以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の図では、同一部分又は対応する部分に同一符号を付してある。
(1)画像形成装置の構成
図1及び図2を参照して、画像形成装置1の構成について説明する。図1は、画像形成装置1の構成を示す外観斜視図であり、図2は、画像形成装置1の内部構成を示す概略構成図である。
画像形成装置1は、図1及び図2に示すように、記録紙に画像を印字する画像形成部2と、原稿から画像を読み取る画像読取部3とを備え、画像形成部2上方に画像読取部3を載置した構成を備える。又、画像形成装置1は、ユーザーに対して各種の表示を行うとともにユーザーによる入力操作を受け付ける操作パネル116を備えている。
画像読取部3は、原稿ガラス板の上に載置された原稿を、スキャナーを移動して読み取る公知のものである。原稿画像は、赤(R)・緑(G)・青(B)の三色に色分解されて、CCD(CHARGE COUPLED DEVICE)イメージセンサーにより電気信号に変換され、R・G・Bの画像データが得られる。画像読取部3で得られた各色成分の画像データは、画像制御部11において各種処理が行われて、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各再現色の画像データに変換される。
画像形成部2は、画像データに基づくトナー画像を記録紙に転写する作像装置4と、作像装置4で記録紙に転写されたトナー画像を定着させる定着装置5と、画像を印刷するための記録紙を収納するとともに記録紙を給紙する給紙機構6と、定着装置5によりトナー画像が定着されて画像形成された記録紙を排紙する排紙機構7と、を備える。又、画像読取部3は、原稿からの画像を読み取るスキャナー装置31と、スキャナー装置31の上部に設けられるとともにスキャナー装置31に原稿を1枚ずつ搬送させる自動原稿搬送装置(ADF:AUTO DOCUMENT FEEDER)32とを備える。
画像形成部2内の中央部に位置する作像装置4は、像坦持体の一例である感光体上に形成されたトナー像を記録材Pに転写する役割を担うものであり、中間転写ベルト42、及びイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色に対応する計4つの作像機構41を備えている。尚、図2では、説明の便宜上、各作像機構41に、再現色に応じて符号Y,M,C,Kを添えている。
中間転写ベルト42は、駆動ローラー43と従動ローラー44の間に張設され、従動ローラー44が不図示のスプリングで図2の左方向へ付勢されることにより、中間転写ベルト42に張力が与えられている。そして、転写駆動モーター(図示省略)からの動力伝達にて、駆動ローラー43が反時計回りに回転する。中間転写ベルト42にはポリカーボネート、ポリイミド、ポリイミドアミドなどの樹脂材料が使用される。中間転写ベルト42のうち従動ローラー44に巻き掛けられた部分の外周側には、転写ベルトクリーナー421が配置されている。転写ベルトクリーナー421は、中間転写ベルト42上に残留する未転写トナーを除去するためのものであり、中間転写ベルト42に当接している。
中間転写ベルト42の下方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の作像機構41が所定間隔で配置されている。そして、それぞれの作像機構41の感光体ドラム45と、中間転写ベルト42を挟んで対向する位置に、一次転写ローラー46が配置されている。感光体ドラム45の外周には、図2における時計回りの回転方向に沿って順に、帯電器47、現像器48、一次転写ローラー46及び感光体クリーナー49が配置されている。
感光体ドラム45は負帯電性のものであり、感光体モーター(図示省略)からの動力伝達にて、図2の時計方向に回転駆動するように構成されている。帯電器47はローラー帯電式のものであり、該帯電器47には、帯電用電源(図示省略)から所定のタイミングにて感光体帯電のための電圧が印加される。現像器48は、負の極性を呈するトナーを利用して、感光体ドラム45上に形成された静電潜像を反転現像にて顕在化させるものである。
一次転写ローラー46は、中間転写ベルト42の内周側に位置しており、中間転写ベルト42の回転に伴って図2の反時計方向に回転する。中間転写ベルト42と一次転写ローラー46との間(当接部分)に、一次転写領域である一次転写ニップ部を構成している。感光体クリーナー49は、感光体ドラム45上に残留する未転写トナーを除去するものであり、感光体ドラム45に当接している。4つの作像機構41の下方には露光部50が配置されている。露光部50は、画像データに基づき、レーザービームにて各感光体ドラム45に静電潜像を形成するものである。画像データは、位置ズレ補正のための補正を受けた後、記録紙の供給と同期して1走査ラインごとに読み出され、露光部50に設けられた発光ダイオードの駆動信号となっている。
中間転写ベルト42のうち駆動ローラー43に巻き掛けられた部分の外周側には、二次転写ローラー51が配置されている。二次転写ローラー51は、中間転写ベルト42に当接していて、中間転写ベルト42と二次転写ローラー51との間(当接部分)が二次転写領域である二次転写ニップ部を形成している。二次転写ローラー51は、中間転写ベルト42の回転に伴って、又は二次転写ニップ部に挟持搬送される記録紙の移動に伴って図2の時計方向に回転する。
作像装置4は、帯電器47で感光体ドラム45表面を帯電させた後、露光部50で画像データに応じた静電潜像を形成し、この静電潜像に現像器48からのトナーを付着させて感光体ドラム45表面にトナー像を形成する。感光体ドラム45表面に形成されたトナー像は、中間転写ベルト42が感光体ドラム45と一次転写ローラー46との間(一次転写ニップ部)を通過する時に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で、中間転写ベルト42上に1次転写される。感光体ドラム45に残った未転写トナーは感光体クリーナー49にて掻き取られ、感光体ドラム45上から取り除かれる。そして、記録紙が二次転写ニップ部を通過する際に、重ね合わされた4色のトナー像が記録紙に一括して二次転写される。中間転写ベルト42に残った未転写トナーは転写ベルトクリーナー421にて掻き取られ、中間転写ベルト42上から取り除かれて、廃トナーボックス(図示省略)に蓄えられる。
二次転写ローラー51の上方に位置する定着装置5は、記録紙の搬送方向との直交方向に長い加熱ローラー55、及び、加熱ローラー55と平行状に延びる加圧ローラー56を備えている。加圧ローラー56は、加熱ローラー55に当接していて、加熱ローラー55と加圧ローラー56との間(当接部分)が定着領域である定着ニップ部を形成している。二次転写ローラー51における二次転写ニップ部を通過して未定着トナー像を載せた記録紙が、加熱ローラー55と加圧ローラー56との間の定着ニップ部を通過する際、加熱ローラー55と加圧ローラー56とが記録紙を加熱・加圧して、記録紙上の未定着トナー像を定着させる。
作像装置4の下方に位置する給紙機構6は、記録紙を収容する複数段(実施形態では2段)の給紙カセット61、給紙カセット61内の記録紙を1枚ずつ繰り出す繰り出しローラー62、及び繰り出された記録紙を所定のタイミングにて二次転写ニップ部(二次転写領域)に搬送する一対のレジストローラー63等を備えている。又、排紙機構7は、定着装置5でトナー像が定着された記録紙を装置外部に排紙させる排出ローラー71と、排紙された記録紙を受ける排紙トレイ72とを備えている。
各給紙カセット61は画像形成部2の下部に着脱可能に配置されている。各給紙カセット61内の記録紙は、対応する繰り出しローラー62の回転にて、最上部のものから1枚ずつ搬送経路30に送り出される。搬送経路30は、給紙機構6の各給紙カセット61から、両レジストローラー63間のニップ部、及び作像装置4における二次転写ニップ部(二次転写領域)を経て、定着装置5の定着ニップ部に至る。そして、搬送経路30は、定着装置5の定着ニップ部から一対の排出ローラー71を介して画像形成部2上面の排紙トレイ72にまで延びている。
(2)トナー補給路の構成
画像形成装置1は、現像器48にトナーを補給させるために、トナーボトル81を着脱可能としている。図2に示すように、中間転写ベルト42の上方にはボトル収容室80が設けられており、ボトル収容室80内には、各現像器48に供給される補給用トナーを収容するトナーボトル81が着脱可能に配置されている。尚、図2では、説明の便宜上、ボトル収容室80及びトナーボトル81にも、再現色に応じて符号Y,M,C,Kを添えている。このトナーボトル81から現像器48へのトナー補給路の詳細について、図3〜図5を参照して以下に説明する。
図4に示すように、各現像器48に対応して、トナーを一定量貯蔵可能なサブホッパー82が設けられており、サブホッパー82からジョイント83を介して現像器48にトナーが供給される。図3に示すように、サブホッパー82の上方には、トナーボトル81が着脱自在に設けられている。サブホッパー82内のトナー残量が少なくなると、トナーボトル81からサブホッパー82にトナーが供給される。トナーボトル81内のトナーがなくなると、新しいトナーボトル81と交換される。尚、図3では、説明の便宜上、トナーボトル81及びサブホッパー82にも、再現色に応じて符号Y,M,C,Kを添えている。
トナーボトル81は、トナーを収納しているボトル部812と、供給口813Aが外周面に形成されたキャップ部813と、供給口813Aを開閉するシャッター部815とを有する。ボトル部812とキャップ部813とは相対的に回転可能に取り付けられている。キャップ部813の正面側にはトナーボトル81を回転させるツマミ814が形成されている。この色別に設けられるトナーボトル81のそれぞれのキャップ部813は、色別のサブホッパー82が一体的に構成されたユニットの上面に載置されている。
トナーボトル81の裏面側には、ボトル部812を回転させるボトル回転機構811が設けられている。ボトル回転機構811は、駆動源となるステッピングモーター811Aを備えており、不図示のギヤー機構を介してステッピングモーター811Aの回転力をトナーボトル81に伝達させる。又、図3では、ボトル回転機構811は2個記載されているのみであるが、1個の回転駆動機構で2色のトナーボトル81を駆動するもので、不図示のクラッチ機構で切り換える構成になっている。ボトル回転機構811でボトル部812を回転させると、ボトル部812内に収納されたトナーは、ボトル部812の内周面に形成された螺旋状溝817によって、キャップ部813の供給口813Aに導かれる。そして、トナーは供給口813Aからサブホッパー82に落下供給される。
図4に示すように、トナーボトル81のキャップ部813の供給口813Aがサブホッパー82の上部に位置する。図5に示すように、サブホッパー82内には、トナーの上面レベルを検出するフロート部材824が、軸824Aを中心として揺動自在に設けられている。そして、フロート部材824の下方には攪拌軸825と共に回転するカム822が設けられており、カム822の回転によってフロート部材824は上下に揺動する。攪拌軸825には、カム822に加えて、トナーの上面を均すための攪拌板826が設けられている。
図4及び図6に示すように、軸824Aには、フロート部材824に加えて、遮光板824Bが取り付けられており、フロート部材824が上下に揺動すると、それに伴って遮光板824Bも上下に揺動する。遮光板824Bの近傍には透過型フォトセンサー830が設けられており、この透過型フォトセンサー830によって、遮光板824Bが所定の高さよりも上昇したこと(すなわち、フロート部材824が所定の高さよりも下降したこと)を検知することができる。
一方、図4に示すように、現像器48にはトナー濃度センサー481が設けられていて、現像器48のトナー濃度が低くなった場合には、所定のトナー濃度となるようにサブホッパー82の補給ローラー823が回転して現像器48にトナーが補給される。
なお、攪拌軸825及び補給ローラー823は、サブホッパー駆動機構821で駆動される。以下、図7および図8を参照して、サブホッパー駆動機構821について詳細に説明する。
(3)サブホッパー駆動機構の構成
図7および図8に示すように、サブホッパー駆動機構821は、駆動源となるステッピングモーター821Aと、サブホッパー82の補給ローラー823を回転させるための補給ギヤー833と、サブホッパー82の攪拌軸825を回転させるための攪拌ギヤー837と、揺動ギヤー834と、複数の中継ギヤーとを備える。なお、ステッピングモーター821Aは正転及び逆転が可能であり、図7は、ステッピングモーター821Aを正転駆動しているときのサブホッパー駆動機構821の様子を示しており、図8は、ステッピングモーター821Aを逆転駆動しているときのサブホッパー駆動機構821の様子を示している。
中継ギヤー831は、不図示の他の中継ギヤーを介して、ステッピングモーター821Aの回転に連動して回転する。中継ギヤー832は、中継ギヤー831及び揺動ギヤー834と連結している。揺動ギヤー834は、中継ギヤー832の回転軸を中心とする円に沿うように形成された円弧状の摺動孔835に沿って揺動可能に支持されている。
図7に示すように、ステッピングモーター821Aを正転駆動しているときは、中継ギヤー832は時計方向に回転する。中継ギヤー832が時計方向に回転すると、揺動ギヤー834には、反時計方向の回転力に加えて、摺動孔835に沿って揺動ギヤー834を図7に示す補給位置P1に向かって移動させる力が作用する。その結果、揺動ギヤー834は、反時計方向に回転しながら補給位置P1に向かって移動し、最終的には、図7に示すように補給位置P1において反時計方向に回転する。補給位置P1においては、揺動ギヤー834は中継ギヤー832、補給ギヤー833及び攪拌ギヤー837と連結する。よって、ステッピングモーター821Aを正転駆動すると、揺動ギヤー834が補給位置P1に移動して、ステッピングモーター821Aの回転力が補給ギヤー833及び攪拌ギヤー837に伝達され、補給ギヤー833と攪拌ギヤー837の両方が回転することになる。
図8に示すように、ステッピングモーター821Aを逆転駆動しているときは、中継ギヤー832は反時計方向に回転する。中継ギヤー832が反時計方向に回転すると、揺動ギヤー834には、時計方向の回転力に加えて、摺動孔835に沿って揺動ギヤー834を図8に示す攪拌位置P2に向かって移動させる力が作用する。その結果、揺動ギヤー834は、時計方向に回転しながら攪拌位置P2に向かって移動し、最終的には、図8に示すように攪拌位置P2において時計方向に回転する。攪拌位置P2においては、揺動ギヤー834は中継ギヤー832及び中継ギヤー836と連結する。中継ギヤー836は攪拌ギヤー837と連結しているので、ステッピングモーター821Aを逆転駆動すると、揺動ギヤー834が攪拌位置P2に移動して、攪拌ギヤー837が回転することになる。
このように、ステッピングモーター821Aを正転駆動すると、補給ギヤー833と攪拌ギヤー837の両方が回転するので、補給ローラー823の回転によって現像器48にトナーが補給されると同時に、攪拌軸825の回転によってサブホッパー82内のトナーが攪拌される。また、ステッピングモーター821Aを逆転駆動すると、攪拌ギヤー837のみが回転するので、攪拌軸825の回転によってサブホッパー82内のトナーは攪拌されるが、現像器48にトナーは補給されない。
(4)トナーエンプティー検出制御
次に、図9及び図10を参照して、画像形成装置1の制御部によって実行されるトナーエンプティー検出制御について説明する。ここでは、便宜上、サブホッパー82内にトナーが全く無い状態を想定して説明する。
図4、図9および図10に示すように、サブホッパー82の外側面には、透過型フォトセンサー830が取り付けられており、サブホッパー82内のフロート部材824と連動して揺動する遮光板824Bの位置に応じて、この透過型フォトセンサー830からON信号又はOFF信号が出力される。
図9は、フロート部材824がカム822によって最も高い位置まで押し上げられている状態を示している。この状態では、遮光板824Bは最も低い位置となっており、透過型フォトセンサー830からはOFF信号が出力される。
前述したサブホッパー駆動機構821のステッピングモーター821Aが駆動すると、攪拌軸825及び補給ローラー823(または、攪拌軸825のみ)が回転する。図9の状態から、攪拌軸825がさらに回転すると、それに伴って、フロート部材824が下がっていくと同時に遮光板824Bが上がっていく(すなわち、フロート部材824及び遮光板824Bが、軸824Aを中心として時計方向に回転する)。そして、透過型フォトセンサー830の光が遮光板824Bによって遮られ、透過型フォトセンサー830から出力される信号はOFF信号からON信号に変化する。
図10は、フロート部材824が最も低い位置まで下がっている状態を示している。この状態では、遮光板824Bは最も高い位置となっており、透過型フォトセンサー830からはON信号が出力される。
図10の状態から、攪拌軸825がさらに回転すると、それに伴って、フロート部材824が上がっていくと同時に遮光板824Bが下がっていく(すなわち、フロート部材824及び遮光板824Bが、軸824Aを中心として反時計方向に回転する)。そして、透過型フォトセンサー830の光が遮光板824Bによって遮られないようになり、透過型フォトセンサー830から出力される信号はON信号からOFF信号に変化する。
なお、サブホッパー82内にトナーが十分に充填されている場合には、フロート部材824はトナー表面に留まり、そこからさらに下がることがない。よって、攪拌軸825が回転しても、透過型フォトセンサー830の出力は常にOFF信号のままとなる。
透過型フォトセンサー830からON信号が出力されると、ボトル回転機構811が駆動してトナーボトル81のボトル部812を所定時間(例えば10秒間)回転させ、トナーボトル81からサブホッパー82内にトナーを供給する。このとき、サブホッパー駆動機構821のステッピングモーター821Aも同時に駆動して、攪拌軸825も回転される。サブホッパー82にトナーボトル81からトナーが補給されると、サブホッパー82内のトナー表面の高さが上昇し、カム822によって最も高い位置まで押し上げられたフロート部材824がトナー表面よりも下に下がることがなくなるので、透過型フォトセンサー830の出力はOFF信号のままとなる。
ところが、トナーボトル81内のトナーがなくなった場合には、ボトル部812を回転させてもサブホッパー82内にトナーは補給されない。よって、この場合には、サブホッパー82内のトナー表面の高さは上昇せず、カム822によって最も高い位置まで押し上げられたフロート部材824は、再び元の高さまで下がることになるので、透過型フォトセンサー830の出力は、一旦OFF信号になった後に再びON信号となる。このように、ボトル回転機構811によってボトル部812を回転させているにも関わらず、透過型フォトセンサー830からON信号が繰り返し出力される場合には、トナーボトル81内のトナーがなくなったと判定して、その旨をユーザーに報知することができる。
このように、攪拌軸825を回転させつつ、透過型フォトセンサー830から出力される信号の変化を監視することによって、サブホッパー82内のトナーが不足していることや、トナーボトル81内のトナーがなくなったことを検知することができる。
他方、現像器48には、二成分現像剤中のトナー濃度を検知するトナー濃度センサー481(図4参照)が設けられている。そして、現像器48内のトナー濃度が低くなった場合には、所定のトナー濃度を維持するように、サブホッパー駆動機構821によりサブホッパー82の補給ローラー823を回転させて、現像器48にトナーを補給する。例えば、目標トナー濃度が5%の場合、トナー濃度が4.5%以下となると、補給ローラー823が回転して、サブホッパー82から現像器48にトナー補給が行われる。そして、トナー濃度が5%になると、補給ローラー823の回転が停止する。
なお、前述したように、サブホッパー駆動機構821によりサブホッパー82の補給ローラー823を回転させる場合には、攪拌軸825も同時に回転することになる。よって、サブホッパー82から現像器48へトナーを補給している間も、前述したように、サブホッパー82内のトナーが不足していることや、トナーボトル81内のトナーがなくなったことが検知され、必要に応じて、トナーボトル81からサブホッパー82へのトナーの補給や、トナーボトル81内のトナーがなくなった旨の報知が行われる。
(5)トナー補給制御の第1実施例
次に、図11及び図12を参照して、画像形成装置1の制御部によって実行されるトナー補給制御の第1実施例について説明する。
図11のステップS11においてトナー補給要求(具体的には、現像器48のみへのトナー補給要求、サブホッパー82のみへのトナー補給要求、または、現像器48とサブホッパー82の両方へのトナー補給要求)が発生すると、ステップS12において、制御部は、現像器48へのトナー補給が必要がどうかを判断する。そして、現像器48へのトナー補給が必要な場合(すなわち、現像器48のみへのトナー補給要求、または、現像器48とサブホッパー82の両方へのトナー補給要求の場合)には、処理はステップS13に進み、そうでない場合(すなわち、サブホッパー82のみへのトナー補給要求の場合)には、処理は図12のステップS31に進む。
図11のステップS13において、制御部は、「ギヤー状態」が「攪拌位置」かどうかを判断する。ここで、「ギヤー状態」とは、揺動ギヤー834の現在の状態を表す情報として、制御部が記憶装置内に保持している情報である。「ギヤー状態」には、例えば、「補給位置」、「攪拌位置」、「補給移動中」および「攪拌移動中」の4つが含まれる。「補給位置」は、揺動ギヤー834が、図7に示す補給位置P1に位置していることを示している。「攪拌位置」は、揺動ギヤー834が、図8に示す攪拌位置P2に位置していることを示している。「補給移動中」は、揺動ギヤー834が、攪拌位置P2から補給位置P1に向かって移動している最中であることを示している。「攪拌移動中」は、揺動ギヤー834が、補給位置P1から攪拌位置P2に向かって移動している最中であることを示している。
ステップS13において、「ギヤー状態」が「攪拌位置」である場合には処理はステップS14に進み、そうでない場合には処理はステップS19に進む。
ところで、揺動ギヤー834が攪拌位置P2に位置している状態で現像器48へトナーを補給する場合には、ステッピングモーター821Aが正転駆動を開始してから、揺動ギヤー834が攪拌位置P2から補給位置P1に移動するまでの期間は、補給ギヤー833は回転しない。すなわち、この期間は現像器48へのトナー補給は行われない。よって、トナー補給要求に示されている時間、すなわち現像器48へトナーを補給すべき時間(以下、必要補給時間と称す)に従ってトナーを現像器48へ補給する際には、必要補給時間に、揺動ギヤー834が攪拌位置P2から補給位置P1まで移動するのに要する時間(以下、ギヤー移動時間と称す)を加算した時間だけ、ステッピングモーター821Aを駆動する必要がある。
そこで、ステップS14において、制御部は、必要補給時間にギヤー移動時間を加算することによって、ステッピングモーター821Aを正転駆動すべき時間(以下、補給駆動時間と称す)を算出する。ギヤー移動時間としては、例えば、予め実測によって求めた時間(例えば、160ミリ秒)を用いることができる。例えば、必要補給時間が600ミリ秒であり、ギヤー移動時間が160ミリ秒である場合には、補給駆動時間は760ミリ秒となる。
ステップS15において、制御部は、「ギヤー状態」を「攪拌位置」から「補給移動中」に変更する。
ステップS16において、制御部は、ステップS14で算出された補給駆動時間分の補給駆動(すなわち、ステッピングモーター821Aの正転駆動)を開始する。
ステップS17において、制御部は、ステップS16で補給駆動を開始してからギヤー移動時間分の時間が経過したかどうかを判断し、ギヤー移動時間が経過した場合には処理はステップS18に進む。
ステップS18において、制御部は、「ギヤー状態」を「補給移動中」から「補給位置」に変更する。
ステップS19において、制御部は、「ギヤー状態」が「補給位置」かどうかを判断する。そして、「ギヤー状態」が「補給位置」である場合には処理はステップS20に進み、そうでない場合には処理はステップS21に進む。
ところで、揺動ギヤー834が補給位置P1に位置している状態で現像器48へトナーを補給する場合には、ステッピングモーター821Aが正転駆動を開始すると同時に補給ギヤー833も回転することになる。よって、ステップS20においては、制御部は、必要補給時間を補正することなく、そのまま補給駆動時間として用いて、補給駆動時間分の補給駆動を開始する。
一方、ステップS19で「ギヤー状態」が「補給位置」ではないと判断した場合には、ステップS21において、制御部は、「ギヤー状態」を「補給位置」に変更する。そして、前述したように、ステップS20において、必要補給時間を補正することなく、そのまま補給駆動時間として用いて、補給駆動時間分の補給駆動を開始する。例えば、必要補給時間が600ミリ秒である場合には、補給駆動時間も600ミリ秒となる。
ステップS21の処理が行われるケースとしては、「ギヤー位置」が「攪拌位置」でも「補給位置」でもないケース、すなわち、「ギヤー位置」が「補給移動中」、「攪拌移動中」、又はヌル値であるケースである。これらのケースでは、揺動ギヤー834の正確な位置を把握することができないため(すなわち、揺動ギヤー834の位置が不明であるため)、揺動ギヤー834が現在位置から補給位置P1まで移動するのに要する時間を正しく算出することができない。そこで、本実施形態では、このように揺動ギヤー834の位置が不明である場合には、揺動ギヤー834が補給位置P1に位置しているものとみなして補給制御を行う。これにより、揺動ギヤー834の位置が不明である場合には、必要補給時間を補正することなく、そのまま補給駆動時間として用いて、補給駆動時間分の補給駆動が行われるので、現像器48にトナーが過剰に補給されてしまうことがない。
なお、上記のような制御の結果として、現像器48にトナーが実際に補給される時間が、必要補給時間よりも短くなってしまい、現像器48に十分な量のトナーが補給されない可能性があるが、その場合には、トナー補給要求が再び発生してトナーが補給されることになるため、影響は小さい。逆に、現像器48にトナーが過剰に補給されてしまった場合には、過剰なトナーが印字処理によって消費されるまで、場合によっては長時間にわたって影響が残ってしまうので、現像器48にトナーが過剰に補給されてしまうこと防止することを優先すべきである。
なお、揺動ギヤー834の位置が不明になるケースの典型例としては、画像形成装置1の電源が一旦オフになった後にオンになったときや、揺動ギヤー834が補給位置P1と攪拌位置P2の間を移動している最中に画像形成装置1の扉が開けられたりジャムなどのエラーが発生したりしてステッピングモーター821Aの駆動が中断されたときなどが挙げられる。
なお、揺動ギヤー834が補給位置P1と攪拌位置P2の間を移動している最中にステッピングモーター821Aの駆動が中断されても揺動ギヤー834の位置を正確に把握できるようにするために、揺動ギヤー834が補給位置P1から攪拌位置P2へ(または、攪拌位置P2から補給位置P1へ)移動する際に、ステッピングモーター821Aの駆動パルス数をRAMに随時記憶するようにしてもよい。そうすれば、画像形成装置1の電源がオフにされない限りは、ステッピングモーター821Aの駆動が中断されても揺動ギヤー834の位置を正確に把握することができる。
なお、画像形成装置1の電源をオフにしても揺動ギヤー834の位置が不明にならないようにするために、「ギヤー状態」を変更した時点(図11のステップS18など)で「ギヤー状態」をバックアップメモリに記憶することが考えられるが、そのようにした場合でも、揺動ギヤー834が補給位置P1と攪拌位置P2の間を移動している最中に画像形成装置1の電源がオフになったときには揺動ギヤー834の位置が不明になってしまう。
なお、揺動ギヤー834の位置が不明になることを完全に回避するために、揺動ギヤー834の現在位置をセンサーで検出したり、揺動ギヤー834が移動を開始してからのステッピングモーター821Aの駆動パルス数をバックアップメモリに随時記憶したりすることも考えられるが、構成が複雑になったり、コストが高くなったりという問題がある。また、揺動ギヤー834の位置が不明になった場合に、ステッピングモーター821Aをギヤー移動時間分だけ逆転駆動することによって、揺動ギヤー834を攪拌位置P2に一旦移動させることも考えられるが、揺動ギヤー834の位置が不明になる度にそのような制御を行うようにすると、消費電力が高くなってしまうという問題がある。
ステップS22において、制御部は、現像器48へのトナーの補給が完了したかどうかを判断する。具体的には、補給駆動を開始した時点から補給駆動時間分の時間が経過したかどうかを判断する。そして、現像器48へのトナーの補給が完了した場合には処理はステップS23に進む。
ところで、ステップS11において発生したトナー補給要求が、現像器48とサブホッパー82の両方へのトナー補給要求の場合には、現像器48へのトナー補給と同時にサブホッパー82へのトナー補給が行われる。また、ステップS11において発生したトナー補給要求が、現像器48のみへのトナー補給要求であった場合にも、現像器48へのトナー補給の途中でサブホッパー82内のトナーが不足していることが検知されるとサブホッパー82へのトナー補給が行われる。
ステップS23において、制御部は、トナーボトル81からサブホッパー82へのトナー補給が完了しているかどうかを判断する。そして、サブホッパー82へのトナー補給が完了している場合には処理はステップS24に進み、そうでない場合には処理は図12のステップS34に進む。
ステップS24において、制御部は、補給駆動を停止する。すなわち、ステッピングモーター821Aの正転駆動を停止する。
図12のステップS31において、制御部は、「ギヤー位置」が「攪拌位置」かどうかを判断する。そして、「ギヤー位置」が「攪拌位置」である場合には処理はステップS32に進み、そうでない場合には処理はステップS33に進む。
ところで、揺動ギヤー834が攪拌位置P2に位置している状態で攪拌軸825を回転させる場合には、ステッピングモーター821Aが逆転駆動を開始すると同時に攪拌ギヤー837も回転することになる。よって、ステップS32において、制御部は、必要攪拌時間(すなわち、サブホッパー82へのトナー補給要求に示されている、攪拌軸825を回転させるべき時間)を補正することなく、そのまま攪拌駆動時間(すなわち、ステッピングモーター821Aを逆転駆動すべき時間)として用いて、攪拌駆動時間分の攪拌駆動(すなわち、ステッピングモーター821Aの逆転駆動)を開始する。
ステップS33において、制御部は、「ギヤー位置」が「補給位置」かどうかを判断する。そして、「ギヤー位置」が「補給位置」である場合には処理はステップS34に進み、そうでない場合(すなわち、ギヤー位置が不明である場合)には処理はステップS35に進む。
ところで、揺動ギヤー834が補給位置P1に位置している状態で攪拌軸825を回転させる場合には、ステッピングモーター821Aが逆転駆動を開始してから、揺動ギヤー834が補給位置P1から攪拌位置P2に移動するまでの期間は、攪拌ギヤー837は回転しない。すなわち、この期間は攪拌軸825は回転されない。よって、トナー補給要求に示されている必要攪拌時間に従って攪拌軸825を回転させる際には、必要攪拌時間に、揺動ギヤー834が補給位置P1から攪拌位置P2まで移動するのに要する時間(すなわち、ギヤー移動時間)を加算した時間だけ、ステッピングモーター821Aを駆動する必要がある。
そこで、ステップS34において、制御部は、必要攪拌時間にギヤー移動時間を加算することによって、ステッピングモーター821Aを逆転駆動すべき時間(以下、攪拌駆動時間と称す)を算出する。なお、本実施形態では、揺動ギヤー834が補給位置P1から攪拌位置P2まで移動するのに要する時間と、揺動ギヤー834が攪拌位置P2から補給位置P1まで移動するのに要する時間とが同じである場合を想定しているが、これらの時間が異なる場合には、図11のステップS14と図12のステップS34とで異なるギヤー移動時間を用いてもよい。
一方、ステップS33で「ギヤー状態」が「補給位置」ではないと判断した場合(すなわち、揺動ギヤー834の位置が不明である場合)には、ステップS35において、制御部は、「ギヤー状態」を「補給位置」に変更する。そして、前述したように、ステップS34において、必要攪拌時間にギヤー移動時間を加算することによって攪拌駆動時間を算出する。これにより、揺動ギヤー834の位置が不明である場合にも、少なくとも必要攪拌時間以上は、攪拌軸825を回転させることができる。
ステップS36において、制御部は、「ギヤー状態」を「補給位置」から「攪拌移動中」に変更する。
ステップS37において、制御部は、ステップS34で算出された攪拌駆動時間分の攪拌駆動を開始する。
ステップS38において、制御部は、ステップS37で攪拌駆動を開始してからギヤー移動時間分の時間が経過したかどうかを判断し、ギヤー移動時間が経過した場合には処理はステップS39に進む。
ステップS39において、制御部は、「ギヤー状態」を「攪拌移動中」から「攪拌位置」に変更する。
ステップS40において、制御部は、トナーボトル81からサブホッパー82へのトナー補給が完了しているかどうかを判断する。具体的には、攪拌駆動を開始した時点から攪拌駆動時間分の時間が経過したかどうかを判断する。そして、サブホッパー82へのトナーの補給が完了した場合には処理はステップS41に進む。
ステップS41において、制御部は、攪拌駆動を停止する。すなわち、ステッピングモーター821Aの逆転駆動を停止する。
(6)トナー補給制御の第2実施例
次に、図13を参照して、画像形成装置1の制御部によって実行されるトナー補給制御の第2実施例について説明する。なお、第2実施例が第1実施例と異なる点は、図11のステップS21以降の処理のみであるので、その他の処理については説明を省略する。また、図13において、図11と同じ処理については同一の参照符号を付している。
図11のステップS19でNOの場合(すなわち、揺動ギヤー834の位置が不明である場合)には、第1実施例と同様に、図13のステップS21において、制御部は、「ギヤー状態」を「補給位置」に変更し、その後、ステップS20において、必要補給時間を補正することなく、そのまま補給駆動時間として用いて、補給駆動時間分の補給駆動を開始する。
ステップS51において、制御部は、トナー濃度センサー481によって検出される現像器48内のトナー濃度が増加したかどうかを判断する。そして、現像器48内のトナー濃度が増加した場合には、処理はステップS52に進む。
現像器48内のトナー濃度が増加したということは、サブホッパー82から現像器48へトナーが供給されたことを意味する。そして、サブホッパー82から現像器48へトナーが供給されたということは、補給ギヤー833及び補給ローラー823が回転した、すなわち、揺動ギヤー834が補給位置P1に位置していることを意味する。すなわち、現像器48内のトナー濃度が増加したことを確認することによって、揺動ギヤー834が補給位置P1に位置していることを確認することができる。
ステップS52において、制御部は、ステップS20で補給駆動を開始してからの経過時間を、未連結時間として計算する。すなわち、未連結時間とは、補給駆動を開始してから、トナー濃度の増加によって揺動ギヤー834が補給位置P1に位置していることが確認されるまでの時間であって、これは、補給駆動を開始してから揺動ギヤー834が実際に補給ギヤー833に連結されるまでの時間であるとみなすことができる。
ステップS53において、制御部は、未連結時間分だけ補給駆動時間を延長して、補給駆動を継続する。例えば、ステップS20で設定した補給駆動時間(すなわち必要補給時間)が600ミリ秒であって、未連結時間が80ミリ秒であったとすると、延長後の補給駆動時間は680ミリ秒となる。
ステップS53の後に続く処理(ステップS22以降の処理)については、第1実施例と同じである。
このように、第2実施例によれば、揺動ギヤー834の位置が不明である場合に、一旦、揺動ギヤー834が補給位置P1に位置しているとみなして補給駆動を開始し、その後、現像器48内のトナー濃度が増加したことが確認された時点で、それまでの経過時間分だけ補給駆動時間を延長する。よって、少なくとも必要補給時間分は、現像器48へトナーを確実に補給することができる。
また、第2実施例によれば、例えば、必要補給時間がギヤー移動時間よりも小さい場合(例えば、必要補給時間が100ミリ秒であり、ギヤー移動時間が160ミリ秒である場合)であっても、現像器48内のトナー濃度が増加したことが確認されるまで(すなわち、揺動ギヤー834が補給位置P1に位置していることが確認されるまで)は、補給駆動が継続される。よって、揺動ギヤー834が補給位置P1に到達する前に補給駆動が停止されてしまうことを回避することができる。
なお、ここでは補給駆動を開始してから現像器48内のトナー濃度が増加するまでの時間分だけ補給駆動時間を延長しているが、これに限らず、補給駆動を開始してから現像器48内のトナー濃度が増加するまでの間のステッピングモーター821Aの駆動量(例えば、回転角度や、駆動パルス数)の分だけ、補給駆動を延長するようにしてもよい。
また、ここではトナー濃度センサー481を用いているが、これに限らず、現像器48内のトナー量が増えたこと、または、現像器48へトナーが補給されたことを検知可能な任意のセンサーを用いてもよい。
(7)トナー補給制御の第3実施例
次に、図14を参照して、画像形成装置1の制御部によって実行されるトナー補給制御の第3実施例について説明する。なお、第3実施例が第1実施例と異なる点は、図12のステップS35以降の処理のみであるので、その他の処理については説明を省略する。また、図14において、図12と同じ処理については同一の参照符号を付している。
図12のステップS33でNOの場合(すなわち、揺動ギヤー834の位置が不明である場合)には、第1実施例と同様に、図14のステップS35において、制御部は、「ギヤー状態」を「補給位置」に変更し、その後、ステップS34において、必要攪拌時間にギヤー移動時間を加算することによって攪拌駆動時間を算出し、さらに、ステップS36において、「ギヤー状態」を「補給位置」から「攪拌移動中」に変更し、さらに、ステップS37において、ステップS34で算出された攪拌駆動時間分の攪拌駆動を開始する。
ステップS61において、制御部は、透過型フォトセンサー830の出力信号が変化したかどうか(すなわち、ON信号からOFF信号へ、または、OFF信号からON信号へ変化したかどうか)を判断する。そして、透過型フォトセンサー830の出力信号が変化した場合には、処理はステップS62に進む。
透過型フォトセンサー830の出力信号が変化したということは、遮光板824B及びフロート部材824が揺動したことを意味する。そして、フロート部材824が揺動したということは、攪拌ギヤー837及び攪拌軸825が回転した、すなわち、揺動ギヤー834が攪拌位置P2に位置していることを意味する。すなわち、透過型フォトセンサー830の出力信号が変化したことを確認することによって、揺動ギヤー834が攪拌位置P2に位置していることを確認することができる。
ステップS62において、制御部は、ステップS37で攪拌駆動を開始してからの経過時間を、未連結時間として計算する。すなわち、未連結時間とは、攪拌駆動を開始してから、透過型フォトセンサー830の出力信号の変化によって揺動ギヤー834が攪拌位置P2に位置していることが確認されるまでの時間であって、これは、攪拌駆動を開始してから揺動ギヤー834が実際に攪拌ギヤー837に連結されるまでの時間であるとみなすことができる。
ステップS63において、制御部は、ギヤー移動時間と未連結時間の差だけ攪拌駆動時間を短縮して、攪拌駆動を継続する。例えば、必要攪拌時間が600ミリ秒であって、ギヤー移動時間が160ミリ秒であって、未連結時間が40ミリ秒であったとすると、ステップS37で設定される攪拌駆動時間は760ミリ秒となり、ステップS63における短縮後の補給駆動時間は640ミリ秒(すなわち、必要攪拌時間と未連結時間の和)となる。
ステップS63の後に続く処理(ステップS39以降の処理)については、第1実施例と同じである。
このように、第3実施例によれば、揺動ギヤー834の位置が不明である場合に、一旦、揺動ギヤー834が補給位置P1に位置しているとみなして攪拌駆動を開始し、その後、透過型フォトセンサー830の出力信号が変化したことが確認された時点で、それまでの経過時間を考慮して攪拌駆動時間を短縮する。結果として、透過型フォトセンサー830の出力信号が変化したことが確認された時点(すなわち、揺動ギヤー834が攪拌位置P2に位置していることが確認された時点)から、必要攪拌時間分だけ、攪拌駆動が行われることになる。よって、攪拌駆動を不必要に長く行ってしまうことを回避することができる。
なお、ここでは攪拌駆動を開始してから透過型フォトセンサー830の出力信号が変化するまでの時間に応じて攪拌駆動時間を短縮しているが、これに限らず、攪拌駆動を開始してから透過型フォトセンサー830の出力信号が変化するまでの間のステッピングモーター821Aの駆動量(例えば、回転角度や、駆動パルス数)に応じて、攪拌駆動を短縮するようにしてもよい。
また、ここでは透過型フォトセンサー830の出力信号を用いているが、これに限らず、フロート部材824が揺動したこと、または、攪拌軸825が回転したことを検知可能な任意のセンサーの出力信号を用いてもよい。
なお、前述したように、トナーエンプティー検出制御では、ボトル回転機構811によってボトル部812を回転させているにも関わらず、透過型フォトセンサー830からON信号が繰り返し(例えば3回)出力された場合には、トナーボトル81内のトナーがなくなったと判定する。よって、ボトル部812と攪拌軸825とを同時に回転させるのが好ましいので、揺動ギヤー834が補給位置P1に位置しているときや、揺動ギヤー834の位置が不明であるときには、揺動ギヤー834が攪拌位置P2に到達してからボトル部812を回転させている。
ところで、ステップS61の時点では、「ギヤー状態」は「攪拌移動中」となっているので、まだサブホッパー82にトナーが補給されていない状態である。このような状態において、仮に透過型フォトセンサー830の信号がOFF信号からON信号に変化したとしても、それは、トナーボトル81内のトナーがなくなったことを意味するものではない。よって、ステップS61において、透過型フォトセンサー830の信号がOFF信号からON信号に変化した場合には、このON信号(すなわち、1回目のON信号)は、トナーエンプティー検出制御においては無視するのが好ましい。
(8)変形例
本願発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば、画像形成装置としてプリンターを例に説明したが、これに限らず、複写機、ファクシミリ又はこれらの機能を複合的に備えた複合機等でもよい。その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。