JP6505267B1 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】最も効率の良いモータ発電機の動作を発電/駆動/停止の中から選択して、車両の燃費の向上を図る。【解決手段】MGトルク候補値ごとに、ENGトルク候補値とエンジン回転速度と燃料消費率とに基づいて、エンジンが供給するエンジン供給仕事率を算出する第1の仕事率演算部(203〜205)と、MGトルク候補値ごとに、MGトルク候補値とMGの回転速度とに基づいて、MGの電気仕事率を演算する第2の仕事率演算部(206〜208)と、エンジン供給仕事率と電気仕事率とを加算して供給仕事率を算出する第3の仕事率演算部(209)と、最小となる供給仕事率に対応するMGトルク候補値を特定してMGへの指令トルクに設定するモータ発電機指令演算部(210)とが設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、ハイブリッド車両の燃費の改善を図るためのハイブリッド車両の制御装置に関する。
従来、内燃機関(以下、エンジンと称する)とモータ発電機(以下、MGと称する)とを併用して、車両の駆動力を得るハイブリッド車両が知られている。
特許文献1は、ハイブリッド車のMGの経済的な制御方法を提案している。特許文献1は、MGの発電動作で得られる経済効果を「発電電力コスト」として、MGの駆動動作で得られる経済効果を「駆動電力コスト」として、同一単位系にて算出している。
そして、特許文献1は、単位電力量当たりの「発電電力コスト」と「駆動電力コスト」とを比較し、発電動作と駆動動作のうち、経済効果の大きい方の動作をMGに指令する。
特開2007−176270号公報
しかしながら、特許文献1では、以下のような課題がある。
特許文献1では、MGが発電しない状態から発電する状態に移行したときのエンジン燃料消費量の増量分を発電電力増量分で除算した値を、「発電電力コスト」として求めている。
また、特許文献1では、MGが駆動しない状態から駆動する状態に移行したときのエンジン燃料消費量の減量分を駆動電力増量分で除算した値を、「駆動電力コスト」として求めている。
この場合、発電電力増量分は正の値として表示され、発電状態に移行したときのエンジン燃料消費量の増量分は正の値として表示される。また、駆動電力増量分は負の値として表示され、駆動する状態に移行したときのエンジン燃料消費量の減量分は負の値として表示される。
そのため、MGで発電を行ってエンジン燃料消費量が増加した場合は、「発電電力コスト」は正の値となる。また、その値が大きい程、発電した単位電力量当たりのエンジン燃料消費量が増加していることを意味する。その結果、「発電電力コスト」は悪化したことになる。
一方、MGで駆動を行ってエンジン燃料消費量が減少した場合は、「駆動電力コスト」は正の値となる。また、その値が大きい程、駆動した単位電力当たりのエンジン燃料消費量が減少していることを意味する。その結果、「駆動電力コスト」が良化したことになる。
このように、「発電電力コスト」は値が大きい程、悪化したことになり、逆に、「駆動電力コスト」は値が大きい程、良化したことになる。従って、「発電電力コスト」と「駆動電力コスト」とは、単位電力量当たりという同一単位系で統一されているにもかかわらず、直接比較して経済効果の大きい方を決定することはできない。
そのため、「発電電力コスト」は、発電電力コスト用のしきい値と比較され、「駆動電力コスト」は、駆動電力コスト用のしきい値と比較される。特許文献1では、こうして得られた双方のしきい値での判定結果を用いて両者の比較を行うことで、経済効果の大きい方の動作を決定している。
従って、特許文献1は、経済効果の大きい方の動作を決定する際に、異なるしきい値による比較結果を用いており、電力コスト同士を直接比較しているわけではない。換言すると、特許文献1は、必ずしも経済効果が最大のMGの動作が選択できているとは限らないという課題があった。
さらに、MGが発電も駆動も実施していない停止状態においては、発電電力増量分および駆動電力増量分が共にゼロである。この場合には、「発電電力コスト」および「駆動電力コスト」を算出する際の除算における分母がゼロとなる。そのため、MGが停止状態の場合には、これらの電力コストを算出することができない。従って、たとえ、MGが停止状態の場合の電力コストが最良である場合においても、電力コストが算出できないことに起因して、「MGを停止」という状態を選択することができないという課題があった。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、従来技術よりも車両の燃費向上を実現できるような、モータ発電機の動作選択を行うハイブリッド車両の制御装置を得ることを目的とするものである。
本発明は、動力を発生させるエンジンと、前記エンジンとの間で動力を授受するモータ発電機と、前記モータ発電機に接続され、電力を充放電するバッテリとを備えたハイブリッド車両の制御を行うハイブリッド車両の制御装置であって、前記車両の走行に必要な伝動軸トルクを演算する伝動軸トルク演算部と、前記モータ発電機への指令トルクの候補値であるモータ発電機トルク候補値を複数個設定するとともに、前記伝動軸トルクに基づいて各前記モータ発電機トルク候補値に対応するエンジントルク候補値を演算するモータ発電機指令候補値演算部と、複数個設定された前記モータ発電機トルク候補値のそれぞれについて、前記エンジントルク候補値とエンジン回転速度とエンジン燃料消費率とに基づいて、前記エンジンが供給するエンジン供給仕事率を算出する第1の仕事率演算部と、複数個設定された前記モータ発電機トルク候補値のそれぞれについて、前記モータ発電機トルク候補値と前記モータ発電機の回転速度とに基づいて、前記モータ発電機の電気仕事率を演算する第2の仕事率演算部と、複数個設定された前記モータ発電機トルク候補値のそれぞれに対応して、前記第1の仕事率演算部で演算された前記エンジン供給仕事率と、前記第2の仕事率演算部で演算された前記電気仕事率とを加算して、前記車両の伝動軸に供給される供給仕事率を算出する第3の仕事率演算部と、前記第3の仕事率演算部で演算された複数の供給仕事率のうちの最小の供給仕事率に対応するモータ発電機トルク候補値を、複数個設定された前記モータ発電機トルク候補値の中から特定して、特定した前記モータ発電機トルク候補値を、前記モータ発電機への指令トルクに設定する、モータ発電機指令演算部とを備え、現在の車両状態は、前記伝動軸トルクと、前記エンジン回転速度と、前記モータ発電機の回転速度と、前記エンジン回転速度に基づいて決定されるエンジン最大トルクと、前記エンジン回転速度に基づいて決定されるエンジン最良燃費率トルクと、前記モータ発電機の回転速度に基づいて決定される発電効率最良点トルクと、前記モータ発電機の回転速度に基づいて決定される駆動効率最良点トルクとを含み、前記モータ発電機指令候補値演算部は、前記現在の車両状態に基づいて、前記モータ発電機トルク候補値に対する上限値と下限値とを決定し、前記上限値と前記下限値との間の範囲内で前記モータ発電機トルク候補値を複数個設定するものであって、前記伝動軸トルクと、前記エンジン回転速度と、前記モータ発電機の回転速度とに基づいて、前記モータ発電機トルク候補値に対する前記上限値と前記下限値とを決定し、前記上限値と前記下限値との間の範囲内で前記モータ発電機トルク候補値を複数個設定し、前記伝動軸トルクが前記エンジン最良燃費率トルクより大きい場合に、前記伝動軸トルクと、前記エンジン最良燃費率トルクと、前記駆動効率最良点トルクとに基づいて、前記上限値を決定し、前記伝動軸トルクと、前記エンジン最大トルクと、前記発電効率最良点トルクとに基づいて、前記下限値を決定し、前記伝動軸トルクが前記エンジン最良燃費率トルク以下の場合に、前記エンジン最大トルクと、前記伝動軸トルクと、前記駆動効率最良点トルクとに基づいて、前記上限値を決定し、前記伝動軸トルクと、前記エンジン最良燃費率トルクと、前記発電効率最良点トルクとに基づいて、前記下限値を決定する、ハイブリッド車両の制御装置である。
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置は、モータ発電機への指令トルクの候補値を複数個設定し、各候補値に対してエンジン供給仕事率とモータ発電機の電気仕事率とを算出し、その合計となる車両駆動に必要なトータルの伝動軸供給仕事率が最小となる候補値を選択する構成を備えている。この結果、従来技術よりも車両の燃費向上を実現できるような、モータ発電機の動作選択を行うハイブリッド車両の制御装置を得ることができる。
この発明の実施の形態1におけるハイブリッド車両のシステム構成図である。 この発明の実施の形態1におけるハイブリッド車両の制御装置を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1におけるハイブリッド車両の制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態1におけるハイブリッド車両の制御装置の動作を説明するための図である。 この発明の実施の形態1におけるエンジンの特性図である。 この発明の実施の形態1におけるMGの特性図である。 この発明の実施の形態1におけるハイブリッド車両の制御装置の動作を説明するための図である。 この発明の実施の形態2におけるハイブリッド車両の制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
以下、図面を用いて、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るハイブリッド車両の制御装置が搭載されるハイブリッド車両のシステム構成を示した構成図である。
図1において、エンジン101とMG102とは共にプーリ(図示せず)を有している。エンジン101とMG102とは、それらのプーリを介してベルト103を用いて動力を互いに授受している。エンジン101とMG102とは、エンジン101のプーリとMG102のプーリとの回転比率(以下、プーリ比と称する)で同期して回転する。
トランスミッション104は、有段変速機または無段変速機を備えて構成されている。トランスミッション104は、走行状況に応じた変速比で、エンジン101からの動力をプロペラシャフト107に伝達する。
バッテリ105は、MG102に接続されている。バッテリ105は、MG102に駆動電力を供給するとともに、MG102の発電電力を充電する。
差動装置108は、プロペラシャフト107を介して、トランスミッション104に接続されている。また、差動装置108は、ドライブシャフト110を介して、左右のタイヤ109に接続されている。差動装置108は、プロペラシャフト107からの動力を、ドライブシャフト110を介して、左右のタイヤ109に分配する。
コントローラ106は、マイクロプロセッサと周辺回路とを備えて構成されている。マイクロプロセッサは、演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび固定値データを記憶するROM(Read Only Memory)と、格納するデータを更新して順次書き換えるRAM(Random Access Memory)とを備えて構成されている。
コントローラ106は、エンジン101に装着されているクランク角センサ(図示せず)、吸入空気量センサ(図示せず)、エンジン101以外に装着されているアクセル開度センサ(図示せず)、車速センサ(図示せず)等の各種センサ(図示せず)からの情報に基づいて、スロットルアクチュエータ(図示せず)、点火コイル(図示せず)、インジェクタ(図示せず)などの各種アクチュエータ(図示せず)に対して指令信号を送信して、エンジン101の駆動力を制御する。
また、コントローラ106は、MG102に指令すべき状態を決定して、MG102を制御する。コントローラ106からMG102への制御指令は、トルク値からなるトルク指令で伝達される。具体的には、コントローラ106は、トルク指令のトルク値が正の場合はMG102を駆動させ、トルク指令のトルク値が負の場合はMG102を発電させ、トルク指令のトルク値がゼロの場合はMG102を停止させる。
また、コントローラ106には、MG102からバッテリ105に充電される電流値、および、バッテリ105から放電される電流値の情報が入力される。バッテリ105から放電される電流は、MG102の駆動および他の電気負荷(図示せず)の駆動に使用される。コントローラ106は、それらの電流値の推移に基づいて、バッテリ105の充電状態(以下、Soc(State of charge)と称する)を演算する。なお、実施の形態1では、充放電を行う蓄電装置としてバッテリ105を例に挙げているが、充放電を行うことができる機器であれば、他の蓄電装置を用いるようにしてもよい。
また、コントローラ106は、トランスミッション104のギヤ段もしくは変速比を決定して、トランスミッション104を制御する。
なお、上記の説明においては、1つのコントローラ106が、エンジン101、MG102、トランスミッション104を制御するものとしたが、その場合に限定されない。すなわち、エンジン101を制御するエンジンコントローラと、MG102を制御するMGコントローラと、トランスミッション104を制御するトランスミッションコントローラとをそれぞれ個別に設けるようにしてもよい。その場合には、それらのコントローラが、通信信号で互いに情報伝達を行うようにしてもよい。あるいは、いずれかのコントローラが、各コントローラ間の調停を行う役目を担うようにしてもよい。あるいは、各コントローラを統合制御するための更なる別のコントローラを別体で設けるようにしてもよい。
図2は、実施の形態1に係るハイブリッド車両の制御装置を示すブロック図である。図2の各部は、コントローラ106内のCPUで実行されるプログラムの処理機能に対応している。
図2において、伝動軸トルク演算部201は、各種センサからの車両情報を読み込む。車両情報とは、エンジン101、MG102、および、バッテリ105に関する情報である。車両情報については後述する。また、伝動軸トルク演算部201は、車両情報のうちのアクセル開度とエンジン回転速度とに基づいて、車両の走行に必要なトルク、すなわち、運転者が要求する伝動軸トルクを演算する。
なお、本実施の形態1では、エンジン101とMG102との間は、ベルト103を介して動力伝達するため、伝動軸はクランク軸となる。あるいは、MG102が、エンジン101のクランク軸後端のトランスミッション104とエンジン101との間に搭載される場合には、エンジン101のトルク(以下、ENGトルクと称する)とMG102のトルク(以下、MGトルクと称する)とを合成して動力伝達する軸が、伝動軸となる。
MG指令候補値演算部202は、MG102に対するトルク指令値の候補値を、MGトルク候補値として、複数個設定する。MG指令候補値演算部202は、現在の車両状態に応じて決定される上限と下限の範囲内で、MGトルクの候補値を複数個設定する。実施の形態1では、現在の車両状態として、例えばSocを用いる場合について説明する。この場合、MG指令候補値演算部202は、Socに応じて決定される上限と下限の範囲内で、MGトルクの候補値を一定値ずつ減少させた一定間隔で複数個設定する。また、MG指令候補値演算部202は、各MGトルク候補値に対応するENGトルクの候補値(以下、ENGトルク候補値と称する)を、伝動軸トルク演算部201が算出した伝動軸トルクに基づいて算出する。MGトルク候補値の設定方法およびENGトルク候補値の算出方法の詳細については後述する。
エンジン要求仕事率演算部203は、MG指令候補値演算部202によって設定されたそれぞれのMGトルク候補値ごとに、ENGトルク候補値およびエンジン回転速度に基づいて、エンジン101の要求仕事率を、エンジン要求仕事率(以下、エンジン要求仕事率と称する)として演算する。エンジン要求仕事率とは、エンジン101に対して要求する仕事率である。エンジン要求仕事率の演算方法の詳細については後述する。
燃料消費率演算部204は、MG指令候補値演算部202によって設定されたそれぞれのMGトルク候補値ごとに、ENGトルク候補値およびエンジン回転速度に基づいて、エンジン101が消費するエンジン燃料消費率を演算する。演算方法の詳細については後述する。
エンジン供給仕事率演算部205は、MG指令候補値演算部202によって設定されたそれぞれのMGトルク候補値ごとに、エンジン要求仕事率演算部203が算出したエンジン要求仕事率と、燃料消費率演算部204が算出したエンジン燃料消費率とに基づいて、エンジン101がエンジン要求仕事率を発生するのに必要となるエンジン供給仕事率を演算する。演算方法の詳細については後述する。
ここで、エンジン要求仕事率演算部203、燃料消費率演算部204、および、エンジン供給仕事率演算部205は、複数個設定されたMGトルク候補値のそれぞれについて、ENGトルク候補値とエンジン回転速度とエンジン燃料消費率とに基づいて、エンジン101が供給するエンジン供給仕事率を算出する第1の仕事率演算部を構成している。
MG機械仕事率演算部206は、MG指令候補値演算部202が設定した各MGトルク候補値ごとに、MG102の回転速度およびMGトルク候補値の値に基づいて、MG102のMG機械仕事率を演算する。MG102のMG機械仕事率とは、MG102に対して要求する機械仕事率である。MG102のMG機械仕事率の演算方法の詳細については後述する。
MG効率演算部207は、MG指令候補値演算部202が設定した各MGトルク候補値ごとに、MG102の回転速度およびMGトルク候補値の値に基づいて、MG102の発電動作または駆動動作の動作効率を示すMG効率を演算する。MG効率の演算方法の詳細については後述する。
MG電気仕事率演算部208は、MG指令候補値演算部202が設定した各MGトルク候補値ごとに、MG機械仕事率演算部206で算出したMG機械仕事率と、MG効率演算部207で算出したMG効率とに基づいて、MG102がMG機械仕事率を発生するのに必要なMG102のMG電気仕事率を演算する。演算方法の詳細については後述する。
ここで、MG機械仕事率演算部206、MG効率演算部207、および、MG電気仕事率演算部208は、複数個設定されたMGトルク候補値のそれぞれについて、MGトルク候補値とMG102の回転速度とに基づいて、MG102の電気仕事率を演算する第2の仕事率演算部を構成している。
伝動軸供給仕事率演算部209は、MG指令候補値演算部202が設定した各MGトルク候補値ごとに、エンジン供給仕事率演算部205が算出したエンジン供給仕事率と、MG電気仕事率演算部208が算出したMG電気仕事率とを加算して、それらの合計値である伝動軸供給仕事率を演算する。
ここで、伝動軸供給仕事率演算部209は、複数個設定されたMGトルク候補値のそれぞれに対応して、第1の仕事率演算部で演算されたエンジン供給仕事率と、第2の仕事率演算部で演算された電気仕事率とを加算して、車両の伝動軸に供給される供給仕事率を算出する第3の仕事率演算部を構成している。
MG指令演算部210は、伝動軸供給仕事率演算部209が各MGトルク候補値ごとに算出した伝動軸供給仕事率の中から、最も小さい伝動軸供給仕事率を選択する。また、MG指令演算部210は、選択した伝動軸供給仕事率に対応するMGトルク候補値を特定する。そして、MG指令演算部210は、特定した当該MGトルク候補値を、コントローラ106からMG102へ出力するトルク指令のトルク値に決定する。
図3は、図2に示したコントローラ106の各部の動作の流れをフローチャートで示したものである。図3のフローチャートの処理は、予め設定された時刻もしくは予め設定された周期毎に、コントローラ106によって実行される。
以下に、図2の各部と図3の各ステップとの対応関係について示す。
図3のステップS301は、図2の伝動軸トルク演算部201が実行する。
図3のステップS302〜ステップS305、および、ステップS313〜ステップS314は、図2のMG指令候補値演算部202が実行する。
図3のステップS306は、図2のエンジン要求仕事率演算部203が実行する。
図3のステップS307は、図2の燃料消費率演算部204が実行する。
図3のステップS308は、図2のエンジン供給仕事率演算部205が実行する。
図3のステップS309は、図2のMG機械仕事率演算部206が実行する。
図3のステップS310は、図2のMG効率演算部207が実行する。
図3のステップS311は、図2のMG電気仕事率演算部208が実行する。
図3のステップS312は、図2の伝動軸供給仕事率演算部209が実行する。
図3のステップS315は、図2のMG指令演算部210が実行する。
図3において、まず、ステップS301で、伝動軸トルク演算部201が車両情報を読み込む。車両情報とは、上述したように、エンジン101、MG102、および、バッテリ105等に関する情報である。具体的には、エンジン101に関する情報は、エンジン回転速度である。MG102に関する情報は、MG回転速度である。バッテリ105に関する情報は、Socである。Socは、満充電時のバッテリ容量に対する、現時点の充電量の比率[%]である。従って、Socの値が大きい程、バッテリ105の充電量が満たされていることを示す。エンジン101以外に関する情報として、アクセル開度がある。
さらに、ステップS301では、伝動軸トルク演算部201が、アクセル開度とエンジン回転速度とに基づいて、車両の走行に必要なトルク、すなわち、運転者が要求する伝動軸トルクを演算する。
当該伝動軸トルクは、運転者が要求する車速及び加速度で、車両を走行させるのに必要な伝動軸のトルクである。伝動軸については、上述したように、例えば、クランク軸である。伝動軸トルク演算部201は、例えば、伝動軸トルク演算マップ(図示せず)を用いて、伝動軸トルクを演算する。伝動軸トルク演算マップには、アクセル開度の値およびエンジン回転速度の値ごとに、伝動軸トルクの値が予め記憶されている。伝動軸トルク演算マップは、予めROMに格納されている。伝動軸トルク演算部201は、アクセル開度とエンジン回転速度とに基づいて、伝動軸トルク演算マップから、対応する伝動軸トルクの値を取得する。なお、当該伝動軸トルクは、後述のステップS305で用いられる。
ステップS302では、MG指令候補値演算部202が、MGトルク候補値を設定する際のMGトルク範囲の上限値である駆動上限トルクを下式(1)で演算する。
Tmg_up =Tmg_assiup[Soc] (1)
ここで、Tmg_up:駆動上限トルク[Nm]、
Tmg_assiup:駆動上限トルク[Nm]、
Soc:バッテリ充電状態[%]
である。
上式(1)の駆動上限トルクの演算方法としては、例えば、図4に示すMGトルク候補設定マップを用いて求める。図4において、実線40は、駆動上限トルクの値の一例を示す。また、図4において、横軸はSocを示し、縦軸はMGトルクを示す。MGトルク候補設定マップには、図4の実線40で示されるように、Socの値ごとに駆動上限トルクの値が予め定められて記憶されている。MG指令候補値演算部202は、図4のMGトルク候補設定マップを予めROMに記憶しておき、Socの値に応じて、MGトルク候補設定マップから駆動上限トルクの値を求める。
ステップS303では、MG指令候補値演算部202が、MGトルク候補値を設定する際のMGトルク範囲の下限値である発電下限トルクを下式(2)で演算する。
Tmg_lo =Tmg_genlo[Soc] (2)
ここで、Tmg_lo:発電下限トルク[Nm]、
Tmg_genlo:発電下限トルク[Nm]、
Soc:バッテリ充電状態[%]
である。
上式(2)の発電下限トルクの演算方法としては、例えば、図4に示すMGトルク候補設定マップを用いて求める。図4において、破線41は、発電下限トルクの値の一例を示す。MGトルク候補設定マップには、図4の破線41で示されるように、Socの値ごとに、発電下限トルクの値が予め定められて記憶されている。MG指令候補値演算部202は、予めROMに記憶された当該MGトルク候補設定マップから、Socの値に応じて、発電下限トルクの値を求める。
このように、図4のMGトルク候補設定マップにおいて、駆動上限トルクの値と発電下限トルクの値とは、共に、Socの値に応じて設定されている。当該設定は、Socが小さい、すなわち、バッテリ105の充電状態が不十分のときには、MG102を発電させてSocを回復させることを優先する設定である。一方、Socが大きい、すなわち、バッテリ105の充電状態に余裕があるときには、MG102を積極的に駆動させてエンジン101をMG102でアシストして燃料消費量を低減させることを優先する設定である。
MG指令候補値演算部202は、Socの値ごとに、発電下限トルク以上、且つ、駆動上限トルク以下の範囲内で、MGトルク候補値を複数個設定する。MG指令候補値演算部202は、駆動上限トルクの値をMGトルク候補値の最大値に設定する。次に、MG指令候補値演算部202は、2番目に大きいMGトルク候補値として、当該最大値から一定値を減算した値を求める。このようにして、MG指令候補値演算部202は、一定値ずつ減少させていった値を、MGトルク候補値として順次設定する。ただし、MGトルク候補値の最小値は、発電下限トルク以上となるように設定する。ここでは、当該一定値を、予め設定した固定値とする。また、当該一定値を、図3のステップS313に示すように、以下では、「MGトルク減算値」と呼ぶこととする。MGトルク減算値は、予めROMに記憶されている。
ステップS304で、MG指令候補値演算部202が、下式(3)に示すように、MGトルク候補値(Tmg_c)の初期値として、MGトルク候補値(Tmg_c)に、MGトルク候補値の最大値である駆動上限トルク(Tmg_up)を設定する。
Tmg_c=Tmg_up (3)
ここで、Tmg_c:MGトルク候補値[Nm]、
Tmg_up:駆動上限トルク[Nm]
である。
ステップS305では、MG指令候補値演算部202が、ステップS304で設定したMGトルク候補値(Tmg_c)に対応するENGトルク候補値(Teng_c)を、ステップS301で求めた伝動軸トルク(Tcrank)に基づいて、下式(4)で演算する。すなわち、ENGトルク候補値(Teng_c)は、伝動軸トルク(Tcrank)からMGトルク候補値(Tmg_c)を減算した値である。
Teng_c=Tcrank[APS,Neng]−Tmg_c (4)
ここで、Teng_c:ENGトルク候補値[Nm]、
Tcrank:伝動軸トルク[Nm]、
Tmg_c:MGトルク候補値[Nm]、
APS:アクセル開度[%]、
Neng:エンジン回転速度[r/min]
である。
ステップS306では、エンジン要求仕事率演算部203が、ステップS301で読み込まれたエンジン回転速度と、ステップS305で演算されたENGトルク候補値とに基づいて、エンジン要求仕事率(Peng_d)を下式(5)で演算する。
Peng_d[Tmg_c]=Neng×2π/60×Teng_c/1000 (5)
ここで、Peng_d:エンジン要求仕事率[kW]、
Tmg_c:MGトルク候補値[Nm]、
Neng:エンジン回転速度[r/min]、
Teng_c:ENGトルク候補値[Nm]
である。
ステップS306で演算されたエンジン要求仕事率(Peng_d)は、配列定義され、MGトルク候補値(Tmg_c)を添え字として、MGトルク候補値に見合う配列位置に演算結果が格納される。
ステップS307では、燃料消費率演算部204が、エンジン回転速度の値およびENGトルク候補値に基づいて、エンジン燃料消費率(Feng)を、下式(6)で演算する。
Feng[Tmg_c]=FEmap[Neng,Teng_c] (6)
ここで、Feng:エンジン燃料消費率[g/kW・h]、
FEmap:燃料消費率[g/kW・h]、
Neng:エンジン回転速度[r/min]、
Teng_c:ENGトルク候補値[Nm]
である。
上式(6)のエンジン燃料消費率の演算方法としては、例えば、図5に示す燃料消費率マップを用いて求める。図5において、横軸はエンジン回転速度、縦軸はENGトルク候補値を示す。また、図5において、実線50はエンジン燃料消費率の値を示す。燃料消費率マップは、エンジン回転速度の値およびENGトルク候補値ごとに、エンジン燃料消費率の値を予め記憶している。燃料消費率マップは、ROMに予め格納されている。燃料消費率マップにおけるエンジン燃料消費率の値をグラフ化すると、図5の実線50で示されるように、等高線によって表される。
図5の見方については、図6と共に後述するため、ここでは、簡単に説明する。図5において、太破線51は最良燃費率トルクを示し、点線52は等仕事率線を示す。また、符号(1)〜(6)は、エンジン回転速度が或る値の時のエンジン燃料消費率の各ポイントを示す。ポイント(1)は、MG102が発電状態の場合を示し、ポイント(2)は、MG102が停止状態の場合を示し、ポイント(3)〜(6)は、MG102が駆動状態の場合を示す。ポイント(1)〜(6)で示されるように、同じエンジン回転速度においては、MG102が負担する駆動トルクが大きい程、ENGトルクが減少することがわかる。
このように、燃料消費率演算部204は、エンジン回転速度の値およびENGトルク候補値に対応するエンジン燃料消費率の値を、図5の燃料消費率マップから取得する。
こうしてステップS307で演算されたエンジン燃料消費率(Feng)は、配列定義され、MGトルク候補値(Tmg_c)を添え字として、MGトルク候補値に見合う配列位置に演算結果が格納される。
ステップS308では、エンジン供給仕事率演算部205が、ステップS306で演算されたエンジン要求仕事率Peng_dと、ステップS307で演算されたエンジン燃料消費率Fengと、ガソリンの低位発熱量とに基づいて、エンジン供給仕事率(Peng_s)を下式(7)で演算する。
Peng_s[Tmg_c]=Peng_d[Tmg_c]×Feng[Tmg_c]
×Cfuel/3600 (7)
ここで、Peng_s:エンジン供給仕事率[kW]、
Peng_d:エンジン要求仕事率[kW]、
Feng:エンジン燃料消費率[g/kW・h]、
Cfuel:ガソリンの低位発熱量[kJ/g]、
Tmg_c:MGトルク候補値[Nm]
である。
なお、ガソリンの低位発熱量は、一般的に、44[kJ/g]と言われており、本実施の形態1では、その値を予めROMに記憶しておくこととする。
ステップS308で演算されたエンジン供給仕事率(Peng_s)は、配列定義され、MGトルク候補値(Tmg_c)を添え字として、MGトルク候補値に見合う配列位置に演算結果が格納される。
ステップS309では、MG機械仕事率演算部206が、MG回転速度と、MGトルク候補値とに基づいて、MG機械仕事率(Pmg_m)を下式(8)で演算する。
Pmg_m[Tmg_c]=Nmg×2π/60×Tmg_c/1000 (8)
ここで、Pmg_m:MG機械仕事率[kW]、
Nmg:MG回転速度[r/min]
Tmg_c:MGトルク候補値[Nm]
である。
MG機械仕事率(Pmg_m)は、配列定義されており、MGトルク候補値(Tmg_c)を添え字として、MGトルク候補値に見合う配列位置に演算結果が格納される。
ステップS310では、MG効率演算部207が、MG回転速度の値とMGトルク候補値とに基づいて、MG効率を下式(9)で演算する。
EFFmg[Tmg_c]=EFFmap[Nmg,Tmg_c] (9)
ここで、EFFmg:MG効率、
EFFmap:MG効率、
Nmg:MG回転速度[r/min]、
Tmg_c:MGトルク候補値[Nm]
である。
上式(9)のMG効率の演算方法としては、例えば、図6に示すMG効率マップを用いて求める。図6において、横軸はMG回転速度、縦軸はMGトルク候補値を示す。また、図6において、実線60はMG効率の値を示す。図6に示すように、MG効率マップは、MG回転速度の値とMGトルク候補値とに対応するMG効率の値を予め記憶している。MG効率マップは、ROMに予め格納されている。MG効率マップにおけるMG効率の値をグラフ化すると、図6の実線60で示されるように、等高線によって表される。
図6の見方については、図5と共に後述するため、ここでは、簡単に説明する。図6において、太一点鎖線61は駆動効率最良点トルクを示し、太二点鎖線62は発電効率最良点トルクを示す。また、符号(1)〜(6)は、MG回転速度が或る値の時のMG効率の各ポイントを示す。ポイント(1)は、MG102が発電状態の場合を示し、ポイント(2)は、MG102が停止状態の場合を示し、ポイント(3)〜(6)は、MG102が駆動状態の場合を示す。図6のポイント(1)〜(6)は、図5のポイント(1)〜(6)にそれぞれ対応している。
こうしてステップS310で演算されるMG効率(EFFmg)は、配列定義されており、MGトルク候補値(Tmg_c)を添え字として、MGトルク候補値に見合う配列位置に演算結果が格納される。
ステップS311では、MG電気仕事率演算部208が、ステップS309で演算されたMG機械仕事率(Pmg_m)と、ステップS310で演算されたMG効率(EFFmg)とに基づいて、MG電気仕事率(Pmg_e)を、下式(10A)または(10B)で演算する。
MG102を駆動または停止させる(Tmg_c≧0)場合、下式(10A)で演算する。
Pmg_e[Tmg_c]=Pmg_m[Tmg_c]/EFFmg[Tmg_c]
(10A)
一方、MG102で発電する(Tmg_c<0)場合、下式(10B)で演算する。
Pmg_e[Tmg_c]=Pmg_m[Tmg_c]×EFFmg[Tmg_c]
(10B)
ここで、Pmg_e:MG電気仕事率[kW]、
Pmg_m:MG機械仕事率[kW]、
EFFmg:MG効率、
Tmg_c:MGトルク候補値[Nm]
である。
上式(10A)と上式(10B)との差異について説明する。
MG効率は、MG駆動時は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換して駆動するときの動作効率であるため、MG電気仕事率演算部208は、上式(10A)に示すように、MG機械仕事率をMG効率で除算することで、MG機械仕事率をMG電気仕事率に変換する。なお、MG停止時についても、MG駆動時と同様に、MG電気仕事率演算部208は、上式(10A)を用いてMG電気仕事率を演算する。MG効率は0の値をとらないため、MG停止時についても、MG電気仕事率を演算することができる。
一方、MG発電時は、MG効率は、機械エネルギーを電気エネルギーに変換して発電するときの動作効率であるため、MG電気仕事率演算部208は、上式(10B)に示すように、MG機械仕事率にMG効率を乗算することで、MG機械仕事率をMG電気仕事率に変換する。
ステップS311では、MG電気仕事率演算部208が、このように、MGトルク候補値が同一値の配列位置におけるMG機械仕事率とMG効率とを用いて、上式(10A)または上式(10B)により、MG電気仕事率を演算する。
ステップS311で演算されるMG電気仕事率(Pmg_e)は、配列定義されており、MGトルク候補値(Tmg_c)を添え字として、MGトルク候補値に見合う配列位置に演算結果が格納される。
ステップS312では、伝動軸供給仕事率演算部209が、ステップS308で演算したエンジン供給仕事率(Peng_s)と、ステップS311で演算したMG電気仕事率(Pmg_e)とを加算して、伝動軸供給仕事率を下式(11)で演算する。
Pcrank_s[Tmg_c]=Peng_s[Tmg_c]+Pmg_e[Tmg_c]
(11)
ここで、Pcrank_s:伝動軸供給仕事率[kW]、
Peng_s:エンジン供給仕事率[kW]、
Pmg_e:MG電気仕事率[kW]、
Tmg_c:MGトルク候補値[Nm]
である。
伝動軸供給仕事率は、エンジン101が供給するエンジン供給仕事率とMG102が供給するMG電気仕事率とのトータルの仕事率である。
ステップS312で演算される伝動軸供給仕事率(Pcrank_s)は、配列定義されており、MGトルク候補値(Tmg_c)を添え字として、MGトルク候補値に見合う配列位置に演算結果が格納される。
ステップS313では、MG指令候補値演算部202が、下式(12)に示すように、MGトルク候補値を更新する。すなわち、MG指令候補値演算部202は、現在のMGトルク候補値から、予め設定されたMGトルク減算値を減算して得られた値を、新たなMGトルク候補値とする。
Tmg_c =Tmg_c−Tmg_sub (12)
ここで、Tmg_c:MGトルク候補値[Nm]、
Tmg_sub:MGトルク減算値[Nm]
である。
なお、MGトルク減算値は、上述したように、伝動軸供給仕事率を複数個演算するためのMGトルク候補値およびENGトルク候補値を変更する刻みであり、予めROMに記憶されている。
ステップS314では、MG指令候補値演算部202が、更新後の新たなMGトルク候補値(Tmg_c)が、発電下限トルク(Tmg_lo)以上であるかを判定し、MGトルク候補値が発電下限トルク以上である場合は、ステップS305に戻り、ステップS305からステップS313までの演算を行う。このようにして、MG指令候補値演算部202は、MGトルク候補値が発電下限トルク未満になるまで、MGトルク候補値を繰り返し更新して、ステップS305からステップS313までの演算を行う。これにより、駆動上限トルクから発電下限トルクまでの範囲で、MGトルク減算値ごとの刻みで、各MGトルク候補値ごとに、伝動軸供給仕事率を演算することができる。
なお、ステップS314で、MGトルク候補値が発電下限トルク未満の場合は、ステップS315に進む。
ステップS315では、MG指令演算部210が、MGトルクを決定する。具体的には、MG指令演算部210は、駆動上限トルクから発電下限トルクまでの間の各MGトルク候補値ごとに求めた伝動軸供給仕事率の中から、最も小さい値の伝動軸供給仕事率を求める。そして、MG指令演算部210は、当該伝動軸供給仕事率に対応するMGトルク候補値を特定し、当該MGトルク候補値を、MG102を制御するための制御指令としてのMGトルクに設定する。
また、MGトルクが決定すると、必然的にENGトルクも決定するため、決定したENGトルクになるように、MG指令演算部210は、スロットルアクチュエータを介して、スロットル開度を制御して、吸入空気量を調整する。
図3のフローチャートの演算過程と結果とを、図5、図6、及び、図7を用いて説明する。
図5は、上述したように、燃料消費率マップの一例を示しており、エンジンの燃料消費率の特性を示している。図6は、上述したように、MG効率マップであり、MG102の発電効率および駆動効率の特性を示している。
MG102を停止している状態では、上述したように、MGトルクは図6の(2)のトルク(MGトルク=0)となる。MG102が停止した状態では、ENGトルクは伝動軸トルクと同一値であり、図5の(2)のトルクが伝動軸トルクでありENGトルクである。
MG102が発電している状態の場合は、MGトルクは図6の(1)のトルクとなる。ENGトルクは、伝動軸トルクからMGトルクを減算した値となり、図5の(1)のトルクとなる。なお、図6において、MGトルクは、発電時はマイナス、駆動時はプラス表記としている。
MG102が駆動している状態の場合は、MGトルクは図6の(3)〜(6)のトルクとなる。ENGトルクは伝動軸トルクからMGトルクを減算した値となるので、MGトルクが図6の(3)〜(6)の場合は、ENGトルクは、それぞれ、図5の(3)〜(6)となる。図5と図6とは、それぞれ同じMGトルクおよびENGトルクの場合を示し、図5の(1)〜(6)は、それぞれ、図6の(1)〜(6)に対応している。
なお、MG102が負担する駆動トルクが大きい程、図5に示すように、(3)から(4)、(4)から(5)、(5)から(6)へとENGトルクは減少し、一方、MGトルクは、図6に示すように、(3)から(4)、(4)から(5)、(5)から(6)へと増加する。
図7は、図5の燃料消費率のポイント(1)〜(6)のENGトルク候補値と、図6のMG効率のポイント(1)〜(6)のMGトルク候補値とを用いて演算した伝動軸供給仕事率である。図7の(1)〜(6)は、それぞれ、図5の(1)〜(6)および図6の(1)〜(6)に対応している。
図7では、ポイント(5)におけるENGトルク候補値とMGトルク候補値との分担で運転する場合が最も伝動軸供給仕事率が小さい。すなわち、ポイント(5)の伝動軸トルクを得るための供給エネルギーが最小であることを意味している。従って、ポイント(5)の場合が、最も効率が良いENGトルクとMGトルクとの配分となる。そのため、コントローラ106は、ポイント(5)のMGトルクでMG102を駆動する。
なお、図7において、ポイント(1)はMGトルクが発電下限トルクの場合を示し、ポイント(6)はMGトルクが駆動上限トルクの場合を示している。また、ポイント(1)と(2)、ポイント(2)と(3)、ポイント(3)と(4)、ポイント(4)と(5)、ポイント(5)と(6)の刻みが、MGトルク減算値である。
実施の形態1では、図1に示すハイブリッド車両の構成として、エンジン101とMG102とがプーリを介してベルト103で回転速度およびトルクを伝達しているため、プーリの回転比率分、エンジン101とMG102の回転速度及びトルクは異なる。しかしながら、実施の形態1では、予めMG102の回転速度およびトルクは、エンジン101のクランク軸相当の回転速度およびトルクに変換しており、図6のMG特性図の回転速度およびトルクはクランク軸相当の値に変換してある。
以上のように、本発明の実施の形態1によれば、MG102への指令となるMGトルクの候補値は、図4に示す、発電下限トルク以上、駆動上限トルク以下の範囲内で、複数個設定される。そして、MGトルク候補値ごとに、エンジン101の仕事率とMG102の仕事率とが算出される。また、それらの仕事率の合計となるトータル仕事率としての伝動軸供給仕事率が求められ、それが最小となるMGトルク候補値が特定される。特定したMGトルク候補値をMG102への指令値として、MG102が駆動または発電または停止される。これにより、最も効率よくエンジン101とMG102とを運転できるため、車両の燃費を向上させることが可能となる。
さらに、本発明の実施の形態1によれば、バッテリ105の充電状態を示すSocに応じて、MGトルク候補値の設定範囲を変更するようにした。これにより、バッテリ105の充電状態が十分である場合には、バッテリ105の電力を使用してMG102を駆動することで、エンジン101の燃料消費量が低減される。一方、バッテリ105の充電状態が不十分である場合には、MG102をエンジン101の動力により発電させることにより、バッテリ105を充電させる。その結果、バッテリ105の充放電収支バランスを確保し、且つ、車両の燃費を向上させることが可能となる。
実施の形態2.
図8は、本発明の実施の形態2に係るハイブリッド車両の制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
上記の実施の形態1では、図3のフローチャートに従って、MG102の効率が最良となるMGトルクを決定したが、本実施の形態2では、図8のフローチャートに従って決定する。
すなわち、上記の実施の形態1においては、図3に示すように、MG指令候補値演算部202が、現在の車両状態としてSocを用いて、Socに基づいて、MGトルク候補値の上限と下限を決定していたが、本実施の形態2では、現在の車両状態として、伝動軸トルクと、エンジン回転速度と、モータ発電機の回転速度とを用いる。従って、本実施の形態2では、MG指令候補値演算部202が、伝動軸トルクと、エンジン回転速度と、モータ発電機の回転速度とに基づいて、モータ発電機トルク候補値に対する上限値と下限値とを決定し、上限値と下限値との間の範囲内でMG候補値を複数個設定する。
さらに具体的に言えば、本実施の形態2では、現在の車両状態として、図8に示すように、例えば、伝動軸トルクと、エンジン回転速度に基づいて決定されるエンジン最大トルクと、エンジン回転速度に基づいて決定されるエンジン最良燃費率トルクと、モータ発電機の回転速度に基づいて決定される発電効率最良点トルクと、モータ発電機の回転速度に基づいて決定される駆動効率最良点トルクとを用いる。
なお、本実施の形態2において、ハイブリッド車両のシステム構成については、上記の図1と基本的に同じであり、コントローラ106の構成については、上記の図2と同じである。従って、各構成については、図1および図2を参照することとして、ここでは、その説明を省略する。
以下、図8のフローチャートを用いて、本実施の形態2について説明する。
図8においては、図3のステップS302〜ステップS303の代わりに、ステップS401〜ステップS405が設けられている。また、図8においては、図3のステップS314とステップS315との間に、ステップS406〜ステップS407が追加されている。これらの点のみが、図3と図8とで異なる点である。従って、図3と同一の処理については、同一符号を付して示し、ここでは、その説明を省略する。
なお、本実施の形態2においては、ステップS401〜ステップS405、および、ステップS406〜ステップS407の処理は、図2のMG指令候補値演算部202が実行する。
図8において、ステップS401では、MG指令候補値演算部202が、現在の伝動軸トルクが、予め設定された最良燃費率トルクよりも大きいか否かを判定する。
最良燃費率トルクは、図5の太破線51で示すように、各エンジン回転速度における最良燃費率となるトルクである。最良燃費率トルクは、各エンジン回転速度における最良燃費率のトルクとして、予めROMにマップ値として記憶されている。
そのため、MG指令候補値演算部202は、ステップS401で、エンジン回転速度に基づいて燃料消費率マップから最良燃費率トルクを抽出し、ステップS301で求めた伝動軸トルクと最良燃費率トルクとを比較する。比較の結果、伝動軸トルクが最良燃費率トルクよりも大きい場合は、ステップS402に進む。
ステップS402では、駆動上限トルクを、下式(13)で求める。
Tmg_up
=max(Tcrank[APS,Neng]−Teng_fe[Neng],
Tmg_assief[Nmg])+α (13)
ここで、Tmg_up:駆動上限トルク[Nm]、
Tcrank:伝動軸トルク[Nm]、
Teng_fe:最良燃費率トルク[Nm]、
Tmg_assief:駆動効率最良点トルク[Nm]、
APS:アクセル開度[%]、
Neng:エンジン回転速度[r/min]、
Nmg:MG回転速度[r/min]、
α:予め設定された一定値[Nm]
である。
なお、ここで、max(a,b)は、aまたはbのいずれか大きい方の値を示す。
上式(13)の演算を行う前に、MG指令候補値演算部202は、現在のMG回転速度に対応する駆動効率最良点トルクを抽出する。
駆動効率最良点トルクは、図6の太一点鎖線61で示すように、各MG回転速度における最良駆動効率となるトルクである。駆動効率最良点トルクは、各MG回転速度における駆動効率最良のトルクとして、予めROMにマップ値として記憶されている。
次に、MG指令候補値演算部202は、上式(13)の演算を行う。MG指令候補値演算部202は、上式(13)に示されるように、ステップS301で求めた伝動軸トルクからステップS401で抽出した最良燃費率トルクを減算した差分と、図6の太一点鎖線で示す駆動効率最良点トルクとを比較して大きい方の値に、予め設定された一定値αを加算した値を、駆動上限トルクに設定する。一定値αは、伝動軸供給仕事率が最小となるトルクがもれなく抽出できるように予め定めた設定値である。
次に、MG指令候補値演算部202は、ステップS403で、発電下限トルクを下式(14)で求める。
Tmg_lo
=min(Tcrank[APS,Neng]−Teng_max[Neng],
Tmg_genef[Nmg])−α (14)
ここで、Tmg_lo:発電下限トルク[Nm]、
Tcrank:伝動軸トルク[Nm]、
Teng_max:エンジン最大トルク[Nm]、
Tmg_genef:発電効率最良点トルク[Nm]、
APS:アクセル開度[%]、
Neng:エンジン回転速度[r/min]、
Nmg:MG回転速度[r/min]、
α:予め設定された一定値[Nm]
である。
なお、ここで、min(a,b)は、aまたはbのいずれか小さい方の値を示す。
上式(14)の演算を行う前に、MG指令候補値演算部202は、現在のMG回転速度に対応する発電効率最良点トルクを抽出する。
発電効率最良点トルクは、図6の太二点鎖線62で示すように、各MG回転速度における最良発電効率となるトルクである。発電効率最良点トルクは、各MG回転速度における発電効率最良のトルクとして、予めROMにマップ値として記憶されている。
また、本実施の形態2では、エンジン回転速度ごとにエンジン最大トルクの値を記憶した最大トルクマップ(図示せず)が設けられている。最大トルクマップは、予めROMに記憶されている。エンジン最大トルクは、各エンジン回転速度におけるエンジントルクの最大値である。
MG指令候補値演算部202は、上式(14)の演算を行う前に、最大トルクマップから、現在のエンジン回転速度に対応するエンジン最大トルクを抽出する。
次に、MG指令候補値演算部202は、上式(14)の演算を行う。MG指令候補値演算部202は、上式(14)に示されるように、ステップS301で求めた伝動軸トルクからエンジン最大トルクを減算した差分と、図6の太二点鎖線で示す発電効率最良点トルクとを比較して小さい方の値から、予め設定された一定値αを減算した値を、発電下限トルクに設定する。一定値αは、伝動軸供給仕事率が最小となるトルクがもれなく抽出できるように予め定めた設定値である。
一方、上記のステップS401の比較で、伝動軸トルクが最良燃費率トルク以下の場合は、MG指令候補値演算部202が、ステップS404で、駆動上限トルクを下式(15)で求める。
Tmg_up
=max(Teng_max[Neng]−Tcrank[APS,Neng],
Tmg_assief[Nmg])+α (15)
ここで、Tmg_up:駆動上限トルク[Nm]、
Teng_max:エンジン最大トルク[Nm]、
Tcrank:伝動軸トルク[Nm]、
Tmg_assief:駆動効率最良点トルク[Nm]、
APS:アクセル開度[%]、
Neng:エンジン回転速度[r/min]、
Nmg:MG回転速度[r/min]、
α:予め設定された一定値[Nm]
である。
上式(15)を行う前に、上記のステップS403と同様に、MG指令候補値演算部202は、最大トルクマップからエンジン最大トルクの値を抽出するとともに、上記のステップS402と同様に、各MG回転速度における駆動効率最良のトルクが予めROMに記憶されたマップ値から太一点鎖線61で示す駆動効率最良点トルクを抽出する。
次に、MG指令候補値演算部202は、上式(15)の演算を行う。MG指令候補値演算部202は、上式(15)に示されるように、エンジン最大トルクからステップS301で求めた伝動軸トルクを減算した差分と、図6の太一点鎖線61で示す駆動効率最良点トルクとを比較して大きい方に、予め設定された一定値αを加算した値を、駆動上限トルクに設定する。一定値αは、伝動軸供給仕事率が最小となるトルクがもれなく抽出できるように予め定めた設定値である。
次に、MG指令候補値演算部202は、ステップS405で、発電下限トルクを下式(16)で求める。
Tmg_lo
=min(Tcrank[APS,Neng]−Teng_fe[Neng],
Tmg_genef[Nmg])−α (16)
ここで、Tmg_lo:発電下限トルク[Nm]、
Tcrank:伝動軸トルク[Nm]、
Teng_fe:最良燃費率トルク[Nm]、
Tmg_genef:発電効率最良点トルク[Nm]、
APS:アクセル開度[%]、
Neng:エンジン回転速度[r/min]、
Nmg:MG回転速度[r/min]、
α:予め設定された一定値[Nm]
である。
上式(16)を行う前に、上記のステップS403と同様に、MG指令候補値演算部202は、各MG回転速度における発電効率最良のトルクが予めROMに記憶されたマップ値から太二点鎖線62で示す発電効率最良点トルクを抽出する。
次に、MG指令候補値演算部202は、上式(16)の演算を行う。MG指令候補値演算部202は、上式(16)に示されるように、ステップS301で求めた伝動軸トルクからステップS401で抽出した最良燃費率トルクを減算した差分と、図6の太二点鎖線62で示す発電効率最良点となるトルクとを比較して小さい方の値から、予め設定された一定値αを減算した値を、発電下限トルクに設定する。一定値αは、伝動軸供給仕事率が最小となるトルクがもれなく抽出できるように予め定めた設定値である。
なお、上式(13)〜上式(16)における一定値αは、同じ値であっても、異なる値であってもよい。
エンジン101単独では、燃料消費率が最良となるトルクのときが、そのトルクを発生するのに必要な燃料供給量が最も少ない場合であるので、伝動軸供給仕事率は最も小さい。
MG102単独では、効率が最良となるトルクの伝動軸供給仕事率が最も小さい。
エンジン101とMG102とを組み合わせて運転する場合は、エンジン101とMG102のそれぞれの供給仕事率が最も小さい範囲を、MGトルク候補の範囲に含ませるようにすることで、エンジン101とMG102とが供給するトータルの仕事率が最小となるMGトルクを漏らすことなく検索範囲に設定できる。
そのため、本実施の形態2では、ステップS402〜ステップS405に示す演算方法で、駆動上限トルクと発電下限トルクとを設定することで、エンジン101とMG102のそれぞれの供給仕事率が最も小さい範囲を、MGトルク候補の範囲に含ませることができる。
ステップS403またはステップS405の終了後、ステップS304〜ステップS314の処理を行う。これらの処理は、実施の形態1と同じであるため、ここでは説明を省略する。ステップS314で、MGトルク候補値が発電下限トルク未満の場合に、ステップS406に進む。
ステップS406とステップS407とでは、ステップS315でMGトルクを決定するための選定範囲が演算される。
ステップS406では、MG指令候補値演算部202が、MGトルクを選定するトルク範囲の上限値である選定上限トルクを下式(17)で演算する。
Tmg_upc=min(Tmg_up,Tmg_assiup[Soc]) (17)
ここで、Tmg_upc:選定上限トルク[Nm]、
Tmg_up:駆動上限トルク[Nm]、
Tmg_assiup:駆動上限トルク[Nm]、
Soc:バッテリ充電状態[%]
である。
上式(17)を行う前に、MG指令候補値演算部202は、現在のSocの値に基づいて、予めROMに記憶された図4のMGトルク候補設定マップから、実線40で示す駆動上限トルクを抽出する。
次に、MG指令候補値演算部202は、上式(17)の演算を行う。MG指令候補値演算部202は、上式(17)に示されるように、上記のステップS402またはステップS404で演算した駆動上限トルクと、図4のMGトルク候補設定マップから抽出した駆動上限トルクとを比較して、小さい方の値を選定上限トルクに設定する。
次に、ステップS407では、MG指令候補値演算部202は、MGトルクを選定するトルク範囲の下限値である選定下限トルクを下式(18)で演算する。
Tmg_loc=max(Tmg_lo,Tmg_genlo[Soc]) (18)
ここで、Tmg_loc:選定下限トルク[Nm]、
Tmg_lo:発電下限トルク[Nm]、
Tmg_genlo:発電下限トルク[Nm]、
Soc:バッテリ充電状態[%]
である。
上式(18)を行う前に、MG指令候補値演算部202は、現在のSocの値に基づいて、予めROMに記憶された図4のMGトルク候補設定マップから、破線41で示す発電下限トルクを抽出する。
次に、MG指令候補値演算部202は、上式(18)の演算を行う。MG指令候補値演算部202は、上式(18)に示されるように、ステップS403またはステップS405で演算した発電下限トルクと、図4のMGトルク候補設定マップから抽出した発電下限トルクとを比較して、大きい方の値を選定下限トルクに設定する。
ステップS315では、ステップS406とステップS407で設定した選定上限トルク以下で、且つ、選定下限トルク以上の範囲内で、最も伝動軸供給仕事率が小さいMGトルクが選定される。
このように、本実施の形態2によれば、エンジン101の燃料消費率とMG102の駆動効率および充電効率とが最良となるMGトルクを、MGトルク候補値の選定範囲内に含ませるようにすることで、MGトルク選定の繰り返し演算負荷を低減しつつ、最小の伝動軸供給仕事率となるMGトルクを選定できることで燃費を改善することが可能となる。
101 エンジン、102 モータ発電機、103 ベルト、104 トランスミッション、105 バッテリ、106 コントローラ、107 プロペラシャフト、108 差動装置、109 タイヤ、110 ドライブシャフト、201 伝動軸トルク演算部、202 MG指令候補値演算部、203 エンジン要求仕事率演算部、204 燃料消費率演算部、205 エンジン供給仕事率演算部、206 MG機械仕事率演算部、207 MG効率演算部、208 MG電気仕事率演算部、209 伝動軸供給仕事率演算部、210 MG指令演算部。

Claims (4)

  1. 動力を発生させるエンジンと、
    前記エンジンとの間で動力を授受するモータ発電機と、
    前記モータ発電機に接続され、電力を充放電するバッテリと
    を備えたハイブリッド車両の制御を行うハイブリッド車両の制御装置であって、
    前記車両の走行に必要な伝動軸トルクを演算する伝動軸トルク演算部と、
    前記モータ発電機への指令トルクの候補値であるモータ発電機トルク候補値を複数個設定するとともに、前記伝動軸トルクに基づいて各前記モータ発電機トルク候補値に対応するエンジントルク候補値を演算するモータ発電機指令候補値演算部と、
    複数個設定された前記モータ発電機トルク候補値のそれぞれについて、前記エンジントルク候補値とエンジン回転速度とエンジン燃料消費率とに基づいて、前記エンジンが供給するエンジン供給仕事率を算出する第1の仕事率演算部と、
    複数個設定された前記モータ発電機トルク候補値のそれぞれについて、前記モータ発電機トルク候補値と前記モータ発電機の回転速度とに基づいて、前記モータ発電機の電気仕事率を演算する第2の仕事率演算部と、
    複数個設定された前記モータ発電機トルク候補値のそれぞれに対応して、前記第1の仕事率演算部で演算された前記エンジン供給仕事率と、前記第2の仕事率演算部で演算された前記電気仕事率とを加算して、前記車両の伝動軸に供給される供給仕事率を算出する第3の仕事率演算部と、
    前記第3の仕事率演算部で演算された複数の供給仕事率のうちの最小の供給仕事率に対応するモータ発電機トルク候補値を、複数個設定された前記モータ発電機トルク候補値の中から特定して、特定した前記モータ発電機トルク候補値を、前記モータ発電機への指令トルクに設定する、モータ発電機指令演算部と
    を備え、
    現在の車両状態は、前記伝動軸トルクと、前記エンジン回転速度と、前記モータ発電機の回転速度と、前記エンジン回転速度に基づいて決定されるエンジン最大トルクと、前記エンジン回転速度に基づいて決定されるエンジン最良燃費率トルクと、前記モータ発電機の回転速度に基づいて決定される発電効率最良点トルクと、前記モータ発電機の回転速度に基づいて決定される駆動効率最良点トルクとを含み、
    前記モータ発電機指令候補値演算部は、
    前記現在の車両状態に基づいて、前記モータ発電機トルク候補値に対する上限値と下限値とを決定し、前記上限値と前記下限値との間の範囲内で前記モータ発電機トルク候補値を複数個設定するものであって、
    前記伝動軸トルクと、前記エンジン回転速度と、前記モータ発電機の回転速度とに基づいて、前記モータ発電機トルク候補値に対する前記上限値と前記下限値とを決定し、前記上限値と前記下限値との間の範囲内で前記モータ発電機トルク候補値を複数個設定し、
    前記伝動軸トルクが前記エンジン最良燃費率トルクより大きい場合に、
    前記伝動軸トルクと、前記エンジン最良燃費率トルクと、前記駆動効率最良点トルクとに基づいて、前記上限値を決定し、
    前記伝動軸トルクと、前記エンジン最大トルクと、前記発電効率最良点トルクとに基づいて、前記下限値を決定し、
    前記伝動軸トルクが前記エンジン最良燃費率トルク以下の場合に、
    前記エンジン最大トルクと、前記伝動軸トルクと、前記駆動効率最良点トルクとに基づいて、前記上限値を決定し、
    前記伝動軸トルクと、前記エンジン最良燃費率トルクと、前記発電効率最良点トルクとに基づいて、前記下限値を決定する、
    ハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記第1の仕事率演算部は、
    前記エンジントルク候補値と前記エンジン回転速度とに基づいて、前記エンジンに要求する仕事率を示すエンジン要求仕事率を演算するエンジン要求仕事率演算部と、
    前記エンジントルク候補値と前記エンジン回転速度とに基づいて、前記エンジンが消費する燃料の消費率を示すエンジン燃料消費率を演算する燃料消費率演算部と、
    前記エンジン要求仕事率と前記エンジン燃料消費率とに基づいて、前記エンジン供給仕事率を演算するエンジン供給仕事率演算部と
    を有する、
    請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記第2の仕事率演算部は、
    前記モータ発電機トルク候補値と前記モータ発電機の回転速度とに基づいて、前記モータ発電機の機械仕事率を演算するモータ発電機機械仕事率演算部と、
    前記モータ発電機トルク候補値と前記モータ発電機の回転速度とに基づいて、前記モータ発電機の動作効率を演算するモータ発電機効率演算部と、
    前記機械仕事率と前記動作効率とに基づいて、前記モータ発電機の前記電気仕事率を演算するモータ発電機仕事率演算部と
    を有する、
    請求項1または2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  4. 前記モータ発電機仕事率演算部は、
    前記モータ発電機トルク候補値が0以上で、前記モータ発電機が駆動または停止する場合、前記機械仕事率を前記動作効率で除算することで、前記モータ発電機の前記電気仕事率を演算し、
    前記モータ発電機トルク候補値が0未満で、前記モータ発電機が発電する場合、前記機械仕事率に前記動作効率を乗算することで、前記モータ発電機の前記電気仕事率を演算する、
    請求項3に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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