JP6538567B2 - 曇り防止作用及び/又は清浄作用を有する乾拭き布 - Google Patents

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Description

本発明は、界面活性剤化合物をマイクロファイバー布帛に含浸させて得られる乾拭き布(dry wipes)であって、表面を拭くだけで、前記界面活性剤を拭かれた表面に移すことにより、前記表面に防曇性を与えることができる乾拭き布に関する。こうした拭き布は、処理された表面に対する清浄作用も付与する。
数多くの支持体(プラスチック及びガラスなど)には、その表面の温度が周囲空気の露点より下になると、その支持体上に非常に小さな水滴が凝結して曇るという欠点がある。特に、運搬用車両又は建造物用のガラス、めがねレンズ、レンズ、鏡、カメラ光学部品などを作るのに用いられるガラスの場合がそうである。こうした表面に曇りが生じると、水滴による光の散乱のために透明性が低下することになり、それは、特に非常に良好な視界がどうしても必要な状況では、極めてやっかいなことになり得る。
非常に湿気の多い環境で曇りが生じるのを避けるために、曇りの発生を除去することが求められる支持体の外表面に、透明感をもたらす非常に薄い水の連続膜が形成されるように、水による外表面のぬれを促進することを可能にする水との静的接触角が小さい親水性ポリマーコーティングを付着させることが提案されてきた。
こうしたいわゆる永続的防曇コーティングは一般に、非常に親水性の化学種(スルホネート又はポリウレタンなど)からなる。「永続的防曇コーティング」という表現は、支持体に永続的に結合した親水性化合物によって防曇性が得られるコーティングであって、防曇効果を再生するために定期的に防曇剤で処理する必要がないコーティングを意味すると理解される。
そうした永続的防曇ガラスに相当する製品は一般に、厚さが数マイクロメートルの親水性層を含む。一方で、こうした製品の透明性は、そのような親水性層によって悪影響を受け、他方では、そのような厚いコーティングは、水を吸収するせいで、膨潤し、軟らかくなり、且つ機械抵抗性が小さくなる。更に、特に粉塵、手垢又は他の脂肪性物質による汚れのせいで、防曇性の低下が徐々に観察されるようになる。そのため、防曇性を回復させるため、処理された表面を比較的頻繁に清浄にする必要が生じてくる。
一時的な防曇性は、めがねレンズなどの支持体に、1種又は複数種の防曇剤(一般には界面活性剤)を含んでいる市販の水性又はアルコール性の親水性溶液(スプレー又は予め含浸された拭き布の形で入手できる)を施すことによっても得ることができる。これにより、処理対象の表面にスプレーするか又はそれを拭くだけで、防曇性を短期間得ることが可能になる。
こうした配合物は、外層として(疎水性の及び/又は疎油性の(oleophobic))防汚(anti−soiling)コーティングを含む基材に施すことができるが、こうしたことは、基材が反射防止コーティングを有するめがねレンズである場合、しばしば不可欠であるとみなされる。このように処理されためがねレンズは防曇性が乏しい。
こうした配合物は、より有利には、一時的防曇コーティングを形成させるために、防曇コーティングの前駆体である親水性コーティングを外層として含む基材の表面に施すことができる。
出願人名義の国際特許出願である国際公開第2011/080472号パンフレットは、表面にシラノール基を含むコーティングで被覆された基材と、そのコーティングと直接接触した、防曇コーティングの前駆体コーティングとを含むめがねレンズであって、前駆体コーティングが、
− 80個未満の炭素原子を含むポリオキシアルキレン基と、少なくとも1個の加水分解可能基を持っている少なくとも1個のケイ素原子とを有する少なくとも1種のオルガノシラン化合物をグラフト化することによって得られ、
− 厚さが一般に5nm以下であり、更に
− 水との静的接触角が10°より大きく且つ50°より小さい、
めがねレンズを記載している。
出願人名義の特許出願の国際公開第2013/013929号パンフレットは、界面活性剤組成物の膜を前駆体コーティングの表面に施すことによって得られる一時的防曇コーティングを記載しており、その界面活性剤組成物は、式F(CF−(CHCHO)−(CH−CHO)H(VIII)[式中、xは1〜14の様々な整数であり、yは10以下の整数である]に対応する少なくとも1種の界面活性剤を含み、y=6である式(VIII)の化合物が、組成物中に存在する式(VIII)の化合物の少なくとも90質量%に相当する。組成物は、液体の形で前駆体コーティングに直接施されるか、又は前記組成物を含む乾拭き布又は湿った拭き布で施される。
防曇用途のために界面活性剤溶液を含浸させた湿った拭き布を使用することは知られている。湿った拭き布の欠点は、その再使用が限られていること、また漏れない包装容器にそれらを保管しなければならないことである。
国際出願の国際公開第2005/108543号パンフレットは、再使用可能な乾燥した防曇拭き布(すなわち、乾いた感触であるもの)を記載しており、それは、10質量%〜35質量%の様々な液体界面活性剤を含浸させた布地表面を含む。布地は、合成繊維や天然繊維で作られていても、マイクロファイバーで作られていても良い。
特開2009/195648号公報の出願は、不織布であり、且つ
1)陽イオンフッ素化界面活性剤と非イオンフッ素化界面活性剤との混合物を含む溶液を含浸させ、
2)スプリット繊維及び非スプリット繊維(スプリット繊維は、好ましくはマイクロファイバーである)を含んでいる
乾燥防曇布地を記載している。
その防曇性に加えて、上記の界面活性剤組成物を含浸させたこの不織布の特別の布地は、表面にフッ素化疎水性物質を有するガラスに対してさらなる清浄作用を及ぼすものとして記載されている。特開2009/195648号公報の文献では、その含浸不織布地は、めがねレンズの表面に水滴が存在するとしても水滴を除去できることを示している。
この布地の性能は、向上させることができる。
本発明は、基材(一般には、透明基材又は反射基材)の防曇処理又は清浄の分野で知られている技術的問題の解決策を提供することを提案する。
したがって、本発明の1つの目的は、透明な表面又は反射表面(好ましくは光学物品、特にめがねレンズ)の曇りの発生を防ぐことのできる再使用可能な拭き布を提供することである。この拭き布は、経時的持続性の高い防曇性を付与しなければならず、その特性は、視界の低下を引き起こすことなく、速やかに(すなわち、物品表面にわずかな回数だけ防曇剤を施すことで)得られなければならない。
本発明の別の目的は、汚れ(特に、皮脂タイプの汚れ)を清浄にするための既存の拭き布と比較して、特性の改善された再使用可能な拭き布を提供することである。
親水性親油性バランス(HLB)が5以上である少なくとも1種の界面活性剤を含浸させた、親水性ポリマーのマイクロファイバーと親油性ポリマーのマイクロファイバーとを含んでいる、織られた又は編まれた(woven or knitted)マイクロファイバー布帛を含む乾拭き布であって、その拭き布が、i)ポリエステル単位とポリアミド単位とを含むポリマー又はポリマー混合物で作られたマイクロファイバーを含むマイクロファイバー布帛に、式F(CF−(CH−CHO)x+1H(VIII)[式中、xは1〜14の様々な整数であり、yは10以下の整数である]の少なくとも1種の界面活性剤を含む界面活性剤組成物(y=6である式(VIII)の化合物が、組成物中に存在する式(VIII)の化合物の少なくとも90質量%に相当する)を含浸させ、次いでii)そのマイクロファイバー布帛を乾燥させることによって得られる乾燥マイクロファイバー布帛を含まず、且つその拭き布が、i)ポリエステル単位とポリアミド単位とを含むポリマー又はポリマー混合物で作られたマイクロファイバーを含むマイクロファイバー布帛に、式F(CF−(CH−CHO)x+1H(VIII)[式中、xは2〜14の様々な整数であり、yは10以下の整数である]の少なくとも1種の界面活性剤を含む界面活性剤組成物であって、y=6である式(VIII)の化合物が、組成物中に存在する式(VIII)の化合物の少なくとも90質量%に相当する、界面活性剤組成物を含浸させ、次いでii)そのマイクロファイバー布帛を乾燥させることによって得られる乾燥マイクロファイバー布帛を含まないような乾拭き布によって、上記の2つの目的を別々に、又は一緒に達成し得る。
本発明を、添付の図面を参照しながらもっと詳しく説明するが、その図面では、図1〜3は、様々な親水性又は疎水性の表面に対する、本発明による拭き布(界面活性剤を含浸させたCemoi(商標)布帛からなる)の拭き取り性能を示している。
本発明による拭き布の拭き取り性能を示し、レンズAのヘーズに関してヒストグラムの形で示す。 本発明による拭き布の拭き取り性能を示し、レンズBのヘーズに関してヒストグラムの形で示す。 本発明による拭き布の拭き取り性能を示し、レンズCのヘーズに関してヒストグラムの形で示す。
本発明にしたがって拭き布に含浸させるのに用いられる界面活性剤は、親水性親油性バランス(HLB)が5以上であることが必要であり、それは、最適な防曇性の恩恵を受けられるように、好ましくは18以下、更に好ましくは16以下、更にいっそう好ましくは15以下である。「親水性親油性バランス(HLB)」という表現は当業者によく知られていて、界面活性剤の特徴的な量を表し、これは、界面活性剤の水溶解度が高いときに大きくなる。本出願では、親水性親油性バランスの理論(計算)値が考慮に入れられることになる。
非イオン界面活性剤の場合、W.C.Griffin著の刊行物であるJ.Soc.Cosm.Chem.1954(Vol.5),pages 249−256に定義された計算方法が使用されることになる。つまり、HLB=20×Mh/M[式中、Mhは分子の親水性部分の分子量であり、Mは分子の総分子量である]であり、これは0〜20の段階で結果を示す。Griffinの方法にしたがって計算したHLB値0は、完全な親油性/疎水性の分子に相当し、値20は完全な親水性/疎油性の分子に相当する。
陰イオン界面活性剤の場合、Davies,J.T.著の刊行物である“A Quantitative Kinetic Theory of Emulsion type.I.Physical Chemistry of the Emulsifying Agent.”Gas/Liquid and Liquid/Liquid Interfaces.Proceedings of the International Congress of Surface Activity(1957)426−438で定義されている計算方法が使用されるであろう。すなわち、HLB=7+m×Hh−n×Hl[式中、mは分子中の親水基の数を表し、Hhは親水基の値を表し、nは分子中の親油基の数を表し、Hlは親水基の値を表す]が使用されるであろう。
陽イオン界面活性剤については、Z.E.Proverbio,S.M.Bardavid,E.L.Arancibia,P.C.Schulz著の刊行物である“Hydrophile−lipophile balance and solubility parameter of cationic surfactants”Colloids and Surfaces A:Physicochem.Eng.Aspects 214(2003)167−171で定義されている方法が使用されるであろう。
本発明との関連においては、特に防曇剤の役割を果たし得る使用される界面活性剤は、陽イオン界面活性剤でも、陰イオン界面活性剤でも、非イオン界面活性剤でも、両性界面活性剤でもよいが、好ましくは非イオン界面活性剤である。
界面活性剤は、好ましくは液体界面活性剤であり、この用語は、大気圧のもとで融点が35℃未満である界面活性剤を意味する。
本発明の拭き布が一般に素手で扱われ、且つ/又は目の近くで扱われる(特に、めがねレンズの表面など光学的表面を処理することを意図している場合)ことを考えるなら、それは、あまりに顕著な蒸発現象(又は不快臭)がなく、拭き布にべとつき感を与えることもその外観を悪くすることもなく、処理表面に光学的又は外観上の欠陥を生じることがなく、更に毒性がないものであることが好ましい。
これは、好ましくは、ポリオキシアルキレン基(好ましくは6個を超えるオキシアルキレン単位を有する)を含み、更に好ましくは、ポリオキシエチレン基(理想として6個を超えるオキシエチレン単位を有する)を含む。
ポリエチレングリコールアルキルモノエーテル(A)は、好ましい界面活性剤の最初のカテゴリーに相当する。それらは、好ましくはフッ素化されていない。これらの中でも、好ましくは以下の式のものが使用されるであろう:
H(OCHCHOR (II)
[式中、Rは、直鎖又は分枝のアルキル基であり、これは任意選択で1つ又は複数の官能基で置換されていてもよく、更に1つ又は複数の二重結合を更に含んでいてもよく、nは1〜25、好ましくは2〜20、更に好ましくは2〜15、更にいっそう好ましくは4〜15の整数であり、理想的には8〜12である]。nは、特に、値2、4、5、10又は20の値を取り得る。1つの特定の実施形態によれば、nは6より大きい。別の特定の実施形態によれば、nは20未満であり、更に好ましくは15未満である。
は、好ましくは直鎖アルキル基(好ましくは10〜20個の炭素原子を含む)であり、更に好ましくは飽和直鎖アルキル基である。使用できるR基の非限定例は、ドデシル(C1225)基、セチル(C1633)基、ステアリル(C1837)基及びオレイル(C1835)基である。1つの特定の実施形態によれば、R基は12個以下の炭素原子を有する。
式(II)の界面活性剤は、モル質量が、好ましくは180〜1500g/mol、更に好ましくは300〜1000g/mol、更にいっそう好ましくは350〜800g/molである。
本発明に使用できる式(II)の化合物は、CrodaからBrij(登録商標)の商標で販売されており、例えば、Brij(登録商標)製品には、C10、L4、C20、S10という番号が付けられている。その中でも、Brij(登録商標)C10(HLB=12〜13)が好ましい(n=10及びR=n−C13である式IIの化合物)。
ソルビタン環(B)を有する界面活性剤は、好ましい界面活性剤の第2カテゴリーに相当する。その中でも、好ましくは、ソルビタン環の4つのヒドロキシル基のうちのn個が、同一又は異なるOH末端ポリオキシアルキレン基(好ましくはポリオキシエチレン基)で官能基化されており、その4つのヒドロキシル基のうちのp個が、次式の同一又は異なるR基で官能基化されたものが使用されるであろう: −(RO)−(Y)n2−R’
[式中、Rは、直鎖又は分枝のアルキレン基であり、zは1以上の整数であり、Yは二価基であり、n2は0又は1を表し(好ましくは、n2=1)、更にR’は12〜19個(好ましくは13〜19個)の炭素原子を有する飽和炭化水素であり、n及びpは、n=2又は3及びp=1又は2などの整数であり、n+p=4である]。好ましくは、n=3及び/又はp=1である。
は、好ましくはC2〜C6アルキレン基(プロピレン基又はエチレン基などで、理想的にはエチレン基)を表す。
整数zは、好ましくは1〜40、更に好ましくは2〜20、更にいっそう好ましくは2〜10の範囲である。
こうした化合物のOH末端ポリオキシアルキレン基は、好ましくは1〜40個のオキシアルキレン基、更に好ましくは2〜20個、更にいっそう好ましくは2〜10個のオキシアルキレン基を含む。
界面活性剤(B)の構造中に存在するオキシアルキレン基の総数は、好ましくは、4〜40、更に好ましくは8〜30、更にいっそう好ましくは15〜25の範囲であり、理想的には20に等しい。
R’は、飽和炭化水素基であり、好ましくは14〜18個の炭素原子、更に好ましくは15〜17個の炭素原子を有する。R’は好ましくは直鎖アルキル基である。R’は、好ましくはn−C1531又はn−C1735基である。
Y基の非限定例として、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、カルボニル基及びアミド基、又はこれらの基の組合せがあり、これらは、直鎖又は分枝であってよく、任意選択で置換されていてもよい。Yは、好ましくはカルボニル基である。
−(Y)n2−R’基は、好ましくはパルミチル基又はステアリル基である。
界面活性剤(B)は、好ましくは非イオンであり、また好ましくはポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルである。すなわち、脂肪酸によって1箇所又は2箇所エステル化(好ましくは1箇所)されたポリオキシアルキレン化ソルビタン(Y=カルボニル及びn2=1)である。更に好ましくは、界面活性剤(B)は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(Y=カルボニル、n2=1及びR=CHCH)、言い換えれば、エステル基の特定鎖長を有するポリソルベートである。
好ましいクラスの界面活性剤(B)は、式(IX)の化合物を含む:
[式中、R、R、R及びRは独立に、直鎖又は分枝(好ましくは直鎖)のアルキレン基、好ましくはC2〜C6アルキレン基(プロピレン基又はエチレン基など)を表し、w、x、y及びzは独立に、1以上の整数、好ましくは1〜40、更に好ましくは2〜20、更にいっそう好ましくは2〜10の範囲の整数を表し、R’は上に定義したとおりである]。
好ましくは、w+x+y+zは、4〜40、更に好ましくは8〜30、更にいっそう好ましくは15〜25の範囲である。理想的には、w+x+y+z=20である。
式(IX)の界面活性剤(B)の中でも、好ましくは、式(X)のポリエトキシル化化合物が使用されるであろう:
[式中、w、x、y、z及びR’は、上に定義したとおりである]。
界面活性剤(B)は、容易に合成することができるか、又は市販のものがある。特に、式IX又はXの界面活性剤(B)は、Alkest(商標)、Canarcel(商標)又はTween(商標)という商標で販売されている。
好ましい界面活性剤(B)は、Tween(商標)40(HLB=15.6)(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテートという名称でも知られている)(式X[式中、R’=C1531及びw+x+y+z=20]の化合物)、Tween(商標)60(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレートという名称でも知られている)(式X[式中、R’=C1735及びw+x+y+z=20]の化合物)、Tween(商標)20及びTween(商標)80である。
他の有用な界面活性剤は、2個のエチレンオキシド(EO)ブロックと1個のプロピレンオキシド(PPO)の中央ブロックとを含むトリブロックコポリマーであり、「プロキサマー(poloxamers)」と呼ばれ、特にBASFからPluronic(登録商標)という名称で販売されている。これは、(EO)−(PO)−(EO)又はHO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)−(CHCHO)Hで表され、例えば、Pluronic(登録商標)P−123、L−121、P−65及びP−64の製品がある。
本発明における他の有用な界面活性剤は、フルオロアルキル性を有するポリエトキシル化界面活性剤であり、好ましくは、式F(CF−(CH−CHO)x+1H(VIII)[式中、x及びyは、xが1〜16の範囲であり、yが10以下であるような整数である]のものである。
こうしたフッ素化界面活性剤の中でも、特に、Capstone(登録商標)FS3100、Capstone(登録商標)FS30、Capstone(登録商標)FS31、Capstone(登録商標)FS34、Masurf FS1700、Masurf FS1800、Masurf 2800、Masurf 2900、Zonyl(登録商標)FSO100及びZonyl(登録商標)FSN100を使用できる。
Capstone(登録商標)FS3100は、様々なポリエトキシル化鎖長を有する化合物の混合物を含む界面活性剤であり、それは一般式F(CF−(CH−CHO)x+1H(VIII)に相当する。その界面活性剤の90質量%より多くが、y=6のものに相当し、xは、1〜14の範囲の整数である。Capstone(登録商標)FS3100は、式(VIII)[式中、yは6より大きい]の化合物を含有しているが、その含有量はHPLCでは検出できない。それは生分解性である。
Zonyl(登録商標)FSO 100(HLB=9.1)(Dupontが販売)は、式F(CF−(CH−CHO)x+1H(VIII)[式中、yは、65%、30%及び5%の程度のそれぞれの質量割合で、6、8及び10の値を取り、xは2〜13の範囲の整数である]の化合物の混合物である。
1つの実施形態によれば、布帛に含浸させるのに用いる界面活性剤は、少なくとも1個のSi−Oシロキサン単位を含み、また表面張力が40mN/m未満、更に好ましくは35mN/m未満でもある。そのような界面活性剤の一例は、Momentiveが販売している化合物Coatosil 77(以前のSilwet 77で、表面張力が20.5mN/mである)であり、その式は以下のとおりである(nは7.5に等しい)。
界面活性剤の表面張力(mN/mで表される)は、Wilhelmyプレート法(Wilhelmy plate method)で求める。表面張力は、0.1質量%溶液(溶剤:水)で測定する。加わる力を測定しながら、垂直プレートを液体から引っ張り出す。メニスカスが離れる直前のプレートの引張力の値を記録する。こうして求めた力をプレートの幅で割り、表面張力の値を得る。徹底的に洗浄して(例えば、測定子(measurement body)をか焼して)、確実に液体とプレート表面との間の接触角が0°となるようにしなければならない。
1つの実施形態によれば、使用する界面活性剤はポリシロキサン(シリコーン)性のものではない。
上で考慮された界面活性剤は、単独で使用しても、1種又は複数種の他の界面活性剤との混合物として使用してもよいが、それは、当該の混合物の特性が、本発明による拭き布で必要とされる特性と一致している場合に限る。好ましくは、親水性親油性バランスが5未満である界面活性剤は、マイクロファイバー布帛に含浸させる界面活性剤の質量の10%未満、更に好ましくは5%未満、更にいっそう好ましくは0%である。好ましくは、親水性親油性バランスが18を超える界面活性剤は、マイクロファイバー布帛に含浸させる界面活性剤の質量の10%未満、更に好ましくは5%未満、更にいっそう好ましくは0%である。
親水性親油性バランス(HLB)が5以上ではない界面活性剤の例としては、Brij S2、Brij 93及びPluronic L−81がある。
本発明による拭き布は、好ましくは、非含浸マイクロファイバー布帛の質量に対して、5質量%〜40質量%の含浸界面活性剤、好ましくは10質量%〜40質量%、更に好ましくは15質量%〜35質量%、更にいっそう好ましくは20質量%〜35質量%、最適には20質量%〜30質量%の含浸界面活性剤を含む。
本発明による拭き布の防曇性能及び/又は清浄性能は、前記拭き布を形成する布帛又は布地の性質にも左右される。したがって、布帛は、特に良好な拭き取り特性を保証するために、有利には、大きなストランド比表面積によって反映され得る高い吸収性、したがって小さいストランド平均径を有するべきである。更に、布帛の吸収性が大きいほど、含浸される防曇剤の量は多くなり、また防曇性能はいっそう長続きする。
好ましくは、式F(CF−(CH−CHO)x+1H(VIII)[式中、xは1〜14の様々な整数であり、yは10以下の整数である]の界面活性剤(y=6である式(VIII)の化合物は、存在する式(VIII)の化合物の少なくとも90質量%に相当する)は、マイクロファイバー布帛に含浸させる界面活性剤の質量の10%未満、更に好ましくは5%未満、更にいっそう好ましくは0%に相当する。好ましくは、式F(CF−(CH−CHO)x+1H(VIII)[式中、xは2〜14の様々な整数であり、yは10以下の整数である]の界面活性剤(y=6である式(VIII)の化合物は、存在する式(VIII)の化合物の少なくとも90質量%に相当する)は、マイクロファイバー布帛に含浸させる界面活性剤の質量の10%未満、更に好ましくは5%未満、更にいっそう好ましくは0%に相当する。本発明の一実施形態によれば、フッ素化界面活性剤は、マイクロファイバー布帛に含浸させる界面活性剤の質量の10%未満、更に好ましくは5%未満、更にいっそう好ましくは0%に相当する。
本発明の別の実施形態によれば、式F(CF−(CH−CHO)x+1H(VIII)[式中、xは1〜14の様々な整数であり、yは10以下の整数である]の界面活性剤は、マイクロファイバー布帛に含浸させる界面活性剤の質量の10%、更に好ましくは5%未満、更にいっそう好ましくは0%に相当する。
好ましくは、本発明による拭き布は、Zonyl(登録商標)FSO 100界面活性剤を含浸させた乾燥Cemoi(商標)布帛を含まない。
本発明による界面活性剤含浸布帛は、織られた又は編まれたマイクロファイバー布帛、好ましくは編まれたマイクロファイバー布帛である。
知られているように、織布材料は、二組の糸を縦方向(たて糸)と横方向(よこ糸)に直角に組み合わせることによって得るが、不織布材料は、摩擦、粘着及び/又は接着によって結合された配向又は非配向の繊維のウェブ又はラップ(de voiles ou de nappes)からなる製造シートである。
編地は、互いに絡み合う編み目が形成されるように1本又は複数本の糸を輪にすることによって得る。
本発明によれば、好ましくは、少なくとも300、好ましくは少なくとも400、更に好ましくは少なくとも500、更にいっそう好ましくは700より大きい編み目数/cmの編地が使用される。編み目数/cmの最適範囲は、800より大きく、更にいっそう好ましくは900編め目/cmより大きい。必要であれば、当業者は、本発明のこの特徴に関するNF EN 14971標準を参照するであろう。
本発明で使用される布帛は、好ましくは、少なくとも80質量%のマイクロファイバー、更に好ましくは少なくとも90質量%のマイクロファイバー、好ましくは少なくとも95質量%、更に好ましくは100質量%のマイクロファイバーを含む。「マイクロファイバー」という用語は、線密度が1.3デシテックス(1.3g/10km)未満である紡織繊維を意味すると理解される。好ましいマイクロファイバーは、線密度が1デシテックス未満である。
マイクロファイバー布帛は、本発明によれば、親水性ポリマーのマイクロファイバー及び親油性ポリマーのマイクロファイバーを含む。
親水性ポリマーのマイクロファイバーは水との親和性を有するが、親油性ポリマーのマイクロファイバーは油との親和性を有する。
親油性ポリマーは皮脂タイプの汚れとの親和性があるが、親水性ポリマーは拭き布で処理された基材(好ましくは、めがねレンズ)の表面に存在する水分に対して親和性がある。
好ましく使用される親水性ポリマーは、水吸収度(degree of water uptake)が2%以上、更に好ましくは3%以上であるポリマーである。
水吸収度とは、状態調節した試料(20℃及び周囲湿度65%程度で24時間たったもの)の質量と、105℃±2℃においてオーブン中で得た無水質量(恒量になるまで乾燥させる)との比率である。
水吸収の測定は、当業者に知られており、必要であれば、EN ISO6741標準を参照できるであろう。
親水性ポリマーの水吸収度は、10%未満が好ましく、更に好ましくは8%未満、更にいっそう好ましくは7%以下である。
好ましく使用される親油性ポリマーは、水吸収度が2%未満であり、更に好ましくは1.5%未満、更にいっそう好ましくは1%である。
好ましい親水性ポリマーは、ポリアミド6,6(水吸収度(DWU)が2.5%〜6%)、ポリアミド6(DWUが5.75%)、及びセルロース類(DWUが8%〜13%)である。
好ましい親油性ポリマーは、ポリエステル(DWUが0.15%〜0.50%)及びポリプロピレン(DWUが0.05%〜0.50%)である。
本発明による拭き布は多量の界面活性剤を含むが、親油性/親水性のマイクロファイバー構造では、使用者にとって受け入れがたい外観上の欠点をもたらし得る過剰付着を避けることにより、処理対象表面に付着する界面活性剤の量を調節することが可能になる。
マイクロファイバー布帛は、好ましくは、ポリアミドマイクロファイバーとポリエステルマイクロファイバーとを含み、更に好ましくは60質量%〜85質量%のポリエステルマイクロファイバーと15質量%〜40質量%のポリアミドマイクロファイバーとを含む。そのような布帛の例としてCemoi(商標)布帛があり、これは、69.5質量%のポリエステルマイクロファイバーと30.5質量%のポリアミドマイクロファイバーとからなっている。79質量%のポリエステルマイクロファイバーと21質量%のポリアミドマイクロファイバーとからなる、Kelnetが供給する布帛も好適である。
好ましくは、マイクロファイバー布帛は、断面が三角形であるマイクロファイバーを主に含む。好ましくは、本数の割合で親油性ポリマーのマイクロファイバーの少なくとも80%が三角形の断面を有する。
本発明で使用するマイクロファイバーは、繊維(好ましくは、「オレンジウエッジ(orange wedge;quartiers d'orange)」構造を有する)を解繊することにより得ることができる。オレンジウエッジは、好ましくは親油性ポリマーからなる。したがって、1つの好ましい実施形態によれば、マイクロファイバーは、複合構造の親水性ポリマー及び親油性ポリマーの繊維から、織った後又は編んだ後に、前記複合構造を解繊することにより得られる。
本発明はまた、上述の拭き布を製造する方法であって、
− 少なくとも1種の溶剤と親水性親油性バランス(HLB)が5以上である少なくとも1種の界面活性剤とを含む溶液を、織られた又は編まれたマイクロファイバー布帛に含浸させることと、
− 前記溶剤が取り除かれるように含浸布地を乾燥させること
を含む、拭き布を製造する方法に関する。
典型的には0.1質量%〜50質量%、好ましくは1質量%〜10質量%の界面活性剤を含む界面活性剤の溶液槽を得るために、一般には界面活性剤を、ミセルタイプのクラスターが形成されないようにしつつ、水溶液、アルコール溶液又は水−アルコール溶液、更には別の適切な有機溶剤中に溶解させる。含浸ステップは、当業者によく知られている任意の好適な技法で、特にパジング、噴霧、浸漬で、又は含浸パッドを用いて実施することができる。
乾燥ステップは一般に、含浸を行うための界面活性剤組成物で使用される溶剤の全部又はほとんど全部を取り除くことを意図した、60℃〜200℃、好ましくは80℃〜150℃の範囲の温度での熱乾燥からなり、これは含浸界面活性剤の蒸発をできるだけ避けるか又は抑制しつつ行われる。このステップの最後には、界面活性剤が含浸していても、また微量の溶剤が必要に応じて任意選択で残っていることがあるとしても、乾燥したとされる拭き布、すなわち乾いた感触の拭き布が得られる。
こうして得られた乾拭き布は、処理対象の表面を単に拭くだけで(前後の並進運動及び/又は回転運動)、基材表面に界面活性剤を効率的に施すことができ、また耐久性のある防曇性を得るのに必要な拭く動作の回数は限られているので、これは素早く行われる。更に、30質量%の界面活性剤を含浸させた本発明による拭き布は、3000回の拭き操作を行った後でさえ、めがねに防曇性を付与することが見出された。
更に拭き布は、基材上の汚れを拭き取るという主要機能を保持することができる。
本発明はまた、親水性の外表面を有する物品に防曇性を付与するための方法であって、本説明で定義した乾拭き布を用いてその表面を拭くことにより、前記親水性の外表面に界面活性剤を施すことを含む、物品に防曇性を付与するための方法に関する。「親水性表面」という表現は、水との静的接触角が50°未満、好ましくは35°未満である表面を意味すると理解される。本発明によれば、接触角は、特許出願の国際公開第2008/053020号パンフレットに示されている方法にしたがって測定される。
拭き布で処理される親水性の外表面は、好ましくは、ポリオキシアルキレン基を含み、前記表面は、好ましくは、ポリオキシアルキレン基(好ましくは80個未満の炭素原子を含む)と、少なくとも1個の加水分解可能基を持っている少なくとも1個のケイ素原子とを有する少なくとも1種のオルガノシラン化合物をグラフト化することにより得られたものである。
この親水性の外表面は特に、防曇コーティングの前駆体コーティングとなり得る。「防曇コーティングの前駆体」という表現は、本特許出願においては、膜が形成されるように界面活性剤を含む溶液を施した場合に、防曇コーティングとなるコーティングを意味すると理解される。前駆体コーティングと界面活性剤系溶液の膜とによって形成される集合体は、防曇コーティング自体を構成する。「防曇コーティング」という表現は、本特許出願においては、このコーティングで被覆された透明ガラス基材を、前記コーティングを備えていない前記基材上に曇りを生じさせる条件下においたとき(「熱蒸気試験」の節の実験の項に示されている)、5メートルの距離におかれた視力検査表(visual acuity scale)を観察者が被覆ガラスを介して見みた場合に、ただちに視力を6/10より大きくすることができるコーティングを意味すると理解される。
グラフト化ポリオキシアルキレン基と防曇コーティングの前駆体とを含む親水性表面を得ることについては、特許出願の国際公開第2011/080472号パンフレットに詳しく記載されている。そのような表面は、ポリオキシアルキレン基(好ましくは80個未満の炭素原子を含む)と、少なくとも1個の加水分解可能基を持っている少なくとも1個のケイ素原子とを有するオルガノシラン化合物の水解物を含む組成物を施すことにより得ることができる。それは、好ましくは式:
Si(X)3−m (I)
[式中、Y基(同一又は異なるもの)は、炭素原子を介してケイ素に結合した一価有機基であり、X基(同一又は異なるもの)は、加水分解可能基であり、Rはポリオキシアルキレン官能基を含む基であり、mは、0、1又は2に等しい整数である]の化合物である。好ましくは、m=0である。そのような化合物の一例は、式CHO−(CHCHO)6−9−(CHSi(OCH(III)である、6〜9個のエチレンオキシド単位を有する2−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシランである。
ポリオキシアルキレン基と、少なくとも1個の加水分解可能基を持っている少なくとも1個のケイ素原子とを有するオルガノシラン化合物の付着は、好ましくは、気相中で(好ましくは蒸発によって)行われ、その後グラフト化が行われる。
親水性表面に防曇性を付与するのに特に十分に適している界面活性剤は、上で定義したような、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリエチレングリコールアルキルモノエーテルである。こうしたモノエーテルは、好ましくはフッ素化されていない。
界面活性剤を基材表面に施すと(これにより、好ましくは防曇コーティングが形成される)、一般に、この表面の水との静的接触角が10°以下、好ましくは5°以下まで小さくなる。
本発明はまた、親水性又は疎水性の外表面を有する物品を清浄にするための方法であって、本説明で定義した乾拭き布を用いて前記表面を拭くことを含む、物品を清浄にするための方法に関する。「疎水性表面」という表現は、水との静的接触角が70°以上、好ましくは90°以上である表面を意味すると理解される。このタイプの表面は、同じ清浄レベルに達するのに、本発明による含浸乾拭き布を用いていっそう容易に清浄にされる。すなわち、より少ない回数の拭き操作で清浄にされる。
本発明による清浄方法は、皮脂で汚れた外表面を有する物品を清浄にするのに特に適している。この清浄方法では、物品の外表面は、好ましくは水との静的接触角が70°以上である。
驚くべきことに、マイクロファイバーの網に界面活性剤が存在すると、マイクロファイバーへの汚れの接近が制限されるので、拭き布の清浄能力に不利な影響を与えると予想されたが、本発明による拭き布は、高濃度であり得る界面活性剤が含浸されていても、拭くことにより表面にある汚れを取り除くことができ、それと共に処理表面に持続的な防曇性を与えることが見出された。更に、本発明による含浸乾拭き布の清浄性能は、界面活性剤を含浸させていない同じ拭き布の性能よりも大きいことが見出された。
本発明による拭き布を用いて表面を清浄にするのに特に十分に適している界面活性剤は、特に清浄にする表面が親水性である場合、上で定義したようなポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリエチレングリコールアルキルモノエーテルである。疎水性表面を清浄にするための方法を実現することを目的として本発明による拭き布の含浸に使用される界面活性剤は、フッ素化界面活性剤ではないことが好ましい。この実施形態では、それは、式F(CF−(CH−CHO)x+1H(VIII)[式中、xは1〜14の様々な整数であり、yは10以下の整数であり、y=6である場合の式(VIII)の化合物が、組成物中に存在する式(VIII)の化合物の少なくとも90質量%に相当する]の界面活性剤ではないことが好ましい。好ましくは、この実施形態では、それは、式F(CF−(CH−CHO)x+1H(VIII)[式中、xは2〜14の様々な整数であり、yは10以下の整数であり、y=6である場合の式(VIII)の化合物が、組成物中に存在する式(VIII)の化合物の少なくとも90質量%に相当する]の界面活性剤でもない。
清浄にし、且つ/又は防曇性を付与することを目的として、本発明による拭き布で処理する表面は、光学機器(光学レンズ、特にめがねレンズ、望遠鏡、カメラ)、鏡、建設又は自動車の分野用のガラスなどの表面など、ガラス又はプラスチック(有機ガラス又はミネラルガラス)でできた表面であってよい。
上述したとおり、本発明の方法は、i)ポリエステル単位とポリアミド単位とを含むポリマー又はポリマー混合物で作られたマイクロファイバーを含むマイクロファイバー布帛に、式F(CF−(CH−CHO)x+1H(VIII)[式中、xは1〜14の様々な整数であり、yは10以下の整数である]の少なくとも1種の界面活性剤を含む界面活性剤組成物(y=6である式(VIII)の化合物が、組成物中に存在する式(VIII)の化合物の少なくとも90質量%に相当する)を含浸させ、次いでii)そのマイクロファイバー布帛を乾燥させることによって得られる乾燥マイクロファイバー布帛を含む拭き布の使用を含まず、且つi)ポリエステル単位とポリアミド単位とを含むポリマー又はポリマー混合物で作られたマイクロファイバーを含むマイクロファイバー布帛に、式F(CF−(CH−CHO)x+1H(VIII)[式中、xは2〜14の様々な整数であり、yは10以下の整数である]の少なくとも1種の界面活性剤を含む界面活性剤組成物(y=6である式(VIII)の化合物が、組成物中に存在する式(VIII)の化合物の少なくとも90質量%に相当する)を含浸させ、次いでii)そのマイクロファイバー布帛を乾燥させることによって得られる乾燥マイクロファイバー布帛を含む拭き布の使用を含まない。
本発明はまた、本説明で記載した拭き布と基材を有するレンズを含んでいる眼鏡とを含むセットであって、基材の外表面が50°未満の水との静的接触角を有するセットに関する。この基材は、好ましくは、防曇コーティングの前駆体コーティングで被覆されており、その前駆体コーティングは、水との静的接触角が50°未満であり、ポリオキシアルキレン基を有する少なくとも1種の化合物をグラフト化して得られる。上記から分かるように、この化合物は、好ましくは、80個未満の炭素原子を含み且つ少なくとも1個の加水分解可能基を持っている少なくとも1個のケイ素原子を含む、オルガノシラン化合物である。
以下の実施例は、本発明を更に詳細に示すものだが、限定することを意味するものではない。
1.使用する材料及び光学物品
実施例で使用した拭き布は、Cemoi(商標)布帛(KB Seirenが製造)からなり、これは、非含浸形態でMicrofibre M8405 30×40という参照記号でFacolが販売しているものである(160g/m、EN 12127標準)。Cemoi(商標)布帛は、69.5%のポリエステル(PES)と30.5%のポリアミドからなる(ISO 1893標準)。その種々の特性は以下のとおりである:厚さ:0.56mm(ISO 5084標準)、密度:284kg/m、インターロック接着(interlock bonding)、E44ゲージ、900編み目/cm(NF EN 14971標準)、編み目数/cm:30.5(縦列(columns))及び29.5(横列(rows))(NF EN 14971標準)、100の編み目当たりの糸長(編み目長):14cm(NF EN 14970標準)、主糸カウント(main yarn count):56.1dtex(NF G 07 316標準)、断面フィラメント又はマイクロファイバーの数が200PESフィラメント以上(25の二成分ストランドの糸:ストランド当たり8PESフィラメント)、ストランド形状:Pieウエッジタイプの二成分繊維(16セグメント)、マイクロファイバーの平均径:6.5μm、三角PESマイクロファイバー(SEM顕微鏡)。
単一槽パジング操作(single bath padding operation)を実施して含浸を行い、次いで120℃においてオーブン中で3分間熱乾燥させた様々なマイクロファイバー布地の試料から、12cm×15cmの大きさの含浸拭き布を作製した。界面活性剤の水溶液中で布地の含浸を行った後、ロール間で布地に圧力を加えるステップを含むこの技法により、深く含浸させることが可能になり、その処理の最後に布地からの滴りが防止される。界面活性剤の溶液槽は、脱イオン水/イソプロピルアルコール混合物(80/20の体積比)を含む5質量%の界面活性剤溶液を含んでいた。
評価した種々の界面活性剤は以下のとおりである:
a)Zonyl(登録商標)FSO 100(CAS番号65545−80−4、DuPont)は、式(VIII)[式中、yは、65%、30%及び5%の程度のそれぞれの質量割合で、値6、8及び10を取り、xは2〜13の様々な整数である]の化合物の混合物である。
b)Tween(登録商標)40(つまり、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート)(CAS番号9005−66−7)は、式X(上記)[式中、R’=C1531であり、w+x+y+z=20である]の化合物である。
c)Brij(登録商標)C10(以前のBrij(登録商標)56)又はポリエチレングリコールヘキサデシルエーテル(CAS番号9004−95−9、ICI)は、式H(OCHCHOR(IV)[式中、n≒10及びR=n−C1633である]の化合物である。
3種類のレンズを使用した。Aで表したレンズは、特許出願の国際公開第2012/153072号パンフレットの実験の項に記載されているものと同じであり、外層として、6〜9個のエチレンオキシド単位を有するシロキサン化合物である式IIIの2−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン(モル質量が450〜600g/mol)(CAS番号:65994−07−2、参照記号:SIM6492.7、Gelest,Inc.提供)をベースにした防曇コーティングの前駆体コーティングを含む。ただし、ここでは、これらが、度の入っていない(凸面及び凹面の曲率半径が同じ)80mm〜180mmの曲率半径を有するめがねレンズ(平面レンズと呼ばれる)であり、且つ式IIIの化合物の蒸発の終わりに、余分の式IIIのシロキサン化合物の付着が取り除かれるまで、各レンズの表面を乾燥Cemoi布帛で拭いた(特許出願の国際公開第2011/080472号パンフレットに記載)。得られる防曇コーティングの前駆体コーティングは、厚さが1〜3nmである。
Bで表されるレンズは、その外層が、(防曇コーティングの前駆体ではなく)Optronが販売する化合物OF210(商標)の真空蒸着によって得られる厚さが2〜3nmの防汚コーティングであることを除いて、レンズAと同じである。
Cで表されるレンズは、その外層が、(防曇コーティングの前駆体ではなく)、Daikin Industriesが販売する化合物Optool DSX(商標)の真空蒸着によって得られる3nmの厚さを有する防汚コーティングであることは除いて、レンズAと同じである。
2.本発明による拭き布の防曇性の評価
a)界面活性剤含浸拭き布を用いて拭いてレンズ表面へ界面活性剤を施すための手順
防曇試験に使用したレンズは、親水性表面を有するレンズAである。レンズは最初、せっけん水溶液で注意深く清浄にし、次いで乾燥Cemoi(商標)布帛で拭く。次に、レンズの両面を、界面活性剤(30質量%)を含浸させたCemoi(商標)布帛製の拭き布で拭くが、これは、界面活性剤を「付着させる」ために、拭き布を中心から端に向けて螺旋状に動かすことによって行う。これが一回施すことに相当する。様々な度合いで施すことができ、例えば、5回、10回又は20回施すことができる。
b)熱蒸気試験
蒸気試験はすべて、30質量%の界面活性剤を含浸させた拭き布で処理した5個からなる一式のレンズに対して行った。試験の前に、レンズを20〜25℃の温度及び40%〜50%の湿度に調節された環境に24時間おいた。次いでレンズを、52℃の水を含んでいる加熱された容器の上に15秒間置いた。その後すぐ、5mの所におかれた視力表を、試験するレンズを通して見た。観察者は、時間との関連で、以下の基準にしたがって視力を検査した。
0.曇りなし、目に見える歪みなし(視力=10/10)
1.6/10より大きい視力となる曇り及び/又は目に見える歪み
2.6/10より小さい視力となる曇り及び/又は目に見える歪み
実際的に言えば、等級0又は1を得るためには、10/10の視力を有し且つ目にレンズを付けた着用者は、5メートルの所に置かれたSnellen視力検査表(Snellen Optotype chart)の6/10行にある「E]の文字の向きを識別できなければならない。
この試験は、着用者が、茶、コーヒー又はソースパンの沸騰水の上に自分の顔を置くような普通の生活の状態をシミュレートすることができる。レンズが0又は1の等級を得る場合、Waldmannランプの下でそれらが完全に乾いていることを確認し、その後、蒸気試験を繰り返す。
1日当たり1回の割合で曇りを生じさせる操作を行って、防曇コーティングの経時的安定性も評価した。待機している時間の間、レンズは周囲温度で箱の中に保管する。結果を以下の表に示す。
界面活性剤をわずかな回数施すと、防曇性の益を得ることが可能になることが観察される。
c)熱帯条件及び冬条件の下での試験
こうした試験は、仏国特許出願公開第2974904号明細書に詳しく記載されており、且つその特許出願の図1(その中で、(20)の番号が付けられている))に示されている透明光学物品の防曇性能を測定するためのシステムを用いて行われる。透明係数Nが0.6以上である場合、レンズは試験に合格である。一方、透明係数Nが0.6より小さい場合、レンズはこの試験に不合格である。透明係数Nは、特許出願の仏国特許第2974904号明細書に定義されている。
冬条件
レンズを「冬」条件(0℃又は−10℃)の下で60分間保管し、それから素早く標準状態にさらした(20℃、湿度50%)。結果を以下の表に示す。
熱帯条件
レンズを標準状態(20℃、湿度45%)の下で30分間保管し、その後速やかに「熱帯」条件にさらした(30℃、湿度70%)。試験を行ったレンズはすべて、これらの試験に合格した(評価した界面活性剤:Tween 40及びBrij C10)。
3.本発明による拭き布の清浄特性の評価
a)清浄能力試験の説明
試験は、室内で、22℃±3℃の温度及び50%±10%の周囲湿度の程度に調節して実施する。最初にレンズをせっけん水溶液で注意深く清浄にし、次いでイソプロピルアルコールで洗浄し、その後、脱イオン水で洗浄し、最後に乾燥Cemoi(商標)布帛で拭く。次に、防汚コーティングを設けるか(レンズB及びC)又は防曇コーティングの前駆体を設けた(めがねレンズA)レンズの凸面に、人工的汚れマークを同心円又は溝の形でパッド印刷して付着させるが、これは、すべてのレンズでヘーズHが約8〜9となるようにするためである(つまり、親水性表面(めがねレンズA)及びめがねレンズB(その表面が、OF210(商標)で処理されたもの)に対する2つの付着物、及びOptool DSX(商標)で処理された表面(めがねレンズC)に対する3〜4個の付着物)。この試験で使用した人工的な汚れ(人工皮脂)は、主な成分としてオレイン酸を含み、直径20mmのマークの形である。
次いで、機械式ロボットに取り付けられた評価対象の含浸マイクロファイバー布帛を用いて、750gの荷重で、自動拭き取りをレンズに対して行う(完全に再現可能な前後運動)。1回の拭き取り操作は、布帛の1回の前進運動又は1回の後退運動に相当する。レンズ上の布帛の運動の間の移動合計は、40mmである。すなわち、汚れを中心とした地点のどちらの側にも20mmである。評価する布地は、必ずレンズに対して同じ方向に使用する。この運動は、1回目の運動の際は中心から始まるため、最初の移動について言及される2回という値は、実際には1.5回である。
レンズの透過性におけるヘーズの値(Hで表されている)は、Hazeguard XL 211 Plus装置で測定する。最初の測定は、皮脂溝の領域に関してレンズの中心で行い、そしてその後、拭き取り操作の回数は、2、5、10、20又は30である。布地の各タイプについて、以下の測定表に示されている値は、3つのレンズに対して行われた測定値の平均であり、それぞれは前述のとおり最初に汚されたものであり、それらに対して連続的に、2、5、10、20、30回の拭き取りサイクルを実施し(言及されている値は、拭き取り操作の開始からの累積値である)、3つのレンズに対して同じ布帛を使用し続ける。表は、施した操作の各回数の後の、拭き取り効率の(累積)百分率も示す。したがって、例を挙げれば、何度かの操作実施により、人工的な汚れを施した後に測定された初期ヘーズ(約8〜9)が半分となる場合、拭き取り効率50%となる。
ヘーズHは、ASTM D1003標準「透明プラスチックのヘーズ及び視感透過率のための標準試験法(Standard test method for haze and luminous transmittance of transparent plastics)」にしたがって得られる。これは、レンズによって透過される光の総量(I合計)と、透過の際の分散光の量(I分散:法線方向に対して2.5°より大きな角度で透過・偏向される光の量)とを同時に測定することによって行われる。
清浄能力試験により、特にヘーズHを0.5%以下(これは、ガラスの清浄度の申し分のないレベルに相当する)にするのに必要な拭き取り操作の回数を測定することが可能になる。
b)様々な表面特性を有するレンズを清浄にするための本発明による拭き布の例示的実施形態
b.1)親水性表面の場合の例
この試験に用いたレンズは、外層として防曇コーティングの前駆体(親水性の外層)を含むレンズAである。結果を以下の表に示す。ヘーズに関しては、図1でヒストグラムの形でも示す。
本発明による拭き布は、界面活性剤を含んでいない同じ拭き布よりも、親水性表面(レンズA)に対して非常に大きな清浄作用を及ぼすこと、更にTween 40及びZonyl FSO 100は、Brij C10よりも優れた性能を発揮することが観察される。
b.2)疎水性表面の清浄能力
この試験に用いたレンズは、外層として、防汚コーティング(疎水性の外層)を含むレンズB及びCである。結果を以下の表に示す。ヘーズに関しては、ヒストグラムの形でも図2(レンズB)及び図3(レンズC)に示す。
疎水性表面B及びCに関して、Tween 40及びBrij C10界面活性剤を含む本発明による拭き布により、拭き布の清浄性能が改善されることが観察される。

Claims (23)

  1. 少なくとも1種の界面活性剤を含浸させた、織られた又は編まれたマイクロファイバー布帛を含む乾拭き布において、
    − 前記界面活性剤の親水性親油性バランス(HLB)が5以上であり、
    − 前記マイクロファイバー布帛が、親水性ポリマーのマイクロファイバーと親油性ポリマーのマイクロファイバーとを含み、
    前記拭き布が、i)ポリエステル単位とポリアミド単位とを含むポリマー又はポリマー混合物から作られたマイクロファイバーを含むマイクロファイバー布帛に、式F(CF−(CH−CHO)x+1H(VIII)[式中、xは1〜14の様々な整数であるか、又はxは2〜14の様々な整数であり、yは10以下の整数である]の少なくとも1種の界面活性剤を含んでいる界面活性剤組成物であって、y=6である式(VIII)の前記化合物が、前記組成物中に存在する式(VIII)の前記化合物の少なくとも90質量%に相当する、界面活性剤組成物を含浸させ、次いでii)そのマイクロファイバー布帛を乾燥させることによって得られる乾燥マイクロファイバー布帛を含まないことを特徴とする、乾拭き布。
  2. 前記界面活性剤が、液体界面活性剤である、請求項1に記載の拭き布。
  3. 前記布帛に、少なくとも1個のSi−Oシロキサン単位を含み且つ表面張力が40mN/m未満である界面活性剤を含浸させることを特徴とする、請求項1または2に記載の拭き布。
  4. 前記界面活性剤の親水性親油性バランス(HLB)が18以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の拭き布。
  5. 前記マイクロファイバー布帛が、ポリアミドマイクロファイバーとポリエステルマイクロファイバーとを含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の拭き布。
  6. 前記マイクロファイバー布帛が、15質量%〜40質量%のポリアミドマイクロファイバーと60質量%〜85質量%のポリエステルマイクロファイバーとを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の拭き布。
  7. 前記界面活性剤が、ポリオキシアルキレン基、好ましくはポリオキシエチレン基であって、好ましくは、6個を超えるオキシエチレン単位を含むポリオキシエチレン基を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の拭き布。
  8. 前記非含浸マイクロファイバー布帛の質量に対して、5質量%〜40質量%の含浸界面活性剤、好ましくは10質量%〜40質量%、更に好ましくは15質量%〜35質量%、最適には20質量%〜35質量%の含浸界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の拭き布。
  9. 前記布帛が、少なくとも90質量%のマイクロファイバー、好ましくは少なくとも95質量%、更に好ましくは100質量%のマイクロファイバーを含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の拭き布。
  10. 前記非含浸マイクロファイバー布帛の質量に対して、少なくとも5質量%の含浸界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1記載の拭き布。
  11. 前記非含浸マイクロファイバー布帛の質量に対して、5質量%〜40質量%の含浸界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項10記載の拭き布。
  12. 前記マイクロファイバーが複合構造の親水性及び親油性ポリマー繊維から得られるものであり、それが、織るか又は編んだ後に、前記複合構造を解繊することにより得られることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の拭き布。
  13. 前記布帛が編まれたものであり、1cm当たりの編み目数が300以上であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の拭き布。
  14. 前記界面活性剤が、フルオロアルキル性を有するポリエトキシル化界面活性剤であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項記載の拭き布。
  15. 水との静的接触角が50°未満である外表面を有する物品に防曇性を付与するための方法であって、界面活性剤を前記外表面に施すことであって、請求項1〜14のいずれか一項に定義された、前記界面活性剤を含浸させた前記織られた又は編まれたマイクロファイバー布帛を含む乾拭き布を用いて、その表面を拭くことによって界面活性剤を施すことを含む、方法。
  16. 前記物品の前記外表面がポリオキシアルキレン基を含み、前記表面が、好ましくは80個未満の炭素原子を含むポリオキシアルキレン基と、少なくとも1個の加水分解可能基を持っている少なくとも1個のケイ素原子とを有する少なくとも1種のオルガノシラン化合物をグラフト化することによって得られたことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  17. 外表面を有する物品を清浄にするための方法であって、請求項1〜14のいずれか一項に定義された乾拭き布を用いて前記外表面を拭くことを含み、前記拭き布が、前記界面活性剤を含浸させた前記織られた又は編まれたマイクロファイバー布帛を含む、方法。
  18. 前記物品の前記外表面が、70°以上の水との静的接触角を有することを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  19. 前記界面活性剤が、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル又はポリエチレングリコールアルキルモノエーテルであることを特徴とする、請求項1518のいずれか一項に記載の方法。
  20. − 少なくとも1種の溶剤と親水性親油性バランス(HLB)が5以上である少なくとも1種の界面活性剤とを含む溶液を織られた又は編まれたマイクロファイバー布帛に含浸させることと、
    −前記溶剤が取り除かれるように前記含浸布地を乾燥させること
    を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の拭き布の製造方法。
  21. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の拭き布と基材を有するレンズを含む眼鏡とを含むセットであって、前記基材の外表面が50°未満の水との静的接触角を有する、セット。
  22. 前記基材が、防曇コーティングの前駆体コーティングで被覆され、前記前駆体コーティングは50°未満の水との静的接触角を有し、ポリオキシアルキレン、好ましくはポリオキシエチレン、基を有する少なくとも1種の化合物をグラフト化することによって得られるものであることを特徴とする、請求項21に記載のセット。
  23. ポリオキシアルキレン基を有する前記化合物が、オルガノシラン化合物であり、好ましくは、
    − 前記オルガノシラン化合物が80個未満の炭素原子を含み、
    − 前記オルガノシラン化合物が、少なくとも1個の加水分解可能基を持っている少なくとも1個のケイ素原子を有する
    という2つの条件を満たすことを特徴とする、請求項22に記載のセット。
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