JP6512096B2 - 研磨材、研磨材スラリー及び研磨材の製造方法 - Google Patents
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Description
一般的に研磨材として流通する酸化セリウムは、粉砕法により製造されたものが多い。粉砕法により製造された研磨材は、表面にエッジが存在するため、研磨速度は速いが、傷が発生しやすい。
しかしながら、研磨工程が多段階にわたることで、生産性が低下していることが問題となっている。また、平滑度の要求が高まっており、高い研磨速度を維持したまま、傷(キズ)の発生が少ない球形状の研磨材が求められている。
しかしながら、この研磨材スラリーでは、研磨速度が十分ではないという問題がある。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
前記研磨材粒子が、研磨材前駆体粒子である1次粒子を焼成して得た2次粒子であり、
前記1次粒子が、球形状であり、
前記1次粒子の平均粒子径が、100〜1000nmの範囲内であり、
前記2次粒子の平均粒子径が、300〜10000nmの範囲内であり、かつ、
前記研磨材粒子がコア−シェル構造を有し、コアがイットリウムを含有し、シェルがセリウムを含有する
ことを特徴とする研磨材。
4.第1項又は第2項に記載の研磨材を製造する方法であって、
セリウムとイットリウムと尿素とを用い、
前記イットリウムの塩及び前記尿素を用いて、コアとなるイットリウムの塩基性炭酸塩を形成するコア形成工程と、
前記イットリウムの塩基性炭酸塩を分散させる反応溶液に、前記セリウムの塩を含有する溶液を添加して、前記コアの外側に前記セリウムの塩基性炭酸塩を含むシェルを形成するシェル形成工程と、を備えることを特徴とする研磨材の製造方法。
これにより、研磨加工の初期段階よりも研磨材粒子自体も研磨加工により凝集状態が変化することで、平均粒子径が小さくなり、精密研磨することができ、工程の簡略化も図ることができるという効果を生んでいる。
この特徴は、本実施形態に係る発明に共通する技術的特徴である。
一般的な研磨材には、ベンガラ(αFe2O3)、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカ等の研磨材粒子を水や油に分散させてスラリー状にしたものなどがある。本発明は、半導体デバイスやガラスの研磨加工において、高精度に平坦性を維持しつつ、十分な研磨速度を得るために物理的な作用と化学的な作用の両方で研磨を行う、化学機械研磨(CMP;Chemical Mechanical Polishing)が可能な酸化セリウムを含有する研磨材及び当該研磨材を含む研磨材スラリーであり、以下にその詳細を説明する。
本発明の研磨材は、セリウムを含有する研磨材粒子を含む研磨材であって、研磨材粒子が、研磨材前駆体粒子である1次粒子を焼成して得た2次粒子であり、1次粒子が、球形状であり、1次粒子の平均粒子径が、100〜1000nmの範囲内であり、かつ、2次粒子の平均粒子径が、300〜10000nmの範囲内であることを特徴とする。
ここで、「1次粒子」とは、焼成する前の研磨材前駆体粒子(以下、研磨材粒子の前駆体ともいう。)をいう。当該1次粒子の平均粒子径は、100〜1000nmの範囲内であることを特徴とする。
一方、「2次粒子」とは、研磨材前駆体粒子を焼成する過程で凝集した研磨材粒子をいう。当該2次粒子の平均粒子径は、300〜10000nmの範囲内であればよい。
1次粒子及び2次粒子の平均粒子径の調整は、研磨材粒子を構成する成分の原料の量の調整、研磨材前駆体粒子製造過程における反応時間の調整、当該研磨材前駆体粒子の焼成温度、時間等の調整によって行うことができる。
なお、研磨材粒子は、層構造を有していてもよいし、層の区別がない1層の構造であってもよい。
コア−シェル構造の場合に各層に含有される元素の種類や含有量は目的とする研磨材に応じて適宜設定することができる。
例えば、コアは、イットリウムを主成分とする層として、シェルは、セリウムを主成分とするコア−シェル構造を有する研磨材粒子を調製してもよい。この場合、各層には、例えば、セリウムやイットリウムに加え、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素を含有してもよい。
なお、研磨材粒子の組成分布については、研磨材粒子の断面の元素分析を行うことにより求めてもよい。例えば、研磨材粒子について、日立ハイテクノロジーズ製 集束イオンビーム(FB−2000A)により断面加工を行い、粒子中心付近を通る面を切り出す。そして、切断面より、日立ハイテクノロジーズ製 STEM−EDX(HD−2000)を使用して元素分析を行い、研磨材粒子の各希土類元素の組成分布を求めることもできる。
具体的には、研磨材粒子について、走査型電子顕微鏡写真の撮影を行い、研磨材粒子100個を無作為に選択する。選択された研磨材粒子の長径をa、短径をbとしたとき、a/bの値の平均値をアスペクト比として求める。なお、各粒子について外接する長方形(「外接長方形」という。)を描いたとき、外接長方形の短辺及び長辺うち、最短の短辺の長さを短径とし、最長の長辺の長さを長径とする。
アスペクト比が、1.00〜1.15の範囲内、より好ましくは1.00〜1.05の範囲内である場合に球形状として分類する。1.00〜1.15の範囲外である場合は不定形として分類する。
平均粒子径は、20個の研磨材粒子の粒子径の算術平均値とする。
なお、上記粒子径の測定は、画像処理測定装置(例えば、ルーゼックス AP;株式会社ニレコ製)を用いて行うことができる。
粒度分布測定は、例えば、解砕後の2次粒子を水に分散させ、そのうち適量を装置に投入する。分散媒中の粒子にレーザーが当たると、光散乱理論により、粒子種(この場合はセリウム)と粒子の大きさに固有の屈折率・大きさで散乱することが分かっており、この原理を用いて研磨加工前後の平均粒子径を算出することができる。
また粒子径分布変動係数は下記の式で求める。
変動係数(%)=(粒子径分布の標準偏差/平均粒子径)×100
同程度の2次粒子径で単分散度の異なるものを抽出する方法としては、例えば、円筒状の容器に単分散度の低い状態の粒子群を水に分散させたものを入れ、円筒状の垂直方向の中心部分から液を抜き出して、同程度の大きさの2次粒子群を得る方法がある。
研磨速度は、例えば、研磨材スラリーを研磨機に循環供給させて研磨加工を30分間行うことにより測定することができる。研磨前後の厚さをNikon Digimicro(MF501)にて測定し、厚さ変位から1分間当たりの研磨量(μm)を算出し、研磨速度とすることができる。
研磨加工開始から5分間の研磨量の平均を初期研磨速度として算出し、研磨加工終了5分前から終了までの5分間の研磨量の平均を終期研磨速度として算出することができる。
具体的には、初期研磨速度が、0.50μm/min以上で、かつ、終期研磨速度が、0.10μm/min以上であることが、生産性の観点から必要である。
高い単分散度を示す研磨材粒子を含有する研磨材は、キズ(傷)が発生しにくく、精密研磨に適している。
ここで、傷の発生については、ガラス基板の表面状態を評価することにより求めることができる。
例えば、ガラス基板表面の表面状態(表面粗さRa)について、30分間研磨加工を行ったガラス基板を、光波干渉式表面粗さ計(Zygo社製Dual−channel ZeMapper)により表面粗さ評価を行うことができる。なお、Raとは、JIS B0601−2001における算術平均粗さを表している。
具体的には、実用性の観点から、傷の個数が20個以下であることが必要であり、10個以下であることがより好ましい。
以下に研磨材の製造方法を示す。
本発明の研磨材粒子を含有する研磨材の製造方法は、少なくとも研磨材前駆体粒子調製工程、固液分離工程、焼成工程を含む。
具体的には、調製する研磨材粒子の層構造又は組成等に応じて詳細な研磨材前駆体粒子調製工程で行う手順が異なる。
一例として、層構造を有するセリウムを含有する研磨材粒子の製造方法及び層構造のないセリウムを含有する研磨材粒子の製造方法について説明する。
以下に、層構造を有する研磨材粒子の製造方法として、コア及びシェルからなる研磨材粒子の製造方法を示す。
層構造を有する研磨材粒子の製造方法は、コア形成工程、シェル形成工程、固液分離工程、焼成工程の4つの工程からなる。
コア形成工程は、例えば、アルミニウム(Al)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ジルコニウム(Zr)、インジウム(In)、スズ(Sn)、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)、トリウム(Th)又はアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素の塩を形成させ、当該元素の塩を主成分とする研磨材前駆体粒子のコアを形成させる。
具体的には、コア形成工程は、イットリウムの塩及び沈殿剤を水に溶解させ、所定の濃度の溶液を調製する。そして、コア形成工程は、調製された溶液を80℃以上で加熱撹拌し、研磨材前駆体粒子のコアとなる、水に不溶な塩基性炭酸塩を形成させる。
ここで、コアとは、研磨材前駆体粒子の中心部分を含む領域であって、領域の形状は特に限定しないが、球形状であることが好ましい。
以下の説明においては、加熱撹拌を開始した溶液を反応溶液とする。
特に尿素は、徐々に加水分解することでゆっくり沈殿が生成し、均一な沈殿が得られる点で好ましい。
なお、加熱撹拌の際には、十分な撹拌効率を得られれば、特に撹拌機の形状等は指定しないが、より高い撹拌効率を得るためには、ローター・ステータータイプの軸流撹拌機を使用することが好ましい。
シェル形成工程は、コア形成工程により形成される、例えば、イットリウムの塩基性炭酸塩を分散させる反応溶液に、硝酸イットリウム及び硝酸セリウムにより調製された水溶液を一定速度で所定時間添加して、コアの外側にイットリウムの塩基性炭酸塩及びセリウムの塩基性炭酸塩を含む研磨材前駆体粒子のシェルを形成させる。
なお、水溶液の調製に用いるセリウムの塩として、製品への不純物の混入が少ない硝酸塩を使用することが好ましいため、硝酸セリウムを用いる場合を示したが、これに限定するものではなく、塩酸塩、硫酸塩等を用いることができる。
また、反応溶液は、前記添加速度で水溶液を添加されながら、80℃以上で加熱撹拌されることが好ましい。これは、80℃以上で加熱撹拌されると、コア形成工程において添加された尿素の分解が進みやすくなるためである。
また、焼成後の2次粒子の平均粒子径については、解砕することにより、所望の平均粒子径にさらに調整することができる。
固液分離工程では、加熱撹拌した後、生成した沈殿(研磨材微粒子の前駆体)を反応液と分離する固液分離操作を行う。固液分離操作の方法は、一般的な方法でよく、例えば、フィルター等を使用して濾過により研磨材前駆体粒子を得ることができる。
焼成工程では、固液分離工程により得られた研磨材前駆体粒子を酸化性雰囲気中で、1500℃以上の焼成温度で、3時間焼成する。焼成装置は、ローラーハースキルンを使用することが好ましい。
焼成工程における室温からの昇温及び室温までの降温は、研磨材粒子に微小なクラックの発生を抑制するため、25℃/minの速度で行う。焼成された研磨材前駆体粒子は、酸化物となり、酸化セリウムを含有する2次粒子となる。
なお、必要に応じて焼成する前に水又はアルコール等で洗浄、乾燥を行ってから焼成してもよい。
焼成を経て冷却することにより、研磨材粒子を安定させた後、当該研磨材粒子を含有する研磨材として回収することができる。
解砕工程は、焼成工程で得られた2次粒子を所望の平均粒子径に調整するために解砕する工程である。具体的には、得られた2次粒子を、解砕ふるいを使用して解砕することができる。
解砕ふるいとしては、例えば、ビーズミルを使用することができ、2次粒子を所望の平均粒子径にまで解砕した研磨材を得ることができる。
層構造のない研磨材粒子の製造方法は、おおむね以下の六つの工程1〜6からなる。炭酸ガスの導入は、工程1〜4までの間、連続的若しくは断続的に導入してもよく、少なくとも工程2〜工程3までの間導入することが好ましい。
炭酸ガスを連続的若しくは断続的に水溶液又は反応液に導入することで、炭酸イオン濃度を所望の範囲内に制御することができる。
ここで、連続的とは、炭酸ガスの導入を開始から終了までの間、一定の流量及び圧力で反応液に導入することをいう。
一方、断続的とは、炭酸ガスの導入を開始から終了までの間、所定の流量及び圧力で間隔をあけて反応液に導入することをいう。なお、当該間隔は、流量及び圧力に合わせて適宜設定することができる。
例えば、工程2で沈殿剤を添加される直前の、水溶液又は反応液中の炭酸イオン濃度が、50〜1600mg/Lの範囲内、特に58〜1569mgの範囲内であることが、反応液に十分な量の炭酸ガスを導入することができ、炭酸ガスの供給量を制御できる点で好ましい。
工程1(希土類水溶液調製工程)は、セリウム(Ce)を含有する水溶液を調製し加熱する。
具体的には、まず、セリウムを含有する水溶液を調製する。
例えば、セリウムの含有量が、水溶液に含有される希土類元素の全体量に対して、95〜100mol%である水溶液又はセリウムを必ず含み、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する水溶液を調製する。
これは、セリウムのみ、又はセリウムを必ず含み、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種の元素の水溶液中でのイオン濃度及び尿素のイオン濃度を、当該範囲内とすることで、単分散性を示す球形状の研磨材粒子を合成することができると考えられるためである。
当該水溶液を調製するために用いることができるこれらの元素の塩として、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩等を用いることができるが、硝酸塩を使用することが好ましい。これにより、不純物の少ない研磨材を製造することができる。
工程2(沈殿剤添加工程)では、工程1において加熱された水溶液に沈殿剤を添加して反応液を調製する。
沈殿剤は、尿素又は尿素系化合物であることが、加水分解反応により二酸化炭素とアンモニアを供給できる点で好ましい。
具体的には、工程2(沈殿剤添加工程)では、例えば、所定の濃度の尿素水溶液をあらかじめ調製し、当該尿素水溶液を加熱して添加する。
例えば、5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L調製し、60℃まで加熱する。
60℃以下で加熱することにより、尿素を加水分解することなく保持することができ、かつ、工程1において加熱された水溶液に添加する際に反応液の温度を極端に低下させることなく反応を進めることができる。
ここでの、尿素水溶液の添加は、添加速度が速い方が好ましい。具体的には、前記尿素水溶液の添加速度が、0.5L/min以上が好ましく、特に1.0L/min以上が好ましい。尿素水溶液の添加速度を速めることで、尿素水溶液により生成した研磨材粒子の核が異方成長することなく球形状に成長することができると考えられる。
工程3(研磨材前駆体粒子生成工程)では、反応液を加熱撹拌して研磨材前駆体粒子を生成させる。
具体的には、当該混合した溶液を加熱しながら撹拌する。
尿素水溶液と希土類水溶液を混合することで、研磨材粒子の核が生成し、当該混合溶液に分散する。研磨材粒子の核が分散する混合溶液を加熱撹拌することにより、当該研磨材の核が成長し、研磨材前駆体粒子が得られる。
加熱する際の加熱温度は、80℃以上が好ましく、90℃以上が特に好ましい。また、撹拌時間は1時間以上10時間以下が好ましく、1時間以上3時間以下が特に好ましい。なお、加熱温度及び撹拌時間は、目的とする粒子径に合わせて適宜調整することができる。
研磨材粒子の核の大きさや、希土類水溶液と尿素水溶液の反応液を加熱する温度及び撹拌時間によって、研磨材前駆体粒子(1次粒子)の平均粒子径を調整することができる。さらに、焼成温度や焼成時間を調整することにより、焼結状態を変化させることができるため、2次粒子の凝集状態、すなわち、2次粒子の平均粒子径を調整することもできる。
工程4(固液分離工程)では、層構造を有する研磨材粒子の製造方法と同様の固液分離操作により研磨材前駆体粒子を得ることができる。
工程5(焼成工程)では、層構造を有する研磨材粒子の製造方法と同様に焼成することで、酸化セリウムを含有する研磨材粒子が得られる。
なお、焼成を経て冷却することにより、研磨材粒子を安定させた後、当該研磨材粒子を含有する研磨材として回収することができる。
また、当該研磨材は、当該研磨材粒子を50質量%以上含有し、好ましくは70質量%以上含有し、90質量%以上含有することが特に好ましい。これにより、研磨による表面粗さが小さい研磨材を得ることができる。
工程6(解砕工程)では、層構造を有する研磨材粒子の製造方法と同様に解砕することで、2次粒子を所望の平均粒子径にまで解砕した研磨材を得られる。
情報記録ディスク用ガラス基板の研磨加工を例にとり、研磨加工方法を記載する。
研磨材粒子を含有する研磨材の粉体を水等の溶媒に添加し、研磨材スラリーを調製する。研磨材スラリーには、分散剤等を添加することで、凝集を防止するとともに、撹拌機等を用いて常時撹拌し、分散状態を維持する。研磨材スラリーは供給用ポンプを利用して、研磨機に循環供給される。
研磨パット(研磨布)が貼られた研磨機の上下定盤にガラス基板を接触させ、接触面に対して研磨材スラリーを供給しながら、加圧条件下でパットとガラスを相対運動させることで研磨することができる。
なお、焼成前の研磨材前駆体粒子を1次粒子とし、焼成して得られた2次粒子を解砕により平均粒子径を調整し、それぞれの平均粒子径を後述する方法で求め、その結果を表1に示した。
(1) 水10Lに対して、硝酸イットリウム水溶液を0.01mol/L、尿素を0.25mol/Lになるように調製し、十分に撹拌したのち、90℃で加熱撹拌を開始した。
(2) 前記(1)の水溶液に対して、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液を毎分1mLの添加速度で4分間添加した。
(3) 前記(2)の水溶液に対して、0.1mol/Lのイットリウム、0.9mol/Lのセリウムを含む硝酸水溶液を毎分1mLの添加速度で4分間添加した。
(4) 前記(3)で析出した研磨材前駆体粒子をメンブランフィルターにて分離し、1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度(室温からの昇温及び室温までの降温過程)で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(5) 前記(4)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が150nmの2次粒子を得た。
(6) 前記(5)で得られた平均粒子径を調整した2次粒子を粒度分布測定により同程度の粒子径に分布を調整し、単分散度(CV値)を高めた。具体的には、円筒状の容器に単分散度の低い状態の粒子群を水に分散させたものを入れ、円筒状の垂直方向の中心部分から液を抜き出して、同程度の大きさの2次粒子群を得た。以下の研磨材についても同様の方法で単分散度を高めた。
研磨材2〜4の製造方法は、研磨材1と同様であって、(5)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、それぞれ250nm、5000nm、10000nmの2次粒子に調整した。
(1) 水10Lに対して、硝酸イットリウム水溶液を0.01mol/L、尿素を0.25mol/Lになるように調製し、十分に撹拌したのち、90℃で加熱撹拌を開始した。
(2) 前記(1)の水溶液に対して、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液を毎分1mLの添加速度で5分間添加した。
(3) 前記(2)の水溶液に対して、0.1mol/Lのイットリウム、0.9mol/Lのセリウムを含む硝酸水溶液を毎分1mLの添加速度で5分間添加した。
(4) 前記(3)で析出した研磨材前駆体粒子をメンブランフィルターにて分離し、1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(5) 前記(4)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が150nmの2次粒子を得た。
研磨材6〜9の製造方法は、研磨材5と同様であって、(5)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、それぞれ300nm、1000nm、5000nm、10000nmの2次粒子に調整した。
(1) 水10Lに対して、硝酸イットリウム水溶液を0.01mol/L、尿素を0.25mol/Lになるように調製し、十分に撹拌したのち、90℃で加熱撹拌を開始した。
(2) 前記(1)の水溶液に対して、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液を毎分1mLの添加速度で25分間添加した。
(3) 前記(2)の水溶液に対して、0.1mol/Lのイットリウム、0.9mol/Lのセリウムを含む硝酸水溶液を毎分1mLの添加速度で25分間添加した。
(4) 前記(3)で析出した研磨材前駆体粒子をメンブランフィルターにて分離し、1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(5) 前記(4)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が1000nmの2次粒子を得た。
(6) 前記(5)で得られた平均粒子径を調整した2次粒子を粒度分布測定により同程度の粒子径に分布を調整し、単分散度(CV値)を高めた。
(1) 水10Lに対して、硝酸イットリウム水溶液を0.01mol/L、尿素を0.25mol/Lになるように調製し、十分に撹拌したのち、90℃で加熱撹拌を開始した。
(2) 前記(1)の水溶液に対して、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液を毎分1mLの添加速度で25分間添加した。
(3) (2)の水溶液に対して、0.1mol/Lのイットリウム、0.9mol/Lのセリウムを含む硝酸水溶液を毎分1mLの添加速度で25分間添加した。
(4) 前記(3)で析出した研磨材前駆体粒子をメンブランフィルターにて分離し、1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(5) 前記(4)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が1000nmの2次粒子を得た。
研磨材12、13の製造方法は、研磨材10と同様であって、(5)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、それぞれ5000nm、10000nmの2次粒子に調整した。
(1) 水10Lに対して、硝酸イットリウム水溶液を0.01mol/L、尿素を0.25mol/Lになるように調製し、十分に撹拌したのち、90℃で加熱撹拌を開始した。
(2) 前記(1)の水溶液に対して、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液を毎分1mLの添加速度で25分間添加した。
(3) 前記(2)の水溶液に対して、0.1mol/Lのイットリウム、0.9mol/Lのセリウムを含む硝酸水溶液を毎分1mLの添加速度で25分間添加した。
(4) 前記(3)で析出した研磨材前駆体粒子をメンブランフィルターにて分離し、1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(5) 前記(4)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が10000nmの2次粒子を得た。
研磨材15の製造方法は、研磨材10と同様であって、(5)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、15000nmの2次粒子に調整した。
(1) 水10Lに対して、硝酸イットリウム水溶液を0.01mol/L、尿素を0.25mol/Lになるように調製し、十分に撹拌したのち、90℃で加熱撹拌を開始した。
(2) 前記(1)の水溶液に対して、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液を毎分1mLの添加速度で50分間添加した。
(3) 前記(2)の水溶液に対して、0.1mol/Lのイットリウム、0.9mol/Lのセリウムを含む硝酸水溶液を毎分1mLの添加速度で50分間添加した。
(4) 前記(3)で析出した研磨材前駆体粒子をメンブランフィルターにて分離し、1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(5) 前記(4)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が5000nmの2次粒子を得た。
(6) 前記(5)で得られた平均粒子径を調整した2次粒子を粒度分布測定により同程度の粒子径に分布を調整し、単分散度(CV値)を高めた。
研磨材17、18の製造方法は、研磨材16と同様であって、(5)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、それぞれ10000nm、15000nmの2次粒子に調整した。
(1) 水10Lに対して、硝酸イットリウム水溶液を0.01mol/L、尿素を0.25mol/Lになるように調製し、十分に撹拌したのち、90℃で加熱撹拌を開始した。
(2) 前記(1)の水溶液に対して、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液を毎分1mLの添加速度で60分間添加した。
(3) 前記(2)の水溶液に対して、0.1mol/Lのイットリウム、0.9mol/Lのセリウムを含む硝酸水溶液を毎分1mLの添加速度で60分間添加した。
(4) 前記(3)で析出した研磨材前駆体粒子をメンブランフィルターにて分離し、1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(5) 前記(4)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が2000nmの2次粒子を得た。
(6) 前記(5)で得られた平均粒子径を調整した2次粒子を粒度分布測定により同程度の粒子径に分布を調整し、単分散度(CV値)を高めた。
研磨材20、21の製造方法は、研磨材19と同様であって、(5)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、それぞれ5000nm、10000nmの2次粒子に調整した。
(1) 5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、60℃まで加熱した。
(2) 1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとを混合した後、純水を加えて9.5Lとし、この混合水溶液を90℃に加熱した。
(3) 前記(2)で90℃に加熱した混合水溶液に炭酸ガスを0.5L/minの流量、0.1MPaの供給圧力で、供給を開始した。
(4) 前記(3)で炭酸ガスの供給を開始してから15分後に、前記(3)で90℃に加熱し、炭酸ガスが供給された硝酸セリウム水溶液に前記(1)で調製した尿素水溶液を、1L/minの添加速度で添加した。
(5) 前記(4)で硝酸セリウム水溶液に尿素水溶液を添加した反応液を90℃で8分間加熱撹拌した。
(6) 前記(5)で加熱撹拌した反応液中に析出した研磨材粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(7) 前記(6)で分離した研磨材粒子の前駆体を1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(8) 前記(7)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が150nmの2次粒子を得た。
(9) 前記(8)で得られた平均粒子径を調整した2次粒子を粒度分布測定により同程度の粒子径に分布を調整し、単分散度(CV値)を高めた。
研磨材23〜25の製造方法は、研磨材1と同様であって、(8)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、それぞれ250nm、5000nm、10000nmの2次粒子に調整した。
(1) 5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、60℃まで加熱した。
(2) 1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとを混合した後、純水を加えて9.5Lとし、この混合水溶液を90℃に加熱した。
(3) 前記(2)で90℃に加熱した混合水溶液に炭酸ガスを0.5L/minの流量、0.1MPaの供給圧力で、供給を開始した。
(4) 前記(3)で炭酸ガスの供給を開始してから15分後に、前記(3)で90℃に加熱し、炭酸ガスが供給された硝酸セリウム水溶液に前記(1)で調製した尿素水溶液を、1L/minの添加速度で添加した。
(5) 前記(4)で硝酸セリウム水溶液に尿素水溶液を添加した反応液を90℃で10分間加熱撹拌した。
(6) 前記(5)で加熱撹拌した反応液中に析出した研磨材粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(7) 前記(6)で分離した研磨材粒子の前駆体を1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(8) 前記(7)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が150nmの2次粒子を得た。
(9) 前記(8)で得られた平均粒子径を調整した2次粒子を粒度分布測定により同程度の粒子径に分布を調整し、単分散度(CV値)を高めた。
研磨材27〜30の製造方法は、研磨材26と同様であって、(8)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、それぞれ300nm、1000nm、5000nm、10000nmの2次粒子に調整した。
(1) 5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、60℃まで加熱した。
(2) 1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとを混合した後、純水を加えて9.5Lとし、この混合水溶液を90℃に加熱した。
(3) 前記(2)で90℃に加熱した混合水溶液に炭酸ガスを0.5L/minの流量、0.1MPaの供給圧力で、供給を開始した。
(4) 前記(3)で炭酸ガスの供給を開始してから15分後に、前記(3)で90℃に加熱し、炭酸ガスが供給された硝酸セリウム水溶液に前記(1)で調製した尿素水溶液を、1L/minの添加速度で添加した。
(5) 前記(4)で硝酸セリウム水溶液に尿素水溶液を添加した反応液を90℃で50分間加熱撹拌した。
(6) 前記(5)で加熱撹拌した反応液中に析出した研磨材粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(7) 前記(6)で分離した研磨材粒子の前駆体を1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(8) 前記(7)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が500nmの2次粒子を得た。
(9) 前記(8)で得られた平均粒子径を調整した2次粒子を粒度分布測定により同程度の粒子径に分布を調整し、単分散度(CV値)を高めた。
(1) 5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、60℃まで加熱した。
(2) 1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとを混合した後、純水を加えて9.5Lとし、この混合水溶液を90℃に加熱した。
(3) 前記(2)で90℃に加熱した混合水溶液に炭酸ガスを0.5L/minの流量、0.1MPaの供給圧力で、供給を開始した。
(4) 前記(3)で炭酸ガスの供給を開始してから15分後に、前記(3)で90℃に加熱し、炭酸ガスが供給された硝酸セリウム水溶液に前記(1)で調製した尿素水溶液を、1L/minの添加速度で添加した。
(5) 前記(4)で硝酸セリウム水溶液に尿素水溶液を添加した反応液を90℃で50分間加熱撹拌した。
(6) 前記(5)で加熱撹拌した反応液中に析出した研磨材粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(7) 前記(6)で分離した研磨材粒子の前駆体を1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(8) 前記(7)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が500nmの2次粒子を得た。
研磨材33、34の製造方法は、研磨材31と同様であって、(8)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、それぞれ5000nm、10000nmの2次粒子に調整した。
(1) 5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、60℃まで加熱した。
(2) 1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとを混合した後、純水を加えて9.5Lとし、この混合水溶液を90℃に加熱した。
(3) 前記(2)で90℃に加熱した混合水溶液に炭酸ガスを0.5L/minの流量、0.1MPaの供給圧力で、供給を開始した。
(4) 前記(3)で炭酸ガスの供給を開始してから15分後に、前記(3)で90℃に加熱し、炭酸ガスが供給された硝酸セリウム水溶液に前記(1)で調製した尿素水溶液を、1L/minの添加速度で添加した。
(5) 前記(4)で硝酸セリウム水溶液に尿素水溶液を添加した反応液を90℃で50分間加熱撹拌した。
(6) 前記(5)で加熱撹拌した反応液中に析出した研磨材粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(7) 前記(6)で分離した研磨材粒子の前駆体を1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(8) 前記(7)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が10000nmの2次粒子を得た。
研磨材36の製造方法は、研磨材31と同様であって、(8)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、15000nmの2次粒子に調整した。
(1) 5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、60℃まで加熱した。
(2) 1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとを混合した後、純水を加えて9.5Lとし、この混合水溶液を90℃に加熱した。
(3) 前記(2)で90℃に加熱した混合水溶液に炭酸ガスを0.5L/minの流量、0.1MPaの供給圧力で、供給を開始した。
(4) 前記(3)で炭酸ガスの供給を開始してから15分後に、前記(3)で90℃に加熱し、炭酸ガスが供給された硝酸セリウム水溶液に前記(1)で調製した尿素水溶液を、1L/minの添加速度で添加した。
(5) 前記(4)で硝酸セリウム水溶液に尿素水溶液を添加した反応液を90℃で100分間加熱撹拌した。
(6) 前記(5)で加熱撹拌した反応液中に析出した研磨材粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(7) 前記(6)で分離した研磨材粒子の前駆体を1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(8) 前記(7)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が5000nmの2次粒子を得た。
(9) 前記(8)で得られた平均粒子径を調整した2次粒子を粒度分布測定により同程度の粒子径に分布を調整し、単分散度(CV値)を高めた。
研磨材38、39の製造方法は、研磨材37と同様であって、(8)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、それぞれ10000nm、15000nmの2次粒子に調整した。
(1) 5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、60℃まで加熱した。
(2) 1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとを混合した後、純水を加えて9.5Lとし、この混合水溶液を90℃に加熱した。
(3) 前記(2)で90℃に加熱した混合水溶液に炭酸ガスを0.5L/minの流量、0.1MPaの供給圧力で、供給を開始した。
(4) 前記(3)で炭酸ガスの供給を開始してから15分後に、前記(3)で90℃に加熱し、炭酸ガスが供給された硝酸セリウム水溶液に前記(1)で調製した尿素水溶液を、1L/minの添加速度で添加した。
(5) 前記(4)で硝酸セリウム水溶液に尿素水溶液を添加した反応液を90℃で2時間加熱撹拌した。
(6) 前記(5)で加熱撹拌した反応液中に析出した研磨材粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(7) 前記(6)で分離した研磨材粒子の前駆体を1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(8) 前記(7)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が2000nmの2次粒子を得た。
(9) 前記(8)で得られた平均粒子径を調整した2次粒子を粒度分布測定により同程度の粒子径に分布を調整し、単分散度(CV値)を高めた。
研磨材41、42の製造方法は、研磨材40と同様であって、(8)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、それぞれ5000nm、10000nmの2次粒子に調整した。
研磨材1〜42を水に分散させたスラリーについて、以下の方法に従って、形状・研磨性能の評価を行った。
研磨材粒子について、日立製作所製走査型電子顕微鏡(SEM)S−3700Nを用いて、走査型電子顕微鏡写真(SEM像)の撮影を行い、粒子100個を無作為に選択し、その長径をa、短径をbとしてとき、a/bの値の平均値をアスペクト比として求めた。なお、各粒子について外接する長方形(「外接長方形」という。)を描いたとき、外接長方形の短辺及び長辺うち、最短の短辺の長さを短径とし、最長の長辺の長さを長径とする。
アスペクト比が、1.00〜1.15の範囲内、より好ましくは1.00〜1.05の範囲内である場合に球形状として分類する。1.00〜1.15の範囲外である場合は不定形として分類した。研磨材1〜42に含有される1次粒子が、球形状であることを確認した。
研磨材前駆体粒子(1次粒子)20個の走査型電子顕微鏡写真から、各粒子の写真画像の面積に基づき、面積円相当粒子径を求め、これを各粒子の粒子径とした。
平均粒子径は、20個の研磨材粒子の粒子径の算術平均値とした。
粒度分布測定は、堀場製作所製LA−950S2を用いて、解砕後の2次粒子を水に分散させ、そのうち適量を装置に投入する。分散媒中の粒子にレーザーが当たると、光散乱理論により、粒子種(この場合はセリウム)と粒子の大きさに固有の屈折率・大きさで散乱することが分かっており、この原理を用いて研磨加工前後の平均粒子径を算出した。
また粒子径分布変動係数は下記の式で求めた。
変動係数(%)=(粒子径分布の標準偏差/平均粒子径)×100
研磨速度は、研磨材粒子を用いた研磨材の粉体を水等の溶媒に分散させた研磨材スラリーを、研磨機の研磨対象面に供給しながら、研磨対象面を研磨布で研磨することで測定した。研磨材スラリーは分散媒を水のみとして、濃度は100g/Lとし、孔径5μmのフィルターに通した。研磨試験においては、研磨材スラリーを5L/minの流量で循環供給させて研磨加工を行った。研磨対象物として、65mmΦのガラス基板を使用し、研磨布は、ポリウレタン製の物を使用した。研磨面に対する研磨時の圧力は、9.8kPa(100g/cm2)とし、研磨試験機の回転速度は100min−1(rpm)に設定し、30分間研磨加工を行った。研磨前後の厚さをNikon Digimicro(MF501)にて測定し、厚さ変位から1分間当たりの研磨量(μm)を算出し、研磨速度とした。
研磨加工開始から5分間の研磨量の平均を初期研磨速度として算出し、研磨加工終了5分前から終了までの5分間の研磨量の平均を終期研磨速度として算出した。
また、ガラス基板表面の表面状態(傷の個数)について、30分間研磨加工を行ったガラス基板を、光波干渉式表面粗さ計(Zygo社製Dual−channel ZeMapper)を用いて、ガラス基板全面の凹凸を測定することにより傷の個数の評価を行った。
具体的には、30分間研磨加工を行ったガラス基板の表面を、Zygo社製Dual−channel ZeMapperを用いて、ガラス基板5枚について、50〜100μmの範囲内の傷の有無を目視で調べ、その一枚あたりの発生数の平均値で表した。
以上の評価により得られた結果を表1、2にまとめた。
Claims (4)
- セリウムとイットリウムを含有する研磨材粒子を含む研磨材であって、
前記研磨材粒子が、研磨材前駆体粒子である1次粒子を焼成して得た2次粒子であり、
前記1次粒子が、球形状であり、
前記1次粒子の平均粒子径が、100〜1000nmの範囲内であり、
前記2次粒子の平均粒子径が、300〜10000nmの範囲内であり、かつ、
前記研磨材粒子がコア−シェル構造を有し、コアがイットリウムを含有し、シェルがセリウムを含有する
ことを特徴とする研磨材。 - 前記研磨材に含まれる前記研磨材粒子の粒子径分布変動係数が、25%以下であることを特徴とする請求項1に記載の研磨材。
- 請求項1又は請求項2に記載の研磨材を含むことを特徴とする研磨材スラリー。
- 請求項1又は請求項2に記載の研磨材を製造する方法であって、
セリウムとイットリウムと尿素とを用い、
前記イットリウムの塩及び前記尿素を用いて、コアとなるイットリウムの塩基性炭酸塩を形成するコア形成工程と、
前記イットリウムの塩基性炭酸塩を分散させる反応溶液に、前記セリウムの塩を含有する溶液を添加して、前記コアの外側に前記セリウムの塩基性炭酸塩を含むシェルを形成するシェル形成工程と、を備えることを特徴とする研磨材の製造方法。
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