JP6508931B2 - 液体送り出し駆動装置 - Google Patents
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また、このようなシリンジポンプの筒先に取り付けられているチューブが折れ曲がっていたりした場合は、溶液の注入時の負荷が増加する。この負荷の変化を反射型フォトセンサの信号レベルによって検出するシリンジポンプが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら本実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る液体送り出し駆動装置1にシリンジ2を装着した状態を示す平面図である。なお、本実施形態では、液体送り出し駆動装置1が適応される例として、シリンジポンプを例に説明する。
図1に示すように、液体送り出し駆動装置1は、筐体100、モータ101、センサマグネット102、エンコーダ103、駆動回路基板104、第1取付板105を備えている。液体送り出し駆動装置1は、第1ギア107、第2ギア108、リードスクリュー109、第2取付板110、キャリッジ111、ガイド棒112、制御部113、記憶部114、駆動回路115、およびスライダ120を備えている。モータ101は、シャフト106を備えている。スライダ120は、検出部121を備えている。
センサマグネット102は、シャフト106の短先端106Bに、取り付けられている。
第1ギア107は、シャフト106の長先端106Aに、圧入されている。
図2は、実施形態に係る液体送り出し駆動装置1の回路構成を説明するブロック図である。図2に示すように、液体送り出し駆動装置1は、モータ101、エンコーダ103、制御部113、記憶部114、駆動回路115、検出部121、およびインタフェース端子131を備えている。
また、液体送り出し駆動装置1は、インタフェース端子131を介して、電源部301、操作部303、および報知部304と接続されている。
なお、本実施形態においては、報知部304がエラーを示す情報sg3に基づいてエラーを報知する場合について説明するが、これに限られない。制御部113は、エラーを示す情報sg3に代えて、又はエラーを示す情報sg3に加えて、液体送り出し駆動装置1が正常状態であることを示す情報を出力する構成であってもよい。この構成の場合には、報知部304は、液体送り出し駆動装置1が正常状態であることを示す情報を制御部113が出力したことに基づいて、液体送り出し駆動装置1が正常状態であることを報知する。また、報知部304は、正常状態である情報を制御部113が出力しなくなったことに基づいて、エラーを報知する構成であってもよい。
駆動回路115は、制御部113から入力される駆動指示値に基づいて、駆動信号を生成し、生成した駆動信号によってモータ101を駆動する。
モータ101は、駆動回路115によって駆動される。モータ101は、例えば、ステッピングモータである。
また、制御部113は、駆動回路115を介してモータ101を動作させる。制御部113は、モータ101の負荷トルクを取得する。この負荷トルクは、モータ101の動作に伴って変化するキャリッジ111の位置に応じて変化する。制御部113は、液体送り出し駆動装置1の初期状態において取得済みの負荷トルクと、初期状態以降のモータ101の動作時に取得して得られる負荷トルクとを、キャリッジ111の位置毎に比較することにより、機構部品の磨耗や使用に伴う経時的な劣化による負荷の異常を検出する。ここで、負荷とは、モータ101から、スライダ120に至るまでの各部品である。具体的には、負荷とは、第1ギア107、第2ギア108、リードスクリュー109、キャリッジ111、ガイド棒112、スライダ120である。以下、制御部113による負荷の異常検出の詳細について説明する。
本実施形態では、液体送り出し駆動装置1の「初期状態」の具体例として、液体送り出し駆動装置1が工場等で組み立てられた後、液体送り出し駆動装置1に初めて電源が投入された場合について説明する。なお、以下の説明において、初期状態における液体送り出し駆動装置1への電源の投入を、初期電源投入と称する。また、初期状態における制御部113の動作モードを、初期モードと称する。
また、以下の説明において、液体送り出し駆動装置1の初期状態の後の状態を、通常状態と称する。通常状態において、液体送り出し駆動装置1にシリンジ2を取り付けない状態でモータ101を動作させる制御部113の動作モードを、点検モードと称する。
初期モードにおいて、制御部113は、液体送り出し駆動装置1にシリンジ2が取り付けられていない状態における、モータ101の負荷トルクを取得し、取得した負荷トルクを記憶部114に記憶させる。なお、以下の説明において、液体送り出し駆動装置1にシリンジ2が取り付けられていない状態を、無負荷状態と称する。また、液体送り出し駆動装置1の初期状態におけるモータ101の負荷トルクを、初期無負荷トルク、又は第1検出値と称する。
なお、制御部113は、このステップS1において、電源投入済みであることを示す情報を記憶部114に記憶させてもよい。これにより制御部113は、電源投入済みであることを示す情報が記憶部114に記憶されているか否かに基づいて、初回の起動か、2回目以降の起動かを判定することができる。
ここで、キャリッジ111を位置p1から位置pnに移動させた場合の、モータ101の初期無負荷トルクの一例を図4に示す。
ここまで説明した制御部113の処理によって、キャリッジ111の位置pkに応じた初期無負荷トルクA(k)が記憶部114に記憶される。
点検モードにおいて、制御部113は、液体送り出し駆動装置1にシリンジ2が取り付けられていない状態における、モータ101の負荷トルクを取得する。また、制御部113は、取得した負荷トルクと、予め取得されている初期無負荷トルクとを比較し、比較した結果を報知部304に出力する。なお、以下の説明において、点検モードにおけるモータ101の負荷トルクを、点検時無負荷トルク、又は第2検出値と称する。
なお、制御部113は、検出部121の出力に基づいてシリンジ2が装着されていないと判定した場合に限り、点検モードの処理を開始してもよい。
なお、制御部113は、取得した点検時無負荷トルクB(k)と、点検時無負荷トルクB(k)の取得時のキャリッジ111の位置pkを示す情報とを関連付けて記憶部114に記憶させてもよい。
この図7に示す一例の場合においては、差分{B(k)−A(k)}が、いずれの位置pkにおいても所定値P以下である。
なお、図5に示した例では、キャリッジ111の位置pk毎に、負荷の異常検出を行う例を説明したが、これに限られない。制御部113は、移動開始位置から移動終了位置までの各位置pkについて、点検時無負荷トルクB(k)の取得が終了した後に、記憶部114に記憶させた初期無負荷トルクA(k)と点検時無負荷トルクB(k)とを位置pk毎に逐次読み出して比較するようにしてもよい。
第2の実施形態では、液体送り出し駆動装置1の使用状態において、すなわち、液体送り出し駆動装置1にシリンジ2を装着した状態において、負荷の異常を検出する例について説明する。
なお、液体送り出し駆動装置1およびシリンジ2の構成は、上述した第1の実施形態と同一である。上述した第1の実施形態と同一又は対応する部分については、同一の符号を用いて説明を省略する。
第1の実施形態において、制御部113は、工場出荷前などの初期状態の無負荷トルクと、初期状態から経時後の無負荷トルクとを比較することにより、負荷の異常を検出する。つまり、第1の実施形態では、液体送り出し駆動装置1にシリンジ2を取り付けない状態での負荷トルクどうしを比較する。一方、第2の実施形態において、制御部113は、初期状態の無負荷トルクと、液体送り出し駆動装置1にシリンジ2を取り付けた状態の負荷トルクとを比較することにより、負荷の異常を検出する。つまり、第2の実施形態では、シリンジ2を取り付けている場合においても、負荷の異常を検出できる点において、第1の実施形態と異なる。なお、以下の説明において、液体送り出し駆動装置1にシリンジ2を取り付けた状態でモータ101を動作させる制御部113の動作モードを、シリンジ使用モード、又は単に、使用モードと称する。また、液体送り出し駆動装置1にシリンジ2を取り付けた状態の負荷トルクのうち、位置pkにおける負荷トルクを、シリンジ負荷トルクC(k)、又は第3検出値と称する。
使用モードにおける、制御部113の処理の具体例について、図8、図9及び図10を参照して説明する。
図8は、本実施形態に係る液体送り出し駆動装置1にシリンジ2が装着された場合の制御部113の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、液体送り出し駆動装置1にシリンジ2が装着された状態において、シリンジ2の輸液開始位置が、シリンジ2の種類によらず位置p1で一定である場合について説明する。シリンジ2の輸液開始位置が、シリンジ2の種類によって位置p1から位置pnの間で変化する場合の例については、変形例において後述する。
また本実施形態では、初期モードにおいて制御部113が取得した初期無負荷トルクA(k)が、記憶部114に記憶されている状態であることを前提にして説明する。
なお、制御部113は、検出部121の出力に基づいてシリンジ2が装着されていると判定した場合に限り、動作モードを使用モードに設定してもよい。
なお、キャリッジ111の移動開始位置pc1及び移動開始位置pc2については、変形例において後述する。
ここで、シリンジ負荷トルクC(n)と初期無負荷トルクA(n)との差分{C(k)−A(k)}と、所定値Qとの関係を説明する。
図10の曲線g311は、経時的な劣化による負荷の異常が発生していない状態における差分{C(k)−A(k)}を表している。図10の曲線g311’は、経時的な劣化による負荷の異常が発生している状態における差分{C(k)−A(k)}を表している。図10の破線g312は、所定値Qを表している。
制御部113は、例えば、位置p2において、減算した値{C(2)−C(2)}と所定値Qとの値を比較し、減算した値が所定値Q未満のため、負荷トルクを正常であると判定する。また、負荷トルクが曲線311’の場合に、位置pmにおいて、減算した値{C(m)−A(m)}と所定値Qとの値を比較し、減算した値が所定値Qより大きいため、負荷トルクを異常であると判定する。
制御部113は、差分{C(k)−A(k)}が所定値Qより大きいと判定した場合(ステップS204;YES)、ステップS206に処理を進める。制御部113は、減算した値{(C(k)−A(k)}が所定値Q以下であると判別した場合(ステップS204;NO)、ステップS205に処理を進める。
また、本実施形態の液体送り出し駆動装置1によれば、負荷トルクの異常を検出した場合に、モータ101の動作を止めるため、チューブ3の閉塞時などの液体の送り出しが困難な場合において、輸液を停止させることができる。
次に第2実施形態の変形例について、図9及び図11を参照して説明する。シリンジ2は、その種類や大きさによって、摺動部のストロークがシリンジ2毎に相違することがある。つまり、摺動部のストロークが比較的長いシリンジ2と、摺動部のストロークが比較的短いシリンジ2とが存在する。したがって、シリンジ2の種類や大きさによっては、キャリッジ111の移動開始位置pcが、図9に示す位置p1ではない場合がある。例えば、あるシリンジ2は、キャリッジ111の移動開始位置pcが、図9に示す移動開始位置pc1である。また、別のシリンジ2は、キャリッジ111の移動開始位置pcが、図9に示す移動開始位置pc2である。この移動開始位置pcが一定ではない場合、移動開始位置pcと、位置pkとの対応づけを行うことにより、制御部113は、初期無負荷トルクA(k)と、シリンジ負荷トルクC(k)との比較ができる。液体送り出し駆動装置1は、記憶部114に、シリンジ2の種類や大きさ毎に、キャリッジ111の移動開始位置pcを予め記憶させておくことにより、移動開始位置pcと、位置pkとの対応づけを行う。
また、第1の本実施形態〜第2の実施形態では、モータ101としてステッピングモータの例を説明したが、これに限られない。モータ101は、ACモータ、DCモータ等であってもよい。
Claims (9)
- モータと、
前記モータの回転を負荷に伝達する駆動伝達部材と、
前記モータを駆動する駆動回路と、
前記モータの駆動によって前記駆動伝達部材が駆動されたとき、前記モータの負荷トルクに関する値を検出値として検出するセンサと、
記憶部と、
初期電源投入されたときの前記検出値を第1検出値として前記記憶部に記憶させ、前記初期電源投入より後に電源が投入されたときの前記検出値を第2検出値として前記第1検出値と前記第2検出値とを比較し、前記第1検出値と前記第2検出値とを比較した結果を出力する制御部と、
前記制御部は、
前記初期電源投入されたとき、所定の位置毎に前記第1検出値を検出し、前記所定の位置毎に前記第1検出値を前記記憶部に記憶させ、
前記初期電源投入より後に電源が投入されたとき、前記所定の位置毎に前記第2検出値を検出し、前記所定の位置毎に前記第2検出値を前記記憶部に記憶させ、
前記所定の位置毎に前記第1検出値と前記第2検出値とを比較し、
同じ位置の前記第1検出値と前記第2検出値とを比較した結果が第1の所定量以上増えた場合に、エラーを示す信号を出力する液体送り出し駆動装置。 - 負荷を液体送り出し駆動装置に固定する固定部と、
前記負荷が固定されていることを検出する検出部と、を備え、
前記制御部は、
前記固定部に前記負荷が固定されている状態のときに、前記モータを駆動して前記所定の位置毎に前記センサによって検出される値を第3検出値とし、
前記所定の位置毎に前記第3検出値と前記第1検出値とを比較し、
同じ位置の前記第3検出値と前記第1検出値とを比較した結果が第2の所定量以上増えた場合に、エラーを示す信号を、さらに出力する請求項1に記載の液体送り出し駆動装置。 - 負荷を液体送り出し駆動装置に固定する固定部と、
前記負荷が固定されていることを検出する検出部と、を備え、
前記制御部は、
前記固定部に前記負荷が固定されている状態のときに、前記モータを駆動して前記所定の位置毎に前記センサによって検出される値を第3検出値とし、
前記所定の位置毎に前記第3検出値と前記第2検出値とを比較し、
同じ位置の前記第3検出値と前記第2検出値とを比較した結果が第3の所定量以上増えた場合に、エラーを示す信号を、さらに出力する請求項2に記載の液体送り出し駆動装置。 - 前記所定の位置は、
前記駆動回路に入力される所定の数のパルス信号によって駆動される位置、又は、前記駆動伝達部材の1回転によって移動される位置、前記所定の数のパルス信号によって駆動される位置の区間のうち、いずれか1つである請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の液体送り出し駆動装置。 - 前記制御部は、
同じ位置の前記第3検出値と前記第2検出値との差分、前記同じ位置の前記第3検出値と前記第2検出値との比、同じ区間の前記第3検出値と前記第2検出値との差分、前記同じ区間の前記第3検出値と前記第2検出値との比のうち、いずれか1つが第3の所定量以上増えた場合に、エラーを示す信号を、さらに出力する請求項3に記載の液体送り出し駆動装置。 - 前記制御部は、
同じ位置の前記第3検出値と前記第1検出値との差分、前記同じ位置の前記第3検出値と前記第1検出値との比、同じ区間の前記第3検出値と前記第1検出値との差分、前記同じ区間の前記第3検出値と前記第1検出値との比のうち、いずれか1つが第3の所定量以上増えた場合に、エラーを示す信号を、さらに出力する請求項2に記載の液体送り出し駆動装置。 - 前記センサは、
前記制御部が取り付けられている基板に取り付けられている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の液体送り出し駆動装置。 - 前記センサは、
前記制御部が取り付けられている前記基板の面の裏面に取り付けられている請求項7に記載の液体送り出し駆動装置。 - 前記負荷は、
押し子を有するシリンジポンプであり、
前記制御部は、
シリンジポンプ内の溶液を押し出す方向に前記モータを駆動して、前記押し子を前記駆動伝達部材の移動方向に駆動する請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の液体送り出し駆動装置。
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