以下、添付の図面を参照して、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
<<実施形態1>>
(情報処理装置のシステム構成)
図1は、本発明の一実施形態(実施形態1)に係る医用レポート作成装置10を実現するシステム(ハードウェア構成)の概略を示した図である。医用レポート作成装置10は、診断対象の画像に関する診断レポート(レポート情報)の作成を支援する情報処理装置である。CPU(中央演算処理装置)11は、システム全体の動作をコントロールし、一次記憶装置(一次記憶)12に格納されたコンピュータプログラムの実行などを行う。
一次記憶12は、主にRAM(書込み可能メモリ)等のメモリであり、二次記憶装置(二次記憶)13に記憶されたプログラムなどを読み込んで格納する。二次記憶13は大容量記憶装置であり、例えばハードディスクやフラッシュメモリなどの記録媒体がこれに該当する。一般に一次記憶12の容量は二次記憶13の容量より小さく、一次記憶12に格納しきれないプログラムやデータなどは二次記憶13に格納される。また、長時間記憶しなくてはならないデータなども二次記憶13に格納される。本実施形態では、本実施形態の処理手順を実現するようなプログラムは二次記憶13に格納し、プログラム実行時に一次記憶12に読み込んで、CPU11が実行処理を行う。
入力デバイス14はユーザが当該システムに指示を入力する装置であり、例えば、ポインティングデバイス、タッチパネル、キーボードなどがこれに該当する。出力デバイス15は当該システムの処理結果をユーザへ出力する装置であり、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)などのモニタやプリンタがこれに該当する。なお、出力デバイス15として、任意の台数のモニタを組み合わせて使用することもできる。システムバス16は、データの流れを司る。
上記のような構成を有する医用レポート作成装置10は、パーソナルコンピュータ(PC)、ワークステーション(WS)、タブレット端末、組込み装置等の情報処理装置により実現することができる。なお、本実施形態に係る医用画像閲覧装置70も、上記と同様のシステム構成を有する。
(医療情報システム)
図2は、本実施形態に係る医用レポート作成装置10及び医用画像閲覧装置70を含む医療情報システムの構成を示すブロック図である。図2において、100はネットワークである。ネットワーク100には後述するHIS20、RIS30、医用画像撮影装置40、PACS50、認証情報データベース4、医用画像閲覧装置70、医用レポート作成装置10が接続されており、相互に情報通信が可能となっている。ネットワーク100は情報を通信できる任意の通信網により実現することができる。例えば、ネットワーク100は、ローカルエリアネットワーク(LAN)などの有線ネットワーク、無線LANなどの無線ネットワーク、あるいは、これらが混在したもの、又は、インターネット、イントラネットなどの通信網により実現することができる。
本実施形態のHIS20は、医療事務会計システム、診療予約システム、診療情報システム等を含む包括的なシステムであり、電子カルテデータベース1や読影レポートデータベース2を有する。HISはHospital Information System(病院情報システム)の略称である。電子カルテデータベース1には、患者の診療情報を記録した電子カルテが保管される。読影レポートデータベース2には、読影医が作成した読影レポート(診断レポート)が保管される。
RIS30は、放射線科部門における、撮影予約、読影管理、材料在庫管理等を行うためのシステムである。読影レポートデータベース2が、RIS30によって管理される場合もある。RISはRadiology Information System(放射線科情報システム)の略称である。
医用画像撮影装置40は、単純X線撮影装置(またはレントゲン装置)、CT装置、MRI装置、PET装置、PET/CT装置、SPECT装置、超音波画像診断装置、眼底カメラ(または眼底写真撮影装置)、OCT装置等の総称である。医療機関ごとに上述の装置が任意の台数設置される。なお、CTはComputed Tomography(コンピュータ断層撮影)の略称であり、MRIはMagnetic Resonance Imaging(磁気共鳴撮像法)の略称である。PETはPositron Emission Tomography(陽電子放出断層撮影)の略称である。SPECTはSingle Photon Emission Computed Tomography(単光子放射線コンピュータ断層撮影)の略称である。OCTはOptical Coherence Tomography(光干渉断層撮影)の略称である。
PACS50は、医用画像撮影装置40によって撮影された医用画像を電子的に保存、検索、通信するためのシステムであり、医用画像データベース3を備えている。PACSはPicture Archiving and Communication System(画像保存通信システム)の略称である。
認証情報データベース4には、ユーザ名とパスワード、及びユーザの個人情報が関連付けて保存されている。ユーザの個人情報とは、例えば氏名や所属部署、連絡先が該当する。
医用画像閲覧装置70は、医師が医用画像を閲覧する際に必要な各種機能を備えた情報処理装置である。医用画像閲覧装置70が備える機能については、図7を用いて後述する。医用レポート作成装置10は、医師が読影レポート(診断レポート)を作成・編集する編集操作の際に必要な各種機能を備えた情報処理装置である。医用レポート作成装置10が備える機能については、図5を用いて後述する。
なお、図2では、説明の便宜上、各構成要素が1つずつ設けられたシステム例を示しているが、ユーザの手元の端末からイントラネット等を介してこれらの装置にアクセスできるようにしてもよい。以下、臨床医及び読影医は、それぞれ自分のPCからブラウザ等を用いてネットワーク越しに医用レポート作成装置10及び医用画像閲覧装置70にアクセスし、これらを操作する場合の例を説明する。
また、図2では、各構成要素をそれぞれ異なる装置で実現したシステム例を示しているが、複数の構成要素を同一の装置で実現してもよい。例えば、電子カルテデータベース1、読影レポートデータベース2、HIS20、及びRIS30、あるいは、医用レポート作成装置10及び医用画像閲覧装置70を同一の情報処理装置により実現することができる。また、各構成要素はシステムを構築する状況に応じてその機能を複数の装置に分散したり、同一の構成要素を実現する装置を複数設けたりしてもよい。
(レポートのデータ構造)
図3(a)は、本実施形態に係る医用レポート作成装置10で作成される医用レポートのデータ構造を表す図である。医用レポートデータ31は、患者情報301、検査情報302、依頼元情報303、読影基本情報304、所見・診断情報305、質問・回答情報306を有している。
患者情報301には、検査を受けた患者に関する情報が格納される。例えば、患者ID、氏名、年齢、過去の病歴等が該当する。検査情報302には、検査部位や撮影プロトコル等、実施された検査に関する情報が格納される。依頼元情報303には、臨床医の所属、氏名、連絡先等の情報や、臨床医からのコメントが格納される。読影基本情報304には、レポートを作成した読影医読影医の所蔵、氏名、連絡先等の情報が格納される。
所見・診断情報305には、医用画像上の領域情報と、所見、診断の情報とが関連付けて保存される。所見は、ひとつの病変について言及した文章がひとつの項目となるように保存される。同様に、診断は、ひとつの病気について言及した文章がひとつの項目となるように保存される。
図4(a)は、所見・診断情報305を保存するテーブルの例を示している。図4(a)が示すように、所見・診断情報305のテーブルには、項目ごとに、項目ID41、種類42、内容43、関連項目のID44を含む情報が保存される。項目ID41は所見・診断情報305の各項目を識別する識別情報である。種類42は各項目の種類を示す情報であり、本実施形態では、「領域」、「所見」、「診断」のいずれかの種類が設定される。「領域」は、診断対象の画像とその領域を特定する情報を意味する。「所見」は、読影医等が画像に対して入力する所見に関するコメントを意味する。「診断」は、臨床医等が入力する診断に関するコメントを意味する。内容43は、当該項目の内容である。関連項目のID44は、当該項目に関連する項目のID(識別情報)である。図4(a)の例では、ID1の項目はID2の項目と関連付けられており、ID2の項目は、ID1、ID3の項目と関連付けられている。
質問・回答情報306には、医用画像上の領域情報と、質問、質問に対する回答の情報とが関連付けて保存される。図4(b)は、質問・回答情報306を保存するテーブルの例を示している。図4(b)が示すように、質問・回答情報306の各テーブルには、質問ごとに、質問ID45、領域情報46、質問内容47、回答内容48が保存される。質問ID45は質問を識別する識別情報であり、領域情報46は診断対象の画像とその画像における領域を特定する情報である。質問内容47は臨床医が入力する質問の内容であり、回答内容48は読影医が入力する質問内容47に対する回答である。
なお、図4では、所見・診断情報305及び質問・回答情報306を関係テーブルで表したが、同等の情報を持つものであれば、データの形式は問わない。例えば、XML等で定義されたレポートデータのフォーマットで保存してもよい。
(レポート作成ステータス)
図3(b)のように、本実施形態に係る医用レポート作成装置10は、レポートデータのデータ構成により、レポート作成のステータスを「所見・診断入力中」、「所見・診断入力済」、「質問入力済」、「回答入力済」の4種類に分類する。
「所見・診断入力中」ステータス32は、レポートが新規に作成され、患者情報301、検査情報302、依頼元情報303、読影基本情報304の入力が完了している状態である。患者情報、検査情報、依頼元情報、読影基本情報は、システムにより自動的に入力する。
「所見・診断入力済」ステータス33は、「所見・診断入力中」に加えて、所見・診断情報305の入力が完了した状態である。所見・診断情報305の入力は、図9を参照して後述するように、読影医の操作により完了させる。
「質問入力済」ステータス34は、「所見・診断入力済」に加えて、質問・回答情報306が追加され、更に質問307の入力が完了した状態である。但し、対応する回答は存在しない。質問の入力は、図12を参照して後述するように、臨床医の操作により完了させる。
「回答入力済」ステータス35は、「質問入力済」に加えて、質問に対する回答308の入力が完了した状態である。回答の入力は、図15を参照して後述するように、読影医の操作により完了させる。
各ステータスにおけるレポートデータの構成を、図3(b)に示す。レポートの作成ステータスが、「所見・診断入力済」33又は「回答入力済」35であれば、レポートが完成しているということができる。
(医用レポート作成装置の機能)
図5は、本実施形態に係る医用レポート作成装置10の主要な機能を説明するための機能ブロック図である。医用レポート作成装置10は、診断対象の画像に関する診断レポートの作成を支援する装置であり、診断レポートを編集するための画面を表示装置(モニタ)に表示させる。
通信IF140は、ネットワーク100上に存在する別のシステムとデータを交換するためのインタフェース(IF)である。ログイン部111は、ユーザからのシステムへのログインを受け付ける。具体的には、入力デバイス14を介してユーザ名とパスワードを入力させ、予め認証情報データベース4に保存されている内容と一致すれば、医用レポート作成装置10を利用可能にする。
検査一覧表示部112は、医用レポートの作成対象である検査の一覧をRIS30より取得し、出力デバイス15に表示する。このとき、検査の画像が撮影済みであるか否か、検査に対応するレポートデータが存在するか否かに応じて、各検査の表示状態を変化させる。更に、検査に対応するレポートデータが存在する場合には、レポートデータの作成ステータスに応じて、各検査の表示状態を変化させる。
レポートデータ作成部113は、任意の検査に対応する医用レポートデータ31を作成し、一次記憶12に保存する。本実施形態例では、作成する医用レポートデータ31は、図3(a)に示すようなデータ構造を持つ。ここで、患者情報301、検査情報302、依頼元情報303の内容は、RIS30から全て取得することができる。また、読影基本情報304の内容は、認証情報データベース4から全て取得することができる。
画像閲覧装置起動部114は、医用画像閲覧装置70を起動する。同時に、ログイン部111で入力されたユーザ名とパスワード、又はそれに類する情報を医用画像閲覧装置70に通知する。
領域情報入力部115は、医用画像上の領域に関する情報である領域情報を入力する。領域情報は、通信IF140及び通信IF740を介して、医用画像閲覧装置70の領域情報データベース730から取得する。入力された情報は、一次記憶12に保存する。領域情報及び通信IF740及び領域情報データベース730については、図7を用いて後述する。
所見・診断入力部116は、領域情報入力部115により入力された領域に対する所見、診断の情報を入力する。入力された情報は、入力対象である領域情報と関連付けて、レポートデータの所見・診断情報として保存する。質問・回答入力部117は、領域情報入力部115により保存された領域に対する質問や、質問に対する回答を入力する。入力された情報は、入力対象である領域情報と関連付けて、レポートデータの質問・回答情報として保存する。
レポートデータ保存部118は、一次記憶12に保存されているレポートデータを、HIS20を介して読影レポートデータベース2に保存する。レポートデータ表示部119は、一次記憶12に保存されているレポートデータの内容を、出力デバイス15に表示する。レポートデータ読込部120は、任意のレポートデータをHIS20を介して読影レポートデータベース2から読み出し、一次記憶12に保存する。
モード切替部121は、医用レポート作成装置10のモード(動作モード)を、「読影モード」、「閲覧モード」、「質問モード」、「回答モード」のいずれかに切り替える。モードの切り替えは、レポート作成ステータスとシステムにログインしたユーザの種類に応じて、システムが自動的に行う。図6は、レポート作成ステータスとログインユーザの種類により選択されるモードの例を示す図である。例えば、レポート作成ステータスが所見・診断入力中の場合に、読影医がログインしたときは医用レポート作成装置10のモードは読影モードとなり、臨床医がログインしたときは閲覧モードとなる。その他の医師がログインしたときは、ステータスにかかわらず、閲覧モードとなる。
図6では、ユーザの種類として、検査を依頼した臨床医、その検査に関する読影レポートを作成した読影医、その他の医師の3種類を記載しているが、必要に応じてそれ以外の種類を追加してもよい。また、図6に示すモードの種類や切り替え方式は一例であり、利用する環境に応じて変更してもよい。
本実施形態に係る医用レポート作成装置10は、そのモードにより、利用可能な機能を制限する。モードが「読影モード」である場合、質問・回答入力部117を利用不可とする。モードが「閲覧モード」である場合、所見・診断入力部116、質問・回答入力部117、及びレポートデータ保存部118を利用不可とする。モードが「質問モード」である場合、所見・診断入力部116を利用不可とする。モードが「回答モード」である場合、所見・診断入力部116を使用不可にするとともに、質問・回答入力部117において、質問の入力・編集を不可とする。なお、上記のモードによる機能制限の態様は一例であり、利用する環境に応じて変更してもよい。
このように、本実施形態では、医用レポート作成装置10のユーザの種類を認証するとともに、診断レポートの作成ステータスを保持しておき、ユーザの種類と作成ステータスとに応じて診断レポートを編集するための画面においてなしうる操作を制御する。このため、ユーザの種別(読影医、診断医、撮影技師等)とレポートの作成度合いに応じて、診断レポートに対するアクセスを適切にコントロールするとともに、誤操作を防ぐことが可能となる。後述するように、医用画像閲覧装置70においても同様のアクセス制御を行う。
(医用画像閲覧装置の機能)
図7は、本実施形態に係る医用画像閲覧装置70の主要な機能を説明するための機能ブロック図である。医用画像閲覧装置70の主たる機能は医用画像の閲覧であるが、後述するように、医用画像に特定の領域を指定したり、その領域にコメント等のテキスト情報を付与したりすることができる。
通信IF740は、ネットワーク100上に存在する別のシステムとデータを交換するためのIFである。ログイン部711は、ユーザからのシステムへのログインを受け付ける。具体的には、入力デバイス14を介してユーザ名とパスワードを入力させ、予め認証情報データベース4に保存されている内容と一致すれば、医用画像閲覧装置70を利用可能にする。
画像閲覧部712は、閲覧対象となる画像又は画像シリーズをPACS50を介して医用画像データベース3から読み出し、出力デバイス15に表示する。また、入力デバイス14を介した医師の操作に応じて、表示画像の変更、画像処理の適用等、画像閲覧に関する様々な処理を実行する。
領域作成部713は、入力デバイス14を介した医師の操作に応じて、画像上の領域を作成する。作成した領域にはIDを付与し、領域を作成した画像のアドレス、領域の位置情報、適用している画像処理情報、領域を描画する際の色や線の太さ等の領域描画情報、領域を表す代表画像と対応づけ、領域情報として領域情報データベース730に保存する。ここで、位置情報は、画像に対する相対座標で表現されるものとする。以下、「領域情報」は、前述した領域ID、画像アドレス、位置情報、画像処理情報、領域描画情報、代表画像をまとめた情報を指す。
図8は、領域情報81として格納するデータの例を示す図である。図8では領域の座標を2次元で表現しているが、3次元で表現してもよい。図8のように、領域情報81は、領域ID82、画像アドレス83、位置情報84、画像処理情報85、領域描画情報86、代表画像87を含む。領域ID82は当該領域を識別する識別情報であり、画像アドレス83は当該領域を含む画像の格納アドレスである。位置情報84は、画像アドレス83により特定される画像における領域の位置を特定する情報である。画像処理情報85は、当該領域に対して施す階調(ウィンドウ)処理のウィンドウレベル(WL)とウィンドウ幅(WW)を示す。領域描画情報86は、当該領域の形状、線色、領域を描画する線が破線か否か等を示す。代表画像87は、当該領域が特定された画像のサムネイル画像を表す。
領域情報データベース730に保存された各々の領域情報81は、領域が作成された画像にメタデータとして自動的に保存される。画像がDICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)形式であれば、DICOMのタグとして保存してもよい。また、画像閲覧部712に画像を表示した際には、画像に保存されている領域情報を取得し、自動的に領域情報データベース730に保存する。
領域表示部714は、領域情報データベース730に保存されている領域を描画し、画像に重畳して表示する。所見・診断入力ウィンドウ表示部715は、領域作成部713で作成した領域に対して、所見、診断の情報を入力・編集するためのウィンドウを表示する。質問・回答入力ウィンドウ表示部716は、領域作成部713で作成した領域に対して、質問又は質問に対する回答を入力・編集するためのウィンドウを表示する。
領域情報送信部717は、領域情報データベース730に保存されている領域情報を、通信IF740及び通信IF140を介して、医用レポート作成装置10へ送信する。所見・診断情報送信部718は、所見・診断入力ウィンドウ表示部715で表示されたウィンドウに入力された内容を、通信IF740及び通信IF140を介して、医用レポート作成装置10へ送信する。質問・回答情報送信部719は、質問・回答入力ウィンドウ表示部716で表示されたウィンドウに入力された内容を、通信IF740及び通信IF140を介して、医用レポート作成装置10へ送信する。
領域表示受付部720は、通信IF740を介してネットワーク100上に存在する別のシステムから領域情報又は領域IDを受け取り、領域情報データベース730に同じ領域情報が存在すれば、領域の画像を画像閲覧部712に表示する。このとき、領域情報に保存されているアドレスの画像の読み込み、位置情報及び描画情報を用いた領域の描画、画像処理情報の適用の処理を、順次行う。なお、外部から受け取った領域情報が領域情報データベース730に存在しない場合は、領域情報データベース730に領域情報を追加した後、前述した表示処理を行う。
モード切替部721は、医用画像閲覧装置70のモードを、「読影モード」、「閲覧モード」、「質問モード」、「回答モード」のいずれかに切り替える。モードの切り替えは、レポート作成ステータスと、システムにログインしたユーザの種類に応じてシステムが自動的に行う。前述のように、図6は、レポート作成ステータスとログインユーザの種類により選択されるモードの例を示している。
医用画像閲覧装置70は、そのモードにより、利用可能な機能を制限する。モードが「読影モード」である場合、質問・回答入力ウィンドウ表示部716及び質問・回答情報送信部719を利用不可とする。モードが「閲覧モード」である場合、所見・診断入力ウィンドウ表示部715、所見・診断情報送信部718、質問・回答入力ウィンドウ表示部716、及び質問・回答情報送信部719を利用不可とする。モードが「質問モード」である場合、所見・診断入力ウィンドウ表示部715及び所見・診断情報送信部718を利用不可とする。モードが「回答モード」である場合、所見・診断入力ウィンドウ表示部715及び所見・診断情報送信部718を使用不可とするとともに、質問・回答入力ウィンドウ表示部716において、質問の入力を不可とする。なお、上記のモードによる機能制限の態様は一例であり、利用する環境に応じて変更してもよい。
(レポート作成全体フロー)
図9は、臨床医により画像検査が依頼され、更に画像が撮影された後に、図3(a)に示す医用レポートデータが完成されるまでのステップを表すフローチャートである。
ステップS901では、読影医がレポートを新規作成し、所見・診断を入力する。本ステップの詳細は、図10を用いて後述する。本ステップの実行中のレポート作成ステータスは「所見・診断入力中」であり、本ステップが終了すると、レポート作成ステータスは「所見・診断入力済」となる。
ステップS902では、臨床医がレポートを参照し、医用レポートに係る質問を作成する。前述のように、臨床医が自分のPCからネットワーク経由で医用レポート作成装置10にアクセスするときは、S902において、医用レポート作成装置10は、自装置の外部にある臨床医のPCから、診断レポートに対する依頼情報を受信する。ここで、依頼情報とは、診断画像に対する読影や質問回答を依頼する情報であり、画像の情報と当該画像における領域を指定する情報(領域情報)が含まれる場合がある。
本ステップの詳細は、図13を用いて後述する。本ステップが終了すると、レポート作成ステータスは「質問入力済」となる。
ステップS903では、読影医が臨床医の質問に回答する。本ステップの詳細は、図16を用いて後述する。本ステップが終了すると、レポート作成ステータスは「回答入力済」となる。ステップS902とS903は臨床医の質問がなくなるまで繰り返される。
(読影医によるレポート新規作成フロー)
図10は、図9のステップS901において、読影医がレポートを新規に作成する際の操作手順を表すフローチャートである。ステップS1001では、読影医が医用レポート作成装置10へログインする。ログインは、図11(a)に示すGUIにおいて、読影医がユーザ情報入力部1101にユーザ名とパスワードを入力し、ログインボタン1102を押下することで行われる。
このとき、システムはログイン部111、検査一覧表示部112における前述の処理を順次実行し、図11(b)に示す検査一覧画面を出力デバイス15に表示する。前述のように、図11(b)の検査リスト1104は、RIS30から取得して表示される。次に、モード切替部121を実行し、医用レポート作成装置10のモードを「読影モード」にする。なお、モードが「読影モード」に設定される前は、医用レポート作成装置10のモードは初期状態(初期モード)が設定されている。
ステップS1002では、読影医がレポートを作成する検査を選択する。検査の選択は、図11(b)に示すGUIにおいて、読影医が検査リスト1104のうち一つの項目を選択し、実行ボタン1105を押下することで行われる。このとき、システムはレポートデータ作成部113を実行し、選択された検査に対応する医用レポートデータを作成する。更に、システムは画像閲覧装置起動部114を実行し、医用画像閲覧装置70を起動する。次に、ステップS1001で入力されたユーザ名とパスワードを用いて、ログイン部711を実行する。次に、モード切替部721を実行し、医用画像閲覧装置70のモードを「読影モード」にする。なお、モードが「読影モード」に設定される前は、医用画像閲覧装置70のモードは初期状態(初期モード)が設定されている。次に、選択された検査で撮影された画像を閲覧対象画像として画像閲覧部712に読み込む。
なお、上記においては、閲覧する画像は自動的に決定しているが、それ以外の方式を用いてもよい。例えば、選択された検査が複数の画像シリーズを持つ場合、画像シリーズを一覧表示し、閲覧する画像シリーズをユーザに選択させてもよい。また、同時に複数の画像シリーズをレイアウトして閲覧可能にしてもよい。
ステップS1003では、読影医が画像を閲覧する。画像の閲覧は、画像閲覧部712で行われる。
ステップS1004では、読影医が画像中の注目領域を指定する。領域の指定は、画像上でマウスをドラッグアンドドロップする等の操作で行われる。このとき、システムは領域作成部713を実行する。次に、所見・診断入力ウィンドウ表示部715を実行し、作成した領域に対する所見を入力するためのウィンドウを、画像に重畳して表示する。図12(a)に、このときの画像閲覧装置70の画面の例を示す。図12(a)において、1201は領域に対して所見を入力するための所見・診断入力ウィンドウ1201であり、1202は所見・診断入力ウィンドウ1201においてテキストを入力するための領域である。1203は入力したテキストをシステムに保存させるための保存ボタンである。
ステップS1005では、読影医が所見を作成する。所見の作成は、読影医が図12(a)の所見・診断入力ウィンドウ1201のテキスト入力部1202に文章を入力し、保存ボタン1203を押下することで行われる。
このとき、システムは領域情報送信部717及び所見・診断情報送信部718を順次実行する。領域情報送信部717により、ステップS1004で指定された注目領域の情報が、医用レポート作成装置10の領域情報入力部115に入力される。また、所見・診断情報送信部718により、ステップS1005で作成された所見が、ステップS1004で指定された注目領域に対する所見として、医用レポート作成装置10の所見・診断情報入力部116に入力される。
図12(b)に、このときの医用レポート作成装置10における診断レポートを編集するための画面の例を示す。領域情報入力部1204には、領域情報入力部115に入力された領域情報の代表画像を表示する。所見入力部1205及び診断入力部1206には、所見・診断情報入力部116に入力された内容を表示する。
ステップS1006では、読影医が診断を入力する。診断の入力は、図12(b)の診断入力部1105に文章を入力することで行われる。なお、入力枠追加ボタン1207を用いて入力枠を追加してもよい。また、所見入力部1205の内容の修正を行ってもよい。
ステップS1007では、読影医により図12(b)の所見・診断入力完了ボタン1208が押下されたかどうかを判定する。ボタンが押下されていれば(S1007でYES)、レポートの作成が完了したと判断し、処理を終了する。それ以外であれば(S1007でNO)、ステップS1003へ戻る。
処理が終了すると、システムはレポートデータ保存部118を実行し、レポートデータを保存する。図10で説明したフローが完了すると、レポート作成ステータスは「所見・診断入力済」となる。このとき、検査の臨床医にレポート作成ステータスが変更された旨を通知してもよい。
(臨床医による質問作成フロー)
図13は、図9のステップS902において、臨床医がレポートを参照し、質問を作成する際の操作手順を表すフローチャートである。ステップS1301では、臨床医が医用レポート作成装置10へログインする。本ステップにおけるユーザ操作及びシステムの動作は、図10のステップS1001と同様である。但し、医用レポート作成装置10のモードは「質問モード」となる。
ステップS1302では、臨床医がレポートを参照する検査を選択する。検査の選択は、図10のステップS1002と同様の操作で行う。このとき、システムはレポートデータ読込部119を実行し、選択された検査に対応する医用レポートデータを出力デバイス15に表示する。
図14に、表示される医用レポートの例を示す。所見・診断表示部1401には、読影医により入力された領域情報及び所見・診断情報が表示される。なお、所見・診断表示部1401の内容は臨床医には編集不可にする。質問追加ボタン1402を押下すると、新規に質問を入力するためのテキストボックスを表示する。ただし、図13における説明では医用画像閲覧装置70上で質問を入力するため、質問追加ボタン1402は利用しない。
ステップS1303では、臨床医がレポートを閲覧する。ステップS1304では、臨床医がレポート上の領域画像の表示を指示する。領域画像とは、領域情報に基づき特定の領域が指定された診断対象の画像である。領域画像表示の指示は、例えば、図14の所見・診断表示部1401上の領域画像又は所見又は診断のいずれかをダブルクリックすることで行うことができる。領域画像表示の指示に応じて、システムは画像閲覧装置起動部114及びログイン部711を順次実行する。次に、モード切替部721を実行し、医用画像閲覧装置70のモードを「質問モード」にする。更に、表示を指示された領域画像をパラメータとし、領域表示受付部720を実行する。領域表示受付部720により、読影医が領域画像を作成した際の画面が再現される。
なお、このとき、領域画像に関連する所見・診断情報の内容を表示するためのウィンドウを生成して表示してもよい。但し、ウィンドウの内容は編集不可にする。ウィンドウは、領域をマウスでクリックした際に表示されるようにしてもよい。また、領域及びウィンドウ以外の場所をクリックすると非表示にしてもよい。
ステップS1305では、臨床医が画像を閲覧する。画像の閲覧は、画像閲覧部712で行われる。なお、領域表示受付部720により表示された画像以外にも、画像閲覧部712で表示可能な画像であれば閲覧してよい。例えば、同じ検査の他の画像を閲覧してもよい。
ステップS1306では、臨床医が画像中の注目領域を指定する。領域の指定は、画像上でマウスをドラッグアンドドロップするか、読影医が作成した領域情報をマウスクリックで選択することで行われる。臨床医により新規に領域が作成された場合、臨床医が作成した領域は、読影医が作成した領域とは異ならせて表示する。このとき、システムは質問・回答入力ウィンドウ表示部716を実行し、作成した領域に対応する質問を入力するためのウィンドウを、画像に重畳して表示する。図15(a)に、このときの医用画像閲覧装置70の画面の例を示す。
ステップS1307では、臨床医が質問を作成する。質問の作成は、臨床医が図15(a)の質問・回答入力ウィンドウ1501の質問テキスト入力部1502に文章を入力し、保存ボタン1503を押下することで行われる。
このとき、システムは領域情報送信部717及び質問・回答情報送信部719を順次実行する。領域情報送信部717により、ステップS1306で指定された注目領域の情報は、医用レポート作成装置10の領域情報入力部115に入力される。また、質問・回答情報送信部719により、ステップS1307で作成された質問が、ステップS1306で指定された注目領域に対する質問として、医用レポート作成装置10の質問・回答入力部117に入力される。
図15(b)に、このときの医用レポート作成装置10の画面の例を示す。領域情入力部1504には、領域情報入力部115に入力された領域情報の代表画像を表示する。質問入力部1505には、質問・回答入力部117に入力された質問の内容を表示する。
ステップS1308では、臨床医により図15(b)の質問完了ボタン1506が押下されたかどうかを判定する。ボタンが押下されていれば(S1308でYES)、レポートの作成が完了したと判断し、処理を終了する。それ以外であれば(S1308でNO)、ステップS1303へ戻る。
処理が終了すると、システムはレポートデータ保存部118を実行し、レポートデータを保存する。図13で説明したフローが完了すると、レポート作成ステータスは「質問入力済」となる。このとき、読影医にレポート作成ステータスが変更された旨を通知してもよい。前述のように、臨床医が自分のPCから医用レポート作成装置10にアクセスしたときは、医用レポート作成装置10は、上記一連のステップにより、注目領域に係る領域情報や質問文等を含む依頼情報を臨床医のPCから受信することになる。
(読影医による回答作成フロー)
医用レポート作成装置10は、受信した依頼情報に画像の情報と当該画像における領域を指定する情報とが含まれているか否かを判定する。そして、依頼情報に画像の情報と当該画像における領域を指定する情報とが含まれている場合は、当該画像の情報と領域を指定する情報とを、診断レポートに含まれる情報としてレポートを編集するための画面内に表示させる。これらの情報が依頼情報に含まれていないときは、読影医は、依頼情報に含まれるコメントに対する回答を作成する。以下、依頼情報に画像の情報と当該画像における領域を指定する情報とが含まれている場合の回答作成フローを中心に説明する。
図16は、図9のステップS903において、読影医臨床医の質問に回答する際の操作手順を表すフローチャートである。ステップS1601では、読影医が医用レポート作成装置10へログインする。本ステップにおけるユーザ操作及びシステムの動作は、図10のステップS1001と同様である。但し、医用レポート作成装置10のモードは「回答モード」となる。
ステップS1602では、臨床医がレポートを参照する検査を選択する。検査の選択は、図10のステップS1002と同様の操作で行う。このとき、システムはレポートデータ読込部119を実行し、選択された検査に対応する医用レポートデータを出力デバイス15に表示する。
図17に、表示される医用レポートの例を示す。所見・診断表示部1701には、読影医により入力された領域情報及び所見・診断情報が表示される。所見・診断表示部1701の内容は、所見・診断編集ボタン1702を押下することで追加可能となる。なお、所見又は診断を編集した場合には、編集した履歴を残すことで、事後的に修正した箇所を容易に確認することができる。領域情報表示部1703及び質問表示部1704には、臨床医により入力された領域情報及び質問が表示される。なお、領域情報表示部1703及び質問表示部1704の内容は、読影医には編集不可とする。図17のように、医用レポート作成装置10の編集画面においては、読影依頼システム(例えば、診断医側)で入力された情報と、読影システム(例えば、読影医側)で入力された情報とを区別して表示する。このため、診断レポートの作成者を一見して把握することができる。
ステップS1603では、読影医が質問対象の領域情報の表示を指示する。領域情報表示の指示は、例えば、領域情報表示部1703及び質問表示部1704を読影医がダブルクリックすることで行うことができる。このとき、システムは画像閲覧装置起動部114及びログイン部711を順次実行する。次に、モード切替部721を実行し、医用画像閲覧装置70のモードを「回答モード」にする。更に、表示を指示された領域情報パラメータとし、領域表示受付部720を実行する。領域表示受付部720により、臨床医が領域情報を作成した際の画面が再現される。
また、システムは質問・回答入力ウィンドウ表示部716を実行し、臨床医の質問に対する回答を入力するためのウィンドウを、画像に重畳して表示する。図18(a)に、このときの医用画像閲覧装置70の画面の例を示す。図18(a)では、回答を入力するための質問・回答入力ウィンドウ1801が表示されている。読影医は、質問・回答入力ウィンドウ1801に含まれる回答テキスト入力部1803に回答を入力する。なお、臨床医の質問を表示する質問テキスト表示部1802の内容は、読影医には編集不可とする。図18(a)のように、医用画像閲覧装置70においても、読影依頼システム(例えば、診断医側)で入力された情報と、読影システム(例えば、読影医側)で入力された情報とを区別して表示するため、作成者を一見して把握することができる。
ステップS1604では、読影医が回答を作成する。回答の作成は、読影医が図18(a)の回答テキスト入力部1803に文章を入力し、保存ボタン1804を押下することで行われる。このとき、システムは質問・回答情報送信部719を実行する。質問・回答情報送信部719により、ステップS1604で作成された回答が、医用レポート作成装置10の質問・回答入力部117に入力される。図18(b)に、このときの医用レポート作成装置10の画面の例を示す。回答入力部1805には、質問・回答入力部117に入力された回答の内容を表示する。
ステップS1605では、読影医により図18(b)の回答完了ボタン1806が押下されたかどうかを判定する。ボタンが押下されていれば(S1605でYES)、レポートの作成が完了したと判断し、処理を終了する。それ以外であれば(S1605でNO)、ステップS1603へ戻る。
処理が終了すると、システムはレポートデータ保存部118を実行し、レポートデータを保存する。図16で説明したフローが完了すると、レポート作成ステータスは「回答入力済」となる。このとき、臨床医にレポート作成ステータスが変更された旨を通知してもよい。
(回答入力済みのレポートの表示例)
本実施形態では、レポート作成ステータスが「回答入力済み」であるレポートデータを表示する際、図18(b)のように所見・診断情報と質問・回答情報を区分している。しかし、質問・回答情報を所見・診断情報と同じエリアにマージして表示してもよい。表示の方式は、質問が臨床医が新規に作成した領域に基づく場合と、読影医が作成した領域に基づく場合とで異なる。それぞれの場合の表示の例を図19(a)、(b)に示す。図19(a)は、臨床医が新規作成した領域に対する質問・回答の表示例を示している。図19(a)では、領域情報191、192に対しては、領域に対する読影医の所見とそれに対する臨床医の診断が表示されている。領域情報193に対しては、臨床医が作成した質問とそれに対する読影医の回答が表示されている。図19(b)は、読影医が作成した領域に対する質問・回答の表示例を示している。領域情報194に対しては、領域に対する読影医の所見とそれに対する臨床医の診断が表示されている。領域情報195に対しては、臨床医が作成した質問とそれに対する読影医の回答とともに、読影医が作成した質問とそれに対する臨床医の回答が表示されている。
なお、質問・回答情報を所見・診断情報と同じエリアにマージして表示する場合にも、臨床医が作成した質問に対する回答は、他と区別できるように表示する。例えば、文章中に質問や回答を表すタグを付与したり、情報の作成者と作成日時を表示したりする。
また、作成したレポートを別のレポートにコピーして再利用する際、質問・回答情報を所見・診断情報と同じエリアにマージした状態でコピーするようにしてもよい。このとき、質問及び回答の内容に応じて、マージしてコピーするかどうかを判断するようにしてもよい。すなわち、回答情報の内容に応じて、質問情報と回答情報との関連付けを保たずに、診断レポートをコピーしてもよい。例えば、「指定した領域に病変が存在するか」という質問に対して、「特定の病変が存在する」という旨の回答があった場合には、マージしてコピーする。同様の質問に対して、「病変は存在しない」という回答であった場合には、コピーしない。
以上のように、本実施形態では、画像の情報と領域を指定する情報が含まれる診断レポートに対する依頼情報を受信したときは、当該画像の情報と領域を指定する情報とを、診断レポートに含まれる情報として診断レポートの編集画面の画面表示を行う。このため、このような依頼情報を受けた読影医は、領域画像に関連付けられた依頼情報に対して、診断レポートを編集する画面において領域画像との関連を認識しながら、容易に回答を検討することが可能となる。
また、本実施形態では、依頼情報に診断レポートに関する質問情報を含んでいる場合に、質問情報に対する回答情報を編集するための入力領域を編集画面内に表示させる。その際は、画像の情報及び領域を指定する情報と、質問情報及び回答情報とを対応付けて表示させる。このため、読影医は、領域画像との関連を認識しながら質問に対する回答を容易に入力することができる。
また、本実施形態では、依頼情報を受信したことに応じて、当該依頼情報に含まれる質問情報と当該質問情報に対する回答情報とを関連付けて、診断レポートに含まれる情報として、読影レポートデータベース2に記憶させる記憶制御を行う。依頼情報に画像の情報と当該画像における領域を指定する情報とが含まれているときは、当該画像の情報及び領域を指定する情報を、質問情報及び回答情報とに関連付けて記憶させる(図3参照)。このため、領域画像、質問、回答等の情報を対応付けて診断レポートの編集を行うことが可能となる。
(その他のシステム構成)
また、図13の説明において、臨床医による質問の入力は医用画像閲覧装置70で行うようにしたが、それ以外の構成を用いてもよい。例えば、医用レポート作成装置10上で質問文を入力し、その後で医用画像閲覧装置70から領域情報を取得して関連付けるようにしてもよい。また、領域情報に関連付けずに質問文のみを入力できるような機能や、レポート中の所見や診断に対する質問文を入力できるような機能を併用してもよい。
また、本実施形態では、所見・診断情報を入力する場合と質問・回答情報を入力する場合とで、それぞれ同機能の医用レポート作成装置10及び画像閲覧装置70を利用していた。しかし、医用レポート作成装置10又は画像閲覧装置70の機能を分割し、所見・診断情報を入力する場合と質問・回答を入力する場合とで、機能が異なるシステムを用意してもよい。
(その他の入力)
また、本実施形態では、所見・診断情報には、領域に対する所見又は診断を入力するものとしたが、他の情報を入力可能にしてもよい。例えば、今後の処置に対する推奨意見を入力可能にしてもよい。
また、本実施形態では、医用画像閲覧装置70で作成した領域情報は、医用レポート作成装置10の領域入力部115へ入力するのみであったが、その他のフィードバックを行ってもよい。例えば、医用画像閲覧装置70で領域を編集すると、既に医用レポート作成装置10の領域入力部115へ入力された領域情報を更新してもよい。また、医用画像閲覧装置70で領域を削除すると、既に医用レポート作成装置10の領域入力部115へ入力された領域情報を削除してもよい。
また、図16の説明において、読影医は臨床医の質問に対する回答を文章として入力するのみであったが、その他の情報を付与できるようにしてもよい。例えば、臨床医の質問対象の領域画像に対して画像処理を施したものを添付したり、領域を別の角度から見た画像を添付できるようにしてもよい。
また、図18の説明において、医用画像閲覧装置70は臨床医が領域情報を作成した際の画面を再現したが、他の画像を表示しても良い。例えば、臨床医がX線写真上の領域を指定していたとしたら、医用画像閲覧装置70はCT画像から対応する位置を検索し、CT画像上の領域として表示してもよい。
(その他のデータ構成)
また、本実施形態では、所見・診断情報と質問・回答情報を合わせて一つのレポートデータとしていたが、質問・回答情報を別のデータとして切り離して存在させてもよい。この場合、質問・回答情報を単体で読影医へ送信することのできるシステムを別途用意してもよい。その際、質問・回答情報に含まれた画像を元に既存のレポートデータを検索し、関連するレポートデータがあれば、質問・回答情報を付与してレポートデータとして読影医へ送信してもよい。これにより、臨床医が医用画像閲覧装置70を用いて独自に画像を見ている際にも、質問を作成できるようになる。
また、本実施形態では、読影医の記述する所見・診断情報と臨床医の記述する質問・回答情報を異なる情報として管理しているが、同じ情報として管理してもよい。すなわち、臨床医の記述した質問内容を所見として、関連付けた画像領域をキー画像として管理してもよい。その場合は、情報の項目ごとに作成日時や作成者等の情報を保存し、質問や回答の状況が分かるようにする必要がある。
また、本実施形態では、質問・回答情報をレポートデータとして保存するのみであったが、過去に入力した領域情報や所見に対応する質問・回答をデータベースとして蓄積しておき、後で他の用途に用いてもよい。例えば、読影医が新規に領域情報に対する所見を書く際、上記データベースから想定される質問を取得して提示してもよい。これにより、読影医が所見を臨床医に分かりやすいように変更することが可能になる。
<<実施形態2>>
実施形態1では、読影医と臨床医が、それぞれ同機能の医用画像閲覧装置70を利用していた。しかし、遠隔読影で読影を外部に依頼する場合には、読影医が使用した医用画像閲覧装置70と同機能のシステムが、臨床医にも利用可能であるとは限らない。本実施形態(実施形態2)では、読影医が利用した医用画像閲覧装置70が臨床医に利用できない場合に、臨床医が医用レポート作成装置10を用いて、画像上の位置を指定し読影医に質問をすることができるシステムについて述べる。なお、本実施形態においても、臨床医は自分のPCからネットワークを介して医用レポート作成装置10にアクセスする場合の例を説明する。
(医用レポート作成装置の機能)
図20は、実施形態2における医用レポート作成装置10の主要な機能を説明するための機能ブロック図である。実施形態1で説明した図5の機能ブロックに加えて、領域画像表示部122、領域作成部123、質問入力ウィンドウ表示部124が追加されている。本実施形態の機能ブロックの大半は実施形態1と同様なので、以下では実施形態1と異なる部分を主に説明する。
領域画像表示部122は、領域情報入力部115に入力されている内容を元に、領域画像を出力デバイス15に表示する。領域画像の表示は、医用画像閲覧装置70の領域表示受付部720と同様に行ってもよいし、単に代表画像を表示するのみでもよい。なお、代表画像として、読影医によるレポート作成時に、閲覧に耐えうるサイズの画像が保存される。
領域作成部123は、入力デバイス14を介した医師の操作に応じて、画像上の領域を指定する。指定した領域は領域情報として、領域情報入力部115に入力する。質問入力ウィンドウ表示部124は、領域作成部123で作成した領域に対して、質問を入力するためのウィンドウを表示する。
(臨床医による質問作成フロー)
レポート作成全体のフローは、実施形態1と同様に、図9により示されるが、本実施形態では、ステップS902の臨床医の手順が実施形態1と異なる。図21は、実施形態2における図9のステップS902で、臨床医がレポートを参照し、質問を作成する際の操作手順を表すフローチャートである。臨床医は医用画像閲覧装置70を利用せず、すべての処理を医用レポート作成装置10のみを用いて行う。
ステップS2101からS2103は、図13のステップS1301からS1303と同様の操作及び処理を行う。ステップS2104では、臨床医がレポート上の領域情報の表示を指示する。領域情報表示の指示は、例えば、図14の所見・診断表示部1401に表示された代表画像をダブルクリックすることで行われることで行うことができる。このとき、システムは領域画像表示部122を実行し、領域情報の画像を医用レポート作成装置10上で表示する。
ステップS2105では、臨床医が画像を閲覧する。画像の閲覧は、領域画像表示部122で行われる。
ステップS2106では、臨床医が画像中の注目領域を指定する。領域の指定は、画像上でマウスをドラッグアンドドロップするか、読影医が作成した領域情報をマウスクリックで選択することで行われる。なお、画像として代表画像が表示されている場合には、領域情報に含まれる位置情報とマウスのクリック位置を比較することで、読影医が作成した領域を選択したかどうかを判定することができる。このとき、システムは領域作成部123を実行する。なお、領域情報の画像アドレスと画像処理情報については、ステップS2104で指示された領域情報のものを複製して用いる。次に、システムは質問・回答入力ウィンドウ表示部716を実行し、作成した領域に対応する質問を入力するためのウィンドウを、画像に重畳して表示する。このときの医用レポート作成装置10の画面は、図15(a)と同様である。
ステップS2107からS2108は、図13のステップS1307からS1308と同様の操作及び処理を行う。
上記のように、本実施形態では、ユーザから、診断対象の画像における注目領域の指定と当該注目領域に対するテキスト情報の入力とを受け付ける受付処理を行い、指定ないし入力を受け付けた注目領域及びテキスト情報を関連付けて、診断レポートに追加する。このため、診断医は、医用画像閲覧装置70を利用することができない場合であっても、医用レポート作成装置10を用いて、診断対象の画像について質問等を行うことができる。
なお、実施形態1、実施形態2を通して、領域情報に含まれる領域の位置情報は、画像に対する相対的な座標で表現した。しかし、元画像に対する絶対座標として表現してもよい。これにより、計算誤差による描画位置のずれを防ぐことができる。ただし、その場合は、領域作成部713で作成した領域を領域情報として保存する際に、作成した領域の座標を領域画像表示部122の座標系から元画像の座標系に変換する必要がある。領域画像表示部122では代表画像を表示することも想定されるため、代表画像の元画像に対する倍率を予め保存しておき、座標の変換を可能に準備しておくことが望ましい。
<<実施形態3>>
実施形態1、実施形態2では、読影医がレポートを作成した後、臨床医がレポートに対する質問を作成する場合について説明した。しかし、読影医がレポートを作成する前に、即ち臨床医がレポートの作成依頼を出す際に質問を作成する場合も考えられる。実施形態3では、臨床医がレポートの作成依頼を出す際に質問を作成することができるシステムについて述べる。
図22は、実施形態3において、臨床医により画像検査が依頼され、更に画像が撮影された後に、図3(a)に示す医用レポートデータが完成されるまでのステップを表すフローチャートである。
ステップS2201では、臨床医が画像検査を依頼する。ステップS2202では、臨床医が、ステップS2201で撮影した画像の読影レポートの作成を依頼する。その際、依頼として記述した内容と領域情報を関連付けることができる。依頼内容と領域情報の関連付けは、例えば図13で説明した手法で行う。依頼内容は、質問として医用レポートデータに登録する。ステップS2203からS2205は、図9のステップS901からS903と同様の操作及び処理を行う。
図22で説明したフローでは、臨床医が画像検査の結果を一度受けた後、検査結果の画像に対して読影レポートの作成を別途依頼する。これにより、検査結果の画像に対する質問を含めて読影レポートの作成依頼を行うことを可能にする。すなわち、診断レポートの作成前のS2202においてに、依頼情報を受信して、診断レポートを作成するため、臨床医は、レポートの作成依頼を出す際に質問を作成することができる。
もちろん、画像検査と読影レポート作成の依頼を同時に行ってもよい。その場合は、臨床医が検査結果の画像に対して質問を作成すると、依頼情報を更新する。また、同じ検査結果の画像に対して、読影医が既に読影レポートを作成中、あるいは作成済みである場合には、作成者に依頼情報が更新された旨を通知する。
また、臨床医が読影レポートの作成を依頼する際、質問に関連付ける画像領域は、過去の検査結果の画像から指定してもよい。これにより、臨床医が特定の病変の変化を知りたい場合、対象である病変を読影医に正確に伝えることができるようになる。なお、病変の位置情報をグループ化して病名等の名前を付与して管理しておき、臨床医がグループ名を指定するだけで、グループ内の病変の変化に関する質問を自動的に生成してもよい。
以上のように、上記各実施形態に係る医用ドキュメントを作成するシステムは、読影医等の操作に基づき、医用画像閲覧装置で閲覧した医用画像の読影結果を示す所見テキストに基づいて第1の検査レポートを作成する。そして、診断医等の操作に基づき、注目領域に対する質問テキストあるいは第1のコメントテキストの少なくとも何れかを、注目領域と関連付けて第1の検査レポートに追加して第2の検査レポートを作成する。そして、読影医等の操作に基づき、質問テキストに対する回答テキストあるいは第1のコメントテキストに対する第2のコメントテキストの少なくとも何れかを第2の検査レポートに追加して第3の検査レポートを作成する。このため、臨床医から読影に質問をする際に質問の対象である画像中の位置や範囲を明確に示すことができるようになり、臨床医が質問対象の位置や範囲を文章により表現する手間や、読影医が文章を元に質問対象を探す手間が削減される。よって、読影レポートに対する質問の作成及び質問に対する回答の作成に際して、臨床医及び読影医の作業効率が向上する。
<<その他の実施形態>>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。