JP6539170B2 - 色域変換装置および色域変換方法 - Google Patents
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Description
広色域のRGB値に所定の3×3リニアマトリクスを掛けて狭色域RGB値に変換した後に、レンジ外値(例えば、8bitレベルで16以上や254以下の値)をレンジ端値にクリップする(例
えば、16や254に設定する)手法である。
しかし、この手法は知覚的な色空間における変換ではないため、変換後の映像の色相や明度の変化を伴い不自然な画像になる場合がある。
に変換し、色相を一定に保持しつつ彩度を下げて、狭色域の色空間内にマッピングする変換を行う(非特許文献1を参照)。
図13(a)は横軸を彩度C*、縦軸を明度L*とした場合、図13(b)は縦軸をa*
、横軸をb*とした場合を示す。CIELAB色空間モデルは知覚的に均等な色空間モデルとし
て知られているが、Rec.709色域外の一部の色相において色空間モデルで予測される色相
と実際に知覚される色相が一致しないという記載がなされている(非特許文献2)。
図14に表されている折れ線のマーカーは、各明度において同じ色相として知覚される色度点を示している。一方、原点から放射状に延びている直線はCIELAB色空間モデルで予測される等色相を示している。非特許文献2の結果では、色相196°における実際の知覚
特性が、CIELAB色空間モデルの等色相直線上から外れている。つまり、非特許文献1に示
された方法でRec.2020色域からRec.709色域への変換を行うと、変換後のシアンの領域色
の色相が変換前と異なって見えることになる。
b)はL*=75の場合である。
知覚特性が、CIELAB色空間モデルの等色相直線上から外れている。そのため、非特許文献1に示された方法でRec.2020色域からRec.709色域への変換を行うと、変換後の赤〜橙の
領域色の色相が変換前と異なって見えることになる。
広色域の色度点であって、狭色域の色度点ではない各色度点を、狭色域の対応する色度点に変換する色域変換装置において、
CIELAB色空間における色域変換前の狭色域外の任意の色度点をMorg、色域変換後の色度点をMmapとした場合に、これらMmapとMorgを結ぶ線の傾きmを下式(A1)または下式(A1´)により求める、傾き算出手段と、
前記変換前の色相角horgを下式(A3)で表される範囲とし、前記θの値を2horgとすることが好ましい。
前記変換前の色相角horgを下式(A4)で表される範囲とし、前記θの値をhorgとすることが好ましい。
前記変換前の色相角horgを下式(A5)で表される範囲とし、前記θの値を3horgとすることが好ましい。
また、前記広色域をスーパーハイビジョンの色域とし、前記狭色域をハイビジョンの色域とすることが一例として挙げられる。
広色域の色度点であって、狭色域の色度点ではない各色度点を、狭色域の対応する色度点に変換する場合に、
CIELAB色空間における色域変換前の狭色域外の任意の色度点をMorg、色域変換後の色度点をMmapとした場合に、これらMmapとMorgを結ぶ線の傾きmを下式(A6)または下式(A6´)により求め、
域の色度点Mmapの座標(a* map,b* map)を、上式(A6)を用いた場合は下式(A7)により求め、上式(A6´)を用いた場合は下式(A7´)により求めることを特徴とするものである。
色域変換後の色度点Mmapの色相角をhmapとする。
まず、MorgとMmapを結ぶ線の傾きmを式(A8),(A8´)のいずれかで補正する。
、Rec.709色域の該任意の色度点Mmapの色相角をhmapとする。
Rec.709色域外の色度点Morg(座標(a* org,b* org))からRec.709色域内の該任意の色度点Mmap(座標(a* map,b* map))への変換は、上式(A8)を用いた場合には、下式(A9)により、また、上式(A8´)を用いた場合には、下式(A9´)により行う。
的に彩度が大きく低下するという問題は、主に黄色(特にハイライト部)の色相領域で顕著であるから、本実施形態では、これらの領域について各々上述した式(A8)、(A8
´)、(A9)および(A9´)を用いた補正処理を行いつつ色域変換を行い、他の領域に
ついては、CIELAB色空間モデルが予測する等色相線に沿って色域変換を行うようにしている。
すなわち、この色域変換装置10は、SHV広色域の各色度点を、HV狭色域の色度点に変換するときに、この変換量を補正する機能を備えた装置であって、信号入力部11と、傾き算出手段12と、色域変換手段13と、信号出力部14とを備えている。
信号入力部11は、パソコン等から入力されたSHV用映像信号を傾き算出手段12に供給するものである。
の色度点をMorg、色域変換後の色度点をMmapとした場合に、これらMmapとMorgを結ぶ線の傾きmを、上式(A8)または上式(A8´)により求めるものである。
また、色域変換手段13は、傾き算出手段12で求めた前記m(または前記m-1)を
傾き補正量とし、変換した狭色域の色度点Mmapの座標(a* map,b* map)を、上式(A8)を用いた場合は下式(A9)により求め、上式(A8´)を用いた場合は下式(A9´)により求めるものである。
ここで、色域を変換するとは、具体的には、SHV広色域の各色度点の色度を、所定の変換式や所定の変換テーブルを用いてHV狭色域の色度点の色度に変換することを意味する。
まず、外部からのSHVの映像信号は、まず信号入力部11に入力され(S1)、次に、CIELAB色空間における色域変換前のRec.709色域外の任意の色度点をMorg、色域変
換後の色度点をMmapとした場合に、これらMmapとMorgを結ぶ線の傾きmを上式(A8)または上式(A8´)により求める(S2)。
た狭色域の色度点Mmapの座標(a* map,b* map)を、上式(A8)を用いた場合は上式(A9)により求め、上式(A8´)を用いた場合は上式(A9´)により求める(S3)。
この後、色度点の変換が行われた映像信号は、次段に出力される(S4)。
換を実施例3で、各々、具体的に説明する。
図14((a)はL*=25の場合、(b)はL*=50の場合、(c)はL*=75の
場合)に示す非特許文献2の結果によると、色相角h=196°の色相において、実際に知
覚される色相がCIELAB色空間モデルの等色相直線から外れている。これにより、色相角h=196°のHDTV色域外の色をCIELAB色空間モデルの等色相直線に従って変換した場合、変
換後の色は、変換前の色の色相角よりも、色相角が小さい色として知覚されることになる。
horgは色相を表す。原点と色度点MorgをL*=L* orgのa*−b*平面上で結んだCIELAB色空間モデルの等色相線の傾きmorgは、下式(A10)で表される。
アンの色CYmapに変換する場合、Rec.2020とRec.709のシアンの色相は、一部を除く
ほとんどの明度でそれぞれ190.3°、196.4°と一定の値となる。したがって、図3に示すように、明度55におけるRec.2020のシアンの色域の色度点(CYorg)は、Rec.709
のシアンの色域の色度点(CYmap)に変換される。
に図4の左下部において角張った形状に形成されている。
したがって、Rec.2020のシアン色(例えば、CYorg41)がRec.709のシアンより
も色相角の小さい色(例えば、変換点42)に変換される(矢印(b)で示すように変換さ
れる)と、変換点42はRec.709色域の底辺上に位置することになるので、変換後の色の
彩度(原点35からの距離が大きいほど、彩度が高い)が変換前に比べて大きく減少する。そこで、Rec.2020のシアンCYorg41がRec.709の色域の左側辺上のCYmap4
3の位置に変換されるように変更する(矢印(a)で示すように変換される)ことにより、
変換後の色の彩度が変換前に比べて大きく減少するのを阻止することができる。これにより、変換前後の色の彩度差が、明度により大きく変化することを阻止することができる。
量とし、変換した狭色域の色Mmapの座標(a* map,b* map)を、上式(A11)を用いた場合は下式(A12)により求め、上式(A11´)を用いた場合は下式(A12´)により求める。
、Morgを通る傾きmmapの知覚的等色相線とRec.709色域境界との交点の色Mma
p(色相角hmap)に変換される。
なお、図7、8、9に、L*が各々25,50,75のときのRec.709とRec.2020の色域境界と、シアンのマッピング軌跡を示す。
図15((a)はL*=50の場合、(b)はL*=75の場合)に示すように非特許文献2の結果によると、色相角h=32°、67°の両者において、実際に知覚される色相がCIELAB色空間モデルの等色相直線から外れている。このため、色相角h=32°、67°のHV色域外の色をCIELAB色空間モデルの等色相線に従って変換した場合、変換後の色は、変換前の色の色相角よりも色相角が大きい色として知覚されることになる。実際に同じ色相として知覚される等色相線(知覚的等色相線)は、CIELAB色空間モデルの等色相直線よりも傾きが大きい曲線で近似できる。この近似した知覚的等色相線に沿って色を変換することによって、変換前後の色の色相が同じように知覚される。
一致し、両直線の傾きの差は、色相角h=0°〜90°の間で最大となり、それらの間が滑
らかに変化するものであることが要求される。この条件を満足するように知覚的等色相線を関数で近似する。近似の一例を図5を用いて以下に説明する。
horgは色相を表す。原点と色度点MorgをL*=L* orgのa*−b*平面上で結んだCIELAB色空間モデルの等色相線の傾きmorgは、下式(A13)で表される。
量とし、変換した狭色域の色度点Mmapの座標(a* map,b* map)を、上式(A14)を用いた場合は下式(A15)により求め、上式(A14´)を用いた場合は下式(A15´)により求める。
相角horg)を通る傾きmmapの知覚的等色相線とRec.709の外形線(色域境界)と
の交点の色度点Mmap(色相角hmap)に変換される。
CIELAB色空間のa*-b* 平面において、一部を除くほとんどの明度でSHVの規格で
あるRec.2020の黄色(R信号値とG信号値を等しくしたときの色)の色相は98.9度となり、一方、HVの規格であるRec.709の黄色の色相は102.9度となる。
これらの色相の角度は、各々が一定した値となり、各々、この一定した値の色相の色で彩度が最も高くなる。
線上で移動させ、この直線とRec.709色域の外形線との交点を、Rec.709色域の対応する黄色の色度点に設定するとき、図6からも明らかなように、この直線とRec.709色域の外形
線との交点(変換点B(24))は、大略台形状または三角形状をなすRec.709色域の外
形線において右側辺の下方に位置し、彩度が大幅に低下することになる。
色相角をhorg、色域変換後の色度点Mmapの色相角をhmapとする。
から100に至るまでの間は、kの値を0から-9.137に直線的に変化させて、L*が100からピークの106.9に至るまでの間は、kの値を-9.137から0に直線的に変化させる。
これにより、図11に示すように、Rec.2020の色域の黄色の色度点21´(図6の変換点21に対応する)を、Rec.709の色域の黄色の色度点23´(図6の変換点23に対応
する)に変換した場合にも、彩度が著しく低下する状況を回避することができ、映像制作者の制作意図を良好に表現することが可能となる。
なお、ハイライト部の黄色のR値、G値は元々飽和気味で、そもそも正しく色相を再現することにあまり意味を持たず、実際の自然画で4度程度の色相の変化は問題にならない。
それらと係数を組み合わせたもの、さらにはこれらの項を互いに組み合わせた多項式も、上述した実施形態と同様の作用効果を奏するものは、これを本発明の変換式に含めるものとする。
11 信号入力部
12 傾き算出手段
13 色域変換手段
14 信号出力部
21 SHV黄色の色度点
23 変換点A
24 変換点B
25 原点
Claims (7)
- 広色域の色度点であって、狭色域の色度点ではない各色度点を、狭色域の対応する色度点に変換するときに、変換量を補正する機能を備えた色域変換装置において、
CIELAB色空間における色域変換前の狭色域外の任意の色度点をMorg、色域変換後の色度点をMmapとして、これらMmapとMorgを結ぶ線の傾きmを下式(C1)または下式(C1´)により求める、傾き算出手段と、
- 色相が赤から橙にかけての領域における変換量の補正を行う場合には、
前記変換前の色相角horgを下式(C3)で表される範囲とし、前記θの値を2horgに設定したことを特徴とする請求項1記載の色域変換装置。
0°<horg<90° (C3) - 色相が黄色の領域における変換量の補正を行う場合には、
前記変換前の色相角horgを下式(C4)で表される範囲とし、前記θの値をhorgに設定したことを特徴とする請求項1記載の色域変換装置。
0°<horg<180° (C4) - 色相がシアンの領域における変換量の補正を行う場合には、
前記変換前の色相角horgを下式(C5)で表される範囲とし、前記θの値を3horgに設定したことを特徴とする請求項1記載の色域変換装置。
180°<horg<240° (C5) - 明度に応じて、前記傾きmを調整することを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の色域変換装置。
- 前記広色域がスーパーハイビジョンの色域であり、前記狭色域がハイビジョンの色域であることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項記載の色域変換装置。
- 広色域の色度点であって、狭色域の色度点ではない各色度点を、狭色域の対応する色度点に変換する際に、色相に応じて変換量を補正する色域変換方法において、
CIELAB色空間における色域変換前の狭色域外の任意の色度点Morg、色域変換後の色
度点Mmapとして、これらMmapとMorgを結ぶ線の傾きmを下式(C6)または下式(C6´)により求め、
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