JP6504648B2 - 遮水構造 - Google Patents

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Description

本発明は、産業廃棄物や一般廃棄物等を最終処分するための廃棄物処分場を構築する廃棄物埋立護岸に採用される遮水構造に関するもので、特に、廃棄物埋立護岸である直立堤護岸と傾斜堤護岸とが直交する箇所等の直立堤護岸の側面と傾斜堤護岸の端面との合わせ面における遮水構造に関するものである。
近年、産業廃棄物の排出量は益々増大する傾向にあり、これに伴い最終処分場の建設も、海面、陸上を問わず数多く推し進められている。この種の管理型最終処分場においては、当然ではあるが、廃棄物内に含まれる有害物質の処分域外への漏出をいかに抑えるかが重要な課題となっている。
例えば、海面処分場には、直立堤護岸及び傾斜堤護岸によって埋立処分域の四方を囲むように構築されているものがある。直立堤護岸2は、それ自体遮水性を有しており、図1に示すように、断面矩形状のコンクリート製のケーソンにより構成されるものや、図6に示すように、鋼板セルにより構成されるものがある。また鋼管矢板または鋼矢板等により構成されるものがある。一方、傾斜堤護岸3は、海底地盤に造成した捨石マウンド5上に据付けられた断面矩形状のケーソン6と、ケーソン6の埋立処分域側に多数の石材10、11を投入して造成された裏込層7と、裏込層7内に敷設された遮水シート8とを備えて構成される。傾斜堤護岸3は、遮水シート8により遮水性を有している。裏込層7の埋立処分域側は法面に形成される。すなわち、裏込層7の埋立処分域側の法面は、砕石等の多数の石材10、11を所定の傾斜角度で斜面状に盛り立てることにより形成される。
そして、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端面3aとの合わせ面には、該合わせ面から外水域に漏水しないように遮水構造50が採用されている。
従来の遮水構造50は図17に示すように構成される。すなわち、図17に示すように、直立堤護岸2の側面2aの、傾斜堤護岸3の端面3aとの合わせ面にはポリエチレン製のアンカシート51が埋設されている。該アンカシート51は、傾斜堤護岸3の傾斜に沿って部分的に埋設されている。該アンカシート51を覆うようにポリエチレン製の遮水シート52が取り付けられる。具体的には、遮水シート52とアンカシート51とが所定部位にて押し出し溶着にて接合されている。この接合作業は陸上で実施されている。
そして、まず、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端面3aとを当接させる。この時、傾斜堤護岸3は、その裏込層7内の遮水シート8が外部に露出した状態となっている。続いて、直立堤護岸2の側面2aに設けたアンカシート51に接続された遮水シート52の上部を傾斜堤護岸3の法面に沿って折り曲げて、折り曲げた直立堤護岸2側の遮水シート52の上に傾斜堤護岸3側の遮水シート8を重ね合せるようにする。
続いて、傾斜堤護岸3の端面3aから所定距離間隔を設けた位置に型枠コンクリートブロック12を法面に沿って配置する。続いて、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の型枠コンクリートブロック12との間における、直立堤護岸2側の遮水シート52及び傾斜堤護岸3側の遮水シート8の上面に、断面略楕円形状の止水領域用石材18を多数段に亘って積層した後にアスファルトマスチック14を充填して止水領域15を形成する。該止水領域15のアスファルトマスチック14を押し込むためにその上面に被覆用アスファルトマット27を配置する。その後、最終的に、傾斜堤護岸3として、被覆用アスファルトマット27、型枠コンクリートブロック12及び遮水シート8の上方に多数の石材10を所定の傾斜角度で斜面状に盛り立てて裏込層7を形成する。
これにより、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端面3aとの合わせ面は、直立堤護岸2の側面2aに埋設されたアンカシート51と遮水シート52との押し出し溶着による接合部53、該接合部53から延びる直立堤護岸2側の遮水シート52、傾斜堤護岸3側の遮水シート8及びアスファルトマスチック14による止水領域15が液密連続体として構成されて、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端面3aとの合わせ面は前記液密連続体により遮水され、遮水性が向上されている。なお、実際には、アスファルトマスチック14による止水領域15が、直立堤護岸2の側面2aに密着している密着部位にて、遮水されるようになる。
しかしながら、上述した従来の遮水構造50では、図18に示すように、地震等の有事の際、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端面3aとが離れた場合、アスファルトマスチック14の自己変形によりその隙間35(図4も参照)が埋まる前に、傾斜堤護岸3の多数の上部石材10がその隙間35に流れ込み、前記液密連続体による合わせ面の遮水性が確保できなくなる虞がある。
また、上述した従来の遮水構造50では、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の型枠コンクリートブロック12との間の遮水シート8、52上に、アスファルトマスチック14を充填して止水領域15を形成しているが、この止水領域15は、アスファルトマスチック14を均等に充填させるために、偏平率等が考慮された断面略楕円形状の止水領域用石材18を多数段に亘って積層した後に、各止水領域用石材18、18間にアスファルトマスチック14を充填するようにしている。しかしながら、この従来の遮水構造50では、止水領域15の、断面において最も下方に位置する各止水領域用石材18の一部が、アスファルトマスチック14の打設前に遮水シート8、52と直接接しているため、アスファルトマスチック14の打設後にアスファルトマスチック14が遮水シート8、52の全面を覆うことができないことに起因する遮水性の低下が懸念される。そのため、各止水領域用石材18の積層と、アスファルトマスチック14の充填とを1層ずつ交互に行って施工するため、その作業に多くの時間を費やしていることが課題となっている。
さらに、従来の遮水構造50おいては、陸上にて、直立堤護岸2(ケーソン)の側面2aに埋設されたアンカシート51と遮水シート52とを所定部位にて押し出し溶着53により接合する作業が必要であるが、この作業は、遮水シート52をケーソンの上端から吊り下げて、遮水シート52とアンカシート51とを位置合わせして、所定部位を押し出し溶着53するために高所作業となり、高所での両者の位置調整等非常に手間であり作業性が非常に悪い。しかも、直立堤護岸2が鋼矢板や鋼管矢板で構成される場合には、ポリエチレン製の遮水シート52を予め鋼矢板や鋼管矢板の側面に溶着することができず、そもそも、この遮水構造50を採用することができない。
そこで、遮水構造の従来技術として特許文献1には、廃棄物が堆積されるピットを備え、前記ピットの底版および/または側壁に目地部が形成された廃棄物処分場における遮水構造であって、前記ピットの表面に遮水シートが敷設され、前記遮水シートの表面に補強シートが固定され、前記補強シートは、展開可能となる状態で前記目地部を跨いでおり、前記補強シートを展開可能状態に保持する展開状態保持構造を備えることが開示されている。
特開2013−252497号公報
しかしながら、特許文献1の発明に係る廃棄物処分場の遮水構造は、展開可能となる状態で補強シートが、目地部を遮水シートと共に跨るように配置されている構成であり、この遮水構造では、上述した問題を解決するどころか、直立堤護岸の側面と傾斜堤護岸の端面との合わせ面に採用することはできない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、直立堤護岸の側面と傾斜堤護岸の端面との合わせ面における遮水性を確保でき、作業性に優れた遮水構造を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明は、直立堤護岸の側面と傾斜堤護岸の端面との合わせ面における遮水構造であって、前記傾斜堤護岸は、その内部に前記直立堤護岸の側面と密着するようにして充填され、外力により任意形状へ自己変形すると共に加熱により固液変化が進行する止水材と、該止水材の上方及び下方に配置される多数の石材と、前記直立堤護岸の側面に接続され、前記止水材と前記上方の各石材との間に向かって延び、前記上方の各石材の、前記止水材側への移動を規制するシート状の上部規制部材と、を備えることを特徴とするものである。
請求項1の発明では、地震等の有事の際、直立堤護岸の側面と傾斜堤護岸の端面との間に隙間が生じた場合でも、シート状の上部規制部材により、止水材の上方に配置される多数の石材がその隙間に入り込むことを抑制することができる。そして、時間の経過とともに、上載圧により止水材が自己変形してその隙間を埋めることにより、遮水性を回復させることができる。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明において、前記直立堤護岸の側面に接続され、前記止水材と前記下方の各石材との間に向かって延び、前記止水材の、前記下方の各石材側への移動を規制するシート状の下部規制部材を備えることを特徴とするものである。
請求項2の発明では、地震等の有事の際、直立堤護岸の側面と傾斜堤護岸の端面との間に隙間が生じた場合でも、シート状の下部規制部材により、止水材が自己変形して、その下方に位置する石材側に浸出せずに、時間の経過とともに、止水材が隙間を埋めて留まることにより、遮水性を回復させることができる。
請求項3に記載した発明は、請求項2に記載した発明において、前記上部規制部材及び前記下部規制部材のそれぞれは、前記直立堤護岸の側面と前記傾斜堤護岸の端面とが離間する方向に沿って伸縮自在に構成されることを特徴とするものである。
請求項3の発明では、地震等の有事の際、直立堤護岸の側面と傾斜堤護岸の端面との間に隙間が生じた場合、上部規制部材の伸長により、上方に配置される多数の石材の、その隙間への侵入を確実に抑制することができる。また、下部規制部材の伸長により、止水材の、その下方に位置する石材側への浸出を確実に抑制することができる。
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれかに記載した発明において、前記止水材内に伝熱部材を配置して、該伝熱部材の一部を外部に露出させることを特徴とするものである。
請求項5に記載した発明は、請求項4に記載した発明において、前記伝熱部材は、前記止水材の直立堤護岸側の部位に配置されることを特徴とするものである。
請求項4及び5の発明では、伝熱部材を加熱することにより、止水材を加熱して固液変化を促して、直立堤護岸の側面と傾斜堤護岸の端面との間の隙間を埋める方向への止水材の自己変形を促進させることができる。
本発明に係る遮水構造によれば、有事の際に直立堤護岸の側面と傾斜堤護岸の端面との間に隙間が生じた場合でも、その合わせ面における遮水性を確保する(回復させる)ことができる。また、特に、上部規制部材は、直立堤護岸の側面に傾斜堤護岸の端面を当接させた後、止水材の施工後に該止水材の上方に直立堤護岸の側面から傾斜堤護岸側に向かう方向に沿って取り付けられるので、従来のように高所作業もなくその作業性を従来よりも向上させることができる。
図1は、断面矩形状のケーソンにより構成されその側面が平面である直立堤護岸の側面と傾斜堤護岸の端面との合わせ面に採用される、本発明の第1の実施形態に係る遮水構造の概略斜視図である。 図2は、図1の傾斜堤護岸の法面の法線と平行な平面における、A−A線に沿う断面図である。 図3(a)は、下部規制部材または上部規制部材に設けた蛇腹部を示す図であり、(b)は下部規制部材または上部規制部材に設けた折り畳み部及び弱化部を示す図である。 図4は、図1の第1の実施形態に係る遮水構造において、有事の際に直立堤護岸の側面から傾斜堤護岸の端面が離れた際の状態を示す図である。 図5は、図1の第1の実施形態に係る遮水構造において、直立堤護岸の側面から傾斜堤護岸の端面が離れた時に止水領域のアスファルトマスチックが直立堤護岸の側面に向かって自己変形して密着する様子を示す図である。 図6は、鋼板セル、鋼管矢板または鋼矢板等により構成されその側面が曲面である直立堤護岸の側面と傾斜堤護岸の端面との合わせ面に採用される、本発明の第2の実施形態に係る遮水構造の概略斜視図である。 図7は、図6に示す第2の実施形態に係る遮水構造に採用された上部規制部材及び下部規制部材の平面図である。 図8は、図7のB−B線に沿う断面図である。 図9は、図7のC−C線に沿う断面図である。 図10は、図7のD−D線に沿う断面図である。 図11は、図7に示す下部規制部材を直立堤護岸の側面に配置された状態を示す平面図である。 図12は、図7に示す下部規制部材を直立堤護岸の側面に配置された状態を示す斜視図である。 図13は、図7に示す上部規制部材を直立堤護岸の側面に配置された状態を示す断面図である。 図14は、図7に示す上部規制部材を直立堤護岸の側面に配置された状態を示す斜視図である。 図15は、図6の傾斜堤護岸の法面の法線と平行な平面における、A−A線に沿う断面図である。 図16は、図6に示す第2の実施形態に係る遮水構造において、直立堤護岸の側面から傾斜堤護岸の端面が離れた時に止水領域のアスファルトマスチックが直立堤護岸の側面に向かって自己変形して密着する様子を示す図である。 図17は、従来の遮水構造を示す断面図である。 図18は、従来の遮水構造において、有事の際直立堤護岸の側面から傾斜堤護岸の端面が離れた時の状態を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図16に基づいて詳細に説明する。従来例と同一部材及び相当する部材は、同一符号を使用して説明する。
産業廃棄物や一般廃棄物等を最終処分するための廃棄物処分場として海面処分場が採用される。該海面処分場は、直立堤護岸2及び傾斜堤護岸3によって埋立処分域の四方を囲むように構築されている。図1に示すように、直立堤護岸2は、コンクリート製の断面矩形状のケーソンや、図6に示すように鋼板セルや、鋼管矢板または鋼矢板等により構築され、遮水性を有している。一方、傾斜堤護岸3は、海底地盤に造成した捨石マウンド5上に据付けられた断面矩形状のケーソン6と、該ケーソン6の埋立処分域側に上部石材10及び下部石材11を投入して造成され、埋立処分域側が法面10bに形成される裏込層7と、該裏込層7内の上部石材10と下部石材11との間に埋設された合成樹脂製の遮水シート8とを備えて構成され、遮水性を有している。遮水シート8は、熱可塑性の低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)製であり、可撓性を有している。なお、遮水シート8は、熱可塑性の高密度ポリエチレン(HDPE)、または塩化ビニールなどの合成樹脂製であってもよい。
まず、断面矩形状のケーソンにより構成され、その側面2aが平面である直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端面3aとの合わせ面に採用される、本発明の第1の実施形態に係る遮水構造1を説明する。第1の実施形態に係る遮水構造1は、例えば、直立堤護岸2と傾斜堤護岸3とが直交する箇所等、直立堤護岸の側面2aに、傾斜堤護岸3の法面(上部石材10の法面10a)と直交する端面3aが突き当たる箇所における直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端面3aとの合わせ面に採用される。
第1の実施形態に係る遮水構造1として構成される、傾斜堤護岸3の直立堤護岸2側の端部の構造は次のように構成される。図1及び図2に示すように、ケーソン6の埋立処分域側に多数の下部石材11が積層される。下部石材11の表面は、水平面11a及び該水平面11aから連続して埋立処分域側に向かって下方傾斜する法面11bに形成される。下部石材11の水平面11a及び法面11bに沿って遮水シート8が敷設される。遮水シート8の直立堤護岸2側の端部は、直立堤護岸2の側面2aに近接して配置される。該遮水シート8上で、直立堤護岸2の側面2aから傾斜堤護岸3側に所定距離離れた位置に下部石材11の水平面11a及び法面11bに沿って型枠コンクリートブロック12が配置される。該型枠コンクリートブロック12は断面矩形状に形成される。該遮水シート8の上方で、直立堤護岸2の側面2aと型枠コンクリートブロック12との間にアスファルトマスチック14が充填される止水領域15が形成される。アスファルトマスチック14による止水領域15は断面矩形状である。
アスファルトマスチック14は止水性を有することから止水材に相当する。該アスファルトマスチック14は、止水性を有し、20℃以下で固体化して、加熱することで固液変化(固体から液体への相変化)が進み100℃以上で液状化する性質を有し、また、常温時には外部からの圧力により任意形状に自己変形可能な性質を有するものである。アスファルトマスチック14による止水領域15は、断面において、下側に位置する第1層16と、上側に位置する第2層17とに分かれている。下側の第1層16は、遮水シート8上にアスファルトマスチック14のみが薄く(例えば厚さ1cm〜10cm)充填される層である。一方、上側の第2層17には、偏平率(例えば止水領域用石材18の長辺は短辺の3倍以下)等が考慮された断面略楕円形状の止水領域用石材18が多数積層されており、各止水領域用石材18、18間にアスファルトマスチック14が充填される層である。なお、第2層17に配置された複数の止水領域用石材18は、第2層17内のアスファルトマスチック14を、特に第1層16の法面上に均等に充填させるために配置される。止水領域15の第2層17に配置した多数の止水領域用石材18は、複数の金網19にそれぞれ分けて収容された状態で配置される。例えば、図2に示すように、第2層17において、多数の止水領域用石材18を収容した各金網19を、断面における上下方向に沿う各層ごとに配置してもよい。
アスファルトマスチック14による止水領域15内には伝熱部材である伝熱ロッド25が配置されている。伝熱ロッド25は、例えば、鉄製ロッドで構成される。伝熱ロッド25は、止水領域15の断面全体において、第2層17の直立堤護岸2側で、且つ下部石材11側に配置される。伝熱ロッド25は、止水領域15内を下部石材11の水平面11a及び法面11bに沿って挿入されている。伝熱ロッド25の上端部は外部に露出している。なお、伝熱ロッド25を止水領域15内に複数配置してもよい。例えば、複数の伝熱ロッド25を、止水領域15の水平方向に延びる部分と、止水領域15の埋立処分域に向かって下方傾斜する部分とにそれぞれ分けて配置してもよい。そして、外部に露出した伝熱ロッド25の上端部を加熱することによる伝熱ロッド25全体への熱伝導により、アスファルトマスチック14を加熱することができる。なお、止水領域15を構成するアスファルトマスチック14の直立堤護岸2側の部位を可能な限り早く固液変化させるために、伝熱ロッド25を止水領域15の直立堤護岸2側の部位に配置したほうがよい。また、本実施の形態では、伝熱ロッド25は、止水領域15の第2層17に配置されているが、第1層16の直立堤護岸2側で、且つ下部石材11側に配置してもよい。アスファルトマスチック14による止水領域15と下部石材11との間で、直立堤護岸2の側面2aと遮水シート8の端部との間に、下部規制部材26が配置される。
下部規制部材26は、直立堤護岸2の側面2aから傾斜堤護岸3に向かう方向に沿って伸縮自在に構成される。下部規制部材26は、その一端部が直立堤護岸2の側面2aに接続されると共に、その他端部が遮水シート8の端部に接続される。該下部規制部材26は、図3(a)に示すように、シート状の不織布や土木シート等の一部に、直立堤護岸2の側面2aから傾斜堤護岸3に向かう方向に沿って伸縮自在になる蛇腹部40を設ける構成としてもよい。また、図3(b)に示すように、シート状の不織布や土木シートの一部に、直立堤護岸2の側面2aから傾斜堤護岸3に向かう方向に沿って伸縮自在になる折り畳み部41aと、引張力により容易に切断する弱化部41bとを一体的に設ける構成としてもよい。
また、下部規制部材26の一端部と直立堤護岸2の側面2aとの接続は、例えば、直立堤護岸2の側面2aからスタットボルト等の固定金具(図示略)を突出させて、該固定金具に下部規制部材26の一端部を接続する接続手段を採用しても良い。またその接続は、ブチルゴム等の両面粘着テープにより接続してもよい。なお、本実施形態では、下部規制部材26は、その他端部が遮水シート8の端部に接続されているが、型枠コンクリートブロック12の側面に接続してもよい。
アスファルトマスチック14による止水領域15の上面には、アスファルトマスチック14を遮水シート8側に向かって押し込むために被覆用部材としてアスファルトマット27が配置される。この被覆用部材は、鉄板等の鋼材であってもよい。そして、アスファルトマスチック14が、被覆用アスファルトマット27からの押し込みにより、直立堤護岸2の側面2a及び遮水シート8の上面に密着することで、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端面3aとの合わせ面が液密的に密着して遮水される。被覆用アスファルトマット27の上方に上部規制部材30が配置される。なお、本実施形態では、上部規制部材30は、被覆用アスファルトマット27の上方に配置されているが、被覆用アスファルトマット27の下方に配置してもよい。
上部規制部材30は、下部規制部材26と同様に、直立堤護岸2の側面2aから傾斜堤護岸3に向かう方向に沿って伸縮自在に構成される。上部規制部材30は、その直立堤護岸2側の一端が直立堤護岸2の側面2aに接続されると共に、その他端が型枠コンクリートブロック12に接続される。本実施形態では、上部規制部材30は2枚の鋼製の板状部材31、32で構成される。これら2枚の板状部材31、32は重ねられ、伸縮自在になるように互いに連結されて一体的に構成される。そして、上部規制部材30を構成する一方の板状部材31の端部が直立堤護岸2の側面2aに接続されると共に、他方の板状部材32の端部が型枠コンクリートブロック12に接続される。この結果、上部規制部材30は、直立堤護岸2の側面2aから傾斜堤護岸3に向かう方向に沿って伸縮自在となる。上部規制部材30の上方に上部石材10が積層される。また、傾斜堤護岸3の裏込層7の、型枠コンクリートブロック12を境にした直立堤護岸2側と反対側は、下部石材11上の遮水シート8の上面に直接上部石材10が積層されて構成される。積層される上部石材10の表面は、下部石材11と同様に、水平面10a及び該水平面10aから連続して埋立処分域側に向かって下方傾斜する法面10bとして形成される。
そこで、一方の板状部材31の端部と直立堤護岸2の側面2aとの接続は、下部規制部材26と同様に、例えば、直立堤護岸2の側面2aからスタットボルト等の固定金具(図示略)を突出させて、該固定金具に一方の板状部材31の端部を接続する接続手段を採用しても良く、作業性が良好な他の接続手段、例えば、ブチルゴム等の両面粘着テープによる接続する接続手段を採用しても良い。一方、他方の板状部材32の端部と型枠コンクリートブロック12の上面との接続は、例えば、型枠コンクリートブロック12の上面からスタットボルトや吊具等の固定金具(図示略)を突出させて、該固定金具に他方の板状部材32の端部を接続する接続手段を採用しても良く、作業性が良好な他の接続手段を採用しても良い。
なお、上部規制部材30は、下部規制部材26と同様に、図3(a)に示すように、シート状の不織布や土木シート等の一部に、直立堤護岸2の側面2aから傾斜堤護岸3に向かう方向に沿って伸縮自在になる蛇腹部40を形成する構成としてもよい。また、図3(b)に示すように、シート状の不織布や土木シート等の一部に、直立堤護岸2の側面2aから傾斜堤護岸3に向かう方向に沿って伸縮自在になる折り畳み部41aと、引張力により容易に切断する弱化部41bとを一体的に設けた構成としてもよい。本実施形態では、上部規制部材30の他端(他方の板状部材32の端部)を型枠コンクリートブロック12の上面に接続しているが、上部規制部材30の他端(他方の板状部材32の端部)を被覆用アスファルトマット27の上面に接続しても良い。
なお、傾斜堤護岸3の端部の裏込層7内には、上述したように配置される下部規制部材26、遮水シート8、止水領域15、被覆用アスファルトマット27、型枠コンクリートブロック12及び上部規制部材30が、断面における上下方向に沿って複数組施工されている。なお、図1および図2では、解り易くするために1組のみを示している。
次に、本発明の実施形態に係る、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端面3aとの合わせ面における第1の実施形態に係る遮水構造1の施工方法を説明する。なお、ここでは、遮水シート8、型枠コンクリートブロック12、下部規制部材26、止水領域15、被覆用アスファルトマット27及び上部規制部材30を傾斜堤護岸3の端部の裏込層7内に1組施工する施工方法を説明する。
まず、直立堤護岸2の側面2aに傾斜堤護岸3のケーソン6の端面3aを当接させる。続いて、傾斜堤護岸3のケーソン6の埋立処分域側に多数の下部石材11を積層して、その表面を水平面11a及び該水平面11aから連続して埋立処分域側に向かって下方傾斜する法面11bに形成する。続いて、下部石材11の水平面11a及び法面11b上に遮水シート8を敷設する。この時、遮水シート8の直立堤護岸2側の端部を直立堤護岸2の側面2aに近接させる。
次に、傾斜堤護岸3の遮水シート8上で、直立堤護岸2の側面2aから傾斜堤護岸3側に所定距離離れた位置に、下部石材11の水平面11a及び法面11bに沿って型枠コンクリートブロック12を配置する。
次に、下部規制部材26の直立堤護岸2側の一端部を直立堤護岸2の側面2aに接続すると共に、その他端部を遮水シート8の端部に接続する。
次に、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端部に備えた型枠コンクリートブロック12との間の遮水シート8上に、下部石材11の水平面11a及び法面11bに沿ってアスファルトマスチック14のみを充填して、アスファルトマスチック14のみが充填された薄い第1層16(止水領域15)を形成する。この時、直立堤護岸2の側面2aと遮水シート8の端部との間には下部規制部材26が配置されているので、アスファルトマスチック14が下部石材11側に流動することはない。続いて、複数の金網19に断面略楕円形状の多数の止水領域用石材18をそれぞれ収容する。その後、第1層16の上方に金網19に収容された多数の止水領域用石材18を順次積層する。さらに、直立堤護岸2側で、遮水シート8側の任意の位置の各止水領域用石材18、18間に、伝熱ロッド25を挿入しておく。この時、伝熱ロッド25の上端部が、上部石材10の積層後該上部石材10から外部に突出するように挿入しておく。続いて、アスファルトマスチック14を各金網19内の各止水領域用石材18、18間に充填して、第2層17(止水領域15)を形成する。
次に、アスファルトマスチック14による止水領域15の第2層17の上面に被覆用アスファルトマット27を配置する。該被覆用アスファルトマット27により、アスファルトマスチック14を遮水シート8側に押し込むようにする。この結果、被覆用アスファルトマット27による上方からの圧力(上載圧)により、止水領域15のアスファルトマスチック14が偏平状に自己変形しようとする力が生じ、止水領域15の直立堤護岸2側の面(アスファルトマスチック14)が直立堤護岸2の側面2aに液密的に密着すると共に、止水領域15の下面(アスファルトマスチック14)が遮水シート8に液密的に密着した状態を維持することができる。
次に、被覆用アスファルトマット27の上方に上部規制部材30を配置して、上部規制部材30としての、一方の板状部材31の直立堤護岸2側の端部を、直立堤護岸2の側面2aに接続する。続いて、上部規制部材30としての、他方の板状部材32の直立堤護岸2側とは反対側の端部を、型枠コンクリートブロック12に接続する。
次に、型枠コンクリートブロック12を境にした直立堤護岸2側は、型枠コンクリートブロック12を含む上部規制部材30の上面に、また、型枠コンクリートブロック12を境にした直立堤護岸2と反対側は、遮水シート8の上面に、多数の上部石材10を積層する。そして、上部石材10は、下部石材11と同様に、その表面を水平面10a及び該水平面10aから連続して埋立処分域側に向かって下方傾斜する法面10bに形成して、裏込層7を形成する。この時、伝熱ロッド25の上端部が上部石材10から僅かに外部に突出された状態となる。このようにして、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端面3aとの合わせ面における、第1の実施形態に係る遮水構造1を構築する。
次に、本発明の第1の実施形態に係る遮水構造1の作用を説明する。
平常時には、図2に示すように、直立堤護岸2と傾斜堤護岸3とが直交する箇所等の、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端面3aとの合わせ面は、直立堤護岸2の側面2a及び傾斜堤護岸3の遮水シート8の上面に、傾斜堤護岸3の端部に備えた止水領域15(第1層16及び第2層17)を形成するアスファルトマスチック14が液密的に密着することで、その遮水性が確保されている。
そして、地震等の有事の際、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端面3aとが離れた場合、図4に示すように、直立堤護岸2の側面2aから傾斜堤護岸3の端部のアスファルトマスチック14(被覆用アスファルトマット27を含む)が離れて、上部規制部材30及び下部規制部材26がいずれも伸長するようになる。その結果、多数の上部石材10は、伸長した上部規制部材30により、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端部のアスファルトマスチック14との間の隙間35に入り込めなくなる。一方、伸長した下部規制部材26により、アスファルトマスチック14が下部石材11側に浸出するのを規制するようになる。
その後、図5に示すように、時間の経過と共に、すなわち、約1週間〜約1ヶ月程度の時間経過と共に、止水領域15のアスファルトマスチック14が被覆用アスファルトマット27からの上載圧により直立堤護岸2の側面2a側に自己変形して、隙間35を埋めて直立堤護岸2の側面2aに液密的に密着することで、遮水性を回復するようになる。
また、有事の際、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端面3aとが離れた後、止水領域15のアスファルトマスチック14を、伝熱ロッド25を介して加熱することでアスファルトマスチック14を軟化させてその自己変形を促進し、アスファルトマスチック14の直立堤護岸2の側面2aに向かう自己変形を早めて、アスファルトマスチック14による直立堤護岸2の側面2aへの密着を早めるようにしている。これにより、数日程度で、アスファルトマスチック14を直立堤護岸2の側面2aに密着させることができる。
以上説明したように、本発明の第1の実施形態に係る遮水構造1では、特に、伸縮自在の上部規制部材30を備え、該上部規制部材30は上部石材10と被覆用アスファルトマット27(止水領域15)との間に延び、その直立堤護岸2側の一端が直立堤護岸2の側面2aに接続されると共に、その他端が型枠コンクリートブロック12に接続される。これにより、地震等の有事の際、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端面3aとが離れた場合、上部規制部材30が伸長するので、伸長した上部規制部材30により、多数の上部石材10が、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端部のアスファルトマスチック14との間の隙間35に入り込めなくなり、時間の経過と共にアスファルトマスチック14が自己変形して、その隙間35を埋めて直立堤護岸2の側面2aに液密的に密着することで、遮水性を回復させることができる。
また、本発明の第1の実施形態に係る遮水構造1では、特に、伸縮自在の下部規制部材26を備え、該下部規制部材26は、止水領域15と下部石材11との間に延び、その直立堤護岸2側の一端が直立堤護岸2の側面2aに接続されると共に、その他端が遮水シート8に接続される。これにより、有事の際、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端面3aとが離れた場合、伸長した下部規制部材26により、アスファルトマスチック14が下部石材11側に自己変形して浸出するのを規制することができ、アスファルトマスチック14がその隙間35を埋める方向に自己変形して、直立堤護岸2の側面2aに液密的に密着するようになる。
さらに、本発明の第1の実施形態に係る遮水構造1では、アスファルトマスチック14による止水領域15内において直立堤護岸2側で、且つ遮水シート8側の位置に伝熱ロッド25が配置されているので、有事の際、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端面3aとが離れた後、止水領域15のアスファルトマスチック14を、伝熱ロッド25を介して加熱してアスファルトマスチック14の自己変形を促進することにより、アスファルトマスチック14による直立堤護岸2の側面2aへの密着を早めることができる。
さらにまた、本発明の第1の実施形態に係る遮水構造1では、アスファルトマスチック14による止水領域15が、遮水シート8に密着して、アスファルトマスチック14のみが充填される第1層16と、該第1層16の上方に配置され、多数の止水領域用石材18、18間にアスファルトマスチック14が充填される第2層17とを備えているので、止水領域15と遮水シート8との間の境界面の遮水性を確保でき、止水領域用石材18の積層とアスファルトマスチック14の充填とを交互に行うのみの従来方法よりも、その遮水性を格段に向上させることができる。また、止水領域15の第2層17では、各止水領域用石材18が各金網19に収容され拘束された状態で積層されるために、各止水領域用石材18が法面(第1層16の法面)に沿って滑動し難くなり、各止水領域用石材18を法面に沿って安定して配置することができ、かつ作業性を格段に向上させることができる。
次に、鋼板セル、鋼管矢板または鋼矢板等により構成され、その側面2aが曲面である直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端面3aとの合わせ面に採用される、本発明の第2の実施形態に係る遮水構造1aを図6〜図16に基づいて説明する。なお、以下に説明する第2の実施形態に係る遮水構造1aは、上部規制部材30a及び下部規制部材26aが、図1〜図5に示す第1の実施形態に係る遮水構造1と相違するので、上部規制部材30a及び下部規制部材26aの構成を主に説明する。
上部規制部材30a及び下部規制部材26aは、図6〜図10に示すように、平面視矩形状の第1シート38と、該第1シート38の上面に配置される、平面視蒲鉾状の第2シート39とから構成される。第1シート38及び第2シート39は、それぞれポリエチレン製の遮水シートで形成される。なお、第1シート38及び第2シート39は、不織布や土木シートであってもよい。第2シート39は第1シート38よりもその面積が小さく形成される。一方向における、第1シート38の一端部と、第2シート39の湾曲部と反対側の一端部とが略一致するように、且つ他方向(一方向と直交する方向)における第1シート38の両端部と、第2シート39の両端部とが略一致するように、第1シート38上に第2シート39が配置される。第2シート39の湾曲縁の全範囲と第1シート38の上面とが熱溶着部40にて接合されている。これにより、上部規制部材30a及び下部規制部材26aは、一方向における一端部側が、第1シート38及び第2シート39からなる2層の部位として形成され、一方向における他端部側が、第1シート38のみとなる1層の部位として形成されることになる。
第1シート38には、第2シート39が配置される範囲において、その一方向における一端部から放射状に複数の切り込み部42が形成される。一方、第2シート39には、その一方向における一端部から、湾曲部である他端部に至る範囲まで切り込み部43が放射状に複数形成される。第2シート39の各切り込み部43は、平面視で第1シート38の各切り込み部41の間に位置する。なお、第2シート39の湾曲部の曲率は、例えば、直立堤護岸2の鋼板セルの曲面の曲率を略同一である。
そして、下部規制部材26aを配置する際には、図11、図12及び図15に示すように、図6も参照しながら、傾斜堤護岸3のケーソン6の埋立処分域側に多数の下部石材11を積層して、その表面を水平面11a及び該水平面11aから連続して埋立処分域側に向かって下方傾斜する法面11bに形成した後、下部規制部材26aの一方向における他端部側である第1シート38(1層の部位)を直立堤護岸2の側面2aの曲面に沿うように、例えばブチルゴム等の両面粘着テープにより接続する。
続いて、下部規制部材26aの所定部位を略直角に折り曲げて、外方に向かって立ち上がった一方向における一端部側の第1シート38及び第2シート39(2層の部位)を下部石材11の水平面11aまたは法面11b上に配置する。第1シート38が直接下部石材11の水平面11aまたは法面11b上に接触する。この時、折り曲げた第1シート38及び第2シート39(2層の部位)は、図11及び図12に示すように、第1シート38の各切り込み部42が外方に向かうにつれて大きく開いた状態となり、また第2シート39の各切り込み部43も外方に向かうにつれて大きく開いた状態で下部石材11の水平面11aまたは法面11b上に配置される。しかしながら、第1シート38の各切り込み部42と、第2シート39の各切り込み部43とは平面視で互いに相違した位置に形成されているために、この2層の部位にて上下方向に沿って開口される部位は現出しない。続いて、この第1シート38及び第2シート39(2層の部位)の上面に遮水シート8を敷設する。その後は、前述したように、型枠コンクリートブロック12を配置した後、アスファルトマスチック14による止水領域15を形成する。
その後、上部規制部材30aを配置する際には、図13〜図15に示すように、図6も参照しながら、上部規制部材30aの一方向における一端部側である第1シート38及び第2シート39(2層の部位)を直立堤護岸2の側面2aの曲面に沿って配置して、第1シート38と直立堤護岸2の側面2aとを、例えばブチルゴム等の両面粘着テープにより接続する。この時、第1シート38及び第2シート39(2層の部位)は、図13及び図14に示すように、第1シート38の各切り込み部42が上端に向かうにつれて大きく開いた状態となり、また第2シート39の各切り込み部43も上端に向かうにつれて大きく開いた状態で直立堤護岸2の側面2aの曲面に沿って配置される。しかしながら、第1シート38の各切り込み部42と、第2シート39の各切り込み部43とは平面視で互いに相違した位置に形成されているために、この2層の部位にて径方向に沿って開口される部位は現出しない。
続いて、上部規制部材30aの所定部位を略直角に折り曲げ、外方に向かって立ち上がった一方向における他端部側の第1シート38(1層の部位)をアスファルトマスチック14による止水領域15a上に配置する。続いて、この第1シート38(1層の部位)の上面に被覆用アスファルトマスチック27を配置する。その後は、前述したように、上部石材10を積層して、最終的に裏込層7を形成する。
次に、本発明の第2の実施形態に係る遮水構造1aの作用を説明する。
平常時には、図15に示すように、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端面3aとの合わせ面は、直立堤護岸2の側面2a及び傾斜堤護岸3の遮水シート8の上面に、傾斜堤護岸3の端部に備えた止水領域15(第1層16及び第2層17)を形成するアスファルトマスチック14が液密的に密着することで、その遮水性が確保されている。
そして、地震等の有事の際、図16に示すように、直立堤護岸2の側面2aから傾斜堤護岸3の端部のアスファルトマスチック14(被覆用アスファルトマット27を含む)が離れても、上部規制部材30aが、直立堤護岸2の側面2aとアスファルトマスチック14による止水領域15との間の隙間35を上側から覆うので、該隙間35内に多数の上部石材10が入り込めなくなる。一方、下部規制部材26aにより隙間35を下側から覆うので、アスファルトマスチック14が下部石材11側に自己変形して浸出するのを規制するようになる。
その後、図16に示すように、時間の経過と共に、止水領域15のアスファルトマスチック14が被覆用アスファルトマット27からの上載圧により直立堤護岸2の側面2a側に自己変形して、隙間35を埋めて直立堤護岸2の側面2aに液密的に密着することで、遮水性を回復するようになる。
以上説明したように、本発明の第2の実施形態に係る遮水構造1aでは、特に、上部石材10とアスファルトマスチック14による止水領域15との間に延びる上部規制部材30aと、アスファルトマスチック14による止水領域15と下部石材11との間に延びる下部規制部材26aとを備えている。これにより、地震等の有事の際、上述した第1の実施形態に係る遮水構造1と同様に、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端面3aとが離れた場合でも、上部規制部材30aにより、多数の上部石材10が、直立堤護岸2の側面2aと傾斜堤護岸3の端部のアスファルトマスチック14との間の隙間35に入り込めなくなり、さらに、下部規制部材26aにより、アスファルトマスチック14が下部石材11側に自己変形して浸出するのを規制することができるので、時間の経過と共にアスファルトマスチック14が、その隙間35を埋める方向に自己変形して、直立堤護岸2の側面2aに液密的に密着することで、遮水性を回復させることができる。
1、1a 遮水構造,2 直立堤護岸,2a 側面,3 傾斜堤護岸,3a 端面,7 裏込層,8 遮水シート,10 上部石材,11 下部石材,14 アスファルトマスチック(止水材),15 止水領域,16 第1層,17 第2層,18 止水領域用石材,25 伝熱ロッド(伝熱部材),26、26a 下部規制部材,30、30a 上部規制部材,31 一方の板状部材,32 他方の板状部材,38 第1シート,39 第2シート,42 切り込み部(第1シート),43 切り込み部(第2シート)

Claims (5)

  1. 直立堤護岸の側面と傾斜堤護岸の端面との合わせ面における遮水構造であって、
    前記傾斜堤護岸は、その内部に前記直立堤護岸の側面と密着するようにして充填され、外力により任意形状へ自己変形すると共に加熱により固液変化が進行する止水材と、
    該止水材の上方及び下方に配置される多数の石材と、
    前記直立堤護岸の側面に接続され、前記止水材と前記上方の各石材との間に向かって延び、前記上方の各石材の、前記止水材側への移動を規制するシート状の上部規制部材と、を備えることを特徴とする遮水構造。
  2. 前記直立堤護岸の側面に接続され、前記止水材と前記下方の各石材との間に向かって延び、前記止水材の、前記下方の各石材側への移動を規制するシート状の下部規制部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の遮水構造。
  3. 前記上部規制部材及び前記下部規制部材のそれぞれは、前記直立堤護岸の側面と前記傾斜堤護岸の端面とが離間する方向に沿って伸縮自在に構成されることを特徴とする請求項2に記載の遮水構造。
  4. 前記止水材内に伝熱部材を配置して、該伝熱部材の一部を外部に露出させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遮水構造。
  5. 前記伝熱部材は、前記止水材の直立堤護岸側の部位に配置されることを特徴とする請求項4に記載の遮水構造。
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