JP6507703B2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の燃焼室へ燃料を噴射する燃料噴射弁の作動を制御する、燃料噴射制御装置に関する。
従来より、1燃焼サイクル中に燃料を複数回噴射(多段噴射)させる燃料噴射制御装置が開示されている。例えば特許文献1に記載の制御装置は、所望トルクを得る為に必要な量の燃料を噴射(メイン噴射)する直前に、少量の燃料を噴射(パイロット噴射)する。これにより、メイン噴射に起因した燃焼(メイン燃焼)による熱発生の上昇速度を遅くさせ、メイン燃焼に伴い生じる燃焼騒音の低減を図っている。
特許第4120556号公報
しかしながら、パイロット噴射だけで燃焼騒音の低減を図るには限界があり、その一方で、さらなる燃焼騒音の低減が望まれている。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたもので、その目的は、燃焼騒音の低減促進を図った燃料噴射制御装置を提供することにある。
ここに開示される発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示される発明のひとつは、内燃機関(10)での燃焼に伴い生じる騒音であって、所定周波数の騒音と相関のある物理量を取得する取得手段(S16、S17)と、内燃機関の燃焼室(10a)へ燃料を噴射する燃料噴射弁(11)の作動を制御する制御手段であって、1回の燃焼で用いる燃料を複数回に分割して噴射させるように制御する分割噴射制御手段(S10、S11、S12、S14)と、を備え、分割噴射制御手段は、物理量が騒音の大きい値であるほど、分割された各噴射のインターバルを短い値に変更しつつ、各噴射の噴射開始時期および噴射時間を制御し、燃焼室での燃焼に係る熱発生率の時間変化を表した波形のうち、燃焼に伴い熱発生率が上昇を開始してから最大値に至るまでの部分の波形を上昇波形(Wa)とした場合において、取得手段は、上昇波形を形成する熱発生率と、上昇波形を近似した直線で表される熱発生率との乖離度合いを物理量として取得することを特徴とする。
ここで、1回の燃焼で用いる燃料を複数回に分割して短インターバルで噴射させると、各噴射に係る燃料の燃焼が重畳するように連続して発生し、1つの纏まった燃焼になる。換言すれば、各燃焼に起因して生じる熱発生率の変化を表した波形(熱発生率波形)が、図2(c)に例示するようにそれぞれ重畳して、1つの纏まった熱発生率波形となる。したがって、分割された各噴射のインターバルや噴射時間、分割数等を制御すれば、1回の燃焼に係る熱発生率波形の形状を制御できる。そうすると、所望の出力トルクを発揮させることと、排気エミッション低減と、燃焼騒音低減とのバランスを、内燃機関の運転状態に合わせて好適に制御できる。
但し、このような分割噴射を実施すると、分割した数に応じた脈動が熱発生率波形に生じる。そして、熱発生率波形のうち熱発生率の上昇開始から最大値に至るまでの部分(上昇波形)に脈動が生じている場合、その脈動の度合いが大きいほど、燃焼騒音に含まれる所定周波数成分の騒音(高周波数騒音)が大きくなる、との知見を本発明者は得た。この高周波数騒音は、限度を超えて大きくなると運転者にとって耳障りなものとなる。この問題に対し、本発明者は次の知見を得ている。すなわち、分割された各噴射のインターバルを短くすれば、上記脈動を低減でき、ひいては高周波数騒音を低減できる。
これらの点を鑑み、上記発明では、1回の燃焼で用いる燃料を複数回に分割して噴射させるように制御する分割噴射制御手段を備える。そのため、先述の如くインターバルや噴射時間、分割数等を制御することで、1回の燃焼に係る熱発生率波形の形状を制御できるようになる。よって、所望の出力トルクを発揮させることと、排気エミッション低減と、燃焼騒音低減とのバランスを、内燃機関の運転状態に合わせて好適に制御できる。
その上で、上記発明では、高周波数騒音と相関のある物理量を取得し、その物理量に応じてインターバルを変更しつつ、各噴射の噴射開始時期および噴射時間を制御する。そのため、高周波数騒音が限度を超えて大きくならないようにしつつ、上記バランスを好適に制御できる。
本発明の一実施形態に係る燃料噴射制御装置を示す模式図。 EGR率が想定よりも低くなっている場合と通常の場合との比較において、噴射指令パルスに対応する各種の変化を示す試験結果。 図2の変化が生じた場合における騒音の試験結果。 EGR率が想定よりも低くなっており、かつ、圧力補正を実施した場合における、熱発生率や筒内圧等の変化を示す図。 図4の場合に生じた騒音の周波数帯域を示す図。 EGR率が想定よりも低くなっており、かつ、圧力補正およびインターバル補正を実施した場合における、熱発生率や筒内圧等の変化を示す図。 図6の場合に生じた騒音の周波数帯域を示す図。 図1のマイコンが実施する噴射制御の手順を示すフローチャート。 図1のマイコンが実施する燃焼特徴量の算出手順を示すフローチャート。
以下、本発明にかかる燃料噴射制御装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る燃料噴射制御装置は、図1に示す電子制御装置(ECU20)により提供される。ECU20は、内燃機関10が備える燃料噴射弁11、燃料ポンプ13およびEGRバルブ(図示せず)等の作動を制御することで、内燃機関10の燃焼状態を制御する。これらの内燃機関10およびECU20は車両に搭載されたものであり、当該車両は、内燃機関10の出力を駆動源として走行する。
燃料ポンプ13により圧縮された高圧の燃料はコモンレール12へ供給される。コモンレール12は、供給された高圧燃料を所定の圧力に維持するとともに、各気筒に設けられた燃料噴射弁11の各々へ高圧燃料を分配する。燃料噴射弁11は、電磁アクチュエータおよび弁体を有する。電磁アクチュエータに駆動回路40から電圧が印加されると、弁体が開弁作動し、燃料噴射弁11に形成された噴孔から高圧燃料が燃焼室10aへ噴射される。電磁アクチュエータへの電圧印加を停止させると、弁体が閉弁作動して噴孔からの燃料噴射が停止される。
したがって、ECU20が電圧印加の開始時期を制御することで、燃料の噴射時期Tが制御される。ECU20が電圧印加の通電時間Tqを制御することで、1回の開弁による噴射期間が制御され、ひいては1回の開弁による燃料の噴射量Qが制御される。また、ECU20が燃料ポンプ13の吐出量を制御することで、コモンレール12で蓄圧される燃料の圧力が制御され、ひいては燃料の噴射圧Pcが制御される。
ECU20が有するマイクロコンピュータ(マイコン30)は、これらの噴射時期T、噴射量Qおよび噴射圧Pc等を、内燃機関10の出力軸の回転速度(エンジン回転数)、エンジン負荷、および燃焼室10a内の圧力(筒内圧)に基づき制御する。エンジン回転数NEは、クランク角センサ15の検出値に基づきマイコン30により算出される。エンジン負荷は、アクセルペダルセンサ16の検出値に基づきマイコン30により算出される。筒内圧は、筒内圧センサ14の検出値に基づきマイコン30により算出される。
マイコン30は、算出したエンジン回転数およびエンジン負荷に基づき、燃料噴射弁11から噴射される燃料の噴射状態を表した各種の目標値を算出する。例えば、噴射時期T、噴射量Q(通電時間Tq)、以下に詳述する多段噴射を実施する場合における噴射回数、分割噴射を実施する場合における分割数等を算出する。
本明細書で定義される多段噴射とは、同一の気筒内に1燃焼サイクル中に燃料を複数回噴射することである。複数回の噴射には、燃焼トルクを発揮させるためのメイン噴射や、メイン噴射の前に燃焼させてNOx低減を図るためのパイロット噴射等が含まれる。本明細書で定義される分割噴射とは、1回の燃焼で用いる燃料を複数回に分割して噴射することである。図2の例では、図中の(a)(b)に示すようにメイン噴射を4回に分割して噴射している。そして、各噴射に係る燃料の燃焼が重畳するように連続して発生し、1つの纏まった燃焼になる。その結果、各燃焼に起因して生じる熱発生率の変化を表した波形(熱発生率波形)が、図中の(c)に示すようにそれぞれ重畳して1つの纏まった熱発生率波形となる。
多段噴射の場合、各噴射の時間間隔(インターバル)が長いため、例えばパイロット噴射された燃料が燃焼して熱発生率が上昇した後、その熱発生率がゼロにまで下降した後に、次のメイン噴射された燃料が燃焼を開始して熱発生率が上昇を開始する。これに対し分割噴射の場合、図2に例示されるように、n回目に噴射された燃料が燃焼して熱発生率が上昇した後、その熱発生率が下降してゼロになる前に、n+1回目に噴射された燃料が燃焼を開始して熱発生率が再び上昇する。
マイコン30は、メモリに記憶されたプログラムにしたがってCPUが演算処理を実行することにより、以下に説明する各種の手段として機能する。これらの手段により、上述した分割噴射が実行される。すなわち、マイコン30は、目標燃焼特徴量算出手段31、基本噴射パターン算出手段32、熱発生率演算手段33、燃焼特徴量算出手段34、最終噴射パターン算出手段39および以下の補償手段として機能する。補償手段には、燃焼時期補償手段35、燃焼量補償手段36、燃焼期間補償手段37および燃焼振動補償手段38がある。
目標燃焼特徴量算出手段31は、先述したエンジン回転数およびエンジン負荷に基づき、各種の燃焼特徴量の目標値を算出する。例えば、エンジン回転数およびエンジン負荷と、燃焼特徴量の最適値との関係を予め試験して取得しておき、取得した最適値を、エンジン回転数およびエンジン負荷と関連付けてマップ化する。そのマップ(特徴量マップ)を、マイコン30が有するメモリに予め記憶させておく。上記最適値は、エンジン負荷およびエンジン回転数に応じた出力トルクと、排気エミッションと、燃焼騒音とのバランスを鑑みて設定される。目標燃焼特徴量算出手段31は、現時点でのエンジン回転数およびエンジン負荷に対応する最適値を特徴量マップから取得して、その最適値を、目標燃焼特徴量として設定する。燃焼特徴量の具体例としては、燃焼時期MFB50、燃焼量J、燃焼期間TC、燃焼振動量Sigが挙げられる。以下、これらの燃焼特徴量について、図2を用いて説明する。
図2中の(a)は噴射指令パルスを示し、パルスオンにより燃料噴射弁11への通電オンが指令されて開弁し、パルスオフにより通電オフが指令されて閉弁する。(b)は、単位時間あたりに噴射される燃料の体積を表した噴射率を示す。(c)は、所定クランク角当りに生じた熱量である熱発生率を示す。(c)に示す熱発生率波形の面積は燃焼量Jを表わす。図中の一点鎖線で囲まれた部分であって、燃焼に伴い熱発生率が上昇する部分の波形を上昇波形Waと呼ぶ。分割噴射を実施すると、分割した数に応じた脈動が熱発生率波形に生じる。図2の例では、この脈動が上昇波形Waに現れている。
(d)は、1回の燃焼で発生した燃焼量Jを100%とした場合における、燃焼量の時間変化を示す。なお、燃焼量が50%に達した時のクランク角をMFB50と表記し、このMFB50を燃焼時期とみなす。また、MFB10からMFB90までの期間を燃焼期間TCとみなす。(e)は、燃焼室10aの圧力変化(圧力波形)を示す。圧力波形のうち上昇波形に対応する部分には脈動が現れている。したがって、(f)に示す圧力波形の微分値の変化(圧力微分波形)にも脈動が現れている。
(c)(d)(e)(f)中の実線は、内燃機関10を定常運転させている時の通常時の変化を示す。通常時に比べてEGR率が低下したにも拘らず(a)に示す噴射指令パルスを変更させない場合、或いは、内燃機関10を過渡運転させてEGR率が急激に低下した場合には、(c)(d)(e)(f)中の点線に示すように各波形が変化する。すなわち、EGR率が低くなると燃料が燃焼しやすくなるので、(c)に示すように、上昇波形Waの脈動が大きくなる。つまり、脈動の周波数はそのままで脈動のピーク値が大きくなる。その結果、(d)(e)に示すように上昇波形Waおよび圧力波形の値が大きくなるとともに、(e)(f)に示すように圧力波形の脈動が大きくなる。なお、EGR率とは、燃焼室10aへ流入する吸気に含まれる、EGRガスの割合のことであり、EGRガスとは、排気の一部を吸気へ還流させるガスのことである。
図3は、EGR率が低下して図2の実線から点線へ変化した場合における、燃焼騒音の変化を示す図であり、図中の実線は通常時、点線は低EGR率時の燃焼騒音を示す。図示されるように、EGR率の低下に伴い燃焼騒音が高くなり、特に、1kHz〜4kHzの周波数帯域の騒音が高くなる。
図1のマイコン30が発揮する手段の説明に戻り、目標燃焼特徴量算出手段31は、圧力波形の近似直線f(θ)の値が所定の閾値THa(図2(e)参照)より小さくなるように、目標燃焼特徴量を算出する。閾値THaは、時間経過とともに大きくなるように設定されており、図2(e)に示すように上昇していく直線で表現される。この直線の傾きおよび切片は、予め決められた所定の値に固定されている。
この技術的意義を以下に説明する。燃焼騒音の大きさは圧力波形の上昇部分の圧力値(上昇圧力値)と相関が高く、この上昇圧力値が大きいほど燃焼騒音は大きくなる。そして、上昇圧力値は噴射圧Pcと相関が高く、噴射圧Pcが高いほど上昇圧力値が大きくなる。さらに、噴射圧Pcの大きさは燃焼期間TCと相関が高く、燃焼期間TCが短いほど噴射圧Pcは大きくなる。したがって、圧力波形を近似した直線(近似直線)の値が所定の閾値THa(図2(e)参照)より小さくなるように、燃焼期間TCの目標値を目標燃焼特徴量算出手段31は設定する。なお、目標燃焼特徴量算出手段31は、上昇波形Waの近似直線が閾値THa未満となるように燃料の噴射状態(噴射圧Pc)を制御する上昇抑制手段に相当する。
さらに目標燃焼特徴量算出手段31は、圧力波形の上昇部分に現れる脈動の振幅が所定の閾値THb(図2(f)参照)より小さくなるように、目標燃焼特徴量を算出する。閾値THbは、時間経過とともに変化しない値に設定されており、図2(f)に示すように上死点TDCのクランク角の前後において、水平に延びる直線で表現される。
この技術的意義を以下に説明する。燃焼騒音の所定周波数成分(高周波数騒音)は、熱発生率波形に現れる脈動の度合いと相関が高く、この脈動度合いが大きいほど高周波数騒音は大きくなる。そして、熱発生率波形に現れる脈動度合いはインターバルIntと相関が高く、インターバルIntを短くするほど脈動度合いは小さくなる。したがって、圧力微分波形に現れる脈動のピーク値が所定の閾値THbよりも小さくなるように、インターバルIntの目標値を目標燃焼特徴量算出手段31は設定する。
基本噴射パターン算出手段32は、目標燃焼特徴量算出手段31により算出された目標燃焼特徴量に基づき、基本噴射パターンを算出する。基本噴射パターンとは、噴射指令パルスにより特定される噴射パターンのことであり、具体的には、噴射時期T、噴射量QおよびインターバルIntの基本目標値を算出することで、基本噴射パターンを算出している。また、基本噴射パターン算出手段32は、噴射圧Pcの基本目標値についても、目標燃焼特徴量に基づき算出する。
例えば、基本噴射パターンの最適値と、燃焼特徴量との関係を予め試験して取得しておき、取得した最適値を、燃焼特徴量と関連付けてマップ化し、そのマップ(噴射パターンマップ)を、マイコン30が有するメモリに予め記憶させておく。基本噴射パターン算出手段32は、目標燃焼特徴量算出手段31により算出された目標燃焼特徴量に対応する最適値を噴射パターンマップから取得して、その最適値を、基本噴射パターンとして設定する。噴射圧Pcについても同様にして噴射圧マップを参照して基本目標値を設定する。
熱発生率演算手段33は、筒内圧センサ14により検出された筒内圧に基づく圧力波形(図2(e)参照)を取得し、その圧力波形に基づき熱発生率波形(図2(c)参照)を演算する。この演算手法を詳細に説明すると、圧力波形には、燃焼室10aがピストンで圧縮されることにより生じる変化の成分(圧縮成分)と、燃焼により生じる変化の成分(燃焼成分)とが含まれている。圧縮成分は、吸気バルブの閉弁時期や燃焼室10aの容積等で特定できる。このように特定した圧縮成分を圧力波形から差し引くことで、燃焼成分を抽出できる。抽出した燃焼成分に所定のゲインを乗算したりすれば、熱発生率波形を演算できる。このように、熱発生率演算手段33は、圧力波形に基づき熱発生率波形を演算する。
燃焼特徴量算出手段34は、熱発生率演算手段33により演算された熱発生率波形に基づき、実際の燃焼に係る燃焼特徴量を算出する。ここで算出される燃焼特徴量は、先述した燃焼時期MFB50、燃焼量J、燃焼期間TCおよび燃焼振動量Sigである。例えば、燃焼時期MFB50については、熱発生率波形から演算される燃焼質量割合MFBの波形(図2(d)参照)に基づき、燃焼量が50%に達した時のクランク角を燃焼時期MFB50として算出する。燃焼期間TCについては、燃焼質量割合MFBの波形に基づき、燃焼量が10%に達した時から90%に達した時までのクランク角を燃焼期間TCとして算出する。燃焼期間TCは噴射圧Pcと相関が高いため、噴射圧Pcのフィードバック制御に用いる検出値として燃焼期間TCを用いている。燃焼量Jについては、熱発生率波形を積分演算することで算出する。
燃焼振動量Sigは、熱発生率波形に含まれる上昇波形Waの振動の度合いを表わす値である。例えば、最小二乗法等により上昇波形Waを近似した直線f(θ)=αθ+β(図6参照)の式を、上昇波形Waに基づき演算する。θはクランク角、αは近似直線f(θ)の傾き、βは近似直線f(θ)の切片を表わす。この演算に用いる上昇波形Waの期間は、例えば、MFB10のクランク角(θMFB10)から熱発生率が最大になった時のクランク角(θHRRmax)までに設定される。そして、上昇波形Waを形成するクランク角毎の熱発生率と、近似直線f(θ)との乖離の度合いを、脈動度合いを表わす燃焼振動量Sigとして演算する。例えば、以下の数1にしたがって燃焼振動量Sigを演算する。
Figure 0006507703
各種の補償手段は、目標燃焼特徴量算出手段31により算出された燃焼特徴量の目標値と、燃焼特徴量算出手段34により算出された燃焼特徴量の実際の値との偏差を算出する。さらに補償手段は、上記偏差に基づき、基本噴射パターン算出手段32により算出された基本噴射パターンに対する補正量を算出する。例えば、上記偏差または偏差に応じた補正量を、エンジン回転数およびエンジン負荷と関連付けてマップ化し、そのマップ(補正マップ)を、マイコン30が有するメモリに記憶更新させていく。各々の補償手段は、現時点でのエンジン回転数およびエンジン負荷に対応する補正量を補正マップから取得して設定する。
具体的には、燃焼時期補償手段35は、燃焼時期MFB50の目標値と実値との偏差に基づき、基本噴射パターンの噴射時期Tに対する補正量を算出する。燃焼量補償手段36は、燃焼量Jの目標値と実値との偏差に基づき、基本噴射パターンの噴射量Qに対する補正量を算出する。燃焼期間補償手段37は、燃焼期間TCの目標値と実値との偏差に基づき、基本噴射パターンの噴射圧Pcに対する補正量を算出する。燃焼振動補償手段38は、燃焼振動量Sigの目標値と実値との偏差に基づき、基本噴射パターンのインターバルIntに対する補正量を算出する。
最終噴射パターン算出手段39は、各々の補償手段により算出された補正量に基づき、基本噴射パターン算出手段32により算出された基本噴射パターンを補正して、最終噴射パターンを算出する。最終噴射パターンとは、噴射指令パルスにより特定される噴射パターンのことであり、最終噴射パターン算出手段39は、補正後の噴射時期T、噴射量QおよびインターバルIntに基づき、図4(a)に示す噴射指令パルスを生成する。噴射指令パルスのパルスオンタイミングは、補正後の噴射時期Tに基づき設定され、パルスオン期間は補正後の噴射量Qに基づき設定され、前回のパルスオフと次回のパルスオンとの間隔は、補正後のインターバルIntに基づき設定される。これにより、噴射時期T、噴射量QおよびインターバルIntはフィードバック制御される。
さらに最終噴射パターン算出手段39は、補正後の噴射圧Pcに基づき、燃料ポンプ13の作動を制御する。これにより、コモンレール12から燃料噴射弁11へ供給される燃料の圧力(噴射圧Pc)はフィードバック制御する。各々の補償手段によるフィードバックの周期は、異なる値に設定されている。これにより、各々のフィードバック制御が干渉してハンチングすることの抑制を図っている。
上述した各種のフィードバック制御のうち、噴射圧PcおよびインターバルIntについてのフィードバック制御を実施しない場合、以下の問題が生じる。すなわち、例えばEGR率が低下して図2の実線から点線へ変化した場合には、圧力波形の近似直線f(θ)が閾値THaよりも大きくなるとともに、圧力微分波形に現れる脈動のピーク値が閾値THbよりも大きくなる。したがって、燃焼騒音が許容範囲を超えて大きくなる。
なお、図2の例では、噴射時期Tおよび噴射量Q(通電時間Tq)についてはフィードバック制御を実施しているので、4つに分割された各噴射のうち2回目以降の噴射に係る噴射時期Tが遅くなり、かつ、通電時間Tqが長くなるように補正されている。
これに対し、噴射圧Pcについてのフィードバック制御を実施し、インターバルIntについてのフィードバック制御を実施しない場合、以下の問題が生じる。すなわち、例えばEGR率が低下すると、図4の実線から点線へと変化する。つまり、EGR率が低下して燃焼が促進される環境に変化すると、図2の点線の如く変化しようとするが、噴射圧Pcを低下させるようにフィードバック制御する。その結果、上昇波形Waの近似直線f(θ)の値が小さく抑えられ、近似直線f(θ)の値が閾値THaよりも小さくなる。よって、図3中の一点鎖線で囲まれた部分の周波数帯域の騒音(低周波数騒音)を、図5に示すように低減できる。
但し、インターバルIntについてはフィードバック制御していないので、熱発生率波形に係る上昇波形Waの脈動が十分に抑制されておらず、圧力微分波形に現れる脈動のピーク値は閾値THbよりも大きくなったままである。よって、図5に示すように、図5の一点鎖線に示す部分の周波数帯域の騒音(高周波数騒音)については、十分に抑制できていない。
これに対し、噴射圧PcおよびインターバルIntの両方についてフィードバック制御を実施した場合、以下のように燃焼騒音が低減される。すなわち、例えばEGR率が低下すると、図6の実線から点線へと変化する。つまり、EGR率が低下して燃焼が促進される環境に変化すると、図2の点線の如く変化しようとするが、噴射圧Pcを低下させるようにフィードバック制御する。その結果、上昇波形Waの近似直線f(θ)の値が小さく抑えられ、圧力波形の近似直線f(θ)の値が閾値THaよりも小さくなる。よって、図3中の一点鎖線で囲まれた低周波数騒音を、図7に示すように低減できる。加えて、インターバルIntを短くするようにフィードバック制御する。その結果、上昇波形Waに含まれる脈動が小さく抑えられ、圧力微分波形に現れる脈動のピーク値は閾値THbより小さくなる。よって、図5中の一点鎖線で囲まれた部分の高低周波数騒音を、図7に示すように低減できる。
駆動回路40は、燃料噴射弁11のソレノイドコイル(図示せず)への通電のオンオフを切り替えるスイッチ素子(図示せず)を有する。スイッチ素子は、最終噴射パターン算出手段39により生成された噴射指令パルスに基づき作動して、各々の燃料噴射弁11に対する電圧印加のオンオフを切り替える。これにより、噴射指令パルスのパルスオン期間にソレノイドコイルへの通電が為され、燃料噴射弁11が開弁作動して燃料が噴射される。したがって、パルスオン開始のタイミングにより燃料噴射の開始時期が制御される。また、パルスオン期間の長さにより開弁時間が制御され、ひいては、1回の開弁で噴射される燃料の量(燃料噴射量)が制御される。
但し、パルスオン開始と同時に開弁して燃料が噴射されるわけではなく、パルスオン開始から僅かに遅れて開弁して燃料噴射が開始される。さらに、燃料噴射開始と同時に自着火燃焼が生じるわけではなく、噴射開始から遅れて自着火燃焼する。このように噴射開始から燃焼が生じるまでの遅れ時間を、着火遅れ時間と呼ぶ。
図8は、上述したフィードバック制御を実行する時のマイコンの処理手順を示すフローチャートであり、この処理は、内燃機関10の運転中にマイコン30により所定周期で繰返し実行される。
先ず、図8のステップS10において、エンジン回転数およびエンジン負荷を取得し、これらの値に基づき、目標燃焼特徴量算出手段31による目標燃焼特徴量の算出を実行する。続くステップS11では、ステップS10により算出された目標燃焼特徴量に基づき、基本噴射パターン算出手段32による基本噴射パターンの算出を実行する。
続くステップS12では、燃焼時期補償手段35、燃焼量補償手段36、燃焼期間補償手段37および燃焼振動補償手段38による補正量の設定を実行する。つまり、ステップS10で取得したエンジン回転数およびエンジン負荷に基づき、補正マップを参照して基本噴射パターンに対する補正量を算出する。さらにステップS12では、これらの補正量に基づき、ステップS11で算出した基本噴射パターンを補正して、補正後の最終噴射パターンを算出する。つまり、最終噴射パターン算出手段39による噴射指令パルスの生成、および噴射圧Pcの目標値の算出を実行する。
例えば、以下の数2にしたがって、噴射時期Tの最終目標値を算出する。
Figure 0006507703
数2中のTbは、基本噴射パターンによる燃焼時期の目標値である。Ktは補正ゲインである。MFB50Trg−MFB50は燃焼時期の目標値と実値の偏差である。
また、以下の数3および数4にしたがって、噴射量Q(n)の最終目標値を算出する。
Figure 0006507703
Figure 0006507703
数3中のQb(n)は、分割噴射に係るn番目の噴射量であって、基本噴射パターンによる噴射量の目標値である。Kqは補正ゲインである。JTrg−Jは噴射量の目標値と実値の偏差である。数3および数4中のr(n)は、分割噴射に係るn番目の噴射量割合である。
また、以下の数5にしたがって、噴射圧Pcの最終目標値を算出する。
Figure 0006507703
数5中のPcbは、基本噴射パターンによる噴射圧の目標値である。Kpcは補正ゲインである。TCTrg−TCは燃焼期間の目標値と実値の偏差であり、噴射圧の目標値と実値の偏差と相関の高い値である。
また、以下の数6にしたがって、インターバルIntの最終目標値を算出する。
Figure 0006507703
数6中のIntb(n)は、分割噴射に係るn番目の噴射のインターバルであって、基本噴射パターンによるインターバルの目標値である。Kintは補正ゲインである。SigTrg−Sigは燃焼振動量の目標値と実値の偏差である。
上述したステップS12にてインターバルIntを補正するにあたり、分割噴射に係る1纏まりの噴射のトータル噴射量が変化しないように噴射指令パルスを設定する。例えば、n回目の噴射とn+1回目の噴射とのインターバルを補正する場合、n回目の噴射の噴射終了時期およびn+1回目の噴射の噴射開始時期の少なくとも一方を補正することとなる。そして、例えばn回目の噴射の噴射終了時期を遅角補正した場合、該噴射の噴射開始時期についても遅角補正しなければ、該噴射の噴射時間が長くなってしまい、噴射量が増大することとなる。この点を鑑みて、ステップS12にてインターバルIntを補正する場合には、トータル噴射量が変化しないように噴射指令パルスを設定する。
続くステップS13では、筒内圧センサ14から出力される検出信号の取得を開始する。続くステップS14では、ステップS12で算出した噴射指令パルスを駆動回路40へ出力して、燃料噴射弁11からの燃料噴射を実施する。続くステップS15では、筒内圧センサ14から出力される検出信号の取得を終了する。続くステップS16では、取得した検出信号から得られる圧力波形に基づき、熱発生率演算手段33による熱発生率波形の演算を実行する。続くステップS17では、ステップS16で演算された熱発生率波形に基づき、燃焼特徴量算出手段34による燃焼特徴量の算出を実行する。
なお、目標燃焼特徴量算出手段31は、1回の燃焼で用いる燃料を複数回に分割して噴射させる分割噴射を実施するか否かを、出力トルク、排気エミッションおよび燃焼騒音等のバランスを考慮して、内燃機関10の運転状態に基づき判定している。分割噴射であるか否かに拘らず、図8に示す噴射制御の手順は共通する。分割噴射を実施するように判定された場合において、上述したステップS10、S11、S12、S14の処理を実行している時のマイコン30は、分割噴射させるように制御する分割噴射制御手段に相当する。また、ステップS16、S17の処理を実行している時のマイコン30は、所定周波数の騒音と相関のある物理量、つまり燃焼振動量Sigを取得する取得手段に相当する。
ステップS17の処理の詳細について、図9を用いて説明すると、先ず、ステップS20において、ステップS16で演算した熱発生率波形を積分演算することで、燃焼量Jを算出する。続くステップS21では、燃焼量Jの時間変化を表した燃焼質量割合MFBの波形に基づき、燃焼時期を算出する。例えば、MFB50を燃焼時期として算出する。続くステップS22では、燃焼質量割合MFBの波形に基づき、燃焼期間TCを算出する。例えば、MFB10からMFB90までの期間を燃焼期間TCとして算出する。
続くステップS23では、熱発生率波形に基づき、最大熱発生率の値および最大熱発生率になった時期(θHRRmax)を算出する。続くステップS24では、熱発生率波形に係る上昇波形Waの近似直線f(θ)=αθ+βの式を算出する。例えば、MFB10からθHRRmaxまでの熱発生率の傾きを、上記式のαとする。続くステップS25では、ステップS24で算出した近似直線f(θ)の式を基準に、燃焼振動量Sigを算出する。つまり、熱発生波形に係る上昇波形Waの脈動の度合いを表わす物理量として、先述した数1にしたがい燃焼振動量Sigを算出する。
さて、本発明者は、分割噴射を実施することに伴い以下の問題が生じることを見出した。すなわち、熱発生率波形の上昇波形Waは、複数の燃焼が重畳することに起因して、上昇と下降を繰り返す脈動した形状になる。そして、上昇波形Waの近似直線f(θ)が閾値THa未満となるように噴射状態を設定すれば、燃焼騒音の低減を図ることができるものの、上昇波形Waの脈動を十分に低減させなければ、高周波数騒音については十分に低減できない、との知見を本発明者は得た。加えて、分割噴射のインターバルIntを小さくすれば上記脈動を低減でき、高周波数騒音についても十分に低減できるようになることを本発明者は想起した。
これらの点を鑑み、本実施形態では、高周波数騒音と相関のある物理量(燃焼振動量Sig)を取得する取得手段と、1回の燃焼で用いる燃料を複数回に分割して噴射させるように制御する分割噴射制御手段と、を備える。分割噴射制御手段は、分割された各噴射のインターバルIntを上記物理量に応じて変更しつつ、各噴射の噴射開始時期(噴射時期T)および噴射時間を制御する。そのため、高周波数騒音を十分に低減でき、燃焼騒音の低減促進を図ることができる。
さらに本実施形態では、上昇波形Waの脈動度合い(燃焼振動量Sig)を、高周波数騒音と相関のある物理量を取得する。上昇波形Waの脈動度合いは高周波数騒音と相関が高いので、上昇波形Waの脈動度合いを取得してその取得した値に基づきインターバルIntを制御すれば、精度よく高周波数騒音の低減を図ることができる。
また、例えば本実施形態に反して音センサを用いた場合、高周波数騒音を直接検出することができる。しかし、燃焼騒音以外の各種作動音がノイズとして音センサの検出値に含まれることになるので、高周波数騒音を低減できるようなインターバルIntの制御を高精度で実現させることが困難になる。これに対し本実施形態では、筒内圧センサ14を用いて高周波数騒音と相関のある物理量(脈動度合い)を検出するので、上記ノイズの影響を大きく受けることが無く、高精度で上記物理量を検出できる。よって、上記インターバルIntの制御を高精度で実現できる。
さらに本実施形態では、熱発生率波形に係る上昇波形Waの近似直線f(θ)が閾値THa未満となるように燃料の噴射状態を制御する上昇抑制手段を備える。そのため、高周波数騒音とは異なる周波数帯域の騒音についても騒音低減できるようになる。例えば、図3の一点鎖線に示す周波数帯域の騒音を上昇抑制手段により低減でき、かつ、図5の一点鎖線に示す周波数帯域の騒音(高周波数騒音)をインターバルIntの制御により低減できる。
さらに本実施形態では、上昇抑制手段は、噴射圧Pcを制御することで近似直線f(θ)が閾値THa未満となるように制御する。噴射圧Pcは近似直線f(θ)との相関性が高いので、上述の如く噴射圧Pcを制御する本実施形態によれば、近似直線f(θ)を閾値THa未満に制御することを高精度で実現できる。
さらに本実施形態では、分割噴射制御手段は、高周波数騒音と相関のある物理量(燃焼振動量Sig)に応じてインターバルIntを変更させるにあたり、1回の燃焼で用いる燃料のトータル噴射量を変化させないようにインターバルIntを変更させる。そのため、高周波数騒音の低減を図るべくインターバルIntを変更させるにあたり、その変更に伴いトータル噴射量が変化することが抑制されるので、出力トルクを所望の値にしつつ高周波数騒音の低減を図ることができる。
(他の実施形態)
以上、発明の好ましい実施形態について説明したが、発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、以下に例示するように種々変形して実施することが可能である。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
図6(e)(f)に示す閾値THa、THbを可変設定してもよい。具体的には、内燃機関10の運転状態に応じて騒音レベルの許容値を変更し、その許容値に応じて閾値THa、THbを変更させてもよい。例えば、車両を高速走行させている場合には燃焼騒音の許容値を高く設定して、閾値THa、THbを高い値に変更してもよい。
上記実施形態では、燃焼期間TCを取得して、燃焼期間TCの目標値と実値の偏差に基づき噴射圧Pcを補正している。これに対し、噴射圧Pcを取得して、噴射圧Pcの目標値と実値の偏差に基づき噴射圧Pcを補正してもよい。
上記実施形態では、筒内圧センサ14により圧力波形を取得して、その圧力波形に基づき所定周波数の騒音と相関のある物理量(燃焼振動量Sig)を取得している。これに対し、燃焼音を検出する音センサを設け、音センサの検出値に基づき所定周波数の騒音レベルを上記物理量として取得してもよい。
図1に示す実施形態では、ディーゼルエンジンの燃料噴射弁11に対する制御に本発明の制御装置を適用させている。これに対し、点火着火式のガソリンエンジンであって、燃焼室に燃料を直接噴射する直噴式エンジンの燃料噴射制御に、本発明の制御装置を適用させてもよい。
ECU20(制御装置)が提供する手段および/または機能は、実体的な記憶媒体に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御装置がハードウェアである回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって提供することができる。
10…内燃機関、10a…燃焼室、11…燃料噴射弁、S10、S11、S12、S14…分割噴射制御手段、S16、S17…取得手段。

Claims (3)

  1. 内燃機関(10)での燃焼に伴い生じる騒音であって、所定周波数の騒音と相関のある物理量を取得する取得手段(S16、S17)と、
    前記内燃機関の燃焼室(10a)へ燃料を噴射する燃料噴射弁(11)の作動を制御する制御手段であって、1回の燃焼で用いる燃料を複数回に分割して噴射させるように制御する分割噴射制御手段(S10、S11、S12、S14)と、
    を備え、
    前記分割噴射制御手段は、前記物理量が前記騒音の大きい値であるほど、分割された各噴射のインターバルを短い値に変更しつつ、前記各噴射の噴射開始時期および噴射時間を制御し、
    前記燃焼室での燃焼に係る熱発生率の時間変化を表した波形のうち、燃焼に伴い熱発生率が上昇を開始してから最大値に至るまでの部分の波形を上昇波形(Wa)とした場合において、
    前記取得手段は、前記上昇波形を形成する熱発生率と、前記上昇波形を近似した直線で表される熱発生率との乖離度合いを前記物理量として取得することを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記上昇波形を近似した直線で表される熱発生率の値が、前記上昇波形が生じている全期間において閾値未満となるように、前記燃料噴射弁へ供給する燃料の圧力を制御する上昇抑制手段(31)を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記分割噴射制御手段は、前記物理量に応じて前記インターバルを変更させるにあたり、前記1回の燃焼で用いる燃料のトータル噴射量を変化させないように前記インターバルを変更させることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射制御装置。
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