JP6485256B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍サイクル装置に関するものである。
従来、冷凍サイクルにおいて、膨張弁の開度を調整することで、凝縮器出口の冷媒の過冷却度(サブクール)を過冷却目標値(目標温度)に近づけるようサブクール制御を実施するようにしたものが広く知られている(例えば、特許文献1参照)。このような冷凍サイクルでは、凝縮器出口の冷媒のサブクールを最適値に設定することで、エネルギー効率を向上することが可能となる。
特開平5−106940号公報
上記したようなサブクール制御を行う冷凍サイクルでは、凝縮器出口の冷媒のサブクールを検知し、このサブクールを過冷却目標値に近づけるようフィードバック制御を実施している。
しかし、このような冷凍サイクルでは、例えば、暖房モードでシステムを始動する場合や設定温度が高温に変更された場合など、一時的に凝縮器から流出した冷媒が気液二相状態となる場合がある。このように、凝縮器から流出した冷媒が気液二相状態になると、サブクール=0℃として検知され、膨張弁の適正な操作量を決定することができなくなってしまう。
このため、このような冷凍サイクルでは、サブクール=0℃として検知されているときに、膨張弁の操作量を一定値に設定してサブクールが目標値に近づくようフィードバック制御するようにしている。しかし、膨張弁の操作量を小さく設定した場合、サブクールが目標値に到達するまでに長い時間がかかり、その間のエネルギー損失が多くなってしまう。また、膨張弁の操作量を大きく設定した場合、サブクールのオーバーシュートやハンチングが生じ、空調風に温度ムラが発生するため乗員に不快感を与えてしまう。
本発明は上記問題に鑑みたもので、乗員の快適性を向上しつつエネルギー効率の向上を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、圧縮機から吐出された冷媒を放熱させる凝縮器(12)と、電気的に弁開度が調整され、凝縮器から流出した冷媒を減圧させる膨脹弁(13)と、膨脹弁にて減圧された冷媒を蒸発させて吸熱する蒸発器(14)と、凝縮器出口の冷媒の過冷却度を検知する過冷却度検知手段(S100)と、過冷却度検知手段により検知された凝縮器出口の冷媒の過冷却度を過冷却目標値に近付けるよう膨脹弁の弁開度を制御する膨脹弁制御手段(S106)と、を備える。さらに、凝縮器出口の冷媒の乾き度に相関する物理量を検知する物理量検知手段(S101)と、物理量検知手段によって検知検出された物理量に基づいて過冷却度検知手段により検知された凝縮器出口の冷媒の過冷却度を補正する補正手段(S102)と、を備えたことを特徴としている。
このような構成によれば、凝縮器出口の冷媒の乾き度に相関する物理量を検知し、この物理量に基づいて凝縮器出口の冷媒の過冷却度が補正される。すなわち、凝縮器出口の冷媒が気液二相状態のときに、凝縮器出口の冷媒の乾き度に相関する物理量に基づいて凝縮器出口の冷媒の過冷却度が補正され、この補正された過冷却度を過冷却目標値に近付けるよう膨脹弁の弁開度が制御されるので、速やかにエネルギー効率の良好な過冷却状態にすることができ、エネルギー効率の向上を図ることができる。また、過冷却度のオーバーシュートやハンチングが低減されるので、乗員の快適性を向上することもできる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の一実施形態に係る冷凍サイクル装置の構成を示す図である。 冷媒の乾き度が大きい状態からサブクール制御を実施した場合の冷媒の状態を示したモリエル線図である。 冷媒の乾き度が図2に示した状態よりも小さい状態からサブクール制御を実施した場合の冷媒の状態を示したモリエル線図である。 図2に示した状態の冷媒の温度変化と図3に示した状態の冷媒の温度変化の応答特性を示した図である。 温度特性の傾きに説明するための図である。 制御装置のフローチャートである。 冷媒が過冷却状態になった場合の冷媒の状態を示したモリエル線図である。 サブクール=0℃として検知されているときに、膨張弁の操作量を一定値に設定してサブクール制御を実施したときの過冷却度と膨張弁開度の応答特性を示した比較例である。 サブクール=0℃として検知されているときに、膨張弁の操作量を一定値に設定してサブクール制御を実施したときの過冷却度と膨張弁開度の応答特性を示した比較例である。 本発明の制御装置によるサブクール制御の過冷却度と膨張弁開度の応答特性を示した図である。
本発明の一実施形態に係る冷凍サイクル装置10の構成を図1に示す。本冷凍サイクル装置10は、走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得る電気自動車やハイブリッド自動車の車両用空調装置に搭載されている。この冷凍サイクル装置10は、車室内の空調(冷房および暖房)を行うものである。
本冷凍サイクル装置10は、圧縮機11、凝縮器12、膨張弁13、蒸発器14、制御装置50、冷媒温度センサ51、冷媒圧力センサ52等を備えている。圧縮機11、凝縮器12、膨張弁13および蒸発器14は、配管を介して、順に接続されている。
冷凍サイクル装置10を循環する熱媒体すなわち冷媒としては、フロン系冷媒(例えば、R134a)が採用されている。この冷凍サイクル装置10は、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界サイクルである。
圧縮機11は、エンジンルーム(図示略)内に配置されて、冷凍サイクル装置10において冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものであり、図示しない圧縮機構を図示しない電動モータにて駆動する電動圧縮機である。電動圧縮機としては、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用することができる。電動モータは、図示しないインバータから出力される交流電流によってその作動が制御される交流モータである。圧縮機11は、制御装置50から出力される制御信号により、その作動が制御される。
凝縮器12は、エンジンルーム内に配置されて、内部を流通する冷媒と、図示しない送風機から送風された外気とを熱交換させることにより、圧縮機11吐出冷媒を放熱凝縮させる放熱器である。
膨張弁13は、電気的に弁開度が調整され、凝縮器12から流出した冷媒を減圧させる減圧器である。この膨張弁13は、凝縮器12と蒸発器14の間の冷媒通路20の通路開度(絞り開度)を変更可能に構成された弁体と、この弁体の絞り開度を変化させるステッピングモータからなる電動アクチュエータとを有して構成される電気式の可変絞り機構である。この電動アクチュエータは、制御装置50から出力される制御信号により、その作動が制御される。
蒸発器14は、膨張弁13にて減圧膨張された冷媒を蒸発させて、冷媒に吸熱作用を発揮させるものである。
冷媒温度センサ51は、凝縮器12から流出した冷媒の温度を検出するものであり、検出された冷媒の温度を示す信号を制御装置50へ出力する。冷媒温度センサ51は、凝縮器出口の配管の外側に設けられ、凝縮器出口の配管の温度を検出する。また、冷媒圧力センサ52は、凝縮器12から流出した冷媒の圧力を検出するものであり、検出した冷媒の温度を示す信号を制御装置50へ出力する。
制御装置50は、CPU、記憶手段を構成するROM、RAM、EEPROM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算処理を行い、接続された各種機器の作動を制御する。
本冷凍サイクル装置10の制御装置50は、過冷却度(サブクール)SCを検知し、この過冷却度を過冷却目標値に近づけるようサブクール制御を実施する。ここで、サブクール制御について説明する。
サブクール制御では、まず、凝縮器12から流出した冷媒の過冷却度(サブクール)SCを検知する。本実施形態の過冷却度SCは、現在の液相冷媒の温度と同一の圧力の飽和液状態の冷媒との温度差で定義される。具体的には、凝縮器12から流出した冷媒の飽和温度Tp(n)と凝縮器12から流出した冷媒の温度Ts(n)に基づき、以下に示す数式1を用いて凝縮器12から流出した冷媒の過冷却度(サブクール)SCを算出する。
(数1)
SC=Tp(n)−Ts(n)
なお、冷媒の飽和温度Tp(n)は、冷媒圧力センサ52により検出される圧力、すなわち凝縮器12から流出した冷媒の圧力から記憶手段に予め記憶されたマップを参照して決定される。また、冷媒の温度Ts(n)は、冷媒温度センサ51により検出される温度、すなわち凝縮器12から流出した冷媒の温度である。
液相冷媒の状態では、数式1を用いて冷媒の過冷却度SCを検知することができるため膨張弁の適正な操作量を決定することが可能である。しかし、圧縮機11が作動を開始してから凝縮器12から流出した冷媒が液相冷媒となるまでの間、凝縮器12から流出した冷媒は気相冷媒と液相冷媒が混在した状態(気液二相状態)となる。この気液二相状態では、過冷却度=0として検知され、冷媒の状態量を特定することができなくなり、膨張弁の適正な操作量を決定することができなくなる。なお、冷媒の状態量(乾き度)を計測することができれば膨張弁の適正な操作量を決定することも可能であるが、冷媒の乾き度は容易に計測することはできない。ここで、乾き度とは、気液二相の流体のうち気相部分が占める質量割合である。
そこで、本実施形態では、冷媒の乾き度に相関する物理量として冷媒温度の変化速度を求め、この冷媒温度の変化速度に基づいて冷媒の過冷却度SCを補正する。
ここで、冷媒の乾き度と冷媒温度センサ51で検出される冷媒温度の時間変化の関係について説明する。図2は、冷媒の乾き度が大きい状態からサブクール制御を実施した場合の冷媒の状態を示したモリエル線図である。また、図3は、冷媒の乾き度が図2に示した状態よりも小さい状態からサブクール制御を実施した場合の冷媒の状態を示したモリエル線図である。図4は、圧縮機11が作動を開始してから所定時間が経過した後に、冷媒温度センサ51で検出される冷媒の温度の時間変化を示した図である。図4には、飽和温度の時間変化(温度特性G1)、図2に示した状態の冷媒の温度変化(温度特性G2)および図3に示した状態の冷媒の温度変化の応答特性(温度特性G3)が示されている。
図2に示すように、冷媒の乾き度が大きい状態からサブクール制御を実施した場合、図4の温度特性G2に示すように冷媒の温度が変化する。また、図3に示すように、冷媒の乾き度が大きい状態からサブクール制御を実施した場合、図4の温度特性G3に示すように冷媒の温度が変化する。
なお、図4中おいて、温度特性G1は、後述する飽和温度の時間変化である。温度特性G1は、冷媒圧力センサ52を用いて検出した冷媒圧力からマップを参照して特定した飽和温度の時間変化である。また、図4中おいて、温度特性G2、G3は、冷媒温度センサ51の検出値である。
ここで、図5に示すように、例えば、温度特性G2の傾きは、時刻tにおける温度をTs(n)、時刻tn−1における温度をTs(n−1)とすると、(Ts(n)−Ts(n−1))/(t−tn−1)として求めることができる。
冷媒圧力センサ52は冷媒温度センサ51よりも応答速度が速いため、冷媒圧力センサ52の出力値に基づいて特定される温度特性G1の傾きは大きくなっている。これに対し、冷媒温度センサ51は冷媒圧力センサ52よりも応答速度が遅いため温度特性G2、G3は、温度特性G1よりも傾きが小さくなっている。
図4に示されるように、温度特性G2と温度特性G3は変化速度が異なっている。これは、乾き度に応じて冷媒温度センサ51により検出される温度の変化速度が異なることを意味する。具体的には、冷媒の乾き度が大きい状態からサブクール制御を実施した場合に冷媒温度センサ51により検出される冷媒の温度の変化速度は、冷媒の乾き度がより小さい状態からサブクール制御を実施した場合に冷媒温度センサ51により検出される冷媒の温度の変化速度よりも大きくなる。
本実施形態では、冷媒の乾き度に相関する物理量として冷媒温度の変化速度を求め、この冷媒温度の変化速度に基づいて冷媒の過冷却度SCを補正する。具体的には、以下に示す数式2を用いて冷媒の過冷却度SCを補正する。
(数2)
SC=Tp(n)−Ts(n)−α(Ts(n)−Ts(n−1))
ここで、右辺に含まれるTs(n)−Ts(n−1)は、冷媒の温度の変化量(変化速度)を表している。また、αは、定数であり評価により最適な値に設定される。なお、適正なαは、冷媒温度センサ51の熱容量等によって変化するため、膨張弁13に与える影響等を考慮して決定する。右辺に含まれる補正項=−α(Ts(n)−Ts(n−1))は、過冷却が発生するまでの余裕度を表している。なお、過冷却度と乾き度は次元が違う物理量であるが、定数αを用いて冷媒の過冷却度を負の値とみなすようにしている。
冷媒が気液二相状態のとき、右辺に含まれる補正項=−α(Ts(n)−Ts(n−1))は、乾き度に応じた負の値となる。なお、冷媒が気液二相状態のとき、Tp(n)−Ts(n)=0となるため、上記数式2の右辺は、全体として乾き度に応じた負の値となる。
また、冷媒が飽和液状態のときには、右辺に含まれる補正項=−α(Ts(n)−Ts(n−1))は、右辺に含まれるTp(n)−Ts(n)と等しくなる。このため、上記数式2の右辺は、全体として0となる。
また、図4の温度特性G2は温度特性G3に示されるように、時間の経過に伴って、温度特性G2、G3の変化速度(傾き)はそれぞれ0となる。このように温度特性G2、G3の変化速度(傾き)が0になると、右辺に含まれる補正項=−α(Ts(n)−Ts(n−1))は0となる。このため、サブクールが発生した状態(過冷却状態)になると、右辺に含まれる補正項=−α(Ts(n)−Ts(n−1))は、過冷却度SCの値に影響しなくなる。
このように、冷媒温度の変化速度に基づいて冷媒の過冷却度SCを補正すると、次に、過冷却目標値TSCと過冷却度SCとの偏差ΔSCを算出する。偏差ΔSCは、以下の数式3を用いて算出することができる。
(数3)
ΔSC=TSC−SC
次に、偏差に基づいて膨張弁13の膨張弁操作量を決定し、この膨張弁操作量にしたがって膨張弁13の絞り開度を調整する。なお、膨張弁操作量は、過冷却目標値TSCと過冷却度SCとの偏差ΔSCを変数とする関数f(ΔSC)を用いて決定する。
以下、制御装置50のサブクール制御における処理について図6に示すフローチャートを用いて説明する。制御装置50は、圧縮機11が作動を開始して所定の基準時間が経過すると、図6に示す処理を実施する。なお、各図面のフローチャートにおける各制御ステップは、制御装置50が有する各種の機能実現手段を構成している。
まず、図2のS100では、制御装置50は、凝縮器12から流出した冷媒の過冷却度SCを検知する。具体的には、上記したように冷媒の飽和温度Tp(n)と凝縮器12から流出した冷媒の温度Ts(n)を特定し、冷媒の飽和温度Tp(n)と冷媒の温度Ts(n)から上記数式1を用いて冷媒の過冷却度(サブクール)SCを検知する。なお、制御装置50は、冷媒温度センサ51により検出された冷媒の温度Ts(n)をRAMに記憶させる。
次のS101では、制御装置50は、凝縮器12出口の冷媒の乾き度に相関する物理量として凝縮器12出口の冷媒の温度の変化速度を検知する。具体的には、上記数式2におけるTs(n)−Ts(n−1)を算出する。ここで、上記数式2におけるTs(n−1)は前回のS110で決定した冷媒の温度であり、RAMから読み出すことができる。また、Ts(n)は今回のS110で決定した冷媒の温度である。
次のS102では、以下の数式2により冷媒の過冷却度SCを補正する。具体的には、以下に示す数式2を用いて冷媒の過冷却度SCを補正する。具体的には、上記した数式2を用いて冷媒の過冷却度SCを補正する。
このように、冷媒の乾き度に相関する物理量として冷媒温度の変化速度を求め、この冷媒温度の変化速度に基づいて冷媒の過冷却度SCを補正する。
次のS104では、上記した数式3を用いて過冷却目標値TSCと過冷却度SCとの偏差ΔSCを算出する。
次のS106では、S104で算出した偏差ΔSCに基づいて膨張弁13の膨張弁操作量を決定し、この膨張弁操作量にしたがって膨張弁13の絞り開度を調整する。なお、膨張弁操作量は、過冷却目標値TSCと過冷却度SCとの偏差ΔSCを変数とする関数f(ΔSC)を用いて決定する。
次のS108では、一定時間(例えば、1秒)が経過したか否かを判定する。ここで、一定時間が経過してない場合、S108の判定はNOとなり、S108の判定が繰り返される。
また、一定時間が経過すると、S108の判定はYESとなり、S100へ戻り、上記した処理が繰り返し実施される。
図7は、凝縮器12の出口冷媒が過冷却状態になった場合の冷媒の状態を示したモリエル線図である。このように、凝縮器12の出口冷媒が過冷却状態になると、上記数式2の右辺の補正項=−α(Ts(n)−Ts(n−1))が0となり、過冷却度SC=Tp(n)−Ts(n)として過冷却度が特定される。そして、この過冷却度SCを過冷却目標値TSCに近づけるようサブクール制御が継続される。
図8、図9は、サブクール=0℃として検知されているときに、膨張弁の操作量を一定値に設定してサブクールが目標値に近づくようフィードバック制御するようにした比較例である。
図8は、膨張弁の操作量を小さく設定した場合の過冷却度と膨張弁開度の応答特性を示した図である。(a)は、過冷却度の応答特性を示しており、(b)は、膨張弁開度の応答特性を示している。
このように、膨張弁の操作量を小さく設定した場合、過冷却度が過冷却目標値に到達するまでに長い時間がかかり、その間のエネルギー損失が多くなってしまう。
図9は、膨張弁の操作量を大きく設定した場合の過冷却度と膨張弁開度の応答特性を示した図である。(a)は、過冷却度の応答特性を示しており、(b)は、膨張弁開度の応答特性を示している。
このように、膨張弁の操作量を大きく設定した場合、過冷却度のオーバーシュートやハンチングが生じ、空調風に温度ムラが発生するため乗員に不快感を与えてしまう。
図10は、本実施形態のサブクール制御によるシステム始動時の過冷却度と膨張弁開度の応答特性を示した図である。(a)は、過冷却度の応答特性を示したものであり、(b)は、膨張弁13の絞り開度の応答特性を示したものである。
図9に示すように、本実施形態のサブクール制御では、システム始動時の気液二相状態のときに補正により過冷却度が負の値となり、比較的速やかに正の一定値に近づき、膨張弁13の絞り開度も速やかに最適な開度に調整される。このように、過冷却度が速やかに過冷却目標値に近付くので、エネルギー効率を向上することができる。また、過冷却度のオーバーシュートやハンチングが抑制されるので、乗員に不快感を低減することもできる。
上記した構成によれば、凝縮器12出口の冷媒の乾き度に相関する物理量を凝縮器12出口の冷媒の温度の変化速度として検知し、この冷媒の温度の変化速度に基づいて凝縮器12出口の冷媒の過冷却度が補正される。すなわち、凝縮器12出口の冷媒が気液二相状態のときに、凝縮器12出口の冷媒の乾き度に相関する冷媒の温度の変化速度に基づいて凝縮器12出口の冷媒の過冷却度が補正され、この補正された過冷却度を過冷却目標値に近付けるよう膨脹弁13の弁開度が制御されるので、速やかにエネルギー効率の良好な過冷却状態にすることができ、エネルギー効率の向上を図ることができる。また、過冷却度のオーバーシュートやハンチングが低減されるので、乗員の快適性を向上することもできる。
また、本冷凍サイクル装置は、凝縮器12出口の冷媒が気液二相状態のとき、過冷却度検知手段により検知された凝縮器出口の冷媒の過冷却度を負の値とみなすように補正することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
(1)上記実施形態では、凝縮器12から流出する冷媒の乾き度に相関する物理量として冷媒温度の変化速度を求め、この冷媒温度の変化速度に基づいて冷媒の過冷却度SCを補正するようにしたが、例えば、凝縮器12から流出する冷媒の乾き度を計測する乾き度センサを用いることが可能であれば、乾き度センサの計測値を用いて冷媒の過冷却度SCを補正するようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、凝縮器12から流出する冷媒の乾き度に相関する物理量として、冷媒温度センサ51にて検出された、凝縮器12から流出した冷媒が流れる配管の外側の温度を検出し、この冷媒が流れる配管の外側の温度の変化速度を求め、この冷媒温度の変化速度に基づいて冷媒の過冷却度SCを補正するようにしたが、例えば、凝縮器12から流出する冷媒の乾き度に相関する物理量として、凝縮器12から流出する冷媒の温度を直接検出し、この冷媒の温度の変化速度に基づいて冷媒の過冷却度SCを補正するようにしてもよい。また、凝縮器12から流出する冷媒の乾き度に相関する物理量に基づいて凝縮器12から流出する冷媒から冷媒温度センサへの熱伝達率を求め、この熱伝達率から冷媒の乾き度を推定し、この冷媒の乾き度で冷媒の過冷却度SCを補正するようにしてもよい。なお、凝縮器12から流出した冷媒が流れる配管の外側の温度を検出するセンサを備えた場合には、乾き度に応じて凝縮器12から流出した冷媒から配管への熱伝達率が変化することにより、センサで検出される冷媒温度の変化速度が変化することになり、凝縮器12から流出した冷媒の温度を直接検出するセンサを備えた場合には、乾き度に応じて凝縮器12から流出した冷媒からセンサへの熱伝達率が変化することにより、センサで検出される冷媒温度の変化速度が変化することになる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、S100が過冷却度検知手段に相当し、S106が膨脹弁制御手段に相当し、凝縮器出口の冷媒の乾き度に相関する物理量を検知する物理量検知手段に相当し、S102が補正手段に相当し、冷媒温度センサ51が温度検出手段に相当する。
10 冷凍サイクル装置
11 圧縮機
12 凝縮器
13 膨張弁
14 蒸発器
50 制御装置
51 冷媒温度センサ
52 冷媒圧力センサ

Claims (3)

  1. 冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を放熱させる凝縮器(12)と、
    電気的に弁開度が調整され、前記凝縮器から流出した冷媒を減圧させる膨脹弁(13)と、
    前記膨脹弁にて減圧された冷媒を蒸発させて吸熱する蒸発器(14)と、
    前記凝縮器出口の冷媒の過冷却度を検知する過冷却度検知手段(S100)と、
    前記過冷却度検知手段により検知された前記凝縮器出口の冷媒の過冷却度を過冷却目標値に近付けるよう膨脹弁の弁開度を制御する膨脹弁制御手段(S106)と、
    前記凝縮器出口の冷媒の乾き度に相関する物理量を検知する物理量検知手段(S101)と、
    前記物理量検知手段によって検知された前記物理量に基づいて前記過冷却度検知手段により検知された前記凝縮器出口の冷媒の過冷却度を補正する補正手段(S102)と、を備えたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 前記物理量検知手段は、前記凝縮器出口の冷媒の温度を検出する温度検出手段(51)を有し、前記温度検出手段により検出された前記凝縮器出口の冷媒の温度の変化速度を前記物理量として検知することを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記補正手段は、前記凝縮器出口の冷媒が気液二相状態のとき、前記過冷却度検知手段により検知された前記凝縮器出口の冷媒の過冷却度を負の値とみなすように補正することを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。
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