JP6501363B2 - 1,2,3−トリオール化合物の光学活性モノエステル体の製造方法 - Google Patents

1,2,3−トリオール化合物の光学活性モノエステル体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は1,2,3−トリオールの光学活性モノエステル化誘導体を、簡便に効率良く製造する方法に関する。本願は、2013年11月18日に日本に出願した特願2013−238262号の優先権を主張し、その内容をここに援用する。
有機合成において、分子中の特定の官能基のみを選択的に活性化して反応させることは所望の分子構造を持つ化合物を自由に合成する上で大変重要である。例えば、糖類、イノシトール、グリセリンなどのポリオールは脂質やたんぱく質などと並び生命科学において重要な役割を担う化合物群である。しかし、一般にこれらの化合物は従来の化学反応条件においては識別が困難な多数の水酸基を有するため、特定の水酸基のみを選択的に修飾することが困難であった。中でも、グリセリンに代表されるトリオール類は、反応性の類似した水酸基3つを有する上、うち2つは反応性が等しいため、3つの水酸基のうちの1つだけを選択的に修飾することは非常に困難であることが知られていた。
一方、近年、環境技術として植物油脂を原料とするバイオディーゼル燃料が普及しつつあるが、その一方でバイオディーゼル燃料製造プロセスにおいて副生するグリセリンが大量に余剰化し、その処分が社会問題化しており、グリセリンを効率良く高付加価値製品に変換して有効に活用するための優れた技術の確立が重要な課題となっている。
従来、1段階で無保護の1,2,3−トリオールの3つの水酸基の一つだけを選択的に高収率で修飾可能な方法は存在しなかった。例えば代表的なトリオールであるグリセリンの3個の水酸基のうちの特定部位に目的の置換基を導入しようとする場合、古典的な方法としては非特許文献1のごとく単純にグリセリンに対し反応試剤を最適量比で仕込んで反応させ、得られる置換度分布のある位置異性体混合物の中から、目的とする化合物のみをクロマトグラフ等で分離精製する方法が考えられるが、一般に多種かつ大量の不純物中からの分離の効率は悪いため収率が低下し、また性質の良く似た不純物の混入の可能性が高いため、良い方法であるとは言えない。
したがって、例えばグリセリル基をもつ有用物質の合成にあたっては、一般的手法として、非特許文献2〜4のごとく、まず3つの水酸基のうちの2つをアセトナイドとして保護したのち、残る1つの水酸基を目的の官能基に変換し、その後にアセトナイド保護基を除去する工程が必要となるため、合計4段階の煩雑な合成工程とせざるを得ない。無保護のまま、目的の官能基を導入することができれば保護基の導入と除去の2段階が不要となるため、合成工程数が省略され製造効率は飛躍的に高まる。
一方、保護基を用いる合成法とは別に、より直接的な方法として、例えば非特許文献5および非特許文献6のごとく、1段階の反応で多価アルコールのうち所望の水酸基のみに置換基を導入する試みもなされているが、これらはジオールについては良好な結果が得られる反面、グリセリンについては収率面でも選択率の面でも未だ充分であるとは言いがたい。
さらに、光学活性なグリセリル基を有する誘導体を合成するためには、非特許文献2あるいは非特許文献4のごとく、あらかじめ高い光学純度のグリシジル誘導体やグリセリン誘導体等を合成原料として入手しなければならないが、一般にその様な原料は糖類から複数の煩雑な工程を経て合成するか、光学活性なグリシドールからやはり複数の工程により合成するしかなく、一般に極めて高価である。したがって、原料として安価なグリセリンを用いて、一段階の触媒反応により位置選択的活性修飾基導入と同時に高い立体選択がなされて、良好な光学純度の1,2,3−トリオールモノ置換誘導体を得る方法が確立できれば、様々な有用物質の製造法として極めて有用な選択肢を与える。
M.Benbouzidら、Fett Wissenschaft Technologie,Vol.90(8),p292−p295(1988) John C.SOWDENら、Journal of the American Chemical Society,Vol.64,p1291−p1293(1942) O.E.van LOHUIZENら,Recueul des Traveux Chimiques des Pays−Bas,p460−p472(1959) Georges Hirthら、Helvetica Chimica Acta,vol.66(2),p1210−p1240(1983) N.Nagashimaら、Chemical and Pharmaceutical Bulletin,Vol.39(8),p1972−p1982(1991) Boyapati M.Choudaryら、Tetrahedron,Vol.56,p7291−p7298(2000)
本発明の目的は、1,2,3−トリオールを原料として簡便かつ選択的にモノエステル化体を製造する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、1,2,3−トリオールから1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物を良好な収率で得る方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に対し鋭意検討を加えた結果、光学活性ビスオキサゾリン配位子、1価または2価の銅化合物、および塩基の存在下に1,2,3−トリオール化合物を酸ハライド類と反応させると、水酸基を保護基で保護せずとも1つの水酸基のみに修飾反応が進行するうえ、立体選択も同時になされて1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物が選択的に高い収率で得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、光学活性ビスオキサゾリン配位子、1価または2価の銅化合物、および塩基の存在下に、下記式(1)
Figure 0006501363

(式中、R1〜R3は、同一又は異なって、水素原子、置換若しくは無置換の炭化水素基、置換若しくは無置換の複素環式基、又は1若しくは2以上の前記炭化水素基及び/又は前記複素環式基と、1若しくは2以上の連結基とで構成される基を示す。R1とR3は互いに結合して、隣接する3つの炭素原子からなる炭素鎖とともに環を形成していてもよい)
で表される1,2,3−トリオール化合物を有機酸ハライドと反応させて、下記式(2)
Figure 0006501363

(式中、R1〜R3は、前記に同じ。OXは有機酸エステル基を表す。*は不斉炭素原子を示す)
で表される1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物を得ることを特徴とする1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法を提供する。
前記1,2,3−トリオール化合物はプロキラルな化合物であってもよい。
前記1,2,3−トリオール化合物はグリセリンであってもよい。
すなわち、本発明は以下に関する。
[1]光学活性ビスオキサゾリン配位子、1価または2価の銅化合物、および塩基の存在下に、前記式(1)(式中、R1〜R3は、同一又は異なって、水素原子、置換若しくは無置換の炭化水素基、置換若しくは無置換の複素環式基、又は1若しくは2以上の前記炭化水素基及び/又は前記複素環式基と、1若しくは2以上の連結基とで構成される基を示す。R1とR3は互いに結合して、隣接する3つの炭素原子からなる炭素鎖とともに環を形成していてもよい)で表される1,2,3−トリオール化合物を有機酸ハライドと反応させて、前記式(2)(式中、R1〜R3は、前記に同じ。OXは有機酸エステル基を表す。*は不斉炭素原子を示す)で表される1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物を得ることを特徴とする1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[2]前記の炭化水素基が、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基又はこれらの基が結合した基である[1]に記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[3]前記の炭化水素基が、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-15シクロアルキル基、C6-10芳香族炭化水素基、C3-15シクロアルキル−C1-4アルキル基、又はC7-14アラルキル基である[1]又は[2]に記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[4]前記の複素環式基を構成する複素環が、芳香族性複素環又は非芳香族性複素環である[1]〜[3]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[5]前記の複素環がヘテロ原子として酸素原子を含む複素環、ヘテロ原子としてイオウ原子を含む複素環、又はヘテロ原子として窒素原子を含む複素環である[4]に記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[6]前記の1若しくは2以上の前記炭化水素基及び/又は前記複素環式基と、1若しくは2以上の連結基とで構成される基における連結基が、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオアルキル基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、モノ又はジアルキルアミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アラルキルオキシカルボニルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、又はアラルキルオキシカルボニル基である[1]〜[5]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[7]前記の式(1)で表される化合物が、プロキラルな1,2,3−トリオール化合物である[1]〜[6]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[8]前記の式(1)で表される1,2,3−トリオールが、グリセリン、グリセリン誘導体、アルキルトリオール類、アルジトール類およびそれらの水酸基の一部に保護基または置換基が導入された誘導体、アルドース類およびそれらの水酸基および/またはアルデヒド基の一部に保護基または置換基が導入された誘導体、又は、ケトース類およびそれらの水酸基の一部に保護基または置換基が導入された誘導体である[1]〜[7]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[9]前記の式(1)で表される1,2,3−トリオール化合物がグリセリン及び/又はグリセリン誘導体である[1]〜[8]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[10]前記の有機酸ハライドが、カルボン酸ハライド、スルホン酸ハライド、ホスフィン酸ハライド、ホスホン酸ハライドである[1]〜[9]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[11]前記の有機酸ハライドが、下記式(3)で表される化合物である[1]〜[10]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。(式中、Xは有機酸基を表し、Yはハロゲン原子を表す)
[12]前記の有機酸ハライドが、メタンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホニルクロリド、フェニルスルホニルクロリド、p−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、m−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、o−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、m−トルエンスルホニルクロリド、o−トルエンスルホニルクロリド、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルクロリド、p−ブロモベンゼンスルホニルクロリド、p−メトキシベンゼンスルホニルクロリド、o−メトキシベンゼンスルホニルクロリド、1−ナフタレンスルホニルクロリド、2−ナフタレンスルホニルクロリド、1−(2−メトキシナフタレン)スルホニルクロリド、2−フラニルスルホニルクロリド、2−チオフェンスルホニルクロリド、2−クロロ−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン、ジフェニルホスフィニルクロリド、又はジフェニルホスホリルクロリドである[1]〜[11]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[13]前記の有機酸ハライドの使用量が、原料として用いる1,2,3−トリオール化合物1モルに対して、0.5〜5モルである[1]〜[12]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[14]前記の1価または2価の銅化合物が、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(I)、シアン化銅(I)、銅(II)トリフラート[=トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)]、酢酸銅(II)、又はトリフルオロ酢酸銅(II)である[1]〜[13]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[15]前記の1価または2価の銅化合物が、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、シアン化銅(I)、である[1]〜[14]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[16]前記の1価または2価の銅化合物の使用量が、1,2,3−トリオール化合物1モルに対して、0.0001〜0.5モルである[1]〜[15]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[17]前記の光学活性ビスオキサゾリン配位子が、下記式(4)で表される[1]〜[16]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。(式中、R4は、置換または無置換のアルキレン基、置換または無置換のアルケニレン基、置換または無置換のシクロアルキレン基、置換または無置換のアリーレン基、置換または無置換の2価の複素環式基、これらが2以上結合した基から選ばれる基を示す。R5は、置換または無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアリール基、これらが2以上結合した基から選ばれる基を示す。R6は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアリール基、これらが2以上結合した基から選ばれる基を示す。また、R5とR6は互いに結合して、隣接する2つの炭素原子からなる炭素鎖とともに、環を形成していてもよい)
[18]前記のR4におけるアルキレン基が炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であり、アルケニレン基が炭素数2〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニレン基であり、シクロアルキレン基が炭素数3〜12のシクロアルキレン基であり、アリーレン基が炭素数6〜14のアリーレン基であり、2価の複素環式基が窒素原子、酸素原子、硫黄原子からなる群より選択された少なくとも1種のヘテロ原子を含む非芳香族性又は芳香族性複素環化合物から2つの水素原子を除いた基である[17]に記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[19]前記のR5、R6におけるアルキル基が、それぞれ、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、アルケニル基が、それぞれ、炭素数2〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基であり、シクロアルキル基が、それぞれ、3員環〜12員環のシクロアルキル基であり、アリール基が、それぞれ、炭素数6〜14のアリール基である[17]又は[18]に記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[20]前記のR5とR6が互いに結合して隣接する2つの炭素原子からなる炭素鎖とともに形成する環が、シクロアルカン環、シクロアルケン環、芳香族炭素環、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子からなる群より選択された少なくとも1種のヘテロ原子を含む非芳香族性又は芳香族性複素環、又はこれらの環が2以上縮合又は結合した環である[17]〜[19]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[21]前記の光学活性ビスオキサゾリン配位子が、2,2'−メチレンビス[(4S)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2'−イソプロピリデンビス[(4S)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2'−ジフェニルメチレンビス[(4S)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2'−メチレンビス[(4S)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2'−イソプロピリデンビス[(4S)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2'−ジフェニルメチレンビス[(4S)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2'−メチレンビス[(4S,5R)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリン]、2,2'−イソプロピリデンビス[(4S,5R)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリン]、2,2'−ジフェニルメチレンビス[(4S,5R)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリン]、[3aR−[2(3'aR*,8aS*),3'aβ,8'aβ]]−2,2'−メチレンビス[3,8H−ジヒドロ−8−インデノ−ル[1,2−d]オキサゾール]、[3aR−[2(3'aR*,8aS*),3'aβ,8'aβ]]−2,2'−イソプロピリデンビス[3,8H−ジヒドロ−8−インデノ−ル[1,2−d]オキサゾール]、[3aR−[2(3'aR*,8aS*),3'aβ,8'aβ]]−2,2'−ジフェニルメチレンビス[3,8H−ジヒドロ−8−インデノ−ル[1,2−d]オキサゾール]、2,6−ビス[(4S)−イソプロピル−2−オキサゾリン−2−イル]ピリジン、(4S)−フェニル−α−[(4S)−フェニルオキサゾリジン−2−イリデン]−2−オキサゾリン−2−アセトニトリル、2,2'−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2'−イソプロピリデンビス[(4R)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2'−ジフェニルメチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2'−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2'−ジフェニルメチレンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2'−メチレンビス[(4R,5S)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリン]、2,2'−イソプロピリデンビス[(4R,5S)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリン]、2,2'−ジフェニルメチレンビス[(4R,5S)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリン]、[3aS−[2(3'aS*,8aR*),3'aβ,8'aβ]]−2,2'−メチレンビス[3,8H−ジヒドロ−8−インデノ−ル[1,2−d]オキサゾール]、[3aR−[2(3'aS*,8aR*),3'aβ,8'aβ]]−2,2'−イソプロピリデンビス[3,8H−ジヒドロ−8−インデノ−ル[1,2−d]オキサゾール]、[3aS−[2(3'aS*,8aR*),3'aβ,8'aβ]]−2,2'−ジフェニルメチレンビス[3,8H−ジヒドロ−8−インデノ−ル[1,2−d]オキサゾール]、2,6−ビス[(4R)−イソプロピル−2−オキサゾリン−2−イル]ピリジン、又は(4R)−フェニル−α−[(4R)−フェニルオキサゾリジン−2−イリデン]−2−オキサゾリン−2−アセトニトリルである[1]〜[20]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[22]前記の光学活性ビスオキサゾリン配位子の使用量が、原料として用いる1,2,3−トリオール化合物1モルに対して、0.0001モル〜0.5モルである[1]〜[21]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[23]前記の塩基が、アミン、含窒素芳香族複素環化合物、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、及びアルカリ金属水酸化物からなる群より選択される少なくとも1つである[1]〜[22]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[24]前記の塩基がアルカリ金属の炭酸塩である[1]〜[23]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[25]前記の塩基の使用量が、原料として用いる1,2,3−トリオール化合物1モルに対して、0.5〜5モルである[1]〜[24]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[26]本発明における反応溶媒が、非プロトン性極性溶媒、ニトリル、アルコール、ケトン、ハロゲン化炭化水素、鎖状エーテル、及び炭化水素からなる群より選択される少なくとも1つである[1]〜[25]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
[27]本発明の製造方法における反応温度が、120℃以下であり、反応時間が0.1〜100時間である[1]〜[26]のいずれかに記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
本発明の方法によれば、1,2,3−トリオール化合物から、水酸基を保護基で保護することなく、複数の水酸基のうち所望の1つだけを選択的に修飾でき、1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化誘導体を得ることができる。さらに、低温、常圧下の温和な条件で反応が進行し、グリシドールやハロゲン化グリセリルなどの有害な物質を使用することがないため作業性に優れている。従って本発明に係る1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法は簡便で汎用性が高く、有用な医薬品、化粧品、トイレタリー分野において有用な機能分子の合成に大きく寄与することができる。
本発明の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法は、光学活性ビスオキサゾリン配位子、1価または2価の銅化合物、および塩基の存在下に、前記式(1)で表される1,2,3−トリオール化合物を有機酸ハライドと反応させて、前記式(2)で表される1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物を得ることを特徴とする。
前記式(1)および式(2)中、R1〜R3は、同一又は異なって、水素原子、置換若しくは無置換の炭化水素基、置換若しくは無置換の複素環式基、又は1若しくは2以上の前記炭化水素基及び/又は前記複素環式基と、1若しくは2以上の連結基とで構成される基を示す。R1とR3は互いに結合して、隣接する3つの炭素原子からなる炭素鎖(式中に示される)とともに環を形成していてもよい。また、式(2)中、OXは有機酸エステル基を表す。*は不斉炭素原子を示す。
前記R1〜R3における炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基およびこれらの基が結合した基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、デシル、ドデシル基などの炭素数1〜20(好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜3)の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基;ビニル、アリル、1−ブテニル基などの炭素数2〜20(好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜3)の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基;エチニル、プロピニル基などの炭素数2〜20(好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜3)の直鎖状又は分岐鎖状のアルキニル基などが挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル基などの3〜20員環(好ましくは3〜15員、さらに好ましくは5〜8員)のシクロアルキル基;シクロペンテニル、シクロへキセニル基などの3〜20員環(好ましくは3〜15員環、さらに好ましくは5〜8員環)のシクロアルケニル基;パーヒドロナフタレン−1−イル基、ノルボルニル基、アダマンチル、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3−イル基などの橋かけ環式炭化水素基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基などの炭素数6〜14(好ましくは6〜10)の芳香族炭化水素基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基と脂環式炭化水素基とが結合した基には、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロへキシルエチル基などのシクロアルキル−アルキル基(例えばC3-20シクロアルキル−C1-4アルキル基など)などが含まれる。
また、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基が結合した基には、アラルキル基(例えばC7-18アラルキル基など)、アルキル置換アリール基(例えば1〜4個程度のC1-4アルキル基が置換したフェニル基、ナフチル基など)などが含まれる。
好ましい炭化水素基には、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-15シクロアルキル基、C6-10芳香族炭化水素基、C3-15シクロアルキル−C1-4アルキル基、C7-14アラルキル基などが含まれる。
上記炭化水素基は、種々の置換基、例えば、ハロゲン原子、オキソ基、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基など)、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基(アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基など)、置換又は無置換カルバモイル基(アルキル基、アリール基若しくはアラルキル基で置換されたカルバモイル基、又は無置換カルバモイル基など)、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基(アルキル基、アリール基、アラルキル基若しくはアシル基で置換されたアミノ基、又は無置換アミノ基など)、スルホ基、複素環式基(例えば、後述の複素環式基など)などを有していてもよい。前記ヒドロキシル基やカルボキシル基は有機合成の分野で慣用の保護基で保護されていてもよい。また、脂環式炭化水素基や芳香族炭化水素基の環には芳香族性又は非芳香属性の複素環が縮合していてもよい。
前記R1〜R3における複素環式基を構成する複素環には、芳香族性複素環および非芳香族性複素環が含まれる。このような複素環としては、例えばヘテロ原子として酸素原子を含む複素環(例えば、オキシラン環などの3員環、オキセタン環などの4員環、フラン、テトラヒドロフラン、オオキサゾール、γッブチロラクトン環などの5員環、4−オキソ−4H−ピラン、テトラヒドロピラン、モルホリン環などの6員環、ベンゾフラン、4−オキソ−4H−クロメン、クロマン環などの縮合環、3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]−ウンデカン−2−オン環、3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン環)、ヘテロ原子としてイオウ原子を含む複素環(例えば、チオフェン、チアゾール、チアジアゾール環などの5員環、4−オキソ−4H−チオピラン環などの6員環、ベンゾチオフェン環などの縮合環など)、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環(例えばピロール、ピロリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール環などの5員環、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン環などの6員環、インドール、インドリン、キノリン、アクリジン、ナフチリジン、キナゾリン、プリン環などの縮合環など)などが挙げられる。上記複素環式基には、前記炭化水素基が有していてもよい置換基のほか、アルキル基(例えばメチル、エチル基などのC1-4アルキル基など)、シクロアルキル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基など)などの置換基を有していてもよい。また、複素環を構成する窒素原子は保護基で保護されていてもよい。
前記1若しくは2以上の前記炭化水素基(置換若しくは無置換の炭化水素基)及び/又は前記複素環式基(置換若しくは無置換の複素環式基)と、1若しくは2以上の連結基とで構成される基において、連結基としては、例えばエーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、エステル結合(−COO−)、アミド結合(−CONH−)、カルボニル基(−CO−)、これらが2個以上結合した基などが挙げられる。
前記1若しくは2以上の前記炭化水素基及び/又は前記複素環式基と、1若しくは2以上の連結基とで構成される基としては、例えば、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ基等のC1-6アルコキシ基など)、アルコキシアルキル基(メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル基等のC1-6アルコキシ−C1-6アルキル基など)、アリールオキシ基(フェノキシ、ナフトキシ、トリルオキシ基等のC6-14アリールオキシ基など)、アラルキルオキシ基(ベンジルオキシ基等のC7-15アラルキルオキシ基など)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ基等のC1-6アルキルチオ基など)、アルキルチオアルキル基(メチルチオメチル、エチルチオメチル、メチルチオエチル基等のC1-6アルキルチオ−C1-6アルキル基など)、アリールチオ基(フェニルチオ、ナフチルチオ基等のC6-14アリールオキシ基など)、アラルキルチオ基(ベンジルチオ基等のC7-15アラルキルチオ基など)、モノ又はジアルキルアミノ基(メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ基等のモノ又はジ−C1-6アルキルアミノ基など)、アシルアミノ基(ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ基等のC1-12アシルアミノ基など)、アルコキシカルボニルアミノ基(メトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ基等のC1-6アルコキシ−カルボニルアミノ基など)、アリールオキシカルボニルアミノ基(フェノキシカルボニルアミノ基等のC6-14アリールオキシ−カルボニルアミノ基など)、アラルキルオキシカルボニルアミノ基(ベンジルオキシカルボニルアミノ基等のC7-15アラルキルオキシ−カルボニルアミノ基など)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル基等のC1-6アルコキシ−カルボニル基など)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル基等のC6-14アリールオキシ−カルボニル基など)、アラルキルオキシカルボニル基(ベンジルオキシカルボニル基等のC7-15アラルキルオキシ−カルボニル基など)などが挙げられる。
中でも、前記R1とR3としては、同一または異なって、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アリル基等の脂肪族炭化水素基(特に、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基);フェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基(特に、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基);4−メチルフェニル基、ベンジル基等の脂肪族炭化水素基(特に、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基)と芳香族炭化水素基(特に、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基)とが結合した基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基(特に、C1-6アルコキシ−カルボニル基)が好ましい。
特に、本発明は、式(1)で表される化合物が、他の方法では選択的な修飾が困難なR1とR3が同一の基である化合物[特に、メソ化合物(メソ体)、プロキラルな1,2,3−トリオール化合物]である場合に有用である。
前記R1とR3は、互いに結合して、式中に示される隣接する3つの炭素原子からなる炭素鎖とともに環を形成していてもよく、例えば、芳香族性または非芳香族性の環を形成していてもよい。好ましい芳香族性または非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員環程度である。このような環には、例えば、非芳香族性脂環式環(シクロヘキサン環などの置換基を有していても良く、またベンゼン環などの芳香族性環が結合していてもよいシクロアルカン環、シクロヘキセン環などの、置換基を有していてもよく、またベンゼン環などの芳香族性環が結合していてもよいシクロアルケン環など)、非芳香族性橋かけ環(5−ノルボルネン環などの置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素環など)、ベンゼン環、ナフタレン環などの置換基を有していいてもよい芳香族性環(縮合環を含む)などが挙げられる。また、環は複素環でもよく、複素環としては上記R1、R2、R3における複素環式基を構成する複素環の例と同様の例を挙げることができる。環は、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよい。
1とR3が互いに結合して隣接する3つの炭素原子と共に環を形成している場合、該環としては、なかでも、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロへプタン環、シクロオクタン環、テトラヒドロナフタレン環などのシクロアルカン環;シクロヘキセン環などのシクロアルケン環;ピロリジン等のヘテロ原子として窒素原子を含む非芳香族性複素環;フラン環などのヘテロ原子として酸素原子を含む非芳香族性複素環などが好ましく、特に、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロへプタン環、シクロオクタン環、テトラヒドロナフタレン環等のシクロアルカン環、シクロヘキセン環などのシクロアルケン環、フラン環、ピロリジン環などの非芳香族性複素環が反応が進みやすい点で好ましい。
式(1)で表される1,2,3−トリオールの具体的な例としては、グリセリン;1−フェニルグリセリン、2−メチルグリセリン、2−エチルグリセリン、2−フェニルグリセリン、2−ベンジルグリセリン、1−(4−メトキシフェニル)グリセリン、1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルグリセリン、1−(4−ニトロフェニル)グリセリン、1−(4シアノフェニル)グリセリンなどのグリセリン誘導体;2,3,4−ペンタントリオール、3,4,5−へプタントリオール、1,2,3−ノナントリオール、4,5,6−ノナントリオールなどのアルキルトリオール類(アルカントリオール類);エリトリトール、トレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、グルシトール、マンニトール、イジトール、ガラクチトール、タリトール、ソルビトールなどのアルジトール類およびそれらの水酸基の一部に保護基または置換基が導入された誘導体;エリトロース、トレオース、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース、アロース、タロース、グロース、アルトロース、マンノース、ガラクトース、イドースなどのアルドース類およびそれらの水酸基および/またはアルデヒド基の一部に保護基または置換基が導入された誘導体;キシルロース、リブロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトースなどのケトース類およびそれらの水酸基の一部に保護基または置換基が導入された誘導体などを挙げることができる。
本発明においては、式(1)で表される1,2,3−トリオール化合物としては、中でもグリセリンが好ましい。
本発明において、有機酸ハライドとしては、例えば、カルボン酸ハライド、スルホン酸ハライド、ホスフィン酸ハライド、ホスホン酸ハライドなどが挙げられる。代表的な有機酸ハライドとして、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006501363

(式中、Xは有機酸基を表し、Yはハロゲン原子を表す)
上記式(3)中のXとしては、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロパノイル基、2−エチルヘキサノイル基、デカノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、オレオイル基、ステアロイル基などの、ハロゲン原子を有していてもよい飽和または不飽和の炭素数1〜22の脂肪族アシル基;ベンゾイル基などの芳香族アシル基;メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−ニトロベンゼンスルホニル基、m−ニトロベンゼンスルホニル基、o−ニトロベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、m−トルエンスルホニル基、o−トルエンスルホニル基、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル基、p−ブロモベンゼンスルホニル基、p−メトキシベンゼンスルホニル基、o−メトキシベンゼンスルホニル基、1−ナフタレンスルホニル基、2−ナフタレンスルホニル基、1−(2−メトキシナフタレン)スルホニル基、2−フラニルスルホニル基、2−チオフェンスルホニル基、2,2−ジメチル−6−クロマンスルホニル基、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマンスルホニル基などのスルホニル基;ジメチルホスフィニル基、ジエチルホスフィニル基、ジフェニルホスフィニル基、1,3,2−ジオキサホスホラン−2−イル基、などのホスフィニル基;ジメチルホスホリル基、ジエチルホスホリル基、ジフェニルホスホリル基、2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン−2−イル基などのホスホリル基などを挙げることができる。
上記式(3)中のYとしては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
本発明において、有機酸ハライドとしては、なかでも、メタンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホニルクロリド、フェニルスルホニルクロリド、p−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、m−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、o−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、m−トルエンスルホニルクロリド、o−トルエンスルホニルクロリド、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルクロリド、p−ブロモベンゼンスルホニルクロリド、p−メトキシベンゼンスルホニルクロリド、o−メトキシベンゼンスルホニルクロリド、1−ナフタレンスルホニルクロリド、2−ナフタレンスルホニルクロリド、1−(2−メトキシナフタレン)スルホニルクロリド、2−フラニルスルホニルクロリド、2−チオフェンスルホニルクロリド、2−クロロ−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン、ジフェニルホスフィニルクロリド、ジフェニルホスホリルクロリドが、反応の立体選択性および位置選択性、すなわち、生成物の光学純度および組成純度の観点から好ましく用いられる。
前記有機酸ハライドの使用量としては、例えば、原料として用いる1,2,3−トリオール化合物1モルに対して、0.5〜5モル、好ましくは0.8〜3モル、さらに好ましくは1〜2モル程度である。
本発明において、1価または2価の銅化合物としては、特に限定されないが、例えば、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(I)、シアン化銅(I)、銅(II)トリフラート[=トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)]、酢酸銅(II)、トリフルオロ酢酸銅(II)を挙げることができるが、これらの中でも臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、シアン化銅(I)および銅(II)トリフラートが収率および生成物の光学活性の観点では望ましく、さらにはより安価で腐食性も少ないことから取り扱いやすい臭化銅(I)がより好適である。
前記1価または2価の銅化合物の使用量は、例えば原料として用いる1,2,3−トリオール化合物1モルに対して、0.0001〜0.5モル、好ましくは0.005〜0.2モル、より好ましくは0.01〜0.1モルである。1価または2価の銅化合物の量が少なすぎると反応の進行が遅くなるし、原料不純物などの影響により失活して反応自体が起こらなくなる可能性が高くなる。また、多すぎると、高価なビスオキサゾリン配位子の使用量も増やさざるを得なくなり、コストが上昇するため好ましくない。
本発明において、光学活性ビスオキサゾリン配位子は、例えば、下記式(4)で表される。
Figure 0006501363

(式中、R4は、置換または無置換のアルキレン基、置換または無置換のアルケニレン基、置換または無置換のシクロアルキレン基、置換または無置換のアリーレン基、置換または無置換の2価の複素環式基、これらが2以上結合した基から選ばれる基を示す。R5は、置換または無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアリール基、これらが2以上結合した基から選ばれる基を示す。R6は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアリール基、これらが2以上結合した基から選ばれる基を示す。また、R5とR6は互いに結合して、隣接する2つの炭素原子からなる炭素鎖とともに、環を形成していてもよい)
前記R4におけるアルキレン基としては、例えば、メチレン、メチルメチレン(=エチリデン)、ジメチルメチレン(=イソプロピリデン)、エチレン、プロピレン、トリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、デカメチレン基などの炭素数1〜20(好ましくは1〜10)の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基などが挙げられる。前記アルキレン基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素原子など)、ヒドロキシル基、アリール基(フェニル、ナフチル基など)、シクロアルキル基(シクロペンチル、シクロヘキシル基など)、アラルキル基(ベンジル基など)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロピルオキシ、ブトキシ、イソブチルオキシ、tert−ブチルオキシ、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ、ナフチルオキシ基など)、アラルキルオキシ基(ベンジルオキシ基など)、ハロアルキル基(トリフルオロメチル基等の炭素数1〜6のハロアルキル基など)、アシル基(アセチル、プロピオニル、ベンゾイル基等の炭素数1〜10のアシル基など)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基等のC1-6アルコキシ−カルボニル基など)、アリールオキシカルボニル基(フェニルオキシカルボニル基など)、アラルキルオキシカルボニル基(ベンジルオキシカルボニル基など)、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基(アミノ基、モノC1-4アルキルアミノ基、ジC1-4アルキルアミノ基、C1-10アシルアミノ基等)などが挙げられる。
前記R4におけるアルケニレン基としては、例えば、ビニレン基などの炭素数2〜20(好ましくは、2〜10)の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニレン基などが挙げられる。前記アルケニレン基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記R4におけるアルキレン基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
前記R4におけるシクロアルキレン基としては、例えば、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基などの炭素数3〜12(好ましくは、5〜6)のシクロアルキレン基などが挙げられる。前記シクロアルキレン基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記R4におけるアルキレン基が有していてもよい置換基と同様の置換基のほか、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基等)などが挙げられる。
前記R4におけるアリーレン基としては、例えば、フェニレン、ナフチレン基などの炭素数6〜14のアリーレン基などが挙げられる。前記アリーレン基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記R4におけるアルキレン基が有していてもよい置換基と同様の置換基のほか、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基等)などが挙げられる。
前記R4における2価の複素環式基としては、ピロリジン、ピロール、ピリジン、フラン、チオフェン等のヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子からなる群より選択された少なくとも1種のヘテロ原子を含む非芳香族性又は芳香族性複素環化合物から2つの水素原子を除いた基などが挙げられる。この複素環式基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記R4におけるアルキレン基が有していてもよい置換基と同様の置換基のほか、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基等)などが挙げられる。
前記R5、R6におけるアルキル基としては、それぞれ、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、デシル、ドデシル基などの炭素数1〜20(好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜3)の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基などが挙げられる。前記R5、R6におけるアルケニル基としては、それぞれ、例えば、ビニル、アリル、1−ブテニル基などの炭素数2〜20(好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜3)の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基などが挙げられる。前記R5、R6におけるシクロアルキル基としては、それぞれ、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル基などの3員環〜12員環(好ましくは、5員環〜6員環)のシクロアルキル基などが挙げられる。前記R5、R6におけるアリール基としては、それぞれ、例えば、フェニル、ナフチル基などの炭素数6〜14のアリール基などが挙げられる。
前記R5、R6におけるアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、それぞれ、前記R4におけるアルキレン基が有していてもよい置換基と同様の置換基のほか、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基等)などが挙げられる。
5とR6が互いに結合して隣接する2つの炭素原子からなる炭素鎖とともに形成してもよい環としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロへプタン環、シクロオクタン環、テトラヒドロナフタレン環などのシクロアルカン環;シクロヘキセン環などのシクロアルケン環;ベンゼン環、ナフタレン環、インデン環、フルオレン環などの芳香族炭素環;ピロリジン環、ピロール環、ピリジン環、フラン環、オキサゾール環、チオフェン環等のヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子からなる群より選択された少なくとも1種のヘテロ原子を含む非芳香族性又は芳香族性複素環;これらの環が2以上縮合又は結合した環などが挙げられる。これらの環は1又は2以上の置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記R4におけるアルキレン基が有していてもよい置換基と同様の置換基のほか、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基等)などが挙げられる。
前記光学活性ビスオキサゾリン配位子の例としては、例えば、2,2'−メチレンビス[(4S)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2'−イソプロピリデンビス[(4S)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2'−ジフェニルメチレンビス[(4S)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2'−メチレンビス[(4S)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2'−イソプロピリデンビス[(4S)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2'−ジフェニルメチレンビス[(4S)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2'−メチレンビス[(4S,5R)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリン]、2,2'−イソプロピリデンビス[(4S,5R)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリン]、2,2'−ジフェニルメチレンビス[(4S,5R)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリン]、[3aR−[2(3'aR*,8aS*),3'aβ,8'aβ]]−2,2'−メチレンビス[3,8H−ジヒドロ−8−インデノ−ル[1,2−d]オキサゾール]、[3aR−[2(3'aR*,8aS*),3'aβ,8'aβ]]−2,2'−イソプロピリデンビス[3,8H−ジヒドロ−8−インデノ−ル[1,2−d]オキサゾール]、[3aR−[2(3'aR*,8aS*),3'aβ,8'aβ]]−2,2'−ジフェニルメチレンビス[3,8H−ジヒドロ−8−インデノ−ル[1,2−d]オキサゾール]、2,6−ビス[(4S)−イソプロピル−2−オキサゾリン−2−イル]ピリジン、(4S)−フェニル−α−[(4S)−フェニルオキサゾリジン−2−イリデン]−2−オキサゾリン−2−アセトニトリル、およびそれらの鏡像異性体である2,2'−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2'−イソプロピリデンビス[(4R)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2'−ジフェニルメチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2'−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2'−イソプロピリデンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2'−ジフェニルメチレンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2'−メチレンビス[(4R,5S)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリン]、2,2'−イソプロピリデンビス[(4R,5S)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリン]、2,2'−ジフェニルメチレンビス[(4R,5S)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリン]、[3aS−[2(3'aS*,8aR*),3'aβ,8'aβ]]−2,2'−メチレンビス[3,8H−ジヒドロ−8−インデノ−ル[1,2−d]オキサゾール]、[3aR−[2(3'aS*,8aR*),3'aβ,8'aβ]]−2,2'−イソプロピリデンビス[3,8H−ジヒドロ−8−インデノ−ル[1,2−d]オキサゾール]、[3aS−[2(3'aS*,8aR*),3'aβ,8'aβ]]−2,2'−ジフェニルメチレンビス[3,8H−ジヒドロ−8−インデノ−ル[1,2−d]オキサゾール]、2,6−ビス[(4R)−イソプロピル−2−オキサゾリン−2−イル]ピリジン、(4R)−フェニル−α−[(4R)−フェニルオキサゾリジン−2−イリデン]−2−オキサゾリン−2−アセトニトリルなどを挙げることができる。
本発明において、前記光学活性ビスオキサゾリン配位子の使用量としては、例えば、原料として用いる1,2,3−トリオール化合物1モルに対して、0.0001モル〜0.5モル、好ましくは0.005モル〜0.2モル、より好ましくは0.01モル〜0.1モルである。
本発明において、前記塩基としては、特に限定されないが、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−s−ブチルアミン、トリ−t−ブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルエチルアミン、トリベンジルアミン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、テトラメチルエチレンジアミン、1,4−ジメチルピペラジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン等の有機塩基(アミン、含窒素芳香族複素環化合物);ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;炭酸水素ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩;リン酸カリウム等のアルカリ金属リン酸塩;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物等を挙げることができる。
本発明において、前記塩基としては、中でも、アルカリ金属の炭酸塩(例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等、特に炭酸セシウム)が、入手容易であり、その上、これら炭酸塩は反応溶媒に対して溶解度が低く、且つ適度な塩基性を有しており、モノエステル化反応の促進作用に優れる点で好ましい。
前記塩基の使用量としては、例えば、原料として用いる1,2,3−トリオール化合物1モルに対して、0.5〜5モル、好ましくは0.8〜3モル、さらに好ましくは1〜2モルである。
本発明において、反応は無溶媒で実施してもよいが、適切な溶媒中で実施してもよい。反応溶媒を使用する場合、該溶媒としては、反応に関与しないものが好ましく、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等の環状エーテル;アセトニトリル等のニトリル;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、2−メチル−2−ブタノール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール等のアルコール;酢酸エチル等のエステル;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等の鎖状エーテル;トルエン、nッヘキサン、へプタン等の炭化水素などを挙げることができる。溶媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、中でも、アセトニトリルが基質の溶解性に優れ、反応収率を向上させることができる点で好ましい。
本発明の製造方法において、反応温度は、通常、120℃以下(例えば、−20℃〜120℃)、好ましくは80℃以下(例えば、−10℃〜80℃)、さらに好ましくは40℃以下(例えば、0℃〜40℃)である。反応を遮光下に行うと収率が向上する場合がある。また、例えば、二重結合を有する反応原料を用いる場合において、反応を重合禁止剤の存在下で行うこともできる。また、反応は常圧、減圧、加圧のいずれの条件でも可能である。反応時間としては、基質の反応性にもよるが、通常0.1〜100時間程度である。反応終了後、反応生成物を、液性調整、抽出、濃縮、蒸留、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の精製手段に付すことにより、目的とする前記式(2)で表される1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物を単離することができる。
こうして得られる1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物は、医薬、農薬、液晶等の精密化学品又はその原料、機能性ポリマーの原料モノマー等として利用できる。
本発明の1,2,3−トリオール化合物を有機酸ハライドと反応させて1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物を得る反応においては、以下に示されるメカニズムで触媒サイクルが進行すると考えられる。
Figure 0006501363
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
内容積50mlの還流管つきフラスコ反応器に2,2'−イソプロピリデンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン] 33.4mg(0.1mmol)、銅(II)トリフラート 36.2mg(0.1mmol)、マグネティックスターラーチップを入れ、反応器内を窒素置換した。アセトニトリル 8mlを添加して10分間攪拌して均一溶液としたのち、グリセリン 92.1mg(1.00mmol)を加えて5分間攪拌し、Na2CO3 159.0mg(1.50mmol)、p−トルエンスルホニルクロリド 228.9mg(1.20mmol)を加えて、室温で12時間攪拌した。その後、水を添加して反応をクエンチし、酢酸エチルで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過してろ液をロータリーエバポレーターで濃縮、溶媒除去乾燥し、オイル状残渣をシリカゲルクロマトグラフ(溶離液;n−ヘキサン/酢酸エチル(5/1〜0/1)で精製して、1−グリセリル−p−トルエンスルホネート 224.1mg(0.91mmol)を得た(グリセリン基準で収率91.0%)。また、光学純度は、キラルパックAY−H(ダイセル社製)を用いたHPLC(溶離液;n−ヘキサン/エタノール(5/1)、流速;1ml/分、保持時間;S体:35分、R体:40分)で決定し、ee83%でR体過剰であることを確認した。
実施例2
使用する塩基と反応溶媒とを種々変更した以外は実施例1と同様の条件で反応を実施し、下記表1の結果を得た(Entry 1〜14)。表1及び後出の表2、表3、表4、表5において、「Cu(OTf)2」は銅(II)トリフラート、「(R,R)−PhBOX」は2,2'−イソプロピリデンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、「p−TsCl」はp−トルエンスルホニルクロリド、「Ts」はp−トルエンスルホニル基、「Base」は塩基、「Solvent」は溶媒、「rt.」は室温、「Time」は時間、「Yield」は収率、「THF」はテトラヒドロフラン、「EtOH」はエタノール、「i−PrOH」はイソプロピルアルコール、「t−BuOH」はt−ブチルアルコール、「2−Me−2−BuOH」は2−メチル−2−ブチルアルコール、「Acetone」はアセトンを示す。表1の「Time」(時間)の欄が空欄のものは、実施例1と同様、12時間であることを意味する。
Figure 0006501363
比較例1
2,2'−イソプロピリデンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン]を添加しないこと以外は実施例1と全く同じ条件で反応したところ、12時間後の収率は、原料グリセリン基準で10%と、配位子を添加した場合に比べて明確に低い結果であった。
実施例3
銅(II)トリフラート、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)の4種類の塩について、配位子(R,R)−PhBOXを添加しなかった場合と添加した場合との違いについて検討した。その結果を表2に示した。
Figure 0006501363
表2の結果より、(R,R)−PhBOX配位子を添加しなかったEntry 1〜4では3時間後の時点では単離可能な量のモノトシレート(1−グリセリル−p−トルエンスルホネート)の生成が認められなかったのに対し、(R,R)−PhBOX配位子を添加したEntry 9〜12では、良好な収率でモノトシレートが単離できることが明らかである。また、(R,R)−PhBOX配位子を添加せずに反応時間を12時間に延長すれば、Entry 5〜8に示したごとく低収率ながらモノトシレートが得られるものの、それらが全てラセミ体であったのに対し、(R,R)−PhBOX配位子を添加したEntry 9〜12ではおおむね80%程度の良好な光学純度で光学活性なモノトシレートが得られることが明らかである。
実施例4
内容積50mlの還流管つきフラスコ反応器に2,2'−イソプロピリデンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン] 33.4mg(0.1mmol)、銅(II)トリフラート 36.2mg(0.1mmol)、マグネティックスターラーチップを入れ、反応器内を窒素置換した。アセトニトリル8mlを添加して10分間攪拌して均一溶液としたのち、グリセリン 92.1mg(1.00mmol)を加えて5分間攪拌し、Na2CO3 159.0mg(1.50mmol)、1−ナフタレンスルホニルクロリド 272.0mg(1.20mmol)を加えて、室温で3時間攪拌した。その後、水を添加して反応をクエンチし、酢酸エチルで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過してろ液をロータリーエバポレーターで濃縮、溶媒除去乾燥し、残渣をシリカゲルクロマトグラフ(溶離液;n−ヘキサン/酢酸エチル(5/1〜0/1)で精製して、1−グリセリル−1−ナフタレンスルホネート 268.2mg(0.95mmol)を得た(グリセリン基準で収率95.0%)。また、光学純度は、キラルパックAY−H(ダイセル社製)を用いたHPLC(溶離液;n−ヘキサン/エタノール(5/1)、流速;1ml/分、保持時間;S体:50分、R体:60分)で決定し、ee77%でR体過剰であることを確認した。
実施例5
実施例4の銅(II)トリフラートに代えて臭化銅(I)を添加して他の反応条件は全く同様にして検討した。その結果を実施例4の結果と併せて表3に示した。
Figure 0006501363
表3の結果より、本発明の方法によれば、有機酸ハライドとして1−ナフタレンスルホニルクロリドを用いた場合にも、良好な収率かつ高い光学純度で対応する1−グリセリル光学活性モノエステルを得られることが明らかである。
実施例6
内容積50mlの還流管つきフラスコ反応器に2,2'−イソプロピリデンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン] 33.4mg(0.1mmol)、シアン化化銅(I) 9.0mg(0.1mmol)、マグネティックスターラーチップを入れ、反応器内を窒素置換した。アセトニトリル 8mlを添加して10分間攪拌して均一溶液としたのち、グリセリン 92.1mg(1.00mmol)を加えて5分間攪拌し、Na2CO3 159.0mg(1.50mmol)、p−トルエンスルホニルクロリド 228.9mg(1.20mmol)を加えて、室温で3時間攪拌した。その後、水を添加して反応をクエンチし、酢酸エチルで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過してろ液をロータリーエバポレーターで濃縮、溶媒除去乾燥し、オイル状残渣をシリカゲルクロマトグラフ(溶離液;n−ヘキサン/酢酸エチル(2/1〜0/1)で精製して、1−グリセリル−p−トルエンスルホネート 204.4mg(0.83mmol)を得た(グリセリン基準で収率83.0%)。また、光学純度は、キラルパックAY−H(ダイセル社製)を用いたHPLC(溶離液;n−ヘキサン/エタノール(2/1)、流速;1ml/分、保持時間;S体:13分、R体:16分)で決定し、ee90%でR体過剰であることを確認した。
実施例7
配位子を下記のL2〜L4としたこと以外は実施例6と同様の条件で検討した。その結果を実施例6の結果と併せて表4のentry1〜4に示した。
Figure 0006501363
比較例2
配位子を下記のL5又はL6としたこと以外は実施例6と同様の条件で検討した。その結果を表4のentry5及び6に示した。
Figure 0006501363
Figure 0006501363
表4の結果より、本発明の方法によれば、1−グリセリル光学活性モノエステルを得られることが明らかである。特に、2,2‘−イソプロピリデンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン]配位子として用いた場合にはee90%以上の極めて良好な光学純度の1−グリセリル光学活性モノエステルを得られることが明らかである。
実施例8
内容積50mlの還流管つきフラスコ反応器に2,2'−イソプロピリデンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン] 33.4mg(0.1mmol)、銅(II)トリフラート 36.2mg(0.1mmol)、マグネティックスターラーチップを入れ、反応器内を窒素置換した。ジクロロメタン 1mlを添加して10分間攪拌して均一溶液としたのち、2−ベンジルグリセリン 182.2mg(1.00mmol)を加えて5分間攪拌し、K2CO3 165.8mg(1.20mmol)、p−トルエンスルホニルクロリド 228.9mg(1.20mmol)を加えて、室温で17時間攪拌した。その後、水を添加して反応をクエンチし、酢酸エチルで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過してろ液をロータリーエバポレーターで濃縮、溶媒除去乾燥し、オイル状残渣をシリカゲルクロマトグラフ(溶離液;n−ヘキサン/酢酸エチル(5/1〜2/1)で精製して、1−(2−ベンジルグリセリル)−p−トルエンスルホネート 10.8mg(0.032mmol)を得た(2−ベンジルグリセリン基準で収率3.2%)。また、光学純度は、キラルパックAY−H(ダイセル社製)を用いたHPLC(溶離液;n−ヘキサン/エタノール(2/1)、流速;1ml/分、保持時間;S体:25分、R体:28分)で決定し、ee83%でR体過剰であることを確認した。
実施例9
温度を0℃に変更したこと以外は実施例8と同様の条件で検討した。また、温度を0℃に変更して銅(II)トリフラートを銅(I)トリフラートのトルエン錯体、塩化銅(II)、塩化銅(I)、臭化銅(II)、臭化銅(I)としたこと以外は実施例8と同様の条件で検討した。さらに、温度を0℃に変更して銅(II)トリフラートを臭化銅(I)とし、ジクロロメタンの量を2mlとしたこと以外は実施例8と同様の条件で検討した。これらの結果を実施例8の結果と併せて表5のentry1〜8に示した。
Figure 0006501363
表5の結果より、本発明の方法によれば、原料トリオールとして2位置換グリセリン誘導体を用いた場合にも、良好な収率かつ高い光学純度で対応する1−グリセリル光学活性モノエステル誘導体を得られることが明らかである。
実施例10
内容積50mlの還流管つきフラスコ反応器に2,2'−イソプロピリデンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン] 33.4mg(0.1mmol)、銅(II)トリフラート 36.2mg(0.1mmol)、マグネティックスターラーチップを入れ、反応器内を窒素置換した。テトラヒドロフラン 12mlを添加して10分間攪拌して均一溶液としたのち、グリセリン 92.1mg(1.00mmol)を加えて5分間攪拌し、K2CO3 165.8mg(1.20mmol)、ジフェニルホスフィン酸クロリド 0.223ml(1.20mmol)を加えて、室温で3時間攪拌した。その後、水を添加して反応をクエンチし、酢酸エチルで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過してろ液をロータリーエバポレーターで濃縮、溶媒除去乾燥し、オイル状残渣をシリカゲルクロマトグラフ(溶離液;酢酸エチル)で精製して、1−グリセリル−ジフェニルホスフィネート 170.7mg(0.58mmol)を得た(グリセリン基準で収率58.0%)。また、光学純度は、キラルパックAD−3(ダイセル社製)を用いたHPLC(溶離液;n−ヘキサン/2−プロパノール(10/1)、流速;1ml/分、保持時間;S体:45分、R体:50分)で決定し、ee39%で保持時間45分の異性体が過剰であることを確認した。
実施例10の結果より、本発明の方法によれば、有機酸ハライドとしてホスフィン酸ハライド(ジフェニルホスフィン酸クロリド)を用いた場合にも、良好な収率かつ高い光学純度で対応する1−グリセリル光学活性モノエステルを得られることが明らかである。
本発明の方法によれば、1,2,3−トリオール化合物から、水酸基を保護基で保護することなく、複数の水酸基のうち所望の1つだけを選択的に修飾でき、1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化誘導体を得ることができる。さらに、低温、常圧下の温和な条件で反応が進行し、グリシドールやハロゲン化グリセリルなどの有害な物質を使用することがないため作業性に優れている。従って本発明に係る1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法は簡便で汎用性が高く、有用な医薬品、化粧品、トイレタリー分野において有用な機能分子の合成に大きく寄与することができる。

Claims (3)

  1. 光学活性ビスオキサゾリン配位子、1価または2価の銅化合物、および塩基の存在下に、下記式(1)
    Figure 0006501363

    (式中、R1〜R3は、同一又は異なって、水素原子、置換若しくは無置換の炭化水素基、置換若しくは無置換の複素環式基、又は1若しくは2以上の前記炭化水素基及び/又は前記複素環式基と、1若しくは2以上の連結基とで構成される基を示す。R1とR3は互いに結合して、隣接する3つの炭素原子からなる炭素鎖とともに環を形成していてもよい)
    で表される1,2,3−トリオール化合物を有機酸ハライドと反応させて、下記式(2)
    Figure 0006501363

    (式中、R1〜R3は、前記に同じ。OXは有機酸エステル基を表す。*は不斉炭素原子を示す)
    で表される1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物を得る1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法であって、
    前記塩基がアルカリ金属の炭酸塩であるか、又は、
    前記有機酸ハライドが、メタンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホニルクロリド、フェニルスルホニルクロリド、p−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、m−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、o−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、m−トルエンスルホニルクロリド、o−トルエンスルホニルクロリド、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルクロリド、p−ブロモベンゼンスルホニルクロリド、p−メトキシベンゼンスルホニルクロリド、o−メトキシベンゼンスルホニルクロリド、1−ナフタレンスルホニルクロリド、2−ナフタレンスルホニルクロリド、1−(2−メトキシナフタレン)スルホニルクロリド、2−フラニルスルホニルクロリド、2−チオフェンスルホニルクロリド、2−クロロ−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン、ジフェニルホスフィニルクロリド、及びジフェニルホスホリルクロリドからなる群より選択される少なくとも一つであることを特徴とする1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
  2. 前記1,2,3−トリオール化合物がプロキラルな化合物である請求項1記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
  3. 前記1,2,3−トリオール化合物がグリセリン及び/又はグリセリン誘導体である請求項1又は2記載の1,2,3−トリオール光学活性モノエステル化合物の製造方法。
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