JP6506986B2 - プレキャストコンクリート部材の接合構造および接合方法 - Google Patents

プレキャストコンクリート部材の接合構造および接合方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、プレキャストコンクリート部材の接合構造および接合方法に関する。
従来より、予め、工場にて、コンクリート部材を製造しておき、この部材(以下、プレキャストコンクリート部材と呼ぶ)を建設現場に運搬して、互いに接合することで、建物を構築する、プレキャスト工法がある。
この工法では、プレキャストコンクリート部材同士を接合する場合、これらプレキャストコンクリート部材同士の隙間にモルタルを設けることで、プレキャストコンクリート部材の高さを調整するとともに、プレキャストコンクリート部材同士の荷重の伝達を接合面全体で行う(特許文献1参照)。さらに、このモルタルの屋外側の端面にシール材を充填して、雨水の浸入を防止している。
特開2000−248614号公報
しかしながら、シール材の耐用年数は10年程度であるので、シール材が耐用年数近くに達すると、シール材が切れてしまい、シール材とプレキャストコンクリート部材との間に雨水が浸入する場合があった。また、プレキャストコンクリート部材同士の隙間のモルタルだけでは、このモルタルとプレキャストコンクリート部材との間に雨水が浸入する場合があった。その結果、雨水が屋内に浸入する場合があった。
この問題を解決するためには、シール材を打ち直す改修工事が定期的に必要となるが、コストがかかる、という問題があった。
本発明は、雨水が屋内に浸入するのを低コストで防止できる、プレキャストコンクリート部材の接合構造および接合方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造(例えば、後述の接合構造1、1A、1B)は、コンクリート造の床面(例えば、後述の2階床面2)の外端部(例えば、後述の外端部3)にプレキャストコンクリート造の壁部材(例えば、後述の2階壁部材30)を接合する接合構造であって、前記床面の外端部と前記壁部材の下面との間には、モルタル層(例えば、後述のモルタル層42)が形成され、前記床面の外端部および前記壁部材の下面には、ケイ酸塩(例えば、後述のケイ酸塩41)が塗布される、および/または、前記モルタル層にケイ酸塩が混入されることを特徴とする。
ここで、ケイ酸塩とは、例えば、ケイ酸ナトリウムとケイ酸カルシウムとを混合したもの、または、ケイ酸ナトリウムである。
この発明によれば、床面の外端部および壁部材の下面にケイ酸塩を塗布した。あるいは、モルタル層にケイ酸塩を混入した。ケイ酸塩は、水分と反応してゲル化することで、この水分の通り道であるクラック(ひび割れ)や空隙を閉塞して、防水性能を発揮するものである。よって、モルタル層内の水分やモルタル層に浸透した雨水がケイ酸塩に触れると、このケイ酸塩により水分の通り道が閉塞されるから、雨水が屋内に浸入するのを低コストで防止できる。
請求項に記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造は、前記床面の外端部には、屋外側に向うに従って下がる傾斜面(例えば、後述の傾斜面4)が形成されることを特徴とする。
この発明によれば、プレキャストコンクリート造の壁部材が接合される床面の外端部に、屋外側に向うに従って下がる傾斜面を形成した。よって、雨水がモルタル層に浸透して傾斜面に到達しても、この雨水は傾斜面を流れて屋外に排水される。よって、雨水が屋内に浸入するのをより確実に防止できる。
請求項に記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造は、前記傾斜面の勾配は、略1/50以上であることを特徴とする。
この発明によれば、傾斜面の勾配を略1/50以上としたので、傾斜面上の雨水を、傾斜面に沿って確実に下方に流して排水できる。
請求項に記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造(例えば、後述の接合構造1A)は、前記モルタル層(例えば、後述のモルタル層42A)は、第1モルタル層(例えば、後述の第1モルタル層50)と、当該第1モルタル層の屋外側に設けられた第2モルタル層(例えば、後述の第2モルタル層51)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、第1モルタル層の屋外側に第2モルタル層を設けたので、雨水が第2モルタル層に浸透して、第1モルタル層と第2モルタル層との境界面に到達しても、雨水はこの境界面に沿って下方に移動して傾斜面に到達し、この傾斜面を流れて屋外に排水される。したがって、雨水が屋内に浸入するのをより確実に防止できる。
請求項に記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造(例えば、後述の接合構造1B)は、前記床面の外端部と前記壁部材の下面との間には、前記モルタル層に加えて、当該モルタル層の屋外側に設けられたバックアップ材(例えば、後述のバックアップ材61)と、当該バックアップ材の屋外側に打設されたシール材(例えば、後述のシール材60)と、が設けられ、前記床面の外端部のうち前記バックアップ材の直下には、外周に沿って延びる溝(例えば、後述の溝62)が形成されることを特徴とする。
この発明によれば、モルタル層の屋外側にバックアップ材を設け、このバックアップ材のさらに屋外側にシール材を打設した。また、バックアップ材の直下に、外周に沿って延びる溝を形成した。よって、雨水がシール材に浸透して、バックアップ材に到達すると、この雨水は下方に移動して溝に到達し、この溝を流れて屋外に排水される。したがって、雨水が屋内に浸入するのをより確実に防止できる。
本発明のプレキャストコンクリート部材の接合構造(例えば、後述の接合構造1C)は、コンクリート造の床面の外端部にプレキャストコンクリート造の壁部材を接合する接合構造であって、前記床面の外端部には、段差上面(例えば、後述の段差上面70)と、当該段差上面の屋外側に設けられて当該段差上面よりも低い段差下面(例えば、後述の段差下面71)と、が形成され、前記床面の外端部と前記壁部材の下面との間には、モルタル層が形成され、前記床面の外端部および前記壁部材の下面には、ケイ酸塩が塗布される、および/または、前記モルタル層にケイ酸塩が混入されることが好ましい。
ここで、ケイ酸塩とは、例えば、ケイ酸ナトリウムとケイ酸カルシウムとを混合したもの、または、ケイ酸ナトリウムである。
この発明によれば、床面の外端部および壁部材の下面にケイ酸塩を塗布した。あるいは、モルタル層にケイ酸塩を混入した。ケイ酸塩は、水分と反応してゲル化することで、この水分の通り道であるクラック(ひび割れ)や空隙を閉塞して、防水性能を発揮するものである。よって、モルタル層内の水分やモルタル層に浸透した雨水がケイ酸塩に触れると、このケイ酸塩により水分の通り道が閉塞されるから、雨水が屋内に浸入するのを低コストで防止できる。
また、プレキャストコンクリート造の壁部材が接合される床面の外端部に、段差上面および段差下面を形成した。よって、雨水がモルタル層に浸透して段差下面に到達しても、この雨水は段差上面に到達することはなく、屋外に排水される。よって、雨水が屋内に浸入するのをより確実に防止できる。
本発明のプレキャストコンクリート部材の接合構造(例えば、後述の接合構造1D)は、プレキャストコンクリート造の床部材(例えば、後述の床部材80)の側面同士を接合する接合構造であって、前記床部材の側面同士の間には、モルタル層(例えば、後述のモルタル層82)が形成され、前記床部材の側面には、ケイ酸塩(例えば、後述のケイ酸塩81)が塗布される、および/または、前記モルタル層にケイ酸塩が混入されることが好ましい。
ここで、ケイ酸塩とは、例えば、ケイ酸ナトリウムとケイ酸カルシウムとを混合したもの、または、ケイ酸ナトリウムである。
この発明によれば、床部材の側面にケイ酸塩を塗布した。あるいは、モルタル層にケイ酸塩を混入した。ケイ酸塩は、水分と反応してゲル化することで、この水分の通り道であるクラック(ひび割れ)や空隙を閉塞して、防水性能を発揮するものである。よって、モルタル層内の水分やモルタル層に浸透した雨水がケイ酸塩に触れると、このケイ酸塩により水分の通り道が閉塞されるから、雨水が屋内に浸入するのを低コストで防止できる。
請求項に記載の接合方法は、コンクリート造の床面の外端部に、プレキャストコンクリート造の壁部材を接合する接合方法であって、前記床面の外端部および前記壁部材の下面に、ケイ酸塩を塗布する工程(例えば、後述のステップS1、S2、S11、S12)と、前記床面の外端部の上に、モルタルを盛り付ける工程(例えば、後述のステップS3、S13)と、前記壁部材を前記床面の外端部の上に載置する工程(例えば、後述のステップS4、S14)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、上述の請求項1と同様の効果がある。
請求項に記載の接合方法は、コンクリート造の床面の外端部に、プレキャストコンクリート造の壁部材を接合するプレキャストコンクリート部材の接合方法であって、前記床面の外端部の上に、ケイ酸塩が混入されたモルタルを盛り付ける工程(例えば、後述のステップS21、S22)と、前記壁部材を前記床面の外端部の上に載置する工程(例えば、後述のステップS23)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、上述の請求項1と同様の効果がある。
本発明によれば、床面の外端部および壁部材の下面にケイ酸塩を塗布した。あるいは、モルタル層にケイ酸塩を混入した。ケイ酸塩は、水分と反応してゲル化することで、この水分の通り道であるクラック(ひび割れ)や空隙を閉塞して、防水性能を発揮するものである。よって、モルタル層内の水分やモルタル層に浸透した雨水がケイ酸塩に触れると、このケイ酸塩により水分の通り道が閉塞されるから、雨水が屋内に浸入するのを低コストで防止できる。
本発明の第1実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造が適用された壁式プレキャストコンクリート構造の建物の一部の斜視図である。 図1の破線で囲まれた部分の拡大断面図である。 前記実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造を構築する手順のフローチャートである。 前記実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造を構築する手順を説明するための斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造の拡大断面図である。 本発明の第3実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造の拡大断面図である。 本発明の第1の参考例に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造の拡大断面図である。 本発明の第2の参考例に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造の拡大断面図である。 本発明の第1の変形例に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造を構築する手順のフローチャートである。 本発明の第2の変形例に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造を構築する手順のフローチャートである。 実験装置の構成を示す模式図である。 実験条件および実験結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造1が適用された壁式プレキャストコンクリート構造の建物の一部の斜視図である。図2は、図1の破線で囲まれた部分の拡大断面図である。これら図1および図2は、ここでは、1階壁部材10、2階床部材20、および2階壁部材30の接合部を示している。
1階壁部材10は、プレキャストコンクリート造の板状の部材であり、略鉛直に延びて1階外周壁となる。2階床部材20は、プレキャストコンクリート造の板状の部材であり、略水平に延びて2階床となる。2階壁部材30は、プレキャストコンクリート造の板状の部材であり、略鉛直に延びて2階外周壁となる。
2階床部材20は、1階壁部材10の上端部に接合されて、2階床部材20の上面と1階壁部材10の上端面とで2階床面2を形成している。2階壁部材30は、この床面2の外端部3に接合される。ここで、2階床面2のうち2階壁部材30が接合される外端部3は、屋外側に向うに従って下がる傾斜面4となっている。この傾斜面4の勾配は、略1/50である。
以下、1階壁部材10、2階床部材20、および2階壁部材30の接合部の構造について詳述する。
1階壁部材10の上端面は、傾斜面10Aとなっている。また、この1階壁部材10の上端面の内端側には、底面12および壁面13からなる切欠き部11が形成されている。
また、2階床部材20の外端部には、傾斜面20Aが形成されている。この2階床部材20の外端部は、1階壁部材10の切欠き部11の底面12に係止しており、この2階床部材20の側端面と切欠き部11の壁面13との隙間には、モルタル40が充填されている。
これにより、1階壁部材10の傾斜面10Aと2階床部材20の傾斜面20Aとが一体化して、傾斜面4となっている。
2階床面2の傾斜面4および2階壁部材30の下面には、ケイ酸塩41が塗布されている。
また、2階床面2の傾斜面4と2階壁部材30の下面との間には、モルタルが充填されてモルタル層42が形成されている。
次に、プレキャストコンクリート部材の接合構造1を構築する手順について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1では、1階壁部材10を建込んで、この1階壁部材10の切欠き部11に床部材20を係止し、2階床部材20と1階壁部材10との隙間にモルタル40を充填する。これにより、2階床部材20を1階壁部材10に接合して2階床面2とし、この2階床面2の外端部3に傾斜面4を形成する。
ステップS2では、2階床面2の外端部3つまり傾斜面4の上にケイ酸塩41を塗布するとともに、2階壁部材30の下面にケイ酸塩41を塗布する。
ステップS3では、2階床面2の外端部3の上にモルタル43を盛り付ける。
ステップS4では、図4中白抜き矢印で示すように、2階壁部材30を上方から吊り下ろして2階床面2の外端部3に載置する。すると、盛り付けたモルタル43が2階床面2の外端部3と2階壁部材30との間に充填されて、モルタル層42となり、2階壁部材30が2階床面2の外端部3に接合される。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)2階床面2の外端部3および1階壁部材10の下面にケイ酸塩41を塗布した。ケイ酸塩は、水分と反応してゲル化することで、この水分の通り道であるクラック(ひび割れ)や空隙を閉塞して、防水性能を発揮するものである。よって、モルタル層42内の水分やモルタル層42に浸透した雨水がケイ酸塩41に触れると、このケイ酸塩41により水分の通り道が閉塞されるから、雨水が屋内に浸入するのを低コストで防止できる。
(2)プレキャストコンクリート造の2階壁部材30が接合される2階床面2の外端部3に、屋外側に向うに従って下がる傾斜面4を形成した。よって、雨水がモルタル層42に浸透して傾斜面4に到達しても、図2中矢印で示すように、この雨水は傾斜面4を流れて屋外に排水される。よって、雨水が屋内に浸入するのをより確実に防止できる。
(3)傾斜面4の勾配を略1/50としたので、傾斜面4上の雨水を、傾斜面4に沿って確実に下方に流して排水できる。
〔第2実施形態〕
図5は、本発明の第2実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造1Aの拡大断面図である。
本実施形態では、モルタル層42Aの構成が第1実施形態と異なり、その他の点は、第1実施形態と同様の構成である。
すなわち、モルタル層42Aは、モルタルからなる第1モルタル層50と、この第1モルタル層50の屋外側に設けられたモルタルからなる第2モルタル層51と、を備える。また、第1モルタル層50の内側には、シール材52が打設されている。
このモルタル層42Aを形成する場合、第1モルタル層50を形成した後、この第1モルタル層50の屋外側に第2モルタル層51を形成する。このように施工することにより、第1モルタル層50と第2モルタル層51との間に境界面53が形成される。
本実施形態によれば、上述の(1)〜(3)に加えて、以下のような効果がある。
(4)第1モルタル層50の屋外側に第2モルタル層51を設けたので、雨水が第2モルタル層51に浸透して、第1モルタル層50と第2モルタル層51との境界面53に到達しても、図5中矢印で示すように、この雨水はこの境界面53に沿って下方に移動して傾斜面4に到達し、この傾斜面4を流れて屋外に排水される。したがって、雨水が屋内に浸入するのをより確実に防止できる。
〔第3実施形態〕
図6は、本発明の第3実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造1Bの拡大断面図である。
本実施形態では、モルタル層42の屋外側にシール材60が打設される点が第1実施形態と異なり、その他の点は、第1実施形態と同様の構成である。
すなわち、2階床面2の外端部3と1階壁部材10の下面との間には、モルタル層42と、モルタル層42の屋外側に設けられたバックアップ材61と、バックアップ材61の屋外側に打設されたシール材60と、が設けられる。
傾斜面4のうちバックアップ材61の直下には、外周に沿って延びる溝62が形成されている。
本実施形態によれば、上述の(1)〜(3)に加えて、以下のような効果がある。
(5)モルタル層42の屋外側にバックアップ材61を設け、このバックアップ材61のさらに屋外側にシール材60を打設した。また、バックアップ材61の直下に、外周に沿って延びる溝62を形成した。よって、雨水がシール材60に浸透して、バックアップ材61に到達すると、図6中矢印で示すように、この雨水は下方に移動して傾斜面4の溝62に到達し、この溝62を流れて屋外に排水される。したがって、雨水が屋内に浸入するのをより確実に防止できる。
第1の参考例
図7は、本発明の第4実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造1Cの拡大断面図である。
参考例では、2階床面2の外端部3に傾斜面4ではなく、段差5が形成される点が第1実施形態と異なり、その他の点は、第1実施形態と同様の構成である。
すなわち、段差5は、床部材20と面一となる段差上面70と、この段差上面70の屋外側に設けられて段差上面70よりも低い段差下面71と、段差上面70と段差下面71との間の壁面である段差壁面72と、で構成される。
2階床面2の段差5および2階壁部材30の下面には、ケイ酸塩41が塗布されている。
また、2階床面2の段差5と2階壁部材30の下面との間には、モルタルからなるモルタル層42が形成されている。
参考例によれば、以下のような効果がある。
(6)2階床面2の外端部3および1階壁部材10の下面にケイ酸塩41を塗布した。ケイ酸塩は、水分と反応してゲル化することで、この水分の通り道であるクラック(ひび割れ)や空隙を閉塞して、防水性能を発揮するものである。よって、モルタル層42内の水分やモルタル層42に浸透した雨水がケイ酸塩41に触れると、このケイ酸塩41により水分の通り道が閉塞されるから、雨水が屋内に浸入するのを低コストで防止できる。
また、プレキャストコンクリート造の2階壁部材30が接合される2階床面2の外端部3に、段差上面70および段差下面71を含む段差5を形成した。よって、雨水がモルタル層42に浸透して段差下面71に到達しても、図7中矢印で示すように、この雨水は段差上面70に到達することはなく、屋外に排水される。よって、雨水が屋内に浸入するのを防止できる。
第2の参考例
図8は、本発明の第2の参考例に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造1Dの拡大断面図である。具体的には、図8は、床部材80同士の接合部を示す。
床部材80は、屋上階床となるプレキャストコンクリート造の部材であり、この床部材80の側面同士が接合されている。床部材80の側面には、ケイ酸塩81が塗布されており、床部材80の側面同士の間には、モルタル層82が形成されている。
参考例によれば、以下のような効果がある。
(7)床部材80の側面にケイ酸塩81を塗布した。ケイ酸塩は、水分と反応してゲル化することで、この水分の通り道であるクラック(ひび割れ)や空隙を閉塞して、防水性能を発揮するものである。よって、モルタル層82内の水分やモルタル層82に浸透した雨水がケイ酸塩81に触れると、このケイ酸塩81により水分の通り道が閉塞されるから、雨水が屋内に浸入するのを低コストで防止できる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述の第1〜第実施形態および第1の参考例では、2階床面2の外端部3および2階壁部材30の下面にケイ酸塩41を塗布したが、これに限らず、このようにケイ酸塩を塗布することに加えて、モルタル層42、42Aにケイ酸塩を混入してもよいし、ケイ酸塩を塗布する代わりに、モルタル層42、42Aにケイ酸塩を混入してもよい。
また、モルタル層42Aにケイ酸塩を混入する場合、モルタル層42Aの全体にケイ酸塩を混入してもよいし、モルタル層42Aを構成する第1モルタル層50のみにケイ酸塩を混入してもよいし、モルタル層42Aを構成する第2モルタル層51のみにケイ酸塩を混入してもよい。
同様に、第2の参考例では、床部材80の側面にケイ酸塩81を塗布したが、これに限らず、このようにケイ酸塩を塗布することに加えて、モルタル層82にケイ酸塩を混入してよいし、ケイ酸塩を塗布する代わりに、モルタル層82にケイ酸塩を混入してもよい。
例えば、上述の第1〜第実施形態および第1の参考例について、ケイ酸塩を塗布することに加えて、モルタル層42、42Aにケイ酸塩を混入する場合、プレキャストコンクリート部材の接合構造1を構築する手順は、図9のフローチャートのようになる。
ステップS11、S12、S14は、第1実施形態のステップS1、S2、S4と同様である。また、ステップS13では、2階床面2の外端部3の上にケイ酸塩を混入したモルタル43を盛り付ける。
また、上述の第1〜第実施形態および第1の参考例について、ケイ酸塩を塗布する代わりに、モルタル層42、42Aにケイ酸塩を混入する場合、プレキャストコンクリート部材の接合構造1を構築する手順は、図10のフローチャートのようになる。
ステップS21、S13は、第1実施形態のステップS1、S4と同様である。また、ステップS22では、2階床面2の外端部3の上にケイ酸塩を混入したモルタル43を盛り付ける。
以下、本発明の実施例について、説明する。
図11は、実験装置の構成を示す模式図である。プレキャストコンクリート部材である床版の上に、プレキャストコンクリート部材である壁版を配置し、これら床版と壁版との間にモルタル層を設けた。この状態で、床版の一端側にライナーを挟み込んで、床版および壁版を1/20の傾斜となるように傾けて、モルタル層の傾斜方向の下側(つまり屋外側)の面を水に浸した。
図12は、実験条件および実験結果を示す図である。
実施例1は、床版および壁版とモルタル層との接合面に防止剤を塗布したものであり、実施例2は、実施例1の構成に加えて、さらにモルタル層に防水剤を混入したものである。
ここで、接合面に塗布した防止剤は、ラドコン7((株)環境美建製)であり、塗布量は0.3kg/mとした。
また、モルタルに混入した防水剤は、太平洋NN(太平洋マテリアル(株)製)であり、使用量は、セメント量の2%とした。
その結果、図12に示すように、比較例では、モルタル層が湿潤状態となり、モルタル層の屋内側の面に水浸みが生じた。これに対し、実施例1、2では、モルタル層の乾燥状態を維持できており、モルタル層の屋内側の面に変化が生じなかった。したがって、実施例1、2では、防水性能を発揮できることが判った。
1、1A、1B、1C、1D…プレキャストコンクリート部材の接合構造
2…2階床面
3…外端部
4…傾斜面
5…段差
10…1階壁部材
10A…傾斜面
11…切欠き部
12…底面
13…壁面
20…2階床部材
20A…傾斜面
30…2階壁部材
40…モルタル
41…ケイ酸塩
42、42A…モルタル層
43…モルタル
50…第1モルタル層
51…第2モルタル層
52…シール材
53…境界面
60…シール材
61…バックアップ材
62…溝
70…段差上面
71…段差下面
72…段差壁面
80…床部材
81…ケイ酸塩
82…モルタル層

Claims (6)

  1. コンクリート造の床面の外端部にプレキャストコンクリート造の壁部材を接合するプレキャストコンクリート部材の接合構造であって、
    前記床面の外端部には、屋外側に向かうに従って下がる傾斜面が形成され、
    前記床面の傾斜面と前記壁部材の下面との間には、モルタル層が形成され、
    当該モルタル層は、前記傾斜面の上にのみ設けられ、
    前記床面の傾斜面および前記壁部材の下面にケイ酸塩が塗布される、および/または、前記モルタル層にケイ酸塩が混入されることを特徴とするプレキャストコンクリート部材の接合構造。
  2. 前記傾斜面の勾配は、略1/50以上であることを特徴とする請求項に記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造。
  3. 前記モルタル層は、第1モルタル層と、当該第1モルタル層の屋外側に設けられた第2モルタル層と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造。
  4. 前記床面の傾斜面と前記壁部材の下面との間には、前記モルタル層に加えて、当該モルタル層の屋外側に設けられたバックアップ材と、当該バックアップ材の屋外側に打設されたシール材と、が設けられ、
    前記床面の傾斜面のうち前記バックアップ材の直下には、外周に沿って延びる溝が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造。
  5. コンクリート造の床面の外端部に、プレキャストコンクリート造の壁部材を接合するプレキャストコンクリート部材の接合方法であって、
    前記床面の外端部には、屋外側に向かうに従って下がる傾斜面が形成されており、
    前記床面の傾斜面および前記壁部材の下面に、ケイ酸塩を塗布する工程と、
    前記床面の傾斜面の上にのみ、モルタルを盛り付ける工程と、
    前記壁部材を前記モルタルの上に載置する工程と、を備えることを特徴とするプレキャストコンクリート部材の接合方法。
  6. コンクリート造の床面の外端部に、プレキャストコンクリート造の壁部材を接合するプレキャストコンクリート部材の接合方法であって、
    前記床面の外端部には、屋外側に向かうに従って下がる傾斜面が形成されており、
    前記床面の傾斜面の上にのみ、ケイ酸塩が混入されたモルタルを盛り付ける工程と、
    前記壁部材を前記モルタルの上に載置する工程と、を備えることを特徴とするプレキャストコンクリート部材の接合方法。
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