JP6514931B2 - 光ファイバ付きフェルール及び光コネクタシステム - Google Patents

光ファイバ付きフェルール及び光コネクタシステム Download PDF

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Description

本発明は、光ファイバ付きフェルール及び光コネクタシステムに関する。
横並びの複数の光ファイバ穴の両側にガイドピン穴を持つピン嵌合位置決め方式の樹脂製のフェルールとして、JIS C 5981(F12形多心光ファイバコネクタ:MTコネクタ)に規定されたフェルールが知られている。この種のフェルールでは、対向させたフェルールの接続端面を突き合わせることによって、接続端面の光ファイバ端面が物理的に接続(Physical Contact)されることになる。JIS C 5982(F13形多心光ファイバコネクタ:MPOコネクタ)では、フェルールの接続端面が斜め研磨されている。例えば特許文献1の図6においても、フェルールの接続端面を斜め研磨したものが記載されている。フェルールの接続端面が斜め研磨されることにより、光ファイバの端面も斜め研磨され、反射減衰量の特性が向上する。
特許文献2では、斜め研磨された接続端面を突き合わせたときに、光ファイバの軸ずれが生じることが記載されている。このような光ファイバの光軸ずれに起因する光損失の増大を抑制するため、特許文献3では、フェルールにコリメートレンズを形成することが記載されている。
特開2002−006177号公報 特開2005−181832号公報 特開2011−059486号公報
特許文献3記載のフェルールは、レンズを必要とするため、樹脂成形が困難であり、製造コストがかかってしまう。一方、フェルールにレンズを形成せずにMFD(Mode Field Diameter)が小さい状況下では、光ファイバの軸ずれが生じると光損失が増大するとともに、光ファイバの端面に付着した塵埃による光損失も生じやすい。なお、フェルールの接続端面や光ファイバの端面が斜め研磨されていない場合にも、フェルールにレンズを形成せずにMFD(Mode Field Diameter)が小さい状況下では、光損失が増大しやすくなるという課題は生じ得る。
本発明は、フェルールにレンズを設けずに、光損失を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、位置決め穴と、複数のファイバ穴と、前記ファイバ穴の軸方向に垂直な端面とを有するフェルールと、光ファイバの先にGRINレンズが融着接続されたレンズドファイバと、前記光ファイバを伝搬する光を透過可能な平板であって、前記フェルールの前記端面に取り付けられて、前記ファイバ穴に挿入された前記レンズドファイバの端面が突き当てられる平板と、を有し、前記フェルールには、前記フェルールの前記端面から凹んだ凹所が形成されており、前記凹所には、前記平板の内側の面と対向し複数の前記ファイバ穴が開口するファイバ穴開口面と、底面と、左右の側面とが形成されているとともに、前記ファイバ穴開口面の上縁から前記平板の側に突出し前記平板の上縁と接触する突出部が形成されており、前記平板の下縁と左右の縁は、前記凹所の形成された前記フェルールの端面と接触するとともに、前記平板の上縁が前記突出部と接触し、前記平板、前記ファイバ穴開口面、前記底面及び前記側面で囲まれた空間に屈折率整合剤が充填されることを特徴とするファイバ付きフェルールである。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、フェルールにレンズを設けずに、光損失を抑制することができる。
図1は、レンズドファイバ1とフェルール10の端面(第1端面11A)の説明図である。 図2A及び図2Bは、第1実施形態のフェルール10の斜視図である。図2Bは、図2Aの平板を外した状態の斜視図である。 図3は、第1実施形態のフェルールの説明図である。 図4は、光接続時の様子の説明図である。 図5は、光ファイバ付きフェルール10の製造方法のフロー図である。 図6は、第2実施形態のフェルール10の斜視図である。 図7は、第2実施形態のフェルール10の説明図である。 図8A及び図8Bは、第2実施形態の光接続時の様子の説明図である。図8Aは、光ファイバ付きフェルール10を有する光コネクタ21をアダプタ22の両側から挿入した光コネクタシステム20の説明図である。図8Bは、アダプタ22内におけるフェルール10の位置関係の説明図である。 図9は、第3実施形態における光ファイバ付きフェルール10の製造方法のフロー図である。 図10は、固形屈折率整合材のシートの硬度と厚さの関係の説明図である。 図11は、第4実施形態のレンズドファイバ1とフェルール10の端面11の説明図である。 図12Aは、第4実施形態のフェルール10の説明図である。図12Bは、第4実施形態のフェルール10の光接続時の様子の説明図である。
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
位置決め穴と、複数のファイバ穴と、前記ファイバ穴の軸方向に垂直な端面とを有するフェルールと、光ファイバの先にGRINレンズが融着接続されたレンズドファイバと、前記光ファイバを伝搬する光を透過可能な平板であって、前記フェルールの前記端面に取り付けられて、前記ファイバ穴に挿入された前記レンズドファイバの端面が突き当てられる平板と、を有し、前記フェルールには、前記フェルールの前記端面から凹んだ凹所が形成されており、前記平板及び前記凹所で囲まれた空間に屈折率整合剤が充填されることを特徴とするファイバ付きフェルールが明らかとなる。このようなファイバ付きフェルールによれば、フェルールにレンズを設けずに光損失を抑制することができる構成になるとともに、その構成において屈折率整合剤の充填作業を容易できる。
前記平板の外側の面には、反射防止膜が形成されていることが望ましい。これにより、反射減衰量を抑制できる。
前記フェルールは、相手側のフェルールと接触する接触端面であって、前記平板の取り付けられる前記端面及び前記平板よりも前記相手側のフェルールの側に突出した接触端面を有することが望ましい。これにより、相手側のフェルールとの間にスペーサなどの別部材を配置せずに済む。
前記凹所には、前記平板の内側の面と対向し、複数の前記ファイバ穴が開口するファイバ穴開口面が形成されており、前記ファイバ穴開口面から前記平板の側に突出し、前記平板の縁と接触する突出部が形成されていることが望ましい。これにより、平板の歪みを抑制できる。
前記平板の内側の面には、前記レンズドファイバの端面を突き当てると表面が変形する固形屈折率整合材が配置されていることが望ましい。これにより、レンズドファイバの端面に気泡が形成されにくくなる。
前記固形屈折率整合材の両面が粘着性を有することが望ましい。これにより、平板及びレンズドファイバの端面から固形屈折率整合材が剥離しにくくなる。
前記固形屈折率整合材のショアA硬度及び厚さが、ショアA硬度が0,厚さが30μmの点、ショアA硬度が70、厚さが30μmの点、ショアA硬度が70、厚さが50μmの点、ショアA硬度が0、厚さが150μmの点の4点で囲まれる範囲内であることが望ましい。これにより、固形屈折率整合材に突き当てられたレンズドファイバの端面に気泡が形成されにくくなる。
2つの光コネクタを光接続する光コネクタシステムであって、それぞれの前記光コネクタは、位置決め穴と、複数のファイバ穴と、前記ファイバ穴の軸方向に垂直な端面とを有するフェルールと、光ファイバの先にGRINレンズが融着接続されたレンズドファイバと、前記光ファイバを伝搬する光を透過可能な平板であって、前記フェルールの前記端面に取り付けられて、前記ファイバ穴に挿入された前記レンズドファイバの端面が突き当てられる平板と、を有し、前記フェルールは、前記フェルールの前記端面から凹んだ凹所が形成されており、前記平板及び前記凹所で囲まれた空間に屈折率整合剤が充填されており、前記光コネクタの前記平板同士が所定の間隔で対向して配置されることを特徴とする光コネクタシステムが明らかとなる。このような光コネクタシステムによれば、フェルールにレンズを設けずに光損失を抑制できる構成になるとともに、その構成において屈折率整合剤の充填作業を容易できる。
前記フェルールは、相手側のフェルールと接触する接触端面であって、前記平板の取り付けられた前記端面及び前記平板よりも前記相手側のフェルールの側に突出した接触端面を有し、前記フェルールの前記接触端面が前記相手側のフェルールの接触端面に接触することによって、前記平板同士が所定の間隔で対向して配置されることが望ましい。これにより、相手側のフェルールとの間にスペーサなどの別部材を配置せずに済む。
前記フェルールがスペーサに接触することによって、前記平板同士が所定の間隔で対向して配置されることが望ましい。これにより、所定の間隔でフェルールを対向させることができる。
位置決め穴と、複数のファイバ穴と、前記ファイバ穴の軸方向に垂直な端面とを有するフェルールと、光ファイバの先にGRINレンズが融着接続されたレンズドファイバと、前記光ファイバを伝搬する光を透過可能な平板であって、外側の面には反射防止膜が形成されており、内側の面が前記ファイバ穴に挿入された前記レンズドファイバの端面と対向するように前記フェルールの前記端面に取り付けられた平板とを有することを特徴とするファイバ付きフェルールが明らかとなる。このようなファイバ付きフェルールによれば、フェルールにレンズを設けずに、光損失を抑制することができる。
前記GRINレンズの先には、コアレスファイバが融着接続されており、前記ファイバ穴から突出した前記レンズドファイバの端部が研磨された後に前記平板が前記端面に取り付けられていることが望ましい。これにより、レンズドファイバの端面と平板との間の隙間を微小にできるため、レンズドファイバの端面と平板との間に屈折率整合剤を充填したときに、レンズドファイバの端面に気泡が形成されにくくなる。
===第1実施形態===
<レンズドファイバ1とフェルール10の端面について>
図1は、レンズドファイバ1とフェルール10の端面(第1端面11A)の説明図である。なお、説明を分かりやすくするために、寸法や角度が誇張されて図示されている。
レンズドファイバ1は、シングルモード光ファイバ2及びGRINレンズ3を有し、シングルモード光ファイバ2の先にGRINレンズ3が融着接続された光ファイバである。
GRINレンズ3は、中心軸から外周に向かって徐々に屈折率が小さくなっている屈折率分布型レンズである。グレイデッドインデックス光ファイバも中心軸から外周に向かって徐々に屈折率が小さいので、GRINレンズ3としてグレイデッドインデックス光ファイバを用いることができる。また、GRINレンズ3は、コリメータレンズとして機能するように、所定長さになっている。具体的には、GRINレンズ3は、1周期分の定在波の長さであるピッチ長を(2n+1)/4倍した長さになっており(なお、nは0以上の整数)、ここでは、GRINレンズ3の長さは例えば590μmである。これにより、シングルモード光ファイバ2からGRINレンズ3に入射する光は、GRINレンズ3内で平行光に変換されて、GRINレンズ3から放射される。逆に、GRINレンズ3に入射する平行光は、GRINレンズ3内で収束されて、GRINレンズ3からシングルモード光ファイバ2に入射される。
GRINレンズの先には、光信号を透過可能な平板30が配置されている。平板30は、レンズドファイバ1の端面が突き当てられた状態で、レンズドファイバ1の光軸に垂直に配置されている。フェルール10の端面(第1端面11A)がレンズドファイバ1の光軸に垂直であるため、フェルール10の第1端面11Aに平板30を配置することによって、平板30がレンズドファイバ1の光軸に垂直に配置されることになる。
平板30とレンズドファイバ1の端面との間には、屈折率整合剤が充填されている。これは、レンズドファイバ1の端面と平板30との間に隙間が生じることがあるためである。屈折率整合剤の屈折率は、レンズドファイバ1や平板30の屈折率(ガラスの屈折率)と同程度に調整されている。言い換えると、屈折率整合剤の屈折率は、空気の屈折率よりも、レンズドファイバ10や平板30の屈折率と近くなるように調整されている。このため、屈折率整合剤を充填することによってフレネル反射を抑えることができる。
次に、2本のレンズドファイバ1を伝搬する光信号の経路について説明する。ここでは、光信号が左側のレンズドファイバ1から右側のレンズドファイバ1に伝搬するものとして説明する。
左側のレンズドファイバ1を伝搬した光信号は、屈折率整合剤及び平板30を介して、平板30の外側の面から右側に向かって出射する。空気中を伝搬した光信号は、右側の平板30に入射する。右側の平板30に入射した光信号は、平板30及び屈折率整合剤を介して右側のレンズドファイバ1内を伝搬する。
空気中を伝搬する光信号は、完全な平行光ではなく、光路中で径が細くなるように光路の中央部でビームウエストが形成されている。このような場合には、レンズドファイバ1の端面同士の間隔を所定の間隔にすることが望ましい。以下の説明では、左右のレンズドファイバ1を光接続するためのフェルール10の第1端面11A同士の間隔(レンズドファイバ1の光軸方向の間隔)をLとする。
本実施形態では、フェルール10にレンズを形成せずに済むため、フェルール10の製造が容易である。また、フェルール10間を伝搬する光信号のMFD(Mode Field Diameter)が大きいため、レンズドファイバ1の光軸ずれが多少生じても光損失を抑制できるとともに、レンズドファイバ1の端面に付着した塵埃による光損失も抑制できる。また、フェルール10の第1端面11A同士を接触させずに済むとともに、レンズドファイバ1の端面同士も直接接触しないため、通常のMTフェルール同士のPC接続と比べると、フェルール10の第1端面11Aやレンズドファイバ1の端面が損傷しにくいという利点もある。また、平板30同士も直接接触しないため、反射防止処理された平板30のコーティングが損傷しにくいという利点もある。
<フェルール10について>
図2A及び図2Bは、第1実施形態のフェルール10の斜視図である。図2Bは、図2Aの平板を外した状態の斜視図である。図3は、第1実施形態のフェルールの説明図である。図3では、説明のため、側面図におけるフェルール10を一部断面とし、ファイバ穴15にレンズドファイバ1を挿入した状態で示している。
以下の説明では、2つの位置決め穴13の並ぶ方向を「左右方向」とする。また、位置決め穴13の軸方向を「前後方向」とし、相手側のフェルール10と対向する側を「前」とし、逆側を「後」とする。また、左右方向及び前後方向に垂直な方向を「上下方向」とし、接着剤充填窓16の設けられた側を「上」とし、逆側を「下」とする。
フェルール10は、レンズドファイバ1の端部を保持する部材である。フェルール10の後側には、鍔部12が形成されている。鍔部12は、外周面から外側に突出した部位である。鍔部12を含むフェルール10は、樹脂により一体成型されている。フェルール10の内部において、複数のレンズドファイバ1の端部が保持されることになる。なお、本実施形態のフェルール10は、JIS C 5982(F13形多心光ファイバコネクタ:MPOコネクタ)で規定されたフェルールとほぼ同様の構成であり、位置決め穴13やファイバ穴15等の寸法や位置関係は、規格で規定された通りである。但し、フェルール10には、後述するスペーサ部111や凹所17が形成されている。
フェルール10は、2本の位置決め穴13と、複数のファイバ穴15と、接着剤充填窓16とを有する。また、フェルール10は、第1端面11Aに取り付けられた平板30を有する。また、フェルール10は、第1端面11A及び平板30よりも前側(相手側のフェルールの側)に突出した第2端面11B(スペーサ部111の端面)を有する。また、フェルール10の第1端面11Aには凹所が形成されている。以下、各構成要素について説明する。
位置決め穴13は、位置決めピン14(図4参照)を挿入するための穴である。位置決め穴13及び位置決めピン14は、フェルール10の位置決めを行う位置決め部となる。位置決め穴13に位置決めピン14を挿入することによって、フェルール10同士が位置合わせされる。位置決め穴13は、前後方向にフェルール10を貫通しており、複数のファイバ穴15を左右から挟むように、左右方向に間隔を空けて形成されている。
ファイバ穴15は、レンズドファイバ1の端部を挿入するための穴である。ファイバ穴15には、図1に示すようにレンズドファイバ1が挿入されることになる。ファイバ穴15は、フェルール10の前側の端面(ここではファイバ穴開口面17A)と接着剤充填窓16との間を貫通している。ファイバ穴15は前後方向に平行に形成されている。ここでは、複数のファイバ穴15が2次元滴に配置されている。具体的には、左右方向に12個に並ぶファイバ穴15の列が上下方向に4列で配置されている。但し、複数のファイバ穴15が左右方向に並んで1列に配置されていても良い。ファイバ穴15は、フェルール10の内部において光路を形成する部位となり、レンズドファイバ1の光軸と平行な穴となる。
接着剤充填窓16は、接着剤を充填するための空洞部である。フェルール10の後側端面にはレンズドファイバ1を挿入するためのファイバ挿入口(不図示)が形成されており、このファイバ挿入口から挿入されたレンズドファイバ1は、接着剤充填窓16を横切って、ファイバ穴15に挿入されることになる。接着剤充填窓16から接着剤が充填されることによって、レンズドファイバ1がフェルール10に固定されることになる。
フェルール10の前側の第1端面11Aに平板30が取り付けられている。ファイバ穴15の開口は平板30に対向することになる。
フェルール10の前側の第1端面11Aは、ファイバ穴15の軸方向に対して垂直である。このため、フェルール10の前側の第1端面11Aは、ファイバ穴15に挿入されたレンズドファイバ1の光軸に対しても垂直になる。これにより、レンズドファイバ1の光軸に対して平板30を垂直に配置することが容易になる。なお、レンズドファイバ1の端面は光軸に垂直であるため、フェルール10の前側の第1端面11Aは、ファイバ穴15に挿入されたレンズドファイバ1の端面と平行になる。
平板30は、光ファイバ2を伝搬する光を透過可能な例えばガラス板である。平板30の内側(後側)の面は、レンズドファイバ1の端面の側を向いており、平板30の外側(前側)の面は、相手方のフェルール10の第1端面11Aに取り付けられた平板30と対向する。
平板30の形状は、左右方向に長い板形状である。但し、平板30の形状は、この形状に限られるものではなく、例えば前後方向から見て台形状、菱形状などの他の形状でも良い。平板30の左右方向の寸法は、左右方向に並ぶ複数のファイバ穴15の開口と対向できる程度の長さである。
平板30の外側(前側)の面には、反射防止膜がコーティングされている。例えば、反射防止膜は、屈折率の異なる2種類の薄膜を積層したARコート膜である。平板30に反射防止膜を形成することにより、透過損失や反射減衰量を低減させることができる。成膜装置が1度に処理できる容積には制約があるものの、成膜処理の対象物が平板30単体であるため、成膜装置に多数の平板30をセットすることが可能であり、低コストで平板30に反射防止膜を形成できる。なお、仮にレンズドファイバ1の端面にARコート処理を施す場合や、フェルールに取り付けた状態のレンズドファイバ1にARコート処理を施す場合等には、成膜装置のスループットが低減するため、反射防止膜のコーティングにコストがかかってしまう。
フェルール10の前側には、スペーサ部111が形成されている。スペーサ部111は、第1端面11A及び平板30よりも前側(相手側のフェルールの側)に突出した部位である。スペーサ部111は、相手側のフェルール10と接触することによって、フェルール10の第1端面11A同士を所定の間隔Lで対向させるとともに、平板30同士を所定の間隔で対向させる部位である。
一対のスペーサ部111が、フェルール10の左右から前側に突出して形成されている。一対のスペーサ部111は、第1端面11Aや平板30を左右から挟むように配置されている。
スペーサ部111の前側の端面(第2端面11B)は、相手側のフェルールと接触する接触端面となる。第2端面11Bは、第1端面11A及び平板30よりも前側(相手側のフェルールの側)に突出している。このため、2つのフェルール10の第2端面11Bを接触させて対向させたとき、平板30同士を非接触にすることができる。
第2端面11Bでは、位置決め穴13が開口している。このため、相手側のフェルールと接触する接触端面となる第2端面11Bは、位置決め部(位置決め穴13及び位置決めピン14)の近傍に設けられていることになる。なお、第2端面11Bは、位置決め穴13の軸方向に対して垂直である。
フェルール10の第1端面11Aには、凹所17が形成されている。凹所17は、前側の第1端面11Aから凹んだ部位であり、屈折率整合剤となる接着剤を充填する空間を形成する部位となる。凹所17には、ファイバ穴開口面17A、底面17B及び側面17Cが形成される。ファイバ穴開口面17Aは、凹所17における後側の内壁であり、フェルール10の第1端面11Aに対して後側に位置する。ファイバ穴開口面17Aは、平板30の内側の面と対向する面であり、ファイバ開口面には、複数のファイバ穴15が開口している。
凹所17には、更に突出部17Dが形成されている。突出部17Dは、ファイバ穴開口面17Aの上縁から前側(平板30の側)に突出した部位であり、平板30の上縁と接触する部位である。平板30の左右縁と下縁は、フェルール10の第1端面11Aと接触するとともに、平板30の上縁は、突出部17Dと接触する。これにより、凹所17に充填した接着剤の収縮による平板30の歪みを抑制できる。特に、本実施形態のように複数のファイバ穴15が2次元配置されている場合、凹所17が深く形成されるため、接着剤の収縮による平板30への影響が大きくなるので、フェルール10に突出部17Dを形成することは特に有効である。但し、凹所17に突出部17Dを設けなくても良い。
図4は、光接続時の様子の説明図である。光コネクタシステム20は、光ファイバ付きフェルール10を有する2つの光コネクタ21と、2つの光コネクタ21を両側から挿入可能なアダプタ22とを有する。
光コネクタ21がアダプタ22の両側から挿入されることによって、光コネクタ21のフェルール10の第1端面11A同士が対向して配置されるとともに、第1端面11Aに取り付けられた平板30同士が対向して配置される。雄型光コネクタ21のフェルール10から位置決めピン14が突出しており、この位置決めピン14が雌型光コネクタ21のフェルール10の位置決め穴13に挿入されることによって、アダプタ22内でフェルール10同士が位置決めピン14に垂直な方向(左右方向及び上下方向)に位置合わせされることになる。
また、光コネクタ21のフェルール10の第2端面11B同士が接触することによって、フェルール10の第1端面11A同士が所定の間隔Lで対向して配置されるとともに、第1端面11Aに取り付けられた平板30同士が所定の間隔で対向して配置される。つまり、アダプタ22内でフェルール10の第2端面11B同士が接触することによって、フェルール10同士が前後方向に位置合わせされるとともに、平板30同士が前後方向に位置合わせされることになる。このように前後方向の位置合わせを行うために、第2端面11Bは、第1端面11Aに対して、前述のフェルール10の第1端面11A同士の間隔Lの半分ほど前側に位置している(図3参照)。
<光ファイバ付きフェルール10の製造方法>
図5は、光ファイバ付きフェルール10の製造方法のフロー図である。
まず、レンズドファイバ1を作成する(S101)。具体的には、まずシングルモード光ファイバ2にグレイデッドインデックス光ファイバが融着接続され、融着接続されたグレイデッドインデックス光ファイバが所定の長さにカットされ、シングルモード光ファイバ2の先にGRINレンズ3が形成される。このときのGRINレンズ3の端面(カット面)は、レンズドファイバ1の光軸に対して垂直である。なお、融着接続された部位の外径が、ファイバ穴15(規格で規定された内径のファイバ穴15)に挿通可能なように、融着接続が行われている。このようなレンズドファイバ1が複数本準備される。
次に、作業者は、前述のフェルール10を準備し、フェルール10の第1端面11Aに平板30を配置する(S102)。フェルール10の第1端面11Aに平板30を押し当てて接触させると、平板30は、フェルール10のファイバ穴15の軸方向に垂直に配置される。
次に、作業者は、レンズドファイバ1の端面を平板30に突き当てた状態でレンズドファイバ1と平板30をフェルール10に接着する(S103)。このとき、作業者は、平板30及び凹所17で囲まれた空間に屈折率整合剤となる接着剤を充填する。すなわち、平板30、ファイバ穴開口面17A、底面17B及び側面17Cで囲まれた空間に屈折率整合剤となる接着剤が充填される。これにより、平板30とレンズドファイバ1の端面との間に屈折率整合剤(接着剤)が充填される。また、接着剤が硬化すれば、レンズドファイバ1の端面が平板30に接着される。凹所17に接着剤を充填すると、フェルール10の第1端面11Aと平板30との間に接着剤が浸透するため、平板30が第1端面11Aに接着される。ここでは屈折率整合剤として紫外線硬化型接着剤が用いられており、接着剤の充填後に平板30越しに紫外線を照射すると、接着剤が硬化し、レンズドファイバ1の端面が平板30に接着される。また、フェルール10の第1端面11Aと平板30との間にも紫外線硬化型接着剤が浸透しているため、平板30越しに紫外線を照射すると、フェルール10の第1端面11Aに平板30が接着される。なお、紫外線硬化型接着剤の代わりに、熱硬化型接着剤を用いても良い。また、作業者は、接着剤充填窓16から接着剤をフェルール10内部に充填することによって、レンズドファイバ1をフェルール10に固定する。
上記の作業により、光ファイバ付きフェルール10が製造される。なお、このように製造された光ファイバ付きフェルール10を図1に示すように対向配置させて光接続させたとき、光損失を0.7dB程度、反射減衰量を60dB程度にすることが実現可能である。
上記の第1実施形態の光コネクタシステム20(図4参照)では、2つのフェルール10が対向して配置されており、フェルール10の第2端面11B同士が接触することによって、平板30同士が所定の間隔で対向して配置されている。これにより、フェルール間にスペーサなどの別部材を配置しなくても、図1に示すように、平板30同士が前後方向に位置合わせされ、2つのフェルール10のレンズドファイバ1を光接続することができる。GRINレンズ3によって光信号のMFD(Mode Field Diameter)が大きいため、光損失を抑制できるとともに、フェルール10にレンズを形成せずに済むため、フェルール10の製造が容易である。また、フェルール10に凹所が形成されているため、凹所17に屈折率整合剤となる接着剤を充填すれば、平板30とレンズドファイバ1の端面との間に屈折率整合剤(接着剤)を充填できる。
===第2実施形態===
前述の第1実施形態では、フェルール10の前側にスペーサ部111が形成されていた。但し、フェルール10は、スペーサ部111を備えていなくても良い。
図6は、第2実施形態のフェルール10の斜視図である。図7は、第2実施形態のフェルール10の説明図である。図7では、説明のため、側面図におけるフェルール10を一部断面とし、ファイバ穴15にレンズドファイバ1を挿入した状態で示している。
第2実施形態においても、フェルール10は、2本の位置決め穴13と、複数のファイバ穴15と、接着剤充填窓16とを有する。第2実施形態では、スペーサ部111が形成されておらず、フェルール10の前側の端面11(前述の第1端面11Aに相当)に平板30が取り付けられている。フェルール10の前側の端面11では、位置決め穴13が開口している。位置決め穴13は平板30に塞がれないため、平板30の取り付け後も位置決め穴13に位置決めピン14を挿入可能である。これに対し、ファイバ穴15の開口は平板30に対向して配置されている。平板30の左右方向の寸法は、左右方向に並ぶ複数のファイバ穴15の開口と対向しつつ、位置決め穴13は塞がない程度の長さである。すなわち、フェルール10を前から見たとき、平板30の左右方向の縁は、端に位置するファイバ穴15と位置決め穴13との間に位置する(図7参照)。
第2実施形態においても、フェルール10の端面11には、凹所17が形成されている。第2実施形態においても、平板30及び凹所17で囲まれた空間に屈折率整合剤となる接着剤を充填することによって、平板30とレンズドファイバ1の端面との間に屈折率整合剤(接着剤)が充填されることになる。また、接着剤が硬化すれば、レンズドファイバ1の端面が平板30に接着されることになる。また、凹所17に接着剤を充填すると、フェルール10の第1端面11Aと平板30との間に接着剤が浸透するため、平板30が第1端面11Aに接着されることになる。
また、第2実施形態においても、凹所17に突出部17Dが形成されている。平板30の上縁が突出部17Dと接触することにより、凹所17に充填した接着剤の収縮による平板30の歪みを抑制できる。
図8A及び図8Bは、第2実施形態の光接続時の様子の説明図である。図8Aは、光ファイバ付きフェルール10を有する光コネクタ21をアダプタ22の両側から挿入した光コネクタシステム20の説明図である。図8Bは、アダプタ22内におけるフェルール10の位置関係の説明図である。
図8Aに示すように、光コネクタ21がアダプタ22の両側から挿入されることによって、光コネクタ21のフェルール10の端面11同士が対向して配置されるとともに、端面11に取り付けられた平板30同士が対向して配置される。雄型光コネクタ21のフェルール10から位置決めピン14が突出しており、この位置決めピン14が雌型光コネクタ21のフェルール10の位置決め穴13に挿入されることによって、アダプタ22内でフェルール10同士が位置決めピン14に垂直な方向(左右方向及び上下方向)に位置合わせされることになる。
アダプタ22の内部には、内側に突出したスペーサ23が形成されている。スペーサ23の前後方向の寸法は、図1に示すフェルール10の端面11同士の間隔Lに相当する。フェルール10がスペーサ23に接触することによって、図8Bに示すように、フェルール10の端面11同士が所定の間隔Lで対向して配置されるとともに、端面11に取り付けられた平板30同士が所定の間隔で対向して配置される。つまり、アダプタ22内でフェルール10がスペーサ23に接触することによって、フェルール10同士が前後方向に位置合わせされるとともに、平板30同士が前後方向に位置合わせされることになる。ここではフェルール10の前側の端面11がスペーサ23と接触しているが、フェルール10の鍔部12がスペーサ23と接触することによって、フェルール10の端面11を所定の間隔Lで対向させるようにしても良い。
第2実施形態においても、平板30同士が前後方向に位置合わせされ、2つのフェルール10のレンズドファイバ1を光接続することができる。GRINレンズ3によって光信号のMFD(Mode Field Diameter)が大きいため、光損失を抑制できるとともに、フェルール10にレンズを形成せずに済むため、フェルール10の製造が容易である。また、フェルール10に凹所が形成されているため、凹所17に屈折率整合剤となる接着剤を充填すれば、平板30とレンズドファイバ1の端面との間に屈折率整合剤(接着剤)を充填できる。
===第3実施形態===
流体状の屈折率整合剤(接着剤)を凹所17に充填しただけでは、レンズドファイバ1の端面に気泡が形成されるおそれがある。これに対し、第3実施形態では、柔らかい固形状の屈折率整合剤(固形屈折率整合材)を平板30に配置し、柔らかい固形屈折率整合材にレンズドファイバ1を突き当てることによって、レンズドファイバ1の端面に気泡が形成されることを抑制する。
図9は、第3実施形態における光ファイバ付きフェルール10の製造方法のフロー図である。
まず、レンズドファイバを作成する(S201)。S201の処理は、図5のS101の処理と同様である。
次に、作業者は、固形屈折率整合材をフェルール10と平板30との間に配置する(S202)。固形屈折率整合材は、光透過性のシート状の部材であり、固形の屈折率整合剤である。固形屈折率整合材の屈折率は、前述の接着剤(屈折率整合剤)とほぼ同様である。固形屈折率整合材の材質としては、例えばアクリル系、エポキシ系、ビニル系、シリコーン系、ゴム系、ウレタン系、メタクリル系、ナイロン系、ビスフェノール系、ジオール系、ポリイミド系、フッ素化エポキシ系、フッ素化アクリル系などの高分子材料を挙げることができる。
固形屈折率整合材は、平板30の後側の面に配置される。つまり、固形屈折率整合材は、レンズドファイバ1が突き当てられる面に配置される。具体的には、図2A(又は図6)の平板30の凹所17の側の面においてファイバ穴15と対向する領域に、シート状(フィルム状)の固形屈折率整合材が貼り付けられる。なお、シート状の固形屈折率整合材を平板30に貼り付けるのではなく、液状の屈折率整合剤を平板30に塗布した後に固化させることによって、平板30に固形屈折率整合材を配置させても良い。
固形屈折率整合材は、レンズドファイバ1の端面が突き当てられたときに表面が変形する程度の硬度を有している。これにより、レンズドファイバ1の端面に気泡が形成されることを抑制できる。
図10は、固形屈折率整合材のシートの硬度と厚さの関係の説明図である。横軸は固形屈折率整合材の厚さを示し、縦軸はショアA硬度(HSA)を示している。固形屈折率整合材としては、図中の領域RDのものを好適に使用できる。なお、図中の領域RCと領域RDは、点P1(HSA70、厚さ50μm)と、点P2(HSA0、厚さ150μm)とを結ぶ直線で区分されている。
領域RA(ショアA硬度が70よりも大きい領域)では、硬度が高すぎるため、レンズドファイバ1が突き当てられたときの固形屈折率整合材の表面の追従性が低い。このため、レンズドファイバ1の端面に隙間(気泡)が発生しやすくなる。但し、領域RAの固形屈折率整合材を用いた場合であっても、固形屈折率整合材が無い場合と比べれば、レンズドファイバ1の端面の気泡を抑制できる。
領域RB(ショアA硬度が70以下、且つ、厚さが30μmよりも小さい領域)では、固形屈折率整合材が薄すぎるため、レンズドファイバ1の端面が粗い場合や、複数本のレンズドファイバ1の端面が揃っていない場合等があると、レンズドファイバ1の端面に隙間(気泡)が発生しやすくなる。但し、領域RBの固形屈折率整合材を用いた場合であっても、固形屈折率整合材が無い場合と比べれば、レンズドファイバ1の端面の気泡を抑制できる。
領域RC(ショアA硬度が70以下、且つ、点P1と点P2とを結ぶ直線よりも厚さが大きい領域)では、レンズドファイバ1の端面と平板30の面との距離が大きくなり過ぎてしまい、適切でない。但し、領域RCの固形屈折率整合材を用いた場合であっても、固形屈折率整合材が無い場合と比べれば、レンズドファイバ1の端面の気泡を抑制できる。
上記の通り、領域RD(ショアA硬度が70以下、且つ、厚さが30μm以上の領域のうち、点P1と点P2を結ぶ直線を含め、当該直線よりも厚さが小さい領域)が適切な領域となる。すなわち、固形屈折率整合材として、図中の(HSA0、厚さ30μm)、(HSA70、厚さ30μm)、(HSA70、厚さ50μm)、(HSA0、厚さ150μm)の4点に囲まれる範囲内にあるものを用いることが望ましい。
固形屈折率整合材の両面は、粘着性を有していることが望ましい。これにより、固形屈折率整合材が平板30から剥離しにくくなるとともに、固形屈折率整合材にレンズドファイバ1の端面が突き当てられた後、固形屈折率整合材とレンズドファイバの端面とが剥離しにくくなる。このような固形屈折率整合材としては、高分子材料からなる粘着材をフィルム状にしたものを用いることができ、耐環境性や粘着性の面からは一般的にシリコーン系、アクリル系のものを用いることができる。
次に、作業者は、レンズドファイバ1の端面を平板30に突き当てた状態でレンズドファイバ1と平板30をフェルール10に接着する(S203)。第2実施形態においても、作業者は、作業者は、平板30及び凹所17で囲まれた空間に屈折率整合剤となる接着剤を充填する。これにより、仮にレンズドファイバ1の端面と固形屈折率整合材との間に隙間があっても、この隙間に屈折率整合剤となる接着剤が充填されることになる。また、このとき、フェルール10の第1端面11Aと平板30との間に接着剤が浸透し、フェルール10の第1端面11Aに平板30が接着される。また、作業者は、接着剤充填窓16から接着剤をフェルール10内部に充填することによって、レンズドファイバ1をフェルール10に固定する。これにより、光ファイバ付きフェルール10が製造される。
上記の第3実施形態によれば、平板30に配置された柔らかい固形屈折率整合材にレンズドファイバ1を突き当てることによって、レンズドファイバ1の端面に気泡が形成されることを抑制できる。
===第4実施形態===
図11は、第4実施形態のレンズドファイバ1とフェルール10の端面11の説明図である。なお、説明を分かりやすくするために、寸法や角度が誇張されて図示されている。
第4実施形態のレンズドファイバ1は、シングルモード光ファイバ2と、GRINレンズ3と、コアレスファイバ4とを有し、シングルモード光ファイバ2の先にGRINレンズ3が融着接続されており、GRINレンズ3の先にコアレスファイバ4が融着接続された光ファイバである。つまり、第4実施形態のレンズドファイバ1では、GRINレンズ3の先にコアレスファイバ4が設けられている。GRINレンズ3からコアレスファイバ4に入射した平行光は、コアレスファイバ4内を平行光として伝搬し、コアレスファイバ4の端面から外部に放射される。逆に、外部からコアレスファイバ4に入射した平行光は、コアレスファイバ4を伝搬して、GRINレンズ3に入射される。
図12Aは、第4実施形態のフェルール10の説明図である。図12Bは、第4実施形態のフェルール10の光接続時の様子の説明図である。
平板30の外側(前側)の面には、反射防止膜がコーティングされている。例えば、反射防止膜は、屈折率の異なる2種類の薄膜を積層したARコート膜である。平板30の内側(後側)の面は、ファイバ穴15に挿入されたレンズドファイバ1の端面と対向することになる。
第4実施形態においても、フェルール10の端面11同士が対向して配置される。位置決めピン14が位置決め穴13に挿入されることによって、不図示のアダプタ内でフェルール10同士が位置決めピン14に垂直な方向(左右方向及び上下方向)に位置合わせされることになる。また、第4実施形態においても、フェルール10がスペーサ23に接触することによって、フェルール10同士が前後方向に位置合わせされるとともに、平板30同士が前後方向に位置合わせされることになる。
第4実施形態のレンズドファイバ1(図11参照)を作成する際には、まずシングルモード光ファイバ2にグレイデッドインデックス光ファイバが融着接続され、融着接続されたグレイデッドインデックス光ファイバが所定の長さにカットされ、シングルモード光ファイバ2の先にGRINレンズ3が形成される。次に、GRINレンズ3の端部にコアレスファイバ4が融着接続され、融着接続されたコアレスファイバ4が所定の長さにカットされる。このときのコアレスファイバ4の端面(カット面)は、レンズドファイバ1の光軸に対して垂直である。なお、融着接続された部位の外径が、ファイバ穴15(規格で規定された内径のファイバ穴15)に挿通可能なように、融着接続が行われている。第4実施形態においても、GRINレンズ3によって光信号のMFD(Mode Field Diameter)が大きいため、光損失を抑制できるとともに、フェルールにレンズを形成せずに済むため、フェルール10の製造は容易である。
前述の実施形態において平板30にレンズドファイバ1の端面を突き当てていたのに対し、第4実施形態では、平板30をフェルール10の端面に配置する前に、レンズドファイバ1をファイバ穴15に挿入して接着する。このとき、フェルール10の端面11から突出するレンズドファイバ1の端部の長さに若干のばらつきが生じることがある。このばらつきを解消するために、第4実施形態では、フェルール10の端面11を研磨し、フェルール10の端面11から突出する複数のレンズドファイバ1の端部を研磨することによって、フェルール10の端面11に対するレンズドファイバ1の端面(コアレスファイバ4の端面)の位置を揃える。なお、第4実施形態では、GRINレンズ3の先にコアレスファイバ4があるため、レンズドファイバ1の端面を研磨しても、GRINレンズ3の長さは変わらずに済む。フェルール10の端面11に沿って研磨を行うと、レンズドファイバ1の端面(コアレスファイバ4の端面)は、光軸に対して垂直な面となる。フェルール10の端面の研磨後、フェルール10の端面11に平板30を接着する。
第4実施形態では、フェルール10に凹所17が無いため、フェルール10の端面11と平板30との境界に屈折率整合剤となる接着剤を塗布することによって、毛管現象を利用してフェルール10の端面11と平板30との間に屈折率整合剤を浸透させて、レンズドファイバ1の端面と平板30との間に屈折率整合剤を充填させることになる。前述の実施形態のように凹所17に屈折率整合剤(接着剤)を充填する場合と比べると、第4実施形態では毛管現象を利用して接着剤を浸透させることになるため、平板30とレンズドファイバ1の端面との間に屈折率整合剤を充填するのに時間がかかることになる。
一方、第4実施形態では、レンズドファイバ1の端部を研磨してからフェルール10の端面11に平板30を配置するため、レンズドファイバ1の端面と平板30との間の隙間を微小にできる。このため、毛管現象を利用してフェルール10の端面11と平板30との間に屈折率整合剤を浸透させて、レンズドファイバ1の端面と平板30との間に屈折率整合剤を充填させたときに、レンズドファイバ1の端面に気泡が形成されにくいという利点がある。
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
1 レンズドファイバ、
2 シングルモード光ファイバ、
3 GRINレンズ、
10 フェルール、
11 端面、
11A 第1端面、
11B 第2端面、
111 スペーサ部、
12 鍔部、
13 位置決め穴、
14 位置決めピン、
15 ファイバ穴、
16 接着剤充填窓、
17 凹所、
17A ファイバ穴開口面、
17B 底面、
17C 側面、
17D 突出部、
20 光コネクタシステム、
21 光コネクタ、
22 アダプタ、
23 スペーサ、
23A 凹部、
30 平板

Claims (11)

  1. 位置決め穴と、複数のファイバ穴と、前記ファイバ穴の軸方向に垂直な端面とを有するフェルールと、
    光ファイバの先にGRINレンズが融着接続されたレンズドファイバと、
    前記光ファイバを伝搬する光を透過可能な平板であって、前記フェルールの前記端面に取り付けられて、前記ファイバ穴に挿入された前記レンズドファイバの端面が突き当てられる平板と、
    を有し、
    前記フェルールには、前記フェルールの前記端面から凹んだ凹所が形成されており、
    前記凹所には、前記平板の内側の面と対向し複数の前記ファイバ穴が開口するファイバ穴開口面と、底面と、左右の側面とが形成されているとともに、前記ファイバ穴開口面の上縁から前記平板の側に突出し前記平板の上縁と接触する突出部が形成されており、
    前記平板の下縁と左右の縁は、前記凹所の形成された前記フェルールの端面と接触するとともに、前記平板の上縁が前記突出部と接触し、
    前記平板、前記ファイバ穴開口面、前記底面及び前記側面で囲まれた空間に屈折率整合剤が充填される
    ことを特徴とするファイバ付きフェルール。
  2. 請求項1に記載のファイバ付きフェルールであって、
    前記平板の外側の面には、反射防止膜が形成されていることを特徴とするファイバ付きフェルール。
  3. 請求項1又は2に記載のファイバ付きフェルールであって、
    前記フェルールは、相手側のフェルールと接触する接触端面であって、前記平板の取り付けられる前記端面及び前記平板よりも前記相手側のフェルールの側に突出した接触端面を有する
    ことを特徴とするファイバ付きフェルール。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のファイバ付きフェルールであって、
    前記平板の内側の面には、前記レンズドファイバの端面を突き当てると表面が変形する固形屈折率整合材が配置されており、
    前記ファイバ穴に挿入された前記レンズドファイバの端面は、前記平板に突き当てられる代わりに、前記固形屈折率整合材に突き当てられる
    ことを特徴とするファイバ付きフェルール。
  5. 請求項4に記載のファイバ付きフェルールであって、
    前記固形屈折率整合材の両面が粘着性を有することを特徴とするファイバ付きフェルール。
  6. 請求項4又は5に記載のファイバ付きフェルールであって、
    前記固形屈折率整合材のショアA硬度及び厚さが、
    ショアA硬度が0,厚さが30μmの点、
    ショアA硬度が70、厚さが30μmの点、
    ショアA硬度が70、厚さが50μmの点、
    ショアA硬度が0、厚さが150μmの点
    の4点で囲まれる範囲内であることを特徴とするファイバ付きフェルール。
  7. 2つの光コネクタを光接続する光コネクタシステムであって、
    それぞれの前記光コネクタは、
    位置決め穴と、複数のファイバ穴と、前記ファイバ穴の軸方向に垂直な端面とを有するフェルールと、
    光ファイバの先にGRINレンズが融着接続されたレンズドファイバと、
    前記光ファイバを伝搬する光を透過可能な平板であって、前記フェルールの前記端面に取り付けられて、前記ファイバ穴に挿入された前記レンズドファイバの端面が突き当てられる平板と、
    を有し、
    前記フェルールは、前記フェルールの前記端面から凹んだ凹所が形成されており、
    前記凹所には、前記平板の内側の面と対向し複数の前記ファイバ穴が開口するファイバ穴開口面と、底面と、左右の側面とが形成されているとともに、前記ファイバ穴開口面の上縁から前記平板の側に突出し前記平板の上縁と接触する突出部が形成されており、
    前記平板の下縁と左右の縁は、前記凹所の形成された前記フェルールの端面と接触するとともに、前記平板の上縁が前記突出部と接触し、
    前記平板、前記ファイバ穴開口面、前記底面及び前記側面で囲まれた空間に屈折率整合剤が充填されており、
    前記光コネクタの前記平板同士が所定の間隔で対向して配置される
    ことを特徴とする光コネクタシステム。
  8. 請求項7に記載の光コネクタシステムであって、
    前記フェルールは、相手側のフェルールと接触する接触端面であって、前記平板の取り付けられた前記端面及び前記平板よりも前記相手側のフェルールの側に突出した接触端面を有し、
    前記フェルールの前記接触端面が前記相手側のフェルールの接触端面に接触することによって、前記平板同士が所定の間隔で対向して配置される
    ことを特徴とする光コネクタシステム。
  9. 請求項7に記載の光コネクタシステムであって、
    前記フェルールがスペーサに接触することによって、前記平板同士が所定の間隔で対向して配置されることを特徴とする光コネクタシステム。
  10. 位置決め穴と、複数のファイバ穴と、前記ファイバ穴の軸方向に垂直な端面とを有するフェルールと、
    光ファイバの先にGRINレンズが融着接続されたレンズドファイバと、
    前記光ファイバを伝搬する光を透過可能な平板であって、外側の面には反射防止膜が形成されており、内側の面が前記ファイバ穴に挿入された前記レンズドファイバの端面と対向するように前記フェルールの前記端面に取り付けられた平板と
    を有し、
    前記フェルールには、前記フェルールの前記端面から凹んだ凹所が形成されており、
    前記凹所には、前記平板の内側の面と対向し複数の前記ファイバ穴が開口するファイバ穴開口面と、底面と、左右の側面とが形成されているとともに、前記ファイバ穴開口面の上縁から前記平板の側に突出し前記平板の上縁と接触する突出部が形成されており、
    前記平板の下縁と左右の縁は、前記凹所の形成された前記フェルールの端面と接触するとともに、前記平板の上縁が前記突出部と接触し、
    前記平板、前記ファイバ穴開口面、前記底面及び前記側面で囲まれた空間に屈折率整合剤が充填される
    ことを特徴とするファイバ付きフェルール。
  11. 請求項10に記載のファイバ付きフェルールであって、
    前記GRINレンズの先には、コアレスファイバが融着接続されており、
    前記ファイバ穴から突出した前記レンズドファイバの端部が研磨された後に前記平板が前記端面に取り付けられている
    ことを特徴とするファイバ付きフェルール。
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