JP6510180B2 - X線コンピュータ断層撮影装置及びスキャン計画設定支援装置 - Google Patents

X線コンピュータ断層撮影装置及びスキャン計画設定支援装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、X線コンピュータ断層撮影装置(X線CT)及びスキャン計画設定支援装置に関する。
近年の低線量撮影技術の進歩により、診断に用いる本スキャンの低線量化が進んでいる。スキャン計画段階で本スキャンのスキャン位置や範囲、再構成位置や範囲の決定、管電圧、管電流等を設定するために位置決め用の画像の撮影がなされている。図7に示すように位置決め用画像は例えばX線管を0°の位置、つまり天板に仰臥する被検体に対して正面方向の位置にX線管を固定して天板を定速移動又は断続移動させながら連続的に又は天板移動/停止に同期して断続的に撮影を繰り返すことで撮影される。正面方向(0°)に加えて側面方向(90°)の2方向、さらに任意方向から位置決め用画像を収集することもあるが、撮影後に表示方向を変更することはできない。
上述したように現状では位置決め用画像はX線管球の回転を停止させてデータ収集しているため、1方向、多くても2方向の情報しか得ることができず、また投影像に過ぎないためCT値情報を持っていない。そのため正確に被検体の臓器認識をすることができず、臓器ごとの線量管理はできない。被ばく線量に関しても、CTDI(Computed Tomography Dose Index)、DLP(Dose Length Product)にて管理するのみである。
特開平7−23946号公報
目的は、スキャン計画において臓器ごとの被曝線量管理を高い精度で実現することにある。
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置は、X線管装置と、前記X線管装置に印加するための管電圧を発生する高電圧発生部と、X線検出器と、被検体を載置する寝台装置と、前記X線管装置と前記X線検出器とを前記被検体の周囲を回転自在に支持する回転機構と、前記X線検出器の出力から発生される投影データを記憶する記憶部と、前記投影データに基づいてボリュームデータを再構成する再構成処理部と、前記ボリュームデータから複数の臓器領域を抽出する抽出処理部と、前記抽出された複数の臓器領域のそれぞれのX線感受性の程度に基づいて、前記抽出された複数の臓器領域にそれぞれ対応する複数の線量を本スキャンのスキャン条件に従って計算する線量計算部と、前記計算された複数の線量を複数の臓器領域の名称と共に一覧表示し、前記一覧表示において、検査対象の臓器領域の名称及び線量、X線感受性の高い臓器領域の名称及び線量、他の臓器領域の名称及び線量を、それぞれ異なる態様で表示する表示部と、を具備する。
図1は本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の構成を示す図である。 図2は本実施形態によるCT検査全体の処理手順を示す流れ図である。 図3は図2の工程S11のヘリカルスキャンを示す図である。 図4は図2の工程S11のノンヘリカルスキャンを示す図である。 図5は図1のスキャンエキスパートシステムで構成されるスキャン計画設定画面例を示す図である。 図6は図5の線量一覧表示部分の拡大図である。 図7は従来の撮影方法により取得される1方向の投影像(位置決め用画像)を示す図である。
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わるX線コンピュータ断層撮影装置及びスキャン計画設定支援装置について説明する。従来の位置決め画像の撮影と同程度の線量で本スキャン前のスキャン計画に用いられる位置決め用画像のためのデータを収集するスキャン(位置決めスキャンという)により収集した投影データから再構成されるボリュームデータを用いることで、被検体の3次元的な情報を得ることが可能となる。得られる情報量を従来の一方向又は二方向から撮影した投影像(位置決め用画像)のそれに比べて大幅に増加させることができ、本スキャンのスキャン計画立案に十分な情報を与えることができる。スキャン範囲中の被検体の臓器などの範囲や位置を3次元上で正確に把握出来るので、本スキャン前のスキャン計画時においてどの部位にどれだけ線量がかかるか、また検査後の臓器ごとの被ばく線量管理もより正確に実施出来るようになる。
図1は本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の構成を示す図である。X線コンピュータ断層撮影装置には、X線管装置101とX線検出器103とが1体として回転軸を中心として被検体の周囲を回転する回転/回転(ROTATE/ROTATE)タイプと、リング状に多数の検出素子がアレイされ、X線管装置101のみが被検体の周囲を回転する固定/回転(STATIONARY/ROTATE)タイプ等様々なタイプがあり、いずれのタイプでも適用可能である。ここでは、現在、主流を占めている回転/回転タイプとして説明する。また、1スライスの断層像データを再構成するには、被検体の周囲1周、約360°分の投影データが、またハーフスキャン法でも180°+ファン角分の投影データが必要とされる。いずれの再構成方式にも本発明を適用可能である。また、入射X線を電荷に変換するメカニズムは、シンチレータ等の蛍光体でX線を光に変換し更にその光をフォトダイオード等の光電変換素子で電荷に変換する間接変換形と、X線による半導体内の電子正孔対の生成及びその電極への移動すなわち光導電現象を利用した直接変換形とが主流である。X線検出素子としては、それらのいずれの方式を採用してもよいが、ここでは、前者の間接変換形として説明する。また、近年では、X線管とX線検出器との複数のペアを回転リングに搭載したいわゆる多管球型のX線コンピュータ断層撮影装置の製品化が進み、その周辺技術の開発が進んでいる。本発明では、従来からの一管球型のX線コンピュータ断層撮影装置であっても、多管球型のX線コンピュータ断層撮影装置であってもいずれにも適用可能である。ここでは、一管球型として説明する。
本実施形態のX線コンピュータ断層撮影装置は、ガントリ100を有する。ガントリ100は、円環状の回転フレーム102を有する。回転フレーム102は、架台駆動部107とともに回転機構を構成する。回転フレーム102は、架台駆動部107により駆動され回転軸RAを中心に回転する。回転フレーム102には、X線管装置101とX線検出器103とが対向搭載されている。スキャンに際してはX線管装置101とX線検出器103との間に寝台装置111の天板に載置された被検体が挿入される。天板は寝台装置111内に装備された図示しない駆動部によりその長手方向に沿って前後に移動される。
X線管装置101は、高電圧発生装置109からスリップリング108を経由して管電圧の印加及びフィラメント電流の供給を受け、X線を発生する。X線検出器103は、被検体を透過したX線を検出し、入射X線の線量を反映した電気信号を出力する複数のX線検出素子を有する。複数のX線検出素子は、例えば320列×912チャンネルの2次元状に配列されている。
データ収集回路104は、X線検出器103から出力される信号を収集し、ディジタル信号(生データと呼ばれる)に変換する。データ収集回路104には非接触データ伝送装置105を経由して前処理装置106に接続される。前処理装置106は、純生データに対して感度補正、対数変換等の処理をほどこし、投影データを発生する。投影データは記憶装置112に記憶される。スキャン制御部110は、後述するスキャン計画情報に従ってスキャンを実行するために、架台駆動部107、高電圧発生装置109、寝台装置111の各動作を制御する。
画像再構成部117は、従来の2次元の位置決め用画像の撮影と同程度の低線量X線によるスキャニングで収集する投影データに基づいて画像データを比較的低ノイズで再構成するために設けられる。画像再構成部117による再構成手法は、ノイズ低減に適用性の比較的高い任意の手法が用いられる。例えば、逐次近似法を応用した画像再構成法(逐次近似法応用画像再構成法)が用いられる。ここでは、画像再構成部117は、逐次近似法応用画像再構成法によりボリュームデータを再構成するものとして以下記載するが、上記の通り逐次近似法応用画像再構成法に限定されるものではない。
画像再構成部117は、例えば逐次近似応用再構成法によるアルゴリズムにより、記憶装置112に記憶された投影データに基づいて画像データ、ここではボリュームデータを再構成する。ボリュームデータは記憶装置112に記憶される。逐次近似応用再構成処理は、本スキャン前にそのスキャン計画に用いるボリュームデータの再構成においても、また本スキャンにより収集する投影データに基づいて画像データ(断層像データ、ボリュームデータ)の再構成においても後述する再構成処理部118が装備する他方式の再構成処理と選択的に適用される。
逐次近似応用再構成法は、逐次近似法を応用したものである。逐次近似法とは、周知の通り、投影データに対する実測値と計算値の差を比較し、補正を繰り返しながら画像を再構成していく方法である。逐次近似応用再構成法は、逐次近似法の画像再構成サイクルの中で、投影データ上のノイズを低減する処理と、再構成された画像データ内でノイズを低減する処理を追加した方法である。逐次近似応用再構成法のアルゴリズムは、収集した投影データに対し、統計学的ノイズモデルとスキャナーモデルを用いてノイズを低減する。さらにアナトミカルモデルを用いて、画像再構成ドメインの中で、どれがノイズでどれが本当の投影データかを見極めてノイズ成分のみを抽出し、この作業を繰り返すことでノイズを高精度に除去、低減する。逐次近似応用再構成法は、低線量撮影と低ノイズ高画質とを両立させた再構成法である。
再構成処理部118は、ビューアングルが360°又は180°+ファン角の範囲内の投影データに基づいて、画像再構成部117における逐次近似応用画像再構成法とは異なる例えばフェルドカンプ法、又はコーンビーム再構成法によりボリュームデータを再構成する。フェルドカンプ法は、コーンビームのように再構成面に対して投影レイが交差する場合の再構成法であり、コーン角が小さいことを前提として畳み込みの際にはファン投影ビームとみなして処理し、逆投影はスキャンの際のレイに沿って処理する近似的画像再構成法である。コーンビーム再構成法は、フェルドカンプ法よりもコーン角エラーが抑えられる方法として再構成面に対するレイの角度に応じて投影データを補正する再構成法である。ボリュームデータは記憶装置112に記憶される。
位置決めスキャンで収集した投影データからボリュームデータを再構成するにはノイズ低減に適用性の高い例えば逐次近似応用再構成法が適用され、一方、本スキャンで収集した投影データからボリュームデータを再構成するには逐次近似再構成法、フェルドカンプ法、コーンビーム再構成法が任意に選択される。
表示装置116は、主に、ボリュームデータから発生された画像を表示し、またスキャンエキスパートシステム120により構築されるスキャン計画支援画面を表示するために設けられる。入力装置115は、操作者の指示を入力するためにキーボード、マウス等から構成される。
3次元画像処理部121は、記憶装置112に記憶されるボリュームデータからボリュームレンダリング処理により3次元画像のデータを発生する機能、断面変換処理(MPR処理)によりボリュームデータからアキシャル/サジタル/コロナル又は任意のオブリーク断面に関する断面画像のデータを発生する機能を有する。投影像発生処理部122は、記憶装置112に記憶されている投影データから位置決め用画像として投影像のデータを発生する。例えばスキャン計画支援画面上で、例えば0°、45°、90°から任意のビューアングルが選択的に指定されると、スキャンエキスパートシステム120の制御により当該ビューアングルにX線管装置101が位置するときに収集された投影データが記憶装置112から読み出される。ビューアングルとは投影データ収集時のX線管装置101の回転軌道上の位置を角度で表記したものである。0°はX線管装置101がその回転軌道上の頂上の位置にあることを表している。投影像発生処理部122は、読み出された同じビューアングルの投影データをそれぞれの天板位置に従って配列し、一枚に合成することにより、従来同等の位置決め用画像のデータを発生する。
部位抽出処理部123は、記憶装置112に記憶されるボリュームデータから典型的には閾値処理とパターン認識を併用してスキャン範囲に含まれる複数の臓器領域を抽出する。特に部位抽出処理部123は、X線感受性の高い「精巣」、「卵巣」、「脊髄」、「眼球(水晶体)」等の領域をそれぞれ臓器に適用される閾値及び形状パターンに従ってボリュームデータから抽出する。抽出された臓器領域の情報はスキャンエキスパートシステム120に供給される。
線量計算処理部124は、例えばスキャン計画された本スキャンの管電流、管電圧、スライス厚、スキャン時間等に基づいて、抽出された臓器領域について個々に実効線量(mSv)、等価線量(mSv)を計算する。各臓器の実効線量(mSv)は各臓器の等価線量にそれぞれの組織荷重係数を乗じることで求められる。各臓器の等価線量は、臓器ごとの吸収線量に臓器ごとの放射線荷重係数を乗じることで求められる。吸収線量は、管電圧及び管電流によるX線条件、スキャン時間等から計算され、各臓器の容積の総和として臓器ごとの吸収線量が計算される。なお各臓器の実効線量、各臓器の等価線量、臓器ごとの吸収線量を求める方法既存の方法を任意に用いることができる。本スキャン前の位置決めスキャンでボリュームデータを収集することができるので、臓器領域を3次元で正確に抽出して、その線量を高精度に計算することができる。
スキャンエキスパートシステム120は、ユーザによるスキャン計画の設定を支援するために、検査依頼情報に含まれる検査目的及び検査対象臓器、被検体の年齢や性別等に対して好適な複数のスキャン計画候補を選択し、それらのスキャン計画候補のリストを検査依頼内容とともにスキャン計画支援画面を構築する。図5に例示するように、スキャン計画支援画面には、位置決め用画像と、位置決めスキャン範囲全体の3次元画像とが含まれる。位置決め用画像には本スキャンのスキャン範囲が矩形の補助枠線として重ねられる。
スキャンエキスパートシステム120は、部位抽出処理部123で抽出された臓器領域をそれぞれ割り当てられているカラーでスキャン計画支援画面上の位置決め用画像、3次元画像に重ねる。特にX線感受性の高い「精巣」、「卵巣」、「脊髄」、「眼球(水晶体)」等の領域は注意喚起色として例えば赤色が割り当てられ、位置決め用画像、3次元画像に重ねられる。
スキャンエキスパートシステム120は、部位抽出処理部123で抽出された複数の臓器領域に対して線量計算処理部124により個々に計算された複数の臓器領域それぞれの実効線量(mSv)、等価線量(mSv)をスキャン計画支援画面上の所定エリアに一覧に配列する。またスキャンエキスパートシステム120は、線量計算処理部124により個々に計算された複数の臓器領域それぞれの実効線量、等価線量をスキャン計画支援画面上の3次元画像又は位置決め用画像上に各臓器領域から引き出し線を介して重ねる。
スキャンエキスパートシステム120は、線量計算処理部124により各臓器に対して計算された実効線量(mSv)、等価線量(mSv)が各臓器について予め規定されている上限値を超過するとき、その旨を注意喚起するためのメッセージをスキャン計画支援画面上に表示する。
その他、スキャン位置、スキャン範囲、再構成位置、再構成範囲、管電圧、スライス厚、再構成関数等がスキャン計画支援画面上で指定される。スキャンエキスパートシステム120は、確定されたスキャン計画に従ってスキャン計画情報を発生する。スキャン計画情報はスキャン制御部110に送られ、スキャン制御部110の制御下でスキャン計画情報に従って本スキャンが実行される。
図2には本実施形態によるスキャン計画段階の低線量の位置決めスキャンから本スキャンを経て最終的に画像表示に至るCT検査全体の処理手順を示している。スキャン計画段階ではまずスキャン制御部110の制御により、被検体の胸部全体、腹部全体、上半身全体など比較的広範囲に対して、本スキャンよりも低線量で図3に例示するヘリカルスキャン方式又は図4に例示するノンヘリカルスキャン方式により位置決めスキャンが実行される。ヘリカルスキャン方式のとき、X線管装置101及びX線検出器103が被検体の周囲を連続的に回転しながら、X線検出器103で被検体の透過X線の検出が繰り返され、それと共に被検体を載置した天板が連続的に移動される。ノンヘリカルスキャン方式の場合、天板が停止した状態で1周分の投影データが収集され、その後、天板がコーン広がり角に応じた所定距離を移動され、その位置で1周分の投影データが収集され、そのような動作が繰り返される。位置決めスキャンにより被検体の体軸に沿った広範囲にわたる360°分の投影データが収集される(S11)。この位置決めスキャンにより収集された投影データに基づいて画像再構成部117によりボリュームデータが再構成される(S12)。ボリュームデータは記憶装置112に記憶される。
位置決めスキャンで収集された全周分の投影データのうち、X線管装置101が例えば0°、45°、90°から入力装置115を介して任意に選択された角度で収集された投影データが記憶装置112から投影像発生処理部122に読み出される。図3、図4に示すように、読み出された投影データは天板位置(体軸方向の位置)に従って配列され、一枚に合成される。それにより一方向から見た位置決め用画像(投影像)のデータが発生される。初期的には0°の位置決め用画像が生成され、図5に示すように、スキャン計画支援画面に表示される。他の45°又は90°の投影方向が入力装置115を介して選択されたとき、当該選択された他の45°又は90°の位置決め用画像が生成され、その表示に切り換えられる。スキャン計画支援画面上の位置決め用画像上にはスキャン範囲の補助枠線が重ねられる。
部位抽出処理部123により、記憶装置112に記憶されるボリュームデータからCT値のボリュームデータが得られるので検査対象などの臓器領域を閾値処理で抽出し、又は標準的なアナトミカルモデルとのマッチング処理により臓器のセグメンテーションを行うことで臓器領域を同定することができる(S13)。特にX線感受性の高い、被ばくに対する危険性の高い「精巣」、「卵巣」、「脊髄」、「眼球(水晶体)」等の領域が抽出されたときそれら臓器領域は重要である。抽出された臓器領域の情報はスキャンエキスパートシステム120に供給される。
スキャン計画支援画面にはスキャン計画において、スキャン開始時間、休止時間、スキャン開始位置、スキャン終了位置、スキャンモード、スキャン数、管電圧(kV)、管電流(mA)、スキャン範囲(C−FOV)、再構成範囲(D−FOV)、スキャン速度(合計時間)、撮影スライス厚、移動範囲、スキャン後移動量、スキャン時間等の推奨値が個々に数値で表され、ユーザは任意に設定する(S14)。
抽出された臓器領域について個々に、スキャン計画上で設定された本スキャンに係る管電流、管電圧、スライス厚、スキャン時間等のスキャン条件に基づいて実効線量(mSv)と等価線量(mSv)とが線量計算処理部124により計算される(S15)。まず、吸収線量が本スキャンのスキャン条件内の管電圧、管電流、スキャン時間等から計算され、各臓器の容積の総和として臓器ごとの吸収線量が計算される。この臓器ごとの吸収線量に臓器ごとの放射線荷重係数を乗じることで各臓器の等価線量が求められる。各臓器の等価線量にそれぞれの組織荷重係数を乗じることで各臓器の実効線量が計算される。
計算された各臓器の実効線量又は等価線量は、スキャンエキスパートシステム120によりスキャン計画支援画面に重ねて表示される。実効線量と等価線量とのいずれを表示するかはユーザにより随時選択され得る。例えば図6に示すように、抽出されたスキャン範囲内のすべての臓器に関する実効線量(又は等価線量)が臓器名称と共にと共に一覧で表示され、またスキャン範囲内のすべての臓器又はその一部の臓器に関する実効線量(又は等価線量)が3次元画像上に引き出し線を介してその臓器名称と共に表示される(S16)。一部の臓器としては検査対象臓器、上記感受性の高い臓器が含まれる。一覧で表示された臓器名称と実効線量のうち、検査対象臓器に関する臓器名称と実効線量は他の臓器に関する臓器名称と実効線量とは異なる態様、例えば固有色(青色)で表示される。感受性の高い臓器に関する臓器名称と実効線量は、他の臓器に関する臓器名称と実効線量とは明らかに異なる特異色、例えば赤色で表示される。残りの臓器は例えば白色又は黒色で表示される。
線量計算処理部124又はスキャンエキスパートシステム120はすべての臓器に関するそれぞれの線量限界のデータを保持している。計算された各臓器の実効線量又は等価線量が、それぞれの線量限界を超過しているとき、その臓器に関する臓器名称と実効線量等との表示態様を定常表示から点滅表示に変化して注意喚起を促す。これら計算された各臓器の実効線量及び等価線量のデータは記憶装置112に記憶される。線量計算処理部124では、同じ被検体に係る例えば過去一年分の実効線量及び等価線量のデータを記憶装置112から受け取り、それらを臓器ごとに累積する。それにより臓器ごとの年間累積実効線量及び年間累積等価線量が計算される。これら年間累積実効線量及び年間累積等価線量はユーザ指示にしたがってスキャン計画支援画面に表示される。年間累積実効線量と年間累積等価線量との少なくとも一方がそれぞれの上限値を超過しているとき、注意喚起を促すために、当該臓器とその年間累積実効線量又は年間累積等価線量をそれぞれの上限値と共にスキャン計画支援画面に強制的に表示される。
スキャン計画支援画面内の「確定」ボタンのクリックにより、スキャン計画、その中のスキャン条件が確定される(S18)。それによりスキャン位置、スキャン範囲、再構成位置、再構成範囲等が決定され、管電流の変調の有無、変調区間等の変調設定が決定される。
スキャン計画が確定すると、スキャンエキスパートシステム120により、確定されたスキャン計画に従ってスキャン計画情報が発生され、そのスキャン計画情報に従ってスキャン制御部110の制御下で本スキャンが実行される(S19)。
本スキャンにより収集された投影データに基づいて例えばコーンビーム再構成法によりボリュームデータが再構成され、3次元画像処理部121により3次元画像が生成され表示装置116に表示される(S20)。
従来ではX線管を回転させず、通常0°方向に固定したままX線をばく射すると同時に寝台をZ方向に動かすことでスキャン範囲を決めるための位置決め用画像を撮影している。スキャン計画に際しては当該一方向の位置決め用画像、せいぜい2方向の位置決め用画像からスキャン範囲等を設定しているにすぎない。本実施形態では通常のスキャンと同様にX線管を回転させながら360°方向の投影データを収集し、得られた全周方向の投影データを用いて3次元画像を発生して対象臓器等の3次元構造を確認し、また臓器領域を抽出できる。それにより臓器ごとに線量を高精度に計算することができる。そして各臓器に対して計算された線量が各臓器について予め規定されている上限値を超過するとき、その旨を注意喚起するためのメッセージを表示することができるので、ユーザは適宜本スキャンの管電流などのスキャン条件を修正することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100…ガントリ、101…X線管、102…回転フレーム、103…X線検出器、104…データ収集回路、105…非接触データ伝送装置、106…前処理装置、107…架台駆動部、108…スリップリング、109…高電圧発生装置、110…ホストコントローラ、112…記憶装置、115…入力装置、116…表示装置、120…スキャンエキスパートシステム、121…3次元画像処理部、122…投影像発生処理部、123…部位抽出処理部、124…線量計算処理部。

Claims (11)

  1. X線管装置と、
    前記X線管装置に印加するための管電圧を発生する高電圧発生部と、
    X線検出器と、
    被検体を載置する寝台装置と、
    前記X線管装置と前記X線検出器とを前記被検体の周囲を回転自在に支持する回転機構と、
    前記X線検出器の出力から発生される投影データを記憶する記憶部と、
    前記投影データに基づいてボリュームデータを再構成する再構成処理部と、
    前記ボリュームデータから複数の臓器領域を抽出する抽出処理部と、
    前記抽出された複数の臓器領域のそれぞれのX線感受性の程度に基づいて、前記抽出された複数の臓器領域にそれぞれ対応する複数の線量を本スキャンのスキャン条件に従って計算する線量計算部と、
    前記計算された複数の線量を複数の臓器領域の名称と共に一覧表示し、前記一覧表示において、検査対象の臓器領域の名称及び線量、X線感受性の高い臓器領域の名称及び線量、他の臓器領域の名称及び線量を、それぞれ異なる態様で表示する表示部と、
    を具備することを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。
  2. 前記計算された複数の線量は前記ボリュームデータから生成された3次元画像又は断面画像に重ねて表示されることを特徴とする請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  3. 前記抽出された臓器領域は前記ボリュームデータから生成された投影像に重ねて表示されることを特徴とする請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  4. 前記X線感受性の高い臓器領域は、「精巣」、「卵巣」、「脊髄」、「水晶体」のうち少なくとも1つに対応することを特徴とする請求項3記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  5. 前記再構成処理部は、前記投影データから逐次近似再構成又は他の再構成法により前記ボリュームデータを再構成することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  6. 前記本スキャン前に位置決めスキャンが実行され、前記位置決めスキャンにおいては前記X線管装置と前記X線検出器とが回転しながら前記本スキャンよりも低線量のX線により前記被検体の周囲にわたる前記投影データが収集されることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  7. 前記線量計算部は、前記計算された複数の線量をそれぞれの上限値と比較することを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  8. 前記線量計算部は、前記計算された複数の線量を前記被検体に関する過去の線量と臓器領域ごとに累積することを特徴とする請求項7記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  9. 前記線量計算部は、前記累積された線量をそれぞれの上限値と比較することを特徴とする請求項8記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  10. 前記表示部は、前記一覧表示において、前記線量計算部により計算された線量が上限値を超過していない臓器領域の名称と線量については定常表示し、前記線量計算部により計算された線量が上限値を超過している臓器領域の名称と線量については点滅表示することを特徴とする請求項7乃至のうちいずれか一項記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  11. X線コンピュータ断層撮影装置により収集されたボリュームデータから複数の臓器領域を抽出する抽出処理部と、
    前記抽出された複数の臓器領域のそれぞれのX線感受性の程度に基づいて、前記抽出された複数の臓器領域にそれぞれ対応する複数の線量を本スキャンのスキャン条件に従って計算する線量計算部と、
    前記計算された複数の線量を複数の臓器領域の名称と共に一覧表示し、前記一覧表示において、検査対象の臓器領域の名称及び線量、X線感受性の高い臓器領域の名称及び線量、他の臓器領域の名称及び線量を、それぞれ異なる態様で表示する表示部と、
    を具備することを特徴とするスキャン計画設定支援装置。
JP2014087765A 2014-04-21 2014-04-21 X線コンピュータ断層撮影装置及びスキャン計画設定支援装置 Active JP6510180B2 (ja)

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