図1、2は、本実施形態に係る健康管理システム1の一例となる全体的な構成を示す概略図である。この健康管理システム1は、本発明に係る人体モデル提供システム50を、ネットワークNWを介して人体測定システム5と接続したものとなっており、人体測定システム5から送られる被験者Hの身体的な測定結果を取得して、その取得した測定結果に応じた形態の人体モデル(図21〜23参照)を提供するものになっている。被験者H等は、測定後、通信端末3を用いて、人体モデル提供システム50が提供する解剖的な人体モデルを確認可能になっている。なお、通信端末3として、図1、2では通信機能を示すタブレットを示すが、タブレット以外にも、スマートフォンのような携帯通信端末、又は通信機能を有するパソコン(ノート型パソコン、デスクトップ型パソコン等)も使用できる。
被験者Hであるユーザを測定する人体測定システム5は、体組成計10及び三次元測定器20を組み合わせて所要の身体的な測定を行い、測定されたデータを測定処理装置30で処理するようになっている。本実施形態の健康管理システム1を利用するには、会員登録が必要であり、会員登録するには、ユーザの氏名、ニックネーム、パスワード、メールアドレス等を、健康管理システム1の利用を管理する事業体に提出することになり、事業体は、会員登録をしたユーザについて、ユーザを識別するユーザIDを発行する。会員登録したユーザの情報及びユーザの測定結果等は、人体モデル提供システム50が有する会員データベース60に蓄積される。以下、まず人体測定システム5について説明し、それから人体モデル提供システム50について説明していく。
健康管理システム1の中の人体測定システム5が有する体組成計10は、被験者Hの組成に係る測定を行う装置(第1測定器)である。この体組成計10は、被験者Hの体全体に対する測定と、特定部位に対する測定を行い、体全体に対する身体的な測定項目としては、体重、体脂肪率、脂肪量、筋肉量、体水分量等があり、特定部位に対する身体的な測定項目としては、体脂肪率、筋肉量、脂肪量等がある。測定対象における特定部位は、左腕、右腕、体幹部、左脚、右脚になっており、体幹部(胴体部)における脂肪の測定については、内臓脂肪の測定と、皮下脂肪の測定を含み、残りの四肢(左右腕、左右脚)については皮下脂肪を測定する。
体組成計10は、図1に示すように、被験者Hが載る台状の本体部11並びに被験者Hの両手で把持される左グリップ部12a及び右グリップ部12bを具備し、本体部11と、左グリップ部12a及び右グリップ部12bは、左右接続線13a、13bで接続される。本体部11の上面の被験者Hの載置箇所には、被験者Hの足裏と接触する測定電極部を設けられており、同様に、左右グリップ部12a、12bの表面にも測定電極部が設けられている。また体組成計10は、本体部11を、第1接続線14により測定処理装置30と接続する。
体組成計10は、第1接続線14を介して測定処理装置30から送られてくる測定開始指示が本体部11に入力されると、上述した各項目の測定を開始し、測定開始から約15秒で測定を完了する。体組成計10は、測定した数値等を含む測定結果を、第1接続線14を介して、本体部11から測定処理装置30へ送る。
一方、人体測定システム5が有する三次元測定器20は、測定対象物の三次元データ(OBJデータ)の測定が可能な装置(第2測定器)であり、計三本の柱状部21、22、23を有する。これら三本の柱状部21、22、23は、上述した体組成計10の本体部11の周囲を、平面視で三角形を構成するように、三角形の各頂点となる位置にそれぞれ配置され、体組成計10による測定と同期して三次元測定を行うようになっている。各柱状部21、22、23は複数のレーザ光出射部21a、22a、23a及び走査状況取得部21b、22b、23bを具備し、各レーザ光出射部21a、22a、23aからレーザ光を出射して測定対象物を走査すると共に、走査した状況を走査状況取得部21b、22b、23bで撮像して検知する。三次元測定器20は、各柱状部21、22、23を、三次元測定用接続線24a、24b、24cで測定処理装置30と接続している。
三次元測定器20は、三次元測定用接続線24a、24b、24cを介して測定処理装置30から送られてくる測定開始指示が、各柱状部21、22、23へ入力されると、各柱状部21、22、23の各レーザ光出射部21a、22a、23aからレーザ光を出射して測定を開始し、測定開始から約2秒でレーザ光の走査状況の検知測定を完了し、測定した数値を含む測定結果(OBJデータ)を、測定処理装置30へ送る。
測定処理装置30では、三次元測定器20から送られてきた数値結果(OBJデータ、人体の各部の位置に関する情報)に基づき測定対象物に関する各種寸法値を算出しており、各種寸法値を算出する部分において、測定処理装置30は三次元測定器20の一部を構成している。
測定処理装置30が、算出処理により得ることのできる各種寸法値としては、測定対象物の全体寸法、体表面積、体容積、任意部の長さ、任意部の周囲長等がある。被験者Hという人体を身体的に測定対象にするときは、人体の身長に加えて、人体の特定部位である各腕についての長さ(袖丈の長さ)、手首の周囲長及び腕の周囲長(最大周囲長)、体幹部の長さ(座高)、ウエストの周囲長、胸囲の周囲長、及び臀部の周囲長、各脚についての長さ(股下の長さ)、足首の周囲長、及び太ももの周囲長(最大周囲長)等と云った被験者Hの体格に係る項目を測定する(その他、左右の肩幅、襟ぐり等も測定)。なお、図1に示すように、被験者Hは測定時に足を開くので、足を開いた分、実際の身長より測定値が小さくなるので、身長については、測定処理装置30において所定の比率を乗じて、自動補正を行う。
なお、上述した三本の柱状部21、22、23を三角形の各頂点に配置して三次元測定する方法は、三角測量の原理を用いた公知の三次元距離計測手法(三角測量の原理)により、レーザ光出射部21a、22a、23aから出射するレーザ光で測定対象物の表面を走査し、その走査状況を、走査状況取得部21b、22b、23bで撮像して、柱状部21、22、23を三角形の位置と、走査状況取得部21b、22b、23bで撮像した画像におけるレーザ光の走査位置のポイント等との関係に基づき、測定対象物の各表面のポイント(表面をメッシュにした交点)を三次元座標上(水平面の一方向に応じたX軸、水平面においてX軸と直交する方向に応じたY軸、X軸及びY軸に直交する垂直方向に応じたZ軸で構成される座標)に展開した位置を求めることになる。
三次元測定器20は、人体(被験者H)を三次元測定する場合、人体の表面上の約3万のポイントについての位置を三次元座標値の数値で求めており、これら三次元測定される各ポイントは、それぞれを識別できるように番号が付されており(1番目のポイント〜約3万番目のポイントが存在する)、各番号と三次元座標値が対応づけたものが測定結果(OBJデータ)に含まれる。なお、三次元座標値に係る三次元座標系を構成するX、Y、Z軸について、本実施形態では図1に示すように、X軸方向を人体の幅方向に一致させており、Y軸方向を人体の身長方向に一致させており、Z軸方向を人体の厚み方向に一致させている。そのため、例えば人体を正面から見た場合、主にXY座標系で表現されることになり、人体を横方向から見た場合、主にYZ座標系で表現される。
図3は、測定処理装置30の主要構成を示したブロック図である。本実施形態の測定処理装置30としては、各測定器10、20との接続機能、及びネットワークNWを介した通信機能等を具備したコンピュータを用いており、図3は、そのコンピュータを用いた場合の構成を示している。測定処理装置30は、全体的な制御及び各種処理を行うCPU130aに、各種デバイス等を内部接続線30hで接続したものになっており、各種デバイス等には、外部機器接続部30b、通信部30c、ROM130d、RAM30e、表示入出力インタフェース30f、及び記憶部130g等がある。
外部機器接続部30bは、各種規格(例えば、IEEE系などの規格)に準じた双方向で各種信号、情報等を送ることが可能な接続インタフェース(例えば、USB系のシリアルインタフェース)であり、本実施形態では、この外部機器接続部30bで各測定器10、20と接続して、各測定器10、20の測定結果を取得すると共に、各測定器10、20への測定開始指示を送るようにしている。
通信部30cは、ネットワークNWとの接続通信デバイスに相当する所要の通信規格に応じたものであり(例えばLANモジュール)、通信線L及び所要の通信機器(図示は省略。例えばルータ等が該当)を介してネットワークNWと接続することで、人体モデル提供システム50との通信を可能にしている。
ROM130dは、CPU130aの基本的な処理内容を規定したプログラム等を記憶するものであり、RAM30eは、CPU130aの処理に伴う内容、ファイル等を一時的に記憶するものである。表示入出力インタフェース30fは、接続線36で表示装置35が接続されるインタフェースであり、本実施形態の表示装置35は、タッチスクリーン機能を具備する表示スクリーン35aを有するので、表示スクリーン35aに表示させる各種画面に応じた各画面データを出力することに加えて、表示スクリーン35aでのタッチによる操作内容の入力を受け付けて、その受け付けた操作内容をCPU130aへ送る処理等も行う。
記憶部130gは、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等により構成される記憶デバイスであり、基本プログラムP1、三次元測定プログラムP2、組成測定プログラムP3、及び測定管理プログラムP4といったプログラム、並びに画面データテーブルT1、基準値テーブルT2等を記憶する。各プログラムの説明を後にして、先ず、テーブル(画面データテーブルT1、基準値テーブルT2)について説明する。画面データテーブルT1は、図4、5等に示す画面内容を表示装置35で表示させるための各種画面データを複数格納したものである。
図4(a)は、画面データテーブルT1に格納された中の初期画面データが表示装置35に出力されることで、表示スクリーン35aに初期画面40が表示された状態を示す。初期画面40は、人体測定システム5において、最初に提示される画面であり、画面上部に「ユーザID、パスワードを入力し、決定ボタンを選択してください。」というテキストが配置されると共に、そのテキストの下方に、ユーザID入力欄40a、パスワード入力欄40b、及び選択可能な決定ボタン40cが配置されている。そして、初期画面40は、画面下方に、選択可能なキーボード欄40dを設けており、このキーボード欄40dの所望のキーを順次選択することで、ユーザID入力欄40a及びパスワード入力欄40bのそれぞれに、選択されたキーに応じた英数字が入力されるように作り込まれている。
ユーザID入力欄40a及びパスワード入力欄40bに英数字(ユーザID、パスワード)がそれぞれ入力された状態で決定ボタン40cの選択操作(ログイン操作)が行われると、入力された英数字(ユーザID及びパスワード)が、表示装置35から測定処理装置30へ送られ、測定処理装置30は入力内容(ユーザID及びパスワード)を人体モデル提供システム50へ送信する。なお、このような測定用ログイン操作の結果、人体モデル提供システム50から、会員として登録されている旨の回答が測定処理装置30へ送られると、測定処理装置30は測定のためにログインした状態となる。
図4(b)は、測定のためのログインが完了して、画面データテーブルT1に格納された中の測定開始画面データが表示装置35に出力されることで、表示スクリーン35aに測定開始画面41が表示された状態を示す。測定開始画面41は、「準備ができたら、測定開始ボタンを選択してください。」というテキストと、そのテキストの下方に、選択可能な測定開始ボタン41aを配置している。測定開始画面41の測定開始ボタン41aの選択操作が行われると、測定開始ボタン41aの選択された旨が、表示装置35から測定処理装置30へ送られる。
なお、測定開始ボタン41aの下方には、「選択開始ボタンの選択から、10秒後に測定を始めます。」というテキストを配置して、ユーザ(被験者H)に注意を促している。このようなテキストを配置しているのは、三次元測定器20による測定は、一定の時間(約2秒間)、被験者Hは、所定の姿勢で静止することが要求されるので、測定開始ボタン41aが選択されてから、即座に三次元測定を行うと、所定の姿勢で静止する状態を確保できないため、10秒の準備時間を入れることで、被験者Hが測定に適した姿勢をつくれるようにしている。
図5(a)は、画面データテーブルT1に格納された中の測定準備画面データが表示装置35に出力されることで、表示スクリーン35aに測定準備画面42が表示された状態を示す。測定準備画面42は、図4(b)の測定開始画面41で、測定開始ボタン41aが選択された場合に表示されるものであり、「測定開始まで」というテキストの下方に、準備カウントダウン欄42aが設けられ、その下方には、「姿勢を整えてください。」というテキストが配置される。なお、準備カウントダウン欄42aは、10秒から1秒ごとにカウントダウンされていく秒数が表示される。
図5(b)は、画面データテーブルT1に格納された中の測定中画面データが表示装置35に出力されることで、表示スクリーン35aに測定中画面43が表示された状態を示す。測定中画面43は、図5(a)の測定準備画面42で、カウントダウンが進行して0秒になったときに、切り替わって表示される画面であり、「測定中」というテキストの下方に、測定カウントダウン欄43aが設けられ、その下方には、「姿勢を維持してください。」というテキストが配置される。なお、測定カウントダウン欄42aは、体組成計10の測定時間に合わせて15秒から1秒ごとにカウントダウンされていく秒数が表示される。
図5(c)は、画面データテーブルT1に格納された中の測定終了画面データが表示装置35に出力されることで、表示スクリーン35aに測定終了画面44が表示された状態を示す。測定終了画面44は、図5(b)の測定中画面43で、カウントダウンが進行して0秒になったときに、切り替わって表示されるものであり、「測定終了」というテキストの下方に、「お疲れ様でした。リラックスしてください。結果が出るまで、しばらくお待ちください。」というテキストが配置される。なお、測定終了画面44が表示されてしばらくすると、測定項目に対する測定数値を示す結果画面が表示スクリーン35aに表示される。
図6は、記憶部130gに記憶される基準値テーブルT2を示す。基準値テーブルT2は、測定された筋肉及び脂肪に関するレベルを判定するための数値(基準値)を格納したものである。本実施形態では左腕、右腕、左脚、右脚、及び体幹部という計5つの特定部位において、筋肉レベル及び脂肪レベルをそれぞれ判定するための複数の基準値を特定部位ごとに格納する(筋肉判定用、及び脂肪判定用の複数の基準値をそれぞれ格納)。
すなわち、各特定部位(左腕、右腕、左脚、右脚、及び体幹部)に関する筋肉判定用の複数の基準値として、基準値テーブルT2は第1〜9基準値という複数の基準用数値を含み、同様に、脂肪判定用の複数の基準値として、第1〜9基準値という複数の基準用数値を含む。なお、第1〜9基準値の数値には「第1基準値<第2基準値<第3基準値<第4基準値<第5基準値<第6基準値<第7基準値<第8基準値<第9基準値」という大小関係が成立する。
これは、筋肉レベル及び脂肪レベルとして本実施形態では、それぞれ計9段階のレベルを判定するためである。計9段階のレベルを、筋肉の場合で説明すると、標準を「0」レベルにしており、標準より筋肉の量が少ないレベルを「−1」、「−2」、「−3」、「−4」というように、少ない量の程度に応じて計4段階で区別し、標準より筋肉の量が多いレベルを「+1」、「+2」、「+3」、「+4」というように、多い量の程度に応じて計4段階で区別する。脂肪の場合も同様に、標準を「0」として、標準より脂肪の量が少ないレベルを「−1」、「−2」、「−3」、「−4」の計4段階で区別し、標準より脂肪の量が多いレベルを「+1」、「+2」、「+3」、「+4」の計4段階で区別する。
筋肉についてのレベルの区分けの具体例を、左腕の場合で説明すると、測定された左腕の筋肉量の数値が第1基準値未満であれば「−4」、第1基準時以上第2基準値未満であれば「−3」、第2基準値以上第3基準値未満であれば「−2」、第3基準値以上第4基準値未満であれば「−1」、第4基準時以上第5基準値未満であれば「0」、第5基準値以上第6基準値未満であれば「+1」、第6基準時以上第7基準値未満であれば「+2」、第7基準値以上第8基準値未満であれば「+3」、第8基準値以上第9基準値未満であれば「+4」と判定される(他の特定部位の測定された筋肉量についても同様)。
また、脂肪についてのレベルの区分けの具体例を、左腕の場合で説明すると、測定された左腕の脂肪量が第1基準値未満であれば「−4」、第1基準時以上第2基準値未満であれば「−3」、第2基準値以上第3基準値未満であれば「−2」、第3基準値以上第4基準値未満であれば「−1」、第4基準時以上第5基準値未満であれば「0」、第5基準値以上第6基準値未満であれば「+1」、第6基準時以上第7基準値未満であれば「+2」、第7基準値以上第8基準値未満であれば「+3」、第8基準値以上第9基準値未満であれば「+4」と判定される(他の特定部位の測定された脂肪量についても同様)。上述した計9段階のレベルを表す数値は、特定部位の筋肉量又は脂肪量に係る数値を示す測定結果を意味する。
なお、図6に示すように、体幹部においては、通常の脂肪用の数値(皮下脂肪用の第1〜第9基準値)に加えて、内臓脂肪用の基準値(第1〜第9基準値)を基準値テーブルT2は格納しており、体幹部においては、通常の脂肪(皮下脂肪)と、内臓脂肪の二種類の脂肪についてレベル判定が行えるようにしている(内臓脂肪の脂肪量に係るレベル判定は、上述した皮下脂肪の場合と同様)。
次に、図3の記憶部130gに記憶される各プログラムについて説明していく。まず、基本プログラムP1は、測定処理装置30を一般的なコンピュータとして機能させるために、CPU130aが行う基本的な処理を規定したオペレーティングシステムに相当するものであり、この基本プログラムP1には、上述した外部機器接続部30bを通じた信号等の入出力機能、通信部30cを通じた通信機能、及び表示入出力インタフェース30fを通じた表示機能・操作受付機能等を含んでいるものとする。
また、三次元測定プログラムP2は、三次元測定器20から送られてくる測定結果に含まれる数値(検知した複数の頂点のXYZ座標値)を用いて、上述した三角測量の原理を用いた公知の三次元距離計測手法により、被験者Hの測定項目(身長、各四肢の長さ等)に係る数値を算出する処理をCPU130aが行うことを規定したものになっている。
組成測定プログラムP3は、体組成計10から送られてくる脂肪又は筋肉に係る測定数値を取得すること、及び特定部位(体幹部、及び四肢)については、測定数値を、図6の基準値テーブルT2に格納される基準値と対比することで、測定された筋肉量、及び脂肪量が、計9段階のいずれのレベルに該当するかを判定する処理も規定する。なお、9段階のレベルは上述したように、「−4」〜「+4」の段階で示され、「0」の段階が標準であり、「0」からマイナスの数値が大きくなるにつれて、筋肉量又は脂肪量が少なくなっていくことを表し、また、「0」からプラスの数値が大きくなるにつれて、筋肉量又は脂肪量が多くなっていくことを表す。
測定管理プログラムP4は、人体測定システム5における全般的な処理に関して、CPU130aが行う各種処理の内容を規定したものである。具体的には、表示装置35に各種画面を表示する処理、登録ユーザの会員認証に関する処理、ユーザ操作に応じた対応処理、測定結果を人体モデル提供システム50へ送る処理等をCPU130aに行わせるプログラミング内容を測定管理プログラムP4は含んでいる。
具体的には、まず、図4(a)の初期画面40を表示する処理を行い、この初期画面40を通じて入力されたユーザIDを測定処理装置30(CPU130a)が取得すると、その取得したユーザIDが登録されているか否かを問い合わせる旨の問合せ情報を人体モデル提供システム50へ送信することを測定管理プログラム処理P4は規定する。また、問合せ情報の送信に応じて、人体モデル提供システム50から、登録されていない旨の返信を測定処理装置30が受信すると、再度、ユーザIDの入力を行うことを示したユーザID入力画面を表示する処理を測定管理プログラム処理P4は規定する。
一方、問合せ情報の送信に応じて、人体モデル提供システム50から、登録されている旨の返信を測定処理装置30が受信すると、次に、図4(b)の測定開始画面41の表示処理を行うことを測定管理プログラム処理P4は規定する。また、その測定開始画面41で測定開始ボタン41aの選択操作を受け付けると、図5(a)の測定準備画面42の表示処理を行うと共に、測定開始ボタン41aの選択操作から10秒が経過すれば、体組成計10及び三次元測定器20へ測定開始指示を送信することを測定管理プログラム処理P4は規定する。
そして、図5(b)の測定中画面43の表示処理を行い、体組成計10及び三次元測定器20の両方から測定結果を測定処理装置30(CPU130a)が受け取ると、図5(c)の測定終了画面44の表示に切り替えて、演算結果の整理が完了すると、その演算結果の各数値等を示す結果画面の表示処理を行うことを測定管理プログラム処理P4は規定する。また、測定結果に係る情報(体格及び体型に応じた各点のXYZ座標値、身長及び各特定部位の寸法に係る数値、脂肪(各特定部位の皮下脂肪及び体幹部の内臓脂肪)又は筋肉の測定結果に基づくレベル判定結果(レベルを示す数値)、及びユーザID等を含む情報)を人体モデル提供システム50へ送信する処理を演算装置(CPU130a)が行うことも、測定管理プログラム処理P4は規定する。
なお、測定結果に係る情報を人体モデル提供システム50へ送信することで、測定処理装置30を含む人体測定システム5の被験者Hの測定に関する一連の処理は一旦完了し、これ以降については人体測定システム5では次回の測定を待つ状態になる。一方、人体モデル提供システム50から測定結果を受信する人体モデル提供システム50は、測定結果の受信に伴い、測定を行った被験者に応じた解剖的な人体モデルを提供するための処理を開始することになる。
図7は、人体モデル提供システム50の主要な内部構成を示すブロック図である。本実施形態の人体モデル提供システム50は、一般的なサーバコンピュータ(サーバ装置)で構築したものになっているが、分散処理等を行うことで複数のサーバ装置及びデータベース装置等を組み合わせてシステムを構築することも勿論可能である(例えば、人体モデルの提供に関する処理を主に行うサーバ装置、及び登録会員の会員データを格納するデータベースに関する処理を主に行うデータベースサーバ装置を組み合わせてシステムを構築することなどが想定できる)。
人体モデル提供システム50(人体モデル処理装置に相当)は、全体的な制御及び各種処理を行うMPU50aに、各種デバイス等を内部接続線50hで接続したものになっており、各種デバイス等には、通信モジュール50b、RAM50c、ROM50d、入力インタフェース50e、出力インタフェース50f、及び記憶部50g等がある。
通信モジュール50bは、ネットワークNWとの接続モジュールに相当する通信デバイスであり、所要の通信規格に応じたものである(例えばLANモジュール)。通信モジュール50bは、所要の通信機器(図示は省略。例えばルータ等が該当)を介してネットワークNWと接続されており、測定処理装置30及び通信端末3等との通信を可能にする。なお、本実施形態において、人体モデル提供システム50は、被験者Hの身体的な測定結果(測定結果に係る各種情報)を、通信モジュール50bで取得することになる。
RAM50cは、MPU50aの処理に伴う内容、ファイル等を一時的に記憶するものであり、ROM50dは、MPU50aの基本的な処理内容を規定したプログラム等を記憶するものである。入力インタフェース50eは、システム管理者等からの操作指示等を受け付けるキーボード50i、マウス等が接続されるものである。出力インタフェース50fは、ディスプレイ50j(表示出力装置)が接続されるものであり、MPU50aの処理に伴う内容をディスプレイ50jへ出力し、システム管理者等が現在の処理内容等を確認できるようにしている。
記憶部50gは、データベース、プログラム、及びテーブル等を記憶するものであり、具体的には、データベースとして会員データベース60を記憶し、プログラムとしてはサーバプログラムP10、モデル変形プログラムP11を記憶し、テーブルとしては、人体モデルテーブル70、ポイントテーブル80及びモデル数値テーブル85等を記憶する。なお、モデル変形プログラムP11を記憶部10gにインストールするには、光ディスク等の記憶媒体にモデル変形プログラムP11を記憶しておき、その記憶媒体を通じて、記憶部50gにインストールすること等が考えられる。
図8は、記憶部50gに記憶される会員データベース60の中身の一例を示し、ユーザ欄として、ユーザIDごとに、会員の氏名、ニックネーム、メールアドレス、及び各日のデータ(体組成計10及び三次元測定器20のそれぞれの測定結果を示す数値、測定結果に基づき得られた人体モデルを示すデータ等)が記憶される(なお、図8では示していないが、会員データベース60には、その他、性別、パスワード等も記憶される)。会員データベース60のユーザ欄は、新たなユーザの会員登録により増加し、会員ユーザが退会することで、そのユーザのユーザ欄が削除されることになり、また、各ユーザが測定を行うごとに、測定データ欄には測定日のデータが格納されるようになり、これらの要因により、会員データベース60の中身は随時、更新される。
記憶部50gに記憶されるプログラムP1の中のサーバプログラムP1は、サーバコンピュータ用のオペレーティングシステムに応じた各種処理を規定したものであり、この規定内容に基づいた処理をMPU50aが行うことで、人体モデル提供システム50は、サーバコンピュータ(サーバ装置)としての各機能を果たす。
また、モデル変形プログラムP11は、本発明に関する主要な各処理を規定したものであり、会員認証に係る処理、測定結果に応じた人体モデルを生成する処理、生成した人体モデルを配信する処理等を、MPU50aが各種手段として行うことを規定した内容になっている。モデル変形プログラムP11の詳細は後述し、先に、各テーブル(人体モデルテーブル70、ポイントテーブル80、モデル数値テーブル85)について説明する。
図9は、人体モデルテーブル70の中身の一部を示し、図9に示すのは男性用の人体モデルの範囲である(女性用人体モデルの詳細については後述する)。本発明では、被験者Hの測定結果に応じた人体モデルを提供するにあたり、一から人体モデルを生成するのではなく、ベースとなる人体モデルを準備しておき、その準備した人体モデルを被験者Hの測定結果に応じて適宜、変形等を行うことで、被験者の体格及び体つきに応じた人体モデルを提供する。人体モデルテーブル70は、予め準備する人体モデルのデータを男女別に格納したものであり、ログイン中のユーザ(被験者)の性別を会員データテーブル60から特定し、男女いずれのモデルデータを用いるかをMPU50aが判断する。本実施形態の人体モデルは、骨格モデル、筋肉モデル、及び脂肪モデルを含んで構成することで、解剖的な表示を可能にしている。
人体モデルテーブル70の中身に関して、男性用人体モデルを例にして説明すると、まず、人体モデルテーブル70は、人体モデルを構成する骨格モデル71、筋肉モデル72、及び脂肪モデル73の三種類のモデルを含み、また、モデル毎に、統計的に身長に対する四肢の長さ寸法の比率(袖丈の比率、股下の比率)が標準である標準パターン70a、標準パターン70aに対して四肢の寸法(手足の寸法)を約95%短くした第1パターン70b、及び標準パターンル70aに対して四肢の寸法(手足の寸法)を約105%長くした第2パターン70cという計三種類のパターンを含む。
骨格モデル71は、骨格を示すモデルであり、標準パターン70aに応じた標準の骨格モデル71a、第1パターン70bに応じた第1の骨格モデル71b、及び第2パターン70cに応じた第2の骨格モデル71cを含む。また、筋肉モデル72も、骨格モデル71と同様に、標準パターン70aに応じた標準の筋肉モデル72a、第1パターン70bに応じた第1の筋肉モデル72b、及び第2パターン70cに応じた第2の筋肉モデル72cを含み、脂肪モデル73も、標準パターン70aに応じた標準の脂肪モデル73a、第1パターン70bに応じた第1の脂肪モデル73b、及び第2パターン70cに応じた第2の脂肪モデル73cを含む。
これら各骨格モデル71、筋肉モデル72、脂肪モデル73は、人体モデルとしてパターン別に組み合わされる1つのセットになっている。すなわち、標準パターン70aとして、標準の骨格モデル71a、筋肉モデル72a、及び脂肪モデル73aが対応付けられて一つのセット(組合せ)になっており、以下同様に、第1パターン70bとして、第1の骨格モデル71b、筋肉モデル72b、及び脂肪モデル73bが対応付けられて一つのセットになっており、第2パターン70cとして、第2の骨格モデル71c、筋肉モデル72c、及び脂肪モデル73cが対応付けられて一つのセットになっている。
また、これらの各骨格モデル71、筋肉モデル72、脂肪モデル73は三次元表示が可能に形成されており、上述した非特許文献1に係る3D人体解剖アプリで示されるモデルと同様に、各モデルを回転させる操作(例えば、スワイプ操作)を行うことで、所望の角度から、各モデルを確認できると共に、各モデルの所要部分の拡大又は縮小も所要の操作(例えば、ピンチ装置)で可能になっている。
さらに、これらの各骨格モデル71、筋肉モデル72、脂肪モデル73は、形状的に変形可能なテクスチャで形成されている。例えば、人体の骨格を表す骨格モデル71(標準の骨格モデル71a、第1の骨格モデル71b、第2の骨格モデル71c)は、相似的に拡大又は縮小する変形が可能になっていると共に、骨格を構成する複数の骨部分(ボーン)のレベルでも長さ寸法の拡大又は縮小、骨格における関節を中心とした角度変化等の変形が可能になっており、それにより骨格の部分的な変形も可能になっている。なお、これらの各骨格モデル71、筋肉モデル72、脂肪モデル73は、それらの体格に応じた数値を有するものとなっており、それらの数値は、モデル数値テーブル85においてモデルごとに示される。
また、人体の筋肉を表す筋肉モデル72(標準の筋肉モデル72a、第1の筋肉モデル72b、第2の筋肉モデル72c)は、上述した骨格モデル(標準の骨格モデル71a、第1の骨格モデル71b、第2の骨格モデル71c)を覆う筋肉(筋肉のテクスチャ)を有する形態で形成してあり、赤又はピンク色系統の色合いをテクスチャ表面に付したものになっている。筋肉モデル72も形状的に変形可能となっているが、変形の仕方としては、骨格モデル71の上述した変形に追従して変形する場合と、筋肉モデルが単独で変形する場合の二通りの変形の仕方が存在する。
すなわち、筋肉モデル72の筋肉は、筋肉を表す一定の厚みを有するシート状のテクスチャで形成されており、骨格モデル71が、上述したように相似的に拡大又は縮小すると、そのような変形に追従するように、筋肉のテクスチャが伸縮して寸法的に拡大又は縮小するように作り込まれている。また、骨格モデル71が、上述したように部分的に寸法の拡大又は縮小、若しくは角度変化等の変形が行われると、筋肉モデル72は、そのような部分的な変形にも追従して、筋肉のテクスチャが伸縮変形するように作り込まれている。なお、本実施形態の筋肉モデル72は、顔部分、手先部分、及び足先部分の筋肉を省略した構成にしている。
また、図10(a)(b)に示すように、筋肉モデル72が単独で変形する場合としては、特定部位(左腕、右腕、左脚、右脚、及び体幹部)の単位で、特定部位の太さ寸法を、測定結果により判定されたレベルに応じた程度に合わせて筋肉部分(筋肉のテクスチャの厚み)を太くする変形、又は細くする変形が可能になっている(図10(a)は左腕の筋肉が太くなる例を示し、図10(b)は左腕の筋肉が細くなる例を示す)。なお、筋肉モデル72は、一定の厚みのあるテクスチャで形成されているため、太さ寸法を細くする場合はテクスチャの厚みを薄くするように変形されるので、骨格モデルを侵食するようにまで変形することは生じ得ない。
さらに、人体の脂肪を表す脂肪モデル73(標準の脂肪モデル73a、第1の脂肪モデル73b、第2の脂肪モデル73c)は、上述した筋肉モデル72(標準の筋肉モデル72a、第1の筋肉モデル72b、第2の筋肉モデル72c)を覆う脂肪(脂肪のテクスチャ)を有する形態で形成してあり、黄又は黄土色系統の色合いを基準色としてテクスチャ表面に付したものになっている。脂肪モデル73も形状的に変形可能となっているが、変形の仕方としては、筋肉モデル72の場合と同様に、筋肉モデル72の上述した変形に追従して変形する場合と、脂肪モデル単体で変形する場合の二通りの変形の仕方が存在する。
脂肪モデル73の脂肪も、脂肪を示す所定の厚みを有するシート状のテクスチャで形成されているが、厚み自体は、筋肉モデル72より薄くなっている。筋肉モデル72が、上述したように骨格モデル71に追従して相似的に拡大又は縮小するように変形した場合、脂肪モデル73は、脂肪のテクスチャが、そのような変形に追従して変形するように作り込まれている。また、筋肉モデル72の特定部位(四肢のいずれか、又は体幹部)の太さ寸法が太く又は細く変形した場合、脂肪モデル73も、その筋肉モデル72の変形した特定部位に応じた脂肪箇所が、追従するように太く又は細く変形するように、脂肪のテクチャが伸縮変形する。なお、本実施形態の脂肪モデル73は、顔部分、手先部分、及び足先部分の筋肉を省略した構成にしている。
また、図11に示すように、脂肪モデル73が単独で変形する場合としては、特定部位(左腕、右腕、左脚、右脚、及び体幹部)の単位で、特定部位の脂肪部分の太さ寸法を、判定されたレベルに応じた程度に合わせて太くする変形が可能になっている。さらに、脂肪モデル73において特定部位の太さ寸法を太くする変形を行った場合は、太くした特定部位の表面箇所の色合い(基準色の色合い)を、太くした度合いに応じて段階的に濃くするように、脂肪モデル73のテクスチャは作り込まれている。なお、脂肪モデル73の脂肪は、筋肉モデル72の表面に密着して覆うよう配置されるようになっており、そのため、筋肉モデル72の筋肉の形状を、脂肪に反映しやすくしている。
一方、脂肪モデル73の特定部位の脂肪部分を、判定されたレベルに応じて細くすることは、上述したように脂肪モデル73は薄いテクスチャで形成されているので、図12に示すように、一段階程度しか細くすることができず、それ以上の段階で細くすることは、対象となる特定部位の表面の色合い(基準色の色合い)を薄くし、更に細くするレベルを示すことについては、対象となる特定部位の脂肪部分の透明度を段階的に増すようにしている。例えば、皮下脂肪に係る判定レベルが、標準の「0」より小さい「−1」であれば、特定部位の脂肪部分の寸法を一段階、細くする変形を行うと共に、その脂肪部分の表面の色合いを基準色(「0」の場合の表面の色)より一段階薄くし、判定レベルが「−2」であれば、特定部位の脂肪部分の表面の色合いを、更に一段階薄くし、判定レベルが「−3」であれば、特定部位の脂肪部分が半透明になるようにし、判定レベルが「−4」であれば、特定部位の脂肪部分の透明度(透過度)を高めて、脂肪モデルの下の層となる筋肉モデルの筋肉が映るように、テクスチャを作り込んでいる。
図13は、上述した人体モデル(骨格モデル71、筋肉モデル72、脂肪モデル73)の相似的な拡大又は縮小の変形の概要を示しており、まず、人体モデルの中の骨格に応じた骨格モデル71(例えば、標準の骨格モデル71a)を、被験者Hの体格に係る測定結果(例えば、身長に準じた測定寸法)に基づき拡大又は縮小すると、その骨格モデル71に対応づけてセットになっている筋肉モデル(例えば、標準の筋肉モデル72a)は、骨格モデル71(標準の骨格モデル71a)の変形に追従して、同様に拡大又は縮小変形する。さらに、このような筋肉モデル72(標準の筋肉モデル72a)の変形に追従して、脂肪モデル73(例えば、標準の脂肪モデル73a)も同様に拡大又は縮小変形することになる。このような各モデル間での追従変形は、同率で拡大又は縮小することで可能となる。
例えば,骨格モデル71(例えば、標準の骨格モデル71a)は、その体格を表す身長として170.58cmの寸法を有し(図16のモデル数値テーブル参照)、一方、被験者Hの測定結果で、被験者の身長が約179.1cmであれば、被験者の測定結果に合わせて、骨格モデル71全体を1.05倍(179.1/170.58)で相似的に拡大変形することになり、この場合、筋肉モデル72(例えば、標準の筋肉モデル72a)及び脂肪モデル73(例えば、標準の脂肪モデル73a)もそれぞれ全体を1.05倍で拡大する処理を行うことで、追従した拡大変形を行うようにしている。また、骨格モデル71(例えば、標準の骨格モデル71a)を、被験者の測定結果に合わせて全体を0.95倍で相似的に縮小変形する場合、筋肉モデル72(例えば、標準の筋肉モデル72a)及び脂肪モデル73(例えば、標準の脂肪モデル73a)も、それぞれ全体を0.95倍に縮小する処理を行うことで、追従した縮小変形を行うようにしている。
また、骨格を示す骨格モデル71が部分的に寸法の拡大又は縮小するような変形を行えるようにするため、そして、そのような変形に追従して、筋肉を示す筋肉モデル72及び脂肪を示す脂肪モデル73が変形できるようにするために、各モデルには、変形の基点となる複数の点(変形基点)が設けられている。
図14(a)〜(c)は、各モデルにおける複数の変形基点の代表例を概要的に示したものである。まず、図14(a)は標準の骨格モデル71aにおける複数の変形基点の中の一部を示す変形基点P1〜P14を示す。変形基点P1は頭部頂点であり、以下、変形基点P2は右肩、変形基点P3は左肩、変形基点P4は右肘、変形基点P5は左肘、変形基点P6は右手先端(中指の第3関節)、変形基点P7は左手先端(中指の第3関節)、変形基点P8は腰中心の背骨、変形基点P9は右骨盤、変形基点P10は左骨盤、変形基点P11は右膝、変形基点P12は左膝、変形基点P13は右足先端、変形基点P14は左足先端になっている。これら各変形基点P1〜P14は、XYZ座標系における座標値をそれぞれ有したものになっている。なお、各変形基点P1〜P14は、変形基点の代表例であり、実際には、もう少し多くの点が存在する(図15のポイントテーブル80を参照)。
また、図14(b)は、図14(a)に示す標準の骨格モデル71aに対応付けられる標準の筋肉モデル72aおける複数の変形基点P1′〜P14′を示し、これらの変形基点P1′〜P14′は、図14(a)の標準の骨格モデル71aの変形基点P1〜P14に対応した点になっている。なお、本実施形態の筋肉モデル72は、顔部分、手先部分、及び足先部分の筋肉を省略した構成にしているので、図中に示す顔部分、手先部分、及び足先部分に応じた筋肉モデル72における変形基点P1′、P6′、P7′、P13′、P14′は仮想的な変形基点になる。
さらに、図14(c)は、図14(a)に示す標準の骨格モデル71a及び図14(b)の標準の筋肉モデル72aに対応付けられる標準の脂肪モデル73aおける複数の変形基点P1″〜P14″を示し、これらの変形基点P1″〜P14″は、図14(a)の標準の骨格モデル71aの変形基点P1〜P14及び図14(b)の標準の筋肉モデル72aの変形基点P1′〜P14′に対応した点になっている。なお、本実施形態の脂肪モデル73は、顔部分、手先部分、及び足先部分の筋肉を省略した構成にしているので、図中に示す顔部分、手先部分、及び足先部分に応じた脂肪モデル73における変形基点P1″、P6″、P7″、P13″、P14″は仮想的な変形基点になる。
図14(a)に示す標準の骨格モデル71aにおける部分的な変形の例として、右肩の変形基点P2が、被験者の測定結果に応じて、XYZ座標系において(X、Y、Z)=(3、4,4)という座標距離分だけ移動するように変形した状況を想定する。このような部分的な変形が標準の骨格モデル71aに生じた場合、この右肩の変形基点P2に対応する標準の筋肉モデル72aの右肩の変形基点P2′及び標準の脂肪モデル73aの右肩の変形基点P2″の座標値も同様に、(X、Y、Z)=(3、4,4)という座標距離分だけ移動するように変形することで、骨格モデル71aにおける部分的な変形処理に対しても追従変形を行えるようにしている。なお、このような部分的な変形処理を行った場合、その変形基点周辺のテクスチャは、変形(拡大又は縮小)に応じて自在に伸び縮みするように作り込まれている。
また、図14(b)の標準の筋肉モデル72aが部分的に変形した場合の標準の脂肪モデルの追従変形も、上記と同様に行われる。例えば、標準の脂肪モデル72aにおける部分的な変形の例として、腰中心の背骨に応じた変形基点P8′が、被験者の測定結果に応じて、XYZ座標系において(X、Y、Z)=(0、0,6)という座標距離分だけ移動するように変形したと想定する。このような部分的な変形が標準の筋肉モデル72aに生じた場合、この変形基点P8′に対応する標準の脂肪モデル73aの変形基点P8″の座標値も同様に、(X、Y、Z)=(0、0,6)という座標距離分だけ移動するように変形することで、筋肉モデル72aにおける部分的な変形処理に対しても追従変形を行えるようにしている。
なお、上述した変形に関する説明では、標準の人体モデル(標準の骨格モデル71a、筋肉モデル72a、脂肪モデル73a)の場合で説明したが、第1の人体モデル(第1の骨格モデル71b、筋肉モデル72b、脂肪モデル73b)及び第2の人体モデル(第2の骨格モデル71c、筋肉モデル72c、脂肪モデル73c)でも同様な変形に関する処理が可能となっている。
図15は、図7の記憶部50gに記憶されるポイントテーブル80の中身の一例を示している。ポイントテーブル80は、骨格モデル71の変形基点と、被験者の三次元測定器20の測定結果に含まれる各ポイントの番号との対応関係を示すものになっている。すなわち、三次元測定器20で測定される被験者Hの皮膚の表面上のポイントは約3万点に至るので、被験者Hの測定結果に応じて骨格モデル71を変形するにあたり、骨格モデル71の変形基点を、約3万点の中のいずれのポイントを目指して移動させるかを特定する必要があるので、このような特定のための対応付けをポイントテーブル80は定めている。なお、ポイントテーブル80の中で規定される変形基点としては、皮膚の上からでも骨張った箇所(筋肉及び脂肪が基本的に覆わないで、皮膚が骨を覆うような箇所)が選ばれており、それにより、被験者Hの測定結果は皮膚の表面上であっても、筋肉及び脂肪の影響を受けにくくして、骨格モデルとの対応が取れるようにしている。
例えば、骨格モデル71の変形基点として頭部頂点は、三次元測定器20の測定結果の中の3225番目のポイントに対応することをポイントテーブル80は定めており、この場合は、骨格モデル71の頭部頂点のXYZ座標値が、3225番目のポイント(対応点に相当)のXYZ座標値に対応し,両者にずれがあれば、ずれている座標値の分だけ、骨格モデル71の頭部頂点を、3225番目のポイントへ移動する処理を行う。
また、骨格モデル71の変形基点(XYZ座標値)に対応づけられる測定結果のポイント(XYZ座標値)は、1つの場合の他に、複数のポイントが対応づけられることがあり、このような場合は、複数のポイントのXYZ座標値の平均値を有する点が対応点となって、その対応点のXYZ座標値(三次元的な位置を示す数値)が、変形基点のXYZ座標値に対応付けられることになる。
例えば、変形基点として右肩は、右方向からの見た場合(YZ平面での視図)の10166番目のポイント、前方向から見た場合(XY平面での視図)の2055番目のポイント、及び後ろ方向から見た場合(XY平面での視図)の14829番目のポイントという計3つのポイントに対応付けられる。そして、この場合、10166番目のポイント、2055番目のポイント、及び14829番目のポイントの平均XYZ座標値の数値をMPU50aが算出し、その算出した平均XYZ座標値を有する点が対応点として特定されると共に、その対応点の平均XYZ座標値が、右肩の変形基点のXYZ座標値と対応し、両者にズレが存在すれば、一致するように、右肩の変形基点を対応点へ向けて移動する処理をMPU50aが行う。
また、図16は、図7の記憶部50gに記憶されるモデル数値テーブル85の中身の一例を示す。モデル数値テーブル85は、図9に示す人体モデルテーブル70に格納される各人体モデル(男性用及び女性用のそれぞれのパターンの骨格モデル、筋肉モデル、脂肪モデル)の各部に応じた数値を格納するものであり、図16では、男性の標準パターン70aに応じた人体モデルの各部に応じた数値が格納される範囲を示している。なお、モデル数値テーブル85は、図16では示していないが、男性の第1パターン70b及び第2パターン70cに応じた数値、並びに女性の各パターンに応じた数値も含んでいる。
モデル数値テーブル85が格納する各数値は、統計的に得られた数値に基づいたパターンごとの平均値であり、平均の身長の数値、股下の数値、及び腕長さの数値等より得られた股下割合(身長に対する足の左右平均長さが占める割合)、袖丈比率(身長に対する腕の左右平均長さが占める割合)等が格納されており、これらの数値は、被験者Hに応じたモデルのパターンを各パターン70a〜70cの中から特定する場合、及び特定したパターンのモデルの拡大又は縮小する度合いを特定する場合などに用いられる。
次に、記憶部50gに記憶されるモデル変形プログラム11について説明していく。モデル変形プログラムP11の具体的なプログラミングの内容としては、会員認証に係る処理、測定結果に応じた人体モデルを提供する処理等が含まれる。
会員認証に係る処理として、測定処理装置30からユーザID及びパスワードを含む会員認証に係る問合せ情報を人体モデル提供システム50(MPU50a)が受信すると、受信した問合せ情報に含まれるユーザID及びパスワードが会員データベース60に含まれるか否かを判断する。そして、ユーザID及びパスワードが会員データベース60に含まれる場合、MPU50aは、登録の旨の回答を測定処理装置30へ返信する処理を行い、また、含まれていない場合は、非登録の旨(非会員である旨)の回答を測定処理装置30へ返信する処理を行う。
また、測定処理装置30から送られてきたユーザIDを含む測定結果(測定結果に係る情報)を受信すると、会員データベース60の測定データの欄に、その受信した中に含まれるユーザIDに対応づけて、測定結果を受信日時(又は測定日時)と共に格納する処理を行う。
図17は、モデル変形プログラムP11が規定する処理の中で、本発明の主要な処理として、想定結果に応じた人体モデルを提供するために、人体モデルテーブル70に格納される人体モデルを変形する処理を示すフローチャートである。このフローチャート(人体モデル変形方法の中身を示すもの)に従って、MPU50aは、被験者Hの測定結果に応じた人体モデルを変形するための一連の処理を行う。本実施形態では、被験者Hの測定結果に応じた人定モデルを、一から生成するのではなく、上述した人体モデルテーブル70(図9参照)に格納される各パターンの人体モデルを利用して生成(格納されている人体モデルを変形することで生成)することで、スムーズに被験者に応じた人体モデルを提供できるようにしている。なお、図17のフローチャートに示すMPU50aによる処理は、測定処理装置30から送られた測定結果を、人体モデル提供システム50は取得したことに応じて開始されることになる。
最初のS1の段階で、測定処理装置30からの測定結果に基づき、図9の人体モデルテーブル70の標準パターン70a、手足が短めの第1パターン70b、手足が長めの第2パターン70cの中からいずれを用いるかを特定する処理をMPU50aは行う。具体的には、測定処理装置30から送られる測定結果には、被験者Hの身長、左腕の長さ、右腕の長さ、左脚の長さ、及び右脚の長さといった被験者Hの体格を示す寸法数値が含まれているので、これらの寸法数値から、被験者Hの袖丈比率及び股下比率を算出し(四肢の寸法に係る比率を算出)、その算出した数値に対して、図16のモデル数値テーブル85に格納される同姓の袖丈比率及び股下比率の中で最も近いものをMPU50aは特定し、その特定した袖丈比率及び股下比率に応じたパターンを、被験者Hのパターンとして特定する。
次のS2の段階で、特定したパターンに応じた人体モデル(一つのセットになった骨格モデル、筋肉モデル及び脂肪モデル)を、図13に示すように、被験者Hの測定された身長の寸法(体格に係る測定結果)に応じて、相似的に拡大又は縮小する処理をMPU50aは行う。
例えば、男性の被験者Hの身長が177.4cmであり、S1の段階で男性の標準パターンが特定されたとき、標準パターンの身長は図16のモデル数値テーブル85を参照すれば170.58cmであることから、この場合は、177.4/170.58という演算を行って、約1.04という比率が得られる。それにより、MPU50aは、人体モデルテーブル70に格納される男性の標準パターン70aの人体モデル(骨格モデル、筋肉モデル、及び脂肪モデル)を、図13に示すように、約1.04倍で相似的に拡大する。また、男性の被験者Hの身長が165.5cmであり、S1の段階で標準パターンが特定されたときは、165.5/170.58という演算を行って、約0.97という比率が得られる。それにより、MPU50aは、人体モデルテーブル70に格納される男性の標準パターン70aの人体モデルを、図13に示すように、約0.97倍で相似的に縮小する。
そして、S3の段階で、相似的に拡大又は縮小した人体モデルの中の骨格モデル71(例えば、標準の骨格モデル71a)を部分的に変形する処理をMPU50aは行う。この部分的な変形は、図15のポイントテーブル80に含まれる複数の変形基点(例えば、標準の骨格モデル71の変形基点)が対応する番号のポイント(対応点)のXYZ座標値を取得した測定結果に含まれる中から特定し、その特定した番号のポイントの測定XYZ座標値へ変形基点のXYZ座標値が一致するように移動する処理を行って、骨格モデル71における部分的な変形を行う。
図18(a)(b)は、骨格モデル71(例えば、標準の骨格モデル71a)を部分的に変形する処理の例を示す。骨格モデル71の骨盤の左骨盤(ポリゴン形状の変形が可能な変形用ボーンに相当。)の変更基点P20(図中、黒丸で示す)を、その変更基点が対応する特定番号のポイントp1(図中、白丸で示す。図15のポイントテーブル80から特定される対応点)へ移動させて、その移動により、変更基点P20の近傍の左骨盤のテクスチャ部分B1(図18(b)において破線で囲んだ箇所)が伸長して部分的に骨格モデル71が変形する。
また、図19(a)〜(c)は、骨格モデル71(例えば、標準の骨格モデル71a)において、変形基点P30(左肘の変形基点P30)を含む骨部分H1(図19では左上腕の骨部分H1。変形用ボーンに相当)を、体の中心側への直近となる関節C1(図19では左の肩関節C1)を中心に角度を変化させてから、長さ寸法を伸長して部分的に変形する例を示している。
すなわち、図19(a)〜(c)に示すように、左肘の変形基点P30(図中、黒丸で示す)は、移動先となる特定番号のポイントp2(図中、白丸で示す。図15のポイントテーブル80から特定される対応点)に対して、三次元的な方向のズレが大きいため、図19(a)に示す状態のままで、変形基点P30のXYZ座標値が、特定番号のポイントp2のXYZ座標値に一致するように変形すると、上腕の骨部分H1が不自然に曲がった状態で伸長することになるので、このような不具合を防ぐため、図19(b)に示すように、変形基点P30の体の中心側へ直近となる関節C1を中心に、上腕の骨部分H1の角度を回転するようにしている。
角度回転を行うには、まず、図19(a)に示すように、上腕の骨部分H1の骨端部の変形基点P30と、直近の左の肩関節C1の中心とを結ぶ仮想線K1のベクトルを求める。次に、肩関節C1の中心から特定番号のポイントp2へ向かう仮想直線K10のベクトルの方向(肩関節C1の中心からポイントp2へ向かう方向に相当)を特定する。それから、仮想線K1が、仮想直線K10と重なって方向が同じ向きになるように、肩関節C1を中心に左上腕の骨部分H1を回転させて、骨部分H1の肩関節C1に対する角度を変更する。
図19(a)に示す角度変更を行うと、図19(b)(c)に示すように、肩関節C1から変更基点P30を結ぶ仮想線S1の延長線上にポイントp2が位置することになり、三次元的な方向のズレが解消される。この後は、上述した図18の場合と同様に、角度を変更した状態の骨部分H1を、変更基点P30が対応点のポイントp2へ一致するように、骨部分H1の長さを伸長するように変形する。なお、上述したS3の段階の説明は、図18、19に基づき、骨格モデル71について、部分的に長さを伸長する変形の場合で説明したが、長さを縮小する場合も同様であり、変形基点を対応点のポイントに一致するように移動する変形において、両者は同等の処理となる。
そして、図17に示すフローチャートにおけるS4の段階では、上述したS3の段階での骨格モデル71(例えば、標準の骨格モデル71a)の変形に追従して、その骨格モデル71のセットとして組み合わされる筋肉モデル72(例えば、標準の筋肉モデル72a)及び脂肪モデル73(例えば、標準の脂肪モデル73a)を変形する処理をMPU50aは行う。具体的には、S3の段階で、骨格モデル71の各変形基点を移動させたXYZ座標値の数値分だけ、筋肉モデル72及び脂肪モデル73におけるそれぞれの対応する各変形基点(図14参照)を移動させる処理を行う。このS4の段階の処理を行うことで、筋肉モデル72及び脂肪モデル73の基本的な形状が、被験者自身の骨格に準じた形状に沿うことになる。
フローチャートのS5の段階では、筋肉モデル72(例えば、標準の筋肉モデル72a)を、測定結果に含まれる体幹部の内臓脂肪について判定されたレベル(「−4」〜「+4」。内臓脂肪に係る数値に相当)に基づき、腹の部位が太く又は細くなるように変形する処理を行う。
図20は、内臓脂肪のレベルに応じて、標準の筋肉モデル72aの腹の部位を太く変形するイメージを示している(人体モデルを左から見たYZ平面での図)。図20において、筋肉モデル72aの前側の輪郭を示す前方ラインL1を厚み方向(Z軸方向に平行な方向)で前後に移動するように変形することで、腹の部位が太く又は細くなる。
腹の部位を太くするのは、判定レベルの数値が標準の「0」より大きい場合であり、太くする程度は、体幹部の内臓脂肪のレベルが「+1」であれば、筋肉モデル72aの腹の部位の寸法W(標準の「0」の場合のZ軸方向の長さ寸法)が、約1.03倍となる位置に、前方ラインL1を図中の黒矢印方向(腹が前方へ出っ張る方向)へ移動するように湾曲変形させる。なお、図20において一点鎖線で示すラインL10が、太くするように変形した後の筋肉モデル72aの前側の輪郭を示す。また、体幹部の内臓脂肪のレベルが「+2」であれば、寸法Wが約1.06倍となる位置に前方ラインL1を図中の黒矢印方向へ移動するに湾曲変形させ、レベルが「+3」であれば、寸法Wが約1.09倍となる位置に前方ラインL1を黒矢印方向へ移動するに湾曲変形させ、レベルが「+4」であれば、寸法Wが約1.12倍となる位置に前方ラインL1を黒矢印方向へ移動するに湾曲変形させる。
また、腹の部位を細くするのは、体幹部の内臓脂肪のレベルが、標準の「0」より小さい「−4」〜「−1」の場合であり、筋肉モデル72の腹の部位に応じた骨格モデル71の部分は、丁度、胸骨及び肋骨の下方の空洞部分になることから、筋肉モデル72の腹の部位を判定レベルに応じて細く変形することが可能になる。
細くする場合の程度は、体幹部の内臓脂肪のレベルが「−1」であれば、筋肉モデル72aの腹の部位の寸法Wが、約0.98倍となる位置に、前方ラインL1を図中の白矢印方向(腹が引っ込む方向)へ移動するように湾曲変形させる。なお、図20において二点鎖線で示すラインL20が、細くするように変形した後の筋肉モデル72aの前側の輪郭を示す。また、体幹部の内臓脂肪のレベルが「−2」であれば、寸法Wが約0.96倍となる位置に前方ラインL1を白矢印方向へ移動するに湾曲変形させ、レベルが「−3」であれば、寸法Wが約0.94倍となる位置に前方ラインL1を白矢印方向へ移動するに湾曲変形させ、レベルが「−4」であれば、寸法Wが約0.92倍となる位置に前方ラインL1を図中の白矢印方向へ移動するに湾曲変形させる。なお、内臓脂肪のレベルが「0」のときは、筋肉モデル72の腹の部位の変形は行わない。
また、上述した説明で太くする場合に用いた倍率(1.03、1.06、1.09、1.12)、及び細くする場合に用いた倍率(0.98、0.96、0.94、0.92)の各数値は一例であり、システムの仕様等に応じて、他の数値を適用することは勿論可能であり、また、デフォルトで上述した各数値を用いると共に、統計的に数値に基づき、随時デフォルト値を変更するようにしてもよい(後述する各判定レベルに基づく変形で用いる各数値についても同様)。
それから、フローチャートのS6の段階では、筋肉モデル72(例えば、標準の筋肉モデル72a)を、測定結果に含まれる特定部位(左腕、右腕、左脚、右脚、及び体幹部)の筋肉量について判定されたレベル(「−4」〜「+4」。筋肉量に係る数値に相当)に基づき、各特定部位に係る筋肉部分が太く又は細くなるように変形する処理を行う。なお、レベルが「0」の場合が標準となり、「0」の部位についてはS6の段階で変形を行わない。
具体的には、上述した図10(a)に示すように、特定部位(例えば、左腕)における判定レベルが、標準の「0」より大きい「+1」〜「+4」である場合、特定部位の上腕及び前腕の筋肉部分が太くなるように変形する(左腕の幅w1が大きくなるように変形する。幅w1は「0」の場合の寸法を示す)。この場合、判定レベルが「+1」であれば、幅w1の約1.05倍で太くなるように変形し、以下、「+2」であれば幅w1の約1.1倍で太くなるように変形し、「+3」であれば幅w1の約1.15倍で太くなるように変形し、「+4」であれば幅w1の約1.2倍で太くなるように変形する。
一方、判定レベルが、標準の「0」より小さい「−1」〜「−4」である場合、図10(b)に示すように、特定部位の上腕及び前腕の筋肉部分が細くなるように(左腕の幅w1が小さくなるように)変形する。この場合、判定レベルが「−1」であれば、幅w1の約0.96倍で細くなるように変形し、以下、「−2」であれば幅w1の約0.92倍で細くなるように変形し、「−3」であれば幅w1の約0.88倍で細くなるように変形し、「+4」であれば幅w1の約0.84倍で細くなるように変形する。上述したS5、6の段階による筋肉モデル72の変形処理により、被験者Hの実際の筋肉の付き方を反映した筋肉モデル形状が得られる。
そして、フローチャートのS7の段階では、上述したS5、S6の段階での筋肉モデル72(例えば、標準の筋肉モデル72a)の変形に追従して、この筋肉モデル72のセットとして組み合わされる脂肪モデル73(例えば、標準の脂肪モデル73a)を変形する処理をMPU50aは行う。具体的には、S5の段階の腹の部位の変形に合わせて、脂肪モデル73の腹の部位も追従して変形し(筋肉モデルの腹の部位のXYZ座標値の移動量だけ、同様に脂肪モデル73の対応部位を移動変形する)、さらに、S6の段階で、筋肉モデル72の特定部位における変形に伴うXYZ座標値の数値分だけ、脂肪モデル73におけるそれぞれの対応する特定部位を移動変形させる処理を行う。このS7の段階の処理を行うことで、脂肪モデル73の基本的な形状が、被験者自身の筋肉の付き方に沿った形状になる。
なお、図17に示すフローチャートにおいて、脂肪モデル73については、S4の段階で骨格モデル71の変形に追従して変形処理を行うと共に、S7の段階で筋肉モデル72の変形に追従して変形処理を行うようにしているが、S4の段階での脂肪モデル73の追従変形処理を省略し、S7の段階で、それまでの骨格モデル71及び筋肉モデル72の変形に伴う変形量を一括して反映するように、一度に追従変形処理を行ってもよい。
フローチャートのS8の段階では、脂肪モデル73(例えば、標準の筋肉モデル73a)を、測定結果に含まれる特定部位(左腕、右腕、左脚、右脚、及び体幹部)の脂肪量(皮下脂肪の量)について判定されたレベル(「−4」〜「+4」。脂肪量に係る数値に相当)に基づき、各特定部位に係る脂肪部分が太く又は細くなるように変形する処理を行うか、又は脂肪部分の表面の質などが変化する処理を行う。
具体的には、上述した図11に示すように、特定部位(例えば、左腕)における判定レベルが、標準の「0」より「+1」〜「+4」である場合、特定部位の上腕及び前腕の脂肪部分が太くなるように変形する。この場合、判定レベルが「+1」であれば、幅w10となるように太く変形し、以下、「+2」であれば幅w11(w11>w10)となるように太く変形し、「+3」であれば幅w12(w12>w11)となるように太く変形し、「+4」であれば幅w13(w13>w12)となるように太く変形する。
さらに、太くする部分の表面の色合いが、「0」の場合の基準色より順次濃くなるように色づけする処理も合わせて行う。「+4」の場合が基準色に対して最も色合いが濃く、「+3」の場合が二番目に色が濃く、「+2」の場合が三番目に色合いが濃く、「+1」の場合が四番目に色合いが濃く、このような色合いに相違によっても、脂肪モデル73は脂肪の付き方を見分ける要素になる。
また、図12に示すように、特定部位(例えば、左腕)における判定レベルが「−1」であれば、特定部位の脂肪部分の太さを一段階(例えば、0.97倍の比率)で細くする処理を行うと共に、その脂肪部分の表面の色合いを「0」の場合より薄くする処理を行う。判定レベルが「−2」であれば、特定部位に応じた表面部分(例えば、上腕及び前腕の部分)の色を、「−1」の場合より薄くするように変化させ、「−3」になると、その特定部位の脂肪部分を形成するテクスチャ自体が少し透過するように変化させ(半透明になるように変化)、「−4」になると、更に、その脂肪部分の透過度を高めて、脂肪モデル73の脂肪で覆われる筋肉モデル72の筋肉が透けて映るように変化させる。このような細くする変形、色合いの変化、及び透過するように段階的に変化させることで、従来、図示が困難であった脂肪量が標準より少ない場合のレベルを、段階的に表現できるようにしている。
最後に、フローチャートのS9の段階において、上述し処理を経て変形した人体モデル(変形した骨格モデル71、変形した筋肉モデル72、変形した脂肪モデル73)を示すデータを、測定を行った被験者HのユーザIDに対応付けて、図8に示す会員データベース60の測定データの欄に、測定日の日付と共に格納する処理をMPU50aは行う。
会員データベース60に格納された人体モデルを示すデータは、図1、2に示す通信端末3を用いて、人体モデル提供システム50へ閲覧要求を行えば、読み出して通信端末3で表示することが可能になっており、このような読み出しに係る処理も、モデル変形プログラムP11が規定する処理の中に含まれる。
すなわち、人体モデル提供システム50は、通信端末3からユーザID及びパスワードが送られてくると、データ閲覧についてのログイン処理を行うことになり、送られてきたユーザID及びパスワードが会員データベース60に登録されていると、ログイン状態となり、ログイン状態となった直近の人体モデルデータを会員データベース60から読み出して、ログイン状態になった通信端末3へ送信する処理を行うことになる。なお、通信端末3からログオフ操作が送られてくるまで、通信端末3のログイン状態は継続される。
上述した通信端末3には、人体モデルの表示が可能な人体モデル閲覧プログラムが予めインストールされているものとし、この人体モデル閲覧プログラムを起動して、人体モデル提供システム50から送られる人体モデルデータ(骨格に応じた骨格モデルのデータ、筋肉に応じた筋肉モデルのデータ、及び脂肪に応じた脂肪モデルのデータ)を受信すれば、受信した人体モデルデータに基づき、解剖的な人体モデルを表示することができる。
起動した人体モデル閲覧プログラムは、画面の片隅に表示に関する項目を有するメニューバーを含んでおり、このメニューバーの中のモデル切替操作を行うことで、骨格モデル71での表示、骨格モデル71の上に筋肉モデル72を配置した状態での表示、及び骨格モデル71に配置された筋肉モデル72の上に脂肪モデル73を配置した状態での表示を適宜切り替えることが可能になっている。
図21は、受信した人体モデルデータに基づき通信端末3で生成される骨格モデル71(例えば、標準の骨格モデル71aを被験者Hの測定結果に応じて変形したモデル)による骨格状態の人体モデルを、通信端末3の表示スクリーン3aで表示した状態を示す。
また、図22は、受信した人体モデルデータに基づき通信端末3で生成される筋肉モデル72(例えば、標準の筋肉モデル72aを被験者Hの測定結果に応じて変形したモデル)で、骨格モデル71を覆うように配置した状態の人体モデルを通信端末3の表示スクリーン3aで表示した状態を示す。
さらに、図23は、受信した人体モデルデータに基づき通信端末3で生成される脂肪モデル73(例えば、標準の筋肉モデル72aを被験者Hの測定結果に応じて変形したモデル)で、骨格モデル71の上に配置された筋肉モデル72を覆うように配置した状態の人体モデルを、通信端末3の表示スクリーン3aで表示した状態を示す。
被験者H(ユーザ)は、図21〜23の表示状態を適宜切り替えることで、例えば、図21の表示状態で自身の骨格の形状を把握でき、また、図22の表示状態で筋肉の付き方を確認でき、さらには図23の表示状態で脂肪の付き方なども解剖的に確認することでき、エクササイズ又はダイエットによる効果を、体の外観的な状態からではなく、図22、23に示すように体の内部における筋肉レベル又は脂肪レベルで確認できるメリットがある。
また、これら図21〜23で示す人体モデルは、上述した従来の3D人体解剖アプリ(例えば、非特許文献1参照)の人体モデルと同様に、三次元的に生成されているため、通信端末3がタブレット、スマートフォンのようなタッチパネル操作の可能な表示スクリーン3aを具備していれば、スワイプ操作により、人体モデルを所望の角度から閲覧することが可能である(なお、通信端末3としてパソコン等を用いる場合は、マウス等の操作機器を用いることで、人体モデルの角度変化操作を可能にする)。さらに、図21〜23で示す人体モデルは、表示スクリーン3aのピンチ操作で拡大又は縮小も適宜行える(通信端末3としてパソコン等を用いる場合は、マウス等の操作機器を用いることで、人体モデルの拡大又は縮小操作を可能にする)
なお、通信端末3では、上述した人体モデルの表示の他に、体組成計10及び三次元測定器20の測定値の表示も可能になっており、人体モデル提供システム50から送られる測定値の各数値を表示すること、複数の測定日に関する各数値をグラフで表示することも可能になっており、グラフ表示により時系列的な変化等も確認できるようにしている。
なお、上述した説明では、基本的に男性の人体モデルに基づき説明を行ったが、女性の人体モデルの場合、体幹部に***が存在することから、女性の体幹部に皮下脂肪に基づく脂肪モデルに関する処理が、上述した男性の人体モデルの場合と異なった内容を含むことになり、それ以外は、基本的に同様である。女性の脂肪モデルの体幹部における皮下脂肪に基づく***の扱い方に関する処理について、以下に説明する。
図24は、人体モデルテーブル70の中の女性用の脂肪モデル76を示している。女性用の脂肪モデル76も、図9に示す男性用の人体モデルと同様に、標準パターン70aに対応した標準の脂肪モデル76a、第1パターン70bに対応した第1の脂肪モデル76b、第2パターン70cに対応した第2の脂肪モデル76cが存在する。女性の体幹部には***が存在することから、これらの女性用の脂肪モデル76(各パターンの脂肪モデル76a〜76c)にも、皮下脂肪による***を形成したことが、男性の脂肪モデル73に対して、主な形状的な相違点になっている。
体組成計10で、女性の被験者を測定した場合、体幹部(胴体部)における脂肪の量(皮下脂肪の量)には、***の分も含まれるので、上述した男性と同様な処理を行うと、***の分の皮下脂肪が、体幹部に付着したものとみなされて、体幹部が実際の女性の被験者より太く形成されるという事態が生じる。このような事態の発生を回避するため、被験者が女性の場合、脂肪モデル76の変形処理においては、女性特有の処理をMPU50aは行う。
図25は、女性特有の処理を行うために参照する女性脂肪参照テーブル90を示しており、このような女性脂肪参照テーブル90も図7に示す人体モデル提供システム50の記憶部50gに記憶されることになる。女性脂肪参照テーブル90の中のカップ値とは、三次元測定器20の測定値(OBJデータ)から得られる胸囲と、アンダーバストとの寸法差を意味し、統計的による女性の胸囲の平均寸法は81.3cm、アンダーバストの平均寸法は70.4cmであることから、カップ値の平均寸法は10.9cmとなる。本実施形態では、このカップ値の平均寸法10.9cmを利用することで、体幹部の脂肪の量について、***と、***以外の部分への配分を決定する。
具体的には、図25の女性脂肪参照テーブル90に示すように、測定結果に含まれる体幹部の内臓脂肪について判定されたレベル(「−4」〜「+4」)について、判定レベルが「+1」〜「+4」の「プラスレベル」、判例レベルが「0」の「標準レベル」、判定レベルが「−1」〜「−4」の「マイナスレベル」の三種類のレベルに分ける(女性脂肪参照テーブル90の左端の列を参照)。これらの三種類のレベルごとに、カップ値により、三つの分類に分けるようにしており、測定値により得られるカップ値が10.9cm未満のときは「小」、カップ値が10.9cm以上17.5cm未満のときは「中」、カップ値が17.5cm以上のときは「大」と分類する。
そして、被験者の体幹部の皮下脂肪に係る測定結果が、「プラスレベル」でカップ値が「小」であれば、MPU50aは、女性脂肪参照テーブル90に従い、脂肪モデル76の体幹部については***以外の部分を太くする変形を行い、「プラスレベル」でカップ値が「中」であれば、体幹部を全体的に太くする変形を行い、「プラスレベル」でカップ値が「大」であれば、***のみを大きくする変形を行う。
また、被験者の体幹部の皮下脂肪に係る測定結果が、「標準レベル」でカップ値が「小」であれば、MPU50aは、女性脂肪参照テーブル90に従い、脂肪モデル76の体幹部については、***を少し小さくする変形を行うと共に、***以外の部分を少し太くする変形を行い、「標準レベル」でカップ値が「中」であれば、特に変形処理を行わず、「標準レベル」でカップ値が「大」であれば、***を少し大きくする変形を行うと共に、***以外の部分を少し細くする変形を行う。
さらに、被験者の体幹部の皮下脂肪に係る測定結果が、「マイナスレベル」でカップ値が「小」であれば、MPU50aは、女性脂肪参照テーブル90に従い、脂肪モデル76の体幹部については、***を小さくする変形を行うと共に、***以外の部分は特に変形を行わず、「マイナスレベル」でカップ値が「中」であれば、体幹部を全体的に細くする処理を行い、「マイナスレベル」でカップ値が「大」であれば、***を変形せずに、***以外の部分を細くする変形を行う。
なお、上述した「プラスレベル」、「標準レベル」、及び「マイナスレベル」において、***の変形を行う場合の変形率を求める計算式と、体幹部において***以外の部分を変形する場合の変形率を求める計算式も女性脂肪参照テーブル90にて規定されている。例えば、「プラスレベル」では、***の変形率は数式Aより算出し、***以外の体幹部の変形率は数式Eより算出する。数式Aは(カップ値/10.9)×(判定レベル値/4)×100であり、数式Eは(10.9/カップ値)×(判定レベル値/4)×100である。
また、「標準レベル」のカップ値が「中」及び「大」では、***の変形率は数式Bより算出し、***以外の体幹部の変形率は数式Fより算出する。数式Bは(カップ値/10.9)×0.1×100であり、数式Fは227(元来のテクスチャ形成に係る値,アルファ値)×(10.9/カップ値)である(小数以下四捨五入)。さらに、「標準レベル」のカップ値が「小」では、***の変形率は数式Cより算出し、***以外の体幹部の変形率は数式Gより算出する。数式Cは(1−(カップ値/10.9))×0.1×100であり、数式Gは(10.9/カップ値)×0.1×100である。
さらに、「マイナスレベル」では、***の変形率は数式Dより算出し、***以外の体幹部の変形率は数式Hより算出する。数式Dは(10.9/カップ値)×(判定レベル値×(−1)/4)×100であり、数式Hは227(元来のテクスチャ形成に係る値,アルファ値)×(10.9/カップ値)×(1−(判定レベル値×(−1)/4)である(小数以下四捨五入)。なお、上述した女性脂肪参照テーブル90の中身及び上述した数式A〜Hの中身等は一例であり、システムの仕様、統計値の変化等に応じて、適宜、これらの中身を変更することは勿論、可能である。
以上のように、本発明に係る人体モデル提供システム50では、被験者Hの測定結果に応じた形状の人体モデルを解剖的に確認可能に提供するので、筋肉の付き方、又は脂肪の付き方などを被験者が視覚的に確認でき、筋力トレーニング等による筋肉量の変化、またはダイエットエクササイズ等による脂肪量の低下を、詳細に把握でき、各種トレーニング、エクササイズ等を継続する意識付けを高めること等に役立てられる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が考えられる。例えば、判定レベルを示す「−4」〜「+4」の値について、上述した説明では体組成計10からの測定結果に基づき測定処理装置30で求めるようにしていたが、体組成計10自身でレベル判定を行えるようであれば、体組成計10で判定レベルを求めるようにして、測定処理装置30の処理負担を低減してもよい。さらに、レベル判定処理は、測定処理装置30で行う替わりに、人体モデル提供システム50で行うようにすることも可能であり、この場合は、測定処理装置30は体組成計10からの演算結果を、そのまま人体モデル提供システム50へ送信し、人体モデル提供システム50では、受け取った演算結果からレベル判定を行うことになる。
また、判定レベルの段階も「−4」〜「+4」に限定されるものではなく、仕様を簡易化するときは「−3」〜「+3」又は「−2」〜「+2」のように段階を荒くしてもよく、一方、仕様を詳細化するときは、「−5」〜「+5」又は「−6」〜「+6」のように段階を細かくしてもよく、このように段階を変更するときは、変更した段階に応じて、筋肉モデル72、脂肪モデル73等を変形する段階も同様に、荒く又は細かくすることになる。
さらに、図13に示すように相似的に拡大又は縮小するときの度合いは、身長に対する四肢の長さ寸法の比率(袖丈の比率、股下の比率)に応じて行うようにしたが、袖丈又は股下の比率は、身長に対する値ではなく、身長から顔の長さを除いた首下の関節から足までの長さに対する比率を用いるようにしてもよい。すなわち、人の顔の長さ(Y軸方向に沿った寸法)は、統計的にバラツキがあるため、このようなバラツキのある部分(人の顔)を除外して、袖丈又は股下の比率を算出すると、体格的な状況を、より正確に表すことができるという点で好適となる。
また、上述した説明では、体組成計10と、三次元測定器20とを連携して同時的に測定を行うようにしたが、体組成計10及び三次元測定器20のそれぞれで単独で測定を行い、これらの測定結果を人体モデル提供システム50へ送信する仕様にしてもよい。本発明において必要なことは、人体モデルの提供に必要な身体的な測定結果を人体モデル提供システム50が取得することであり、必要な測定結果が得られるのであれば、被験者の測定の仕方は、どのような形態であっても良く、どのような測定器を用いても良い。
さらに、本発明のシステムをローカル的に構築する場合は、図1に示す測定処理装置30に、人体モデル提供システム50の機能を具備させて、測定処理装置30で、上述した人体モデル提供システム50の処理を行うようにしてもよい。
さらにまた、通信端末3での、人体モデルの表示の仕方の工夫としては、図1に示すような測定状態の被験者Hを撮像し、その撮像画像を、上述した人体モデルに重ねて表示することで、被験者Hの外観と、人体内部の解剖的な人体モデルとの関係をユーザに提示するようにしてもよい。この場合、被験者の撮像画像は、脂肪モデルの上に重ねるように表示して透過度を変化させて人体モデルを見せるようにすること、又は撮像画像を背景的に用いて、撮像画像の上に、骨格モデル71、筋肉モデル72、脂肪モデル73を順次重ねて配置するようにしてもよい。
上記の撮像画像は測定処理装置30で生成された三次元的なものになっており、元となる画像は、三次元測定器20で被験者Hの三次元データを測定する際、各レーザ光出射部21a、22a、23aから出射して走査したレーザ光の状況を、走査状況取得部21b、22b、23bで撮像(撮影)したものであり、これらの三方向からの画像が、三次元測定データ共に、三次元測定器20から測定処理装置30へ送られる。測定処理装置30では、三方向からの撮像した画像が合成されて、被験者Hの外観の質感(テクスチャ)を表した三次元の画像(撮像画像)が得られるようになる。
生成された三次元の撮像画像は、測定結果に係る情報と共に人体モデル提供システム50(サーバ装置)へ送信される。人体モデル提供システム50(サーバ装置)は、各形態のモデル(骨格、筋肉、脂肪モデル)に応じた人体モデルを生成する際に、撮像画像に基づく三次元の撮像画像モデルも生成し、これら各形態のモデルを含む人体モデルを示すデータを、会員データベース60の測定データ欄に格納する。そして、人体モデル提供システム50(サーバ装置)は、通信端末3からの要求に応じて、このような人体モデルを示すデータを読み出し、通信端末3へ送信する。なお、上述したように、人体モデルに撮像画像を重ねた状態では、撮像画像が、人体モデルの輪郭を形成することになり、このように撮像画像により人体モデルを示した状態が撮像画像モデルとなる。
また、本発明の仕様を簡易化する例としては、骨格モデル71、筋肉モデル72、及び脂肪モデル73には三次元的なモデルを用いるのでは無く、二次元的なモデルを用いて、表示角度の変更機能等を省略するようにしてもよい。このような二次元的なモデルを用いる場合は、レイヤー別に骨格を示す骨格モデル、筋肉を示す筋肉モデル、脂肪を示す脂肪モデルを準備しておき、骨格モデルに筋肉モデルをレイヤーで重ねることにより、骨格を筋肉で覆う状態のモデルを提示し、さらに、この状態のモデルに脂肪モデルをレイヤーで重ねることにより、筋肉を脂肪で覆う状態のモデルを提示する仕様にすることも可能である。さらには、脂肪の確認等が不要な用途の場合は、脂肪モデルを省略して、骨格モデル71及び筋肉モデル72で人体モデルを構成するようにしてもよい。
さらにまた、上述した説明では、全身の人体モデルを提供するようにしていたが、用途によっては全身の人体モデルの提供が不要であり、特定部位(左腕、右腕、左脚、右脚、又は体幹部のいずれか)についてのみ、解剖的な人体モデルの提供が必要であれば、必要な部位について、上述した処理を行って、必要な部位(例えば、左腕のみ)についての人体モデルを提供するような仕様にすることも可能である。なお、上述した各種変形例は適宜組み合わせることも可能である。また、人体モデル提供システム50(サーバ装置)から送られてくる情報の表示を行う通信端末3等について、もう少し詳しく説明する。
図26は、図1、2に示す通信端末3の一例として、スマートフォンの主要な内部構成を示している。通信端末3(スマートフォン)は、プログラムに従って各種処理を行う一種のコンピュータ(通信手段及び記憶手段を具備したコンピュータ)に該当する。通信端末3は、全体的な制御及び各種処理を行うCPU130a(プロセッサ130a)に、内部接続線130iを介して、通信・通話モジュール130b(通信手段に相当)、RAM130c、ROM130d、入出力インタフェース130e、操作部130h、記憶部(記憶手段に相当)130g等の各種デバイス等を接続したものになっている。なお、ユーザ端末がスマートフォン以外の通信端末装置であっても(通信機能を有するコンピュータ、又はタブレット等)、基本的な構成は、図26に示す内容と同等になるので、図26は、あらゆる種類の通信端末の概要を示すものになる。
通信端末3の通信・通話モジュール130bは、ネットワークを介した無線通信処理に加えて、CPU130aの制御に従って所定の電話番号へ電話をかける機能(発呼機能)及び電話を受ける機能(着呼機能)等を有する。RAM130cは、CPU130aの処理に伴う内容、ファイル等を一時的に記憶するものである。ROM130dは、CPU130aの基本的な処理内容を規定したプログラム等を記憶すると共に、通信端末3を識別する識別情報(UID)等も格納している。なお、このUIDは、上述した通信・通話モジュール130bで通信(送信)する際、送信内容に含まれるようになっている(例えば、送信パケットのヘッダ等にUIDを含めて送信が行われる)。
入出力インタフェース130eは、タッチパネル機能を具備したディスプレイ3aと接続されており、CPU130aの制御処理により生成された各種画面(図21〜23等に示す内容の画面等)をディスプレイ3aに出力する処理を行い、それにより、出力した画面内容がディスプレイ3aに表示されることになる。また、入出力インタフェース130eは、ディスプレイ3aの表面をユーザがタップ(選択)、スワイプ、ピンチイン、ピンチアウト等することで受け付けた各操作内容をCPU130aへ送る処理も行う。なお、ユーザがディスプレイ3aの表面をタップ等することで受け付ける操作内容は、タップ等の対象となる表示物の内容に応じて適宜、変化する。
操作部130hは、通信端末3の筐体に設けられたハード的なボタンであり、操作部130hが操作されると、操作された旨がCPU130aに伝えられる。操作部130hの操作による意味合いは、通信端末3の処理状況により様々なものになり、例えば、通信端末3にインストールされているアプリを起動している状況で、操作部130hが操作されると、アプリを終了する動作が行われることから、この場合の操作部130hは、アプリの終了指示の操作をユーザから受け付けることになる。本発明の場合、健康管理システム1に応じたアプリ(記憶部130gにインストールされているアプリ)を用いるので、このアプリ(健康管理アプリP21)を起動している状態で、操作部130hが操作されると、健康管理アプリP21の終了指示を通信端末3が受け付けたことになって、健康管理アプリP21のログオフ指示が人体モデル提供システム50(サーバ装置)へ送信されることになる。
記憶部130gは、OSプログラムP20、健康管理アプリP21、及びその他の各種アプリ等のプログラム(図示せず)を記憶(インストール)している。OSプログラムP20は、オペレーティングシステムに相当する基本プログラムであり、通信端末3が一種のコンピュータとして機能するためのCPU130aの処理を規定している。OSプログラムP20が規定する基本的な処理の一つとしては、通信端末3が使用できる状態になったときに、最初にディスプレイ3aにホーム画面を表示することが挙げられ、このホーム画面においては、記憶部130gにインストールされている各種アプリに応じたアイコン等を配置することも、OSプログラムP20の規定する処理によるものとなる。
記憶部10gに記憶される健康管理アプリP21は、健康管理システム1からオンラインで提供されるユーザ(被験者H)の測定結果に係る情報を、上述した図21〜23等の内容で視覚的にユーザに提示する機能(人体モデル閲覧プログラムに応じた機能)、及び測定に基づく各種数値をユーザに提示する機能を具備したアプリケーションプログラム(コンピュータプログラム)である。健康管理アプリP21は、上述した各種機能に応じた処理等に実行するための各種制御をCPU130aが行うことを規定したものになっており、このような規定内容により、CPU130aは各種画面の生成手段、各種人体モデルの生成手段などとして機能する。なお、健康管理アプリP21は、処理を規定したプログラムコードに加えて、各種画面の中で配置する各パーツ(ボタン等)に応じた画面データも含むものになっている。
健康管理アプリP21は、ダウンロード又は記憶媒体等を通じて通信端末3に取得されると、記憶部130gへインストールされる。インストールが完了すると、OSプログラムP20に基づくホーム画面の中に、健康管理アプリP21を起動させるための健康管理アイコンが選択可能に配置されることになる。ホーム画面の中から、健康管理アイコンを選択するユーザ操作を通信端末3が受け付けると、健康管理アプリP21が起動して、ログイン用の画面がCPU30aの制御に基づきディスプレイ3aに表示される。
図27は、ディスプレイ3aに表示されるログイン画面140の一例を示し、CPU130aの処理により、健康管理アプリP21に含まれるログイン画面用の画面データに基づき生成される。ログイン画面35は、ユーザID入力欄145a、パスワード入力欄145b、及び選択可能なログインボタン145cを配置している。ログイン画面140を表示した状態で、上述したOSプログラムP20が規定する処理に応じた機能により、ディスプレイ3aにソフトキーボード131を表示し、このソフトキーボード31に含まれる各キーをユーザが操作することで、各入力欄145a、145bに所定の内容を入力していくことになる。なお、入力するパスワードは、健康管理システム1が提供するサービスへのユーザ登録の際にユーザごとに定められた内容になっており、図8の会員データベース60の中に、ユーザIDに対応づけて格納されている。
そして、ユーザID入力欄145aに所定のユーザID(会員データベース60に格納されているユーザID。被験者識別情報に該当)が入力されると共に、パスワード入力欄145bへ所定のパスワードが入力された状態で、ログインボタン145cの選択操作を通信端末3が受け付けると、入力された情報(ユーザID、パスワード)がユーザのログイン情報として、人体モデル提供システム50(サーバ装置)へ送信されるように、ログイン画面140は作り込みされており、このような作り込みの内容等を規定したデータ(スクリプト系言語等で記載されたデータ)も、ログイン画面用の画面データに含まれる(このような選択ボタンに関する内容は、他の画面データでも同様である)。
ログイン画面140を介してログイン情報を送信すると、人体モデル提供システム50(サーバ装置)は、会員データベース60の中に、送信されてきたログイン情報と同一の情報が格納されているかを判断し、格納されている場合は上述したように、そのログイン情報を送信してきたユーザ及びそのユーザの通信端末3をログインが完了したログイン状態に設定すると共に、そのログインが完了したユーザのユーザIDに対応づけて格納されているユーザの測定結果に係る情報(直近の測定結果に係るデータ)と、その測定結果に係る情報とセットにして格納されている人体モデルを示すデータ等を、ログイン状態になった通信端末3へ送信する。
また、上記の判断において、送信されてきたログイン情報と同一の情報が会員データベース60の中に存在しなかった場合、人体モデル提供システム50(サーバ装置)は、再度のログイン情報の要求する通知を、通信端末3へ送信することになる。この場合、通信端末3は、正しい情報の入力をユーザに要求する文言を追加したログイン画面140をディスプレイ3aに表示することになる。
図28(a)は、ログインの完了に伴い、通信端末3のディスプレイ3aに表示される人体モデル画面141を示す。通信端末3は、ログイン完了により、人体モデル提供システム50(サーバ装置)から送信されてきた測定結果に係る情報及び人体モデルを示すデータ等を受信し、人体モデル画面141は、このように通信端末3で受信した人体モデルを示すデータ等に基づき生成された人体モデル95を含む画面になっている。表示された直後の人体モデル画面141に含まれる人体モデル95は、送信されてきた測定結果に情報等に含まれる被験者の撮影画像(三次元画像)をテクスチャとして表出した撮像画像モデルになっている。このような撮影画像モデルの状態の人体モデル95も、上述した骨格モデル、筋肉モデル、及び脂肪モデルと同様に、スワイプ操作による回転(角度変化)、ピンチアウト操作による拡大、ピンチイン操作による縮小、離れた二本指のスワイプ操作による移動等が可能になっている。
また、人体モデル画面141は、画面左上の方に測定日時を配置すると共に、人体モデル95の周囲に、各種ボタン150〜156を選択可能に配置しており、これらのボタン150〜156を表示するためのデータは、健康管理アプリP21に含まれている。人体モデル画面141の右側の縦のメニューバー141aには、Pボタン150、Bボタン151、Mボタン152、Fボタン153の計4個のボタンが含まれており、これらの各ボタン150〜153は、人体モデルの形態を別のモデルに切り替えるためのものになっている。
一番上のPボタン150は、撮影画像(Picture)のモデルの切り替えるためのものであり、このPボタン150を一回選択するごとに、表示される人体モデルについて、外観が撮影画像になった状態(図28(a)参照)、撮影画像が透過されて背景的になった状態、撮影画像が消去された状態にそれぞれ切り替えた人体モデル(撮像画像モデル)を生成して表示することになる。なお、透過的な撮影画像は、撮影画像に含まれる複数の要素の中の透過度に関する数値を変更することで得られる(例えば、透過度に関するアルファ値を、透過度を高めるように変更する。このように透過度を変更することは、他の骨格、筋肉、脂肪といったモデルでも同様である)。
また、上から二つ目のBボタン151は、人体モデルとして骨格モデル(Bone Model)に切り替えるためのものであり、このBボタン151を一回選択するごとに、表示される人体モデルについて、骨格モデルを示す状態(図21参照)、透過的な骨格モデルを示す状態、骨格モデルが消去された状態に切り替えて人体モデル(骨格モデル)を生成して表示することになる。
さらに、上から三つ目のMボタン152は、人体モデルとして筋肉モデル(Mustle Model)に切り替えるためのものであり、このMボタン152を一回選択するごとに、表示される人体モデルについて、筋肉モデルを示す状態(図22参照)、透過的な筋肉モデルを示す状態、筋肉モデルが消去された状態に切り替えて人体モデル(筋肉モデル)を生成して表示することになる。
そして、一番下のFボタン153は、人体モデルとして脂肪モデル(Fat Model)に切り替えるためのものであり、このFボタン153を一回選択するごとに、表示される人体モデルについて、脂肪モデルを示す状態(図23参照)、透過的な脂肪モデルを示す状態、脂肪モデルが消去された状態に切り替えて人体モデル(脂肪モデル)を生成して表示することになる。
よって、図21に示す骨格モデル71は、上述した各ボタン150〜153を適宜選択することで、撮像画像モデル、筋肉モデル、及び脂肪モデルを消去して、骨格モデルのみを表示した人体モデルになっている。また、図22に示す筋肉モデル72は、上述した各ボタン150〜153を適宜選択することで、撮像画像モデル及び脂肪モデルを消去して、骨格モデルに筋肉モデルを重ねて表示した状態の人体モデルになっている。さらに、図23に示す筋肉モデル72は、上述した各ボタン150〜153を適宜選択することで、撮像画像モデルのみを消去して、骨格モデル、筋肉モデル、及び脂肪モデルを順に重ねて表示した状態のものになっている。なお、図21〜23は、人体モデル(骨格モデル71〜脂肪モデル72)のみを表し、図28(a)で示す各ボタン150〜156等の図示は省略している。
また、図28(b)に示す人体モデル画面141に含まれる人体モデル96は、上述した各ボタン150〜153を適宜選択することで、撮像画像モデルを透過状態にすると共に、骨格モデル、筋肉モデル、及び脂肪モデルを順に重ねて表示した状態のものになっている。
なお、上記のような人体モデル画面141は、他のアプリが起動されて、画面表示が他のアプリ用の画面に遷移しても、ログイン状態が継続していれば、ホーム画面の中の健康管理アイコンが選択されることなどにより、ディスプレイ30aに再表示される。
通信端末3は、人体モデル提供システム50(サーバ装置)から受信した測定結果に係る情報及び人体モデルを示すデータ等をRAM130cに一時的に記憶しており、人体モデル画面141を再表示するにあたり、RAM130cに測定結果に係る情報及び人体モデルを示すデータ等が記憶されていれば、そのRAM130cに記憶されている人体モデルを示すデータ等を利用して、人体モデル画面141の再表示を行う。そのため、このような再表示の場合は、測定結果に係る情報をダウンロードすることなく、人体モデル画面141の再表示が可能となる。
なお、通信端末3が、健康管理アプリP21の起動を終了する操作を受け付けたときは、健康管理アプリP21を終了すると共に、RAM130cに一時的に記憶していた測定結果に係る情報及び人体モデルを示すデータ等を消去する。なお、ログイン状態が継続していれば、ホーム画面の中から健康管理アイコンが選択されても、図27のログイン画面140は表示されることなく、人体モデル画面141が表示される。
図29(a)は、サイズウインドウ161を開いた状態の人体モデル画面141を示す。サイズウインドウ161は、図28(a)(b)に示す人体モデル画面141において、上述した各ボタン150〜153を含むメニューバー141aの下方に位置するSボタン154が選択(タップ)されることで、画面中の右下側に人体モデル画面141に重ねて表示される。サイズウインドウ161は、人体モデル画面141に含まれる人体モデル95に係る三次元データを得るために測定したときの被験者Hの各部の数値(Size)を含んでいる(各部の数値には、被験者の特定部位に係る寸法も含まれる)。このサイズウインドウ161に配置された測定値は、RAM130cに一時的に記憶されている測定結果に係る情報に含まれるものである。
サイズウインドウ161に含まれる測定値の具体的な項目としては、身長、バスト(胸囲)、ウエスト、ヒップ、襟ぐり、左上腕最大囲、右上腕最大囲、股下高、左袖丈、右袖丈、左肩幅、右肩幅、左大腿囲などがある。これらの各測定値が、表示されるサイズウインドウ161の範囲に収まらないときは、サイズウインドウ161に対してスワイブ操作を行うことで、サイズウインドウ161内に配置される全ての測定値を閲覧可能となる。
上述した各項目に対する測定値の中で、バスト(胸囲)、ウエスト、ヒップ、襟ぐり、左上腕最大囲、右上腕最大囲、股下高、左袖丈、右袖丈、左肩幅、右肩幅、左大腿囲等が、三次元測定値20の測定により得られた被験者の特定部位(腕、体幹部、及び脚)等に係る寸法値となる。このように人体モデル画面141に重ねてサイズウインドウ161を表示することで、ユーザは、人体モデル画面141の人体モデル95により、自身の全体的な体形及び状態等の概要を視覚的に確認できると共に、各ボタン150〜153を適宜タップすることで、自身の骨格、筋肉、及び脂肪の状況も視覚的に確認でき、一方、サイズウインドウ161に含まれる各測定値より、各項目の具体的なサイズを数値的に詳しく確認できるというメリットがある。なお、サイズウインドウ161は、ウインドウ右上隅の逆三角マーク161aが選択(タップ)されることで消去される(人体モデル画面141から除去される)。
図29(b)は、ボディウインドウ162を開いた状態の人体モデル画面141を示す。ボディウインドウ162は、図28(a)(b)に示す画面の左中央箇所に配置されたYボタン155が選択されることで、画面中の左側に人体モデル画面141に重ねて表示される。ボディウインドウ162は、人体モデル画面141に含まれる人体モデル95に係る筋肉又は脂肪モデルを得るために測定したときの被験者Hの各部の測定値を含んでいる。このボディウインドウ162に配置された測定値は、RAM130cに一時的に記憶されている測定結果に係る情報に含まれるものである。
ボディウインドウ162に含まれる測定値の具体的な項目としては、体重、体脂肪率、基礎代謝、体幹部の脂肪量、体幹部の筋肉量、右腕の脂肪量、右腕の筋肉量、左腕の脂肪量、左腕の筋肉量、右脚の脂肪量、右脚の筋肉量、左脚の脂肪量、左脚の筋肉量などがある。これらの各測定値が、表示されるボディウインドウ162の範囲に収まらないときは、上述したサイズウインドウ161の場合と同様に、ボディウインドウ162に対してスワイブ操作を行うことで、ボディウインドウ162内に配置される全ての測定値を閲覧可能となる。
上述した各項目に対する測定値は、体組成計10の測定により得られた被験者の特定部位(腕、体幹部、及び脚)等に係る筋肉及び脂肪の量を示す値となる。このように人体モデル画面141に重ねてボディウインドウ162を表示することで、ユーザは、人体モデル画面141の人体モデル95により、自身の全体的な体形及び状態等の概要を視覚的に確認できると共に、各ボタン150〜153を適宜タップすることで、自身の骨格、筋肉、及び脂肪の状況も視覚的に確認でき、一方、ボディウインドウ162に含まれる各測定値より、筋肉又は脂肪に対する具体的な各部の数値(脂肪量、筋肉量)を詳細に確認できるというメリットがある。なお、ボディウインドウ162も、ウインドウ右上隅の逆三角マーク162aが選択(タップ)されることで、消去される。
また、図29(a)に示すサイズウインドウ161、及び図29(b)に示すボディウインドウ162は、Sボタン154及びYボタン155を順次、選択(タップ)することにより、人体モデル画面141に重ねて、同時に表示することも可能であり、この場合、ユーザは一度に、各部の寸法長(特定部位に係る寸法長を含む)と、各部の筋肉・脂肪量(特定部位に係る筋肉・脂肪量を含む)を確認できる。
図30に示すサムネイル画面142は、上述した人体モデル画面141の画面上部のCボタン156がタップされることでディスプレイ3aに表示されるものである。サムネイル画面142は、比較対象にする二つの測定結果を選択するためのものであり、画面上半分のサムネイル欄170に、今までの複数の測定分に応じたサムネイル画像170a〜170hをドラッグ・アンド・ドロップ及び選択が可能に配置すると共に、画面下半分の左側には一つ目のドラッグ・アンド・ドロップ先となる第1スペース171を設け、画面下半分の右側には二つ目のドラッグ・アンド・ドロップ先となる第2スペース172を設けている。なお、サムネイル画面142は、画面上部に、人体モデル画面141へ表示を切り替えるためのJボタン157と、画面下部に、比較ボタン173を、それぞれタップ可能に配置している。
サムネイル画面142のサムネイル欄170に配意されるサムネイル画像170a〜170hは、ユーザが比較を所望する測定分を、複数の中から二つ選択するためのものであり、これらサムネイル画像170a〜170hは、人体モデルに応じた人体画像(撮影画像)と、測定日時(人体モデルの上側に年月日、下側に時刻を示す。年月日及び時刻の示し方は図32等の比較画面等でも同様)を示すものとなっている。また、サムネイル欄170の下部中央にページ数Pが示されており、サムネイル欄170に配置されるサムネイル画像170a等が多い場合(図30に示す例では、サムネイル画像の数が8より多い場合)、2頁目以降にもサムネイル画像が配置されることになる。
すなわち、図30の例では、計8個のサムネイル画像170a〜170hをサムネイル欄170に配置しているが、ユーザ(被験者H)の今までの測定回数が8回より多い場合は、8個より多くのサムネイル画像が通信端末(CPU130a)により生成される。そして、サムネイル欄170の内部を適宜スワイブすることで、サムネイル欄170の中に表示するサムネイル画像を適宜切り替えて、全てのサムネイル画像が閲覧できるようになる。なお、測定回数が8回より少ない場合、図30に示す例では、サムネイル欄170の中に、サムネイル画像が配置されないスペースが生じる。
このようなサムネイル画像170a〜170hも、RAM130cに一時的に記憶されている情報(測定インデックス)に基づき生成されることになる。すなわち、人体モデル提供システム50(サーバ装置)から送られてくる情報の中には、その時点における今までの測定日時を示す情報(複数の測定分を示す情報)が含まれている。人体モデル提供システム50(サーバ装置)は、取得した測定結果に係る情報を図8の会員データベース60に格納するが、同一のユーザIDに係る測定結果に係る情報を取得するごとに、会員データベース60に格納して蓄積しており、このように、同一のユーザIDに対応づけて、複数の測定分の測定結果に係る情報を蓄積すると、測定結果に係る情報を通信端末3へ送信する際、蓄積されている複数の測定分を示す情報(測定インデックスに該当)も一緒に通信端末3へ送信する。
会員データベース60の測定データ欄に格納(蓄積)される各測定結果は、測定日時を含み、人体モデル提供システム50(サーバ装置)は、各測定分の測定日時を示す情報(複数の測定分を示す情報)を測定インデックスとして、測定結果に係る情報と共に、通信端末3へ送信する。通信端末3は、測定インデックス等を受信すると、RAM130cに記憶しておき、サムネイル画面142を生成して表示する際、RAM130cに記憶されている測定インデックスで示される各測定分の測定日時等に応じた複数のサムネイル画像を、複数の測定分があることを示す情報として、ドラッグ・アンド・ドロップ及び選択可能に生成することになる。なお、測定結果に係る情報の中には、上述した体組成計10及び三次元測定器20の測定により得られた数値(測定結果)と、測定が行われた日時等を含む。また、測定が行われた日時は、例えば、図28(a)の人体モデル画面141において、画面中の左上の方で示されることになる。
サムネイル画面142におけるサムネイル画像170a〜170hのいずれか一つが選択(タップ)されると、その選択されたサムネイル画像に応じた測定分について、図28(a)等に示す人体モデル画面141をディスプレイ3aに表示できるようになる。すなわち、通信端末3は、ユーザのタップ操作により、いずれか一つのサムネイル画像の選択を受け付けると、その受け付けたサムネイル画像に応じた測定分について測定結果に係る情報及び人体モデルを示すデータ等の要求(ログイン中のユーザのユーザIDを含む閲覧要求)を、人体モデル提供システム50(サーバ装置)へ送信する。
人体モデル提供システム50(サーバ装置)は、通信端末3から閲覧要求を受信すると、その閲覧要求に係る測定分の測定結果に係る情報及び人体モデルを示すデータ等を、会員データベースのログイン中のユーザIDに対応付けられた測定データ欄の中から読み出して、通信端末3へ送信する。通信端末3は、人体モデル提供システム50(サーバ装置)から測定結果に係る情報及び人体モデルを示すデータ等を受信(ダウンロード)すると、RAM130cに一時的に記憶すると共に、RAM130cに記憶した情報及びデータ等に基づき、選択したサムネイル画像に応じた測定分の人体モデルを含む人体モデル画面141を生成してディスプレイ3aに表示する。このようにサムネイル画面142を通じて、ユーザは所望の測定分に応じた人体モデル画面141を呼び出すことができる。
また、図31は、サムネイル画面142におけるサムネイル画像170a〜170hに対するドラッグ・アンド・ドロップ操作を示し、比較する二つの測定分に応じたサムネイル画像を選択する状況のサムネイル画面142を表す。サムネイル画面142において、比較対象にする二つのサムネイル画像の選択は、ドラッグ・アンド・ドロップにより行うようになっている。
図31に示す例では、サムネイル画像170dを第2スペース172へドラッグ・アンド・ドロップが完了すると共に、サムネイル画像170aを第1スペース171へドラッグ・アンド・ドロップする途中を示している。なお、各スペース171、172へサムネイル画像のドラッグ・アンド・ドロップが完了すると、ドラッグ・アンド・ドロップがなされたサムネイル画像は、各スペース171、172の寸法に応じて拡大表示されるようなる。このようなドラッグ・アンド・ドロップの操作により、ユーザは比較した測定結果を、各サムネイル画像を介して直感的に選択できる。
図32(a)は、比較画面143を示し、ディスプレイ3aを横長にした状態で表示する構成になっている。この比較画面143は、上述した図31のサムネイル画面142で、二つのサムネイル画像が第1及び第2スペース171、172にドラッグ・アンド・ドロップされた状態で、比較ボタン173が選択(タップ)されることで、サムネイル画面142から切り替えられてディスプレイ3aに表示されるものとなっている。
この比較画面143は、第1モデル欄143a及び第2モデル欄143bを並べて配置すると共に、画面右方には数値比較欄143cを設けている。各モデル欄143a、143bの中には、上述したサムネイル画面142で各スペース171、172にドラッグ・アンド・ドロップされて選択された二つの測定分の人体モデル181、182がそれぞれ配置されており、また、数値比較欄143cの中には、選択された二つの測定分に応じた各種測定数値が配置される(数値比較欄143cの中の「左」が人体モデル181の測定分を示し、「右」が人体モデル182の測定分を示す)。さらに、比較画面143は、数値比較欄143の右側に、メニューバー143dを設け、このメニューバー143dは、図28(a)等の人体モデル画面141と同様に、Pボタン175、Bボタン176、Mボタン177、Fボタン178を含み、その下方に、比較画面143用のLボタン179を含む。
Pボタン175、Bボタン176、Mボタン177、Fボタン178は、図28(a)等の人体モデル画面141におけるPボタン150、Bボタン151、Mボタン152、Fボタン153と同様の機能を有し、各ボタン175〜178を適宜、タップ(選択)することで、各モデル欄143a、143bに配置された人体モデル181、182の形態を、撮影画像の外観(撮影画像モデル)、骨格モデル、筋肉モデル、脂肪モデル等(各モデルを透過にした状態も含む)に適宜切り替えることができる。
図36(a)は、両方の人体モデル181、182を骨格モデルに切り替えた場合の比較画面143を示し、図36(b)は、両方の人体モデル181、182を筋肉モデルに切り替えた場合の比較画面143を示し、図37(a)は、両方の人体モデル181、182を脂肪モデルに切り替えた場合の比較画面143を示す。さらに、図37(b)は、両方の人体モデルを、透過状態の撮像画像モデルに切り替えた場合の比較画面143を示す。
また、比較画面143の画面右下のLボタン179は、二つの人体モデル181、182に対する操作の連携(連動)状態を切り替えるものであり、Lボタン179を選択(タップ)するごとに、連動状態と、非連動状態が切り替わる。Lボタン179の操作により、二つの人体モデル181、182が連動状態になっている場合、いずれか一方の人体モデル(例えば、左側の人体モデル181)に対して、回転(角度変化)、拡大・縮小、移動といった操作を行うと、他方の人体モデル182)については、操作を行わなくても、一方の人体モデルに対する操作の変化と、同様の変化が連携して行われる。そのため、一方の人体モデルに対する操作(例えば、角度変化に係る操作)を、表示する二つの人体モデル181、182の両方に反映させて、その操作に応じた変化(例えば、角度変化)を行える。
具体的には、図32(a)の比較画面143において、左側の第1モデル欄143aの中で、左へ向かう第1矢印180aの向きにスワイプ操作を行うと、図32(b)に示すように、第1モデル欄143aの中の人体モデル181は図中の左方向へ回転(角度変化)し、連動状態であれば、第2モデル欄143bの中の人体モデル182も、同じ向きに同じ量、回転する(角度変化する)。これは、第1モデル欄143aの中で受け付けたスワイプ操作を、連動状態であれば、通信端末3のCPU130aは、第1モデル欄143a及び第2モデル欄143bの両方の人体モデル181、182に対する操作として受け付けるように健康管理アプリP21が規定することで実現されている。したがって、この場合は、第2モデル欄143bの人体モデル182については、ユーザのスワイプ操作が無くても、第1モデル欄143aの人体モデル181と同様の変化(回転)が行われる。なお、図32(a)の中で示す第1矢印180a、第2矢印180b、第3矢印180cは、スワイプ操作の向きを表すために、便宜的に示したものであり、実際の比較画面143において表示されるものではない。
図33(a)は、図32(a)の比較画面143において、左側の第1モデル欄143aの中で、下へ向かう第2矢印180bの向きにスワイプ操作を行って、第1モデル欄143aの中の人体モデル181を頭部の方から見た状態に回転し(角度変化し)、それに伴い、第2モデル欄143bの人体モデル182も連動して、同様に頭部の方から見た状態に回転した状況(角度変化した状況)になった画面を示している。
また、図33(b)は、図32(a)の比較画面143において、左側の第1モデル欄143aの中で、上へ向かう第3矢印180cの向きにスワイプ操作を行って、第1モデル欄143aの中の人体モデル181を足の裏側から見た状態に回転し(角度変化し)、それに伴い、第2モデル欄143bの人体モデル182も連動して、同様に足の裏側から見た状態に回転した状況(角度変化した状況)になった画面を示している。
さらに、図34(a)は、図32(a)の比較画面143において、左側の第1モデル欄143aの中で、左へ向かう第1矢印180bの向きに、図32(b)の場合より倍程度の量のスワイプ操作を行って、第1モデル欄143aの中の人体モデル181を背の側から見た状態に回転し(角度変化し)、それに伴い、第2モデル欄143bの人体モデル182も連動して、同様に背の側から見た状態に回転した状況(角度変化した状況)になった画面を示している。
さらにまた、図34(b)は、図32(a)の比較画面143において、左側の第1モデル欄143aの中で、ピンチイン操作を行って、第1モデル欄143aの中の人体モデル181を縮小し、それに伴い、第2モデル欄143bの人体モデル182も連動して、同様に縮小した状況になった画面を示している。
なお、図示しないが、ピンチアウト操作を一方の人体モデル181に行って拡大すると、他方の人体モデル182も同様に拡大し、また、離した二本指のスワイプ操作を一方の人体モデル181に行って移動すると、他方の人体モデル182も同様に移動することになる。上記の連動操作は、第1モデル欄143aの人体モデル181に対する操作で説明したが、第2モデル欄143bの人体モデル182に対して各種操作を行った場合も、連動状態であれば、上記と同様に、第1のモデル欄143aの人体モデル181は連動して変化(回転、拡大、縮小、移動)することになる。
上記のように連動状態に設定すると、一方の人体モデルを変化する操作を行えば、比較対象の他方の人体モデルも同様に変化するので、様々な方向から、又は様々状態で、二つの人体モデルを確認でき、それぞれを別個に操作する場合に比べて、ユーザの操作負担を低減でき、特に、同じ操作を二つの人体モデルに対して行うことは、そもそも困難なので、容易に二つの人体モデルの状況を揃えることでき、体格及び体形等の変化等を様々な角度又は状況でユーザは二つの人体モデルを比較確認できる。
また、図35は、Lボタン179を操作して、連動状態から非連動状態に切り替えた場合の操作結果の一例であり、図32(a)の比較画面143において、左側の第1モデル欄143aの中で、左へ向かう第1矢印180aの向きにスワイプ操作を行った場合を示す。この場合、スワイプ操作により、第1モデル欄143aの中の人体モデル181は図中の左方向へ回転するが、第2モデル欄143bの中の人体モデル182は、連動することなく、図32(a)の第2モデル欄143bの人体モデル182と同様の向きのままになっている。このように、非連動状態では、比較対象の人体モデル181、182を個別に変化(回転、拡大、縮小、移動)させることが可能なので、個別に各人体モデル181、182の体形、体格等をチェックしたい場合に好適となる。
なお、上述した、図32〜35は、人体モデル181、182の外観が撮影画像モデルの場合で説明したが、人体モデル181、182が、図36(a)の骨格モデル、図37(b)の筋肉モデル、又は図37(a)の脂肪モデルであっても、連動状態に設定されていれば、一方の変化(回転、拡大、縮小、移動)に連動して他方が連動して変化(回転、拡大、縮小、移動)し、非連動状態に設定されていれば、それぞれのモデルを個別に操作できる。また、図32〜37に示す比較画面143は、画面左上に、戻るボタン143eを選択可能に配置しており、この戻るボタン143eが選択されると、通信端末3のCPU130aは、ディスプレイ3aの表示を、図30のサムネイル画面142に切り替える制御を行う。
上述した図32に示す比較画面143は、通信端末3が比較対象となる任意の二つの測定分の測定結果に係る情報を人体モデル提供システム50(サーバ装置)からダウンロードすることで表示される。すなわち、図30、31に示すサムネイル画面142で、ユーザ所望の選択対象となる二つのサムネイル画像を各スペース171、172にそれぞれドラッグ・アンド・ドロップし、二つの測定分を選択状態にして、ログイン状態(ログイン中)の通信端末3(CPU130a)が、比較ボタン173のタップを受け付けると、通信端末3は、選択された二つの測定分の測定結果に係る情報の要求を人体モデル提供システム50(サーバ装置)へ送信する。なお、通信端末3が送信する要求の中には、ログイン中のユーザを識別するユーザID(被験者識別情報)が含まれている。
人体モデル提供システム50(サーバ装置)は、上述した要求を受信すると、会員データベース60において、ログイン中のユーザのユーザID(送信された要求に含まれるユーザID)に対応づけられた測定データ欄の中から、要求された二つの測定分の測定結果に係る情報、それら二つの状態と共にセットで格納される二つの人体モデルを示すデータ等を読み出して、通信端末3へ送信する。
通信端末3は、二つの測定分の測定結果に係る情報及び人体モデルを示すデータ等を人体モデル提供システム50(サーバ装置)からダウンロードすると、ダウロードした情報及び二つの測定分の人体モデルを示すデータ等に基づき、図32(a)に示す各モデル欄143a、143bに配置する人体モデル181、182(撮影画像モデル)を生成すると共に、数値比較欄143cの中に、ダウンロードした情報に含まれる二つの測定分の各項目に対する測定結果(被験者の特定部位の筋肉量、脂肪量、寸法等を含む)を配置して比較画面143を生成し、ディスプレイ3aに表示する処理を行う。このような比較画面143の構成により、各人体モデル181、182で視覚的に二つの測定結果を比較できると共に、数値比較欄143cの中の測定数値で数値的にも二つの測定結果を詳しく比較できるようにして、多面的な比較が可能な状況をユーザに提供している。
図38、39に示すフローチャートは、上述した通信端末3で行うログイン、及び人体モデル画面141等の各種画面の表示等に係る各種処理の流れを、人体モデル提供システム50(サーバ装置)との処理を絡めて概説したものである。以下、これらのフローチャートに従って、通信端末3、及びそれに関連した人体モデル提供システム50(サーバ装置)の各処理を整理して説明する。なお、これらのフローチャートにおける通信端末3が行う各処理は、健康管理アプリP21が規定する内容に基づくものであり、人体モデル提供システム50(サーバ装置)が行う各処理は、モデル変形プログラムP11が規定する内容に基づくものである。
図38のフローチャートは、ログイン処理に関するものであり、通信端末3がディスプレイ3aに図27に示すログイン画面140を表示した状態から処理が始まるものとする(S1)。通信端末3は、各入力欄145a、145bへの所定の入力及びログインボタン145cの選択というログイン操作を受け付けたか否かを判断する(S2)。ログイン操作を受け付けていない場合(S2:NO)、通信端末3は、S1の段階へ戻り、ログイン画面140を表示して、ユーザからのログイン操作を待つ状態となる。また、ログイン操作を受け付けた場合(S2:YES)、通信端末3は、受け付けたユーザID(被験者識別情報)及びパスワードを含ませたログイン要求を人体モデル提供システム50(サーバ装置)へ送信する(S3)。
人体モデル提供システム50(サーバ装置)は、最初、ログイン要求を受信したか否かを判断する段階になっており(S10)、ログイン要求を受信しない場合(S10:NO)、受信待ちの状態となり、ログイン要求を受信した場合(S10:YES)、受信したログイン要求に含まれるユーザID及びパスワードが、会員データベース60の中に存在するか否かを判断する(S11)、ユーザID及びパスワードが会員データベース60の中に存在しないと判断された場合(S11:NO)、人体モデル提供システム50(サーバ装置)は、ログイン不可の通知を、ログイン要求の送信元の通信端末3へ送信する(S12)。
通信端末3は、S3の段階でログイン要求を送信すると、まずは、ログイン不可の通知を受信したか否かを判断しており(S4)、ログイン不可の通知を受信した場合(S4:YES)、再度のログイン操作をユーザが行えるようにするため、S1の段階に戻り、再度のログイン操作の受付を行えるように、ログイン画面140を再表示する。なお、再表示するログイン画面140においては、正しいユーザID、パスワードをユーザに要請する旨の文言を含ませておくことが好適である。
また、人体モデル提供システム50(サーバ装置)の処理において、S11の段階で、ログイン要求に含まれるユーザID及びパスワードが、会員データベース60の中に存在した場合(S11:YES)、人体モデル提供システム50(サーバ装置)は、ログイン要求を送信してきたユーザ(ユーザID)、そのユーザの通信端末3をログイン状態に設定する(S13)。なお、ログイン状態の設定は、ログイン状態としたユーザのユーザIDがログイン状態であることをサーバ装置のRAM50cに記憶することで行われる。
そして、人体モデル提供システム50(サーバ装置)は、会員データベース60において、ログイン状態となったユーザIDの測定データ欄に含まれる中から、最新の測定分に係る測定結果に係る情報、及びセットで格納される人体モデルを示すデータ等を読み出して、ログイン中となった通信端末3へ送信する(S14)。なお、ログイン状態となったユーザIDに対応づけて複数の測定分の情報等が会員データベース60に蓄積されていると、この際、人体モデル提供システム50(サーバ装置)は、ログイン中のユーザの今までの測定分を示す測定インデックス(複数回の測定日時を示すインデックス)も、測定結果に係る情報と共に通信端末3へ送信する。また、人体モデル提供システム50(サーバ装置)が通信端末3へ送信する測定結果に係る情報は、体組成計10及び三次元測定器20の測定による各項目の測定数値(測定日時情報を含む)を有し、人体モデルを示すデータは、撮影画像モデル、骨格モデル、筋肉モデル、脂肪モデルを表示するためのデータになっている。
通信端末3は、上述したS4の段階で、ログイン不可の通知を受信しなかった場合(S4:NO)、次に、ログイン要求の送信に伴って、人体モデル提供システム50(サーバ装置)から、測定結果に係る情報等を受信したか否かを判断しており(S5)、受信していない場合(S5:NO)、S4の段階へ戻って、サーバ装置からログイン不可の通知又は測定結果に係る情報等のいずれかが送られてくるのを待つことになる。また、サーバ装置から送られた測定結果に係る情報等を受信した場合(S5:YES)、ログイン状態となった通信端末3は、受信した測定結果に係る情報及び人体モデルを示すデータ等をRAM130cに一時的に記憶し(S6)、RAM130cに記憶した人体モデルを示すデータ等に基づいて人体モデルを生成し(S7)、その生成した人体モデルを含む人体モデル画面141(図28(a)参照)を生成してディスプレイ3aに表示する(S8)。なお、このように表示した人体モデル画面141では、上述したように、ユーザ操作により、サイズウインドウ161又はボディウインドウ162を展開表示して、各種測定数値をユーザに提示できると共に、人体モデルに対してユーザによるスワイプ等の操作により、回転等を行える。
図39のフローチャートは、ディスプレイ3aの表示を、人体モデル画面141(図28(a)参照)から最終的に比較画面143(図32(a)参照)に切り替える処理の流れを示している。通信端末3は、人体モデル画面141を表示している状態で、比較を行うためのCボタン156の選択操作(比較操作)を受け付けたか否かを判断する(S20)。比較操作を受け付けていない場合(S20:NO)、操作待ちの状態となり、操作を受け付けた場合(S20:YES)、RAM130cに記憶している複数回の測定分を示す測定インデックスに基づき、サムネイル画面142を生成してディスプレイ3aに表示する(S21)。なお、測定インデックスがRAM130cに記憶されていないときは、ユーザの今までの測定回数は、一回のみとなるので、既に、RAM130cに記憶されている情報(測定結果に係る情報)に基づき、一つのサムネイル画像のみが存在するサムネイル画面を、人体モデル提供システム50(サーバ装置)は生成することになる。
サムネイル画面142を表示した状態で、二つの測定分のサムネイル画像が各スペース171、172へドラッグ・アンド・ドロップされて、比較ボタン173の選択操作が行われるという比較対象選択の操作を受け付けたか否かを、通信端末3は判断する(S22)。比較対象選択の操作を受け付けていない場合(S22:NO)、操作待ちの状態となり、比較対象選択の操作を受け付けた場合(S22:YES)、ドラッグ・アンド・ドロップにより選択された二つの測定分の測定結果に係る情報の要求(選択測定分の要求)を人体モデル提供システム50(サーバ装置)へ送信する(S23)。なお、上記の情報の要求には、人体モデル提供システム50(サーバ装置)での処理をスムーズに行えるようにするため、ユーザIDを含ませても良い。
人体モデル提供システム50(サーバ装置)は、二つの測定分の測定結果に係る情報の要求を受信したか否かを判断しており(S30)、要求を受信しない場合(S30:NO)、受信待ちの状態となり、要求を受信した場合(S30:YES)、要求の送信元のログイン中の通信端末3のユーザIDを、RAM50cに記憶されている中、又は受信した要求に含まれる中から参照し、そのユーザIDに対応づけて、会員データベース60における測定データ欄に格納される中から、要求の対象となる二つの測定分(測定日時)の測定結果に係る情報、及び人体モデルを示すデータ等を読み出し(S31)、その読み出した測定結果に係る情報等を、ログイン中の通信端末3へ送信する(S32)。
通信端末3は、S23の段階で、情報の要求を送信した後、二つの測定分の測定結果に係る情報等を受信したか否かを判断しており(S24)、情報等を受信しない場合(S24:NO)、受信待ちの状態となる。また、情報等を受信した場合(S24:YES)、ログイン中の通信端末3は、受信した情報等をRAM130cに一時的に記憶し(S25)、RAM130cに記憶した二回の測定分の人体モデルを示すデータに基づき、比較用の二つの人体モデルを生成すると共に(S26)、その生成した二つの人体モデルを含む比較画面143(図32(a)参照)を生成してディスプレイ3aに表示する(S27)。なお、比較画面143の数値比較欄143cには、RAM130cに記憶された二回に測定分に応じた測定結果に係る情報(体組成計10及び三次元測定器20による測定値)が含まれる。
上述したような図38、39のフローチャートで示す処理により、通信端末3は、ディスプレイ3aに人体モデル画面141を表示すると共に、ディスプレイ3aの表示を、サムネイル画面142、比較画面143へと適宜、切り替える。
なお、通信端末3に表示される各画面については、様々な変形例が考えられる。例えば、比較画面143は、図32(a)に示すように、画面右側の各ボタン175〜178により、表示する人体モデル181、182の形態を、撮影画像モデル、骨格モデル、筋肉モデル、又は脂肪モデルに適宜、切替可能にしていたが、仕様を簡易化する場合は、いずれか一つの形態(例えば、撮影画像モデル)に固定して通信端末3の処理負担を低減してもよい(この場合は、各ボタン175〜178は省略される)。また、比較画面143の仕様を簡易化する他の例としては、Lボタン179を設けることを省略して、常に、両方の人体モデル181、182の回転(向きの変化)、拡大、縮小、又は移動に係る操作を連動(連携)させるようにしてもよい。
図40(a)は、別の変形例である比較画面243を示しており、この別の変形例は、比較画面の機能を増した内容になっている。変形例の比較画面243は、人体モデル281、282のそれぞれを同じ形態ではなく、独立して形態を個別に変化できるようにしたことが特徴になっている。図40(a)の変形例の比較画面243は、基本的な構成は、図32(a)の比較画面143と同様であるが、画面右側の各ボタン275〜279の下方に、左右選択部290を新たに設けている。
左右選択部290は、左ボタン290a及び右ボタン290bを有し、左ボタン290aが選択されると、左側の第1モデル欄243aの人体モデル281を操作対象として選択した状態となり、一方、右ボタン290bが選択されると、第2モデル欄243bの人体モデル282を操作対象として選択した状態になる。すなわち、左右ボタン290a、290bは切替式で、いずれか一方のみが選択されるようになっており、左ボタン290aを選択すると、右ボタン290bは非選択の状態となり、右ボタン290bを選択すると左ボタン290aは非選択の状態となる。なお、比較画面243がディスプレイ3aに表示された直後は、左ボタン290aが選択された状態になっている。
変形例の比較画面243では、上述したように左右ボタン290a、290bのいずれか一方で選択された状態となった人体モデル281又は人体モデル282のいずれかに対して、各ボタン275〜278を操作することで、選択状態の人体モデル281又は282のいずれかを個別に、所望の形態(撮影画像モデル、骨格モデル、筋肉モデル、又は脂肪モデル)へ変化させられる。
図40(b)の比較画面243は、上述した左右ボタン290a、290b及び各ボタン275〜278を適宜操作することで、一方の測定分となる左側の人体モデル281を骨格モデルにして、他方の測定分の人体モデル282を筋肉モデルにした状態を示す。なお、このようにした状態で、各人体モデル281、282が連携状態であれば、上述したように、一方の人体モデルに対する操作(回転、拡大、縮小、移動)が、他方の人体モデルについて反映できる。このように変形例の比較画面243では、二つの測定分に応じた各人体モデル281、282について、相違する形態にすることができるので、より様々な形態で測定結果の比較を行える。
また、上述した比較画面143、243の構成は、一つの測定分の人体モデルを相違する形態でマルチ画面的に表示することにも活用でき、例えば、一つの測定分に応じた骨格モデルを第1モデル欄に配置し、同じ一つの測定分に応じた撮影画像モデルを第2モデル欄に配置するようなことが考えられる。このようなマルチ画面的な表示に切り替えるためには、図28(a)の人体モデル画面141に、マルチ画面への切替ボタンを新たに設け、この切替ボタンが選択されると、ディスプレイ3aの表示が人体モデル画面141からマルチ画面に切り替わるようにする。
図41(a)はマルチ画面341の一例を示し、左側の第1モデル欄341aに骨格モデルの形態の人体モデル381を配置すると共に、第2モデル欄342bに撮影画像モデルの形態の人体モデル382を配置し、画面右側に数値欄243dを設けており、これら人体モデル381、382、及び数値欄243dに含まれる測定数値は、一つの測定分(同じ測定日時)によるものである。なお、マルチ画面341は、画面右端に、上述した変形例の比較画面243と同様に、ボタン375〜379を配置すると共に、左右ボタン390a、390bを有する左右選択部390を配置する。
これらの各ボタン375〜379、390a、390bの機能は、上述した説明と同様である。例えば、左ボタン390aを選択した状態で、各ボタン375〜378を適宜選択することで、第1モデル欄341aの人体モデル381を所望の形態(撮影画像モデル、骨格モデル、筋肉モデル、又は脂肪モデルのいずれか)に設定でき、同様に、右ボタン390bを選択した状態で、各ボタン375〜378を適宜選択することで、第2モデル欄341bの人体モデル382を所望の形態に設定できる。
図41(b)は、図41(a)のマルチ画面342で両方の人体モデル381、382を連携状態にして、一方の人体モデル381を回転させる操作を行って、その回転を他方の人体モデル382に反映させた状態を示している。このようにマルチ画面342では、一つの測定結果に基づく人体モデルを複数の表示形態で示すと共に、様々な角度で閲覧できるようにしているので、一つの測定分による人体モデルを、より多角的に観察することに対して好適に利用できる。
上記のように通信端末3で様々な種類の画面を表示できるのは、人体モデル提供システム50(サーバ装置)が、ユーザ(被験者H)の測定結果に係る情報を、会員データベース60の中に、ユーザIDに対応づけて測定分ごとに格納(蓄積)していることによる。特に、体組成計10に係る測定結果、及び三次元測定器20に係る測定結果はセット(ペア)にして測定結果に係る情報と共に格納されるので、図29(a)、(b)に示す様に、三次元測定器20の測定結果による各寸法値をサイズウインドウ161で人体モデル画面141の中でスムーズに提示できると共に、体組成計10の測定結果による各測定値をボディウインドウ162で人体モデル画面141の中でスムーズに提示できるようにしている。また、会員データベース60には、測定結果に係る情報と共に、人体モデルを示すデータも格納されるので、通信端末3が、人体モデルを示すデータ等をダウンロードすることで、人体モデルを含む人体モデル画面141、比較画面143等を適宜表示でき、通信端末3を人体モデルのビューワーとして機能させられる。
さらに、人体モデル提供システム50(サーバ装置)が、同一のユーザ(ユーザID)に対して、複数回の測定分の測定結果に係る情報を会員データベース60に格納(蓄積)していれば、通信端末3では、図30に示すサムネイル画面142を表示し、ユーザが比較対象となる所望の二つの測定分をサムネイル画像170a、170bで選択でき、また、選択されると、通信端末3では、図32に示す比較画面143を表示し、ユーザ所望の二つの測定結果を、人体モデル181、182により視覚的に確認できると共に、詳細な数値も数値比較欄143cで確認できる。
また、上述した説明では、人体モデルを示すデータは、人体モデル提供システム50(サーバ装置)で生成されるようにしたが、人体モデル提供システム50(サーバ装置)では、人体モデルを示すデータを生成することなく、人体モデルを生成するための元になるデータ等のみを会員データベース60に、ユーザIDに対応づけて格納し、そのような元になるデータ等を通信端末3へ送信し、通信端末3で、受信したデータ等により、人体モデルを示すデータを生成し、その生成したデータに基づき様々な形態の人体モデルを生成して表示するようにしてもよい。この場合、人体モデル提供システム50(サーバ装置)の処理負担を低減できる。また、通信端末3で生成した人体モデルを示すデータは、通信端末3から人体モデル提供システム50(サーバ装置)へ送信して、上述した例と同様に、会員データベース60に格納し、次回からは、通信端末3で人体モデルを表示する場合は、会員データベース60に格納されたデータを利用すれば、通信端末3で毎回、人体モデルを示すデータを生成する事態になることを回避できる。