JP6529714B2 - 金属加工装置 - Google Patents
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Description
しかし、プレス加工では、2つの金型により金属板を挟んで力を加えるので、製品の形状毎に異なる金型を準備する必要がある。また、金属板の変形部分に万遍なく力を加える必要があるため、大きな力を必要とする。
そこで、プレス加工やロール成形によることなく金属板の成形加工を行うことができる金属加工装置が求められている。
請求項1の金属加工装置は、金属製の板状材料に直線状または曲線状に連続する凹部、凸部もしくは段部を設けたり、または、板状材料を曲げたりする成形加工を行うものである。また、金属加工装置は、それぞれ、板状材料の表面に圧接しながら転がる転圧面を有し、それぞれの回転軸が互いに平行となるように所定のロボットに装着され、ロボットの動作により少なくとも3次元的に変位可能である2つのローラと、転圧面を板状材料の表面に圧接させる圧接力を調節する調節手段とを備える。
このため、プレス加工やロール成形によることなく金属板の成形加工を行うことができる。
請求項2の金属加工装置によれば、調節手段は、2つのローラが所定の軌跡に沿って移動しているときに、2つのローラの位置に応じて圧接力を調節する。
これにより、加工部位ごとに圧接力を変えることができるので、高精度に成形加工を行うことができる。
請求項3の金属加工装置は、2つのローラの組合せを2組以上備え、それぞれの組合せごとに異なるロボットに装着されている。
これにより、金属板に段階的に成形加工を行って最終製品にすることができる。このため、反り等を確実になくしながら成形加工を行うことができるので、高精度の最終製品を得ることができる。
実施例の金属加工装置1の構成を、図1〜図3を用いて説明する。
金属加工装置1は、金属製の板状材料(金属板)2に直線状または曲線状に連続する凹部、凸部もしくは段部を設けたり、または、金属板2を曲げたりする成形加工を行い、プレス加工やロール成形によることなく金属板2の成形加工を行うものである。このため、金属加工装置1は、車両のドアパネルやフードパネルのように、さほど大きくない金属製品を設けるために好適に利用することができる。
そして、金属加工装置1は、以下に説明する2つのローラ3A、3B、および、調節手段4を備える。
なお、金属板2は、被加工部位が空中に露出するように、クランプ10等の周知の固定手段により予め固定されている。また、クランプ10は、油圧シリンダやエアシリンダ等を動力源として金属板2の固定力を発生する。
ここで、調節手段4は、例えば、油圧シリンダやエアシリンダ等を動力源として圧接力を発生するものであり、制御ユニット6からの指令に応じて圧接力の増減が可能となっている。そして、調節手段4は、制御ユニット6からの指令により、ローラ3A、3Bが所定の軌跡に沿って移動しているときに、ローラ3A、3Bの位置に応じて圧接力を調節する。
ローラ3A、3Bは、それぞれ、成形加工の態様に応じて様々な転圧面8A、8Bを有するものが準備されており、アーム7の先端において交換可能となっている。また、転圧面8A、8Bには、成形加工の態様に応じて様々な特殊形状αが設けられているものがある。ここで、特殊形状αとは、成形加工の態様に応じた形状であり、転圧面8A、8Bのそれぞれにおいて回転軸9A、9Bそれぞれと同軸の円筒面13A、13B以外の形状であって、さらに、転圧面8A、8B上で、それぞれ周方向に連続している。そこで、成形加工の態様ごとに、ローラ3A、3Bの態様を、実施例または参考例に分けて説明する。
まず、図4に示すように、連続する垂直な段部14を金属板2に設ける場合、ローラ3A、3Bには、それぞれ次のような転圧面8A、8Bを有するものを採用する。
すなわち、転圧面8Aは、回転軸9Aと同軸かつ互いに異径である2つの円筒面13Aa、13Ab、および、特殊形状αとして、円筒面13Aa、13Abの両方に連続する段面15Aを有し、段面15Aは円筒面13Aa、13Abの両方に垂直である。また、円筒面13Aa、13Abの内、アーム7の先端における装着位置に近い側の円筒面13Aaは装着位置から遠い側の円筒面13Abよりも径小である。
また、段面15Bが段面15Aよりも装着位置の近くに存在するように、ローラ3A、3Bの位置が調節されている。
また、図5に示すように、連続する断面円弧状の溝17(以下、円弧溝17と呼ぶ。)を金属板2に設ける場合、ローラ3A、3Bには、それぞれ次のような転圧面8A、8Bを有するものを採用する。
すなわち、転圧面8Aは、特殊形状αとして、断面が円弧状に***する円弧状***環18を有し、さらに、円弧状***環18の軸方向両側に円筒面13Aを有する。また、転圧面8Bは、特殊形状αとして、断面が円弧状に窪む円弧状窪み環19を有し、さらに、円弧状窪み環19の軸方向両側に円筒面13Bを有する。また、円弧状***環18と円弧状窪み環19とが嵌合し合うことができるように、ローラ3A、3Bの位置が調節されている。
また、図6に示すように、連続する断面頂角状の溝21(以下、頂角溝21と呼ぶ。)を金属板2に設ける場合、ローラ3A、3Bには、それぞれ次のような転圧面8A、8Bを有するものを採用する。
すなわち、転圧面8Aは、特殊形状αとして、断面が頂角状に***する頂角状***環22を有し、さらに、頂角状***環22の軸方向両側に円筒面13Aを有する。また、転圧面8Bは、特殊形状αとして、断面が頂角状に窪む頂角状窪み環23を有し、さらに、頂角状窪み環23の軸方向両側に円筒面13Bを有する。また、頂角状***環22と頂角状窪み環23とが嵌合し合うことができるように、ローラ3A、3Bの位置が調節されている。
また、図7に示すように、金属板2を連続的に例えば30°曲げる場合、ローラ3A、3Bには、それぞれ次のような転圧面8A、8Bを有するものを採用する。
すなわち、転圧面8Aは、特殊形状αとして、回転軸9Aと同軸の円錐面25Aを有する。また、円錐面25Aは、装着位置に近いほど縮径しており、円錐面25Aの軸方向両端の円の内、装着位置から遠い側の円26Aから円筒面13Aが連続している(円筒面13Aの径は円錐面25Aの最大径に等しい。)。さらに、円錐面25Aの母線と回転軸9Aとがなす角度は30°である。
また、円26Bが円26Aよりも装着位置の近くに存在するように、ローラ3A、3Bの位置が調節されている。
また、金属板2を連続的に30°曲げる場合、図7の態様とは別に、例えば、図8に示すように、ローラ3A、3Bとして、両方とも円柱体を採用してもよい。つまり、ローラ3A、3Bとして、転圧面8A、8Bがそれぞれ円筒面13A、13Bであって特殊形状αを有さないものを採用してもよい。
まず、金属板2における加工部位の一部を転圧面8A、8Bで挟み、金属板2の一方、他方の表面にそれぞれ転圧面8A、8Bを圧接させる。次に、曲げ前の金属板2の表面に対し回転軸9A、9Bが30°傾斜するようにローラ3A、3Bの位置や姿勢を変える。これにより、金属板2の内、転圧面8A、8Bにより挟まれた部分が、転圧面8A、8Bにより挟まれない部分に対し30°曲がる。その後、ローラ3A、3Bの位置および姿勢、ならびに圧接力を加工部位に応じて変更しながら、ローラ3A、3Bを3次元的に変位させることで、金属板2を連続的に30°曲げる。
また、図9に示すように、金属板2を連続的に90°曲げる場合、ローラ3A、3Bには、それぞれ次のような転圧面8A、8Bを有するものを採用する。
すなわち、ローラ3Aは円柱体であり、転圧面8Aは円筒面13Aであって特殊形状αを有さない。また、ローラ3Aの軸方向両端の端面28Aa、28Abは、両方とも円筒面13Aと垂直である(なお、端面28Aa、28Abの内、端面28Aaが装着位置に近い側であり、端面28Abが装着位置から遠い側である。)。
また、端面28Bが端面28Aaよりも装着位置の近くに存在するように、ローラ3A、3Bの位置が調節されている。
また、金属板2を連続的に90°曲げる場合、図9の態様とは別に、例えば、図10に示すように、ローラ3Bとして、ローラ3Aと同様に円柱体を採用してもよい。
まず、金属板2における加工部位の一部を転圧面8A、8Bで挟み、金属板2の一方、他方の表面にそれぞれ転圧面8A、8Bを圧接させる。次に、曲げ前の金属板2の表面に対し回転軸9A、9Bが90°傾斜するようにローラ3A、3Bの位置や姿勢を変える。これにより、金属板2の内、転圧面8A、8Bにより挟まれた部分が、転圧面8A、8Bにより挟まれない部分に対し90°曲がる。その後、ローラ3A、3Bの位置および姿勢、ならびに圧接力を加工部位に応じて変更しながら、ローラ3A、3Bを3次元的に変位させることで、金属板2を連続的に90°曲げる。
さらに、図11に示すように、連続する傾斜状の段部31(以下、傾斜状段部31と呼ぶ。)を金属板2に設ける場合、ローラ3A、3Bには、それぞれ次のような転圧面8A、8Bを有するものを採用する。なお、以下の説明では、傾斜状段部31が平坦な部分に対して30°傾斜しているものを例示する。
実施例の金属加工装置1によれば、それぞれ、転圧面8A、8Bに特殊形状αが設けられたローラ3A、3Bを用いる。ここで、転圧面8Aに設けられた特殊形状αとは、成形加工の態様に応じた形状であって回転軸9Aと同軸の円筒面13A以外の形状であり、転圧面8Bに設けられた特殊形状αとは、成形加工の態様に応じた形状であって回転軸9Bと同軸の円筒面13B以外の形状である。また、特殊形状αは、転圧面8A上で周方向に連続している。そして、ローラ3A、3Bにより金属板2を挟んで転圧面8A、8Bをそれぞれ金属板2の一方、他方の表面に圧接させ、転圧面8A、8Bによる圧接を維持しながらローラ3A、3Bを所定の軌跡に沿って移動させる。
このため、プレス加工やロール成形によることなく金属板2の成形加工を行うことができる。
すなわち、ローラ3A、3Bにより金属板2を挟んで転圧面8A、8Bをそれぞれ金属板2の一方、他方の表面に圧接させ、転圧面8A、8Bによる圧接を維持しながらローラ3A、3Bを所定の軌跡に沿って移動させる。
このため、プレス加工やロール成形によることなく金属板2を曲げることができる。
これにより、ローラ3A、3Bの変位を確実に同期させることができるので、高精度に成形加工を行うことができる。
これにより、加工部位ごとに圧接力を変えることができるので、高精度に成形加工を行うことができる。
金属加工装置1の態様は、実施例に限定されず種々の変形例を考えることができる。
例えば、実施例の金属加工装置1によれば、ローラ3A、3Bとして、転圧面8A、8Bの両方に特殊形状αを設けたものを採用していたが、転圧面8A、8Bの一方にのみ特殊形状αを設けたものを採用してもよい。
例えば、ローラ3A、3Bの組合せを2組備える場合、図12に示すように、段階的な成形加工が可能になる。
これにより、金属板2に段階的に成形加工を行って最終製品にすることができる。このため、反り等を確実になくしながら成形加工を行うことができるので、高精度の最終製品を得ることができる。
Claims (3)
- 金属製の板状材料に直線状または曲線状に連続する凹部、凸部もしくは段部を設けたり、または、前記板状材料を曲げたりする成形加工を行う金属加工装置において、
それぞれ、前記板状材料の表面に圧接しながら転がる転圧面を有し、それぞれの回転軸が互いに平行となるように所定のロボットに装着され、このロボットの動作により少なくとも3次元的に変位可能である2つのローラと、
前記転圧面を前記板状材料の表面に圧接させる圧接力を調節する調節手段とを備え、
前記2つのローラでは、少なくとも1つのローラが有する転圧面には、前記成形加工の態様に応じた形状であって前記1つのローラの回転軸と同軸の円筒面以外の形状が設けられており、前記円筒面以外の形状は、前記転圧面上で周方向に連続しており、
また、前記2つのローラの内、一方のローラは、前記ロボットに対し相対的に直線移動可能となっており、他方のローラは、前記ロボットに対し相対的に直線移動せず、
前記調節手段は、前記2つのローラの回転軸が互いに平行を保ったまま、前記一方のローラを前記他方のローラから直線的に離したり、近づけたりすることで前記圧接力を調節し、
前記2つのローラにより前記板状材料を挟んでそれぞれのローラの転圧面を前記板状材料の一方の表面および他方の表面にそれぞれ圧接させ、それぞれの転圧面による圧接を維持しながら前記2つのローラを所定の軌跡に沿って移動させることを特徴とする金属加工装置。 - 請求項1に記載の金属加工装置において、
前記調節手段は、前記2つのローラが前記所定の軌跡に沿って移動しているときに、前記2つのローラの位置に応じて前記圧接力を調節することを特徴とする金属加工装置。 - 請求項1または請求項2に記載の金属加工装置において、
前記2つのローラの組合せを2組以上備え、
それぞれの前記組合せごとに異なる前記ロボットに装着されていることを特徴とする金属加工装置。
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