JP6492801B2 - 接着フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、接着フィルム、配線板および配線板の製造方法に関する。
パワーインダクタ、高周波帯域用インダクタ、コモンモードチョークコイルと呼ばれるインダクタ素子が携帯電話機、スマートフォンなどの情報端末に数多く搭載されている。現在、動作信号の周波数が1GHz以上、特に1GHzから3GHzの範囲である高周波帯域用インダクタ素子としては、例えば、コア部材にコイルを巻き付けた巻線構造、コア部材にコイル導体を積層した積層構造、複数の層状の絶縁層それぞれにコイルの一部を構成する配線層を形成し、配線層が形成された絶縁層同士を各配線層同士が電気的に接続されるように積層して絶縁部の厚さ内にコイルが作り込まれたフィルム構造が知られている。
高周波帯域用インダクタ素子においては、特性として高いQ値が求められることから空芯コイル、すなわち芯部が中空、あるいは非磁性体が充填された構造が一般的に採用されている。しかしながら、このような構造の高周波帯域用インダクタ素子は芯部が非磁性であり芯部の透磁率(比透磁率)を上げることが不可能であるため、インダクタ素子をより小型化しようとすると、高周波帯域で動作させた場合にインダクタンス(L値)が低下してしまうという欠点がある。
特許文献1には、(A)カルボキシル基を有する脂環式オレフィン重合体、(B)熱硬化剤、(C)磁性体、および(D)溶剤を含有する熱硬化性磁性スラリーを用いれば、(C)磁性体の分散性に優れ、各成分を高濃度で含有することができ、電気絶縁性、高周波特性、透磁率などの特性に優れた電気絶縁層を形成することができることが開示されている。
国際公開第2004/29153号
近年の情報端末のさらなる薄型化、小型化の要求により、高周波帯域用インダクタ素子にも薄型化、小型化が求められている。
高周波帯域用インダクタ素子のさらなる薄型化、小型化のためには、コイルの巻き数を減らし、コイルを構成する配線の断面積を小さくする必要がある。コイルの巻き数を減らし、コイルを構成する配線の断面積を小さくするためには前記フィルム構造の高周波帯域用インダクタ素子が有利である。ところが、フィルム構造の高周波帯域用インダクタ素子では、単純にコイルの巻き数を減らし、コイルを構成する配線の断面積を小さくするとインダクタンスが低下してしまう。フィルム構造の高周波帯域用インダクタ素子では、絶縁層の透磁率(μ’)を高めることができれば、高周波帯域用インダクタ素子のL値およびQ値を向上させることができる。よって、絶縁層の透磁率をより高くすることができ、かつ磁性損失を低減させることができる材料が求められている。
しかしながら、前記特許文献1にかかる熱硬化性磁性スラリーを用いてフィルム構造のインダクタ素子を形成した場合には、特に周波数が1GHzから3GHzの範囲では磁性損失(μ’’)が大きくなってしまうおそれがある。よって、特許文献1が開示する材料は、高周波帯域用インダクタ素子の絶縁層(絶縁部)の材料として有用とは言い難い。
本発明者らは、前記のような要求に応えるために磁性フィラーを含む樹脂組成物について鋭意検討を進めていたところ、樹脂組成物が磁性フィラーを含み、かかる樹脂組成物を用いて絶縁層を形成した場合、周波数が1GHzから3GHzの範囲で磁性損失が大きくなってしまい、Q値が低下してしまい、さらには絶縁性の信頼性が低下してしまう問題点があるという知見を得た。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものである。本発明は、周波数が1GHzから3GHzの範囲で透磁率を向上させることができ、磁性損失を低減することができ、かつ絶縁性の信頼性に優れた絶縁層を形成することができる樹脂組成物を用いる接着フィルム、かかる接着フィルムを用いる配線板および配線板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記〔1〕〜〔20〕を提供する。
〔1〕 支持体と、該支持体に設けられた樹脂組成物層とを有する接着フィルムであって、
前記樹脂組成物層が、成分(A)熱硬化性樹脂、成分(B)磁性フィラー、および成分(C)無機充填材を含有し、
前記樹脂組成物層を構成する樹脂組成物中の不揮発成分を100体積%とした場合に、成分(B)の含有量が10体積%以上であり、かつ成分(C)の含有量を成分(B)の含有量で除した値が0.3〜3.0の範囲である、接着フィルム。
〔2〕 成分(A)がエポキシ樹脂であり、前記樹脂組成物がフェノール系硬化剤およびナフトール系硬化剤から選択されるエポキシ樹脂硬化剤をさらに含む、〔1〕に記載の接着フィルム。
〔3〕 エポキシ樹脂硬化剤がトリアジン骨格含有クレゾール系硬化剤およびトリアジン骨格含有フェノール系硬化剤から選択される、〔2〕に記載の接着フィルム。
〔4〕 前記樹脂組成物が熱可塑性樹脂をさらに含む、〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の接着フィルム。
〔5〕 前記樹脂組成物中、成分(B)の含有量が10体積%〜40体積%であり、かつ成分(C)の含有量が10体積%〜50体積%である、〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載の接着フィルム。
〔6〕 前記樹脂組成物中、成分(B)と成分(C)との含有量の合計が20体積%〜75体積%である、〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の接着フィルム。
〔7〕 前記樹脂組成物中、成分(B)の含有量が10体積%〜25体積%である、〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の接着フィルム。
〔8〕 前記樹脂組成物中、成分(B)の含有量が20体積%〜25体積%であり、成分(C)の含有量が10体積%〜25体積%であり、かつ成分(B)と成分(C)との含有量の合計が30体積%〜50体積%である、〔1〕〜〔7〕のいずれか1つに記載の接着フィルム。
〔9〕 前記樹脂組成物中、成分(B)の平均粒子径が0.3μm〜10μmである、〔1〕〜〔8〕のいずれか1つに記載の接着フィルム。
〔10〕 成分(C)の平均粒子径が0.01μm〜5μmである、〔1〕〜〔9〕のいずれか1つに記載の接着フィルム。
〔11〕 成分(B)の平均粒子径が成分(C)の平均粒子径よりも大きい、〔1〕〜〔10〕のいずれか1つに記載の接着フィルム。
〔12〕 成分(C)がシリカである、〔1〕〜〔11〕のいずれか1つに記載の接着フィルム。
〔13〕 成分(C)が表面処理剤で処理されているシリカである、〔1〕〜〔12〕のいずれか1つに記載の接着フィルム。
〔14〕 表面処理剤がアミノシラン系カップリング剤である、〔13〕に記載の接着フィルム。
〔15〕 硬化体としたときに、周波数が1GHzから3GHzであるときの透磁率が1.1以上であり、かつ周波数が1GHzから3GHzであるときの磁性損失が0.5以下である、〔1〕〜〔14〕のいずれか1つに記載の接着フィルム。
〔16〕 硬化体としたときに、周波数が1GHzから3GHzであるときの透磁率が1.2以上であり、かつ周波数が1GHzから3GHzであるときの磁性損失が0.3以下である、〔1〕〜〔15〕のいずれか1つに記載の接着フィルム。
〔17〕 インダクタ素子を備える配線板の絶縁層の形成に用いられる、〔1〕〜〔16〕のいずれか1つに記載の接着フィルム。
〔18〕 〔1〕〜〔16〕のいずれか1つに記載の接着フィルムの樹脂組成物層の硬化体である絶縁層と、該絶縁層に少なくとも一部分が埋め込まれたコイル状導電性構造体とを有しており、
前記コイル状導電性構造体と、前記絶縁層の厚さ方向に延在し、かつ前記コイル状導電性構造体に囲まれた前記絶縁層のうちの一部分によって構成されるインダクタ素子を含む、配線板。
〔19〕 前記インダクタ素子が機能する周波数が1GHz以上である、〔18〕に記載の配線板。
〔20〕 第1絶縁層および第2絶縁層を含む絶縁部と、該絶縁部に少なくとも一部分が埋め込まれたコイル状導電性構造体とを有しており、該コイル状導電性構造体と前記絶縁部のうちの一部分とにより構成されるインダクタ素子を含む配線板の製造方法であって、
〔1〕〜〔16〕のいずれか1つに記載の接着フィルム、および第1配線層が設けられたコア基材を用意する工程と、
前記コア基材に前記接着フィルムの樹脂組成物層をラミネートする工程と、
前記樹脂組成物層を熱硬化して第1絶縁層を形成する工程と、
前記第1絶縁層にビアホールを形成する工程と、
前記ビアホールが形成された前記第1絶縁層に対して粗化処理する工程と、
前記第1絶縁層に第2配線層を形成し、前記第1配線層と前記第2配線層とを電気的に接続するビアホール内配線を形成する工程と、
前記第2配線層および前記ビアホール内配線が形成された前記第1絶縁層にさらに前記接着フィルムをラミネートし、熱硬化して前記第2絶縁層を形成する工程と、
前記第1配線層の一部分と前記第2配線層の一部分と前記ビアホール内配線とを含むコイル状導電性構造体、および前記絶縁部の厚さ方向に延在し、かつ前記コイル状導電性構造体に囲まれた前記絶縁部の一部分を含む前記インダクタ素子を形成する工程と
を含む、配線板の製造方法。
本発明の接着フィルムを用いれば、特に周波数が1GHzから3GHzの範囲での透磁率を向上させることができ、磁性損失を低減することができ、かつ絶縁性の信頼性に優れた絶縁層を提供することができ、ひいてはかかる絶縁層を含む高性能な高周波帯域用インダクタ素子が作り込まれた配線板を、簡便な工程により提供することができる。
図1は、配線板をその厚さ方向の一方からみた模式的な平面図である。 図2は、II−II一点鎖線で示した位置で切断した配線板の切断端面を示す模式的な図である。 図3は、配線板のうちの第1配線層の構成を説明するための模式的な平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図面は、発明が理解できる程度に、構成要素の形状、大きさおよび配置が概略的に示されているに過ぎない。本発明は以下の記述によって限定されるものではなく、各構成要素は本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。以下の説明に用いる図面において、同様の構成要素については同一の符号を付して示し、重複する説明については省略する場合がある。また、本発明の実施形態にかかる構成は、必ずしも図示例の配置により、製造されたり、使用されたりするとは限らない。
まず本実施形態の接着フィルムに用いられる樹脂組成物について説明する。
樹脂組成物は、成分(A)熱硬化性樹脂、成分(B)磁性フィラー、および成分(C)無機充填材を含有する樹脂組成物であり、樹脂組成物中の不揮発成分を100体積%とした場合に、成分(B)の含有量が10体積%以上であり、かつ成分(C)の含有量を成分(B)の含有量で除した値が0.3〜3.0の範囲である。
以下、樹脂組成物が含み得る成分について具体的に説明する。
(成分(A))
樹脂組成物は、成分(A)として熱硬化性樹脂を含む。熱硬化性樹脂の例としてはエポキシ樹脂が挙げられる。
−エポキシ樹脂−
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、ナフトールノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert−ブチル−カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂およびトリメチロール型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂の不揮発成分を100質量%とした場合に、少なくとも50質量%以上は1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であることが好ましい。中でも、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下、「液状エポキシ樹脂」という。)と、1分子中に3個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下、「固体状エポキシ樹脂」という。)とを含むことが好ましい。エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用することで、優れた可撓性を付与することができる。
液状エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、2官能脂肪族エポキシ樹脂、又はナフタレン型エポキシ樹脂が挙げられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、又はナフタレン型エポキシ樹脂が好ましい。液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製「jER828EL」、「jER1007」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER807」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、新日鐵化学(株)製「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)、「YL7410」(2官能脂肪族エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、例えば、結晶性2官能エポキシ樹脂、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂が挙げられる。固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製「HP−4700」、「HP−4710」(4官能ナフタレン型エポキシ樹脂)、「N−690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「N−695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「HP−7200」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「EXA7311」、「EXA7311−G3」、「HP−6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)、日本化薬(株)製「EPPN−502H」(トリスフェノールエポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラックエポキシ樹脂)、「NC3000」、「NC3000H」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、新日鐵化学(株)製「ESN475」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製「YX4000H」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、結晶性2官能エポキシ樹脂である「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)等が挙げられる。
エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用する場合、それらの量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.1〜1:4の範囲であることが好ましい。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比をかかる範囲とすることにより、十分な破断強度を有する硬化体を得ることができるなどの効果が得られる。このような効果の観点から、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.3〜1:3.5の範囲であることがより好ましく、1:0.6〜1:3の範囲であることがさらに好ましく、1:0.8〜1:2.5の範囲であることが特に好ましい。
樹脂組成物中のエポキシ樹脂の不揮発成分換算での含有量は、20体積%〜60体積%であることが好ましく、22体積%〜55体積%であることがより好ましく、24体積%〜53体積%であることがさらに好ましく、26体積%〜49体積%であることが特に好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50〜3000の範囲であり、より好ましくは80〜2000の範囲であり、さらに好ましくは110〜1000の範囲である。このような範囲とすることで、架橋密度が十分な硬化体を得ることができる。なお、エポキシ当量は、JIS K7236として規格化された方法に従って測定することができる。ここでエポキシ当量とは1当量のエポキシ基を含むエポキシ樹脂の質量である。
(成分(B))
−磁性フィラー−
樹脂組成物は、成分(B)として磁性フィラーを含む。用いられ得る磁性フィラーの材料は特に限定されず、例えば、純鉄粉末、Fe−Si系合金粉末、Fe−Si−Al系合金粉末、Fe−Ni系合金粉末、Fe−Ni−Mo系合金粉末、Fe−Ni−Mo−Cu系合金粉末、Fe−Co系合金粉末、Fe−Ni−Co系合金粉末、Fe−Cr系合金粉末、Fe−Cr−Si系合金粉末、Fe−Ni−Cr系合金粉末、あるいはFe−Cr−Al系合金粉末などのFe合金類、Fe基アモルファス、Co基アモルファスなどのアモルファス合金類、Mg−Zn系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Mg−Mn−Sr系フェライト、Ni−Zn系フェライトなどのスピネル型フェライト類、Ba−Zn系フェライト、Ba−Mg系フェライト、Ba−Ni系フェライト、Ba−Co系フェライト、Ba−Ni−Co系フェライトなどの六方晶型フェライト類、Y系フェライトなどのガーネット型フェライト類が挙げられる。
磁性フィラーとしては、市販の磁性フィラーを用いることができる。用いられ得る市販の磁性フィラーの具体例としては、山陽特殊製鋼(株)製「PST−S」、エプソンアトミックス(株)製「AW2−08PF20F」、「AW2−08PF10F」、「AW2−08PF3F」、「Fe−3.5Si−4.5CrPF20F」、「Fe−50NiPF20F」、「Fe−80Ni−4MoPF20F」、JFEケミカル(株)製「LD−M」、「LD−MH」、「KNI−106」、「KNI−106GSM」、「KNI−106GS」、「KNI−109」、「KNI−109GSM」、「KNI−109GS」、戸田工業(株)製「KNS−415」、「BSF−547」、「BSF−029」、「BSN−125」、「BSN−714」、「BSN−828」、「S−1281」、「S−1641」、「S−1651」、「S−1470」、「S−1511」、「S−2430」、日本重化学工業(株)製「JR09P2」、CIKナノテック(株)製「Nanotek」、キンセイマテック(株)製「JEMK−S」、「JEMK−H」、ALDRICH社製「Yttrium iron oxide」が挙げられる。磁性フィラーは1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
磁性フィラーの平均粒子径は0.3μm〜10μm以下であり、好ましくは0.3μm〜7μmの範囲であり、より好ましくは0.5μm〜5μmの範囲である。
磁性フィラーの含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100体積%とした場合に、10体積%以上であり、10体積%〜40体積%が好ましく、10体積%〜35体積%であることがより好ましく、15体積%〜30体積%であることが更に好ましく、15体積%〜25体積%であることが特に好ましい。
(成分(C))
−無機充填材−
樹脂組成物は、成分(C)として無機充填材を含む。無機充填材は通常樹脂組成物を硬化したときの熱膨張率を低下させて熱膨張率の差によるクラック、回路歪みなどの不具合の発生を抑制し、溶融粘度の過度の低下を抑制するために用いられる。また磁性フィラーを用いる場合には、透磁率等の特性の向上を優先させる観点から無機充填材を共存させることはないのが通常である。しかしながら、樹脂組成物中、あるいはこの樹脂組成物を硬化することにより形成される硬化体(絶縁層)中において磁性フィラーの凝集を防止し、樹脂組成物を硬化体としたときの絶縁性の信頼性を高めることを目的として無機充填材が用いられ得る。
無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、およびジルコン酸カルシウム等が挙げられる。これらの中でも無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等のシリカが特に好適である。またシリカとしては球状シリカが好ましい。無機充填材は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。市販されている球状(溶融)シリカとしては、例えば、アドマテックス(株)製「SO−C1」、「SO−C2」、「SO−C4」、「SO−C5」、「SO−C6」が挙げられる。
無機充填材の平均粒子径は、6μm以上であると樹脂組成物の流動性および成形性が悪化し、硬化体としたときの高周波での透磁率および磁性損失、並びに初期抵抗値が悪化してしまうおそれがあるため、樹脂組成物の流動性を高める観点から、0.01μm〜5μmの範囲であることが好ましく、0.05μm〜5μmであることがより好ましく、0.05μm〜2.5μmの範囲であることがさらに好ましく、0.1μm〜1.5μmの範囲であることがさらにより好ましく、0.3μm〜1.0μmの範囲であることが特に好ましい。
無機充填材の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。この場合には無機充填材を超音波により水中に分散させた測定サンプルを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、堀場製作所(株)製「LA−500」等を使用することができる。
無機充填材は、耐湿性および分散性を高める観点から、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤などの1種以上の表面処理剤で処理されていることが好ましい。このような表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製「KBM403」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM803」(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBE903」(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM573」(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「SZ−31」(ヘキサメチルジシラザン)等が挙げられる。
表面処理剤で表面処理された無機充填材は、溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。次いで、上澄液を除去し、不揮発成分(固形分)を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、堀場製作所(株)製「EMIA−320V」等を使用することができる。
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上であることが好ましく、0.1mg/m以上であることがより好ましく、0.2mg/m以上であることがさらに好ましい。他方、溶融粘度の上昇を抑制する観点から、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、1mg/m以下であることが好ましく、0.8mg/m以下であることがより好ましく、0.5mg/m以下であることがさらに好ましい。
樹脂組成物中、磁性フィラーである成分(B)と無機充填材である成分(C)との含有量については、無機充填材の含有量を磁性フィラーの含有量で除した値(以下、「無機充填材(成分(C))/磁性フィラー(成分(B))」と表記する場合がある。)が、0.3〜3.0の範囲とされる。無機充填材/磁性フィラーは、0.4〜2.7の範囲であることが好ましく、0.5〜2.5の範囲であることがより好ましい。
樹脂組成物中、磁性フィラーである成分(B)と無機充填材である成分(C)との含有量の合計が20体積%〜75体積%であることが好ましく、20体積%〜65体積%であることがより好ましく、22体積%〜60体積%であることがさらに好ましく、24体積%〜57体積%であることがさらにより好ましい。
樹脂組成物中、硬化体としたときの透磁率および磁性損失を良好な範囲で両立させる観点から、成分(B)の含有量が20体積%〜25体積%であり、成分(C)の含有量が10体積%〜25体積%であり、かつ成分(B)と成分(C)との含有量の合計が30体積%〜50体積%であることが好ましい。
磁性フィラーの平均粒子径は無機充填材の平均粒子径よりも大きいことが好ましい。
磁性フィラーおよび無機充填材の含有量の割合を前記の通りとし、磁性フィラーの平均粒子径を無機充填材の平均粒子径よりも大きくすれば、磁性フィラー粒子の周囲を囲むように無機充填材を効果的に配置することができる。これにより、磁性フィラー粒子同士が凝集し互いに接触してしまうことを防止し、磁性フィラー粒子同士を互いに離間させることができるため、配合された磁性フィラーにより透磁率を高めつつ良好な絶縁性を実現することができる。
結果として、本実施形態の樹脂組成物を硬化体としたときに、周波数が1GHzから3GHzであるときの透磁率を1.1以上とすることができ、さらには1.2以上とすることができ、かつ周波数が1GHzから3GHzであるときの磁性損失を0.5以下とすることができ、さらには0.3以下とすることができる。
(その他の成分)
樹脂組成物は、その他の成分として樹脂組成物を硬化させるための硬化剤を含み、さらには必要に応じて、樹脂組成物又はその硬化体の特性を調整することを目的とする成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、熱可塑性樹脂、硬化促進剤、難燃剤、有機充填材が挙げられ、さらには有機銅化合物、有機亜鉛化合物および有機コバルト化合物等の有機金属化合物、並びに増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、および着色剤等の樹脂添加剤等が挙げられる。以下、これらのうち硬化剤、熱可塑性樹脂、硬化促進剤、難燃剤、有機充填材について説明する。
−硬化剤−
硬化剤としては、熱硬化性樹脂である成分(A)を硬化する機能を有する限り特に限定されない。成分(A)がエポキシ樹脂である場合には、硬化剤はエポキシ樹脂硬化剤である。エポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、およびシアネートエステル系硬化剤が挙げられる。エポキシ樹脂硬化剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。絶縁性の信頼性及び耐熱性の観点から、硬化剤としては、フェノール系硬化剤およびナフトール系硬化剤硬化剤が好ましく、フェノール系硬化剤がより好ましい。
フェノール系硬化剤およびナフトール系硬化剤としては、例えば、ノボラック構造を有するフェノール系硬化剤、ノボラック構造を有するナフトール系硬化剤、含窒素フェノール系硬化剤、トリアジン骨格含有クレゾール系硬化剤、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤が挙げられる。難燃性および反応性の観点から、フェノール系硬化剤およびナフトール系硬化剤としては、トリアジン骨格含有クレゾール系硬化剤およびトリアジン骨格含有フェノール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤が好ましい。
フェノール系硬化剤およびナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成(株)製「MEH−7700」、「MEH−7810」、「MEH−7851」、日本化薬(株)製「NHN」、「CBN」、「GPH」、東都化成(株)製「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN375」、「SN395」、DIC(株)製「LA7052」、「LA7054」、「LA3018」等が挙げられる。
活性エステル系硬化剤としては、特に制限はないが、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。当該活性エステル系硬化剤としては、カルボン酸化合物および/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物および/又はチオール化合物との縮合反応によって得られる硬化剤が好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物および/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば、安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型のジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。
活性エステル系硬化剤としては、具体的には、ジシクロペンタジエン型ジフェノール縮合構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物が挙げられる。
活性エステル系硬化剤の市販品としては、例えば、ジシクロペンタジエン型ジフェノール縮合構造を含む活性エステル化合物として、DIC(株)製「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC−8000−65T」、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物としてDIC(株)製「EXB9416−70BK」、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物として三菱化学(株)製「DC808」、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物として三菱化学(株)製「YLH1026」などが挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、例えば、昭和高分子(株)製「HFB2006M」、四国化成工業(株)製「P−d」、「F−a」が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート))、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、およびビス(4−シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラックおよびクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の具体例としては、ロンザジャパン(株)製「PT30」および「PT60」(いずれもフェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され3量体とされたプレポリマー)等が挙げられる。
エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との量比は、[エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[エポキシ樹脂硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.2〜1:2の範囲であることが好ましく、1:0.3〜1:1.5の範囲であることがより好ましく、1:0.4〜1:1の範囲であることがさらに好ましい。ここで、エポキシ樹脂硬化剤の反応基とは、活性水酸基、活性エステル基等であり、硬化剤の種類によって異なる。また、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数とは、各エポキシ樹脂の不揮発成分の質量をエポキシ当量で除した値をすべてのエポキシ樹脂について合計した値であり、エポキシ樹脂硬化剤の反応基の合計数とは、各エポキシ樹脂硬化剤の不揮発成分の質量を反応基当量で除した値をすべてのエポキシ樹脂硬化剤について合計した値である。エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との量比をかかる範囲内とすることにより、硬化体としたときの耐熱性がより向上する。
エポキシ樹脂硬化剤の含有量に関しては、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数と、エポキシ樹脂硬化剤の反応基の合計数との比が、好ましくは1:0.2〜1:2の範囲であり、より好ましくは1:0.3〜1:1.5の範囲であり、さらに好ましくは1:0.4〜1:1の範囲である。
樹脂組成物は、エポキシ樹脂として液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との混合物(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂の質量比は1:0.1〜1:4の範囲であることが好ましく、1:0.3〜1:3.5の範囲であることがより好ましく、1:0.6〜1:3の範囲であることがさらに好ましく、1:0.8〜1:2.5の範囲が特に好ましい)を、エポキシ樹脂硬化剤としてフェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤およびシアネートエステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上(好ましくはフェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤からなる群から選択される1種以上、より好ましくはトリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ナフトール系硬化剤からなる群から選択される1種以上、さらに好ましくはトリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂を含むエポキシ樹脂硬化剤)を、それぞれ含むことが好ましい。
−熱可塑性樹脂−
熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、およびポリスルホン樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は8000〜70000の範囲であることが好ましく、10000〜60000の範囲であることがより好ましく、20000〜60000の範囲であることがさらに好ましい。熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される。具体的には、熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、測定装置として島津製作所(株)製「LC−9A/RID−6A」を、カラムとして昭和電工(株)製「Shodex K−800P/K−804L/K−804L」を、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度を40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、およびトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。フェノキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱化学(株)製「1256」および「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、および「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)が挙げられ、その他にも、東都化成(株)製「FX280」および「FX293」、三菱化学(株)製「YL7553」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」および「YL7482」等が挙げられる。
アクリル樹脂としては、熱膨張率および弾性率をより低下させる観点から、官能基含有アクリル樹脂が好ましく、ガラス転移温度が25℃以下のエポキシ基含有アクリル樹脂がより好ましい。
官能基含有アクリル樹脂の数平均分子量(Mn)は、好ましくは10000〜1000000であり、より好ましくは30000〜900000である。
官能基含有アクリル樹脂の官能基当量は、好ましくは1000〜50000であり、より好ましくは2500〜30000である。
ガラス転移温度が25℃以下のエポキシ基含有アクリル樹脂としては、ガラス転移温度が25℃以下のエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂が好ましく、その具体例としては、ナガセケムテックス(株)製「SG−80H」(エポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂(数平均分子量Mn:350000g/mol、エポキシ価0.07eq/kg、ガラス転移温度11℃))、ナガセケムテックス(株)製「SG−P3」(エポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂(数平均分子量Mn:850000g/mol、エポキシ価0.21eq/kg、ガラス転移温度12℃))が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、電気化学工業(株)製の電化ブチラール「4000−2」、「5000−A」、「6000−C」、「6000−EP」、積水化学工業(株)製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ、「KS−1」などのKSシリーズ、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、新日本理化(株)製「リカコートSN20」および「リカコートPN20」が挙げられる。ポリイミド樹脂の具体例としてはまた、2官能性ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物および四塩基酸無水物を反応させて得られる線状ポリイミド(特開2006−37083号公報に記載されているポリイミド樹脂)、ポリシロキサン骨格含有ポリイミド(特開2002−12667号公報および特開2000−319386号公報等に記載されているポリイミド樹脂)等の変性ポリイミドが挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡績(株)製「バイロマックスHR11NN」および「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂の具体例としてはまた、ポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミドである日立化成工業(株)製「KS9100」、「KS9300」等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学(株)製「PES5003P」等が挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ(株)製「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は、0.1質量%〜20質量%であることが好ましい。熱可塑性樹脂の含有量をかかる範囲内とすることにより、樹脂組成物の粘度が適度となり、厚さやバルク性状の均一な樹脂組成物層を形成することができる。
−硬化促進剤−
硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤等が挙げられる。
リン系硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4−メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられる。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン等が挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物およびイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられる。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1−メチルグアニジン、1−エチルグアニジン、1−シクロヘキシルグアニジン、1−フェニルグアニジン、1−(o−トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、1−メチルビグアニド、1−エチルビグアニド、1−n−ブチルビグアニド、1−n−オクタデシルビグアニド、1,1−ジメチルビグアニド、1,1−ジエチルビグアニド、1−シクロヘキシルビグアニド、1−アリルビグアニド、1−フェニルビグアニド、1−(o−トリル)ビグアニド等が挙げられる。
硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。樹脂組成物中の硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との不揮発成分の合計量を100質量%としたとき、0.05質量%〜3質量%の範囲内で使用することが好ましい。
−難燃剤−
難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。用い得る難燃剤の例としては三光(株)製「HCA−HQ−HST」が挙げられる。難燃剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。樹脂組成物層中の難燃剤の含有量は特に限定されないが、0.5質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、1質量%〜9質量%の範囲であることがより好ましく、1.5質量%〜8質量%の範囲であることがさらに好ましい。
−有機充填材−
樹脂組成物は、めっき工程により形成される層との密着性を向上させる観点から有機充填材を含むことが好ましい。有機充填材の例としては、ゴム粒子が挙げられる。有機充填材であるゴム粒子としては、例えば、後述する有機溶剤に溶解せず、後述するエポキシ樹脂、硬化剤、および熱可塑性樹脂などとも相溶しないゴム粒子が使用される。このようなゴム粒子は、一般には、ゴム粒子の成分の分子量を有機溶剤、樹脂に溶解しない程度まで大きくし、粒子状とすることで調製される。
有機充填材であるゴム粒子としては、例えば、コアシェル型ゴム粒子、架橋アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、架橋スチレンブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子などが挙げられる。コアシェル型ゴム粒子は、コア層とシェル層とを有するゴム粒子であり、例えば、外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、内層のコア層がゴム状ポリマーで構成される2層構造、又は外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、中間層がゴム状ポリマーで構成され、内層のコア層がガラス状ポリマーで構成される3層構造のゴム粒子などが挙げられる。ガラス状ポリマー層は、例えば、メチルメタクリレート重合物などで構成され、ゴム状ポリマー層は、例えば、ブチルアクリレート重合物(ブチルゴム)などで構成される。用い得るゴム粒子の例としてはガンツ(株)製「スタフィロイドAC3816N」が挙げられる。ゴム粒子は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
有機充填材であるゴム粒子の平均粒径は、好ましくは0.005μm〜1μmの範囲であり、より好ましくは0.2μm〜0.6μmの範囲である。ゴム粒子の平均粒径は、動的光散乱法を用いて測定することができる。例えば、適当な有機溶剤にゴム粒子を超音波などにより均一に分散させ、濃厚系粒径アナライザー(大塚電子(株)製「FPAR−1000」)を用いて、ゴム粒子の粒度分布を質量基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、絶縁層形成時の流動性に優れており、絶縁層(硬化体)としたときの配線層の封止性に優れている。また本発明の樹脂組成物を用いて形成された絶縁層を形成すれば、周波数が1GHz以上の高周波帯(ギガヘルツ帯)、特に1GHzから3GHzの範囲における透磁率を向上させ、かつ磁性損失を抑制することができる。
本実施形態の樹脂組成物を用いて形成された絶縁層は、絶縁性の信頼性に優れている。絶縁性の信頼性は、例えば130℃、相対湿度85%の条件の雰囲気中に100時間放置後(HAST100時間後)の絶縁抵抗値の低下を指標として評価することができる。具体的にはHAST100時間後の絶縁層の絶縁抵抗値が1.0×10Ωを超える値である場合に絶縁性の信頼性に優れていると評価することができる。
よって、本実施形態の樹脂組成物は、絶縁層(複数層の絶縁層が積層された絶縁部)の厚さ内にコイルが作り込まれたいわゆるフィルム構造のインダクタ素子を備える配線板の絶縁層の材料として好適に用いることができる。
次に本実施形態の樹脂組成物を用いた接着フィルムおよびその製造工程について説明する。
(接着フィルム)
接着フィルムは、有機支持体と、この有機支持体の一方の主面に設けられた樹脂組成物層とを含んでいる。
(有機支持体)
有機支持体の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミドなどが挙げられる。
有機支持体としては、ガラス転移温度(Tg)の高い有機支持体を用いることが好適である。有機支持体のガラス転移温度は、100℃以上であることが好ましい。
ガラス転移温度が100℃以上である有機支持体の材料としては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミドなどが挙げられる。中でも、耐熱性の観点からポリエチレンナフタレート、ポリイミドが好ましい。
前記の材料を含む有機支持体には、後述する樹脂組成物層と接合する面にマット処理、コロナ処理が施されていてもよい。
また、有機支持体としては、樹脂組成物層が接合する側、すなわち樹脂組成物が塗布される側に離型層を有する「離型層付き有機支持体」を用いてもよい(以下、離型層付き有機支持体を単に有機支持体という場合がある。)。離型層付き有機支持体の離型層の形成に用いられる離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、およびシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型層は、例えば、離型剤を含む溶液を有機支持体の表面に塗布し乾燥させることにより形成することができる。
離型層付き有機支持体としては、市販品を用いてもよく、例えば、アルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムである、リンテック(株)製「SK−1」、「AL−5」、「AL−7」などが挙げられる。
有機支持体の厚さは、特に限定されないが、5μm〜75μmの範囲が好ましく、10μm〜60μmの範囲がより好ましく、12.5μm〜55μmの範囲がさらに好ましい。なお、離型層付き有機支持体を用いる場合、離型層付き有機支持体の全体の厚さが前記範囲内であることが好ましい。
(樹脂組成物層)
樹脂組成物層の厚さは特に限定されない。樹脂組成物層は、厚さが0.5μm〜80μmであることが好ましく、10μm〜60μmであることがより好ましい。
(接着フィルムの形成工程)
樹脂組成物層に用いられる樹脂組成物は、既に説明した前記成分を適宜混合し、また、必要に応じて混練手段(3本ロール、ボールミル、ビーズミル、サンドミル等)あるいは撹拌手段(スーパーミキサー、プラネタリーミキサー等)により混練又は混合することにより調製することができる。
樹脂組成物層を有する接着フィルムの製造方法は、特に制限されず、例えば、有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーターなどを用いて有機支持体に塗布し、塗布された樹脂ワニスの塗布膜を乾燥させることによって作製することができる。
樹脂ワニスを調製する際に用いられる有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよびカルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブおよびブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができる。有機溶剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物層の形成における樹脂ワニスからなる塗布膜の乾燥処理は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の任意好適な乾燥方法により実施することができる。この乾燥処理により塗布膜は樹脂組成物層とされる。
この乾燥処理の乾燥条件は、樹脂組成物、樹脂ワニスが含む有機溶剤の沸点などを勘案して任意好適な条件とすればよい。乾燥条件は、例えば、80℃〜150℃で3分間〜15分間程度とすればよい。
接着フィルムの形成工程は、有機支持体である長尺の支持体を用いて、ロールツーロール方式で行うことが好ましく、バッチ方式で行ってもよい。
ロールツーロール方式による接着フィルムの形成工程は、具体的には巻き出しロールおよび巻き取りロールを含む少なくとも2本のロール間に張り渡された長尺の有機支持体を連続的に搬送しながら、巻き出しロールおよび巻き取りロール間に露出する支持体の一方の主面に樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成し、得られた塗布膜を連続的に乾燥処理して樹脂組成物層とすることにより行うことができる。
このようにして、有機支持体に樹脂組成物層が設けられた接着フィルムを用意することができる。
準備された接着フィルムを一旦貯蔵する場合には、樹脂組成物層の有機支持体と接合していない側の露出面(すなわち、有機支持体とは反対側の面)に接合する保護フィルムをさらに設けることが好ましい。この保護フィルムは、樹脂組成物層へのゴミ等の付着やキズの防止に寄与する。保護フィルムとしては、例えば、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等を用いることができる。また有機支持体の材料と同じ材料からなるフィルムを用いることができる。保護フィルムの厚さは、特に限定されず、例えば、1μm〜40μmである。保護フィルムの厚さは有機支持体の厚さよりも薄いことが好ましい。
接着フィルムへの保護フィルムの貼り合わせは、従来公知のラミネーター装置を用いて行うことができる。
既に説明した接着フィルムを用いて製造される本実施形態にかかる配線板およびその製造方法について説明する。
〔配線板〕
配線板の構成例について、図1、図2および図3を参照して説明する。図1は、配線板をその厚さ方向の一方からみた模式的な平面図である。図2は、II−II一点鎖線で示した位置で切断した配線板の切断端面を示す模式的な図である。図3は、配線板のうちの第1配線層の構成を説明するための模式的な平面図である。
配線板は、樹脂組成物(樹脂組成物層)の硬化体である絶縁層と、この絶縁層に少なくとも一部分が埋め込まれたコイル状導電性構造体とを有しており、このコイル状導電性構造体と、絶縁層の厚さ方向に延在し、かつコイル状導電性構造体に囲まれた絶縁層のうちの一部分によって構成されるインダクタ素子を含んでいる。
本実施形態の配線板が備えるインダクタ素子が機能し得る周波数は1GHz以上であることが想定されている。かかるインダクタ素子が機能し得る周波数は1GHz〜3GHzであることが好ましい。
図1および図2に示されるように、配線板10は、いわゆるビルドアップ絶縁層を有するビルドアップ配線板である。配線板10は、コア基材20を備えている。コア基材20は互いに対向する第1主表面20aおよび第2主表面20bを有している。コア基材20は絶縁性の基板である。コア基材20は、その厚さ内に配線等が作り込まれたいわゆる内層回路基板であってもよい。
コア基材20の材料の例としては、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の絶縁性基材が挙げられる。
コア基材20は、第1主表面20aに設けられる第1配線層42と、第2主表面20bに設けられる外部端子24とを有している。第1配線層42および第2配線層44は、複数の配線を含んでいる。図示例ではインダクタ素子のコイル状導電性構造体40を構成する配線のみが示されている。外部端子24は図示されていない外部の装置等と電気的に接続するための端子である。外部端子24は、第2主表面20bに設けられる配線層の一部として構成することができる。
第1配線層42、第2配線層44、外部端子24、その他の配線を構成し得る導体材料としては、例えば、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズおよびインジウムからなる群から選択される1種以上の金属が挙げられる。第1配線層42、第2配線層44、外部端子24、その他の配線は、単金属により構成されていても合金により構成されていてもよく、合金としては、例えば、上記の群から選択される2種以上の金属の合金(例えば、ニッケルクロム合金、銅ニッケル合金および銅チタン合金)が挙げられる。中でも、汎用性、コスト、パターニングの容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅、又はニッケルクロム合金、銅ニッケル合金、銅チタン合金を用いることが好ましく、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅、又はニッケルクロム合金を用いることがより好ましく、銅を用いることがさらに好ましい。
第1配線層42、第2配線層44、外部端子24、その他の配線は、単層構造であっても、異なる種類の金属若しくは合金からなる単金属層又は合金層が2層以上積層した複層構造であってもよい。第1配線層42、第2配線層44、外部端子24、その他の配線が複層構造である場合、絶縁層と接する層は、クロム、亜鉛若しくはチタンの単金属層、又はニッケルクロム合金の合金層であることが好ましい。
第1配線層42、第2配線層44、外部端子24、その他の配線の厚さは、所望の多層プリント配線板のデザインによるが、一般に3μm〜35μm、好ましくは5μm〜30μmである。
コア基材20が有する第1配線層42および外部端子24の厚さは特に限定されない。第1配線層42および外部端子24の厚さは、薄型化の観点から、好ましくは70μm以下であり、より好ましくは60μm以下であり、さらに好ましくは50μm以下、さらにより好ましくは40μm以下、特に好ましくは30μm以下、20μm以下、15μm以下又は10μm以下である。外部端子24の厚さの下限は特に制限されないが、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上である。
第1配線層42および外部端子24のライン(L)/スペース(S)比は特に制限されないが、表面の凹凸を減少させて平滑性に優れる絶縁層を得る観点から、通常、900/900μm以下、好ましくは700/700μm以下、より好ましくは500/500μm以下、さらに好ましくは300/300μm以下、さらにより好ましくは200/200μm以下である。ライン/スペース比の下限は特に制限されないが、スペースへの樹脂組成物の埋め込みを良好にする観点から、好ましくは1/1μm以上である。
コア基材20としては、例えば、ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板であるパナソニック(株)製「R1515A」を用い、銅層をパターニングすることにより配線層とした配線板が挙げられる。
コア基材20は第1主表面20aから第2主表面20bに至るようにコア基材20を貫通する複数のスルーホール22を有している。スルーホール22にはスルーホール内配線22aが設けられている。スルーホール内配線22aは、第1配線層42と外部端子24とを電気的に接続している。
図3に示されるように、第1配線層42はコイル状導電性構造体40を構成するための渦巻状の配線部と、スルーホール内配線22aと電気的に接続される矩形状のランド42aとを含んでいる。図示例では渦巻状の配線部は直線状部と直角に屈曲する屈曲部とランド42aを迂回する迂回部を含んでいる。図示例では第1配線層42の渦巻状の配線部は全体の輪郭が略矩形状であって、中心側からその外側に向かうにあたり反時計回りに巻いている形状を有している。
第1配線層42が設けられたコア基材20の第1主表面20a側には第1配線層42および第1配線層42から露出する第1主表面20aを覆うように第1絶縁層32が設けられている。
第1絶縁層32は、既に説明した接着フィルムに由来する層であるので、第1配線層42の封止性に優れている。また第1絶縁層32は、前記接着フィルムを用いて形成されるので、周波数が1GHz以上の高周波帯(ギガヘルツ帯)、特に1GHzから3GHzの範囲における透磁率が向上しており、かつ磁性損失が抑制されている。
第1絶縁層32には、第1絶縁層32をその厚さ方向に貫通するビアホール36が設けられている。
第1絶縁層32には第2配線層44が設けられている。第2配線層44はコイル状導電性構造体40を構成するための渦巻状の配線部を含んでいる。図示例では渦巻状の配線部は直線状部と直角に屈曲する屈曲部とを含んでいる。図示例では第2配線層44の渦巻状の配線部は全体の輪郭が略矩形状であって、中心側からその外側に向かうにあたり時計回りに巻いている形状を有している。
ビアホール36内にはビアホール内配線36aが設けられている。第2配線層44の渦巻状の配線部のうちの中心側の一端はビアホール内配線36aにより第1配線層42の渦巻状の配線部のうちの中心側の一端に電気的に接続されている。第2配線層44の渦巻状の配線部のうちの外周側の他端はビアホール内配線36aにより第1配線層42のランド42aに電気的に接続されている。よって第2配線層44の渦巻状の配線部のうちの外周側の他端はビアホール内配線36a、ランド42a、スルーホール内配線22aを経て外部端子24に電気的に接続されている。
コイル状導電性構造体40は、第1配線層42の一部分である渦巻状の配線部、第2配線層44の一部分である渦巻状の配線部、第1配線層42の渦巻状の配線部と第2配線層44の渦巻状の配線部とを電気的に接続しているビアホール内配線36aにより構成されている。
第2配線層44が設けられた第1絶縁層32には第2配線層44および第2配線層44から露出する第1絶縁層32を覆うように第2絶縁層34が設けられている。
第2絶縁層34は、第1絶縁層32と同様に既に説明した接着フィルムに由来する層であり、接着フィルムの樹脂組成物層は絶縁層形成時の流動性に優れているので、第2配線層44の封止性に優れている。また第2絶縁層34は、前記接着フィルムを用いて形成されるので、周波数が1GHz以上の高周波帯、特に1GHzから3GHzの範囲における透磁率が向上しており、かつ磁性損失が抑制されている。
第1絶縁層32および第2絶縁層34は一体的な絶縁層としてみることができる絶縁部30を構成している。よってコイル状導電性構造体40は、絶縁部30に少なくとも一部分が埋め込まれるように設けられている。すなわち、本実施形態の配線板10において、インダクタ素子はコイル状導電性構造体40と、絶縁部30の厚さ方向に延在し、かつコイル状導電性構造体40に囲まれた絶縁部30のうちの一部分である芯部によって構成されている。
本実施形態では、コイル状導電性構造体40が、第1配線層42および第2配線層44の2層の配線層を含む例を説明したが、3層以上の配線層(および3層以上のビルドアップ絶縁層)によりコイル状導電性構造体40を構成することもできる。この場合には、最上層の配線層と最下層の配線層とに挟まれるように配置される図示しない配線層の渦巻状の配線部は、その一端が最上層側であって直近に配置される配線層の渦巻状の配線部のいずれか一方の端部に電気的接続され、その他端が最下層側であって直近に配置される配線層の渦巻状の配線部のいずれか一方の端部に電気的接続される。
本実施形態にかかる回路基板によれば、絶縁層を前記接着フィルムにより形成するので、形成される絶縁層の透磁率を高めることができ、結果として回路基板に作り込まれるインダクタ素子のL値およびQ値を向上させることができる。
〔配線板の製造方法〕
以下、本実施形態にかかる配線板の製造方法について図2を参照して説明する。
本実施形態にかかる配線板の製造方法は、第1絶縁層および第2絶縁層を含む絶縁部と、絶縁部に少なくとも一部分が埋め込まれたコイル状導電性構造体とを有しており、コイル状導電性構造体と絶縁部のうちの一部分とにより構成されるインダクタ素子を含む配線板の製造方法であって、本実施形態にかかる接着フィルム、および第1配線層が設けられたコア基材を用意する工程と、コア基材に接着フィルムの樹脂組成物層をラミネートする工程と、樹脂組成物層を熱硬化して第1絶縁層を形成する工程と、第1絶縁層にビアホールを形成する工程と、ビアホールが形成された第1絶縁層に対して粗化処理する工程と、第1絶縁層に第2配線層を形成し、第1配線層と第2配線層とを電気的に接続するビアホール内配線を形成する工程と、第2配線層およびビアホール内配線が形成された第1絶縁層にさらに本実施形態にかかる接着フィルムをラミネートし、熱硬化して第2絶縁層を形成する工程と、第1配線層の一部分と第2配線層の一部分とビアホール内配線とを含むコイル状導電性構造体、および絶縁部の厚さ方向に延在し、かつコイル状導電性構造体に囲まれた絶縁部の一部分を含むインダクタ素子を形成する工程とを含む。
まず既に説明したとおり、第1主表面20aに設けられる第1配線層42と、第2主表面20bに設けられる外部端子24と、スルーホール22と、スルーホール内配線22aが設けられているコア基材(内層回路基板)20および接着フィルムを用意する。
(第1絶縁層の形成工程)
次に第1絶縁層32を形成する。まずコア基材の第1配線層42に接触するように接着フィルムの樹脂組成物層をラミネートするラミネート工程を行う。
ラミネート工程の条件は特に限定されず、接着フィルムを用いて絶縁層(ビルドアップ絶縁層)を形成するにあたり使用される公知の条件を採用することができる。例えば、加熱されたステンレス鏡板等の金属板を接着フィルムの有機支持体側からプレスすることにより行うことができる。この場合、金属板を直接的にプレスするのではなく、コア基材20の表面の凹凸に接着フィルムが十分に追随するよう、耐熱ゴム等からなる弾性部材を介してプレスを行うことが好ましい。プレス温度は、好ましくは70℃〜140℃の範囲であり、プレス圧力は好ましくは1kgf/cm〜11kgf/cm(0.098MPa〜1.079MPa)の範囲であり、プレス時間は好ましくは5秒間〜3分間の範囲である。
また、ラミネート工程は、好ましくは20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下で実施される。ラミネート工程は、市販されている真空ラミネーターを用いて実施することができる。市販されている真空ラミネーターとしては、例えば、名機製作所(株)製の真空加圧式ラミネーター、ニチゴー・モートン(株)製のバキュームアプリケーター等が挙げられる。
ラミネート工程の終了後、コア基材20にラミネートされた接着フィルムを、加熱および加圧処理する平滑化工程を実施してもよい。
平滑化工程は、一般に、常圧(大気圧)下、加熱された金属板又は金属ロールにより、コア基材20にラミネートされている接着フィルムを加熱および加圧処理することにより実施される。加熱および加圧処理の条件は、上記ラミネート工程の条件と同様の条件を用いることができる。
ラミネート工程および平滑化工程は、同一の真空ラミネーターを用いて連続的に実施することもできる。
なお、前記ラミネート工程又は前記平滑化工程の実施後の任意のタイミングで接着フィルムに由来する有機支持体を剥離する工程を行う。有機支持体を剥離する工程は、例えば、市販の自動剥離装置により機械的に実施することができる。
次いで、コア基材20にラミネートされた樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層(ビルドアップ絶縁層)を形成する熱硬化工程を実施する。
熱硬化工程の条件は特に限定されず、多層プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常採用される条件を適用することができる。
熱硬化工程の条件は、樹脂組成物層に用いられる樹脂組成物の組成等により任意好適な条件とすることができる。熱硬化工程の条件は、例えば硬化温度を120℃〜240℃の範囲(好ましくは150℃〜210℃の範囲、より好ましくは170℃〜190℃の範囲)とし、硬化時間を5分間〜90分間の範囲(好ましくは10分間〜75分間、より好ましくは15分間〜60分間)とすることができる。
熱硬化工程を実施する前に、樹脂組成物層を硬化温度よりも低い温度にて予備加熱する工程を実施してもよい。熱硬化工程の実施に先立ち、例えば50℃以上120℃未満(好ましくは60℃以上110℃以下、より好ましくは70℃以上100℃以下)の温度にて、樹脂組成物層を5分間以上(好ましくは5分間〜150分間、より好ましくは15分間〜120分間)予備加熱してもよい。予備加熱は、大気圧下(常圧下)にて行うことが好ましい。
以上の工程によりコア基材20に設けられる第1絶縁層32を形成することができる。また、絶縁層が形成されたコア基材20に対して前記ラミネート工程および前記熱硬化工程並びに後述する配線層の形成工程をさらに1回以上繰り返すことにより、第1絶縁層32に設けられる第2絶縁層34、さらに積層される絶縁層を含む絶縁部30を形成することができる。
また、コア基材20に第1絶縁層32を形成する工程は、一般の真空ホットプレス機を用いて行うことも可能である。例えば、加熱されたSUS板等の金属板を用いて有機支持体側からプレスすることにより行うことができる。プレス条件は、減圧度を通常1×10−2MPa以下、好ましくは1×10−3MPa以下の減圧下とする。加熱及び加圧は、1段階で行うこともできるが、樹脂のしみだしを制御する観点から2段階以上の工程としてそれぞれプレス条件を変えて行うことが好ましい。例えば、1段階目のプレス条件を、温度を70℃〜150℃とし、圧力を1kgf/cm〜15kgf/cmの範囲とし、2段階目のプレス条件を、温度を150℃〜200℃とし、圧力を1kgf/cm〜40kgf/cmの範囲として行うのが好ましい。各段階の時間は30分間〜120分間として行うのが好ましい。市販されている真空ホットプレス機としては、例えば、名機製作所(株)製「MNPC−V−750−5−200」、北川精機(株)製「VH1−1603」等が挙げられる。
(ビアホールの形成工程)
形成された第1絶縁層32にビアホール36を形成する。ビアホール36は、第1配線層42と第2配線層44とを電気的に接続するための経路となる。ビアホール36は第1絶縁層32の特性を考慮して、ドリル、レーザー、プラズマ等を用いる公知の方法により形成することができる。例えば、この時点で保護フィルムが残存している場合には、保護フィルムを介してレーザー光を第1絶縁層32に照射することにより、ビアホール36を形成することもできる。
ビアホール36の形成に用いられ得るレーザー光源としては、例えば、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー等が挙げられる。中でも、加工速度、コストの観点から、炭酸ガスレーザーが好ましい。
ビアホール36の形成は、市販されているレーザー装置を用いて実施することができる。市販されている炭酸ガスレーザー装置としては、例えば、日立ビアメカニクス(株)製「LC−2E21B/1C」、三菱電機(株)製「ML605GTWII」、松下溶接システム(株)製の基板穴あけレーザー加工機が挙げられる。
(粗化工程)
次にビアホール36が形成された第1絶縁層32に対して粗化処理する粗化工程を行う。粗化工程の手順、条件は特に限定されず、多層プリント配線板の製造方法に際して通常使用される公知の手順、条件を採用することができる。粗化工程として、例えば、膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理、中和液による中和処理をこの順に実施することにより第1絶縁層32を粗化処理することができる。
粗化工程に用いられ得る膨潤液としては特に限定されないが、アルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられ、好ましくはアルカリ溶液である。膨潤液であるアルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液がより好ましい。市販されている膨潤液としては、例えば、アトテックジャパン(株)製「スウェリング・ディップ・セキュリガンスP」、「スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU」等が挙げられる。
膨潤液による膨潤処理は、特に限定されないが、例えば、30℃〜90℃の膨潤液に第1絶縁層32が設けられたコア基材20を1分間〜20分間浸漬することにより行うことができる。第1絶縁層32を構成する樹脂の膨潤を適度なレベルに抑える観点から、40℃〜80℃の膨潤液に第1絶縁層32を5分間〜15分間浸漬させることが好ましい。
酸化剤による粗化処理に用いられ得る酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムを溶解したアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。アルカリ性過マンガン酸溶液等の酸化剤による粗化処理は、60℃〜80℃に加熱した酸化剤の溶液に第1絶縁層32を10分間〜30分間浸漬させることにより行うことが好ましい。また、アルカリ性過マンガン酸溶液における過マンガン酸塩の濃度は5質量%〜10質量%とすることが好ましい。市販されている酸化剤としては、例えば、アトテックジャパン(株)製「コンセントレート・コンパクトP」、「ドージングソリューション・セキュリガンスP」等のアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。
中和処理に用いられ得る中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、例えば、アトテックジャパン(株)製「リダクションソリューション・セキュリガンスP」が挙げられる。中和液による中和処理は、酸化剤溶液による粗化処理がなされた処理面を30℃〜80℃の中和液に5分間〜30分間浸漬させることにより行うことができる。作業性等の点から、酸化剤溶液による粗化処理がなされた第1絶縁層32を、40℃〜70℃の中和液に5分間〜20分間浸漬する方法が好ましい。
上記の通り説明した粗化工程は、第1絶縁層32に形成されたビアホール36のスミア除去を行うためのいわゆるデスミア工程を兼ねていてもよい。
また、前記粗化工程とは別に、ビアホール36に対してデスミア工程を実施してもよい。なお、このデスミア工程は、湿式のデスミア工程であっても、乾式のデスミア工程であってもよい。
デスミア工程の具体的な工程は特に限定されず、例えば、多層プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常使用される公知の工程、条件を採用することができる。乾式のデスミア工程の例としてはプラズマ処理等が挙げられ、湿式のデスミア工程の例としては、前記粗化工程と同様の膨潤液による膨潤処理、酸化剤による処理および中和液による処理をこの順に行う方法が挙げられる。
(第2配線層の形成)
次に粗化工程(およびデスミア工程)が行われた第1絶縁層32に第2配線層44を形成する。
第2配線層44は、めっきにより形成することができる。第2配線層44は、例えば、無電解めっき工程、マスクパターン形成工程、電解めっき工程、フラッシュエッチング工程を含むセミアディティブ法、フルアディティブ法等の従来公知の技術により形成することにより、所望の配線パターンを含む配線層として形成することができる。なお、この第2配線層44の形成工程により、ビアホール36内にビアホール内配線36aが併せて形成される。
第1絶縁層32がビルドアップ絶縁層であり、第2配線層44がビルドアップ配線層であるビルドアップ層としてみた場合、本実施形態の配線板においてビルドアップ層がさらに1層以上必要な場合には、前記第1絶縁層32の形成工程から前記第2配線層44の形成工程までの既に説明した一連の工程をさらに1回以上繰り返して実施すればよい。
(第2絶縁層の形成)
次に、第2配線層44およびビアホール内配線36aが形成された第1絶縁層32に第2絶縁層34を形成する。第2絶縁層34は既に説明した接着フィルムのラミネート工程、平滑化工程、熱硬化工程を含む第1絶縁層32の形成工程と同様の材料を用いて同様の工程により形成すればよい。
以上の工程により、絶縁部30に少なくとも一部分が埋め込まれたコイル状導電性構造体40を有しており、第1配線層42の一部分と第2配線層44の一部分とビアホール内配線36aとを含むコイル状導電性構造体40と絶縁部30の厚さ方向に延在し、かつコイル状導電性構造体40に囲まれた絶縁部30のうちの一部分とを含むインダクタ素子を含む配線板10を製造することができる。
本発明の接着フィルムを用いれば、特に周波数が1GHzから3GHzの範囲での透磁率を向上させることができ、磁性損失を低減することができ、かつ絶縁性の信頼性に優れた絶縁層を形成することができるので、空芯構造とすることなく絶縁層の一部分により構成される芯部を含む、より高性能な高周波帯域用インダクタ素子が作り込まれた配線板を、より簡便な工程で提供することができる。
〔配線板の使用態様〕
本実施形態にかかる配線板は、半導体チップ等の電子部品を搭載するための配線板として用いることができる。またかかる配線板を用いて、種々の態様の半導体装置を製造することができる。かかる配線板を含む半導体装置は、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラおよびテレビ等)および乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶および航空機等)等に好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載における「部」とは「質量部」を意味する。
<実施例1>
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190、比重1.2g/cm、三菱化学(株)製「jER828EL」)20部と、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量291、比重1.2g/cm、日本化薬(株)製「NC3000H)65部、フェノキシ樹脂(重量平均分子量38000、比重1.2g/cm、三菱化学(株)製「YX6954」、不揮発成分30質量%のメチルエチルケトン(以下「MEK」と称する。)とシクロヘキサノンの1:1溶液)30部とをMEK22.5部、シクロヘキサノン22.5部に撹拌しながら加熱溶解させた。そこへ、フェノールノボラック系硬化剤(DIC(株)製「LA−7054」(トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤)の不揮発成分60%のMEK溶液、フェノール性水酸基当量124、比重1.2g/cm)40部、硬化促進剤(四国化成工業(株)製「2E4MZ」、比重1.1g/cm、)0.1部、無機充填材(平均粒子径0.5μm、比重2.2g/cm、アドマテックス(株)製「SO−C2」をアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で処理したシリカ)50部、磁性フィラー(エプソンアトミックス(株)製「AW2−08PF3F」、Fe−Cr−Si系合金(アモルファス)、平均粒径3.0μm、比重7.0g/cm)440部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを調製した。次に、かかる樹脂ワニスを支持体であるポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という。)フィルム(厚さ38μm)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが50μmとなるようにダイコーターにて塗布し、75℃〜120℃(平均100℃)で7分間、樹脂組成物層中の残留溶媒量が約0.4質量%となるように乾燥した。次いで樹脂組成物層の表面に厚さ15μmのポリプロピレンフィルムを貼り合わせながらロール状に巻き取ってロール状の接着フィルムとした。得られたロール状の接着フィルムの長尺方向における長さが507mmとなるように裁断し、これより507mm×336mm角のシート状の接着フィルムを得た。
<実施例2>
実施例1において、無機充填材(平均粒子径0.5μm、比重2.2g/cm、アドマテックス(株)製「SO−C2」をアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で処理したシリカ)の量を160部とし、磁性フィラー(エプソンアトミックス(株)製「AW2−08PF3F」、平均粒径3.0μm、比重7.0g/cm)の量を350部とした以外は、実施例1と同様にして接着フィルムを得た。
<実施例3>
実施例1において、無機充填材(平均粒子径0.5μm、比重2.2g/cm、アドマテックス(株)製「SO−C2」をアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で処理したシリカ)の量を90部とし、磁性フィラー(エプソンアトミックス(株)製「AW2−08PF3F」、平均粒径3.0μm、比重7.0g/cm)を290部とした以外は、実施例1と同様にして接着フィルムを得た。
<実施例4>
実施例1において、無機充填材(平均粒子径0.5μm、比重2.2g/cm、アドマテックス(株)製「SO−C2」をアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で処理したシリカ)の量を40部とし、磁性フィラー(エプソンアトミックス(株)製「AW2−08PF3F」、平均粒径3.0μm、比重7.0g/cm)の量を240部とした以外は、実施例1と同様にして接着フィルムを得た。
<実施例5>
実施例1において、無機充填材(平均粒子径0.5μm、比重2.2g/cm、アドマテックス(株)製「SO−C2」をアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で処理したシリカ)の量を140部とし、磁性フィラー(エプソンアトミックス(株)製「AW2−08PF3F」、平均粒径3.0μm、比重7.0g/cm)の量を150部とした以外は、実施例1と同様にして接着フィルムを得た。
<実施例6>
実施例1において、無機充填材(平均粒子径0.5μm、比重2.2g/cm、アドマテックス(株)製「SO−C2」をアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で処理したシリカ)の量を80部とし、磁性フィラー(平均粒径3.0μm、エプソンアトミックス(株)製「AW2−08PF3F」、比重7.0g/cm)の量を130部とした以外は、実施例1と同様にして接着フィルムを得た。
<実施例7>
実施例1において、無機充填材(平均粒子径0.5μm、比重2.2g/cm、アドマテックス(株)製「SO−C2」をアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で処理したシリカ)の量を35部、磁性フィラー(エプソンアトミックス(株)製「AW2−08PF3F」、平均粒径3.0μm、比重7.0g/cm)の量を110部とした以外は、実施例1と同様にして接着フィルムを得た。
<実施例8>
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190、比重1.2g/cm、三菱化学(株)製「jER828EL」)14部と、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量291、比重1.2g/cm、日本化薬(株)製「NC3000H)14部、フェノキシ樹脂(重量平均分子量38000、比重1.2g/cm、三菱化学(株)製「YX6954」、不揮発成分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)40部とをMEK5部、シクロヘキサノン5部に撹拌しながら加熱溶解させた。そこへ、フェノールノボラック系硬化剤(DIC(株)製「LA−7054」(トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤)の不揮発成分60%のMEK溶液、フェノール性水酸基当量124、比重1.2g/cm)30部、硬化促進剤(四国化成工業(株)製「2E4MZ」、比重1.1g/cm、)0.1部、無機充填材(平均粒子径0.5μm、比重2.2g/cm、アドマテックス(株)製「SO−C2」をアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で処理したシリカ)150部、磁性フィラー(エプソンアトミックス(株)製「AW2−08PF3F」、Fe−Cr−Si系合金(アモルファス)、平均粒径3.0μm、比重7.0g/cm)360部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを調製し、実施例1と同様にして接着フィルムを得た。
<実施例9>
実施例8において、無機充填材を、平均粒子径1μm、比重2.2g/cm、アドマテックス(株)製「SO−C4」をアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で処理したシリカ)150部とした以外は、実施例8と同様にして接着フィルムを得た。
<実施例10>
実施例8において、無機充填材を、平均粒子径2μm、比重2.2g/cm、アドマテックス(株)製「SO−C6」をアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で処理したシリカ)150部とした以外は、実施例8と同様にして接着フィルムを得た。
<比較例1>
実施例1において、磁性フィラー(エプソンアトミックス(株)製「AW2−08PF3F」、平均粒径3.0μm、比重7.0g/cm)を用いず、無機充填材(平均粒子径0.5μm、比重2.2g/cm、アドマテックス(株)製「SO−C2」をアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で処理したシリカ)の量を70部とした以外は、実施例1と同様にして接着フィルムを得た。
<比較例2>
実施例1において、磁性フィラー(平均粒径3.0μm、エプソンアトミックス(株)製「AW2−08PF3F」、比重7.0g/cm)の量を700部とした以外は、実施例1と同様にして接着フィルムを得た。
<比較例3>
実施例1において、無機充填材を用いず、磁性フィラー(平均粒径3.0μm、エプソンアトミックス(株)製「AW2−08PF3F」、比重7.0g/cm)を210部とした以外は、実施例1と同様にして接着フィルムを得た。
<比較例4>
実施例1において、無機充填材(平均粒子径0.5μm、比重2.2g/cm、アドマテックス(株)製「SO−C2」をアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で処理したシリカ)の量を600部とし、磁性フィラー(平均粒径3.0μm、エプソンアトミックス(株)製「AW2−08PF3F」、比重7.0g/cm)の量を290部とした以外は、実施例1と同様にして接着フィルムを得た。
実施例1〜7および比較例1〜4それぞれにかかる樹脂ワニスの不揮発成分量換算での組成を下記表1に示す。実施例8〜10それぞれにかかる樹脂ワニスの不揮発成分量換算での組成を下記表2に示す。
Figure 0006492801
Figure 0006492801
<透磁率の測定方法>
実施例1〜8および比較例1〜4それぞれにおいて、支持体として、フッ素樹脂系離型剤(ETFE)処理を施したPETフィルム(三菱樹脂(株)製「フルオロージュRL50KSE」)を用いた以外は同様にして、各実施例および各比較例と同じ樹脂組成物層を有する接着フィルムを得た。得られた接着フィルムを180℃で90分間加熱することにより樹脂組成物層を熱硬化し、支持体を剥離することによりシート状の硬化体を得た。得られた硬化体を、幅5mm、長さ18mmの試験片に切断し、評価サンプルとした。この評価サンプルを、アジレントテクノロジーズ(Agilent Technologies)社製「HP8362B」(商品名)を用いて、短絡ストリップライン法にて測定周波数を100MHzから10GHzの範囲とし、室温23℃にて透磁率(μ’)および透磁損失(μ’’)を測定した。測定周波数が1GHzおよび3GHzである場合の透磁率、測定周波数が1GHzおよび3GHzである場合の透磁損失を下記表3および4に示す。
<絶縁性の評価>
実施例1〜8および比較例1〜4で得られた接着フィルムそれぞれを、名機製作所(株)製のバッチ式真空加圧ラミネーター「MVLP−500」(商品名)を用いて、ラインおよびスペースの幅をL(ライン)/S(スペース)=15μm/15μmとし、回路(配線パターン)の厚さが8μmであるくし型配線パターンが形成された厚さが38μmであるポリイミドフィルムの配線パターン側にラミネートした。このラミネートにより形成された接着フィルムからPETフィルムを剥離して、180℃、90分間の加熱処理を行うことで熱硬化させて絶縁層を形成した。得られた積層構造体を評価用サンプルとした。
まず得られた評価用サンプルに3.3Vの電圧を印加することで、初期抵抗値を測定した。さらに評価用サンプルに3.3Vの電圧を印加しつつ、130℃、相対湿度85%の条件の雰囲気中に100時間放置した。100時間放置後(HAST100時間後)に絶縁抵抗値の低下が観察されなかったサンプルを生存とする、試験片生存率を算出した。なお試験片生存率の算出にあたっては、100時間放置後の絶縁層の絶縁抵抗値が1.0×10Ωを超えていた場合を「生存」と評価し、100時間放置後の絶縁層の絶縁抵抗値が1.0×10Ω以下であった場合を「非生存」と評価した。結果を下記表3および4に示す。なお比較例4にかかる接着フィルムは、成形性に問題があったため試験片生存率が試験不能であり、比較例4については初期抵抗値についても試験不能であった。
<ラミネート性の評価>
実施例1〜8および比較例1〜4で得られた接着フィルムそれぞれを名機製作所(株)製のバッチ式真空加圧ラミネーター「MVLP−500」(商品名)を用いて、配線板の両面にラミネートした。ラミネートは30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、その後100℃、押圧力を0.74MPaとして30秒間プレスすることにより行った。評価は、下記の評価基準に従って、得られた積層構造体の外観を検査することによって行った。結果を下記表3および表4に示す。
評価基準
○:配線板の回路部分にボイドが無く、接着フィルムに由来する樹脂組成物が十分にフローしている。
×:配線板の回路部分にボイドが発生しており、接着フィルムに由来する樹脂組成物のラミネート時の流動性が不足している。
Figure 0006492801
Figure 0006492801
本発明の実施例にかかる前記組成を有する樹脂組成物は絶縁層形成時の流動性に優れており、絶縁層(硬化体)としたときの配線層の封止性に優れていることがわかった。またかかる樹脂組成物を含む樹脂組成物層を備える接着フィルムを用いて形成された絶縁層は、周波数が1GHz以上の高周波帯域(ギガヘルツ帯)、特に1GHzから3GHzの範囲における透磁率が向上しており、かつ磁性損失が抑制されていることがわかった。さらには試験片生存率の結果から明らかな通り、前記組成を有する樹脂組成物から形成された絶縁層は、絶縁性の信頼性に優れていることがわかった。よって、本発明の接着フィルムを用いれば、より高性能な高周波帯域用インダクタ素子が作り込まれた配線板を、簡便な工程で提供することができる。
10 配線板
20 コア基材(内層回路基板)
20a 第1主表面
20b 第2主表面
22 スルーホール
22a スルーホール内配線
24 外部端子
30 絶縁部
32 第1絶縁層
34 第2絶縁層
36 ビアホール
36a ビアホール内配線
40 コイル状導電性構造体
42 第1配線層
42a ランド
44 第2配線層

Claims (20)

  1. 支持体と、該支持体に設けられた樹脂組成物層とを有する接着フィルムであって、
    前記樹脂組成物層が、成分(A)熱硬化性樹脂、成分(B)磁性フィラー、および成分(C)無機充填材を含有し(ただし、該無機充填材には、前記成分(B)磁性フィラーは含まれない。)
    前記樹脂組成物層を構成する樹脂組成物中の不揮発成分を100体積%とした場合に、成分(B)の含有量が10体積%以上であり、かつ成分(C)の含有量(体積%)を成分(B)の含有量(体積%)で除した値が0.3〜3.0の範囲である、接着フィルム。
  2. 成分(A)がエポキシ樹脂であり、前記樹脂組成物がフェノール系硬化剤およびナフトール系硬化剤から選択されるエポキシ樹脂硬化剤をさらに含む、請求項1に記載の接着フィルム。
  3. エポキシ樹脂硬化剤がトリアジン骨格含有クレゾール系硬化剤およびトリアジン骨格含有フェノール系硬化剤から選択される、請求項2に記載の接着フィルム。
  4. 前記樹脂組成物が熱可塑性樹脂をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着フィルム。
  5. 前記樹脂組成物中、成分(B)の含有量が10体積%〜40体積%であり、かつ成分(C)の含有量が10体積%〜50体積%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着フィルム。
  6. 前記樹脂組成物中、成分(B)と成分(C)との含有量の合計が20体積%〜75体積%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着フィルム。
  7. 前記樹脂組成物中、成分(B)の含有量が10体積%〜25体積%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の接着フィルム。
  8. 前記樹脂組成物中、成分(B)の含有量が20体積%〜25体積%であり、成分(C)の含有量が10体積%〜25体積%であり、かつ成分(B)と成分(C)との含有量の合計が30体積%〜50体積%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の接着フィルム。
  9. 前記樹脂組成物中、成分(B)の平均粒子径が0.3μm〜10μmである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の接着フィルム。
  10. 成分(C)の平均粒子径が0.01μm〜5μmである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の接着フィルム。
  11. 成分(B)の平均粒子径が成分(C)の平均粒子径よりも大きい、請求項1〜10のいずれか1項に記載の接着フィルム。
  12. 成分(C)がシリカである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の接着フィルム。
  13. 成分(C)が表面処理剤で処理されているシリカである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の接着フィルム。
  14. 表面処理剤がアミノシラン系カップリング剤である、請求項13に記載の接着フィルム。
  15. 硬化体としたときに、周波数が1GHzから3GHzであるときの透磁率が1.1以上であり、かつ周波数が1GHzから3GHzであるときの磁性損失が0.5以下である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の接着フィルム。
  16. 硬化体としたときに、周波数が1GHzから3GHzであるときの透磁率が1.2以上であり、かつ周波数が1GHzから3GHzであるときの磁性損失が0.3以下である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の接着フィルム。
  17. インダクタ素子を備える配線板の絶縁層の形成に用いられる、請求項1〜16のいずれか1項に記載の接着フィルム。
  18. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の接着フィルムの樹脂組成物層の硬化体である絶縁層と、該絶縁層に少なくとも一部分が埋め込まれたコイル状導電性構造体とを有しており、
    前記コイル状導電性構造体と、前記絶縁層の厚さ方向に延在し、かつ前記コイル状導電性構造体に囲まれた前記絶縁層のうちの一部分によって構成されるインダクタ素子を含む、配線板。
  19. 前記インダクタ素子が機能する周波数が1GHz以上である、請求項18に記載の配線板。
  20. 第1絶縁層および第2絶縁層を含む絶縁部と、該絶縁部に少なくとも一部分が埋め込まれたコイル状導電性構造体とを有しており、該コイル状導電性構造体と前記絶縁部のうちの一部分とにより構成されるインダクタ素子を含む配線板の製造方法であって、
    請求項1〜16のいずれか1項に記載の接着フィルム、および第1配線層が設けられたコア基材を用意する工程と、
    前記コア基材に前記接着フィルムの樹脂組成物層をラミネートする工程と、
    前記樹脂組成物層を熱硬化して第1絶縁層を形成する工程と、
    前記第1絶縁層にビアホールを形成する工程と、
    前記ビアホールが形成された前記第1絶縁層に対して粗化処理する工程と、
    前記第1絶縁層に第2配線層を形成し、前記第1配線層と前記第2配線層とを電気的に接続するビアホール内配線を形成する工程と、
    前記第2配線層および前記ビアホール内配線が形成された前記第1絶縁層にさらに前記接着フィルムをラミネートし、熱硬化して前記第2絶縁層を形成する工程と、
    前記第1配線層の一部分と前記第2配線層の一部分と前記ビアホール内配線とを含むコイル状導電性構造体、および前記絶縁部の厚さ方向に延在し、かつ前記コイル状導電性構造体に囲まれた前記絶縁部の一部分を含む前記インダクタ素子を形成する工程と
    を含む、配線板の製造方法。
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