JP6539845B2 - 自走型走行装置、管理装置、及び歩行障害箇所判定システム - Google Patents

自走型走行装置、管理装置、及び歩行障害箇所判定システム Download PDF

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Description

本発明は、自走型走行装置、管理装置、及び歩行障害箇所判定システムに関する。
人間にとって住宅は生活の基盤であり、その住宅の平均購入年齢は30歳代であることが知られている。しかし、若い頃に購入した住宅は、年を重ねるに連れて、又は家族構成の変化に連れて、次第に住みにくくなっていく可能性がある。例えば、購入時には問題のなかった玄関、敷居の段差や階段の傾斜等は、居住者が高齢になるに連れて、転倒等の危険が高まっていく。このことは、個人の住宅だけでなく、過去に建てられた介護施設、老人ホーム等であっても、スタッフが常時監視できるとは限られないため同様である。
現在、高齢者(シニア)には、3つのタイプがあると言われており、元気で現役世代と同様に活動的な高齢者(アクティブシニアと呼ばれる)と、要介護状態の高齢者と、元気な状態と要介護状態の狭間にいる高齢者(ギャップシニアとも呼ばれ、要介護状態となる恐れがある「要支援状態」の高齢者を含む)とに分けられる。このうち、ギャップシニアは、全高齢者の4割、推計1000万人を超えると見られている。特にギャップシニアの健康状態悪化の原因は、転倒によるものが最も多く、転倒は、例えば平成18年から平成23年の5年間、緊急搬送された30万人余の高齢者の病院への搬送理由の79%を占めている。
したがって、居住者、特にギャップシニア等にとって、住宅内若しくは介護施設や老人ホーム等内で、躓いたり、滑ったり、体がぶつかったりして、転倒の危険がある箇所、又は「ひやり」とする箇所、又は現在はさほど問題はなくとも、将来はその危険性が生じる可能性のある箇所(以降、「ひやりポイント」又は「歩行障害箇所」と呼ぶ)を常に把握しておくことが必要であり、その箇所について事前に対策を施しておくことが望ましい。理想的には、現在住んでいる住宅若しくは利用している施設をバリアフリーにリフォームすることが考えられるが、全面的なリフォームは、多額なコストを要する。
一方、高齢者の暮らしを支援する公的機関、又はリフォームを顧客に提案する不動産会社等では、居住者が現在住んでいる住宅等の、特に高齢者等が歩行中に障害となる可能性のある場所(歩行障害箇所)を調査し、居住者等に危険度を伝える必要がある。しかしながら、居住者宅や施設を1件、1件調査するには多くの時間とコストを要する。
ところで、昨今、室内を隈なく走行することが可能な自動走行ロボットや自動掃除ロボットが知られるようになった。例えば、特許文献1には、走行車輪を備えた移動本体に、移動本体前方の床面と移動本体との距離を測定する距離センサを設け、同距離センサで測定した前方床面と移動本体との距離と、予め設定された床面と移動本体との距離とを比較して前方床面の段差を検出する検出手段を備えた自律移動ロボットの技術が開示されている。この自律移動ロボットは、移動本体に移動量測定手段を設け、前方床面との測定距離と設定距離との偏差が継続して基準量を超えた場合に、移動量測定手段によって同基準量を超えた後の移動距離を測定し、当該移動距離が基準移動量を超えた時に走行不能と判定して移動本体を停止させる。
特許文献1に開示された技術を適用すれば、自動走行ロボットは、走行経路の前方に段差や斜面を検知した場合に、その段差の高さ、幅、または傾斜を認識することにより、低い段差や、狭い幅の溝であれば走行することが可能である。
特開2006−146376号公報
上記のような自動走行ロボットの技術を用い、段差等の歩行障害箇所を自動検知し、住宅の住人やその見守り者、施設の利用者やその管理者等に通知して、住人や利用者の歩行環境を将来に渡って継続的に把握させる仕組みを提供すれば、住宅や施設内の歩行時の安全性を高めることができ、また、上記した調査に要する時間とコストの問題も大幅に軽減できる可能性がある。
したがって、本発明では、上記のような課題に鑑み、ギャップシニア等の生活を支えるサービスの一環として、住居内の段差や傾斜等の歩行障害箇所を自動検知し、居住者等に通知して住居内の歩行環境を把握させることのできる自走型走行装置、管理装置、及び歩行障害箇所判定システムを提供することを目的とする。なお、本明細書では、住宅若しくは介護施設・老人ホーム等の施設をまとめて「住居」と呼ぶことにし、住宅の住人若しくは施設の利用者をまとめて「居住者」と呼ぶことにする。
上記課題を解決するため、本発明の自走型走行装置、管理装置、及び歩行障害箇所判定システムは、以下のような解決手段を提供する。
室内を自動走行する自走型走行装置であって、前記室内の間取図データを取得又は生成する手段と、前記室内における歩行障害となる可能性のある障害物を検知する障害物検知手段と、自動走行中における周囲の画像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された撮像画像と前記障害物検知手段により検知された前記障害物の情報を日時情報と位置情報と共に記録する障害物情報記憶手段と、居住者の動線を取得する動線取得手段と、を備え、前記障害物検知手段は、前記取得した動線の周囲を中心に前記歩行障害となる可能性のある障害物を検知することを特徴とする。
また、前記動線取得手段は、一定期間の間、前記居住者の移動ルートを追跡して、前記居住者の動線を検出することを特徴とする。
また、前記室内の間取図に前記障害物の位置を重ねた画像を生成する画像生成手段をさらに備えることを特徴とする。
前記障害物検知手段は、空中障害物判定手段を含み、前記空中障害物判定手段は、走行中に取得した物体の画像から所定の高さの範囲に位置する物体を空中障害物として判定することを特徴とする。
また、前記障害物検知手段は、接触検知センサを含み、走行中に前記接触検知センサによって前記空中障害物を検知することを特徴とする。
また、前記障害物検知手段は、前記室内の同じ場所を複数回にわたって異なる動きで探索することを特徴とする。
また、前記自走型走行装置は、音声対話手段を備え、前記障害物検知手段が新しい障害物を発見したときは、居住者又は見守者に音声で通知することを特徴とする。
また、前記障害物検知手段は、障害物判定手段を含み、前記障害物判定手段は、前記音声対話手段から前記居住者の特性情報を取得し、前記特性情報に基づいて、前記障害物判定手段の判定基準を設定することを特徴とする。
また、前記室内の壁面に、前記画像生成手段が生成した前記室内の間取図に前記障害物の位置を重ねた画像を投影する画像投影手段をさらに備えることを特徴とする。
また、前記自走型走行装置は、前記障害物情報記憶手段が記憶した障害物の情報を居住者又は見守者に確認させる障害物確認手段を有し、前記確認の結果、問題がないとされる障害物の情報は前記障害物情報記憶手段から削除することを特徴とする。
本発明の別の態様では、室内を自動走行する自走型走行装置とネットワークで接続され、前記室内における歩行障害箇所を通知する管理装置であって、前記自走型走行装置により生成された前記室内の間取図データと、前記室内の居住者の動線情報と、前記室内における歩行障害となる可能性のある障害物情報とを取得し、少なくとも前記歩行障害となる可能性がある箇所の通行頻度、及びその種類を情報として含む歩行障害箇所確認テーブルを生成する確認テーブル生成手段と、前記歩行障害箇所確認テーブルに設定された情報を所定の端末に送信する手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の別の態様では、室内を自動走行する自走型走行装置と、前記自走型走行装置と無線で通信を行い、前記室内における歩行障害箇所を通知する管理装置とを備える歩行障害箇所判定システムであって、前記自走型走行装置は、前記室内における歩行障害となる可能性のある障害物を検知する障害物検知手段と、自動走行中における周囲の画像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された撮像画像と前記障害物検知手段により検知された前記障害物の情報を日時情報と位置情報と共に収集する障害物情報収集手段と、前記室内の居住者の動線を取得する動線取得手段と、を備え、前記管理装置は、前記自走型走行装置により生成された前記室内の間取図データと、前記居住者の動線情報と、前記歩行障害となる可能性のある障害物情報とを通信により取得し、少なくとも前記歩行障害となる可能性がある箇所の通行頻度、及びその種類を情報として含む歩行障害箇所確認テーブルを生成する確認テーブル生成手段と、前記歩行障害箇所確認テーブルに設定された情報を送信する手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、住居内の段差や傾斜等の歩行障害箇所を自動検知し、居住者等に通知して住居内の歩行環境を把握させることのできる自走型走行装置、管理装置、及び歩行障害箇所判定システムを提供することができる。
本発明の実施の形態に係る歩行障害箇所判定システムのイメージ図である。 居住者の動線を取得する方法を説明するために引用した図である。 本発明の実施の形態に係る自走型走行装置の外観の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る自走型走行装置の外観の別の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る歩行障害箇所判定システムの構成を示す機能ブロック図である。 図5の歩行障害箇所情報DBに記憶されるデータ構造の一例を示す図である。 図5の確認テーブルDBに記憶されるデータ構造の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る自走型走行装置の処理動作を示すフローチャートである。 図8の動線を動線学習モードにより検知する手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る管理装置の処理動作を示すフローチャートである。 室内の歩行障害箇所確認テーブルの作成から公開に至る管理装置の処理動作を示すフローチャートである。 歩行障害箇所確認画面を表示する一例を示す図である。 平面間取図を表示する画面の一例を示す図である。 自走型走行装置の別構成の機能ブロックを示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、本実施形態と言う)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号または符号を付している。
図1は、本発明の実施の形態に係る歩行障害箇所判定システムのイメージ図である。以下では上記のシステムを「本システム」と呼ぶことにする。ここで、「歩行障害箇所」とは、室内の歩行を妨げる可能性がある箇所(例えば、段差、傾斜、滑りやすい床や階段、出っ張った家具等)を意味する。
本システムは、室内を自動走行する自走型走行装置と、自走型走行装置と無線で通信を行い、室内における歩行障害箇所を判定する管理装置とからなる。管理装置(管理サーバ)は、自走型走行装置と無線で通信し、自走型走行装置が検出する各種のデータを受信し、加工して、必要に応じて、その内容を居住者又は第三者に通知する。
図1は、介護施設や老人ホームに持ち込まれた自走型走行装置が住居内を動き回り、住居内に存在する様々な「ひやりポイント」を検知する様子のイメージ図を表している。また、図2は、居住者の動線を取得する方法を説明するために引用した図である。「ひやりポイント」とは、床面の段差や傾斜、急な階段や滑り易い床、暗がり、温度差が激しい場所又は温度が極端に低い場所、その他歩行障害となる可能性のある物体や環境を意味する。例えば、この図では、走行する自走型走行装置が、居住者の動線を検出し、検出した動線に沿って、住居内の「ひやりポイント」を探索している様子を示している。
まず、自走型走行装置は、住居内を移動する居住者の動線を取得する。まず、自走型走行装置は、室内を巡回し、室内の各部屋の形状(輪郭)を検出するとともに、自らの室内における位置の基準となる基準点を定める(以降、室内の形状と基準点を含めて室内情報と呼ぶ)。例えば、自走型走行装置の電源投入時のスタート位置を基準点として定めてもよいし、自走型走行装置のバッテリを充電する位置を基準点としてもよい。なお、住居の間取図が既にある場合は、部屋の形状の検出は行わずに、居住者又は第三者(例えば、施設の管理会社等)から間取図データを取得してもよい。このようにすることで、自走型走行装置が住居全体の形状を生成し、若しくは、図2(a)に示すような、住居全体の間取図を取得し、内蔵する記憶装置に格納し、また管理装置のデータベースに登録する。
そして、自走型走行装置は、自走型走行装置に内蔵されているセンサとカメラによって、一定期間の間、複数の居住者の移動ルートを追跡して、居住者の動線を学習し、その動線情報を管理装置に送信するモード(動線学習モード)を有する。その結果、図2(b)に示すように、管理装置のデータベースには、自走型走行装置が居住者の動線を検出した結果が、間取図(この例では多目的ホールと庭を示す)として登録される。例えば、ある居住者は、1日の生活の大半を多目的ホールのテレビ周辺からリビングテーブル周辺の行き来を中心に過ごしていることが多いとする。その場合、テレビの周辺からリビングテーブル周辺をその居住者の動線として登録し、その周辺を中心に歩行障害箇所の判定を行う。動線取得方法としては、上記の動線学習モードによる検出とは別に、居住者に直接入力してもらうこともできる。例えば、端末の画面に間取図を表示させ、移動ルートをマウスや指等でなぞって指定してもらうことで動線を取得するようにしてもよい。
自走型走行装置は、取得した動線(人間が入力した動線及び動線学習モードによって自動検出した動線を含む)の周囲を中心に住居内を巡回し、装置に内蔵されているセンサとカメラによって、各種データと画像を取得し、これらのデータと画像によって施設内、特に動線の周囲にある物体が歩行障害物となるか否かを判定する。障害物ではあっても人間の歩行には問題のない大きさ、位置にある物体は歩行障害物とは判定しない。ただし、歩行障害となる物体の大きさ、位置は、居住者により異なるため、パラメータとして設定変更を可能とする。例えば、杖をついた高齢者等は、少しの段差でも歩行障害となるため、歩行障害物と判定する。また、身長が高い居住者であれば、比較的高い箇所に設置している戸棚等も歩行障害物となる。また、歩行障害物判定のために、例えば、室内の照度、温度、段差、床の滑りやすさ(摩擦度)、床面障害物、空中障害物の有無等を判定する。そして、自走型走行装置は、検知した物体が歩行障害物の可能性があると判定すると、無線通信手段を用いて管理装置へ室内情報とともに判定した歩行障害物の位置とその関連情報を歩行障害箇所情報として送信する。このようにすることで、管理装置には、図2(b)に示すような、間取図情報に該当する居住者の動線情報と、歩行障害箇所情報(ひやりポイント(★の印))が登録される。動線は居住者ごとに異なるので、動線取得手段13は、居住者ごとに動線を取得し、それらをマージして、1つの動線を生成する機能(動線マージ手段)を備えてもよい。1つになった動線の周囲を中心に障害物を検知するとき、この歩行障害箇所はAさん用、この歩行障害箇所はBさん用、この歩行障害箇所はAさんとCさん用等とすれば効率的に障害物を検知することができる
自走型走行装置が検知した箇所の位置情報を含むデータは、管理装置に送信されて加工され、集積されて、いつでもその住居の間取図と共に表示可能である。このとき、間取図に障害物の位置を重ねて表示するが、障害物の詳細情報として、さらに写真等の画像を含めることが望ましい。あるいは間取図自体を、床面を含む360度のパノラマ写真から生成した立体平面図としてもよい。平面間取図であっても、特に、後述する空中障害物の詳細を表示するために、障害物の写真を複数の箇所から撮影した立体画像を含めることが望ましい。なお、管理装置は、自走型走行装置と共に住居内に持ち込んでもよいが、遠隔地に管理サーバとして設けてもよい。
ここで、本実施形態に係る自走型走行装置の外観について説明する。図3は、自走型走行装置の外観の一例を示す図である。図示するように、自走型走行装置1aは、四角形状のボディの下側に駆動手段50としてキャタピラが設けられ、ボディの前後左右方向に撮像手段17としてカメラを備え、ボディの上方には、同じく撮像手段17として空中障害物を撮像するために伸縮自在なカメラが備えられている。
空中障害物とは、自走型走行装置の上方にある物体で、自走型走行装置はその下を問題なく走行できるが、人間が歩行する際には障害物となる可能性が高い物体をいう。例えば、テーブルの天板、机やタンスの半開きの引出し、棚からはみ出した物品等が典型的な例である。それに対し、自走型走行装置自体の走行の障害となる物体を床面障害物ということにする。例えば、段差、階段、家具等が典型的な例である。
なお、ボディの下側のキャタピラの内側には、キャタピラの走行を補助するために(例えば、横方向の移動も可能とするために)球体形状の数個の補助車輪51を備えることが望ましい。また、ボディ前面側には、他の自走型走行装置や管理装置等と通信を行うためのアンテナ11aと、ボディの各面には各種センサ(図示せず)とを備える。自走型走行装置が互いに通信することが可能なので、複数の自走型走行装置を住居内に配置した場合、お互いの探索領域が重ならないように制御することも可能である。なお、走行機構としては、キャタピラに限らず、車輪駆動であってもよい。また、階段を昇り降り可能な機構であってもよい。
図4は、本実施形態に係る自走型走行装置の外観の別の一例を示す図である。図4(a)は、自走型走行装置の空中障害物の測定に適した形状である。図4(a)に示すように、自走型走行装置1bは、円筒形状のボディの下側に数個の車輪が設けられ、360°回転が容易に可能となっている。またボディの上部には、頭部が備えられ、頭部には、撮像手段17であるカメラが備えられている。頭部は、上下に伸縮可能であり、また360°回転可能な構造となっているため、また、頭部と首には、障害物との接触を検知する接触検知センサを内蔵しており、自走型走行装置の上方にある空中障害物の検出に適した構造となっている。
また、別の形態として、自走型走行装置1cをペット型の形状(例えば、猫型ロボット)とすることも可能である。例えば、図4(b)に示すように、撮像手段17を猫の目に形成し、しっぽをアンテナ11aとする。そして、キャタピラ又は車輪の代わりとして、4足歩行可能な駆動手段50を設けることによって、普段は居住者のペットとして、居住者に貸出し又は販売することも可能となる。ペット型ロボットは、居住者宅に長期間設置しても違和感がなく、ペットとして使用されていないときは、室内を巡回するようにプログラムされているので、「ひやりポイント」の判定を長期にわたって行うことができる。したがって、ストーブ、コタツ、扇風機といった季節によって出現する歩行障害物も検知して通知することができる。
図1、2の説明に戻る。管理装置は、室内情報及び歩行障害箇所情報を受信すると、それらの情報に基づいて、住居の間取図に歩行障害箇所を重ねた画像を生成する。なお、住居の間取図が既にある場合は、その間取図の情報と歩行障害箇所情報に基づいて、住居の間取図に歩行障害箇所を重ねた画像を生成する。
そして、管理装置は、自走型走行装置から取得した各種情報と、生成した画像情報から、居住者ごとの歩行障害箇所確認テーブルを生成する。具体的には、自走型走行装置により生成された室内の室内情報と、居住者ごとの動線情報と、室内における歩行障害となる可能性のある歩行障害箇所情報とを無線通信により取得する。そして、居住者ごとの動線情報を参照し、少なくとも歩行障害となる可能性がある箇所の通行頻度、及びその種類(後述する歩行障害分類)を含む歩行障害箇所確認テーブルを生成する。
生成した歩行障害箇所確認テーブルは、居住者又は第三者(施設を認可する公的機関や建物を管理・運営する管理会社等)からの閲覧要求に応じて、あるいは定期的に歩行障害箇所確認テーブルに設定された各種情報を上記第三者の所定の端末に送信する。端末に送信する代わりに、紙ベースで印刷して通知してもよいし、閲覧要求者が所持する専用端末等の画面に表示させてもよい。
このようにして、室内の「ひやりポイント」を特定し、公的機関等に、人間が調査に出向くことなく、自動的に通知することが可能となり、住居の危険箇所の把握やリフォームの提案に役立てることが可能になる。また、本システムを居住者等が利用することにより、「ひやりポイント」を事前に把握することができ、事故発生頻度が減少するため安全性を高めることができる。なお、「ひやりポイント」は、同じ建物であっても、居住者の状態、時期(季節、経年変化)、天候、室内の家具や物の置き方等によっても変化するものであるから、継続的に測定することが望ましい。なお、建物の階ごとに自走型走行装置を設置してもよく、例えば、駆動手段50であるキャタピラ又は車輪に階段を登り降りする機構を備え、1台で各階の歩行障害箇所を自動検知するようにしてもよい。
(歩行障害箇所判定システムの構成)
図5は、本実施形態に係る歩行障害箇所判定システムの構成を示す機能ブロック図である。図5に示すように本システムは、既に説明したように、室内を自動走行する自走型走行装置10と、自走型走行装置10とネットワークで接続され、室内における歩行障害箇所情報を通知する管理装置30を備える。
(自走型走行装置の構成)
自走型走行装置10は、一構成例として、通信手段(送信手段)11と、位置検出手段12と、動線取得手段13と、障害物情報記憶手段14と、障害物判定手段15と、自動走行手段16と、撮像手段17と、センサ群18と、障害物情報収集手段19と、充電式バッテリ20と、から構成される。ここでは、障害物判定手段15とセンサ群18をまとめて障害物検知手段21と呼ぶ。
通信手段11は、管理装置30と通信を行う際の通信インタフェースとなる。また、通信手段11は、障害物情報収集手段19が収集した撮影画像と走行状態情報を管理装置30に無線送信する。以下の説明では、センサ群18で検知された情報を総称して「走行状態情報」ということにする。
位置検出手段12は、自らの室内における位置情報を検出する。位置検出手段12として、屋内GPS等の公知の屋内測位技術を用いることとし、ここでは詳細な説明を省略する。また、自走型走行装置10は、室内を走行し、部屋の形状を検出し、自走型走行装置10の施設内での位置情報の基準点を定める。
動線取得手段13は、室内の居住者の動線を前述した動線学習モードによって検出することができる。具体的には、動線取得手段13は、位置検出手段12から室内情報を受信し、一定期間の間、自走型走行装置に内蔵されているセンサ(センサ群18)とカメラ(撮像手段17)によって、居住者の移動ルートを追跡して、室内における居住者の動線を検出する。
障害物情報記憶手段14は、撮像手段17により撮像された撮像画像と障害物検知手段21により検知された障害物の情報を日時情報と位置情報と共に記録する。日時情報と共に記録するのは、経時変化、あるいは季節により、障害物であるか否かを判定するための基準を変化させる必要があるためである。例えば、65歳のときには問題がなかった小さな障害物でも、75歳になったときには障害物となり得るひやりポイントがあるためである。また、冬場は日の陰りが早いため、夏場に照度の低い箇所を検知しなかったとしても、季節が変われば照度が低い箇所を再調査する必要が生じるためである。
障害物検知手段21は、自動走行中に周囲の情報を検知するセンサ群18と、センサ群18から得られる情報と走行中の撮像画像を元に障害物であるか否かを判定する障害物判定手段15を備える。また、障害物判定手段15は、室内における歩行障害となる可能性のある障害物を判定する。そのため、障害物判定手段15は、床面障害物判定手段15aと空中障害物判定手段15bを備えている。
床面障害物判定手段15aは、例えば、レーザ光や超音波を前後左右水平に照射し、物体からの反射光や超音波から物体までの距離、大きさを計測して、床面障害物かどうかを判定する。ここで、床面障害物とは、自走型走行装置10が、床面を移動する際の進行を阻害する所定の大きさ以上の物体又は物体の形状のことをいう。例えば、壁、段差、敷居、階段、家具、電化製品等である。実際に自走型走行装置をその物体に接触させて床面障害物と判定してもよい。また、進行方向の床面を探査し、室内の物体の画像を撮像し、所定の高さ(例えば30cm)を超えた位置にある物体を空中障害物と判定する。ただし、所定の高さを超えた位置にある物体であっても通常の人間の身長を超える高さに位置する物体は空中障害物とは判定しない。すなわち、所定の高さの範囲(例えば、30cm〜180cm)に位置する物体を空中障害物と判定し、所定の高さ未満にある物体は床面障害物と判定する。また、床面の摩擦度(摩擦係数)を測定することで床面の滑り易さを検知し、所定の値を超えた箇所を床面障害物と判定する。もちろん、進行方向の物体と接触した場合、接触検知センサが作動することにより床面障害物と判定してもよい。これらの床面障害物の検知及び判定のための技術は、公知の技術を最大限活用するものとし、ここではその詳細な説明は省略する。
空中障害物判定手段15bは、走行中に得た情報から、既に述べたように、所定の高さの範囲の位置にあり、かつ走行経路の上部近辺にある物体を、歩行障害箇所となる可能性がある空中障害物として判定する。具体的には、撮像手段17が撮像した室内の画像(撮像画像)及び/又は撮像した地点のセンサ群18から取得される物体までの距離、高さ、大きさ等の情報に基づいて、その物体が歩行障害となるか否かを判定する。すなわち、撮像画像を画像解析して、画像内の物体を抽出し、その物体自体又はその物体の突起物が人間の歩行する高さにないかどうかを判定する。例えば、自走型走行装置10が走行する経路の上方に家具の半開きの引き出しを検知した場合は、床面障害物としては判定されないが、空中障害物と判定する。また、テーブルの下を走行できる場合はテーブルの天板は床面障害物ではないが、天板の出張り具合によっては空中障害物と判定される可能性がある。このための画像中の物体の抽出・解析技術は、公知の技術を利用する。なお、床面障害物と空中障害物との判別は、床面からの高さとする。例えば、床面障害物は床面から30cm以下とし、それを超えた位置にある物体を空中障害物とし、設定によって変更が可能である。
自動走行手段16は、自走型走行装置10の駆動手段50として、電気で駆動するために必要な周知の構成(インバータ、モータ、ブレーキ等)を備え、自動走行制御を行う。また、障害物検知手段21によって検知された障害物を迂回し、又は乗り越えて、走行する。具体的には、障害物検知手段21によって段差を検知し、段差の高さに応じて迂回又は乗り越えて走行する。
撮像手段17は、自動走行中における周囲の画像を撮像するカメラである。撮像手段17(カメラ)は、レンズを含む光学系、CMOSセンサ等の撮像素子、レンズを通して撮像素子により光電変換された信号を増幅し、輝度調整、ホワイトバランスやγ補正等、色調整後の撮像画像を生成して障害物情報収集手段19へ出力する制御系を含む。また、撮像手段17は、空中障害物を撮影するために光学系を含むヘッド部分を上下方向に移動自在の機構部品も含む。
センサ群18は、走行中の室内の各種情報を検知し、障害物判定手段15に出力する。具体的には、センサ群18は、少なくとも、段差を検知する段差センサ41と、室内光の強度(照度)を検知する照度センサ42と、走行面(床面)とキャタピラ又は車輪との摩擦を測定する摩擦度センサ43と、障害物との接触を検知する接触検知センサ44と、自動走行時の環境温度(外気温)を検知する温度センサ45と、加速度を検知する2軸あるいは3軸の加速度センサ46と、電池残量を測定する電池センサ47と、装置の回転角度を検出するジャイロセンサ48と、を含む。
なお、段差センサ41は、障害物判定手段15が段差を判定するために、その段差(幅、高さ等)を測定するが、例えば、検知した段差にレーザ光を投射しながら角度スキャンを行い、その反射光を検出することで対象物までの距離を測定する制御系も含む。
また、摩擦度センサ43は、自動走行手段16による走行中のキャタピラの回転抵抗を検知して摩擦度(摩擦係数)を測定する。
障害物情報収集手段19は、撮像手段17により撮像された撮像画像とセンサ群18により検知された走行状態情報を収集する。なお、収集するタイミングは自走型走行装置10が障害物と判定するたびに行ってもよいが、一定の走行距離又は走行時間ごとに行ってもよい。
(管理装置の構成)
本実施形態に係る管理装置30は、典型的には、通信手段31と、画像処理手段32と、画像生成手段33と、確認テーブル生成手段34と、通知手段35と、表示手段36と、制御手段37と、歩行障害箇所情報DB100と、間取図DB200と、確認テーブルDB300とから構成される。
通信手段31は、自走型走行装置10及び管理装置30と無線通信を行う通信インタフェースとなる。自走型走行装置10同士の通信は、通常のWi−Fi(登録商標)を使って行ってもよいが、管理装置30が管理サーバとして遠隔地にある場合は、インターネット経由で通信する。
画像処理手段32は、自走型走行装置10の障害物判定手段15が行う床面障害物又は空中障害物判定のための画像処理を行う。すなわち、自走型走行装置10が撮像した室内の画像を取得し、公知の画像解析技術を使って画像解析して、画像内の物体を抽出する処理を行う。抽出した物体の情報は、障害物判定手段15に送られ、歩行障害物かどうかが判定される。なお、画像処理手段32は、自走型走行装置10の障害物判定手段15の内部に備えてもよい。
画像生成手段33は、画像処理して得られる歩行障害箇所と該当する室内情報に基づいて、床面障害物と空中障害物を間取図上に示した室内画像を生成する。なお、間取図DB200に、該当する室内の間取図が登録されている場合は、その間取図の情報を利用して、障害物の位置と組み合わせて、室内の画像を生成する。間取図がない場合は、自走型走行装置10が室内を隈なく走行することによって得られる走行経路の情報及び走行不能箇所の情報を集め、走行した全領域の輪郭を簡易間取図として生成するようにしてもよい。このとき、生成した簡易間取図は、室内の撮像画像を参考に、人間が修正してもよい。
確認テーブル生成手段34は、自走型走行装置10により生成された室内の間取図データと、室内の居住者の動線情報と、室内における歩行障害となる可能性のある障害物情報とを通信により取得する。そして、少なくとも歩行障害となる可能性がある箇所の通行頻度、及びその種類を情報として含む歩行障害箇所確認テーブルを生成し、確認テーブルDB300に保存する。
通知手段35は、外部からの閲覧要求に基づき、あるいは自発的に、確認テーブルDB300に設定された情報を所定のあて先に通知する。通知方法としては、前述したようにその情報を紙ベースで印刷してもよいし、居住者等が所持する端末等に送信してその画面に表示させてもよい。
表示手段36は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Organic Electro-Luminescence)等により構成され、画像生成手段33により生成された平面間取図又は360度のパノラマ写真から生成した立体平面図、さらには制御手段37により生成される情報を表示出力する。
制御手段37は、上記した各機能ブロックを制御する役割を担う。歩行障害箇所情報DB100のデータ構造の一例が図6に示されている。歩行障害箇所情報DB100は、制御手段37により生成される歩行障害箇所情報が格納されるデータベースであり、制御手段37は、自走型走行装置10の障害物情報収集手段19が収集し、通信手段11、通信手段31により送受信される走行状態情報に基づき歩行障害箇所情報を生成する。
図6にそのデータ構造の一例が示されているように、歩行障害箇所情報DB100は、少なくとも、住居ごとに採番される住居又は施設「No」、「住居/施設名」、「歩行障害箇所情報」のデータ項目を含む。データ項目「歩行障害箇所情報」には、各センサによって判定される歩行障害場所の基準点からの「座標位置」、「障害内容」(歩行障害箇所であると判定した事由)、歩行障害箇所の「測定値」が登録される。また、住居又は施設に居住している居住者ごとに採番される居住者「No」、「居住者名」、居住者の移動ルートが示された「動線」、居住者又は第三者が設定する歩行障害分類の「重み設定」が登録される。詳細は後述する。
図6によれば、No「00100」の採番が付された「○○老人ホーム」では、歩行障害箇所として判定された場所が6箇所ある。そのうち、平面座標位置x(120),y(180)は、照度が10luxに満たない比較的暗い場所であり、平面座標位置x(130),y(50)は、温度が8℃であり、比較的低温の場所であることを示す。また、平面座標位置x(140),y(170)には、5cmの段差があり、転倒の危険性がある場所であり、平面座標位置x(150),y(82)は、摩擦度が3であり、比較的滑りやすい場所であり注意が必要であることを示す。また、平面座標位置x(160),y(145)には、25cmの高さの障害物があって衝突又は転倒の可能性のある場所であり、また、平面座標位置x(170),y(103)には、高さ120cmの位置に空中障害物があり、人間が歩行の際にぶつかる危険性がある場所であることを示す。なお、座標位置zは1階をゼロ(基準)とし、2階や階段の途中では、検知位置の高さの値が入る。
間取図DB200は、予め用意された間取図又は管理装置30により生成される簡易間取図の情報が格納されている。通常、介護施設、老人ホーム、デイケアセンターや不動産賃貸等のアパート、マンション等であれば、間取図が存在するため、その情報を間取図DB200で保存する。間取図が存在しない、例えば、古いアパートや一戸建ての住宅の場合、上述したように自走型走行装置10が室内の輪郭を検出することで、簡易間取図として間取図DB200に保存される。
図7にそのデータ構造の一例が示されているように、確認テーブルDB300は、少なくとも、居住者ごとに採番され、歩行障害箇所情報DB100の「住居/施設名」と紐付けられている居住者「No」、歩行障害ごとに分類される「歩行障害分類」、歩行障害箇所の「座標位置」、「通行頻度」、「重要度」、検出された歩行障害の改善の有無「改善 未/済」、改善した場合の「日付」、歩行障害箇所の「画像データ」が登録される。なお、「通行頻度」は、動線取得手段13によって居住者の移動ルートを追跡することによって、算出される。また、「重要度」においては、居住者又は第三者によって、歩行障害分類に重み付けの設定を行い、設定した重み付けと、その歩行障害箇所の通行頻度に応じて重要度が算出される。なお、管理装置30が、予め居住者情報(例えば、身体情報、健康情報等)を取得して、歩行障害分類に重み付けを自動で設定してもよい。
図7(a)は、身体に歩行障害のない居住者、図7(b)は、身体に歩行障害がある居住者、図7(c)は、車イスを使用している居住者を例にしたものである。図7(a)によれば、No「00500」が採番された居住者の移動ルートには、歩行障害のおそれがある「段差」(2014/12/30更新)が、座標位置「x(100)、y(120)、z(0)」の位置に存在している。そして、その位置においては、居住者の通行頻度が「高」く、重要度も「高」と設定されている。該当する「段差」は、居住者によって「2015/1/15」に改善されているため、改善 未/済には、「済」が登録されている。
重要度は、居住者によって、大きく設定が変わるものである。例えば、図7(b)に示す歩行障害がある居住者においては、室内に「滑り易い」場所があると、歩行時に危険(転倒等)を伴う可能性が高いため、重要度は高くなる。また、図7(c)に示す車イスを使用している居住者であれば、室内に「空中障害物」が多く設置されていると、車イスでの移動の妨げになる恐れが高いため、重要度は高くなる。重要度の算出方法については、後述する。また、図示は省略するが、手すりが有るべきところにないと、歩行障害者にとっては、移動の妨げになることがある。逆に、狭い通路に手すりがあると、車イスの居住者にとっては移動の妨げになることがある。このように、同じ施設であっても居住者ごとに歩行障害となる箇所が異なることがあるので注意する必要がある。
上記の本システムの機能、及び構成は、あくまで一例であり、一つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて一つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶装置に格納されたコンピュータ・プログラムを読み出し、CPUにより実行されたコンピュータ・プログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インタフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベースは、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
図8は、本実施形態に係る自走型走行装置10の処理動作を示すフローチャートである。なお、以下に説明する処理は、必ずしもこのフローチャートで示した順で処理される必要はなく、各処理ブロックの入力データと出力データの関係が損なわれない限り、処理順序を変更してもよい。
図8に示すように、本実施形態に係る自走型走行装置10は、外部から起動命令を受信する(ステップS11)と、室内を自動走行することにより、室内の形状(室内情報)を測定する。(ステップS12)。具体的には、自走型走行装置10は、電源スイッチ、又は、管理装置30から起動命令を受信することによって起動する。そして、起動した自走型走行装置10は、自動走行手段16によって、室内を自動走行することができ、障害物を迂回し、又は、障害物によっては乗り越えて走行することができる。また、位置検出手段12を用いて、常時、走行経路の位置情報を取得する。なお、既に間取図情報が管理装置30に登録されている場合は、該当する間取図情報を管理装置30から受信するため、ステップS12の処理は省略される。また、自走型走行装置は、室内を走行し、部屋の形状(輪郭)を検出するとともに、自らの室内における位置の基準となる基準点を定める(以降、室内の形状と基準点を含めて室内情報と呼ぶ)。例えば、自走型走行装置の電源投入時のスタート位置を基準点として定めてもよいし、自走型走行装置のバッテリを充電する位置を基準点としてもよい。
続いて、障害物情報収集手段19は、位置検出手段12が取得する位置情報のうち、所定の位置を座標の基準点として決定する(ステップS13)。なお、基準点は、例えば、自走型走行装置10の電源投入時のスタート位置を基準点として定めてもよいし、自走型走行装置10のバッテリを充電する位置、あるいは室内の角(隅)等としてもよい。
そして、障害物情報収集手段19は、予め、動線取得手段13によって取得している該当する居住者の動線情報を管理装置30の歩行障害箇所情報DB100から取得する(ステップS14)。
ここで、室内における居住者の動線検出方法について、図9を用いて説明する。まず、居住者若しくは第三者(例えば、施設のスタッフ等)は、自走型走行装置10を起動し、追跡モードをON(動線学習モード)に設定する(ステップS141)。これを受けて、自走型走行装置10は、撮像手段17を起動し(ステップS142)、自動走行手段16及び各種センサ群18を起動して、室内を移動する複数の居住者の日常的な移動ルートを追跡して、それを動線として検出する(ステップS143)。
そして、予め設定した所定期間(例えば、数日間断続的に)の経過、若しくは、居住者等によって、手動で追跡モードOFFを検知した場合(ステップS144“YES”)、自走型走行装置10は、追跡モードがOFFに設定され(ステップS145)、各機能手段(撮像手段17、自動走行手段16及び各種センサ群18)は、起動を停止する。そして、障害物情報収集手段19は、取得した動線情報を管理装置30に送信する(ステップS146)。なお、居住者の移動ルートを追跡して、動線情報を取得する動線学習モードだけでなく、前述したように、居住者又は第三者から直接、動線情報を入力してもらってもよい。
図8の説明に戻る。室内情報を取得した自走型走行装置10の障害物判定手段15は、歩行障害箇所を判定するために、センサ群18の各センサ(段差センサ41,照度センサ42,摩擦度センサ43,接触検知センサ44,温度センサ45,加速度センサ46,電池センサ47、ジャイロセンサ48)を起動させる(ステップS15)。次に、走行中になんらかの障害物を発見し、障害物判定手段15がその障害物が「所定の高さ」以上の位置にある空中障害物であると判定した場合(ステップS16“YES”)、空中障害物の位置の高さに応じて、例えば、自走型走行装置10が図4(a)の形態の場合は、頭部を高さ方向に伸長する指示を送る。自走型走行装置10は、伸長指示を受信すると、撮像手段17の頭部を指示があった高さまで伸長する(ステップS18)。続いて、障害物判定手段15は、空中障害物の高さを測定し、判定した空中障害物の詳細情報を取得(例えば空中障害物の画像を撮像)して、障害物情報収集手段19に引き渡す(ステップS19)。なお、このときの判定に用いる「所定の高さ」は、設定によって変更が可能であり、例えば、30cm以下の位置にある物体は床面障害物として判定し、それを超える位置にある物体を空中障害物として判定するようにする。
また、障害物判定手段15が、障害物が空中障害物ではないと判定した場合(ステップS16“No”)、その障害物が床面障害物であるか否かを判定し、床面障害物であれば、その床面障害物の詳細情報を取得(例えば床面障害物の画像を撮像)して、障害物情報収集手段19に引き渡す(ステップS17)。
障害物情報収集手段19は、歩行障害箇所を一定個数(予め定められた範囲)取得すると(ステップS20“YES”)、都度、管理装置30へ収集した情報を通信手段11経由で無線送信する(ステップS21)。一方、障害物情報収集手段19は、歩行障害箇所及び室内情報を、一定個数取得していない場合(ステップS20“NO”)、ステップ15の処理に戻り、障害物判定手段15は、判定が終わっていない場所を走行し、歩行障害箇所を判定する。なお、障害物情報収集手段19は、歩行障害箇所を取得するごとに管理装置30へ情報を無線送信するようにしてもよい。また、自走型走行装置10の停止命令を受信するまで、S15の処理に戻り、歩行障害箇所を判定するために室内を走行する。したがって、自走型走行装置10は、外部から停止命令を受けずとも探索の終了条件を内部で判断し、動線を辿って歩行障害箇所探査をし、全ての動線上の探査終了をもって歩行障害箇所の探査終了とすることができる。
次に、本実施形態に係る管理装置30の処理動作について説明する。図10のフローチャートに示すように、管理装置30の制御手段37は、自走型走行装置10から室内情報、動線情報及び歩行障害箇所情報を受信すると(ステップS31)、歩行障害箇所情報を歩行障害箇所情報DB100に保存するとともに、室内情報を間取図DB200に保存し、更に、動線情報を確認テーブルDB300に保存して、画像処理手段32に対して画像処理指令を送る。続いて、画像処理指令を受信した画像処理手段32は、歩行障害箇所情報及び室内情報に基づく画像処理を行う(ステップS32)。
具体的には、画像生成手段33は、平面画像処理(平面間取図に障害物の位置を重ね、その位置にその障害物の画像を関連付ける処理)を行う場合(ステップS32“平面画像”)、歩行障害箇所情報及び室内情報を歩行障害箇所情報DB100及び間取図DB200から抽出し、二次元画像処理を行う(ステップS33)。なお、管理装置30の間取図DB200に間取図が登録されている住居については、間取図DB200からその情報を抽出し、歩行障害箇所情報に基づいて、平面画像処理を行う。
一方、画像生成手段33は、立体画像処理(立体間取図上の障害物の位置に、その障害物の画像を関連付ける処理)を行う場合(ステップS32“立体画像”)、歩行障害箇所情報DB100から撮像情報と障害物判定手段15から障害物までの距離情報を得ることにより立体画像処理を行う(ステップS34)。なお、1つの障害物に対して、平面画像処理と立体画像処理を併用してもよい。
次に画像生成手段33は、平面画像又は立体画像の画像処理を基に画像データを生成する(ステップS35)。
続いて、確認テーブル生成手段34は、歩行障害箇所情報DB100から取得した情報に基づいて、確認テーブルを生成する(ステップS36)。確認テーブルを生成するための処理方法については、図11のフローチャートを用いて説明する。
図11に示すように、確認テーブル生成手段34は、まず、障害物情報収集手段19によって収集した該当する住居の情報及び居住者情報(室内情報、居住者の動線情報、歩行障害箇所情報及びその判定日時)を歩行障害箇所情報DB100から取得する(ステップS361)。続いて、確認テーブル生成手段34は、歩行障害箇所情報DB100に登録されている歩行障害分類の重み設定と、動線情報からの通行頻度を抽出し(ステップS362)、その歩行障害箇所の重要度を算出する(ステップS363)。
重要度の設定方法として、例えば、通行頻度を3段階(高 中 小)に設定し、通行頻度(高)は5ポイント、通行頻度(中)は3ポイント、通行頻度(小)は、1ポイントと設定する。また、居住者は、各歩行障害分類の重み付けとして、5段階に設定し、段差を「3」、照度を「5」、滑りやすさを「2」と設定したとする。重要度においても3段階(高 中 小)に設定し、通行頻度とその重み付けの乗算の総合計が、重要度(高)は15ポイント以上、重要度(中)は5以上14ポイント以下、重要度(小)は、4ポイント以下と設定する。図7(a)に登録されている「段差」を例として計算すると、通行頻度が高く(5ポイント)、歩行障害分類の重み(3ポイント)であるため、5×3=15ポイントとなり、重要度は、「高」となる。
次に、確認テーブル生成手段34は、検出した歩行障害箇所の改善の有無を判定する(ステップS364)。歩行障害箇所の改善がされている場合(ステップS364“YES”)、確認テーブル生成手段34は、改善 未/済の項目に「済」をチェックし、その改善日を登録する(ステップS365)。一方、歩行障害箇所の改善がされていない場合(ステップS364“NO”)、確認テーブル生成手段34は、改善 未/済の項目に「未」をチェックする(ステップS366)。なお、改善の有無の判定は、例えば、自走型走行装置10が室内の歩行障害箇所を判定中に改善の有無を判定してもよいし、居住者若しくは第三者(例えば、施設の管理者等)が直接管理装置30に改善の有無を通知してもよい。そして、確認テーブル生成手段34は、取得した情報及び算出した情報を反映し、確認テーブルを生成する(ステップS367)。
図10の説明に戻る。管理装置30は、確認テーブル生成手段34により確認テーブル生成後、制御手段37が、通信手段31を介して居住者又は外部から確認テーブルの閲覧要求を受信すると(ステップS37”YES”)、通知手段35を起動する。これを受けて通知手段35は、確認テーブルDB300を参照し、確認テーブルとして設定された、居住者ごとの歩行障害分類、座標位置、通行頻度、重要度、改善 未/済、日付、画像データの、全て、あるいは一部項目の情報を、閲覧要求のあった居住者、又は公的機関等の第三者に通知(公開)する(ステップS38)。
例えば、閲覧要求のあった居住者の端末に送信して通知する場合、図12(a)の画面例に示すように、確認テーブルとして、住居又は施設名が表示され、確認テーブルに登録されている各項目と、その内容が表示される。そして、ユーザ(居住者又は公的機関若しくは管理会社のスタッフ等)が「動線情報表示」を押下することで、住居の各部屋を選択する画面に遷移する。例えば、多目的ホールにおける居住者の移動ルートを表示したい場合は、多目的ホールを選択することで、図12(b)の画面に遷移する。また、歩行障害分類ごとに登録されている画像データを押下、又は、図12(b)の★印箇所を押下することで、例えば、図12(c)のように、各歩行障害分類の詳細画面が表示される。
なお、図12(a)の画面上部に割り当てられて表示される「住居全体情報表示」ボタンを押下することで、自走型走行装置10が収集した歩行障害箇所が表示された住居の全体の間取図が表示される。例えば、図13に画面例に示すように、既存の間取図データが存在する場合、画面上に住居の平面間取図が表示され、この画面の右側の部分で、表示したい歩行障害箇所の項目を指定する。既に述べたように、既存の間取図データがない場合は、自走型走行装置10が室内を隈なく走行し、得られた走行経路及び走行不能箇所の情報を集めて簡易間取図を生成する。間取図の生成には、撮像した室内の画像を利用してもよい。図13の画面例では、段差位置と障害物の位置が指定されており、ここでは障害物として検知された段差は☆の印で示され、その他検知された障害物は★の印で示されている。また、家具等は網掛けで示されている。そして、☆又は★の印をマウス等でクリックすることによって、障害物の詳細情報が出力される。例えば、段差(敷居を含む)の☆の印をクリックすると、その段差の画像と高さが表示される。特に、符号60で示す★の印をクリックすると、図12(c)に示すように、テレビ台の空中障害物の画像が表示され、テレビ台の引出しが半開きになっていることが画像上で確認できる。このときの画像は、図13の「A」の位置から撮像したものである。したがって、居住者等は、このような画面を随時確認することで、住居環境における危険場所(「ひやりポイント」)を容易に把握できる。なお、図示していないが、床面障害物と空中障害物とを分けて間取図に表示することも可能である。
図14は、自走型走行装置の他の実施形態の機能ブロックを示す図である。本実施形態は、管理装置30の制御を介さずに、自走型走行装置10のみで、歩行障害箇所を自動検知し、居住者等に通知して住居内等の歩行環境を把握させるものである。
本実施形態における自走型走行装置60は、一構成例として、通信手段61と、位置検出手段62と、動線取得手段63と、障害物判定手段64と、自動走行手段65と、撮像手段66と、センサ群67と、障害物情報記憶手段68と、充電式バッテリ69と、間取図取得手段71と、間取図生成手段72と、音声対話手段73と、画像生成手段74と、障害物確認手段75と、画像投影手段76と、制御手段77と、を備える。また、障害物判定手段64とセンサ群67をまとめて障害物検知手段70と呼ぶ。
なお、通信手段61は、通信手段11と、位置検出手段62は、位置検出手段12と、動線取得手段63は、動線取得手段13と、自動走行手段65は、自動走行手段16と、撮像手段66は、撮像手段17と、センサ群67は、センサ群18と、充電式バッテリ69は、充電式バッテリ20と、障害物検知手段70は、障害物検知手段21と、図5の機能ブロック図と同様の機能であるため、説明は省略する。
間取図取得手段71は、居住者等が所持する携帯端末80から間取図データを取得して記憶する。ここで取得する間取図データは、ビットマップデータであってもよいし、ベクトルデータであってもよい。
間取図生成手段72は、間取図取得手段71に間取図データが存在しない場合、又は取得できる間取図データがどこにもない場合、該当する部屋全体を走行し、障害物にぶつかって走行不能となった位置を記憶し、かつ撮像手段66によって部屋全体の画像を撮像し、形状(輪郭)を収集して、簡易間取図を生成する機能を備える。
音声対話手段73は、マイクとスピーカが内蔵されており、障害物検知手段70が新しい障害物を発見したときは、適宜、居住者又は見守者に音声で通知する。また、障害物判定手段64における居住者の特性情報を取得するための音声対話を行う機能を提供する。
障害物判定手段64は、図5に示される障害物判定手段15の役割の他、音声対話手段73から居住者の特性情報を取得し、その特性情報に基づいて、判定基準を設定する。なお、特性情報とは、居住者の歩行に関係する身体情報(年齢、身長、体重、視力、聴力等で、要支援レベル、介護レベルの情報を含む)のことであり、例えば、高齢による視力の低下や足腰が弱い等の要支援レベル又は介護レベルに応じて障害物に対する判定基準を設定する。また例えば、時間帯や季節別の室内の照度状態の判定を行う場合、視力が低い居住者においては、照度設定を低くすることで、少しでも照度の低い室内場所においても歩行障害箇所と判定する。また、足腰が弱い居住者においては、段差を検知した場合、段差の高さがたとえ1cmであっても歩行障害箇所と判定する。また、居住者の身長に応じて、空中障害物と判定する高さの基準を変更する。なお、特性情報の取得方法として、例えば、音声対話手段73によって、質問形式で居住者等に問合せを行うようにしてもよい。または、携帯端末80に予め特性情報を入力しておき、自走型走行装置60に送信するようにしてもよい。
また、障害物判定手段64は、センサ等の検知手段の誤差も考慮し、同じ場所を複数回探索することが好ましい。このとき自走型走行装置60は、複数回の探索においては各回で異なる動きで探索するようにする。例えば、1回目は室内を縦方向で探索した場合、2回目は横方向で探索し、1回目は室内を右回りで探索した場合、2回目は左回りで探索するなど、探索の際の装置の動きを変化させる。また、同じ場所を複数回探索することによって、所定回数以上「ひやりポイント」と判定した箇所を「要注意ポイント」とし、所定回数未満「ひやりポイント」と判定された箇所は「注意ポイント」等として、「ひやりポイント」に危険度の軽重を付けてもよい。
障害物情報記憶手段68は、図5に示される障害物情報記憶手段14の役割の他、後述の障害物確認手段75によって、障害物の情報と共に記録された日時情報に基づいて、新しく発見した箇所についてのみ居住者等にその箇所を確認させ、あるいは、前回の探索後一定時間経過後には再探索を自動的に開始するようにしてもよい。
画像生成手段74は、室内の間取図に障害物の位置を重ねた画像を生成する。具体的には、間取図取得手段71又は間取図生成手段72から取得した室内情報に基づいて、床面障害物と空中障害物を間取図上に示した室内画像を生成する。なお、ここで扱うことができる間取図は、2次元の平面間取図だけでなく、パノラマ写真から生成した3次元の立体間取図であってもよい。
障害物確認手段75は、障害物情報記憶手段68が記憶した障害物の情報(「ひやりポイント」)を居住者等に確認させ、確認の結果、問題がないとされる障害物の情報は障害物情報記憶手段68から削除する。確認方法として具体的には、画像投影手段76から壁面等に投影される障害物の情報画像から確認させる方法、又は通信手段61を介して、居住者等が所持する携帯端末80に障害物の情報画像を送信して、居住者等に確認させる方法、又は生成した室内の間取図データと、室内における歩行障害となる可能性のある障害物情報とを外部システムに提供し、少なくとも歩行障害となる可能性がある箇所の通行頻度、及びその種類を情報として含む歩行障害箇所が登録されている確認テーブルを外部システムから取得し、外部からの閲覧要求に基づき、あるいは定期的に、確認テーブルの内容を通知する方法がある。ただし、障害物の情報の削除に関しては、現在は問題なくとも将来再び障害物となる可能性もあるため、少なくともその削除履歴は残すようにすることが望ましい。
「ひやりポイント」を確認させる方法には、上記のように画像を壁面等に投影する方法や画像を携帯端末80に送信する方法だけでなく、音声で通知する方法を用いてもよい。例えば、発見した「ひやりポイント」に居住者が実際に近づいた場合、自走型走行装置が追随し、注意喚起の音声を発するようにしたり、装置が居住者等と一緒に室内を巡回し、発見した「ひやりポイント」を、その場で一つ一つ確認させるようにしたりしてもよい。このとき居住者等からの確認の意思表示は、音声で行ってもよいし、装置に対して所定の操作をすることで行ってもよい。このようにすることで、新たに発見した「ひやりポイント」を確実に居住者等に確認させることができる。発見した「ひやりポイント」が本当に危険個所であるかどうかは、居住者個人によって異なり、時間と共に変化するからである。このことは、個人の住宅だけでなく、老人ホームのような共同住宅においては特に重要である。
画像投影手段76は、例えば、プロジェクタであり、室内の壁面に、画像生成手段74が生成した室内の間取図に障害物の位置を重ねた画像を投影する。このことにより居住者等は、壁面に投影された大きな間取図を見ながら障害物の位置やその詳細情報を確認することができる。制御手段77は、上記した各機能ブロック61から76を制御する役割を担う。
(実施形態の効果)
以上の説明のように本システムによれば、自走型走行装置を用い、居住空間を走行させることで、段差等、歩行障害箇所を自動検知し、管理装置が、画像処理して、居住者、あるいは家族に危険場所を通知して歩行環境を把握させて対処させる仕組みを構築することができ、安全性の向上はもとより、そのためにかける時間とコストを削減した歩行障害箇所判定システムを提供することができる。本システムでは定期・不定期に繰り返し探査することで新たな転倒危険個所をいち早く居住者に認識させることができるが、繰り返し探査をするためには、家中をくまなく探査するより効率的な探査が必要である。そのため本システムでは、動線取得手段を備えたことにより、居住者の動線を取得した後に動線を辿って探査することで効率的な探査が可能となる。
また、自走型走行装置は、居住者ごとの動線を検出し、その検出した動線の周囲を中心に室内における歩行障害となる可能性のある障害物を検知することで検知時間の短縮が可能となる。
また、管理装置が、室内の間取図に歩行障害箇所を重ねた画像を生成する。このようにすることで、歩行障害箇所をビジュアルに表示することができる。
また、管理装置が、居住者ごとに歩行障害箇所の確認テーブルを生成する。このようにすることで、居住者又は第三者は、その情報を閲覧することで、歩行障害箇所を把握し、早期の改善につなげることができる。
また、自走型走行装置は、走行中に取得した物体の画像から立体的な歩行障害箇所(空中障害物)を検知することで、例えば、平面視では確認がとれない空中障害物の検出が可能となる。
また、自走型走行装置は、接触検知センサを含み、走行中に撮像手段又は接触検知センサによって、自走型走行装置が床面を走行しただけでは検知できないような高い位置にある物体を空中障害物として検知することができる。撮像手段が上下に伸縮可能であれば、高い位置から物体を撮像できるので、空中障害物の判定がよりやり易くなる。
また、自走型走行装置は、障害物を検知する際、同じ場所を複数回異なる動きで探索することで検知精度をあげることができる。また、複数回の探索により、同じ場所で障害物を検知した回数に応じて、その場所の危険度に軽重をつけることもできる。
また、自走型走行装置は、音声対話手段を備え、障害物検知手段が新しい障害物を発見したときは、居住者等に音声で通知することができる。このようにすることで、居住者等は、明確に障害物の位置が把握できる。
また、自走型走行装置は、障害物判定手段を含み、障害物判定手段は、音声対話手段から居住者の特性情報を取得し、特性情報に基づいて、障害物判定手段の判定基準を設定することができる。このようにすることで、居住者の特性情報に応じて、障害物を判定することが可能になる。
また、自走型走行装置は、画像投影手段(プロジェクタ)を備え、画像生成手段が生成した室内の間取図に障害物の位置を重ねた画像を投影することができる。このようにすることで、居住者等は、障害物の位置を把握でき易くなる。
また、自走型走行装置は、障害物情報記憶手段が記憶した障害物の情報を居住者等に確認させる障害物確認手段を有し、確認の結果、問題がないとされる障害物の情報は障害物情報記憶手段から削除することができる。
また、本システムは、自走型走行装置を室内用を主に想定して説明したが、屋外用にも応用が可能である。例えば、自走型走行装置10を、敷地内において、門から玄関までのアプローチ、庭、駐車場等を走行させることにより、放置物、樹木の枝の伸び過ぎ、水回り、池等の障害物となる可能性のある物を自動で検知して、住居の敷地内全体を管理装置30側で管理し、障害物等を表示することが可能である。また、個人の住宅や介護施設に限らず、学校、幼稚園、保育園、障害者施設、工事現場等においても応用が可能である。さらには、屋外型の自走型走行装置を街中を巡回させて、歩道の段差等を調査する街中危険個所調査システムとしても応用が可能である。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 自走型走行装置
11 通信手段
11a アンテナ
12 位置検出手段
13 動線取得手段
14 障害物情報記憶手段
15 障害物判定手段
15a 床面障害物判定手段
15b 空中障害物判定手段
16 自動走行手段
17 撮像手段
18 センサ群
19 障害物情報収集手段
20 充電式バッテリ
21 障害物検知手段
30 管理装置
31 通信手段
32 画像処理手段
33 画像生成手段
34 確認テーブル生成手段
35 通知手段
36 表示手段
37 制御手段
41 段差センサ
42 照度センサ
43 摩擦度センサ
44 接触検知センサ
45 温度センサ
46 加速度センサ
47 電池センサ
48 ジャイロセンサ
50 駆動手段
51 補助車輪
60 自走型走行装置
61 通信手段
62 位置検出手段
63 動線取得手段
64 障害物判定手段
64a 床面障害物判定手段
64b 空中障害物判定手段
65 自動走行手段
66 撮像手段
67 センサ群
68 障害物情報記憶手段
69 充電式バッテリ
70 障害物検知手段
71 間取図取得手段
72 間取図生成手段
73 音声対話手段
74 画像生成手段
75 障害物確認手段
76 画像投影手段
77 制御手段
100 歩行障害箇所情報DB
200 間取図DB
300 確認テーブルDB

Claims (12)

  1. 室内を自動走行する自走型走行装置であって、
    前記室内における人の歩行障害となる可能性のある障害物を検知する障害物検知手段と、
    自動走行中における周囲の画像を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段により撮像された撮像画像と前記障害物検知手段により検知された前記障害物の情報を日時情報と位置情報と共に記録する障害物情報記憶手段と、
    居住者ごとの動線を取得する動線取得手段と、を備え、
    前記障害物検知手段は、前記取得した居住者ごとの動線の周囲を中心に居住者ごとの前記歩行障害となる可能性のある障害物を検知すること
    を特徴とする自走型走行装置。
  2. 前記動線取得手段は、一定期間の間、居住者ごとの移動ルートを追跡して、居住者ごとの前記動線を検出することを特徴とする請求項1に記載の自走型走行装置。
  3. 前記室内の間取図データを取得又は生成する手段を備え、前記室内の間取図に前記障害物の位置を重ねた画像を生成する画像生成手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の自走型走行装置。
  4. 前記障害物検知手段は、空中障害物判定手段を含み、前記空中障害物判定手段は、走行中に取得した物体の画像から所定の高さの範囲に位置する物体を空中障害物として判定することを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載の自走型走行装置。
  5. 前記障害物検知手段は、接触検知センサを含み、走行中に前記接触検知センサによって前記空中障害物を検知することを特徴とする請求項4に記載の自走型走行装置。
  6. 前記障害物検知手段は、前記室内の同じ場所を複数回にわたって異なる動きで探索することを特徴とする請求項1から5までのいずれか一項に記載の自走型走行装置。
  7. 前記自走型走行装置は、音声対話手段を備え、前記障害物検知手段が新しい障害物を発見したときは、居住者又は見守者に音声で通知することを特徴とする請求項1から6までのいずれか一項に記載の自走型走行装置。
  8. 室内を自動走行する自走型走行装置であって、
    前記室内における歩行障害となる可能性のある障害物を検知する障害物検知手段と、
    自動走行中における周囲の画像を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段により撮像された撮像画像と前記障害物検知手段により検知された前記障害物の情報を日時情報と位置情報と共に記録する障害物情報記憶手段と、
    居住者の動線を取得する動線取得手段と、を備え、
    前記障害物検知手段は、前記取得した動線の周囲を中心に前記歩行障害となる可能性のある障害物を検知し、
    前記障害物検知手段は、障害物判定手段を含み、前記障害物判定手段は、前記居住者の特性情報に基づいて、前記障害物判定手段の判定基準を設定することを特徴とする自走型走行装置。
  9. 前記室内の壁面に、前記画像生成手段が生成した前記室内の間取図に前記障害物の位置を重ねた画像を投影する画像投影手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の自走型走行装置。
  10. 前記自走型走行装置は、前記障害物情報記憶手段が記憶した障害物の情報を居住者又は見守者に確認させる障害物確認手段を有し、前記確認の結果、問題がないとされる障害物の情報は前記障害物情報記憶手段から削除することを特徴とする請求項9に記載の自走型走行装置。
  11. 室内を自動走行する自走型走行装置とネットワークで接続され、前記室内における歩行障害箇所を通知する管理装置であって、
    前記自走型走行装置により生成された前記室内の間取図データと、前記室内の居住者ごとの動線情報と、前記室内における居住者ごとの歩行障害となる可能性のある障害物情報とを取得し、少なくとも前記歩行障害となる可能性がある箇所の通行頻度、及びその種類を情報として含む居住者ごとの歩行障害箇所確認テーブルを生成する確認テーブル生成手段と、
    前記歩行障害箇所確認テーブルに設定された情報を所定の端末に送信する手段と、
    を備えることを特徴とする管理装置。
  12. 室内を自動走行する自走型走行装置と、前記自走型走行装置と無線で通信を行い、前記室内における歩行障害箇所を通知する管理装置とを備える歩行障害箇所判定システムであって、
    前記自走型走行装置は、
    前記室内における人の歩行障害となる可能性のある障害物を検知する障害物検知手段と、
    自動走行中における周囲の画像を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段により撮像された撮像画像と前記障害物検知手段により検知された前記障害物の情報を日時情報と位置情報と共に収集する障害物情報収集手段と、
    前記室内の居住者ごとの動線を取得する動線取得手段と、
    を備え、
    前記管理装置は、
    前記自走型走行装置により生成された前記室内の間取図データと、前記居住者ごとの動線情報と、前記居住者ごとの前記歩行障害となる可能性のある障害物情報とを通信により取得し、少なくとも前記歩行障害となる可能性がある箇所の通行頻度、及びその種類を情報として含む前記居住者ごとの歩行障害箇所確認テーブルを生成する確認テーブル生成手段と、
    前記歩行障害箇所確認テーブルに設定された情報を送信する手段と、
    を備えることを特徴とする歩行障害箇所判定システム。
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