JP6512129B2 - 伸縮自在シャフト - Google Patents

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Description

この発明に係る伸縮自在シャフトは、例えば自動車の操舵装置を構成する中間シャフトとして使用される。
自動車のステアリング装置として従来から、図6に記載する様な構造のものが知られている。該ステアリング装置は、ステアリングホイール1が、ステアリングシャフト2の後端部に固定されている。又、これと共に、該ステアリングシャフト2の前端部が、1対の自在継手3a、3b及び中間シャフト4を介して、ステアリングギヤユニット5を構成する入力軸6の基端部に接続されている。更に、前記ステアリングギヤユニット5に内蔵されラックアンドピニオン機構により左右1対のタイロッド7、7を押し引きして、左右1対の操舵輪に、前記ステアリングホイール1の操作量に応じた舵角を付与する様に構成されている。
この様なステアリング装置に組み込まれる前記中間シャフト4は、例えば、走行時に自動車から入力される振動が、前記ステアリングホイール1に伝わる事を防止する(吸収する)為、或いは、前記中間シャフト4を、全長を縮めた状態で車体に組み込む為に、伸縮式のものが使用されている。
図7は、特許文献1に記載された伸縮式の中間シャフト4の構造を示している。この中間シャフト4は、軸方向一端部(前端部であって、図7の左端部。組み付け状態でアウタチューブ10側の端部)の外周面に雄スプライン部8が形成されたインナシャフト9と、内周面にこの雄スプライン部8とスプライン係合可能な雌スプライン部12が形成された円管状のアウタチューブ10とから成る。そして、前記雄スプライン部8と前記雌スプライン部12とをスプライン係合する事で、前記インナシャフト9と前記アウタチューブ10とを、伸縮自在に組み合わせている。
又、図7に示す構造の場合、前記インナシャフト9を、後側(前後方向とは、車体の前後方向を言う。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。)に配置すると共に、前記アウタチューブ10を前側に配置している。又、前記インナシャフト9の軸方向他端部には、前記両自在継手3a、3bのうちの後側に配置された自在継手3aを構成する第一のヨーク11が外嵌固定(圧入)されている。一方、前記アウタチューブ10の軸方向一端部には、前記両自在継手3a、3bのうちの前側に配置された自在継手3bを構成する第二のヨーク13が外嵌固定(圧入)されている。
尚、前記インナシャフト9と前記第一のヨーク11との結合、或いは、前記アウタチューブ10と前記第二のヨーク13との結合は、溶接により行う事もできる。又、後述する実施の形態の構造の様に、インナシャフトを前側に、アウタチューブを後側に配置する構造を採用する事もできる。
上述の様な構成を有する中間シャフト4の様に、前記インナシャフト9と前記アウタチューブ10とをトルク伝達可能、且つ、軸方向の伸縮(摺動)可能に組み合わせた伸縮軸は、回転方向のがたつきが小さく、且つ、伸縮時の摺動抵抗が小さい事が要求される。この為に、従来から、前記インナシャフト9の雄スプライン部8の外周面に、ポリアミド樹脂等の摩擦係数が低い合成樹脂製のコーティング層を設けると共に、前記雄スプライン部8と前記雌スプライン部12とを締め代を持たせた状態で係合させる事が行われている。但し、この様な構造の場合、前記インナシャフト9のうち、前記コーティング層を設けた部分の径方向に関する剛性が高いと、前記締め代に対する摺動抵抗(摺動荷重)の変動が敏感になってしまい、前記アウタチューブ10に対する前記インナシャフト9の摺動を、安定させる事が難しくなる可能性がある。この様な問題は、前記がたつきを十分に抑える為に前記締め代を大きくするほど顕著になる。
又、図8は、特許文献2に記載された中間シャフト4aの構造を示している。この中間シャフト4aの場合、中空状のインナシャフト9aの内周面に、軸方向一端側から順に、大径孔部14、中径孔部15、小径孔部16を形成している。そして、前記インナシャフト9aのうちの前記大径孔部14に相当する部分を、径方向に関する厚さ寸法が薄い薄肉部17とし、同じく前記中径孔部15に相当する部分を、径方向に関する厚さ寸法がこの薄肉部17よりも大きい中肉部18とし、同じく前記小径孔部16に相当する部分を、径方向に関する厚さ寸法がこの中肉部18よりも大きい厚肉部19としている。この様にして、前記インナシャフト9aのうちの雄スプライン部8aが形成された部分の径方向に関する剛性を低くしている。この様な特許文献2に記載された発明によれば、アウタチューブ10aに対する前記インナシャフト9aの摺動抵抗(摺動荷重)の変動が敏感になる事を防止して、前記アウタチューブ10aに対する前記インナシャフト9aの摺動を、安定させる事が可能である。但し、特許文献2に記載された発明の場合、前記中肉部18(中径孔部15)の軸方向他端縁(図8の右端縁)の軸方向に関する位置が、前記雄スプライン部8aの軸方向一端縁と、この雄スプライン部8aよりも軸方向他方側に存在する小径軸部20との間に存在する連続部21よりも軸方向他方側に位置している。この様な連続部21と前記小径軸部20のとの境界部分部は、他の部分と比べて応力が集中し易い部分であり、剛性確保の面から改良の余地がある。
特開2015−21596号公報 特開2015−180837号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、インナシャフトの雄スプライン部とアウタチューブの雌スプライン部との係合部の回転方向のがたつきを小さく抑えられる構造を採用した場合にも、前記インナシャフトと前記アウタチューブとを安定して摺動させる事ができ、更に、インナシャフトの雄スプライン部と小径軸部との間に存在する連続部の剛性を確保する事ができる構造を実現するものである。
本発明の伸縮自在シャフトは、インナシャフトと、アウタチューブと、コーティング層とを備えている。
このうちのインナシャフトは、軸方向一端部の外周面に形成された雄スプライン部と、該雄スプライン部よりも軸方向他方側部分に設けられ、外径寸法が、該雄スプライン部の外接円の直径よりも小さい小径軸部とを有する中空状の部材である。
前記アウタチューブは、内周面に雌スプライン部が形成されている。
前記コーティング層は、前記雄スプライン部の外周面を覆う状態で設けられている。
そして、前記雄スプライン部と前記雌スプライン部とを、前記コーティング層を介してスプライン係合させる事により、前記インナシャフトと前記アウタチューブとが、トルク伝達可能、且つ、全長を伸縮可能な状態に組み合わされている。
特に、本発明の伸縮自在シャフトは、前記インナシャフトのうちの前記雄スプライン部が形成された部分が、軸方向一端部に設けられた薄肉部と、該薄肉部よりも軸方向他方側に設けられ、内径寸法が該薄肉部の内径寸法よりも小さい厚肉部とを有している。
又、前記インナシャフトの内周面は、前記薄肉部の内周面に形成された大径孔部と、該大径孔部よりも軸方向他方側に形成された中径孔部と、該中径孔部よりも軸方向他方側に形成された小径孔部とを有している。
そして、前記中径孔部と前記小径孔部との間に存在する連続段部が、前記雄スプライン部と前記小径軸部との間に存在する連続部の外周面よりも軸方向一方側に位置する事により、前記雄スプライン部の内周面の軸方向他端部に、全周に亙り径方向内方に張り出した内向張出部が形成されている。
上述の様な本発明の伸縮自在シャフトを実施する場合には、追加的に、請求項2に記載した発明の様に、使用時に於ける前記インナシャフトと前記アウタチューブとの伸縮ストロークの範囲で、前記雄スプライン部のうちの前記厚肉部の外周面に形成された部分の少なくとも一部と、前記アウタチューブの雌スプライン部とが、常にスプライン係合している構成を採用できる。
上述の様な本発明の伸縮自在シャフトを実施する場合には、追加的に、請求項3に記載した発明の様に、前記厚肉部のうちで前記内向張出部が形成されていない部分の断面積と、前記小径軸部のうちで前記小径孔部と同じ内径寸法を有する大径部の断面積とを同じにした構成を採用できる。
上述の様な本発明の伸縮自在シャフトを実施する場合には、追加的に、請求項4に記載した発明の様に、ヨーク部が、前記インナシャフトの軸方向他端部に設けられた外向鍔部により、該インナシャフトに結合固定されている構成を採用できる。
上述した様な構成を有する本発明の伸縮自在シャフトの場合、インナシャフトの雄スプライン部の外周面を覆う状態でコーティング層を設けている。又、これと共に、中空状のインナシャフトのうち、雄スプライン部に相当する部分に、軸方向一方側から順に薄肉部と厚肉部とを設けている。この為、前記インナシャフトの雄スプライン部が形成された部分全体の径方向に関する剛性を中実のインナシャフトの場合よりも小さくする事ができる。特に、前記インナシャフトの雄スプライン部が形成された部分のうちの前記薄肉部に相当する部分の径方向に関する剛性を、同じく厚肉部に相当する部分の径方向に関する剛性よりも低くする事ができる。従って、前記インナシャフトの雄スプライン部とアウタチューブの雌スプライン部との係合部の回転方向のがたつきを防止する為に、この係合部に締め代を持たせた場合でも、この締め代に対する摺動抵抗(摺動荷重)の変動を鈍感にでき、前記インナシャフトの、前記アウタチューブに対する摺動を安定させる事ができる。
又、本発明の場合、中径孔部と小径孔部との間に存在する連続段部を、前記雄スプライン部と前記小径軸部との間に存在する連続部の外周面よりも軸方向一方側に位置させる事により、前記雄スプライン部の内周面の軸方向他端部に、全周に亙り径方向内方に張り出した内向張出部を形成している。この為、前記インナシャフトのうちのこの連続部と前記小径軸部との境界部分の様に、応力が集中し易い部分の径方向に関する厚さ寸法を確保して、当該部分の剛性を確保する事ができる。この結果、前記インナシャフトの耐久性の向上を図れる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、両端部に十軸式自在継手を装着した中間シャフトを示す、部分切断側面図。 同じく、ヨーク部を固定する前のインナシャフトを示す断面図。 同じく、インナシャフトの一部斜視図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と同様の図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、図1と同様の図。 従来から知られているステアリング装置の1例を示す部分切断側面図。 中間シャフトを取り出して示す部分切断側面図。 従来構造の中間シャフトの別例の構造を示す、スプライン係合部に関する一部断面図。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜3を参照しつつ説明する。尚、本例は、本発明を、ステアリング装置を構成する中間シャフトに適用したものである。但し、本発明は、この様な中間シャフト以外にも、各種用途で使用される伸縮自在シャフトの構造に適用する事ができる。又、本例の中間シャフト4bを組み込んだステアリング装置の構造は、図6に示したステアリング装置と同様の構造を有している。但し、本例の中間シャフト4bは、図6に示したステアリング装置の構造に限らず、従来から知られている各種構造のステアリング装置に組み込む事ができる。以下、ステアリング装置の構造を簡単に説明した後、本例の中間シャフト4bの構造に就いて説明する。
本例の中間シャフト4bを組み込んだステアリング装置は、ステアリングホイール1(図6参照)が、ステアリングシャフト2の後端部に固定されている。又、これと共に、このステアリングシャフト2の前端部が、1対の自在継手3c、3d及び前記中間シャフト4bを介して、ステアリングギヤユニット5を構成する入力軸6の基端部に接続されている。更に、このステアリングギヤユニット5に内蔵したラックアンドピニオン機構により左右1対のタイロッド7、7を押し引きして、左右1対の操舵輪に、前記ステアリングホイール1の操作量に応じた舵角を付与する様に構成されている。
前記中間シャフト4bは、特許請求の範囲に記載したインナシャフトの1例に相当するインナシャフト9bの軸方向一端部(図1の右端部であって、組み付け状態に於いて、アウタチューブ10b側となる端部)と、同じくアウタチューブの1例に相当するアウタチューブ10bの軸方向他端部(図1の左端部であって、組み付け状態に於いて、前記インナシャフト9b側となる端部)とをスプライン係合させる事により、トルク伝達可能、且つ全長を伸縮可能に組み合わせている。以下、前記中間シャフト4bの具体的な構造に就いて説明する。
前記アウタチューブ10bは、軸方向他方側から順に、小径筒部22と、連続部23と、大径筒部24と、ヨーク部25とを備えている。
このうちの小径筒部22は円筒状であり、前記アウタチューブ10bのうちの軸方向他端部から軸方向中間部にかけての部分に設けられている。この様な小径筒部22の外周面は、軸方向の全長に亙り外径寸法が変化しない円筒面状である。又、この小径筒部22の内周面には、円周方向に関して交互に形成された軸方向に長い、複数ずつの凹部と凸部とから成る雌スプライン部26が、全長に亙り形成されている。本例の場合、前記小径筒部22の厚さ寸法を、軸方向全長に亙り同じとしている。
前記連続部23は、外径寸法及び内径寸法が軸方向一方側(図1の右側)に向かうほど大きくなる部分円錐筒状であり、軸方向他端縁が、前記小径筒部22の軸方向一端縁に連続している。
前記大径筒部24は円筒状であり、軸方向他端縁が、前記連続部23の軸方向一端縁に連続している。この様な大径筒部24の内径寸法及び外径寸法は、前記小径筒部22の内径寸法及び外径寸法よりも大きい。
前記ヨーク部25は、前記自在継手3cを構成するものであり、前記大径筒部24の軸方向一端縁のうちで、この大径筒部24に関する直径方向反対側となる2箇所位置から軸方向一方側に延出する状態で設けられた1対の腕部27、27から成る。この様な両腕部27、27の軸方向一端寄り部分には、互いの中心軸が同軸となる状態で1対の円孔28、28が形成されている。尚、図1に示す組み立て状態に於いて、これら1対の円孔28、28の内側には、それぞれ有底円筒状の軸受カップ29、29が内嵌固定されている。これと共に、これら各軸受カップ29、29の内側に、それぞれ複数本のニードル30、30を介して、十字軸31を構成する4本の軸部32、32のうちの1対の軸部32、32の端部が回動自在に支持されている。
尚、前記十字軸31を構成する4本の軸部32、32のうち、前記ヨーク部25の両円孔28、28内に支持された軸部32、32以外の1対の軸部32(一方の軸部32は図示省略)の端部は、前記ステアリングシャフト2の前端部に支持固定されたヨーク33を構成する1対の腕部34(片方の腕部34は図示省略)に形成された円孔(図示省略)の内側に、軸受カップ及びニードル(図示省略)を介して回動自在に支持されている。
本例の場合、前記ヨーク部25を、前記アウタチューブ10bに一体に設ける構造を採用しているが、アウタチューブとヨーク部とを別体に設けて溶接或は嵌合等により結合固定する構造を採用する事もできる。
前記インナシャフト9bは、中空状であって、軸方向一方側(図1、2の右側)から順に、スプライン形成部35と、連続部21aと、小径軸部20aと、ヨーク部36とを備えている。
このうちのスプライン形成部35は、前記インナシャフト9bのうちの軸方向中間部から軸方向一端寄り部分にかけての部分に設けられている。この様なスプライン形成部35の外周面には、円周方向に関して交互に形成された軸方向に長い、複数ずつの凹部37、37と凸部38、38とから成る雄スプライン部8bが、全長に亙り形成されている。
又、前記スプライン形成部35の内周面のうち、軸方向中間部から軸方向一端部にかけての部分には、大径孔部42が形成されている。この様な大径孔部42の内径は、軸方向の全長に亙り一定である。
又、前記スプライン形成部35の内周面のうち、軸方向中間部から軸方向他端部にかけての部分には、内径寸法が、前記大径孔部42の内径寸法よりも小さい中径孔部43が形成されている。この中径孔部43の内径寸法は、軸方向の全長に亙り一定である。
又、前記スプライン形成部35の内周面の軸方向他端部(前記中径孔部43よりも軸方向他方側に位置する部分)には、内径寸法が、この中径孔部43の内径寸法よりも小さい小径孔部16aが形成されている。
又、前記大径孔部42の軸方向他端縁と前記中径孔部43の軸方向一端縁とは、第一の連続段部44により連続している。
又、前記中径孔部43の軸方向他端縁と、前記小径孔部16aの軸方向一端縁とは、特許請求の範囲に記載した連続段部に相当する第二の連続段部69により連続している。本例の場合、この第二の連続段部69が、前記連続部21aの外周面よりも軸方向一方側に位置している。又、前記第一の連続段部44及び前記第二の連続段部69は、径方向外方に向かうほど軸方向一方に向かう方向に傾斜した状態で形成されている。尚、第一の連続段部又は第二の連続段部を、前記インナシャフト9bの中心軸に直交する仮想平面上に設ける事もできる。又、前記第一の連続段部44及び前記第二の連続段部69を、部分球面状に形成する事もできる。別の言い方をすれば、具体的には、前記第一の連続段部44及び前記第二の連続段部69の、前記インナシャフト9bの中心軸を含む仮想平面に関する断面形状を、円弧状とする。この様な構成を採用する場合には、前記第一の連続段部44及び前記第二の連続段部69の前記仮想平面に関する断面形状の曲率半径Rを、0.2mm以上(好ましくは、0.5mm以上)とする。この様な構成を採用すれば、前記第一の連続段部44及び前記第二の連続段部69に、応力集中が発生する事を防止できる。
又、前記スプライン形成部35のうち、前記大径孔部42に相当する部分を薄肉部45としている。一方、前記スプライン形成部35のうち、前記中径孔部43及び前記小径孔部16aに相当する部分を、径方向に関する厚さ寸法が、前記薄肉部45の径方向に関する厚さ寸法よりも大きい厚肉部46としている。本例の場合、この厚肉部46(前記スプライン形成部35)の軸方向他端部の内周面に、この厚肉部46の軸方向中間部よりも全周に亙り径方向内方に張り出した内向張出部70が形成されている。この様にして前記厚肉部46のうちのこの内向張出部70が形成された部分の径方向の厚さ寸法を、この厚肉部46のうちの他の部分(この内向張出部70が形成されていない部分)の径方向厚さ寸法よりも大きくしている。
又、前記薄肉部45の、前記インナシャフト9bの中心軸に直交する仮想平面に関する断面積は、前記厚肉部46のこの仮想平面に関する断面積よりも小さい。
又、本例の場合、前記薄肉部45の軸方向他端縁は、前記スプライン形成部35(前記雄スプライン部8b)の軸方向に関する長さ寸法をL35とした場合に、このスプライン形成部35(前記雄スプライン部8b)の軸方向一端縁から、(0.6〜0.9)・L35となる位置に配置する。
又、前記厚肉部46のうちの前記内向張出部70が形成された部分の前記仮想平面に関する断面積は、前記厚肉部46のうちの他の部分(この内向張出部70が形成されていない部分)の前記仮想平面に関する断面積よりも大きい。
前記連続部21aは、前記インナシャフト9bのうちの前記スプライン形成部35の軸方向他方側に隣接した部分に形成されている。この様な連続部21aの外周面には、円周方向に関して交互に形成された、複数ずつの凹部39、39と、前記インナシャフト9bの中心軸を含む仮想平面に関する断面形状が直角三角形状の凸部40、40とから成る不完全スプライン部41が形成されている。この様な不完全スプライン部41を構成する各凸部40、40の外周面は、軸方向他方に向かうほど外径寸法が小さくなる方向に傾斜している。又、前記不完全スプライン部41の各凸部40、40の外周面の軸方向一端縁は、前記雄スプライン部8bを構成する各凸部40、40の外周面の軸方向他端縁に連続している。一方、前記不完全スプライン部41の各凸部40、40の外周面の軸方向他端縁は、前記小径軸部20aの外周面の軸方向一端縁に連続している。尚、本例の場合、前記雄スプライン部8bの凹部37、37の外接円の直径と、前記不完全スプライン部41の凹部39、39の外接円の直径とが等しい。
又、前記連続部21aの内周面は、軸方向に関して内径寸法が変化しない円筒面状に形成されている。この様な連続部21aの内周面の内径寸法は、前記小径孔部16aの内径寸法と等しい。又、この連続部21aの内周面の軸方向一端縁は、この小径孔部16aの軸方向他端縁に連続している。一方、前記連続部21aの内周面の軸方向他端縁は、前記小径軸部20aの内周面の軸方向一端縁に連続している。
前記小径軸部20aは、前記インナシャフト9bのうち、前記連続部21aの軸方向他方側に隣接した位置から、軸方向他端部にかけての部分に設けられている。この様な小径軸部20aは、大径部47と、小径部48と、段部49と、外向鍔部(かしめ部)50とを有している。
このうちの大径部47は、前記小径軸部20aのうちの軸方向一端部から軸方向他端寄り部分にかけての部分に形成されている。この様な大径部47の外周面は、軸方向に関して外径が変化しない円筒面状に形成されている。又、前記大径部47の内周面は、内径寸法が軸方向の全長に亙り一定であり、この内径寸法は、前記連続部21aの内周面及び前記小径孔部16aの内径寸法と等しい。この様な大径部47の内周面の軸方向一端縁は、前記連続部21aの軸方向他端縁に連続している。又、本例の場合、前記大径部47の、前記インナシャフト9bの中心軸に直交する仮想平面に関する断面積を、前記厚肉部46のうちの前記内向張出部70が形成されていない部分の前記仮想平面に関する断面積と実質的に(製造上不可避な寸法公差を除いて)等しくしている。又、前記大径部47の前記仮想平面に関する断面積を、前記厚肉部46のうちの前記内向張出部70が形成された部分の前記仮想平面に関する断面積よりも小さくしている。
前記小径部48は、小径軸部20aのうちの軸方向他端寄り部分に形成されている。この様な小径部48の外周面には、円周方向に凹部と凸部とを交互に配置して成る凹凸部である雄セレーション51が形成されている。この雄セレーション51を構成する凸部の外接円の直径寸法は、前記大径部47の外径寸法よりも小さい。
前記段部49は、前記大径部47の外周面の軸方向他端縁と、前記小径部48の外周面の軸方向一端縁とを連続した状態で形成されている。この様な段部49は、前記インナシャフト9bの中心軸に直交する仮想平面上に存在している。
前記外向鍔部50は、前記小径軸部20aのうちの軸方向他端部に、全周に亙り前記小径部48の外周面よりも径方向外方に突出した状態で形成されている。この様な外向鍔部50は、図2に示す状態の前記インナシャフト9b(この外向鍔部50を形成する前の状態のインナシャフト9b)の軸方向他端部を、例えば、ローリングかしめにより全周に亙りかしめ拡げる事により形成する。尚、図2に示す状態(この外向鍔部50を形成する前の状態)の前記インナシャフト9bの軸方向他端部には、当外部分の軸方向一方側に隣接した部分よりも径方向の肉厚が薄い第二の薄肉部68が形成されている。この様にして、前記外向鍔部50を形成する前の状態のインナシャフト9bの軸方向他端部の剛性を低くして、前記外向鍔部50を形成し易くしている。
前記ヨーク部36は、前記小径軸部20aの軸方向他端部に結合固定されている。尚、本例の場合、前記ヨーク部36と、十字軸52と、前記入力軸6の基端部に支持固定されたヨーク53とにより、前記両自在継手3c、3dのうちの、前側(図1の左側)に配置された自在継手3dを構成している。
この様なヨーク部36は、筒状の基部54と、この基部54の外周面のうち、この基部54の中心軸に関して反対となる2箇所位置から軸方向他方側に延出した状態で設けられた1対の腕部55、55とから成る。
このうちの基部54は、中央部に中心孔56が形成されている。この中心孔56の内周面には、円周方向に凹部と凸部とを交互に配置して成る凹凸部である雌セレーション57が形成されている。この様な基部54は、前記中心孔56の内側に前記小径部48を挿通すると共に、前記雌セレーション57と前記雄セレーション51とをセレーション係合させた状態で、前記段部49と前記外向鍔部50との間で挟持されている。
又、前記両腕部55、55のうち、軸方向に関して前記基部54と反対側端部寄り部分には、互いの中心軸が同軸となる状態で1対の円孔58、58が形成されている。
又、図1に示す組み立て状態に於いて、前記1対の腕部55、55の1対の円孔58、58のそれぞれの内側には、それぞれ有底円筒状の軸受カップ59、59が内嵌固定されている。これと共に、これら両軸受カップ59、59の内側に、それぞれ複数本のニードル60、60を介して、前記十字軸52を構成する4本の軸部61、61のうちの1対の軸部61、61の端部が回動自在に支持されている。
尚、前記十字軸52を構成する4本の軸部61、61のうち、前記ヨーク部36の両円孔58、58内に支持された軸部61、61以外の1対の軸部61(一方の軸部61は図示省略)の端部は、ヨーク62を構成する1対の腕部63(一方の腕部63は図示省略)に形成された円孔(図示省略)の内側に、軸受カップ(図示省略)及びニードル(図示省略)を介して回動自在に支持されている。
又、前記インナシャフト9bを構成する雄スプライン部8bの外周面には、滑りやすい(摩擦係数の低い)合成樹脂製のコーティング層64が設けられている。具体的には、本例の場合、このコーティング層64は、前記インナシャフト9bの外周面のうち、前記スプライン形成部35の軸方向一端縁から前記小径軸部20aの軸方向一端寄り部分(前記連続部21aの軸方向他端縁よりも軸方向他方側に位置する部分であって、図1に直線Xで示す位置)にかけての部分に設けられている。
以下、前記インナシャフト9bの製造方法に就いて簡単に説明する。
先ず、第1工程に於いて、炭素鋼(例えば、S10C〜S45C)等の鉄系合金、或いは、アルミニウム系合金、マグネシウム合金等の軽合金から成る、中空円管状の素材(図示省略)の軸方向中間部から軸方向一端部にかけての部分(前記スプライン形成部35に相当する部分)を、当該部分を拡径して第一中間素材とする。尚、この様に拡径する作業は、例えば、前記素材の軸方向中間部から軸方向一端部にかけての部分の内側に、マンドレルを挿入し、このマンドレルにより前記素材の内周面を扱く様にして行う。この様な拡径作業の際には、前記素材のうち、拡径される部分の外径側に、円筒面状の内周面を有する外型を配置して行う事もできる。
次いで、第2工程に於いて、前記第一中間素材のうちの拡径された部分の外周面に切削加工を施す事により、当該部分の外径寸法を転造下径(プレス下径)に加工する。この様にして第二中間素材を得る。
次いで、第3工程に於いて、前記第二中間素材のうちの転造下径(プレス下径)に加工された部分に、転造又はプレス成形を施す事により円周方向に凹部と凸部とを交互に配置して成る凹凸部である前記雄スプライン部8bを形成する。この様にして第三中間素材を得る。尚、上述の様にして前記雄スプライン部8bを形成する際には、前記第二中間素材のうちの転造下径(プレス下径)に加工された部分の内径側に、サポート軸を挿入した状態で行う。又、上述の工程では、前記雄スプライン部8bと共に、前記不完全スプライン部41も形成される。
次いで、第4工程に於いて、前記第三中間素材の外周面の軸方向他端部に、例えば、切削加工、転造加工、又はプレス成型を施す事により、前記小径部48(雄セレーション51)と、前記段部49とを形成する。この様にして第四中間素材を得る。
次いで、第5工程に於いて、前記第四中間素材のうちの、軸方向一端部から軸方向中間部(前記連続部21aに相当する部分よりも軸方向他方側に位置する部分)に、例えば、流動浸漬法、静電塗装法等により粗コーティング層を形成する。そして、この粗コーティング層に、シェービング加工を施す事により前記コーティング層64を形成する。この様にして第五中間素材を得る。
次いで、第6工程に於いて、この第五中間素材のうちの前記雄スプライン部8bに相当する部分の内周面の軸方向一端部から軸方向中間部にかけての部分に切削加工を施す事により、前記大径孔部42(前記薄肉部45)を形成する。一方、前記第五中間素材のうちの前記雄スプライン部8bに相当する部分の内周面の軸方向中間部から軸方向他端部にかけての部分は、そのまま前記中径孔部43とする。
最後に、第7工程に於いて、前記第六中間素材(図2に示す、前記ヨーク部36が固定される前の状態のインナシャフト9b)の軸方向他端部に前記ヨーク部36を固定して、前記インナシャフト9bとする。尚、前記第六中間素材にこのヨーク部36を結合固定する作業は、この第六中間素材の軸方向他端部を全周に亙り、ローリングかしめによりかしめ拡げる事により行う。
尚、上述の各工程は、矛盾が生じない範囲で、適宜入れ替えて実施する事が可能である。
以上の様な構成を有するインナシャフト9bは、前記雄スプライン部8bを全長に亙り、前記アウタチューブ10bの雌スプライン部26に、前記コーティング層64を介してスプライン係合させる事により、前記アウタチューブ10bに組み付けられている。この様に組み付けられた状態で、前記雄スプライン部8bと前記雌スプライン部26との係合部には、所定量の締め代が設けられている。この様にして、前記インナシャフト9bと前記アウタチューブ10bとは、トルクの伝達を可能、且つ、全長を伸縮可能な状態に組み合わされている。
又、本例の場合、使用時に於ける、前記インナシャフト9bと前記アウタチューブ10bとの伸縮ストロークの範囲内で、前記雄スプライン部8bのうちの前記厚肉部46(中径孔部43)に相当する部分を、常に、前記雌スプライン部26とスプライン係合する様に規制している。
以上の様な構成を有する本例の中間シャフト4bによれば、前記インナシャフト9bの雄スプライン部8bと、前記アウタチューブ10bの雌スプライン部26との係合部の回転方向のがたつきを小さく抑えられる構造を採用した場合にも、前記インナシャフト9bと前記アウタチューブ10bとの摺動抵抗を小さく抑える事ができる。
即ち、本例の場合、前記インナシャフト9bを中空状にすると共に、前記雄スプライン部8bが形成された部分に、軸方向一方側から順に前記薄肉部45と前記厚肉部46とを設けている。この為、中実のインナシャフトの場合と比べて、前記雄スプライン部8bが形成された部分の径方向に関する剛性を低くする事ができる。特に、本例の場合、前記雄スプライン部8bが形成された部分のうちの前記薄肉部45が形成された部分の径方向の剛性を、同じく厚肉部46が形成された部分と比べて適度に小さくできる。従って、前記雄スプライン部8bと前記雌スプライン部26との係合部の回転方向のがたつきを防止する為に、この係合部に締め代を持たせた場合でも、この締め代に対する摺動抵抗(摺動荷重)の変動を鈍感にでき、前記インナシャフト9bの、前記アウタチューブ10bに対する摺動を安定させる事ができる。
又、上述の様に前記雄スプライン部8bの径方向の剛性を適度に小さくする事ができる為、この雄スプライン部8bと前記雌スプライン部26との係合部の回転方向のがたつきを防止する為に、この係合部に締め代を持たせた構造を採用した場合でも、この締め代に対する摺動抵抗(摺動荷重)を小さくする事ができる。又、この摺動抵抗(摺動荷重)の変動が鈍感になり、前記インナシャフト9bの、前記アウタチューブ10bに対する摺動を安定させる事ができる。更に、前記インナシャフト9bの誤差を許容できる範囲(寸法公差)を大きく確保した場合でも、この寸法公差の影響で、前記摺動抵抗が徒に大きくなる事を防止できる。従って、前記インナシャフト9b及び前記アウタチューブ10bの、製造コストの低減を図れる。
又、本例の場合、前記第二の連続段部69を前記連続部21a外周面よりも軸方向一方側に位置させる事により、前記厚肉部46(前記スプライン形成部35)の軸方向他端部の内周面に、この厚肉部46の軸方向一端部よりも全周に亙り径方向内方に張り出した内向張出部70を形成している。この様にして、前記連続部21aの径方向に関する厚さ寸法を大きく確保する事により、この記連続部21aと前記小径軸部20aとの境界部分の様に、応力が集中し易い部分の剛性を確保して、前記インナシャフト9bの耐久性の向上を図れる。
更に、本例の場合、使用時に於ける、前記インナシャフト9bと前記アウタチューブ10bとの伸縮ストロークの範囲内で、前記雄スプライン部8bのうちの前記中径孔部43(厚肉部46)に相当する部分を、常に、前記雌スプライン部26とスプライン係合する様に規制している。この為、前記インナシャフト9bと前記アウタチューブ10bとの間のトルク伝達を、このインナシャフト9bの雄スプライン部8bが形成された部分のうち、径方向に関する剛性が比較的高い前記中径孔部43(厚肉部46)に相当する部分で行う事ができる。この結果、摺動性を向上しつつ、前記インナシャフト9bの耐久性の向上も図れる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図4を参照しつつ説明する。
本例の中間シャフト4cを構成するアウタチューブ10cは、小径筒部22aと、連続部23と、大径筒部24と、ヨーク部25とを備えている。
このうちの小径筒部22aは段付円筒状であり、前記アウタチューブ10cのうちの軸方向他端部から軸方向中間部にかけての部分に設けられている。具体的には、前記小径筒部22aは、軸方向一方側半部に設けられた大径部65と、軸方向他方側半部に設けられ、外径寸法がこの大径部65の外径寸法よりも小さい小径部66と、この大径部65の外周面の軸方向他端縁とこの小径部66の外周面の軸方向一端縁とを連続する段部67とから成る。又、前記小径筒部22aの内周面には、全長に亙り雌スプライン部26が形成されている。尚、前記連続部23、前記大径筒部24、及び前記ヨーク部25の構造は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。又、インナシャフト9bの構造も、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
以上の様な構成を有する本例の場合も、前記インナシャフト9bの雄スプライン部8bと、前記アウタチューブ10cの雌スプライン部26とを、コーティング層64を介してスプライン係合させる事により、前記インナシャフト9bと前記アウタチューブ10cとを、トルクの伝達を可能、且つ、全長を伸縮可能な状態に組み合わせている。尚、この様に組み付けられた状態で、前記雄スプライン部8bと前記雌スプライン部26との係合部には、所定量の締め代が設けられている。
又、本例の場合、使用時に於ける、前記インナシャフト9bと前記アウタチューブ10cとの伸縮ストロークの範囲内で、前記アウタチューブ10cの雌スプライン部26のうちの前記大径部65に相当する部分が、常に、前記雄スプライン部8bとスプライン係合する様に規制している。その他の構造、及び作用・効果は前述した実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図5を参照しつつ説明する。
本例の中間シャフト4dを構成するアウタチューブ10dは、小径筒部22bと、連続部23と、大径筒部24と、ヨーク部25とを備えている。
このうちの小径筒部22bは段付円筒状であり、前記アウタチューブ10dのうちの、軸方向他端部から軸方向中間部にかけての部分に設けられている。具体的には、前記小径筒部22bは、軸方向他端寄り部分から軸方向一端部にかけての部分に設けられた大径部65aと、軸方向他端部に設けられ、外径寸法がこの大径部65aの外径寸法よりも小さい小径部66aと、この大径部65aの外周面の軸方向他端縁とこの小径部66aの外周面の軸方向一端縁とを連続する段部67aとから成る。即ち、本例の場合、前記段部67aの軸方向に関する位置を、前述した実施の形態の第2例の段部67よりも軸方向他方側に位置させている。又、前記小径筒部22bの内周面には、全長に亙り雌スプライン部26が形成されている。尚、前記連続部23、前記大径筒部24、及び前記ヨーク部25の構造は、前述した実施の形態の第1例及び第2例の場合と同様である。
又、本例の場合、インナシャフト9cを構成するスプライン形成部35aの内周面に形成した、大径孔部42aの軸方向他端縁と、中径孔部43aの軸方向一端縁とを連続する連続段部44aの軸方向位置を、前述した実施の形態の第1例及び第2例の場合よりも軸方向一方側に位置させている。別の言い方をすれば、本例の場合、前記大径孔部42aの軸方向に関する長さ寸法を、前述した実施の形態の第1例及び第2例の場合よりも短くすると共に、前記中径孔部43aの軸方向に関する長さ寸法を、前述した実施の形態の第1例及び第2例の場合よりも長くしている。
以上の様な構成を有する本例の場合も、前記インナシャフト9cの雄スプライン部8bと、前記アウタチューブ10dの雌スプライン部26とを、コーティング層64を介してスプライン係合させる事により、前記インナシャフト9cと前記アウタチューブ10dとを、トルクの伝達を可能、且つ、全長を伸縮可能な状態に組み合わせている。尚、この様に組み付けられた状態で、前記雄スプライン部8bと前記雌スプライン部26との係合部には、所定量の締め代が設けられている。
又、本例の場合、使用時に於ける、前記インナシャフト9cと前記アウタチューブ10dとの伸縮ストロークの範囲内で、前記アウタチューブ10dの雌スプライン部26のうちの前記大径部65aに相当する部分の少なくとも一部と、前記インナシャフト9cの雄スプライン部8bのうちの厚肉部46a(中径孔部43a)に相当する部分の少なくとも一部とが、常にスプライン係合する様に規制している。その他の構造、及び作用・効果は前述した実施の形態の第1例及び第2例と同様である。
前述した実施の形態の各例では、本発明を、ステアリング装置を構成する中間シャフトを構成するインナシャフトに適用した例に就いて説明した。但し、本発明は、この様なインナシャフト以外にも、各種用途で使用される伸縮自在シャフトの構造に適用する事ができる。
又、前述した実施の形態の第1例で説明した伸縮自在シャフト用インナシャフトの製造方法を構成する各工程は、矛盾が生じない範囲で、順番を入れ替える事が可能である。又、これら各工程は、可能な範囲で同時に行う事もできる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3a、3b、3c、3d 自在継手
4、4a、4b、4c、4d 中間シャフト
5 ステアリングギヤユニット
6 入力軸
7 タイロッド
8、8a、8b 雄スプライン部
9、9a、9b、9c インナシャフト
10、10a、10b、10c、10d アウタチューブ
11 第一のヨーク
12 雌スプライン部
13 第二のヨーク
14 大径孔部
15 中径孔部
16、16a 小径孔部
17 薄肉部
18 中肉部
19、19a 厚肉部
20、20a 小径軸部
21、21a 連続部
22、22a、22b 小径筒部
23 連続部
24 大径筒部
25 ヨーク部
26 雌スプライン部
27 腕部
28 円孔
29 軸受カップ
30 ニードル
31 十字軸
32 軸部
33 ヨーク
34 腕部
35、35a スプライン形成部
36 ヨーク部
37 凹部
38 凸部
39 凹部
40 凸部
41 不完全スプライン部
42、42a 大径孔部
43、43a 中径孔部
44、44a 第一の連続段部
45 薄肉部
46、46a 厚肉部
47 大径部
48 小径部
49、49a 段部
50 外向鍔部
51 雄セレーション
52 十字軸
53 ヨーク
54 基部
55 腕部
56 中心孔
57 雌セレーション
58 円孔
59 軸受カップ
60 ニードル
61 軸部
62 ヨーク
63 腕部
64 コーティング層
65、65a 大径部
66、66a 小径部
67、67a 段部
68 第二の薄肉部
69 第二の連続段部
70 内向張出部

Claims (4)

  1. 軸方向一端部の外周面に形成された雄スプライン部と、該雄スプライン部よりも軸方向他方側部分に設けられ、外径寸法が、該雄スプライン部の外接円の直径よりも小さい小径軸部とを有する中空状のインナシャフトと、
    内周面に雌スプライン部が形成されたアウタチューブと、
    前記雄スプライン部の外周面を覆う状態で設けられたコーティング層とを備えており、
    前記雄スプライン部と前記雌スプライン部とを、前記コーティング層を介してスプライン係合させる事により、前記インナシャフトと前記アウタチューブとがトルク伝達可能、且つ、全長を伸縮可能な状態に組み合わされている伸縮自在シャフトであって、
    前記インナシャフトのうちの前記雄スプライン部が形成された部分が、軸方向一端部に設けられた薄肉部と、該薄肉部よりも軸方向他方側に設けられ、径方向に関する厚さ寸法が該薄肉部よりも大きい厚肉部とを有しており、
    前記インナシャフトの内周面は、前記薄肉部の内周面に形成された大径孔部と、該大径孔部よりも軸方向他方側に形成された中径孔部と、該中径孔部よりも軸方向他方側に形成された小径孔部とを有しており、
    前記中径孔部と前記小径孔部との間に存在する連続段部が、前記雄スプライン部と前記小径軸部との間に存在する連続部の外周面よりも軸方向一方側に位置する事により、前記雄スプライン部の内周面の軸方向他端部に、全周に亙り径方向内方に張り出した内向張出部が形成されている、
    伸縮自在シャフト。
  2. 使用時に於ける前記インナシャフトと前記アウタチューブとの伸縮ストロークの範囲で、前記雄スプライン部のうちの前記厚肉部の外周面に形成された部分の少なくとも一部と、前記アウタチューブの雌スプライン部とが、常にスプライン係合している、請求項1に記載した伸縮自在シャフト。
  3. 前記厚肉部のうちで前記内向張出部が形成されていない部分の断面積と、前記小径軸部のうちで前記小径孔部と同じ内径寸法を有する大径部の断面積とが同じである、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した伸縮自在シャフト。
  4. ヨーク部が、前記インナシャフトの軸方向他端部に設けられた外向鍔部により、該インナシャフトに結合固定されている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した伸縮自在シャフト。
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