JP6496515B2 - 光学装置および光学素子の駆動方法 - Google Patents

光学装置および光学素子の駆動方法 Download PDF

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Description

本発明は、エレクトロデポジション素子を含む光学装置、および、エレクトロデポジション素子の駆動方法に関する。
特許文献1には、いわゆるエレクトロデポジション素子が開示されている。エレクトロデポジション素子は、主に、対向配置される一対の電極と、その一対の電極に挟持され、銀を含むエレクトロデポジション材料を含有する電解質層と、を有する。
定常時(電圧無印加時)、電解質層はほぼ透明であり、エレクトロデポジション素子は透明状態となる。一対の電極間に電圧を印加すると、酸化・還元反応により、電解質層のエレクトロデポジション材料(銀)が、電極上に析出・堆積する。これにより、エレクトロデポジション素子は鏡面(高光反射)状態となる。
特許文献2には、エレクトロデポジション素子を用いた単純マトリクス型の表示装置における具体的な駆動方法(電圧印加方法)が開示されている。かかる駆動方法により、当該表示装置に表示される画像のムラを軽減することができる、と記載されている。
特開2012−181389号公報 特開2003−337351号公報
本発明の主な目的は、エレクトロデポジション素子において、エレクトロデポジション材料を所望の位置や領域に正確に析出・堆積させることにある。
本発明の主な観点によれば、対向配置される第1および第2の基板であって、該第1の基板は、該第2の基板に近い表面に設けられた第1の電極を含み、該第2の基板は、該第1の基板に近い表面に設けられた第2の電極を含む、該第1および第2の基板と、前記第1および第2の基板に狭持され、銀を含むエレクトロデポジション材料を含有する電解質層と、前記第1および第2の電極に接続し、該第1および第2の電極を介して、前記電解質層に電圧を印加することができる電源と、を具備し、前記電源は、第1の期間に、第1のステップ電圧を周期的に出力し、前記第1のステップ電圧は、正電圧である第1の電圧を第1の時間保持し、続けて、正電圧であり、該第1の電圧よりも小さい第2の電圧を該第1の時間よりも長い第2の時間保持する波形を有し、前記第1の電圧は3V以上であり、前記第1の時間は5ms以下であり、前記第2の電圧は0.4V〜1.0Vの範囲内であり、前記第2の時間は50ms〜300msの範囲内である光学装置、が提供される。
本発明の他の観点によれば、対向配置される第1および第2の基板であって、該第1の基板は、該第2の基板に近い表面に設けられた第1の電極を含み、該第2の基板は、該第1の基板に近い表面に設けられた第2の電極を含む、該第1および第2の基板と、前記第1および第2の基板に狭持され、銀を含むエレクトロデポジション材料を含有する電解質層と、を備える光学素子の駆動方法であって、前記第1および第2の電極を介して前記電解質層に、第1のステップ電圧を周期的に印加する工程を含み、前記第1のステップ電圧は、正電圧である第1の電圧を第1の時間保持し、続けて、正電圧であり、該第1の電圧よりも小さい第2の電圧を該第1の時間よりも長い第2の時間保持する波形を有し、前記第1および第2の電極を介して前記電解質層に直流電圧を印加して、該第1または第2の電極の表面に前記エレクトロデポジション材料を析出させる際に、該エレクトロデポジション材料が析出し始める直流電圧を閾値電圧と呼ぶとき、前記第1の電圧は、前記閾値電圧の2倍以上であり、前記第2の電圧は、前記閾値電圧よりも低い、光学素子の駆動方法、が提供される。
エレクトロデポジション素子において、エレクトロデポジション材料を所望の位置や領域に正確に析出・堆積させることができる。
および、 図1Aは、エレクトロデポジション素子を含む光学装置の基本構造を示す断面図であり、図1Bおよび図1Cは、エレクトロデポジション素子おける光透過率および光反射率の波長依存性を示すグラフであり、図1Dは、エレクトロデポジション素子における光反射率の印加電圧依存性を示す概略的なグラフであり、図1Eは、エレクトロデポジション素子における光反射率の時間変化を示す概略的なグラフである。 図2は、エレクトロデポジション素子を一部拡大して示す平面図である。 図3A〜図3Cは、エレクトロデポジション素子の駆動波形を示す概略的なグラフである。 図4Aは、エレクトロデポジション素子を含む光学装置の他の構造例を示す断面図であり、図4Bは、エレクトロデポジション素子の電極構造を示す平面図である。
図1Aは、実施例による光学装置の基本構造を示す断面図である。当該光学装置は、主に、エレクトロデポジション(ED)素子101、および、ED素子101に電力を供給する電源102、から構成される。
ED素子101は、主に、対向配置される下側および上側基板10,20と、下側および上側基板10,20に挟持されるシール枠部材40および電解質層(電解液)50と、を備える。なお、シール枠部材40は、下側ないし上側基板10,20面内において、下側および上側基板10,20の周縁に沿って閉じた形状で設けられている。電解質層50は、エレクトロデポジション(ED)材料を含有し、下側および上側基板10,20、ならびに、シール枠部材40により画定される空間50aに充填されている。
下側および上側基板10,20各々の対向面には、それぞれ下側および上側電極12,22が設けられている。下側および上側電極12,22は、たとえば単純マトリクス型の電極構造を有している。電源102は、下側および上側電極12,22に接続されており、下側および上側電極12,22を介して、電解質層50に種々の電圧を印加する。
図1Aを参照しながら、実施例による光学装置(特にED素子101)の製造方法について説明する。
最初に、ベース基板表面に電極が形成された透明基板を2枚準備する。必要に応じて、ベース基板表面の電極を、エッチング法やレーザアブレーション法などにより、所望の平面形状にパターニングしておく。
ベース基板には、透光性を有する基板が用いられ、青板ガラスなどのプレート基板や、ポリカーボネートなどにより構成されるフィルム基板などを用いることができる。また、電極は、たとえばインジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)など、透光性および導電性を有する部材により構成される。
2枚準備した透明基板のうち、一方の基板を下側基板10に設定し、他方の基板を上側基板20に設定する。下側基板10におけるベース基板および電極を、それぞれ下側ベース基板11および下側電極12と呼ぶこととする。また、上側基板20におけるベース基板および電極を、それぞれ上側ベース基板21および上側電極22と呼ぶこととする。
なお、図4を参照して後述するように、下側または上側電極12,22表面に、ITO粒子などが堆積してなる粒子堆積層を設けてもかまわない。ITO粒子分散液を、スピンコート法などを用いて、下側または上側電極12,22表面に塗布し、その後焼成することにより、粒子堆積層を形成することができる。
次に、下側または上側基板10,20(下側または上側電極12,22表面)、たとえば下側基板10に、シール枠部材40を形成する。シール枠部材40は、たとえば、矩形枠状の全体的平面形状を有し、紫外線硬化性樹脂により構成される。なお、シール枠部材40は、熱硬化性樹脂により構成されていてもかまわない。
続いて、下側または上側基板10,20(下側または上側電極12,22表面)、たとえば上側基板20に、粒径が数十μm〜数百μm、たとえば500μmであるギャップコントロール剤を散布する。ギャップコントロール剤の密度は、たとえば1〜3個/mm程度である。なお、ギャップコントロール剤を散布するかわりに、柱状の突起体を形成してもかまわない。また、ギャップコントロール剤は、シール枠部材40が形成された基板、つまり下側基板10に散布してもかまわない。
次に、下側基板10(下側電極12表面)のシール枠部材40内側に、銀を含むエレクトロデポジション(ED)材料を含有する電解液(電解質層)50を滴下する。そして、下側および上側電極12,22が相対するように、上側基板20を、電解液50を滴下した下側基板10に貼合する。その後、シール枠部材40に紫外線を照射して、シール枠部材40を硬化させる。これにより、ED素子101が完成する。
電解液(電解質層)50は、たとえば、ED材料(AgNO等)、電解質(TBABr等)、メディエータ(CuCl等)、電解質の浄化剤(LiBr等)、溶媒(DMSO:dimethyl―sulfoxide 等)などにより構成される。なお、さらにゲル化用ポリマ(PVB:polyvinyl―butyral等)などを添加して、ゲル状(ゼリー状)にしてもよい。実施例においては、溶媒であるDMSO中に、ED材料としてAgNOを50mM、支持電解質としてLiBrを250mM、メディエータとしてCuClを10mM、ゲル化用ポリマとして10wt%のPVBを添加したものを用いた。
ED材料は、AgNO以外にも、たとえば銀を含むAgClOやAgBrなどを用いることができる。ここで、ED材料とは、下側ないし上側電極12,22表面において、酸化還元反応などにより、その一部が析出・堆積、または、消失する材料をいう。
支持電解質は、ED材料の酸化還元反応等を促進するものであれば限定されない。たとえば、リチウム塩(LiCl、LiBr、LiI、LiBF、LiClO等)、カリウム塩(KCl、KBr、KI等)、ナトリウム塩(NaCl、NaBr、NaI等)を好適に用いることができる。
メディエータは、銅を含むCuCl以外にも、たとえば銅を含むCuSOやCuBrなどを用いることができる。ここで、メディエータとは、銀よりも電気化学的に低いエネルギで酸化・還元する材料をいう。
溶媒は、ED材料等を安定的に保持することができるものであれば限定されない。たとえば、水や炭酸プロピレン等の極性溶媒、極性のない有機溶媒、更にはイオン性液体、イオン導電性高分子、高分子電解質等を用いることができる。具体的には、DMSOの他、炭酸プロピレン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ポリビニル硫酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸等を好適に用いることができる。
なお、電解液の滴下は、ディスペンサやインクジェットヘッドなどを用いて行うことができる。また、下側および上側基板10,20の貼合は、大気中、真空中ないし窒素雰囲気中で行うことができる。
最後に、下側および上側電極12,22に電源102を接続する。これにより、ED素子101および電源102を含む光学装置が完成する。
たとえば、下側電極12の電位を基準としたときに、電源102によって、上側電極22に正の直流電位(3[V]程度で数十秒間)を印加した場合(つまり、上側電極22の電位を基準としたときに、下側電極12に負の直流電圧を印加した場合)、下側基板10(下側電極12)表面において、電解質層50中の銀イオン(ED材料)が還元され、銀薄膜(ED材料膜)が析出する。なお、下側電極12の電位を基準としたときに、上側電極22に負の直流電位を印加した場合には、上側基板20(上側電極22)表面に銀薄膜が析出する。
図1Bおよび図1Cは、定常時(電圧無印加時)若しくは電圧印加時におけるED素子の光透過スペクトルおよび光反射スペクトルを示すグラフである。図1Bおよび図1Cにおいて、横軸は、ED素子に入射される光の波長を示し、縦軸は、それぞれ入射光の波長に対する透過率および反射率を示す。
なお、図1Bにおいて、スペクトルToffが定常時におけるED素子の光透過スペクトルであり、スペクトルTonが電圧印加時におけるED素子の光透過スペクトルである。また、図1Cにおいて、スペクトルRoffが定常時におけるED素子の光反射スペクトルであり、スペクトルRonが電圧印加時の光反射スペクトルである。
図1BのスペクトルToffに示されるように、定常時、電解質層は概ね透明であり、ED素子は透明状態を実現する。なお、実施例におけるED素子は若干黄みを帯びて見える。これは、メディエータ(CuCl)の影響だと考えらえる。このような若干の着色は、ED素子の厚みを薄くする(下側および上側基板の間隔を狭くする)ことにより改善される。つまり、ED素子の厚みを薄くする(下側および上側基板の間隔を狭くする)ことにより、ED素子を無色透明に近づけることができる(光透過スペクトルをフラットに近づけることができる)。なお、図1CのスペクトルRoffに示されるように、定常時、ED素子の光反射率は極めて低い。
図1CのスペクトルRonに示されるように、電圧印加時、電極表面に銀薄膜(高光反射膜)が析出するため、ED素子は鏡面状態(高光反射状態)を実現する。なお、図1BのスペクトルTonに示されるように、電圧印加時、ED素子の光透過率は極めて低い。
なお、ED素子への電圧印加を停止すると、電極表面に析出した銀(薄膜)は、再度、電解質層中に銀イオンとして溶解し、電極表面から消失する。これによりED素子は再度透明状態を実現する。
図1Dは、ED素子の、印加電圧に対する光反射率特性を概略的に示すグラフである。横軸は、ED素子に印加する直流電圧の電圧値を示し、縦軸は、ED素子の任意波長における光反射率を示す。図1Dに示すように、定常時(0[V])におけるED素子の光反射率は低く、ED素子に印加する電圧を大きくしていくとその光反射率も高くなり、ED素子に十分に大きい電圧を長時間印加するとED素子の光反射率は飽和する。
ここで、定常時におけるED素子の光反射率をR0と定義し、十分に高い電圧を長時間印加した際のED素子の光反射率をR1と定義する。なお、ED素子の光反射率がR1の90%(0.9×R1)になるとき、ED素子の光反射率は飽和したものとみなし、このときのED素子の光反射率をRsと定義する。
さらに、ED素子の光反射率が、R1の90%(0.9×R1=Rs)になるときのED素子への印加電圧値を飽和電圧vsと定義する。また、ED素子の光反射率が、R1の10%(0.1×R1)になるときのED素子への印加電圧値を、ED材料(銀)が析出し始める電圧(閾値電圧)vtと定義する。
実施例のED素子において、飽和電圧vsは約2.6[V]〜3.0[V]程度であり、閾値電圧vtは約1.2[V]〜1.3[V]程度である。なお、飽和電圧や閾値電圧などのパラメータは、電解質層を構成する各種部材の割合などにより変化する。
図1Eは、飽和電圧vsを印加したときの、ED素子における光反射率の時間変化を概略的に示すグラフである。横軸は、ED素子に飽和電圧vsを印加した時間を示し、縦軸は、ED素子の任意波長における光反射率を示す。なお、ED素子に飽和電圧vsを印加した時点をt0と定義する。
図1Eに示すように、ED素子に飽和電圧vsを印加すると光反射率が徐々に増加し、十分に長い時間が経過すると光反射率が飽和してRsとなる。ここで、ED素子に飽和電圧vsを印加してから、ED素子の光反射率がRsの90%に達するまでの時間を、レスポンス時間trと定義する。
実施例のED素子において、レスポンス時間trは、0.5秒〜2.0秒程度である。なお、レスポンス時間などのパラメータは、電解質層を構成する各種部材の割合などにより変化する。
図2は、ED素子の一部を拡大して示す平面図である。下側および上側電極12,22の電極構造として、単純マトリクス型の電極構造を想定する。つまり、下側および上側電極12,22の形状として、一方向に延在する下側電極12と、それと直交する方向に延在する上側電極22と、を想定する。たとえば、下側および上側電極12,22の幅は、それぞれ5mm程度とする。
下側および上側電極12,22の間に直流電圧を印加すると、電解質層に含まれるED材料(銀)が、下側または上側基板10,20表面に析出・堆積し、その結果、ED材料膜(銀薄膜)が形成される。本発明者の検討によれば、このとき、ED材料膜は、下側および上側電極12,22が重複する領域103よりも広い領域103Eに形成されることがある。ED材料膜は、予め定められた所望の領域、つまり電極が重複する領域(電極重複領域)に形成されることが製品設計上望ましい。
また、直流電圧を長時間(たとえば3[V]程度を10秒間)印加し続けると、形成されるED材料膜が厚くなりすぎてしまい、一部剥離してしまうことがある。ED材料膜は、均一な厚みで形成されること、つまり均一な光反射性を長時間保持することが製品品質上望ましい。
本発明者は、ED材料膜が所望の領域(電極重複領域)に形成され、また、均一な光反射性を長時間保持するED素子の駆動方法について検討を行った。
図3A〜図3Cは、所定の期間に、ED素子に印加する電圧波形を概略的に示すグラフである。横軸に時間を示し、縦軸にED素子に印加する電圧を示す。
図3Aに示すように、ED素子には、第1の期間p1に、ステップ(階段)電圧が周期的に印加される。ここで、ステップ電圧は、第1の電圧v1が第1の時間t1保持され、続いて、第2の電圧v2が第2の時間t2保持される波形を有する。第1の期間p1内には、ステップ電圧が少なくとも2周期以上印加される。本発明者は、このような電圧をED素子に印加したときに、析出されるED材料膜が所望の領域(電極重複領域)に正確に形成され、また、均一な光反射性を長時間保持する好適な条件について目視評価を行った。
本発明者による評価によれば、第1の電圧v1が第2の電圧v2よりも高く、そして、第1の時間t1が第2の時間t2よりも短いことが、概ね好ましい条件であることが分かった。さらに言えば、第1の電圧v1が少なくとも飽和電圧vs(図1D参照)以上であり、そして、第2の電圧v2が0[V]よりも大きく、かつ、閾値電圧vt(図1D参照)以下であることが、より好ましい条件であることが分かった。また、第1の時間t1がレスポンス時間tr(図1E参照)の1/100以下であり、そして、第2の時間t2が第1の時間t1の10倍〜1000倍の範囲内であることが、さらに望ましい条件であることが分かった。
具体的には、実施例において、第1の電圧v1が3[V]以上であり、第1の時間t1が5[ms]以下であり、第2の電圧v2が0.4[V]〜1.0[V]の範囲内であり、第2の時間t2が50[ms]〜300[ms]の範囲内であることが好適な条件であった。このような条件のステップ電圧を周期的に印加することにより、析出されるED材料膜が、所望の領域(電極重複領域)に正確に形成され、長時間(たとえば1分以上)均一に保持されることが分かった。なお、直流電圧を印加した場合に比べて、上記好適な条件のステップ電圧を周期的に印加した場合の方が、可視光領域全域にわたって、光反射率が高くなり、また、光反射スペクトルがフラットになることが分かった。これは、ED素子に好適な条件のステップ電圧を周期的に印加したことにより、析出されるED材料膜がより高密度で均一な厚みになっているためだと考えられる。
次に、本発明者は、ED素子に周期的なステップ電圧を印加してから、ED素子の光反射率が飽和するまでの時間(立ち上がり時間)について評価を行った。ここで、第1の電圧v1が10[V]であり、第1の時間t1が0.4[ms]であり、第2の電圧v2が0.4[V]であり、第2の時間t2が50[ms]であるステップ電圧を、第1の条件のステップ電圧と呼ぶこととする。また、第1の電圧v1が4[V]であり、第1の時間t1が2[ms]であり、第2の電圧v2が0.6[V]であり、第2の時間t2が150[ms]であるステップ電圧を、第2の条件のステップ電圧と呼ぶこととする。
本発明者の評価によれば、ED素子に、第1の条件のステップ電圧を周期的に印加した場合、ED素子の光反射率は約0.5秒で飽和した(つまり立ち上がり時間は約0.5秒であった)。また、ED素子に、第2の条件のステップ電圧を周期的に印加した場合、ED素子の光反射率は約3.0秒で飽和した(つまり立ち上がり時間は約3.0秒であった)。この評価から、ED素子に第1の条件のステップ電圧を周期的に印加した場合の方が、ED素子における光反射率の立ち上がり時間がより早い(短い)ことが分かった。つまり、第1の条件のステップ電圧の方が、光反射率の立ち上がり時間の短縮化に好適な条件であることが分かった。
なお、その一方で、第2の条件のステップ電圧を周期的に印加した場合の方が、ED素子の光反射性をより長時間均一に保持できることが分かった。つまり、第2の条件のステップ電圧の方が、光反射性の長時間における均一化に好適な条件であることが分かった。
以上を踏まえると、図3Bに示すように、第1の期間p1に第1の条件のステップ電圧を周期的に印加し、その後の第2の期間p2に第2の条件のステップ電圧を周期的に印加するようにしてもよいであろう。つまり、図3Cに示すように、第2の期間p2に印加されるステップ電圧について、第3の電圧v3が第3の時間t3保持され、続いて、第4の電圧v4が第4の時間t4保持されるものとしたとき、第1の期間p1(たとえば1秒間)に、第1の電圧v1が10[V]であり、第1の時間t1が0.4[ms]であり、第2の電圧v2が0.4[V]であり、第2の時間t2が50[ms]であるステップ電圧を周期的に印加し、その後の第2の期間p2に、第3の電圧v3が4[V]であり、第3の時間t3が2[ms]であり、第4の電圧v4が0.6[V]であり、第4の時間t4が150[ms]であるステップ電圧を周期的に印加してもよいであろう。
このような電圧をED素子に印加することにより、光反射率の立ち上がり時間をより早くし、かつ、光反射性もより長時間均一に保持することができるであろう。つまり、ED素子をより早く透明状態から鏡面状態に切り替えることができ、また、良好な鏡面状態をより長時間保持することができるであろう。なお、ステップ電圧の各種パラメータの数値は上記した数値に限られない。ED素子の作製条件や用途に応じて、適宜調整することができる。
なお、図3Cに示すように、第2の期間p2の後の第3の期間p3に、ED素子に、第1〜第4の電圧v1〜v4とは極性が異なる第5の電圧v5を印加してもよい。このような電圧をED素子に印加することにより、析出しているED材料の電解質層中への再溶解を促進することができる。たとえば、第2の期間に第2の条件のステップ電圧を周期的に印加してED素子を鏡面状態にした後に、ED素子に第5の電圧v5として−0.6[V]を印加すると、約3秒程度でED素子は透明状態に戻る。
図4Aは、実施例による光学装置の変形例を示す断面図である。当該光学装置のED素子101aは、ED素子101の基本構造において、さらに、上側電極22表面に、導電性を有する粒子堆積層32が設けられている。
粒子堆積層32は、たとえば、粒径100[nm]〜500[nm]のITO粒子などが、1.5μm程度の厚みで堆積して構成される。このため、表面が、微細な凹凸状を構成し、少なくとも下側電極12の表面よりも粗くなっている。なお、粒子堆積層32は、下側電極12表面に設けられていてもかまわない。
下側電極12の電位に対して上側電極22に負の直流電位を印加すると、上側電極22表面の粒子堆積層32に銀薄膜(ED材料膜)が析出する。数百nmオーダのITO粒子が堆積する粒子堆積層32に銀薄膜が析出すると、ED素子101aに入射される光が、当該銀薄膜により乱反射(ないしプラズモン吸収)される。この場合、ED素子101aは遮光状態を実現する。
このように、ED素子に粒子堆積層を設けることにより、透明状態および鏡面状態に加え、さらに遮光状態を実現することができる。なお、ED素子101aに、図3A〜図3Cに示すようなステップ電圧を周期的に印加して、粒子堆積層32表面に銀薄膜を析出させてもよい。
図4Bは、ED素子の電極構造を示す平面図である。図2では、下側および上側電極12,22の電極構造として、単純マトリクス型を想定したが、下側および上側電極12,22の電極構造は、セグメント型としてもかまわないであろう。すなわち、たとえば図4Bに示すように、下側電極12をベタ形状にし、上側電極22(図中、斜線模様で示す)を文字や記号、図形などに対応する形状にしてもよいであろう。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
10…下側基板、11…下側ベース基板、12…下側電極、20…上側基板、21…上側ベース基板、22…上側電極、32…粒子堆積層、40…シール枠部材、50…電解質層(電解液)、101…エレクトロデポジション素子(ED素子)、102…電源、103…電極重複領域。

Claims (6)

  1. 対向配置される第1および第2の基板であって、該第1の基板は、該第2の基板に近い表面に設けられた第1の電極を含み、該第2の基板は、該第1の基板に近い表面に設けられた第2の電極を含む、該第1および第2の基板と、
    前記第1および第2の基板に狭持され、銀を含むエレクトロデポジション材料を含有する電解質層と、
    前記第1および第2の電極に接続し、該第1および第2の電極を介して、前記電解質層に電圧を印加することができる電源と、
    を具備し、
    前記電源は、第1の期間に、第1のステップ電圧を周期的に出力し、
    前記第1のステップ電圧は、正電圧である第1の電圧を第1の時間保持し、続けて、正電圧であり、該第1の電圧よりも小さい第2の電圧を該第1の時間よりも長い第2の時間保持する波形を有し、
    前記第1の電圧は3V以上であり、前記第1の時間は5ms以下であり、
    前記第2の電圧は0.4V〜1.0Vの範囲内であり、前記第2の時間は50ms〜300msの範囲内である光学装置。
  2. 対向配置される第1および第2の基板であって、該第1の基板は、該第2の基板に近い表面に設けられた第1の電極を含み、該第2の基板は、該第1の基板に近い表面に設けられた第2の電極を含む、該第1および第2の基板と、
    前記第1および第2の基板に狭持され、銀を含むエレクトロデポジション材料を含有する電解質層と、
    前記第1および第2の電極に接続し、該第1および第2の電極を介して、前記電解質層に電圧を印加することができる電源と、
    を具備し、
    前記電源は、第1の期間に、第1のステップ電圧を周期的に出力し、
    前記第1のステップ電圧は、正電圧である第1の電圧を第1の時間保持し、続けて、正電圧であり、該第1の電圧よりも小さい第2の電圧を該第1の時間よりも長い第2の時間保持する波形を有し、
    前記第1および第2の電極を介して前記電解質層に直流電圧を印加して、該第1または第2の電極の表面に前記エレクトロデポジション材料を析出させる際に、該エレクトロデポジション材料が析出し始める直流電圧を閾値電圧と呼ぶとき、
    前記第1の電圧は、前記閾値電圧の2倍以上であり
    前記第2の電圧は、前記閾値電圧よりも低い光学装置。
  3. 前記第1の電圧は、前記閾値電圧の2.5倍以下である、請求項2記載の光学装置。
  4. 前記第2の時間は、前記第1の時間の10倍〜1000倍の範囲内である請求項2または3記載の光学装置。
  5. 前記電源は、前記第1の期間の後の第2の期間に、前記第1のステップ電圧とは波形が異なる、正電圧である第2のステップ電圧を周期的に出力する請求項〜4いずれか1項記載の光学装置。
  6. 対向配置される第1および第2の基板であって、該第1の基板は、該第2の基板に近い表面に設けられた第1の電極を含み、該第2の基板は、該第1の基板に近い表面に設けられた第2の電極を含む、該第1および第2の基板と、
    前記第1および第2の基板に狭持され、銀を含むエレクトロデポジション材料を含有する電解質層と、
    を備える光学素子の駆動方法であって、
    前記第1および第2の電極を介して前記電解質層に、第1のステップ電圧を周期的に印加する工程を含み、
    前記第1のステップ電圧は、正電圧である第1の電圧を第1の時間保持し、続けて、正電圧であり、該第1の電圧よりも小さい第2の電圧を該第1の時間よりも長い第2の時間保持する波形を有し、
    前記第1および第2の電極を介して前記電解質層に直流電圧を印加して、該第1または第2の電極の表面に前記エレクトロデポジション材料を析出させる際に、該エレクトロデポジション材料が析出し始める直流電圧を閾値電圧と呼ぶとき、
    前記第1の電圧は、前記閾値電圧の2倍以上であり、
    前記第2の電圧は、前記閾値電圧よりも低い、光学素子の駆動方法。
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