JP6516582B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
上記のような構成において、除電部材と記録材との距離を近づけることで、除電部材と記録材の間で放電を生じやすくし、除電性能を高くすることができる。しかし、このような場合には、ジャム処理時等にユーザが尖った除電部材に触れやすくなるため、安全性が低下することが懸念される。
そこで、特許文献1では、除電部材に隣接する絶縁部材の高さを除電部材よりも高くすることで、安全性を確保しながら除電性能を確保する構成が開示されている。
また、絶縁部材の長手方向(搬送される記録材の幅方向)の幅を狭くすることで、絶縁部材の開口を広くとり、除電部材と記録材表面との間の除電電流量を流れやすくして、除電性能を上げることができる。しかし、安全性確保のためには、絶縁部材の長手方向の幅を所定幅以上確保し、ユーザが除電部材に触れないようにする必要がある。
したがって、絶縁部材の長手方向の幅によって、安全性と除電性能とがトレードオフの関係になってしまい、安全性を確保しつつ、必要な除電性能を確保することが困難であった。
る記録材の除電を行う構成において、安全性を確保しつつ、必要な除電性能を確保することを目的とする。
トナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体との間でニップ部を形成し、前記像担持体に担持されたトナー像を、前記ニップ部で記録材を挟持搬送しながら該記録材に転写する転写部材と、
記録材が搬送される搬送方向で前記ニップ部よりも下流側に配置された導電性を有する除電部材であって、前記ニップ部で挟持搬送される記録材に向かって突出する突起部を有し、前記突起部と前記ニップ部で挟持搬送される記録材との間で除電電界が形成されることで該記録材を除電する除電部材と、
ユーザが前記突起部に触れるのを妨げるように、前記突起部よりも前記搬送方向の上流側かつ前記ニップ部よりも下流側に配置され、前記突起部が突出する突出方向の高さが前記突起部よりも高い凸部と、前記除電電界が形成される空間を構成するための凹部であって、前記突出方向の高さが前記突起部よりも低い底部で構成される凹部とが設けられた、絶縁性を有する絶縁部材と、
を有する画像形成装置において、
前記凸部は、前記ニップ部で挟持搬送される記録材をガイド可能に形成され、
前記搬送方向に直交する記録材幅方向における前記凹部の幅は、前記搬送方向の上流側の端部よりも、前記搬送方向の下流側の端部の方が、小さいことを特徴とする。
[実施例1]
以下に、実施例1について説明する。
図1は、本実施例に係る画像形成装置Mの模式的な縦断面図である。本実施例では、画像形成装置の一例として、電子写真方式のレーザプリンタを用いて説明する。
アモルファスシリコンなどの感光材料を、アルミニウムやニッケルなどで形成されたシリンダ状のドラム基体上に設けて構成したものである。
感光ドラム1は、画像形成装置M本体に回転自在に支持されており、駆動源m1によって図中矢印Rd方向に230mm/秒のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。本実施例では、感光ドラム1の外径は24mmである。
また、画像形成装置M本体の図中下部には、紙などの記録材Pを収納した記録材カセット7が配置されている。また、記録材カセット7から記録材Pの搬送経路に沿って順に、給送ローラ8、搬送ローラ9、トップセンサ10、転写前ガイド17、搬送ガイド11、定着装置12、排出センサ13、搬送ローラ14、排出ローラ15、排出トレイ16が配置されている。
感光ドラム1は、駆動源m1によって図中矢印Rd方向に回転駆動される。回転する感光ドラム1の表面は、帯電ローラ2によって所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に略一様に帯電される。このとき、帯電ローラ2には、図示しない帯電電源(高圧電源)から帯電バイアス(帯電電圧)が印加される。帯電した感光ドラム1の表面は、露光装置3によって、画像情報に基づいた画像露光Lがなされ、露光された部分の電荷が除去されて静電潜像(静電像)が形成される。感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像装置4によってトナー像として現像される。現像装置4は、感光ドラム1に対向する対向部(現像部)にトナーを供給する現像ローラ4aを有する。そして、この現像ローラ4aに、図示しない現像電源(高圧電源)から現像バイアス(現像電圧)が印加されることによって、感光ドラム1上の静電潜像にトナーが付着されて、トナー像として現像(顕像化)される。本実施例では、一様に帯電された後に露光されることで電位の絶対値が低下した露光部に、感光ドラム1の帯電極性と同極性に帯電したトナーを付着させる反転現像方式で、トナー像が形成される。
転写ニップNtでトナー像が転写された記録材Pは、導電性を有する除電部材20によってその表面電荷が除電され、搬送ガイド11に沿って定着装置12に搬送され、ここで未定着トナー像が加熱及び加圧されて記録材Pの表面に定着される。
定着装置12によってトナー像が定着された後の記録材Pは、搬送ローラ14によって搬送され、排出ローラ15によって画像形成装置M本体の図中上面に形成された排出トレイ16上に排出される。このとき、記録材Pは、ジャム(紙詰まり)の有無の確認などのために、排出センサ13によって後端が検知される。
以上の動作を繰り返すことで、次々と画像形成を行うことができる。本実施例においては、連続プリント中の記録材と記録材との搬送路上の距離間隔(紙間)23mm(0.1秒)、毎分45枚のプリントスピードで画像形成が行われる。
本実施例において、除電部材20は、転写バイアスの印加により、高くなった転写後の記録材Pの表面電位を除電する役割を果たす。これにより、記録材P上の沿面放電による画像不良を防止することができる。
図2(a)は、本実施例の画像形成装置の要部の構成を模式的に示したものであり、図2(b)は、転写ニップNtから、除電部材20と、後述する絶縁部材21を見た概略斜視図である。
突起部20aは、図2(a)、図2(b)に示すように、転写ニップNtの長手方向xに並設されている。以下の説明では、転写ニップNtの長手方向xを画像形成装置Mにおける長手方向xとして説明する。この長手方向xは、記録材が搬送される搬送方向(記録材搬送方向)yに直交する記録材幅方向と同じ方向である。なお、除電部材20の構成については特に限定されるものではなく、突起部20aに相当する歯が鋸状に設けられた1つの部材で構成されるものであってもよく、単体(別体)でそれぞれ形成された複数の突起部20aを有するように構成されるものであってもよい。また、除電部材20は本実施例では接地されているが、除電電圧印加手段を設け、除電電圧印加手段により除電部材20に電圧を印加することで、記録材Pの除電を行うように構成してもよい。
これは、絶縁性の高い材料の方が、記録材Pを除電する除電部材20からの電界が分散せず、必要な除電電流を確保しやすいためである。
また、本実施例では、絶縁部材21は、搬送方向yにおいて、除電部材20よりも上流側かつ、転写ニップNtよりも下流側に配置されているが、これに限るものではない。すなわち、絶縁部材21のうち、凸部21aおよび凹部21cを構成する一部領域が、搬送方向yにおいて、除電部材20よりも上流側かつ、転写ニップNtよりも下流側に位置するものであればよい。
図4、図6、図8は、それぞれ比較例1、2、3の画像形成装置の要部の構成を模式的に示したものである。また、図3、図5、図7は、それぞれ本実施例、比較例1、2において、各構成を、高さ方向で上方から見た場合を示した模式図である。なお、比較例の構成においては、説明の便宜上、本実施例の構成と同一の符号を付している。
(本実施例)
図2(a)において、dUは、絶縁部材21の凸部21aの搬送方向yの上流側の端部21a1の長手方向xの幅を示し、dLは、凸部21aの搬送方向yの下流側の端部21a2の長手方向xの幅を示している。また、hUは、凸部21aの搬送方向yの上流側の端部21a1の高さを示し、hLは、凸部21aの搬送方向yの下流側の端部21a2の高さを示し、dWは、凸部21aの搬送方向yの幅を示している。また、hNは、除電部材20の突起部20aと、絶縁部材21の凸部21aとの高さの差分を示している。
図2(a)、図2(b)に示すように、本実施例では、従来構成のように、幅dUと幅dLを同じにするのではなく、幅dLよりも幅dUの方が狭くなるように構成している。
この領域Jは、除電部材20の突起部20aの先端20a1と記録材Pとの間の領域のうち、除電電流が流れる(除電電界が形成される)領域である。そして、領域Jは、図3に示すように、除電部材20の突起部20aの先端20a1から、隣り合う凸部21a同士の間の凹部21cの空間を介して記録材Pに向かって広がっていると捉えることができる。このため、本実施例では説明の便宜上、図3に示す先端20a1における角度θを視野角という。
比較例1の構成は、図4に示すように、特許文献1に記載されるような構成である。すなわち、比較例1では、絶縁部材21の凸部21aを長方形で構成しており、幅dUと幅dLが同じ大きさとなっている。また、絶縁部材21の凸部21aの高さを、除電部材20の突起部20aよりも高くしている。また、図5には、図4に示す比較例1の構成を、高さ方向zで上方から見た場合において、除電部材20で除電可能な領域Jを示している。
(比較例2)
比較例2の構成は、図6に示すように、比較例1の構成に対して、絶縁部材21の凸部21aにおける搬送方向yの幅dWを狭くした構成である。また、図7には、図6に示す比較例2の構成を、高さ方向zで上方から見た場合において、除電部材20で除電可能な領域Jを示している。
(比較例3)
比較例3の構成は、図8に示すように、比較例1に対して、除電部材20の高さは変えずに、絶縁部材21の凸部21aの高さを低くした構成である。
本実施例、比較例1、2、3について、高温高湿環境下(30℃/85%)で、幅dU
、幅dL、幅dW、高さの差分hNと除電電流値を適宜設定し、画像評価、安全性、および記録材の搬送性の関係を調べた。
画像評価は、記録材Pとして、キヤノン株式会社製A4サイズ紙CS−520(坪量52g/m2)を上記環境下でパッケージを未開封のまま密閉した袋に入れた状態で放置し、記録材Pの温度を馴染ませたものを使用して行った。画像評価項目は、水玉画像(転写後の放電による円状または半円状の不良画像)とした。画像評価としては、評価用の種々の画像を出力し、上記項目の画像不良が発生しないものは合格(OK)、発生するものは不合格(NG)とした。その際、除電部材20と接地電位との間に流れる除電電流を測定した。また、安全性の評価は、実用上、安全であるものは合格(OK)、安全性に懸念があるものは不合格(NG)とした。尚、評価画像の形成時には、転写電源18からは約500Vの転写電圧が出力されている。画像評価の結果を表1に示す。
部21aと突起部20aとの間の距離が広がり、絶縁部材21において隣り合う凸部同士の間の距離が広がり、ユーザが除電部材20に触れやすくなったため、安全性はNGとなった。このように、比較例1の構成では、画像品質の確保と安全性の確保を両立させることが困難である。
本実施例では、絶縁部材21の凸部21aは、記録材の搬送をガイドするガイド部材の役割も果たしているが、比較例2の構成では、幅dWを狭めることで、凸部21aがガイド部材の役割を果たせず、記録材Pの搬送性が低下してしまった。このように、比較例2の構成では、画像品質の確保、安全性の確保および搬送性の確保を両立させることは困難である。
本実施例においては、凸部21aの搬送方向yの下流側の端部21a2の幅dLと、高さの差分hNをそれぞれ所定値以上に設定することで安全性を確保したうえで、除電性能がより上がるように構成した。すなわち、本実施例においては、凸部21aを台形あるいはそれ以上の角を持った多角形として捉えることで、幅dLおよび高さの差分hNを所定値以上としたうえで、視野角θを広げることが可能となるため、安全性の確保と除電性能の確保との両立を図ることが可能となる。
、安全性を確保しつつ、必要な除電性能を確保するために、凸部21aと凹部21cが設けられるものであればよい。このためには、長手方向xにおける凹部21cの幅が、搬送方向yの上流側の端部21c1よりも、搬送方向yの下流側の端部21c2の方が、小さく構成されているものであればよい(図2、図3)。
また、本実施例では、像担持体として、感光ドラム1を適用した場合について説明したが、これに限るものではない。すなわち、本発明は、像担持体として中間転写体(中間転写ベルト)を用いた中間転写方式の画像形成装置においても好適に適用できる。中間転写方式の画像形成装置では、感光ドラム上に形成されたトナー像が中間転写体に1次転写され、その後、1次転写されて中間転写体に担持されたトナー像が、ニップ部(転写ニップ)で記録材Pに2次転写されることで、記録材Pに画像が形成される。また、本発明は、単色の画像を形成可能な画像形成装置に限らず、複数色の画像(カラー画像)を形成可能な画像形成装置においても、好適に適用することができる。
以下に、実施例2について説明する。
図9は、本実施例の画像形成装置の要部を、高さ方向zで上方から見た場合を示した模式図である。なお、本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1と実質的に同じであり、実施例1と同様の構成部分については同一の符号を付してその説明は省略する。
このことで、実施例1に対して、除電部材20から記録材Pへの視野角θをより広げることができ、除電性能をより上げることが可能となる。また、記録材の搬送性に関しては、曲面のない実施例1の構成と比べて、記録材Pの先端が引っ掛かりにくくなるため、記録材Pの搬送性の向上も図ることができる。なお、絶縁部材21の凸部21aに曲面を付与することで、絶縁部材21における隣り合う凸部同士の間の距離が広がるため、安全性が低下することが懸念される。このような場合には、絶縁部材21の凸部21aの幅dUを適宜調整するとよい。
以下に、実施例3について説明する。
図10は、本実施例の画像形成装置の要部の構成を模式的に示した図である。なお、本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1、2と実質的に同じであり、実施例1、2と同様の構成部分については同一の符号を付してその説明は省略する。
本実施例では、実施例1、2の構成に対して、さらに、図10に示すように、凸部21aの高さ方向zの大きさを次のように設定している。すなわち、本実施例においては、絶縁部材21の凸部21aにおける、搬送方向yの上流側の端部21a1の高さhUと、下流側の端部21a2の高さhLとが、hU<hLとの関係が成り立つように設定している。
このように、本実施例の構成によれば、除電可能な領域をより広げることができ、除電性能をより向上させることが可能となる。
Claims (5)
- トナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体との間でニップ部を形成し、前記像担持体に担持されたトナー像を、前記ニップ部で記録材を挟持搬送しながら該記録材に転写する転写部材と、
記録材が搬送される搬送方向で前記ニップ部よりも下流側に配置された導電性を有する除電部材であって、前記ニップ部で挟持搬送される記録材に向かって突出する突起部を有し、前記突起部と前記ニップ部で挟持搬送される記録材との間で除電電界が形成されることで該記録材を除電する除電部材と、
ユーザが前記突起部に触れるのを妨げるように、前記突起部よりも前記搬送方向の上流側かつ前記ニップ部よりも下流側に配置され、前記突起部が突出する突出方向の高さが前記突起部よりも高い凸部と、前記除電電界が形成される空間を構成するための凹部であって、前記突出方向の高さが前記突起部よりも低い底部で構成される凹部とが設けられた、絶縁性を有する絶縁部材と、
を有する画像形成装置において、
前記凸部は、前記ニップ部で挟持搬送される記録材をガイド可能に形成され、
前記搬送方向に直交する記録材幅方向における前記凹部の幅は、前記搬送方向の上流側の端部よりも、前記搬送方向の下流側の端部の方が、小さいことを特徴とする画像形成装置。 - 前記突起部は、前記記録材幅方向に複数並設され、
前記凸部および前記凹部は、前記記録材幅方向に沿って交互に配置されるように、それぞれ複数設けられるとともに、前記凹部が各突起部に対向してそれぞれ配置されており、
前記凸部のうち、前記搬送方向の上流側の端部の前記記録材幅方向の幅をdU、前記搬送方向の下流側の端部の前記記録材幅方向の幅をdLとすると、
dU<dL
の関係が成り立つことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記凸部のうち、前記搬送方向の上流側の端部の前記突出方向の高さをhU、前記搬送方向の下流側の端部の前記突出方向の高さをhLとすると、
hU<hL
の関係が成り立つことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記像担持体は、感光体であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記像担持体は、感光体に形成されたトナー像が1次転写される中間転写体であり、
前記中間転写体に担持されたトナー像は、前記ニップ部で記録材に2次転写されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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