JP6492514B2 - パワートレイン試験装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン等の原動機を模擬する原動機模擬ダイナモによって、供試体であるトランスミッション等のパワートレインを駆動してシミュレーション試験を行うパワートレイン試験装置に関するものである。
従来より、エンジンやモータ等の駆動源の出力が伝達されるトランスミッションやディファレンシャルギヤ等のパワートレイン(駆動源出力伝達体、動力伝達系)に、駆動源でエンジンやモータ等の原動機を模擬した模擬ダイナモの出力を付与して駆動させることによって、パワートレインの性能や特性を試験する装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
同特許文献1には、種々の運転状態、特に過渡運転時におけるエンジンの出力(トルク)を精度よく推定し再現する必要があるとの課題に着目し、模擬されるエンジンに実際に使用されるエンジン制御用コンピュータを接続して、同コンピュータの出力結果であるエンジンの点火時期、燃料噴射時期及び燃料噴射量、及び目標スロットル開度を入力し、これら出力決定パラメータに基づいて、エンジンが発生するであろう推定エンジントルクを推定し、エンジンを模擬するモータのトルクが推定エンジントルクとなるようにモータを制御し、モータのトルクを試験対象であるトランスミッションに付与して、トランスミッションの試験を行う構成が開示されている。
また、上記特許文献2には、制御手段からの制御データによって駆動モータが回転を出力してトランスミッションの性能試験を行う装置において、制御手段として、所定の条件を入力することにより駆動モータから出力される回転のトルクに関し、複数のパラメータを任意に変化させるエンジンモデルを作成し、駆動源を模擬する駆動モータを、エンジンモデルに基づく制御データによって制御するようにした構成が開示されている。
特開2003−294582号公報 特開2006−170681号公報
ここで、例えばパワートレインPTとしてトランスミッションに適用した場合のパワートレイン試験装置の構成例を図3に示す。図3におけるエンジン模擬ダイナモM1(以下では、ダイナモと称す場合がある)は、爆発トルクを含むエンジンの挙動を模擬するダイナモである。したがって、エンジン模擬ダイナモM1からトランスミッションPTに作用するトルクを実エンジンの挙動に合わせて模擬させることが本試験装置において肝要である。図4に、エンジン模擬ダイナモの慣性モーメントをJとし、トランスミッションのうち入力軸側に配置されるトルクコンバータ等の慣性モーメントをJとした2慣性モデルのブロック線図を示し、図5に、伝達関数及びダイナモ発生トルクTに対するトルク計検出トルクTの伝達関数を示す。なお、慣性モーメントJは、オートマティックトランスミッション(略称「AT」)の場合、ロックアップクラッチのダンパーより入力軸側に配置される慣性モーメントであり、トルクコンバータが主な要素となる。マニュアルトランスミッション(略称「MT」)の場合はクラッチのダンパーより入力軸側に配置される慣性モーメントであり、フライホイールが主な要素となる。図5に示す伝達関数及び式(5)から把握できるように、トルク計検出トルクであってダイナモからトランスミッションに作用するトルクTは、ダイナモの慣性モーメントJに影響される。したがって、ダイナモからトランスミッションに作用するトルクTの挙動を実エンジンの挙動に模擬させるためには、ダイナモの慣性モーメントJを考慮したトルク指令に基づいて、パワートレインに対するダイナモのトルク制御を行う必要がある。
しかしながら、上述の特許文献開示の構成も含めた従来のパワートレイン試験装置は、図3に示すように、模擬する対象であるエンジンやモータ等の原動機の慣性モーメントに作用するトルクT、すなわち、スロットル開度やエンジン回転数等に基づいて原動機内部で発生するトルクTをそのままトルク指令とするものであり、しかも、模擬したいトルクをオープンループで制御している構成であるため、トルク指令に、ダイナモの慣性モーメントJが反映されることは一切なく、このような点に着目すれば、ダイナモからトランスミッション等のパワートレインに作用するトルクの挙動を、パワートレインに対する原動機の出力(模擬対象である原動機の挙動)に正確に模擬させている構成ではなかったといえる。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、エンジン等の実原動機を模擬する原動機模擬ダイナモからトランスミッション等のパワートレイン(供試体)に作用するトルクを、パワートレインに対する実原動機の出力に高精度に模擬させることが可能なパワートレイン試験装置を提供することにある。
すなわち本発明は、負荷が接続されている供試体であるパワートレインを、模擬対象である実原動機を模擬する原動機模擬ダイナモによって駆動してシミュレーション試験を行うパワートレイン試験装置に関するものである。そして、本発明に係るパワートレイン試験装置は、原動機模擬ダイナモとパワートレインとを接続するシャフトに関連付けて設けられるトルク計と、パワートレインの回転速度ωMを検出する速度検出部と、入力を受けた実原動機の慣性モーメントJEに作用するトルク指令TE及びトルク計で検出された実トルクTrealの合成トルクと、実原動機の慣性モーメントJEとに基づいて実原動機の回転速度ωEを求め、少なくともこの回転速度ωEと速度検出部で検出したパワートレインの回転速度ωMとの差速度と、パワートレインと実原動機との間に存在することになるバネ要素のねじり剛性KETとに基づいてパワートレインに入力されるべき軸トルク指令Tを求めるトルク指令演算部と、軸トルク指令Tに実トルクTrealを一致させるような原動機模擬ダイナモの慣性モーメントJDに作用する内部トルク指令を制御して出力するトルク指令制御部と、トルク指令制御部から入力された内部トルク指令に基づいてパワートレインに対する原動機模擬ダイナモのトルク制御を行うインバータとを備えていることを特徴としている(なお、上記説明及び以下の説明における符号は図1中の符号を参照)。
このようなパワートレイン試験装置であれば、トルク指令演算部において、入力を受けた実原動機の慣性モーメントJに作用するトルク指令T及びトルク計で検出された実トルクTrealの合成トルクと、実原動機の慣性モーメントJとに基づいて実原動機の回転速度ωを求め、少なくともこの回転速度ωと速度検出部で検出したパワートレインの回転速度ωとの差速度と、パワートレインと実原動機との間に存在することになるバネ要素のねじり剛性KETとに基づいてパワートレインに入力されるべき軸トルク指令Tを求めるとともに、トルク指令制御部において、軸トルク指令Tに実トルクTrealを一致させるような原動機模擬ダイナモの慣性モーメントJに作用する内部トルク指令を制御して出力し、インバータにおいて、トルク指令制御部から入力された内部トルク指令(軸トルク指令Tに実トルクTrealを一致させるような原動機模擬ダイナモの慣性モーメントJに作用する内部トルク指令)に基づいてパワートレインに対する原動機模擬ダイナモのトルク制御を行うように構成しているため、従来のように原動機の慣性モーメントに作用するトルクそのものに基づくトルク指令に基づいてパワートレインに対するダイナモのトルク制御を行う構成ではなく、原動機模擬ダイナモの出力が、当該ダイナモの慣性モーメントJを反映させたものになるとともに、このような原動機模擬ダイナモの慣性モーメントJを反映させた原動機模擬ダイナモの出力を、トルク計で検出する実トルクとしてフィードバック制御しているため、原動機模擬ダイナモからパワートレインに作用するトルク(原動機模擬ダイナモの出力軸、つまりパワートレインの入力軸)を実原動機の挙動に合わせて高精度に模擬させることができる。
また、上述の同様の作用効果を奏するパワートレイン試験装置として、本発明者は、原動機模擬ダイナモとパワートレインとを接続するシャフトに関連付けて設けられるトルク計と、パワートレインの回転速度ωを検出する速度検出部と、入力を受けた実原動機の慣性モーメントJに作用するトルク指令T及びパワートレインに入力されるべき計算された軸トルク指令Tの合成トルクと、実原動機の慣性モーメントJとに基づいて実原動機の回転速度ωを求め、少なくとも当該回転速度ωと速度検出部で検出したパワートレインの回転速度ωとの差速度と、パワートレインと実原動機との間に存在することになるバネ要素のねじり剛性KETとに基づいてパワートレインに入力されるべき軸トルク指令Tを求めるトルク指令演算部と、軸トルク指令Tに軸トルク計で検出された前記実トルクTrealを一致させるような原動機模擬ダイナモの慣性モーメントJに作用する内部トルク指令を制御して出力するトルク指令制御部と、トルク指令制御部から入力された内部トルク指令に基づいてパワートレインに対する原動機模擬ダイナモのトルク制御を行うインバータとを備えていることを特徴とする装置を発明した。
上述の発明と比較して、トルク指令演算部における合成トルクが、入力を受けた実原動機の慣性モーメントJに作用するトルク指令Tとパワートレインに入力されるべき計算された軸トルク指令Tとの合成トルクである点のみが異なり、他の構成は同じである。これは、パワートレインに入力されるべき計算された軸トルク指令Tと、トルク計で検出された実トルクTrealとが所定範囲内の僅かな誤差にとどまることに着目したことによる。そして、当該発明に係るパワートレイン試験装置であれば、上述と同様または略同様の作用効果を奏することに加えて、トルク計で検出された実トルクTrealをトルク計からトルク指令演算部へ送信するための信号線が不要になるため、信号線の減少によりノイズの減少も期待できる点でメリットがある。
本発明に係るパワートレイン試験装置において、トルク指令演算部として、差速度、ワートレインと実原動機との間に存在することになるバネ要素のねじり剛性KET、及びワートレインと実原動機との間に存在することになるバネ要素の減衰係数DETに基づいて軸トルク指令を求めるものを適用することも可能である。
本発明によれば、供試体であるパワートレインの入力軸に作用するトルクが、原動機模擬ダイナモの慣性モーメントを反映させたものであり、このトルクがパワートレインの入力軸に実際に作用する実トルクと一致するようにフィードバック制御することによって、原動機模擬ダイナモの出力軸、すなわち、パワートレインの入力軸を実原動機の挙動に合わせて高精度に模擬させることが可能なパワートレイン試験装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るパワートレイン試験装置の概略構成を示す図。 本発明の他の実施形態に係るパワートレイン試験装置の概略構成を示す図。 従来のパワートレイン試験装置の概略構成を示す図。 2慣性モデルのブロック線図。 図4のブロック線図における伝達関数の説明図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
〈第1実施形態〉
第1実施形態に係るパワートレイン試験装置Xは、図1に示すように、負荷が接続されている供試体であるパワートレインPTを、模擬対象となる実原動機を模擬する原動機模擬ダイナモM1によって駆動してシミュレーション試験を行う装置である。本実施形態では、パワートレインPTとしてトランスミッションを適用している。また、負荷としては、ドライブシャフトDSやタイヤ(車輪)、或いは負荷相当の吸収トルクを発生するダイナモ(吸収ダイナモ)を挙げることができ、本実施形態では、トランスミッションにドライブシャフトDSを接続し、このドライブシャフトDSの両端にそれぞれトルク計TM2を介して模擬タイヤとしての吸収ダイナモM2を接続している。すなわち、本実施形態における負荷は、ドライブシャフトDSと吸収ダイナモM2である。
本実施形態に係るパワートレイン試験装置Xでは、実原動機としてエンジンを想定し、原動機模擬ダイナモM1は、この想定しているエンジンを模擬するダイナモである。相互に接続される原動機模擬ダイナモM1の出力軸とパワートレインPTの入力軸(これら出力軸及び入力軸が本発明におけるシャフトに相当との間にトルク計TM1を設けている。
また、本実施形態のパワートレイン試験装置Xは、パワートレインPTの回転速度を検出する速度検出部SMと、トルク指令演算部C1と、トルク指令制御部C2と、インバータIVとを備えている。
速度検出部SMは、直接または間接的にパワートレインPTの回転速度ωを検出するものであり、一例として、パワートレインPTであるトランスミッションのドライブプレートの回転速度(具体的にはドライブプレートの歯車の回転速度)を検出する態様を挙げることができる。
トルク指令演算部C1は、パワートレインPTに入力されるべき軸トルク指令Tを求めるものである。このトルク指令演算部C1は、実原動機の慣性モーメントJに作用するトルク指令Tの入力を受けるトルク指令入力処理と、入力を受けたトルク指令Tとトルク計TM1で検出された実トルクTrealとの合成トルクを求める合成トルク算出処理と、求めた合成トルクと実原動機の慣性モーメントJとに基づいて実原動機の回転速度ωを求める実原動機回転速度算出処理と、求めた回転速度ωと速度検出部SMで検出したパワートレインPTの回転速度ωとの差速度を求める差速度算出処理と、求めた差速度と、パワートレインPTと実原動機との間に存在することになるバネ要素のねじり剛性KETと、パワートレインPTと実原動機との間に存在することになるバネ要素の減衰係数DETとに基づいてパワートレインPTに入力されるべき軸トルク指令Tを求める軸トルク指令算出処理とを実行するものである。
トルク指令入力処理において入力を受けるトルク指令Tは、例えばスロットル開度やエンジン回転数等に基づくマップで決まるものである。また、合成トルク算出処理は、トルク指令Tと、パワートレインPTの入力軸から受ける反作用トルク(この反作用トルクはトルク計TM1で検出された実トルクTrealの正負の符号を反転させた値と一致)との合成トルクを求める処理であり、この処理で求めた合成トルクは、入力を受けたトルク指令Tを加速するトルクである場合もあれば、減速するトルクである場合もある。
実原動機回転速度算出処理は、求めた合成トルクを実原動機の慣性モーメントJで除した値を積分することで、実原動機の回転速度ωを算出する処理であり、差速度算出処理は、実原動機の回転速度ωから、速度検出部SMで検出したパワートレインPTの回転速度ωを減算することで、実原動機の回転速度ωとパワートレインPTの回転速度ωとの差速度を求める処理である。
軸トルク指令算出処理は、実原動機の回転速度ωとパワートレインPTの回転速度ωとの差速度を積分してねじれ角(rad)を求め、そのねじれ角(rad)に、パワートレインPTと実原動機との間に存在することになるバネ要素のねじり剛性KET(Nm/rad)を乗算することで、パワートレインPTに入力されるべき軸トルク指令T(Nm)を求める処理である。このような処理を経て算出される軸トルク指令Tに基づくトルクの主成分は、実原動機の回転速度ωとパワートレインPTの回転速度ω(パワートレインPTの入力軸の回転速度と同義)との差速度ω−ωを積分してねじり角を計算し、実原動機とパワートレインPTとの間のねじり剛性KETを乗算して計算されるねじり成分のトルクであり、実原動機とパワートレインPTのねじり角に比例して発生するトルクである。さらにまた、本実施形態におけるトルク指令演算部C1は、この軸トルク指令算出処理において、図1に示すように、実原動機の回転速度ωとパワートレインPTの回転速度ωとの差速度に、パワートレインPTと実原動機との間に存在することになるバネ要素の減衰係数DET(Nm/(rad/s))を乗算し、この乗算値と、差速度を積分した値に上述のねじり剛性KET(Nm/rad)を乗算した値とを加算することで、パワートレインPTに入力されるべき軸トルク指令T(Nm)を求めるように設定している。
トルク指令制御部C2は、トルク指令演算部C1で求めた軸トルク指令Tにトルク計TM1で検出された実トルクTrealを一致させるような原動機模擬ダイナモM1の慣性モーメントJに作用する内部トルク指令を制御して出力するものである。このトルク指令制御部C2は、自動トルク調整器(ATR:Automatic Torque Regulatorを用いて構成することが可能なものであり、本実施形態では、トルク指令演算部C1で求めた軸トルク指令Tと、トルク計TM1で検出された実トルクTrealがトルク指令制御部C2に入力されるように設定している。
インバータIVは、トルク指令制御部C2から入力された内部トルク指令に基づいてパワートレインPTに対する原動機模擬ダイナモM1の出力トルクを制御するものである。
そして、本実施形態のパワートレイン試験装置Xは、上述のインバータIVによるトルク制御に基づいて原動機模擬ダイナモM1の挙動を制御する環境下で、パワートレインPTの特性や性能を試験することができる。
次に、本実施形態に係るパワートレイン試験装置Xを用いたパワートレインPTの試験手順及び試験中の処理動作について説明する。
試験を実施する前に、試験対象であるトランスミッション等のパワートレインPTの入力軸を原動機模擬ダイナモM1の出力軸にトルク計TM1を介して接続し、この接続処理前または処理後にパワートレインPTに負荷を接続する。このような接続状態を維持して試験を実施する。
本実施形態に係るパワートレイン試験装置Xは、先ず、トルク指令演算部C1によってパワートレインPTに入力されるべき軸トルク指令Tを求める。具体的には、トルク指令演算部C1において、上述のトルク指令入力処理、合成トルク算出処理、実原動機回転速度算出処理、差速度算出処理、及び軸トルク指令T算出処理をこの順に実行することで、パワートレインPTに入力されるべき軸トルク指令Tを求める。次いで、本実施形態に係るパワートレイン試験装置Xは、トルク指令演算部C1によって算出した軸トルク指令Tをトルク指令制御部C2に入力し、トルク指令制御部C2によって、軸トルク指令Tにトルク計TM1で検出された実トルクTrealを一致させるような原動機模擬ダイナモM1の慣性モーメントJに作用する内部トルク指令を制御してインバータIVに出力する。続いて、本実施形態に係るパワートレイン試験装置Xは、インバータIVによって、トルク指令制御部C2から入力された内部トルク指令に基づき、パワートレインPTに対して原動機模擬ダイナモM1から出力するトルクの制御を行うことで、原動機模擬ダイナモM1の挙動を制御しながらパワートレインPTを駆動させて、パワートレインPTの特性や性能に関する試験を実施する。
このように、本実施形態に係るパワートレイン試験装置Xであれば、トルク指令演算部C1において、入力を受けた実原動機の慣性モーメントJに作用するトルク指令T及びトルク計TM1で検出された実トルクTrealの合成トルクと、実原動機の慣性モーメントJとに基づいて実原動機の回転速度ωを求め、この回転速度ωと速度検出部SMで検出したパワートレインの回転速度ωとの差速度と、パワートレインPTと実原動機との間に存在することになるバネ要素のねじり剛性KET及び減衰係数DETとに基づいてパワートレインPTに入力されるべき軸トルク指令Tを求めるとともに、トルク指令制御部C2において、軸トルク指令Tに実トルクTrealを一致させるような原動機模擬ダイナモM1の慣性モーメントJに作用する内部トルク指令を制御して出力し、インバータIVにおいて、トルク指令制御部C2から入力された内部トルク指令(軸トルク指令Tに実トルクTrealを一致させるような原動機模擬ダイナモM1の慣性モーメントJに作用する内部トルク指令)に基づいてパワートレインに対する原動機模擬ダイナモのトルク制御を行うように構成しているため、従来のように実原動機の慣性モーメントに作用するトルクそのものに基づくトルク指令に基づいてパワートレインに対するダイナモのトルク制御を行う構成ではなく、原動機模擬ダイナモM1の出力が、原動機模擬ダイナモM1の慣性モーメントJを反映させたものになるとともに、このような原動機模擬ダイナモM1の慣性モーメントJを反映させた原動機模擬ダイナモM1の出力を、トルク計TM1で検出する実トルクTrealとしてフィードバック制御しているため、原動機模擬ダイナモM1からパワートレインに作用するトルク(原動機模擬ダイナモM1の出力軸、つまりパワートレインPTの入力軸)を実原動機の挙動に合わせて高精度に模擬させることができる。
すなわち、本実施形態に係るパワートレイン試験装置Xは、パワートレインPTの入力軸に作用している実トルクTrealをリアルタイムで検出し、この実トルクTrealが軸トルク指令Tに一致するようにインバータIVからのトルク指令(トルク指令制御部C2からの出力指令に基づくトルク指令)をフィードバック制御する構成を採用し、模擬したいエンジン等の実原動機のモデルを試験装置Xの仮想空間に構築して、この実原動機(モデルであって実原動機でもある原動機)と供試体であるパワートレインPTの接続点に作用するトルクをリアルタイムにシミュレーションし、このトルクを指令としてパワートレインPTの入力軸をフィードバック制御する構成であるため、原動機模擬ダイナモM1の慣性モーメントJを実原動機の慣性モーメントJに合わせずとも、原動機模擬ダイナモM1からパワートレインPTに出力するトルクの挙動(原動機模擬ダイナモM1の出力軸から出力されるトルクの挙動、つまり、パワートレインPTの入力軸に入力されるトルクの挙動)を実原動機の挙動に合わせて高精度に模擬させることができる。
〈第2実施形態〉
第2実施形態に係るパワートレイン試験装置Xは、図2に示すように、上述の第1実施形態に係るパワートレイン試験装置Xと比較して、トルク指令演算部C1における合成トルクを求める処理内容が異なる。
具体的に、本実施形態にトルク指令演算部C1は、入力を受けた実原動機の慣性モーメントJに作用するトルク指令T(トルク指令入力処理で入力されるトルク指令T)と、パワートレインPTに入力されるべき計算された軸トルク指令Tの合成トルクと、実原動機の慣性モーメントJとに基づいて実原動機の回転速度ωを求め、この回転速度ωと速度検出部SMで検出したパワートレインPTの回転速度ωとの差速度と、パワートレインPTと実原動機との間に存在することになるバネ要素のねじり剛性KETとに基づいてパワートレインPTに入力されるべき軸トルク指令Tを求めるものである。つまり、第1実施形態のトルク指令演算部C1における合成トルク算出処理は、トルク指令入力処理で入力されるトルク指令Tと、パワートレインPTの入力軸から受ける反作用トルク(トルク検出トルクの正負の符号を反転させたトルク)との合成トルクを求める処理であったが、第2実施形態のトルク指令演算部C1における合成トルク算出処理は、トルク指令Tと、トルク指令演算部C1において求めたパワートレインPTに入力されるべき軸トルク指令Tとの合成トルクを求める処理である。
そして、このような処理を実施するトルク指令演算部C1では、合成トルクを生成するに際して、パワートレインPTの入力軸から受ける反作用トルクを考慮する必要がないため、パワートレインPTの入力軸から受ける反作用トルクをトルク計TM1からトルク指令演算部C1へ伝達するための信号線が不要になる。そして、信号線の数が減少するほどノイズが減少することから、第2実施形態は第1実施形態よりもノイズが減少する構成であるといえる。
また、パワートレインPTの入力軸から受ける反作用トルク、つまりトルク計TM1で検出するトルクと、トルク指令演算部C1において計算したパワートレインPTに入力されるべき軸トルク指令Tとの誤差は極めて狭い範囲であること、及びトルク指令入力処理、実原動機回転速度算出処理、差速度算出処理、軸トルク指令算出処理は第1実施形態の処理と同等又は準じた処理であり、軸トルク指令Tに実トルクTrealを一致させるような原動機模擬ダイナモM1の慣性モーメントJに作用する内部トルク指令を制御して出力するトルク指令制御部C2と、トルク指令制御部C2から入力された内部トルク指令に基づいてパワートレインPTに対するトルク制御を行うインバータIVとを備えた試験装置Xであることから、第1実施形態に係る試験装置Xと同様に、原動機模擬ダイナモM1の慣性モーメントJを実原動機の慣性モーメントJに合わせずとも、原動機模擬ダイナモM1からパワートレインPTに出力するトルクの挙動(原動機模擬ダイナモM1の出力軸、つまり、パワートレインPTの入力軸)を実原動機の挙動に合わせて高精度に模擬させることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した各実施形態では、トルク指令演算部C1の一例として、求めた実原動機の回転速度ωと速度検出部SMで検出したパワートレインPTの回転速度ωとの差速度と、パワートレインPTと実原動機との間に存在することになるバネ要素のねじり剛性KETと、パワートレインPTと実原動機との間に存在することになるバネ要素の減衰係数DETとに基づいて軸トルク指令を求める構成を列挙したが、トルク指令演算部C1が、差速度と、パワートレインPTと実原動機との間に存在することになるバネ要素のねじり剛性KETとに基づいて軸トルク指令を求めるものであってもよい。
また、本発明の試験装置の供試体であるパワートレインは、トランスミッションに限られず、原動機からの動力を伝達する部品や機構であれば特に限定されず、また車両のパワートレインの他、飛行機や船舶のパワートレインであっても構わない。
原動機模擬ダイナモの模擬対象となる実原動機としては、エンジンの他に、モータ(電動起)を挙げることができる。
さらに、負荷として、車輪やプロペラ(船舶であればスクリュープロペラ)等、適宜のものを採用することが可能である。
また、速度検出部は、パワートレインの回転速度ωを直接検出するものであってもよいし、間接的に検出するものであってもよい。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
C1…トルク指令演算部
C2…トルク指令制御部
IV…インバータ
M1…原動機模擬ダイナモ
TM1…トルク計
PT…パワートレイン
SM…速度検出部
X…パワートレイン試験装置

Claims (3)

  1. 負荷が接続されている供試体であるパワートレインを、模擬対象となる実原動機を模擬する原動機模擬ダイナモによって駆動してシミュレーション試験を行うパワートレイン試験装置であり、
    前記原動機模擬ダイナモと前記パワートレインとを接続するシャフトに関連付けて設けられるトルク計と、
    前記パワートレインの回転速度を検出する速度検出部と、
    入力を受けた前記実原動機の慣性モーメントに作用するトルク指令及び前記トルク計で検出された実トルクの合成トルクと、前記実原動機の慣性モーメントとに基づいて前記実原動機の回転速度を求め、少なくとも当該実原動機の回転速度と前記速度検出部で検出した前記パワートレインの回転速度との差速度と、前記パワートレインと前記実原動機との間に存在することになるバネ要素のねじり剛性とに基づいて前記パワートレインに入力されるべき軸トルク指令を求めるトルク指令演算部と、
    前記軸トルク指令に前記実トルクを一致させるような前記原動機模擬ダイナモの慣性モーメントに作用する内部トルク指令を制御して出力するトルク指令制御部と、
    前記トルク指令制御部から入力された前記内部トルク指令に基づいて前記パワートレインに対する前記原動機模擬ダイナモのトルク制御を行うインバータとを備えていることを特徴とするパワートレイン試験装置。
  2. 負荷が接続されている供試体であるパワートレインを、模擬対象となる実原動機を模擬する原動機模擬ダイナモによって駆動してシミュレーション試験を行うパワートレイン試験装置であり、
    前記原動機模擬ダイナモと前記パワートレインとを接続するシャフトに関連付けて設けられるトルク計と、
    前記パワートレインの回転速度を検出する速度検出部と、
    入力を受けた前記実原動機の慣性モーメントに作用するトルク指令及び前記パワートレインに入力されるべき計算された軸トルク指令の合成トルクと、前記実原動機の慣性モーメントとに基づいて前記実原動機の回転速度を求め、少なくとも当該実原動機の回転速度と前記速度検出部で検出した前記パワートレインの回転速度との差速度と、前記パワートレインと前記実原動機との間に存在することになるバネ要素のねじり剛性とに基づいて前記パワートレインに入力されるべき前記軸トルク指令を求めるトルク指令演算部と、
    前記軸トルク指令に前記軸トルク計で検出された実トルクを一致させるような前記原動機模擬ダイナモの慣性モーメントに作用する内部トルク指令を制御して出力するトルク指令制御部と、
    前記トルク指令制御部から入力された前記内部トルク指令に基づいて前記パワートレインに対する前記原動機模擬ダイナモのトルク制御を行うインバータとを備えていることを特徴とするパワートレイン試験装置。
  3. 前記トルク指令演算部が、前記差速度、前記バネ要素のねじり剛性及び前記バネ要素の減衰係数に基づいて前記軸トルク指令を求めるものである請求項1又は2に記載のパワートレイン試験装置。
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