〔第1実施形態〕
[遊技場用管理システムの構成]
図1は、第1実施形態に係る遊技場用管理システムの構成例を示す図である。遊技場用管理システム100は、操作端末装置(情報端末)10と、遊技場外(店舗外)に設置される遊技場用サーバ12と、遊技場内(店舗内)に設置される複数の遊技情報収集装置20と、これらを互いに接続するネットワーク14と、を備える。ネットワーク14は、不特定多数の利用者によって共有して利用される公衆回線16(公衆通信網)を含んでいる。本実施形態において、公衆回線16は、インターネットである。
操作端末装置10は、ネットワーク14での通信を可能にする通信インタフェースと、CPU(中央演算処理装置)等のプロセッサ(情報処理部)と、作業用のメモリ(RAM)やプログラム等を記憶するメモリ(ROM)を含む記憶部と、情報を表示する表示部17(表示画面)と、ユーザ(利用者)の操作により入力を受け付けるタッチパネル19や操作ボタン等の操作入力部と、を備えている。操作入力部がタッチパネル19の場合、タッチパネル19は、表示部17と一体的に形成されている(図5参照)。操作端末装置10は、例えば、タブレットやスマートフォン(携帯電話)である。操作端末装置10は、例えば、無線LANによって、アクセスポイントを経由して公衆回線16に接続する。操作端末装置10が、スマートフォンの場合は、携帯電話網を経由して公衆回線16に接続する(携帯電話網を公衆回線16に含めてもよい)。
遊技場用サーバ12は、ネットワーク14での通信を可能にする通信インタフェースと、情報処理部としてCPU等のプロセッサと、作業用のメモリ(RAM)やプログラム等を記憶するメモリ(ROM)を含む記憶部と、を備えている。遊技場用サーバ12は、複数のサーバであってもよいし、物理的なサーバのみならず仮想化技術によって実現できる仮想サーバであってもよい。遊技場用サーバ12は、公衆回線16(インターネット、クラウド)を介して種々のサービス(クラウドサービス)を提供できるクラウド環境にあることから、クラウドサーバと呼んでもよい。例えば、遊技場用サーバ12は、操作端末装置10にソフトウェアを提供するサービス(SaaS:Software as a service)などを行ってもよい。
複数n個の遊技情報収集装置20−1、20−2、・・・、20−nは、各々、遊技装置25−1、25−2、・・・、25−nと通信可能となるようにケーブルで電気的に接続されており、それぞれ遊技装置25の遊技情報(後述の遊技実績データと属性情報)を収集できる。なお、遊技情報収集装置20−1、20−2、・・・、20−nを総称して遊技情報収集装置20と呼び、遊技装置25−1、25−2、・・・、25−nを総称して遊技装置25と呼ぶ。遊技情報収集装置20は、例えば、無線LAN又は有線LANによって、アクセスポイントを経由して公衆回線16に接続する。なお、遊技情報収集装置20の詳細な構成は、図6において後述する。
遊技装置25は、例えば、パチンコ機やスロットマシーン(パチスロ機)である。遊技装置25は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置(CPUとメモリ等を搭載したメイン基板)と、遊技制御装置からの指示に応じて表示装置や役物での演出を制御する演出制御装置(CPUとメモリ等を搭載したサブ基板)と、これらの制御に必要な情報や遊技情報収集装置20へ送信する情報を検出する各種検出手段(センサ、スイッチ)と、を有するような一般的な遊技装置でよい。遊技装置25は、遊技制御装置の外部情報端子等を介して、遊技装置25の遊技情報に関する信号を遊技情報収集装置20に送信できる。そして、遊技情報収集装置20は、遊技装置25に関する遊技情報を保存する。なお、本実施形態では、遊技装置25は、遊技者の入金によって遊技媒体(遊技球やメダル等)を貸し出すための貸機(各台計数装置)も含むものとする。遊技情報は、例えば、入玉、出玉、特賞回数(大当り回数やボーナス回数)、入金などに関する情報である。
遊技情報収集装置20は、従来技術(図2)と異なり、遊技場内(店舗内)での遊技用管理装置(ホールコンピュータ)を介さずに、直接的に公衆回線16(インターネット)に接続する。即ち、本実施形態では、遊技場内(店舗内)における遊技用管理装置(ホールコンピュータ)が存在しないため、装置コストが削減できる。
図3は、第1実施形態に係る遊技場用管理システム100の他の構成例を示す図である。図3では、遊技場内(店舗内)にある従来技術の遊技用管理装置(ホールコンピュータ)も遊技情報収集装置20−0と見立てて使用される。遊技情報収集装置20−0は、他の遊技情報収集装置20−1、20−2、・・・、20−nから収集した遊技装置25の属性情報(後述)のみをネットワーク14側(遊技場用サーバ12)に送信可能である。図1と同様に、他の遊技情報収集装置20−1、20−2、・・・、20−nは、遊技用管理装置(ホールコンピュータ)を介さずに、直接的に公衆回線16に接続する。なお、属性情報を1箇所(遊技情報収集装置20−0)に集めてネットワーク14へのデータ送信処理を行うと、遊技場用サーバ12等が行う遊技情報収集装置の認証処理は1つで済み、多数の遊技情報収集装置20−1、20−2、・・・、20−nからのデータ送信における多数の認証処理は不要になり、データ送信の高速化が実現できる。
図4は、より大規模な遊技場用管理システム100の構成例を示す図である。遊技場外(店舗外)に設置された遊技場用管理システム100は、複数の店舗A、B(チェーン店)を管理し、店舗A、B内にあるそれぞれの遊技情報収集装置20が、ネットワーク14に接続されている。操作端末装置10として、店舗A、Bのオーナー用の操作端末装置10−1、各店舗A、Bの店舗管理者用の操作端末装置10−2、店舗用(ホール用)の操作端末装置10−3、会員用の操作端末装置10−4、一般利用者用の操作端末装置10−5が、ネットワーク14に接続されている。また、遊技場用サーバ12他に、遊技情報収集装置20の情報(データ)をバックアップするバックアップサーバ15がネットワーク14に接続されている。即ち、バックアップサーバ15は、クラウドサービスとして、ストレージサービスを提供可能である。なお、店舗Bにおいて、遊技情報収集装置20から収集した遊技情報を表示する遊技情報表示機27もネットワーク14に接続されている。
[操作端末装置]
図5は、操作端末装置10がタブレットである場合の一例を示す図である。操作端末装置10は、液晶モニター等の表示部17(表示画面)を有する他、複数のLED(発光ダイオード)からなる報知ランプ18を有してもよい。本実施形態では、表示部17(表示画面)は、操作入力部としてのタッチパネル19も兼ねている。また、操作端末装置10は、スマートフォンやタブレットが一般的に持つ機能である、音声入出力、バイブレーション、GPS、カメラ撮影(ビデオ撮影)などの機能を有しており、報知出段として報知ランプ18以外にも、音声入出力やバイブレーションなどの機能を利用しても良い。
[遊技情報収集装置]
図6は、遊技情報収集装置20の回路構成を示すブロック図である。遊技情報収集装置20は、演算処理を行う演算処理部30と、要求(リクエスト)に対応する処理結果を保存する処理結果保存部31(処理結果記憶手段)と、後述の属性情報を保存する属性情報保存部32(属性情報記憶手段)と、遊技装置25の遊技実績データを保存する遊技実績データ保存部33(遊技実績データ記憶手段)と、通信処理を行う通信処理部34と、無線処理を行う無線処理部35と、各部に電力を供給する電源部36と、これらを相互に接続するバス37と、を備える。
演算処理部30は、情報処理等のために各種演算を行うCPU30a(中央演算処理装置)と、CPU30aで使用するプログラム等を格納するROM30b(読み出し専用メモリ)と、作業用のメモリとして使用可能なRAM30c(ランダムアクセスメモリ)と、現在時刻を計時するRTC30d(リアルタイムクロック)と、各種の専用処理を行うLSI30e(集積回路)と、を備える。
遊技情報収集装置20には、遊技場用サーバ12から、情報(データ)の送信を要求するリクエストが送信されるが、演算処理部30は、通信処理部34を介してリクエストを取得して処理し、リクエストに対応して各種保存部に保存してある遊技情報を処理結果として取得(抽出)できる。後述のように、本実施形態では、リクエストは、遊技装置25の遊技実績データの送信を要求する遊技実績データ要求であり、演算処理部30は、遊技実績データ要求に対応して、遊技実績データ保存部33から保存してある遊技実績データ(数値データ)を遊技情報として取得できる。また、演算処理部30は、取得(抽出)した遊技情報を加工処理することもできる。
処理結果保存部31は、一次的に情報を記憶するバッファ(一次バッファ)である。処理結果保存部31は、遊技場用サーバ12からのリクエストに対する演算処理部30での処理結果(取得した遊技情報)を一時的に保存できる。従って、多数の遊技情報収集装置20からのアクセスによりネットワーク14の負荷が高くリアルタイムでの送信を行えない場合でも、処理結果を一時的に保存しておいてから送信できる。なお、処理結果保存部31で保存した遊技情報は、操作端末装置10における表示用の遊技情報(遊技情報そのもの又は加工処理された遊技情報)として、通信処理部34を介して送信される。また、処理結果保存部31は、受信したリクエスト(要求)を一時的に保存することにも利用できる。
属性情報保存部32は、遊技装置25に関する属性情報を保存する記憶領域である。属性情報保存部32は、物理的なメモリであってもよい。本実施形態において、属性情報は、状態情報、タイミング情報、固有情報からなる(図11も参照)。
状態情報は、遊技装置25の状態(遊技状態等)に関する情報である。状態情報は、遊技装置25から受信した信号や遊技実績データ保存部33の遊技実績データなどに基づいて演算処理部30が判断した遊技装置25の状態(遊技状態等)や状態変化に関する情報である。状態情報には、単純な信号や遊技実績データ(数値データ)から遊技状態が把握できない情報も含まれ、例えば、遊技装置25の状態として「稼働中」などの情報も含まれる。演算処理部30は、遊技装置25からのアウトカウント信号の受信が所定時間続いた場合などを検出し、稼働フラグ値を設定して、属性情報保存部32に「稼働中」の情報として保存できる。なお、遊技装置25のカウントスイッチで検出されるアウトカウント信号は、遊技装置25に投入された遊技媒体の数(アウト、入玉)をカウント(計数)するための信号である。
タイミング情報は、演算処理部30のRTC30dで計測した、遊技情報の取得時刻(遊技情報の発生時刻に略等しい)に関する情報である。タイミング情報は、演算処理部30のRTC30dで取得した時刻(タイミング)を保存された遊技情報と対応付け(紐付け)したものであり、その時刻がどの遊技情報と関連付けされているか(どの遊技情報の取得時刻であるか)も示す。
固有情報は、遊技情報収集装置20が接続される遊技装置25の台番号、機種、店舗情報などに関する情報であり、遊技装置25の状態によって変化しない情報である。固有情報は、他の装置(遊技装置25や遊技場用サーバ12でもよい)により設定されたものを、通信処理部34を介して受信したものであり、遊技情報収集装置20の設置時に受信して初期設定される情報であってよい。
遊技実績データ保存部33は、遊技装置25の稼働によって生じる遊技実績データを保存する記憶領域である。属性情報保存部32は、物理的なメモリであってもよい。遊技実績データ保存部33は、遊技装置25の遊技実績データとして、入玉(アウト)、出玉(セーフ)、特賞回数、入金などに関する情報を保存する(図11も参照)。遊技情報収集装置20は、遊技装置25から遊技実績データに関する信号を取得し、そのまま又は演算処理部30で処理(計数、加工等)して、遊技実績データ保存部33に遊技実績データの素データとして保存する。
例えば、遊技実績データが入玉であれば、アウトカウント信号を検出する度に、演算処理部30は、遊技実績データ保存部33に保存してある入玉の数値データを1だけ加算、更新して、遊技実績データ保存部33に再度保存する(アウトカウント信号の発生回数を計数する)。同様に、遊技実績データが特賞回数であれば、特賞発生信号(大当り発生信号、ボーナス発生信号)を検出する度に、演算処理部30は、遊技実績データ保存部33に保存してある特賞回数の数値データを1だけ加算、更新して、遊技実績データ保存部33に再度保存する(特賞発生信号の発生回数を計数する)。例えば、遊技実績データが入金であれば、遊技装置25の貸機からの入金信号を検出する度に、演算処理部30は、遊技実績データ保存部33に保存してある入金の数値データを今回の入金信号の金額分だけ加算、更新して、遊技実績データ保存部33に再度保存する。
なお、遊技装置25(貸機含む)が、遊技実績データとして入玉、特賞回数、入金などを直接計数するなどしている場合には、遊技装置25はそのまま遊技実績データを遊技情報収集装置20に送信し、遊技情報収集装置20は、遊技実績データをそのまま遊技実績データ保存部33に保存する構成としてよい。
以上のように、遊技情報収集装置20(遊技情報収集手段)が収集・保存した遊技装置25の遊技情報は、属性情報保存部32の属性情報と、遊技実績データ保存部33の遊技実績データからなる。
通信処理部34は、通信処理を行う通信インタフェース(複数可)を含み、ネットワーク14や遊技装置25とのデータの送受信を可能にする。なお、通信処理部34(或は演算処理部30)は、送受信データを暗号化又は復号化してもよい。無線処理部35は、遊技情報収集装置20がネットワーク14と無線接続するために設けられるもので、アンテナと、変調・復調器などを含む。無線処理部35によって遊技情報収集装置20とネットワーク14との通信方式を無線にすることで、ネットワーク14に接続するための店舗内の配線処理が不要になり、店舗内での設備工事の負担が軽減でき、より安価に工事が可能になる。
電源部36は、演算処理部30、処理結果保存部31、属性情報保存部32、遊技実績データ保存部33、通信処理部34、無線処理部35に必要な電力を供給する。バス37は、演算処理部30、処理結果保存部31、属性情報保存部32、遊技実績データ保存部33、通信処理部34を相互に電気的に接続して、これら各部の間でデータの授受を可能にする。
[遊技場用管理システムの処理(動作)]
図7は、遊技場用管理システム100において随時処理として実行されるデータ通信の様子を説明する図である。ここでは、代表して図1の遊技場用管理システム100のデータ通信について説明する。
遊技装置25は、送信すべき遊技実績データに関する情報が生じる度に、随時、遊技実績データに関する信号を遊技情報収集装置20に送信する(図7の#1)。遊技実績データに関する信号とは、遊技実績データそのものに相当する信号、或は、遊技情報収集装置20が遊技実績データ(入玉、出玉、特賞回数、入金等)を得るための信号である。遊技実績データを得るための信号として、アウトカウント信号、払出信号、特賞発生信号(大当り発生信号、ボーナス発生信号)、入金金額信号等がある。遊技装置25(貸機含む)は、遊技実績データに関する信号を発生するために必要となる各種検出手段(センサ、スイッチ)を備えている。
遊技情報収集装置20は、遊技装置25から受信した遊技実績データに関する信号に基づいて、演算処理部30で遊技実績データを更新して遊技実績データ保存部33に保存する。さらに、遊技情報収集装置20は、遊技実績データに関する信号や保存した遊技実績データ等から判断した遊技状態等を、遊技装置25に関する属性情報として属性情報保存部32に保存・更新する。
遊技情報収集装置20は、属性情報を更新すると、随時、更新した属性情報(更新済み属性情報)を遊技場用サーバ12に送信する(図7の#2)。更新した属性情報は、この更新した属性情報を保存・送信する遊技情報収集装置20の識別情報(遊技情報収集装置ID等)に関連付けて(対応付けて)、この識別情報とともに送信される。
属性情報のうち、固有情報は遊技情報収集装置20の設置時に設定(更新)されるため、遊技装置25の状態情報とタイミング情報が、更新される度に、遊技場用サーバ12に送信されることになる。なお、遊技情報収集装置20は、ネットワーク14の通信負荷を軽減するために遊技実績データに関する信号を受信しても遊技場用サーバ12には送信しない。即ち、随時処理として、遊技情報収集装置20は、更新した属性情報のみを遊技場用サーバ12に送信する。そして、遊技場用サーバ12は受信した属性情報(更新済み属性情報)を記憶部に保存する(図11参照)。
図8は、遊技場用管理システム100において、操作端末装置10が情報開示サービス(クラウドサービス)を受けるための情報開示要求を発行した場合に、割込処理としてのデータ通信が実行される様子を説明する図である。ここでは、代表して図1の遊技場用管理システム100のデータ通信について説明する。
操作端末装置10は、まず、情報開示要求を遊技場用サーバ12に送信する(図8の#3)。情報開示要求は、情報開示を要求するための要求情報として、当該要求情報を示すインデックス(番号、記号等の識別情報)を含む。本実施形態において、要求情報は、遊技実績データ送信を要求する遊技情報収集装置20内の属性情報のいずれかを示す。遊技場用サーバ12は、情報開示要求に含まれるインデックスに基づいて、記憶部に記憶してある遊技装置25に関する属性情報(更新済み属性情報)を検索する。そして、遊技場用サーバ12は、記憶してある属性情報のうち、インデックスに適合(対応)する属性情報を有する遊技情報収集装置20を特定して、遊技情報収集装置IDを取得する。なお、図7の随時処理によって、遊技場用サーバ12の記憶部(更新済み属性情報記憶手段)は、遊技情報収集装置20の識別情報(遊技情報収集装置ID)に対応付けて遊技情報収集装置20毎に属性情報を保存しているため、遊技情報収集装置20を特定できる(図11参照)。
例えば、遊技場用サーバ12は、インデックス(項目識別情報)が「稼働中」を示す場合には、「稼働中」の属性情報を有する遊技情報収集装置20(即ち、稼働中の遊技装置25に接続されている遊技情報収集装置20)を特定して、遊技情報収集装置IDを取得する(図11参照)。また、遊技場用サーバ12は、インデックス(項目識別情報)が「台番号542」を示す場合には、「台番号542」の属性情報を有する遊技情報収集装置20を特定して、遊技情報収集装置IDを取得する(図11参照)。
そして、遊技場用サーバ12は、取得した遊技情報収集装置ID(複数可)に対応する遊技情報収集装置20(複数可)に向けて、遊技実績データを要求するための遊技実績データ要求(遊技実績データリクエスト)を送信する(図8の#4)。遊技情報収集装置20は、遊技実績データ要求を受信すると、要求された遊技実績データを遊技実績データ保存部33から取得して、遊技場用サーバ12に返信する(図8の#5)。そして、遊技場用サーバ12は、遊技情報収集装置20から受信した遊技実績データ又は加工処理した遊技実績データを、操作端末装置10に要求結果として転送する(図8の#6)。
このように、操作端末装置10は、まず、インデックスに対応する属性情報を記憶する遊技情報収集装置20からの遊技実績データの送信を遊技場用サーバ12に要求する。そして、遊技場用サーバ12から遊技実績データの送信を要求された遊技情報収集装置20だけが、遊技場用サーバ12に遊技実績データを送信する。このため、遊技情報収集装置20と遊技場用サーバ12間の通信回数が減少して、ネットワーク14の通信負荷と、遊技情報収集装置20が通信に要する時間的なロスが軽減される。また、遊技場用サーバ12の能力が高い必要はなくコスト低減につながる。
図9は、遊技場用管理システム100において随時実行する随時処理(随時動作)の手順を示すシーケンス図である。シーケンス図において、記号「S」はステップを意味する。
S1において、遊技装置25は、遊技装置25の稼働や遊技装置25の装置状態の変化に伴って遊技実績データに関する信号を遊技情報収集装置20に送信する。次にS2において、遊技情報収集装置20は、遊技実績データを受信して更新する。
その後、S3において、遊技情報収集装置20は、遊技実績データ(数値データ)に対して閾値判定処理を実行し、特定の遊技実績データの種類(項目)に関して閾値以上となることを示すフラグ情報を、遊技場用サーバ12に送信する。フラグ情報は、このフラグ情報を送信する遊技情報収集装置20の情報(遊技情報収集装置ID等)に関連付けて(対応付けて)送信される。なお、このフラグ情報の送信は、遊技実績データを随時送信するような構成と異なり、遊技実績データが閾値以上となるという所定条件を満たした場合にのみ行われるため、通信負荷とならない。続いてS4において、遊技場用サーバ12は、受信したフラグ情報(遊技実績データ閾値判定フラグ)を記憶部に保存する。なお、S3とS4の処理は、オプションとして実行されるものであり、省略することもできる。
S5において、遊技情報収集装置20は、受信した遊技実績データに基づいて、遊技装置25に関する属性情報の更新を行う。遊技情報収集装置20は、属性情報の更新状態を監視する処理(監視手段)を実行し、更新された属性情報を検出した場合に、更新された属性情報(更新済み属性情報)を遊技場用サーバ12に送信する。なお、属性情報の更新とは、状態情報の更新、及び、タイミング情報の記録を意味する。
次にS6において、遊技場用サーバ12は、更新した属性情報を遊技情報収集装置20から受信して、記憶部に保存する。これにより、遊技場用サーバ12で保存する属性情報が更新される。なお、更新した属性情報は、これを保存・送信した遊技情報収集装置20の情報(遊技情報収集装置ID等)に対応付けられて保存される。例えば、遊技場用サーバ12は、更新した属性情報を、遊技情報収集装置20毎に遊技情報収集装置IDに対応する記憶領域において保存するか、或は、遊技情報収集装置IDとセットにして記憶部に保存することによって、更新した属性情報を遊技情報収集装置IDに対応付ける(紐付ける)ことができる。
図10は、遊技場用管理システム100において、操作端末装置10が情報開示サービスを受けるための情報開示要求を発行した場合の割込処理(割込動作)を示すシーケンス図である。
S11において、操作端末装置10は、操作入力部へのユーザ操作による入力に対応して、メニュー表示等された要求情報の項目(要求項目)を少なくとも一つ選定する。要求情報の項目(要求項目)は、情報開示を要求する対象の遊技情報収集装置20内に記憶された属性情報のいずれかを示す。そして、操作端末装置10は、選択された要求情報に対応付けられるインデックスを含んだ情報開示要求を生成し、生成した情報開示要求を遊技場用サーバ12に送信する。要求情報によって、情報開示要求の種類を識別できることになる。
次にS12において、遊技場用サーバ12は、インデックスで示される要求情報に対応(適合)する属性情報を保存する遊技情報収集装置20(該当する収集装置)を選定する。そして、遊技場用サーバ12は、選定された遊技情報収集装置20(対象装置)にのみ遊技実績データを要求する(遊技実績データリクエストを送信する)。続いてS13において、選定された遊技情報収集装置20は、保存してある遊技実績データを処理結果保存部31(バッファ)に取得して、遊技場用サーバ12に返信する。
なお、本実施形態では、情報開示要求には、要求情報をインデックス(番号、記号等の識別情報)に変換して含めるが、要求情報をそのまま含めてよい。そして、遊技場用サーバ12は、その要求情報に対応(適合)する属性情報を保存する遊技情報収集装置20を選定してよい。
そして、S14において、遊技場用サーバ12は、プロセッサで遊技実績データ(遊技情報)を加工処理して、操作端末装置10の表示部17で表示できる所定の表示形式の表示用データを生成する。そして、遊技場用サーバ12は、加工処理の処理結果、即ち、表示用データを操作端末装置10に送信する。次にS15において、操作端末装置10は、受信した表示用データを要求結果として表示部17に表示する。これにより、操作端末装置10は、遊技場用サーバ12から表示用データをそのまま受信するだけで、特別な加工処理をすることなく遊技実績データ(遊技情報)を表示でき、操作端末装置10としてデータ処理能力が低いものも使用できる。なお、S14とS15の処理は、操作端末装置10に所定の表示形式にて遊技実績データを表示するための制御を行う表示制御手段に相当する。
なお、代替として、遊技場用サーバ12は、S14での加工処理をすることなく、遊技実績データ(遊技情報)を、操作端末装置10にそのまま送信してもよい。この場合に、操作端末装置10は、搭載した端末専用アプリケーション(ソフトウェア)で、遊技実績データのデータ加工処理を行う。これにより、遊技場用サーバ12の負荷が軽減されるだけでなく、操作端末装置10は、その仕様に合わせた形で遊技実績データ(遊技情報)を表示でき、操作端末装置10の利用者がより遊技実績データ(遊技情報)を理解しやすい形で確認できる。
以上の図10のS11からS15の処理によって、操作端末装置10からの要求に見合った遊技情報(特に遊技実績データ)を、速やかに操作端末装置10に送信して表示できる。
[保存データの概略]
図11は、図7〜図10の随時処理と割込処理に関連して、遊技場用管理システム100内の操作端末装置10、遊技場用サーバ12、遊技情報収集装置20が保存するデータの概略を示す図である。なお、図11では、図9のオプションの処理S3、S4に関連するフラグ情報とフラグ情報インデックスを除いている。
遊技情報収集装置20は、自身の遊技情報収集装置ID(例えばA001)を演算処理部30のROM30b等のメモリに記憶している。例えば、遊技情報収集装置IDは、演算処理部30のCPU30aのチップ番号である。
遊技情報収集装置20の遊技実績データ保存部33に保存される遊技実績データは、遊技装置25から収集した単純な数値データであり、遊技装置25の状態変化により随時数値データが変化することになる。遊技実績データは、入玉(アウト)、出玉(セーフ)、スタート、特賞回数、確変回数、不正回数、入金、持ち球(保有玉)などのデータである。なお、図11に記載がないが、遊技実績データは、遊技装置25の貸機(各台計数装置)が計数した計数球や、貸機から貸し出された貸玉の情報も含んでよい。例えば、計数球は、遊技装置25がパチンコ機である場合には、下皿から排出される遊技球数であり、貸機へ挿入された会員カードの持ち球情報に追加するものである。
入玉は、遊技装置25に投入された遊技媒体(遊技球、メダル)の数を示す。出玉(セーフ)は、遊技装置25から払い出された遊技媒体(遊技球、メダル)の数を示す。スタートは、通常時の変動表示ゲームの実行回数(特別図柄、リールの回転数)を示す。特賞回数は、大当たりやボーナスの回数を示す。確変回数は、大当たり確率が高くなる確率変動状態への突入回数を示す(遊技装置25がパチンコ機である場合のみ)。遊技装置25がスロットマシーンである場合には、確変回数に代えて、ART(AT)回数が使用できる。不正回数は、遊技装置25の枠が開放された回数を示す。入金は、貸機(各台計数装置)に入金された合計金額(売上)を示す。持ち球(保有玉)は、貸機へ挿入された会員カードの情報によってわかる遊技者の持ち球を示す(持ちメダルでも可)。その他、遊技実績データとして、以下の式によって、入金、入玉、出玉に基づいて演算処理部30で求められる割数がある。
割数=[{入金−(入玉−出玉)×(遊技媒体1個当たりの金額)}÷入金]×10
遊技情報収集装置20の属性情報保存部32に保存される属性情報のうち、状態情報は、遊技装置25からの信号や遊技実績データ保存部33の遊技実績データなどに基づいて遊技情報収集装置20で判断・認識する情報であり、遊技装置25の装置稼働状態や状態変化に関する情報である。状態情報は、遊技装置25の稼働中、稼働停止(空台または休憩中)、特賞中、確変中、不正状態、入金遊技中、持ち球遊技中などを示す情報である。
遊技情報収集装置20は、前述のように遊技装置25からのアウトカウント信号の受信が所定時間続いた場合に、遊技装置25が稼働中(稼働開始)であると判断できる。アウトカウント信号が所定期間ない場合に、遊技装置25が稼働停止(空台または休憩中)の状態と判断できる。特賞発生信号(大当り発生信号、ボーナス発生信号)を検出中であるときは、遊技装置25が特賞中であると判断できる。確変信号を検出中であるときは、遊技装置25が確変中であると判断できる。遊技装置25の枠開放検出スイッチ等による不正信号を検出中であるときは、遊技装置25が不正状態であると判断できる。遊技装置25の貸機からの入金信号を検出中であるときは、入金遊技中であると判断できる。遊技実績データ保存部33の遊技実績データとして保存された持ち球が変化中であるときは、持ち球遊技中であると判断できる。
遊技情報収集装置20の属性情報保存部32に保存される属性情報のうち、タイミング情報は、遊技情報収集装置20のRTC30dで認識した時刻(タイミング)を保存するものであり、ある遊技情報を遊技情報収集装置20で保存したタイミング(その遊技情報が発生したタイミングに等しい)を示す。タイミング情報は、保存された遊技情報と対応付けされている。
遊技情報収集装置20の属性情報保存部32に保存される属性情報のうち、固有情報は、遊技情報収集装置20が接続する遊技装置25の台分類、台種別、台機種名、店舗情報、台番号などの情報である。例えば、固有情報として、台分類「パチンコ機」、台種別「甘デジ(大当り確率が高いデジタルパチンコ機)」、台機種名「Aパチ」、店舗情報「A店」、台番号「542」等の情報が保存されている。
遊技場用サーバ12は、遊技情報収集装置20に保存してある属性情報と同じ属性情報を遊技情報収集装置20毎の記憶領域(個別記憶手段、個別の記憶場所)に記憶している。例えば、遊技場用サーバ12は、属性情報を、その属性情報を保存する遊技情報収集装置20のID(遊技情報収集装置ID)に対応付けた記憶領域に記憶している。なお、遊技情報収集装置20内の属性情報のうち、状態情報とタイミング情報は、随時処理(図7、図9)によって、更新する度に遊技場用サーバ12に送信されている。また、遊技情報収集装置20の属性情報のうち、固有情報は、遊技情報収集装置20の設置時に遊技場用サーバ12に送信されている。なお、遊技場用サーバ12は、遊技情報収集装置20から遊技実績データを送信されていないため、遊技実績データを記憶していない。このため、遊技場用サーバ12の記憶容量を少なくでき、装置コストを削減できる。
遊技場用サーバ12は、インデックスに関する情報として、インデックスを属性情報に対応付けするテーブル(対応付け情報)を予めメモリ(ROM等)に記憶している。このため、遊技場用サーバ12は、操作端末装置10から要求情報としてのインデックスを受信した場合に、インデックス及び当該インデックスに適合(対応)する属性情報を認識でき、さらにこの属性情報を有する遊技情報収集装置20(複数でもよい)を特定できる。
一方、操作端末装置10は、インデックスに関する情報として、要求情報(要求項目)をインデックスに対応付けするテーブル(対応付け情報)を予めメモリ(ROM等)に記憶しており、操作入力部からの入力によって選択された要求情報(要求項目)をインデックスに変換して、遊技場用サーバ12への情報開示要求に含めることが可能である。
なお、インデックスには、遊技装置25に関する属性情報のうち、状態情報に対応する状態インデックス、タイミング情報に対応するタイミングインデックス、固有情報に対応する固有情報インデックスがある。タイミングインデックスは、時刻(タイミング)そのものだけでなく、15:00以前、15:00以降、15:00〜21:00などの時刻範囲を示すものであってよい。
図12は、図9のオプションの処理S3、S4に関連するフラグ情報とフラグ情報インデックスを含めて、遊技場用管理システム100内の操作端末装置10、遊技場用サーバ12、遊技情報収集装置20が保存するデータの概略を示す図である。
図12において、遊技情報収集装置20が保存するデータは、図11の遊技情報収集装置20が保存するデータと同じであるが、遊技情報収集装置20は、遊技実績データ(数値データ)に対して閾値処理を実行し、遊技実績データが閾値以上となることを示すフラグ情報を遊技場用サーバ12に送信している(S3)。
従って、図12において、遊技場用サーバ12は、図11の遊技情報収集装置20に保存してある属性情報(状態情報、タイミング情報、固有情報)の他に、フラグ情報を記憶部に保存している。なお、フラグ情報は、これを送信した遊技情報収集装置20の情報(遊技情報収集装置ID等)に対応付けられ、遊技場用サーバ12は、遊技情報収集装置20毎にフラグ情報を保存できる。
フラグ情報は、「入玉20000個」「出玉20000個」「スタート1000回」「特賞回数50回」「確変回数30回」「不正回数1回」「入金50000円」「持ち球20000個」など、遊技実績データの種類(項目)と閾値をセットにしたものである。なお、遊技実績データの同じ種類(項目)に対して、複数の閾値を使用して閾値判定処理を行い、複数のフラグ情報を生成してもよい。例えば、遊技実績データの同じ種類(スタート)に対して、複数の閾値200回、400回、600回を準備して、「スタート200回」「スタート400回」「スタート600回」など、複数のフラグ情報を生成してもよい。
遊技場用サーバ12は、インデックスに関する情報として、インデックスを属性情報及びフラグ情報に対応付けするテーブル(対応付け情報)を予めメモリ(ROM等)に記憶している。遊技場用サーバ12は、操作端末装置10から情報開示を要求するための要求情報としてのインデックスを受信した場合に、インデックスを認識できるとともに、インデックスに適合(対応)する属性情報及びフラグ情報を認識でき、さらにこの属性情報及びフラグ情報を有する遊技情報収集装置20(複数でもよい)を特定できる。そして、遊技場用サーバ12は、特定した遊技情報収集装置20にのみアクセスして、遊技実績データを取得する。取得する遊技実績データとしては、このフラグ情報に関係する種類(例えば入玉)の遊技実績データだけでもよい。例えば、「入玉20000個以上」という内容のフラグ情報インデックスを受信した遊技場用サーバ12は、「入玉20000個」のフラグ情報を有する遊技情報収集装置20にアクセスして、遊技実績データを取得する。
一方、操作端末装置10は、要求情報(要求項目)をインデックスに対応付けするテーブル(対応付け情報)を予めメモリ(ROM等)に記憶しており、操作入力部からの入力によって選択された要求情報(要求項目)をインデックスに変換して、遊技場用サーバ12への情報開示要求に含めることが可能である。
なお、インデックスには、状態インデックス、タイミングインデックス、固有情報インデックスに加えて、フラグ情報に対応するフラグ情報インデックスがある。フラグ情報インデックスは、閾値判定処理される遊技実績データの種類(項目)に対してのみ設けられる。
[前処理]
図13は、操作端末装置10が遊技場用サーバ12から情報開示サービスを受ける前の段階で実行される処理を示すシーケンス図である。図13の処理は、操作端末装置10で情報開示アプリケーション(情報開示ソフトウェア)が起動する場合に実行され、操作端末装置10において要求情報の項目を認識する手順を示す。
S21において、操作端末装置10は、情報開示アプリケーションを起動する。本実施形態において、情報開示アプリケーションは、操作端末装置10内の記憶部(ROM等)に保存されているものであるが、遊技場用サーバ12が操作端末装置10に情報開示アプリケーションを提供するクラウドサービス(SaaS)を行ってもよい。情報開示アプリケーションの起動の際に、操作端末装置10は、操作端末装置10の権限情報、及び、要求情報の項目要求などの必要な情報を遊技場用サーバ12に送信する。要求情報の項目要求は、操作端末装置10で表示する要求情報の項目を要求するための情報である。また、必要な情報としては、例えばパスワードなどもある。
次にS22において、権限情報と項目要求を受信した遊技場用サーバ12は、操作端末装置10の情報開示権限を確認する。権限情報が、操作端末装置10のユーザID(ユーザの識別情報)であれば、遊技場用サーバ12は、ユーザIDから情報開示権限を確認してよい。なお、情報開示権限の種類には、オーナー用権限、店舗管理者用権限、会員用権限、一般利用者用権限があり、遊技場用サーバ12を介して操作端末装置10側に開示される情報の開示範囲がこの順に狭くなる(開示される情報量が減少する)。
続いてS23において、遊技場用サーバ12は、情報開示権限の開示範囲での要求情報(複数可)を選定する。即ち、情報開示権限による開示範囲にある要求情報を抽出する。そして、選定した要求情報の項目(即ち、要求情報の種別)を操作端末装置10に送信する。なお、例えば一般利用者用権限などでは、情報開示権限の開示範囲内で、遊技場用サーバ12へのアクセスの多い時間帯では選定する要求情報の数を減少させ、アクセスの少ない時間帯では選定する要求情報の数を増加することも可能である。例えば、遊技場用サーバ12へのアクセス数が減少する時間帯だけ、一般利用者にも会員用権限で開示される情報やお勧め情報などを一部提供するなど、アクセス数を増やして遊技場用サーバ12の装置性能をより有効に活用することも可能である。
次にS24において、要求情報の項目(要求情報の種類)を受信した操作端末装置10は、要求情報の項目を情報開示アプリケーションで組み込む処理を実行する。その後S25において、操作端末装置10は、組み込んだ要求情報の項目(要求情報の種類)をメニューとして表示し得る選定画面を表示部17に表示して、選定画面に移行する。なお、操作端末装置10が予め全ての要求情報の項目を記憶部に保存している場合には、組み込む処理は必要なく、代わりに、受信した要求情報の項目に基づいて単にメニュー表示を行う。
[操作端末装置の表示例]
図14から図17は、情報開示要求を生成して情報収集を行う場合(図8の#3、図10のS11)において、操作端末装置10のタッチパネル19(操作入力部)への操作入力手順を例示する図である。
図14では、表示部17を兼ねるタッチパネル19に選定画面が表示されている(図13のS25)。タッチパネル19の選定画面において、遊技装置25に関する属性情報のうちの状態情報、固有情報、時間情報(タイミング情報)に関して、項目がメニュー表示されている。操作端末装置10のユーザは、タッチパネル19に表示された項目にタッチして、状態情報、固有情報、時間情報(タイミング情報)の何れかに関して、その内容の選択肢をメニュー表示できる。
図15では、ユーザがタッチパネル19の項目「状態情報」にタッチすると、「状態情報」の内容が複数の項目として表示される。そして、ユーザが表示された複数の項目「稼働中」「稼働停止(空台または休憩中)」「特賞中」「確変中」のうちの「稼働中」にタッチすると、操作端末装置10は、要求情報の項目(要求項目)として「稼働中」を選定する。そして、選定画面の要求情報内容の欄に、「稼働中」と表示される。
続いて、図16では、ユーザがタッチパネル19の項目「固有情報」にタッチすると、「固有情報」(大分類)の細分類項目「店舗名(店舗情報)」「機種分類(台分類)」「機種名(台機種名)」「機種種別(台種別)」が表示される。さらに、ユーザが項目「機種種別」にタッチすると、「機種種別」の内容が複数の項目として表示される。そして、ユーザが表示された複数の項目「羽根モノ」「甘デジ」「ミドル」「マックス」のうちの「甘デジ」にタッチすると、操作端末装置10は、要求情報の項目(要求項目)として「甘デジ」を選定する。そして、選定画面の要求情報内容の欄に、「稼働中」に追加して「甘デジ」と表示される。
続いて、図17では、ユーザがタッチパネル19の項目「時間情報(タイミング情報)」にタッチすると、「時間情報」(大分類)の細分類項目「以前」「以降」「〜(から)」が表示される。さらに、ユーザが項目「〜(から)」にタッチすると、「開始時間」と「終了時間」の内容が複数の項目として表示される。そして、ユーザが、「開始時間」について表示された複数の項目のうち「15:00」に、「終了時間」について表示された複数の項目のうち「18:00」にタッチすると、操作端末装置10は、要求情報の項目(要求項目)として「15:00〜18:00」を選定する。そして、選定画面の要求情報内容の欄に、「稼働中」「甘デジ」に追加して、「15:00〜18:00」と表示される。
その後、ユーザがタッチパネル19の「情報取得」のボタン表示にタッチすると、操作端末装置10は、3つの要求情報の項目(要求項目)として、「稼働中」「甘デジ」「15:00〜18:00」を選定することを確定する。そして、操作端末装置10は、3つの要求情報「稼働中」「甘デジ」「15:00〜18:00」に対応付けられるインデックスを含む情報開示要求を生成し、生成した情報開示要求を遊技場用サーバ12に送信する。
図18と図19は、遊技実績データを要求結果(情報収集結果)として表示する場合(図8の#6、図10のS15)において、操作端末装置10のタッチパネル19(表示部17)の表示例を示す図である。
図18は、店舗管理者用権限によって操作端末装置10が遊技場用サーバ12にアクセスした場合の遊技実績データ(情報収集結果)の表示例である。図19は、会員用権限によって操作端末装置10が遊技場用サーバ12にアクセスした場合の遊技実績データ(情報収集結果)の表示例である。遊技実績データが表形式で表示されるとともに、データ抽出条件(即ち選択された要求情報)「稼働中」「甘デジ」「15:00〜18:00」が同時に表示されている。このように、会員用権限よりも店舗管理者用権限によって遊技場用サーバ12にアクセスした場合の方が、操作端末装置10に開示(表示)される情報の開示範囲が広くなる(開示される情報量が多い)。
[保存データ削除処理]
図20と図21は、遊技情報収集装置20のデータ保存領域における保存データを削除(消去)する保存データ削除処理の手順を示すシーケンス図である。図20の削除処理は、遊技情報収集装置20のデータ保存領域のデータ量が所定量を超えた場合に実行される。図21の削除処理は、遊技情報収集装置20のデータ保存領域のデータ量が限界量(最大容量)を超えた場合に実行される。なお、データ保存領域(データ記憶領域)は、個々の保存部(属性情報保存部32、遊技実績データ保存部33)を意味してもよいし、個々の保存部がメモリの記憶領域であれば記憶領域の全体を意味してもよい。
図20のS31において、遊技情報収集装置20は、データ保存領域のデータ量が所定量を超えたか否かを判定し、データ量が所定量を超えた場合に、データ保存領域の空き容量が少なくデータ保存領域が圧迫されていることを遊技場用サーバ12に報知する(データ保存領域圧迫情報を送信する)。例えば、遊技情報収集装置20は、遊技実績データ保存部33のデータ量が所定量を超えた場合に、データ保存領域が圧迫されていることを示すデータ保存領域圧迫情報を遊技情報収集装置IDとともに遊技場用サーバ12に送信する。なお、所定量は、具体的なデータ量として定める場合には、数週間〜数か月程度の間に保存するデータ量としてよいし、或は、データ保存領域の最大容量に応じて定める場合には、最大容量の90%程度としてもよい。
そして、遊技場用サーバ12は、受信したデータ保存領域圧迫情報を操作端末装置10に転送する。転送先の操作端末装置10は、特に、店舗管理者用の操作端末装置10−2、店舗用(ホール用)の操作端末装置10−3である。
次に、S32において、データ保存領域圧迫情報を受信した操作端末装置10は、報知ランプ18を点灯又は点滅させる。そして、S33において、操作端末装置10は、ユーザの操作入力部(タッチパネル19等)への入力に基づいて、データ領域解放指示を遊技場用サーバ12に送信する。そして、遊技場用サーバ12は、受信したデータ領域解放指示を、データ保存領域圧迫情報を送信した遊技情報収集装置20に転送する。
その後、S34において、データ領域解放指示を受信した遊技情報収集装置20は、データ保存領域のデータを少なくとも一部削除して、データ保存領域の少なくとも一部を解放(開放)する。これにより、遊技情報収集装置20のデータ保存領域の容量が確保できる。なお、データ保存領域のデータは、属性情報や遊技実績データ等の遊技情報であるが、属性情報のうち固有情報は、削除すると問題が生じる可能性があるため削除対象にしなくてよい。
図21のS41において、遊技情報収集装置20は、そのデータ保存領域のデータ量が限界量(最大容量)を超えたか否かを判定し、データ保存領域を解放することを遊技場用サーバ12に報知する(データ領域解放情報を送信する)。例えば、遊技情報収集装置20は、遊技実績データ保存部33のデータ量が限界量(最大容量)を超えた場合に、データ保存領域を解放することを示すデータ領域解放情報を遊技場用サーバ12に送信する。そして、S42において、遊技情報収集装置20は、データ保存領域のデータを少なくとも一部削除(消去)して、データ保存領域の少なくとも一部を解放する。
そして、遊技場用サーバ12は、受信したデータ領域解放情報を操作端末装置10に転送する。転送先の操作端末装置10は、特に、店舗管理者用の操作端末装置10−2、店舗用(ホール用)の操作端末装置10−3である。
次に、S43において、データ保存領域圧迫情報を受信した操作端末装置10は、報知ランプ18を点灯又は点滅させる。これにより、操作端末装置10のユーザは、遊技情報収集装置20のデータ保存領域が解放されたことを知ることができる。
[バックアップ処理]
図22から図24は、ストレージサービス(クラウドサービス)を提供可能なバックアップサーバ15を設けた遊技場用管理システム100(図4参照)におけるバックアップ処理について説明する図である。
図22は、遊技場用管理システム100におけるバックアップ処理として実行されるデータ通信の様子を説明する図である。
操作端末装置10は、まず、バックアップすることを指令するためのバックアップ指示をバックアップサーバ15に送信する(図22の#11)。ここで、操作端末装置10は、店舗管理者用の操作端末装置10−2である。そして、バックアップ指示を受信したバックアップサーバ15は、データ収集を指令するためのデータ収集指示を全ての遊技情報収集装置20に一斉送信する(図22の#12)。
遊技情報収集装置20のうちで収集条件を満たすデータを有するものは、そのデータを収集して、バックアップデータとしてバックアップサーバ15に送信する(図22の#13)。バックアップサーバ15は、遊技情報収集装置20から収集条件を満たすデータを受信して保存した後に、バックアップ指示を送信した操作端末装置10に対してバックアップ処理の処理完了を報知する(図22の#14)。
図23は、遊技場用管理システム100におけるバックアップ処理の手順を示すシーケンス図である。
S51において、操作端末装置10は、ユーザの操作入力部(タッチパネル19等)への入力に基づいて、バックアップ指示を生成して送信する(図22の#11)。バックアップ指示には、バックアップするために収集する遊技情報の条件(収集条件)が含まれている。例えば、収集条件は、収集する遊技情報の範囲(所定範囲)であり、ユーザによって決定・入力される。収集する遊技情報の範囲は、取得された日時の範囲(タイミング情報からわかる)や遊技情報の種類など(属性情報や遊技実績データなど)である。また、収集する遊技情報の範囲は、デ−タ変動をする当日分はバックアップ対象から除くように設定されるのが一般的であるが、当日の収集データを日時などで区分けしている場合は変動しないデータの範囲であれば、所定範囲にすることが可能である。そして、バックアップ指示を受信したバックアップサーバ15は、収集条件の情報を含むデータ収集指示を送信することにより、全ての遊技情報収集装置20に収集条件の情報を一斉送信する。
S52において、収集条件の情報を受信した遊技情報収集装置20は、自身が収集条件に適合する遊技情報を保存しているか否かを判定する。そして、収集条件に適合する遊技情報(収集条件データ)を保存している遊技情報収集装置20(該当装置)は、バックアップデータとしてその遊技情報を、遊技情報収集装置20のID(遊技情報収集装置ID)に対応付けられた仮想遊技情報収集装置ID(バックアップ用ID)とともに、バックアップサーバ15に送信する。
S53において、バックアップサーバ15は、受信したバックアップデータ(収集条件データ)を所定の保存領域に保存する。その後、バックアップサーバ15は、バックアップデータの受信を完了したことを示すデータ受信完了応答を遊技情報収集装置20に返信する。
S54において、遊技情報収集装置20は、データ送信の完了した収集条件データ(バックアップデータ)を保存しているデータ保存領域からその収集条件データを消去(削除)して、データ保存領域を解放(開放)する。そして、遊技情報収集装置20は、バックアップ処理が完了したことを示すバックアップ処理完了情報をバックアップサーバ15に送信し、さらにバックアップサーバ15は、バックアップ処理完了情報を操作端末装置10に送信する。S55において、バックアップ処理完了情報を受信した操作端末装置10は、報知ランプ18を点灯又は点滅させる。
図24は、バックアップサーバ15のデータ保存の概念を示す図である。バックアップサーバ15は、ネットワーク14での通信を可能にする通信インタフェースと、情報処理部としてCPU等のプロセッサと、作業用のメモリ(RAM)やプログラム等を記憶するメモリ(ROM)を含む記憶部と、データバックアップ用の大容量の記憶装置(ハードディスク等)を備えている。
バックアップサーバ15の記憶装置内のデータ保存領域には、店舗Aデータ保存領域、店舗Bデータ保存領域、店舗Cデータ保存領域等のごとく、店舗ごとの保存領域が設けられている。例えば、店舗Aデータ保存領域では、店舗A内の遊技情報収集装置20からのバックアップデータが、遊技情報収集装置20ごとの保存領域(S53の所定の保存領域に対応する)に保存されている。このため、バックアップサーバ15の外部からは、データ保存領域内で、各々の遊技情報収集装置20に対応する仮想遊技情報収集装置22にバックアップデータが保存されているように見える。
バックアップデータは、仮想遊技情報収集装置22のID(仮想遊技情報収集装置ID)と対応付け(関連付け)された保存領域に保存されており、バックアップサーバ15の外部(例えば操作端末装置10)から仮想遊技情報収集装置IDを指定することにより、その仮想遊技情報収集装置IDを有する仮想遊技情報収集装置22内のバックアップデータを、ネットワーク14を介して取得することが可能になる。
仮想遊技情報収集装置22は、これに対応する遊技情報収集装置20のIDと同じIDを有すると、バックアップサーバ15の外部(例えば操作端末装置10)から見ると同じIDの装置が二つ存在してしまう。従って、仮想遊技情報収集装置22のID(仮想遊技情報収集装置ID)は、これに対応する遊技情報収集装置20のID(遊技情報収集装置ID)と異なっている。なお、バックアップサーバ15に保存された参照テーブル等において、仮想遊技情報収集装置22のIDが、これに対応する遊技情報収集装置20のIDと対応付け(関連付け)がなされていれば、バックアップサーバ15の外部(例えば操作端末装置10)から仮想遊技情報収集装置IDを指定することにより、特定の遊技情報収集装置20からのデータバックアップ(データ収集・保存処理)をすることも可能になる。
以上の第1実施形態によると、遊技場用管理システム100において、クラウド環境下の遊技場用サーバ12は、複数の遊技情報収集手段(遊技情報収集装置20)と操作端末装置10に公衆回線16を介して通信可能である。複数の遊技情報収集手段は、遊技場に設置された各遊技装置25に対応して各々設けられ、遊技装置25毎の稼働によって生じる遊技実績データを収集して記憶する。操作端末装置10は、遊技実績データに基づく表示を実行可能である。
遊技情報収集手段(遊技情報収集装置20)は、遊技実績データ記憶手段(遊技実績データ保存部33)と属性情報記憶手段(属性情報保存部32)と送信手段(演算処理部30と通信処理部34等)を備える。遊技実績データ記憶手段は、収集した遊技実績データを記憶する。属性情報記憶手段は、遊技装置の状態を示す状態情報と、状態情報の発生した発生時期(発生時刻)を示すタイミング情報と、遊技装置を識別可能な固有情報のうち、少なくとも一つの情報を属性情報として記憶できる。送信手段は、属性情報記憶手段が記憶する属性情報が更新された場合に、遊技場用サーバ12に、更新済み属性情報を記憶する当該遊技情報収集手段(遊技情報収集装置20)に対応付けて、当該更新済み属性情報を送信する(図7の#2、図9のS5、S6)。
操作端末装置10は、ユーザの操作による入力を受け付け、当該入力に対応して情報開示を要求するための要求情報(当該入力に対応した命令である要求情報)を遊技場用サーバ12に送信し、要求情報を送信した結果として、遊技場用サーバ12から遊技実績データ又は処理した遊技実績データを受信して、遊技実績データに基づく表示を実行する(図10)。
遊技場用サーバ12は、更新済み属性情報記憶手段と、検索手段と、遊技実績データ取得手段とを備える(図8、図10−図12)。更新済み属性情報記憶手段は、送信手段から送信された更新済み属性情報を、遊技情報収集手段毎に記憶する(図11、図12)。検索手段は、要求情報に適合する更新済み属性情報を記憶する遊技情報収集手段を特定する(図10のS12)。遊技実績データ取得手段は、検索手段により特定された遊技情報収集手段のみにアクセスし、当該遊技情報収集手段が記憶している遊技実績データを取得する(図10のS12、S14)。
〔第1実施形態の作用効果〕
第1実施形態によると、クラウド環境下の遊技場用サーバ12は、複数の遊技情報収集手段(遊技情報収集装置20)と公衆回線16を介して通信可能である。従って、遊技場内(店舗内)で、遊技用管理装置が不要になり、遊技場用管理システム100を安価に構築できる。
第1実施形態によると、遊技場用サーバ12は、情報開示を要求するための要求情報に適合する更新済み属性情報を記憶する遊技情報収集手段を特定でき、特定された遊技情報収集手段のみにアクセスし、当該遊技情報収集手段が記憶している遊技実績データを取得できる。従って、遊技実績データは、遊技場内(店舗内)の遊技情報収集手段(遊技情報収集装置20)にのみ保存され、必要な場合にのみ遊技情報収集手段から遊技場用サーバ12に送信されるため、通信負荷が少なく、運用に見合った遊技場用管理システム100の構築が可能になる。また、遊技場用サーバ12の記憶部の容量が少なくて済み、装置コストが低減できる。このように、遊技場用管理システム100において、通信負荷を軽減するとともにコストを削減できる。
第1実施形態によると、遊技場用サーバ12は、遊技情報収集手段(遊技情報収集装置20)から取得した遊技実績データを処理して、所定の表示形式の表示用データを生成し、操作端末装置10は、遊技場用サーバ12から表示用データを受信することによって、遊技実績データに基づく表示を実行してよい。この場合、操作端末装置10側は表示用データを受信をするだけで、情報開示要求(要求情報)に見合った情報を取得することができ、操作端末装置10はデータ処理機能が高性能である必要がない。
第1実施形態によると、遊技場用サーバ12は、遊技情報収集手段(遊技情報収集装置20)から取得した遊技実績データをそのまま操作端末装置10に送信し、操作端末装置10は、遊技場用サーバから受信した遊技実績データから所定の表示形式の表示用データを生成することによって、遊技実績データに基づく表示を実行してよい。この場合、遊技場用サーバ12の負荷が軽減されるだけでなく、操作端末装置10側に情報開示に対応する端末専用アプリケーションを搭載することで、操作端末装置10の仕様に合わせた表示を実行することが可能になり、ユーザ(利用者)がより情報を理解しやすい形で情報開示を受けることができる。
第1実施形態によると、遊技情報収集手段(遊技情報収集装置20)は、無線方式によって、公衆回線16に通信接続可能である。従って、遊技情報収集手段を設置する遊技島内及び店舗内の配線処理が不要になり設備工事が安価になる。
第1実施形態によると、遊技情報収集手段(遊技情報収集装置20)は、遊技実績データと属性情報のうちの少なくとも一つを含む遊技情報を記憶可能な記憶領域(データ保存領域)を備える(図6)。遊技情報収集手段(遊技情報収集装置20)は、記憶領域に記憶された遊技情報が所定量を超えた場合に操作端末装置10に報知する報知手段を有し、操作端末装置10からの指示に基づいて、記憶領域に記憶された遊技情報を少なくとも一部削除して、記憶領域を解放してよい(図20)。また、操作端末装置10からの指示がない場合でも、記憶領域に記憶された遊技情報が限界量になった際に、記憶領域に記憶された遊技情報を少なくとも一部削除して、記憶領域を解放してよい(図21)。この場合、遊技情報収集手段の記憶領域(データ保存領域)を必要以上に確保する必要がなく、記憶領域の記憶容量が節約できるため、遊技情報収集手段のコストを安価にすることができる。また、操作端末装置10から記憶領域の確保の指示がなくても、自動的にデータ保存領域を確保できるため、システム運用が継続できるだけでなく、ユーザの手間を省くことが可能になる。
第1実施形態によると、操作端末装置10は、ユーザ操作入力に基づいて、遊技情報収集手段(遊技情報収集装置20)の記憶領域に記憶され得る所定範囲の遊技情報を当日に記憶される情報を除いて決定してよい(図23のS51)。そして、遊技情報収集手段は、所定範囲の遊技情報と、当該遊技情報収集手段の識別情報(遊技情報収集装置ID)に対応付けられたバックアップ用識別情報(仮想遊技情報収集装置ID)とを、クラウド環境下のバックアップ保存先(バックアップサーバ15)へ公衆回線16を介して送信し(図23のS52、図24)、送信終了後に、記憶領域から所定範囲の遊技情報を削除してよい(図23のS54)。この場合、クラウド環境下のバックアップ保存先(バックアップサーバ15)に遊技情報とバックアップ用識別情報を移動しているため、このバックアップ保存先のデータを利用して、遊技情報収集手段に保存されていない過去の遊技情報についてもデータの取得ができる。なお、当日データと過去データを分けることが一般的であるため、当日分を除いて所定範囲を決定(設定)する例を示したが、当日の収集データを日時などで区分けして保存している場合、データを変動しない区分けされた保存領域のものであれば、当日のデータでも一部所定範囲にすることが可能である。
〔第2実施形態〕
図25から図29において、第2実施形態に係る遊技場用管理システム100とその処理について説明する。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、遊技場用サーバ12は属性情報(状態情報、タイミング情報、固有情報)を保存しない。このため、遊技場用サーバ12の記憶容量をより少なくでき、さらに装置コストを削減できる。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態と同様でよい。例えば、第2実施形態でも図20〜図24で説明した保存データ削除処理やバックアップ処理を実行できる。
図25は、第2実施形態に係る遊技場用管理システム100において随時処理として実行されるデータ通信の様子を説明する図である。
遊技装置25は、第1実施形態と同様に、送信すべき遊技実績データに関する情報が生じる度に、随時、遊技実績データに関する信号を遊技情報収集装置20に送信する(図25の#21)。なお、遊技場用サーバ12は、遊技装置25に関する属性情報を保存しないため、第1実施形態(図7の#2)と異なり、随時実行する随時処理としては、属性情報を遊技場用サーバ12に送信しない。
図26は、第2実施形態に係る遊技場用管理システム100において割込処理として実行されるデータ通信の様子を説明する図である。
操作端末装置10は、まず、要求情報そのもの或は要求情報を示すインデックスを含む情報開示要求を遊技場用サーバ12に送信する(図26の#22)。第2実施形態において、情報開示要求の種類を識別する要求情報は、遊技情報収集装置20に要求する情報の種類を示し、遊技情報収集装置20のいずれかの遊技情報に対応するものである。なお、遊技情報は、遊技装置25に関する属性情報と遊技実績データを含む。そして、遊技場用サーバ12は、要求情報を全ての遊技情報収集装置20に向けて一斉(同時)に送信する(図26の#23)。例えば、要求情報は、この要求情報に対応するインデックスとして遊技情報収集装置20に送信される。
遊技情報収集装置20は、要求情報を受信すると、自身が要求情報(インデックス)に対応(適合)する遊技情報を有するか否か判断する。そして、自身が要求情報(インデックス)に対応(適合)する遊技情報を有すると判断した該当の遊技情報収集装置20(該当装置)は、その遊技情報を遊技場用サーバ12に送信する(図26の#24)。このように、遊技情報収集装置20は、要求情報を受信しない限り、遊技情報を遊技場用サーバ12に送信しないため、遊技情報収集装置20のデータ送信量が減少する。
遊技情報収集装置20(該当装置)から遊技情報を受信した遊技場用サーバ12は、遊技情報を処理して、要求結果として操作端末装置10に送信する(図26の#25)。
図27は、第2実施形態の遊技場用管理システム100において随時実行する随時処理(随時動作)の手順を示すシーケンス図である。
S61において、遊技装置25は、遊技装置25の稼働や遊技装置25の状態の変化に伴って遊技実績データに関する信号を遊技情報収集装置20に送信する。遊技実績データに関する信号とは、遊技実績データそのものに相当する信号、或は、遊技情報収集装置20が遊技実績データ(入玉、出玉、特賞回数、入金等)を得るための信号である。
次にS62において、遊技情報収集装置20は、遊技実績データに関する信号を受信して、遊技情報の更新を実行する。なお、遊技情報の更新は、遊技実績データと状態情報の更新、及び、タイミング情報の記録を意味する。
図28は、第2実施形態の遊技場用管理システム100において、操作端末装置10が情報開示サービスを受けるための情報開示要求を発行した場合の割込処理(割込動作)を示すシーケンス図である。
S71において、操作端末装置10は、操作入力部へのユーザ操作による入力に対応して、メニュー表示等された要求情報の項目(要求項目)の少なくとも一つ選定する。要求情報の項目(要求項目)は、遊技情報のいずれかに対応するものである。そして、操作端末装置10は、要求情報そのもの或は要求情報に対応付けられるインデックスを含んだ情報開示要求を生成し、生成した情報開示要求を遊技場用サーバ12に送信する。そして、遊技場用サーバ12は、要求情報(インデックスでよい)を含む情報開示要求を全ての遊技情報収集装置20に向けて一斉(同時)に送信する。
S72において、遊技情報収集装置20は、要求情報(インデックス)を受信すると、自身が要求情報に対応(適合)する遊技情報を有するか否か判断する。要求情報に対応する遊技情報を有さない遊技情報収集装置20は、応答せず処理を終了する。一方、要求情報に対応する遊技情報を有すると判断した遊技情報収集装置20(該当装置)は、その遊技情報を遊技場用サーバ12に返信する。
S73において、遊技場用サーバ12は、遊技情報収集装置20(該当装置)から遊技情報を受信すると、正常な応答と判断し処理を実行する。また、応答がなかった場合、データの再送を促すが、タイマーチェックなどで所定時間の経過をチェックする。この所定時間は、タイムアウト処理の時間である。タイムアウト処理によって、遊技場用サーバ12は、この所定時間内に遊技情報を受信しない場合に、遊技情報収集装置20から受信する処理を打ち切る。そして、遊技場用サーバ12は、受信した遊技情報の処理結果を、要求結果として操作端末装置10に送信する。ここで、遊技情報の処理としては、遊技情報を操作端末装置10の表示部17で表示できる表示用データに加工する処理などがある。
S74において、操作端末装置10は、処理した遊技情報を要求結果として、表示部17(表示画面)に表示する。
図29は、図25〜図28の随時処理と割込処理に関連して、遊技場用管理システム100内の操作端末装置10、遊技場用サーバ12、遊技情報収集装置20が保存するデータの概略を示す図である。以下、第1実施形態の図11との違いを主に説明する。
操作端末装置10は、インデックスに関する情報として、要求情報(要求項目)をインデックスに対応付けするテーブル(対応付け情報)を予めメモリ(ROM等)に記憶している。なお、図11と異なり、操作端末装置10は、遊技実績データに関する要求情報をインデックス(遊技実績データインデックス)に対応付けするテーブル(対応付け情報)も予めメモリ(ROM等)に記憶している。
遊技場用サーバ12は、インデックスに関する情報として、インデックスを要求情報に対応付けするテーブル(対応付け情報)を予めメモリ(ROM等)に記憶している。このため、遊技場用サーバ12は、操作端末装置10から要求情報を受信した場合に、インデックスとして認識できる。なお、遊技場用サーバ12は、図11と異なり、遊技実績データに関する要求情報をインデックス(遊技実績データインデックス)に対応付けするテーブル(対応付け情報)を予めメモリ(ROM等)に記憶している。一方、遊技場用サーバ12は、図11と異なり、遊技情報収集装置20が記憶するのと同じ属性情報(遊技装置25に関する属性情報)を保存していない。
例えば、遊技場用サーバ12は、要求情報に対応するインデックスを用いて遊技情報収集装置20に遊技情報を要求できる。遊技情報収集装置20は、自身がインデックスに対応(適合)する遊技情報を有するか否か判断する。そして、遊技情報収集装置20は、自身がインデックスに対応(適合)する遊技情報を有すると判断した遊技情報収集装置20は、その遊技情報を遊技場用サーバ12に送信する。
以上のように、操作端末装置10と遊技場用サーバ12は、属性情報に関する要求情報(インデックス)だけでなく、遊技実績データに関する要求情報(インデックス)を有することで、効率的に遊技情報収集装置20から情報取得が可能になる。
〔第2実施形態の作用効果〕
第2実施形態によると、操作端末装置10と遊技場用サーバ12と複数の遊技情報収集手段は、操作端末装置10への入力による情報開示要求の種類を識別するための要求情報を認識する(図29)。遊技場用サーバ12は、操作端末装置10から受信した要求情報を複数の遊技情報収集手段(遊技情報収集装置20)に対し一斉送信する(図26、図28)。遊技情報収集手段は、要求情報と適合する遊技情報を記憶していると判断した場合に、当該遊技情報収集手段が記憶している遊技情報のうち、要求情報と適合する遊技情報を遊技場用サーバ12に送信する(図26、図28)。
従って、第1実施形態の作用効果に加えて、要求情報(情報開示要求)の発信によって操作端末装置10が遊技情報収集をする場合以外は、ネットワーク14を介した通信処理が行われないため、通信負荷が極めて少なくなる。また、要求情報と適合する遊技情報を記憶している遊技情報収集手段だけが遊技情報を送信するため、通信負荷が極めて少なくなり、速やかに操作端末装置10側へデータ通信が行われる。
また、第2実施形態は、記載した以外の構成は、第1実施形態と同様でもよいため、第1実施形態の作用効果も奏する。
〔第3実施形態〕
図30から図36において、第3実施形態に係る遊技場用管理システム100とその処理について説明する。第3実施形態は、クラウド環境下の遊技場用サーバ12が遊技情報収集装置20と同じ遊技情報のデータ(例えば、遊技装置25に関する属性情報データ(タイミング情報や状態情報)や遊技実績データ、営業情報)を保存しようとする場合に、データ抜けやデータエラー等によるデータ不整合をチェックして対策を行う技術に関する。即ち、クラウド(公衆回線16、インターネット)を介して遊技情報収集装置20から遊技場用サーバ12に遊技情報を送信する場合にデータ不整合が発生する可能性があるが、第3実施形態では、遊技情報収集装置20と遊技場用サーバ12で保存する遊技情報データの整合性を維持できる。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態と同様でよい。また、第3実施形態は、遊技場用サーバ12の代わりにバックアップサーバ15を用いて、遊技情報収集装置20とバックアップサーバ15で保存する遊技情報データの整合性を維持することにも適用できる。
図30は、第3実施形態に係る遊技場用管理システム100において随時処理として随時実行されるデータ通信の様子を説明する図である。
送信すべき遊技情報(遊技実績データなど)に関する情報が生じた稼働中の遊技装置25は、その都度、遊技情報に関する信号を遊技情報収集装置20に送信する(図30の#31)。そして、遊技情報収集装置20は、遊技情報(属性情報や遊技実績データ)を遊技場用サーバ12に送信する(図30の#32)。遊技場用サーバ12は、送信された遊技情報を記憶部に保存する。なお、第1実施形態と異なり、遊技場用サーバ12は、遊技実績データも保存する。
図31は、第3実施形態に係る遊技場用管理システム100において整合性チェック処理として実行されるデータ通信の様子を説明する図である。遊技情報収集装置20は、遊技情報を遊技場用サーバ12に送信する度に整合性チェック処理を行ってよいし、所定の時間間隔で定期的に整合性チェック処理を行ってよい。
遊技情報を遊技場用サーバ12に送信した遊技情報収集装置20(稼働があった遊技情報収集装置20)は、遊技場用サーバ12から所定範囲の遊技情報を読み込む(図31の#33)。続いて、遊技情報収集装置20は、遊技場用サーバ12から読み込んだ遊技情報と遊技情報収集装置20で保存する遊技情報が整合するか否か(一致するか否か)を判定する。
遊技情報収集装置20は、遊技場用サーバ12から読み込んだ遊技情報と遊技情報収集装置20で保存する遊技情報とが整合しないと判定した場合に、整合しない遊技情報を遊技場用サーバ12に再送信する(図31の#34)。
図32は、第3実施形態に係る遊技場用管理システム100において随時実行する随時処理(随時動作)の手順を示すシーケンス図である。
S81において、遊技装置25は、遊技装置25の稼働や遊技装置25の装置状態の変化に伴って遊技情報に関する信号を遊技情報収集装置20に送信する。次にS82において、遊技情報収集装置20は、遊技情報を受信し、必要あれば処理して、各種保存部に遊技情報を保存して更新する。さらに、遊技情報収集装置20は、遊技情報を遊技場用サーバ12に送信する。次にS83において、遊技場用サーバ12は、遊技情報を受信して、この遊技情報を送信した遊技情報収集装置20のIDに対応する記憶領域に保存して更新する。なお、データ抜けやエラーがなければ、遊技場用サーバ12は、遊技情報収集装置20が保存するものと同じ遊技情報を保存することになる。
図33は、第3実施形態に係る遊技場用管理システム100において実行する整合性チェック処理の手順の一例を示すシーケンス図である。この例では、所定範囲の個々の遊技情報のデータの整合性がチェックされる。
S91において、遊技情報収集装置20は、データの整合性をチェックするためのデータチェックを開始する。S92において、遊技情報収集装置20は、遊技情報を更新したか否かを判断する。S82の更新処理を実行した場合に、遊技情報を更新したと判断できる。そして、遊技情報を更新した場合に、遊技情報収集装置20は、遊技場用サーバ12に対して、その遊技情報収集装置20のIDに対応した遊技情報のうち所定範囲の遊技情報の送信を要求する。
次にS93において、遊技場用サーバ12は、遊技情報収集装置20からの要求に応じて、前述の所定範囲の遊技情報を準備して、遊技情報収集装置20に送信する。そして、S94において、遊技情報収集装置20は、送信された所定範囲の遊技情報を、自身で保存する所定範囲の遊技情報と比較する。なお、ここでは、個々の遊技情報を一つずつ比較する。例えば、所定範囲は、タイミング情報等によって抽出できる最新の1日分の遊技情報であり、更新した遊技情報を含む。遊技場用サーバ12から読み込んだ所定範囲の遊技情報と遊技情報収集装置20で保存する所定範囲の遊技情報との間に相違がある場合(整合しない場合)に、遊技情報収集装置20は、自身が保存する所定範囲の遊技情報を遊技場用サーバ12に再送信する。
次にS95において、遊技場用サーバ12は、遊技情報収集装置20から再送信された所定範囲の遊技情報を、この遊技情報を送信した遊技情報収集装置20のIDに対応する記憶領域に保存し、当該記憶領域の記憶内容を更新する。このようにして、遊技情報収集装置20で保存する遊技情報と遊技場用サーバ12で保存する遊技情報の整合性が維持できる。
図34は、第3実施形態に係る遊技場用管理システム100において実行する整合性チェック処理の手順の他の例を示すシーケンス図である。この例では、所定範囲に対してチェックサム等のエラー検出値(誤り検出符号)を算出するなどして、簡易に遊技情報のデータの整合性がチェックされる。
S101において、遊技情報を更新した遊技情報収集装置20は、データの整合性をチェックするためのデータチェックを開始する。そして、遊技情報収集装置20は、遊技場用サーバ12に対して、遊技情報収集装置20のIDに対応した遊技情報のうち所定範囲の遊技情報に対するエラー検出値の送信を要求する。エラー検出値(チェック用検出値)は、データエラー検出(データチェック)のために所定範囲の遊技情報のデータ値から所定の規則で算出される誤り検出符号であり、例えば、チェックサムである。続いて、S102において、遊技情報収集装置20は、自身が保存する所定範囲の遊技情報のデータ値からエラー検出値(誤り検出符号)を算出しておく。
次にS103において、遊技場用サーバ12は、遊技情報収集装置20からの要求に応じて、前述の所定範囲の遊技情報のデータ値からエラー検出値を算出して、遊技情報収集装置20に送信する。そして、S104において、遊技情報収集装置20は、遊技場用サーバ12から送信されたエラー検出値を、自身で保存する所定範囲の遊技情報に対して上述のように算出したエラー検出値と比較する。例えば、所定範囲は、タイミング情報によって抽出できる最新の1日分の遊技情報である。遊技場用サーバ12から送信されたエラー検出値と遊技情報収集装置20で算出したエラー検出値との間に相違がある場合(整合しない場合)に、遊技情報収集装置20は、自身が保存する所定範囲の遊技情報を遊技場用サーバ12に再送信する。
次にS105において、遊技場用サーバ12は、遊技情報収集装置20から再送信された所定範囲の遊技情報を、この遊技情報を送信した遊技情報収集装置20のIDに対応する記憶領域に保存して、当該記憶領域の記憶内容を更新する。このようにして、遊技情報収集装置20で保存する遊技情報と遊技場用サーバ12で保存する遊技情報の整合性が維持できる。
遊技情報収集装置20と遊技場用サーバ12で送受信するデータが、個々の遊技情報データではなく、エラー検出値(誤り検出符号)であるため、遊技情報収集装置20と遊技場用サーバ12との間のデータ通信量が減少するとともに、高速で整合性チェック処理が可能となる。
図35は、遊技情報収集装置20のデータ保存の一例を示す概念図であり、遊技情報収集装置20に保存される遊技情報のうち、整合性チェック処理の対象となる前述の所定範囲をR1(右側の点線の囲み)として例示する。なお、ここでの遊技情報は、属性情報(タイミング情報や状態情報)、遊技実績データ、営業情報を含む。また、営業情報には、営業中である営業モード、閉店時の閉店モード、テスト中のテストモードなど、遊技場の店舗運営に合わせたモード種別がある。所定範囲R1は、遊技情報収集装置20で保存される遊技実績データの一部であり、タイミング情報によって抽出できる最新の1日分の遊技実績データである。
図36は、遊技情報収集装置20が整合性チェック処理(図33、図34)を完了した際に実行する保存データ削除処理の手順を示すフローチャートである。
S111において、遊技情報収集装置20のデータ保存領域の空き容量が所定値を下回っているか否かを判定する。データ保存領域は、個々の保存部(属性情報保存部32、遊技実績データ保存部33)を意味してもよいし、個々の保存部が1つのメモリの記憶領域であれば記憶領域の全体を意味してもよい。
S112において、遊技情報収集装置20の解放するデータ保存領域を指定する。解放するデータ保存領域は、整合性チェック処理の対象となった所定範囲の遊技情報を保存しているデータ保存領域である。そして、S113において、このデータ保存領域の所定範囲の遊技情報(データ)が削除され、解放される。
整合性チェック処理後に、遊技場用サーバ12には、遊技情報収集装置20から送信(再送信)された所定範囲の遊技情報がエラーのない状態で記憶されているため、不要になった所定範囲の遊技情報が削除(消去)される。そして、遊技情報収集装置20のデータ保存領域が有効利用できる。
〔第3実施形態の作用効果〕
第3実施形態によると、遊技場用サーバ12は、複数の遊技情報収集手段(遊技情報収集装置20)と個々に対応付けて遊技情報を記憶する個別記憶手段を備える(図11、図12)。遊技情報収集手段は、遊技場用サーバ12から当該遊技情報収集手段と対応する個別記憶手段(図11、図12)が記憶する遊技情報を読み込み、自己が記憶する遊技情報と読み込んだ遊技情報の整合性を判定する(図33のS94)。遊技情報収集手段は、整合性が取れていない場合に、遊技場用サーバ12に自己が記憶する遊技情報を送信する(図31、図33)。遊技場用サーバ12は、遊技情報収集手段から遊技情報を受信すると、受信した遊技情報に基づいて、当該遊技情報収集手段と対応する個別記憶手段の記憶内容を更新する(図33のS95)。
従って、遊技情報収集手段(遊技情報収集装置20)と遊技場用サーバ12の遊技情報データの整合性が取れていない場合でも、整合性をとる処置をすることができる。そして、公衆回線16を利用する遊技場用管理システム100において、遊技情報に関するデータの信頼性を高めることができる。
第3実施形態によると、従来と異なり、遊技場内(店舗内)で遊技用管理装置が不要になり、遊技場用管理システム100を安価に構築できる。そして、遊技用管理装置が遊技場内(店舗内)に存在しない場合でも、遊技情報収集手段(遊技情報収集装置20)は自己が記憶する遊技情報を有するため、遊技情報収集手段と遊技場用サーバ12との間で、遊技情報データの整合性を確認することができる。
第3実施形態によると、遊技場用サーバ12自体はデータ整合性の判定を行わず、複数の遊技情報収集手段(遊技情報収集装置20)が、分散処理方式で、手分けしてデータ整合性を判定して整合性が取れていない場合の処理を行う。このため、遊技場用管理システム100全体として、整合性チェック処理の処理速度が向上する。
第3実施形態によると、遊技情報収集手段(遊技情報収集装置20)は、遊技情報を更新した場合にのみ、整合性の判定等の整合性チェックを行う(図33のS92)。例えば、遊技装置25の稼働がないときは、その遊技装置25に接続する遊技情報収集手段は遊技情報を更新していないため、当日稼働した遊技装置25に接続する遊技情報収集手段と遊技場用サーバ12との間で、遊技情報データの整合性を確認するだけでよくなる。このように、遊技情報収集手段と遊技場用サーバ12との間のデータ送受信は必要なデータ量だけで済み、ネットワーク14の負荷が軽減し、公衆回線16を利用するクラウド環境下でも、所定の時間内に整合性チェック処理を終えることができる。なお、整合性チェック処理を更新した遊技情報を含む所定範囲で行えば、遊技情報収集手段と遊技場用サーバ12との間で送受信するデータ量はより減少し、よりネットワーク14の負荷が軽減できる。
第3実施形態によると、遊技情報収集手段(遊技情報収集装置20)は、遊技場用サーバ12から当該遊技情報収集手段と対応する個別記憶手段が記憶する遊技情報のうち所定範囲の遊技情報に対するエラー検出値を読み込んでよい。そして、遊技情報収集手段は、自己が記憶する所定範囲の遊技情報に対するエラー検出値を算出し、当該算出したエラー検出値を読み込んだエラー検出値と比較し、両エラー検出値が相違する場合に、自己が記憶する所定範囲の遊技情報を前記遊技場用サーバに送信してよい。この場合には、遊技情報データそのもので比較しないことから、遊技情報収集手段と遊技場用サーバ12との間のデータ通信量が非常に少なくなる。このため、クラウド環境下でも実用に見合った通信処理が可能になるとともに、さらに高速な整合性チェック処理が実現できる。
第3実施形態によると、遊技情報収集手段(遊技情報収集装置20)は、自己が記憶する遊技情報を遊技場用サーバ12に送信した後、当該遊技情報を消去してよい(図36)。この場合には、遊技情報収集手段の記憶領域(データ保存領域)を有効に活用できる。
〔第4実施形態〕
図37から図40において、第4実施形態に係る遊技場用管理システム100とその処理について説明する。第4実施形態は、第3実施形態のようにクラウド環境下の遊技場用サーバ12が遊技情報収集装置20と同じ遊技情報のデータ(例えば遊技装置25に関する属性情報データや遊技実績データ)を保存しようとする場合に、データ抜けに対する対策を行う技術に関する。即ち、クラウド(公衆回線16、インターネット)を介して遊技情報収集装置20から遊技場用サーバ12に遊技情報を送信する場合にデータ抜けが発生する可能性があるが、第4実施形態では、データ抜けを補正(修復)することによって、遊技情報収集装置20と遊技場用サーバ12で保存する遊技情報データの整合性を維持する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態又は第3実施形態と同様でよい。また、第4実施形態は、遊技場用サーバ12の代わりにバックアップサーバ15を用いて、遊技情報収集装置20とバックアップサーバ15で保存する遊技情報データのデータ抜けを補正(修復)することにも適用できる。
図37は、第4実施形態に係る遊技場用管理システム100において随時処理として随時実行されるデータ通信の様子を説明する図である。
送信すべき遊技情報(遊技実績データなど)に関する情報が生じた稼働中の遊技装置25は、その都度、遊技情報に関する信号を遊技情報収集装置20に送信する(図37の#41)。そして、遊技情報収集装置20は、遊技情報(属性情報や遊技実績データ)及びこの遊技情報に対応付けられたユニーク情報を遊技場用サーバ12に送信する(図37の#42)。遊技場用サーバ12は、送信された遊技情報とユニーク情報を記憶部に保存する。なお、第1実施形態と異なり、遊技場用サーバ12は、遊技実績データも保存する。
ユニーク情報は、遊技情報収集装置20で収集された遊技情報に対応付けられ、当該遊技情報を識別可能な情報である。ユニーク情報は、遊技情報収集装置20のID(遊技情報収集装置ID)とその他の情報を含む。例えば、ユニーク情報は、遊技情報収集装置20のIDとタイミング情報(当該遊技情報の取得時刻)との組み合わせ、又は、遊技情報収集装置20のIDと連続番号(遊技情報の取得順に付した番号)との組み合わせである。
図38は、第4実施形態に係る遊技場用管理システム100においてデータ抜けチェック処理として実行されるデータ通信の様子を説明する図である。遊技情報収集装置20は、遊技情報を遊技場用サーバ12に送信する度にデータ抜けチェック処理を行ってよいし、所定の時間間隔で定期的にデータ抜けチェック処理を行ってよい。
遊技情報を遊技場用サーバ12に送信した遊技情報収集装置20(稼働があった遊技情報収集装置20)は、遊技場用サーバ12からユニーク情報を読み込む(図38の#43)。続いて、遊技情報収集装置20は、遊技場用サーバ12から読み込んだユニーク情報と遊技情報収集装置20で保存するユニーク情報が整合するか否か(一致するか否か)を判定する。
遊技情報収集装置20は、遊技場用サーバ12から読み込んだユニーク情報と遊技情報収集装置20で保存するユニーク情報とが整合しない(一致しない)と判定した場合に、整合しないユニーク情報に対応付けられた遊技情報を遊技場用サーバ12に再送信する(図38の#44)。
図39は、第4実施形態に係る遊技場用管理システム100において随時実行する随時処理(随時動作)の手順を示すシーケンス図である。
S121において、遊技装置25は、遊技装置25の稼働や遊技装置25の状態の変化に伴って遊技情報に関する信号を遊技情報収集装置20に送信する。次にS122において、遊技情報収集装置20は、遊技情報を受信し、必要あれば所定の処理を実行して、各種保存部に遊技情報を保存して更新する。さらに、S123において、遊技情報収集装置20は、ユニーク情報を生成し、遊技情報及びユニーク情報を遊技場用サーバ12に送信する。次に遊技場用サーバ12は、遊技情報及びユニーク情報を受信して、この遊技情報を送信した遊技情報収集装置20のIDに対応する記憶領域に保存して更新する。なお、データ抜けやエラーがなければ、遊技場用サーバ12は、遊技情報収集装置20が保存するものと同じユニーク情報を保存することになる。
図40は、第4実施形態に係る遊技場用管理システム100において実行するデータ抜けチェック処理の手順の一例を示すシーケンス図である。この例では、ユニーク情報を使用して、所定範囲の遊技情報に関して、遊技場用サーバ12におけるデータ抜けがチェックされる。
S131において、遊技情報収集装置20は、データ抜けをチェックするためのデータチェックを開始する。S132において、遊技情報収集装置20は、遊技情報を更新したか否かを判断する。S122の更新処理を実行した場合に、遊技情報を更新したと判断できる。そして、遊技情報を更新した場合に、遊技情報収集装置20は、遊技場用サーバ12に対して、その遊技情報収集装置20のIDに対応したユニーク情報のうち所定範囲のユニーク情報の送信を要求する。
次にS133において、遊技場用サーバ12は、遊技情報収集装置20からの要求に応じて、前述の所定範囲のユニーク情報を準備して、遊技情報収集装置20に送信する。そして、S134において、遊技情報収集装置20は、送信された所定範囲のユニーク情報を、自身で保存する所定範囲のユニーク情報と比較する。なお、ここでは、個々のユニーク情報を一つずつ比較する。例えば、所定範囲は、最新の1日分のユニーク情報である。遊技場用サーバ12から読み込んだ所定範囲のユニーク情報と遊技情報収集装置20で保存する所定範囲のユニーク情報との間に相違がある場合(不一致の場合)に、遊技情報収集装置20は、自身が保存する所定範囲の遊技情報を遊技場用サーバ12に再送信する。なお、その遊技情報に対応するユニーク情報も再送信してよい。
次にS135において、遊技場用サーバ12は、遊技情報収集装置20から再送信された所定範囲の遊技情報を、この遊技情報を送信した遊技情報収集装置20のIDに対応する記憶領域に保存する。このようにして、遊技場用サーバ12で保存する遊技情報のデータ抜けを補正(修復)できる。
なお、第4実施形態においても、遊技情報収集装置20がデータ抜けチェック処理(図40)を完了した際に、図36の保存データ削除処理を実行する。ただし、図36のS113において、遊技情報収集装置20の削除(解放)されるデータ保存領域は、データ抜けチェック処理の対象となった所定範囲のユニーク情報とこのユニーク情報に対応付けられた遊技情報とを保存しているデータ保存領域である。
〔第4実施形態の作用効果〕
第4実施形態によると、遊技場用サーバ12は、複数の遊技情報収集手段(遊技情報収集装置20)と個々に対応付けて遊技情報を記憶する個別記憶手段を備える(図11、図12)。個別記憶手段には、遊技情報収集手段により収集した遊技情報に対応付けられ当該遊技情報を識別可能なユニーク情報が記憶される(図39のS124)。遊技情報収集手段は、遊技場用サーバ12から当該遊技情報収集手段と対応する個別記憶手段が記憶するユニーク情報を読み込み、自己が記憶するユニーク情報と読み込んだユニーク情報の整合性を判定する(図40のS134)。遊技情報収集手段は、整合性が取れていない場合に、前記遊技場用サーバに、自己が記憶するユニーク情報に対応する遊技情報を送信する(図40のS134)。
従って、整合性の判定において遊技場用サーバ12からのユニーク情報と遊技情報収集手段の記憶するユニーク情報のみを比較して、データ抜けの確認ができるため、整合性の判定で比較する情報のデータ量が少ない。このため、非常に高速でデータ抜けチェック処理を実行できる。
また、第4実施形態は、記載した以外の構成は、第3実施形態と同様でもよいため、第3実施形態の作用効果も奏する。
〔変形例〕
第1実施形態から第4実施形態の各実施形態において、操作端末装置(情報端末)10に遊技場用サーバ12の機能を組み込むような変形例も可能である。即ち、操作端末装置10が高性能になった場合、遊技場用サーバ12のデータ処理を操作端末装置10で実行してもよい。
特に中小規模での遊技店(店舗)では、複数店舗のデータを管理する必要がないので、このような簡易な遊技場用管理システム100が望まれる。また、仮にこのような中小規模の店舗が複数店舗営業の管理形態に変更したときには、操作端末装置10のデータを新たに設けたサーバへ移すことで、より幅の広い管理形態を提供することも可能になる。
具体的には、図1、図3、図4、図7−図10、図13、図20−図22、図25、図26、図28、図30−図34、図37−図40において、遊技場用サーバ12を操作端末装置10に置き換えるとともに、これら図面内の公衆回線16を介した操作端末装置10と遊技場用サーバ12間の信号(情報開示要求(要求情報)、処理結果(要求結果)等の信号)を操作端末装置10の内部信号とみなせば、本変形例を実現できる。
本変形例では、遊技場用サーバ12が不要になることから、より簡易な遊技場用管理システムを構築できる。また、遊技情報に関するデ−タ処理の実行手段がクラウドを経由したデータ処理側(操作端末装置10など)となるため、クラウド側のシステム変更について遊技店(店舗)側が特に意識する必要がなく、より最適なシステム変更をクラウド事業者が選択することが可能になる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば、各実施形態を組み合わせたものも本発明の技術的範囲に含まれる。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。