JP6490438B2 - 回転電機の制御装置 - Google Patents

回転電機の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6490438B2
JP6490438B2 JP2015017880A JP2015017880A JP6490438B2 JP 6490438 B2 JP6490438 B2 JP 6490438B2 JP 2015017880 A JP2015017880 A JP 2015017880A JP 2015017880 A JP2015017880 A JP 2015017880A JP 6490438 B2 JP6490438 B2 JP 6490438B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winding
phase
rotating electrical
electrical machine
drive signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015017880A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016144291A (ja
Inventor
平田 勝弘
勝弘 平田
昇 新口
昇 新口
勇輝 大野
勇輝 大野
章 小原
章 小原
貞一郎 千葉
貞一郎 千葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Osaka University NUC
Original Assignee
Komatsu Ltd
Osaka University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsu Ltd, Osaka University NUC filed Critical Komatsu Ltd
Priority to JP2015017880A priority Critical patent/JP6490438B2/ja
Publication of JP2016144291A publication Critical patent/JP2016144291A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6490438B2 publication Critical patent/JP6490438B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
  • Synchronous Machinery (AREA)

Description

本発明は、回転電機及び回転電機の制御装置に関する。
電機子巻線と界磁巻線とを備えた電動機がある(例えば、特許文献1)。
特開2013−201869号公報
特許文献1に記載された発明は、電機子巻線と界磁巻線とを有しているので、特許文献1に記載された回転機を制御するための制御装置は、界磁用の回路と駆動用の回路とが必要になり、制御装置が複雑になる。また、回転電機は、パワーバンドを大きくしたいという要請がある。
本発明は、回転電機のパワーバンドを大きくすることを目的とする。
本発明は、回転軸を中心として放射状に突出する8×n個の突極を有し、かつ前記回転軸を中心として回転するローターと、前記回転軸と直交する方向における前記ローターの外側に配置されて前記ローターの周囲を取り囲む環状の構造体及び前記環状の構造体の周方向に沿って設けられた12×n個の巻線を有し、隣接する2個の前記巻線を巻線対として6×n個の前記巻線対を備えるステーターと、を含み、前記巻線には、前記ローターを駆動するための第1の駆動信号又は3×n次の界磁磁束を前記ステーターに発生させかつ前記周方向に沿って6×n個の前記巻線対にN極とS極とを交互に形成させるための界磁信号と前記ローターを駆動するための第2の駆動信号とが重畳された信号が供給される、回転電機である。nは1以上の整数である。
前記第1の駆動信号は、前記周方向に沿って3個おきに配置された4×n個の前記巻線を1つの巻線群として形成される3×n個の前記巻線群に、前記回転軸の周りを回転する回転磁界を発生させる信号であり、同相の前記第2の駆動信号は、前記巻線対が有する2個の前記巻線に入力され、かつ同相の前記第2の駆動信号が入力される前記巻線同士は巻方向が反対であることが好ましい。
前記界磁信号は、直流電圧又は交流電圧であることが好ましい。
本発明は、回転軸を中心として放射状に突出する8×n個の突極を有し、かつ前記回転軸を中心として回転するローターと、前記回転軸と直交する方向における前記ローターの外側に配置されて前記ローターの周囲を取り囲む環状の構造体及び前記環状の構造体の周方向に沿って設けられた12×n個の巻線を有し、隣接する2個の前記巻線を巻線対として6×n個の前記巻線対を備えるステーターと、を含む回転電機を制御する装置であって、前記ローターを駆動するために前記巻線に供給される第1の駆動信号の指令値を生成する第1信号生成部と、3×n次の界磁磁束を前記ステーターに発生させ、かつ前記周方向に沿って配置された6×n個の前記巻線対にN極とS極とを交互に形成させるための界磁信号と前記ローターを駆動するための第2の駆動信号とが重畳されて前記巻線に供給される合成駆動信号の指令値を生成する第2信号生成部と、を含む、回転電機の制御装置である。nは1以上の整数である。
前記回転電機の負荷を用いて、前記第1の駆動信号の指令値と前記合成駆動信号の指令値とを切り替えて前記巻線に供給する切替部を有することが好ましい。
前記第2信号生成部は、前記巻線を流れる電流から、前記界磁信号によって前記巻線に流れるオフセット電流を減算して得られた電流である参照電流を求め、得られた前記参照電流を3相一組とした2つの群に分けて、それぞれの群に対して前記参照電流に基づいて、前記第2の駆動信号を生成するための指令値を生成することが好ましい。
前記オフセット電流は、前記ステーターに界磁磁束を発生させるための電圧を、前記巻線の抵抗値で除した値であることが好ましい。
前記オフセット電流は、前記制御装置による制御の1周期前に前記巻線を流れた電流の平均値であることが好ましい。
前記オフセット電流は、前記制御装置による制御の1周期前に前記巻線を流れた電流の最大値と最小値とを加算した値の1/2であることが好ましい。
本発明は、回転電機のパワーバンドを大きくすることができる。
図1は、実施形態に係る回転電機を、その回転軸を通りかつ回転軸を含む平面で切った断面図である。 図2は、実施形態に係る回転電機が備える巻線の配線を示す図である。 図3は、実施形態に係る回転電機が備える巻線の配線を示す図である。 図4は、第1の駆動信号の一例を示す図である。 図5は、第2の駆動信号及び界磁信号の一例を示す図である。 図6は、実施形態に係る回転電機のステーターを展開した図である。 図7は、実施形態に係る回転電機のステーターの突極が発生する起磁力とステーターの周方向における突極の中心角との関係を示す図である。 図8は、実施形態に係る回転電機のステーターの突極が発生する起磁力を高速フーリエ変換した結果を示す図である。 図9は、回転電機の巻線に第1駆動電圧又は合成駆動信号を供給した場合の回転速度とトルクとの関係の一例を示す図である。 図10は、実施形態に係る回転電機の回転速度とトルクとの関係の一例を示す図である。 図11は、実施形態に係る回転電機及びこの回転電機を制御する回転電機の制御装置を示す図である。 図12は、制御部を説明するための図である。 図13は、実施形態の変形例に係る回転電機の制御方法の制御ブロック図である。 図14は、実施形態に係る回転電機を制御する制御部を示す図である。 図15は、回転電機に流れる制御電流と時間との関係を示す図である。 図16は、実施形態に係る回転電機を制御部で制御した場合のトルク及び制御部で制御した場合のトルクと時間tの関係を示す図である。 図17は、実施形態に係る回転電機1を制御部で制御した場合の制御電流Ic及び制御部で制御した場合の制御電流と時間との関係を示す図である。 図18は、変形例に係る回転電機が備える巻線の配線を示す図である。 図19は、変形例に係る回転電機が備える巻線の配線を示す図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
<回転電機の構造>
図1は、実施形態に係る回転電機1を、その回転軸Zrを通りかつ回転軸Zrを含む平面で切った断面図である。図2及び図3は、実施形態に係る回転電機1が備える巻線3Cの配線を示す図である。回転電機1は、ローター2と、ステーター3とを含む。ローター2は、回転軸Zrを中心として回転する。ローター2は、本体部2Bと、複数の突極2Tとを有する。複数の突極2Tは、本体部2Bの表面2BSから、回転軸Zrと直交する方向に突出する。実施形態において、ローター2は、複数、より具体的には8個の突極2Tを備える。ローター2は、例えば、電磁鋼板を積層して製造される。8個の突極2Tは、回転軸Zrを中心として、回転軸Zrと直交する方向に、放射状に突出する。
ステーター3は、ローター2の径方向外側、すなわち回転軸Zrと直交する方向におけるローター2の外側に配置されてローター2の周囲を取り囲む環状の構造体としてのステーターコア3Kと、この構造体に取り付けられた複数の巻線3Cとを有する。ステーターコア3Kは、環状のヨーク3Yと、ヨーク3Yの内側、すなわちローター2側に設けられた複数の突極3Tとを有する。複数の突極3Tは、ヨーク3Yの周方向に沿って設けられる。隣接する突極3Tの間はスロット3Sであり、ここに巻線3Cが設けられる。実施形態において、複数の巻線3Cは突極3T及びスロット3Sに集中巻されているが、巻線3Cは分布巻であってもよい。ステーターコア3Kは、例えば、電磁鋼板を積層して製造される。
巻線3Cを形成する電線は導体であり、例えば、銅線又はアルミニウム線等が用いられる。ステーター3は、巻線3Cが突極3Tに巻き回された構造体が樹脂でモールドされてもよい。このようにすることで、構造体と巻線とを一体にすることができるので、ステーター3の取り扱いが容易になる。
巻線3Cは、それぞれの突極3Tに巻き回され、スロット3Sに設けられる。実施形態において、ステーター3は、複数、より具体的には12個の巻線3Cを備える。12個の巻線3Cは、環状の構造体、より具体的にはヨーク3Yの周方向に沿って設けられる。以下において、12個の巻線3Cを区別する場合は、3C1、3C2等のように符号3Cの後に数字を付して表す。
回転電機1は、電機子巻線としての巻線3Cが作る磁界によってローター2を回転させる、SRM(Switched Reluctance Motor)として機能する。回転電機1の巻線3Cは、ローター2を駆動するための第1の駆動信号が入力される。第1の駆動信号は、ローター2を3相の回転電機、具体的には3相のSRMとして駆動させるための信号である。
回転電機1は、界磁巻線としての巻線3Cが作る磁界をローター2の磁極である突極2Tで変調し、電機子巻線としての巻線3Cが作る磁界と同期させてローター2を回転させることもできる。実施形態において、回転電機1の巻線3Cは、電機子巻線と界磁巻線とが共通となっているので、複数の巻線3Cは、ステーター3に界磁磁束を発生させるための界磁信号とローター2を駆動するための第2の駆動信号とが重畳されて入力される。界磁信号と第2の駆動信号とが重畳された信号を、適宜合成駆動信号と称する。第2の駆動信号は、回転電機1を3相の回転電機として駆動させるための信号である。回転電機1は、合成駆動信号が与えられることにより、簡易な機器で界磁磁束及び電機子の磁束の両方が制御される。
図1中の符号α、β、γ、符号A、B、C、D、E、F及び符号U、V、Wは、それぞれの巻線3Cの相を表す。相を表す符号に付される+及び−は、巻線3Cの相が生成する磁束の方向を示す。実施形態においては、便宜上+をN極とし、−をS極とするが、+がS極、−がN極であってもよい。第1の駆動信号は、回転電機1のα相と、β相と、γ相とに入力される電気信号である。α相、β相及びγ相は、回転電機1がSRMとして動作するときに第1の駆動信号が入力される相である。界磁信号は、回転電機1のA相と、B相と、C相と、D相と、E相と、F相とに入力される電気信号である。第2の駆動信号は、回転電機1のU相と、V相と、W相とに入力される電気信号である。
実施形態において、A相は巻線3C1及び3C7、B相は巻線3C4及び3C10、C相は巻線3C5及び3C11、D相は巻線3C8及び3C2、E相は巻線3C9及び3C3、F相は巻線3C12及び3C6である。実施形態において、A相からF相のそれぞれの相に対応する複数(実施形態では2個)の巻線3Cは、それぞれ並列に接続されている。
図1に示されるように、複数の巻線3C1から3C12は、ステーター3の周方向に沿って、+A相(+U相又は+α相)、−D相(−U相又は−β相)、−E相(−V相又は−γ相)、+B相(+V相又は+α相)、+C相(+W相又は+β相)、−F相(−W相又は−γ相)、−A相(−U相又は−α相)、+D相(+U相又は+β相)、+E相(+V相又は+γ相)、−B相(−V相又は−α相)、−C相(−W相又は−β相)、+F相(+W相又は+γ相)の順に配置される。
<第1の駆動信号により回転電機1がSRMとしてとして動作する場合>
ステーター3の周方向に沿って3個おきに配置された4個の巻線3Cを1つの巻線群とすると、回転電機1は、3個の巻線群を有する。実施形態において、図2に示されるように、回転電機1は、4個の巻線3C1、3C4、3C7、3C10を有する巻線群3G1と、4個の巻線3C2、3C5、3C8、3C11を有する巻線群3G2と、4個の巻線3C3、3C6、3C9、3C12を有する巻線群3G3とを有する。以下において、3個の巻線群3G1、3G2、3G3を区別しない場合、巻線群3Gと称する。第1の駆動信号は、3個の巻線群3G1、3G2、3G3に、回転軸Zrの周りを回転する回転磁界を発生させる信号である。
実施形態において、巻線群3G1は、巻線3C1と巻線3C7とが並列に接続され、巻線3C4と巻線3C10とが並列に接続され、さらに、並列接続された巻線3C1及び巻線3C7と巻線3C4及び巻線3C10とが直列に接続される。巻線群3G2は、巻線3C5と巻線3C11とが並列に接続され、巻線3C8と巻線3C2とが並列に接続され、さらに、並列接続された巻線3C5及び巻線3C11と巻線3C8及び巻線3C2とが直列に接続される。巻線群3G3は、巻線3C9と巻線3C3とが並列に接続され、巻線3C12と巻線3C6とが並列に接続され、さらに、並列接続された巻線3C9及び巻線3C3と巻線3C12及び巻線3C6とが直列に接続される。
実施形態において、巻線群3G1は、巻線3C1と巻線3C7と巻線3C4と巻線3C10とが並列に接続され、巻線群3G2は、巻線3C5と巻線3C11と巻線3C8と巻線3C2とが並列に接続され、巻線群3G3は、巻線3C9と巻線3C3と巻線3C12と巻線3C6とが並列に接続されてもよい。
回転電機1がSRMとして動作する場合、巻線群3G1はSRMのα相であり、巻線群3G2はSRMのβ相であり、巻線群3G3はSRMのγ相である。巻線群3G1、3G2、3G3は、図2に示されるように、一端に第1の駆動信号である第1駆動電圧Vsが印加され、他端がGNDと接続される。すなわち、巻線群3G1、3G2、3G3は、一端が入力端であり、他端が接地端である。
図4は、第1の駆動信号の一例を示す図である。実施形態において、第1の駆動信号は、時間とともに周期的に方向が変化する電気信号であり、回転電機1のα相に対応する巻線3Cと、β相に対応する巻線3Cと、γ相に対応する巻線3Cとに供給される。第1の駆動信号は、α相とβ相とγ相とで、位相がずれている。第1駆動信号の振幅を変更することにより、回転電機1のローター2が発生するトルクが変化する。
実施形態において、第1の駆動信号は、図4に示されるように、ある周期で電圧Vtが変化する電気信号である。第1の駆動信号は、ある周期で電圧Vtが変化する電気信号に限定されるものではなく、ある周期で変化する電流であってもよい。以下において、第1の駆動信号を適宜第1駆動電圧Vsと称する。第1駆動電圧Vsは、図4において説明の便宜上正弦波として表されているが、矩形波又は三角波であってもよいし、ある周期で変化する電気信号を複数合成したものであってもよいし、ある周期で変化する複数又は単数の電気信号と直流の電気信号とを合成したものであってもよい。
実施形態において、α相に供給される第1駆動電圧Vsを第1駆動電圧Vsα、β相に供給される第1駆動電圧Vsを第1駆動電圧Vsβ、γ相に供給される第1駆動電圧Vsを第1駆動電圧Vsγと表現して区別する。α相、β相及びγ相に供給される第1駆動電圧Vsを区別する必要がない場合、単に第1駆動電圧Vsと表現する。
第1駆動電圧Vsαは、回転電機1のα相を形成する複数の巻線3C、すなわち図2に示される巻線3C1、3C7、3C4、3C10に供給される。第1駆動電圧Vsβは、回転電機1のβ相を形成する複数の巻線3C、すなわち図2に示される巻線3C5、3C11、3C8、3C2に供給される。第1駆動電圧Vsγは、回転電機1のγ相を形成する複数の巻線3C、すなわち図2に示される巻線3C9、3C3、3C12、3C6に供給される。
<第2の駆動信号及び界磁信号>
図5は、第2の駆動信号及び界磁信号の一例を示す図である。実施形態において、第2の駆動信号は、時間とともに周期的に方向が変化する電気信号、すなわち交流信号である。前述したように、第2の駆動信号は、回転電機1のU相に対応する巻線3Cと、V相に対応する巻線3Cと、W相に対応する巻線3Cと、に供給される。第2の駆動信号は、U相とV相とW相とで、位相がずれている。第2の駆動信号の周期を変更することにより、回転電機1のローター2の回転速度が変化する。第2駆動信号の振幅を変更することにより、回転電機1のローター2が発生するトルクが変化する。
実施形態において、第2の駆動信号は、図5に示されるように、ある周期で電圧Vtが変化する電気信号である。第2の駆動信号は、ある周期で電圧Vtが変化する電気信号に限定されるものではなく、ある周期で変化する電流であってもよい。以下において、第2の駆動信号を適宜第2駆動電圧Vu、Vv、Vwと称する。図5において、第2駆動電圧Vu、Vv、Vwは、説明の便宜上正弦波としているが、矩形波又は三角波であってもよいし、ある周期で変化する電気信号を複数合成したものであってもよいし、ある周期で変化する複数又は単数の電気信号と直流の電気信号とを合成したものであってもよい。
実施形態において、回転電機1のU相に供給される第2の駆動信号は第2駆動電圧Vu、V相に供給される第2の駆動信号は第2駆動電圧Vv、W相に供給される第2の駆動信号は第2駆動電圧Vwである。界磁信号は、回転電機1に界磁磁束を発生させるための電気信号である。実施形態において、界磁信号は界磁電圧+VF又は界磁電圧−VFである。界磁電圧+VF、−VFは、直流電圧である。界磁電圧+VF、−VFは直流電圧には限定されず、交流電圧であってもよい。実施形態において、回転電機1には、第2の駆動信号である第2駆動電圧Vu、Vv、Vwと界磁信号である界磁電圧+VF又は界磁電圧−VFとが重畳された合成駆動信号が供給される。
<回転電機1に合成駆動信号が供給される場合>
ステーター3の隣接する2個の巻線3C、3Cを巻線対とすると、図1に示されるように、6個の巻線対7a、7b、7c、7d、7e及び7fが形成される。巻線対7aは、隣接する2個の巻線3C1及び巻線3C12であり、巻線対7bは隣接する2個の巻線3C2、巻線3C3であり、巻線対7cは隣接する2個の巻線3C4、巻線3C5であり、巻線対7dは隣接する2個の巻線3C6、巻線3C7であり、巻線対7eは隣接する2個の巻線3C8、巻線3C9であり、巻線対7fは隣接する2個の巻線3C10、巻線3C11である。
回転電機1が動作している、あるタイミングにおいて、巻線対7a、7c及び7eは、これらを形成する巻線3Cがいずれも+の相であり、N極を形成する。回転電機1が動作しているあるタイミングにおいて、巻線対7b、7d及び7fは、これらを形成する巻線3Cがいずれも−の相であり、S極を形成する。このため、回転電機1が動作しているあるタイミングにおいて、6個の巻線対7a、7b、7c、7d、7e及び7fは、巻線3Cに印加される界磁信号によって、ステーター3の周方向に沿って、N極とS極とを交互に形成する。
A相に対応する巻線3C1、3C7及びD相に対応する巻線3C2、3C8には、回転電機1を3相の回転電機として駆動するために用いられる第2の駆動信号のU相が入力される。B相に対応する巻線3C4、3C10及びE相に対応する巻線3C3、3C9には、回転電機1を3相の回転電機として駆動するために用いられる第2の駆動信号のV相が入力される。また、C相に対応する巻線3C5、3C11及びF相に対応する巻線3C6、3C12には、回転電機1を3相の回転電機として駆動するために用いられる第2の駆動信号のW相が入力される。
(1)A相及びU相に対応する巻線3C1及び巻線3C7には、第2の駆動信号のU相に対応する第2の駆動信号である第2駆動電圧Vuと、回転電機1に界磁磁束を発生させるための界磁信号として界磁電圧+VFとが重畳されて供給される。
(2)B相及びV相に対応する巻線3C4及び巻線3C10には、第2の駆動信号のV相に対応する第2の駆動信号である第2駆動電圧Vvと、回転電機1に界磁磁束を発生させるための界磁信号として界磁電圧−VFとが重畳されて供給される。
(3)C相及びW相に対応する巻線3C5及び巻線3C11には、第2の駆動信号のW相に対応する第2の駆動信号である第2駆動電圧Vwと、回転電機1に界磁磁束を発生させるための界磁信号として界磁電圧+VFとが重畳されて供給される。
(4)D相及びU相に対応する巻線3C2及び巻線3C8には、第2の駆動信号のU相に対応する第2の駆動信号である2駆動電圧Vuと、回転電機1に界磁磁束を発生させるための界磁信号として界磁電圧−VFとが重畳されて供給される。
(5)E相及びV相に対応する巻線3C3及び巻線3C9には、第2の駆動信号のV相に対応する第2の駆動信号である第2駆動電圧Vvと、回転電機1に界磁磁束を発生させるための界磁信号として界磁電圧+VFとが重畳されて供給される。
(6)F相及びW相に対応する巻線3C6及び巻線3C12には、第2の駆動信号のW相に対応する第2の駆動信号である第2駆動電圧Vwと、回転電機1に界磁磁束を発生させるための界磁信号として界磁電圧−VFとが重畳されて供給される。
回転電機1は、図1に示されるように、同相の第2の駆動信号が入力される巻線3C同士が隣接して配置される。具体的には、U相の第2の駆動信号が入力される、A相に対応する巻線3C1とD相に対応する巻線3C2とが隣接し、同様にA相に対応する巻線3C7とD相に対応する巻線3C8とが隣接する。V相の第2の駆動信号が入力される、E相に対応する巻線3C3とB相に対応する巻線3C4とが隣接し、同様にE相に対応する巻線3C9とB相に対応する巻線3C10とが隣接する。W相の第2の駆動信号が入力される、C相に対応する巻線3C5とF相に対応する巻線3C6とが隣接し、同様にC相に対応する巻線3C11とF相に対応する巻線3C12とが隣接する。
図3中の矢印R1及び矢印R2は、巻線3Cのステーター3の突極3Tに対する巻方向を示している。図3から分かるように、矢印R1と矢印R2とは、方向が反対になっている。図3に示されるように、A相に対応する巻線3C1と巻線3C7とは、巻方向が反対になっている。B相に対応する巻線3C4と巻線3C10とは、巻方向が反対になっている。C相に対応する巻線3C5と巻線3C11とは、巻方向が反対になっている。D相に対応する巻線3C2と巻線3C8とは、巻方向が反対になっている。E相に対応する巻線3C3と巻線3C9とは、巻方向が反対になっている。F相に対応する巻線3C6と巻線3C12とは、巻方向が反対になっている。
周方向に隣接するA相の巻線3C1とD相の巻線3C2とは、U相の第2の駆動信号が入力されるが、ステーター3の突極3Tに対する巻方向が反対になっている。周方向に隣接するA相の巻線3C1は、F相の巻線3C12とともに巻線対7aを形成する。巻線対7aは+なので、巻線3C1は+の相となり、巻線3C1に隣接し、かつ巻線3C1とは巻方向が反対となる巻線3C2は−の相になる。このため、巻線3C1及び巻線3C2にU相の駆動信号が入力されると、巻線3C1は+U相及び+A相となり、巻線3C2は−U相及び−D相になる。
周方向に隣接するE相の巻線3C3とB相の巻線3C4とは、V相の第2の駆動信号が入力されるが、ステーター3の突極3Tに対する巻方向が反対になっている。周方向に隣接するE相の巻線3C3は、D相の巻線3C2とともに巻線対7bを形成する。巻線対7bは−なので、巻線3C3は−の相となり、巻線3C3に隣接し、かつ巻線3C3とは巻方向が反対となる巻線3C4は+の相になる。このため、巻線3C3及び巻線3C4にV相の駆動信号が入力されると、巻線3C3は−V相及び−E相となり、巻線3C4は+V相及び+B相になる。
周方向に隣接するC相の巻線3C5とF相の巻線3C6とは、W相の第2の駆動信号が入力されるが、ステーター3の突極3Tに対する巻方向が反対になっている。周方向に隣接するC相の巻線3C5は、B相の巻線3C4とともに巻線対7cを形成する。巻線対7cは+なので、巻線3C5は+の相となり、巻線3C5に隣接し、かつ巻線3C5とは巻方向が反対となる巻線3C6は−の相になる。このため、巻線3C5及び巻線3C6にW相の駆動信号が入力されると、巻線3C5は+W相及び+C相となり、巻線3C6は−W相及び−F相になる。
周方向に隣接するA相の巻線3C7とD相の巻線3C8とは、U相の第2の駆動信号が入力されるが、ステーター3の突極3Tに対する巻方向が反対になっている。周方向に隣接するA相の巻線3C7は、F相の巻線3C6とともに巻線対7dを形成する。巻線対7dは−なので、巻線3C7は−の相となり、巻線3C7に隣接し、かつ巻線3C7とは巻方向が反対となる巻線3C8は+の相になる。このため、巻線3C7及び巻線3C8にU相の駆動信号が入力されると、巻線3C7は−U相及び−A相となり、巻線3C8は+U相及び+D相になる。
周方向に隣接するE相の巻線3C9とB相の巻線3C10とは、V相の第2の駆動信号が入力されるが、ステーター3の突極3Tに対する巻方向が反対になっている。周方向に隣接するE相の巻線3C9は、D相の巻線3C8とともに巻線対7eを形成する。巻線対7eは+なので、巻線3C9は+の相となり、巻線3C9に隣接し、かつ巻線3C9とは巻方向が反対となる巻線3C10は−の相になる。このため、巻線3C9及び巻線3C10にV相の駆動信号が入力されると、巻線3C9は+V相及び+E相となり、巻線3C10は−V相及び−B相になる。
周方向に隣接するC相の巻線3C11とF相の巻線3C12とは、W相の第2の駆動信号が入力されるが、ステーター3の突極3Tに対する巻方向が反対になっている。周方向に隣接するC相の巻線3C11は、B相の巻線3C10とともに巻線対7fを形成する。巻線対7fは−なので、巻線3C11は−の相となり、巻線3C11に隣接し、かつ巻線3C11とは巻方向が反対となる巻線3C12は+の相になる。このため、巻線3C11及び巻線3C12にW相の駆動信号が入力されると、巻線3C11は−W相及び−C相となり、巻線3C12は+W相及び+F相になる。
実施形態において、同相の第2の駆動信号は、隣接する巻線3Cに入力される。同相の第2の駆動信号が入力される巻線3C同士は、ステーター3の突極3Tの巻方向が反対になっている。このような構造により、回転電機1は、巻線3Cに界磁信号が入力されると、3次の界磁磁束を発生する。より具体的には、回転電機1のステーター3が有する12個の巻線3Cにより形成される6個の巻線対7aから7fが、3次の界磁磁束を発生する。また、回転電機1は、12個の巻線3Cにより形成される6個の巻線対7aから7fが作る界磁磁界を、ローター2が有する8個の突極2Tで変調して、5次の高調波磁束を回転磁界として発生させる。この回転磁界により、ローター2が回転する。
<合成駆動信号が供給された回転電機1の動作>
図6は、実施形態に係る回転電機1のステーター3を展開した図である。図7は、実施形態に係る回転電機1のステーター3の突極3Tが発生する起磁力EFとステーター3の周方向における突極3Tの中心角φとの関係を示す図である。図8は、実施形態に係る回転電機1のステーター3の突極3Tが発生する起磁力EFを高速フーリエ変換した結果を示す図である。図8の横軸は起磁力EFの次数DNである。U相を流れる電流とV相を流れる電流とW相を流れる電流との比は、1:−0.5:−0.5になる。ステーター3のスロット3S、突極3T1から3T12及び巻線3C1から3C12はいずれも12個なので、それぞれの突極3T1、3T2、・・・3T12の、ステーター3の周方向における範囲に対応する中心角φは30度になる。
各突極3T1、3T2、・・・3T12の起磁力EFの分布は、図7に示されるようになる。各突極3T1、3T2、・・・3T12の起磁力EFを高速フーリエ変換したときの起磁力EFのスペクトル分布は、図8に示すようになる。図8の結果から、突極3T1、3T2、・・・3T12の起磁力EFは、DN=5、すなわち5次が主成分であることが分かる。すなわち、回転電機1のステーター3の巻線3Cに3相の駆動信号を入力すると、5次の回転磁界が発生することが理解できる。回転電機1は、12個の巻線3Cにより形成される6個の巻線対7aから7fが作る界磁磁界を、ローター2が有する8個の突極2Tで変調して、5次の高調波磁束を生成する。この高調波磁束と、ステーター3による5次の回転磁界とが同期して、回転電機1のローター2が回転する。
実施形態において、回転電機1は、第1駆動電圧Vsが供給されることによりSRMとして動作するとともに、合成駆動信号が供給されることによっても動作する。以下において、第1駆動電圧Vsによって回転電機1が動作する動作モードを適宜第1動作モードと称し、合成駆動信号によって回転電機1が動作する動作モードを適宜第2動作モードと称する。
図9は、回転電機1の巻線3Cに第1駆動電圧Vs又は合成駆動信号を供給した場合の回転速度NとトルクTとの関係の一例を示す図である。図9に示される例において、回転電機1に第1駆動電圧Vsが供給されたときのトルクTと回転速度Nとの関係はSRで示され、回転電機1に合成駆動信号が供給されたときのトルクTと回転速度Nとの関係は実線で示される。VF1からVF6は、合成駆動信号の界磁電圧VFである。VF1、VF2、VF3、VF4、VF5、VF6の順に、界磁電圧VFは大きくなる。
第1駆動電圧Vsが回転電機1に供給される場合は、回転電機1は第1動作モードで動作する場合である。この場合、回転電機1はSRMとして動作し、回転速度Nの増加とともにトルクTが減少する。第1動作モードにおいて、回転電機1がSRMとして動作する場合、回転電機1は、相対的に回転速度Nが高くかつ相対的にトルクTが低い領域で効率が高い。すなわち、回転電機1は、SRMとして動作する場合、相対的に高い回転速度Nでの運転に適している。前述した効率とは、回転電機1に入力される電力に対する回転電機1の出力の割合である。回転電機1の損失は、銅損及び鉄損である。
合成駆動信号が回転電機1に供給される場合、回転電機1は第2動作モードで動作する。この場合、回転電機1は、界磁電圧VFが一定であれば回転速度Nの増加とともにトルクTが減少する。合成駆動信号の界磁電圧VFを増加させると、回転電機1は、同じ回転速度Nにおいて、トルクTが上昇する。また、界磁電圧VFを変化させると、回転速度Nに対するトルクTの変化の仕方も異なる。具体的には、回転電機1の界磁電圧VFを上昇させると、N−T曲線の傾きが急峻になる。すなわち、回転電機1は、より低回転速度で高トルクを発生する特性になる。このように、回転電機1は、合成駆動信号が供給される場合、相対的に低い回転速度Nでの運転に適している。
実施形態では、界磁電圧VFを最大VF6としているが、界磁電圧VF6をさらに大きくすることで、回転電機1は、さらに低回転速度で高トルクを発生する特性になると考えられる。結果として、回転電機1は、図9中にVMで示されるトルクT及び回転速度Nの領域で動作することが可能になると予想される。
図10は、実施形態に係る回転電機1の回転速度NとトルクTとの関係の一例を示す図である。実施形態に係る回転電機1は、第1駆動電圧Vs又は合成駆動信号を供給することによって、第1駆動電圧Vsによる駆動の利点と、合成駆動信号による駆動の利点とを両立することができる。すなわち、回転電機1は、第1駆動電圧Vsによって駆動されることによって、相対的に高い回転速度Nの領域での運転が実現できるとともに、合成駆動信号によって駆動されることによって、相対的に低い回転速度Nかつ相対的に高いトルクTを要求される領域での運転も実現できる。
図10のTLで示される破線は、回転電機1に要求される等出力線であり、回転電機1が発生する出力が一定となる回転速度NとトルクTとの関係を示している。この等出力線を、以下においては適宜等出力線TLと称する。等出力線TLは、回転電機1の回転速度Nが相対的に低い場合には高いトルクTが要求される特性となっている。図10のSRで示される実線は、回転電機1がSRMとして動作するときにおける等出力線である。この等出力線を、以下においては適宜等出力線SRと称する。等出力線TLと等出力線SRとは、いずれも回転電機1が同一の出力を発生するときにおける回転速度NとトルクTとの関係を示している。
図10のVM1、VM2及びVM3で示されるシンボルは、回転電機1が合成駆動信号によって駆動されたときの回転速度N及びトルクTを示している。VM1及びVM2は、合成駆動信号によって駆動される回転電機1は、回転速度N3と回転速度N4との間で、回転電機1がSRMとして動作するときよりも高いトルクを発生していることを示している。回転電機1に供給される合成駆動信号の界磁電圧VFを低くすることにより、回転電機1は、回転速度Nを回転速度N3よりも低い回転速度Nで、VM1又はVM2と同一のトルクTを発生することができる。このため、回転電機1は、合成駆動信号が供給されて第2動作モードで動作することにより、等出力線TL上での動作を実現できる。
回転電機1に、等出力線TLで示されるような特性が要求される場合、回転電機1がSRMとして動作すると、相対的に回転速度Nが低い領域、具体的には回転速度N3以下の領域においてトルクTが不足する。このため、回転電機1は、回転速度N3よりも高い領域では第1駆動電圧Vsによって第1動作モードでSRMとして動作し、回転速度N3以下の領域では合成駆動信号によって第2動作モードで動作する。このようにすることで、回転電機1は、等出力線TLの特性を実現することができる。
回転電機1が第1動作モードで動作、すなわちSRMとして動作すると、回転電機1は、回転速度N3から回転速度N8までの領域(PBSで示される部分)において等出力線TLで示される特性を実現できるが、回転速度N3以下の領域においては等出力線TLの特性を実現できない。合成駆動信号によって回転電機1が第2動作モードで動作することにより、回転電機1は、回転速度N2よりもやや低い回転速度N2’の領域(PBVで示される部分)まで、等出力線TLの特性を実現できる。
回転電機1が、ある出力を実現できる最大回転速度と最低回転速度との比を回転電機1のパワーバンドとする。回転電機1がSRMとして動作する場合、すなわち第1動作モードで動作する場合、パワーバンドはN8/N3である。回転電機1が、第1動作モード及び第2動作モードで動作する場合、パワーバンドはN8/N2’となる。N2>N2’なので、回転電機1は、第1動作モード及び第2動作モードで動作すると、第1動作モードのみで動作する場合と比較してパワーバンドが大きくなる。
<回転電機の制御装置>
図11は、実施形態に係る回転電機1及びこの回転電機1を制御する回転電機の制御装置を示す図である。図11中の回転電機1は、図1に示した巻線3Cを省略してある。回転電機1は、制御部103とインバーター105とによって制御される。制御部103は、回転電機の制御装置に相当する。制御部103は、回転電機1に界磁磁束を発生させて、回転電機1を3相の回転電機として駆動するための指令値を生成する。インバーター105は、制御部103によって生成された制御信号によって動作し、直流電源107から供給された直流電力から第1の駆動信号である第1駆動電圧Vs又は第2の駆動信号を含む合成駆動信号を生成する。
インバーター105は、図1及び図3に示されるそれぞれの巻線3C1から3C12に、界磁磁束を発生させるための界磁信号である界磁電圧+VF、−VFと、ローター2を3相の回転電機として駆動するための駆動信号である駆動電圧Vu、Vv、Vwとが重畳された合成駆動信号である制御電圧を印加する。回転電機1を制御するインバーター105は、6相のインバーターであり、12個のスイッチング素子106A1、106B1、106C1、106D1、106E1、106F1、106A2、106B2、106C2、106D2、106E2、106F2によってフルブリッジが形成されている。スイッチング素子106A1から106F2の種類は問わないが、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が用いられる。制御部103によって生成された制御信号は、インバーター105が備える各スイッチング素子106A1から106F2のゲートに入力される。
図12は、制御部103を説明するための図である。制御部103は、第1信号生成部103Fと、第2信号生成部103Sとを含む。実施形態において、制御部103は、さらに切替部120を有する。第1信号生成部103Fは、図1に示されるローター2を駆動するために巻線3Cに供給される第1の駆動信号、すなわち第1駆動電圧Vsの指令値vsを生成する。
第1信号生成部103Fは、第1駆動電圧Vsの指令値vsをインバーター105に入力する。指令値vsがインバーター105に入力されると、インバーター105は、巻線3C1、3C7、3C4、3C10に図4に示される第1駆動電圧Vsαを供給し、巻線3C5、3C11、3C8、3C12に図4に示される第1駆動電圧Vsβを供給し、巻線3C9、3C3、3C12、3C6に図4に示される第1駆動電圧Vsγを供給する。
インバーター105は、巻線3C1、3C7、3C4、3C10に第1駆動電圧Vsαを供給する場合、スイッチング素子106A1及びスイッチング素子106B2をONとし、スイッチング素子106A2及びスイッチング素子106B1をOFFにする。インバーター105は、巻線3C5、3C11、3C8、3C12に第1駆動電圧Vsβを供給する場合、スイッチング素子106C1及びスイッチング素子106D2をONとし、スイッチング素子106C2及びスイッチング素子106D1をOFFにする。インバーター105は、巻線3C9、3C3、3C12、3C6に第1駆動電圧Vsγを供給する場合、スイッチング素子106E1及びスイッチング素子106F2をONとし、スイッチング素子106E2及びスイッチング素子106F1をOFFにする。
第2信号生成部103Sは、PI(比例及び積分)制御部110と、3相逆dq変換部111と、3相dq変換部112と、界磁電圧生成部113と、目標d軸電流生成部114と、目標q軸電流生成部115とを含む。PI制御部110は、インバーター105によって回転電機1に供給されるU相、V相及びW相の電流が、目標d軸電流生成部114によって生成された目標d軸電流Idt及び目標q軸電流生成部115によって生成された目標q軸電流Iqtとなるように、d軸電流及びq軸電流の電流指令値を生成する。
3相dq変換部112は、インバーター105から回転電機1に供給されるU相、V相及びW相の電流Iu、Iv、Iwを、d軸電流Id及びq軸電流Iqにdq変換する。dq変換において、3相dq変換部112は、図1に示される回転電機1のローター2の回転角度θrを用いる。出力シャフト4は、図1に示されるローター2に連結されているので、出力シャフト4の回転角度は、ローター2の回転角度θrとなる。出力シャフト4の回転角度は、回転電機1の出力シャフト4の回転角度を検出する回転角度センサ5によって検出される。
PI制御部110は、3相dq変換部112によって変換された、回転電機1のd軸電流Id及びq軸電流Iqを取得し、目標d軸電流Idtとd軸電流Idとの偏差及び目標q軸電流Iqtとq軸電流Iqとの偏差がそれぞれ0になるように、電圧指令値を生成する。3相逆dq変換部111は、PI制御部110によって生成された電圧指令値を逆dq変換してU相の電圧指令値vu、V相の電圧指令値vv及びW相の電圧指令値vwを生成する。逆dq変換において、3相逆dq変換部111は、ローター2の回転角度θrを用いる。U相の電圧指令値vu、V相の電圧指令値vv及びW相の電圧指令値vwは、図1に示されるローター2を駆動するための第2の駆動信号である第2駆動電圧Vu、Vv、Vwを生成するための指令値である。
界磁電圧生成部113は、回転電機1に界磁磁束を発生させるために必要な界磁電圧VFの指令値を生成する。界磁電圧VFの指令値は、前述したA相からF相までの6相に対応して、それぞれ+v、−v、+v、−v、+v、−vが生成される。
制御部103は、3相逆dq変換部111によって生成された電圧指令値vu、vv、vwと、界磁電圧生成部113が生成した界磁電圧の指令値+v、−v、+v、−v、+v、−vと、をそれぞれ重畳して、合成駆動信号の指令値を生成する。制御部103は、生成された合成駆動信号の指令値をインバーター105に出力する。図3に示される巻線3C1、3C7に対する指令値はvu+v、巻線3C4、3C10に対する指令値はvv−v、巻線3C5、3C11に対する指令値はvw+v、巻線3C8、3C2に対する指令値はvu−v、巻線3C9、3C3に対する指令値はvv+v、巻線3C12、3C6に対する指令値はvw−vとなる。
これらの指令値がインバーター105に入力されることにより、インバーター105は、巻線3C1、3C7に合成駆動電圧Vu+Vを供給し、巻線3C4、3C10に合成駆動電圧Vv−Vを供給し、巻線3C5、3C11に合成駆動電圧Vw+Vを供給し、巻線3C8、3C2に合成駆動電圧Vu−Vを供給し、巻線3C9、3C3に合成駆動電圧Vv+Vを供給し、巻線3C12、3C6に合成駆動電圧Vw−Vを供給する。合成駆動電圧Vu+V、合成駆動電圧Vv−V、合成駆動電圧Vw+V、合成駆動電圧Vu−V、合成駆動電圧Vv+V、合成駆動電圧Vw−Vは、いずれも合成駆動信号である。
A相の相電流及びD相の相電流には界磁電流が加えられているため、A相の相電流平均値は0以上、D相の相電流平均値は0以下となる。A相及びD相はいずれもU相なので、これらを合成したU相の相電流は、A相の相電流とD相の相電流とを合成したものになる。U相の相電流は、所定の周期で変動する電流となる。V相の相電流及びW相の相電流もU相の相電流と同様に求められる。このように、回転電機1のU相、V相及びW相には、3相の駆動電流が与えられるので、通常の3相のベクトル制御が可能になる。
制御部103の界磁電圧生成部113は、前述したA相からF相までの6相に対応するそれぞれの界磁電圧VFの指令値+v、−v、+v、−v、+v、−vを別個独立に生成することができる。このため、インバーター105は、回転電機1の各巻線3Cに印加される界磁電圧VFを別個独立に制御することができるので、回転電機1の制御の自由度を向上させることができる。また、制御部103は、界磁電圧VFの指令値+v、−v、+v、−v、+v、−vを変更して回転電機1の各巻線3Cに印加される界磁電圧VFを変更することにより、回転電機1が発生するトルク及びトルクの特性、具体的には回転速度に対するトルクの変化の仕方を変更することができる。さらに、1つの制御部103が回転電機1を制御する。すなわち、回転電機1は、界磁磁束と電機子の磁束とを制御するために、別個の機器は不要であるので、回転電機1は、簡易な機器で界磁磁束及び電機子の磁束の両方が制御できる。
切替部120は、回転電機1の負荷を用いて、第1駆動電圧Vsの指令値と合成駆動信号の指令値とを切り替えて、回転電機1の巻線3Cに供給する。回転電機1の負荷は、例えば回転電機1に要求されるトルクTである。切替部120は、回転電機1に要求されるトルクTと、図10に示される等出力線TLとの交点から回転速度Nを求める。得られた回転電機1の回転速度Nが、予め定められた閾値(実施形態では回転速度N3)よりも大きい場合、切替部120は、第1駆動電圧Vsの指令値をインバーター105に供給する。インバーター105は、第1駆動電圧Vsを回転電機1の巻線3Cに供給する。得られた回転電機1の回転速度Nが、予め定められた閾値以下である場合、切替部120は、合成駆動信号の指令値をインバーター105に供給する。インバーター105は、合成駆動信号を回転電機1の巻線3Cに供給する。
切替部120が第1駆動電圧Vsの指令値と合成駆動信号の指令値とを切り替える方法は、前述した回転電機1の負荷に限定されない。例えば、回転電機1が搭載される建設機械又は作業機械といった機械のオペレータの操作により、切替部120が第1駆動電圧Vsの指令値と合成駆動信号の指令値とを切り替えてもよい。実施形態において、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより制御部103の機能が実現されてもよい。また、複数のプロセッサ及び複数のメモリが連系して、制御部103の機能を実現してもよい。さらには、システムLSIのような処理回路又は複数の処理回路が連携して、制御部103の機能を実現してもよい。
<変形例>
図13は、実施形態の変形例に係る回転電機1の制御方法の制御ブロック図である。図14は、実施形態に係る回転電機1を制御する制御部103aを示す図である。図15は、回転電機1に流れる制御電流Icと時間tとの関係を示す図である。この制御において、回転電機1には電圧Vdが与えられる。この電圧Vdを、以下においては適宜制御電圧Vdと称する。A相(U相)の制御電圧Vdは、+V+Vu1であり、B相(V相)の制御電圧Vdは、−V+Vv2であり、C相(W相)の制御電圧Vdは、+V+Vw1であり、D相(U相)の制御電圧Vdは、−V+Vu2であり、E相(V相)の制御電圧Vdは、+V+Vv1であり、F相(W相)の制御電圧Vdは、−V+Vw2である。Vu1、Vv1、Vw1、Vu2、Vv2、Vw2は、U相、V相、W相の各相の駆動電圧であり、Vは界磁電圧である。すなわち、制御電圧Vdは、第2駆動電圧Vu、Vv、Vwと界磁電圧VFとの和である。
回転電機1の巻線3Cに制御電圧Vdが入力されると、巻線3Cには電流Icが流れる。この電流Icを、以下においては適宜制御電流Icと称する。A相(U相)の制御電流Icは、Iu1+Ifであり、B相(V相)の制御電流Icは、Iv2−Ifであり、C相(W相)の制御電流Icは、Iw1+Ifであり、D相(U相)の制御電流Icは、Iu2−Ifであり、E相(V相)の制御電流Icは、Iv1+Ifであり、F相(W相)の制御電流Icは、Iw2−Ifである。電流Iu1、Iv1、Iw1、Iu2、Iv2、Iw2は、第2駆動電圧Vu1、Vv1、Vw1、Vu2、Vv2、Vw2によって各巻線3Cに流れる電流であり、電流Ifは界磁電圧VFによって各巻線3Cに流れる電流である。以下において、電流Ifを適宜オフセット電流Ifと称する。
本制御例において、まず、制御電流Icからオフセット電流Ifが減算されて、電流Irが求められる。以下において、電流Irを適宜参照電流Irと称する。参照電流Irは、A相、B相、C相、D相、E相及びF相毎に得られる。A相(U相)の参照電流Iru1は、Iu1+If−(+If)であり、B相(V相)の参照電流Irv2は、Iv2−If−(−If)であり、C相(W相)の参照電流Irw1は、Iw1+If−(+If)であり、D相(U相)の参照電流Iru2は、Iu2−If−(−If)であり、E相(V相)の参照電流Irv1は、Iv1+If−(+If)であり、F相(W相)の参照電流Irw2は、Iw2−If−(−If)である。このように、制御電流Icからオフセット電流Ifを減算することで、相毎に参照電流Irを抽出して、誘起電圧Veの位相が一致する相の参照電流Ir同士を1つの群にまとめることができる。
次に、得られた参照電流Irが、3相、すなわちU相、V相及びW相を一組とした2以上の群(本変形例では2の群)に分けられて、それぞれの群に対して参照電流Irに基づいてローター2を駆動するための駆動信号が生成される。そして、生成された駆動信号と界磁信号とが重畳されて、回転電機1のそれぞれの巻線3Cに入力される。
本変形例では、誘起電圧Veの位相が一致するU相、V相及びW相の参照電流Irが一組とされて、2つの群に分けられている。参照電流Iru1、Irv1、Irw1が第1群、参照電流Iru2、Irv2、Irw2が第2群となる。そして、第1群の参照電流Irを用いて第1ベクトル制御が実行されて電圧指令値vu1、vv1、vw1が求められ、第2群の参照電流Irを用いて第2ベクトル制御が実行されることにより電圧指令値vu2、vv2、vw2が求められる。得られた電圧指令値vu1、vv1、vw1、vu2、vv2、vw2と、界磁電圧VFの指令値+v、−v、+v、−v、+v、−vと、がそれぞれ重畳されて、制御電圧Vdの指令値として図15に示されるインバーター105に入力される。インバーター105は、制御電圧Vdの指令値から制御電圧Vdを生成して、回転電機1の各巻線3Cに供給する。
このように、本変形例は、誘起電圧Veの位相が一致する相の参照電流Ir同士を1つの群にまとめて、それぞれの群に参照電流Irを用いて、誘起電圧Veの位相が一致する相毎にベクトル制御する。その結果、本制御例は、回転電機1のトルクリップルを低減することができる。次に、本制御例を実現する制御部103aについて説明する。
<制御部103a>
図14に示されるように、制御部103aは、本変形例に係る回転電機の制御方法を実行して、回転電機1を制御する。制御部103aが前述した制御部103と異なる。制御部103aは、回転電機1に界磁磁束を発生させて、回転電機1を3相の回転電機として駆動するための指令値を生成する。
制御部103aは、第1信号生成部103Fと、第2信号生成部103Saとを含む。本変形例において、制御部103aは、さらに切替部120を有する。第1信号生成部103Fは、前述した制御部103が備える第1信号生成部103Fと同様なので説明を省略する。第2信号生成部103Saは、第1PI制御部110Aと、第2PI制御部110Bと、第1逆dq変換部111Aと、第2逆dq変換部111Bと、第1dq変換部112Aと、第2dq変換部112Bと、界磁電圧生成部113と、目標d軸電流生成部114と、目標q軸電流生成部115と、参照電流演算部116とを含む。
第1PI制御部110Aは、インバーター105によって回転電機1に供給されるA相(U相)、C相(V相)及びE相(W相)の電流が、目標d軸電流生成部114によって生成された目標d軸電流Idt1及び目標q軸電流生成部115によって生成された目標q軸電流Iqt1となるように、d軸電流及びq軸電流の電流指令値を生成する。第2PI制御部110Bは、インバーター105によって回転電機1に供給されるB相(V相)、D相(U相)及びF相(W相)の電流が、目標d軸電流生成部114によって生成された目標d軸電流Idt2及び目標q軸電流生成部115によって生成された目標q軸電流Iqt2となるように、d軸電流及びq軸電流の電流指令値を生成する。
参照電流演算部116は、回転電機1の制御電流Icからオフセット電流Ifを減算して参照電流Irを求めて、第1dq変換部112Aと、第2dq変換部112Bとに出力する。具体的には、参照電流演算部116は、A相(U相)の参照電流Iru1、C相(W相)の参照電流Irw1及びE相(V相)の参照電流Irv1を求めて第1dq変換部112Aに出力し、B相(V相)の参照電流Irv2、D相(U相)の参照電流Iru2及びF相(W相)の参照電流Irw2を求めて第2dq変換部112Bに出力する。
オフセット電流Ifの求め方を説明する。回転電機1の温度、より具体的には巻線3Cの温度が一定であれば、参照電流演算部116は、界磁電圧VFを巻線3Cの電気抵抗値で除することにより、オフセット電流Ifを求めることができる。温度が変化すると巻線3Cの電気抵抗値が変化するので、参照電流演算部116は、温度に応じて巻線3Cの電機抵抗値を補正することが好ましい。
参照電流演算部116は、制御部103aによる制御の1周期前において、巻線3Cを流れる制御電流Icの平均値(図15の二点鎖線で示される値)をオフセット電流Ifとしてもよい。また、参照電流演算部116は、制御部103aによる制御の1周期前において、巻線3Cを流れる制御電流Icの最大値Icmaxと最小値Icminとを加算した値の1/2をオフセット電流Ifとしてもよい。
第1dq変換部112Aは、参照電流演算部116から入力されたA相(U相)の参照電流Iru1、C相(W相)の参照電流Irw1及びE相(V相)の参照電流Irv1を、d軸電流Id1及びq軸電流Iq1にdq変換する。第2dq変換部112Bは、参照電流演算部116から入力されたB相(V相)の参照電流Irv2、D相(U相)の参照電流Iru2及びF相(W相)の参照電流Irw2を、d軸電流Id2及びq軸電流Iq2にdq変換する。dq変換において、第1dq変換部112A及び第2dq変換部112Bは、図1に示される回転電機1のローター2の回転角度θrを用いる。
第1PI制御部110Aは、第1dq変換部112Aによって変換された、回転電機1のd軸電流Id1及びq軸電流Iq1を取得し、目標d軸電流Idt1とd軸電流Id1との偏差及び目標q軸電流Iqt1とq軸電流Iq1との偏差がそれぞれ0になるように、電圧指令値を生成する。第2PI制御部110Bは、第2dq変換部112Bによって変換された、回転電機1のd軸電流Id2及びq軸電流Iq2を取得し、目標d軸電流Idt2とd軸電流Id2との偏差及び目標q軸電流Iqt2とq軸電流Iq2との偏差がそれぞれ0になるように、電圧指令値を生成する。
第1逆dq変換部111Aは、第1PI制御部110Aによって生成された電圧指令値を逆dq変換してA相(U相)の電圧指令値vu1、E相(V相)の電圧指令値vv1及びC相(W相)の電圧指令値vw1を生成する。第2逆dq変換部111Bは、第2PI制御部110Bによって生成された電圧指令値を逆dq変換してB相(V相)の電圧指令値vv2、D相(U相)の電圧指令値vu2及びF相(W相)の電圧指令値vw2を生成する。
逆dq変換において、第1d逆変換部111A及び第2dq逆変換部111Bは、ローター2の回転角度θrを用いる。界磁電圧生成部113は、回転電機1に界磁磁束を発生させるために必要な界磁電圧VFの指令値を生成する。界磁電圧VFの指令値は、前述したA相からF相までの6相に対応して、それぞれ+v、−v、+v、−v、+v、−vが生成される。
制御部103aは、第1逆dq変換部111Aによって生成された電圧指令値vu1、vv1、vw1及び第2逆dq変換部111Bによって生成された電流指令値vv2、vu2、vw2を界磁電圧生成部113が生成した界磁電圧VFの指令値+v、+v、+v、−v、−v、−vと、をそれぞれ重畳して、制御信号を生成する。制御部103aは、生成された指令値をインバーター105に出力する。
図2に示されるA相の巻線3C1、3C7に対する指令値はvu1+v、B相の巻線3C4、3C10に対する指令値はvv2−v、C相の巻線3C5、3C11に対する指令値はvw1+v、D相の巻線3C2、3C8に対する指令値はvu2−v、E相の巻線3C3、3C9に対する指令値はvv1+v、F相の巻線3C6、3C12に対する指令値はvw2−vとなる。これらの指令値がインバーター105に入力されることにより、インバーター105は、巻線3C1、3C7に合成駆動電圧Vu1+Vを供給し、巻線3C4、3C10に合成駆動電圧Vv2−Vを供給し、巻線3C5、3C11に合成駆動電圧Vw1+Vを供給し、巻線3C2、3C8に合成駆動電圧Vu2−Vを供給し、巻線3C3、3C9に合成駆動電圧Vv1+Vを供給し、巻線3C6、3C12に合成駆動電圧Vw2−Vを供給する。その結果、制御部103aは、簡易な機器で回転電機1の界磁磁束及び電機子の磁束の両方を制御できるとともに、トルクリップルを低減できる。合成駆動電圧Vu1+V、合成駆動電圧Vv2−V、合成駆動電圧Vw1+V、合成駆動電圧Vu2−V、合成駆動電圧Vv1+V、合成駆動電圧Vw2−Vは、いずれも合成駆動信号である。
図16は、実施形態に係る回転電機1を制御部103で制御した場合のトルクT及び制御部103aで制御した場合のトルクTと時間tとの関係を示す図である。図17は、実施形態に係る回転電機1を制御部103で制御した場合の制御電流Ic及び制御部103aで制御した場合の制御電流Icと時間tとの関係を示す図である。図17は、A相の制御電流Icを示している。図16及び図17は、実線が実施形態に係る回転電機1を制御部103aで制御した場合を示し、一点鎖線が実施形態に係る回転電機1を制御部103で制御した場合を示す。
図16の結果から、本変形例の制御部103aが、本変形例の制御を実行することによって回転電機1を制御することにより、回転電機1のトルクリップルを低減できることが分かる。図17の結果から、本変形例の制御部103aが、本変形例の制御方法を実行することによって回転電機1を制御した場合、制御電流Icの変動は、制御部103aによる回転電機1の制御よりもやや大きい程度である。
<巻線3Cの配線の変形例>
図18及び図19は、変形例に係る回転電機1が備える巻線3Cの配線を示す図である。変形例において、回転電機1が第1動作モードで動作する場合、図18に示されるように、α相の巻線群3G1は、巻線3C1と巻線3C7と巻線3C4と巻線3C10とが直列接続される。β相の巻線群3G2は、巻線3C5と巻線3C11と巻線3C8と巻線3C2とが直列接続される。γ相の巻線群3G3は、巻線3C9と巻線3C3と巻線3C12と巻線3C6とが直列接続される。
また、変形例において、回転電機1が第2動作モードで動作する場合、図19に示されるように、A相(U相)の巻線3C1と巻線3C7とが直列接続され、B相(V相)の巻線3C4と巻線3C10とが直列接続され、C相(W相)の巻線3C5と巻線3C11とが直列接続され、D相(U相)の巻線3C8と巻線3C2とが直列接続され、E相(V相)の巻線3C9と巻線3C3とが直列接続され、F相(W相)の巻線3C12と巻線3C6とが直列接続される。変形例のように、巻線3Cの配線は直列接続であってもよい。
実施形態及び変形例において、回転電機1は動力を発生する電動機であるとしたが、回転電機1は電力を発生する発電機であってもよい。実施形態及び変形例において、突極2Tは8個、巻線3Cは12個、巻線対は6個、界磁磁束は3次としたが、これらに限定されない。実施形態及び変形例においては、nを1以上の整数としたとき、突極2Tは8×n個、巻線3Cは12×n個、巻線対は6×n個、界磁磁束は3×n次であってもよい。また、巻線群は、4×nの巻線3Cを1つの巻線群としてもよい。この場合、巻線群は、3×n個となる。
以上、実施形態及び変形例について説明したが、前述した内容により実施形態及び変形例が限定されるものではない。また、前述した実施形態及び変形例の構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、実施形態及び変形例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更を行うことができる。
1 回転電機
2 ローター
2T 突極
2B 本体部
3 ステーター
3C、3C1から3C12 巻線
3K ステーターコア
3S スロット
3Y ヨーク
3T1から3T12 突極
3G、3G1、3G2、3G3 巻線群
3T 突極
4 出力シャフト
5 回転角度センサ
7aから7f 巻線対
103、103a 制御部
103F 第1信号生成部
103S、103Sa 第2信号生成部
105 インバーター
106A1から106F1、106A2から106F2 スイッチング素子
107 直流電源
110 PI制御部
110A 第1PI制御部
110B 第2PI制御部
111 3相逆dq変換部
111A 第1逆dq変換部
111B 第2逆dq変換部
112 dq変換部
112A 第1dq変換部
112B 第2dq変換部
113 界磁電圧生成部
114 軸電流生成部
115 軸電流生成部
116 参照電流演算部
120 切替部

Claims (5)

  1. 回転軸を中心として放射状に突出する8×n個の突極を有し、かつ前記回転軸を中心として回転するローターと、
    前記回転軸と直交する方向における前記ローターの外側に配置されて前記ローターの周囲を取り囲む環状の構造体及び前記環状の構造体の周方向に沿って設けられた12×n個の巻線を有し、隣接する2個の前記巻線を巻線対として6×n個の前記巻線対を備えるステーターと、を含む回転電機を制御する装置であって、
    前記ローターを駆動するために前記巻線に供給される第1の駆動信号の指令値を生成する第1信号生成部と、
    3×n次の界磁磁束を前記ステーターに発生させ、かつ前記周方向に沿って配置された6×n個の前記巻線対にN極とS極とを交互に形成させるための界磁信号と前記ローターを駆動するための第2の駆動信号とが重畳されて前記巻線に供給される合成駆動信号の指令値を生成する第2信号生成部と、
    前記回転電機の負荷を用いて、前記第1の駆動信号の指令値と前記合成駆動信号の指令値とを切り替えて前記巻線に供給する切替部と、
    を含む、回転電機の制御装置。
    nは1以上の整数。
  2. 回転軸を中心として放射状に突出する8×n個の突極を有し、かつ前記回転軸を中心として回転するローターと、
    前記回転軸と直交する方向における前記ローターの外側に配置されて前記ローターの周囲を取り囲む環状の構造体及び前記環状の構造体の周方向に沿って設けられた12×n個の巻線を有し、隣接する2個の前記巻線を巻線対として6×n個の前記巻線対を備えるステーターと、を含む回転電機を制御する装置であって、
    前記ローターを駆動するために前記巻線に供給される第1の駆動信号の指令値を生成する第1信号生成部と、
    3×n次の界磁磁束を前記ステーターに発生させ、かつ前記周方向に沿って配置された6×n個の前記巻線対にN極とS極とを交互に形成させるための界磁信号と前記ローターを駆動するための第2の駆動信号とが重畳されて前記巻線に供給される合成駆動信号の指令値を生成する第2信号生成部と、
    を含
    前記第2信号生成部は、
    前記巻線を流れる電流から、前記界磁信号によって前記巻線に流れるオフセット電流を減算して得られた電流である参照電流を求め、得られた前記参照電流を3相一組とした2つの群に分けて、それぞれの群に対して前記参照電流に基づいて、前記第2の駆動信号を生成するための指令値を生成する、
    回転電機の制御装置。
    nは1以上の整数。
  3. 前記オフセット電流は、前記ステーターに界磁磁束を発生させるための電圧を、前記巻線の抵抗値で除した値である、請求項に記載の回転電機の制御装置。
  4. 前記オフセット電流は、前記制御装置による制御の1周期前に前記巻線を流れた電流の平均値である、請求項に記載の回転電機の制御装置。
  5. 前記オフセット電流は、前記制御装置による制御の1周期前に前記巻線を流れた電流の最大値と最小値とを加算した値の1/2である、請求項に記載の回転電機の制御装置。
JP2015017880A 2015-01-30 2015-01-30 回転電機の制御装置 Active JP6490438B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015017880A JP6490438B2 (ja) 2015-01-30 2015-01-30 回転電機の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015017880A JP6490438B2 (ja) 2015-01-30 2015-01-30 回転電機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016144291A JP2016144291A (ja) 2016-08-08
JP6490438B2 true JP6490438B2 (ja) 2019-03-27

Family

ID=56568980

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015017880A Active JP6490438B2 (ja) 2015-01-30 2015-01-30 回転電機の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6490438B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6451990B2 (ja) 2015-04-02 2019-01-16 株式会社デンソー 回転電機
JP7131782B1 (ja) 2021-06-16 2022-09-06 Nasca株式会社 モータ装置およびモータ装置の駆動方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04161093A (ja) * 1990-10-23 1992-06-04 Secoh Giken Inc リラクタンス型電動機
JP3450710B2 (ja) * 1997-10-24 2003-09-29 オークマ株式会社 スウィッチトリラクタンスモータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016144291A (ja) 2016-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6501507B2 (ja) 回転電機及び回転電機の制御装置
JP6391447B2 (ja) 回転電機の制御装置及び回転電機の制御方法
JP5827026B2 (ja) 回転電機及び回転電機駆動システム
US20130334937A1 (en) Rotary electric machine driving system
JP6194113B2 (ja) モータ駆動装置
JP6529614B2 (ja) 電力変換装置
WO2014207858A1 (ja) 回転機および回転機ドライブシステム
JP6579379B2 (ja) 界磁巻線型同期機駆動システム
JP2012222941A (ja) 回転電機
US20200162002A1 (en) Rotating electric machine drive system
JP2003009486A (ja) 可変速電動機
US9762156B2 (en) Control apparatus for rotating electric machine
US10263557B2 (en) Drive system
JP2008043046A (ja) サーボモータの制御方法
JP2005039932A (ja) 9相モータ駆動装置
JP6490438B2 (ja) 回転電機の制御装置
KR101316945B1 (ko) 고정형 교류 또는 직류 전원 입력을 갖는 이중 권선형 전동기 및 그 제어 방법
KR20160102571A (ko) 영구 자석식 회전 전동기의 제어 장치
JP5923215B2 (ja) 回転機及び回転機ドライブシステム
JP6203418B2 (ja) 電力変換装置およびその制御方法、電動パワーステアリングの制御装置
JP6357088B2 (ja) 回転電機及び回転電機の制御装置
JP6723334B2 (ja) 交流回転機の制御装置、車両用交流回転機装置、及び電動パワーステアリング装置
JP2013013246A (ja) 回転電機駆動システム
JP6659188B1 (ja) 交流回転機の制御装置、車両用交流回転機装置、及び電動パワーステアリング装置
CN114384296A (zh) 电流检测装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171023

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180918

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6490438

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250