JP6533639B2 - 皮膚外用剤及び紫外線によるカロテノイド含有油性成分の分解抑制方法 - Google Patents

皮膚外用剤及び紫外線によるカロテノイド含有油性成分の分解抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、カロテノイド含有油性成分とレスベラトロール類またはその誘導体を含有することを特徴とする皮膚外用剤に関し、更に詳細には、レスベラトロール類またはその誘導体によりカロテノイド含有油性成分の紫外線による分解を抑制した皮膚外用剤、およびレスベラトロール類またはその誘導体によるカロテノイド含有油性成分の分解抑制方法に関する。
カテキン等のポリフェノールや、アスタキサンチン等のカロテノイドのように、老化防止、シミの予防・改善等の肌に有用な効果を有するものが知られている。カロテノイド類は、天然に存在する黄色から赤のテルペノイド類の色素で、植物類、藻類、及びバクテリアに見つけることができる。カロテノイドの一種であるアスタキサンチン類(アスタキサンチンおよびそのエステル等も含む)は、自然界では動植物界に広く分布しており、主として養殖魚や養鶏の色揚げ剤として使用されている。また、アスタキサンチンは、酸化防止効果、抗炎症効果(特許文献1、特許文献2)、皮膚老化防止効果(特許文献3)などの機能を有することも知られている。このため、アスタキサンチンを食品、化粧品、医薬品の原材料及びそれらの加工品等へ添加することが検討・実施されている。
一方、アスタキサンチン等のカロテノイド類は構造的に不安定であり、熱、光、酸化などにより分解が促進されることが知られており、製剤に安定に配合することが困難である。そのため、これまでにアスコルビン酸との併用や、硬質カプセルによる包接等の工夫がなされてきたほか(特許文献4参照)、特定の油溶性植物エキスとアルコールとナッツポリフェノールおよびキレート剤とを組み合わせる方法(特許文献5参照)や、有機酸をカロテノイド含有組成物に添加する方法(特許文献6参照)、鉄イオン、鉄キレート剤、ジプロピレングリコール、水溶性酸化防止剤との併用(特許文献7参照)などによる、アスタキサンチン等のカロテノイドの安定化方法が開示されている。
しかしながらこれらの方法はいずれも安定化剤が高価であったり、安定化効果が十分でない、あるいは安定剤が水溶性成分である場合はアスタキサンチン等のカロテノイドを溶解させる油性成分への分散が困難であり十分な効果が発揮できない等の問題があった。即ち有用な効果を有することが知られているアスタキサンチン等のカロテノイドを直接的に安定化し、その効果を長期にわたって持続させるという観点からみた場合に満足のいくものではなかった。
特開平2−49091号公報 特開平9−143063号公報 特開平5−155736号公報 特開平1−215263号公報 特開2010−105988号公報 特開平6−264055号公報 特開2012−31067号公報
本発明が解決しようとする課題は、老化防止に有用であることが知られているアスタキサンチン等のカロテノイド油性成分の安定性を直接的に高め、その効果を長期にわたって維持させた皮膚外用剤を提供するとともに、カロテノイド油性成分の安定化方法を提供することである。
かかる実情に鑑み、本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、カロテノイド含有油性成分とスチルベノイドポリフェノールの一種であるレスベラトロール類またはその誘導体とを組み合わせることにより、カロテノイド含有油性成分の紫外線による褪色の防止や安定化に著しい効果を発揮することを見出し、すなわちアスタキサンチン等のカロテノイド含有油性成分の持つ老化防止効果を飛躍的に高めることができ、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は次の成分(A)及び(B);
(A)カロテノイド含有油性成分
(B)レスベラトロール類またはその誘導体
を含有する皮膚外用剤及びカロテノイド含有油性成分の安定化方法を提供するものである。
本発明の皮膚外用剤、及び方法はカロテノイド含有油性成分の安定性を向上させることでカロテノイド含有油性成分の効果を有効に発揮させることができる。アスタキサンチン等のカロテノイド含有油性成分は肌荒れやシワの予防、改善、シミの予防、改善に有効であり、皮膚の老化防止や美白に有用である。また、本願発明ではカロテノイド含有油性成分の色が長期間安定に保たれるため、着色剤としても用いることができる。さらに、レスベラトロール類を組み合わせて用いることで相乗的に老化防止や美白に加え抗炎症作用などが高まる。
本発明のカロテノイド含有油性成分におけるカロテノイドとしては、植物類、藻類及びバクテリアや菌類のいずれのものから抽出、精製されたものも含まれる。また天然由来のものに限定されず、常法に従って得られるものであればいずれのものも本発明におけるカロテノイドに包含される。
カロテノイドとしては、炭化水素類(カロテン類)及びこれらの酸化アルコール誘導体類(キサントフィル類)並びにこれらのエステルが挙げられる。
本発明では特に断らない限り、これらの化合物を含めて「カロテノイド」と称する。具体的な例としてはカロテン類としてα−カロテン、β―カロテン、γ―カロテン、δ―カロテン、リコピンやこれらの誘導体などがあげられるが、これらに限定されるものではなく、1種又は2種以上の混合物も用いることができる。キサントフィル類としてはルテイン、ゼアキサンチン、カンタキサンチン、フコキサンチン、アスタキサンチン、ビオラキサンチンこれらの誘導体などがあげられるが、これらに限定されるものではなく、1種又は2種以上の混合物も用いることができる。誘導体としては天然物に存在する、脂肪酸や糖、アミノ酸やたんぱく質などとのエステル類があげられるがこれに限定されるものではない。例えばカロテノイドは海産動物においてたんぱく質と結合したカルテノプロテンとしても存在し、擬態の色調変化に重要な働きをしており、これらの誘導体を適切に用いることで皮膚外用剤の色調を調整することが可能である。
本発明において用いられるカロテノイドとしては、安全性や安定性の観点からキサントフィル類が好ましく、特に好ましくは、酸化防止効果、抗炎症効果、皮膚老化防止効果、美白効果などを有し、黄色から赤色の範囲の着色料としても知られているアスタキサンチンである。
アスタキサンチンは、476nm(エタノール)、468nm(ヘキサン)に吸収極大を持つ赤色の色素でキサントフィル類に分類され、化学構造は3,3’−dihydroxy−β,β−carotene−4,4’−dione(C4052、分子量596.82)である。アスタキサンチンは、分子の両端に存在する環構造の3(3’)-位の水酸基の立体配置により異性体が存在する3S,3S’-体、3S,3R’-体(meso-体)、3R,3R’-体の三種で、さらに分子中央の共役二重結合のcis-、trans-の異性体も存在する。例えば全cis-、9-cis体と13-cis体などの如くである。
3,3’-位の水酸基は脂肪酸とエステルを形成することができる。オキアミから得られるアスタキサンチンは、脂肪酸二個結合したジエステル体 、H. pluvialisから得られるものは3S,3S’-体で、脂肪酸一個結合したモノエステル体が多く含まれている 、Phaffia Rhodozymaより得られるアスタキサンチンは、3R,3R’-体で通常天然に見出される3S,3S’-体と反対の構造を持っている。本発明においては、特に断らない限り、上記のアスタキサンチン及びアスタキサンチンエステル等の誘導体を含めて「アスタキサンチン」と称する。
本発明に用いられるアスタキサンチンは例えば、オキアミ、サケ、マス、福寿草、赤色酵母、ヘマトコッカス藻等の天然物から抽出したものや合成品を用いることができるが、ヘマトコッカス藻から抽出されたもの(以下、ヘマトコッカス藻抽出物ともいう)が、品質、生産性の点から特に好ましい。天然物からアスタキサンチンを得る場合の抽出溶媒については、水系溶媒でも有機溶媒であってもよい。有機溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸エチル、エーテル、ヘキサン等を用いることができる。また、超臨界状態の二酸化炭素等を用いることもできる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明に使用できるヘマトコッカス藻抽出物の由来としては、具体的には、ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)、ヘマトコッカス・ラキュストリス(Haematococcus lacustris)、ヘマトコッカス・カペンシス(Haematococcus capensis)、ヘマトコッカス・ドロエバゲンシス(Haematococcus droebakensis)、ヘマトコッカス・ジンバビエンシス(Haematococcus zimbabwiensis)等が挙げられる。また、広く市販されているヘマトコッカス藻抽出物を用いることができ、例えば、武田紙器(株)製のASTOTS−S、同−5O、同−10O等、富士化学工業(株)製のアスタリールオイル50F、同5F等、オリザ油化製のアスタキサンチン−5C、同20C、バイオジェニック社製のAstabio(登録商標)AR1、AR5等が挙げられる。
本発明におけるカロテノイド含有油性成分において油性成分の種類に限定はなく、動物油、植物油、合成油等の起源を問わず、炭化水素類、エステル油類、高級アルコール類、シリコーン類、フッ素系油類等のいずれもが用いられる。好ましくは25℃において液状である液体油であれば皮膚外用剤を製造しやすいという観点で好ましい。また、天然又は合成のグリセライドが入手のしやすさ、安定性、安全性の観点で好ましい。特に好ましくはこれらの両方の観点で好ましいものであり、具体的には中鎖脂肪酸グリセライドなどがあげられる。中鎖脂肪酸グリセライドとは、炭素数6から12までの飽和脂肪酸、具体的にはカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸のいずれかがグリセロールとエステル結合してなる脂質を指す。グリセロールとエステル結合するこれらの飽和脂肪酸は1〜3個のいずれでもよい。
カロテノイド含有油性成分中のカロテノイドの含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.01〜50質量%であり、(以下単に「%」で示す)さらに好ましくは0.1〜30%であり、特に好ましくは1〜20%である。
また、皮膚外用剤中のカロテノイド含有油性成分の量は、皮膚への効果、外用剤としての安定性、色素としての着色性という観点で好ましくは0.00001〜10%であり、より好ましくは0.0001〜1%であり、特に好ましくは0.001〜0.1%である。
一方、本発明でのレスベラトロール類は、レスベラトロール単量体と、その二量体、三量体等の多量体を指すものである。レスベラトロール単量体は別名5−パラヒドロキシスチリルレゾルシノール又は3,4′,5−スチルベントリオールとしても知られており、立体異性体であるtrans-レスベラトロール、cis-レスベラトロールの両者を含む。純粋なレスベラトロールは、例えばシグマ社(Sigma)、和光純薬工業株式会社から商業的に得ることができる。また、多量体としては、二量体であるε-ビニフェリン、グネチンC、三量体であるVITISIN−A、VITISIN−Bのほか、さまざまなオリゴマーが知られており、これらの一部はシグマ社(Sigma)、和光純薬工業株式会社から純品を得ることができるほか、レスベラトロール単量体を含めたレスベラトロール類を一種以上含む形で、アクチケムS.A社(ACTICHEM社)、ディーエヌピー・インターナショナル社(DNP
International)、ファルマ・サイエンス社(Pharma Science)、又はマディス・ボタニカルス社(Madis Botanicals)、サンブライト株式会社、オリザ油化株式会社のような原材料メーカーから粗製形で得ることができる。
本発明ではレスベラトロール誘導体として薬学的に許容される塩、エステル及び/又はエーテルを用いることができる。中でも配糖体であるパイシード(Picied)、OH基の配位や数の異なる3,4′−トランスジヒドロキシスチルベン、3−ヒドロキシスチルベン、3,4−トランスジヒドロキシスチルベンが好ましく、特に好ましくはオキシレスベラトロール(Stilbene-2,3',4,5'-tetrol)であり、これらのうち一種又は二種以上を用いることが出来る。
また、レスベラトロール類またはその誘導体は、化学的に合成してもよいがブドウやイタドリ等の植物から抽出して用いることもできる。植物からの抽出方法については、特に制限されず一般的な抽出方法を利用できる。また、抽出用溶媒としては水系溶媒でも有機溶媒であってもよい。有機溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸エチル、エーテル、ヘキサン等を用いることができる。また、超臨界状態の二酸化炭素等を用いることもできる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし2種類以上を混合して用いてもよい。本発明で用いるレスベラトロール類またはその誘導体は、試薬でも、合成品でも、植物から抽出したもののいずれも使用することができる。
本発明の皮膚外用剤におけるレスベラトロール類またはその誘導体の含有量は、外用剤、化粧料の剤形、使用目的等によっても異なるが、一般的には最終皮膚外用剤中の濃度が0.00001〜2.0%となることが好ましく、より好ましくは0.0001〜1%であり、特に好ましくは0.001〜0.1%である。レスベラトロール類またはその誘導体の皮膚外用剤中の濃度が、この範囲内であれば、優れたアスタキサンチン等のカロテノイド含有油性成分の安定化効果を発揮することができる。
本発明の皮膚外用剤の配合形態は特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック、洗浄料、などの基礎化粧料、ファンデーション、頬紅、口紅等のメーキャップ化粧料、養毛料、ヘアトニック、シャンプー、リンス等の頭髪用化粧料、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等のいずれの形態であってもよい。
本発明の皮膚外用剤には、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、通常の製剤化に使用される成分、すなわち、水(精製水、温泉水、深層水等)、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、紫外線防御剤、包接化合物、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、動物・微生物由来抽出物、植物抽出物、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、美白剤、抗炎症剤、活性酸素消去剤、細胞賦活剤、保湿剤、キレート剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、ビタミン類等を加えることができる。
以下、実施例、比較参考例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例1
<アスタキサンチンの分解防止効果(安定化効果)試験1>
トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリド中にアスタキサンチンを5%含有する油性成分(株式会社マリン大王 製)を0.005体積%、エタノールを30体積%含有し、純度99%レスベラトロール(Sigma社)を0.5、50、500μMの濃度で含有する水溶液を調製した。この溶液を24ウェルプレートに添加し、紫外線を照射した。アスタキサンチンは波長470nmに特有の光吸収を有しており、アスタキサンチンの分解が生じた場合には波長470nmの光吸収が減少するという性質を利用して、今回、アスタキサンチンの安定性を評価した。

アスタキサンチン残存率は各サンプルの470nmでの吸光度を測定し、(式1)

アスタキサンチン残存率(%)=(A−B)/(C−D)×100 (1)

A=紫外線照射アスタキサンチン含有系の吸光度
B=紫外線照射アスタキサンチン非含有系の吸光度
C=紫外線未照射アスタキサンチン含有系の吸光度
D=紫外線未照射アスタキサンチン非含有系の吸光度
で表される。

また比較例として一般的な抗酸化剤であるアスコルビン酸-2-グルコシド、またはアスコルビン酸リン酸マグネシウムを0.5、50、500μMの濃度で添加し同様の試験を行った。結果を表1に示した。
表1から明らかなように一般的な抗酸化剤であるアスコルビン酸2グルコシドまたはアスコルビン酸リン酸マグネシウムと比較し、レスベラトロールはアスタキサンチンの残存率の低下、すなわちアスタキサンチンの紫外線による分解を抑える効果に非常に優れていることがわかり、レスベラトロールがアスタキサンチンの光分解に対する安定化効果を有することがわかった。
実施例2
<アスタキサンチンの分解防止効果(安定化効果)試験2>
アスタキサンチンを5%含有する油性成分(株式会社マリン大王 製)を0.005体積%、エタノールを30体積%含有し、レスベラトロール(Sigma社)を0.1、10、100μg/mlの濃度で含有する水溶液を調製した。この溶液を24ウェルプレートに添加し、紫外線を照射した。実施例1と同様に、アスタキサンチンに特有な470nmにおける吸光度を測定し、これと未照射サンプルとを比較することでアスタキサンチンの安定性を評価した。
また比較例として抗酸化効果の高い植物エキスとして知られるウコン抽出物、カシス抽出物を0.1、10、100μg/mlの濃度で添加し同様の試験を行った。
アスタキサンチン残存率は(式1)にて、算出した。結果を表2に示した。
表2から明らかなように、各種ポリフェノール類を含有し抗酸化効果の高い植物エキスであるウコン抽出物やカシス抽出物と比較し、レスベラトロールはアスタキサンチンの残存率の低下、すなわちアスタキサンチンの紫外線による分解を抑える効果に非常に優れていることがわかり、レスベラトロールが特異的にアスタキサンチンの光分解に対する安定化効果を有することがわかった。
実施例3 <アスタキサンチンの分解防止効果(安定化効果)試験3>

ヘマトコッカス藻由来のアスタキサンチンをアスタキサンチンのフリー体換算で5%含有するトリ(カプリン酸/カプリル酸)グリセリルを0.005体積%、エタノールを25体積%含有し、試薬レベルのレスベラトロール(Sigma社)もしくはオキシレスベラトロール(東京化成工業社)を0.01、0.05、0.5、5mMの濃度で含有する水溶液を調製した。この溶液を96ウェルプレートに添加し、紫外線を照射した。
結果を表3に示した。
アスタキサンチン以外のカロテノイド含有油性成分であっても同様に効果があることがわかった。
実施例5[化粧水への配合]
(成分) (質量%)
1 グリセリン 5.0
2 1,3−ブチレングリコール 5.0
3 乳酸 0.05
4 乳酸ナトリウム 0.1
5 加水分解コラーゲン 0.1
6 モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 1.2
7 エタノール 8.0
8 レスベラトロール(注1) 0.05
9 ASTOTS−10O(注2) 0.001
10 パラオキシ安息香酸メチル 0.1
11 香料 0.05
12 精製水 残量
(注1)シグマ社製
(注2)武田紙器製 アスタキサンチン濃度10%含有ひまわり油
(製造方法)
A:成分(6)〜(11)を混合溶解する。
B:成分(1)〜(5)及び(12)を混合溶解する。
C:BにAを添加混合し、化粧水を得た。
実施例6[乳液への配合]
(成分) (質量%)
1 モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 1.0
2 トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 0.5
3 グリセリルモノステアレート 1.0
4 ステアリン酸 0.5
5 ベヘニルアルコール 0.5
6 スクワラン 8.0
7 カルボキシビニルポリマー 0.1
8 パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9 水酸化ナトリウム 0.05
10 精製水 残量
11 エタノール 5.0
12 パイシード(注3) 0.01
13 ASTABIO AR1(注4) 0.01
14 香料 0.05
(注3)東京化成工業製
(注4)バイオジェニック社製
ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチン(フリー体換算)含有量1%
(製造方法)
A:成分(1)〜(6)を70℃で均一に混合する。
B:成分(7)〜(10)を70℃で均一に混合する
C:BにAを加えて乳化し、室温まで冷却する。
D:(11)〜(14)を加えて均一に混合し、乳液を得た。
実施例7[リキッドファンデーション(水中油型クリーム状)への配合]
(成分) (質量%)
1 1,3ブチレングリコール 5.0
2 水素添加大豆リン脂質 0.5
3 酸化チタン 5.0
4 ベンガラ 0.1
5 黄酸化鉄 1.0
6 黒酸化鉄 0.05
7 アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合(注5) 0.5
8 トリエタノールアミン 1.5
9 精製水 残量
10 グリセリン 5.0
11 パラオキシ安息香酸エチル 0.1
12 ステアリン酸 0.9
13 モノステアリン酸グリセリン 0.3
14 セトステアリルアルコール 0.4
15 モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 0.2
16 トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 0.2
17 パラメトキシケイ皮酸2―エチルヘキシル 5.0
18 ε−ビニフェリン(注6) 0.05
19 β−カロチン30%懸濁液(注7) 0.05
20 香料 0.02
(注5)ペミュレンTR−2(NOVEON社製)
(注6)和光純薬工業製
(注7)DSMニュートリション社製 コーン油に懸濁
(製造方法)
A:成分(1)〜(6)を分散する。
B:Aに成分(7)〜(11)を加え70℃で均一に混合する。
C:成分(12)〜(17)を70℃で均一に混合する。
D:CにBを加え乳化し、室温まで冷却する。
E:Dに成分(18)〜(20)を添加して水中油型クリーム状リキッドファンデーションを得た。
実施例8[日焼け止め化粧料(油中水型クリーム状)への配合]
(成分) (質量%)
1 モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 0.2
2 ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油
0.1
3 精製水 残量
4 ジプロピレングリコール 10.0
5 硫酸マグネシウム 0.5
6 アスコルビン酸グルコシド 2.0
7 シリコーン化合物(注8) 3.0
8 デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
9 イソノナン酸イソトリデシル 5.0
10 パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 8.0
11 グネチンC(注9) 0.3
12 ゼアキサンチン5%オイル(注10) 0.01
13 ジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト 1.2
(注8)KF−6028(信越化学工業社製)
(注9)和光純薬工業製
(注10)バイオアクティブスジャパン製
(製造方法)
A:成分(1)〜(6)を均一に分散する。
B:成分(7)〜(13)を均一に分散する。
C:Bを攪拌しながら徐々にAを加えて乳化し、油中水型クリーム状日焼け止め化粧料を得た。
実施例9[軟膏剤への配合]
(成分) (質量%)
1 トリエタノールアミン 2.0
2 グリセリン 5.0
3 グリチルリチン酸ジカリウム(注11) 0.5
4 精製水 残量
5 ステアリン酸 18.0
6 セタノール 4.0
7 レスベラトロール(注1) 0.05
8 アスタキサンチン−5C(注12) 0.01
9 酢酸dl−α―トコフェロール 0.2
10 パラオキシ安息香酸メチル 0.1

(注11)和光純薬工業社製
(注12)オリザ油化製
(製造方法)
A.成分(1)〜(4)を均一溶解し、75℃に保つ。
B.成分(5)〜(10)を加熱混合し、75℃に保つ。
C.AにBを徐々に加え、軟膏剤を得た。
実施例10[ローション剤への配合]
(成分) (質量%)
1 ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン
モノラウリン酸エステル 1.2
2 エタノール 8.0
3 ブドウ茎抽出物 0.05
4 フコキサンチン−5C(注14) 0.001
5 パラオキシ安息香酸メチル 0.2
6 グリセリン 5.0
7 1,3−ブチレングリコール 6.5
8 精製水 残量
(注13)BHN株式会社製 総レスベラトロール(オリゴスチルベン)として20%含有
(注14)オリザ油化製
(製造方法)
A.成分(1)〜(5)を混合溶解する。
B.成分(6)〜(8)を混合溶解する。
C.AとBを混合して均一にし、ローション剤を得た。
本発明のカロテノイド含有油性成分とレスベラトロール類またはその誘導体とを含有することを特徴とする皮膚外用剤、およびアスタキサンチンの分解抑制方法は、アスタキサンチンなどのカロテノイド含有油性成分の製剤中の安定性の向上のみならず、老化防止、シミの予防・改善等の肌への効果を発揮するのに有用である。

Claims (2)

  1. レスベラトロールまたはオキシレスベラトロールを有効成分とする、アスタキサンチンを含有する皮膚外用剤におけるアスタキサンチンの紫外線による分解の抑制剤(グリアジンで被覆したメロンSOD活性抽出物を含有したものを除く。)。
  2. レスベラトロールまたはオキシレスベラトロールによる、アスタキサンチンを含有する皮膚外用剤におけるアスタキサンチンの紫外線による分解の抑制方法(グリアジンで被覆したメロンSOD活性抽出物による、分解抑制方法を除く。)。
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