JP6512020B2 - トルクアシスト異常診断装置 - Google Patents

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Description

本発明はトルクアシスト異常診断装置に係る。特に、本発明は、車両発進時において、走行用駆動力源からの発進アシストトルクが適正に得られているか否かを診断する装置に関する。
従来、車両発進時の発進性を良好に得るべく、この車両発進時におけるエンジン(走行用駆動力源)の目標トルクとして、エンジン回転速度やアクセル開度に応じて設定される要求トルクに、発進アシストトルクを付加することが知られている(例えば特許文献1を参照)。
特開2001−73842号公報
しかしながら、前記発進アシストトルクが適正に得られているか否かを高い精度で診断可能とする装置については未だ提案されていない。例えば発進アシストトルクが適正に得られておらず、この発進アシストトルクが適正値よりも高い場合には、車両の挙動に乗員が違和感を感じてしまい、ドライバビリティの悪化に繋がってしまう。
このため、トルクアシスト(発進アシストトルクの算出ロジック)に異常が生じているか否かを高い精度で診断可能なトルクアシスト異常診断装置が求められている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、発進アシストトルクが適正に得られているか否かを高い精度で診断可能なトルクアシスト異常診断装置を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、走行用駆動力源と、この走行用駆動力源からの動力の伝達経路上に備えられ乗員の操作によって係合と解放との間で係合状態が変化するクラッチ装置とを備えた車両に搭載され、車両発進時において前記走行用駆動力源が発生するトルクとして乗員が要求するトルクに付加される発進アシストトルクが適正に得られているか否かを診断するトルクアシスト異常診断装置を対象とする。このトルクアシスト異常診断装置に対し、制御用発進アシストトルクを算出するためのパラメータとして、前記車両発進時におけるクラッチストロークを使用すると共に前記車両発進時におけるアクセル開度および車速を使用することなく前記制御用発進アシストトルクを算出する制御用発進アシストトルク算出部と、監視用発進アシストトルクを算出するためのパラメータとして、前記車両発進時におけるアクセル開度および車速を使用すると共に前記車両発進時におけるクラッチストロークを使用することなく前記監視用発進アシストトルクを算出する監視用発進アシストトルク算出部と、前記制御用発進アシストトルクを使用して算出された制御用要求トルクと、前記監視用発進アシストトルクを使用して算出された監視用要求トルクとの差が所定の閾値以上である状態が所定時間継続された場合に、前記制御用発進アシストトルク算出部での前記制御用発進アシストトルクの算出に異常が生じていると判定する異常判定部とを備えさせている。
この特定事項により、制御用発進アシストトルクを使用して算出された制御用要求トルクと、監視用発進アシストトルクを使用して算出された監視用要求トルクとの差が所定の閾値以上である状態が所定時間継続された場合には、制御用発進アシストトルクの算出に異常が生じていると判定することになる。このため、制御用発進アシストトルク算出部での制御用発進アシストトルクの算出に異常が生じている場合に、そのことを高い精度で判定することができる。
本発明では、制御用発進アシストトルク(クラッチ装置の係合状態に基づいて算出されたアシストトルク)を使用して算出された制御用要求トルクと、監視用発進アシストトルク(乗員のアクセル操作量および車速に基づいて算出されたアシストトルク)を使用して算出された監視用要求トルクとの差が所定の閾値以上である状態が所定時間継続された場合に、制御用発進アシストトルクの算出に異常が生じていると判定する異常判定部を備えさせている。これにより、制御用発進アシストトルクの算出に異常が生じている場合に、そのことを高い精度で判定することができ、制御用発進アシストトルクが適正に得られない状態が継続してしまうことを防止できる。
実施形態に係る車両に搭載されたパワートレインの概略構成を示す図である。 エンジンおよびその吸排気系の構成を示す図である。 クラッチ装置の構成を示す図である。 トルクアシスト異常診断装置の概略構成を示すブロック図である。 異常診断動作の手順を示すフローチャート図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、FR(フロントエンジン・リアドライブ)型車両に本発明を適用した場合について説明する。
図1は、本実施形態に係る車両に搭載されたエンジンを含むパワートレインの概略構成を示す図である。この図1に示すように、パワートレインは、走行用駆動力源であるエンジン(内燃機関)1および手動変速機MTを備え、これらエンジン1と手動変速機MTとの間(エンジン1からの動力の伝達経路上)にクラッチ装置6が介在されている。クラッチ装置6が係合状態にある際、エンジン1からの動力はクラッチ装置6を介して手動変速機MTに伝達され、この手動変速機MTで回転速度が変速された後にプロペラシャフトPSを介してデファレンシャルギヤDFに伝達され、さらに左右の後輪(駆動輪)T,Tへと分配される。
本実施形態において手動変速機MTは、一例として前進6速段、後進1速段の同期噛み合い式手動変速機であり、図示しないが、車両の運転者(乗員)によるシフトレバー(図示せず)の操作によって変速段が選択される。同様にクラッチ装置6は運転者によるクラッチペダル70(図3を参照)の操作によって係合と解放との間で係合状態が変化する。以下、エンジン1の全体構成、クラッチ装置6、およびECU9(Electronic Control Unit)を含む制御系などについて説明する。
−エンジンの全体構成−
エンジン1の全体構成について説明する。ここではガソリンエンジンについて説明するが、本発明はディーゼルエンジンを搭載した車両に適用してもよい。
図2はエンジン1およびその吸排気系の概略構成を示す。本実施形態におけるエンジン1は、例えば4気筒ガソリンエンジンであって、4つの気筒2(図2には一つの気筒2のみを示す)それぞれにピストン12が収容されて燃焼室11を区画している。ピストン12はコネクティングロッド14を介してクランクシャフト13に連結されている。
クランクシャフト13にはシグナルロータ15が取り付けられており、このシグナルロータ15の側方近傍にはクランクポジションセンサ81が配設されている。
シリンダブロック17の上端にはシリンダヘッド18が締結されている。このシリンダヘッド18には点火プラグ20が配設されており、これによる点火のタイミングを調整するイグナイタ21は、ECU9によって制御される。
燃焼室11には吸気通路3と排気通路4とがそれぞれ連通されている。吸気通路3の下流端には吸気バルブ31が、排気通路4の上流端には排気バルブ41がそれぞれ配設されている。また、吸気バルブ31を開閉する吸気カムシャフト31aおよび排気バルブ41を開閉する排気カムシャフト41aが備えられている。
前記吸気通路3には、エアクリーナ32、エアフローメータ83、吸気温センサ84、および、スロットルバルブ33が配設されている。このスロットルバルブ33はスロットルモータ34によって駆動される。スロットルバルブ33の開度はスロットル開度センサ85によって検出され、ECU9がスロットルモータ34を制御して、エンジン1の運転状態に応じて好適な吸入空気量となるようにスロットル開度をフィードバック制御する。
また、各気筒2毎に前記吸気通路3にはインジェクタ(燃料噴射弁)35が配設されており、このインジェクタ35はECU9によって制御されて、吸気通路3内に燃料を噴射するようになっている。
排気通路4には触媒42,43が配設されていて、上流側の触媒42の上流側には空燃比センサ(A/Fセンサ)86が、また、下流側の触媒43の上流側には酸素センサ(O2センサ)87がそれぞれ配設されている。
−クラッチ装置6−
図3には、クラッチ装置6とクラッチペダル70とを示している。クラッチ装置6は、クランクシャフト13と、手動変速機MTのインプットシャフト(入力軸)ISとの間に介在され、クラッチ機構部60とクラッチレリーズシリンダ61とを備えている。
クラッチ機構部60は、クランクシャフト13に取り付けられたフライホイール62と、インプットシャフトISに取り付けられたクラッチディスク64と、クラッチカバー63に配設されたプレッシャプレート65と、このプレッシャプレート65をフライホイール62に(図の左側に)向かって押圧付勢し、クラッチディスク64を挟圧させるダイヤフラムスプリング66と、を備えている。
クラッチディスク64が挟圧された状態では、クラッチ機構部60は動力を伝達する係合状態になっており、クラッチレリーズシリンダ61によってレリーズフォーク68が回動(矢印Iを参照)されると、レリーズベアリング67がダイヤフラムスプリング66の内端部を変位させて、挟圧力を減少させることになる。
このようなクラッチレリーズシリンダ61によるクラッチ機構部60の動作は、車両の運転者によるクラッチペダル70の踏み操作に応じて行われる。すなわち、運転者がクラッチペダル70を踏み込むことにより、クラッチマスタシリンダ71で発生したクラッチ油圧が油圧配管72を介してクラッチレリーズシリンダ61へ伝達される。これにより、前記のようにレリーズフォーク68が回動して、クラッチ機構部60が解放状態に切り換えられる。
詳しくは、クラッチペダル70の踏み操作量(クラッチストローク)が所定量を超えたときに、クラッチ機構部60が完全に切り離されて動力伝達を遮断する解放状態(クラッチ伝達トルクが0%の状態)になる。この状態から運転者がクラッチペダル70の踏み操作量を減らしてゆくと、クラッチ機構部60は滑りながら動力を伝達する半係合状態(以下、半クラッチ状態ともいう)になる。
この半クラッチ状態ではクラッチ機構部60における伝達トルクがクラッチストロークに応じて変更される。すなわち、クラッチペダル70の踏み操作量が減らされるに連れてクラッチ伝達トルクが増大し、クラッチペダル70の踏み操作量が所定量を下回ると、クラッチ機構部60が完全に係合された完全係合状態(クラッチ伝達トルクが100%の状態)になる。
また、このように変化するクラッチストロークを検出するクラッチストロークセンサ8Aが設けられている。図3の例ではクラッチストロークセンサ8Aは、クラッチレリーズシリンダ61のロッド位置を検出するが、これはクラッチペダル70の移動量、レリーズベアリング67の移動量を検出するものであってもよい。
−ECU−
ECU9は、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびバックアップRAMなどを備えている。
ECU9には、クランクポジションセンサ81、エンジン水温センサ82、エアフローメータ83、吸気温センサ84、スロットル開度センサ85、空燃比センサ86、O2センサ87などが接続されている。また、図1に示すようにECU9には、前記のクラッチストロークセンサ8Aと、アクセル開度センサ8Bと、シフト位置センサ8Cと、が接続されている。
さらに、ECU9には、前記した手動変速機MTのインプットシャフトISの回転数(入力軸回転数)を検出する入力軸回転数センサ8Dと、手動変速機MTのアウトプットシャフト(プロペラシャフトPSに繋がるシャフト)の回転数(出力軸回転数)を検出する出力軸回転数センサ8Eと、が配設されている。この出力軸回転数センサ8Eによる検出値に基づいて車速を算出することができる。
そして、ECU9は、前記の各種センサなどから入力する信号に基づいて各種の制御プログラムを実行し、例えば、点火時期制御、吸気量制御、燃料噴射制御などを実行する。特に車両の発進時にECU9は、発進性を良好に得るための車両発進時制御を実行する。この車両発進時制御の基本制御としては、車両が停車状態から発進する場合に、エンジン回転速度やアクセル開度に応じて設定される要求トルク(ユーザ要求トルク)に、発進アシストトルクを付加して制御用要求トルク(目標トルク)を設定するようになっている。つまり、この制御用要求トルクが得られるように、スロットル開度、燃料噴射量、点火時期などの各種アクチュエータを制御するようになっている。
−トルクアシスト異常診断装置−
次に、本実施形態の特徴であるトルクアシスト異常診断装置について説明する。
前述したように、車両発進時の発進性を良好に得るべく、この車両発進時におけるエンジン1の制御用要求トルクとしては、エンジン回転速度やアクセル開度に応じて設定される要求トルク(ユーザ要求トルク)に、発進アシストトルクを付加したものとなっている。この場合に、ECU9における発進アシストトルクの演算が適正に行われなかった場合には、エンジン1の制御用要求トルクの演算も適正に行われないことになる。例えば、発進アシストトルクが適正値よりも高い場合には、制御用要求トルクが過大となり、車両の挙動に乗員が違和感を感じてしまって、ドライバビリティの悪化に繋がってしまう。
本実施形態では、この点に鑑み、車両発進時においてエンジン1が発生するトルクとして乗員が要求するトルク(ユーザ要求トルク)に付加される発進アシストトルクが適正に得られているか否かを診断するトルクアシスト異常診断装置100を備えさせ、これにより、発進アシストトルクが適正に得られていない場合には、そのことを高い精度で判定できるようにしている。
図4は、このトルクアシスト異常診断装置100の概略構成を示すブロック図である。このトルクアシスト異常診断装置100は、前記ECU9の内部に構築されている。この図4に示すように、トルクアシスト異常診断装置100は、トルクデマンド制御ロジック部200と、制御監視用ロジック部300とを備えている。なお、トルクデマンド制御としては、車両発進時だけでなく通常の車両走行時においても行われるが、ここでは、本発明の特徴である車両発進時に関して述べることとする。
トルクデマンド制御ロジック部200は、後述する各種要求トルクによるトルク調停を行って、前記エンジン1の目標トルクとなる制御用要求トルク(調停後の制御用要求トルク)を算出する。一方、制御監視用ロジック部300は、前記トルクデマンド制御ロジック部200とは異なるロジックでトルク調停を行って、監視用要求トルク(調停後の監視用要求トルク)を算出する。トルクアシスト異常診断装置100は、前記トルクデマンド制御ロジック部200で算出された制御用要求トルクと、前記制御監視用ロジック部300で算出された監視用要求トルクとを対比し、これらの差が予め設定された閾値以上である状態が所定時間継続された場合には、前記制御用要求トルクの算出に使用された後述する制御用発進アシストトルクが適正に得られていない(制御用発進アシストトルクの算出に異常が生じている)と判定するようになっている。
このようにトルクアシスト異常診断装置100が構成されているため、前記トルクデマンド制御ロジック部200は、前記車両発進時制御を行うための(各種アクチュエータに対する制御量を求めるための)目標トルクを算出する目標トルク算出部としての機能と、トルクアシスト異常診断装置100において、監視用要求トルクと対比される制御用要求トルクを算出する制御用要求トルク算出部としての機能とを兼ね備えていることになる。
以下、トルクデマンド制御ロジック部200および制御監視用ロジック部300それぞれの構成について説明する。
(トルクデマンド制御ロジック部)
図4に示すように、トルクデマンド制御ロジック部200は、ユーザ要求トルク算出部201、ISC要求トルク算出部202、発進アシストトルク算出部203、回転速度補正部204、トルク調停部205を備えている。
ユーザ要求トルク算出部201は、エンジン回転速度およびアクセル開度等に基づいて、ユーザが現在要求しているエンジントルク(ユーザ要求トルク)を算出する。このユーザ要求トルクは、前記クランクポジションセンサ81からの出力信号に基づいて算出されるエンジン回転速度、および、前記アクセル開度センサ8Bからの出力信号によって検知されるアクセル開度等をパラメータとする所定の演算式またはマップから求められる。
ISC要求トルク算出部202は、エンジン1がアイドリング運転状態にある場合に要求されるエンジントルク(ISC要求トルク)を算出する。このISC要求トルクは、前記エンジン水温センサ82からの出力信号によって検知される冷却水温度、および、車両に搭載された補機類の作動状態(補機類を作動させるために必要なトルク)等をパラメータとする所定の演算式またはマップから求められる。
発進アシストトルク算出部203は、発進アシストトルク情報およびクラッチストロークセンサ8Aからの信号(クラッチストローク信号)が入力され、これらの情報をパラメータとする所定の演算式またはマップから制御用発進アシストトルクを算出する。前記発進アシストトルク情報は、発進アシストトルクの基準値となるものであって、エンジン1の環境条件等(路面勾配等)に応じて予め設定されている。つまり、この発進アシストトルク情報は、クラッチストロークによって補正される前のアシストトルクの値を表すものである。そして、制御用発進アシストトルクは、前記発進アシストトルク情報で規定されているアシストトルクがクラッチストロークによって補正されたものであり、クラッチ機構部60が半クラッチ状態にある場合に、クラッチペダル70の踏み操作量が小さいほど(クラッチストロークが小さいほど)、つまり、クラッチ伝達トルクが100%に近いほど、制御用発進アシストトルクが小さい値として算出されるようになっている。この発進アシストトルク算出部203が本発明でいう制御用発進アシストトルク算出部(車両発進時におけるクラッチ装置の係合状態に基づいて制御用発進アシストトルクを算出する制御用発進アシストトルク算出部)に相当する。
回転速度補正部204は、前記ISC要求トルク算出部202で算出されたISC要求トルク、および、前記発進アシストトルク算出部203で算出された制御用発進アシストトルクの各信号が入力され、これらトルクのうち大きい側のトルク以上のトルクを得ながらも、エンジン回転速度として目標アイドリング回転速度以上の回転速度が得られるエンジントルクを算出する。
トルク調停部205は、前記ユーザ要求トルク算出部201で算出されたユーザ要求トルク、前記回転速度補正部204で算出されたエンジントルク、および、その他の要求トルクの各信号が入力され、これらトルクの積算値を制御用要求トルク(調停後の制御用要求トルク)として算出する。
このようにして算出された制御用要求トルクは、エンジン1のトルク制御(トルクデマンド制御)での目標トルクとして使用される。つまり、この制御用要求トルクが得られるように各種アクチュエータに対する制御量を求めるためのものとなる。また、この制御用要求トルクは、後述する異常判定動作を実行するために、前記制御監視用ロジック部300に備えられた異常判定部306に入力される。
(制御監視用ロジック部)
制御監視用ロジック部300は、前述したように、前記トルクデマンド制御ロジック部200とは異なるロジックでトルク調停を行って、監視用要求トルク(調停後の監視用要求トルク)を算出する。そして、トルクデマンド制御ロジック部200から入力された前記制御用要求トルクと監視用要求トルクとを異常判定部306において対比することによって制御用発進アシストトルクの算出に異常が生じているか否かを診断するようになっている。
具体的に、この制御監視用ロジック部300は、ユーザ要求トルク算出部301、ISC要求トルク算出部302、発進アシストトルク算出部303、回転速度補正部304、トルク調停部305を備えている。ユーザ要求トルク算出部301、ISC要求トルク算出部302、回転速度補正部304、トルク調停部305の機能は、前記トルクデマンド制御ロジック部200に備えられているユーザ要求トルク算出部201、ISC要求トルク算出部202、回転速度補正部204、トルク調停部205と同様である。
この制御監視用ロジック部300の特徴は発進アシストトルク算出部303にある。この発進アシストトルク算出部303は、発進アシストトルクの情報、アクセル開度センサ8Bからの信号(アクセル開度信号)、および、出力軸回転数センサ8Eからの信号(車速信号)が入力され、これらの情報をパラメータとする所定の演算式またはマップから発進アシストトルク(監視用発進アシストトルク)を算出する。つまり、前記トルクデマンド制御ロジック部200の発進アシストトルク算出部203にあっては、発進アシストトルク(制御用発進アシストトルク)を算出するパラメータとしてクラッチストロークセンサ8Aからの信号(クラッチストローク信号)を使用していたが、この制御監視用ロジック部300の発進アシストトルク算出部303にあっては、発進アシストトルク(監視用発進アシストトルク)を算出するパラメータとして、アクセル開度センサ8Bからの信号(アクセル開度信号)、および、出力軸回転数センサ8Eからの信号(車速信号)を使用するようになっている。この発進アシストトルク算出部303にあっては、アクセル開度が所定開度以上であり且つ車速が所定値未満である場合に車両発進時であるとして、この車両発進時に適したアシストトルクの監視用のトルクとして、監視用発進アシストトルクを出力するようになっている。この発進アシストトルク算出部303が本発明でいう監視用発進アシストトルク算出部(車両発進時における乗員のアクセル操作量および車速に基づいて監視用発進アシストトルクを算出する監視用発進アシストトルク算出部)に相当する。
そして、この制御監視用ロジック部300には前記異常判定部306が備えられ、この異常判定部306に、前記トルクデマンド制御ロジック部200のトルク調停部205で算出された制御用要求トルクの信号と、前記制御監視用ロジック部300のトルク調停部305で算出された監視用要求トルクの信号とが入力されるようになっている。
この異常判定部306では、制御用要求トルクと監視用要求トルクとの偏差を求め、この偏差が予め設定された閾値以上である状態が所定時間継続された場合には、制御用要求トルクが適正に得られていない、つまり、発進アシストトルク算出部203での制御用発進アシストトルクの算出に異常が生じていると判定し、異常判定信号を出力するようになっている。この異常判定部306が本発明でいう異常判定部(制御用発進アシストトルクを使用して算出された制御用要求トルクと、監視用発進アシストトルクを使用して算出された監視用要求トルクとの差が所定の閾値以上である状態が所定時間継続された場合に、制御用発進アシストトルク算出部での制御用発進アシストトルクの算出に異常が生じていると判定する異常判定部)に相当する。
以下、このトルクアシスト異常診断装置100によるアシストトルク異常診断動作について図5のフローチャートに沿って説明する。このフローチャートは、エンジン1の始動後、前記ECU9において所定時間毎に繰り返し実行される。
先ず、ステップST1において、アクセル開度センサ8Bからの出力信号によって検知されるアクセル開度が所定値α以上となっているか否かを判定する。この所定値αとしては、例えばアクセル開度10%が挙げられる。この値はこれに限定されるものではない。
アクセル開度が所定値α未満であり、ステップST1でNO判定された場合には、ステップST3に移り、発進アシストトルクが必要な状況ではない(アクセルON発進アシスト制御中ではない)として、制御監視用ロジック部300では、発進アシストトルク算出部303での監視用発進アシストトルクの算出を行うことなく(監視用発進アシストトルクを反映させることなく)監視用要求トルクの算出が行われる。
一方、アクセル開度が所定値α以上であり、ステップST1でYES判定された場合には、ステップST2に移り、出力軸回転数センサ8Eからの出力信号によって検知される車速が所定値β未満(例えば5km/h未満)となっているか否かを判定する。
車速が所定値β以上であり、ステップST2でNO判定された場合には、ステップST3に移り、前述したように、制御監視用ロジック部300では、発進アシストトルク算出部303での監視用発進アシストトルクの算出を行うことなく(監視用発進アシストトルクを反映させることなく)監視用要求トルクの算出が行われる。
車速が所定値β未満であり、ステップST2でYES判定された場合には、ステップST4に移り、車両の発進時であって、発進アシストトルクが必要な状況である(アクセルON発進アシスト制御中である)として、制御監視用ロジック部300では、発進アシストトルク算出部303での監視用発進アシストトルクの算出が行われ、この算出された監視用発進アシストトルクを使用した監視用要求トルクの算出が行われる。つまり、前記発進アシストトルクの情報、アクセル開度信号、および、車速信号に基づいて監視用発進アシストトルクが算出される。
その後、ステップST5に移り、前記制御用要求トルクと前記監視用要求トルクとの差を算出し、その差が、予め設定された閾値γ以上となっているか否かを判定する。
前記偏差が閾値γ未満であってステップST5でNO判定された場合には、ステップST6に移り、監視用要求トルクに対する制御用要求トルクの乖離は小さく、前記制御用発進アシストトルクは適正に得られているとして、正常判定が行われると共に、前記ECU9に備えられた異常診断用カウンタのカウント値をリセットする。
一方、前記偏差が閾値γ以上となっておりステップST5でYES判定された場合には、ステップST7に移り、前記ECU9に備えられた異常診断用カウンタのカウント値をカウントアップ(インクリメント)する。
その後、ステップST8において、前記異常診断用カウンタのカウント値が所定値Aに達したか否かを判定する。車両発進の開始時にあっては、未だ、異常診断用カウンタのカウント値は所定値Aに達していないので、ステップST8ではNO判定されてリターンされる。
一方、制御用要求トルクと監視用要求トルクとの差が閾値γ以上となっている状況が継続することで、異常診断用カウンタのカウント値が所定値Aに達した場合には、ステップST8でYES判定され、ステップST9に移って、発進アシストトルク算出部203での制御用発進アシストトルクの算出に異常が生じていると判定する。このように異常判定が行われると、車室内のメータパネル上のMIL(警告灯)を点灯させて運転者に警告を促すと共に、ECU9に備えられたダイアグノーシスに異常情報を書き込む。アシストトルク異常診断動作にあっては、以上の動作が繰り返し行われる。
このようなアシストトルク異常診断動作が行われるため、本発明に係るトルクアシスト異常診断装置100は、クラッチストロークセンサ8A、アクセル開度センサ8B、出力軸回転数センサ8E等からの各信号を入力信号として受信する構成となっている。また、このトルクアシスト異常診断装置100は、異常判定信号を出力信号として出力する構成となっている。
以上説明したように本実施形態では、制御用発進アシストトルク(クラッチストロークに基づいて算出されたアシストトルク)を使用して算出された制御用要求トルクと、監視用発進アシストトルク(アクセル開度および車速に基づいて算出されたアシストトルク)を使用して算出された監視用要求トルクとの差が所定の閾値以上である状態が所定時間継続された場合に、制御用発進アシストトルクの算出に異常が生じていると判定するようにしている。つまり、制御用発進アシストトルクとは異なるロジックで求められた監視用発進アシストトルクを使用して、制御用発進アシストトルクの算出に異常が生じているか否かを判定できるようにし、制御用発進アシストトルクが適正に算出されている場合には前記差が所定範囲内に収まるのに対し、制御用発進アシストトルクが適正に算出されていない場合には前記差が所定の閾値以上である状態が所定時間継続されることを利用して異常の有無を判定できるようにしている。これにより、制御用発進アシストトルクの算出に異常が生じている場合に、そのことを高い精度で判定することができ、制御用発進アシストトルクが適正に得られない状態が継続してしまうことを防止できる。その結果、車両の挙動に乗員が違和感を感じてしまってドライバビリティが悪化するといったことを回避できる。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態は、発進アシストトルクをエンジン1により得るものを例に挙げて説明したが、駆動系に電動モータが配設され、この電動モータによって発進アシストトルクを得るものに対しても本発明は適用が可能である。
本発明は、車両発進時の発進アシストトルクが適正に得られているか否かを診断する装置に適用可能である。
1 エンジン(走行用駆動力源)
6 クラッチ装置
100 トルクアシスト異常診断装置
200 トルクデマンド制御ロジック部
203 発進アシストトルク算出部(制御用発進アシストトルク算出部)
300 制御監視用ロジック部
303 発進アシストトルク算出部(監視用発進アシストトルク算出部)
306 異常判定部

Claims (1)

  1. 走行用駆動力源と、この走行用駆動力源からの動力の伝達経路上に備えられ乗員の操作によって係合と解放との間で係合状態が変化するクラッチ装置とを備えた車両に搭載され、車両発進時において前記走行用駆動力源が発生するトルクとして乗員が要求するトルクに付加される発進アシストトルクが適正に得られているか否かを診断するトルクアシスト異常診断装置であって、
    制御用発進アシストトルクを算出するためのパラメータとして、前記車両発進時におけるクラッチストロークを使用すると共に前記車両発進時におけるアクセル開度および車速を使用することなく前記制御用発進アシストトルクを算出する制御用発進アシストトルク算出部と、
    監視用発進アシストトルクを算出するためのパラメータとして、前記車両発進時におけるアクセル開度および車速を使用すると共に前記車両発進時におけるクラッチストロークを使用することなく前記監視用発進アシストトルクを算出する監視用発進アシストトルク算出部と、
    前記制御用発進アシストトルクを使用して算出された制御用要求トルクと、前記監視用発進アシストトルクを使用して算出された監視用要求トルクとの差が所定の閾値以上である状態が所定時間継続された場合に、前記制御用発進アシストトルク算出部での前記制御用発進アシストトルクの算出に異常が生じていると判定する異常判定部とを備えていることを特徴とするトルクアシスト異常診断装置。
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