JP6500602B2 - 工作機械、演算方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、主軸ヘッドを支持するコラムの熱変位量を演算する工作機械、演算方法及びコンピュータプログラムに関する。
工作機械は、主軸を支持する主軸ヘッドと、該主軸ヘッドに連結したナットと、該ナットに転動体を介して螺合した螺子軸とを備える。コラムがナット及び螺子軸を支持しており、モータが螺子軸に連結している。螺子軸及びナットが駆動した場合、両者間で摩擦熱が発生するので、螺子軸は延びる。工作機械は、摩擦熱に基づいて、螺子軸の変位量を演算する。工作機械はモータの駆動制御に螺子軸の変位量を使用し、主軸の位置を制御する(例えば特許文献1参照)。
特開2009−214283号公報
コラムは、モータ及び主軸の駆動を制御する制御装置を支持する。制御装置は熱を発し、該熱によってコラムは熱変位し、主軸の位置がずれる。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、コラムの熱変位量を演算する工作機械、演算方法及びコンピュータプログラムを提供する。
本発明に係る工作機械は、主軸を支持する主軸ヘッドと、該主軸ヘッドを支持しており、上下に延びたコラムと、該コラムに設けてあり、前記主軸ヘッドが上下に移動する為の移動機構と、前記コラムに設けてあり、前記主軸及び移動機構の駆動を制御する制御装置とを備える工作機械において、前記制御装置から伝導した熱によって、前記移動機構の下側で前記コラムが上下方向に変位した熱変位量を演算する演算部を備えることを特徴とする。
本発明に係る工作機械は、前記制御装置にて設定した前記主軸における上下位置の目標値に、前記演算部の演算結果を加算して、前記目標値を補正する補正部を備え、前記制御装置は、前記補正部の補正結果に基づいて、前記移動機構の駆動を制御することを特徴とする。
本発明に係る工作機械は、前記移動機構に対応した上下位置にて、前記制御装置は前記移動機構の反対側に位置し、前記制御装置から伝導した熱によって、前記移動機構を設けた位置で前記コラムが上下方向に変位した第2熱変位量を演算する第2演算部と、前記演算部にて演算した熱変位量及び前記第2演算部にて演算した第2熱変位量を加算する加算部とを備えることを特徴とする。
本発明に係る工作機械は、前記コラムの各上下位置に対応付けて、前記第2演算部にて前記第2熱変位量を演算し、前記加算部の加算結果を前記コラムの各上下位置に対応付けて記憶することを特徴とする。
本発明に係る工作機械は、前記制御装置にて設定した前記主軸における上下位置の目標値に、前記加算部の加算結果を加算して、前記目標値を補正する第2補正部を備え、前記制御装置は、前記第2補正部の補正結果に基づいて、前記移動機構の駆動を制御することを特徴とする。
本発明に係る演算方法は、主軸を支持する主軸ヘッド、該主軸ヘッドが上下に移動する為の移動機構並びに前記主軸及び移動機構の駆動を制御する制御装置を支持するコラムの熱変位量を演算する演算方法であって、前記制御装置から伝導した熱によって、前記移動機構の下側で前記コラムが上下方向に変位した熱変位量を演算することを特徴とする。
本発明に係るコンピュータプログラムは、制御プログラムに従って、主軸ヘッドが上下に移動する為の移動機構を支持するコラムの熱変位量を演算する制御装置で実行可能なコンピュータプログラムであって、前記制御装置を前記コラムに設けてあり、前記制御装置を、前記制御装置から伝導した熱によって、前記移動機構の下側で前記コラムが上下方向に変位した熱変位量を演算する演算部として機能させることを特徴とする。
移動機構の下側において、コラムが熱変位した場合、移動機構が上下方向に変位するので、移動機構における主軸ヘッドの上下位置に拘わらず、主軸ヘッドも変位する。制御装置及び移動機構の上下位置は対応し、制御装置は移動機構の反対側に位置している。コラムにおいて、制御装置を設けた部分は、移動機構を設けた部分よりも高熱になるので、両部分の温度差によってコラムは曲がる。曲がりの開始位置は、移動機構の下側から開始する。曲げによってコラムは上下方向に変位する。従って、本発明においては、移動機構の下側において、コラムの上下方向における熱変位量を演算する。
本発明においては、演算した熱変位量を目標値に加算して、主軸の位置補正を実現する。
制御装置及び移動機構の上下位置は対応し、制御装置は移動機構の反対側に位置している。コラムにおいて、制御装置を設けた部分は、移動機構を設けた部分よりも高熱になるので、両部分の温度差によってコラムは曲がる。曲げによってコラムは上下方向に変位する。曲げの角度はコラムの上下位置によって変化する。すなわち移動機構の上側と下側で曲げの角度が異なり、上下方向の変位量も異なる。従って、本発明においては、曲げによって生じたコラムの上下方向の第2熱変位量を演算し、演算した第2熱変位量を前記熱変位量に加算する。
本発明においては、コラムの各上下位置に対応付けて、加算部の加算結果を記憶し、各上下位置における主軸の位置補正を容易にする。
本発明においては、熱変位量及び第2熱変位量を目標値に加算して、精度の高い主軸の位置補正を実現する。
移動機構の下側において、コラムが熱変位した場合、移動機構が上下方向に変位するので、移動機構における主軸ヘッドの上下位置に拘わらず、主軸ヘッドも変位する。本発明にあっては、移動機構の下側において、コラムの上下方向における熱変位量を演算するので、演算結果に基づいて、主軸の位置を補正することができる。
工作機械を略示する斜視図である。 工作機械の上部を略示する左側面図である。 工作機械の制御システムの構成を示すブロック図である。 経過時間に対するコラムのZ軸方向の熱変位量を示すグラフである。 制御部による目標位置の補正処理を説明するフローチャートである。 制御部によるデータベース作成処理を説明するフローチャートである。
以下本発明を実施の形態に係る工作機械を示す図面に基づいて説明する。図1は工作機械を略示する斜視図、図2は工作機械の上部を略示する左側面図である。以下の説明では図において矢印で示す上下、左右及び前後を使用する。
工作機械は、ベース52、機械本体53、XYステージ機構60及び工具交換装置80等を備える。ベース52は鉄製の略直方体状の土台である。機械本体53は、ベース52の上部後方に設けられ、XYステージ機構60上に保持したワーク(図示略)に対する切削などの加工を行う。XYステージ機構60は、ベース52の上部中央に設けられ、Xステージ61をX軸方向(左右方向)及びY軸方向(前後方向)に駆動する。工具交換装置80は、機械本体53の上部に設けられ、機械本体53の主軸57に装着された工具Tを交換する。
機械本体53は、コラム55、主軸ヘッド56、主軸57及び制御装置1等を備える。コラム55は柱状であり、ベース52の上部後方に立設している。図2に示すように、コラム55の上部55bの前面にZ軸方向移動機構430が設けてある。Z軸方向移動機構430は、Z軸ボール螺子431、ナット432及びZ軸モータ43を備える。Z軸ボール螺子431は上下に延びる。Z軸モータ43はZ軸ボール螺子431の上端部に連結する。ナット432はZ軸ボール螺子431に螺合する。主軸ヘッド56はナット432に設ける。Z軸モータ43は、Z軸ボール螺子431を正逆方向へ回転する。故に主軸ヘッド56は、ナット432と共にZ軸方向(上下方向)へ移動する。
主軸ヘッド56は主軸57を回転可能に支持する。主軸57の下端部は工具Tを装着する。主軸ヘッド56は、上部に主軸モータ44(図3参照)を備える。主軸モータ44は主軸57を回転する。
工具交換装置80は、円盤状の工具マガジン81を備える。工具マガジン81は、マガジンモータ45(図3参照)の駆動により軸周りに旋回する。工具マガジン81は、複数個のポット82備える。複数個のポット82は、工具マガジン81の外周上に周方向に並設してある。各ポット82は、工具Tを着脱可能に収容する。工具交換装置80は、工具マガジン81を旋回し、次に使用する工具Tを装着したポット82を工具交換位置へ移動する。工具交換装置80は、主軸57に装着した工具Tを外し、工具交換位置にあるポット82に装着した工具Tを主軸57に装着する。
XYステージ機構60は、Xステージ61、Yステージ62、X軸モータ41及びY軸モータ42(図3参照)等を備える。Xステージ61は、上面にワークを保持する作業台である。Yステージ62は、上面にXステージ61をX軸方向へ移動可能に支持し、且つ、ベース52の上面中央においてY軸方向に移動可能である。
ベース52はY軸ボール螺子(図示略)及びY軸モータ42を備える。Yステージ62は下面にナット(図示略)を備える。ナットはY軸ボール螺子に螺合する。Y軸モータ42はY軸ボール螺子を正逆方向に回転する。よって、Yステージ62はナットと共にY軸方向へ移動する。
Yステージ62はX軸ボール螺子(図示略)及びX軸モータ41を備える。Xステージ61は下面にナット(図示略)を備える。ナットはX軸ボール螺子に螺合する。X軸モータ41はX軸ボール螺子を正逆方向へ回転する。よってXステージ61はナットと共にX軸方向へ移動する。またXステージ61はYステージ62を介してY軸方向へ移動する。従ってXステージ61は、X軸方向及びY軸方向の両方向へ移動可能である。
制御装置1はコラム55の上部55bの後面に設けてあり、X軸モータ41、Y軸モータ42、Z軸モータ43、主軸モータ44及びマガジンモータ45の駆動を制御する。上記各モータはサーボモータである。
図3は、工作機械の制御システムの構成を示すブロック図である。制御装置1は、制御部10、入力部17、表示部18、X軸駆動制御部21、Y軸駆動制御部22、Z軸駆動制御部23、主軸駆動制御部24及びマガジン駆動制御部25等を備える。以下、X軸駆動制御部21〜マガジン駆動制御部25を総称する場合は、駆動制御部21〜25と呼ぶ。制御部10はCPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ、入出力インタフェース及びタイマ等を備え、ROM又は不揮発性メモリに格納した制御プログラムを読み込み、加工に係る目標位置及び駆動制御部21〜25に関する各種情報に基づいて、駆動制御部21〜25を制御する。不揮発性メモリ又はRAMは目標位置及び各種情報を格納する。
工作機械2は、上述したX軸モータ41、Y軸モータ42、Z軸モータ43、主軸モータ44及びマガジンモータ45等を備える。以下、X軸モータ41〜マガジンモータ45を総称する場合は、モータ41〜45と呼ぶ。モータ41〜45は、エンコーダ41A〜45Aをそれぞれ備える。エンコーダ41A〜45Aは、モータ41〜45の位置を検出し、フィードバック信号を駆動制御部21〜25へ出力する。
各駆動制御部21〜25は、制御部10から与えられる制御信号に基づき、各モータ41〜45を駆動するパルス信号を出力する。各駆動制御部21〜25は、各エンコーダ41A〜45Aからのフィードバック信号を受信し、位置及び速度のフィードバック制御を行う。各駆動制御部21〜25は、制御部10からの要求に応じて、各エンコーダ41A〜45Aからのフィードバック信号に基づく位置情報を制御部10へ送信する。制御部10は、各駆動制御部21〜25から受信した位置情報を表示部18に表示する。入力部17は作業者の操作を受け付ける。
図4は経過時間に対するコラム55のZ軸方向の熱変位量を示すグラフである。図4において、横軸は制御装置1の電源をオンにしてからの経過時間(分)を示し、縦軸はコラム55のZ軸方向の変位量(μm)を示す。またPはZ軸方向における主軸ヘッド56の位置を示し、Z0 は主軸ヘッド56の最下位置を示し、ZMAX は主軸ヘッド56の最上位置を示す。K1はP=Z0 におけるコラム55のZ軸方向の熱変位量を示すグラフであり、K2はP=ZMAX におけるコラム55のZ軸方向の熱変位量を示すグラフである。
なお主軸ヘッド56に検出用のプローブを設け、またコラム55の前側に検出台を設け、主軸ヘッド56を所定の位置Pに配し、プローブを検出台に接触し、図4に示す熱変位量の時間変化を測定した。即ち、制御装置1の電源をオンにした後、位置Pにて主軸ヘッド56のZ軸方向の変位量を測定し、この測定値をコラム55のZ軸方向の熱変位量とした。熱変位量は、熱変形により主軸ヘッド56が下側に変位する場合を正とした。
制御装置1が発した熱はコラム55に伝導し、コラム55はZ軸方向に延びる。またコラム55は冷却によってZ軸方向に縮む。またコラムの前後の温度差により曲がる。コラムが曲がると、主軸ヘッドは56はZ軸下側に変位する。コラム55の熱変位量は、コラム55の下部55aにおける第1熱変位量と、コラム55の上部55bにおける第2熱変位量とに大別することができる。なお下部55aはZ軸方向移動機構430よりも下側に位置する。
下部55aの熱変位によって、Z軸方向移動機構430がZ軸方向に変位する。故に、Z軸方向移動機構430における主軸ヘッド56の上下位置に拘わらず、主軸ヘッド56も同様にZ軸方向に変位する。この場合の熱変位量が第1熱変位量に相当する(図4参照)。
制御装置1が発熱している場合、コラム55、特に上部55bにおいて、制御装置1側部分はZ軸方向移動機構430側部分よりも高温になるので、図2の一点鎖線で示すように、コラム55は前側に傾くように曲がる。このコラム55の曲がりにより発生する熱変位量が第2熱変位量に相当し、第2熱変位量はZ軸方向の位置に依存する(図4参照)。
コラム55の熱変位量は、以下の式(一次遅れモデル)に基づいて演算する。
(dT/dt)・c=−T(t)h+q(t)・・・・(1)
Figure 0006500602
Z(t)=αT(t)・・・(3)
なおTは基準温度から上昇した温度を示し、hは放熱係数を示し、cは熱容量を示し、qは制御装置1からコラム55に伝導した熱量を示し、ZはZ軸方向における熱変位量を示し、αは熱膨張係数を示す。
制御装置1の電源がオフになっている時(コラム55が冷却されている時)、式(1)〜(3)に基づいて、第1熱変位量を離散化して表すと、以下のようになる。
ΔZc (t+dtc)=ΔZc (t)・exp(−hz dtc)・・・(4)
なおhz は第1熱変位量の時定数を示し、dtcは経過時間を示し、ΔZc は第1熱変位量を示す。時定数hz は、測定結果に基づき、予め定める。
一方、制御装置1の電源がオフになっている時、第2熱変位量を離散化して表すと、以下のようになる。
ΔZp (t+dtc)=ΔZp (t)・exp(−hp dtc)・・・(5)
なおhp は第2熱変位量の時定数を示し、ΔZp は第1熱変位量を示す。時定数hp は、測定結果に基づき、予め定める。
制御装置1の電源がオンになっている時(制御装置1からコラム55に熱が伝導している時)、式(1)〜(3)に基づいて、第1熱変位量を離散化して表すと、以下のようになる。
ΔZc (t+dt)=ΔZc (t)・exp(−hz dt)+(1−exp(−hz dt))・qz ・・・(6)
なおqz は制御装置1から伝導した熱によって生じる第1熱変位量の最大値を示し、測定によって予め定める。またdtは経過時間を示す。
一方、制御装置1の電源がオンになっている時、第2熱変位量を離散化して表すと、以下のようになる。
ΔZp (t+dt)=ΔZp (t)・exp(−hp dt)+(1−exp(−hp dt))・qp ・・・(7)
なおqp は制御装置1から伝導した熱によって生じる第2熱変位量の最大値を示し、測定によって予め定める。
従って、制御装置1の電源がオンになっている時、Z軸方向位置Pでのコラム55の熱変位量ΔZ(t+dt、P)は、式(6)及び(7)から以下のようになる。
ΔZ(t+dt、P)=ΔZc (t+dt)+ΔZp (t+dt)・(P−Z0 )・・・(8)
なお前述したように、Z0 は主軸ヘッド56の最下位置を示す。
図5は制御部10による目標位置の補正処理を説明するフローチャートである。なお制制御部10は電源オフ時に、その時刻を不揮発性メモリに記録し、また電源オフ時の第1変位量ΔZc 及び第2変位量ΔZp を不揮発性メモリに記憶するものとする。また電源オン時に計時を開始するものとする。
制御部10は、電源がオンになった時(ステップS1)、オンになった時刻を不揮発性メモリに記憶し(ステップS2)、計時を開始する(ステップS3)。制御部10は制御プログラムを読み込み、読み込んだ制御プログラムに主軸57(主軸ヘッド56)を目標位置(目標値)に位置決めする位置決め指令が含まれるか否かを判断する(ステップS4)。位置決め指令が含まれていない場合(ステップS4:NO)、制御部10はステップS4に処理を戻す。
位置決め指令が含まれている場合(ステップS4:YES)、制御部10は不揮発性メモリを参照し、電源オフ時の時刻と電源オン時の時刻の差分を演算し、電源オフからオンまでの経過時間を取得する(ステップS5)。制御部10は電源オフからオンまでの第1変位量を演算する(ステップS6)。即ち、制御部10は、前記式(4)に基づいて、ステップS5で取得した経過時間を式(4)のdtcに適用し、目標位置における第1変位量ΔZc を演算する。なお電源オフからオンまでの間、コラム55は冷却される。
次に制御部10は電源オフからオンまでの第2変位量を演算する(ステップS7)。即ち、制御部10は、前記式(5)に基づいて、ステップS5で取得した経過時間を式(5)のdtcに適用し、目標位置における第2変位量ΔZp を演算する。
次に制御部10はタイマを参照し、電源オン後からの経過時間を取得し(ステップS8)、電源オン後の第1変位量を演算する(ステップS9)。即ち、前記式(6)に基づいて、ステップS8で取得した経過時間を式(6)のdtに適用し、またステップS6で演算した第1熱変位量を式(6)のΔZc (t)に適用し、目標位置における第1変位量ΔZc (t+dt)を演算する。
制御部10は電源オン後の第2変位量を演算する(ステップS10)。即ち、前記式(7)に基づいて、ステップS8で取得した経過時間を式(7)のdtに適用し、またステップS7で演算した第2熱変位量を式(7)のΔZp (t)に適用し、目標位置における第2変位量ΔZp (t+dt)を演算する。
次に制御部10は前記式(8)に基づいて、変位量を演算する(ステップS11)。即ち、ステップS7、S8で演算した第1変位量ΔZc (t+dt)、第2変位量ΔZp (t+dt)を式(8)に適用し、Z軸方向位置Pに目標位置を適用して、変位量を演算する。なお目標位置がZ0 (最下位置)の場合、第2変位量ΔZp (t+dt)は零になり、変位量としては第1変位量のみを考慮すればよい。
制御部10は目標位置を補正する(ステップS12)。即ち、ステップS11で演算した変位量を目標位置に加算し、目標位置を補正する。
補正は、以下の式に基づいて行う。
op=P−ΔZ(t、P)・・・(9)
なおZopは補正後の目標位置を示し、ΔZ(t、P)はステップS11で演算した変位量を示す。
コラム下部55aが熱変位した場合、Z軸方向移動機構430が上下方向に変位するので、Z軸方向移動機構430における主軸ヘッド56の上下位置に拘わらず、主軸ヘッド56も変位する。実施の形態に係る工作機械は、コラム下部55aの上下方向における熱変位量を演算するので、演算結果に基づいて、主軸57の位置を補正することができる。
制御装置1を設けた部分とZ軸方向移動機構430を設けた部分の温度差によってコラム55は曲がる。曲げによってコラム55は上下方向に変位する。曲げの角度はコラム55の上下位置によって変化する。実施の形態に係る工作機械は、曲げによって生じた、コラム55の上下位置によって変化するコラム55の上下方向の第2熱変位量を演算し、演算した第2熱変位量を第1熱変位量に加算するので、より精度良く主軸57の位置を補正することができる。
なお制御部10は、演算部、補正部、第2演算部、第2補正部、加算部を構成する。
(変更例)
制御部10は、Z軸方向における各位置に対応させて、コラム55の変位量を記憶し、データベースを作成してもよい。図6は制御部10によるデータベース作成処理を説明するフローチャートである。なおZ軸方向の各位置を示すパラメータとしてZn (n=0、1、2、・・・、MAX)が不揮発性メモリに予め設定してあるものとする。Z0 は、主軸ヘッド56の最下位置を示し、nの値が大きくなるに従って、Zn はより上側の位置を示し、ZMAX は最上位置を示す。
ステップS21〜S23は、ステップS1〜S3と同様なので詳細な記載を省略する。ステップS23で計時を開始した制御部10は、Z軸方向位置PにZn を設定し、nに0を設定する(ステップS24)。制御部10はステップS25〜S27を実行する。なおステップS25〜S27はステップS5〜S7と同様なので詳細な記載を省略する。
制御部10は、電源オン後から所定時間が経過するまで待機する(ステップS28:NO)。所定時間が経過している場合(ステップS28:YES)、所定時間経過後の第1変位量を演算する(ステップS29)。即ち、前記式(6)に基づいて、前記所定時間を式(6)のdtに適用し、またステップS26で演算した第1熱変位量を式(6)のΔZc (t)に適用し、Z軸方向位置Pにおける第1変位量ΔZc (t+dt)を演算する。
制御部10は所定時間経過後の第2変位量を演算する(ステップS30)。即ち、前記式(7)に基づいて、前記所定時間を式(7)のdtに適用し、またステップS27で演算した第2熱変位量を式(7)のΔZp (t)に適用し、Z軸方向位置Pにおける第2変位量ΔZp (t+dt)を演算する。
次に制御部10は前記式(8)に基づいて、変位量を演算し、Z軸方向位置Pに対応付けて、不揮発性メモリに記憶する(ステップS31)。即ち、ステップS27、S28で演算した第1変位量ΔZc (t+dt)、第2変位量ΔZp (t+dt)を式(8)に適用し、Z軸方向位置Pに目標位置を適用して、変位量を演算し、記憶する。そして変位量を演算した時刻を不揮発性メモリに記憶する(ステップS32)。
次に制御部10はnをインクリメントし(ステップS33)、nがMAXよりも大きいか否かを判定する(ステップS34)。nがMAXよりも大きくない場合(ステップS34:NO)、制御部10はステップS29に処理を戻す。
nがMAXよりも大きい場合(ステップS34:YES)、制御部10はnに0を設定し(ステップS35)、ステップS28に処理を戻す。そしてステップS32で記憶した時刻から所定時間が経過するまで待機(ステップS28:NO)、ステップS29以降の処理を実行する。
制御部10は、所定時刻において、Z軸方向における各位置(Zn 、n=0、1、2、・・・、MAX)に対応させて、コラム55の変位量を記憶し、データベースを作成する。また制御部10は所定時間経過する都度、データベースを更新する。
制御部10は、読み込んだ制御プログラムに位置決め指令が含まれる場合、データベースを参照し、対応するZ軸方向における変位量を取得し、式(9)に基づいて、目標位置を補正する。熱変位のデータベースを作成することによって、目標位置の補正が容易になり、補正の処理速度が向上する。
なおZ軸方向における特定位置Zn でのコラム55の変位量を演算・記憶し、n=0〜n−1、n+1〜MAXにおけるコラム55の変位量は、特定位置Zn でのコラム55の変位量及び特定位置Zn からの距離に基づいて、決定してもよい。例えば、特定位置Zn からの距離が大きくなるに従って、漸次減少するように、各位置における変位量を決定してもよい。また二つの位置Zn-1 及びZnにおける変位量の平均を演算し、該平均を、区間Zn-1 〜Zn における変位としてもよい。
1 制御装置
10 制御部(演算部、補正部、第2演算部、第2補正部、加算部)
55 コラム
56 主軸ヘッド
57 主軸
430 Z軸方向移動機構(移動機構)

Claims (7)

  1. 主軸を支持する主軸ヘッドと、該主軸ヘッドを支持しており、上下に延びたコラムと、該コラムに設けてあり、前記主軸ヘッドが上下に移動する為の移動機構と、前記コラムに設けてあり、前記主軸及び移動機構の駆動を制御する制御装置とを備える工作機械において、
    前記制御装置から伝導した熱によって、前記移動機構の下側で前記コラムが上下方向に変位した熱変位量を演算する演算部を備えること
    を特徴とする工作機械。
  2. 前記制御装置にて設定した前記主軸における上下位置の目標値に、前記演算部の演算結果を加算して、前記目標値を補正する補正部を備え、
    前記制御装置は、前記補正部の補正結果に基づいて、前記移動機構の駆動を制御すること
    を特徴とする請求項1に記載の工作機械。
  3. 前記移動機構に対応した上下位置にて、前記制御装置は前記移動機構の反対側に位置し、
    前記制御装置から伝導した熱によって、前記移動機構を設けた位置で前記コラムが上下方向に変位した第2熱変位量を演算する第2演算部と、
    前記演算部にて演算した熱変位量及び前記第2演算部にて演算した第2熱変位量を加算する加算部と
    を備えること
    を特徴とする請求項1に記載の工作機械。
  4. 前記コラムの各上下位置に対応付けて、前記第2演算部にて前記第2熱変位量を演算し、前記加算部の加算結果を前記コラムの各上下位置に対応付けて記憶すること
    を特徴とする請求項3に記載の工作機械。
  5. 前記制御装置にて設定した前記主軸における上下位置の目標値に、前記加算部の加算結果を加算して、前記目標値を補正する第2補正部を備え、
    前記制御装置は、前記第2補正部の補正結果に基づいて、前記移動機構の駆動を制御すること
    を特徴とする請求項3又は4に記載の工作機械。
  6. 主軸を支持する主軸ヘッド、該主軸ヘッドが上下に移動する為の移動機構並びに前記主軸及び移動機構の駆動を制御する制御装置を支持するコラムの熱変位量を演算する演算方法であって、
    前記制御装置から伝導した熱によって、前記移動機構の下側で前記コラムが上下方向に変位した熱変位量を演算することを特徴とする演算方法。
  7. 制御プログラムに従って、主軸ヘッドが上下に移動する為の移動機構を支持するコラムの熱変位量を演算する制御装置で実行可能なコンピュータプログラムであって、
    前記制御装置を前記コラムに設けてあり、
    前記制御装置を、前記制御装置から伝導した熱によって、前記移動機構の下側で前記コラムが上下方向に変位した熱変位量を演算する演算部として機能させること
    を特徴とするコンピュータプログラム。
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