JP6486732B2 - 時期調整方法および時期調整装置 - Google Patents

時期調整方法および時期調整装置 Download PDF

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Description

本発明は、膜ろ過装置における薬品洗浄時期を調整する時期調整方法および時期調整装置に関する。
従来、浄水場に備えられるセラミックス膜ろ過装置においては、ろ過膜を再利用可能に構成されている。そのため、高い経済性を有するろ過装置ではあるが、ろ過処理を行った累積量に伴ってろ過膜が目詰まりすることがあるため洗浄処理が必要になる。この洗浄処理としては、可逆的膜ファウリングの回復のための水などを用いた物理洗浄処理と、不可逆的膜ファウリングの回復のための薬品を用いた薬品洗浄処理とがある。
これらのうちの物理洗浄処理は4〜12時間毎に実施される。一方、薬品洗浄処理はさらに長い周期で実施される。これは、薬品洗浄処理においては、酸性薬品、アルカリ性薬品、次亜塩素酸などの酸化剤、界面活性剤、またはキレート剤などの洗浄用薬品を使用する必要があるため、物理洗浄処理に比して長い洗浄時間を要し、かつ高コストになるためである。そこで、ろ過膜の目詰まり程度を定量化して、各ろ過膜(膜モジュール)の目詰まりの有無を判定し、この判定結果に基づいて、適切な薬品処理時期を予測する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−120966号公報
しかしながら、本発明者の知見によれば、ろ過膜における目詰まりの発生からろ過膜が使用困難になる状態になるまでの時間や日数は、ろ過膜の差圧に基づいて予測することが困難であった。具体的に、ろ過膜の目詰まりが進行した状態では、処理水量を一定にするための圧力損失が大きくなるので、ある一定の目詰まり状態において薬品洗浄を行う必要が生じる。ところが、ろ過膜の差圧によって薬品洗浄時期を管理すると、ろ過膜を採用した膜ろ過手段の使用限界が急速に到来するように観察される。そのため、ろ過膜を採用した膜ろ過手段に対して薬品洗浄処理を行うべき時点までの時間(薬品洗浄期間)を短めに設定して、薬品洗浄処理の実施間隔を短期間にする必要があった。一方、適切な薬品洗浄時期を逸して運転を行ってしまうと、膜ろ過手段において差圧が高い状態で運転させることになるため、エネルギーの消費が増加するとともに、薬品洗浄処理がし難くなる。
さらに、複数の膜ろ過手段を有する膜ろ過装置においては、それぞれの膜ろ過手段ごとに薬品洗浄処理を行う必要がある。この場合、それぞれの膜ろ過手段において薬品洗浄処理が必要になる時期がずれてしまうと、それぞれの膜ろ過手段において別々に薬品洗浄処理を行う必要が生じるため、膜ろ過手段の洗浄処理が高コスト化してしまう。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、膜ろ過手段に対する薬品洗浄の実施時期を所望とする時期に近くなるように調整でき、膜ろ過装置を複数の膜ろ過手段から構成した場合、それぞれの膜ろ過手段の薬品洗浄時期を近づけて、薬品洗浄処理に要するコストを低減できる時期調整方法および時期調整装置を提供することにある。
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明に係る時期調整方法は、被処理水をろ過する膜ろ過手段に対して被処理水の流れ方向に沿った上流側および下流側の圧力を計測する圧力計測ステップと、膜ろ過手段に流入する被処理水の流量を計測する流量計測ステップと、膜ろ過手段に流入する被処理水の温度を計測する温度計測ステップと、所定の時点における、圧力計測ステップにおいて計測された圧力、流量計測ステップにおいて計測された流量、および温度計測ステップにおいて計測された温度に基づいて、所定の時点ごとに補正透過流束値を算出する補正透過流束算出ステップと、補正透過流束算出ステップにおいて算出された複数の所定の時点における補正透過流束値を、所定の時点ごとに関連付けて記録手段に格納する記録ステップと、記録手段に格納された複数の所定の時点における補正透過流束値から、補正透過流束値の時期依存性を示す近似式を導出した後、近似式とあらかじめ設定された膜ろ過手段における補正透過流束値のしきい値とから、膜ろ過手段に関する限界時点を算出する洗浄時期算出ステップと、膜ろ過手段の上流側における被処理水に対する処理条件を変更することにより、膜ろ過手段の限界時点を調整する制御ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る時期調整方法は、上記の発明において、膜ろ過手段が複数存在する場合に、複数の膜ろ過手段における限界時点を互いに近づけるように、被処理水に対する処理条件の変更を行うことを特徴とする。
本発明に係る時期調整方法は、上記の発明において、被処理水に対する処理条件の変更は、複数の膜ろ過手段に通水させる被処理水の流量の制御であることを特徴とする。
本発明に係る時期調整方法は、上記の発明において、被処理水に対する処理条件の変更は、被処理水のpHを調整する薬品の添加量の制御であることを特徴とする。
本発明に係る時期調整方法は、上記の発明において、被処理水に対する処理条件の変更は、被処理水に添加する凝集剤の量の制御であることを特徴とする。
本発明に係る時期調整方法は、上記の発明において、被処理水に対する処理条件の変更は、被処理水に添加する凝集剤の種類の変更であることを特徴とする。
本発明に係る時期調整方法は、上記の発明において、凝集剤は、ポリ塩化アルミニウム、高塩基度ポリ塩化アルミニウム、またはポリマーであることを特徴とする。
本発明に係る時期調整装置は、被処理水をろ過する膜ろ過手段に対して被処理水の流れ方向に沿った上流側および下流側の圧力を計測する圧力計測手段と、膜ろ過手段に流入する被処理水の流量を計測する流量計測手段と、膜ろ過手段に流入する被処理水の温度を計測する温度計測手段と、所定の時点における、圧力計測手段により計測された圧力、流量計測手段により計測された流量、および温度計測手段により計測された温度に基づいて、所定の時点ごとの補正透過流束値を算出する算出手段と、複数の所定の時点において、算出手段により算出された補正透過流束値を所定の時点ごとに関連付けて格納する記録手段と、被処理水に対する処理条件を変更制御する制御手段と、を備え、算出手段が、記録手段に格納された複数の所定の時点における補正透過流束値から、補正透過流束値の時期依存性を示す近似式を導出し、近似式とあらかじめ設定された膜ろ過手段における補正透過流束値のしきい値とから、膜ろ過手段に対する洗浄の時期を算出し、制御手段が、膜ろ過手段の上流側における被処理水に対する処理条件を変更制御することにより、膜ろ過手段の限界時点を調整することを特徴とする。
本発明に係る時期調整方法によれば、膜ろ過手段に対する薬品洗浄の実施時期を所望とする時期に近くなるように調整でき、膜ろ過装置を複数のろ過膜から構成した場合、それぞれのろ過膜の薬品洗浄時期を近づけて、薬品洗浄処理に要するコストを低減することが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態における浄水場の構成を示す構成図である。 図2は、本発明の一実施形態による洗浄時期の算出方法を説明するためのフローチャートである。 図3は、本発明の一実施形態における補正透過流束の経過日数に従った変化を示すグラフである。 図4は、本発明の一実施形態による洗浄時期の調整方法を説明するためのフローチャートである。 図5は、本発明の一実施形態による複数のセラミック膜モジュールにおける図3に対応する補正透過流束の経過日数に従った変化の一例を示すグラフである。 図6は、本発明の一実施形態における処理条件の変更に用いる閉塞物質除去率のpH値依存性を示すグラフである。 図7は、本発明の一実施形態における処理条件の変更に用いる閉塞物質除去率のPAC添加率依存性を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の一実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する実施形態によって限定されるものではない。
まず、本発明の一実施形態におけるセラミック膜ろ過装置を備えた浄水場について説明する。図1は、この一実施形態における浄水場1の構成を示す。図1に示すように、浄水場1においては、前処理設備10およびろ過設備20を少なくとも備える。また、浄水場1には、浄水場1に備えられた各種の設備を制御するための管理制御部30が備えられる。
前処理設備10は、浄水処理が行われる原水が流入されるとともに、必要に応じて凝集剤が注入される、例えば複数の混和槽などを有する原水槽設備11を備える。この原水槽設備11は、水槽内を撹拌するための撹拌翼13、および撹拌翼13を回転させる攪拌機12を備える。原水槽設備11は、原水に凝集剤を注入して撹拌することによって、原水中の濁質や有機物などをマイクロフロック化させる凝集設備である。
ろ過設備20は、セラミック膜モジュール21を中心に構成され、膜供給ポンプ22a、空気圧縮機23a、空気槽23b、逆洗水槽24、および薬品貯留槽25を備える。膜供給ポンプ22aは、原水槽設備11において処理された被処理水を、流れ方向に沿った上流側である一次側からセラミック膜モジュール21に供給する。膜供給ポンプ22aは管理制御部30によってセラミック膜モジュール21に供給する被処理水の流量が制御される。ろ過手段としてのセラミック膜モジュール21は、供給された被処理水をろ過するろ過膜を複数備える。これにより、前処理設備10において凝集処理された原水は、セラミック膜モジュール21によってろ過される。ろ過された処理水は膜ろ過水として二次側に流出して、後段に供給される。
また、膜ろ過水の一部は逆洗水槽24に供給されて貯留される。逆洗水槽24に貯留された膜ろ過水は、逆洗供給ポンプ22bによってセラミック膜モジュール21に供給されて物理洗浄である水逆洗に用いられる。水逆洗は、空気圧縮機23aによって圧縮された空気を貯留した空気槽23bから供給される圧縮空気を用いて行われる。この水逆洗は、例えば4〜12時間ごと、具体的には例えば6時間ごとの周期で定期的に行われる。また、水逆洗によって生じた膜逆洗排水は、従来公知の方法により排水槽(図示せず)において濃縮され、得られた濃縮汚泥は後段の汚泥処理設備(図示せず)に供給される。
薬品貯留槽25には、例えば硫酸(H2SO4)や次亜塩素酸(HClO)などの、薬品洗浄処理に用いられる洗浄用薬液が貯留されている。薬品貯留槽25に貯留された洗浄用薬液は、薬品循環ポンプ22cによって、セラミック膜モジュール21の一次側(原水側)に注入され、二次側(膜ろ過水側)に流出されてクロスフロー循環される。
セラミック膜モジュール21における被処理水の流入側(一次側)および膜ろ過水の流出側(二次側)にはそれぞれ、圧力計測手段としての圧力計26a,26bが設置されている。さらに、セラミック膜モジュール21の一次側には、被処理水の流量を計測する流量計測手段としての流量計27、および被処理水の温度を計測する温度計測手段としての温度計28が設置されている。
この一実施形態による時期調整装置としての管理制御部30は、例えばCPU、ROMやRAMなどの記憶媒体、モニタなどの出力装置、およびハードディスクなどの記録媒体を有して構成されるコンピュータ(PC)などからなる。管理制御部30においては、記録媒体に、後述する薬品洗浄時期調整方法を実行可能な、一実施形態による所定のプログラムが格納されている。
この管理制御部30は、上述したコンピュータによる演算処理部の一種である算出手段としての算出部31、データベース処理部32、および上述の記録媒体などからなる記録手段としての記録部33を備える。また、算出部31は、温度補正差圧算出部31a、補正透過流束算出部31b、および薬品洗浄時期算出部31cから構成される。算出部31による演算処理の詳細については、後述する。
また、管理制御部30は、入力手段としての入力部34を通じて入力された圧力の計測値データなどに基づき、格納されたプログラムに従って薬品洗浄時期を算出可能に構成されている。なお、入力部34は、外部からデータを入力可能に構成されたキーボードや入出力インターフェースなどからなる。また、上述したプログラムは、記録部33などの記録媒体に記憶させても良く、記録媒体を用いれば、例えば上述したコンピュータに、この一実施形態によるプログラムをインストールすることができる。上述したプログラムを記憶した記録媒体は、非一過性の記録媒体であっても良い。非一過性の記録媒体は特に限定されないが、CD−ROM、DVD、またはハードディスクなどの各種の記録媒体を採用することが可能である。また、管理制御部30は、算出した薬品洗浄時期を出力手段としての出力部35などに出力して外部に報知可能に構成されている。
記録部33には、圧力計26a,26bにより計測されて入力された圧力、流量計27により計測されて入力された流量、および温度計28により計測されて入力された温度のそれぞれの計測値のデータが、データテーブルとして格納されている。データベース処理部32は、この記録部33に格納されたデータテーブルに対して検索や格納などの各種データベース処理を実行する。算出手段としての算出部31は、データベース処理部32によって記録部33に格納されたデータベースを処理して、所定の種々の演算処理を行う。これによって、管理制御部30は、この一実施形態による薬品洗浄時期算出方法を実行する。
(薬品洗浄時期算出方法)
次に、この一実施形態による時期調整方法に利用される薬品洗浄時期算出方法について説明する。薬品洗浄時期算出方法は、管理制御部30により実行される。
まず、本発明者の知見によれば、膜ろ過差圧に基づいて算出可能な透過流束(透過水流束)を導出すれば、膜ろ過差圧の場合に比して変化を直線的に把握することができる。これにより、セラミック膜モジュール21における補正透過流束から薬品洗浄時期を算出できる。なお、透過流束とは、一定圧力差条件の下で被処理水などの液体の透過流量(m3/d)をろ過膜の膜面積(m2)で除したものであり、ろ過膜の単位面積当たりの1日での被処理水の透過速度((m3/m2/d=)m/d)である。
また、膜ろ過差圧ΔPは、ろ過膜に対して被処理水の流れ方向に沿った上流側の一次側圧力P1と下流側の二次側圧力P2との差(ΔP=P1−P2)により定義される。なお、図1に示すように、セラミック膜モジュール21を立てて使用する場合には、原水側圧力にセラミック膜モジュール21の高さ分の圧力がさらに作用しているため、この一実施形態において膜ろ過差圧ΔPは、以下の(1)式により算出される。ここで、P0は、セラミック膜モジュール21の高さに依存した一定圧力であることから、定数として扱われる。
ΔP=(一次側圧力P1−二次側圧力P2−高さ分圧力P0=)P1−P2−P0 …(1)
また、透過流束は、被処理水の温度によってその値が変化する。そのため、被処理水の温度の違いに対して透過流束の状態を適正に把握する必要がある。そこで、本発明者は、透過流束に対して温度補正を行った補正透過流束を、薬品洗浄処理の時期を予測する演算の指標とする方法を想起した。
次に、この一実施形態による補正透過流束を指標とした薬品洗浄時期の算出方法を説明する。図2は、この一実施形態による薬品洗浄時期の算出方法を説明するためのフローチャートである。
まず、従来公知の方法によって水逆洗を行った後の汚れの影響の少ない状態となる所定時点において、圧力計26a,26bにより圧力を計測する。計測された圧力の計測値は、入力部34を介して算出部31の温度補正差圧算出部31aに入力される(ステップST1)。なお、圧力の計測値データは、作業者が圧力計26a,26bの計測値を読み取って、管理制御部30の入力部34から入力しても良い。圧力の計測値データは、計測と同程度の頻度で管理制御部30の入力部34を介してデータベース処理部32に供給され、記録部33のデータベースに格納される。
次に、温度補正差圧算出部31aは、セラミック膜モジュール21に対して被処理水の流れ方向に沿った、上流側の一次側圧力と下流側の二次側圧力との膜ろ過差圧(水逆洗後の初期膜ろ過差圧)を算出する(ステップST2)。算出された膜ろ過差圧のデータは、計測と同程度の頻度で、管理制御部30のデータベース処理部32に供給され、記録部33のデータベースに格納される。
一方、水逆洗を行った後の汚れの影響の少ない状態で、流量計27によってセラミック膜モジュール21に流入する被処理水の流量が計測される。計測された流量は、入力部34を介してデータベース処理部32に供給される(ステップST3)。他方、水逆洗を行った後の汚れの影響の少ない状態において、温度計28によってセラミック膜モジュール21に流入する被処理水の温度が計測され、入力部34を介してデータベース処理部32に供給される(ステップST4)。流量および温度の計測値データは、計測と同程度の頻度で、管理制御部30の入力部34を介してデータベース処理部32に供給され、記録部33のデータベースに格納される。なお、作業者が流量計27や温度計28の計測値を読み取って、流量および温度のそれぞれの計測値データを管理制御部30の入力部34を用いて入力しても良い。以上のステップST1〜ST4は、必ずしも上述した順序に限定されず、ステップST1,ST3,ST4については、並行して行うのが好ましい。
次に、算出部31の温度補正差圧算出部31aは、データベースに格納された所定時点における温度のデータに基づいて、例えば下式の(2)式を用いて、温度t(℃)における被処理水の粘度μ(Pa・s)を算出する。なお、被処理水の粘度μの算出式については、必ずしも(2)式に限定されない。
Figure 0006486732
その後、温度補正差圧算出部31aは、データベースに格納された、温度の計測と同じ所定時点における膜ろ過差圧のデータに対して、算出された粘度μの値に基づいた温度補正を行って、例えば下式の(3)式を用いて温度補正差圧Δpを算出する(ステップST5)。(3)式においてΔP(kPa)は、計測された膜ろ過差圧である。なお、温度補正差圧の算出式については、必ずしも(3)式に限定されない。
Figure 0006486732
算出された温度補正差圧の値は、データベース処理部32によって記録部33のデータベースに格納される(ステップST6)。管理制御部30は、これらの一連のデータベース処理および演算処理を、好適には水逆洗の実施後に毎回行う。これによって、記録部33に温度補正差圧における複数のデータからなるデータベースが作成され、温度補正差圧の経時的な変化のデータが得られる。
その後、管理制御部30における算出部31の補正透過流束算出部31bにより、補正透過流束値の算出が行われる。すなわち、補正透過流束算出部31bは、データベースに格納された所定時点における流量のデータと、同じ所定時点における、算出された温度補正差圧のデータとに基づいて演算処理を行い、セラミック膜モジュール21の補正透過流束値Jvを算出する(ステップST7)。具体的に、補正透過流束算出部31bは、流量のデータと温度補正差圧のデータとに基づいて、例えば下式の(4)式に従った演算処理を行う。
Figure 0006486732
これにより、補正透過流束算出部31bは、補正透過流束値Jvを算出する。この一実施形態において算出される補正透過流束値Jvは、基準温度を25℃として膜ろ過差圧が100kPaの場合の、単位面積当たりかつ1日当たりの透過流量である。なお、Jvは補正透過流束(m/d)、Vは基準流量(m3/d)、Δpは上述の(3)式で求められた温度補正差圧であり、Sはセラミック膜モジュール21の膜面積(m2)であってあらかじめ取得可能な既知の定数である。
補正透過流束算出部31bにより算出された補正透過流束値Jvは、データベース処理部32によって、圧力、流量および温度が計測された所定時点、ここでは経過日と関連付けされて記録部33のデータベースに格納される(ステップST8)。管理制御部30においては、これらの一連のデータベース処理および演算処理を、後の薬品洗浄時期の算出に必要となる所定のデータ数分以上の複数回行われる(ステップST9:No)。これによって、管理制御部30の記録部33に、複数の補正透過流束値のデータからなるデータベースが作成される。
図3は、上述のように算出されて得られた、経過日数に従った補正透過流束のデータを示すグラフである。図3に示すように、補正透過流束は、原水性状の変化が少ない場合は、セラミック膜モジュール21に対する薬品洗浄処理後から長い経過日数を経ても急峻な変化は生じず、直線的で緩やかに減少する。
そして、図2に示すように、記録部33に格納された補正透過流束値のデータ数が所定のデータ数以上になった段階(ステップST9:Yes)で、ステップST10に移行する。ステップST10において算出部31の薬品洗浄時期算出部31cは、所定のデータ数の補正透過流束値に対して、好適な近似法に基づいた近似式を導出する。この一実施形態においては、薬品洗浄時期算出部31cは、例えば薬品洗浄処理を実施した30日後の時点から直近の時点(図3中、データ右端の時点)までの補正透過流束値に対して、例えば最小二乗法により1次近似式を導出する。この1次近似式は、補正透過流束値の時期依存性を示し、図3に示す直線fで表すことができる。
他方、セラミック膜モジュール21に対して薬品洗浄処理を実施すべき状態になるまで膜ろ過処理を行った場合の補正透過流束閾値Jv0を、セラミック膜モジュール21に対する実験などによってあらかじめ測定しておく。そして、薬品洗浄時期算出部31cの演算処理により、図3に示す直線fで表される1次近似式と、あらかじめ測定された補正透過流束閾値Jv0とが交わる点における経過日数Xを算出する(図2中、ステップST11)。そして、薬品洗浄時期算出部31cにより算出された経過日数Xを、薬品洗浄時期の予測日として出力部35に出力する。以上により、管理制御部30は、入力されたデータに対する演算処理によってセラミック膜モジュール21における薬品洗浄処理を行うべき時点を予測することができる。なお、薬品洗浄時期に関しては、セラミック膜モジュール21の使用限界時期として処理することも可能である。
(薬品洗浄時期調整方法)
次に、以上のようにして算出された薬品の洗浄時期に基づいて、複数のセラミック膜モジュールの薬品洗浄時期をそれぞれ調整する調整方法について説明する。図4は、この一実施形態による洗浄時期の調整方法を説明するためのフローチャートである。図5は、この一実施形態による、例えば3台(No.1〜No.3)のセラミック膜モジュール21における図3に対応する補正透過流束の経過日数に従った変化の一例を示すグラフである。
図4に示すように、この一実施形態による時期調整方法においては、まずステップST21において、上述した時期の導出処理を行う。ステップST21は、上述した一実施形態による薬品洗浄時期算出方法である図2に示すステップST1〜ST11の処理である。なお、これらの3台のセラミック膜モジュール21はそれぞれ1台ずつ逆洗洗浄が行われる。すなわち、1台のセラミック膜モジュール21が逆洗洗浄される間、他の2台のセラミック膜モジュール21は稼働状態となる。そして、それぞれのセラミック膜モジュール21において逆洗洗浄後に膜ろ過差圧が計測され、図5に示すように、3台のセラミック膜モジュール21のそれぞれにおいて補正透過流束を算出する。
その後、それぞれのセラミック膜モジュール21において、補正透過流束値の時期依存性を示す例えば1次近似式を導出する。図5に示す直線a,b,cはそれぞれ、No.1〜No.3の3台のセラミック膜モジュール21における、図3に示す直線fに対応する補正透過流束値の時期依存性を示す直線である。また、一方で、3台のセラミック膜モジュール21のそれぞれについて、使用限度まで膜ろ過処理を行った場合における補正透過流束閾値(図3におけるJv0)をあらかじめ導出しておく。なお、これらの補正透過流束のデータや補正透過流束閾値のデータは、図1に示す入力部34によって、データベース処理部32を通じて記録部33に格納される。
続いて、図4に示すステップST22に移行して、ステップST21において導出された時期が、所望の時期であるかの判断が行われる。すなわち、管理制御部30は、ステップST21において導出された時期とあらかじめ設定された時期とのずれが、例えば7日以下、換言すると設定された時期の前後を含めて例えば14日間の範囲内であるか否かを判断する。すなわち、あらかじめ設定された時期に対して、例えば7日ずれた範囲が所望の時期となる。なお、この時期に対する判断処理は、導出された時期が管理制御部30の出力部35から出力された後に、作業者が行うことも可能であり、上述した時期のずれの日数もあくまでも一例であって限定されるものではない。そして、導出した時期が所望の時期である場合(ステップST22:Yes)、時期調整方法の処理は終了する。
(被処理水に対する処理条件の変更)
一方、導出した時期が所望の時期ではなかった場合(ステップST22:No)、ステップST23に移行して、被処理水に対する処理条件の変更が行われる。以下に、この被処理水に対する処理条件の変更について説明する。なお、以下の説明において被処理水は原水も含む。
この一実施形態において被処理水に対する処理は、図1に示す例えば前処理設備10または膜供給ポンプ22aにおいて実行される。すなわち、上述の導出した時期が所望の時期ではなかった場合、セラミック膜モジュール21に供給される被処理水の性状を変化させたり、セラミック膜モジュール21にかかる負荷を変化させたりする必要がある。これらの変化を生じさせるためには被処理水に対する処理条件の変更が必要になる。
(被処理水の流量制御)
具体的には、管理制御部30が膜供給ポンプ22aを制御することにより、セラミック膜モジュール21に供給する被処理水の流量を制御する処理条件の変更制御を行うことが可能である。この場合、例えば3台のセラミック膜モジュール21のそれぞれに供給する被処理水の流量をそれぞれ制御する。具体的に例えば、図5に示すようにNo.1の1台のセラミック膜モジュール21における一次近似式の直線aの傾きが、他のNo.2,No.3のそれぞれのセラミック膜モジュール21における一次近似式の直線b,cの傾きと大きく異なっている場合を想定する。この場合、図5中丸囲み部に示すように、No.1のセラミック膜モジュール21の使用限界時期は、他のセラミック膜モジュール21の使用限界時期から乖離している。そこで、No.1のセラミック膜モジュール21における一次近似式の直線aの傾きが大きくなるように被処理水に対する処理条件を変更する。これにより、No.1〜No.3のセラミック膜モジュール21の使用限界時期を互いに近づけることができる。
すなわち、ステップST23において、No.1のセラミック膜モジュール21に供給する被処理水の流量を増加させて、No.1のセラミック膜モジュール21に対する膜ろ過処理の負荷を大きくする。この処理条件の変更後、図4に示すステップST21に復帰して改めて時期の導出処理を実行する。そして、ステップST21において得られたNo.1のセラミック膜モジュール21における使用限界の時期に基づいて、管理制御部30は、直線aの傾きが大きくなる方に移行したか、または傾きが小さくなる方に移行したかを検出する。管理制御部30は、この直線aの傾きの大きさの変化に応じて、No.1〜No.3のセラミック膜モジュール21の使用限界時期が、相互に近づく方向に膜供給ポンプ22aを制御する。ここでは、No.1のセラミック膜モジュール21に供給する被処理水の流量を増加させる。本発明者の知見によれば、セラミック膜モジュール21に供給する被処理水の流量と、補正透過流束の変化率である一次近似式の直線の傾きの大きさとは、略比例関係にある。そのため、セラミック膜モジュール21に供給する被処理水の流量を例えば0.9倍に減少させると、補正透過流束の変化率も0.9倍になる。この場合、セラミック膜モジュール21の使用限界時期を10%程度延ばすことができる。なお、流量の増減制御は、例えばNo.1〜No.3のセラミック膜モジュール21のそれぞれに対して行うことが可能である。
(pH調整剤の添加量制御)
また、ステップST23における被処理水に対する処理条件の変更としては、前処理設備10の原水槽設備11における被処理水のpHを調整することも可能である。ここで、図6は、処理条件の変更に用いる閉塞物質除去率のpH値依存性の一例を示すグラフである。なお、図6中の閉塞物質除去率として、水質状況を把握するための指標の一つである紫外線吸光度(E260)に基づいて、以下の(5)式から算出される除去率を採用する。この紫外線吸光度(E260)は、水中の有機物濃度と波長260nmの紫外線を吸収する割合によって被処理水中の有機物の量を表す指標である。
閉塞物質除去率=(流入E260−流出E260)/流入E260……(5)
(流入E260:原水槽設備11に流入する被処理水におけるE260、流出E260:原水槽設備11から流出する被処理水におけるE260)
図6に示すように、原水槽設備11における被処理水のpH値を上昇させると、閉塞物質の除去率が減少し、pH値を降下させると閉塞物の除去率が増加する。すなわち、セラミック膜モジュール21に対する負荷を増加させる場合にはpH値を上昇させ、反対に負荷を低減させる場合にはpH値を下降させる。換言すると、原水槽設備11における被処理水のpH値を上昇させると、セラミック膜モジュール21はより閉塞しやすくなり、補正透過流束の減少率である一次近似式の直線a〜cの傾きの大きさは増加する方向に推移する。反対にpH値を降下させると、セラミック膜モジュール21はより閉塞しにくくなり、補正透過流束の減少率が低下して、一次近似式の直線a〜cの傾きの大きさは低下する方向に推移する。
そして、原水槽設備11における被処理水のpH値を上昇させるとともに、No.1のセラミック膜モジュール21に供給する被処理水の流量を増加させると、直線b,cの傾きの変化率に比して、直線aの傾きの変化率が大きくなる。これにより、No.1〜No.3のセラミック膜モジュール21の使用限界時期を互いに近づける方向に制御できる。
以上のようにして、セラミック膜モジュール21の補正透過流束に関する一次近似式の直線a〜cの傾きを制御でき、セラミック膜モジュール21の使用限界の時期や薬品洗浄時期を調整できる。なお、原水槽設備11における被処理水のpHの調整としては、典型的にはpH調整剤としての硫酸(H2SO4)の添加量を増減させることにより行われる。なお、被処理水のpHの調整を水酸化ナトリウム(NaOH)の添加量を調整することで行っても良い。また、適切なpH値の算出は、典型的には管理制御部30により算出されるが、出力された一次近似式による直線に基づいて作業者が行うことも可能である。
(凝集剤の注入量制御)
さらに、ステップST23における被処理水に対する処理条件の変更としては、前処理設備10の原水槽設備11に注入する例えばポリ塩化アルミニウム(PAC)などの凝集剤の注入量を増減させることも可能である。ここで、図7は、処理条件の変更に用いる閉塞物質除去率のPAC添加率依存性の一例を示すグラフである。なお、図7中における閉塞物質除去率は、図6中におけると同様の除去率である。
図7に示すように、原水槽設備11における被処理水に対するPACの添加率を増加させると、閉塞物質の除去率が増加し、反対にPACの添加率を減少させると閉塞物の除去率が減少する。すなわち、セラミック膜モジュール21に対する負荷を増加させる場合には凝集剤(PAC)の注入量を減少させ、反対に負荷を低減させる場合には凝集剤(PAC)の注入量を増加させる。換言すると、原水槽設備11における被処理水に対するPACの添加率を減少させると、セラミック膜モジュール21はより閉塞しやすくなり、補正透過流束の減少率である直線a〜cの傾きの大きさが増加する方向に推移する。反対にPACの添加率を増加させると、セラミック膜モジュール21はより閉塞しにくくなり、補正透過流束の減少率が低下して、直線a〜cの傾きの大きさが低下する方向に推移する。
そして、原水槽設備11の被処理水に対するPACの添加率を減少させるとともに、No.1のセラミック膜モジュール21に供給する被処理水の流量を増加させると、直線b,cの傾きの大きさの変化率に対して、直線aの傾きの大きさの変化率が大きくなる。これにより、No.1〜No.3のセラミック膜モジュール21の使用限界時期を互いに近づける方向に制御できる。
また、この一実施形態において、凝集剤としてPACを用いたが、PAC以外の例えば高塩基度PACやポリマーなどの凝集剤を単独または混合させて添加しても良く、必ずしもPACに限定されない。凝集剤の種類に応じて、図7に示すグラフに代わる閉塞物質除去率の凝集剤添加率依存性が採用される。すなわち、被処理水に対する処理条件の変更として、セラミック膜モジュール21の上流側に設置された、原水槽設備11の被処理水に添加する凝集剤の種類の変更を採用することも可能である。この場合、管理制御部30が、凝集剤の種類の変更に対して直線a〜cの傾きの大きさがどのように変化するかを検出して算出する。そして、この算出結果に基づいて、No.1〜No.3のセラミック膜モジュール21の使用限界時期が互いに近づく方向に、凝集剤の種類を変更する。
以上のようにして、セラミック膜モジュール21の補正透過流束に関する一次近似式の直線a〜cの傾きを制御でき、セラミック膜モジュール21の使用限界の時期や薬品洗浄時期を調整できる。なお、原水槽設備11における凝集剤の添加率の算出は、典型的には管理制御部30により算出されるが、導出された一次近似式による直線に基づいて作業者が行うことも可能である。
以上のステップST21〜ST23は、所望の時期が導出されるまで繰り返し実行される。また、流量の制御、pHの調整制御、および凝集剤の注入量の制御については、それぞれ独立に行うことが可能であるが、それぞれの制御を相互に関連付けて実行することも可能である。また、例えば線形計画法等の方法によって、pH調整剤の添加量や凝集剤の注入量をそれぞれ、使用するpH調整剤および凝集剤の合計コストが小さくなるように調整するのが好ましい。以上により、この一実施形態による時期調整方法が行われる。
以上説明した一実施形態によれば、セラミック膜モジュール21に対して薬品洗浄処理を実施すべき時点(日時)、すなわち使用限界時期を算出することができ、薬品洗浄時期を精度良く予測することができる。そのため、算出された使用限界時期に応じて、セラミック膜モジュール21の上流側における被処理水に対する処理条件を変更して、セラミック膜モジュール21の使用限界時期を調整することができる。これにより、膜ろ過装置を構成する複数のセラミック膜モジュール21、好適には全てのセラミック膜モジュール21を略同時期に使用限界に到達させることができるので、薬品洗浄処理に要するコストを低減できる。
さらに、薬品洗浄時期を前倒しで行っているような場合に、セラミック膜モジュール21の上流側における被処理水に対する処理として、次のような対応を行うことができるという利点がある。すなわち、第1に、薬品洗浄処理に要する人員の確保や、薬品の手配などの処理を、余裕を持って行うことができる。特に、1か月前程度で急に薬品洗浄を実行するために必要な人員を招集するのは困難であるため、例えば2か月前から薬品洗浄処理の時期を計画できるという利点がある。第2に、セラミック膜モジュール21の使用を延長、すなわち使用を延命化させるための処理を早期に行うことができる。これにより、薬品洗浄処理の頻度を低減することができるので、セラミック膜モジュール21に対する薬品洗浄処理をさらに低コスト化できる。
以上、本発明の一実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の一実施形態において挙げた数値、日数はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値、日数を用いても良い。
例えば上述した一実施形態においては、計測を日ごとに行っており、所定の時点の間隔を1日としているが、計測を数時間ごとにしたり数日ごとにしたりすることも可能である。すなわち、所定の時点の間隔を数時間から複数日とすることが可能である。
例えば上述した一実施形態においては、近似式として、最小二乗法により導出した1次近似式を採用しているが、必ずしも最小二乗法による1次近似式に限定されるものではなく、種々の適切な近似方法によって導出された種々の近似を採用することができる。例えば、線形近似、対数近似、多項式近似、指数近似、および移動平均などの種々の近似を採用することが可能である。
また、例えば上述の一実施形態においては、導出する時期として薬品洗浄時期を導出しているが、必ずしも薬品洗浄時期に限定されるものではない。導出する時期として、セラミック膜モジュール21の使用限界時期を導出することも可能であり、補正透過流束閾値の設定に応じて、種々の時期を導出して調整することが可能である。
また、上述の一実施形態においては、No.1のセラミック膜モジュール21の使用限界時期を、No.2およびNo.3のセラミック膜モジュール21の使用限界時期に近づける場合について説明したが、必ずしもこれに限定されない。反対に、No.2およびNo.3のセラミック膜モジュール21の使用限界時期を、No.1のセラミック膜モジュール21の使用限界時期に近づけるように制御しても良い。すなわち、上述した補正透過流束の減少率の制御方法に基づいて、単一または複数のセラミック膜モジュール21から、所望とするセラミック膜モジュール21の使用限界時期を制御することが可能である。
また、上述の一実施形態においては、閉塞物質除去率の指標として、紫外線吸光度(E260)を採用しているが、必ずしも紫外線吸光度に限定されるものではなく、バイオポリマーなどを指標とすることも可能である。すなわち、以下の(6)式から算出される除去率を採用することも可能である。
閉塞物質除去率=(流入バイオポリマー濃度−流出バイオポリマー濃度)/流入バイオポリマー濃度……(6)
(流入バイオポリマー濃度:原水槽設備11に流入する被処理水中のバイオポリマーの濃度、流出バイオポリマー濃度:原水槽設備11から流出する被処理水中のバイオポリマー濃度)
1 浄水場
10 前処理設備
11 原水槽設備
12 攪拌機
13 撹拌翼
20 ろ過設備
21 セラミック膜モジュール
22a 膜供給ポンプ
22b 逆洗供給ポンプ
22c 薬品循環ポンプ
23a 空気圧縮機
23b 空気槽
24 逆洗水槽
25 薬品貯留槽
26a,26b 圧力計
27 流量計
28 温度計
30 管理制御部
31 算出部
31a 温度補正差圧算出部
31b 補正透過流束算出部
31c 薬品洗浄時期算出部
32 データベース処理部
33 記録部
34 入力部
35 出力部

Claims (7)

  1. 被処理水をろ過する膜ろ過手段に対して前記被処理水の流れ方向に沿った上流側および下流側の圧力を計測する圧力計測ステップと、
    前記膜ろ過手段に流入する前記被処理水の流量を計測する流量計測ステップと、
    前記膜ろ過手段に流入する前記被処理水の温度を計測する温度計測ステップと、
    所定の時点における、前記圧力計測ステップにおいて計測された圧力、前記流量計測ステップにおいて計測された流量、および前記温度計測ステップにおいて計測された温度に基づいて、前記所定の時点ごとに補正透過流束値を算出する補正透過流束算出ステップと、
    前記補正透過流束算出ステップにおいて算出された複数の前記所定の時点における補正透過流束値を、前記所定の時点ごとに関連付けて記録手段に格納する記録ステップと、
    前記記録手段に格納された複数の前記所定の時点における補正透過流束値のうち、最後に洗浄処理を実施してから所定日数後の時点から直近の時点までの補正透過流束値に対して、補正透過流束値の時期依存性を示す一次近似式を導出し、当該一次近似式とあらかじめ設定された前記膜ろ過手段における補正透過流束値のしきい値とから、前記膜ろ過手段の使用限界時期を算出する洗浄時期算出ステップと、
    前記膜ろ過手段の上流側における前記被処理水に対する処理条件を変更することにより、前記一次近似式の傾きを調整して、前記膜ろ過手段の使用限界時期を調整する制御ステップと、を含み、
    前記膜ろ過手段が複数存在する場合における前記制御ステップは、あらかじめ算出された、それぞれの膜ろ過手段に上流側における被処理水に対する処理条件を変更することによる、それぞれの前記一次近似式の傾きの大きさがどのように変化するかの結果に基づいて、前記洗浄時期算出ステップにより算出されることとなるそれぞれの前記一次近似式の傾きの大きさが、それぞれの前記膜ろ過手段の前記使用限界時期を互いに近づける大きさになるように、それぞれの前記膜ろ過手段の上流側における前記被処理水に対する処理条件をそれぞれ変更するものであることを特徴とする時期調整方法。
  2. 前記被処理水に対する処理条件の変更は、前記複数の膜ろ過手段に通水させる前記被処理水の流量の制御であることを特徴とする請求項1に記載の時期調整方法。
  3. 前記被処理水に対する処理条件の変更は、前記被処理水のpHを調整する薬品の添加量の制御であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の時期調整方法。
  4. 前記被処理水に対する処理条件の変更は、前記被処理水に添加する凝集剤の量の制御であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の時期調整方法。
  5. 前記被処理水に対する処理条件の変更は、前記被処理水に添加する凝集剤の種類の変更であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の時期調整方法。
  6. 前記凝集剤は、ポリ塩化アルミニウム、高塩基度ポリ塩化アルミニウム、またはポリマーであることを特徴とする請求項またはに記載の時期調整方法。
  7. 被処理水をろ過する膜ろ過手段に対して前記被処理水の流れ方向に沿った上流側および下流側の圧力を計測する圧力計測手段と、
    前記膜ろ過手段に流入する前記被処理水の流量を計測する流量計測手段と、
    前記膜ろ過手段に流入する前記被処理水の温度を計測する温度計測手段と、
    所定の時点における、前記圧力計測手段により計測された圧力、前記流量計測手段により計測された流量、および前記温度計測手段により計測された温度に基づいて、前記所定の時点ごとの補正透過流束値を算出する補正透過流束値算出手段と、
    記算出手段により算出された複数の前記所定の時点における補正透過流束値を前記所定の時点ごとに関連付けて格納する記録手段と、
    記記録手段に格納された複数の前記所定の時点における補正透過流束値のうち、最後に洗浄処理を実施してから所定日数後の時点から直近の時点までの補正透過流束値に対して、補正透過流束値の時期依存性を示す一次近似式を導出し、当該一次近似式とあらかじめ設定された前記膜ろ過手段における補正透過流束値のしきい値とから、前記膜ろ過手段の使用限界時期を算出する洗浄時期算出手段と、
    前記膜ろ過手段の上流側における前記被処理水に対する処理条件を変更制御することにより、前記一次近似式の傾きを調整して、前記膜ろ過手段の前記使用限界時期を調整する制御手段と、を備え、
    前記膜ろ過手段が複数存在する場合における前記制御手段は、あらかじめ算出された、それぞれの膜ろ過手段に上流側における被処理水に対する処理条件を変更することによる、それぞれの前記一次近似式の傾きの大きさがどのように変化するかの結果に基づいて、 前記洗浄時期算出手段により算出されることとなるそれぞれの前記一次近似式の傾きの大きさが、それぞれの前記膜ろ過手段の前記使用限界時期を互いに近づける大きさになるように、それぞれの前記膜ろ過手段の上流側における前記被処理水に対する処理条件をそれぞれ変更するものである
    ことを特徴とする時期調整装置。
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