JP6509971B2 - 磁気記憶素子及び磁気記憶装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、磁気記憶素子及び磁気記憶装置に関する。
磁性層を用いた磁気記憶素子がある。磁気記憶素子により磁気記憶装置が形成される。磁気記憶素子及び磁気記憶装置において、安定した動作が望まれる。
特開2014−053508号公報
本発明の実施形態は、安定した動作が可能な磁気記憶素子及び磁気記憶装置を提供する。
本発明の実施形態によれば、磁気記憶素子は、導電層、第1磁性層、第2磁性層及び第1非磁性層を含む。前記第1磁性層は、前記導電層から離れる。前記第2磁性層は、前記導電層と前記第1磁性層との間に設けられ、鉄、白金及びホウ素を含む。前記第1非磁性層は、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられる。前記導電層は、第1領域と、前記第1領域と前記第2磁性層との間に設けられ第1金属及びホウ素を含む第2領域と、を含む。前記第1領域はホウ素を含まない、または、前記第1領域におけるホウ素の第1濃度は、前記第2領域におけるホウ素の第2濃度よりも低い。前記第2濃度は、10原子パーセント以上50原子パーセント以下である。
本発明の別の実施形態によれば、磁気記憶素子は、導電層、第1磁性層、第2磁性層及び第1非磁性層を含む。前記第1磁性層は、前記導電層から離れる。前記第2磁性層は、前記導電層と前記第1磁性層との間に設けられ、鉄、白金及びホウ素を含む。前記第1非磁性層は、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられる。前記導電層は、第1領域と、前記第1領域と前記第2磁性層との間に設けられ第1金属及びホウ素を含む第2領域と、を含む。前記第1領域はホウ素を含まない、または、前記第1領域におけるホウ素の第1濃度は、前記第2領域におけるホウ素の第2濃度よりも低い。前記第2磁性層における白金の濃度は、2原子パーセント以上20原子パーセント以下である。
第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的斜視図である。 第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。 磁気記憶装置に関する実験の試料を例示する模式的断面図である。 磁気記憶装置に関する実験の試料を例示する模式的断面図である。 磁気記憶装置に関する実験結果を例示するグラフ図である。 磁気記憶装置に関する実験結果を例示するグラフ図である。 磁気記憶装置に関する実験結果を例示するグラフ図である。 図8(a)〜図8(d)は、磁気記憶装置に関する実験の試料を例示する模式的断面図である。 磁気記憶装置に関する実験結果を例示するグラフ図である。 第1実施形態に係る別の磁気記憶装置を例示する模式的斜視図である。 第2実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的斜視図である。 図12(a)〜図12(c)は、第3実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的斜視図である。 第4実施形態に係る磁気記憶装置を示す模式図である。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る磁気記憶装置110は、導電層20、第1磁性層11、第2磁性層12、第1非磁性層11n及び制御部70を含む。本実施形態に係る磁気記憶素子110aは、導電層20、第1磁性層11、第2磁性層12及び第1非磁性層11nを含む。磁気記憶素子110aは、磁気記憶装置110に含まれても良い。
導電層20は、第1部分20a、第2部分20b及び第3部分20cを含む。第3部分20cは、第1部分20aと第2部分20bとの間に位置する。
第1磁性層11は、第1方向において第3部分20cから離れる。第1方向は、第1部分20aから第2部分20bに向かう第2方向と交差する。
第1方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。この例では、第2方向は、X軸方向である。
第2磁性層12は、第3部分20cと第1磁性層11との間に設けられる。第1非磁性層11nは、第1磁性層11と第2磁性層12との間に設けられる。第1非磁性層11nと第1磁性層11との間に、別の層が設けられても良い。第1非磁性層11nと第2磁性層12との間に、別の層が設けられても良い。
第1磁性層11は、例えば、参照層として機能する。第2磁性層12は、例えば、記憶層(例えば自由層)として機能する。第2磁性層12の第2磁化12Mは、第1磁性層11の第1磁化11Mよりも変化し易い。第2磁性層12の第2磁化12Mの向きが、記憶される情報に対応する。磁化の向きは、例えば、磁化容易軸の向きに対応する。
第1磁性層11、第1非磁性層11n及び第2磁性層12は、第1積層体SB1に含まれる。第1積層体SB1は、例えば、1つのメモリセルMCの少なくとも一部として機能する。第1積層体SB1は、例えば、磁気トンネル接合(Magnetic Tunnel Junction:MTJ)を有する。第1積層体SB1は、MTJ素子に対応する。
この例では、第1磁性層11の第3方向に沿う長さLyは、第1磁性層11の第2方向に沿う長さLxよりも長い。第3方向は、第1方向及び第2方向を含む平面と交差する。第3方向は、例えば、Y軸方向である。第1磁性層11及び第2磁性層12において、形状異方性が生じる。例えば、第1磁性層11の第1磁化11Mは、Y軸方向に沿う。例えば、第2磁性層12の第2磁化12Mは、+Y方向または−Y方向に向く。実施形態において、長さLyと長さLxとの関係は任意である。
実施形態において、第1磁性層11は、例えば、面内磁化膜である。例えば、第1磁性層11の第1磁化11Mは、第1方向(Z軸方向)と交差する。この例では、第1磁性層11の第1磁化11Mは、第3方向(例えば、Y軸方向であり、第1方向及び第2方向を含む平面と交差する方向)に沿う。例えば、X−Y平面内における第1磁化11Mの向きは、任意である。
実施形態において、第2磁性層12は、例えば、面内磁化膜である。例えば、第2磁性層12の第2磁化12Mは、第1方向(Z軸方向)と交差する。この例では、第2磁性層12の第2磁化12Mは、上記の第3方向に沿う。例えば、X−Y平面内における第2磁化12Mの向きは、任意である。
制御部70は、第1部分20a及び第2部分20bと電気的に接続される。この例では、制御部70は、制御回路75を含む。制御回路75(制御部70)と、第1部分20aと、は、配線70bにより電気的に接続される。制御回路75(制御部70)と、第2部分20bと、は、配線70cにより電気的に接続される。この例では、制御回路75と第1部分20aとの間の電流経路(配線70b)において、スイッチSwS1が設けられている。スイッチSwS1のゲート(制御端子)は、制御回路75に電気的に接続される。
この例では、制御回路75(制御部70)は、第1磁性層11と電気的に接続されている。制御回路75(制御部70)と、第1磁性層11と、は、配線70aにより電気的に接続される。この例では、制御回路75と第1磁性層11との間の電流経路(配線70a)にスイッチSw1が設けられている。スイッチSw1のゲート(制御端子)は、制御回路75に電気的に接続される。
これらのスイッチは、制御部70に含められても良い。制御部70により、導電層20及び第1積層体SB1の電位が制御される。
例えば、第1部分20aが基準電位V0に設定され、第1磁性層11に第1電圧V1(例えば選択電圧)が印加される。このとき、例えば、導電層20に流れる電流の向きに応じて、第1積層体SB1の電気抵抗が変化する。一方、第1部分20aが基準電位V0に設定され、第1磁性層11に第2電圧V2(例えば非選択電圧)が印加される。第2電圧V2は、第1電圧V1とは異なる。第2電圧V2が印加されたときは、例えば、導電層20に電流が流れても、第1積層体SB1の電気抵抗は、実質的に変化しない。電気抵抗の変化は、第1積層体SB1の状態の変化に対応する。電気抵抗の変化は、例えば、第2磁性層12の第2磁化12Mの向きの変化に対応する。例えば、第2電圧V2は、第1電圧V1とは異なる。例えば、基準電位V0と第1電圧V1との間の電位差の絶対値は、基準電位V0と第2電圧V2との間の電位差の絶対値よりも大きい。例えば、第1電圧V1の極性は、第2電圧V2の極性と異なっても良い。このような電気抵抗の差は、制御部70の制御により得られる。
例えば、制御部70は、第1動作及び第2動作を行う。これらの動作は、積層体SB1に選択電圧が印加されているときの動作である。第1動作においては、制御部70は、第1部分20aから第2部分20bに向かう第1電流Iw1を導電層20に供給する(図1参照)。制御部70は、第2動作において、第2部分20bから第1部分20aに向かう第2電流Iw2を導電層20に供給する(図1参照)。
第1動作後における第1磁性層11と第1部分20aとの間の第1電気抵抗は、第2動作後における第1磁性層11と第1部分20aとの間の第2電気抵抗とは異なる。このような電気抵抗の差は、例えば、第2磁性層12の第2磁化12Mの向きの変化に対応する。例えば、導電層20を流れる電流(書き込み電流)により、第2磁化12Mの向きが変化する。これは、例えば、スピンホール効果に基づいていると考えられる。第2磁化12Mの向きの変化は、例えば、スピン軌道相互作用に基づいていると考えられる。
例えば、第1動作により、第2磁化12Mは、第1磁化11Mの向きと同じ成分を有する。「平行」の磁化が得られる。一方、第2動作により、第2磁化12Mは、第1磁化11Mの向きに対して逆の成分を有する。「反平行」の磁化が得られる。このような場合、第1動作後の第1電気抵抗は、第2動作後の第2電気抵抗よりも低くなる。このような電気抵抗の差が、記憶される情報に対応する。例えば、異なる複数の磁化が、記憶される情報に対応する。
例えば、第1動作により、メモリセルMCにおいて、第1記憶状態が形成される。第2動作により、メモリセルMCにおいて、第2記憶状態が形成される。例えば、第1記憶状態は、「0」及び「1」の一方の情報に対応する。第2記憶状態は、「0」及び「1」の他方の情報に対応する。第1動作は、例えば、第1書き込み動作に対応する。第2動作は、例えば、第2書き込み動作に対応する。第1動作が「書き込み動作」及び「消去動作」の一方であり、第2動作が「書き込み動作」及び「消去動作」の他方でも良い。これらの動作は、例えば、複数のメモリセルMCが設けられる場合において、選択されたメモリセルMC(第1積層体SB1)における書き込み動作に対応する。
制御部70は、第3動作及び第4動作をさらに実施しても良い。第3動作及び第4動作は、非選択のメモリセルMC(例えば第1積層体SB1)における動作に対応する。例えば、第3動作及び第4動作において、非選択のメモリセルMC(例えば、第1積層体SB1)における記憶状態は実質的に変化しない。
例えば、第3動作において、第1部分20aと第1磁性層11との間の電位差を第2電圧V2とし、第1電流Iw1を導電層20に供給する。第4動作において、第1部分20aと第1磁性層11との間の電位差を第2電圧V2とし、第2電流Iw2を導電層20に供給する。第3動作及び第4動作においては、例えば、導電層20に電流が流れても、第1積層体SB1の電気抵抗は、実質的に変化しない。第1動作後における第1磁性層11と第1部分20aとの間の第1電気抵抗は、第2動作後における第1磁性層11と第1部分20aとの間の第2電気抵抗とは異なる。第1電気抵抗と第2電気抵抗との差の絶対値は、第3動作後における第1磁性層11と第1部分20aとの間の第3電気抵抗と、第4動作後における第1磁性層11と第1部分20aとの間の第4電気抵抗と、の差の絶対値よりも大きい。第3動作の前後において、メモリセルMC(例えば、第1積層体SB1)における記憶状態は、実質的に変化しない。第4動作の前後において、メモリセルMC(例えば、第1積層体SB1)における記憶状態は、実質的に変化しない。
実施形態に係る磁気記憶装置110においては、導電層20の一部は、ホウ素(B)を含む。
例えば、第3部分20cは、第1領域21及び第2領域22を含む。第2領域22は、第1領域21と第2磁性層12との間に設けられる。第2領域22は、例えば、第2磁性層12と物理的に接する。第2領域22は、第1金属及びホウ素を含む。
この例では、第1領域21は、第1部分20aと第2部分20bとの間において、第2方向(例えばX軸方向)に沿って延びている。第2領域22は、第1部分20aと第2部分20bとの間において、第2方向に沿って延びている。
第1金属は、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Cu、Ag及びPdからなる群から選択された少なくとも1つを含む。これにより、例えば、スピンホール効果が効果的に得られる。
第2領域22は、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Cu、Ag及びPdからなる群から選択された少なくとも1つと、ホウ素と、を含む。第2領域22は、例えば、TaB、WB、ReB、OsB、IrB、PtB、AuB、CuB、AgB及びPdBからなる群から選択された少なくとも1つを含んでも良い。
一方、第1領域21は、ホウ素を含まない。または、第1領域21はホウ素を含み、第1領域におけるホウ素の第1濃度は、第2領域22におけるホウ素の第2濃度よりも低い。第1領域21は、例えば、第1金属を含む。
第2領域22におけるホウ素の第2濃度が10atm%以上において、例えば、磁気的Dead Layerの厚さDLが減少する。例えば、第2濃度が10atm%以上において、厚さDLは実質的に一定である。
第2領域22におけるホウ素の第2濃度は、10atm%以上50atm%以下であることが好ましい。このような濃度のときに、例えば、大きな実効垂直異方性磁界Hk_effが得られる。第2領域22におけるホウ素の第2濃度は、10atm%以上30atm%以下であることがさらに好ましい。この場合に、例えば、第2磁性層12の飽和磁化Msが小さくなる。
実施形態において、第2領域22は、Z軸方向において第1積層体SB1と重なる位置に局所的に設けられても良い。例えば、第2領域22は、Z軸方向において第2磁性層12と重ならない部分を有しなくても良い。例えば、第1部分20aは、第1非重畳領域20ap(図1参照)を含む。例えば、第2部分20bは、第2非重畳領域20bp(図1参照)を含む。第1非重畳領域20ap及び第2非重畳領域20bpは、第1方向(Z軸方向)において第2磁性層12と重ならない。これらの非重畳領域の少なくともいずれかは、ホウ素を含まなくても良い。または、これらの非重畳領域の少なくともいずれかにおけるホウ素の濃度は、第2濃度よりも低くても良い。
実施形態において、導電層20の厚さt0は、例えば、2ナノメートル(nm)以上11nm以下である。一方、第2磁性層12の厚さtm2は、0.5ナノメートル以上3ナノメートル以下である。これらの層が適切な範囲であるときに、格子ミスマッチが有効に生じる。厚さが過度に厚いと、格子が緩和し易くなる。
導電層20の第1領域21の厚さt1は、例えば、1nm以上7nm以下である。第2領域22の厚さt2は、例えば、1nm以上7nm以下である。
第2磁性層12の厚さtm2は、例えば、0.6nm以上6nm以下である。
上記において、厚さは、第1方向(Z軸方向)に沿った長さである。
図2は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
図2は、第1積層体SB1の一部を例示している。図2に示すように、1つの例において、第1磁性層11は、第1磁性膜11a、第2磁性膜11b及び非磁性膜11cを含む。第2磁性膜11bと第1非磁性層11nとの間に第1磁性膜11aが位置する。第1磁性膜11aと第2磁性膜11bとの間に、非磁性膜11cが位置する。第1磁性膜11aは、例えば、CoFeB膜である。第1磁性膜11aの厚さは、例えば、1.2nm以上2.4nm以下(例えば約1.8nm)である。第2磁性膜11bは、例えば、CoFeB膜である。第2磁性膜11bの厚さは、例えば、1.2nm以上2.4nm以下(例えば約1.8nm)である。非磁性膜11cは、例えば、Ru膜である。非磁性膜11cの厚さは、例えば0.7nm以上1.1nm以下である。
この例では、第1積層体SB1は、IrMn層11dをさらに含む。IrMn層11dと第1非磁性層11nとの間に、第1磁性層11が位置する。IrMn層11dの厚さは、例えば、5nm以上12nm以下(例えば8nm)である。この例では、第1積層体SB1は、Ta膜25a及びRu膜25bをさらに含む。1つの例において、Ta膜25aの厚さは、3nm以上7nm以下(例えば5nm)である。1つの例において、Ru膜25bの厚さは、5nm以上10nm以下(例えば約7nm)である。
実施形態においては、第2磁性層12は、Fe(鉄)、Pt(白金)及びBを含む。第2磁性層12は、Coをさらに含んでも良い。例えば、Ptは、第2磁性層12中において、分散されている。例えば、Ptを含む領域は層状でなくても良い。例えば、Bは、第2磁性層12中において、分散されている。例えば、Bを含む領域は層状でなくても良い。
上記のような第1領域21及び第2領域22を含む導電層20と、上記のような第2磁性層12と、を設けることで、大きな電圧効果(電界効果)が得られることが分かった。これにより、例えば、第1積層体SB1(メモリセルMC)の状態を制御しやすくできる。これにより、安定した動作が可能な磁気記憶装置を提供することができる。電圧効果は、例えば、電圧または電界による、磁気異方性制御の効果である。
以下、磁気記憶装置に関する実験結果について説明する。
図3は、磁気記憶装置に関する実験の試料を例示する模式的断面図である。
図3に示すように、実験の試料SPF1においては、基板10sが用いられる。基板10sにおいて、基体10a(シリコン基板)の上に、熱酸化シリコン膜10bが設けられる。熱酸化シリコン膜10bの上に、第1領域21となるTa膜(厚さt1が7nm)が設けられる。第1領域21の上に、第2領域22となるTa5050膜(厚さt2が3nm)が設けられる。第2領域22の上に磁性膜12fが設けられる。磁性膜12fの厚さを厚さtfとする。磁性膜12fの上に、Pt膜12pが設けられる。実験においては、Pt膜12pの厚さtpが変更される。Pt膜12pの上に、第1非磁性層11nとなるMgO膜(厚さが1.7nm)が設けられる。MgO膜の上にTa膜25aが設けられる。Ta膜25aの厚さは、3nmである。
実験では、複数の種類の試料が作製される。1つの試料においては、磁性膜12fは、Fe8020膜である。別の試料では、磁性膜12fは、Co40Fe4020膜である。これらの2種類について、Pt膜12pが設けられる試料と、Pt膜12pが設けられない試料と、が作製される。実験では、第2領域22となるTa5050膜が設けられない試料も作製される。この場合には、第1領域21となるTa膜の上に、磁性膜12fが形成される。
これらの膜は、スパッタにより形成される。スパッタによるこれらの膜の形成の後に、300℃で1時間の熱処理(アニール処理)が行われる。
熱処理により、Pt膜12pのPtは、磁性膜12fのFe8020と混ざりあう。例えば、Ptが磁性膜12f中に拡散する。これにより、Fe、B及びPtを含む第2磁性層12が得られる。
このような試料SPF1について、Kerr効果が測定される。
図4は、磁気記憶装置に関する実験の試料を例示する模式的断面図である。
図4に示すように、試料SPF1のTa膜25aの上に、電極25eがさらに形成される。電極25eは、Au/Ti積層膜である。これにより、測定用の試料SPF2が得られる。
導電層20と電極25eとの間に電源25gが接続される。電源25gにより、導電層20と電極25eとの間に電圧(電界)が印加される。
試料SPF2にレーザ光28Lが照射され、反射光が検出される。印加された電圧(電界)を変えたときの反射光が検出される。反射光の特性は、試料SPF2におけるKerr効果に依存する。これにより、試料SPF2における電圧効果に関する情報が得られる。
図5及び図6は、磁気記憶装置に関する実験結果を例示するグラフ図である。
これらの図には、第1試料SP01〜第4試料SP04に関する測定結果が示されている。
第1試料SP01においては、第2領域22(Ta5050膜)が設けられず、磁性膜12fはCo40Fe4020膜であり、Pt膜12pが設けられない。第1試料SP01は、MgO/Co40Fe4020/Taの構成(熱処理前)を有する。
第2試料SP02においては、第2領域22(Ta5050膜)が設けられず、磁性膜12fはCo40Fe4020膜であり、Pt膜12pが設けられる。第2試料SP02は、MgO/Pt/Co40Fe4020/Taの構成(熱処理前)を有する。
第3試料SP03においては、第2領域22(Ta5050膜)が設けられ、磁性膜12fはFe8020膜であり、Pt膜12pが設けられない。第3試料SP03は、MgO/Fe8020/Ta5050/Taの構成(熱処理前)を有する。
第4試料SP04においては、第2領域22(Ta5050膜)が設けられ、磁性膜12fはFe8020膜であり、Pt膜12pが設けられる。第4試料SP04は、MgO/Pt/Fe8020/Ta5050/Taの構成(熱処理前)を有する。
図5及び図6の横軸は、界面磁気異方性Ks(erg/cm)である。図5の縦軸は、パラメータ−dKs/dE(fJ/Vm)である。パラメータ−dKs/dEは、電界(電圧)の変化に対する界面磁気異方性Ksの変化に対応する。パラメータ−dKs/dEは、電圧効果に関する特性の1つである。図6の縦軸は、パラメータ−dHk/dV(Oe/V)である。パラメータ−dHk/dVは、電界(電圧)の変化に対する垂直異方性磁界Hkの変化に対応する。パラメータ−dHk/dVは、電圧効果に関する特性の1つである。
図5に示すように、第2領域22(Ta5050膜)が設けられない場合、Pt膜12pを設けない第1試料SP01において、パラメータ−dKs/dEは、約130〜140fJ/Vmである。これに対して、Pt膜12pを設けた第2試料SP02において、パラメータ−dKs/dEは、約70〜90fJ/Vmである。このように、第2領域22(Ta5050膜)が設けられない場合においては、Pt膜12pを設けることで、パラメータ−dKs/dEの値は減少する。
一方、図5に示すように、Pt膜12pを設けない第3試料SP03において、パラメータ−dKs/dEは、約60〜80fJ/Vmである。これに対して、Pt膜12pを設けた第4試料SP04において、パラメータ−dKs/dEは、約70〜120fJ/Vmである。このように、第2領域22(Ta5050膜)が設けられる場合においては、Pt膜12pを設けることで、パラメータ−dKs/dEは、上昇する。
このように、第2領域22(Ta5050膜)が設けられる場合と、設けられない場合と、で、Ptの有無による電圧効果の変化(増減)に大きく差が生じる。
図6に示すように、第2領域22(Ta5050膜)が設けられない場合、Pt膜12pを設けない第1試料SP01において、パラメータ−dHk/dVは、約550〜600Oe/Vである。これに対して、Pt膜12pを設けた第2試料SP02において、パラメータ−dHk/dVは、約400〜550Oe/Vである。このように、第2領域22(Ta5050膜)が設けられない場合においては、Pt膜12pを設けることで、パラメータ−dHk/dVの値は減少する。
一方、図6に示すように、Pt膜12pを設けない第3試料SP03において、パラメータ−dHk/dVは、約170〜220Oe/Vである。これに対して、Pt膜12pを設けた第4試料SP04において、パラメータ−dHk/dVは、約480〜700Oe/Vである。このように、第2領域22(Ta5050膜)が設けられる場合においては、Pt膜12pを設けることで、パラメータ−dHk/dVは、上昇する。特に、第4試料SP04においては、従来にない、非常に大きなパラメータ−dHk/dVの値が得られる。
このように、第2領域22(Ta5050膜)が設けられる場合と、設けられない場合と、で、Ptの有無による電圧効果の変化に大きく差が生じる。
第2領域22(Ta5050膜)が設けられない場合には、Ptが第2磁性層12に導入されることにより、第2磁性層12の飽和磁化Msが減少する。これに対して、第2領域22(Ta5050膜)が設けられた場合には、Ptが第2磁性層12に導入されることにより第2磁性層12の飽和磁化Msが増加する。例えば、飽和磁化Msの増加と、電圧効果の絶対値の上昇と、において、相関があると考えられる。
例えば、TaB膜を設けることで、第2磁性層12中のBの導電層20への拡散が抑制されると考えられる。第2磁性層12中に、高い濃度でBが残留する。このような第2磁性層12にPtが導入されることで、飽和磁化Msが増加し、それと関連して、電圧効果の絶対値が上昇すると考えられる。
上記の第4試料SP04においては、MgO/Pt/Fe8020/Ta5050/Taの構成(熱処理前)が設けられる。MgO/Pt/CoFeB/Ta5050/Taの構成(熱処理前)においても、上記のように、大きな電圧効果が得られる。
実施形態において、第2磁性層12は、Fe、Pt及びBに加えて、Coを含んでも良い。第2磁性層12におけるCoの濃度(組成比)は、例えば、10atm%(原子パーセント)以上70atm%以下である。第2磁性層12におけるCoの濃度(組成比)は、例えば、30atm%以下でも良い。
第2磁性層12におけるBの濃度(組成比)は、例えば、10atm%以上30atm%以下である。第2磁性層12におけるPtの濃度(組成比)は、例えば、2atm%以上20atm%以下である。
実施形態において、第2磁性層12中にPtが存在することは、例えば、エネルギー分散型X線分光法(EDS:Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)による分析により観測できる。
以下、図3に例示した試料SPF1の構成(熱処理前において、Ta/MgO/Pt/Fe8020/Ta5050/Taの構成)において)、磁性膜12fの厚さtf、及び、Pt膜12pの厚さtpを変更したときの特性の例について説明する。
図7は、磁気記憶装置に関する実験結果を例示するグラフ図である。
図7に示される試料は、試料SPF1の構成(熱処理前において、Ta/MgO/Pt/Fe8020/Ta5050/Taの構成)を有する。磁性膜12fの厚さtf、及び、Pt膜12pの厚さtpが互いに異なる。Pt膜12pが設けられない試料においては、厚さtpが0nmと表示されている。図7の横軸は、厚さtf(nm)である。縦軸は、実効的な垂直異方性磁界Hk_eff(kOe)である。垂直異方性磁界Hk_effが正のときに、磁化容易軸は、膜面垂直方向に沿う。
図7に示すように、Pt膜12pの厚さtpにかかわらず、磁性膜12f(Fe8020膜)の厚さtfが薄いと、実効的な垂直異方性磁界Hk_effは、上昇する。厚さtfを薄くすることで、実効的な垂直異方性磁界Hk_effが負の領域において、実効的な垂直異方性磁界Hk_effの絶対値を小さくすることができる。
Pt膜12pが設けられない試料(厚さtpが0nm)においては、実効的な垂直異方性磁界Hk_effは、比較的高い。厚さtpが0.1nmの場合、実効的な垂直異方性磁界Hk_effは、厚さtpが0nmの場合と比べて、明確に低下する。厚さtpが厚くなると、実効的な垂直異方性磁界Hk_effは、さらに低下する。厚さtpが0.3nmのときと、0.4nmのときにおいて、実効的な垂直異方性磁界Hk_effは、実質的に同じである。厚さtfを薄くしても、実効的な垂直異方性磁界Hk_effを0に近付けることは困難である。
図7からわかるように、第2磁性層12へのわずかなPtの導入により、特性が大きく変化する。
実施形態において、磁性膜12fの厚さtfと、Pt膜12pの厚さtpと、の和が、第2磁性層12の厚さtm2に対応する。
磁性膜12fの厚さtfは2原子層程度まで薄くすることが可能である。一方、垂直磁気異方性と、電圧効果と、スピンホール効果と、を大きくできれば、厚さtfを厚くすることができる。
図7から分かるように、Pt膜12pの厚さtpが0.1nmのように薄くても、Pt膜12pを設けない場合に比べて実効的な垂直異方性磁界Hk_effが明確に変化する。例えば、特性改善のために磁性膜12fを厚くし、それに応じて、Pt膜12pの厚さtpは、2原子層程度(例えば0.5nm程度)まで厚くできると考えられる。
実施形態において、第2磁性層12の厚さtm2(第1方向に沿う長さ)は、例えば、0.6nm以上6nm以下である。
実施形態において、第2磁性層12にPtが含まれることで、磁気的Dead Layerが形成されにくくなる。例えば、効率的な記憶動作が可能になる。
以下、Pt膜12pの位置を変更した実験結果の例について説明する。
図8(a)〜図8(d)は、磁気記憶装置に関する実験の試料を例示する模式的断面図である。
図8(a)に示すように、試料SP11においては、熱処理前において、第1非磁性層11n(MgO、1.7nm)/磁性膜12f(Co20Fe6020)/第2領域22(Ta5050、3nm)/第1領域21(Ta、7nm)の構成を有する。
図8(b)に示すように、試料SP12においては、熱処理前において、第1非磁性層11n(MgO、1.7nm)/磁性膜12g(Co20Fe6020、0.2nm)/Pt膜12p(0.2nm)/磁性膜12f(Co20Fe6020)/第2領域22(Ta5050)、3nm)/第1領域21(Ta、7nm)の構成を有する。
図8(c)に示すように、試料SP13においては、熱処理前において、第1非磁性層11n(MgO、1.7nm)/磁性膜12g(Co20Fe6020、0.4nm)/Pt膜12p(0.2nm)/磁性膜12f(Co20Fe6020)/第2領域22(Ta5050)、3nm)/第1領域21(Ta、7nm)の構成を有する。
図8(d)に示すように、試料SP14においては、熱処理前において、第1非磁性層11n(MgO、1.7nm)/Pt膜12q(0.1nm)/磁性膜12g(Co20Fe6020、0.2nm)/Pt膜12p(0.1nm)/磁性膜12f(Co20Fe6020)/第2領域22(Ta5050)、3nm)/第1領域21(Ta、7nm)の構成を有する。
さらに、試料SP15が作製される。試料SP15の構成は、図3に例示したSPF1の構成と同様である。試料SP15においては、熱処理前において、第1非磁性層11n(MgO、1.7nm)/Pt膜12p(0.2nm)/磁性膜12f(Co20Fe6020)/第2領域22(Ta5050)、3nm)/第1領域21(Ta、7nm)の構成を有する。
上記の試料SP11〜SP15において、磁性膜12fの厚さtfが変更される。
試料SP11においては、Pt膜12pは設けられない。試料SP15においては、磁性膜12fとPt膜12pとが設けられる。試料SP12及び試料SP13においては、第2磁性層12となる2つの磁性膜(磁性膜12f及び磁性膜12g)の間に、Pt膜12pが設けられる。試料SP13におけるPt膜12pの厚さtpは、試料SP12におけるPt膜12pの厚さtpよりも厚い。試料SP14においては、2つのPt膜(Pt膜12p及びPt膜12q)が設けられる。試料SP12〜SP15において、Ptを含む膜の合計の厚さは、0.2nmであり、一定である。
図9は、磁気記憶装置に関する実験結果を例示するグラフ図である。
図9の横軸は、磁性膜12fの厚さtf(nm)である。縦軸は、実効的な垂直異方性磁界Hk_eff(kOe)である。実効的な垂直異方性磁界Hk_effが正のときに、磁化容易軸は、膜面垂直方向に沿う。
図9に示すように、試料SP11〜SP15において、磁性膜12fの厚さtfが薄いと、実効的な垂直異方性磁界Hk_effは、上昇する。厚さtfを薄くすることで、実効的な垂直異方性磁界Hk_effは、負であり、実効的な垂直異方性磁界Hk_effの絶対値を小さくすることができる。
Pt膜12pが設けられない試料SP11においては、実効的な垂直異方性磁界Hk_effは、比較的高い。一方、試料SP12〜SP15においては、実効的な垂直異方性磁界Hk_effは低い。試料SP12〜SP15においては、実効的な垂直異方性磁界Hk_effは、実質的に同じである。実効的な垂直異方性磁界Hk_effは、第2磁性層12におけるPtの膜の位置に依存しないことが分かる。
また、試料SP12〜SP15のそれぞれの上に第1磁性層11(図2参照)が形成される。このようにして得られる試料について、TMR(Tunneling Magneto-Resistance)比および面積抵抗積RAが測定される。試料SP12〜SP15において、TMR比の測定値は、実質的に同じである。試料SP12〜SP15において、面積抵抗積RAは、実質的に同じである。第2磁性層12におけるPtの膜の位置に磁気抵抗効果が実質的に依存しないことが分かる。
磁気的特性および磁気抵抗などがPtの膜の位置に依存しないことから、上記の電圧効果の向上は、Ptの磁性膜への拡散に基づいていると、考えられる。Ptにおいて、例えば、大きなスピン軌道相互作用が期待できる。
上記のように、試料SP12〜SP15において、Ptの膜の厚さは一定(0.2nm)である。これらの試料において、実効的な垂直異方性磁界Hk_effの特性は、実質的に同じである。これらの試料において、第2磁性層12に含まれるPtの濃度は、実質的に同じであると考えられる。従って、第2磁性層12に含まれるPtの濃度により、第1積層体SB1(メモリセルMC)の特性が実質的に決まると考えられる。
図5及び図6に関して既に説明したように、Ptを磁性膜に導入することによる電圧効果の向上は、ボロンを含む第2領域22との組み合わせにより得られる。この現象は、本願発明者により初めて見出された現象である。
実施形態において、第2領域22に含まれる第1金属は、複数の種類の元素を含んでも良い。例えば、第2領域22は、TaWBを含み、第1領域21は、Taを含む。第2領域22がTaWBを含む場合も、例えば、書き込み電流を低減できる。第2領域22は、例えば、TaWB、TaReB、TaOsB、TaIrB、TaPtB、TaAuB、TaCuB、TaAgB、TaPdB、WReB、WOsB、WIrB、WPtB、WAuB、WCuB、WAgB、WPdB、ReOsB、ReIrB、RePtB、ReAuB、ReCuB、ReAgB、RePdB、OsIrB、OsPtB、OsAuB、OsCuB、OsAgB、OsPdB、IrPtB、IrAuB、IrCuB、IrAgB、IrPdB、PtAuB、PtCuB、PtAgB、PtPdB、AuCuB、AuAgB、AuPdB、CuAgBCuPdB及びAgPdBOからなる群から選択された少なくとも1つを含んでも良い。
実施形態において、第2領域22に含まれる第1金属は、複数の種類の元素を含んでも良い。例えば、第2領域22は、TaHfBを含み、第1領域21は、Taを含む。第2領域22がTaHfBを含む場合、例えば小さい絶対値の実効的な垂直異方性磁界Hk_effが得られる。例えば、高い垂直磁気異方性が得られる。例えば、書き込み電流を低減できる。例えば、第1金属は、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Cu、Ag及びPdからなる群から選択された少なくとも1つと、Hfと、を含んでも良い。例えば、第2領域22は、TaHfB、WHfB、ReHfB、OsHfB、IrHfB、PtHfB、AuHfB、CuHfB、AgHfB及びPdHfBからなる群から選択された少なくとも1つを含んでも良い。
一般的に、導電層20として重金属が用いられると、導電層20の上に設けられる第2磁性層12のダンピング定数αが高くなる傾向がある。実施形態において、第2領域22がホウ素を含むことにより、第2領域22における軽元素の濃度が高くなる。これにより、例えば、第2磁性層12におけるダンピング定数αを低く維持できると考えられる。Precessional Switchingモードにおいて、ダンピング定数αが小さくなると、磁化反転のための電流密度が低くなる傾向がある。実施形態においては、ダンピング定数αが小さくできるため、例えば、書き込み電流を低減できる。
実施形態において、第2領域22の少なくとも一部は、アモルファスでもよい。
図10は、第1実施形態に係る別の磁気記憶装置を例示する模式的斜視図である。
図10に示すように、本実施形態に係る別の磁気記憶装置120も、導電層20、第1磁性層11、第2磁性層12、第1非磁性層11n及び制御部70を含む。本実施形態に係る磁気記憶素子120aは、導電層20、第1磁性層11、第2磁性層12及び第1非磁性層11nを含む。磁気記憶素子120aは、磁気記憶装置120に含まれても良い。磁気記憶装置120(及び磁気記憶素子120a)においては、第1磁性層11の第1磁化11Mの方向が、磁気記憶装置110(及び磁気記憶素子110a)におけるそれとは異なる。これ以外の磁気記憶装置120における構成は、磁気記憶装置110の構成と同様である。
磁気記憶装置120においては、第1磁性層11の第1磁化11Mは、第2方向(例えばX軸方向)に沿う。例えば、第2磁性層12の第2磁化12Mは、第2方向に実質的に沿う。
磁気記憶装置120においては、例えば、Direct switchingモードの動作が行われる。Direct switchingモードにおける磁化反転の速度は、Precessional Switchingモードにおける磁化反転の速度よりも高い。Direct switchingモードにおいては、磁化反転は、歳差運動を伴わない。このため、磁化反転速度は、ダンピング定数αに依存しない。磁気記憶装置120においては、高速の磁化反転が得られる。
磁気記憶装置120において、例えば、第1磁性層11の1つの方向の長さ(長軸方向の長さ)は、第1磁性層11の別の1つの方向の長さ(短軸方向の長さ)よりも長い。例えば、第1磁性層11の第2方向(例えば、X軸方向)に沿う長さ(長軸方向の長さ)は、第1磁性層11の第3方向(例えば、Y軸方向)に沿う長さ(短軸方向の長さ)よりも長い。例えば、形状異方性により、第1磁性層11の第1磁化11Mが第2方向に沿い易くなる。
磁気記憶装置120において、例えば、第1磁性層11の長軸方向は、第2方向に沿う。第1磁性層11の長軸方向は、第2方向に対して傾斜しても良い。例えば、第1磁性層11の長軸方向と、第2方向(導電層20を流れる電流の方向に対応する方向)と、の間の角度(絶対値)は、例えば、0度以上30度未満である。このような構成においては、例えば、高い書き込み速度が得られる。
(第2実施形態)
図11は、第2実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的斜視図である。
図11に示すように、本実施形態に係る磁気記憶装置210においては、複数の積層体(第1積層体SB1、第2積層体SB2及び積層体SBxなど)が設けられる。そして、複数のスイッチ(スイッチSw1、スイッチSw2及びスイッチSwxなど)が設けられる。磁気記憶装置210におけるこれ以外の構成は、磁気記憶装置110と同様である。
複数の積層体は、導電層20に沿って並ぶ。例えば、第2積層体SB2は、第3磁性層13、第4磁性層14及び第2非磁性層12nを含む。第3磁性層13は、導電層20の一部と、第1方向(Z軸方向)において離れる。第4磁性層14は、導電層20のその一部と、第3磁性層13と、の間に設けられる。第2非磁性層12nは、第3磁性層13と第4磁性層14との間に設けられる。
例えば、第3磁性層13は、第2方向(例えばX軸方向)において、第1磁性層11から離れる。第4磁性層14は、第2方向において、第2磁性層12から離れる。第2非磁性層12nは、第2方向において、第1非磁性層11nから離れる。
例えば、積層体SBxは、磁性層11x、磁性層12x及び非磁性層11nxを含む。磁性層11xは、導電層20の別の一部と、第1方向(Z軸方向)において離れる。磁性層12xは、導電層20のその別の一部と、磁性層11xと、の間に設けられる。非磁性層11nxは、磁性層11xと磁性層12xとの間に設けられる。
例えば、第3磁性層13の材料及び構成は、第1磁性層11の材料及び構成と同じである。例えば、第4磁性層14の材料及び構成は、第2磁性層12の材料及び構成と同じである。例えば、第2非磁性層12nの材料及び構成は、第1非磁性層11nの材料及び構成と同じである。
複数の積層体は、複数のメモリセルMCとして機能する。
導電層20の第2領域22は、第4磁性層14と第1領域21との間にも設けられる。導電層20の第2領域22は、磁性層12xと第1領域21との間にも設けられる。
スイッチSw1は、第1磁性層11と電気的に接続される。スイッチSw2は、第3磁性層13と電気的に接続される。スイッチSwxは、磁性層11xと電気的に接続される。これらのスイッチは、制御部70の制御回路75と電気的に接続される。これらのスイッチにより、複数の積層体のいずれかが選択される。
磁気記憶装置210の例においては、第2領域22は、第2方向(例えば、X軸方向)に沿って延びる。複数の積層体の間に対応する領域にも、第2領域22が設けられる。
(第3実施形態)
図12(a)〜図12(c)は、第3実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的斜視図である。
図12(a)に示すように、本実施形態にかかる磁気記憶装置220においても、複数の積層体(第1積層体SB1及び第2積層体SB2)が設けられる。磁気記憶装置220においては、第1積層体SB1に流れる電流と、第2積層体SB2に流れる電流とは別である。
第1積層体SB1は、第1方向(Z軸方向)において、第3部分20cと重なる。第2積層体SB2は、第1方向において、第5部分20eと重なる。導電層20の第4部分20dは、第1積層体SB1と第2積層体SB2との間の部分に対応する。
例えば、第1端子T1が、導電層20の第1部分20aと電気的に接続される。第2端子T2が、第2部分20bと電気的に接続される。第3端子T3が、第4部分20dと電気的に接続される。第4端子T4が、第1磁性層11と電気的に接続される。第5端子T5が、第3磁性層13と電気的に接続される。
図12(a)に示すように、1つの動作OP1において、第1電流Iw1が、第1端子T1から第3端子T3に向けて流れ、第3電流Iw3が第2端子T2から第3端子T3に向けて流れる。第1積層体SB1の位置における電流(第1電流Iw1)の向きは、第2積層体SB2の位置における電流(第3電流Iw3)の向きと逆である。このような動作OP1において、第1積層体SB1の第2磁性層12に作用するスピンホールトルクの向きは、第2積層体SB2の第4磁性層14に作用するスピンホールトルクの向きと逆になる。
図12(b)に示す別の動作OP2において、第2電流Iw2が、第3端子T3から第1端子T1に向けて流れ、第4電流Iw4が第3端子T3から第2端子T2に向けて流れる。第1積層体SB1の位置における電流(第2電流Iw2)の向きは、第2積層体SB2の位置における電流(第4電流Iw4)の向きと逆である。このような動作OP2において、第1積層体SB1の第2磁性層12に作用するスピンホールトルクの向きは、第2積層体SB2の第4磁性層14に作用するスピンホールトルクの向きと逆になる。
図12(a)及び図12(b)に示すように、第4磁性層14の第4磁化14Mの向きは、第2磁性層12の第2磁化12Mの向きと逆である。一方、第3磁性層13の第3磁化13Mの向きは、第1磁性層11の第1磁化11Mの向きと同じである。このように、第1積層体SB1と第2積層体SB2との間で、反対の向きの磁化情報が記憶される。例えば、動作OP1の場合の情報(データ)が、”1”に対応する。例えば、動作OP2の場合の情報(データ)が、”0”に対応する。このような動作により、例えば、後述するように、読み出しが高速化できる。
動作OP1及び動作OP2において、第2磁性層12の第2磁化12Mと、導電層20を流れる電子(偏極電子)のスピン電流と、が相互作用する。第2磁化12Mの向きと、偏極電子のスピンの向きとは、平行または反平行の関係となる。第2磁性層12の第2磁化12Mは、歳差運動して、反転する。動作OP1及び動作OP2において、第4磁性層14の第4磁化14Mの向きと、偏極電子のスピンの向きとは、平行または反平行の関係となる。第4磁性層14の第4磁化14Mは、歳差運動して、反転する。
図12(c)は、磁気記憶装置220における読み出し動作を例示している。
読み出し動作OP3において、第4端子T4の電位を第4電位V4とする。そして、第5端子T5の電位を第5電位V5とする。第4電位V4は、例えば、接地電位である。第4電位V4と第5電位V5との間の電位差をΔVとする。複数の積層体のそれぞれにおける2つの電気抵抗を、高抵抗Rh及び低抵抗Rlとする。高抵抗Rhは、低抵抗Rlよりも高い。例えば、第1磁化11Mと第2磁化12Mとが反平行であるときの抵抗が、高抵抗Rhに対応する。例えば、第1磁化11Mと第2磁化12Mとが平行であるときの抵抗が、低抵抗Rlに対応する。例えば、第3磁化13Mと第4磁化14Mとが反平行であるときの抵抗が、高抵抗Rhに対応する。例えば、第3磁化13Mと第4磁化14Mとが平行であるときの抵抗が、低抵抗Rlに対応する。
例えば、図12(a)に例示する動作OP1(”1”状態)において、第3端子T3の電位Vr1は、(1)式で表される。
Vr1={Rl/(Rl+Rh)}×ΔV …(1)
一方、図12(b)に例示する動作OP2(”0”状態)の状態において、第3端子T3の電位Vr2は、(2)式で表される。
Vr2={Rh/(Rl+Rh)}×ΔV …(2)
従って、”1”状態と”0”状態との間における、電位変化ΔVrは、(3)式で表される。
ΔVr=Vr2−Vr1={(Rh−Rl)/(Rl+Rh)}×ΔV …(3)
電位変化ΔVrは、第3端子T3の電位を測定することによって得られる。
定電流を積層体(磁気抵抗素子)に供給して磁気抵抗素子の2つの磁性層の間の電圧(電位差)を測定する場合に比べて、上記の読み出し動作OP3においては、例えば、読み取り時の消費エネルギーを低減できる。上記の読み出し動作OP3においては、例えば、高速読み出しを行なうことができる。
上記の動作OP1及び動作OP2において、第4端子T4及び第5端子T5を用いて、第2磁性層12及び第4磁性層14のそれぞれの垂直磁気異方性を制御することができる。これにより、書込み電流を低減できる。例えば、書込み電流は、第4端子T4及び第5端子T5を用いないで書き込みを行う場合の書き込み電流の約1/2にできる。例えば、書込み電荷を低減できる。第4端子T4及び第5端子T5に加える電圧の極性と、垂直磁気異方性の増減と、の関係は、磁性層及び導電層20の材料に依存する。
(第4実施形態)
図13は、第4実施形態に係る磁気記憶装置を示す模式図である。
図13に示すように、本実施形態に係る磁気記憶装置310においては、メモリセルアレイMCA、複数の第1配線(例えば、ワード線WL1及びWL2など)、複数の第2配線(例えば、ビット線BL1、BL2及びBL3など)、及び、制御部70が設けられる。複数の第1配線は、1つの方向に延びる。複数の第2配線は、別の1つの方向に延びる。制御部70は、ワード線選択回路70WS、第1ビット線選択回路70BSa、第2ビット線選択回路70BSbと、第1書込み回路70Wa、第2書き込み回路70Wb、第1読出し回路70Ra、及び、第2読出し回路70Rb、を含む。メモリセルアレイMCAにおいて、複数のメモリセルMCが、アレイ状に並ぶ。
例えば、複数のメモリセルMCの1つに対応して、スイッチSw1及びスイッチSwS1が設けられる。これらのスイッチは、複数のメモリセルの1つに含められると見なす。これらのスイッチは、制御部70に含まれると見なされても良い。これらのスイッチは、例えば、トランジスタである。複数のメモリセルMCの1つは、例えば、積層体(例えば第1積層体SB1)を含む。
図11に関して説明したように、1つの導電層20に、複数の積層体(第1積層体SB1、第2積層体SB2及び積層体SBxなど)が設けられても良い。そして、複数の積層体に、複数のスイッチ(スイッチSw1、スイッチSw2及びスイッチSwxなど)がそれぞれ設けられても良い。図13においては、図を見やすくするために、1つの導電層20に対応して、1つの積層体(積層体SB1など)と、1つのスイッチ(スイッチSw1など)と、が描かれている。
図13に示すように、第1積層体SB1の一端は、導電層20に接続される。第1積層体SB1の他端は、スイッチSw1のソース及びドレインの一方に接続される。スイッチSw1のソース及びドレインの他方は、ビット線BL1に接続される。スイッチSw1のゲートは、ワード線WL1に接続される。導電層20の一端(例えば第1部分20a)は、スイッチSwS1のソース及びドレインの一方に接続される。導電層20の他端(例えば第2部分20b)は、ビット線BL3に接続される。スイッチSwS1のソース及びドレインの他方は、ビット線BL2に接続される。スイッチSwS1のゲートは、ワード線WL2に接続される。
複数のメモリセルMCの他の1つにおいて、積層体SBn、スイッチSwn及びスイッチSwSnが設けられる。
メモリセルMCへの情報の書込み動作の例について説明する。
書込みを行なう1つのメモリセルMC(選択メモリセル)のスイッチSwS1がオン状態とされる。例えば、オン状態においては、この1つのスイッチSwS1のゲートが接続されたワード線WL2が、ハイレベルの電位に設定される。電位の設定は、ワード線選択回路70WSにより行われる。上記の1つのメモリセルMC(選択メモリセル)を含む列の他のメモリセルMC(非選択メモリセル)におけるスイッチSwS1もオン状態となる。1つの例では、メモリセルMC(選択メモリセル)内のスイッチSw1のゲートに接続されるワード線WL1、及び、他の列に対応するワード線WL1及びWL2は、ロウレベルの電位に設定される。
図13では、1つの導電層20に対応して1つの積層体及び1つのスイッチSw1が描かれているが、既に説明したように、1つの導電層20に対応して複数の積層体(積層体SB1、第2積層体SB2及び積層体SBxなど)及び複数のスイッチ(スイッチSw1、スイッチSw2及びスイッチSwxなど)が設けられる。この場合、例えば、複数の積層体のそれぞれに接続されているスイッチは、オン状態とされる。複数の積層体のいずれかには選択電圧が印加される。一方、他の積層体には非選択電圧が印加される。複数の積層体の上記のいずれかに書き込みが行われ、他の積層体には書き込みが行われない。複数の積層体における選択的な書き込みが行われる。
書込みを行なうメモリセルMC(選択セル)に接続されたビット線BL2及びBL3が、選択される。選択は、第1ビット線選択回路70BSa及び第2ビット線選択回路70BSbにより行われる。この選択されたビット線BL2及びBL3に、書込み電流が供給される。書き込み電流の供給は、第1書込み回路70Wa及び第2書き込み回路70Wbによって行われる。書き込み電流は、第1ビット線選択回路70BSa及び第2ビット線選択回路70BSbの一方から、第1ビット線選択回路70BSa及び第2ビット線選択回路70BSbの他方に向けて流れる。書込み電流によって、MTJ素子(第1積層体SB1など)の記憶層(第2磁性層12など)の磁化方向が変化可能になる。第1ビット線選択回路70BSa及び第2ビット線選択回路70BSbの他方から、第1ビット線選択回路70BSa及び第2ビット線選択回路70BSbの一方に向けて書込み電流が流れると、MTJ素子の記憶層の磁化方向が、上記とは反対方向に変化可能となる。このようにして、書込みが行われる。
以下、メモリセルMCからの情報の読出し動作の例について説明する。
読出しを行なうメモリセルMC(選択セル)に接続されたワード線WL1がハイレベルの電位に設定される。上記のメモリセルMC(選択セル)内のスイッチSw1がオン状態にされる。このとき、上記のメモリセルMC(選択セル)を含む列の他のメモリセルMC(非選択セル)におけるスイッチSw1もオン状態となる。上記のメモリセルMC(選択セル)内のスイッチSwS1のゲートに接続されるワード線WL2、及び、他の列に対応するワード線WL1及びWL2は、ロウレベルの電位に設定される。
読出しを行なうメモリセルMC(選択セル)に接続されたビット線BL1及びBL3が、選択される。選択は、第1ビット線選択回路70BSa及び第2ビット線選択回路70BSbにより行われる。この選択されたビット線BL1及びビット線BL3に、読出し電流が供給される。読み出し電流の供給は、第1読出し回路70Ra及び第2読み出し回路70Rbにより行われる。読み出し電流は、第1ビット線選択回路70BSa及び第2ビット線選択回路70BSbの一方から、第1ビット線選択回路70BSa及び第2ビット線選択回路70BSbの他方に向けて流れる。例えば、上記の選択されたビット線BL1及びBL3の間の電圧が、第1読出し回路70Ra及び第2読み出し回路70Rbによって、検出される。例えば、MTJ素子の、記憶層(第2磁性層12)の磁化と、参照層(第1磁性層11)の磁化と、の間の差が検出される。差は、磁化の向きが互いに平行状態(同じ向き)か、または、互いに反平行状態(逆向き)か、を含む。このようにして、読出し動作が行われる。
実施形態によれば、安定した動作が可能な磁気記憶装置が提供できる。
本願明細書において、「第1材料/第2材料」の記載は、第2材料の上に第1材料が位置することを意味する。例えば、第2材料の層の上に第1材料の層が形成される。
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
以上、例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの例に限定されるものではない。例えば、磁気記憶装置に含まれる磁性層、非磁性層、導電層及び制御部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
各例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
本発明の実施の形態として上述した磁気記憶装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての磁気記憶装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10a…基体、 10b…熱酸化シリコン膜、 10s…基板、 11…第1磁性層、 11M…第1磁化、 11a…第1磁性膜、 11b…第2磁性膜、 11c…非磁性膜、 11d…IrMn層、 11n…第1非磁性層、 11nx…非磁性層、 11x…磁性層、 12…第2磁性層、 12M…第2磁化、 12f、12g…磁性膜、 12n…第2非磁性層、 12p、12q…Pt膜、 12x…磁性層、 13…第3磁性層、 13M…第3磁化、 14…第4磁性層、 14M…第4磁化、 20…導電層、 20a…第1部分、 20ap…第1非重畳領域、 20b…第2部分、 20bp…第2非重畳領域、 20c…第3部分、 20d…第4部分、 20e…第5部分、 21…第1領域、 22…第2領域、 25a…Ta膜、 25b…Ru膜、 25e…電極、 25g…電源、 28L…レーザ光、 70…制御部、 70BSa…第1ビット線選択回路、 70BSb…第2ビット線選択回路、 70Ra…第1読み出し回路、 70Rb…第2読み出し回路、 70WS…ワード線選択回路、 70Wa…第1書き込み回路、 70Wb…第2書き込み回路、 70a、70b、70c…配線、 75…制御回路、 110、120、130、210、220、310…磁気記憶装置、 110a、120a…磁気記憶素子、 BL1、BL2、BL3…ビット線、 Hk_eff…実効的な垂直異方性磁界、 Iw1〜Iw4…第1〜第4電流、 Ks…界面磁気異方性、 Lx、Ly…長さ、 MC…メモリセル、 MCA…メモリセルアレイ、 OP1、OP2…動作、 OP3…読み出し動作、 SB1…第1積層体、 SB2…第2積層体、 SBn…積層体、 SBx…積層体、 SP01〜SP04…第1〜第4試料、 SP11〜SP15…試料、 SPF1、SPF2…試料、 Sw1、Sw2…スイッチ、 SwS1、SwSn…スイッチ、 Swn、Swx…スイッチ、 T1〜T5…第1〜第5端子、 V0…基準電位、 V1、V2…第1、第2電圧、 WL1、WL2…ワード線、 t0、t1、t2、tf、tm2、tp…厚さ

Claims (10)

  1. 導電層と、
    前記導電層から離れた第1磁性層と、
    前記導電層と前記第1磁性層との間に設けられ、鉄、白金及びホウ素を含む第2磁性層と、
    前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた第1非磁性層と、
    を備え、
    前記導電層は、第1領域と、前記第1領域と前記第2磁性層との間に設けられ第1金属及びホウ素を含む第2領域と、を含み、
    前記第1領域はホウ素を含まない、または、前記第1領域におけるホウ素の第1濃度は、前記第2領域におけるホウ素の第2濃度よりも低
    前記第2濃度は、10原子パーセント以上50原子パーセント以下である、磁気記憶素子。
  2. 前記第2磁性層における白金の濃度は、2原子パーセント以上20原子パーセント以下である、請求項1記載の磁気記憶素子。
  3. 導電層と、
    前記導電層から離れた第1磁性層と、
    前記導電層と前記第1磁性層との間に設けられ、鉄、白金及びホウ素を含む第2磁性層と、
    前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた第1非磁性層と、
    を備え、
    前記導電層は、第1領域と、前記第1領域と前記第2磁性層との間に設けられ第1金属及びホウ素を含む第2領域と、を含み、
    前記第1領域はホウ素を含まない、または、前記第1領域におけるホウ素の第1濃度は、前記第2領域におけるホウ素の第2濃度よりも低
    前記第2磁性層における白金の濃度は、2原子パーセント以上20原子パーセント以下である、磁気記憶素子。
  4. 前記第1領域は、前記第1金属を含む、請求項1〜3のいずれか1つに記載の磁気記憶素子。
  5. 前記第1金属は、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Cu、Ag及びPdからなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項1〜4のいずれか1つに記載の磁気記憶素子。
  6. 前記第2磁性層は、Coをさらに含む、請求項1〜のいずれか1つに記載の磁気記憶素子。
  7. 前記第2磁性層におけるホウ素の濃度は、10原子パーセント以上30原子パーセント以下である、請求項1〜のいずれか1つに記載の磁気記憶素子。
  8. 前記第2領域の少なくとも一部は、アモルファスである、請求項1〜のいずれか1つに記載の磁気記憶素子。
  9. 請求項1〜のいずれか1つに記載の磁気記憶素子と、
    制御部と、
    を備え、
    前記導電層は、第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間の第3部分と、を含み、
    前記第1磁性層は、前記第1部分から前記第2部分に向かう第2方向と交差する第1方向において前記第3部分から離れ、
    前記第2磁性層は、前記第3部分と前記第1磁性層との間に設けられ、
    前記制御部は、前記第1部分及び前記第2部分と電気的に接続され、
    前記制御部は、
    前記第1部分から前記第2部分に向かう第1電流を前記導電層に供給する第1動作と、
    前記第2部分から前記第1部分に向かう第2電流を前記導電層に供給する第2動作と、
    を実施する、磁気記憶装置。
  10. 前記制御部は、
    前記第1磁性層とさらに電気的に接続され、
    前記制御部は、第3動作及び第4動作をさらに実施し、
    前記制御部は、
    前記第1動作において、前記第1部分と前記第1磁性層との間の電位差を第1電圧とし、
    前記第2動作において、前記第1部分と前記第1磁性層との間の電位差を前記第1電圧とし、
    前記第3動作において、前記第1部分と前記第1磁性層との間の電位差を第2電圧とし、前記第1電流を前記導電層に供給し、
    前記第4動作において、前記第1部分と前記第1磁性層との間の電位差を前記第2電圧とし、前記第2電流を前記導電層に供給し、
    前記第1電圧は、前記第2電圧とは異なり、
    前記第1動作により、前記第1磁性層、前記第1非磁性層及び前記第2磁性層を含むメモリセルは第1記憶状態となり、
    前記第2動作により、前記メモリセルは第2記憶状態となり、
    前記メモリセルの記憶状態は、前記第3動作の前後において実質的に変化せず、前記第4動作の前後において実質的に変化しない、請求項記載の磁気記憶装置。
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