JP6514937B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体前部構造、特に車両に対して前方からの軽衝突が生じたときに修理及び修繕箇所の低減を図ることのできる車体前部構造に関する。
車両に対して前方から軽衝突が生じた場合、ラジエータの損傷を防止する構造として、ラジエータは車体に対して支持状態を維持しつつ、車両後方側へ移動可能としたラジエータの支持構造が知られている(特許文献1参照)。
このようなラジエータの支持構造は、溝が形成されて成るブラケットとラジエータの上下に突出するピンに嵌合するマウント部材とを係合させることによってラジエータの支持及び移動を可能にしていた。
特開2008−132960号公報
しかしながら、従来の車体前部構造では、一対のタンクが押圧部材により押圧されることによって、ラジエータを後方へ移動させる形態としていたが、押圧されるタンクに直接取付けられているラジエータに対しても応力が作用してしまうことは避けられなかった。
よって、本発明が解決しようとする課題は、車両に対して前方からの軽衝突が生じたときに修理及び修繕箇所の低減を図ることのできる車体前部構造を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る車体前部構造は、車両の前方側において、ラジエータを囲って配置される枠状のラジエータパネルを備える車体前部構造であって、前記ラジエータパネルは、その側部において前記ラジエータより前方に配置される前面部を有し、前記前面部と前記ラジエータとの間に介設されて前記ラジエータを支持し、前記前面部が前方から押圧されると前記ラジエータを押圧して後方に移動させるブラケットを備え、前記前面部は、前記前面部の下端部から上方に延在する変位部と、前記変位部の上端部から上方に延在する被押圧部と、を備えており、前記変位部の強度は、前記被押圧部の強度よりも小さい
更に、本発明に係る車体前部構造において、前記ラジエータパネルは、前記ラジエータの上方に配置されるラジエータパネルアッパと、前記ラジエータの下方に配置されるラジエータパネルロアと、を有し、前記ラジエータは、左右両側の上下端部において前記ラジエータパネルアッパ及び前記ラジエータパネルロアに向かってそれぞれ延在する取付部を有する車体前部構造において、前記ブラケットは、少なくとも前記ラジエータパネルロアの上面部から離れた位置で、前記取付部を支持することによって前記ラジエータを支持し、前記前面部が前方から押圧されると、前記ブラケットは支持している前記取付部を押圧して前記ラジエータを後方に移動させることが好ましい。
本発明に係る車体前部構造において、前記ラジエータパネルは、その側部において前記前面部から後方に延在する側面部を有し、前記側面部は、前記車両の前後方向に沿って変形可能な脆弱部を有することが好ましい。
車両に対して前方から軽衝突が生じる場合、通常の車両に配置されるバンパビームにまず衝撃が作用する。これにより、バンパビームがラジエータパネルに押し込まれることとなる。
本発明によると、前方から押し込まれるバンパビームはラジエータより前方に配置される前面部に当接する。前面部が後方への応力を受けると、前面部とラジエータとの間に介設されるブラケットがラジエータを後方に押圧する。ラジエータは直接押圧されないので、破損する可能性が低減される。ラジエータが破損し難いので、結果として修理及び修繕箇所を低減可能な車体前部構造を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態が適用された車両における前部を示す斜視図である。 図2は本発明の一実施形態である車体前部構造の斜視図であり、図2(a)は図1に示すラジエータパネルを後方側から視た場合の一部拡大斜視図であり、図2(b)は図2(a)に示すラジエータパネルを更に拡大した斜視図である。 図3は本発明の一実施形態に係る車体前部構造の一部を示す断面図であり、図3(a)は図2(b)に示すZ−Z矢視の断面図であり、図3(b)は図1に示すX−X矢視の断面図である。 図4は、軽衝突が生じる前のラジエータパネル及びその周辺部材を示す、図1のY−Y矢視の断面図である。 図5は、図4に示したラジエータパネル及びその周辺部材に軽衝突が生じた後の状態を示す断面図である。 図6(a)及び図6(b)は、図3に示した車体前部構造の一部に軽衝突が生じた後の状態を示す断面図である。
(基本実施形態の概要)
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
まず、図1を参照しつつ、本発明の一実施形態である車体前部構造について説明する。
なお、図1は、本発明の一実施形態が適用された車両100における前部を示す斜視図である。
図1に示すように、車両100は、その前部においてラジエータパネル1を備える。ラジエータパネル1の左右両側の上部には、車両100の幅方向外側でかつ後方に向かって延在するヘッドライトアッパメンバ101が取付けられている。ヘッドライトアッパメンバ101は、図示しないヘッドライトユニットが装荷される。ヘッドライトアッパメンバ101の後端部には、後方に延在するフロントアッパフレーム102が取付けられる。フロントアッパフレーム102の後端部は、サスペンション等を収容可能な図示しないストラッドタワー等に接続される。
また、車両100の前部において左右両側に一対のフロントサイドフレーム103が配置されている。ラジエータパネル1は、前後方向に延在する一対のフロントサイドフレーム103の間でかつ前端部に取付けられる。フロントサイドフレーム103は、車両100の前部における主要な骨格部材の一つであり、特に前方からの衝突等に起因する衝撃を吸収可能なように高剛性を有する。
フロントサイドフレーム103の前端部に配置されるラジエータパネル1の前方には、バンパビーム104が配置される。バンパビーム104は、車両100の幅方向に延在する梁状部材であり、左右両側の後面部がバンパステー(図1には図示せず)及びラジエータパネルの一部を介してフロントサイドフレーム103に取付けられている。
ラジエータパネル1は、ラジエータを囲って配置される枠状部材であり、ラジエータパネルアッパ2、ラジエータパネルロア3、及びラジエータパネルサイド4を有する。
ラジエータパネルアッパ2は、ラジエータパネル1の上部を形成する梁状の筒型部材である。ラジエータパネルアッパ2は、フロントサイドフレーム103より上方において車両100の幅方向に延在することによって、左右両側に1つずつ配置される一対のヘッドライトアッパメンバ101の前端部を接続している。ラジエータパネル1にラジエータが配置されたときに、ラジエータパネルアッパ2はラジエータの上方に位置する。
ラジエータパネルロア3は、ラジエータパネル1の下部を形成する梁状の筒型部材である。ラジエータパネルロア3は、フロントサイドフレーム103より下方においてラジエータパネルアッパ2と略平行に延在している。ラジエータパネル1にラジエータが配置されたときに、ラジエータパネルロア3はラジエータの下方に位置する。
ラジエータパネルサイド4は、前面部41と、側面部42と、フレーム取付部43とを有する。ラジエータパネルサイド4は、ラジエータパネルアッパ2とラジエータパネルロア3とをそれぞれの左右両側を上下に接続する長尺状部材である。
前面部41は、前方に臨む板状部位であり、ラジエータパネル1の側部においてラジエータより前方に位置するように形成される。
側面部42は、側方に臨む板状部位であり、ラジエータパネル1の側面を構成し、ラジエータパネル1の側部においてラジエータより車両100の幅方向外側に位置するように形成される。側面部42は、前面部41より後方に配置される。
フレーム取付部43は、前方に臨む板状部位であり、フロントサイドフレーム103の前端部に固定されることによって、ラジエータパネル1をフロントサイドフレーム103に固定的に取付けることができる。フレーム取付部43は、側面部42より車両100の幅方向外側に配置される。
車両100の幅方向における前面部41の外側端縁部と側面部42の前端縁部とが接合されていると共に、側面部42の後端縁部とフレーム取付部43の内側端縁部とが接合されている。
なお、本実施形態においては、ラジエータパネルサイド4と同様に、ラジエータパネルアッパ2とラジエータパネルロア3とを上下に接続する部材として、センタメンバ5が設けられている。センタメンバ5は、車両100の幅方向において、ラジエータパネルアッパ2及びラジエータパネルロア3の略中央部に配置される梁状の筒型部材であり、ラジエータパネルアッパ2及びラジエータパネルロア3より後方に形成されている。つまり、ラジエータパネル1にラジエータが配置されたときに、センタメンバ5はラジエータの後方に位置する。
ラジエータパネル1におけるラジエータパネルサイド4とラジエータパネルロア3との接合部にはブラケット6が配置されている。ここで、図2及び図3を参照しつつブラケット6について説明する。
なお、図2は本発明の一実施形態である車体前部構造の斜視図であり、図2(a)は図1に示すラジエータパネル1を後方側から視た場合の一部拡大斜視図であり、図2(b)は図2(a)に示すラジエータパネル1を更に拡大した斜視図である。また、図3は本発明の一実施形態に係る車体前部構造の一部を示す断面図であり、図3(a)は図2(b)に示すZ−Z矢視の断面図であり、3(b)は図1に示すX−X矢視の断面図である。
図2(a)に示すように、ブラケット6は、その前端部がラジエータパネルサイド4における前面部41の後面側に固定され、後方に延在し、ラジエータパネルロア3の上面部に近接した位置でラジエータを支持し、後端部がラジエータパネルロア3の後端縁部に固定されている。
図2(b)に示すように、ブラケット6は、全体的に板状を成す部材であり、前面部41とラジエータRとの間に介設される。ブラケット6は、ラジエータパネルサイド取付部61と、伝達部62と、支持部63と、延在部64と、ラジエータパネルロア取付部65とを有する。
ラジエータパネルサイド取付部61は、ラジエータパネルサイド4の前面部41の後面側に対して、溶接等の適宜の固定手段によって固定的に取付けられる部位である。
伝達部62は、ラジエータパネルサイド取付部61の後端部から後方に、かつラジエータパネルロア3の上面部に近付くように下方に延在する板状部位である。伝達部62は、ラジエータパネルサイド取付部61が前面部41から受ける応力を後方に伝達する。
支持部63は、伝達部62の後端部においてラジエータパネルロア3の上面部に近接して形成される、上方に開口して成る環状部位である。支持部63は、後述のラジエータRの取付部105を支持する。
延在部64は、ラジエータパネルロア3の上面部及び後面部に沿って、支持部63の後端部から後方及び下方に延在する板状部位である。
ラジエータパネルロア取付部65は、ラジエータパネルロア3の後端縁部に対して、溶接等の適宜の固定手段によって固定的に取付けられる部位である。
伝達部62及び支持部63は、車両100の走行に起因する振動及び衝撃等、並びに軽衝突では変形しない又はし難い程度の強度を有するように、板厚を大きく設定して形成されている。また、延在部64は、伝達部62及び支持部63を介して前方から応力が伝達されると後方へ変位可能なように、ラジエータパネルロア3の上面部には固定されない。
ラジエータパネル1にラジエータRを配置すると、図3(a)及び図3(b)に示す状態となる。
図3(a)に示すように、ラジエータパネルサイド4の前面部41は、変位部411及び被押圧部412を有する。変位部411は、前面部41の下端部から上方に延在する部位である。前面部41の下端部は、ラジエータパネルロア3の前部に対して溶接等によって固定的に取付けられる。また、被押圧部412は、変位部411の上端部から上方に延在する部位であり、衝突の際に後方に移動するバンパビーム104によって押圧される。
なお、図示しないが、変位部411は、ラジエータパネルアッパ2の前部に固定される前面部41の上端部から下方に延在する部位にも形成されている。つまり、本実施形態においては、前面部41の上下端部近傍にはそれぞれ変位部411が形成されると共に、該変位部411の間には被押圧部412が形成される。
変位部411と被押圧部412とは強度に差異を設けて形成される。本実施形態においては、変位部411の強度は、被押圧部412の強度よりも小さく設定されている。具体的には、変位部411は、車両100の走行に起因する振動及び衝撃等では不可逆的な変形はせず、軽衝突で変形し易い程度の強度を有する。被押圧部412は、軽衝突では変形しない又はし難い程度の強度を有する。強度差を生じさせる方法としては、例えば前面部41における変位部411と被押圧部412とで板厚を変える方法等を挙げることができる。
図3(a)に示すように、ラジエータRには取付部105が設けられている。取付部105は、車両100の左右両側のラジエータRの上下端部において、ラジエータパネルアッパ2及びラジエータパネルロア3に向かって突出する部材であり、取付ピン106及び弾性部材107を有する。
取付ピン106は、ラジエータRの上下端面部から上下方向に突出する棒状部位である。また弾性部材107は、エラストマー等を含有することによって弾性を有する略環状部材であり、中心部分に形成される貫通孔を取付ピン106が挿通している。
ラジエータRが取付部105を介してラジエータパネル1に装荷されると、弾性部材107の弾性によりラジエータパネル1からラジエータRに対して走行等に起因する振動及び衝撃等がある程度低減される。これにより、ラジエータRの安定的な支持が可能となる。
図3(a)に示すように、取付部105は、ブラケット6の支持部63に形成される貫通孔と、ラジエータパネルロア3の上面部に形成される開口部31と、を挿通している。
従来であれば、取付部105がラジエータパネルロア3の上面部及びラジエータパネルアッパ2の下面部に略固定されることによって、ラジエータRの支持状態が実現される。
しかしながら、本実施形態においては、取付部105は開口部31には先端部が挿入されているに留まっており、弾性部材107の周面は開口部31に当接していない。つまり、ラジエータRは、ラジエータパネルロア3の上面部によっては支持されていない。
これに対して、ブラケット6の支持部63が、取付部105をラジエータパネルロア3の上面部から離れた位置で支持している。換言すると、ブラケット6はラジエータRをラジエータパネルロア3から浮かせた状態で支持している。つまり、図3(a)に示すように、ラジエータRの一部は、ブラケット6を介してラジエータパネルサイド4の前面部41に支持されていることになる。
なお、本実施形態においては取付部105の下端部をラジエータパネルロア3の上面部に形成した開口部31に挿入しているが、本発明においては該開口部31を設けることなく、ブラケットの支持部のみでラジエータパネルロアの上面部から離れた位置で支持しても良い。
図3(b)に示すように、ラジエータパネルサイド4は、2枚の板状部材で構成されている。具体的には、一方の板状部材は、上下方向に沿って略直角に折曲され、前面部41と側面部42の前方側とを構成する。他方の板状部材は、上下方向に沿って略直角に折曲され、側面部42の後方側とフレーム取付部43とを構成する。側面部42において、一方の板状部材と他方の板状部材との一部が重ね合わされ、溶接等の適宜の固定手段によって固定されている。また、フレーム取付部43は、フロントサイドフレーム103の前端部に対して、溶接、又は、ボルト及びナット等の締結手段によって固定される。
本実施形態において、前面部41と側面部42とは強度に差異を設けて形成される。前面部41の強度は、側面部42の強度よりも大きく設定されている。具体的には、前面部41の特に被押圧部412は、上述したように軽衝突では変形しない又はし難い程度の強度を有する。側面部42は、車両100の走行に起因する振動及び衝撃等では不可逆的な変形はせず、軽衝突で変形し易い程度の強度を有する。側面部42は、前面部41より小さい強度を有するために、車両100の前後方向にそって変形可能な脆弱部を有するのが好ましい。脆弱部としては、例えば図1及び図2に示したように側面部42にネジ止め等では使用せずに変形させるための貫通孔を設ける形態、又は、板厚を前面部41より小さくする形態等を挙げることができる。
(軽衝突が生じた場合の作用)
ここで、図4〜図6を参照しつつ、上述したラジエータパネル1に対して軽衝突が生じた場合について説明する。
なお、図4は、軽衝突が生じる前のラジエータパネル1及びその周辺部材を示す、図1のY−Y矢視の断面図である。図5は、図4に示したラジエータパネル1及びその周辺部材に軽衝突が生じた後の状態を示す断面図である。図6(a)及び図6(b)は、図3に示した車体前部構造の一部に軽衝突が生じた後の状態を示す断面図である。
軽衝突が生じる前は、図4に示すように、フロントサイドフレーム103の前方にバンパステー108が前後方向に延在し、該バンパステー108の前端部にバンパビーム104が取付けられている。バンパステー108は、軽衝突が生じた場合にバンパビーム104を介して前方から応力が入力されると、前後方向に変形可能なように形成されている。
また、図4では破線で示すラジエータRは、ラジエータパネルサイド4の前面部41とラジエータパネルロア3とに固定されるブラケット6によって支持されている。
図4に示すラジエータパネル1及びその周辺部材に対して軽衝突が生じるとする。
なお、本実施形態において想定している軽衝突は、衝突体が車両100の前後方向に対して若干傾斜した状態で、バンパステー108とバンパビーム104との接続部位近傍に対して比較的低速で押し込まれる衝突形態である。つまり、バンパステー108の前端部近傍に入力が生じるので、車両100の幅方向において軽衝突が生じた側のラジエータパネル1の側部に対して、バンパビーム104が押し込まれることになる。これにより、従来においては、軽衝突が生じた側のラジエータRの側部がラジエータパネルの側部を介して共に応力を受けていた。
本実施形態では、軽衝突が生じると、図5に示すようにバンパステー108が圧縮、折曲及び屈曲等の変形を生じることによってバンパステー108の前後方向の長さが小さくなる。バンパビーム104は、前後方向にある程度の変形を生じつつ、その後端部がラジエータパネルサイド4の前面部41に当接する。バンパビーム104によって押圧されるラジエータパネル1については図6を参照しつつ詳述する。
なお、図5に示すように、軽衝突等の比較的小さい衝撃しか生じない衝突では、フロントサイドフレーム103に応力が吸収され、フロントサイドフレーム103自体の変形はほとんど生じない。
図6(a)に示すように、前面部41がバンパビーム104から後方への応力を入力されると、バンパビーム104が当接する被押圧部412はほとんど変形することなく、主に変位部411に折れ変形及び曲がり変形等が生じて変位することとなる。本実施形態においては、変位部411は、図6(a)に示すように、例えば変位部411と被押圧部412との間の折曲部分の折曲角度が略180°反転するような後方への変位が生じる。なおこのとき、ラジエータパネルアッパ2の前部近傍に形成される上方の変位部411も、図6(a)に示す変位形態と同様に、後方への変位を生じる。
したがって、変位部411の後方への変位によって、被押圧部412は車両100の上下方向に対して略平行な姿勢を大きく崩すことなく、後方へ平行移動することとなる。
更に、図6(a)に示すように、被押圧部412が後方に移動すると、ブラケット6が後方に押圧される。ブラケット6のラジエータパネルサイド取付部61が前面部41の被押圧部412から後方への応力を受けると、伝達部62が支持部63に後方への応力を伝達する。延在部64は変位可能であることと、支持部63はラジエータRの取付部105をラジエータパネルロア3の上面部から離れた位置で支持していることとによって、支持部63が後方への応力を受けると、支持部63及び延在部64が後方へ変位する。
つまり、支持部63はラジエータRを支持しつつ、伝達部62によってラジエータRを後方に押圧する。
伝達部62は変形し難いように形成されているので、ラジエータRの後方への移動量は、被押圧部412の後方への移動量と略同等となる。よって、車両100の前後方向において、軽衝突が生じる前の前面部41の被押圧部412とラジエータRとの距離は、軽衝突が生じた後の被押圧部412とラジエータRとの距離と略同一に維持される。つまり、本実施形態においては、軽衝突が生じると前面部41、ブラケット6及び取付部105を介してラジエータRが確実に後方に移動するので、ラジエータRに対してバンパビーム104等から衝突に起因する衝撃が直接作用しない。なお、仮にブラケット6が後方に押圧する取付部105を破損させたとしても、冷却フィン等が配置されるラジエータ本体にはほとんど影響を及ぼさない。
したがって、車両100に対して前方からの軽衝突が生じたときに、ラジエータRの破損を防止することができるので、修理及び修繕箇所の低減を図ることができる。
また、図6(b)に示すように、前面部41がバンパビーム104から後方への応力を入力されると、側面部42が脆弱部の変形によって前後方向に圧縮される。側面部42が前後方向に変形し易い脆弱部を有することによって、前面部41の後方への移動が阻害されない。これにより、前面部41が後方に押圧され、更にブラケット6を介してラジエータRを後方に移動させるという、ラジエータRの破損防止形態が円滑に達成されるので好ましい。
更に、側面部42が脆弱部を有することにより、軽衝突に起因する衝撃の一部を側面部42において吸収することができる。つまり、前面部41を直接押圧するバンパビーム104から入力される応力は、前面部41及びラジエータRの後方への移動と、側面部42の変形とによって好適に吸収可能である。
なお、バンパステー108の後端部がフレーム取付部43を介してフロントサイドフレーム103の前端部に当接しているので、バンパステー108が変形しつつ後方に押し込まれる応力はフロントサイドフレーム103が吸収することができる。
従来において、車両100の前後方向に対して傾斜した衝突体による軽衝突が生じた場合、ヘッドライトアッパメンバ101が変形し易いので、車両100の幅方向において衝突が生じた側のラジエータパネル1の上方が後方に移動し易い。しかしながら、高剛性のフロントサイドフレーム103によって、衝突が生じた側のラジエータパネル1の下方は後方に移動し難くなっていた。
したがって、前後方向に対して傾斜した衝突体による軽衝突が生じた場合、ラジエータパネル1内に配置されるラジエータRは、衝突が生じた側の上方のみが後方に押圧されるので、歪み及びねじれ変形が生じ易くなっていた。
本実施形態においては、ブラケット6はラジエータRの下方の取付部105、つまり図3(a)に示す取付部105に装着している。フロントサイドフレーム103によって後方へ移動し難いラジエータパネル1の下方にブラケット6を配置することによって、ラジエータRの上方はヘッドライトアッパメンバ101によって後方に移動し易く、ラジエータRの下方は前面部41及びブラケット6によって後方に移動し易くなる。つまり、ラジエータRは、衝突が生じた側の上下共に後方に押圧されるので、歪み及びねじれ変形が生じ難くなる。したがって、ラジエータR及びラジエータパネル1等の破損の可能性の低減を図ることができる。
もっとも、ブラケット6をラジエータRにおける上下の取付部105のいずれにも装着することによって、ラジエータRの後方への移動量を上下で均一化することもできる。これにより、ラジエータR及びラジエータパネル1等の破損の可能性をより一層低減することができる。
以上のように、本実施形態においては、ラジエータパネルサイド4においてラジエータRが破損し得る応力を、ラジエータ本体に直接作用させずに取付部105に作用させつつ、一部を吸収すると共に、ラジエータパネル1及びラジエータRの上下間における後方への移動のし易さの差異をブラケット6によって補正する。よって、ラジエータパネル1全体とブラケット6とによって、ラジエータRの破損を防止可能であり、修理及び修繕箇所の低減を図ることができる。
更に、本実施形態においては、ラジエータパネルサイド4の前面部41は、前面部41全体がその形状を保持しつつ後方に押し込まれるのではなく、変位部411の変位によって被押圧部412が後方に押し込まれる。これにより、ラジエータパネルサイド4の上下端部が固定的に取付けられているラジエータパネルアッパ2及びラジエータパネルロア3の各前部に対して、ラジエータパネルサイド4から過度の応力が作用し難くなっている。よって、ラジエータRの破損だけでなく、ラジエータパネルアッパ2及びラジエータパネルロア3の破損も防止又は低減することができることとなるので、修理及び修繕箇所の低減をより一層図ることができる。
なお、図3(a)に示したように、軽衝突が生じる前は、取付部105の先端部がラジエータパネルロア3の上面部における開口部31に挿入されていた。弾性部材107はエラストマー等の合成樹脂製であるので、取付部105がブラケット6により押圧されて弾性部材107が開口部31から脱離して後方に移動する際に、開口部31及びその周辺部位に対して不可逆的な変形又は破断が生じることは無い又は少ない。
よって、軽衝突が生じると、取付部105の先端部は開口部31から容易に脱離し、ラジエータRの後方への移動を阻害することはない。
本実施形態においては、ブラケット6の支持部63より後方には延在部64及びラジエータパネルロア取付部65が形成されているが、支持部63の後方にラジエータパネルロア3の上面部に当接する又は接着等によって仮止めされる足部が形成されていても良い。該足部は、軽衝突の際に、ラジエータパネルロア3の上面部を摺動するように形成されていれば、支持部63の後方への移動を阻害しないので本発明の目的は達成される。
本実施形態においては、ブラケット6のラジエータパネルロア取付部65は、軽衝突の際に、支持部63及び延在部64によって後方に押圧されると、固定状態が解除されてラジエータパネルロア取付部65から脱離するようになっていても良い。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により、本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
1:ラジエータパネル、2:ラジエータパネルアッパ、3:ラジエータパネルロア、31:開口部、4:ラジエータパネルサイド、41:前面部、411:変位部、412:被押圧部、42:側面部、43:フレーム取付部、5:センタメンバ、6:ブラケット、61:ラジエータパネルサイド取付部、62:伝達部、63:支持部、64:延在部、65:ラジエータパネルロア取付部、100:車両、101:ヘッドライトアッパメンバ、102:フロントアッパフレーム、103:フロントサイドフレーム、104:バンパビーム、105:取付部、106:取付ピン、107:弾性部材、108:バンパステー、R:ラジエータ

Claims (3)

  1. 車両の前方側において、ラジエータを囲って配置される枠状のラジエータパネルを備える車体前部構造であって、
    前記ラジエータパネルは、その側部において前記ラジエータより前方に配置される前面部を有し、
    前記前面部と前記ラジエータとの間に介設されて前記ラジエータを支持し、前記前面部が前方から押圧されると前記ラジエータを押圧して後方に移動させるブラケットを備え
    前記前面部は、
    前記前面部の下端部から上方に延在する変位部と、
    前記変位部の上端部から上方に延在する被押圧部と、
    を備えており、
    前記変位部の強度は、
    前記被押圧部の強度よりも小さい、
    車体前部構造。
  2. 前記ラジエータパネルは、前記ラジエータの上方に配置されるラジエータパネルアッパと、前記ラジエータの下方に配置されるラジエータパネルロアと、を有し、
    前記ラジエータは、左右両側の上下端部において前記ラジエータパネルアッパ及び前記ラジエータパネルロアに向かってそれぞれ延在する取付部を有する車体前部構造において、
    前記ブラケットは、少なくとも前記ラジエータパネルロアの上面部から離れた位置で、前記取付部を支持することによって前記ラジエータを支持し、
    前記前面部が前方から押圧されると、前記ブラケットは支持している前記取付部を押圧して前記ラジエータを後方に移動させる、
    請求項1に記載の車体前部構造。
  3. 前記ラジエータパネルは、その側部において前記前面部から後方に延在する側面部を有し、
    前記側面部は、前記車両の前後方向に沿って変形可能な脆弱部を有する、
    請求項1又は2に記載の車体前部構造。
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