JP6518445B2 - フレキシブル積層板、及びフレキシブル積層板の製造方法 - Google Patents

フレキシブル積層板、及びフレキシブル積層板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液晶ポリマーからなる絶縁層と、金属層とが接着されたフレキシブル積層板、及びフレキシブル積層板の製造方法に関する。
絶縁層と金属層とが接着されたフレキシブル積層板は、例えば、フレキシブルプリント配線基板を製造するための材料として用いられている。近年、フレキシブルプリント配線基板に対する高周波化の要求から、低誘電材料である液晶ポリマーを絶縁層として用いたフレキシブル積層板が注目されている。
例えば、特許文献1には、ダブルベルトプレス装置を用いて、液晶ポリマーからなる絶縁フィルムの両面に金属箔を重ね、これを熱圧成形することにより、絶縁フィルムと金属箔とが熱圧着されたフレキシブル積層板を製造する技術が開示されている。また、熱圧成形時の加熱温度を、絶縁フィルムを構成する液晶ポリマーの融点以上、融点よりも20度高い温度以下の範囲に設定することにより、製造されたフレキシブル積層板について、絶縁層と金属箔との間のピール強度を維持しつつ、寸法歪みの発生等を低減することができる点が開示されている。
特開2010−221694号公報
ところで、近年、フレキシブルプリント配線基板に対する高密度実装の技術の進歩に伴って、寸法変化率の小さいフレキシブル積層板が求められている。具体的には、導体回路形成の前後や、各種素子を実装するためのリフロー半田付けの際の加熱工程の前後における寸法変化率の小さいフレキシブル積層板が求められている。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、寸法変化率の小さいフレキシブル積層板を提供することにある。
上記の目的を達成するためのフレキシブル積層板は、液晶ポリマーからなる絶縁層と、前記絶縁層の片面又は両面に形成された金属層とを備えるフレキシブル積層板であって、前記液晶ポリマーは、融点が250℃を超える液晶ポリマーであり、JIS C 6471に規定される寸法安定性試験において、加熱温度を250℃とした場合の寸法変化率が±0.05%の範囲内であり、前記絶縁層の幅方向における厚みの標準偏差が1.2μm以下である。
上記の目的を達成するためのフレキシブル積層板の製造方法は、一対のエンドレスベルト間に、液晶ポリマーからなる絶縁フィルムと金属箔とを連続的に供給し、前記エンドレスベルト間で絶縁フィルムと金属箔とを熱圧着させてフレキシブル積層板を形成する熱圧着工程を有し、前記熱圧着工程において、前記フレキシブル積層板の最高温度が、前記絶縁フィルムを構成する液晶ポリマーの融点より45℃低い温度以上、同融点より5℃低い温度以下の範囲となるように前記フレキシブル積層板を加熱するとともに、前記エンドレスベルトから搬出される際の前記フレキシブル積層板の出口温度が、前記絶縁フィルムを構成する液晶ポリマーの融点より235℃低い温度以上、同融点より100℃低い温度以下の範囲となるように前記フレキシブル積層板を徐冷する。
上記フレキシブル積層板の製造方法において、前記絶縁フィルムとして、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とパラヒドロキシ安息香酸を構成単位とする液晶ポリマーであって、その融点が250℃を超える液晶ポリマーから構成される絶縁フィルムを用いることが好ましい。
上記フレキシブル積層板の製造方法において、前記金属箔として、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス箔、及び銅とアルミニウムとの合金からなる箔から選ばれる少なくとも一種の金属箔を用いることが好ましい。
本発明によれば、寸法変化率の小さいフレキシブル積層板を得ることができる。
熱圧着工程の概略構成を示す模式図。 変更例の熱圧着工程の概略構成を示す模式図。
以下、本発明のフレキシブル積層板の製造方法を具体化した一実施形態について図1を参照して詳細に説明する。
本実施形態のフレキシブル積層板10の製造方法は、絶縁フィルム11の両面に金属箔12を連続的に熱圧着する熱圧着工程を有し、この熱圧着工程を通じてフレキシブル積層板10が製造される。
まず、フレキシブル積層板10の製造に用いる絶縁フィルム11及び金属箔12について記載する。
絶縁フィルム11は、フレキシブル積層板10における絶縁層を構成する。絶縁フィルム11としては、融点が250℃を超える液晶ポリマーにより形成される絶縁フィルム11が用いられる。液晶ポリマーとしては、例えば、エチレンテレフタレートとパラヒドロキシ安息香酸を構成単位とする液晶ポリマー、フェノール及びフタル酸とパラヒドロキシ安息香酸を構成単位とする液晶ポリマー、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とパラヒドロキシ安息香酸を構成単位とする液晶ポリマー等が挙げられる。
絶縁フィルム11の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、6〜300μmの範囲であることが好ましく、12〜150μmの範囲であることがより好ましく、25〜100μmの範囲であることが更に好ましい。
金属箔12は、フレキシブル積層板10における金属層を構成する。金属箔12としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス箔、及び銅とアルミニウムとの合金からなる箔等の金属箔を用いることができ、特に、圧延銅箔、電解銅箔及びアルミニウム箔から選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。
金属箔12の表面粗さは、特に限定されるものではないが、例えば、十点平均粗さ(Rz)において、0.5〜10μmの範囲であることが好ましく、0.5〜7μmの範囲であることがより好ましい。また、金属箔12の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1.5〜150μmの範囲であることが好ましく、2〜70μmの範囲であることがより好ましく、9〜35μmの範囲であることが更に好ましい。
次に、本実施形態の製造方法における熱圧着工程について記載する。
図1に示すように、熱圧着工程は、ダブルベルトプレス装置20と、ダブルベルトプレス装置20へ絶縁フィルム11及び金属箔12をそれぞれ供給する繰出部30と、ダブルベルトプレス装置20から搬出されたフレキシブル積層板10を巻き取る巻取部40とを備えた製造ラインで実施される。
ダブルベルトプレス装置20は、搬送方向に所定の間隔をあけて並設された一対の上側ドラム21と、各上側ドラム21の下側において、同じく搬送方向に所定の間隔をあけて並設された一対の下側ドラム22とを備えている。一対の上側ドラム21には、エンドレスベルト23が架け渡されている。エンドレスベルト23は、一対の上側ドラム21が回転することにより回動するように構成されている。同様に、一対の下側ドラム22には、エンドレスベルト24が架け渡されている。エンドレスベルト24は、一対の下側ドラム22が回転することにより回動するように構成されている。なお、エンドレスベルト23、24は、例えば、ステンレス鋼、銅合金、アルミ合金等の金属材料により形成されている。
各エンドレスベルト23、24の内側には、エンドレスベルト23、24を挟んで上下に位置する熱圧装置25が設けられている。熱圧装置25は、エンドレスベルト23、24における熱圧装置25の間に位置する部位に所定の圧力を付与するとともに同部位を加熱するための装置である。そして、熱圧装置25は、搬送方向における所定範囲毎に加熱温度を調整可能に構成されている。例えば、図1に示す熱圧装置25は、搬送方向に沿って設けられた4つの部位25A〜25Dのそれぞれにおいて個別に加熱温度を調整することができる。
繰出部30には、長尺状をなす絶縁フィルム11がロール状に巻き取られた絶縁フィルムロール31、及び長尺状をなす金属箔12がロール状に巻き取られた二組の金属箔ロール32が備えられている。
熱圧着工程においては、まず、繰出部30の絶縁フィルムロール31から繰り出された絶縁フィルム11の両面に対して金属箔ロール32から繰り出された金属箔12がそれぞれ重ねられつつ、ダブルベルトプレス装置20に連続的に供給される。ダブルベルトプレス装置20に供給された絶縁フィルム11及び金属箔12は、エンドレスベルト23、24が回動することによって、エンドレスベルト23、24間に挟まれた状態で下流側へと搬送される。
エンドレスベルト23、24間を通過する際に、絶縁フィルム11及び金属箔12には、熱圧装置25によって、エンドレスベルト23,24を介して所定の面圧が加えられる。同時に、熱圧装置25によって、エンドレスベルト23,24を介して、絶縁フィルム11及び金属箔12が加熱される。これにより、絶縁フィルム11が軟化し、絶縁フィルム11と金属箔12とが熱圧着されて、絶縁層の両面に金属層を有するフレキシブル積層板10が形成される。そして、ダブルベルトプレス装置20から搬出されたフレキシブル積層板10は、巻取部40において、ロール状に巻き取られることで回収される。
ここで、熱圧着工程における絶縁フィルム11及び金属箔12に対する加熱は、以下のようにして行われる。すなわち、エンドレスベルト23、24間における上流側の領域(加熱ゾーン)においては、絶縁フィルム11及び金属箔12を第1温度T1に達するように加熱する。そして、同下流側の領域(徐冷ゾーン)においては、絶縁フィルム11及び金属箔12に対する加熱を弱めて、絶縁フィルム11及び金属箔12を徐冷しながら、フレキシブル積層板10が、第1温度T1よりも低い第2温度T2にてダブルベルトプレス装置20から搬出されるように加熱する。換言すると、エンドレスベルト23、24間を通過する際のフレキシブル積層板10(絶縁フィルム11及び金属箔12)の最高温度を第1温度T1とするように加熱し、エンドレスベルト23、24から搬出されたときのフレキシブル積層板10の出口温度を第2温度T2とするように加熱する。なお、上記の加熱ゾーンと徐冷ゾーンとの境界部分においては、フレキシブル積層板10(絶縁フィルム11及び金属箔12)に所定の面圧が加えられた状態を維持しつつ、加熱の態様を変更する。
第1温度T1は、絶縁フィルム11を形成する液晶ポリマーの融点をmpとしたとき、「mp−45℃≦T1≦mp−5℃」の範囲である。つまり、液晶ポリマーの融点より45℃低い温度以上、同融点より5℃低い温度以下の範囲である。例えば、絶縁フィルム11を形成する液晶ポリマーの融点が335℃である場合、第1温度T1は「290℃≦T1≦330℃」の範囲となる。第1温度T1の下限である「mp−45℃」は、絶縁フィルム11と金属箔12とを十分に接着させるために必要な最小の温度である。
また、第1温度T1の上限である「mp−5℃」は、絶縁フィルム11を形成する液晶ポリマーの溶融が抑制される最大の温度である。液晶ポリマーが一度、溶融すると、液晶ポリマーの流動により分子配向が乱れてしまい、応力が残った状態でフレキシブル積層板10が形成される。その結果、再度、フレキシブル積層板10を加熱処理した際に、大きな寸法変化が生じてしまう。第1温度T1の上限を「mp−5℃」として、液晶ポリマーの溶融及び流動を抑制することにより、こうした問題が起こり難くなり、加熱処理を行う前後におけるフレキシブル積層板10の寸法変化率を低減させることができる。
第2温度T2は、絶縁フィルム11を形成する液晶ポリマーの融点をmpとしたとき、「mp−235℃≦T2≦mp−100℃」の範囲である。つまり、液晶ポリマーの融点より235℃低い温度以上、同融点より100℃低い温度以下の範囲である。例えば、絶縁フィルム11を形成する液晶ポリマーの融点が335℃である場合、第2温度T2は「100℃≦T2≦235℃」の範囲となる。第2温度T2が上記範囲となるように徐冷を行うことにより、第1温度T1に達することにより生じた液晶ポリマーの流動による配向の変化の影響を小さく抑えることができる。その結果、加熱処理を行う前後におけるフレキシブル積層板10の寸法変化率を低減させることができる。
なお、第1温度T1は、熱圧装置25における、加熱温度が低下側へ切り替わる位置を通過する際のフレキシブル積層板10の温度を測定することにより確認することができる。例えば、図1に示す熱圧装置25において、部位25A〜25Bを加熱ゾーンとして、第1温度T1まで加熱すべく高温で加熱し、部位25C〜25Dを徐冷ゾーンとして、第2温度T2まで低下させるべく低温で加熱した場合、部位25Bと部位25Cとの境界に対応する位置を通過する際のフレキシブル積層板10の温度を測定することにより第1温度T1を確認する。また、第2温度T2は、エンドレスベルト23、24から搬出された直後のフレキシブル積層板10の温度を測定することにより確認することができる。
さらに、第1温度T1と第2温度T2との差(T1−T2)は、55〜230℃の範囲であることが好ましい。また、第1温度T1と第2温度T2との比率(T1/T2)は、1.2〜3.3の範囲であることが好ましい。
また、エンドレスベルト23、24間を通過する際に、絶縁フィルム11及び金属箔12に加えられる面圧は、例えば、0.5〜6.0MPaの範囲であることが好ましく、1.5〜5.0MPaの範囲であることがより好ましい。
上記熱圧着工程を通じて製造されたフレキシブル積層板10は、寸法変化率の小さいフレキシブル積層板となる。例えば、JIS C 6471に規定される寸法安定性試験において、加熱温度を250℃とした場合の寸法変化率が±0.05%の範囲内となる。また、フレキシブル積層板10は、厚みムラの小さいフレキシブル積層板となる。例えば、絶縁層の幅方向における厚みの標準偏差が1.2μm以下となる。
本実施形態の製造方法により得られたフレキシブル積層板10は、フレキシブルプリント基板に用いられ、TAB(Tape Automated Bonding)方式、COF(Chip on Film)方式等の実装方式に用いられるテープにも用いることができる。また、フレキシブル積層板10の装備された製品としては、例えば、カメラ、パソコン、液晶ディスプレイ、プリンタ、携帯機器等の電子機器が挙げられる。
次に、本実施形態の効果について記載する。
(1)フレキシブル積層板の製造方法は、一対のエンドレスベルト23,24間に、液晶ポリマーからなる絶縁フィルム11と金属箔12とを連続的に供給し、エンドレスベルト23,24間で絶縁フィルム11と金属箔12とを熱圧着させてフレキシブル積層板10を形成する熱圧着工程を有する。
熱圧着工程において、フレキシブル積層板10の最高温度(第1温度T1)が、絶縁フィルム11を構成する液晶ポリマーの融点より45℃低い温度以上、同融点より5℃低い温度以下の範囲となるようにフレキシブル積層板10を加熱し、エンドレスベルト23,24から搬出される際のフレキシブル積層板10の出口温度(第2温度T2)が、絶縁フィルム11を構成する液晶ポリマーの融点より235℃低い温度以上、同融点より100℃低い温度以下の範囲となるようにフレキシブル積層板10を徐冷する。
上記構成によれば、フレキシブル積層板10の寸法変化率、特に250℃の加熱処理の前後における寸法変化率を低減することができる。フレキシブル積層板10をフレキシブルプリント基板として用いる場合、導体回路の形成時や、各種素子を実装するためのリフロー半田付け時に、フレキシブル積層板10は250℃程度の高温下に曝される。このときのフレキシブル積層板10の寸法変化を抑制することが、高密度実装の観点において重要となる。そのため、250℃の加熱処理の前後における寸法変化率を低減させたフレキシブル積層板10は、高密度実装用のフレキシブルプリント基板の材料として有用である。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
上記実施形態では、絶縁フィルム11の両面に金属箔12を熱圧着させていたが、絶縁フィルム11の片面のみに金属箔12を熱圧着させて、絶縁層の片面に金属層を有するフレキシブル積層板10を形成してもよい。
例えば、図2に示すように、繰出部30について、長尺状をなす離型フィルム13がロール状に巻き取られた離型フィルムロール33を設ける。そして、熱圧着工程において、繰出部30の絶縁フィルムロール31から繰り出された絶縁フィルム11の片面に対して、金属箔ロール32から繰り出された金属箔12を重ねるとともに、絶縁フィルム11の反対側の片面に対して、離型フィルムロール33から繰り出された離型フィルム13を重ねつつ、これらをダブルベルトプレス装置20に連続的に供給する。ダブルベルトプレス装置20から搬出されたフレキシブル積層板10を、離型フィルム13が重ねられた状態のまま、巻取部40においてロール状に巻き取ることにより回収する。この熱圧着工程における加熱条件及び加圧条件は、上記実施形態と同じである。
離型フィルム13は、熱圧着工程において、軟化した絶縁フィルム11のダブルベルトプレス装置20への転写を抑制するためのフィルムである。離型フィルム13としては、フレキシブル積層板の製造に用いられる公知の離型フィルムを用いることができる。特に、耐熱性が高く、かつ離型性の良い柔軟な材料、例えば、非熱圧着性の耐熱性芳香族ポリイミド、フッ素樹脂、及びシリコーン樹脂から選ばれる少なくとも一種からなる離型フィルムを用いることが好ましい。
なお、離型フィルム13は、フレキシブル積層板10を使用する際に適宜、剥離される。また、巻取部40に、離型フィルム13を回収する回収ロールを別に設けて、ダブルベルトプレス装置20から搬出されたタイミングで、フレキシブル積層板10から離型フィルム13を剥離させつつ、フレキシブル積層板10と離型フィルム13と別々に回収してもよい。
次に、実施例及び比較例を挙げて上記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜13、比較例1〜12)
ダブルベルトプレス装置を用いて、熱圧着工程における種々の加熱条件を設定し、絶縁層の両面又は片面に金属層を有するフレキシブル積層板を製造し、得られたフレキシブル積層板についてその品質を評価した。熱圧着工程における加熱条件は、表1及び表2に示すとおりである。すなわち、各実施例は、第1温度T1が「mp−45℃<T1<mp−5℃」(290℃<T1<330℃)の範囲であり、かつ第2温度T2が「mp−235℃<T2<mp−100℃」(100℃<T2<235℃)の範囲である。各比較例は、第1温度T1及び第2温度T2の一方が上記の範囲から外れている。
また、材料等の加熱条件以外の製造条件は以下のとおりである。
金属箔:圧延銅箔(JX日鉱日石社製、BHYX−92−HA)。
絶縁フィルム:LCPフィルム(クラレ社製、ベクスターCTZ、融点335℃)。
離型フィルム:ポリイミドフィルム(宇部興産社製、ユーピレックスS、厚さ25μm)。なお、離型フィルムは、熱圧着工程後にフレキシブル積層板から剥離した。
圧力:4.0MPa
なお、使用した金属箔及び絶縁フィルムの厚さは、表1及び表2に示すとおりである。
(寸法変化率の評価)
JIS C 6471に規定される寸法安定性試験に準拠し、加熱温度を150℃と250℃とに変更した場合におけるフレキシブル積層板の寸法変化率を測定した。その結果を表1及び表2に示す。
(厚みムラの評価)
実施例及び比較例のフレキシブル積層板から50mm×520mm幅のサンプルを採取し、このサンプルについて、金属層をエッチング処理により除去した。そして、残った絶縁層について、打点式厚み計を用いて、幅方向10mm間隔で52点における厚さを測定し、その標準偏差を算出した。その結果を表1及び表2に示す。
(ピール強度の評価)
JIS C 6471に規定される試験方法を用いて、実施例及び比較例のフレキシブル積層板について、金属層の引き剥がし強度(ピール強度)を測定した。その結果を表1及び表2に示す。
まず、表2における連続運転の可否欄に示すように、第2温度T2を「mp−235℃」(100℃)よりも低い温度とした比較例1、3、5、7、9においては、所定長さのフレキシブル積層板が製造された段階で、ダブルベルトプレス装置のベルトの回転に不具合が生じてしまい、ダブルベルトプレス装置を連続的に運転させることができなかった。そのため、これらのフレキシブル積層板については、量産性が著しく低いと判断して、寸法変化率の評価、厚みムラの評価、及びピール強度の評価を行わなかった。一方、第2温度T2を「mp−235℃」(100℃)以上の温度とした、その他の実施例及び比較例については、こうした問題は生じなかった。
実施例2、4、6、8、10と比較例2、4、6、8、10との比較から、第2温度T2を「mp−100℃」(235℃)よりも高い温度とした場合には、150℃及び250℃の試験における寸法変化率が倍以上に大きく増加する、という結果が得られた。
実施例1と、比較例11、12との比較から、第1温度T1を「mp−5℃」(330℃)よりも高い温度とした場合には、150℃及び250℃の試験における寸法変化率が倍以上に大きく増加する、という結果が得られた。
また、表1に示すように、各実施例については、厚みムラが1.2μm以下という小さい値を示すとともに、ピール強度が0.6N/m以上という高い値を示した。
これらの結果から、第1温度T1及び第2温度T2を上記範囲内とした場合には、厚みムラ、ピール強度といった品質を確保しつつ、250℃の加熱の前後における寸法変化率を低減できることが確認できた。また、フレキシブル積層板の量産性の観点においても問題がないことが確認できた。こうした効果は、絶縁フィルムの厚さを変更した場合(実施例11、12)、及び片面に金属層を有するフレキシブル積層板とした場合(実施例13)においても同様であった。さらに、詳細なデータは省略するが、金属箔として、厚さ12μmの電解銅箔(三井金属鉱業株式会社製、3EC−VLP)を用いた場合、絶縁フィルムとして、他のLCPフィルム(プライマテック株式会社製、BIAC−BC、融点315℃、厚さ50μm)を用いた場合についても同様の結果が得られた。
10…フレキシブル積層板、11…絶縁フィルム、12…金属箔、13…離型フィルム、20…ダブルベルトプレス装置、21…上側ドラム、22…下側ドラム、23,24…エンドレスベルト、25…熱圧装置、30…繰出部、31…絶縁フィルムロール、32…金属箔ロール32、33…離型フィルムロール、40…巻取部。

Claims (4)

  1. 液晶ポリマーからなる絶縁層と、前記絶縁層の片面又は両面に形成された金属層とを備えるフレキシブル積層板であって、
    前記液晶ポリマーは、融点が250℃を超える液晶ポリマーであるとともに、エチレンテレフタレートとパラヒドロキシ安息香酸を構成単位とする液晶ポリマー、フェノール及びフタル酸とパラヒドロキシ安息香酸を構成単位とする液晶ポリマー、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とパラヒドロキシ安息香酸を構成単位とする液晶ポリマーから選ばれる液晶ポリマーであり、
    JIS C 6471に規定される寸法安定性試験において、加熱温度を250℃とした場合の寸法変化率が±0.05%の範囲内であり、
    前記絶縁層の幅方向における厚みの標準偏差が1.2μm以下であることを特徴とするフレキシブル積層板。
  2. フレキシブル積層板の製造方法であって、
    一対のエンドレスベルト間に、液晶ポリマーからなる絶縁フィルムと金属箔とを連続的に供給し、前記エンドレスベルト間で絶縁フィルムと金属箔とを熱圧着させてフレキシブル積層板を形成する熱圧着工程を有し、
    前記液晶ポリマーは、エチレンテレフタレートとパラヒドロキシ安息香酸を構成単位とする液晶ポリマー、フェノール及びフタル酸とパラヒドロキシ安息香酸を構成単位とする液晶ポリマー、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とパラヒドロキシ安息香酸を構成単位とする液晶ポリマーから選ばれる液晶ポリマーであり、
    前記熱圧着工程において、
    前記フレキシブル積層板の最高温度が、前記絶縁フィルムを構成する液晶ポリマーの融点より45℃低い温度以上、同融点より5℃低い温度以下の範囲となるように前記フレキシブル積層板を加熱するとともに、
    前記エンドレスベルトから搬出される際の前記フレキシブル積層板の出口温度が、前記絶縁フィルムを構成する液晶ポリマーの融点より235℃低い温度以上、同融点より100℃低い温度以下の範囲となるように前記フレキシブル積層板を徐冷することを特徴とするフレキシブル積層板の製造方法。
  3. 前記絶縁フィルムとして、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とパラヒドロキシ安息香酸を構成単位とする液晶ポリマーであって、その融点が250℃を超える液晶ポリマーから構成される絶縁フィルムを用いることを特徴とする請求項2に記載のフレキシブル積層板の製造方法。
  4. 前記金属箔として、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス箔、及び銅とアルミニウムとの合金からなる箔から選ばれる少なくとも一種の金属箔を用いることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のフレキシブル積層板の製造方法。
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