添加された後、好ましくは少なくとも10分間、更に好ましくは少なくとも15分間撹拌することが好ましい。反応時間は、一般的に48時間以下、好ましくは24時間以下である。
LiInRは、反応混合物から単離される。これは、好ましくは溶媒及び副生成物、特にLiCl、又は反応物質の残渣を、好ましくは揮発性構成成分を留去すること、及び/又は反応混合物を濾過することによって除去することで実施される。濾過によるLiInRの単離し、その後、溶媒の蒸留することは、特に有利であることが見出された。化学物質の精製方法として当業者に既知のプロセスによる更なる精製工程をこの後に行なってもよい。
特に好ましい実施形態において、概略的に、以下の反応が反応工程b1)で進行する:
Figure 0006541657
反応工程b2):
化合物(B)は、LiInRとインジウムクロリド成分との反応により、LiInRから調製できる。
本発明によると、「インジウムクロリド成分」は、インジウムと塩素とを含む化合物である。用語「インジウムクロリド成分」はまた、より具体的には、インジウム及び塩素だけでなく、少なくとも1つのアルキル基もまた含む化合物をも包含する。インジウムクロリド成分は、好ましくは次の一般式:
InCl
を有し、式中、aは0、1、2及び3から選択される数であり、bは1及び2から選択される数であり、cは1、2及び3から選択される数であり、ここでa+b+c=4又は4の倍数であり、より好ましくは、a、b及びcの合計=4又は8である。Rは上記の定義の通りである。
最も好ましくは、インジウムクロリド成分は、InCl、RInCl、RInCl、RInCl及びこれらの混合物から選択される。非常に好ましくは、インジウムクロリド成分は、RInCl又はRInClであり、特にMeInCl、EtInCl、MeInCl又はEtInCl、更に好ましくはMeInCl又はMeInClである。したがって、本発明によると、化合物(A)をインジウムクロリド成分として使用することも可能であり、これは、本発明のプロセスを一層安価にする。したがって、特に好ましい実施形態において、インジウムクロリド成分はRInClである。
テトラアルキルインジウム酸リチウム対インジウムクロリド成分のモル比は、1:1〜3:1、好ましくは約1:1、2:1又は3:1であってもよい。インジウムクロリド成分がRInClである実施形態において、テトラアルキルインジウム酸リチウム対インジウムクロリド成分の約1:1のモル比が特に有利であることが見出されている。インジウムクロリド成分がRInClである実施形態において、テトラアルキルインジウム酸リチウム対インジウムクロリド成分の約3:1のモル比が特に有利である。インジウムクロリド成分がRInClである実施形態において、テトラアルキルインジウム酸リチウム対インジウムクロリド成分の約2:1のモル比が特に有利である。
テトラアルキルインジウム酸リチウムとインジウムクロリド成分との反応は、有機溶媒中で実施できる。工程b2)に好適な有機溶媒は、環状飽和炭化水素等のアルカン、芳香族、アルコール、エーテル及び環状エーテルから選択される。工程b2)に好適な有機溶媒は、特にアルカン及び芳香族であり、好ましくはn−ペンタン、シクロヘキサン、n−デカン、n−ヘプタン、n−ヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ノナン、n−オクタン及びベンゼンから選択され、特に好ましいのはn−ペンタンであることが見出されている。
別の実施形態において、反応工程b2)で有機溶媒は使用されない、すなわち、有機溶媒は反応媒体として追加的に使用されない。これは、溶媒の部分的分解の結果生じる化合物(B)の有用性を制限する有機汚染物質の可能性が避けられることから、有利である。更に、これにより、プロセスを環境により配慮した形で実施できる。したがって、一実施形態において、工程b2)は有機溶媒不在で実施される。
好ましくは、LiInRは、インジウムクロリド成分、及び任意選択的に補助塩基と共に最初に仕込まれる。その後、有機溶媒を添加してよい。この後、好ましくは30℃〜120℃の温度、更に好ましくは40℃〜100℃の温度、より一層好ましくは50℃〜90℃の温度まで、好ましくは加熱される。このような温度は、少なくとも10分間かつ長くとも24時間、好ましくは少なくとも30分間かつ長くとも20時間、更に好ましくは少なくとも40分間かつ長くとも12時間、より一層好ましくは少なくとも90分間かつ長くとも3時間維持されることが好ましい。
続いて、好ましくは25+/−5℃の温度まで冷却することが好ましい。
好ましくは、化合物(B)は、続いて混合物から単離される。化合物(B)の単離は、好ましくは、LiClを含む可能性のある反応混合物からの有機溶媒及び化合物(B)の除去を含む。これは特に、有機溶媒及び化合物(B)を新たな容器に再凝縮することによって実施される。その後、溶媒を、好ましくは残留気圧0.1hPa未満、更に好ましくは0.01hPa以下の減圧下で、好ましくは−10℃+/−5℃のコールドトラップに留去することによって、溶媒を化合物(B)から分離する。化合物(B)は好ましくは容器に残る。任意選択的に、当業者に既知の精製プロセスによる更なる精製工程を続けて行なってもよい。より好ましくは、更なる精製工程は、化合物(B)の昇華を含む。
特に好ましい実施形態において、概略的に、以下の反応が反応工程b2)で進行する:
Figure 0006541657
別の実施形態において、概略的に、以下の反応が反応工程b2)で進行する:
Figure 0006541657
b1)及びb2)を含む追加の反応工程により、化合物(A)から化合物(B)を、好ましくは少なくとも60%、更に好ましくは少なくとも70%、より一層好ましくは少なくとも75%、特に好ましくは85%、より一層更に好ましくは90%超の収率で調製することができる。本発明により調製された化合物(B)の純度は、好ましくは少なくとも99%、より好ましくは少なくとも99.5%、より好ましくは99.8%超、更に好ましくは99.999%超である。特に、調製された化合物(B)を精製するための更なる工程を、好ましくは化合物(B)の昇華によって実施する場合、>99.999%の純度を達成できる。
2.2.化合物(C)を得るための化合物(A)の更なる処理
別の実施形態において、本発明のプロセスに、以下を含む追加の更なる反応工程を加えることによって、化合物(A)を更に処理して、化合物(C)を得る:
c)化合物(A)をアルキル化剤と反応させて、化合物(C)を生成する工程。
上記のように、化合物(C)は一般式RInR’の化合物であり、式中、R及びR’はそれぞれ、上記の定義の通りである。
より好ましくは、化合物(C)は、ジメチルアミノプロピルジメチルインジウム(DADI)、ジメチルエチルインジウム又はジエチルメチルインジウムである。
工程c)におけるアルキル化剤は、特にR’MgX、R’Li及びR’Alから選択される。より好ましくは、アルキル化剤は、MeN−(CH−Mであり、式中、Mは特に、MgCl又はLiである。
化合物(A)のRInR’、例えばDADI、への変換は、有機溶媒中でのアルキル化剤、例えば、DADIの場合にはMeN−(CH−Mとの反応によって実施できる。有機溶媒は、ジアルキルエーテル若しくは環状エーテル又はこれらの混合物、特にジオキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、tert−ブチルエチルエーテル(ETBE)、2−メトキシ−2−メチルプロパン(メチルtert−ブチルエーテル、MTBE)又はテトラヒドロフランであってもよい。その他の好適な溶媒は、脂肪族又は芳香族炭化水素、特に5〜9個の炭素原子を有する脂肪族又は芳香族炭化水素であり、これは直鎖又は環状、及びこれらの混合物であってもよく、例えば、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテル又はトルエンであってもよい。テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ペンタン又はその他のシクロヘキサンで、特に良好な結果を得ることができる。
反応工程c)は、典型的には、保護ガス下で実施される。
本発明の一実施形態において、アルキル化剤を最初に仕込み、続いて、化合物(A)を添加する。別の実施形態では、化合物(A)を最初に仕込み、その後アルキル化剤を添加することも可能である。化合物(A)及びアルキル化剤はいずれも、有利には、溶媒に溶解して使用できる。この手順は、特に、アルキルリチウム又はアルキルマグネシウムハロゲン化物を使用する場合(R’Li、R’MgX)に良好な結果をもたらす。R’Alはまた、溶媒なしで使用できる。
この場合、本発明によると、化合物(A)又はアルキル化剤の溶液のいずれかを、任意選択的に溶液として、滴下により添加する。
この場合、化合物(A)を、上記溶媒の1つとの混合物として滴下により添加してよいが、有利には、特に上記有機溶媒と組み合わせた混合物として、特にテトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ペンタン及びこれらの組み合わせとの混合物として滴下により添加する。
化合物(A)の滴下による添加は、好ましくは徐々に実施され、より好ましくは少なくとも10分間、更に好ましくは少なくとも20分間かけて実施される。化合物(A)の添加は、好ましくは50℃未満、更に好ましくは40℃未満、より好ましくは室温、すなわち、25℃+/−5℃で実施される。
全ての反応物質、特にアルキル化剤及び化合物(A)を添加した後、反応が実施され、反応は撹拌しながら実施されてもよい。好ましくは、反応(撹拌)中の温度は50℃未満、更に好ましくは40℃未満、より好ましくは室温、すなわち、25℃+/−5℃である。少なくとも5時間、更に好ましくは少なくとも10時間の撹拌が好ましい。コストの理由から、通常は、80時間、更に好ましくは50時間の反応時間を超えない。
その後、化合物(C)を、好ましくは反応混合物から単離する。化合物(C)の単離は、好ましくは減圧下での有機溶媒の除去、並びに濾過及び/又は蒸留による反応混合物からの化合物(B)の分離を含んでもよい。
アルキル化剤は、既知のプロセスよって調製することができ、例えば、MeN−(CH−Mは、削り屑状マグネシウム又は削り屑状リチウムとの反応によって3−クロロ−1−(ジメチルアミノ)プロパンから調製できる。典型的には、MeN−(CH−Mは、熱を加えながら、有機溶媒中、特にTHF中で調製される。任意選択的に、活性化のためにヨウ素を添加してよい。
化合物(A)を調製するための本発明による上記の調製プロセスの条件、及び任意選択的にインジウム含有前駆体、好ましくは化合物(B)及び(C)から選択されるインジウム含有前駆体を得るための更なる処理の条件を維持することによって、これらの化合物を高収率及び高純度で調製できる。本発明は、更に、本プロセスによって調製される化合物(A)、特にMeInCl、並びにそれから得られるインジウム含有前駆体、特にトリメチルインイジウム、ジメチルアミノプロピルジメチルインジウム及びジメチルエチルインジウムを包含する。
本発明のプロセスにおいて、特に高い収率及び純度、並びにコスト効率が良く比較的環境に優しいプロセスの選択は、このプロセスを、化合物(A)又はインジウム含有前駆体の工業生産に理想的に適したものにする。より具体的には、本発明では自然発火性の中間体を形が生成せず、これは、コスト効率が良く複雑度の低い調製という点から特に有利である。本発明によるプロセスはとりわけ、特に高いインジウム利用度を特徴とする。本発明のプロセスによる全体的なインジウム変換率は、使用したインジウム供与体を基準にして、好ましくは≧70%、更に好ましくは≧75%、より好ましくは≧80%、より一層好ましくは>95%である。過酸化インジウム及び酸化インジウム物等の、任意選択的に得られる化合物(B)又は(C)の酸素含有量は、好ましくは<100ppm(m/m)、更には特に<1ppm(m/m)である。
本発明のプロセスによって任意選択的に調製できるインジウム含有前駆体、特にトリメチルインイジウム及びジメチルアミノプロピルジメチルインジウムは、その卓越した純度、特にその極めて低い酸素含有量から、例えば、半導体又は半導体部品の製造のためのMOCVD又はMOVPEプロセスに特に好適である。最終的に製造される半導体又は半導体部品は、多様な工業的利用の可能性を有する。したがって、本発明は、本発明によって任意選択的に調製できる化合物(B)及び/又は(C)の、有機金属気相成長法(MOCVD)又は有機金属気相エピタキシー法(MOVPE)のための前駆体としての使用も包含する。
[実施例]
本発明のプロセスに従って、MeInClを調製した。化合物(A)を使用して、化合物(B)としてのMeIn又は化合物(C)としてのジメチルアミノプロピルジメチルインジウムも調製した。
1.MeInClの調製
1.1.三塩化インジウムとメチルアルミニウムセスキクロリドとの反応による、MeInClの生成(補助塩基の当量対インジウム供与体の当量2:1)
短いリービッヒ冷却管と2個のPTFEバルブを備える100mL 3つ口フラスコに、最初に、アルゴン下で、10g(45.2mmol)のInCl、3.70g(63.3mmol、InClベースで1.4当量)のNaCl及び2.02g(27.1mmol、0.6当量)のKClを仕込み、十分に混合した。アルゴン下で、滴下漏斗を用いて9.29g(45.2mmol、1当量)のMeAlClを上記の塩混合物に滴下により添加した。反応は、温度30℃を超えないわずかな発熱を伴って進行した。添加が完了すると、生成された反応混合物を一晩20時間撹拌した。この途中で、混合物は増粘して、事実上撹拌不可能な塊になった。続いて、装置を室温で高真空下(1×10−2〜1×10−3hPa)に置き、残留する揮発性のメチルアルミニウム化合物を、液体窒素冷却したシュレンク管に0.5時間蒸留した。蒸留が終了した後、冷却器を30℃に冷却し、反応混合物を120℃で2時間加熱した。この間に、MeInClは反応混合物から昇華した。7.99g(44.3mmol)のMeInCl(NMRで同定)が得られた。これは、98.3%の収率に相当する。
1.2.三塩化インジウムとメチルアルミニウムセスキクロリドとの反応による、MeInClの生成(補助塩基の当量対インジウム供与体の当量1:1)
短いリービッヒ冷却管と2個のPTFEバルブを備える100mL 3つ口フラスコに、最初に、アルゴン下で、10g(45.2mmol)のInCl、1.85g(31.6mmol、InClベースで0.7当量)のNaCl及び1.02g(13.6mmol、0.3当量)のKClを仕込み、十分に混合した。アルゴン下で、滴下漏斗を用いて9.26g(45.2mmol、1当量)のMeAlClを上記の塩混合物に滴下により添加した。反応は、わずかな発熱を伴って進行した。添加が完了すると、生成された反応混合物を一晩20時間撹拌した。この途中で、混合物は増粘して、事実上撹拌不可能な塊になった。続いて、装置を室温で高真空下(10−2〜10−3hPa)に置き、残留する揮発性のメチルアルミニウム化合物を、液体窒素冷却したシュレンク管に1時間蒸留した。蒸留が終了した後、冷却器を30℃に冷却し、反応混合物を120℃で3時間加熱した。この間に、所望の生成物は反応混合物から昇華した。6.46g(35.9mmol)のMeInCl(NMRで同定)が得られた。これは、79.5%の収率に相当する。
1.3.三塩化インジウムとメチルアルミニウムセスキクロリドとの反応による、MeInClの生成(補助塩基の当量対インジウム供与体の当量2:1)
短いリービッヒ冷却管と2個のPTFEバルブを備える100mL 3つ口フラスコに、最初に、アルゴン下で、10g(45.2mmol)のInCl及び5.29g(90.4mmol、2当量)のNaClを仕込み、十分に混合した。アルゴン下で、滴下漏斗を用いて9.26g(45.2mmol、1当量)のMeAlClを上記の塩混合物に滴下により添加した。反応は、わずかな発熱を伴って進行した。添加が完了すると、生成された反応混合物を一晩20時間撹拌した。この途中で、混合物は増粘して、事実上撹拌不可能な塊になった。続いて、装置を室温で高真空下(10−2〜10−3mbar)に置き、残留する揮発性のメチルアルミニウム化合物を、液体窒素冷却したシュレンク管に1.5時間蒸留した。蒸留が終了した後、冷却器を30℃に冷却し、反応混合物を120℃で1.5時間加熱した。この間に、所望の生成物は反応混合物から昇華した。6.27g(34.8mmol)のMeInCl(NMRで同定)が得られた。これは、76.9%の収率に相当する。
1.4三塩化インジウムとメチルアルミニウムセスキクロリドとの反応による、Me2InClの生成(補助塩基の当量対インジウム供与体の当量2.3:1);メチルアルミニウムセスキクロリドのin situ調製
1.22g(45.2mmol、2当量)のアルミニウム、15.90g(119.3mmol、5.3当量)の三塩化アルミニウム及び7.15g(113mmol、5当量)のNa/KClを、最初に、昇華器を取り付けたシュレンク管に仕込み、アルミニウムの上方に透明な溶融物が生成されるまで、反応混合物を130℃に加熱した。続いて、反応混合物を80℃まで冷却し、この温度で、標準圧力下、クロロメタンを反応混合物に導入した。合計で、クロロメタンの導入は、80℃で撹拌しながら、16時間維持した。
続いて、5.0g(22.6mmol)の三塩化インジウム及び3.29g(52mmol、2.3当量)のNa/KClを添加した。その後、系を150〜160℃まで徐々に加熱した。約150℃から、昇華管で無色固体の昇華が観察された。2.56g(14.2mmol、収率:63%)のMeInCl(H NMRで同定)が粗結晶形態で得られた。
2.MeInを得るためのMeInClの更なる処理
2.1.MeInClとアルキルリチウムの反応によるLiInMeの生成
実施例1.1で得られたMeInCl 1441mg(7.8mmol)を、0℃にて、10mLのMeLi溶液(1.565mol/Lジエチルエーテル溶液)に加えた。この懸濁液を室温で一晩撹拌し、濾過した。透明な濾液から溶媒を除去し、1079mgの無色固体を単離した(5.9mmolのLiInMe、76%に相当)
2.2.LiInMeとMeInClの反応によるMeInの生成
1079mgのLiInMe(5.9mmol、実施例2.1より)及び1067mgのMeInCl(5.9mmol)を、最初に125mLのParr bombに仕込み、20mLのペンタンを加えた。続いて、Parr bombを70℃に予熱した油浴に浸漬し、その温度で一晩撹拌した。70℃で、わずかに濁った懸濁液が観察され、これを室温まで冷却するにつれ、凝固して結晶スラリーになった。Parr bombの揮発性構成成分をコールドトラップに再凝縮し(RT→−78℃)、続いて、ペンタン溶媒を、中真空下、−8℃(塩化ナトリウム/氷混合物)で除去した。1591mgの無色固体が単離された(10.0mmol、収率:81%トリメチルインイジウム)。
3.ジメチルアミノプロピルジメチルインジウム(DADI)を得るためのMeInClの更なる処理
3.1.MeInClとジメチルアミノプロピルマグネシウムクロリドとの反応
500mL 3つ口フラスコに、最初に75mLの乾燥THF及び4.04g(166.4mmol、3当量)の削り屑状マグネシウムを仕込み、内容物を加熱還流した。
マグネシウムを活性化するためにスパチュラの先ほどのヨウ素を加えた後、10.12g(83.2mmol、1.5当量)の3−ジメチルアミノプロピルクロリドをゆっくりと滴下により添加し、次にこの反応混合物を更に2.5時間還流加熱した。反応混合物を室温まで冷却した後、75mLの乾燥THFに溶解した10.00g(55.4mmol)の実施例1.1のMeInClを30分以内に滴下により添加し、得られた反応溶液を室温で20時間撹拌した。
その後、減圧下でTHFを除去し、残渣を100mLの乾燥ペンタンに懸濁して室温で2時間撹拌し、得られた白色固体をリバーシブルフリットで除去し、1回につき50mLの乾燥ペンタンで2回洗浄した。透明な濾液を減圧下で濃縮乾固し、80℃で蒸留して精製した。DADIを、透明液体として得た。収率:7.67g(36.0mmol)、65%に相当。
3.2.MeInClと3−ジメチルアミノプロピルリチウムとの反応
500mL 3つ口フラスコに、最初に75mLの乾燥THF及び1.16g(170mmol、3当量)の削り屑状リチウムを仕込み、内容物を加熱還流した。
還流に達した後、10.12g(83.2mmol、1.5当量)の3−ジメチルアミノプロピルクロリドをゆっくりと滴下により添加し、次にこの反応混合物を更に2.5時間還流加熱した。反応混合物を室温まで冷却した後、75mLの乾燥THFに溶解した10.00g(55.4mmol)の実施例1.2のMeInClを30分以内に滴下により添加し、得られた反応溶液を室温で20時間撹拌した。
その後、減圧下でTHFを除去し、残渣を100mLの乾燥ペンタンに懸濁して室温で2時間撹拌し、得られた白色固体をリバーシブルフリットで除去し、1回につき50mLの乾燥ペンタンで2回洗浄した。透明な濾液を減圧下で濃縮乾固し、80℃で蒸留して精製した。DADIを、透明液体として得た。収率:7.7g(36.6mmol)、66%に相当。

Claims (19)

  1. 一般式:
    InCl
    の化合物(A)を調製するプロセスであって、
    a1)インジウム供与体をアルキル供与体と50℃以下の温度で反応させて、前記化合物(A)を生成する工程であって、前記アルキル供与体がアルキルアルミニウムセスキクロリド(RAlCl)であり、前記インジウム供与体が三塩化インジウム(InCl)である、工程と、
    a2)任意選択的に、化合物(A)を反応混合物から単離する工程と、の反応工程を含み、
    式中、Rは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rは分枝状又は非分枝状である、プロセス。
  2. Rがメチル又はエチルである、請求項1に記載のプロセス。
  3. 反応工程a1)で補助塩基もまた添加され、前記補助塩基が周期表の第1、2又は13(IA、IIA又はIIIA)族の金属のハロゲン化物を少なくとも1つ含む、請求項1又は2に記載のプロセス。
  4. 前記補助塩基が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アルミニウム又はこれらの混合物を含む、請求項3に記載のプロセス。
  5. 前記補助塩基が、塩化ナトリウムと塩化カリウムとの混合物であり、塩化ナトリウム対塩化カリウムのモル比が6:3〜8:3である、請求項3に記載のプロセス。
  6. 前記補助塩基が、塩化アルミニウムと、塩化ナトリウムと、塩化カリウムとの混合物であり、塩化アルミニウム対塩化ナトリウム対塩化カリウムのモル比が45〜55:30〜40:10〜20である、請求項3又は4に記載のプロセス。
  7. 反応工程a1)において、インジウム供与体1当量あたり0.8〜2.5当量の補助塩基が使用される、請求項3〜6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 反応工程a1)において、インジウム供与体1当量あたり0.6〜2当量のアルキル供与体が使用される、請求項1〜7の少なくとも一項に記載のプロセス。
  9. 前記プロセスが、化合物(A)の単離を工程a2)として含み、前記単離が、反応容器内に存在する反応混合物からの揮発性構成成分の分離と、前記反応混合物からの化合物(A)の昇華と含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のプロセス。
  10. 式RInのトリアルキルインジウムを調製するプロセスであって、
    −式RInClのジアルキルインジウムクロリドである化合物(A)を調製する工程と、
    b1)化合物(A)を−10℃から10℃の温度を有するアルキルリチウムと反応させて、テトラアルキルインジウム酸リチウム(LiInR)を生成し、LiInRを反応混合物から単離する工程と、
    b2)LiInRをインジウムクロリド成分と反応させて、次の一般式:
    In
    の化合物(B)を得る工程であって、式中、Rは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rは分枝状又は非分枝状である、工程と、の反応工程を含む、プロセス。
  11. 前記インジウムクロリド成分が、一般式:
    InCl
    を有し、式中、aは0、1、2及び3から選択される数であり、bは1及び2から選択される数であり、cは1、2及び3から選択される数であり、ここでa+b+c=4又は4の倍数であり、Rは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rは分枝状又は非分枝状である、請求項10に記載のプロセス。
  12. 前記インジウムクロリド成分が、RInCl、RInCl、RInCl及びInClから選択される、請求項10及び11のいずれか一項に記載のプロセス。
  13. 一般式RInR’を有する化合物(C)を調製するためのプロセスであって、
    a1)インジウム供与体をアルキル供与体と反応させて、一般式RInClを有する化合物(A)を生成する工程であって、前記アルキル供与体がアルキルアルミニウムセスキクロリド(RAlCl)であり、前記インジウム供与体が三塩化インジウム(InCl)である、工程と、
    a2)化合物(A)を反応混合物から単離する工程と、
    c)化合物(A)をアルキル化剤と反応させて化合物(C)を生成する工程と、を含み、
    式中、Rは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rは分枝状又は非分枝状であり、R’は、分枝状、非分枝状、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換アリールからなる群から選択される求核性基である、プロセス。
  14. 前記アルキル化剤がR’MgX、R’Li及びR’Alから選択される、請求項13に記載のプロセス。
  15. Rはメチルであり、R’はMeN−(CH−基である、請求項13及び14のいずれかに記載のプロセス。
  16. 請求項10に記載のプロセスにおける、請求項1に記載のプロセスの使用。
  17. 請求項13に記載のプロセスにおける、請求項1に記載のプロセスの使用。
  18. 請求項10〜12のいずれか一項に記載のプロセスによって前記化合物(B)を調整するステップと、有機金属気相成長法(MOCVD)又は有機金属気相エピタキシー法(MOVPE)のための前駆体として前記化合物(B)を使用するステップとを備える方法
  19. 請求項13〜15のいずれか一項に記載のプロセスによって前記化合物(C)を調整するステップと、有機金属気相成長法(MOCVD)又は有機金属気相エピタキシー法(MOVPE)のための前駆体として前記化合物(C)を使用するステップとを備える方法
JP2016535443A 2013-08-22 2014-08-18 アルキルインジウム化合物の製造方法及びその使用 Active JP6541657B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102013216637 2013-08-22
DE102013216637.0 2013-08-22
DE102014109228.7A DE102014109228A1 (de) 2014-07-01 2014-07-01 Verfahren zur Herstellung von Alkylindium-Verbindungen und deren Verwendung
DE102014109228.7 2014-07-01
PCT/EP2014/067546 WO2015024893A1 (de) 2013-08-22 2014-08-18 Verfahren zur herstellung von alkylindium-verbindungen und deren verwendung

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016532699A JP2016532699A (ja) 2016-10-20
JP6541657B2 true JP6541657B2 (ja) 2019-07-10

Family

ID=51355547

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016535443A Active JP6541657B2 (ja) 2013-08-22 2014-08-18 アルキルインジウム化合物の製造方法及びその使用

Country Status (8)

Country Link
US (1) US9540401B2 (ja)
EP (1) EP3036242B1 (ja)
JP (1) JP6541657B2 (ja)
KR (2) KR102317590B1 (ja)
CN (1) CN105473599B (ja)
RU (1) RU2016110113A (ja)
TW (1) TWI638803B (ja)
WO (1) WO2015024893A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3036243B1 (de) 2013-08-22 2019-10-09 Umicore AG & Co. KG Verfahren zur herstellung von alkylindium-verbindungen und deren verwendung
EP3056499B1 (de) 2015-02-13 2018-04-18 Umicore AG & Co. KG Verfahren zur Herstellung von Alkylindium-Verbindungen und deren Verwendung

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4720560A (en) * 1984-10-25 1988-01-19 Morton Thiokol, Inc. Hybrid organometallic compounds, particularly for metal organic chemical vapor deposition
DE3631469A1 (de) * 1986-09-16 1988-03-17 Merck Patent Gmbh Metallorganische verbindungen
US4847399A (en) * 1987-01-23 1989-07-11 Morton Thiokol, Inc. Process for preparing or purifying Group III-A organometallic compounds
DE3742525C2 (de) * 1987-12-11 1998-02-19 Hertz Inst Heinrich Verfahren zur Herstellung von Metallalkylverbindungen und deren Verwendung
DE3841643C2 (de) * 1988-12-10 1999-07-01 Merck Patent Gmbh Metallorganische Verbindungen und deren Verwendung
US5380895A (en) 1993-02-10 1995-01-10 Bandgap Technology Corporation Method for the synthesis of metal alkyls and metal aryls
US5663390A (en) * 1996-08-29 1997-09-02 Libbey-Owens-Ford Co. Method of producing organo indium chlorides
TWI632149B (zh) * 2011-11-28 2018-08-11 烏明克股份有限兩合公司 第iii a族金屬的三烷基化合物之製法
US8513447B1 (en) 2012-02-01 2013-08-20 Chemtura Corporation Preparation of tri-alkyl gallium or tri-alkyl indium compounds
KR101221861B1 (ko) * 2012-03-26 2013-01-14 솔브레인 주식회사 금속 전구체 및 이를 이용하여 제조된 금속 함유 박막
EP3036243B1 (de) 2013-08-22 2019-10-09 Umicore AG & Co. KG Verfahren zur herstellung von alkylindium-verbindungen und deren verwendung

Also Published As

Publication number Publication date
RU2016110113A3 (ja) 2018-11-23
US9540401B2 (en) 2017-01-10
TW201507996A (zh) 2015-03-01
CN105473599A (zh) 2016-04-06
JP2016532699A (ja) 2016-10-20
KR102317590B1 (ko) 2021-10-27
RU2016110113A (ru) 2018-11-23
KR20160045787A (ko) 2016-04-27
CN105473599B (zh) 2018-08-28
US20160207941A1 (en) 2016-07-21
EP3036242A1 (de) 2016-06-29
EP3036242B1 (de) 2019-04-17
WO2015024893A1 (de) 2015-02-26
TWI638803B (zh) 2018-10-21
KR20210046854A (ko) 2021-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7038781B2 (ja) アルキルインジウム化合物の製造方法及びその使用
JP6890649B2 (ja) トリアルキルガリウム化合物の調製及びその使用
JP6541657B2 (ja) アルキルインジウム化合物の製造方法及びその使用
EP3256478B1 (en) Process for preparing alkyl-indium compounds and the use thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170804

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180723

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190325

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190513

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190611

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6541657

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250