JP6496179B2 - 筆記具 - Google Patents

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Description

この発明は、シャープペンシルやノック式ボールペンなどのように、軸筒内に軸スプリングを収容した筆記具に関し、前記軸スプリングの付勢力(ばね圧)を受ける受け部材を、軸筒の例えば尾端部に圧入嵌合した構造の筆記具に関する。
シャープペンシルやノック式ボールペンは、軸筒内に軸スプリングが収容され、この軸スプリングの作用により、例えばノック部材が軸筒の尾端部に突出して配置された構成が採用されている。
そして、シャープペンシルにおいては、周知のとおり前記ノック部材をノック操作することにより、筆記芯を順次繰り出すことができるように構成されている。またノック式ボールペンにおいては、前記ノック部材をノック操作する毎に、ボールペンチップが軸筒の先端部から出没できるように動作する。
特許文献1には、軸筒内に軸スプリング(ノックスプリング)が収容されて、ノック操作により、筆記芯を順次繰り出すことができるシャープペンシルの例が示されている。
このような筆記具を組立てる場合には、一般的に軸筒の尾端部開口より、シャープペンシル筆記体が挿入され、続いてその後側に軸スプリングが挿入される。そして、前記軸スプリングに当接するノック棒を挿入した後、ノック棒をスライド可能に支持すると共に、軸スプリングの付勢力(ばね圧)を受ける受け部材が、軸筒の尾端部に圧入嵌合されて取り付けられる。
なお、特許文献1に示された前記受け部材は、側面にクリップを一体に成形した筒状のクリップ支持体を兼ねている。
国際公開WO2009/54291号公報
ところで、特許文献1に開示されたシャープペンシルにおいては、これを組立てるには、治工具を用いて軸筒の尾端部に、前記受け部材(筒状のクリップ支持体)を圧入嵌合させる操作が伴われる。
この場合、受け部材は軸スプリングのばね圧を受けた状態のままで、軸筒と共に治工具に装着され、この治工具を利用して受け部材を軸筒内に圧入させる組立て工程が必要となる。
このために、前記ばね圧の影響を受けて、治工具に対する筆記具の各構成部品の装着が不安定になり易く、軸筒や受け部材が滑りによって前記治工具から外れ、圧縮状態の軸スプリングの反作用によって、軸スプリングや前記したノック棒を含む受け部材等が軸筒から飛び出す事態が発生する。これより、各構成部品を紛失させるなど、組立て工程の作業効率に劣るという問題を抱えている。
この発明は、軸スプリングを圧縮させた状態で、受け部材を軸筒に対して圧入嵌合させる構造の筆記具において、その組立て途中において発生する軸スプリングや前記受け部材等の不用意な飛び出しを防止することができ、組立て作業が円滑になし得る筆記具を提供することを課題とするものである。
前記した課題を解決するためになされたこの発明に係る筆記具は、軸筒内に軸スプリングを備え、前記軸スプリングを圧縮させた状態で、軸スプリングの付勢力を受ける受け部材を、前記軸筒に圧入嵌合させる構造の筆記具であって、前記軸筒内には、軸心に向かう方向に突出する凸部が形成され、前記軸筒の内面に沿って軸方向に圧入される前記受け部材の外面には、軸筒内に形成された前記凸部に嵌合する第1嵌合部と第2嵌合部とが、軸方向に離れてそれぞれ形成され、前記軸筒内に前記受け部材を圧入嵌合させるに際し、前記第1嵌合部を前記凸部に嵌合させる仮嵌合の状態を経て、前記第2嵌合部が前記凸部に嵌合する本嵌合がなされると共に、前記軸筒には尾端部から軸方向に沿って矩形状の切り込み溝が形成され、前記受け部材の一部には、軸に直交する方向に立ち上がる柱状部が形成され、前記受け部材を前記軸筒に圧入させて前記仮嵌合の状態とした場合に、前記軸筒の切り込み溝に前記受け部材の柱状部が挿入された状態になされる点に特徴を有する。
この場合、前記受け部材における前記柱状部の両外側の対称位置には、軸筒の切り込み溝に接する小突起が形成された構成を好適に採用することができる。
えて、前記第1嵌合部は、好ましくは前記受け部材の周方向に沿って間欠的に突出形成された複数個のリブ部材により構成される。さらに前記第2嵌合部は、好ましくは前記受け部材の周方向に連続した段部により構成される。
前記した筆記具によると、受け部材を軸筒に圧入嵌合させる場合、軸筒内に収容される軸スプリングを圧縮させつつ、軸筒に対する受け部材の仮嵌合がなされ、仮嵌合の状態を経て、軸筒に対する受け部材の本嵌合がなされる構成が採用される。
したがって、筆記具を組立てるに際しては、例えば素手による力の範囲で前記仮嵌合の状態にすることができ、この仮嵌合の状態で治工具等に装着して本嵌合させて製品化することができる。
それ故、仮嵌合の状態で筆記具を扱うことができるので、軸スプリングのばね圧を受けた不安定な状態のままで、筆記具構成体を治工具等に装着するのを避けることができる。これにより、組立て工程の作業効率を向上させることができると共に、ばらつきのない安定した製品を提供することにも寄与できる。
この発明に係る筆記具をシャープペンシルに採用した全体構成を示し、(A)は前半部の断面図、(B)は後半部の断面図である。 軸筒の単体構成を示し、(A)は正面図、(B)は(A)におけるa−a線より矢印方向に見た断面図である。 クリップ支持体の単体構成した正面図である。 クリップ支持体の単体構成した斜視図である。 軸筒に対してクリップ支持体を仮嵌合させる前の状態を示した尾端部の拡大断面図である。 図5に示す状態から90度軸回転させた状態の断面図である。 軸筒に対してクリップ支持体を仮嵌合させた状態の尾端部の拡大断面図である。 図7に示す状態から90度軸回転させた状態の断面図である。 図7におけるb−b線より矢印方向に見た断面図である。 軸筒に対してクリップ支持体を本嵌合させた状態の尾端部の拡大断面図である。 図10に示す状態から90度軸回転させた状態の断面図である。
以下、この発明に係る筆記具を、シャープペンシルに採用した実施の形態に基づいて説明する。なお、以下に示す各図においては同一部分を同一符号で示しているが、一部の図面においては代表的な部分に符号を付け、その詳細な構成はその他の図面に付けた符号を引用して説明する場合もある。
図1(A),(B)はシャープペンシルを前半部および後半部に分けて示した全体構成の断面図であり、このシャープペンシルは筆記動作に伴う筆記圧を利用して、筆記芯(替え芯)を一方向に回転させることができるように構成されている。
符号1は、シャープペンシルの外郭を構成する軸筒を示しており、符号2は前記軸筒1の先端部に取り付けられた口先部を示している。前記口先部2の後端部内周面には、雌ねじが施されており、この雌ねじがシャープペンシル筆記体の一部(後述する円筒状の下カム形成部材14)に螺合することで、シャープペンシル筆記体が軸筒1の前端部に位置した状態で軸筒1内に固定されている。
前記軸筒1内には筒状の芯ケース3が軸筒1に対して同軸状に収容されており、この芯ケース3の先端部には短軸の芯ケース継手4を介してチャック5が連結されている。このチャック5には、その軸心に沿って通孔が形成され、また先端部が例えば三方向に分割されて、分割された先端部がリング状に形成された締め具6内に遊嵌されるようにして装着されている。そして、リング状の前記締め具6は前記チャック5の周囲を覆うようにして配置された円筒状に形成された回転カム7の先端部内面に装着されている。
前記口先部2より突出するようにして先端パイプ8が配置されており、この先端パイプ8の基端部は前記口先部2内に位置するスライダー9の先端部内面に、パイプ保持具10を介して嵌合されている。前記スライダー9は、その基端部側(後端部側)が大径となるように円筒部が連続した階段状に成形されており、その基端部内面は前記した回転カム7の先端部における周側面に嵌合されている。そして、前記スライダー9の内周面には、軸心部分に通孔を形成したゴム製の保持チャック11が収容されている。
前記した構成により、芯ケース3からチャック5内に形成された通孔、前記保持チャック11の軸心に形成された通孔を介して、前記先端パイプ8に至る直線状の芯挿通孔が形成されており、この直線状の芯挿通孔内に図示せぬ筆記芯(替え芯)が挿通される。そして、前記した回転カム7とチャック5との間の空間部には、コイル状のチャックスプリング12が配置されている。なお前記チャックスプリング12の一端部(後端部)は前記チャック5の大径部に接しており、また前記チャックスプリング12の他端部(前端部)は回転カム7内に形成された環状の端面に当接した状態で収容されている。したがって、前記チャックスプリング12の作用により、回転カム7内のチャック5は後退する方向に付勢されている。
図に示すシャープペンシルにおいては、軸筒1の尾端部に配置された後述するノック部(ノックカバー25)をノック操作することで、前記芯ケース3が軸筒1内において前進し、これに連結されたチャック5も図示せぬ筆記芯を把持した状態で前進する。そして、チャック5の先端部が締め具6から突出することで筆記芯の把持状態が解除される。また、前記ノック操作の解除により、チャックスプリング12の作用によりチャック5、芯ケース3は軸筒1内において後退する。
この時、筆記芯は保持チャック11の通孔において摩擦により一時的に保持される。この状態でチャック5は後退してその先端部が前記締め具6内に収容されることで、筆記芯は再びチャック5によって把持される。すなわち、前記したノック部のノック操作の繰り返しによる前記チャック5の前後動により、チャック5は筆記芯の解除と把持を行い、これにより筆記芯はチャック5から順次前方に繰り出されるように作用する。
図1に示す前記した回転カム7は、その軸方向の中央部が径を太くして円環状に形成されており、円環状になされた一端面(後端面)には第1のカム面7aが形成されており、円環状になされた他端面(前端面)には第2のカム面7bが形成されている。
一方、前記回転カム7の後端部には、円筒状の上カム形成部材13が回転カム7の後端部を覆うようにして軸筒1内に取り付けられており、前記上カム形成部材13の前端部には、前記回転カム7における第1のカム面7aに対峙するようにして上側固定カム面(第1の固定カム面ともいう。)13aが形成されている。
また、前記上カム形成部材13の前端部の外側を覆うようにして、円筒状の下カム形成部材14が取り付けられ、この下カム形成部材14には、前記回転カム7における第2のカム面7bに対峙するようにして下側固定カム面(第2の固定カム面ともいう。)14aが形成されている。
円筒状に形成された上カム形成部材13の後端部内面には、円筒状のストッパー16が嵌合されており、このストッパー16の前端部と、円筒状に形成され軸方向に移動可能なトルクキャンセラー17との間にはコイル状のクッションスプリング18が装着されている。前記クッションスプリング18は、前記トルクキャンセラー17を前方に付勢するように作用し、この付勢力を受けた前記トルクキャンセラー17に押されて前記回転カム7は前方に向かうように構成されている。
前記した構成によると、チャック5が筆記芯を把持した状態で、前記回転カム7はチャック5と共に軸心を中心にして回転可能となるように前記軸筒1内に収容されている。
そして、シャープペンシルが筆記状態以外の場合においては、前記クッションスプリング18の作用により前記トルクキャンセラー17を介して回転カム7は前方に向かって付勢されている。
また筆記をした場合、すなわち先端パイプ8から突出している図示せぬ筆記芯に筆記圧が加わった場合には、前記チャック5はクッションスプリング18の付勢力に抗して僅かに後退し、これに伴って回転カム7も軸方向に僅かに後退するクッション動作がなされる。すなわち、前記したクッション動作により回転カム7が軸方向に後退した場合には、回転カム7に形成されている円環状の第1のカム面7aは、円環状に形成された第1の固定カム面13aに接合して噛み合い状態になされる。
ところで、前記第1のカム面7aは周方向に沿って連続的に鋸歯状になされており、また前記第1の固定カム面13aも周方向に沿って連続的に鋸歯状になされていて、そのピッチは互いに同一となるように形成されている。
そして、対峙した状態の第1カム面7aと固定カム面13aは、軸方向においてカムの一歯に対して半位相(半ピッチ)ずれた関係となるように設定されており、前記したように第1のカム面7aが第1の固定カム面13aに接合して噛み合い状態になされることによって、回転カム7は第1カム面7aの一歯の半位相(半ピッチ)に相当する回転駆動を受ける。
一方、前記したように、第1のカム面7aが第1の固定カム面13aに接合して噛み合い状態になされた状態においては、周方向に沿って連続的に鋸歯状にカム面が形成された回転カム7の第2カム面7bと前記第2の固定カム面14aが、軸方向においてカムの一歯に対して半位相(半ピッチ)ずれた関係となるように設定されている。
したがって一画の筆記が終わり、筆記芯に対する筆記圧が解かれた場合には、前記したクッションスプリング18の作用により回転カム7は軸方向に前進し、回転カム7の第2カム面7bが、下カム形成部材14側の第2の固定カム面14aに噛み合う。これにより回転カム7は第2カム面7bの一歯の半位相(半ピッチ)に相当する回転駆動を再び受ける。
このように図1に示したシャープペンシルによると、筆記圧を受けることによる回転カム7の軸方向への往復運動に伴って、回転カム7は第1カム面7aおよび第2カム面7bの一歯(1ピッチ)に相当する回転駆動を受け、チャック5を介してこれに把持された筆記芯も同様に回転駆動される。したがって、筆記芯は自身が受ける回転運動と筆記による摩耗とにより、先端部が常に円錐形状の尖った状態になされる。それ故、書き進むにしたがって筆記芯が偏摩耗するのを防止させることができ、安定した線幅による筆記が可能となる。
なお、前記したコイル状のクッションスプリング18の付勢力を受けて回転カム7を前方に押し出す円筒状のトルクキャンセラー17は、このトルクキャンセラー17の前端面と前記回転カム7の後端面との間ですべりを発生させて、筆記作用の繰り返しにより生ずる前記回転カム7の回転運動を、クッションスプリング18に伝達されるのが阻止させるように作用する。
換言すれば、前記回転カム7とクッションスプリング18との間に、トルクキャンセラー17が介在されることにより、前記回転カムの回転運動が前記クッションスプリング18側に伝達されるのが阻止されるので、クッションスプリング18の捩じれ戻り(バネトルク)が発生することで、回転カム7の回転動作に障害を与える問題を解消させることができる。
図1(B)に示すように、軸筒1の尾端部にはクリップ21aが一体に形成された円筒状のクリップ支持体21が、軸筒1の内周面に嵌合されて取り付けられている。また前記クリップ支持体21には、円筒状に形成されたノック棒22が軸方向に摺動可能に装着されており、このノック棒22の前端部と、前記したストッパー16との間には軸スプリング23が装着され、軸スプリング23によってノック棒22を軸筒1の尾端部に向かって付勢させる作用を与えている。
なお、前記ノック棒22には外径が縮小する段部22aが形成されており、この段部22aが前記クリップ支持体21の内周面に形成された環状のストッパー21bに軸方向に当接することで、ノック棒22の抜け止め機構が形成されると共に、ノック棒22の位置決めを果たしている。
前記ノック棒22の後端部には、消しゴム24が着脱可能に装着されると共に、前記消しゴム24を覆うノックカバー25が、ノック棒22の後端部の周面に着脱可能に取り付けられている。また、前記ノック棒22における消しゴム24の装着位置には、漏斗状に成形された筆記芯の補給孔22bが形成され、その直前には軸に直交するようにして当接部22Cが形成されている。
加えて、ノック棒22に形成された当接部22cと、前記した芯ケース3の後端部とは、軸方向に所定の間隔をもって対峙した構成にされている。
この構成によると、筆記に伴うクッション動作によりチャック5および芯ケース3が若干後退しても、芯ケース3の後端部が前記ノック棒の当接部22cに衝突することはなく、前記回転カム7の回転動作に障害を与えるのを避けることができる。
そして、ノックカバー25をノック操作することにより、前記した軸スプリング23は収縮し、ノック棒22の当接部22cが芯ケース3を前方に押し出す。またノック操作の解除により軸スプリング23の作用により、ノック棒22およびノックカバー25は後退し、前記チャック5は、チャックスプリング12の作用により後退する。
したがって、ノックカバー25を連続的にノック操作をすることにより、前記した筆記芯の繰り出し作用がなされる。
なお、この実施の形態においては、図1(A)に示すように先端パイプ8を支持するスライダー9は、口先部2内に位置するように構成されている。この構成によると、前記した回転カム7に直結するスライダー9は、口先部2によって覆われているので、前記スライダー9を無意識に、もしくは無闇に指先等で空回転させるなどして、回転カム7を含む筆記芯の回転駆動機構に障害を与える問題を防止させることができる。
以上説明したシャープペンシルを組立てる最終工程においては、軸筒1の尾端部開口より、予め別工程において組立てられた符号3〜18で示したシャープペンシル筆記体を挿入し、その後部に軸スプリング23を挿入する。そしてノック棒22の先端部を軸スプリング23に当接させた状態で、ノック棒22を摺動可能に支持するクリップ支持体21を、軸筒1の尾端部に圧入し嵌合させる工程が伴われる。
この場合、軸筒1の尾端部に圧入嵌合されるクリップ支持体21は、前記ノック棒22を介して軸スプリング23の付勢力を受ける受け部材として機能する。この受け部材としてのクリップ支持体21は、以下に説明するように、軸筒1に対して仮嵌合され、仮嵌合された状態で、治工具を利用して本嵌合させることで製品化される。
図2〜図4は、軸筒1と、この軸筒1の尾端部に圧入嵌合される受け部材としてのクリップ支持体21をそれぞれ示したものである。
図2に示すように軸筒1には、その尾端部から軸方向に沿って矩形状の切り込み溝1aが形成されている。この切り込み溝1aは、円筒状に形成されたクリップ支持体21に一体成形されたクリップ21aの基端部(後述する柱状部21c)が挿入されるものとなる。そして、前記切り込み溝1aの切り込み先端部よりも僅かに前方位置の軸筒1内には、軸心方向に向かって突出する環状の凸部1bが形成されている。
一方、軸筒1の尾端部に圧入嵌合される受け部材としてのクリップ支持体21は、図3および図4に示すように、その本体は円筒状に形成されている。そして、円筒部から軸に直交する方向に立ち上がる柱状部21cを介して、軸方向に延びる前記したクリップ21aが一体に成形されている。加えて、クリップ支持体21の軸方向のほぼ中央部における外周面には、軸筒1内に形成された前記凸部1bに嵌合する第1嵌合部21dと第2嵌合部21eが、軸方向に離れてそれぞれ形成されている。
前記第1嵌合部21dは、クリップ支持体21の周方向に沿って間欠的に突出成形された複数個のリブ部材(第1嵌合部と同一の符号21dで示す。)により構成されている。なおこの実施の形態においては、2つのリブ部材21dが、周の両外側に向かってクリップ支持体21に一体に成形されている。また前記第2嵌合部21eは、後端部に向かって径を僅かに太くするテーパ面に続いて、径を縮小する環状の段部により構成されている。
なお、クリップ支持体21の後端部には、鍔部21fが形成されており、この鍔部21fの直径は前記軸筒1の尾端部の外径寸法とほぼ同一寸法となるように成形されている。また前記柱状部21cの両外側の対称位置には、一対の小突起21gが成形されている。なお符号21hは、前記したノック棒22を挿通させる軸孔を示している。
図5〜図11は、前記軸筒1の尾端部に、受け部材としてのクリップ支持体21を圧入し嵌合させる状況を順に示したものである。
まず、図5および図6は、軸筒1の尾端部にクリップ支持体21を圧入させる初期段階の状態を示している。この状態においては図5に示すように、軸筒1に形成された矩形状の切り込み溝1aに対して、クリップ支持体21に一体成形されたクリッブ21aの基端部(柱状部21c)が、軸方向において一致するように位置合わせされる。
この状態で図7〜図9に示すように、クリップ支持体21を、軸筒1内に押し込むことで、前記軸スプリング23は若干圧縮され、クリップ支持体21に形成されたリブ部材21dによる第1嵌合部は、軸筒1に形成された凸部1bを乗り越える。これによりクリップ支持体21のリブ部材21dは、軸筒1内の凸部1bに係止され、クリップ支持体21は軸筒1の尾端部において、仮嵌合の状態になされる。
なお、この仮嵌合の状態における前記軸スプリング23の弾発力は、0.98N(1.00gf)以上に設定されることが望ましい。
この仮嵌合の工程までは、作業者の素手による力の範囲で行うことができる。すなわち、第1嵌合部を構成するリブ部材21dは、前記したとおりクリップ支持体21の周方向に沿って間欠的に突出成形され、しかも突出寸法はごく僅かである。したがって軸筒1に対するクリップ支持体21の比較的軽微な押し込み力で、クリップ支持体21を仮嵌合させることができる。
そして、仮嵌合の状態になされたシャープペンシルは、図示せぬ治工具に装着され、この治工具によってクリップ支持体21を、軸筒1内にさらに押し込む操作がなされる。
したがって、前記軸スプリング23はさらに圧縮されつつ、クリップ支持体21に形成された第2嵌合部21eは、軸筒1の前記凸部1bを乗り越えて奥に侵入し、図10および図11に示すように完成状態になされる。
これにより、クリップ支持体21に形成された前記鍔部21fは、軸筒1の尾端部とほぼ面一の状態になされる。そして、クリップ支持体21に形成された図3および図4に示す小突起21gは、軸筒1の切り込み溝1aに入り込む際に、適度に潰れて切り込み溝1aに接するので、軸筒1に対するクリップ21aの軸回転方向の遊び(ガタつき)を無くすことができる。
斯くして、この発明に係る筆記具によると、クリップ支持体21に形成された第1嵌合部による仮嵌合の状態を経て、同じくクリップ支持体21に形成された第2嵌合部による本嵌合がなされるように作用する。したがって冒頭において説明したとおり、軸スプリングのばね圧を受けた不安定な状態のままで、半製品状態の筆記具を治工具等に装着するのを避けることができる。
これにより、組立て工程の作業効率を向上させることができると共に、ばらつきのない安定した製品を提供することにも寄与できるなど、前記した発明の効果の欄に記載したとおりの作用効果を得ることができる。
なお以上の説明は、実施の形態としてシャープペンシルを例示しているが、この発明は軸筒内に軸スプリングが装着されて、軸スプリングの付勢力を受ける受け部材を備えるノック式ボールペンにも採用することができ、同様の作用効果を得ることができる。
1 軸筒
1a 切り込み溝
1b 凸部
2 口先部
3 芯ケース
5 チャック
6 締め具
7 回転カム
7a 第1カム面
7b 第2カム面
8 先端パイプ
9 スライダー
11 保持チャック
12 チャックスプリング
13 上カム形成部材
13a 第1固定カム面
14 下カム形成部材
14a 第2固定カム面
16 ストッパー
17 トルクキャンセラー
18 クッションスプリング
21 クリップ支持体(受け部材)
21a クリップ
21b 環状ストッパー
21c 柱状部
21d 第1嵌合部(リブ部材)
21e 第2嵌合部(段部)
21f 鍔部
21g 小突起
21h 軸孔
22 ノック棒
22b 筆記芯補給口
22c 当接部
23 軸スプリング
24 消しゴム
25 ノックカバー

Claims (3)

  1. 軸筒内に軸スプリングを備え、前記軸スプリングを圧縮させた状態で、軸スプリングの付勢力を受ける受け部材を、前記軸筒に圧入嵌合させる構造の筆記具であって、
    前記軸筒内には、軸心に向かう方向に突出する凸部が形成され、前記軸筒の内面に沿って軸方向に圧入される前記受け部材の外面には、軸筒内に形成された前記凸部に嵌合する第1嵌合部と第2嵌合部とが、軸方向に離れてそれぞれ形成され、
    前記軸筒内に前記受け部材を圧入嵌合させるに際し、前記第1嵌合部を前記凸部に嵌合させる仮嵌合の状態を経て、前記第2嵌合部が前記凸部に嵌合する本嵌合がなされると共に、前記軸筒には尾端部から軸方向に沿って矩形状の切り込み溝が形成され、前記受け部材の一部には、軸に直交する方向に立ち上がる柱状部が形成され、前記受け部材を前記軸筒に圧入させて前記仮嵌合の状態とした場合に、前記軸筒の切り込み溝に前記受け部材の柱状部が挿入された状態になされること特徴とする筆記具。
  2. 受け部材における前記柱状部の両外側の対称位置には、軸筒の切り込み溝に接する小突起が形成されていることを特徴とする請求項1に記載された筆記具。
  3. 前記第1嵌合部は、前記受け部材の周方向に沿って間欠的に突出形成された複数個のリブ部材により構成され、前記第2嵌合部は、前記受け部材の周方向に連続した段部により構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載された筆記具。
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